説明

磁性ワイヤー付与装置および方法

【課題】
既に製造された用紙に対して、必要に応じて、用紙の任意の場所にワイヤーを挿入することができる磁性ワイヤー付与装置を提供する。
【解決手段】
ワイヤー付与装置37において、磁性ワイヤー62が接着されたワイヤーテープ52はワイヤーテープ巻きつけリール兼移動タイヤ54から供給されワイヤーテープ巻取り軸53に巻き取られ、ワイヤーカッター48でワイヤーテープ52上の磁性ワイヤー62が所定の長さに切断され、用紙切り込み刃56によって用紙14に切り込みが形成され、ワイヤーカッター48で所定の長さに切断されて形成される磁性ワイヤー片である磁性ワイヤー82が用紙切り込み刃56によって形成された用紙14の切り込み部上に移動され、切り込み部上に移動された磁性ワイヤー82がワイヤー押さえ兼接着シャフト58によって用紙14の切り込み部内部に接着される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙に磁性ワイヤーを挿入する磁性ワイヤー付与装置および方法に関し、特に、既に製造された用紙に対して、必要に応じて、用紙の任意の場所に磁性ワイヤーを挿入することでセキュリティ用紙を形成することができる磁性ワイヤー付与装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カラー複写機の精度向上に伴って、当該複写機を使用して有価証券等を偽造することが社会問題となっている。
【0003】
これを防止する技術として、用紙にセキュリティスレッド等の特性を付与して、偽造防止用紙を作成する技術がある。
【0004】
例えば、特許文献1では、二層以上の紙層で構成され、円網抄紙機によって用紙を製造する際に、最外部に位置する紙層とその下に位置する紙層の間にセキュリティスレッドを挿入することでカラー複写機による偽造を防止することができる偽造防止用紙が提供されている。
【0005】
また、特許文献2では、長網抄紙機をもちいて、セキュリティスレッドを紙層中の所定の位置に反転やねじれを生じることなく挿入したセキュリティスレッド入り用紙及びその製造方法並びにその製造装置が提供されている。
【0006】
また、特許文献3においても、円網抄紙機を使用して用紙を製造する際に、紙層間にセキュリティスレッドを挿入して製造する偽造防止用紙の製造方法が提案されている。
【0007】
また、特許文献4においては、用紙基材の紙層間に、磁性ワイヤーが漉き込まれた状態でなる万引き防止用ワイヤーが漉き込まれた用紙が提供されている。
【特許文献1】特開平8−311800号公報
【特許文献2】特開2001−131897号公報
【特許文献3】特開平11−034474号公報
【特許文献4】特開2002−317398号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1及至4によって提供されている技術では、円網抄紙機や長網抄紙機を使用して抄紙する際に、セキュリティスレッド等を挿入することで、偽造防止効果や持ち出し禁止効果が得られる用紙を製造することができる。
【0009】
しかし、特許文献1及至4の技術では、円網抄紙機や長網抄紙機を使用して偽造防止効果や持ち出し禁止効果が得られる用紙を製造することはできたが、すでに製造されて印刷に使用する用紙に対して、必要に応じて、簡易に、特性を付与することで偽造防止効果や持ち出し禁止効果が得られるセキュリティ用紙を製造することはできなかった。
【0010】
そこで、本発明の磁性ワイヤー付与装置および方法では、印刷前後に、既に製造された用紙に対して、必要に応じて、用紙の任意の場所に磁性ワイヤーを挿入することで偽造防止や持ち出し禁止を可能とするセキュリティ用紙を形成することができる磁性ワイヤー付与装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成する為に請求項1の発明は、用紙に対して磁性ワイヤーを付与する磁性ワイヤー付与装置において、磁性ワイヤーが接着されたシートを供給する磁性ワイヤー供給手段と、前記磁性ワイヤー供給手段で供給される前記シート上から前記磁性ワイヤーを所定の長さに切断する切断手段と、前記用紙に切り込み部を形成する切り込み形成手段と、前記磁性ワイヤー供給手段による前記シートの供給により前記切断手段によって切断された磁性ワイヤーを前記用紙の前記切り込み形成手段により形成された切り込み部上に移動させる移動制御手段と、前記移動制御手段により移動制御された磁性ワイヤーを前記切り込み形成手段によって形成された前記用紙の切り込み部内部に接着する接着手段とを具備することを特徴とする。
【0012】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記接着手段は、前記切断手段によって切断された磁性ワイヤーを前記切り込み形成手段によって形成された切り込み部の開口部の真上に導くワイヤーガイド手段を具備することを特徴とする。
【0013】
また、請求項3の発明は、請求項1および2の発明において、前記切り込み形成手段は、前記用紙上に切り込みを形成する刃を有し、前記刃は、前記用紙との角度が前記磁性ワイヤーの進行方向から見て90度より小さい角度で取り付けられることを特徴とする。
【0014】
また、請求項4の発明は、請求項1及至3の発明において、前記切り込み形成手段は、前記用紙上に切り込みを形成する刃を有し、前記刃は、先端に向うにしたがって細くなる形状を有することを特徴とする。
【0015】
また、請求項5の発明は、請求項1及至5の発明において、前記切り込み形成手段は、前記用紙上に切り込みを形成する刃を有し、前記刃は、所定の曲率を有することを特徴とする。
【0016】
また、請求項6の発明は、請求項1及至5の発明において、前記磁性ワイヤー供給手段は、熱溶着剤で形成された基材に前記磁性ワイヤーを接着したシートを供給し、前記接着手段は、加熱により前記シートから前記磁性ワイヤーを分離して該磁性ワイヤーを前記切り込み形成手段によって形成された前記用紙の切り込み部内部に前記熱溶着剤で接着する加熱手段を具備することを特徴とする。
【0017】
また、請求項7の発明は、請求項1及至5の発明において、前記磁性ワイヤー供給手段は、基材に前記磁性ワイヤーを熱溶着剤で接着したシートを供給し、前記接着手段は、加熱により前記シートから前記磁性ワイヤーを分離して該磁性ワイヤーを前記切り込み形成手段によって形成された前記用紙の切り込み部内部に前記熱溶着剤で接着する加熱手段を具備することを特徴とする。
【0018】
また、請求項8の発明は、用紙に対して磁性ワイヤーを付与する磁性ワイヤー付与方法において、磁性ワイヤーが接着されたシートを磁性ワイヤー供給手段により供給し、該磁性ワイヤー供給手段で供給される該シート上から該磁性ワイヤーを所定の長さに切断手段により切断し、該用紙に切り込み部を切り込み形成手段により形成し、該磁性ワイヤー供給手段による該シートの供給により該切断手段によって切断された磁性ワイヤーを該用紙の該切り込み形成手段により形成された切り込み部上に移動制御手段により移動させ、該移動制御手段により移動制御された磁性ワイヤーを該切り込み形成手段によって形成された該用紙の切り込み部内部に接着手段により接着することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の磁性ワイヤー付与装置によれば、磁性ワイヤーが接着されたシートを供給する磁性ワイヤー供給手段と、磁性ワイヤー供給手段で供給されるシート上から磁性ワイヤーを所定の長さに切断する切断手段と、用紙に切り込み部を形成する切り込み形成手段と、磁性ワイヤー供給手段によるシートの供給により切断手段によって切断された磁性ワイヤーを用紙の切り込み形成手段により形成された切り込み部上に移動させる移動制御手段と、移動制御手段により移動制御された磁性ワイヤーを切り込み形成手段によって形成された用紙の切り込み部内部に接着する接着手段とを具備するように構成したので、既に製造された用紙に対して、必要に応じて、用紙の任意の場所に磁性ワイヤーを挿入することでセキュリティ用紙を形成することができるという効果を奏する。
【0020】
また、磁性ワイヤーを付与する切り込みを形成する切り込み形成手段は、磁性ワイヤー付与装置の進行方向から見て、用紙上に切り込みを形成する刃と用紙との角度を90度より小さくするようにする、或いは、切り込みを形成する刃の形状を、先端に向うにしたがって細くなる、もしくは、所定の曲率を有するように構成したので、用紙に対して磁性ワイヤーを、取れにくく、また目立たないように確実に付与することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係わる磁性ワイヤー付与装置および方法の実施例について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
本発明に係わる磁性ワイヤー付与装置および方法においては、偽造防止や不正複写、不正持ち出しの防止等のセキュリティ強化を目的として、所定の磁界与えることで信号を発する磁性ワイヤーを必要に応じて用紙の任意の場所に挿入するように構成されており、磁性ワイヤーを検知する検知装置を備えた複写機や盗難防止装置等が用紙に挿入された磁性ワイヤーを検知することで複写禁止あるいは持ち出し禁止の処理動作を行ない、機密情報が印刷された用紙が不正複写または不正持ち出しされることを防止することができる。
【0023】
なお、用紙に付与される磁性ワイヤーは、バルクハウゼン効果を有する線径が例えば約30μm程度の磁性ワイヤーであり、Fe−Co系アモルファス材で形成されている。
【0024】
磁性ワイヤーは、所定の磁界を受けると磁化反転時に急峻な磁気パルスを発するので、用紙に磁性ワイヤーが付与されているか否かは、用紙に対して所定の磁界を与え、その際に磁気パルスが検知されたか否かにより検知することができる。
