説明

磁性体分散塗布液

【課題】 磁性体粉末が均一に分散した磁性体分散塗布液の提供。
【解決手段】(A)磁性体粉末、(B)アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸塩およびレシチンからなる群から選択される少なくとも1種の分散剤、(C)シロキサンポリマー、および(D)溶剤を含むことを特徴とする磁性体分散塗布液。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁性体分散塗布液に関する。
【背景技術】
【0002】
磁性体を用いた記録媒体としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等の磁気ディスク、ビデオテープ、データテープ等の磁気テープの他、最近注目され、開発が進められているMRAM(Magnetic Random Access Memory)等が挙げられる。これらは磁性体を含む層(以下、磁性体層という)を有する。磁性体層は、例えば磁性体粉末と樹脂バインダとを含むペーストを支持体に塗布することにより形成される。
【0003】
一方、上記磁性体層の形成方法としては、磁性体粉末とシロキサンポリマーとを含む塗布液(以下、磁性体分散塗布液という)を塗布する、いわゆるSOG(SPIN-ON-GLASS)技術も提案されている。
例えば、特許文献1〜3には、磁性体粉末とシロキサン結合を繰り返し単位とする3次元架橋体(シロキサンポリマー)とを含む磁性体分散塗布液から磁性体層が得られることが記載されている。
【特許文献1】特開平6−338043号公報
【特許文献2】特開平7−73443号公報
【特許文献3】特開平7−73444号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、シロキサンポリマーと磁性体粉末を含む磁性体分散塗布液では、充分な分散性向上効果は得られないという問題点がある。これに対して、上記特許文献1〜3においては磁性体分散塗布液に分散剤を用いているが、添加しない場合よりは磁性体粉末の分散性が向上するものの、充分な効果が得られるとは言い難い。
【0005】
また、MRAMは、最近注目され、いろいろ開発が進められているものである。このMRAMでは、絶縁体薄膜を2層の磁性体薄膜(磁性体層)ではさみ込むという構造を有しており、より均一な磁性体層の磁性特性が要求される。
そして、特許文献1〜3に記載の技術は、磁気テープ等を対象としたものであり、MRAMを対象としたものではなく、磁性体層における磁性粉体の分布の均一性が劣っているものである。
【0006】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、磁性体粉末が均一に分散した磁性体分散塗布液を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的は、(A)磁性体粉末、(B)アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸塩およびレシチンからなる群から選択される少なくとも1種の分散剤、(C)シロキサンポリマー、および(D)溶剤を含むことを特徴とする磁性体分散塗布液により達成できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明においては、磁性体粉末が均一に分散した磁性体分散塗布液を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(A)磁性体粉末
(A)成分としては、特に限定されるものではなく、例えば、鉄、コバルト、ニッケルなどの金属;Fe−Ni(パーアロイ)、Fe−Co、Fe−Ni−Co−Al(アルニコ磁石)、Fe−Ni−Cr、MnAl磁石等の合金;SmCo(サマリウム磁石)、NdFe14B(ネオジウム磁石)等の化合物;鉄酸化物等が挙げられる。
なお、上記例示した組成に含まれる原子以外に、Al、Si、S、Sc、Ca、Ti、V、Cr、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、Bなどの原子が含まれていてもよい。
【0010】
(A)成分としては、これらの中でも鉄酸化物が好ましい。鉄酸化物とは、その構造中に酸素と鉄(酸化鉄)を含むものである。
鉄酸化物としては、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等のフェライト[MO−Fe(Mは金属)]、Fe(磁鉄鉱)、γ−Fe(マグヘイト)等が挙げられる。その中でも、フェライト、γ−Feが好ましく、より好ましくはγ−Feである。
【0011】
(A)成分の平均粒径は、分散性、磁性特性等の点から、通常0.01〜0.2μm、好ましくは0.02〜0.1μm、より好ましくは0.02〜0.05μmとされる。
