説明

磁気アタッチメントを有するアクセサリデバイス

【課題】ポータブル電子デバイスに、アクセサリデバイスを取り外し可能に接続するアタッチメント技術を提供する。
【解決手段】製品10はアタッチメントシステム13を含み、電子デバイス12は対応するアタッチメントシステム14を含む。アタッチメントシステム13は、対応するアタッチメントシステム14と協働して、製品10及び電子デバイス12を取り外し可能に接続できる。製品10及び電子デバイス12は、互いに接続されると単一の動作ユニットとして、動作可能である。一方、取り外しモードにおいて、製品10及び電子デバイス12は別個に動作可能であり、必要に応じて2つの個別の部分として動作可能である。アタッチメントシステム13及び14は、製品10及び電子デバイス12が所望の繰り返し可能な方法で互いに接続可能であるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にポータブル電子デバイスに関する。特に、本発明は、ポータブル電子デバイスに適切な種々の取り外し可能なアタッチメント技術について説明する。
【背景技術】
【0002】
ポータブルコンピューティングにおける最近の進歩として、Cupertino,CAのApple Inc.により製造されたiPad(登録商標)タブレットの製品群に従うハンドヘルド電子デバイス及びコンピューティングプラットフォームの導入がある。これらのハンドヘルドコンピューティングデバイスは、電子デバイスの多くの部分が視覚的コンテンツを提示するために使用されるディスプレイの形態をとるように構成され、アクセサリデバイスを接続するのに使用されるアタッチメント機構に対する利用可能な空間が殆どない。
【0003】
一般に、従来のアタッチメント技術は、一般に少なくとも電子デバイスの外部アクセス可能な接続機能がアクセサリデバイスの対応する接続機能と一致することを要求する機械的締め具に依存する。外部接続機能の存在は、ハンドヘルドコンピューティングデバイスの全体的な外見及び感触を損ない、不要な重量及び複雑さを増加し、且つハンドヘルドコンピューティングデバイスの外観の品質を低下させる。
【0004】
従って、少なくとも2つのオブジェクトを取り外し可能に接続する機構が要求される。
【発明の概要】
【0005】
本明細書は、電子デバイスにアクセサリを取り外し可能に接続するシステム、方法及び装置に関する種々の実施形態を説明する。
【0006】
アクセサリユニットは、アクセサリ本体と、アクセサリ本体と回動可能に接続された磁気アセンブリを含む。当該磁気アセンブリは、第1の線に沿って第1の相対サイズの順番で互いに隣接して配置され、磁気極性が交互に入れ替わる第1の極性パターンに従って配置された第1の複数の磁気要素と、第1の線に沿って第2の相対サイズの順番で互いに隣接して配置され、磁気極性が交互に入れ替わる第2の極性パターンに従って配置された第2の複数の磁気要素とを少なくとも含む。
【0007】
アクセサリユニット共に用いるのに適した磁気接続方法は、磁気アセンブリを提供することにより実行される。当該磁気アセンブリは、第1の線に沿って第1の相対サイズの順番で互いに隣接して配置され、磁気極性が交互に入れ替わる第1の極性パターンに従って配置された第1の複数の磁気要素と、第1の線に沿って第2の相対サイズの順番で互いに隣接して配置され、磁気極性が交互に入れ替わる第2の極性パターンに従って配置された第2の複数の磁気要素とを少なくとも含む。第1と第2の複数の磁気要素は、第1の磁気シーケンスを形成するために協働する。記述される実施形態では、当該方法は、配列された磁気アセンブリをホストユニットの近傍に配置することで、ホストユニットにより第1の磁気面を生成させることによって実行される。第1の磁気面は磁気接続に適しており、当該磁気面に対応する係合面においてアクセサリユニットとホストユニットとを磁気接続する。
【0008】
別の実施形態に対応するアクセサリユニットは、少なくとも第1の磁気要素と第2の磁気要素とが回動可能に接続されたアクセサリ本体を少なくとも含む。当該第2の磁気要素は、ホストユニットの第1の部分にアクセサリユニットを回動可能に磁気接続する。第1の磁気要素は、アクセサリ本体をホストユニットの第2の部分に磁気接続するために第2の磁気要素と協働する。第1の磁気素子と第2の磁気素子とは互いに独立している。
【0009】
本発明の他の態様及び利点は、説明する実施形態の原理を例として示す添付の図面と共に以下の詳細な説明を読むことにより明らかとなるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明は、添付の図面と共に以下の詳細な説明により容易に理解されるだろう。図中、同様の図中符号は同様の構造要素を示す。
【図1】所望の繰り返し可能な方法で互いに取り外し可能に接続される製品及び電子デバイスを概略的に示すブロック図である。
【図2A】説明する一実施形態に従って、側面の磁気アタッチメントシステムを介して電子デバイスに取り外し可能に接続される製品を概略的に示す透視図である。
【図2B】側面の磁気アタッチメントシステムに従って接続された図2Aの製品及び電子デバイスを示す図である。
【図3A】説明する一実施形態に従って、上部の磁気アタッチメントシステムを介して電子デバイスに取り外し可能に接続可能な製品を概略的に示す透視図である。
【図3B】上部の磁気アタッチメントシステムを使用して連携システムを形成するために互いに磁気接続された図3Aの製品及び電子デバイスを示す図である。
【図4A】上部の磁気アタッチメントシステム及び側面の磁気アタッチメントシステムを介して電子デバイスに取り外し可能に接続可能な製品を概略的に示す透視図である。
【図4B】図4Aに示した接続された製品及び電子デバイスの連携システムを閉構成で示す図である。
【図4C】図4Bの連携システムを開構成で示す図である。
【図5】説明する実施形態に従って電子デバイスを示す上面透視図である。
【図6】磁気アタッチメント機構の別の実施形態を示す図である。
【図7A】磁気アタッチメント機構を有するアクセサリデバイスの形態の別のオブジェクトに近接する電子デバイスを示す図である。
【図7B】説明する実施形態に従って、図7Aの電子デバイスとアクセサリデバイスとの間の磁気的相互作用の図形表現を示す図である。
【図7C】図7A及び図7Bに示すようなアクセサリデバイス及び電子デバイスの磁気接続により形成された連携システムの図形表現を示す図である。
【図8A】電子デバイスのアタッチメント機構の一実施形態を示す図である。
【図8B】図8Aに示したアタッチメント機構に対応するアクセサリデバイスのアタッチメント機構の一実施形態を示す図である。
【図9A】不活性状態の典型的なデバイスアタッチメント機構を示す図である。
【図9B】別の磁気アタッチメント機構により活性化された図9Aの典型的なデバイスアタッチメント機構を示す図である。
【図9C】磁気活性オブジェクトが存在する不活性状態の磁気アタッチメント機構を示す図である。
【図10】板バネ構成を保持機構として利用するデバイスアタッチメント機構の一実現例を示す図である。
【図11A】不活性状態の調整された磁気アタッチメントシステム及びマッチング磁気アタッチメントシステムの一実施形態を示す図である。
【図11B】マッチング磁気アタッチメントシステムにより活性化された図11Aの調整された磁気アタッチメント機構を示す図である。
【図12】図11Aに示した調整された磁気アタッチメント機構におけるシフト位置を示す図である。
【図13】磁気接続力と、調整された磁気アタッチメント機構の相対位置との関係を概略的に示すグラフである。
【図14】、
【図15】調整された磁気アタッチメント機構で使用された磁気素子の種々の実施形態を示す図である。
【図16A】タブレットデバイスの形態の電子デバイス及び保護カバーの形態のアクセサリデバイスを示す第1の透視図である。
【図16B】タブレットデバイスの形態の電子デバイス及び保護カバーの形態のアクセサリデバイスを示す第2の透視図である。
【図17A】図16A及び図16Bに示したタブレットデバイス及び保護カバーにより形成された連携システムの閉構成を示す図である。
【図17B】図17Aに示した連携システムの開構成を示す図である。
【図18】セグメント化されたカバーアセンブリの一実施形態を示す上面図である。
【図19A】、
【図19B】、
【図19C】説明する実施形態に従ってヒンジスパンを詳細に示す図である。
【図20A】タブレットデバイスに接続された図18に示したセグメント化カバーアセンブリを示す側面図である。
【図20B】、
【図20C】図20Aのセグメント化カバーアセンブリ及びタブレットデバイスを示す横断面図である。
【図21A】曲面を有する筐体に磁気接続された図19A〜図19Cのヒンジスパンの一実施形態を示す横断面図である。
【図21B】平面を有する筐体に磁気接続されたヒンジスパンの別の実施形態を示す横断面図である。
【図22A】、
【図22B】説明する実施形態に従ってヒンジスパンを組み立てるのに使用された固定具を示す横断面図及び透視図である。
【図23】キーボード状態のタブレットデバイスを支持するように構成されたセグメント化カバーを示す側面図である。
【図24A】、
【図24B】ディスプレイ状態のタブレットデバイスを支持するように構成されたセグメント化カバーの側面図及び透視図である。
【図25A】、
【図25B】懸架装置の種々の実施形態として構成されたセグメント化カバーアセンブリを示す図である。
【図26A】、
【図26B】ハンドルにより保持された前方及び後方撮像装置を有するタブレットデバイスを示す背面図及び正面図である。
【図27A】、
【図27B】、
【図27C】ピークモードにおいてディスプレイの露出された部分のみを活性化するように構成されたタブレットデバイス及びセグメント化カバーの連携システムを示す図である。
【図28A】、
【図28B】、
【図28C】、
【図28D】説明する実施形態に従って回動するヒンジアセンブリの部分を示す種々の展開図である。
【図29】説明する実施形態に従って上部のカバーアセンブリを示す展開図である。
【図30】上部のカバーアセンブリの埋め込み磁石とタブレットデバイスの磁気感知回路との間の関係を強調表示するタブレットデバイスの適切な場所にある図29に示した上部のカバーアセンブリを示す横断面図である。
【図31A】説明する実施形態に従って活性状態の対応するデバイスアタッチメント機構と磁気的係合されたヒンジスパンを示す横断面図である。
【図31B】不活性状態の図31Aのデバイスアタッチメント機構を示す横断面図である。
【図32】、
【図33】説明する実施形態に従って板バネを保持機構として内蔵するデバイスアタッチメント機構を示す透視図である。
【図34】説明する実施形態に従って磁気アタッチメントの処理を詳細に示すフローチャートである。
【図35】説明する実施形態に従って符号化磁気アタッチメント機構を活性化する処理を詳細に示すフローチャートである。
【図36】説明する実施形態に従って磁気アタッチメントを開始する処理を詳細に示すフローチャートである。
【図37】説明する実施形態に従ってピークモード動作に対する処理を詳細に示すフローチャートである。
【図38】説明する実施形態に従ってヒンジスパンを組み立てる処理を詳細に示すフローチャートである。
【図39】説明する実施形態に従って磁気アタッチメントシステムで使用された磁気スタックの磁気素子の構成を判定するための処理を詳細に示すフローチャートである。
【図40】ポータブルメディアデバイスにより利用された機能モジュールの構成を示すブロック図である。
【図41】説明する実施形態と共に使用するのに適切な電子デバイスを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、添付の図面に示された典型的な実施形態を詳細に参照する。以下の説明は、それらの実施形態を好適な一実施形態に限定することを意図しないことが理解されるべきである。これに対して、添付の請求の範囲により規定される本発明の趣旨の範囲内に含まれるような代替例、変形例及び均等物を範囲に含むことを意図する。
【0012】
一般に以下の説明は、少なくとも2つの適切に構成されたオブジェクトを接続するために使用される機構に関する。一実施形態において、これは従来の締め具を使用せずに達成可能である。各オブジェクトは、適切な特性を有する磁界を提供するように構成されたアタッチメント機構を含むことができる。アタッチメント機構が互いに近づけられると、磁界はそれぞれの特性に基づいて協働して相互作用し、その結果、オブジェクトは所望の繰り返し可能な方法で互いに磁気接続する。例えば少なくとも部分的に磁界の相互作用の協働により、オブジェクトは外部の仲介なしで相対的な配向状態で所定の位置に互いに接続される。例えば協働的な磁気的相互作用の結果、オブジェクトは所望の向きに自動調整及び自動調心する。
【0013】
オブジェクトは、全体の有効な磁気吸引力に打ち勝つのに十分な大きさの解除力が加えられるまで磁気接続された状態のままである。しかし、場合によっては、オブジェクトを直列に(ジッパーの線に沿って)取り外すのが望ましい。この場合、解除力は一対の磁気素子の有効な磁気吸引力に1度打ち勝つのに十分な大きさであればよい。機械的締め具等のコネクタは、オブジェクトを接続する必要はない。更に、磁気アタッチメント機構間の磁気的相互作用に対する過度な干渉を防止するために、磁気アタッチメント機構に近接するオブジェクトの少なくとも一部は、プラスチック等の磁気不活性材料、あるいはアルミニウム又は非磁性ステンレス鋼等の非鉄金属から形成される。
【0014】
オブジェクトは、多くの形態をとることができ且つ多くの機能を実行できる。オブジェクトは、互いに磁気接続された場合、連携システムを形成するために互いに通信し且つ相互作用することが可能である。連携システムは、別個のオブジェクトが個々に提供できない動作を実行し且つ機能を提供できる。別の実施形態において、少なくとも1つのデバイスはアクセサリデバイスとして使用される。アクセサリデバイスは、少なくとも1つの電子デバイスに磁気接続される。アクセサリデバイスは、電子デバイスの操作性を向上するために使用可能なサービス及び機能を提供できる。例えばアクセサリデバイスは、電子デバイスに磁気接続可能な保護カバーの形態をとることができる。保護カバーは、電子デバイスの全体の外見及び感触を向上しつつ電子デバイの特定の面(ディスプレイ等)を保護できる。アクセサリ及び電子デバイスを磁気接続するために使用された磁気アタッチメント機構は、カバーが特定の向きで電子デバイスに接続できることのみを保証できる。更に磁気アタッチメント機構は、保護カバー及び電子デバイスの適切な位置合わせ及び位置決めを保証できる。
【0015】
保護カバーは、少なくともヒンジ部を含むことができる。ヒンジ部は、磁気アタッチメント機構を使用して電子デバイスに磁気接続される。ヒンジ部は、保護される電子デバイスの一部の上に配置されるフラップに回動可能に接続される。保護カバーは、電子デバイスの電子素子と協働できる電子回路又は他の素子(受動又は能動)を含むことができる。その協働の一部として、例えば電子デバイスの動作及び保護カバーの電子回路又は素子の動作等を変更するために使用される信号は、電子デバイスと保護カバーとの間で転送される。
【0016】
一例として、電子デバイスは、ホール効果センサ等の磁気感知回路を含むことができ、磁界があることを検出できる。ホール効果センサは、信号を生成することにより磁界があること(又はないこと)に応答可能である。信号は、電子デバイスの動作状態を変更するために使用される。従って、保護カバーは、ホール効果センサに信号を生成させる磁界を有する永久磁石等の磁気素子を含むことができる。磁気素子は、カバーが電子デバイスの表面上に又は表面に近接して配置された時に信号を生成するようにホール効果センサをトリガする場所において保護カバーの上に位置付けられる。信号は、保護カバーが電子デバイスに対して所定の位置にあることを示すことができ、その結果、電子デバイスの動作状態を変更できる。例えば保護カバーの一部がホール効果センサに近接して磁気素子を有する状態において、磁気素子の磁界により、ホール効果センサに信号を生成させることができる。信号は、完全に被覆されている電子デバイスのディスプレイと一貫性のある状態に動作状態を変更するために使用される。一方、ホール効果センサが磁気素子の磁界に応答しない地点に磁気素子を有する保護カバーの一部が移動された場合、ホール効果センサは別の信号を生成できる。その別の信号により、電子デバイスは、露出され且つ閲覧可能なディスプレイの少なくとも一部と一貫性のある別の異なる動作状態に入ることができる。
【0017】
これらの実施形態及び他の実施形態について、図1〜図40を参照して以下に説明する。しかし、これらの図面に関して本明細書で与えられる詳細な説明は、説明の目的でのみ与えられ、限定するものとして解釈されるべきではないことが当業者には容易に理解されるだろう。残りの説明において、説明する実施形態に従って互いに磁気接続するようにそれぞれ適切に構成された第1のオブジェクト及び第2のオブジェクトについて説明する。尚、任意の数のいかなる種類の適切に構成されたオブジェクトも正確で繰り返し可能な方法で互いに磁気接続される。特に、簡略化するために、残りの説明において、第1のオブジェクトは電子デバイス、特にハンドヘルド電子デバイスの形態をとると想定される。
【0018】
図1は、所望の繰り返し可能な方法で互いに取り外し可能に接続される製品10及び電子デバイス12を概略的に示すブロック図である。特に、製品10及び電子デバイス12は、外部の仲介なしで且つ機械的締め具を使用せずに相対的な配向状態で所定の位置に互いに接続可能である。製品10及び電子デバイス12は、それらの間の係合に打ち勝つ解除力が加えられるまで互いに接続されたままである。しかし、場合によっては、製品10及び電子デバイス12を直列に(ジッパーの線に沿って)取り外すのが望ましい。この場合、1つのアタッチメント構成要素に関する製品10と電子デバイス12との間の係合を1度解除できる解除力が加えられる。例えばアタッチメント構成要素は、適切にマッチングした一対の磁気素子を含むことができる。1つの磁気素子は製品10にあり、第2の磁気素子は電子デバイス12にある。
【0019】
電子デバイス12は、多くの形態をとることができる。例えば電子デバイス12は、ポータブル電子デバイスの形態をとることができる。いくつかの例において、ポータブル電子デバイスは筐体15を含むことができる。筐体15は、ポータブル電子デバイスの構成要素に対する支持部を含み且つ提供できる。筐体15は、少なくともポータブル電子デバイスの前面の多くの部分を占有する大きな主ディスプレイに対する支持部を提供できる。ディスプレイは、視覚的コンテンツを提示するために使用される。視覚的コンテンツは、静止画、映像、テキストデータ、並びにグラフィカルユーザインタフェース、すなわちGUIの一部として使用されるアイコンを含むことができるグラフィックデータを含むことができる。
【0020】
場合によっては、ディスプレイの少なくとも一部がタッチセンシティブであってもよい。タッチセンシティブとは、タッチ事象中、オブジェクト(指及びスタイラス等)がディスプレイの上面に接触して置かれるか又は近接して置かれることを意味する。タッチ事象の詳細(場所、圧力及び期間等)は、処理するためにポータブル電子デバイスに情報を提供するために使用される。いくつかの実施形態において、ポータブル電子デバイスに提供されている情報に加えて又はその代わりに、情報は例えばハプティックアクチュエータを使用してポータブル電子デバイスにより触覚的に提供される。しかし、電子デバイスは多様に変更されてもよいため、この構成は例であり、限定するものではないことが理解されるべきである。一例において、ポータブル電子デバイスは、例えばCupertino,CAのApple Inc.により製造されたiPad(登録商標)等のタブレットコンピュータである。
【0021】
製品10は、多様に変更されてもよく、例えば電子デバイス12のアクセサリ又は備品等の多くの形態をとることができる。アクセサリとして、製品10は、カバー、スタンド、ドック、ハンガー及び入出力装置等として構成される。特に有用な形態において、製品10は、ポータブル電子デバイスのディスプレイ上に位置付けられるフラップ等の部材を含むことができる保護カバーの形態をとることができる。電子デバイス12と同様に、製品10は、製品10の構成要素に対する支持部を含み且つ提供できる筐体17を更に含むことができる。
【0022】
製品10及び電子デバイス12の一方又は双方がアタッチメント機構を含むことができる。例えば、製品10はアタッチメントシステム13を含むことができ、電子デバイス12は対応するアタッチメントシステム14を含むことができる。アタッチメントシステム13は、対応するアタッチメントシステム14と協働して、製品10及び電子デバイス12を取り外し可能に接続できる。製品10及び電子デバイス12は、互いに接続されると、単一の動作ユニットとして動作可能である。一方、取り外しモードにおいて、製品10及び電子デバイス12は別個に動作可能であり、必要に応じて2つの個別の部分として動作可能である。アタッチメントシステム13及び14は、製品10及び電子デバイス12が所望の繰り返し可能な方法で互いに接続可能であるように構成される。換言すると、アタッチメントシステム13及び14は、製品10及び電子デバイス12が互いに対して所定の位置に常に存在するようにそれらを繰り返し位置合わせできる。
【0023】
