説明

磁性粒子への結合を抑制する方法およびシステム

【課題】液体中に分散した磁性粒子を供給することを含み、該磁性粒子のそれぞれが磁化を有することを特徴とする、分子間の非特異的結合を抑制する方法を提供する。
【解決手段】磁性粒子は、被覆分子により覆われている。第1のタイプの結合分子と、第2のタイプの結合分子とを混合した結合分子が液体に加えられ、被覆分子が、第1のタイプの結合分子と特異的に結合し、第2のタイプの結合分子と非特異的に結合する。交流(AC)磁場が周波数レベルを有する軸で印加されて、その周波数レベルが被覆分子との結合において第2のタイプの結合分子の抑制を引き起こす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、材料の磁化率を測定する方法に関するものである。より詳しくは、本発明は、磁性体の磁化率に関する調査に基づいて、磁性粒子への非特異的結合を抑制することに関するものである。
【背景技術】
【0002】
化学工業において、互いに結びついた数種の分子を含む複合分子がしばしば製造される。一例として、医薬製造において、治癒効果を得るために複数の分子が混合される。しかしながら、分子を混合する間、一部の不要な分子も同様に結合し、不純物の原因になるか、或いは、他の効果を引き起こす。通常、特異的結合分子が望まれる一方で、非特異的結合分子は不要である。
【0003】
非特異的結合分子を抑制するために、コア粒子に対し、どのようにして非特異的結合分子を抑制し、そして更に特異的結合分子を増加させるかは、当業界において課題であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、複合分子を形成することを対象とし、本発明では、非特異的結合を交流電流(AC)磁化率xacの特性に基づき低減することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、分子間の非特異的結合を抑制する方法を提供するもので、該方法は、液体中に分散した磁性粒子を供給することを含み、ここで、磁性粒子のそれぞれは磁化を有する。磁性粒子は、被覆分子で覆われている。第1のタイプの結合分子と、第2のタイプの結合分子とを混合した結合分子が液体中に加えられ、被覆分子が、第1のタイプの結合分子と特異的に結合し、第2のタイプの結合分子と非特異的に結合する。AC磁場が周波数レベルで印加され、該周波数レベルが被覆分子との結合における第2のタイプの結合分子の抑制を引き起こす。
【0006】
また、本発明は、磁性粒子への非特異的結合を抑制するシステムを提供する。システムは、磁性粒子が分散した液体で満たされた容器を備え、各磁性粒子は磁化を有し、且つ、結合分子と結合するように被覆分子で被覆されており、ここで、結合分子は、第1のタイプの結合分子と、第2のタイプの結合分子とを含み、そして、被覆分子は、第1のタイプの結合分子と特異的に結合し、第2のタイプの結合分子と非特異的に結合している。AC磁場源ユニットが、容器中の液体に周波数レベルでAC磁場を印加し、ここで、周波数レベルは、被覆分子との結合において第2のタイプの結合分子を抑制するように設定される。
【0007】
以上の一般的な説明と、以下の詳細な説明との双方は例示であり、特許請求の範囲に記載された本発明の更なる説明を提供することを目的とていることが理解されなければならない。
【0008】
添付図面は、本発明の更なる理解をもたらすために含められており、この明細書に組み込まれると共に、その一部を構成する。図面は、本発明の実施形態を例示し、そして、説明と共に本発明の原理の説明に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る、磁性粒子と、特異的結合および非特異的結合用の結合分子との間の結合メカニズムを概略的に説明する図である。
【図2】本発明の実施形態に従う、試料のAC磁化率を測定するためのシステムを概略的に説明する図である。
【図3】xacと特異的結合分子および非特異的結合分子との関係における現象を概略的に説明する図である。
【図4】xacと特異的結合分子および非特異的結合分子との関係における現象を概略的に説明する図である。
【図5】xacと特異的結合分子および非特異的結合分子との関係における現象を概略的に説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明では、調査手段としてAC磁化率xacを用いて、コア分子に対する非特異的分子を抑制すると同時に、コア分子へ結合した特異的結合分子が維持されるか、或いは、更に増加することができる。コア分子は磁化を有する。