【実施例1】
【0025】
図1は、本発明に係わる磁性ワイヤー付与装置を適用した複写機100の要部の構成を示す構成図である。
【0026】
図1において、磁性ワイヤー付与装置37は、複写機100の用紙ストッカ10の近傍に配設された磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13の中に組み込まれており、複写機100は、原稿から複写した画像が形成される用紙をストックする用紙ストッカ10、用紙を台座15と磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13の間に搬送するローラ11、磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13に搬送された用紙を検出するセンサ12、磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13、台座15、現像器16、感光ドラム17、転写ドラム18、定着器19、トレイ20、露光装置21、原稿読取り機22で構成されている。
【0027】
なお、複写機100の本発明に係わる要部の動作制御は、図示せぬCPU(Central Processing Unit)によって制御される。
【0028】
用紙ストッカ10には、原稿から複写した画像が形成される用紙がストックされているが、該用紙には磁性ワイヤーは付与されていない。
【0029】
また、用紙ストッカ10にストックされている用紙は、図1に示す用紙14のようにローラ11によって磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13と台座15との間に搬送されることで磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13に組み込まれている磁性ワイヤー付与装置37により磁性ワイヤーが付与される。
【0030】
また、磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13にはセンサ12が配設されており、センサ12が磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13内に搬送された用紙の先端部を検知し、その検知情報に基づき磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13に用紙を送り出す距離がローラ11によって調節されることで、磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13内での用紙が搬送される位置が調節される。
【0031】
次に、磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13とその下に設置されている台座15について図2を参照して説明を行なう。
【0032】
図2は、磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13の要部の構成と磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13の下に設置されている台座15を示す構成図である。
【0033】
磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13の下には用紙に磁性ワイヤーを付与する際に、用紙を配置する台の役目をする台座15が設置されている。
【0034】
磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13には、上下移動装置B−32が組み込まれ、上下移動装置B−32は、モータ30によって、矢印35の上下方向への移動が可能である。
【0035】
さらに、上下移動装置B−32には、左右移動装置C−33が組み込まれ、左右移動装置C−33は、上下移動装置B−32のモータ31によって、矢印36の左右方向への移動が可能である。
【0036】
さらに、左右移動装置C−33には、走行装置D−34が組み込まれ、走行装置D−34内に、磁性ワイヤー付与装置37が組み込まれている。
【0037】
走行装置D−34が組み込まれている左右移動装置C−33は、モータ31によって矢印36の左右方向の移動が可能なので、台座15に配置された用紙に対して、磁性ワイヤー付与装置37を用紙横方向の任意の位置に配置させることが可能となる。
【0038】
前記用紙横方向とは、用紙を台座15に配置する際、ローラ11によって調節される方向である用紙縦方向と垂直な方向である。
【0039】
次に、左右移動装置C−33に組み込まれている走行装置D−34と、走行装置D−34に組み込まれている磁性ワイヤー付与装置37について図3を参照して説明を行なう。
【0040】
図3は、左右移動装置C−33に組み込まれている走行装置D−34と、走行装置D−34に組み込まれている磁性ワイヤー付与装置37の要部の構成を示す構成図である。
【0041】
図3(a)に、左右移動装置C−33に組み込まれた走行装置D−34を示す。
【0042】
左右移動装置C−33に組み込まれている走行装置D−34は、モータ40によって矢印41、42方向に移動することができる。
【0043】
走行装置D−34には磁性ワイヤー付与装置37が組み込まれており、磁性ワイヤー付与装置37が台座15上に配置された用紙14に磁性ワイヤーを付与する際には、走行装置D−34が進行方向である矢印42方向に走行する。
【0044】
左右移動装置C−33に組み込まれている走行装置D−34は、磁性ワイヤーの付与を開始する時には、進行方向である矢印42方向に走行できるように、左右移動装置C−33における矢印41方向側の所定の位置に位置している。
【0045】
図3(b)には、走行装置D−34に組み込まれた磁性ワイヤー付与装置37を示しており、磁性ワイヤー付与装置37には、ワイヤー切断ボタン43、ワイヤー付与接着ボタン44が設置されている。
【0046】
ワイヤー切断ボタン43とワイヤー付与接着ボタン44は、磁性ワイヤーを付与する際に、走行装置D−34内の図示しない装置によって、予め設定されたタイミングで、予め設定された力で予め設定された量だけの押下が行われる。
【0047】
図3(c)に、磁性ワイヤー付与装置37の内部構成の概略を示す。
【0048】
図3(c)に示すように、磁性ワイヤー付与装置37は、ワイヤー切断ボタン43、ワイヤー付与接着ボタン44、ワイヤー切断ボタンの外枠45、ワイヤー付与接着ボタンの外枠66、棒46、引っ張りバネ47、ワイヤーカッター48、支持棒押し込み部品49、支持棒50、引っ張りバネ51、ワイヤーテープ52、ワイヤーテープ巻取り軸53、ワイヤーテープ巻きつけリール兼移動タイヤ54、補助タイヤ55、用紙切り込み刃56、ワイヤーガイド57、ワイヤー押さえ兼接着シャフト58、支持棒静止部品59、支点60で構成されている。
【0049】
棒46は、ワイヤー切断ボタン43が押下された際に、引っ張りバネ47に力を伝える役目を担う。
【0050】
また、磁性ワイヤーを供給するワイヤーテープ52は、ワイヤーテープ巻きつけリール兼移動タイヤ54に巻きつけられており、ワイヤーテープ巻きつけリール兼移動タイヤ54から送り出されたワイヤーテープ52は、引っ張りバネ51に接触しないように支持棒50の上部を通って、用紙切り込み刃56が設置されている支持棒50の先端付近で支持棒50の下側にくぐり、ワイヤーガイド57、ワイヤー押さえ兼接着シャフト58の下を通ってワイヤーテープ巻取り軸53に巻き取られている。
【0051】
なお、支持棒押し込み部品49は、ワイヤーテープ52と接触しない構造となっている。
【0052】
次に、用紙に付与する磁性ワイヤーを供給するワイヤーテープ52の構成について図4を参照して説明を行なう。
【0053】
図4は、ワイヤーテープ52の要部の構成を3方向から示した構成図である。
【0054】
図4(a)は、ワイヤーテープ52の正面図である。
【0055】
ワイヤーテープ52は、基材61の上部に磁性ワイヤー62が接着されている。
【0056】
図4(b)は、視線の方向が図4(a)の矢印64であって、図4(a)のワイヤーテープ52を側面から見た、ワイヤーテープ52の側面図である。
【0057】
側面から見ると、ワイヤーテープ52は、基材61の上部に磁性ワイヤー62が接着されている。
【0058】
図4(c)は、視線の方向が図4(a)の矢印63であって、図4(a)のワイヤーテープ52を上方から見た、ワイヤーテープ52の上面図である。
【0059】
上面から見ると、ワイヤーテープ52は、熱溶着材で形成される基材61の中央部に、磁性ワイヤー62が接着された構成となっている。
【0060】
次に、磁性ワイヤー付与装置37によって用紙14に磁性ワイヤーが付与される工程についての説明を行なっていく。
【0061】
まず、磁性ワイヤー付与装置37内において、ワイヤーテープ52に接着されている磁性ワイヤー62が所定の長さに切断される様子について図5を参照して説明を行なう。
【0062】
図5は、磁性ワイヤー付与装置37内において、ワイヤーテープ52が所定の長さに切断される様子を示した、磁性ワイヤー付与装置37と用紙14と台座15との構成図である。
【0063】
図5に示すように、台座15の上に用紙14が配置され、用紙14の上に磁性ワイヤー付与装置37が走行可能な状態で乗っている。
【0064】
磁性ワイヤー付与装置37のワイヤー切断ボタン43が押下されると、ワイヤー切断ボタン43を押下した力が棒46を通して引っ張りバネ47に伝わり、引っ張りバネ47によって、ワイヤーカッター48がワイヤーテープ52に向かって下げられ、ワイヤーカッター48によってワイヤーテープ52の磁性ワイヤー62が切断される。
【0065】
