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磁性体含有粒子の洗浄方法
説明

磁性体含有粒子の洗浄方法

【課題】細かい磁性体含有粒子から有機溶媒を取り除く際に、乾燥した粒子の飛散を防止すると共に、気化熱で粒子の温度が低下することによることを防止することである。
【解決手段】磁性体を含有する平均粒子径200μm以下の粒子を含む洗浄容器内に水と非水溶性溶媒の混合液を添加する第1の工程と、前記混合液で前記粒子を洗浄する第2の工程と、前記粒子を磁石で固定する第3の工程と、磁石を固定した状態で前記混合液を除去する第4の工程と、前記洗浄容器内に温水を注ぐ第5の工程と、気体を洗浄容器内に導入して非水溶性溶媒を除去する第6の工程とを具備することを特徴とする磁性体含有粒子の洗浄方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、磁性体含有粒子の洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、工業の発達や人口の増加により水資源の有効利用が求められている。そのためには、工業排水などの廃水の再利用が非常に重要である。これらを達成するためには水の浄化、すなわち水中から他の物質を分離することが必要である。
【0003】
液体から他の物質を分離する方法としては、各種の方法が知られており、たとえば膜分離、遠心分離、活性炭吸着、オゾン処理、凝集、さらには所定の吸着材による浮遊物質の除去などが挙げられる。このような方法によって、水に含まれるリンや窒素などの環境に影響の大きい化学物質を除去したり、水中に分散した油類、クレイなどを除去したりすることができる。
【0004】
これらのうち、膜分離はもっとも一般的に使用されている方法のひとつであるが、水中に分散した油類を除去する場合には膜の細孔に油が詰まり易く、膜の寿命が短くなりやすいという問題がある。このため、水中の油類を除去するには膜分離は適切でない場合が多い。このため重油等の油類が含まれている水からそれらを除去する手法としては、例えば重油の浮上牲を利用し、水上の設置されたオイルフェンスにより水の表面に浮いている重油を集め、表面から吸引および回収する方法、または、重油に対して吸着性をもった疎水性材料を水上に敷設し、重油を吸着させて回収する方法が挙げられる。
【0005】
かかる観点より、近年においては、油分吸着材を用い、油類が分散した水中内に浸漬させることによって、前記油分吸着材に前記油類を吸着させ、前記水中から除去する試みがなされている。例えば、磁性体粒子の表面に樹脂等の有機質を吸着させてなる油分吸着剤を用い、水中から油分を吸着除去する方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−268976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、磁性体含有の油分吸着剤を洗浄して再利用する場合、油分を洗浄する溶媒を乾燥させる際に、細かい粒子であると溶媒の揮発と共に舞い上がり作業性が悪くなるという問題がある。また、溶剤を揮発させると気化熱で熱を奪うため温度が下がるが、粉体は嵩密度が小さく熱が伝わりにくいため乾燥に時間がかかってしまう問題がある。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、細かい磁性体含有粒子から有機溶媒を取り除く際に、乾燥した粒子の飛散を防止すると共に、気化熱で粒子の温度が低下することによることを防止する磁性体含有粒子の洗浄方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態によれば、磁性体を含有する平均粒子径200μm以下の粒子を含む洗浄容器内に水と非水溶性溶媒の混合液を添加する第1の工程と、前記混合液で前記粒子を洗浄する第2の工程と、前記粒子を磁石で固定する第3の工程と、磁石を固定した状態で前記混合液を除去する第4の工程と、前記洗浄容器内に温水を注ぐ第5の工程と、気体を洗浄容器内に導入して非水溶性溶媒を除去する第6の工程とを具備することを特徴とする磁性体含有粒子の洗浄方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態における洗浄方法を好適に行う洗浄装置の一例を示す図。