【0011】
分子間の非特異的結合を抑制する方法が開発された。磁気双極子からの総磁気ベクトルである磁化を有する磁性体粒子の上に一種の分子(「CM分子」と称する。)を被覆することによる。磁性粒子は液体中に分散され、被覆分子が他の種類の分子(「BM分子」と称する)と特異的または非特異的に結合できる。これは、例えば医薬等の複合分子を形成するための有用な方法の一つである。しかしながら、通常、非特異的結合分子は不要の材料であり、抑制する必要がある。
【0012】
本発明の基本的なメカニズムにおいて、AC磁場が印加されると、磁気ベクトルがAC磁場の駆動力下で回転する。従って、BM分子が遠心力を受ける。遠心力が、CM分子とBM分子との間の結合力を超えると、これらのCM−BM分子結合が破壊される。特異的結合の結合力は非特異的結合の結合力より大分高いので、遠心力を適切に制御することにより、非特異的結合を抑制することができる。念のため、遠心力は、印加されたAC磁場の周波数により決まる回転磁気ベクトルの角周波数を操作することにより制御することができる。従って、印加したAC磁場の周波数を良好に制御することにより、分子間の非特異的結合を効果的に抑制できる。
【0013】
図3〜5中で後に記載されるような実際のxacの測定方法を説明する前に、非特異的結合分子を抑制するメカニズムを最初に記載する。
【0014】
図1は、本発明に従う、磁性粒子と、特異的結合および非特異的結合用の結合分子との間の結合メカニズムを概略的に示す図である。一部の被覆分子(CM)が、磁気ベクトルを有する磁性粒子上に被覆される。説明のために一例として一つの磁性粒子を取り上げると、磁性粒子と一体になったコア粒子は、矢印で示すような磁気ベクトルを有する。磁性粒子は、界面活性剤層で被覆され、磁性粒子が液体中に分散できるようにされている。一種の分子として、リンカーが界面活性剤層上に被覆される。図1に概略的に示すように、被覆分子、或いは、リンカーがCM分子と称される。リンカーは、共有結合、抗体抗原共役結合、核酸ハイブリッドなどの一次結合となることができる。従って、CM分子は磁気ベクトルの界面活性剤層上に堅固に被覆されることができる。界面活性剤層は、親水性である。特異的および非特異的結合分子(以下、「BM分子」と称する)を有する溶液と、CM分子で被覆された磁気ベクトルの水溶液とを混合した場合、特異的および非特異的の双方のBM分子がCM分子と結合する。しかしながら、CM分子と非特異的BM分子との間の結合力は、CM分子と特異的BM分子との間の結合力よりも大分弱い。従って、CM分子と非特異的/特異的BM分子との間の結合力よりも高い/低い強さの力(以下、「逆らう力」と称する)が加えられた場合、CM分子と非特異的/特異的BM分子との間の結合を破壊/維持することができる。従って、非特異的結合を効果的に抑制することができる。
【0015】
逆らう力を発生するメカニズムに関して、磁気ベクトルが液体中に分散しているので、磁気ベクトルの動きは、例えばAC磁場を印加するなど、液体に磁場を印加することにより操作することができる。物理的な現象において、磁気ベクトルは外部から印加された磁場と相互作用し、そして、磁気ベクトルは磁場と平行になる。AC磁場が印加された場合、磁場の振幅は周期的に振動する。磁性粒子の磁気双極子は、平行なAC磁場により駆動される。AC磁場の周期的振動により、磁気双極子はAC磁場と共鳴関係で回転する。振動軸を有する平面で磁気ベクトルが回転する場合、CM−BM分子結合に対して遠心力が生じる。念のため、遠心力は逆らう力として働く。理論上、遠心力は、磁気ベクトルの回転の角周波数の二乗に比例する。従って、印加する磁場について適切な周波数を選択することにより、逆らう力の強さは、CM−非特異的−BM分子結合よりも高いが、CM−特異的−BM分子結合よりも低くすることができる。その結果、非特異的結合を抑制することができる。
【0016】
前述の現象を更に調査するために、いくつかの実験を行った。磁性粒子は、例えばFe磁性ナノ粒子とすることができる。磁性ナノ粒子の平均径は、例えば、数nmから数百nmの範囲とすることができる。また、磁性ナノ粒子の材料も、例えばMnFe、Fe、NiFeまたはCoFeの何れかとすることができる。界面活性剤層は、例えばデキストランである。CM分子は、例えば、ポリクローナル抗体類似の抗H1N2であり、抗H1N2は、H1N2に対して特異的結合を、H3N1に対して非特異的結合を示す。リンカーは、例えば共有結合−CH=N−の形である。例えば、リンカーは、デキストランを酸化してアルデヒド基(−CHO)をデキストランへ付与し、その後に続くデキストランと抗体との間に−CH=N−を形成するための抗体との反応により生成することができる。界面活性剤層の材料は、デキストラン、タンパク質G、タンパク質A、リポソームまたは有機酸の何れかとすることもできる。
