説明

磁性部品および磁性部品の製造方法

【課題】磁性体コアの巻軸部に巻回される導線の端部を、端子の継線面に安定して良好に接続することが可能な磁性部品、および磁性部品の製造方法を得る。
【解決手段】磁性部品10は、巻軸部21の一端側に上鍔部23を他端側に下鍔部25を有する磁性体コア20と、下鍔部25に取り付けられた一対の導電性の端子30A,30Bと、導線41からなるコイル40とを備えてなる。端子30A,30Bは、それぞれ、下鍔部25の下面に沿って延び一端部が下鍔部25の外周よりも外側に突出する電極部31と、該電極部31の一端部から立ち上がる柱状の継線部33とを有してなり、この継線部33の上端面が、導線接続用の継線面35として構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導線が巻回される巻軸部の両端部に鍔部を有する磁性体コアと、導線接続用の継線面を有する導電性の端子を備えた磁性部品、およびこのような磁性部品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に開示されているような磁性部品が知られている。この種の磁性部品の一例を図7,8に示しており、以下、これらの図面を参照しながら従来の磁性部品について説明する。図示した磁性部品110は、磁性体コア120と導電性の端子130A,130Bとコイル140から構成されている。
【0003】
磁性体コア120は、図8に示すように、導線巻回用の巻軸部121と該巻軸部121の一端側(図中上端側)および他端側(図中下端側)にそれぞれ配された上鍔部123および下鍔部125を備えている。
【0004】
端子130A、130Bは、それぞれ、下鍔部125の下面に沿って延びる電極部131と、該電極部131の一端部から延びる継線部133とを有しており、電極部131が下鍔部125の下面に接するように取り付けられている。継線部133は、電極部131の一端部から90度屈曲して図中上方(上鍔部123の方向)に延びる部分(以下、この部分を「立上り部」と称する)と、この立上り部の上端部からさらに90度屈曲して図中側方(巻軸部121の軸線と垂直な方向)に延びる部分(以下、この部分を「側方屈曲部」と称する)とからなり、この側方屈曲部の上面が、導線接続用の継線面135として構成されている。これらの端子130A、130Bは、プレス加工等により金属製の板材が屈曲されて形成されている。
【0005】
コイル140は、巻軸部121に巻回される導線141により構成されており、その導線141の各端部141a,141bは、端子130A、130Bの各継線面135に、熱圧着や抵抗溶接等により接続されるようになっている。
【0006】
図9に、上記磁性部品110における導線141の各端部141a,141bを、端子130A、130Bの各継線面135に熱圧着するときの概略構成を示す。図示した溶接用治具170は、磁性部品110のような従来の磁性部品における導線端部を端子継線面に熱圧着する際に用いられる一般的な構成の治具である。
【0007】
図示するように溶接用治具170には、突起部171A,171Bが形成されている。これらの突起部171A,171Bは、導線141の各端部141a,141bを端子130A、130Bの各継線面135に熱圧着するときに、溶接用電極180により図中上方より押圧される端子130A、130Bの各継線面135(上記側方屈曲部)を下側から支持するために設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−290093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した従来の磁性部品110において、導線141の各端部141a,141bを、端子130A、130Bの各継線面135に精度良く熱圧着するためには、溶接用電極180が、導線141の各端部141a,141bを所定量押し潰しながら、端子130A、130Bの各継線面135に十分押圧することが必要となる。特に、磁性部品110の外形寸法が数ミリメートル程度にまで小型化された場合には、必然的に継線面135が小さくなり溶接される部分の面積も減少することになるので、熱圧着時における導線141の各端部141a,141bの適正な潰し量を確保することは、導線141の接続を良好に行うために重要となる。
【0010】
しかしながら、従来の磁性部品110においては、金属板をプレス加工等により折り曲げて端子130A,130Bを形成しているために、継線面135の高さ方向の寸法のばらつきが大きくなり易い。プレス機等による加工時の誤差だけではなく、金属板の厚みの公差が、継線面135の高さ方向の寸法に影響するためである。