【図2】実施形態における洗浄方法のフローチャート。
【図3】実施形態における洗浄方法を好適に行う他の洗浄装置の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態における洗浄方法を好適に行うための洗浄装置の一例である。洗浄装置は、攪拌機11を備えた洗浄容器12と、この洗浄容器12の下部に磁性体を含有する粒子(磁性体含有粒子)を固定する永久磁石13と、空気の供給と排水を行う空気供給・排水口14と、洗浄溶媒供給口15と、温水供給口16と、排水時に洗浄容器12に圧力をかけるための空気供給口17と、一端が凝縮機(図示せず)に繋がった,溶媒を回収するための溶媒回収口18とを有する。なお、図1は洗浄装置の一例であり、これに限定されるものではない。
【0012】
図2は、本発明の磁性体含有粒子の洗浄方法のフローチャートである。前記洗浄方法は、磁性体を含有する平均粒子径200μm以下の粒子を洗浄するにあたり、水と洗浄溶媒を添加するステップ(S1)、添加した溶媒と共に磁性体を混合するステップ(S2)、混合後に磁石で磁性体含有粒子を洗浄容器内に固定するステップ(S3)、磁石を固定した状態で前記混合液の除去(排水)を行うステップ(S4)、洗浄容器内に温水を注入するステップ(S5)、気体を導入してバブリングを行うステップ(S6)とを有する。なお、S4で排水を行った後、必要に応じてS1からの洗浄ステップを繰り返すことができる。以下、各ステップについて詳しく説明する。
【0013】
(水と洗浄溶媒を添加するステップS1)
予め被洗浄物である磁性体を含有する平均粒子径200μm以下の粒子を洗浄容器内に投入し、洗浄溶媒口から水と非水溶性溶媒の2種類を供給する。ここで、非水溶性溶媒とは、水と相溶しない液体のことであり、例えばヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、トルエン、キシレン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、灯油、フロンが挙げられる。これらの非水溶性溶媒は2種以上混合して使用しても良い。また、非水溶性溶媒の沸点は乾燥できるのであれば特に問わないが、100℃以下であることが好ましい。この理由は、水の存在下で非水溶性溶媒の除去を行うため、水よりも沸点が高いと水と共に回収されてしまうためである。水とこれら非水溶性溶媒の2種類を同時に洗浄に用いることにより、水溶性の汚れと油性の汚れの両方を一度に洗浄することが可能になる。
【0014】
(添加した溶媒と共に磁性体を混合するステップS2)
次に、ステップS1で投入した水と洗浄溶媒を被洗浄物である磁性体を含有する粒子と接触させ、粒子を洗浄する。攪拌方法等は特に限定されないが、図1のように洗浄容器上部に備え付けられた攪拌機11などを用いて洗浄を行うのが良い。また、磁場のON/OFFを繰り返すことにより、洗浄容器内の磁性体の動きが複雑になり、洗浄効率を上げることができる。
【0015】
(磁石で磁性体含有粒子を洗浄容器内に固定するステップS3)
ステップS2で十分に洗浄を行った後、磁性体を含有する粒子を洗浄装置内に永久磁石13で固定する。なお、図1では、洗浄容器下部に備え付けられた永久磁石の距離を変えることによりON/OFFを行っているが、電磁石を用いても構わない。また永久磁石の位置は、底面だけでなく洗浄容器の外周方向に移動させても良い。更に、水と非水溶性溶媒の2相の溶媒で粒子を洗浄すると、粒子の表面状態に近い方の溶剤と親和して溶媒を抱き込み、永久磁石に固定しにくくなる問題がある。この問題を解決するために、永久磁石を洗浄容器の外周方向に動かせる機構を有すると、磁場の変化により粒子間にせん断力が働き、粒子間に抱き込まれている溶媒を取り除くことができる。
【0016】
(永久磁石を固定した状態で排水を行うステップS4)