アタッチメント機構は多様に変更されてもよい。アタッチメントは、機械的結合、電気的結合、静電結合、磁気結合及び/又は摩擦結合等を含む種々の結合により提供される。一実施形態において、アタッチメントは製品及び/又は電子デバイスの外側からは見えない。例えば製品及びデバイスは、外見及び感触又は装飾的な外観(例えば、スナップ、ラッチ等)に悪影響を及ぼす外部から見えるアタッチメント機構を含むことができず、製品又はデバイスの外側から見えず且つそのため製品又はデバイスの外見及び感触又は装飾的な外観に影響を及ぼさないアタッチメント機構を含むことができる。例として、アタッチメント機構は製品又はデバイスの外面を妨害しない吸引表面により提供される。一実施形態において、アタッチメント機構の少なくとも一部は装着力の一部又は全てを提供するために磁気吸引力を利用する。
【0024】
アタッチメントシステムは、1つ以上のアタッチメント機構を含むことができる。複数の機能が使用される場合、それらの固着方法は同一であっても異なってもよい。例えば一実現例において、第1のアタッチメント機構は第1のアタッチメント手段を利用し、第2のアタッチメント機構は第1のアタッチメント手段とは異なる第2のアタッチメント手段を利用する。例えば第1のアタッチメント手段は摩擦結合を利用でき、第2のアタッチメント手段は磁気を利用できる。別の実現例において、第1のアタッチメント機構は第1のアタッチメント手段を利用し、第2のアタッチメント機構は同一又は同様のアタッチメント手段を利用する。例えば、第1のアタッチメント手段及び第2のアタッチメント手段は磁石により提供される。アタッチメント手段は類似しているが、機能の構成はシステムの要求に依存して異なってもよいことが理解されるべきである。更に、任意の数のあらゆる構成のアタッチメント手段が使用可能である。
【0025】
図示した実施形態において、アタッチメントシステム13及び14はそれぞれ少なくとも対応するアタッチメント機構13a/14aの第1の集合及び対応するアタッチメント機構13b/14bの第2の集合を含む。アタッチメント機構13aは対応するアタッチメント機構14aと協働して、製品10及び電子デバイスを取り外し可能に接続できる。特定の一実現例において、これは磁気吸引により達成される。更にアタッチメント機構13bは対応するアタッチメント機構14bと協働して、製品10及び電子デバイスを取り外し可能に更に接続できる。特定の一実現例において、これは磁気吸引により達成される。例として、アタッチメント機構13a/14aは第1の場所に提供され、アタッチメント機構13b/14bは第2の場所に提供される。
【0026】
特定の一例において、アタッチメント機構14aは、アタッチメント機構13aと協働して電子デバイス12を製品10に固着できる。別の例において、アタッチメント機構13bはアタッチメント機構14bを使用して製品10を電子デバイス12に固着できる。尚、この例のアタッチメントシステム13及び14は別個であってもよく、あるいは協働してアタッチメントを生成できる。アタッチメントシステムが協働する場合、アタッチメント機構14a及び14bは1つ以上のアタッチメント機構13a及び13bに対応するか又は結合する。いずれの場合においても、これらのいずれの例のアタッチメント機構も機械的アタッチメント、静電アタッチメント、吸引アタッチメント及び/又は磁気アタッチメント等を介して達成される。
【0027】
アタッチメントシステム及びアタッチメントシステム内のアタッチメント機構の配置は多様に変更されてもよい。電子デバイス12に関して、アタッチメントシステム14は前面、背面、上面、底面及び/又は側面に配置されてもよい。アタッチメント機構14a及び14bは、アタッチメントシステム14内のいずれの場所に配置されてもよい。従って、アタッチメント機構14a及び14bは、筐体及び/又はディスプレイに対していずれの場所に配置されてもよい。一例において、アタッチメント機構14a及び14bは、筐体の1つ以上の側面(例えば、上面、底面、左側、右側)に沿って係合を提供できる。別の例において、アタッチメント機構14a及び14bは電子デバイス12の背面において係合を提供できる。更に別の例において、アタッチメント機構14a及び14bは電子デバイス12の前面(例えば、ディスプレイが存在する場合はディスプレイが配置されている)において係合を提供できる。場合によっては、アタッチメント機構の組み合わせは、例えば側面及び前面等の電子デバイス12の異なる領域に配置される。一実施形態において、アタッチメント機構14a及び14bを含むアタッチメントシステム14は電子デバイス12の表面を妨害しない。同様に、アタッチメントシステム13、並びに特にアタッチメント機構13a及び13bは製品10の表面を妨害しない。
【0028】
一実施形態によると、アタッチメント機構は磁気素子を含むことができる。磁気素子は、嵌合構成になるように電子デバイス12に対して製品10を位置付けることを助長するように構成される。磁気素子は、嵌め合い係合するように製品10及び電子デバイス12を固着することを更に助長してもよい。尚、製品10及び電子デバイス12の係合は、製品10及び電子デバイス12が個々のオブジェクトに再度分離することを可能にする適切な解除力を加えることにより解除される。しかし、磁気素子は、製品10及び電子デバイス12がいかなる種類の締め具又は機械的締め具等も必要とせずに再度嵌め合い係合することを可能にする。このように、磁気素子は、製品10と電子デバイス12との間の繰り返し可能な一貫した係合を提供する。
【0029】
製品10及び電子デバイス12は、構成要素16及び18をそれぞれ含むことができる。一般に構成要素16及び18は、製品10及び電子デバイス12の構成に依存し、例えば支持部を提供するのに使用される機械構成要素又は構造構成要素であってもよく、あるいは特定の動作/機能の集合を提供できる動作/機能構成要素であってもよい。構成要素は、各デバイスに専用であってもよく、あるいは対応する製品又はデバイスの面と結合するように(例えば、有線又は無線)構成されてもよい。構造構成要素の例には、フレーム、壁、締め具、補強材、移動機構(ヒンジ)等が含まれる。動作構成要素の例には、プロセッサ、メモリ、バッテリ、アンテナ、回路網、センサ、ディスプレイ及び入力等が含まれる。所望の構成に依存して、構成要素は外部(すなわち、表面に露出している)及び/又は内部(例えば、筐体内に埋め込まれている)にあってもよい。
【0030】
図2A及び図2Bは、説明する一実施形態に従って、磁気アタッチメントシステムを介して電子デバイス22に取り外し可能に接続される製品20を概略的に示す透視図である。製品20及び電子デバイス22は、一般に図1に関して説明されるものに対応可能である。一実施形態において、磁気アタッチメントシステムは、磁気面24(破線又は斜線で示される)として、更に詳細には電子デバイス22の側面の磁気面24として具体化される。磁気面24は、製品20と近接して配置された場合に製品20の対応するアタッチメント機構と協働できる磁界を提供できる。磁界は、図2Bに示すように係合面26に沿って嵌め合い係合するように製品20及び電子デバイス22を引き寄せられる有効な磁気吸引力を発生できる。
【0031】
換言すると、磁気面24により提供された磁界は、製品20と電子デバイス22との間の有効な磁気吸引力が係合面26にほぼ垂直であるような特性を有することができる。更に磁界により、製品20と電子デバイス22との間の有効な磁気吸引力は係合面26に沿って均一に加えられる。製品20及び電子デバイス22を解放するために、磁気アタッチメントシステムにより提供された有効な磁気吸引力に打ち勝つように解除力が2つの結合したオブジェクトに加えられる。
【0032】
1つの側壁のみが示されるが、場合によっては異なる側壁及び可能性として側壁の組み合わせがアタッチメントインタフェースの要求に依存して使用されてもよいことが理解されるべきである。尚、磁気アタッチメントを使用することにより、締め具等の機械的アタッチメントは不要になる。更に機械的アタッチメントがないこと及び全体の磁気吸引力の均一性により、製品20及び電子デバイス22の表面は妨害されず、単一に見えるようにすることが助長され、それにより製品20及び電子デバイス22は単一の一体化されたエンティティに見える。外観の均一性により、製品20及び電子デバイス22の双方の全体の美的な魅力が向上される。
【0033】
一実施形態において、磁気面は、電子デバイス22及び/又は製品20の側壁内に磁気アタッチメント機構の形態で磁気吸引可能な素子を埋め込むことにより作成される。すなわち、磁気吸引可能な素子は、製品20及び電子デバイス22内、例えば電子デバイス22の筐体内に配設される。この構成において、筐体はプラスチック等の非磁性体又はアルミニウム等の非鉄金属から形成される。このように、磁力線は筐体の壁にわたり作用するように構成される。磁気アタッチメント機構は、製品20及び電子デバイス22の外面の物理的な外観を妨害しない。製品20及び電子デバイス22の磁気吸引可能な素子は、嵌め合い係合するように製品20及び電子デバイス22を接続する磁気吸引力を生成するために互いに協働できる磁界を発生するように配置される。磁気吸引力は、電子デバイス22と製品20との間の係合面26に垂直な磁気吸引力を生成するように構成される。
【0034】
製品20及び電子デバイス22の対応する磁気素子の間の磁気吸引力は、係合面26に沿って均一に加えられる。係合面26に沿う全体的な磁気吸引力の均一性は、製品20及び電子デバイス22の対応する磁気素子の間の離間距離が均一であるために得られる。更に均一性は、製品20及び電子デバイス22の対応する磁気素子の間の磁束密度が一貫しているために得られる。有効な磁気アタッチメントの均一性は、それぞれ互いにマッチングして嵌合する製品20及び電子デバイス22の表面により容易になる。例えば1つの表面が平坦であるか又は凹型である一方で、他方の表面がマッチングする適合する凸型を有することができる。このように、厳密に嵌合することにより、製品20及び電子デバイス22の対応する磁気素子の間の離間距離は最小に短縮される。表面形状が適合することにより、係合面26における継ぎ目の外観を低減するか又はなくすことで製品20及び電子デバイス22の全体の外見及び感触が向上される。このシームレスの品質は、製品20及び電子デバイス22が互いに接続された時に単一のエンティティであるという錯覚を与える。
【0035】
全体の外見及び感触を向上することに加えて、磁気素子の間の離間距離の一貫性により、製品20と電子デバイス220との間の装着力は係合面26に沿って均一になる。このように、係合力は係合面26にわたり均一に分配され、座屈及び弱点等を防止する。均一に分配されない場合は製品20と電子デバイス22との間の係合の全体的な結合性に影響を及ぼすだろう。
【0036】
図3A及び図3Bは、磁気アタッチメントシステム34及び対応するアタッチメントシステム36を介して電子デバイス32に取り外し可能に接続される製品30を概略的に示す透視図である。尚、この特定の実施形態は、先に側壁に配置された磁気面がここでは電子デバイス32の表面及びオプションとして製品30の対向する表面に配置されること以外は図2A、図2Bで説明した実施形態と同様である。例えばディスプレイを含む電子デバイスの場合、磁気アタッチメントシステム34の磁気素子は表示面の背後に埋め込まれる。
【0037】
図3Bは、連携システム38を形成するために互いに磁気接続された製品30及び電子デバイス32を示す。システム38の一部として、電子デバイス32及び製品30は、製品30又は電子デバイス32が別個に利用できない機能を提供するために協働できる。例えば製品30は、保護機能を提供できるカバーの形態をとることができる。一実施形態において、保護カバーは、移送されるか又は格納される(例えば、表示面を被覆する)一方で電子デバイス32を支持及び保護するために使用される。磁気アタッチメントシステム34と36との間の磁気接続の取り外し可能な性質により、製品30は、電子デバイス32が使用される時に容易に取り外され、その後要望に応じて再度接続される。
【0038】
磁気素子は、電子デバイス32内の特定の磁気感知素子のみが埋め込み磁気素子により生成された磁界の影響を受けるように配置される。例えばホール効果センサは、製品30が製品30に配置された磁気素子により生成された磁界を使用して電子デバイス32のディスプレイの全て又は一部に磁気接続されてそれを被覆するか否かを検出するために使用される。一方、外部磁界(すなわち、地球により提供される磁界等)に依存するコンパス等の電子デバイス32の磁気感知素子は、埋め込み磁気素子により生成された磁力線の影響をそれ程受けない。従って、磁気素子は、コンパス等の磁気感知素子から離れて位置付けられた電子デバイス32のそれらの場所に限定されない。
【0039】
図4A及び図4Cは、磁気システム44を介して電子デバイス42に取り外し可能に接続される製品40を概略的に示す透視図である。本実施形態は、磁気システム44が複数の磁気吸引可能な素子を含むことができ且つ一般に製品40及び電子デバイス42が先の図で説明したものに対応するという点に関して図2A、図2B及び図3A、図3Bに示した実施形態と類似する。例えば磁気吸引可能な磁気素子44aの1つの集合は、製品40及び電子デバイス42の側面に対して配置され、その一方で、磁気吸引可能な素子44bの第2の集合は、製品40及び電子デバイス42の表面に対して配置される。図4Bに示すように、連携システム46は、電子デバイス42及び製品40の表面に配置された磁気素子44bに加えて製品40及び電子デバイス42の側面にある磁気素子44aが互いに磁気吸引するように製品40及び電子デバイス42を互いに近接して配置することにより形成される。側面及び表面で生成された全体的な磁気吸引は、連携システム46を形成するために製品40及び電子デバイス42を嵌め合い係合した状態で維持するのに十分である。
【0040】
一実施形態において、図4Cに示すように、連携システム46は、製品40が開かれたり閉じられたりする電子デバイス42のカバーとして使用される開構成で提示される。すなわち、製品40は、電子デバイス42の保護カバーとして動作可能である。本実施形態において、製品40は、電子デバイス42の側面に沿って接続する接合材48と、電子デバイス42の前面及び特に上面52に接続するフラップ50とを含むことができる。上面52はディスプレイに対応可能である。一実現例において、フラップ50は接合材48に対して移動できる。移動は多様に変更されてもよい。一例において、フラップ50は接合材48に対して回動可能である。回動は多様に変更されてもよい。一例において、回動はヒンジ機構により可能になる。別の例において、回動は折り返し部分により可能になる。更にフラップは、剛性、半剛性又は可撓性を有してもよい。このように、製品40は、フラップ50が電子デバイス42から離れて位置付けられる(ディスプレイ52が見える)開構成、並びにフラップ50が電子デバイス42に近接して位置付けられる(図4Bの閉状態の実施形態により表されるように、ディスプレイ52が被覆される)閉構成を形成できる。
【0041】
一実施形態において、接合材48は1つの側面にのみ配置され、その一方で、フラップ50は上面52にのみ配置される。そのために、電子デバイス42の他の表面は露出したままである。その結果、電子デバイスの美点が引き立ち、その一方で製品は電子デバイスに接続される。更に、これにより、接続性に関連した機能性(例えば、ボタン、コネクタ等)及びI/Oへのアクセスはより適切になる。
【0042】
磁気素子の目的は同様であるが、すなわち目的は製品を電子デバイスに接続することであるが、これらの機構が多様に変更されてもよいことが理解されるべきである。場合によっては、磁界は異なる方法で構成されてもよい。例として、側面に実装された磁気面は第1の磁力を提供してもよく、前面の磁気面は第1の磁力とは異なる第2の磁力を提供してもよい。これは、1つには、種々の保持要求、並びに種々の表面積、すなわち利用可能な空間及びその電子デバイスの内部構成要素に対する影響のためである。一例において、側面に実装された磁気面は、製品を電子デバイスに固着するためにより大きな保持力を提供する。すなわち、これは主固定力であり、前面の磁気面は副次的な固定力である。
【0043】
一例において、フラップ50は、フラップが移動可能であり且つ可撓性を有するように、半剛性であり且つ互いに対して湾曲する複数のセクションを含む。一実施形態において、フラップ50は1つ以上の種々の構成に折り曲げられ、場合によっては上述した磁気システムと同様の磁気システムを使用してそれらの構成で保持される。これらの実施形態及び他の実施形態について、以下に更に詳細に説明する。また、説明する実施形態はカバーに限定されず、例えば懸架装置、ディスプレイを閲覧することを改善するための電子デバイスに対する支持機構及びディスプレイのタッチセンシティブ部分においてタッチ事象を入力するための支持機構として使用されるアクセサリデバイス等を含む他の構成が使用可能である。
【0044】
電子デバイス及び製品は多くの形態をとることができる。残りの説明において、ハンドヘルドポータブルコンピューティングデバイスの観点から電子デバイスについて説明する。従って、図5は、説明する実施形態に従って電子デバイス100を示す上面透視図である。電子デバイス100は、データ及び更に詳細にはオーディオ、映像、画像等のメディアデータを処理できる。例として、一般に電子デバイス100は、スマートフォン、音楽プレーヤ、ゲームプレーヤ、ビデオプレーヤ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)及びタブレットコンピュータ等として実行できるデバイスに対応してもよい。電子デバイス100はハンドヘルドであってもよい。ハンドヘルドであることを考慮すると、電子デバイス100は、一方の手で保持され且つ他方の手で動作される(すなわち、デスクトップ等の基準面が必要ない)。従って、電子デバイス100は一方の手で保持され、動作入力コマンドは他方の手で提供される。動作入力コマンドは、音量スイッチ、ホールドスイッチを動作させること、あるいはタッチセンシティブ表示装置又はタッチパッド等のタッチセンシティブ表面に入力を提供することを含むことができる。
【0045】
電子デバイス100は筐体102を含むことができる。いくつかの実施形態において、筐体102は、所望の形状に鍛造、鋳造又は形成されるプラスチック又は非磁性体金属等の任意の数の材料から形成された単一の筐体の形態をとることができる。電子デバイス100が金属の筐体を有し且つ無線周波数(RF)に基づく機能性を内蔵する場合、筐体102の一部はセラミック又はプラスチック等の放射線透過性材料を含むことができる。筐体102は、複数の内部構成要素を含むように構成される。例えば筐体102は、電子デバイス100に対して演算動作を提供するために種々の構造構成要素及び電気構成要素(集積回路チップを含む)を含み且つ支持できる。集積回路は、チップ、チップセット又はモジュールの形態をとることができ、それらのうちのいずれもプリント基板すなわちPCB又は他の支持構造に実装された表面であってもよい。例えばマザーボード(MLB)は、少なくともマイクロプロセッサ、半導体メモリ(フラッシュ等)及び種々の支持回路等を含むことができる集積回路を実装できる。筐体102は、内部構成要素を配置するための開口部104を含むことができ、必要に応じて視覚的コンテンツを提示するためのディスプレイアセンブリを収容するサイズにされる。ディスプレイアセンブリは、保護層106により被覆及び保護される。いくつかの例において、ディスプレイアセンブリは電子デバイス100に制御信号を提供するのに使用される触覚入力を可能にするタッチセンシティブであってもよい。いくつかの例において、ディスプレイアセンブリは電子デバイスの前面の殆どの面積を被覆する大きな主表示領域であってもよい。
【0046】
電子デバイス100は、電子デバイス100を少なくとも1つの他の適切に構成されたオブジェクトに磁気接続するために使用される磁気アタッチメントシステムを含むことができる。磁気アタッチメントシステムは、筐体102内に分布され且つ場合によっては筐体102に接続される複数の磁気アタッチメント機構を含むことができる。例えば磁気アタッチメントシステムは、電子デバイス100の異なる側面に配置された第1の磁気アタッチメント機構108及び第2の磁気アタッチメント機構110を含むことができる。特に第1の磁気アタッチメント機構108は、筐体102の側壁102aに近接して配置される。第2の磁気アタッチメント機構110は、筐体102の側壁102bに近接して開口部104内に配置される。電子デバイス100が実質的に開口部104を充填するカバーガラスを有するディスプレイを含む実施形態において、第2のアタッチメント機構110はカバーガラスの下に配置される。
【0047】
側壁102aに第1の磁気アタッチメント機構108を配置することにより、別の電子デバイス又はアクセサリデバイス等の別の適切に構成されたオブジェクトに電子デバイス100を磁気接続するために磁気アタッチメント機構108が使用しやすくなる。従って、一般性を失わずに、以降、第1の磁気アタッチメント機構108はデバイスアタッチメント機構108と呼ばれる。
【0048】
一方、第2の磁気アタッチメント機構110を配置することにより、デバイスアタッチメント機構108により別のデバイスの面を電子デバイス100に固着するために第2の磁気アタッチメント機構110が使用しやすくなる。このように、他のデバイスと電子デバイス100との間の全体的な接続は、第1のアタッチメント機構108のみを介する接続より固定されている。従って、ここでも一般性を失わずに、以降、第2のアタッチメント機構110は固定アタッチメント機構110と呼ばれる。