【0011】
継線面135の高さ方向の寸法のばらつきが大きくなると、熱圧着時における溶接用電極180の下面と継線面135との距離を一定に維持することができないため、導線141の各端部141a,141bの適正な潰し量を確保することが難しくなり、それが種々の不具合発生の要因となる。例えば、潰し量が少なくなって、十分な接続強度を得ることができなくなったり、逆に、潰し量が過度に多くなって、導線140が断線したりする虞がある。
【0012】
また、溶接用治具170に形成される突起部171A,171Bの高さ方向の寸法の誤差も問題となる。すなわち、突起部171A,171Bの高さが規定値よりも低い場合には、端子130A、130Bの側方屈曲部の下面と突起部171A,171Bの上面との距離εが大きくなってしまう。距離εが過度に大きくなると、熱圧着時に溶接用電極180により押圧された端子130A、130Bの側方屈曲部が下方に押し曲げられてしまい、それにより、導線141の各端部141a,141bの潰し量が少なくなって、十分な接続強度を得ることができなくなる虞がある。逆に、突起部171A,171Bの高さが規定値より高い場合には、継線面135の高さ方向の位置が上昇するため、熱圧着時における導線141の各端部141a,141bの潰し量が多くなりすぎて、導線140が断線する虞がある。
【0013】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、磁性体コアの巻軸部に巻回される導線の端部を、端子の継線面に安定して良好に接続することが可能な磁性部品、およびこのような磁性部品の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため、本発明に係る磁性部品は、以下の特徴を備えている。
【0015】
すなわち、本発明に係る磁性部品は、
巻軸部の一端側に上鍔部を他端側に下鍔部を有する磁性体コアと、前記下鍔部に取り付けられた導電性の端子と、前記巻軸部に巻回された導線と、を備えた磁性部品であって、
前記端子は、前記下鍔部の下面に沿って延び一端部が前記下鍔部の外周よりも外側に突出する電極部と、該電極部の前記一端部から立ち上がる柱状の継線部と、を有してなり、
前記継線部の上端面は、導線接続用の継線面として構成され、前記導線の端部が該継線面に接続されてなる、ことを特徴とする。
【0016】
本発明に係る磁性部品において、前記導線は、芯線と該芯線を覆う絶縁皮膜とを有する皮膜導線とすることができる。
【0017】
また、前記磁性体コアは、Ni−Zn系フェライトまたはMn−Zn系フェライトにより構成されたフェライトコアとすることが好ましい。
【0018】
また、本発明に係る磁性部品の製造方法は、上述した本発明に係る磁性部品における前記継線面に、前記導線の端部を熱圧着または抵抗溶接により接続する、ことを特徴とする。
【0019】
上記「柱状の継線部」における「柱状」とは、継線部の太さ(断面積)がその高さ方向の全長に亘って一定となる形状のものを標準とするが、継線部の太さが変化するものを排除するものではない。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る磁性部品によれば、端子が柱状の継線部を有し、この継線部の上端面が導線接続用の継線面として構成されていることにより、以下の作用効果を奏することが可能である。
【0021】
すなわち、柱状の継線部は、磁性体コアの巻軸部に巻回される導線の端部が継線面に接続される際に、継線面に作用する力を自ら支持することができるので、継線面を支持するための突起部を溶接用治具に形成する必要がない。このため、従来技術とは異なり、突起部の寸法誤差が導線の接続精度に悪影響を及ぼすようなことはない。
【0022】
また、柱状の継線部は、金属部材を切削することなどによって形成することができるので、従来技術のように金属製の板材を折り曲げて継線部を形成した端子に比べて、継線面の高さ方向の位置のばらつきを低減することができる。
【0023】
したがって、例えば、導線の端部を熱圧着により継線面に接続する場合において、溶接用電極の下面と継線面との距離を略一定に維持することができるので、熱圧着時における導線端部の適正な潰し量を確保することが容易となり、導線端部を継線面に対し安定して良好に接続することが可能となる。
【0024】