【0012】
(A)成分は1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
(A)成分の配合量は磁性体分散塗布液中、1質量%以下が好ましく、0.9質量%以下がより好ましい。この範囲とすることによって、均一な分散性および保存安定性を有するとともに、磁性体の脱落のない磁性体層を形成できる磁性体分散塗布液を得られる。下限値は、磁性特性の点から、0.1質量%以上、好ましくは0.2質量%以上、さらには0.3質量%以上とされる。
【0013】
(B)アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸塩およびレシチンからなる群から選択される少なくとも1種の分散剤
本発明においては、(B)成分を配合することにより、(A)成分の分散性が向上する。
また、その分散性は保存しても沈殿等が発生しにくく、保存安定性が良好となる。
【0014】
アルキルベンゼンスルホン酸において、アルキル基は直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、好ましくは直鎖状である。
アルキル基の好ましい炭素数は炭素数8〜20、好ましくは10〜14であり、特には12が好ましい。
アルキル基の数は1〜5が可能であるが、好ましくは1である。
ベンゼン環におけるアルキル基の結合位置は、2位、3位、4位のいずれもあり得るが4位が好ましい。
そして、アルキルベンゼンスルホン酸において、特に好ましいのは、ドデシルベンゼンスルホン酸であり、特に4−ドデシルベンゼンスルホン酸が好ましい。
【0015】
アルキルベンゼンスルホン酸塩において、アルキルベンゼンスルホン酸の好ましい態様は上記と同じである。
アルキルベンゼンスルホン酸塩において、対イオンは、特に限定せず、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;カルシウム等のアルカリ土類金属等が挙げられるが、好ましいのは、アルカリ金属であり、特にはナトリウムが望ましい。
アルキルベンゼンスルホン酸とアルキルベンゼンスルホン酸塩のうちでは、アルキルベンゼンスルホン酸が好ましい。
【0016】
レシチンは分散剤として市販されているものを好適に用いることができ、特に制限されない。
【0017】
(B)成分は、1種または2種以上混合して用いることができる。
(B)成分の配合量は(A)成分100質量部に対して5〜200質量部が好ましく、10〜100質量部がより好ましい。
下限値以上にすることにより(A)成分の分散性が向上する。
上限値以下にすることにより効果の飽和を防ぐことができる。また、特にアルキルベンゼンスルホン酸又はその塩を用いる場合は、過剰に用いると磁性体層形成時に脱ガスが生じやすくなる傾向があるが、この範囲であれば、例え脱ガスが生じたとしても実用上問題ないものとすることができる。
【0018】
(C)シロキサンポリマー
(C)成分は、SOG法によるシリカ系被膜の形成材料として知られているものを適宜用いることができる。
好ましくは下記一般式(I)で表されるシラン化合物から選択される少なくとも1種を加水分解反応させて得られる反応生成物が用いられる。
【0019】
4−nSi(OR’) …(I)
一般式(I)において、Rは水素原子、アルキル基またはフェニル基を表し、R’はアルキル基またはフェニル基を表し、nは2〜4の整数を表す。Siに複数のRが結合している場合、該複数のRは同じであっても異なっていてもよい。またSiに結合している複数の(OR’)基は同じであっても異なっていてもよい。
Rとしてのアルキル基は、好ましくは炭素数1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基である。
R’としてのアルキル基は好ましくは炭素数1〜5の直鎖状または分岐状のアルキル基である。R’としてのアルキル基は、特に加水分解速度の点から炭素数1または2が好ましい。
【0020】
上記シラン化合物を加水分解反応させて得られる反応生成物には、低分子量の加水分解物、および加水分解反応と同時に分子間で脱水縮合反応を生じて生成された縮合物(シロキサンオリゴマー)が含まれ得る。本発明におけるシロキサンポリマーとは、かかる加水分解物または縮合物を含む場合、これらをも含む全体を指す。
(C)成分の質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算基準、以下同様、)は、1000〜500,000が好ましい。より好ましい範囲は1300〜5000でである。該シロキサンポリマーのMwを上記範囲の下限値以上とすることにより良好な膜形成能が得られ、上記範囲の上限値以下とすることにより、溶剤への溶解性が良好となり、良好な塗布性・平坦性が得られる。
【0021】
上記一般式(I)におけるnが4の場合のシラン化合物(i)は下記一般式(II)で表される。