【0017】
図2は、本発明の一実施形態に従う、試料のAC磁化率を測定するためのシステムを概略的に説明する図である。図2に概略的に示すように、磁性ナノ粒子を回転させるための励磁磁場が、電源で駆動される励磁コイルで作り出される。電源606は、様々な周波数のAC電流を励磁コイル604へ供給することができる。従って、例えばソレノイドコイル等の励磁コイル604は、様々な周波数の励磁磁場を作り出すことができる。前述したように、遠心力(即ち、逆らう力)は、高周波数のAC励磁磁場で強くなる。従って、励磁コイル604の駆動電流の周波数を調整することにより、逆らう力を操作することができる。AC磁場は、励磁コイル604中の中心軸で発生する。回転する磁性ナノ粒子のAC磁気信号(以下、「AC磁化率xac」と称する)が、ピックアップコイル602で検知され、そしてスペクトラムアナライザー608で分析される。ピックアップコイル602は、例えば反対方向に配線された二組のソレノイドを含み、印加されたAC磁場からxacへの寄与を除去するようにされている。サンプル600、例えば、液体を保持するための容器は、ピックアップコイル602の二つのソレノイドの一つの内側に位置している。
【0018】
特異的結合を調査するために、BM分子はH1N2である。抗H1N2と、H1N2との間の結合は、磁性低減検査法によって測定される。抗H1N2で生物学的に官能化された40μl且つ0.1emu/gの磁気試薬を、60ul且つ3.2HAU/50μlのH1N2試験溶液と混合する。低い回転周波数、例えば500Hzで、抗H1N2とH1N2との間の特異的結合の形成前の試料の磁化率(「xac,O」と称する)を測定した。
【0019】
図3〜5は、xacと特異的結合分子および非特異的結合分子との関係における現象を概略的に説明する図である。図3では、図3に示されるxac,Oが37.5(実線)であることが分かる。抗H1N2とH1N2との間の特異的結合の形成後には、試料の磁化率(「xac,φ」と称する)は37.0(破線)であることが分かる。試料の磁化率が、抗H1N2とH1N2との間の特異的結合の形成後に下がっていることが分かる。以上のように、免疫複合体の形成後に、試料の磁化率の低下が観察された。
【0020】
磁性低減信号Δxac/xac,Oが1.35%であるとして得られた。ここで、磁性低減信号は、Δxac/xac,O=(xac,O−xac,φ)/xac,O×100%で定義される。図4に実線で示すように、回転周波数fが増加するにつれて、磁性低減信号が高まる。特異的結合に対する、高周波数での磁性低減信号の増大は、強制された振動下での磁性ナノ粒子の共鳴効果のせいである。実線の結果は、抗H1N2とH1N2との間の特異的結合が低周波数から高周波数まで存在することを明らかにする。
【0021】
非特異的結合に関して、ここで使用されるBM分子は、例えばH3N1であり、ここでは、抗H1N2で生物学的に官能化された40μl且つ0.1emu/gの磁気試薬が、60ul且つ3.2HAU/50μlのH3N1試験溶液と混合される。例えば100Hzの低回転周波数で、抗H1N2とH3N1との間の特異的結合の形成前の試料の磁化率(「xac,O」と称する)を測定する。図5に示すように、xac,Oが5.13(実線)であることが分かる。図5に破線で示すように、抗H1N2とH3N1との間の特異的結合の形成後は、試料の磁化率(「xac,φ」と称する)が、xac,φ=5.05であることが分かる。試料の磁化率が、抗H1N2とH3N1との間の特異的結合の形成後に下がっているという結論を出すことができる。Δxac/xac,O=(xac,O−xac,φ)/xac,O×100%の定義を用いて、磁性低減信号Δxac/xac,Oが、1.56%であるとして得られた。
【0022】
図4中の情報の分析において、図4に破線で示すように、回転周波数fが増加すると、磁性低減信号が低下した。fの増加と同時に起こる磁性低減信号の低下は、高周波数で抗H1N2とH3N1との間の非特異的結合が抑制されたことを証明する。回転周波数が4kHzまで増加するにつれて、磁性低減信号はノイズレベルへ達する。これは、回転周波数が4kHzを越えると、抗H1N2とH3N1との間の非特異的結合が、効果的に消えることを示している。
【0023】