また、本発明に係る磁性部品の製造方法によれば、磁性体コアの巻軸部に巻回される導線の端部を、熱圧着または抵抗溶接により、端子の継線面に対し安定して良好に接続することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係る磁性部品の全体構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示す磁性部品の分解斜視図である。
【図3】図1に示す端子の側面図(A)とX−X線に沿った断面図(B)である。
【図4】本発明の一実施形態に係る磁性部品の製造方法を示す概略図である。
【図5】継線面の変更態様を示す各端子の側面図である。
【図6】継線部の断面形状の変更態様を示す各端子の断面図である。
【図7】従来の磁性部品の全体構成を示す斜視図である。
【図8】図7に示す従来の磁性部品の分解斜視図である。
【図9】従来の磁性部品における導線端部を端子の継線面に熱圧着する際の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る磁性部品、および磁性部品の製造方法の実施形態について、上記図面を参照しながら詳細に説明する。
【0027】
〈磁性部品の構成〉
本発明の一実施形態に係る磁性部品10は、図1,2に示すように、巻軸部21の一端側(図中上端側)に上鍔部23を他端側(図中下端側)に下鍔部25を有する磁性体コア20と、下鍔部25に取り付けられた一対の導電性の端子30A,30Bと、導線41により構成されたコイル40とを備えてなる。
【0028】
磁性体コア20の上鍔部23および下鍔部25は、互いに同じ大きさ、同じ形状(八角形状)に形成されており、巻軸部21は八角柱状に形成されている。また、磁性体コア20は、Ni−Zn系フェライトまたはMn−Zn系フェライトにより構成されたフェライトコアとされている。このようにNi−Zn系フェライトまたはMn−Zn系フェライトにより磁性体コア20を形成することによって、Fe−Si系合金やFe−Ni系合金により磁性体コア20を形成した場合に比べて、磁性体コア20を小型化することが可能となる。
【0029】
端子30A,30Bは、それぞれ、下鍔部25の下面に沿って延び一端部が下鍔部25の外周よりも外側に突出する電極部31と、該電極部31の一端部から立ち上がる三角柱状の継線部33とを有してなり、この継線部33の上端面は、導線接続用の継線面35として構成されている。すなわち、継線面35には、磁性体コア20の巻軸部21に巻回される導線41の各端部41a,41bが、熱圧着や抵抗溶接により接続されるようになっている。
【0030】
さらに、本実施形態の磁性部品10においては、図3(A)に示すように、端子30A,30Bの継線面35が、継線部33の側面に対し垂直に配置されている。このように継線面35を継線部33の側面に対し垂直に配置することにより、継線面35の面積を広くとることが可能となる。これに対し従来技術のように、金属板を折り曲げて継線部133(図8参照)を作成した場合には、継線部133の立上り部と側方屈曲部との境界部分に金属板の厚みに応じた曲面部(R部)が形成され、その分だけ継線面135(図8参照)の面積が小さくなってしまう。あるいは、従来の継線面135において、本実施形態の継線面35と同等の面積を確保しようとすると、曲面部(R部)がある分だけ、継線面135が磁性体コア120の外側に広がることになるので、磁性部品110を小型化することが困難となる。
【0031】
また、継線部33の太さ(水平方向の断面積)は、継線部33の高さ方向に亘って同一に形成されており、継線部33の水平方向の断面形状は、図3(B)に示すように、直角三角形をなしている(継線面35の形状も同じ)。なお、継線部33には、熱圧着等が行われる際に軸方向に所定の力(溶接用電極から受ける力)が作用する。継線部33は、このような力が作用しても塑性変形したり座屈したりせずに力を支持し得るように構成されている。例えば、柱状体における座屈の生じ難さを示す指標として細長比(柱の長さ/断面二次半径)が知られているが、継線部33の細長比は、熱圧着等の際に軸方向に力が作用しても座屈しないように設定される。
【0032】
また、継線部33の高さ方向の寸法(電極部31の上面からの高さ)H(図3(A)参照)は、下鍔部25の高さ方向の寸法(厚さ)T(図2参照)から、磁性体コア20の巻軸部21に巻回される導線41の半径分の長さを引いた寸法よりも大となるように設定されている。
【0033】