Si(OR(OR(OR(OR …(II)
式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に上記R’と同じアルキル基またはフェニル基を表す。
a、b、c及びdは、0≦a≦4、0≦b≦4、0≦c≦4、0≦d≦4であって、かつa+b+c+d=4の条件を満たす整数である。
【0022】
一般式(I)におけるnが3の場合のシラン化合物(ii)は下記一般式(III)で表される。
Si(OR(OR(OR …(III)
式中、Rは水素原子、上記Rと同じアルキル基、またはフェニル基を表す。R、R、及びRは、それぞれ独立に上記R’と同じアルキル基またはフェニル基を表す。
e、f、及びgは、0≦e≦3、0≦f≦3、0≦g≦3であって、かつ
e+f+g=3の条件を満たす整数である。
【0023】
一般式(I)におけるnが2の場合のシラン化合物(iii)は下記一般式(IV)で表される。
10Si(OR11(OR12 …(IV)
式中、R及びR10は水素原子、上記Rと同じアルキル基、またはフェニル基を表す。R11、及びR12は、それぞれ独立に上記R’と同じアルキル基またはフェニル基を表す。
h及びiは、0≦h≦2、0≦i≦2であって、かつh+i=2の条件を満たす整数である。
【0024】
シラン化合物(i)の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラペンチルオキシシラン、テトラフェニルオキシシラン、トリメトキシモノエトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、トリエトキシモノメトキシシラン、トリメトキシモノプロポキシシラン、モノメトキシトリブトキシシラン、モノメトキシトリペンチルオキシシラン、モノメトキシトリフェニルオキシシラン、ジメトキシジプロポキシシラン、トリプロポキシモノメトキシシラン、トリメトキシモノブトキシシラン、ジメトキシジブトキシシラン、トリエトキシモノプロポキシシラン、ジエトキシジプロポキシシラン、トリブトキシモノプロポキシシラン、ジメトキシモノエトキシモノブトキシシラン、ジエトキシモノメトキシモノブトキシシラン、ジエトキシモノプロポキシモノブトキシシラン、ジプロポキシモノメトキシモノエトキシシラン、ジプロポキシモノメトキシモノブトキシシラン、ジプロポキシモノエトキシモノブトキシシラン、ジブトキシモノメトキシモノエトキシシラン、ジブトキシモノエトキシモノプロポキシシラン、モノメトキシモノエトキシモノプロポキシモノブトキシシランなどのテトラアルコキシシランが挙げられ、中でもテトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが好ましい。
【0025】
シラン化合物(ii)の具体例としては、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラン、トリペンチルオキシシラン、トリフェニルオキシシラン、ジメトキシモノエトキシシラン、ジエトキシモノメトキシシラン、ジプロポキシモノメトキシシラン、ジプロポキシモノエトキシシラン、ジペンチルオキシモノメトキシシラン、ジペンチルオキシモノエトキシシラン、ジペンチルオキシモノプロポキシシラン、ジフェニルオキシルモノメトキシシラン、ジフェニルオキシモノエトキシシラン、ジフェニルオキシモノプロポキシシラン、メトキシエトキシプロポキシシラン、モノプロポキシジメトキシシラン、モノプロポキシジエトキシシラン、モノブトキシジメトキシシラン、モノペンチルオキシジエトキシシラン、モノフェニルオキシジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリペンチルオキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリペンチルオキシシラン、エチルトリフェニルオキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリペンチルオキシシラン、プロピルトリフェニルオキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリプロポキシシラン、ブチルトリペンチルオキシシラン、ブチルトリフェニルオキシシラン、メチルモノメトキシジエトキシシラン、エチルモノメトキシジエトキシシラン、プロピルモノメトキシジエトキシシラン、ブチルモノメトキシジエトキシシラン、メチルモノメトキシジプロポキシシラン、メチルモノメトキシジペンチルオキシシラン、メチルモノメトキシジフェニルオキシシラン、エチルモノメトキシジプロポキシシラン、エチルモノメトキシジペンチルオキシシラン、エチルモノメトキシジフェニルオキシシラン、プロピルモノメトキシジプロポキシシラン、プロピルモノメトキシジペンチルオキシシラン、プロピルモノメトキシジフェニルオキシシラン、ブチルモノメトキシジブロポキシシラン、ブチルモノメトキシジペンチルオキシシラン、ブチルモノメトキシジフェニルオキシシラン、メチルメトキシエトキシプロポキシシラン、プロピルメトキシエトキシプロポキシシラン、ブチルメトキシエトキシプロポキシシラン、メチルモノメトキシモノエトキシモノブトキシシラン、エチルモノメトキシモノエトキシモノブトキシシラン、プロピルモノメトキシモノエトキシモノブトキシシラン、ブチルモノメトキシモノエトキシモノブトキシシランなどが挙げられ、中でもトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルトリメトキシシランが好ましい