次に、磁石で粒子を固定した状態で洗浄容器内の洗浄液(水と非水溶性溶媒)を除去する。溶媒の除去方法は特に問わないが、例えば図1の装置では空気供給・排水口14からポンプを用いて洗浄液を排水するか、洗浄容器内の圧力を高めて空気供給・排水口14から排水する方法が挙げられる。また、このS4のステップで洗浄が不十分の場合、ステップS1に戻ってステップS1〜S4を繰り返すことができる。洗浄回収は特に問わないが、概ね1〜5回程度である。
【0017】
(温水を洗浄容器内に注入するステップS5)
ステップS4までの洗浄工程が終了したら、洗浄容器内に存在する非水溶性溶媒を除去する必要が生じる。従来方法では、洗浄容器を加熱し、洗浄容器内を減圧または窒素等を循環させることにより溶媒の揮発を促し乾燥させる手法がとられることが多い。しかし、200μmという小さい粒子の場合、乾燥と共に粒子が舞い上がりやすくなり、気化した溶媒や循環させている気体に乗って洗浄容器外に流出してしまう場合がある。また、溶媒を気化させる際に気化熱で粒子の温度が下がり、溶媒が揮発しにくくなる問題も生じる。これらを解決するために、溶媒を気化させる前に、洗浄容器内に温水を予め投入する。温水が存在することにより、粒子の乾燥を防いで舞い上がりを防止するだけでなく、熱容量の大きい水と接していることにより気化熱による温度低下を抑制できる。
【0018】
図1の例では、温水供給口16から温水を洗浄容器内に供給する。温水の温度、量は特に問わないが、好ましくは粒子と洗浄容器と残存する溶媒を溶媒の沸点まで上昇させる熱容量と、残存する溶媒を気化させる気化熱をまかなえるだけの熱量を有する温水を入れるのが良い。具体的には、
(投入する温水の温度[℃]−溶媒の沸点[℃])×水の熱容量[kJ/kg・℃]×温水の量[kg] > (溶媒の沸点[℃]−洗浄前の温度[℃])×(容器の熱容量[kJ/℃]+粒子の熱容量[kJ/Kg℃]×粒子の重量[kg]+溶媒の熱容量[kJ/kg℃]×溶媒の重量[kg])+溶媒の気化熱[kJ/kg]×溶媒残存量[kg]
を満たすことが好ましい。
なお、洗浄容器にヒーターなどの熱源がついている場合はこの限りではなく、温水を投入後に加熱することにより溶媒を除去することもできる。
【0019】
(気体を導入してバブリングを行うステップS6)
ステップS5で温水を洗浄容器内に投入した後、洗浄容器内に気体を供給してバブリングを行うことにより溶媒の揮発を促進して、溶媒の除去を早める。本来なら気体の供給により粉が舞い上がってしまうが、前述したとおり、温水が存在することにより乾燥を防ぎ、舞い上がりを防止している。供給する気体は特に問わないが、防爆構造であればエアを、通常の構造であれば窒素を供給することが好ましい。また、この気体供給口を排水口と同じにすることにより、排水時に詰まった磁性体を洗浄することもできる。なお、気体供給口と排水口は必ずしも同じにする必要はない。
【0020】
次に、本実施形態に係る磁性体を含有する粒子について説明する。
(磁性体を含有する粒子)
本実施形態で洗浄する粒子は、磁性体を含有していて、かつ粒子径が200μm以下のものであり、この範囲にあれば特に限定されるものではない。例えば、磁性体粒子の表面に樹脂等の有機質を吸着させてなる油分吸着材も対象となる。この油分吸着材は、磁性体粒子をポリマーなどのバインダーで凝集させてポーラス体になっているものである。
【0021】
磁性体粒子としては、室温領域において強磁性を示す物質であることが望ましい。例えば鉄、および鉄を含む合金、磁鉄鉱、チタン鉄鉱、磁硫鉄鉱や、マグネシアフェライト、コバルトフェライト、ニッケルフェライト、バリウムフェライトなどのフェライト系化合物が挙げられる。この中でもフェライト系化合物は、水中での安定性に優れているので好適に用いることができる。特に、磁鉄鉱であるマグネタイト(Fe)は安価であるだけでなく、水中でも磁性体として安定し、元素としても安全であるため、水処理に使用しやすいので好ましい。なお、磁性体コア粒子に対しては、必要に応じてCuメッキ、Niメッキなど、通常のメッキ処理を施すことができる。また、表面の腐食防止などの観点から表面処理することもできる。
【0022】