【0049】
図示しないが、磁気アタッチメントシステムの種々の磁気アタッチメント機構が筐体102のいずれかの適切な場所に配置可能であることが理解される。例えば磁気アタッチメント機構は、筐体102の内部底面に又は筐体102の側面102c及び102dに沿って配置可能である。
【0050】
図6に示すように、デバイスアタッチメント機構108及び固定アタッチメント機構110は、それぞれ1つ以上の磁気素子を含むことができる。一例において、デバイスアタッチメント機構108は磁界112(その一部のみを示す)を提供するために磁気的相互作用する複数の磁気素子を含むことができる。換言すると、磁界112の特性(形状及び磁界強度等)は各磁気素子により生成された磁界の相互作用に基づいてもよい。このように、磁界112の特性は、単純に各磁気素子の特性(すなわち、物理的なレイアウト、相対的なサイズ及び構成する磁気極性)を構成することにより変更される。例えば、各磁気素子は種々のサイズを有することができ且つ軸に沿って配設される。このように、複数の磁気素子の各々の磁性は、磁界112の全体の特性を確立するために共に作用できる。
【0051】
いくつかの例において、デバイスアタッチメント機構108と別のデバイスとの間の磁気接続において使用される磁界112の一部は、磁気分路(不図示)を使用することにより向上される。磁気分路は、スチール又は鉄等の磁気活性材料から形成され、接続領域から離れる方向に向けられる磁力線の向きを少なくとも部分的に接続領域に向かうように変更する位置に配置される。磁力線の向きの変更は、接続領域の平均磁束密度を増加する効果を有する。
【0052】
デバイスアタッチメント機構108は、活性状態及び不活性状態で動作可能である。磁束密度B112は、不活性状態では筐体102の外面の外側ではなく内側の磁束密度閾値Bthreshold以上であってもよい。換言すると、筐体102の外面における磁界112の磁束密度B112は磁束密度閾値Bthreshold未満である。磁束密度閾値Bthresholdは、磁気感知デバイス(クレジットカードの磁気帯等)がほぼ影響を受けない最大の磁束値を表す。更に磁気活性材料(スチール等)が電子デバイス100の外側の領域に存在することにより、不活性状態から活性状態に遷移するようにデバイスアタッチメント機構108をトリガしない。
【0053】
上述したように、デバイスアタッチメント機構108が不活性である場合、筐体102の側面102aの外面における磁界112の磁束密度B112は磁束密度閾値Bthreshold未満である。更に詳細には、デバイスアタッチメント機構108に関して、磁束密度B112は磁気素子からの距離xの関数(すなわち、B=B112(x))として変更可能である。従って、デバイスアタッチメント機構108が不活性である場合、磁束密度B112(x)は式(1)を満足できる。
【0054】
B112(x = x0 + t) < Bthreshold・・・式(1)
式中、tは側面102aにおける筐体102の厚さであり、xは側面102aの内部から磁気素子までの距離である。
【0055】
デバイスアタッチメント機構108が不活性である場合、電子デバイス100の外側の近接する領域におけるいかなる漏洩磁束(すなわち、B112(x>x+t))も、近接する領域の磁気感知デバイスが悪影響を受ける尤度が殆どないほど十分に小さい。しかし、不活性状態でも、磁界112は式(1)を満足する磁束B112の値(x=x+t)を有することができ、相対的に近接して配置された別のデバイスの磁界と相互作用するくらい十分に大きい。このように、式(1)が満たされるが、他のデバイスの他の適切に構成された磁気アタッチメント機構は、デバイス磁気アタッチメント機構108を活性化するために使用される。
【0056】
磁界112の特性は、少なくとも磁界強度及び磁気極性等を含むことができる。磁界112の特性は、磁気アタッチメント機構108に含まれた各磁気素子からの磁界の合成に基づいてもよい。合成磁界は総合磁界112になる。例えば磁気素子は、各磁界の合成が所望の磁界特性(磁界強度等)を有する磁界112を結果として与えるように配置される。例えば磁気素子の1つの配置の組み合わせは、殆どの部分に対して特定の軸(幾何学的中心線等)に関して対称である特性(極性及び強度等)を有する磁界112を結果として与える。
【0057】
一方、磁気素子は、磁気素子の磁界の合成が中心線に関して反対称であるという少なくとも1つの特性を有する磁界112を結果として与えるように配置されてもよい。例えば中心線の一方側の磁気素子は、上方を指す磁北極により位置付けられ、その一方で中心線の他方側の対応する磁気素子は、上方を指す磁南極により配置される。従って、磁界112の磁性は、所望の嵌め合い係合を提供するのに適切であると考えられるどんな方法によっても調整可能である。例えば磁界112の磁性は、磁界112が別の磁界(例えば、別の磁気アタッチメントシステムからの)と協働的相互作用するように磁気素子を配置することにより変更される。2つの磁界の間の協働的相互作用の結果、2つのオブジェクトは、明確且つ正確な繰り返し可能な方法で互いに磁気接続される。
【0058】
磁界112の特性は安定している。安定とは、磁界の特性が長期間にわたり実質的に変更されないことを意味する。従って、安定した磁界112は長期間にわたり実質的に一定(又はほぼ一定)である特性を有する磁気素子を使用して生成されるか、あるいは少なくとも1つの構成要素におけるあらゆる変更が別の構成要素における対応する変更により相殺される。磁気素子は、他の磁気素子に関して固定された構成又は少なくともほぼ固定された構成で物理的に配置される。例えば磁気素子はそれぞれ、固定されたサイズ及び互いに対して特定の順序で配置された極性を有することができ、磁界112の所望の特性(形状、強度、磁性等)を提供する。従って、磁気素子の特性及び性質に依存して、磁界112の形状は長期間(電子デバイス100の予想される動作寿命等)にわたり実質的に変更されない。
【0059】
しかし、いくつかの実施形態において、磁界112の特性は磁気素子の少なくとも1つの磁性又は他の物理的特性を変更することにより変更可能である。少なくとも1つの磁気素子が変更可能な磁性(例えば、極性又は磁界強度)を有する場合、結果として得られる磁界も変更可能である。従って、いくつかの実施形態において、磁気素子の少なくとも1つは、動的な磁性を有するものとして特徴付けられる。動的とは、極性等の少なくとも1つの磁性が変更可能であることを意味する。このように、結果として得られる磁界の磁界特性も変更可能である。その結果、結果として得られる磁界は磁界112の磁気特性を変更でき、その結果、磁気アタッチメントシステムがオブジェクトを互いに磁気接続させる方法(位置合わせ、配向及び調心等)を変更できる。電磁石は、磁性が必要に応じて変更される磁気素子の一例である。他の例には、磁性ドーパント(磁鉄鉱等)に含浸された鍛造可能な非磁性基板が含まれる。このように、鍛造可能な基板は、磁性ドーパント材料により生成された磁界の性質に影響を及ぼす物理形状に形成される。
【0060】
磁気アタッチメントシステムの他の態様を参照すると、固定アタッチメント機構110は磁気素子116のうち1つ以上を含むことができる。複数の磁気素子が使用される場合、複数の磁気素子116の配置は多様に変更されてもよく、別のデバイスの連携機能と磁気的相互作用してもよい。一実施形態において、固定機能110と関連付けられた複数の磁気素子116は、これがない場合はデバイスアタッチメント機構108により電子デバイス100に接続される別のデバイスの少なくとも一部分を固着するのを支援できる。
【0061】
複数の磁気素子116の少なくとも一部は、固定のサイズ及び極性(単純な棒磁石の線に沿う)を有することができ、複数の磁気素子116の他の一部は変更可能な磁性(電磁石等)を有することができ、更に他の一部は特定の磁気特性を提供するように成形される。例えば、複数の磁気素子116のうちの少なくとも1つは、他のデバイスに含まれた磁気応答可能な回路と相互作用するように位置付けられ且つ成形される(必要に応じて)。従って、磁気応答可能な回路は、固定機能110の特定の磁気素子があること(又はないこと)に応答可能である。磁気応答可能な回路の一例は、ホール効果センサ118に関して上述される。
【0062】
尚、磁気素子116により生成された磁界は、電子デバイス100内の磁気感知回路(ホール効果センサ118等)が悪影響を受けるほどではない。他のデバイスの磁気活性部分と相互作用するために磁界の少なくとも一部がz方向に延在する必要があるため、一般に磁界が筐体102内に含まれないためこれは特に重要である。従って、{x,y}の磁界の範囲は、ホール効果センサ118及びコンパス120等の磁気感知回路を回避するように制限される必要がある。
【0063】
特定の一実現例において、デバイスアタッチメント機構108の磁気素子は、別個の磁性領域にグループ化される。このように、磁性領域からの磁界は磁界112を形成するように重畳される。磁性領域は、磁気素子126及び128により表されたグループに配置される種々の磁気素子を含むことができる。磁気素子を別個の磁性領域にグループ化することにより、所望の特性を有する磁界を提供する磁気アタッチメントシステムの能力は実質的に向上される。磁気素子126及び128は、磁界112を形成するために相互作用してもよい。一実施形態において、相互作用は、磁気素子126及び128の各々の磁性の組み合わせの形態をとることができる。場合によっては、所望の特性を有する磁界112を提供するために、磁気素子126及び128の配置は互いに関連してもよい。例えば磁気素子126及び128は、互いに対して磁界112が磁気アタッチメント機構108の水平な中心線に関して反対称(又は対称)であるように配置される。別の実施形態において、磁界112はアタッチメント機構108の垂直な中心線に関して反対称(又は対称)であってもよい。更に別の実施形態において、磁界112は水平及び垂直の双方に反対称(又は対称)であってもよい。
【0064】
図7Aは、磁気アタッチメント機構202を有するオブジェクト200に近接して電子デバイス100を示す。オブジェクト200の磁気アタッチメント機構202は磁気素子を含むことができ、各磁気素子は結果として得られる全体の磁界を形成するために相互作用する個別の磁界を生成する。結果として得られる磁界は、機械的締め具なしで且つ外部の支援を必要とせずに明確且つ正確な繰り返し可能な方法で電子デバイス100及びオブジェクト200を接続するために電子デバイス100の磁界112と相互作用してもよい磁気特性(磁界強度及び形状等)を有することができる。尚、デバイスアタッチメント機構108が不活性である場合、磁界208は約2,500ガウスであり、その一方で磁界112は約1,400ガウスである。
【0065】
オブジェクト200は、アクセサリ、周辺装置又は電子デバイス等を含む多くの形態をとることができる。一実施形態において、オブジェクト200は、電子デバイス100の線に沿って電子デバイスの形態をとることができる。従って、電子デバイス100及び電子デバイス200は、デバイスアタッチメント機構108及び磁気アタッチメント機構202を使用して互いに磁気接続され、連携電子システムを形成できる。連携電子システムは、電子デバイスが別個に実行できない機能を実行するために電子デバイス100の電子素子及び電子デバイス200の対応する電子素子が協働するようなシステムであってもよい。一実施形態において、情報は電子デバイス100と200との間で渡される。
【0066】
更に詳細には、磁気アタッチメント機構202は、少なくとも磁気素子204及び206を含むことができ、各磁気素子は、磁界208(その一部のみを示す)を提供するために協働する磁界を生成できる。磁界208の特性は、複数の磁気素子204及び206の各々の相互作用に基づいてもよい。このように、磁界208は、物理的なレイアウト、相対的なサイズ及び複数の磁気素子204及び206の各々の構成する磁気極性に基づく特性を有することができる。例えば磁気素子204及び206は、中心線に沿って配設され、所望の特性を有する磁界208を提供するために重畳する磁性を有する。オブジェクト200の磁界208の磁束密度B208は、磁気素子204及び206からの距離xの関数(すなわち、B=B208(x))として変更可能である。
【0067】
オブジェクト200が電子デバイス100等の電子デバイスの形態をとる場合、磁束密度B208は式(1)を満足する。しかし、オブジェクト200がアクセサリデバイスの形態をとる場合、式(1)を満足する電子デバイス100の磁束密度B112とは異なり、アクセサリデバイス200の磁束密度B208(x)は式(2)を満足できる。
【0068】
B208(x = x1 + s) > Bthreshold・・・式(2)
式中、sは側面212aにおける筐体212の厚さであり、xは内部離間距離である。
【0069】
このように、アクセサリデバイス200は、これがない場合に可能である距離より電子デバイス100から離れて電子デバイス100と磁気的相互作用してもよい。従って、アクセサリデバイス200は、電子デバイス100及びオブジェクト200が明確で予測可能な繰り返し可能な方法で互いに磁気接続できるように電子デバイス100に近接して配置できるが、必ずしも近接する必要はない。
【0070】
磁気アタッチメント機構202に加えて、アクセサリデバイス200は、固定アタッチメント機構110と相互作用するために使用される磁気アタッチメント機構216を更に含むことができる。磁気アタッチメント機構216は、種々の磁気活性構成要素を含むことができる。磁気素子の一部は、固定アタッチメント機構110の対応する磁気素子と協働的相互作用するように配置された磁気素子の形態をとることができる。他の磁気素子は、固定アタッチメント機構110の磁気活性素子により磁気回路を完成する機構を提供するという点で本質的により受動的であってもよい。磁気受動素子の一例は、関連する磁界を能動的に提供する磁気素子と相互作用する鉄又はスチール等の強磁性体である。このように、強磁性体は磁界と相互作用して、アタッチメント機構216の受動素子と固定アタッチメント機構110の能動素子との間に磁気回路を完成できる。
【0071】
図7Bは、アクセサリデバイス200が電子デバイス100に対して支持機能及びサービスを提供するために使用されることを示す。式(2)を満たす磁束密度B208を有する磁界208の一部が領域214に延在できるようにすることにより、デバイスアタッチメント機構108とアクセサリアタッチメント機構202との間に磁気吸引力Fnetが生成され、有効な吸引力Fnetは式(3a)及び式(3b)を満足する。
【0072】
Fnet = (Ltotal)×B20・・・式(3a)
B/B0 = f(xsep)・・・式(3b)
式中、Ltotalは磁気素子の合計の表面積であり、Bは合計の磁束密度(B208+B112)であり、xsepは磁気素子の間の離間距離であり、Bは磁性領域の表面における磁束密度である。
【0073】
磁界208及び磁界112の相互作用による有効な磁気吸引力Fnet、アタッチメント機構202はデバイスアタッチメント機構108を活性化するために使用される。更にデバイスアタッチメント機構108が活性化された場合、磁束密度B112は式(4)を満足する。
【0074】
B112(x = x0 + t) > Bthreshold・・・式(4) 活性状態
領域214における磁束密度B112が増加した結果、アクセサリデバイス200と電子デバイス100との間の有効な磁気吸引力Fnetは実質的に増加される。更に有効な吸引力Fnetが磁束密度B(B208+B112)に伴って変化し且つ磁束密度Bが一般に離間距離に反比例して変化する(すなわち、式3(b))ため、電子デバイス100及びアクセサリデバイス200が互いに近づき且つ離間距離xsepが電子デバイス100及びアクセサリデバイス200の物理的な接触と整合性のある制限値に減少すると、有効な吸引力Fnetは相対的に短期間に急激に増加する可能性がある。この有効な吸引力Fnetの急激な増加により、デバイスは迅速に嵌合する。これは、電子デバイス100が係合面218に沿ってアクセサリデバイス200に磁気接続された形態で連携システム300を示す図7Cに示されるように「定位置への嵌合」と呼ばれる。尚、代表的な一実施形態において、デバイスアタッチメント機構108の磁気素子はN52磁石であってもよく、その一方でアタッチメント機構216の磁気素子はN35磁石であってもよい。更に、有効な磁気吸引力は約10ニュートンから少なくとも20ニュートンであってもよく、デバイスアタッチメント機構108を活性化するのに約3ニュートン必要である。
【0075】
係合面218におけるデバイス100とデバイス200との間の全体の磁気吸引力FNETは、能動的に結合された全ての磁気素子に対する全ての有効な磁気吸引力Fnetiの合計として導出される。換言すると、全体の有効な磁気吸引力FNETは式(5)を満足する。

式中、Fnetiはn個の構成要素の各々に対する有効な磁気吸引力である。一実施形態において、有効な磁気吸引力Fnetiは、磁界112及び磁界208が交差する係合面218の部分にほぼ垂直である。
【0076】
全体の磁気吸引力FNETがデバイス100とデバイス200との間の係合面に沿って均一であることを保証するために、アタッチメント機構108及び202の対応する各磁気素子の間の離間距離が適切に制御される。離間距離は、例えばデバイスの形状に準拠するように磁気素子を成形することにより適切に制御される。例えばデバイス100がスプライン(曲線)形状の筐体を有する場合、デバイス100の磁気素子は曲線形状に準拠するように成形される。更に磁気素子は、対応する磁気素子の磁気ベクトルが互いに位置合わせされるように形成される。このように、有効な磁気吸引力の大きさ及び方向は必要に応じて制御される。
【0077】
磁気ベクトルを位置合わせした1つの結果として、各磁気素子の間の磁力の方向は適切に制御される。更に、対応する磁気素子の間の離間距離を最小に短縮することにより、各磁気素子の間の有効な磁気吸引力Fnetiは最大になる。また、種々の磁気素子の間にほぼ均一な離間距離を維持すると、対応する均一な磁気吸引力は係合面218に沿って提供される。更に、対応する磁気ベクトルを適切に調整することにより、Fnetは係合面に直角に加えられる。
【0078】
対応する磁気素子の間の離間距離を最短にすることに加え、対応する磁気素子の間の磁束密度は磁気分路を使用することにより増加される。鉄又はスチール等の磁気活性材料から形成された磁気分路は、所望の方向に磁束線を向ける効果を有する磁気素子に配置されるか又はそれに近接して配置される。このように、例えば対応する磁気素子から離れる方向に伝播する磁束線の一部の方向は、デバイス間の磁気接続領域に向かう方向等の所望の方向に変更され、全体の磁束密度を増加する。従って、磁気素子間の利用可能な磁束密度が増加すると、有効な磁気吸引力が実質的に増加される。
【0079】
図8Aは、アタッチメント機構110の一実施形態を示す。特に、アタッチメント機構110は筐体102の一部であってもよい。特に、アタッチメント機構は筐体102のレッジ404に実装される磁気素子402を含むことができる。磁気素子402は多様に変更されてもよい。例えば磁気素子402は、アクセサリデバイスの少なくとも一部を電子デバイス100の特定の面に接続及び固着するために使用されるレッジ404にアレイとして空間的に配置される。例えばアクセサリデバイスがフラップの形態をとる場合、磁気素子402は、ディスプレイの少なくとも一部を被覆するようにフラップを電子デバイス100に磁気的に固着するために使用される。アレイのサイズ及び形状は多様に変更されてもよい。図8Aに示した実施形態において、アレイは矩形であってもよく且つレッジ404の多くの部分を含むようなサイズにされる。
【0080】
図8Bは、アタッチメント機構216の一部としてアクセサリデバイスに内蔵される複数の磁気素子410を示す。複数の磁気素子410の全てではなく一部が磁気素子402に対応し且つアクセサリ200を電子デバイス100に磁気接続するために使用される。別の実施形態において、複数の磁気素子410の全て又は殆どがアクセサリデバイス200の部分を固着するために使用され、電子デバイス100と共に使用される他の支持構造を形成する。一実施形態において、磁気素子414はホール効果センサ118等の磁気感知回路を活性化するために使用される。
【0081】
図9A〜図9Cは、説明する実施形態に従って代表的な磁気アタッチメント機構500を示す。磁気アタッチメント機構500は、例えば図6及び図7A〜図7Cに示したデバイスアタッチメント機構108に対応してもよい。不活性状態において、磁気アタッチメント機構500内の磁気素子は102を伝播する磁力線を最小にするために筐体102から離れて位置付けられる。一方、活性状態において、磁気素子は筐体102を伝播する磁力線の数を増加するために筐体102に向かって移動でき、それにより式(2)を満たす。
【0082】
磁気素子が移動する方法は多様に変更されてもよい。例えば、磁気素子は回転、回動、並進又はスライド等が可能である。一例において、磁気素子は、磁気素子が不活性状態に対応する第1の位置から活性状態に対応する第2の位置にスライドすることを可能にするチャネル内に位置付けられる。
【0083】