【0026】
シラン化合物(iii)の具体例としては、ジメトキシシラン、ジエトキシシラン、ジプロポキシシラン、ジペンチルオキシシラン、ジフェニルオキシシラン、メトキシエトキシシラン、メトキシプロポキシシラン、メトキシペンチルオキシシラン、メトキシフェニルオキシシラン、エトキシプロポキシシラン、エトキシペンチルオキシシラン、エトキシフェニルオキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルメトキシエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、メチルメトキシプロポキシシラン、メチルメトキシペンチルオキシシラン、メチルメトキシフェニルオキシシラン、エチルジプロポキシシラン、エチルメトキシプロポキシシラン、エチルジペンチルオキシシラン、エチルジフェニルオキシシラン、プロピルジメトキシシラン、プロピルメトキシエトキシシラン、プロピルエトキシプロポキシシラン、プロピルジエトキシシラン、プロピルジペンチルオキシシラン、プロピルジフェニルオキシシラン、ブチルジメトキシシラン、ブチルメトキシエトキシシラン、ブチルジエトキシシラン、ブチルエトキシプロポキシシシラン、ブチルジプロポキシシラン、ブチルメチルジペンチルオキシシラン、ブチルメチルジフェニルオキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルメトキシエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジペンチルオキシシラン、ジメチルジフェニルオキシシラン、ジメチルエトキシプロポキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルメトキシプロポキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルエトキシプロポキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジプロピルジペンチルオキシシラン、ジプロピルジフェニルオキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジブチルジエトキシシラン、ジブチルジプロポキシシラン、ジブチルメトキシペンチルオキシシラン、、ジブチルメトキシフェニルオキシシラン、メチルエチルジメトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン、メチルエチルジプロポキシシラン、メチルエチルジペンチルオキシシラン、メチルエチルジフェニルオキシシラン、メチルプロピルジメトキシシラン、メチルプロピルジエトキシシラン、メチルブチルジメトキシシラン、メチルブチルジエトキシシラン、メチルブチルジプロポキシシラン、メチルエチルエトキシプロポキシシラン、エチルプロピルジメトキシシラン、エチルプロピルメトキシエトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピルメトキシエトキシシラン、プロピルブチルジメトキシシラン、プロピルブチルジエトキシシラン、ジブチルメトキシエトキシシラン、ジブチルメトキシプロポキシシラン、ジブチルエトキシプロポキシシランなどが挙げられ、中でもジメトキシシラン、ジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシランが好ましい。
【0027】
上記反応生成物を得るのに用いるシラン化合物は、上記シラン化合物(i)〜(iii)の中から適宜選択することができる。
より好ましいのは、シラン化合物(ii);またはシラン化合物(i)とシラン化合物(ii)との組み合わせである。シラン化合物(i)とシラン化合物(ii)とを用いる場合、これらの使用割合はシラン化合物(i)が5〜75モル%で、シラン化合物(ii)が95〜25モル%の範囲内が好ましく、シラン化合物(i)が10〜80モル%で、シラン化合物(ii)が90〜20モル%の範囲内がより好ましく、シラン化合物(i)が15〜70モル%で、シラン化合物(ii)が85〜30モル%の範囲内が特に好ましい。またシラン化合物(ii)は、上記一般式(III)におけるRがアルキル基またはフェニル基、好ましくはアルキル基であるものがより好ましい。