これら磁性体粒子をバインダーを用いて形成する場合、前記バインダーとしては、例えばスチレン樹脂、水添加スチレン樹脂、ブタジエン樹脂、イソプレン樹脂、アクリロニトリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、アルキルアクリレート樹脂、フェノール樹脂及びアルキルメタアクリレート樹脂を用いることが好ましい。これらの樹脂は親油性に優れるとともに、耐油性にも優れる。したがって、このようなバインダー(樹脂)を含む凝集体は、排水中の油分をより効果的及び効率的に吸着除去することができるとともに、前記排水に対して耐性を有するようになる。
【0023】
また、これら樹脂のうち、8〜13[cal/cm1/2の溶解性パラメータ(以下SP値)を有する樹脂を使用すると、水中での非水溶性溶媒の除去が円滑にできるため好ましい。この範囲が適切な理由としては、次の2つの点が挙げられる。第1に、SP値が13cal[cal/cm1/2より高いと親水性が高くなりすぎて、非水溶性溶媒の揮発前に水が磁性体含有粒子の周辺を覆ってしまい、非水溶性溶媒の揮発が阻害される。第2に、SP値が8[cal/cm1/2より低いと非水溶性溶媒の揮発が促進されるものの、揮発後の粉体が水になじみにくくなり、結果として舞い上がってしまう。
【0024】
更に、前記バインダーは、トリアルコキシシランの縮合物とすることができる。この場合、磁性体粒子の表面をトリアルコキシシランで処理して凝集させる。処理は、乾式及び湿式のいずれであってもよい。トリアルコキシシランとしては、シランカップリング剤、すなわち、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、へキシルトリメトキシシラン、ドデカトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等のアルキルシラン、フェニルトリメトキシシラン、ナフタレントリメトキシシラン等の芳香族シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシメトキシシラン等のビニルシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシランを挙げることができる。その他、チタネート,アルミキレート,ジルコアルミネート等のカップリング剤をも用いることができる。
【0025】
これらトリアルコキシシランの縮合物が表面にある場合は、特にSP値を気にしなくても良い。縮合物はシリコーン樹脂に近い構造をしているため表面張力が低く有機溶媒の脱離性が良い。また未反応のシラノール基があるために水とのなじみも良い。
【0026】
本実施形態によれば、細かい磁性体含有粒子から有機溶媒を取り除く方法に関し、乾燥した粒子の飛散を防止すると共に、気化熱で粒子の温度が低下することを防止する磁性体含有粒子の洗浄方法を提供することができる。
【0027】
以下、実施例を用いて詳細に説明する。
(実施例1)
(装置の作製)
図3に概略図を示す装置を作製した。実施例1に係る洗浄装置は、攪拌機11を備えた5Lのステンレス製洗浄容器12と、この洗浄容器12の下部に磁性体含有粒子を固定するネオジウム磁石19と、空気の供給と排水を行う空気供給・排水口14と、洗浄溶媒供給口15と、温水供給口16と、洗浄容器外周に巻かれたヒーター20と、排水時に洗浄容器内に圧力をかけるための空気供給口17と、溶媒を回収するための溶媒回収口18を有する。
【0028】
(被洗浄物の作製)
まず、ポリメチルメタクリレート(SP値10.7[(cal/cm]1/2])138重量部を2400mlのアセトン中に溶解させて溶液とし、その溶液中に平均粒子径2000nmのマグネタイト粒子1500重量部を分散させて溶液とした。次に、この溶液をミニスプレードライヤー(柴田科学株式会社製の商品名:B−290型)を用いて噴霧し、球状に凝集した平均2次粒子径が60μmの磁性体の凝集体を作製した。つづいて、この凝集体500gを5Lの水中に分散させ、200gのギアオイルを添加して30分混合し、凝集体に油分を吸着させた。更に、磁石19を用いて凝集体を回収し、被洗浄物である油付き凝集体を作製した。
【0029】
(洗浄工程)