図9A〜図9Cに示した特定の実施形態において、アタッチメント機構500は、ある期間にわたり安定している磁性を有する磁気素子502を含むことができる。例えば、磁気アタッチメント特性は電子デバイス100の予想される動作寿命にわたり安定していることが望ましい。このように、各磁石の磁界の相互作用に形成された磁界も安定する。磁界の安定性により、繰り返しに非常に適した接続処理が得られる。この反復性は、一貫して正確な配置を要求するアクセサリデバイス200等の他の適切に構成されたオブジェクトとの接続周期(取り付け/取り外し)が電子デバイス100に対して複数回繰り返される場合に特に有用である。
【0084】
図示された代表的な実施形態において、磁気素子502は多くの形態をとることができる。例えば磁気素子502は、安定した磁性(極性及び固有の磁界強度等)を有する構成で且つ特定の順序で配置された複数の磁石の形態をとることができる。しかし、磁気アタッチメント機構500が不活性である時に式(1)を満足するために、磁気素子502は少なくとも筐体102の外側から距離x=(x+t)のところにある必要がある。換言すると、式(1)を満足するために、デバイスアタッチメント機構500の寸法は、少なくとも磁気素子502の磁性及び物理的なレイアウトを考慮する必要がある。
【0085】
従って、磁気素子502は保持力Fretainを作用させるように構成された保持機構504に接続される。デバイスアタッチメント機構500が不活性である時、保持力Fretainはデバイスアタッチメント機構500内の位置に磁気素子502を保持するために使用され、その結果、電子デバイス100の外側に漏洩磁束を殆ど又は全く与えない(すなわち、式(1)が満足される)。一実施形態において、保持機構504は、式(6)に従って保持力Fretainを提供するように配置されたバネの形態をとることができる。
【0086】
Fretain = kΔx・・・式(6)
式中、kは保持機構504のバネ定数であり、Δxは平衡状態からのバネ変位である。
【0087】
例えば図9Bは、活性状態の代表的な磁気アタッチメント機構500を示す。磁気素子502及びアクセサリアタッチメント機構204の磁気素子を適切に構成することにより、磁気素子502の磁界及びアクセサリアタッチメント機構204により生成された磁界の結果として得られる磁気的相互作用により、磁気アタッチメント機構500を活性化するのに必要とされる磁気吸引力と同等の大きさの有効な磁気吸引力が生成される。換言すると、有効な磁気吸引力は、少なくとも式(7)を満足する起動力Factの大きさを有することができ、それにより磁気素子502を不活性位置(すなわち、x=0)から活性位置(すなわち、x=x)に移動させる保持力Fretainに打ち勝つ。
【0088】
Fact ≧ Fretain(Δx = x0)・・・式(7)
しかし、磁気素子502の磁界特性に「マッチング」する特性を有する磁界を生成する別の磁気アタッチメント機構のみが磁気アタッチメント機構500を活性化できる。従って、図9Cに示すように、筐体102の外面に配置された(すなわち、x=x+t)磁気活性材料(スチール等)で形成されたオブジェクト506が存在することにより、磁気アタッチメント機構500を活性化できない。特に一実施形態において、オブジェクト506と磁気アタッチメント機構500との間に生成された有効な磁気吸引力は2NT未満であり、起動力FACTは約3NTである。
【0089】
特に、不活性状態から活性状態に遷移するために、磁気素子502とオブジェクト506との間に生成された磁力は起動力Factより大きい必要がある。しかし、筐体102の外面における磁気素子502により生成された磁界の磁束密度がBthresholdより小さいため、オブジェクト506と磁気素子502との間に生成されたいずれの磁力も実質的にFretainより小さく、従って式(7)を満たさない。従って、磁気素子502は約x=0の定位置で固定されたままであり、磁気アタッチメント機構500は不活性状態から活性状態に遷移できない。
【0090】
バネは多様に変更されてもよいことが理解されるべきである。例えば、これは動きの種類に依存して変更されてもよい。例として、引張りバネ、圧縮コイルバネ、ねじりバネ及び板バネ等が含まれる。特定の一実現例において、板バネが使用される。
【0091】
尚、いくつかの実施形態において、磁気素子502は、バネが不要であるように固定される。これらの実施形態において、式(1)が満足されなくてもよいが、これは実用的な構成である。
【0092】
図10は、本発明の一実施形態に従ってデバイスアタッチメント機構600の一実施形態を示す。アタッチメント機構600は、図6及び図7A〜図7Cの素子208に対応してもよい。本実施形態は、単一の機構の代わりに、複数の機構、並びに更に詳細には磁気素子602及び磁気素子604の形態の一対の機構が使用されること以外は図9A〜図9Cに示した実施形態と同様である。特に、図10は活性状態のデバイスアタッチメント機構600を示す。更に詳細には、磁気素子602に接続されたバネ606及び磁気素子604に接続されたバネ608はそれぞれ距離Δxだけ伸長する。
【0093】
このシステムにおいて、2つの機構が協働して磁界を形成する。それらの機構は、個別に移動できるか又は接続されてユニットとして移動できる。バネ力及び磁力は変更可能である。例えば、システムは対称であってもよく又は非対称であってもよい。磁気素子の配置は同様であってもよく又は異なってもよい。この配置も対称であってもよく又は非対称であってもよい。構成はシステムの要求に依存してもよい。
【0094】
磁気アタッチメントシステムは、複数の適切に構成されたオブジェクトを接続するために使用される繰り返し可能で高精度の磁気アタッチメント機構を提供する多くの形態をとることができる。
【0095】
図11A及び図11Bは、一実施形態に従ってデバイスアタッチメント機構700の形態のデバイスアタッチメント機構108の特定の一実現例を示す。デバイスアタッチメント機構は、図6及び図7A〜図7Cに示した素子108に対応してもよい。いくつかの例において、デバイスアタッチメント機構700は、図10に示したようなバネ606及び608と共に使用される。図11Aに示すように、デバイスアタッチメント機構700。特に、ケース内に含まれる磁気アセンブリ702の形態の磁気素子を有するデバイスアタッチメント機構700を不活性状態で示す。このように、磁気アセンブリ702に接続された保持機構(不図示)は関連する保持力Fretainを作用させられる。保持力Fretainは、不活性状態(すなわち、式(1)を満足する)であるデバイスアタッチメント機構700と整合性のある位置に磁気アセンブリ702を維持するために使用される。
【0096】
磁気アセンブリ702はそれぞれ個々の磁石を含むことができる。説明する実施形態において、個々の磁石は、磁石の極性が符号化磁気構造を形成するように配向される構造で配置される。符号化磁気構造は、磁気極性のシーケンス及び場合によっては磁気強度により形成される。換言すると、磁気極性のシーケンスは、例えば{+1,+1,−1,+1,−1,+1,−1,−1}として表される。この特定の例に対して、「+1」は磁石の方向及び強度を示す。従って、正符号「+」は、対応する磁石が特定の方向の磁気ベクトルを有して整列されることを示すことができ、負符号「−」は反対方向の磁気ベクトルを示すことができ、「1」は1つの単位磁石の強度を示す。
【0097】
同一の極性の複数の磁石が隣接し合って配置される場合、複数の磁石の各々からの磁界は、複数の磁石が複数の磁石の組み合わされた特性を有する単一の磁石と同等であると考えられるように合成される。例えば8個の個々の磁石を表す符号化磁気シーケンス{+1,+1,−1,+1,−1,+1,−1,−1}は、6個の個々の磁石のアレイとして具体化された符号化磁気シーケンス{+2,−1,+1,−1,+1,−2}に同等であると考えられる。一実施形態において、最初の位置の磁石及び最後の位置の磁石は、アレイの他の磁石と同一の磁気強度を有することができるが、各サイズの2倍である。一方、最初の位置の磁石及び最後の位置の磁石は、他の磁石とほぼ同一のサイズを有することができるが、他の磁石の2倍の磁気強度を有する。いずれの場合も、磁性の等価により、更にコンパクトな符号化された磁石シーケンスが提供される。サイズが小さいほど、重量を減少し且つ磁気アタッチメント機構を収納するのに必要な貴重な内部面積を保存することが助長される。更に、磁束密度は磁力線が伝播する際に通る領域に直接関連するため、所定の磁束が伝播する際に通る領域が減少すると、結果として得られる磁束密度は増加する。
【0098】
一実施形態において、磁気アセンブリ702は、相対的なサイズ2L、1L及び1Lをそれぞれ有する個々の磁石712a、712b及び712cを含むことができる。ここで、「L」は単位長さを表す。尚、上述したように、相対的なサイズ「2L」を有する磁石は、物理的な長さ「2L」を有する単一の磁石として、互いに整列された磁気極性を有する長さ「1L」の隣り合わせの2つの磁石として又は他の磁石の2倍の磁気強度を有する単位長さLの磁石として具体化される。従って、残りの説明において、2L及び1Lという用語を考慮して、「L」が単位長さを表すことができ、磁石の相対的な強度が関連数字により表される。例えば相対的な磁気強度「1」及び長さ「2L」を有する磁石は、相対的な強度「2」及び長さ「1L」を有する磁石と同等であると考えられる。このように、相対的な磁気強度及び配向の双方が符号化磁気構造を形成するために使用される。
【0099】
例えば磁石712aは、磁石712b又は712cの長さの約2倍の全体の長さを有することができる。一方、磁石712aは磁石712b及び712cと同一の長さを有するが、磁石712b及び712cの磁気強度の2倍の固有の磁気強度を有することができる。更に別の実施形態において、磁石712aは整列された各極性を有する2つ(又はそれ以上)の構成する磁石から形成された等価な磁石であってもよい。
【0100】
一実施形態において、磁石712a、712b、712cは、所定の距離だけ互いに離間される。例えば一実現例において、磁石は互いに等距離に離間される。当然、この間隔は生成された磁界の所望の磁性に基づく。別の実施形態において、非整列極性を有する磁石は互いに磁気接続される。このように、近接する磁石間に形成された磁気結合は、磁気アセンブリの磁気シーケンスの結合性を維持するために使用される。しかし、整列極性を有する磁石は、2つの整列された磁石間に生成された反発磁力に打ち勝つために外部から加えられた力により共に保持される必要がある。
【0101】
サイズ及び位置決めに加えて、磁石712a、712b、712cの磁気極性は生成された磁界の所望の特性に基づいて選択される。しかし、図示した実施形態において、磁気素子は互いの端部が磁気結合され、必要とされる空間を減少し、磁力線が伝播する領域全体を減少することにより磁束密度を増加する。
【0102】
特に磁気アセンブリ702は、磁石712a、712b、712cのN極又はS極が特定の方法で整列(又は非整列)されるようにそれらの磁石の各々が配向される特定の磁気極性パターンセットを有することができる。例えば磁気アセンブリ702の磁石は、磁石712a、712b、712cの磁極が第1の磁気極性パターン{P1,P2,P1}に従って整列される第1の符号化磁気構造{+1,−1,+1}を形成するように配置される。これは、磁石712aの磁極が磁石712bに対して非整列され、磁石712bは磁石712cと非整列されることを意味する。
【0103】
磁気アセンブリ702は、それぞれ相対的なサイズ1L、1L及び2Lを有する個々の磁石714ba、714b、714cを更に含むことができる。更に磁石714a、714b、714cは、第1の磁気極性パターン{P1,P2,P1}の逆数(又は補数)である第2の磁気極性パターン{P2,P1,P2}に従って整列された各磁極を有するように配置される。符号化磁気構造に関して、磁石714a、714b、714cは、第1の符号化磁気構造{+1,−1,+1}の逆数又は補数である第2の符号化磁気シーケンス{−1,+1,−1}に従って整列される。この磁石712a、712b、712cと714a、714b、714cとの間の反対称の関係は、中心線716に関して反対称である磁界を与える。
【0104】
図11A及び図11Bは、例えば図6及び図7A〜図7Cに示した素子202に対応してもよいアクセサリアタッチメント機構800の特定の実現例を更に示す。磁気アセンブリ802は、複数の磁気素子を含むことができる。磁気素子は、合成磁界が磁気アセンブリ702の磁界にマッチングするように配置される。
【0105】
磁気アセンブリ802は、各々が磁気アセンブリ702の対応する磁石712a、712b及び712cとほぼ同一のサイズを有する磁石802a、802b及び802cを含むことができる。しかし、有効な吸引力Fnetを最大にし且つ磁界の間の磁気的相互作用を所望の平衡状態にするために、磁石802a、802b、802cは、第2の磁気極性パターン{P2,P1,P2}に基づいて整列される。磁気アセンブリ802は、各々が対応する磁石714a、714b及び714cとほぼ同一のサイズを有する磁石804a、804b及び804cを更に含むことができる。また、デバイスの所望の構成で平衡させるために磁界の間の磁気的相互作用の全体の目的に合うように、磁石804a、804b、804cは第1の磁気極性パターン{P1,P2,P1}に従って整列される。
【0106】
図11Bは、磁気アセンブリ702と802との間の磁気的相互作用のために活性状態であるデバイスアタッチメント機構700を示す。特にアタッチメント機構700とアクセサリアタッチメント機構800との間の磁気素子の配置が「マッチング」するため、磁界の間の磁気的相互作用により、磁気アセンブリ702は不活性状態(すなわち、x=0)から活性状態(すなわち、x=x)に移動できる。
【0107】
図12は、磁気アセンブリ702の磁気構造及び磁気アセンブリ802の相補的な磁気構造に対する相対的なシフト位置のシーケンスを示す。磁気アセンブリ702は、符号化磁気シーケンス{+2,−1,+1,−1,+1,−2}により符号化されるものとして示される。磁気アセンブリ802は、相補的な符号化磁気シーケンス{−2,+1,−1,+1,−1,+2}により符号化されるものとして示される。この例の場合、磁石は、この例のために単位1を提供される(ここで、A=吸引(Attract)、R=反発(Repel)、A=−R、A=1、R=−1)同一の又はほぼ同一の磁界強度(又は振幅)を有することができる。この例において、磁気アセンブリ702及び802は1度に「1L」の長さだけ互いに対して移動される(尚、符号化磁気シーケンスの中心線716に関する反対称性は、左方向へのシフトの結果が右方向へのシフトの結果を反映することを可能にするため、右方向へのシフトのみが示される)。
【0108】
相対的な整列毎に、反発する磁石の数+吸引する磁石の数が計算される。ここで、各整列は磁石の磁界強度に基づく磁力関数に従って合計の力を有する。換言すると、第1の磁石構造と第2の磁石構造との間の合計の磁力は、対向する磁気構造の真向かいの対応する磁石と相互作用する各磁気又は磁気の対の各磁石の位置における個々の力の左から右に構造に沿う合計として判定される。磁石が1つのみ存在する場合、対応する磁石は0であり且つ力も0である。2つの磁石が存在する場合、力は同等の極に対してはRであり、単位磁石毎の反対極に対してはAである。
【0109】
合計の磁力は、図面毎に計算され、相対的なシフト値と共に各図面と共に示される。従って、特定の符号化磁気シーケンス{+2,−1,+1,−1,+1,−2}を使用した結果、有効な吸引力Fnetは−3(すなわち、3R)から+8(すなわち、+8A)の間で変動する。ここで、ピークは、磁気アセンブリ702及び802の各々のコードが整列されるようにそれらの磁気アセンブリが整列された時に発生する。尚、オフピーク有効磁力は−3から+4の間で変動してもよい。従って、有効磁力により、一般に磁気アセンブリ702は、各磁石が相補的な磁石と相関する(すなわち、磁石のS極が別の磁石のN極と整列するか又はその逆も成り立つ)ように整列されない限り反発し合う。換言すると、磁気アセンブリ702及び802は、実質的に互いを反映するように整列された場合に密接に相関する。
【0110】
尚、磁気アセンブリ702及び802が180度位相がずれている場合(すなわち、上下反対とも言われる上下位置ずれと同等である)、生成された有効磁力は約8Rである。従って、磁気アセンブリ702及び802を使用して互いに磁気接続されているデバイスが上下反対に接続される可能性は非常に低い。
【0111】
図13は、関数FNET(L)のグラフ900を示す。関数FNET(L)は、磁気アセンブリ702及び磁気アセンブリ802の符号化磁石構造に対する図12に示したシフト変位(L)の関数として有効磁力FNETを記述する。尚、中心線716に関する磁気アセンブリ702及び802の符号化磁気構造の対称性は、関数FNET(L)が中心線716に関して反対称でもあることを規定する。このように、図12の結果は、中心線716の右側にグラフ化され、グラフ900の左側にデータを入れるために中心線716に関して反映される。
【0112】
図13に示すように、関数FNET(L)は、磁気アセンブリ702及び802が中心線716に対応する位置で相関する時に最大値を有する。換言すると、関数FNET(L=0)は、反対極を有する磁気アセンブリ702及び802の全ての磁気素子が互いに位置合わせされた時に最大値(すなわち、8A)に達する。他のあらゆる構成(すなわち、FNET(L≠0))では、磁力FNETは最大値(8A)未満となる。尚、関数FNET(L)は、磁気アセンブリ702と802との間の弱い接続を可能にする少なくとも2つの極大値(すなわち、FNET(L=±3))を有する。しかし、磁気アセンブリ702と関連付けられたデバイス磁気アタッチメント機構700が適切に活性化された時にのみ強い耐久性のある接続が得られる。従って、式(8)を満足する起動力FACTを発生することにより、デバイス磁気アタッチメント機構700の「偽活性」又は磁気アセンブリ702と802との間の弱い接続が回避される。
【0113】
FNET(L = 極大値) ≦ FACT ≦ FNET(L = 最大値)・・・式(8)
尚、起動力FACTは式(6)を介して保持力Fretainと関連する。このように、関数FNET(L)の観点での式(6)及び式(8)は、バネ定数kに対する適切な値を判定するために使用される。
【0114】
図14及び図15は、磁気素子が垂直及び水平に配置される他の実施形態を示す。更に磁気素子は、水平及び垂直の双方に延在する極性を有するようなサイズにされる。例えば構成1000は、各磁気素子が垂直方向に高さHに及ぶ2行の磁気素子を示す。図示した構成において、垂直に配置された各磁気素子は等価な磁気構造1002を形成する同一の磁気極性を有する。換言すると、構成1000及び構成2000の双方は、符号化磁気シーケンス{+2,−2,+2,−2,+2,−2}を有するものとして特徴付けられる。
【0115】
図15は、説明する実施形態に従って2次元の符号化磁気シーケンス1004として構成された磁気アレイを示す上面図である。2次元の符号化磁気シーケンス1004は、x方向及びy方向の双方に拡大する面積にわたり合成磁界を拡大するために使用される。この拡大した面積は、結果として、磁力線を伝播するのに利用可能な面積を全体的に増加する。その結果、磁束が増加され、有効磁気吸引力もそれに対応して増加する。改善された磁気アタッチメントを提供することに加えて、2次元の符号化磁気シーケンス1004は磁気強度等の磁性の非整数値を近似できる。例えば磁気構成1004により、種々の構成要素の磁界が合成され、符号化磁気シーケンス{+1.5,−1.5,+1.5,−1.5,+1.5,−1.5}を近似する。更に2次元の符号化磁気シーケンス1004は、水平方向の整列に加えて垂直方向の整列を提供することを支援できる。
【0116】
残りの説明において、アクセサリデバイス200の種々の実施形態を説明する。
【0117】
一実施形態において、アクセサリデバイス200は、電子デバイス100の特定の面を保護するために使用される複数の保護素子を含むことができる。例えば、アクセサリデバイス200は保護カバーの形態をとることができる。保護カバーは、ヒンジアセンブリに回動可能に接続されたフラップを含むことができる。ヒンジアクセサリは、アクセサリアタッチメント機構202を使用して電子デバイス100に結合される。このように、フラップ部は、ディスプレイ等の電子デバイス100の面を保護する保護カバーとして使用される。フラップはプラスチック及び布等の種々の材料から形成される。フラップは、フラップのセグメントがディスプレイの対応する部分を露出するように持ち上げられるようにセグメント化される。フラップは、電子デバイス100の対応する機能素子と協働できる機能素子を更に含むことができる。このように、フラップを操作した結果、電子デバイス100の動作が変更される。
【0118】
フラップは、例えばホール効果に基づいて電子デバイス100の磁気感知回路を活性化するために使用される磁性体を含むことができる。磁気感知回路は信号を生成することにより応答でき、信号は電子デバイス100の動作状態を変更するために使用される。カバーが締め具なしでタブレットデバイスの筐体に容易に直接接続されるため、カバーは実質的に電子デバイス100の形状に準拠してもよい。このように、カバーは電子デバイス100の外見及び感触を損なわないか又は覆い隠す。