次に、ワイヤーカッター48によってワイヤーテープ52の磁性ワイヤー62が切断される様子について図6を参照して説明する。
【0066】
図6は、ワイヤーカッター48によってワイヤーテープ52に接着されている磁性ワイヤー62が切断される様子を3方向から示した、磁性ワイヤー付与装置37とワイヤーテープ52との構成図である。
【0067】
図6(a)は、図5と同様に、ワイヤーカッター48によって磁性ワイヤー62が切断される様子を示した、磁性ワイヤー付与装置37におけるワイヤーカッター48周辺の呼要部の構成図である。
【0068】
図6(b)は、視線の方向が図6(a)の矢印70であって、図6(a)の磁性ワイヤー付与装置37内のワイヤー切断ボタン43周辺の要部を側面から見た、磁性ワイヤー62がワイヤーカッター48によって切断される様子を示した構成図である。
【0069】
図6(b)に示すように、磁性ワイヤー62は、ワイヤーカッター48によって、ワイヤーカッターの幅(符号72で示す)で切断されている。
【0070】
ワイヤーカッター48の幅(符号72で示す)は、磁性ワイヤー62の直径より大きな幅となっているので、磁性ワイヤー62を切断することが可能である。
【0071】
図6(c)は、視線の方向が図6(a)の矢印71であって、磁性ワイヤー62がワイヤーカッター48によって切断された際の、ワイヤーテープ52を上から見た構成図である。
【0072】
図6(c)に示すように、ワイヤーテープ52のワイヤー62は、ワイヤーカッター48によって、ワイヤーカッター48の長さ(符号73で示す)だけ切り取られている(切り口は符号74の2箇所となる)。
【0073】
また、ワイヤーカッター48によって、ワイヤーテープ52のワイヤー62が切断される際には、磁性ワイヤー62が切断されると共に基材61の一部が切られても良い。
【0074】
ワイヤーカッター48によって磁性ワイヤー62は切断されるが、切断されて残った、ワイヤーカッター48の長さ(符号73で示す)の磁性ワイヤー片をワイヤー82として、以下の説明を行なっていく。
【0075】
次に、磁性ワイヤー付与装置37によって、用紙14に磁性ワイヤーを付与する切込みが形成される様子について図7を参照して説明を行なう。
【0076】
図7は、磁性ワイヤー付与装置37によって、用紙14に対して磁性ワイヤーを付与する切り込みが形成される様子を示した、台座15と用紙14と磁性ワイヤー付与装置37との構成図である。
【0077】
磁性ワイヤー付与装置37には、ワイヤーテープ52上にワイヤーカッター48で切断された磁性ワイヤー82が存在しており、また、台座15の上に用紙14が配置され、用紙14の上に磁性ワイヤー付与装置37が乗っている。
【0078】
磁性ワイヤー付与装置37の支持棒50は、引っ張りバネ51によって用紙14に対して平行に保たれているが、ワイヤー付与接着ボタン44が押下されることで、押下された力が支持棒押し込み部品49に伝わり、そして、支持棒押し込み部品49が支持棒50を押すことによって、支持棒50の用紙切り込み刃56が設置されている側が支点60を支点にして傾く。
【0079】
支持棒50が支点60を支点として傾くことによって、用紙切り込み刃56、ワイヤーガイド57、ワイヤー押さえ兼接着シャフト58が用紙14に近づく。
【0080】
ワイヤー付与接着ボタン44がさらに押下されることによって、用紙切り込み刃56が用紙14に近づいていくが、用紙切り込み刃56が用紙14に接触する直前に磁性ワイヤー付与装置37は進行方向である矢印42方向に走行を開始する。
【0081】
磁性ワイヤー付与装置37が走行しながら、ワイヤー付与接着ボタン44が一定量まで押下されて、支持棒50が傾くので、用紙14に用紙切り込み刃56によって切り込み80が形成される(図7に示す状態)。
【0082】
その後、ワイヤー付与接着ボタン44は一定量まで押下された状態で、磁性ワイヤー付与装置37は走行を行なう。
【0083】
また、磁性ワイヤー付与装置37の走行に伴って、ワイヤーテープ巻きつけリール兼移動タイヤ54からワイヤーテープ52が送り出され、また、ワイヤーテープ巻取り軸53がワイヤーテープ52を巻き取っていく。
【0084】
ワイヤーテープ巻取り軸53がワイヤ−テープ52を巻き取っていき、ワイヤーテープ52上の切断された磁性ワイヤー82もワイヤーテープ52と一緒に移動し、ワイヤーガイド57に磁性ワイヤー82が導かれる。
【0085】
次に、用紙14に磁性ワイヤー付与装置37によって切り込み80が形成される様子について図8を参照して説明する。
【0086】
図8は、用紙14に磁性ワイヤー付与装置37によって切り込み80が形成される様子を3方向から示した、台座15と用紙14と磁性ワイヤー付与装置37との構成図である。
【0087】
図8(a)は、磁性ワイヤー付与装置37の走行先から見た、台座15上に配置されている用紙14上を走行している磁性ワイヤー付与装置37の構成図である。
【0088】
図8(a)に示すように、進行方向から見た磁性ワイヤー付与装置37は、上部にワイヤー切断ボタンの外枠45が設置され、用紙切り込み刃56が用紙14に切り込み80を形成するため斜めに切り込んでいる。
【0089】
図8(a)に示す磁性ワイヤー付与装置37を、視線の方向を矢印90にして見た構成図は図8(b)に示す通りであり、図8(b)に示すように、図7を参照して説明したように用紙14に対して用紙切り込み刃56によって磁性ワイヤーを付与する為の切り込み80が形成されている。
【0090】
また、図8(c)は、視線の方向が図8(a)の矢印91であって、磁性ワイヤー付与装置37によって用紙14に形成される切り込み80について示した、上から見た用紙14の模式図である。
【0091】
図8(c)に示すように、用紙14の表面には用紙切り込み刃56によって形成された切り込み80の開口部92が存在する。
【0092】
用紙14に付与される磁性ワイヤー82は、ワイヤーガイド57によって切り込み80の開口部92の真上に位置決めされ、切り込み80の内部に接着されることになる。
【0093】
次に、磁性ワイヤー付与装置37に備え付けられた用紙切り込み刃56について、図9を参照して説明する。
【0094】
図9は、磁性ワイヤー付与装置37に備え付けられた用紙切り込み刃56の設置角度を示した、台座15に配置されている用紙14上を走行している磁性ワイヤー付与装置37を走行先から見た、台座15と用紙14と磁性ワイヤー付与装置37との構成図である。
【0095】
図9に示すように、磁性ワイヤー付与装置37に備え付けられた用紙切り込み刃56は用紙14との角度(角度A−93)が90度より小さくなるように備え付けられており、用紙14に対して用紙切り込み刃56が斜めから進入する構成となっている。
【0096】
また、用紙切り込み刃56は、先端部に向うにしたがって細くなる形状を有しているので、用紙14上に形成される切り込み80の開口部が広がるようになる。
【0097】
なお、切り込み80の開口部が広がるようにする為に、用紙切り込み刃56と用紙14との角度(角度A−93)を90度より小さくなるようにして、用紙切り込み刃56は所定の曲率を有す、または、所定の曲率を有して先端部に向うにしたがって細くなる形状を有するようにしてもよい。
【0098】
なお、切り込み80の開口部が広がるようにする為に、用紙切り込み刃56と用紙14との角度(角度A−93)の条件は無視して、用紙切り込み刃56は、先端部に向うにしたがって細くなる形状を有す、または、所定の曲率を有す、または、所定の曲率を有して先端部に向うにしたがって細くなる形状を有するようにしてもよい。
【0099】
次に、磁性ワイヤー付与装置37に設置されたワイヤーガイド57によって、ワイヤーテープ52から切断された磁性ワイヤー82が用紙14に形成された切り込み80の開口部の真上に位置決めされる様子について図10を参照して説明する。
【0100】
図10は、磁性ワイヤー付与装置37に設置されたワイヤーガイド57によって、ワイヤーテープ52から切断された磁性ワイヤー82が用紙14に形成された切り込み80の開口部の真上に位置決めされる様子を示した、用紙14とワイヤー82とワイヤーガイド57との模式図である。
【0101】
図10に示すように、ワイヤーガイド57に形成されている溝100によって、ワイヤーテープ52から切断された磁性ワイヤー82が用紙14に形成された切り込み80の開口部の真上に位置決めされる。
【0102】
次に、磁性ワイヤー付与装置37に設置されたワイヤーガイド57によって、ワイヤーテープ52から切断された磁性ワイヤー82が用紙14に形成された切り込み80の開口部の真上に位置決めされる様子について磁性ワイヤー付与装置37についての構成図である図11を参照して説明する。
【0103】
図11は、台座15上に配置されている用紙14上を走行する磁性ワイヤー付与装置37内において、磁性ワイヤー82がワイヤーガイド57によって切り込み80の開口部の真上に位置決めされる様子を示した、台座15と用紙14と磁性ワイヤー付与装置37との構成図である。
【0104】
磁性ワイヤー付与装置37が進行方向(矢印42)に進むに伴って、ワイヤーテープ巻きつけリール兼移動タイヤ54からワイヤーテープ52が繰り出され、また、ワイヤーテープ巻取り軸53がワイヤーテープ52を巻き取ることによって、ワイヤーカッター48によって切断された磁性ワイヤー82がワイヤーテープ巻取り軸53に巻き取られるワイヤーテープ52と共に移動する。
【0105】
ワイヤーテープ52と共に移動する磁性ワイヤー82は、ワイヤーガイド57によって、切り込み80の開口部の真上に位置決めされている(図11に示す状態)。
【0106】
また、磁性ワイヤー付与装置37が進行方向に進むに伴って、用紙切り込み刃56によって切り込み80がさらに形成されている(図7と図11の状態を比較すると、図11の切り込み80が伸びている)。