【0028】
上記反応生成物は、例えば、上記シラン化合物(i)〜(iii)の中から選ばれる1種以上を、触媒、水、有機溶剤(以下、反応溶剤という場合がある)の存在下で加水分解、縮合反応せしめるゾル−ゲル法により調製することができる。
【0029】
上記触媒としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、ギ酸、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、氷酢酸、無水酢酸、プロピオン酸、n−酪酸などのカルボン酸及び硫黄含有酸残基をもつ有機酸などの酸触媒や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の無機・有機アルカリ触媒などを挙げることができる。
【0030】
加水分解反応の反応系における反応溶剤は、例えば飽和脂肪族系溶剤、芳香族系溶剤、アルコール系溶剤、グリコール系溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤等を挙げることができる。なお、グリコール系溶剤とは、グリコール誘導体からなる溶剤全般を示す。
これらの中でも、酸素原子を分子中に有するアルコール系溶剤、グリコール系溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤は、加水分解型のゾル−ゲル液を調製する場合に好適に用いられる。
アルコール系溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、アミルアルコール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール等が例示される。
グリコール系溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール、3,3’−ジメチルブタノール等が例示される。
エーテル系溶剤としては、メチラール、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジアミルエーテル、ジエチルアセタール、ジヘキシルエーテル、トリオキサン、ジオキサン等が例示される。
ケトン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、メチルシクロヘキシルケトン、ジエチルケトン、エチルブチルケトン、トリメチルノナノン、アセトニトリルアセトン、ジメチルオキシド、ホロン、シクロヘキサノン、ダイアセトンアルコール等が例示される。
エステル系溶剤としては、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸メチル、酪酸エチル、オキシイソ酪酸エチル、アセト酢酸エチル、乳酸エチル、メトキシブチルアセテートシュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、メチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−エトキシプロピオネート等が例示される。
これら溶剤は、単独若しくは2種以上を混合した形で用いることができる。
【0031】
これらの中でも、反応溶剤として特に好ましいのは、イソプロピルアルコールとn−ブタノールの一方あるいは両方を含むことである。
これら好ましい溶剤は(C)成分の溶解性が良好である。反応溶剤は、そのまま磁性体分散塗布液の(D)成分として用いることが好ましい。
上記反応溶剤は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0032】
上記のように、ゾル−ゲル法により製造されたシロキサンポリマーを用いると、磁性体分散塗布液中の(A)成分の分散性を向上させることができる。
【0033】
また、本発明の磁性体分散塗布液においては、シロキサンポリマー100質量部に対して(A)成分が1〜20質量部、好ましくは2〜10質量部となる様にすることが脱落を防止する上、磁性特性を得る上で好ましい。
【0034】
(D)溶剤
(D)成分は、上記(C)成分の反応溶剤と同様のものをを用いればよい。これらの溶剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、上記(C)成分の反応溶剤として好ましく用いられるものが好適である。
本発明の磁性体分散塗布液の固形分濃度(磁性体分散塗布液における(A)成分と(C)成分とを合わせた濃度)は特に限定されないが、2〜20質量%程度が好ましく、5〜15質量%程度がより好ましい。
【0035】
(磁性体分散塗布液の調製)