【0119】
一実施形態において、アクセサリデバイス200は、電子デバイス100の全体の機能性を向上するために使用される。例えばアクセサリデバイス200は、懸架装置としての役割を果たすように構成される。アクセサリデバイス200は、電子デバイス100に磁気接続した場合、電子デバイス100を懸架するために使用される。このように、電子デバイス100は、壁又は天井から吊るされた美術品、映画及び写真等の視覚的コンテンツを提示するためのディスプレイとして使用される。アクセサリデバイス200は、壁又は天井から電子デバイス100を懸架するために懸架装置として使用される。電子デバイス100は、有効磁気吸引力FNETに打ち勝つのに十分な解除力を単純に作用させることにより容易に取り外せる。アクセサリデバイス200は、適切な場所に残され、後で電子デバイス100(又は別のデバイス)を再接続するために使用される。
【0120】
一実施形態において、アクセサリデバイス200は、電子デバイス100に磁気接続するように装備されていないオブジェクトを接続する保持機構の形態をとることができる。例えばアクセサリデバイス200は、スタイラス又は他のそのような入力デバイスを保持するように構成される。スタイラスは、電子デバイスに入力を提供するために使用される。いくつかの例において、アクセサリデバイス200は、スタイラスが存在することを示す信号を電子デバイス100に提供できる。信号により、電子デバイス100は例えばスタイラス認識状態に入る。更に詳細には、アクセサリデバイス200が電子デバイス100に磁気接続された時、電子デバイス100は、スタイラスタイプの入力を認識するためにスタイラス入力状態を活性化できる。アクセサリデバイス200が取り除かれると、電子デバイス100はスタイラス入力状態を不活性化できる。このように、スタイラスは、必要に応じて電子デバイス100に便利に取り付け/取り外しできる。
【0121】
アクセサリデバイス200は、電子デバイス100の機能性を向上するために使用される支持部の形態をとることができる。例えばアクセサリデバイス200は、電子デバイス100のディスプレイが75度等の快適な視野角で見られるディスプレイスタンドとして動作するように構成される。換言すると、アクセサリデバイス200は、テーブル又はデスク等の水平面に配置される場合、ディスプレイで提示された視覚的コンテンツが約75度の視野角で見られるように電子デバイス100を支持できる。
【0122】
更にアクセサリデバイス200は、キーボード状態で電子デバイス100の機能性を向上するために使用される支持部の形態をとることができる。キーボード状態において、アクセサリデバイス200は、人間工学的に好適な角度でタッチパッド面を提示するために使用される。このように、入力タッチ事象はユーザの手首、手、腕等に過度な負担をかけない角度で適用される(例えば、仮想キーボードに対して)。
【0123】
残りの説明では、磁気アタッチメントシステムを使用できるデバイスの特定の実施形態を説明する。特に、図16A及び図16Bはタブレットデバイス1100に関して提示された電子デバイス100を示し、アクセサリデバイス200はカバーアセンブリ1200として示され、それぞれ上面透視図を示す。一般にこれらの素子は、上述した素子のいずれかに対応してもよい。特に図16A及び図16Bは、タブレットデバイス1100及びカバーアセンブリ1200を開構成で示す2つの透視図である。例えば図16Aは、タブレットデバイス1100に含まれたデバイスアタッチメント機構108及びそのタブレットデバイス1100に対する関係を示す。一方、図16Bは、アタッチメント機構202及びそのカバーアセンブリ1200との関係の第2の図を提供するために図16Aに提示した図を約180度回転したものである。
【0124】
タブレットデバイス1100は、Cupertino,CAのApple Inc.により製造されたiPad(登録商標)等のタブレットコンピューティングデバイスの形態をとることができる。次に図16Aを参照すると、タブレットデバイス1100は、デバイスアタッチメント機構108を含み且つ支持できる筐体1102を含むことができる。デバイスアタッチメント機構108により生成された磁界に干渉しないように、少なくともデバイスアタッチメント機構108に最近接する筐体1102の部分は、任意の数のプラスチック等の非磁性体又はアルミニウム等の非磁性体金属から形成される。筐体1102は、タブレットデバイス1100に対して演算動作を提供するために種々の構造構成要素及び電気構成要素(集積回路チップ及び他の回路網を含む)を内部に含み且つ支持できる。筐体1102は、内部構成要素を配置するための開口部1104を含むことができ、例えばディスプレイを介して少なくとも視覚的コンテンツをユーザに提供するのに適切なディスプレイアセンブリ又はシステムを収容できるサイズにされる。場合によっては、ディスプレイアセンブリは、タッチ入力を使用してタブレットデバイス1100に触覚入力を提供する能力をユーザに提供するタッチセンシティブ機能を含むことができる。ディスプレイアセンブリは、ポリカーボネート又は他の適切なプラスチック又はよく研磨されたガラスから形成された透明なカバーガラス1106の形態をとる最上層を含む複数の層から形成される。よく研磨されたガラスを使用することにより、カバーガラス1106は実質的に開口部1104を充填するカバーガラス1106の形態をとることができる。
【0125】
図示しないが、カバーガラス1106の基礎となるディスプレイアセンブリは、LCD、LED、OLED及び電子又はeインク等のあらゆる適切な表示技術を使用して画像を表示するために使用される。ディスプレイアセンブリは、種々の機構を使用して空隙内に配置及び固着される。一実施形態において、ディスプレイアセンブリは空隙に嵌合される。これは筐体の隣接部分と同一平面に配置されてもよい。このように、ディスプレイは、映像、静止画、並びにユーザに情報(例えば、テキスト、オブジェクト、図形)を提供でき且つユーザが提供した入力を受信できるグラフィカルユーザインタフェース(GUI)等のアイコンを含むことができる視覚的コンテンツを提示できる。いくつかの例において、ユーザは、表示されたアイコンをディスプレイのより便利な場所に移動できる。
【0126】
いくつかの実施形態において、ディスプレイマスクは、カバーガラス1106に塗布されるか、あるいはカバーガラス1106内又はカバーガラス1106の下に組み込まれる。ディスプレイマスクは、視覚的コンテンツを提示するのに使用されるディスプレイのマスクされていない部分を強調するために使用され、デバイスアタッチメント機構108及び固定アタッチメント機構110をより目立たなくするために使用される。タブレットデバイス1100は、タブレットデバイス1100と外部環境との間で情報を転送するために使用される種々のポートを含むことができる。特に、データポート1108はデータ及び電力の転送を容易にでき、その一方で、スピーカ1110はオーディオコンテンツを出力するために使用される。ホームボタン1112は、タブレットデバイス1100に含まれたプロセッサにより使用される入力信号を提供するために使用される。プロセッサは、タブレットデバイス1100の動作状態を変更するためにホームボタン1112からの信号を使用できる。例えばホームボタン1112は、ディスプレイアセンブリにより提示された現在のアクティブページを再設定するために使用される。
【0127】
一実施形態において、アクセサリデバイス200は、カバーアセンブリ1200の形態をとることができる。カバーアセンブリ1200は、タブレットデバイス1100の全体の外見及び感触に加えて、タブレットデバイス1100の外見及び感触を補完する外見及び感触を有することができる。カバーアセンブリ1200は、図16A及び図16Bにおいて、カバーガラス1106が完全に見える開構成でタブレットデバイス1100に接続されて示される。カバーアセンブリ1200はフラップ1202を含むことができる。一実施形態において、フラップ1202はカバーガラス1106に従ったサイズ及び形状を有することができる。フラップ1202は、ヒンジアセンブリ(不図示)によりアクセサリアタッチメント機構202に回動可能に接続される。アタッチメント機構202とデバイスアタッチメント機構108との間の磁気アタッチメント力は、フラップ1202及びカバーガラス1106に関して適切な配向及び配置でカバーアセンブリ1200及びタブレットデバイス1100を維持できる。適切な向きとは、カバーアセンブリ1200がタブレットデバイス1100に適切に接続し、フラップ1202及びカバーガラス1106を嵌め合い係合するように位置合わせすることを意味する。カバーガラス1106とフラップ1202との間の嵌め合い係合は、フラップ1202が以下の図17Aに示すようにカバーガラス1106と接触して配置された時にフラップ1202がカバーガラス1106のほぼ全てを被覆するような係合である。
【0128】
図17A及び図17Bは、互いに磁気接続されるカバーアセンブリ1200及びタブレットデバイス1100を示す。図17Aは、カバーガラス1106がフラップ1202により完全に被覆され且つフラップ1202と接触している閉構成を示す。カバーアセンブリ1200は、図17Aの閉構成から図17Bの開構成にヒンジアセンブリ1204に関して回動可能である。閉構成において、カバーアセンブリ1200の内部層1206はカバーガラス1106と直接接触できる。一実施形態において、内部層1206は、カバーガラス1106を受動的にクリーニングできる材料から形成される。カバーガラス1106の内部層1206による受動的なクリーニングは、カバーガラス1106と接触している内部層1206の部分を移動することにより達成される。特定の一実施形態において、内部層1206は、マイクロファイバ材料から形成される。
【0129】
閉構成から開構成に遷移するために、解除力Freleaseがフラップ1202に加えられる。解除力Freleaseは、フラップ1202のアタッチメント機構216とタブレットデバイス1100のアタッチメント機構110との間の磁気吸引力に打ち勝つことができる。従って、カバーアセンブリ1200は、解除力Freleaseがフラップ1202に加えられるまでタブレットデバイス1100に固着される。このように、フラップ1202は、カバーガラス1106を保護するために使用される。例えばカバーアセンブリ1200は、タブレットデバイス1100に磁気接続される。フラップ1202は、磁気アタッチメント機構110と216との間の磁気的相互作用によりカバーガラス1106に配置され且つ磁気的に固着される。フラップ1202は、解除力Freleaseをフラップ1202に直接加えることによりカバーガラス1106から取り外せる。解除力Freleaseは、磁気アタッチメント機構110と216との間の磁気吸引力に打ち勝つことができる。従って、フラップ1202は妨害されずにカバーガラス1106から離れる方向に移動可能である。
【0130】
フラップ1202と磁気アタッチメント機構110との間で適切な磁気アタッチメントを維持するために、フラップ1202は複数の磁気素子を含むことができる。フラップ1202の磁気素子の一部は、磁気アタッチメント機構110の対応する磁気素子と相互作用してもよい。磁気素子の間に生成された有効磁気吸引力は、通常の取り扱いの時にフラップ1202が不注意によりカバーガラス1106から取り外されないようにするのに十分な強さである。しかし、解除力Freleaseは有効磁気吸引力に打ち勝つことができる。
【0131】
図18は、セグメント化カバーアセンブリ1300の形態のカバーアセンブリ1200の特定の一実施形態を示す上面図である。セグメント化カバーアセンブリ1300は本体1302を含むことができる。本体1302は、タブレット1100のカバーガラス1106に従ったサイズ及び形状を有することができる。本体1302は、1つの折り畳み可能な材料又は曲げやすい材料から形成される。本体1302は、折り畳み領域により互いに分離されたセグメントに分割される。このように、セグメントは折り畳み領域において互いに対して折り畳まれる。一実施形態において、本体1302は、互いに付着された材料層から形成されて積層構造を形成する。各層は、本体1302に準拠したサイズ及び形状を有することができる1つの材料の形態をとることができる。各層は、本体1302の一部分のみに対応するサイズ及び形状を有することもできる。例えばほぼ同一のサイズ及び形状のセグメントを有する剛性又は半剛性材料の層は、セグメントに付着されるか又は関連付けられる。別の例において、本体1302に従ったサイズ及び形状を有する剛性又は半剛性材料の層は、全体的に弾性基礎を有するセグメント化カバーアセンブリ1300を提供するために使用される。尚、層はそれぞれ所望の特性を有する材料から形成される。例えば、ガラス等の損傷を受けやすい表面と接触するセグメント化カバーアセンブリ1300の層は、損傷を受けやすい表面を傷つけるか又は破損する軟質材料から形成される。別の実施形態において、損傷を受けやすい表面を受動的にクリーニングできるマイクロファイバ等の材料が使用される。一方、外部環境に露出された層は、プラスチック又は革等のより堅牢で耐久性のある材料から形成される。
【0132】
特定の一実施形態において、セグメント化された本体1302は、より薄い折り畳み可能な部分1312が点在した複数のセグメント1304〜1310に分割される。セグメント1304〜1310の各々は、そこに配設された1つ以上のインサートを含むことができる。例として、セグメントは、インサートが配置されるか又はインサートがセグメント内に埋め込まれてもよいポケット領域を含むことができる(例えば、インサート成形)。ポケットが使用された場合、ポケット領域は対応するインサートを収容できるようなサイズ及び形状を有することができる。インサートは、種々の形状を有することができるが、更に一般的にはセグメント化された本体1302の全体的な外見(例えば、矩形)に準拠するように成形される。インサートは、セグメント化された本体1302に対する構造支持部を提供できる。場合によっては、インサートは補強材と呼ばれてもよい。従って、カバーアセンブリは、より薄く且つインサートを含まない(例えば、折り畳みを可能にする)折り畳み可能な領域に沿う部分以外は相対的に硬く、セグメント化カバーアセンブリ1300をより高いロバスト性を与え且つ取り扱いを容易にする。一実施形態において、セグメント1304、1306及び1310は約.72対1の割合でサイズに関してセグメント1308と関連付けられ、セグメント1304、1306及び1310の幅がセグメント1308の幅の約72%にされることを意味する。このように、適切な角度を有する三角形が形成される(すなわち、ディスプレイスタンドの場合は約75度であり、以下に説明するキーボードスタンドの場合は約11度である)。
【0133】
セグメント1306、1308及び1310は、インサート1314、1316及び1318をそれぞれ含むことができる(点線で示される)。インサート1314〜1318は、本体1302に弾力性を加える剛性又は半剛性の材料から形成される。使用される材料の例には、プラスチック、ガラス繊維、炭素繊維複合材料及び金属等が含まれる。セグメント1304は、プラスチック等の弾性材料から形成されたインサート1320を含むことができるが、磁気素子1322を収容するように構成される。磁気素子1322の一部は、タブレットデバイス1100の磁気素子及び更に詳細にはアタッチメント機構110と相互作用してもよい。
【0134】
セグメント化された本体1302が折り畳み可能であり且つ更に詳細には種々のセグメントが互いに対して折り畳み可能であるため、殆どの磁気素子1322は、インサート1318に埋め込まれた磁気活性インサート1324と磁気的相互作用するために使用される。活性インサート1324及び磁気素子1322を磁気結合することにより、種々の支持構造が形成され、その一部の形状は三角形であってもよい。三角形支持構造は、タブレットデバイス1100の使用を支援できる。例えば1つの三角形支持構造は、視覚的コンテンツが水平から約75度の所望の視野角で提示されるようにタブレットデバイス1100を支持するために使用される。しかし、セグメント化カバー1300を適切に折り畳めるように、セグメント1308は、セグメント1304、1306及び1310(一般に、これらは同一のサイズである)よりある程度大きいサイズにされる。このように、セグメントは2つの等しい辺及びより長い第3の辺を有する三角形を形成でき、この三角形は約75度の内角を有する。
【0135】
少なくとも1つの三角形支持構造を形成する1つの方法は、インサート1320に埋め込まれた殆どの磁気素子1322が磁気活性インサート1324を磁気吸引するようにセグメント1304がセグメント1306〜1310に対して折り畳めることを含むことができる。このように、セグメント1304及びセグメント1310は磁気結合され、適切な寸法を有する三角形支持構造を形成する。三角形支持構造は、視覚的コンテンツが約75度で表示されるようにタブレットデバイス1100が配置されるスタンドとして使用される。別の例において、セグメント化カバー1300は折り畳まれ、キーボード支持部として使用される三角形支持構造を形成できる。セグメント化カバー1300は折り畳まれ、水平支持部(天井等)又は垂直支持部(壁等)からタブレットデバイス1100を懸架するために使用される三角形支持構造を形成できる。
【0136】
カバーアセンブリ1300は、ヒンジアセンブリによりアクセサリアタッチメント機構202に回動可能に接続可能である。ヒンジアセンブリは、カバーがデバイス上で折り畳めるようにする1つ以上の旋回軸を提供でき、その一方で、カバーアセンブリは磁石を介してデバイスに接続される。図示した実施形態において、ヒンジアセンブリは、第1のヒンジ部(第1のエンドラグとも呼ばれる)1328及び第1のエンドラグに対向して配設された第2のヒンジ部(又は第2のエンドラグ)1330を含むことができる。第1のエンドラグ1328は、セグメント化された本体1302の管部分に組み込まれた接続棒1332(点線で示される)により第2のエンドラグ1330に固定的に接続される。接続棒1332の縦軸は、セグメント化された本体がヒンジアセンブリに対して回動する際の軸となる回動線1333としての役割を果たす。接続棒1332は、カバーアセンブリ1300及び磁気アタッチメント機構202に磁気接続されたタブレットデバイス1100等のあらゆるオブジェクトを固定的に支持するのに十分に強い金属又はプラスチックから形成される。
【0137】
金属と金属とを接触させないようにするために、第1のエンドラグ1328及び第2のエンドラグ1330はそれぞれ接続された保護層1336及び1338を有することができる。保護層(バンパとも呼ばれる)1336及び1338は、第1のエンドラグ1328及び第2のエンドラグ1330と筐体1102との直接の接触を防止できる。これは、エンドラグ1328、1330及び筐体1102が金属で形成される場合に特に重要である。バンパ1336及び1338が存在することにより、エンドラグと筐体1102との間の金属と金属との接触を防止でき、これによりタブレットデバイス1100の全体的な外見及び感触を低下させる接触点における実質的な摩耗及び裂傷の可能性をなくす。
【0138】
保護品質を維持するために、バンパ1336及び1338は、耐久性のある弾性材料で形成され、タブレットデバイス1102の外面の仕上げ状態を傷つけにくい。これは、適切な磁気接続及びタブレットデバイス1100の動作寿命の間の予想される接続周期の回数に必要とされる厳しい許容差のために特に重要である。従って、バンパ1336及び1338は、あらゆる適切な接着剤を使用してエンドラグに取り付けられる軟質プラスチック、布又は紙から形成される。尚、いくつかの例において、バンパは除去され且つ必要に応じて新しいバンパで置換される。
【0139】
第1のエンドラグ1328及び第2のエンドラグ1330は、エンドラグに関して回動するように構成されるヒンジスパン1340により電子デバイスに磁気接続される。回動は、ヒンジポスト1342(その一部分は露出される)を使用して達成される。ヒンジポスト1342は、ヒンジスパン1340を第1のエンドラグ1328及び第2のエンドラグ1330の双方に回転可能に固着できる。ヒンジスパン1304は磁気素子を含むことができる。磁気素子は、電子デバイスの磁気素子のマッチングする構成を有する磁気アタッチメント機構にヒンジスパン1340を磁気接続するように配置される。ヒンジスパン1340内の適切な場所に磁気素子を固定するために、ヒンジポスト1342を使用してヒンジスパン1340の両端に配置された磁気素子を固着し、それにより、ヒンジスパン1340の磁気素子がヒンジスパン1340と電子デバイスの磁気アタッチメント機構との間の磁気接続を切断する可能性を有して移動する尤度を低下させる。
【0140】
ヒンジスパン1340の磁気素子と電子デバイスの対応する磁気素子との間に干渉がないことを保証するために、ヒンジスパン1340は、プラスチック等の磁気不活性材料又はアルミニウム等の非磁性体金属から形成される。ヒンジスパン1340がアルミニウム等の磁気不活性材料から形成される場合、電子デバイス1100の筐体1102とヒンジスパン1340との間の金属と金属との接触が保護層1344を使用することにより防止される。ヒンジスパン1340及び電子デバイス1100が互いに磁気接続される場合、保護層1344は筐体1102に対向するヒンジスパン1340の表面に塗布される。保護層1344(ラベル1344とも呼ばれる)は、筐体1102の仕上げ状態を傷つけない多くの材料から形成可能である。そのような材料には、例えば紙、布及びプラスチック等が含まれる。