【0107】
次に、磁性ワイヤー付与装置37が進行方向(矢印42方向)に走行するに伴って、磁性ワイヤー82が、用紙14の切り込み80に、ワイヤー押さえ兼接着シャフト58によって接着される様子について図12を参照して説明する。
【0108】
図12は、台座15上に配置された用紙14上を走行している磁性ワイヤー付与装置37内の磁性ワイヤー82が、用紙14の切り込み80に、ワイヤー押さえ兼接着シャフト58によって接着された様子を示した、台座15と用紙14と磁性ワイヤー付与装置37との構成図である。
【0109】
磁性ワイヤー付与装置37の走行に伴って、ワイヤーテープ52がワイヤーテープ巻取り軸53に巻き取られ、ワイヤーカッター48によって切断された磁性ワイヤー82が、ワイヤーガイド57からワイヤー押さえ兼接着シャフト58に導かれる。
【0110】
ワイヤー押さえ兼接着シャフト58は、ワイヤー押さえ兼接着シャフト58内に入っている発熱抵抗体によって、先端部分の温度が上昇し、熱溶着材を溶融することができる。
【0111】
ワイヤー押さえ兼接着シャフト58に導かれた磁性ワイヤー82は、ワイヤー押さえ兼接着シャフト58によって、用紙14に形成された切り込み80の内部に入り込むとともに、高温となったワイヤー押さえ兼接着シャフト58の先端部分により磁性ワイヤー82の周辺の基材が溶融され、磁性ワイヤー82が切り込み80の内部に接着される(図12に示す状態)。
【0112】
次に、磁性ワイヤー82が切り込み80の内部に接着された様子について図13を参照して説明する。
【0113】
図13は、ワイヤーカッター48によって切断された磁性ワイヤー82がワイヤー押さえ兼接着シャフト58によって切り込み80の内部に接着された様子を示した、用紙14とワイヤー押さえ兼接着シャフト58の断面図である。
【0114】
ワイヤー押さえ兼接着シャフト58によって、磁性ワイヤー82が切り込み80の内部に入り込むとともに、磁性ワイヤー80の周辺の基材が溶融され、磁性ワイヤー82が切り込み80の内部に接着された状態となる(図13に示す状態)。
【0115】
次に、磁性ワイヤー付与装置37によって磁性ワイヤー82が用紙14上の切り込み80に付与され、磁性ワイヤー付与装置37の用紙切り込み刃56、ワイヤーガイド57、ワイヤー押さえ兼接着シャフト58が用紙14から離れる様子について図14を参照して説明する。
【0116】
図14は、台座15上に配置された用紙14上を走行している磁性ワイヤー付与装置37が磁性ワイヤー82を用紙14に付与し終わり、磁性ワイヤー付与装置37の支持棒50が用紙14と平行になる元の状態に戻った様子を示した、台座15と用紙14と磁性ワイヤー付与装置37との構成図である。
【0117】
磁性ワイヤー付与装置37のワイヤー付与接着ボタン44の押下が解除されると、支持棒押し込み部品49によって加えられていた支持棒50への鉛直方向下向きの力が解除され、支持棒50に設置されている引っ張りバネ51の力によって、傾いていた支持棒50が用紙14に対して平行の元の状態に戻り、支持棒50に設置されている、用紙切り込み刃56、ワイヤーガイド57、ワイヤー押さえ兼接着シャフト58が用紙14から離れる(図14に示す状態)。
【0118】
ワイヤー付与接着ボタン44の押下が解除され、磁性ワイヤー付与装置37内の用紙切り込み刃56、ワイヤーガイド57、ワイヤー押さえ兼接着シャフト58が用紙14から離れると、用紙14への磁性ワイヤーの付与は終了し、磁性ワイヤー付与装置37の走行が停止し、磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13において、上下移動装置B−32が上昇し、磁性ワイヤー付与装置37が用紙14から離れる。
【0119】
また、上下移動装置B−34に組み込まれている左右移動装備C−33において、磁性ワイヤー付与装置37を組み込んでいる走行装置D−34が磁性ワイヤーを付与する際に走行したので、上下移動装置B−32が上昇した後、走行装置D−32が走行装置D−32の進行方向とは逆方向(図3の矢印41方向)に移動し、次に磁性ワイヤーを付与する為の準備として、所定の位置に戻る。
【0120】
そして、磁性ワイヤー付与装置37と台座15によって挟まれていた用紙14は、転写ドラム18に搬送される(図1参照)。
【0121】
さて、複写機100内においては、原稿読取り機22によって、複写される原稿が読取られ、露光装置21によって、原稿から読取って複写すべき画像が感光ドラム17に静電潜像として形成される。
【0122】
感光ドラム17に形成された静電潜像は現像器16によって現像され、感光ドラム17上にトナー像が形成される。
【0123】
そして、転写ドラム18に搬送された、磁性ワイヤーが付与された用紙14に、感光ドラム17からトナー像が転写され、定着器19によってトナーの定着が行われ、用紙14に画像が形成される。
【0124】
複写すべき画像が形成された、磁性ワイヤーが付与されている用紙14は、トレイ20に排紙される。
【0125】
このようにして、複写機100において、磁性ワイヤーを必要に応じて用紙に付与し、該磁性ワイヤーが付与された用紙に、複写すべき画像を形成することが可能となる。
【0126】
次に、複写機100において、複写が行なわれる際の処理フローについて図15のフローチャートを参照して説明を行なう。
【0127】
図15は、複写機100の要部の処理動作を示すフローチャートである。
【0128】
なお、複写機100を使用するユーザは、複写機100の図示しない操作パネルより複写の指示を行ない、その際に必要に応じて、磁性ワイヤーを付与するか否か、また、付与する場合は付与場所の指示も行なう。
【0129】
複写機100は、ユーザからの複写の指示を受け付けると(ステップ1501)、ユーザからの指示に磁性ワイヤーを付与する指示が含まれているか否かを判断し(ステップ1502)、磁性ワイヤーを付与する指示が含まれている場合は(ステップ1502でYES)、まず、ユーザの指定した場所に磁性ワイヤーを付与する為に、ローラ11による用紙14を磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13へ送り出す距離と、上下移動装置B−32のモータ31による左右移動装置C−33の配置位置が図示しないCPUにより計算され、そして、用紙ストッカ10から用紙14が給紙され、複写機100内のローラ11によって、計算された距離だけ用紙14が磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13に送り出され、上下移動装置B−32のモータ31によって、計算された位置に左右移動装置C−33が配置され、位置決めが行われる(ステップ1503)。
【0130】
そして、位置決めが行なわれると、磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13のモータ30によって磁性ワイヤー付与装置37が組み込まれている上下移動装置B−32が用紙14上に降下する。
【0131】
上下移動装置B−32の降下は、上下移動装置B−32に組み込まれている磁性ワイヤー付与装置37のワイヤーテープ巻きつけリール兼移動タイヤ54と補助タイヤ55が用紙14に接触するまで行なわれる(ステップ1504)。
【0132】
そして、走行装置D−34内の図示しない装置によって磁性ワイヤー付与装置37のワイヤー切断ボタン43が押下されると(ステップ1505)、磁性ワイヤー付与装置37内のワイヤーカッター48によってワイヤーテープ52の磁性ワイヤー62が切断される(ステップ1506)。
【0133】
磁性ワイヤー62が切断されると、走行装置D−34内の図示しない装置によってワイヤー付与接着ボタン44が押下されて(ステップ1507)、支持棒50が傾き、用紙切り込み刃56が用紙14に接触する直前に磁性ワイヤー付与装置37が走行を開始する(ステップ1508)。
【0134】
磁性ワイヤー付与装置37の走行は、磁性ワイヤー付与装置37を組み込んでいる走行装置D−34が左右移動装置C−33のモータ40によって矢印42方向に走行することで行なわれる。
【0135】
磁性ワイヤー付与装置37は、ワイヤー付与接着ボタン44が押し下げられた状態で走行し、用紙切り込み刃56が用紙14に切り込み80を形成する(ステップ1509)。
【0136】
また、磁性ワイヤー付与装置37が走行するに伴って、ワイヤーテープ52がワイヤーテープ巻きつけリール兼移動タイヤ54から繰り出されてワイヤーテープ巻取り軸53に巻き取られる。
【0137】
ワイヤーテープ52がワイヤーテープ巻取り軸53に巻き取られるに伴って、ワイヤーカッター48によって切断された磁性ワイヤー82がワイヤーガイド57に導かれ、ワイヤーガイド57によって、磁性ワイヤー82は切り込み80の開口部の真上に位置決めされる(ステップ1510)。
【0138】
さらに、ワイヤー付与接着ボタン44が押下された状態で磁性ワイヤー付与装置37が走行し、磁性ワイヤー82はワイヤー押さえ兼接着シャフト58の下に導かれ、ワイヤー押さえ兼接着シャフト58内の発熱抵抗体によってワイヤー押さえ兼接着シャフト58の先端部分の温度が上昇し、導かれた磁性ワイヤー82は、ワイヤー押さえ兼接着シャフト58によって用紙14に形成された切り込み80の内部に入り込むとともに、磁性ワイヤー82の周辺の基材が溶融され、磁性ワイヤー82が切り込み80の内部に接着される(ステップ1511)。
【0139】
磁性ワイヤー付与装置37の走行によって、磁性ワイヤー82の切り込み80内部への接着が完了すると、ワイヤー付与接着ボタン44の押下が解除され、用紙切り込み刃56、ワイヤーガイド57、ワイヤー押さえ兼接着シャフト58が用紙14から離れ、支持棒50が傾いた状態から用紙14に対して平行の元の状態に戻る(ステップ1512)。
【0140】