本発明において、様々な結合分子を有する複数の曲線が別個に測定できる。各曲線は、必ずしも一種の結合分子を表してはいない。一般に、例えば、特異的結合分子および非特異的結合分子として二つのタイプの分子に分けられる。不要な非特異的結合分子は抑制され、一方で、望ましい特異的結合分子を維持または増加できる。例えば、別個の曲線を得た後に、操作周波数レベルを決定することができる。図4の例において、操作周波数レベルは、例えば10kHzに設定することができ、この周波数レベルでは、H3N1の非特異的分子が大幅に抑制され、一方で望ましいH1N2の結合分子が著しく増加する。
【0024】
acの測定は、添付の実施形態に限定される必要はないことに留意しなければならない。xacの測定は、実際の周波数レベルが、xacの量またはその関連した量を測定することにより決定できることを示している。換言すれば、xacの測定は、適切な周波数レベルを決定するための単なる手段である。xacを十分に測定するための何れの適切な測定メカニズムを用いることができる。
【0025】
分子間の非特異的結合における磁気的に促進された抑制を使用した用途の一つは、特異的分子に対する免疫磁気分離である。例えば、混合物は様々な種類の分子を含む。一つは、例えば、以下の処理を経て、特定の種類の分子を混合物から分離することができる。分離されることとなる分子に結合した被覆分子は、水中に分散した磁性粒子上に被覆される。磁気液体を混合物と混合し、続いて、本発明において開発された、非特異的結合における磁気的に促進された抑制を利用することにより、混合物中での磁性粒子と不要な分子との間の結合を抑制する。免疫磁気分離法を介して、特定の種類の分子が混合物から抽出される。従って、特定の種類の分子のみが混合物から抽出される。
【0026】
本発明の範囲および精神から逸脱することなく、本発明の構成に様々な改良および変形をし得ることは、当業者にとって明らかである。前述の記載を考慮しても、本発明は、請求項およびその均等物の範囲内に収まる場合には、この発明の改良物および変形物に及ぶことを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体中に分散された、それぞれ磁化を有する磁性粒子を準備し、
被覆分子で前記磁性粒子を被覆し、
第1のタイプの結合分子と第2のタイプの結合分子とを混合した結合分子を前記液体に加え、前記被覆分子が、前記第1のタイプの結合分子と特異的に結合し、前記第2のタイプの結合分子と非特異的に結合し、
交流(AC)磁場を周波数レベルで印加し、当該周波数レベルが、前記被覆分子との結合における前記第2のタイプの結合分子の抑制を引き起こす
ことを含む、分子間の非特異的結合を抑制する方法。
【請求項2】
前記磁性粒子が、磁気コアと、当該磁気コアをそれぞれ囲む界面活性剤層とを備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記AC磁場を印加する工程が、
ソレノイドコイルを準備し、
前記ソレノイドコイル中にAC電流を印加し、
前記磁性粒子を有する液体を前記ソレノイドコイル中に配置する
ことを含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記AC磁場の周波数レベルが、
第1のタイプの結合分子の特異的結合に関する第1のAC磁性低減信号を、第1のAC周波数範囲で変化させたAC磁場下で測定し、
第2のタイプの結合分子の非特異的結合に関する第2のAC磁性低減信号を、第2のAC周波数範囲で変化させたAC磁場下で測定し、
周波数を変化させたときの、前記第1のAC磁性低減信号および前記第2のAC磁性低減信号の量に従って前記第2のタイプの結合分子が抑制される周波数レベルを決定する
ことにより決定される請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記被覆分子との結合において前記第2のタイプの結合分子を抑制するメカニズムが、AC磁場により引き起こされる遠心力である請求項1に記載の方法。
【請求項6】
特異的結合を有する第1のタイプの分子が増加する請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のAC磁性低減信号および前記第2のAC磁性低減信号が、磁化率検出システムにより測定される請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のAC磁性低減信号および前記第2のAC磁性低減信号を測定する工程が、磁化率の信号を、
第1部ソレノイドコイルと、第2部ソレノイドコイルとを準備し、