【0141】
図19A及び図19Bは、ヒンジスパン1340の2つの実施形態を更に詳細に示す図である。更に詳細には、図19Aは、磁気不活性スペーサが磁気素子を分離及び固定するために使用されるヒンジスパンの実施形態1400を示す。特にヒンジスパン1400は、セグメント化カバーアセンブリ1300をタブレットデバイス1100に磁気接続するために磁気アタッチメント機構202により使用された磁気素子1402を含み且つ支持できる。磁気素子1402は、タブレットデバイス1100のデバイスアタッチメント機構108の対応する磁気素子とマッチングする特定の構成で配置される。このように、セグメント化カバーアセンブリ1300及びタブレットデバイス1100は互いに正確に且つ繰り返し接続される。
【0142】
長期間にわたり繰り返し可能な安定した磁気係合を維持するために、磁気素子1402は安定した構成のままであってもよい。換言すると、ヒンジスパン1400の磁気素子1402は、長期間にわたりタブレット1100の磁気アタッチメントシステムの対応する磁気素子に関して相対的な位置及び極性を有したままであるべきである。これは、繰り返される接続周期がカバーアセンブリ1300及び/又はタブレットデバイス1100の予想される動作寿命にわたり起こると予想される場合に特に重要である。
【0143】
従って、多くの接続周期の間の磁気係合の結合性を保証するために、磁気素子1402の構成は、互いに対して及びデバイスアタッチメント機構108の対応する磁気素子に対して実質的に固定されたままである。磁気素子1402の物理的なレイアウトが実質的に固定されたままであることを保証するために、溶加材1404はヒンジスパン1400の種々の磁気素子の間に挿入される。溶加材1404は、プラスチック等の非磁性体であってもよい。溶加材1404は、磁気素子の間の隙間空間にしっかり嵌入するように成形される。このように、磁気素子1402は、長期間にわたり固定され且つ安定した構成のままである。
【0144】
一方、図19Bは、磁気素子を適切な場所に固定するために物理的に隣接する磁気素子の間の相互の磁気吸引を利用するヒンジスパン1410の形態のヒンジスパン1340の別の実施形態を示す。このように、構成部品の数が減少される。更に磁気素子1402により利用される面積が減少するため、対応する磁束密度は増加する。しかし、エンドプラグ1412は、ヒンジスパン1410のいずれかの端部に配置された磁気素子を固定するために使用される。エンドプラグ1412は、ヒンジスパン1410のいずれかの端部の磁気素子が整列した極性を有する時に有効反発磁力に打ち勝つために必要となる。エンドプラグ1412に加えて、別の実施形態は中央に配置されたスペーサ1414を提供できる。中央に配置されたスペーサ1414は、磁気不活性材料から形成され、磁気素子1402を適切な場所に固定するために使用される。
【0145】
図19Cは、セグメント化カバーアセンブリ1300がタブレットデバイス1100に磁気接続された時に係合面の一部を形成するヒンジスパン1340の部分を示す。特にラベル1344は、糊等の接着剤を使用してヒンジスパン1340に取り付けられて示される。尚、ラベル1344は、係合面の一部を形成する筐体1102の一部の形状に準拠するように配置される。このように、対応する磁気素子間の離間距離は最短にされる。
【0146】
図20Aは、タブレットデバイス1100に磁気接続されたセグメント化カバーアセンブリ1300を示す代表的な側面図である。図20Bは、図18に示した線AAに沿ってセグメント化カバーアセンブリ1300/タブレットデバイス1100を示す代表的な横断面図である。図20Bは、被覆された構成を示し、図20Cは、タブレットデバイス1100の保護層1106を完全に露出する折り返された構成を示す。
【0147】
図21Aは、湾曲形状を有する筐体1102に磁気接続されたヒンジスパン1340を示す横断面図1500である。本実施形態において、筐体1102は湾曲形状を有することができ、アルミニウム等の非磁性体から形成される。磁気素子1502は、タブレットデバイス1102のデバイスアタッチメント機構108に組み込まれてもよい。いくつかの実施形態において、金属と金属との接触を防止するために、磁気素子1502が金属である実施形態においては、保護膜は磁気素子1502の係合面に取り付けられ、磁気素子1502が筐体1102に直接接触しないようにする。保護膜は、対応する磁気素子間の磁気係合力を考慮する時に無視できるほど十分に薄くてもよい。保護膜は、磁気素子1502が金属から形成されない場合又は磁気素子1502に接触する筐体1102の部分が金属でない場合には不必要である。
【0148】
磁気素子1502は、ヒンジスパン1340の対応する磁気素子1504と磁気的相互作用してもよい。磁気素子1504は、約2mmの厚さを有することができる。磁気的相互作用により、式(3a)を満足する有効な磁気吸引力FNETが生成される。ここで、離間距離xsepは筐体1102の厚さt及びラベル1344の厚さ「l」の合計にほぼ等しい。厚さ「l」は約0.2mmであってもよい。従って、離間距離xsepを最小にする(且つそれによりFNETを増加する)ために、磁気素子1502は筐体1102の内面1506に準拠するように成形される。更にラベル1344及び磁気素子1504は、それぞれ筐体1102の外面1508に準拠するように成形される。このように、磁気素子1502と磁気素子1504との間の距離は、筐体1102の厚さt及びラベル1344の厚さlほどに短縮される。
【0149】
磁気素子1502と1504との間の有効な磁気吸引力FNETを更に向上するために、磁気分路1510は筐体1102と反対の方向を向いている磁気素子1504の一部に貼り付けられ且つその部分を含む。磁気分路1510は、スチール又は鉄等の磁気活性材料から形成される。磁気活性材料は、磁気活性材料がない場合は磁気素子1502と反対の方向の筐体1102に向けられる磁束線の向きを変更でき、それにより磁気素子1502と磁気素子1504との間の合計の磁束密度BTOTALを増加し、その結果、それに対応して有効な磁気吸引力FNETが増加する。磁気分路1510は、ヒンジスパン1340の筐体1512に貼り付けられる。尚、ラベル1344のみが筐体1102の外面1508に接触すること(金属と金属との接触を回避すること)を保証するために、ラベル1344は約「d」の距離だけヒンジスパン1340の筐体1512から突き出る。名目上、距離dは約0.1mmであってもよい。
【0150】
有効な磁力FNETが協働する磁気素子間の離間距離に部分的に依存するため、タブレットデバイス1100の磁気アタッチメントシステムとヒンジスパン1340の磁気素子との間の磁気接続の全体的な結合性は、協働する磁気素子間の実際の離間距離及びヒンジスパン1340の長さLに沿う離間距離の一貫性に影響を受ける。ヒンジスパン1340に沿って密接に相関した磁気吸引力を提供するために、ヒンジスパン1340の磁気素子とタブレットデバイス1100の磁気アタッチメントシステムの磁気素子との間の離間距離は適切に制御される。
【0151】
図21Bは、平面を有する筐体1102に磁気接続されたヒンジスパン1340を示す横断面図1550である。この構成において、ラベル1344及び磁石1554はそれぞれ筐体1102の平坦な形状に準拠する。
【0152】
ヒンジスパン1340の長さLに沿う有効な磁気吸引力の一貫性を保証するために、ヒンジスパン1340の構成要素は、図22Aの横断面及び図22Bの透視図に示した固定具1600を使用して組み立てられる。固定具1600は、筐体1102の外面の形状に準拠する表面1602を有することができる。ヒンジスパン1340の長さLに沿う一貫した磁気吸引力を保証するようにヒンジスパン1340を組み立てるために(及び美的に満足のいく外見を提供するために)、ラベル1344は固定具1600の表面1602に一時的に取り付けられる。表面1602が実質的に外面1508の形状に準拠するため、ラベル1344は外面1508の形状に準拠する形状を有する。一実施形態において、ラベル1344が吸引により表面1602に取り付けられるようにする部分真空が固定具1600内に生じる。このように、組み立てられたヒンジスパンは、単純に部分真空をなくすことにより表面1602から取り外される。
【0153】
ラベル1344が固定具1600の表面1602に固着されると、磁気素子1504はラベル1344に直接接触するように配置され且つあらゆる適切な接着剤を使用してラベル1344に取り付けられる。可能な限り離間距離を縮小するために、磁気素子1504はラベル1344及び表面1602の双方の形状に準拠する形状を有することができる。このように、ラベル1344及び磁気素子1504の双方の共形成形が磁気素子1506と1502との間の最短の離間距離を保証する。磁気素子1504はスチール等の磁気活性材料から形成された磁気分路1510に貼り付けられ、磁束を磁気素子1502に集中させる。磁気分路1510は、ヒンジスパン筐体1512に含まれ且つ貼り付けられ、ラベル1344を約d=0.1mmだけ筐体1512から突き出た状態にする。
【0154】
タブレットデバイス1100を保護することに加えて、セグメント化カバーアセンブリ1300は有用な支持構造を形成するように操作される。従って、図23〜図26は、説明する実施形態に従ってカバーアセンブリ1300の有用な構成を示す。
【0155】
例えば図23に示すように、セグメント化カバーアセンブリ1300は、インサート1324の磁気活性部分が磁気素子1322と磁気的相互作用するように折り畳まれる。尚、三角形支持構造1700を維持するために使用された磁力は約5〜10ニュートン(NT)の範囲である。このように、三角形支持構造1700は、間違えて広げられないようにされる。タブレットデバイス1100を強化するために多くの方法で使用される三角形支持構造1700が形成可能である。例えば三角形支持構造1700は、タッチセンシティブ表面1702が人間工学的に有利な角度で支持面に対して位置付けられるようにタブレットデバイス1100を支持するために使用される。このように、タッチセンシティブ表面1702を使用することはユーザにとって分かりやすい体験である。これは、タッチセンシティブ表面が長期間にわたり使用される状況と特に関連する。例えば仮想キーボードは、タッチセンシティブ表面1702に提示される。仮想キーボードは、タブレットデバイス1100にデータを入力するために使用される。人間工学的に使用しやすい角度でタブレットデバイス1100を支持するために三角形支持構造1700を使用することにより、各動きの有害な影響は軽減されるか又はなくなる。
【0156】
図24A及び図24Bは、三角形支持構造1700が閲覧状態のタブレットデバイス1100を支持するために使用されるセグメント化カバーアセンブリ1300の別の折り畳まれた実現例を示す。閲覧状態は、視覚的コンテンツ(映像、静止画、アニメーション等)が閲覧者の使用しやすい角度である水平から約75度で提示されることを意味する。この「キックスタンド」状態において、視覚的コンテンツは、容易に閲覧できるように提示される。タブレットデバイス1100の閲覧可能領域は、約75度の角度で提示される。75度は、適切な閲覧体験に最適であると考えられる視野角の範囲内であることが分かっている。
【0157】
図25A及び図25Bは、種々の懸架実施形態に折り畳まれたセグメント化カバーアセンブリ1300を示す。懸架実施形態は、セグメント化カバーアセンブリ1300を適切な三角形に折り畳むことにより、タブレットデバイス1100がハンガー1900の形態で図25Aに示すように上から懸架されることを意味する。ハンガー1900は、タブレットデバイス1100を上から懸架するために使用される。例えばハンガー1900は、棒等の支持部分を使用して天井から直接懸架される。ハンガー1900は、埋め込まれた磁石1322がスチール又は鉄で形成される磁気活性インサート1324と磁気係合するまでセグメント化カバーアセンブリ1300を第1の方向に折り畳むことにより単純に作成される。埋め込まれた磁石1322及び磁気活性インサート1324の係合により形成された磁気回路は、水平に位置合わせされたあらゆる支持構造からタブレットデバイス1100を安全に懸架するのに十分に支持できる。
【0158】
図25Bは、壁等の垂直に位置合わせされた支持構造からタブレットデバイス1100を懸架するのに適したハンガー実施形態を示す。特にハンガー1910は、壁又は他の垂直支持構造に機械的に接続される。ハンガー1910は、壁掛けの線に沿ってタブレットデバイス1100を懸架するために使用される。このように、タブレットデバイス1100は、視覚的コンテンツに対する表示装置の線又は写真及び美術品等の静止画に対する壁掛けの線に沿って視覚的コンテンツを提示するために使用される。
【0159】
図26A及び図26Bは、三角形支持構造1700がハンドルとして使用される構成2000を示す。ここでも、セグメント化部分が相互作用してハンドルとして使用される三角形支持構造を形成するようにセグメント化カバーアセンブリ1300を折り畳む。従って、閲覧する本が選ばれると、タブレットデバイス1100は持ち上げられる。セグメント化カバーアセンブリ1300の本体は、タブレットデバイス1100を本として保持するのに使用される場合に三角形支持構造1700をよりしっかりと握るために使用される便利な握持機能を提供できる。
【0160】
タブレットデバイス1100が前方を向いたカメラ2002及び後方を向いたカメラ2004等の撮像装置を含む場合、視覚的コンテンツはタブレットデバイス1100により提示される。このように、三角形支持構造1700はカメラハンドルの線に沿ってホルダとして使用される。従って、三角形支持構造1700は、撮像処理を支援する便利な効果的な機構を提供できる。例えば撮像するのに使用される場合、タブレットデバイス1100は三角形支持構造1700によりしっかりと保持され、後方を向いたカメラ2400は被写体に向けられる。被写体の画像は、図25Bに示したディスプレイにおいてタブレットデバイス1100により提示される。このように、前方を向いたカメラ2002及び/又は後方を向いたカメラ2004はビデオチャット等におけるビデオ又は静止画を撮影するために又は単純にビデオ表現を閲覧するために使用される。ビデオチャットの一部として、ビジュアルチャット参加者は、タブレットデバイス1100を保持するために三角形支持構造1700を使用しつつビデオ会話を容易に続行できる。
【0161】
図27A〜図27Cは、タブレットデバイス1100の動作のピークモードと呼ばれるものを示すカバーアセンブリ1300及びタブレットデバイス1100の構成2100を示す。特にセグメント1304がガラスカバー1106から持ち上げられた時、タブレットデバイス1100のセンサはそのセグメント1304を検出でき、そのセグメントのみがガラス層1106から持ち上げられている。検出されると、タブレットデバイス1100はディスプレイの露出部分2102のみを活性化できる。例えばタブレットデバイス1100は、セグメント1304がガラスカバー1106から持ち上げられたことを検出するためにホール効果センサを利用できる。光センサ等の追加のセンサは、セグメント1304のみが持ち上げられたか又は追加のセグメントが持ち上げられたかを検出できる。
【0162】
図27Bに示すように、セグメント1304のみが持ち上げられたとタブレットデバイス1100が判定した場合、タブレットデバイス1100は、ディスプレイの露出部分2102のみがアイコン2104の形態で視覚的コンテンツを能動的に提示する「ピーク」状態に動作状態を変更できる。従って、時間及びメモ等の視覚的コンテンツの形態の情報は閲覧可能なディスプレイの部分のみで閲覧するように提示される。セグメント1304がガラス層1106上に戻されたことをセンサが検出すると、タブレット1100はスリープ状態等の先の動作状態に戻れる。更に別の実施形態において、タッチに応答するように構成されたアイコンが表示されると、ディスプレイの可視部分に対応するタッチセンシティブ層の部分が活性化される。
【0163】
また、図27Cに示すように、追加のセグメントがカバーガラス1106から持ち上げられてカバーガラス1106の第2の部分2106を更に露出する場合、ディスプレイの第2の部分2106は活性化される。このように、「拡張」ピークモードにおいて、アイコン2108等の追加の視覚情報は、活性化されたディスプレイの部分に提示される。尚、セグメントがカバーガラス1106から持ち上げられると、ディスプレイの追加のセグメントが活性化される。このように、拡張ピークモードが提供される。
【0164】
あるいは、タブレットデバイス1100は、単純にフラップがディスプレイから離れるように移動された時にディスプレイの電源を投入し且つディスプレイがフラップにより被覆された時に電源を落とす(スリープさせる)ことによりホール効果センサからの信号に応答可能である。一実施形態において、磁気素子1322の部分集合は、アタッチメント機構110の対応する磁気素子402と共に使用され、カバーガラス1106上でカバーアセンブリ1300をタブレットデバイス1100に固着する。更に少なくとも磁石1326は、磁気感知回路404を活性化するために使用される。例えばセグメント化カバー1300がカバーガラス1106においてタブレットデバイス1100上に配置されると、磁石1326の磁界は、ホール効果センサの形態をとることができる磁気感知回路404により検出される。磁界を検出すると、ホール効果センサ118は信号を生成し、その結果、タブレットデバイス1100の動作状態を変更させる。
【0165】
例えばセグメント化カバー1300がカバーガラス1106と接触していることをホール効果センサ118が検出し、ディスプレイが閲覧可能でないことを示す場合、ホール効果センサ118により送出された信号は、現在の動作状態をスリープ状態に変更するようにタブレットデバイス1100のプロセッサにより解釈される。一方、セグメント1304がカバーガラス1106から持ち上げられた場合、ホール効果センサ118は別の信号をプロセッサに送出することにより磁石1326からの磁界が除去されたことに応答できる。プロセッサは、現在の動作状態を再度変更することによりこの信号を解釈できる。変更することは、スリープ状態から活性状態に動作状態を変更することを含むことができる。別の実施形態において、プロセッサは、タブレットデバイス1100の動作状態をピークモードに変更することにより他のセンサと共にホール効果センサ118により送出された信号を解釈できる。ピークモードにおいて、セグメント1304を持ち上げたことにより露出されたディスプレイの部分のみが活性化され、視覚的コンテンツを表示し且つ/又は触覚入力を受信(又は送出)できる。
【0166】
いくつかの例において、セグメント1304も持ち上げられたことをホール効果センサ118が示すのと同時にセグメント1306がカバーガラス1106から持ち上げられた場合、ホール効果センサ118に加えてセンサが存在することにより、プロセッサは、ディスプレイの追加の露出部分に対応する追加の表示リソースも活性化される拡張ピークモードに入ることができる。例えばタブレットデバイスが特定のセグメントの存在を検出できる他のセンサ(光センサ等)を含む場合、ホール効果センサ118からの信号は、他のセンサ信号と組み合わされて、ディスプレイアセンブリの1つ又は複数の特定の部分が現在閲覧可能であり且つ視覚的コンテンツを提示できるという指示をプロセッサに提供できる。
【0167】
図28Aは、特定の一実施形態に従ってカバーアセンブリ2200を示す。カバーアセンブリ2200は、展開図に示された回動アセンブリ2204に接続されたセグメント化カバー2202を含むことができる。回動アセンブリ2204は、ヒンジスパン2210及び接続棒2212(スリーブ2214内に含まれ、スリーブ2214はセグメント化カバー2202に接続されるか又はセグメント化カバー2202内に含まれて見えない)により互いに回動可能に接続されたエンドラグ2206及び2208を含むことができる。このように、少なくとも2つの回動線2216及び2218は、エンドラグ2206及び2208、ヒンジスパン2210、並びに接続棒2212を回動するために提供される。例えばヒンジスパン2210(並びにエンドラグ2206及び2208)は回動線2216に関して回転可能であり、その一方で、接続棒2212(並びにエンドラグ2206及び2208)は回動線2218に関して回転可能である。尚、接続棒2212及びヒンジスパン2210は別個に回動可能である。回動は同時に又は異なるタイミングで起こってもよく、回動アセンブリ2204に対して少なくとも4つの個別の方向の軸回転を与える。
【0168】
ヒンジスパン2210がタブレット1100に磁気結合される時に金属と金属との接触を防止するために、ラベル2220はヒンジスパン2210の外面に貼られ、バンパ2222はエンドラグ2206及び2208の外面に貼られる。ラベル2220及びバンパ2222は、筐体102の外観を傷つけず又は破損せずに筐体102と繰り返し接触可能な材料から形成される。従って、ラベル2220及びバンパ2222は、紙、布及びプラスチックから形成され、糊等の接着剤を使用してヒンジスパン2210並びにエンドラグ2206及び2208に付着される。いくつかの例において、接着剤は、必要に応じてラベル2220及び/又はバンパ2222を容易に交換できるようにする特性を有することができる。