支持棒50が傾いた状態から用紙14に対して平行の元の状態に戻ると、磁性ワイヤー付与装置37の走行が停止する(ステップ1513であり、図14に示す状態)。
【0141】
磁性ワイヤー付与装置37が停止すると、磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13のモータ30によって、上下移動装置B−32は上昇して、用紙14から離れ(ステップ1514)、磁性ワイヤー付与装置37が組み込まれた走行装置D−34が、左右移動装置C−33内において、走行装置D−34の進行方向とは逆の矢印41方向(図3に示す)に移動し、磁性ワイヤーを付与する走行を開始する前の所定の位置に戻る。
【0142】
磁性ワイヤーが付与された用紙14は転写ドラム18に搬送される(ステップ1515)。
【0143】
原稿読取り機22によって読取られた、複写される原稿は、露光装置21より感光ドラムに静電潜像として形成され、現像器16によって感光ドラム17に現像されたトナー像が、転写ドラム18によってステップ1515で搬送された用紙14に転写され(ステップ1516)、用紙14は定着器19を通ってトレイ20に排紙される(ステップ1517)。
【0144】
このように、複写機100において磁性ワイヤーを付与する複写処理が行なわれる。
【0145】
また、ステップ1502において、ユーザからの複写の指示の中に磁性ワイヤーを付与する指示が含まれていない場合は(ステップ1502においてNO)、用紙ストッカ10から給紙される用紙14は、転写ドラム18に搬送される(ステップ1515)。
【0146】
そして、原稿読取り機22によって読取られた、複写される原稿は、露光装置21より感光ドラムに静電潜像として形成され、現像器16によって感光ドラム17に現像されたトナー像が、転写ドラム18によってステップ1515で搬送された用紙14に転写され(ステップ1516)、用紙14は定着器19を通ってトレイ20に排紙される(ステップ1517)。
【0147】
このように、複写機100において磁性ワイヤーを付与しない複写処理が行なわれる。
【0148】
なお、磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13と台座15とを、複写機100内において、図1を参照して説明したように、用紙に画像が形成される前の工程に設置して、用紙に磁性ワイヤーを付与してから画像を形成するようにするのではなく、図16に示すように、用紙に画像が形成された後に磁性ワイヤーを付与する工程をとって、磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13、台座15等を定着器19の後工程に設置するようにしてもよい。
【0149】
図16は、画像が形成された後の用紙に磁性ワイヤーを必要に応じて付与する工程をとる複写機200の要部の構成を示した構成図である。
【0150】
図16において、磁性ワイヤー付与装置37は、複写機200の排紙トレイ近傍に配設された磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13の中に組み込まれている。
【0151】
複写機200内の部品は、本実施例で説明した複写機100を構成している部品と同じ部品については、同じ符号を記して説明を行なう。
【0152】
図16に示すように、複写機200は、用紙ストッカ10、原稿読取り機22、露光装置21、現像器16、感光ドラム17、転写ドラム18、定着器19、ローラ211、センサ12、磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13、台座15、トレイ20で構成される。
【0153】
なお、複写機200の動作制御は図示せぬCPUによって行われる。
【0154】
複写機200内では、用紙ストッカ10から搬送された用紙に、転写ドラム18によって感光ドラム17に現像されているトナー像の転写が行なわれ、定着器19によって、トナーの定着が行なわれ、用紙に画像が形成される。
【0155】
画像が形成された用紙が、ローラ211によって台座15上に配置され、磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13に組み込まれている磁性ワイヤー付与装置37によって磁性ワイヤーが付与され、画像が形成されて磁性ワイヤーが付与された用紙がトレイ20に排紙される。
【0156】
なお、本実施例で説明した磁性ワイヤー付与装置37において、ワイヤーテープ52が巻きつけられていて、磁性ワイヤー付与装置37が走行時にワイヤーテープ52を繰り出す部分は、ワイヤーテープ巻きつけリール兼移動タイヤ54ではなく、ワイヤーテープ巻きつけリール兼移動タイヤ54の回転と連動して回転するローラを設置して、該ローラにワイヤーテープ52を巻きつけ、磁性ワイヤー付与装置37の走行に伴ってワイヤーテープ52が該ローラから繰り出されるようにしてもよい。
【0157】
なお、ワイヤーガイド57は、図10に示すように、溝100を備えたものでなくとも、ワイヤーカッター48で切断された磁性ワイヤー82を切り込み80の開口部に位置決めすることができるものであればどのような形状でもよい。
【0158】
なお、ワイヤーテープ52において、基材60と磁性ワイヤー62とを接着させる部分を熱溶着材で形成するようにしてもよいし、或いは、基材を熱溶着剤で形成せずに、基材と磁性ワイヤー62とを接着させる部分。
【0159】
なお、本実施例においては、磁性ワイヤー付与装置37を用紙14上で移動させることによって、用紙14に磁性ワイヤー82を付与するように説明したが、そうではなくて、磁性ワイヤー付与装置37を固定して用紙14を移動させて、相対的に磁性ワイヤー付与装置37が用紙14上で移動するようにして、磁性ワイヤー82を用紙14に付与しても良い。
【実施例2】
【0160】
次に、本実施例においては、ワイヤーテープ巻きつけリール兼移動タイヤに配置された止め具によって、磁性ワイヤー付与装置が用紙に磁性ワイヤーを付与し終えた時に、磁性ワイヤー付与装置の走行が自動的に停止する磁性ワイヤー付与装置337について説明をする。
【0161】
まず、本実施例で説明する磁性ワイヤー付与装置337を適用した複写機300の内部構成について図17を参照しながら説明を行う。
【0162】
図17は、複写機300の要部の構成を示した構成図である。
【0163】
図17において、磁性ワイヤー付与装置337は、複写機300の用紙ストッカ10の近傍に配設された磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13の中に組み込まれている。
【0164】
複写機300は、実施例1で説明した複写機100と同様に、原稿から複写した画像が形成される用紙である用紙をストックする用紙ストッカ10、該用紙を台座15と磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13の間に搬送するローラ11、磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13に該用紙が送られてくるのを検出するセンサ12、磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13、台座15、現像器16、感光ドラム17、転写ドラム18、定着器19、トレイ20、露光装置21、原稿読取り機22で構成されている。
【0165】
なお、画像形成装置300の動作制御は図示せぬCPUによって行われる。
【0166】
用紙ストッカ10にストックされている用紙は、図17に示す用紙14のようにローラ11によって磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13と台座15との間に搬送され、磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13に組み込まれている磁性ワイヤー付与装置337によって、磁性ワイヤーが付与される。
【0167】
なお、本実施例において、実施例1で説明した部品と同じ符号が記された部品の説明は、特に記述がない限り実施例1の内容に従う。
【0168】
次に、磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13について図18を参照して説明を行なう。
【0169】
図18は、複写機300に組み込まれた磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13と、台座15との構成図である。
【0170】
複写機300に組み込まれた磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13は、実施例1で説明した複写機100に組み込まれた磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13と同様に、上下移動装置B−32が組み込まれ、また、上下移動装置B−32には左右移動装置C−33が組み込まれ、また、左右移動装置C−33には走行装置D−34が組み込まれている。
【0171】
なお、本実施例においては、左右移動装置C−33内に組み込まれている走行装置D−34内には、磁性ワイヤー付与装置337が組み込まれている。
【0172】
走行装置D−34が組み込まれている左右移動装置C−33は、モータ31によって矢印36の左右方向の移動が可能なので、台座15に配置された用紙に対して、磁性ワイヤー付与装置337を用紙横方向の任意の位置に配置させることが可能となる。
【0173】
前記用紙横方向とは、実施例1で説明した用紙横方向と同じなので説明は省略する。
【0174】
次に、左右移動装置C−33に組み込まれている走行装置D−34と、走行装置D−34に組み込まれている磁性ワイヤー付与装置337について図19を参照して説明を行なう。