より詳細には、この継線部33の高さ方向の寸法Hは、下鍔部25の高さ方向の寸法Tから、磁性体コア20の巻軸部21に巻回される導線41の半径分の長さを引いた寸法よりも大で、かつこの寸法Tに、磁性体コア20の巻軸部21の高さ方向の寸法(幅)W(図2参照)を加えた寸法から、磁性体コア20の巻軸部21に巻回される導線41の直径分の長さを引いた寸法よりも小となるように設定されている。
【0034】
特に、この継線部33の高さ方向の寸法Hは、下鍔部25の高さ方向の寸法Tから、磁性体コア20の巻軸部21に巻回される導線41の半径分の長さを引いた寸法よりも大で、かつこの寸法Tに、磁性体コア20の巻軸部21に巻回される導線41の直径分の長さを加えた寸法よりも小となるように設定されることが好ましい。
【0035】
このように継線部33の高さ方向の寸法Hを規定することにより、磁性体コア20の巻軸部21に巻回される導線41の各端部を熱圧着等により継線面35に接続する際に、導線41が断線する可能性を低減することが可能となる。
【0036】
コイル40は、磁性体コア20の巻軸部21に巻回される導線41により構成されている。この導線41は、芯線(図示略)と該芯線を覆う絶縁皮膜(図示略)とを有する皮膜導線により構成されており、その各端部41a,41bは、端子30A,30Bの継線面35に対し、熱圧着や抵抗溶接等により接続されている。
【0037】
なお、導線41としては、磁性部品10の大きさに応じて、例えば、直径が0.02mmから0.30mmの範囲内の導線の中から適宜の太さのものを用いることが可能である。例えば、直径が0.02mmから0.05mm程度の極細線や、直径が0.05mmから0.10mm程度の細線を用いることが可能である。また、直径が0.10mmから0.20mm程度のものや、直径がそれ以上あるものなどを用いることも可能である。
【0038】
〈磁性部品の製造方法〉
本発明の一実施形態に係る磁性部品の製造方法は、図4に示すように、前述した磁性部品10における導線41の各端部41a,41bを、熱圧着により、端子30A,30Bの継線面35に接続するものであり、以下の手順で行われる。
【0039】
(1)導線41が磁性体コア20の巻軸部21に巻回され、かつ導線41の各端部41a,41bが端子30A,30Bの継線面35に載置された状態の磁性部品10を、溶接用治具70の上にセットする。端子30A,30Bの継線部33が柱状に形成されているため、溶接用治具70は、端子30A,30Bを全体的に支持するように平面状に形成されており、従来の溶接用治具170(図9参照)に見られるような突起部171A,171B(図9参照)は有していない。
【0040】
(2)溶接用電極80の図中上下方向の移動距離を調整する。この移動距離の調整は、端子30A,30Bの継線面35の高さ方向の位置(継線部33の高さ方向の設計寸法に基づき算出される)と導線41の直径を勘案して、溶接用電極80を継線面35面上の導線41の各端部41a,41bを押圧した際に、各端部41a,41bの潰し量が適正となるように行われる。
【0041】
(3)溶接用電極80を下降させ、継線面35面上の導線41の各端部41a,41bを、溶接用電極80の下面により押圧して潰しながら継線面35面に溶接する。
【0042】
磁性部品10における継線面35の高さ方向の位置は、継線部33が柱状に形成されていることにより、設計値からのばらつきが少ない。このため、同じ設計仕様の磁性部品10に対して、熱圧着時における導線41の各端部41a,41bの適正な潰し量を確保することができるので、導線41の各端部41a,41bを継線面35に対し安定して良好に接続することが可能となる。
【0043】
〈端子の変更態様〉
図5,6に、上述した実施形態の端子30A,30Bとは異なる態様の端子30C〜30Hを示す。図5(A)〜(C)は、端子30C〜30Eをそれぞれ側面側から見たときの形状を示しており、図6(A)〜(C)は、端子30F〜30Hの各継線部33の断面形状を示している。
【0044】
図5(A)に示す端子30Cは、継線部33の一側面(端子30Cが下鍔部25に取り付けられた状態において下鍔部25と対向する側の側面)と継線面35との境界部分にR面36を設けたものであり、図5(B)に示す端子30Dは、継線部33の一側面(端子30Dが下鍔部25に取り付けられた状態において下鍔部25と対向する側の側面)と継線面35との境界部分にC面37を設けたものである。
【0045】
このようなR面36またはC面37を設けた場合、上述した端子30A,30Bと比較して、継線面35の面積は狭くなるが、熱圧着等により導線端部を継線面35に接続する際に導線が断線する可能性を低減することが可能となる。