【0169】
図28Bは、エンドラグ2206、2208及び接続棒2212(スリーブ2214における)が2軸方向(すなわち、時計回り及び反時計回り)に回転する際に軸となる回動線2216を示す回動アセンブリ2204の組み立てられた一実施形態を示す。尚、エンドラグ2206、2208及びヒンジスパン2210は、回動線2218に関して2軸方向(すなわち、時計回り及び反時計回り)に回転可能である。このように、エンドラグ2206及び2208は回動線2216及び回動線2218に関して合計4軸方向に回転可能である。
【0170】
図28Cは、ヒンジスパン2210をエンドラグ2206及びエンドラグ2208にそれぞれ装着するのに使用されるエンドピン2224及び2226を更に詳細に示すヒンジスパン2210を示す。この図では見えないが、エンドピン2224及び2226は、ヒンジスパン2210内に内蔵されたエンドユニット磁気素子を固着するために内部プラグと共に更に使用される。これは、ヒンジスパン2210内に内蔵された磁気素子の符号化磁気シーケンスによりエンドユニット磁気素子が隣接する磁気素子を磁気的に反発するような状況において特に有用である。
【0171】
図28Dは、説明する実施形態に従ってヒンジスパン2210を示す展開図である。磁気素子2228は、個々の磁気素子が磁気極性、強度及びサイズ等の特定のパターンで配置される符号化磁気構造として構成される。図示する実施形態において、非整列極性を有する互いに隣接する磁石は、符号化磁気構造に対して位置を維持するための相互磁気吸引に依存してもよい。しかし、整列された磁気極性を有する互いに隣接する磁気素子は、符号化磁気構造内で位置を維持するために相互反発磁力に打ち勝つ外力を要求できる。例えば磁気素子2228−1及び2228−2はそれぞれ整列された磁極を有する2つの磁石から形成される。この状況において、磁気素子2228−1(及び2228−2)を形成する2つの磁石は、例えば整列される磁極を有するため、それらの間に有効な反発磁力を生成する。従って、外部から適用された制約は、例えばプラグ2232−1及び2232−2をそれぞれ使用して適用される。磁石2228−3及び2228−4(磁石2228−1及び2228−2に対してそれぞれ非整列である)により与えられた磁気吸引力は、ヒンジスパン2210内に含まれた符号化磁気構造を安定させることを支援できる。磁気不活性材料から形成されたスペーサ2234は、磁気素子2228により形成された符号化磁気構造に追加の物理的な結合性を提供するために使用される。
【0172】
全体の有効な磁気吸引力を向上するために、スチール等の磁気活性材料から形成された磁気分路2236は磁気素子2228の後端部に接着剤で取り付けられる。分路2236の後端部への配置は、分路2236がない場合はヒンジスパン2210と筐体1102との間の係合面から離れる方向に伝播する磁力線の向きを変更することを助長できる。磁力線を係合面に向けて偏向することにより、係合面において磁気素子2228により提供される磁束密度は比例して増加し、その結果、磁気素子2228と筐体1102内の対応する磁気構成要素との間の有効な磁気吸引力が増加される。
【0173】
上述したように、ラベル2220は、磁気分路2236に接着剤で取り付けられる磁気素子2228(及び存在する場合はスペーサ2234)に接着剤で取り付けられる。磁気分路2236は、約0.1〜0.2mmであってもよい距離「d」だけラベル2220を突出させてヒンジスパン2210の開口部2238に接着剤で取り付けられ、ヒンジスパン2210と筐体1102との間の金属と金属との接触を防止する。
【0174】
尚、キーボード構成及びディスプレイ構成において、ヒンジスパン2210はある角度で支持面にタブレットデバイス1100を配置するため剪断力を受ける。剪断力は、ヒンジスパン2210とデバイスアタッチメント機構タブレットデバイス1100との間に生成された有効な磁気吸引力により抵抗される。
【0175】
図29は、セグメント化カバー2202を示す展開図である。最下層2250は、ディスプレイに対するカバーガラス等の保護面と直接接触する。最下層250は、保護面を受動的にクリーニングできる材料から形成される。材料は、例えばマイクロファイバ材料であってもよい。最下層2250は、プラスチック等の弾性材料から形成された硬化層2252に取り付けられる。硬化層2252は、接着材層2256、積層材2258及びインサート2254を含む積層構造を形成するようにインサート2254に接着剤で取り付けられる。インサート2254の一部は埋め込まれた構成要素を収容できる。例えばインサート2254−1は磁石2260を収容でき、その一部はセグメント化カバー2202をタブレットデバイス1100に固着するためにタブレットデバイス1100に埋め込まれた対応するアタッチメント機構110と協働できる。少なくとも1つの磁石2260−1は、タブレットデバイス1100内に内蔵された磁気感知回路(ホール効果センサ等)と相互作用するように位置付けられ且つサイズ変更される。尚、磁石2260の一部がアタッチメント機構110とのみ相互作用するように特に割り当てられ、ほぼ全ての磁石2260が種々の三角形支持構造を形成するために使用されるセグメント2254−2に埋め込まれた磁気活性プレート2262と磁気的相互作用してもよい。このように、強い磁力が生成され、三角形支持構造に安定した基礎を提供する。
【0176】
追加の積層構造は、接着材層2256、積層材2258及び最上層2264から形成される。いくつかの実施形態において、最上層2264の取り付けを支援できる編み構造を有する材料の介在層が提供される。最上層2264は、タブレットデバイス1100の全体的な外見及び感触に従ってプラスチック及び革等の多くの材料から形成される。追加の構造支持部を提供するために、最上層2264はプラスチック、あるいは他の剛性又は半剛性材料から形成される補強バー2266により強化されたエッジを有することができる。
【0177】
図30は、タブレットデバイス1100のカバー層1106上の位置に配置された図29に示したセグメント化カバー2200を示す部分断面図である。特に重要なのは、磁石2260−1及びホール効果センサ118の相対的な位置付けである。このように、セグメント化カバー2200がカバー層1106に配置されると、磁石2260−1からの磁界は、信号を生成することにより応答できるホール効果センサ118と相互作用してもよい。信号は、タブレットデバイス1100の動作状態がカバー2200の存在に従って変更されるように処理される。一方、カバー2200を除去することにより、動作状態は先の動作状態又はピークモード等の別の動作状態に戻る。尚、磁気素子2260−1とホール効果センサ118との間の磁束密度は約500ガウスであってもよい。しかし、カバー2202が筐体1102の背面に裏返される実施形態において、ホール効果センサ118における磁束密度は約5ガウスであってもよい。
【0178】
図31Aは、タブレットデバイス1100に内蔵されたデバイスアタッチメント機構2300と能動的に係合しているヒンジスパン2210を示す横断面図である。特に、磁気アタッチメント機構2300は少なくとも磁気素子2228(ヒンジスパン2210に内蔵された符号化磁気構造の一部である)を含む磁気回路を形成する磁気素子2302を含む。磁気分路2304は、磁気素子2302から磁気素子2228の方向以外の方向に伝播する磁力線の向きを変更するために使用される。このように、係合面2306における磁束密度は比例して増加され、それにより有効な磁気吸引力Fnetが増加される。磁気アタッチメント機構2300は、磁気素子2302及び分路2304の双方を収容できるサイズにされた筐体1102のバレル2308に組み込まれる。説明する実施形態において、バレル2308は、磁気素子2302及び分路2304に対して支持部を提供できる。バレル2308は、磁気アタッチメント機構2300が活性状態と不活性状態との間を遷移する時に磁気素子2302及び分路2304の動きを誘導できる。
【0179】
有効な吸引力FNETが係合面2306にほぼ直角に加えられることを保証するために、磁気素子2228及び磁気素子2302の磁化は、各磁化ベクトルMがほぼ整列するように構成される。磁化とは、磁石が同一方向にほぼ整列される磁区を有するように製造されることを意味する。磁気素子2302の磁化ベクトルM及び磁気素子2228の磁化ベクトルMを整列させることにより、有効な磁力FNETは係合面2306にほぼ直角に生成される。
【0180】
図31Bは、不活性状態の磁気アタッチメント機構2300を示す。磁気アタッチメント機構2300は、不活性状態の場合、式(1)を満足するために筐体1102の外面から少なくとも距離xのところに配置される。従って、バレル2308は、不活性状態のx=0から活性状態のほぼx=xへの磁気素子2302及び分路2304の移動に対応できる必要がある。
【0181】
図32は、アタッチメント機構2400の形態のデバイスアタッチメント機構108の一実施形態の表現を示す。特にアタッチメント2400は、板バネ2406に取り付けられた磁気素子2402/分路2404を含むことができる。板バネ2406は、締め具2408により分路2404に直接固着され且つ締め具2412により端部支持部2410に直接固着される。端部支持部2410は、アタッチメント機構2400に対する支持部を提供するために筐体等の支持構造に取り付けられる。一実施形態において、位置合わせポスト2414は、端部支持部2410及び板バネ2406の位置合わせを行うために組み立て中に使用される。図33は、支持構造2410/板バネ2406のインタフェースを示す拡大図である。
【0182】
図34は、説明した実施形態に従って処理2500を詳細に示すフローチャートである。処理は、不活性状態の第1の符号化磁気アタッチメント機構を提供することにより2502で開始できる。2504において、第1の符号化磁気アタッチメント機構を活性化するために第2の磁気アタッチメント機構を使用する。2506において、活性化した第1の磁気アタッチメント機構からの磁界を第2の磁気アタッチメント機構からの磁界と相互作用させる。2508において、磁界の相互作用に従って有効な磁気アタッチメント力を生成する。2510において、有効な磁気アタッチメント力に従って第1の磁気アタッチメント機構及び第2の磁気アタッチメント機構を磁気結合する。
【0183】
図35は、説明する実施形態に従って処理2600を詳細に示すフローチャートである。処理2600は、不活性状態の符号化磁気アタッチメント機構を提供することにより2602で開始できる。不活性状態において、符号化磁気アタッチメント機構の磁気素子に対する所定の距離における磁束密度は閾値より小さい。2604において、外部磁界は符号化磁気アタッチメント機構において受け入れられる。2606において、外部磁界が符号化磁気アタッチメント機構の磁気素子と相関する磁気素子に対応すると判定された場合、2608において符号化磁気アタッチメント機構は活性化され、対応すると判定されなかった場合、処理2600は終了する。
【0184】
図36は、説明する実施形態に従って処理2700を詳細に示すフローチャートである。処理2700は、第1の符号化磁気アタッチメント機構を有する電子デバイス及び第2の符号化磁気アタッチメント機構を有するアクセサリを互いに近接して配置することにより2702で開始できる。2704において、第1の符号化磁気アタッチメント機構及び第2の符号化磁気アタッチメント機構の磁気素子が互いに相関する場合、2706において、第1の符号化磁気アタッチメント機構が活性化される。第1の符号化磁気アタッチメント機構が活性化されると、第1の符号化磁気アタッチメント機構により生成された磁界の磁束密度は閾値を超える値に増加される。2708において、第1の磁気アタッチメント機構及び第2の磁気アタッチメント機構の磁気素子間の磁界相互作用により電子デバイス及びアクセサリは互いに磁気接続する。
【0185】
図37は、説明する実施形態に従ってピークモード処理2800を詳細に示すフローチャートである。処理2800は、ディスプレイの第1の部分が露出されるかを判定することにより2802で開始できる。露出されることは、第1の部分に提示された視覚的コンテンツが閲覧可能であることを意味する。ディスプレイの第1の部分が露出されると判定された場合、2804において、露出されると判定されたディスプレイの部分のみが視覚的コンテンツを提示できる。換言すると、アイコンの集合又は他の視覚的コンテンツは、ディスプレイの露出部分に表示され、ディスプレイの残りの部分は空白か又はオフのままである。次の2806において、視覚的コンテンツはディスプレイの活性部分により表示される。次の2808において、ディスプレイの第2の部分が露出されるかの判定が行われる。第2の部分は第1の部分とは異なる。ディスプレイの第2の部分が露出されると判定された場合、ディスプレイの第2の部分は2810で活性化される。2812において、視覚的コンテンツは第2の活性部分に表示される。
【0186】
図38は、説明する実施形態に従ってヒンジスパン1340に内蔵された磁気スタックを形成する処理2900を詳細に示すフローチャートである。ヒンジスパン1340に内蔵された磁気スタックを形成する処理2900は、固定具を提供することにより2902で開始できる。固定具は、ヒンジスパンが磁気接続する電子デバイスを規定する筐体の外形に従った形状を有する。固定具は、次に2904で保護膜を固着するために使用される真空源に接続される。保護膜は、電子デバイスの筐体とヒンジスパンとの間の金属と金属との接触に対する保護を提供するために使用される。保護膜(ラベルとも呼ばれる)は、弾性材料から形成され、ヒンジスパンと一致する長さを有する。ラベルが真空を使用して固定具に固着されると、ラベルは固定具の輪郭及び従って電子デバイスの筐体の形状に準拠する。
【0187】
2906において、磁石は固定具(及び筐体)に準拠するように成形された第1の表面においてラベルに取り付けられる。一実施形態において、ラベル及び磁石は接着剤を使用して互いに貼り付けられる。別の実施形態において、ラベルは硬化した時にラベルを磁石に取り付けられる接着剤に含浸した内部接着層を有することができる。2908において、磁気分路は磁石及びラベルアセンブリに貼り付けられる。磁気分路は、スチール等の磁気活性材料から形成される。磁気分路は、最初は筐体とヒンジスパンとの間の係合面から離れる方向に向けられる磁石からの磁力線と相互作用してもよい。磁気分路は、磁石及び係合面に向かう方向に磁力線の少なくとも一部の向きを変更することにより磁力線と相互作用してもよい。向きを変更された磁力線は係合面における磁束密度を増加でき、それによりヒンジスパンと電子デバイスの磁気素子との間の有効な磁気吸引力を増加する。
【0188】
2910において、ヒンジスパンのケースは磁気分路に貼り付けられる。ヒンジスパンのケースは、ヒンジスパンを電子デバイスに磁気接続するために使用される磁気素子を支持及び保護するために使用される。尚、ヒンジスパンのケースの接続の後、ラベルはヒンジスパンのケースから突出する。これは、ラベルがヒンジスパンのケースから距離「d」だけ突出することを意味する。このように、電子デバイスの金属の筐体と金属のヒンジスパンのケースとは接触しない。
【0189】
図39は、説明する実施形態に従って磁気アタッチメントシステムで使用される磁気スタックの磁気素子の構成を判定する処理を詳細に示すフローチャートである。処理3000は、第1の構成に従う第1の複数の磁気素子を提供することにより3002で開始する。3004において、第2の構成に従う第2の複数の磁気素子が提供される。第1の構成及び第2の構成は、第1の複数の磁気素子及び第2の複数の磁気素子が適切であると考えられるあらゆる方法で配置可能であることを意味する。例えば第1の構成及び第2の構成は、物理的なサイズ、磁気極性、磁気強度及び他の磁気素子に対する相対位置等に関連してもよい。次の3006において、有効な磁力は、一実施形態において第1の複数の磁気素子及び第2の複数の磁気素子の各々を互いに対して位置付けることにより生成される。この時、同一の極性を有する対応する磁気素子は負の磁力(反発磁力)を生成し、反対の極性を有する対応する磁気素子は正の磁力(磁気吸引力)を生成する。3008において、第1の複数の磁気素子及び第2の複数の磁気素子の対応する磁気素子の各々に対する有効な磁力の合計が判定される。上述したように、いくつかの磁気素子が負の磁力を生成し且つ他の磁気素子が同一位置に対して正の磁力を生成するため、有効な磁力の合計は正、負又は0(正の磁力及び負の磁力は互いに打ち消し合い、全体的に有効な磁力を与えないことを示す)であってもよい。
【0190】
3010において、有効な合計磁力の最大値と有効な合計磁力の第1の極大値との間の差分が判定される。例えば図13に示したように、最大値は、約8Aの有効な合計磁力に対応する(「A」は単位磁気吸引力であり、「8A」は「+8」と等しく、「+」は吸引力を示す)。更に有効な合計の第1の極大値は約4Aであり、有効な合計の第2の極大値は約1Aである。弱い磁気吸引を結果として与える「偽活性」を回避するために、有効な合計磁力の最大値と有効な合計磁力の第1の極大値との間の差分は、磁気アタッチメントシステムが有効な合計磁力の最大値(最強の有効な磁気吸引を表す)及び有効な合計磁力の第1の極大値(弱い有効な磁気吸引を表す)において平衡する確率を示せる。
【0191】
従って、3012で差分が受け入れ可能である(最大値が適当な均衡点であることを意味する)場合、処理3000は終了する。受け入れ可能でない場合、3014において磁気素子の構成が変更され、更なる評価のために制御が3006に直接渡される。
【0192】
図40は、電子デバイスにより利用された機能モジュールの構成3100を示すブロック図である。電子デバイスは、例えばタブレットデバイス1100であってもよい。構成3100は、ポータブルメディアデバイスのユーザに対してメディアを出力でき且つ更にデータ記憶装置3104に対してデータを格納及び検索できる電子デバイス3102を含む。構成3100は、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)マネージャ3106を更に含む。GUIマネージャ3106は、表示装置に提供され且つ表示される情報を制御するように動作する。構成3100は、ポータブルメディアデバイスとアクセサリデバイスとの間の通信を容易にする通信モジュール3108を更に含む。また、構成3100は、ポータブルメディアデバイスに結合可能なアクセサリデバイスからのデータを認証及び取得するように動作するアクセサリマネージャ3110を含む。
【0193】
図41は、説明する実施形態と共に使用するのに適切な電子デバイス3150を示すブロック図である。電子デバイス3150は、代表的なコンピューティングデバイスの回路網を示す。電子デバイス3150は、電子デバイス3150の全体の動作を制御するマイクロプロセッサ又はコントローラに関係するプロセッサ3152を含む。電子デバイス3150は、ファイルシステム3154及びキャッシュ3156のメディアアイテムに関するメディアデータを格納する。ファイルシステム3154は、一般に記憶ディスク又は複数のディスクである。ファイルシステム3154は、一般に電子デバイス3150に対する大容量記憶機能を提供する。しかし、ファイルシステム3154へのアクセス時間が相対的に遅いため、電子デバイス3150はキャッシュ3156を更に含むことができる。キャッシュ3156は、例えば半導体メモリにより提供されたランダムアクセスメモリ(RAM)である。キャッシュ3156への相対的なアクセス時間は、実質的にファイルシステム3154に対するアクセス時間より短い。しかし、キャッシュ3156はファイルシステム3154の大きな記憶容量を有さない。更にファイルシステム3154は、活性化している時、キャッシュ3156より多くの電力を消費する。電力消費は、電子デバイス3150がバッテリ3174により電力供給されるポータブルメディアデバイスである場合に問題となることが多い。電子デバイス3150は、RAM3170及び読み出し専用メモリ(ROM)3172を更に含むことができる。ROM3172は、不揮発性メモリで実行されるプログラム、ユーティリティ又はプロセスを格納できる。RAM3170は、キャッシュ3156等の揮発性データ記憶装置を提供する。
【0194】
電子デバイス3150は、電子デバイス3150のユーザが電子デバイス3150と対話できるようにするユーザ入力デバイス3158を更に含む。例えばユーザ入力デバイス3158は、ボタン、キーパッド、ダイヤル、タッチスクリーン、オーディオ入力インタフェース、映像/画像撮影入力インタフェース、センサデータの形式の入力等の種々の形態をとることができる。更に電子デバイス3150は、ユーザに対して情報を表示するためにプロセッサ3152により制御されるディスプレイ3160(スクリーンディスプレイ)を含む。データバス3166は、少なくともファイルシステム3154と、キャッシュ3156と、プロセッサ3152と、CODEC3163との間のデータ転送を容易にできる。
【0195】