【0175】
図19は、左右移動装置C−33に組み込まれている走行装置D−34と、走行装置D−34に組み込まれている磁性ワイヤー付与装置337との概略を示す構成図である。
【0176】
図19(a)に、左右移動装置C−33に組み込まれた走行装置D−34を示す。
【0177】
走行装置D−34には磁性ワイヤー付与装置337が組み込まれており、磁性ワイヤー付与装置337が台座15上に配置された用紙14に磁性ワイヤーを付与する際には、走行装置D−34が進行方向である矢印42方向に走行する。
【0178】
図19(b)には、走行装置D−34に組み込まれた磁性ワイヤー付与装置337を示しており、磁性ワイヤー付与装置337には、ワイヤー切断ボタン43、ワイヤー付与接着ボタン44が設置されている。
【0179】
図19(c)に、磁性ワイヤー付与装置337の内部構成の概略を示す。
【0180】
磁性ワイヤー付与装置337は、ワイヤー切断ボタン43、ワイヤー付与接着ボタン44、ワイヤー切断ボタンの外枠45、ワイヤー付与接着ボタンの外枠66、棒46、引っ張りバネ47、ワイヤーカッター48、支持棒押し込み部品49、支持棒351、引っ張りバネ51、ワイヤーテープ52、ワイヤーテープ巻取り軸53、ワイヤーテープ巻きつけリール兼移動タイヤ54、補助タイヤ55、用紙切り込み刃56、ワイヤーガイド57、ワイヤー押さえ兼接着シャフト58、支持棒静止部品59、支点60、止め具301、302、303で構成されている。
【0181】
磁性ワイヤー付与装置337が実施例1で説明した磁性ワイヤー付与装置37と異なる点は、用紙切り込み刃56等を設置する支持棒が実施例1では支持棒50なのに対し本実施例では支持棒351になっている点と、本実施例では、ワイヤーテープ巻きつけリール兼移動タイヤ54に止め具301、302、303が配置されている点である。
【0182】
図19において、磁性ワイヤー付与装置337は、磁性ワイヤー付与装置37に設置されていた支持棒51の換わりに、支持棒351が設置されており、また、ワイヤーテープ巻きつけリール兼移動タイヤ54に、支持棒351の端部に接触してワイヤーテープ巻きつけリール兼移動タイヤ54の動きを停止することができる止め具301、302、303が配置されている。
【0183】
支持棒351の後端(用紙切り込み刃56が設置されている端とは支点60を挟んで反対の端)部分は、図19を示す紙面に向って手前側に膨らむように変形しているので、ワイヤー付与接着ボタン44が一定量押下されてワイヤーの付与が行なわれている時以外に、止め具301、302、303が支持棒351に接触することがなく、ワイヤーテープ巻きつけリール兼移動タイヤ54の動きが制限されることはない。
【0184】
次に、磁性ワイヤー付与装置337によって用紙14に磁性ワイヤーが付与される様子について添付図面を参照して説明を行なう。
【0185】
まず、磁性ワイヤー付与装置337によって、ワイヤーテープ内の磁性ワイヤーが切断される様子について図20を参照して説明する。
【0186】
図20は、磁性ワイヤー付与装置337内で磁性ワイヤーが切断される様子を示した、台座15、用紙14、磁性ワイヤー付与装置337の構成図である。
【0187】
図20に示すように、ワイヤー切断ボタン43が押下されることによって、ワイヤーカッター48によりワイヤーテープ52内の磁性ワイヤーが所定の長さに切断される。
【0188】
所定の長さに切断された磁性ワイヤー片を磁性ワイヤー361として以下の説明を行っていく。
【0189】
次に、磁性ワイヤー付与装置337によって磁性ワイヤー361が用紙14の切り込み内部に接着される様子について図21を参照して説明を行なう。
【0190】
図21は、磁性ワイヤー付与装置337によって、磁性ワイヤー361が用紙14の切り込み360の内部に接着される様子を示した、台座15、用紙14、磁性ワイヤー付与装置337の構成図である。
【0191】
まず、磁性ワイヤー付与装置337が走行を開始するが、本実施例の磁性ワイヤー付与装置337においては、実施例1で説明したようにワイヤー付与接着ボタン44が押下されて走行を開始するのではなくて、支持棒351が傾いた時に支持棒351の後端が止め具302に接触して磁性ワイヤー付与装置337が走行不可能とならないように、磁性ワイヤー付与装置337が微小距離走行した後に、ワイヤー付与接着ボタン44が押下される。
【0192】
ワイヤー付与接着ボタン44が押下されると、支持棒351の用紙切り込み刃56が設置された側が傾き、用紙切り込み刃56が用紙14に切り込んで切り込み360を形成する。
【0193】
磁性ワイヤー付与装置337は、実施例1で説明した磁性ワイヤー付与装置37と同様に、ワイヤー付与接着ボタン44が一定量押下された状態で走行する。
【0194】
また、磁性ワイヤー付与装置337の走行に伴って、ワイヤーテープ52がワイヤーテープ巻取り軸53に巻き取られ、切断された磁性ワイヤー361がワイヤーガイド57に導かれる。
【0195】
磁性ワイヤー361は、実施例1で説明したように、ワイヤーガイド57によって、切り込み360の開口部の真上に位置決めされ、ワイヤー押さえ兼接着シャフト58によって切り込み360の内部に接着される(図21に示す状態)。
【0196】
磁性ワイヤー361が切り込み360の内部に接着される際にも、磁性ワイヤー付与装置337は用紙14上で矢印42方向に走行しているので、ワイヤーテープ巻きつけリール兼移動タイヤ54と補助タイヤ55は回転し、ワイヤーテープ巻きつけリール兼移動タイヤ54に配置されている止め具301もワイヤーテープ巻きつけリール兼移動タイヤ54の回転と共に回転する。
【0197】
次に、磁性ワイヤー付与装置337において、磁性ワイヤー361を用紙14に付与する処理が終了し、磁性ワイヤー付与装置337の走行が止め具301によって停止する様子について図22を参照して説明する。
【0198】
図22は、磁性ワイヤー付与装置337が磁性ワイヤー361を用紙14へ付与し終えた時に、磁性ワイヤー付与装置337が止め具301によって停止された状態を示す、台座15、用紙14、磁性ワイヤー付与装置337の構成図である。
【0199】
図22に示すように、磁性ワイヤー361が用紙14の切り込み360内部に接着されている。
【0200】
そして、ワイヤーテープ巻きつけリール兼移動タイヤ54に配置された止め具301が、ワイヤーテープ巻きつけリール兼移動タイヤ54の回転に伴って回転し、支持棒351の後端に接触している(矢印2000で示した個所)。
【0201】
ワイヤーテープ巻きつけリール兼移動タイヤ54に配置された止め具301が支持棒351の後端に接触することによって、止め具301の動きが停止され、止め具301を配置しているワイヤーテープ巻きつけリール兼移動タイヤ54の動きも停止される。
【0202】
ワイヤーテープ巻きつけリール兼移動タイヤ54の動きが停止されることによって、磁性ワイヤー付与装置337は矢印42方向への走行を停止する。
【0203】
磁性ワイヤー付与装置337を組み込んでいる走行装置D−34を走行させる左右移動装置C−33は、止め具301によってワイヤーテープ巻きつけリール兼移動タイヤ54の動きが停止すると用紙14上で磁性ワイヤー付与装置337が停止するように、磁性ワイヤー付与装置337をモータ40により動かす。
【0204】
なお、支持棒351の後端部分である、止め具301と接触する個所に接触センサを設置して、支持棒351と止め具301が接触すると自動的に左右移動装置C−33のモータ40が停止して、磁性ワイヤー付与装置337の矢印42方向の走行が停止するようにしてもよい。
【0205】
次に、磁性ワイヤー付与装置337の走行が停止した後の磁性ワイヤー付与装置337に関する処理について図23を参照して説明を行なう。
【0206】
図23は、磁性ワイヤー付与装置337が走行を停止して、ワイヤー付与接着ボタン44の押下が解除された状態を示す、台座15、用紙14、磁性ワイヤー付与装置337の構成図である。
【0207】
磁性ワイヤー付与装置337の走行が停止すると、ワイヤー付与接着ボタン44の押下が解除されて、傾いていた支持棒351が元の状態(図19に示す支持棒351のように、ワイヤー付与接着ボタン44の押下が行なわれていない状態)に戻り、用紙切り込み刃56、ワイヤーガイド57、ワイヤー押さえ兼接着シャフト58が用紙14から離れる(図23に示す状態)。
【0208】
ワイヤー付与接着ボタン44の押下が解除されて、支持棒351が元の状態に戻ると、用紙14への磁性ワイヤーの付与は終了し、磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13において、磁性ワイヤー付与装置337が組み込まれている上下移動装置B−32が上昇する。
【0209】
上下移動装置B−32が上昇して、磁性ワイヤー付与装置337が用紙14から離れると、磁性ワイヤー付与装置337を組み込んだ走行装置D−34が左右移動装置C−33内において走行装置D−34の進行方向とは逆の方向(図19に示す矢印41方向)に移動し、走行を開始する前の所定の位置に戻る。
【0210】
次に、複写機300において、複写が行なわれる際の処理フローについて図24のフローチャートを参照して説明を行なう。
【0211】
図24は、複写機300の要部の処理動作を示すフローチャートである。
【0212】
複写が行なわれる際の処理フローについて示したフローチャートである。
【0213】
複写機300を使用するユーザは、図示しない操作パネルより複写の指示を行なう。
【0214】
その際、必要に応じて、磁性ワイヤーを付与するか否か、また、付与する場合は付与場所の指示も行なう。
【0215】