AC磁化率を検出するためのピックアップコイルとして、前記第1部ソレノイドコイルと前記第2部ソレノイドコイルとを反対巻き方向に接続し、
試料を内側に保持した容器を、ソレノイドの第1部または第2部に設置する
ことにより選別する請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記第1部ソレノイドコイルおよび前記第2部ソレノイドコイルが実質的に同一である請求項8に記載の方法。
【請求項10】
磁性粒子が分散した液体で満たされ、各磁性粒子は磁化を有し、且つ、被覆分子で被覆されて結合分子と結合しており、前記結合分子は第1のタイプの結合分子と、第2のタイプの結合分子とを含み、そして、前記被覆分子は前記第1の結合分子と特異的に結合し、前記第2のタイプの結合分子と非特異的に結合している容器と、
前記容器中の液体に周波数レベルを有する軸でAC磁場を印加し、前記周波数レベルが、前記被覆分子との結合において前記第2のタイプの結合分子を抑制するように設定されている交流(AC)磁場源ユニットと、
を備える磁性粒子への非特異的結合を抑制するシステム。
【請求項11】
前記磁性粒子が、磁気コアと、当該磁気コアをそれぞれ囲む界面活性剤層とを備える請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記AC磁場源ユニットが、ソレノイドコイルと、前記ソレノイドコイル中にAC電流を印加するAC電流ユニットとを備え、
前記容器が前記ソレノイド中に配置される請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記AC磁場源ユニットが、磁化率を求めるためのスペクトル分析ユニットを更に具え、
第1のAC周波数範囲で変化させたAC磁場下における、第1のタイプの結合分子の特異的結合に関する第1のAC磁性低減信号と、第2のAC周波数範囲で変化させたAC磁場下における、第2のタイプの結合分子の非特異的結合に関する第2のAC磁性低減信号とを測定し、
周波数を変化させたときの、前記第1のAC磁性低減信号および前記第2のAC磁性低減信号の量に従って、前記第2のタイプの結合分子を抑制するが前記第1のタイプの結合分子を維持するように周波数レベルが決定される
請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記周波数レベルで、特異的結合を有する第1のタイプの分子が増加する請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記スペクトル分析ユニットが、
第1部ソレノイドコイルおよび第2部ソレノイドコイルを有し、前記第1部ソレノイドコイルが、印加されたAC磁場により引き起こされる前記液体からの磁気AC信号を検出するために、前記第2部ソレノイドコイルと反対巻き方向に接続されているピックアップコイルと、
磁気AC信号を測定されたAC磁化率に変換する信号分析ユニットと
を備える請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1部ソレノイドコイルと前記第2部ソレノイドコイルとが実質的に同一である請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
液体中に分散された、それぞれ磁化を有する磁性粒子を準備し、
被覆分子で前記磁性粒子を被覆し、
前記被覆分子を有する前記磁性粒子を、数種類の分子を有する混合物に加え、
混合物に周波数レベルで交流(AC)磁場を印加して、当該周波数レベルが、前記被覆分子を有する磁性粒子と、混合物中の分離されることとなる分子を除く分子との間の結合の抑制を引き起こし、
免疫磁気分離により、分離されることとなる分子を混合物から分離する
ことを含む、混合物からの特定の種類の分子の免疫磁気分離方法。
【請求項18】
前記被覆分子が、検出されることとなる分子と特異的結合を有し、他の種類の分子と非特異的結合を有する請求項17に記載の免疫磁気分離方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−51951(P2010−51951A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−150248(P2009−150248)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(508298732)
【出願人】(509178703)
【出願人】(508298754)
【出願人】(508298776)
【Fターム(参考)】