一実施形態において、電子デバイス3150は、ファイルシステム3154に複数のメディアアイテム(例えば、曲、ポッドキャスト等)を格納する。ユーザが電子デバイスに特定のメディアアイテムを再生させたい場合、利用可能なメディアアイテムのリストがディスプレイ3160に表示される。ユーザ入力デバイス3158を使用して、ユーザは利用可能なメディアアイテムのうちの1つを選択できる。プロセッサ3152は、特定のメディアアイテムの選択を受信すると、その特定のメディアアイテムに対するメディアデータ(例えば、オーディオファイル)を符号器/復号器(CODEC)3163に供給する。CODEC3163は、スピーカ3164に対してアナログ出力信号を生成する。スピーカ3164は、電子デバイス3150の内部又は電子デバイス3150の外部のスピーカであってもよい。例えば、電子デバイス3150に接続するヘッドホン又はイヤホンは外部スピーカと考えられる。
【0196】
電子デバイス3150は、データリンク3162に結合するネットワーク/バスインタフェース3161を更に含む。データリンク3162により、電子デバイス3150はホストコンピュータ又はアクセサリデバイスに結合できる。データリンク3162は、有線接続又は無線接続を介して提供される。無線接続の場合、ネットワーク/バスインタフェース3161は無線送受信機を含むことができる。メディアアイテム(メディア資産)は、1つ以上の異なる種類のメディアコンテンツに関係してもよい。一実施形態において、メディアアイテムはオーディオトラック(例えば、曲、オーディオブック及びポッドキャスト)である。別の実施形態において、メディアアイテムは画像(例えば、写真)である。しかし、他の実施形態において、メディアアイテムはオーディオ、図形又は視覚的コンテンツのいかなる組み合わせであってもよい。センサ3176は、任意の数の刺激を検出する回路網の形態をとることができる。例えばセンサ3176は、外部磁界に応答可能なホール効果センサ、オーディオセンサ及び光度計等の光センサ等を含むことができる。
【0197】
図39は、電子デバイスにより利用された機能モジュールの構成3000を示すブロック図である。電子デバイスは、例えばタブレットデバイス1100であってもよい。構成3100は、ポータブルメディアデバイスのユーザに対してメディアを出力でき、更にデータ記憶装置3004に対してデータを格納及び検索できる電子デバイス3002を含む。構成3000は、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)マネージャ3006を更に含む。GUIマネージャ3006は、表示装置に提供され、表示される情報を制御するように動作する。構成3000は、ポータブルメディアデバイスとアクセサリデバイスとの間の通信を容易にする通信モジュール3008を更に含む。また、構成3000は、ポータブルメディアデバイスに結合可能なアクセサリデバイスからのデータを認証及び取得するように動作するアクセサリマネージャ3010を含む。
【0198】
図40は、説明する実施形態と共に使用するのに適切な電子デバイス3050を示すブロック図である。電子デバイス3050は、代表的なコンピューティングデバイスの回路網を示す。電子デバイス3050は、電子デバイス3050の全体の動作を制御するマイクロプロセッサ又はコントローラに関係するプロセッサ3052を含む。電子デバイス3050は、ファイルシステム3054及びキャッシュ3056のメディアアイテムに関するメディアデータを格納する。ファイルシステム3054は、一般に記憶ディスク又は複数のディスクである。ファイルシステム3054は、一般に電子デバイス3050に対する大容量記憶機能を提供する。しかし、ファイルシステム3054へのアクセス時間が相対的に遅いため、電子デバイス3050はキャッシュ3056を更に含むことができる。キャッシュ3056は、例えば半導体メモリにより提供されたランダムアクセスメモリ(RAM)である。キャッシュ3056への相対的なアクセス時間は、実質的にファイルシステム3054に対するアクセス時間より短い。しかし、キャッシュ3056はファイルシステム3054ほどの大きな記憶容量を有さない。更にファイルシステム3054がアクティブな場合、キャッシュ3056より多くの電力を消費する。電力消費は、電子デバイス3050がバッテリ3074により電力供給されるポータブルメディアデバイスである場合に問題となることが多い。電子デバイス3050は、RAM3070及び読み出し専用メモリ(ROM)3072を更に含むことができる。ROM3072は、不揮発性メモリで実行されるプログラム、ユーティリティ又はプロセスを格納できる。RAM3070は、キャッシュ3056等の揮発性データ記憶装置を提供する。
【0199】
電子デバイス3050は、電子デバイス3050のユーザが電子デバイス3050と対話できるようにするユーザ入力デバイス3058を更に含む。例えばユーザ入力デバイス3058は、ボタン、キーパッド、ダイヤル、タッチスクリーン、オーディオ入力インタフェース、視覚的/画像撮影入力インタフェース、センサデータの形式の入力等の種々の形態をとることができる。更に電子デバイス3050は、ユーザに対して情報を表示するためにプロセッサ3052により制御されるディスプレイ3060(スクリーンディスプレイ)を含む。データバス3066は、少なくともファイルシステム3054と、キャッシュ3056と、プロセッサ3052と、CODEC3063との間のデータ転送を容易にできる。
【0200】
一実施形態において、電子デバイス3050は、ファイルシステム3054に複数のメディアアイテム(例えば、曲、ポッドキャスト等)を格納する。ユーザが電子デバイスに特定のメディアアイテムを再生させたい場合、利用可能なメディアアイテムのリストがディスプレイ3060に表示される。ユーザ入力デバイス3058を使用して、ユーザは利用可能なメディアアイテムのうちの1つを選択できる。プロセッサ3052は、特定のメディアアイテムの選択を受信すると、その特定のメディアアイテムに対するメディアデータ(例えば、オーディオファイル)を符号器/復号器(CODEC)3063に供給する。CODEC3063は、スピーカ3064に対してアナログ出力信号を生成する。スピーカ3064は、電子デバイス3050の内部又は電子デバイス3050の外部のスピーカであってもよい。例えば、電子デバイス3050に接続するヘッドホン又はイヤホンは外部スピーカと考えられる。
【0201】
電子デバイス3050は、データリンク3062と結合するネットワーク/バスインタフェース3061を更に含む。データリンク3062により、電子デバイス3050はホストコンピュータ又はアクセサリデバイスに結合できる。データリンク3062は、有線接続又は無線接続を介して提供される。無線接続の場合、ネットワーク/バスインタフェース3061は無線送受信機を含むことができる。メディアアイテム(メディア資産)は、1つ以上の異なる種類のメディアコンテンツに関係してもよい。一実施形態において、メディアアイテムはオーディオトラック(例えば、曲、オーディオブック及びポッドキャスト)である。別の実施形態において、メディアアイテムは画像(例えば、写真)である。しかし、他の実施形態において、メディアアイテムはオーディオ、図形又は視覚的コンテンツのいかなる組み合わせであってもよい。センサ3076は、任意の数の刺激を検出する回路網の形態をとることができる。例えばセンサ3076は、外部磁界に応答可能なホール効果センサ、オーディオセンサ及び光度計等の光センサ等を含むことができる。
【0202】
磁気アタッチメント機構は、少なくとも2つのオブジェクトを磁気接続するために使用される。オブジェクトは、多くの形態をとることができ且つ多くの機能を実行できる。オブジェクトは、互いに磁気接続される場合、連携システムを形成するために互いに通信し且つ相互作用してもよい。連携システムは、別個のオブジェクトが個々に提供できない動作を実行でき且つ機能を提供できる。例えば少なくとも第1のオブジェクト及び第2のオブジェクトは、第1のオブジェクトが第2のオブジェクトに対して支持機構を提供するように構成されるように互いに磁気接続される。支持機構は、本質的には機械的である。例えば第1のオブジェクトは、テーブル等の作業面上に第2のオブジェクトを支持するために使用されるスタンドの形態をとることができる。別の例において、第1のオブジェクトは懸架装置の形態をとることができる。従って、第1のオブジェクトは、映像、写真等の静止画及び美術品等の視覚的コンテンツを提示するディスプレイとして使用される第2のオブジェクトを懸架するために使用される。更に支持機構は、第2のオブジェクトを都合良く握持又は保持するためのハンドルとして使用される。この構成は、第2のオブジェクトが画像(静止画又は映像)、テキスト(電子書籍における)等の視覚的コンテンツを提示できるか又は撮像機能を有する場合に特に有用である。撮像機能を有する場合、第2のオブジェクトは、スチールカメラ又はビデオカメラ等の撮像装置として使用され、第1のオブジェクトは三脚又はハンドル等の支持部としての役割を果たすように構成される。
【0203】
説明した実施形態は多くの形態をとることができる。例えば第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとの間が接続され、第1のオブジェクト及び第2のオブジェクトは電子デバイスの形態をとることができる。電子デバイスは、電子デバイスが互いに通信できる連携電子システムを形成するために互いに磁気接続される。この通信の一部として、情報は第1の電子デバイスと第2の電子デバイスとの間で渡される。情報の全て又は一部は、処理の性質に依存して第1の電子デバイス又は第2の電子デバイスにおいて処理される。このように、連携電子システムは、互いに磁気接続され且つ通信している複数の電子デバイスを有するという相乗効果を利用できる。一実現例において、通信はBluetooth(登録商標)(BT)、GSM(登録商標)、CDMA及びWiFi等のあらゆる適切な無線通信プロトコルを使用して無線で行われる。
【0204】
連携電子システムは、電子デバイスのアレイの形態をとることができる。一実施形態において、電子電場椅子のアレイは単一の統合ディスプレイ(モザイクの線に沿う)として動作できる。別の実施形態において、電子デバイスのアレイは単一の機能又は機能の集合(仮想キーボード等)を提供できる。更に別の実施形態において、少なくとも1つの電子デバイスは磁気アタッチメント機構を使用して電子デバイスに接続される電源の形態をとることができる。電源は、電流を電子デバイスに提供するために、電源ポート等の機械接続又は場合によっては磁気充電機構を利用できる。電流は、必要に応じてバッテリを充電するために使用され、その一方で連携電子システムを動作させるために電力を提供する。提供された電力は、バケットブリゲードのように1つのデバイスから別のデバイスに渡され、連携電子システムにおいて配電及びバッテリ充電レベルを均等にする。
【0205】
説明した実施形態の種々の態様、実施形態、実現例又は特徴は、別個に使用可能であるか又はあらゆる組み合わせで使用可能である。説明した実施形態の種々の態様は、ソフトウェア、ハードウェア又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせにより実現可能である。説明した実施形態は、非一時的なコンピュータ可読媒においてコンピュータ可読コードとして具体化される。コンピュータ可読媒体は、後でコンピュータシステムにより読み出し可能であるデータを格納できるあらゆるデータ記憶装置として規定される。コンピュータ可読媒体の例には、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、CD−ROM、DVD、磁気テープ及び光データ記憶装置が含まれる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読コードが分散的に格納及び実行されるようにネットワークに結合されたコンピュータシステムにわたり分散される。
【0206】
説明の目的のため、上記説明は説明した実施形態を完全に理解できるように特定の専門用語を使用した。しかし、説明した実施形態を実施するために特定の詳細が必要とされないことは、当業者には明らかとなるだろう。従って、本明細書で説明した特定の実施形態の上記説明は、例示及び説明の目的で提示される。上記説明は、実施形態を網羅する意図はなく、あるいは実施形態を開示された厳密な形態に限定する意図はない。上記教示を鑑みて多くの変更及び変形が可能であることは当業者には明らかとなるだろう。
【0207】
説明した実施形態の利点は多くある。種々の態様、実施形態又は実現例は、以下の利点のうちの1つ以上を与えられる。本発明の実施形態の多くの特徴及び利点は記載された説明から明らかであり、添付の請求の範囲が本発明のそのような機能及び利点の全てを範囲に含むことが意図される。更に、多くの変形及び変更が当業者にとって容易に行えるため、実施形態は例示及び説明したような厳密な構成及び動作に限定されるべきではない。従って、全ての適切な変形例及び均等物が本発明の範囲に入るものとして使用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセサリユニットであって、
アクセサリ本体と、
前記アクセサリ本体と回動可能に接続された磁気アセンブリであって、
第1の線に沿って第1の相対サイズの順番で互いに隣接して配置され、磁気極性が交互に入れ替わる第1の極性パターンに従って配置された第1の複数の磁気要素と、
前記第1の線に沿って第2の相対サイズの順番で互いに隣接して配置され、磁気極性が交互に入れ替わる第2の極性パターンに従って配置された第2の複数の磁気要素とを備える磁気アセンブリと
を備え、
前記磁気アセンブリは、前記アクセサリユニットをホストユニットの第1の部分と磁気接続させるように構成されていることを特徴とするアクセサリユニット。
【請求項2】
前記第1の相対サイズの順番及び前記第2の相対サイズの順番、並びに前記第1の極性パターン及び前記第2の極性パターンは、互いに補完し合うことを特徴とする請求項1に記載のアクセサリユニット。
【請求項3】
前記第1の極性パターンは{P1,P2,P1}であり、前記第2の極性パターンは{P2,P1,P2}であり、P1は第1の極性であり、P2は逆の極性であることを特徴とする請求項1または2に記載のアクセサリユニット。
【請求項4】
前記第1の相対サイズの順番は{2L,1L,1L}であり、前記第2の相対サイズの順番は{1L,1L,2L}であり、1Lは有効な単位磁石長に対応し、2Lは前記有効な単位磁石長の約2倍に対応することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のアクセサリユニット。
【請求項5】
2Lの磁気要素は、第1の極性P1を有する第1の1Lの磁気要素であって、前記第1の極性P1を有する第2の1Lの磁気要素に近接する磁気要素の構成を備え、前記第1の1Lの磁気要素と近接する第2の1Lの磁気要素とは、外部から適用される力により相互反発磁力に逆らってまとめられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のアクセサリユニット。
【請求項6】
前面開口を有する筐体と、
前記筐体で囲まれ、前記第1及び第2の磁気要素の後方部分に取り付けられた磁気分路とを更に備え、
前記磁気分路は、磁力線の少なくとも一部を前記筐体の背面から離れ前記前面開口に向かうようにリダイレクトし、それにより磁束密度が前記第1及び第2の複数の磁気要素と前記ホストユニットの対応する磁気要素の間で増加する、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のアクセサリユニット。
【請求項7】
前記磁気分路の第1の端に挿入される第1のエンドプラグと、
前記磁気分路の第2の端に挿入される第2のエンドプラグと
を更に備え、
前記第1のエンドプラグと前記第2のエンドプラグとは、前記2Lの磁気要素の構成を維持するために利用される前記外部から適用される力を提供し、
異なる磁気極性を有する近接し合う磁気要素は、相互に吸引し合う磁力によってまとめられている
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のアクセサリユニット。
【請求項8】
前記磁気アセンブリは、
前記筐体の一方の端に回動可能に接続された第1のエンドラグと、
前記筐体の逆の端に回動可能に接続された第2のエンドラグと、
前記第1のエンドラグと前記第2のエンドラグを接続する硬質の接続棒と、
前記硬質の接続棒を収容する大きさを有するカラーと
を更に備え、
前記第1のエンドラグ、前記第2のエンドラグ及び前記筐体は、第1の回動線について回動し、
前記カラーと前記硬質の接続棒は、前記アクセサリ本体の開口に挿入され、
前記硬質の接続棒は、前記第1のエンドラグ、前記第2のエンドラグ及び前記筐体が回動する、前記第1の回動線とは異なる第2の回動線を形成する
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のアクセサリユニット。
【請求項9】
前記アクセサリ本体は、
前記アクセサリユニットを前記ホストユニットの前記第1の部分から離れた第2の部分に磁気接続させるために、前記磁気アセンブリと協働する第1の磁気要素を備え、
前記アクセサリ本体は、前記ホストユニットの前記第2の部分に対応する大きさと形状とを有する
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のアクセサリユニット。
【請求項10】
前記ホストユニットの前記第1の部分は側壁であり、前記ホストユニットの前記第2の部分は上面であることを特徴とする請求項9に記載のアクセサリユニット。
【請求項11】
前記第1の磁気要素は、複数の交番極性磁気コンポーネントを備えることを特徴とする請求項10に記載のアクセサリユニット。
【請求項12】
前記複数の交番極性磁気コンポーネントの少なくとも1つは、前記アクセサリユニットを前記ホストユニットに磁気接続させるために使用されないことを特徴とする請求項11に記載のアクセサリユニット。
【請求項13】
前記少なくとも1つの磁気コンポーネントは、前記アクセサリ本体が前記ホストユニットに磁気接続した場合に、前記ホストユニットのセンサによって検出されることを特徴とする請求項12に記載のアクセサリユニット。
【請求項14】
センサは、前記アクセサリ本体が前記ホストユニットに磁気接続されたかどうかに基づいて、前記ホストユニットの動作状態を変更させることを特徴とする請求項12又は13に記載のアクセサリユニット。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23】
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【図24A】
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【図24B】
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【図25A】
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【図25B】
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【図26A】
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【図26B】
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【図27A】
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【図27B】
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【図27C】
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【図28A】
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【図28B】
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【図28C】
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【図28D】
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【図29】
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【図30】
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【図31A】
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【図31B】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【公開番号】特開2013−80268(P2013−80268A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−200977(P2011−200977)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【分割の表示】特願2012−534448(P2012−534448)の分割
【原出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(503260918)アップル インコーポレイテッド (568)
【Fターム(参考)】