複写機300は、ユーザからの複写の指示を受け付けると(ステップ2201)、ユーザからの指示に磁性ワイヤーを付与する指示が含まれていたかどうかを判断し(ステップ2202)、磁性ワイヤーを付与する指示が含まれていた場合は(ステップ2202でYES)、まず、ユーザの指定した場所に磁性ワイヤーを付与する為に、実施例1と同様に、ローラ11による用紙14を磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13へ送り出す距離と、上下移動装置B−32のモータ31による左右移動装置C−33の配置位置が図示せぬCPUによって計算され、そして、用紙ストッカ10から用紙14が給紙され、複写機内のローラ11によって、計算された距離だけ用紙14が磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13に送り出され、上下移動装置B−32のモータ31によって、計算された位置に左右移動装置C−33が配置され、位置決めが行なわれる(ステップ2203)。
【0216】
位置決めが行なわれると、磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13のモータ30によって磁性ワイヤー付与装置337が組み込まれている上下移動装置B−337が台座15の上に配置されている用紙14に向って降下し、磁性ワイヤー付与装置337のワイヤーテープ巻きつけリール兼移動タイヤ54と補助タイヤ55が用紙14に接触する(ステップ2204)。
【0217】
そして、走行装置D−34内の図示しない装置によってワイヤー切断ボタン43が押下され(ステップ2205)、磁性ワイヤー付与装置337内のワイヤーテープ52内の磁性ワイヤー62がワイヤーカッター48によって切断される(ステップ2206)。
【0218】
磁性ワイヤー62が切断されると、次に、磁性ワイヤー付与装置337を組み込んでいる走行装置D−34が左右移動装置C−33のモータ40によって、進行方向(図19に示す矢印42方向)に走行を開始する。
【0219】
走行装置D−34が走行することによって、走行装置D−34に組み込まれている磁性ワイヤー付与装置337が用紙14上を走行する(ステップ2207)。
【0220】
磁性ワイヤー付与装置337が走行を開始して用紙14上を微小距離走行すると、走行装置D−34内の図示しない装置によって、ワイヤー付与接着ボタン44が押下され(ステップ2208)、支持棒351の用紙切り込み刃56が設置されている側が傾き、用紙切り込み刃56が用紙14に挿入される(ステップ2209)。
【0221】
磁性ワイヤー付与装置337は、ワイヤー接着ボタン44が一定量押下された状態で走行する。
【0222】
磁性ワイヤー付与装置337は走行を維持しているので、用紙14に挿入された用紙切り込み刃56によって用紙14内に切り込み360が形成され(ステップ2210)、そして、ワイヤーテープ巻取り軸53によってワイヤーテープ52が巻き取られることによりステップ2204で切断された磁性ワイヤー361が移動し、磁性ワイヤー361はワイヤーガイド57により切り込み360の開口部の真上に位置決めされる(ステップ2211)。
【0223】
切り込み360の開口部の真上に位置決めされた磁性ワイヤー361は、ワイヤー押さえ兼接着シャフト58に導かれ、ワイヤー押さえ兼接着シャフト58によって、用紙14に形成された切り込み360の内部に入り込むとともに磁性ワイヤー361の周辺の基材がワイヤー押さえ兼接着シャフト58によって溶融され、磁性ワイヤー361が切り込み360の内部に接着される(ステップ2212)。
【0224】
磁性ワイヤー361が切り込み360の内部に接着されると、ワイヤーテープ巻きつけリール兼移動タイヤ54に配置された止め具301が支持棒351の後端に接触して、ワイヤーテープ巻きつけリール兼移動タイヤ54の回転が停止し、磁性ワイヤー付与装置337の走行が停止する(ステップ2213)。
【0225】
磁性ワイヤー付与装置337の走行が停止すると、ワイヤー付与接着ボタン44の押下が解除され、支持棒351が元の状態に戻り、用紙切り込み刃56、ワイヤーガイド57、ワイヤー押さえ兼接着シャフト58が用紙14から離れる(ステップ2214)。
【0226】
用紙切り込み刃56、ワイヤーガイド57、ワイヤー押さえ兼接着シャフト58が用紙14から離れると、磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13のモータ30によって、上下移動装置B−32が用紙14から離れるように上昇し(ステップ2215)、磁性ワイヤー付与装置337が組み込まれた走行装置D−34が左右移動装置C−33内において進行方向とは逆の方向(図19に示す矢印41方向)に移動し、走行を開始する前の所定の位置に戻る。
【0227】
磁性ワイヤーが付与された用紙14は転写ドラム18に搬送される(ステップ2216)。
【0228】
原稿読取り機22によって読取られた、複写される原稿は、露光装置21より感光ドラムに静電潜像として形成され、現像器16によって感光ドラム17に現像されたトナー像が、転写ドラム18によってステップ2216で搬送された用紙14に転写され(ステップ2217)、用紙14は定着器19を通ってトレイ20に排紙される(ステップ2218)。
【0229】
このように複写機300において磁性ワイヤーを付与する複写処理が行なわれる。
【0230】
また、ステップ2202において、ユーザからの複写の指示の中に磁性ワイヤーを付与する指示が含まれていない場合は(ステップ2202でNO)、用紙ストッカ10から給紙される用紙14は、転写ドラム18に搬送される(ステップ2216)。
【0231】
そして、原稿読取り機22によって読取られた、複写される原稿は、露光装置21より感光ドラムに静電潜像として形成され、現像器16によって感光ドラム17に現像されたトナー像が、転写ドラム18によってステップ2216で搬送された用紙14に転写され(ステップ2217)、用紙14は定着器19を通ってトレイ20に排紙される(ステップ2218)。
【0232】
このように、複写機300において磁性ワイヤーを付与しない複写処理が行なわれる。
【0233】
なお、ワイヤーテープ巻きつけリール兼移動タイヤ54に配置される止め具301等の個数と位置は、本実施例で説明したように3個でワイヤーテープ巻きつけリール兼移動タイヤ54の周の近辺でなくともよく、ワイヤーカッター48で切断されるワイヤー361の長さ、ワイヤーテープ巻きつけリール兼移動タイヤ54の径等を考慮して、磁性ワイヤーを用紙内に接着を終了した時点で磁性ワイヤー付与装置337が停止するように設定される。
【0234】
なお、本実施例においては、磁性ワイヤー付与装置337によって用紙14に磁性ワイヤーを付与する際に、磁性ワイヤー付与装置337を用紙14上で移動させることによって用紙14に磁性ワイヤーを付与するように説明したが、磁性ワイヤー付与装置337を固定して用紙14を移動させるようにして、相対的に磁性ワイヤー付与装置337が用紙14上で走行するようにして、磁性ワイヤーを用紙14に付与しても良い。
【0235】
なお、磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13と台座15とを、複写機300内において、図17を参照して説明したように、用紙に画像が形成される前の工程に設置して、用紙に磁性ワイヤーを付与してから画像を形成するようにするのではなく、図25に示すように、用紙に画像が形成された後に磁性ワイヤーを付与する工程をとって、磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13、台座15等を定着器19の後工程に設置するようにしてもよい。
【0236】
図25は、画像が形成された後の用紙に磁性ワイヤーを必要に応じて付与する工程をとる複写機400の概略を示した構成図である。
【0237】
図25において、磁性ワイヤー付与装置337は、複写機400の排紙トレイ近傍に配設された磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13の中に組み込まれている。
【0238】
複写機400内の部品は、本実施例で説明した複写機300を構成している部品と同じ部品については、同じ符号を記して説明を行なう。
【0239】
図25に示すように、複写機400は、用紙ストッカ10、原稿読取り機22、露光装置21、現像器16、感光ドラム17、転写ドラム18、定着器19、ローラ411、センサ12、磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13、台座15、トレイ20で構成される。
【0240】
なお、複写機400の動作制御は図示せぬCPUによって行われる。
【0241】
複写機400内では、用紙ストッカ10から搬送された用紙に、転写ドラム18によって感光ドラム17に現像されているトナー像の転写が行なわれ、定着器19によって、トナーの定着が行なわれ、用紙に画像が形成される。
【0242】
画像が形成された用紙が、ローラ411によって台座15上に配置され、磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13に組み込まれている磁性ワイヤー付与装置337によって磁性ワイヤーが付与され、画像が形成されて磁性ワイヤーが付与された用紙がトレイ20に排紙される。
【産業上の利用可能性】
【0243】
この発明は、用紙に磁性ワイヤーを挿入することでセキュリティ用紙を生成する装置において利用可能である。
【0244】
この発明によれば、既に製造された用紙に対して、画像形成前もしくは画像形成後に、必要に応じて、用紙の任意の位置に磁性ワイヤーを挿入して、セキュリティ用紙を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0245】