まず、この油分を吸着した凝集体全量に水1000ml,ヘキサン1500mlを加えた(S1)後、10分間混合した(S2)。次に、磁石19を動作させて凝集体を洗浄容器12の底面に固定した(S3)後、空気供給・排水口14のバルブを開いて空気供給口17より内圧をかけることにより洗浄液を排出した(S4)。この一連の操作を合計3回繰り返し、洗浄を完了させた。この後、溶媒回収口18のバルブを開け、温水供給口16から洗浄容器内に3Lの90℃の温水を3回に分けて注いだ(S5)。その後、ヒーター20を動作させて水温を60℃以上に保ちつつ、空気供給・排出口14から空気を洗浄容器内に供給してバブリングを30分行った(S6)。バブリング終了後に磁性体中に含まれるヘキサンの量を分析したところ検出されなかった。また、凝集体の舞い上がりは確認されなかった。
【0030】
(実施例2)
ポリメチルメタクリレートの代わりに、スチレンアクリロニトリル共重合体(SP値12.8[cal/cm1/2)を用いたこと以外は実施例1と同様に洗浄を行った。バブリング終了後に磁性体中に含まれるヘキサンの量を分析したところ検出されなかった。また、凝集体の舞い上がりは確認されなかった。
【0031】
(実施例3)
ポリメチルメタクリレートの代わりにスチレン樹脂(SP値8.6[cal/cm1/2)を、噴霧溶媒をテトラヒドロフランにしたこと以外は実施例1と同様に洗浄を行った。バブリング終了後に磁性体中に含まれるヘキサンの量を分析したところ検出されなかった。また、凝集体の舞い上がりは確認されなかった。
【0032】
(実施例4)
まず、フェニルトリエトキシシラン100重量部を3000mlの水と10重量部の酢酸に溶解させ、その溶液中に平均粒子径2000nmのマグネタイト粒子1500重量部を分散させて溶液とした。次に、この溶液をミニスプレードライヤー(柴田科学株式会社製の商品名:B−290型)を用いて噴霧し、球状に凝集した平均2次粒子径が40μmの磁性体の凝集体を作製した。この凝集体を用いたこと以外は実施例1と同様に洗浄を行った。バブリング終了後に磁性体中に含まれるヘキサンの量を分析したところ検出されなかった。また、凝集体の舞い上がりは確認されなかった。
【0033】
(実施例5)
実施例1とは洗浄溶媒をトルエン(沸点110℃)にしたこと以外は実施例1と同様に洗浄試験を行った。洗浄時には、ヒーター20を動作させ内部の温度が90℃以上になるように設定した。また、バブリング時間は2時間としたバブリング終了後に磁性体中に含まれるトルエンの量を分析したところ検出されなかった。また、凝集体の舞い上がりは確認されなかった。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0035】
11…攪拌機、12…洗浄容器、13…磁石、14…空気供給・排水口、15…洗浄溶媒口、16…温水供給口、17…空気供給口、18…溶媒回収口、19…ネオジウム磁石、20…ヒーター。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性体を含有する平均粒子径200μm以下の粒子を含む洗浄容器内に水と非水溶性溶媒の混合液を添加する第1の工程と、前記混合液で前記粒子を洗浄する第2の工程と、前記粒子を磁石で固定する第3の工程と、磁石を固定した状態で前記混合液を除去する第4の工程と、前記洗浄容器内に温水を注ぐ第5の工程と、気体を洗浄容器内に導入して非水溶性溶媒を除去する第6の工程とを具備することを特徴とする磁性体含有粒子の洗浄方法。
【請求項2】
前記非水溶性溶剤の沸点が100℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁性体含有粒子の洗浄方法。
【請求項3】
前記非水溶性溶剤がヘキサンであることを特徴とする請求項1に記載の磁性体含有粒子の洗浄方法。
【請求項4】
前記磁性体を含有する粒子の表面が、8〜13[cal/cm1/2の溶解度パラメータを有するポリマーか、トリアルコキシシランの縮合物で処理されていることを特徴とする請求項1に記載の磁性体含有粒子の洗浄方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−179575(P2012−179575A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−45426(P2011−45426)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】