【0046】
図5(C)に示す端子30Eは、継線面35を、継線部33の軸方向(高さ方向)に対して傾斜するように構成したものであり、図6(A)に示す端子30Fは、継線部33の一側面(端子30Cが下鍔部25に取り付けられた状態において下鍔部25と対向する側の側面)を曲面38で構成したものである。このような構成は、下鍔部25の外形形状が円形であるような場合に好適である。
【0047】
図6(B)に示す端子30Gは、継線部33の断面が、電極部31の幅方向に亘って延びる長方形状とされたものであり、図6(C)に示す端子30Hは、継線部33の断面が、電極部31の幅方向の一方の側に片寄って位置する正方形状とされたものである。なお、端子30E,30Gの各継線部33は、上述した端子30A,30Bのものと比較して細くなっているが、継線部33の断面積(継線部33の軸方向に垂直な断面の面積)を電極部31の断面積(電極部31の長さ方向に垂直な断面の面積)よりも大きく設定するなど、熱圧着等が行われる際に継線部33の軸方向に作用する力を支持し得るように構成されている。
【0048】
〈その他の変更態様〉
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に態様が限定されるものではなく、種々に態様を変更することが可能である。
【0049】
例えば、上記実施形態においては、磁性体コア20の上鍔部23および下鍔部25が八角形状に形成されているが、これらは、円形状や楕円形状に形成したり、五角形状や六角形状等の他の多角形状に形成したりと、種々の形状のものに変更することが可能である。また、上記実施形態においては、上鍔部23と下鍔部25とが互いに同一の大きさ、形状に形成されているが、形状や大きさが異なる不等鍔の構成とすることも可能である。巻軸部21の形状についても、円柱状や楕円柱状など、任意の形状のものに変更することが可能である。
【0050】
また、上記実施形態においては、磁性体コア20がNi−Zn系フェライトまたはMn−Zn系フェライトにより構成されているが、Fe−Si系合金やFe−Ni系合金など、他の磁性材料を用いて磁性体コア20を形成してもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、導線端部を端子継線面に接続する方法として、熱圧着と抵抗溶接を例示しているが、半田付け等の他の方法により、導線端部を接続するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0052】
10,110 磁性部品
20,120 磁性体コア
21,121 巻軸部
23,123 上鍔部
25,125 下鍔部
30A〜30H,130A,130B 端子
31,131 電極部
33,133 継線部
35,135 継線面
36 R面
37 C面
38 曲面
40,140 コイル
41,141 導線
41a,41b,141a,141b (導線の)端部
70,170 溶接用治具
80,180 溶接用電極
171A,171B 突起部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻軸部の一端側に上鍔部を他端側に下鍔部を有する磁性体コアと、前記下鍔部に取り付けられた導電性の端子と、前記巻軸部に巻回された導線と、を備えた磁性部品であって、
前記端子は、前記下鍔部の下面に沿って延び一端部が前記下鍔部の外周よりも外側に突出する電極部と、該電極部の前記一端部から立ち上がる柱状の継線部と、を有してなり、
前記継線部の上端面は、導線接続用の継線面として構成され、前記導線の端部が該継線面に接続されてなる、ことを特徴とする磁性部品。
【請求項2】
前記導線は、芯線と該芯線を覆う絶縁皮膜とを有する皮膜導線である、ことを特徴とする請求項1に記載の磁性部品。
【請求項3】
前記磁性体コアは、Ni−Zn系フェライトまたはMn−Zn系フェライトにより構成されたフェライトコアである、ことを特徴とする請求項1または2に記載の磁性部品。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の磁性部品における前記継線面に、前記導線の端部を熱圧着または抵抗溶接により接続する、ことを特徴とする磁性部品の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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