【図1】本発明に係わる磁性ワイヤー付与装置を適用した複写機100の要部の構成を示す構成図。
【図2】磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13とその下に設置されている台座15との概略を示す構成図。
【図3】左右移動装置C−33に組み込まれている走行装置D−34と、走行装置D−34に組み込まれている磁性ワイヤー付与装置37との概略を示す構成図。
【図4】ワイヤーテープ52の概略を3方向から示した構成図。
【図5】磁性ワイヤー付与装置37内において、ワイヤーテープ52が所定の長さに切断される様子を示した、磁性ワイヤー付与装置37と用紙14と台座15との構成図。
【図6】ワイヤーカッター48によってワイヤーテープ52に接着されている磁性ワイヤー62が切断される様子を3方向から示した、磁性ワイヤー付与装置37とワイヤーテープ52との構成図。
【図7】磁性ワイヤー付与装置37によって、用紙14に対して磁性ワイヤーを付与する切り込み80が形成される様子を示した、台座15と用紙14と磁性ワイヤー付与装置37との構成図。
【図8】用紙14に磁性ワイヤー付与装置37によって切り込み80が形成される様子を3方向から示した、台座15と用紙14と磁性ワイヤー付与装置37との構成図。
【図9】磁性ワイヤー付与装置37に備え付けられた用紙切り込み刃56の設置角度を示した、台座15に配置されている用紙14上を走行している磁性ワイヤー付与装置37を走行先から見た、台座15と用紙14と磁性ワイヤー付与装置37との構成図。
【図10】磁性ワイヤー付与装置37に設置されたワイヤーガイド57によって、ワイヤーテープ52から切断された磁性ワイヤー82が用紙14に形成された切り込み80の開口部の真上に位置決めされる様子を示した、用紙14とワイヤー82とワイヤーガイド57との模式図。
【図11】台座15上に配置されている用紙14上を走行する磁性ワイヤー付与装置37内において、磁性ワイヤー82がワイヤーガイド57によって切り込み80の開口部の真上に位置決めされる様子を示した、台座15と用紙14と磁性ワイヤー付与装置37との構成図。
【図12】台座15上に配置された用紙14上を走行している磁性ワイヤー付与装置37内の磁性ワイヤー82が、用紙14の切り込み80に、ワイヤー押さえ兼接着シャフト58によって接着された様子を示した、台座15と用紙14と磁性ワイヤー付与装置37との構成図。
【図13】ワイヤーカッター48によって切断された磁性ワイヤー82がワイヤー押さえ兼接着シャフト58によって切り込み80の内部に接着された様子を示した、用紙14とワイヤー押さえ兼接着シャフト58の断面図。
【図14】台座15上に配置された用紙14上を走行している磁性ワイヤー付与装置37が磁性ワイヤー82を用紙14に付与し終わり、磁性ワイヤー付与装置37の支持棒50が用紙14と平行になる元の状態に戻った様子を示した、台座15と用紙14と磁性ワイヤー付与装置37との構成図。
【図15】複写機100において、複写が行なわれる際の処理フローについて示したフローチャート。
【図16】画像が形成された後の用紙に磁性ワイヤーを必要に応じて付与する工程をとる複写機200の概略を示した構成図。
【図17】磁性ワイヤーの付与が終了した時に磁性ワイヤー付与装置の走行が自動的に停止する磁性ワイヤー付与装置337を組み込んだ複写機300の概略を示した構成図。
【図18】複写機300に組み込まれた磁性ワイヤー付与装置用移動装置A−13と、台座15との概略を示した構成図。
【図19】左右移動装置C−33に組み込まれている走行装置D−34と、走行装置D−34に組み込まれている磁性ワイヤー付与装置337との概略を示す構成図。
【図20】磁性ワイヤー付与装置337内で磁性ワイヤーが切断される様子を示した、台座15、用紙14、磁性ワイヤー付与装置337の構成図。
【図21】磁性ワイヤー付与装置337によって、磁性ワイヤー361が用紙14の切り込み360の内部に接着される様子を示した、台座15、用紙14、磁性ワイヤー付与装置337の構成図。
【図22】磁性ワイヤー付与装置337が磁性ワイヤー361を用紙14へ付与し終えた時に、磁性ワイヤー付与装置337が止め具301によって停止された状態を示す、台座15、用紙14、磁性ワイヤー付与装置337の構成図。
【図23】磁性ワイヤー付与装置337が走行を停止して、ワイヤー付与接着ボタン44の押下が解除された状態を示す、台座15、用紙14、磁性ワイヤー付与装置337の構成図。
【図24】複写機300において、複写が行なわれる際の処理フローについて示したフローチャート。
【図25】画像が形成された後の用紙に磁性ワイヤーを必要に応じて付与する工程をとる複写機400の概略を示した構成図。
【符号の説明】
【0246】
10 用紙ストッカ
11 ローラ
12 センサ
13 磁性ワイヤー付与装置用移動装置A
14 用紙
15 台座
16 現像器
17 感光ドラム
18 転写ドラム
19 定着器
20 トレイ
21 露光装置
22 原稿読取り機
30 モータ
31 モータ
32 上下移動装置B
33 左右移動装置C
34 走行装置D
37 磁性ワイヤー付与装置
40 モータ
43 ワイヤー切断ボタン
44 ワイヤー付与接着ボタン
45 ワイヤー切断ボタンの外枠
46 棒
47 引っ張りバネ
48 ワイヤーカッター
49 支持棒押し込み部品49
50 支持棒
51 引っ張りバネ
52 ワイヤーテープ
53 ワイヤーテープ巻取り軸
54 ワイヤーテープ巻きつけリール兼移動タイヤ
55 補助タイヤ
56 用紙切り込み刃
57 ワイヤーガイド
58 ワイヤー押さえ兼接着シャフト
59 支持棒押さえ部品
60 支点
61 基材
62 磁性ワイヤー
66 ワイヤー付与接着ボタンの外枠
82 磁性ワイヤー
200 複写機
211 ローラ
300 複写機
301 止め具
302 止め具
303 止め具
337 磁性ワイヤー付与装置
351 支持棒
361 磁性ワイヤー
400 複写機
411 ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に対して磁性ワイヤーを付与する磁性ワイヤー付与装置において、
磁性ワイヤーが接着されたシートを供給する磁性ワイヤー供給手段と、
前記磁性ワイヤー供給手段で供給される前記シート上から前記磁性ワイヤーを所定の長さに切断する切断手段と、
前記用紙に切り込み部を形成する切り込み形成手段と、
前記磁性ワイヤー供給手段による前記シートの供給により前記切断手段によって切断された磁性ワイヤーを前記用紙の前記切り込み形成手段により形成された切り込み部上に移動させる移動制御手段と、
前記移動制御手段により移動制御された磁性ワイヤーを前記切り込み形成手段によって形成された前記用紙の切り込み部内部に接着する接着手段と
を具備することを特徴とする磁性ワイヤー付与装置。
【請求項2】
前記接着手段は、
前記切断手段によって切断された磁性ワイヤーを前記切り込み形成手段によって形成された切り込み部の開口部の真上に導くワイヤーガイド手段
を具備することを特徴とする請求項1記載の磁性ワイヤー付与装置。
【請求項3】
前記切り込み形成手段は、
前記用紙上に切り込みを形成する刃
を有し、
前記刃は、
前記用紙との角度が前記磁性ワイヤーの進行方向から見て90度より小さい角度で取り付けられる
ことを特徴とする請求項1および2記載の磁性ワイヤー付与装置。
【請求項4】
前記切り込み形成手段は、
前記用紙上に切り込みを形成する刃
を有し、
前記刃は、
先端に向うにしたがって細くなる形状を有する
ことを特徴とする請求項1乃至3記載の磁性ワイヤー付与装置。
【請求項5】
前記切り込み形成手段は、
前記用紙上に切り込みを形成する刃
を有し、
前記刃は、
所定の曲率を有する
ことを特徴とする請求項1乃至5記載の磁性ワイヤー付与装置。
【請求項6】
前記磁性ワイヤー供給手段は、
熱溶着剤で形成された基材に前記磁性ワイヤーを接着したシートを供給し、
前記接着手段は、
加熱により前記シートから前記磁性ワイヤーを分離して該磁性ワイヤーを前記切り込み形成手段によって形成された前記用紙の切り込み部内部に前記熱溶着剤で接着する加熱手段
を具備することを特徴とする請求項1及至5記載の磁性ワイヤー付与装置。
【請求項7】
前記磁性ワイヤー供給手段は、
基材に前記磁性ワイヤーを熱溶着剤で接着したシートを供給し、
前記接着手段は、
加熱により前記シートから前記磁性ワイヤーを分離して該磁性ワイヤーを前記切り込み形成手段によって形成された前記用紙の切り込み部内部に前記熱溶着剤で接着する加熱手段
を具備することを特徴とする請求項1及至5記載の磁性ワイヤー付与装置。
【請求項8】
用紙に対して磁性ワイヤーを付与する磁性ワイヤー付与方法において、
磁性ワイヤーが接着されたシートを磁性ワイヤー供給手段により供給し、
該磁性ワイヤー供給手段で供給される該シート上から該磁性ワイヤーを所定の長さに切断手段により切断し、
該用紙に切り込み部を切り込み形成手段により形成し、
該磁性ワイヤー供給手段による該シートの供給により該切断手段によって切断された磁性ワイヤーを該用紙の該切り込み形成手段により形成された切り込み部上に移動制御手段により移動させ、
該移動制御手段により移動制御された磁性ワイヤーを該切り込み形成手段によって形成された該用紙の切り込み部内部に接着手段により接着する
ことを特徴とする磁性ワイヤー付与方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2006−231680(P2006−231680A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−48963(P2005−48963)
【出願日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】