上記磁性体分散塗布液は、(A)〜(D)成分を混合することにより調製することができる。以下に(a)〜(c)の工程からなる1つの調製例を示す。
【0036】
(a)(A)成分の分散液の調製
(A)成分と(B)成分は、例えば(A)成分を、(B)成分中に練り込んで、これに(D)成分として用いる溶剤を加える。これにより(A)成分の分散液を調製することができる。また、当該分散液においては、分散後、例えば静置または遠心分離した後に上澄み液をろ過して、非分散物を取り除くことが好ましい。
【0037】
(b)(C)成分の溶液の調製
(C)成分は、例えば上記のように一般式(I)で示されるシラン化合物を反応溶剤中で加水分解反応させ、ゾル−ゲル法により調製することができる。
これにより、(C)成分と、反応に用いた反応溶剤(有機溶剤)を含む反応溶液が得られる。これをそのまま磁性体分散塗布液の調製に用いる場合は、反応溶剤として(D)成分を用いればよい。
また、このとき、好ましい固形分濃度に調整するために、濃縮または希釈してもよい。希釈する場合には、希釈溶剤を加えればよい。上記希釈溶剤としては加水分解反応における反応溶剤として上記に挙げたものの中から適宜選択して用いることが好ましいが、それ以外の一般的な有機溶剤も使用可能である。
なお、必要に応じて反応溶液から反応溶剤を留去し、新たに反応溶剤とは異なる種類の有機溶剤[(D)成分]を加えて(C)成分の溶液を調製することもできる。
【0038】
(c)(A)成分の分散液と(C)成分の溶液との混合
上記(a)(b)で調製した分散液および溶液を混合することにより磁性体分散塗布液が得られる。
このように、(A)成分の分散液と(C)成分の溶液とを混合すると、より均一に(A)成分が分散した磁性体分散塗布液が得られる。
【0039】
(磁性体層の形成)
本発明の磁性体分散塗布液を用いて磁性体層を形成する方法としては、塗布し、乾燥・熱処理を行うことにより形成することができる。
【0040】
塗布法としては、例えば、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等が挙げられる。これらの塗布法により、磁性体分散塗布液を基板等の基体に塗布して塗膜を形成することができる。
次いで、この塗膜を、例えばホットプレート等により乾燥・熱処理する。このときの処理温度は、例えば80〜500℃程度であり、より好ましくは80〜300℃程度である。この処理は温度を変えつつ複数段階で行ってもよい。
これにより、磁性体粉末が分散した磁性体層が得られる。また、形成される磁性体層の厚さは、通常1μm以下、好ましくは0.01〜0.7μm、より好ましくは0.05〜0.5μmの範囲である。
【0041】
本発明の磁性体分散塗布液においては、特定の分散剤を用いることにより、磁性体分散塗布液中の磁性体粉末の分散性を向上させることができる。また、保存中においても当該分散性が維持されるという効果も得られる。
そのため、本発明の磁性体分散塗布液より形成された磁性体層においては、磁性体粉末の均一な分布が得られる。これにより、磁性特性に優れた磁性体層が得られる。また、磁性体分散液にシロキサンポリマーを用いているため、磁性体層に絶縁特性を付与することができる。
また、本発明の磁性体分散塗布液を用いると、均一な分散性に起因すると推測されるが、磁性体が磁性体層から脱落することを抑制できるという効果も得られる。
【0042】
本発明の磁性体分散塗布液は、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等の磁気ディスク、ビデオテープ、データテープ等の磁気テープ、MRAM等、磁性体層を形成する用途全てに適用し得る。特に薄膜の磁性体層中における磁性体粉末の均一分散性が高度に要求されるMRAMに適している。また、スパッタ法よりも低コストで磁性体層を形成することができる。
【実施例】
【0043】
以下、本発明について実施例を示してさらに具体的に説明する。
(実施例1)
(1−1)磁性粉末の分散液の調製
γ−Fe(戸田工業株式会社製)10.0g[(A)成分]を4−ドデシルベンゼンスルホン酸2.0g[(B)成分]に練り込み、n−ブタノール2988g[(D)成分]を加え、γ−Fe理論値0.33質量%の分散液を得た。
上記分散液を遠心分離機にかけた後、上澄みを2μmのろ紙を用いてろ過した。この分散液について、γ−Fe濃度を重量乾燥法により測定したところ、実測値0.25質量%であった。
【0044】
(1−2)シロキサンポリマー溶液の調製
メチルトリメトキシシラン136g、テトラメトキシシラン152g、n−ブタノール386g[(D)成分]を混合、撹拌した。そこに、水126g、濃度60質量%の硝酸10μLを加え、加水分解反応させ、ゾル−ゲル法により、シロキサンポリマー[(C)成分]を含む反応溶液を得た。反応溶液中のシロキサンポリマーの質量平均分子量(Mw)は2100であった。
ついで、上記反応溶液に、希釈溶剤としてn−ブタノール[(D)成分]を混合してシロキサンポリマー溶液(シロキサンポリマー濃度12質量%)を得た。
【0045】
(1−3)磁性体分散塗布液の調製
(1−1)の分散液と(1−2)のシロキサンポリマー溶液とを混合することにより磁性体分散塗布液を調製した。このとき、磁性体分散塗布液中のシロキサンポリマーに対して、γ−Feが5質量%となるように調製した。また、磁性体分散塗布液の固形分濃度は10質量%とした。また、磁性体分散塗布液中のγ−Feの濃度は0.5質量%とした。
【0046】
(実施例2)
(2−1)磁性粉末の分散液の調製
実施例1と同様にして調製した。
【0047】
(2−2)シロキサンポリマー溶液の調製
メチルトリメトキシシラン136g、反応溶剤としてのn−ブタノール210g、水54gを用いて、実施例1と同様に加水分解反応を行った。得られたシロキサンポリマーの質量平均分子量(Mw)は1600であった。
そして、得られた反応液に、希釈溶剤としてn−ブタノールを混合してシロキサンポリマー溶液(シロキサンポリマー濃度12質量%)を得た。
【0048】
(2−3)磁性体分散塗布液の調製
(2−1)の分散液と(2−2)のシロキサンポリマー溶液とを混合することにより磁性体分散塗布液を調製した。このとき、磁性体分散塗布液中のシロキサンポリマーに対して、γ−Feが5質量%となるように調製した。また、磁性体分散塗布液の固形分濃度は10質量%とした。また、磁性体分散塗布液中のγ−Feの濃度は0.5質量%とした。
【0049】
(実施例3)
(3−1)磁性粉末の分散液の調製
ドデシルベンゼンスルホン酸の重量を30gに変更し、溶剤として、プロピレングリコールモノプロピルエーテル(PGP)を用いた以外は実施例1と同様にして調製した。
【0050】
(3−2)シロキサンポリマー溶液の調製
反応溶剤、希釈溶剤として、PGPを用いた以外は実施例1と同様にしてシロキサンポリマー溶液を製造した。
【0051】
(3−3)磁性体分散塗布液の調製
(3−1)の分散液と(3−2)のシロキサンポリマー溶液とを混合することにより磁性体分散塗布液を調製した。このとき、磁性体分散塗布液中のシロキサンポリマーに対して、γ−Feが5質量%となるように調製した。また、磁性体分散塗布液の固形分濃度は10質量%とした。また、磁性体分散塗布液中のγ−Feの濃度は0.5質量%とした。
【0052】
(実施例4)
(4−1)磁性粉末の分散液の調製
(B)成分をレシチン2.0gに変更し、溶剤として、PGPを用いた以外は実施例3と同様にして調製した。
【0053】
(4−2)シロキサンポリマー溶液の調製
実施例3と同様にしてシロキサンポリマー溶液を製造した。
【0054】
(4−3)磁性体分散塗布液の調製
(4−1)の分散液と(4−2)のシロキサンポリマー溶液とを混合することにより磁性体分散塗布液を調製した。このとき、磁性体分散塗布液中のシロキサンポリマーに対して、γ−Feが5質量%となるように調製した。また、磁性体分散塗布液の固形分濃度は10質量%とした。また、磁性体分散塗布液中のγ−Feの濃度は0.5質量%(とした。
【0055】
(比較例1)
(1’−1)磁性粉末の分散液の調製
(B)成分を用いない以外は実施例1と同様にして調製した。
【0056】
(1’−2)シロキサンポリマー溶液の調製
実施例1と同様にしてシロキサンポリマー溶液を製造した。
【0057】
(1’−3)磁性体分散塗布液の調製
(1’−1)の分散液と(1’−2)のシロキサンポリマー溶液とを混合することにより磁性体分散塗布液を調製した。このとき、磁性体分散塗布液中のシロキサンポリマーに対して、γ−Feが5質量%となるように調製した。また、磁性体分散塗布液の固形分濃度は10質量%とした。また、磁性体分散塗布液中のγ−Feの濃度は0.5質量%とした。
【0058】
(比較例2)
(2’−1)磁性粉末の分散液の調製
(B)成分の代わりにオレイン酸2.0gを用い、溶剤として、ジブチルエーテル(DBE)を用いた以外は実施例1と同様にして調製した。
【0059】
(2’−2)シロキサンポリマー溶液の調製
反応溶剤、希釈溶剤として、DBEを用いた以外は実施例1と同様にして調製した。
【0060】
(2’−3)磁性体分散塗布液の調製
(2’−1)の分散液と(2’−2)のシロキサンポリマー溶液とを混合することにより磁性体分散塗布液を調製した。このとき、磁性体分散塗布液中のシリコンポリマーに対して、γ−Feが5質量%となるように調製した。また、磁性体分散塗布液の固形分濃度は10質量%とした。また、磁性体分散塗布液中のγ−Feの濃度は0.5 質量%とした。
【0061】
(比較例3)
(3’−1)磁性粉末の分散液の調製
(B)成分の代わりにグルコン酸2.0g用いた以外は実施例1と同様にして調製した。
【0062】
(3’−2)シロキサンポリマー溶液の調製
実施例1と同様にしてシロキサンポリマー溶液を製造した。
【0063】
(3’−3)磁性体分散塗布液の調製
(3’−1)の分散液と(3’−2)のシロキサンポリマー溶液とを混合することにより磁性体分散塗布液を調製した。このとき、磁性体分散塗布液中のシリコンポリマーに対して、γ−Feが5質量%となるように調製した。また、磁性体分散塗布液の固形分濃度は10質量%とした。また、磁性体分散塗布液中のγ−Feの濃度は0.5質量%とした。
【0064】
(評価)
調製した磁性体分散塗布液は、以下の項目1〜4について評価を行った。
1 分散性
調製直後の磁性体分散塗布液について、沈殿の有無を確認することにより、分散性を評価した。
その結果、実施例はいずれも、沈殿が生じておらず良好であった。比較例はいずれも沈殿が生じてしまった。
【0065】
2 保存安定性
磁性体分散塗布液を3ヶ月静置した後、沈殿の有無を確認することにより、保存安定性を評価した。
その結果、実施例はいずれも、沈殿が生じておらず良好であった。比較例はいずれも沈殿が生じてしまった。
【0066】
3 磁性特性
磁性体分散塗布液をスピン塗布により、シリコン基板上に塗布し、ホットプレートにてベーク処理を行った。ベーク処理における加熱条件は、80℃で1分間、次いで150℃で1分間、次いで200℃で1分間の多段ベークとした。この後、空気中にて400℃で30分間焼成して、厚さ3990Åの磁性体層を得た。
【0067】
上記のように作成した磁性体層について、磁性の有無を評価した。その結果、実施例はいずれも磁性を有していた。比較例については、分散性、保存安定性ともに悪いため、良好な磁性体層が形成できないことは明らかであり、評価しなかった。
また、実施例の磁性体分散塗布液を用いた磁性体層においては、磁性体が磁性体層から脱落することがなかった。
【0068】
本発明に係る実施例では、いずれの項目も良好な結果であった。これに比べて比較例ではいずれの項目も不良であった。
したがって、本発明に係る実施例では、磁性体分散塗布液中の磁性体粉末の分散性が良好で、保存安定性にも優れており、これにより、磁性体粉末が均一に分布した薄膜の磁性体層が形成できることが確認できた。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)磁性体粉末、(B)アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸塩およびレシチンからなる群から選択される少なくとも1種の分散剤、(C)シロキサンポリマー、および(D)溶剤を含むことを特徴とする磁性体分散塗布液。
【請求項2】
請求項1に記載の磁性体分散塗布液において、(A)成分は、鉄酸化物を含む磁性体分散塗布液。
【請求項3】
請求項1または2に記載の磁性体分散塗布液において、(B)成分は、ドデシルベンゼンスルホン酸を含む磁性体分散塗布液。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の磁性体分散塗布液において、(C)成分は、
4−nSi(OR’) …(I)
(式中、Rは水素原子、アルキル基またはフェニル基を表し、R’はアルキル基またはフェニル基を表し、nは2〜4の整数を表す。)
で表されるシラン化合物から選択される少なくとも1種を加水分解反応させて得られる反応生成物である磁性体分散塗布液。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の磁性体分散塗布液において、(B)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して、5〜200質量部である磁性体分散塗布液。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の磁性体分散塗布液において、(A)成分の磁性体分散塗布液中の濃度が1質量%以下である磁性体分散塗布液。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の磁性体分散塗布液において、(D)成分は、アルコール系溶剤、グリコール系溶剤、ケトン系溶剤、及びエーテル系溶剤からなる群から選択される少なくとも1種を含む磁性体分散塗布液。
【請求項8】
請求項7に記載の磁性体分散塗布液において、(D)成分は、イソプロピルアルコールとn−ブタノールのうち、一方あるいは両方を含む磁性体分散塗布液。


【公開番号】特開2006−117800(P2006−117800A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−307262(P2004−307262)
【出願日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【出願人】(000220239)東京応化工業株式会社 (1,407)
【Fターム(参考)】