説明

磁気エネルギー回生スイッチ装置、磁気エネルギー回生スイッチ制御方法、及び、プログラム

【課題】電力損失の少ない磁気エネルギー回生スイッチ装置、磁気エネルギー回生スイッチ制御方法、及び、プログラムを提供する。
【解決手段】磁気エネルギー回生スイッチ装置1は、フルブリッジ型MERS100と、制御回路200と、コンデンサCMと、から構成される。フルブリッジ型MERS100は逆導通型半導体スイッチSW1〜SW4がブリッジ接続され、直流端子DC間にコンデンサCMが接続される。逆導通型半導体スイッチSW1乃至4は制御回路200によってON・OFFを制御される。制御回路200は、逆導通型半導体スイッチSW2,3をONし、逆導通型半導体スイッチSW2,3をONした後に逆導通型半導体スイッチSW1,4をONする。また、制御回路200は逆導通型半導体スイッチSW2,3をOFFし、逆導通型半導体スイッチSW2,3をOFFした後に逆導通型半導体スイッチSW1,4をOFFする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気エネルギー回生スイッチ装置、磁気エネルギー回生スイッチ制御方法、及び、プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
磁気エネルギーを蓄積・回生できる、順逆両方向の電流を制御するスイッチ回路として、フルブリッジ型の磁気エネルギー回生スイッチ(MERS:Magnetic Energy Recovery Switch)(以下、「フルブリッジ型MERS」と呼称する。)が知られている。
【0003】
フルブリッジ型MERSは、4つの逆導通型半導体スイッチと1つのコンデンサで構成される。4つの逆導通型半導体スイッチは、ブリッジ回路の態様に接続され、ブリッジ回路の直流端子間に、コンデンサが接続される。フルブリッジ型MERSは、4つの逆導通型半導体スイッチを制御することによって、フルブリッジ型MERSを通過する電流を制御することが可能である。
【0004】
特許文献1に、フルブリッジ型MERSを構成する4つの逆導通型半導体スイッチのうち、2つの逆導通型半導体スイッチを常にOFFにし、他の2つの逆導通型半導体スイッチを同時にON・OFFすることによって、順逆両方向の電流の導通・遮断を制御するMERSが、開示されている。
【0005】
このフルブリッジ型MERSは、4つ逆導通型半導体スイッチのうち、対角線上に位置する2つの逆導通型半導体スイッチをそれぞれペアにする。この2つのペアのうち、導通する電流の向きに応じて、片方のペアは常にOFFにし、他方のペアの逆導通型半導体スイッチのON・OFFを制御する。
この他方のペアがONだと電流は導通し、OFFだと電流は遮断される。
【0006】
このペアの逆導通型半導体スイッチがONからOFFになると、即座には電流は遮断されず、負荷のインダクタンスに蓄積された磁気エネルギーによる遅れ電流が生じる。フルブリッジ型MERSのコンデンサは、磁気エネルギーによる遅れ電流を吸収し、電荷を蓄積する。
電流を遮断するためOFFにされたペアの逆導通型半導体スイッチが再びONになると、電源により電圧が印加されるとともに、コンデンサに蓄積された電荷が放電され、磁気エネルギーは回生される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3634982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載のフルブリッジ型MERSは、逆導通型半導体スイッチを構成するダイオードに電流が流れることで、ダイオードの順方向電圧降下による電力損失が生じる。
【0009】
したがって、OFFの逆導通型半導体スイッチに電流が流れないように制御する必要がある。
【0010】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、フルブリッジ型MERSを構成するOFFの逆導通型半導体スイッチに電流が流れることなく、順逆両方向の電流の導通・遮断を制御する磁気エネルギー回生スイッチ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の第一の観点に係る磁気エネルギー回生スイッチ装置は、
直流電源と誘導性負荷の間に直列に挿入され、第1の交流端子には第1のダイオードのアノードと第2のダイオードのカソードが接続され、前記第1のダイオードのカソードには第3のダイオードのカソードとコンデンサの正極が接続され、前記第2のダイオードのアノードには第4のダイオードのアノードと前記コンデンサの負極が接続され、前記第3のダイオードのアノードと前記第4のカソードとが第2の交流端子に接続され、前記第1のダイオードに第1の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第2のダイオードに第2の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第3のダイオードに第3の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第4のダイオードに第4の自己消弧型素子が並列に接続され、各前記自己消弧型素子のON・OFFが切り替わることによって、前記誘導性負荷のインダクタンスに蓄えられた磁気エネルギーを前記コンデンサで静電エネルギーとして蓄積・回生する磁気エネルギー回生スイッチと、
各前記自己消弧型素子のON・OFFを制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記第1の自己消弧型素子と前記第4の自己消弧型素子とのペアと、前記第2の自己消弧型素子と前記第3の自己消弧型素子とのペアと、の二組のペアのうち、一方のペアをONにした後に他方のペアをONにし、一方のペアをOFFにした後に他方のペアをOFFにする、
ことを特徴とする。
【0012】
例えば、前記制御手段は、一方の前記ペアをONにすると、当該ペアをONした後に前記誘導性負荷に流れる電流が略0になると、他方の前記ペアをOFFにしてもよい。
【0013】
また、例えば、前記制御手段は、一方の前記ペアをOFFにすると、当該ペアをOFFした後に前記コンデンサの電圧が略0になると、他方の前記ペアをOFFにしてもよい。
【0014】
例えば、各前記ダイオードは、並列に接続される前記自己消弧型素子に内蔵される寄生ダイオードであってもよい。
【0015】
また、本発明の第二の観点に係る磁気エネルギー回生スイッチ制御方法は、
直流電源と誘導性負荷の間に直列に挿入され、第1の交流端子には第1のダイオードのアノードと第2のダイオードのカソードが接続され、前記第1のダイオードのカソードには第3のダイオードのカソードとコンデンサの正極が接続され、前記第2のダイオードのアノードには第4のダイオードのアノードと前記コンデンサの負極が接続され、前記第3のダイオードのアノードと前記第4のカソードとが第2の交流端子に接続され、前記第1のダイオードに第1の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第2のダイオードに第2の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第3のダイオードに第3の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第4のダイオードに第4の自己消弧型素子が並列に接続され、各前記自己消弧型素子のON・OFFが切り替わることによって、前記誘導性負荷のインダクタンスに蓄えられた磁気エネルギーを前記コンデンサで静電エネルギーとして蓄積・回生する磁気エネルギー回生スイッチにおいて、
前記第1の自己消弧型素子と前記第4の自己消弧型素子とのペアと、前記第2の自己消弧型素子と前記第3の自己消弧型素子とのペアと、の二組のペアのうち、一方のペアをONにすると、当該ペアをONした後に他方のペアをONにし、一方のペアをOFFにすると、当該ペアをOFFした後に他方のペアをOFFにする、
ことを特徴とする。
【0016】
また、本発明の第三の観点に係るプログラムは、
直流電源と誘導性負荷の間に直列に挿入され、第1の交流端子には第1のダイオードのアノードと第2のダイオードのカソードが接続され、前記第1のダイオードのカソードには第3のダイオードのカソードとコンデンサの正極が接続され、前記第2のダイオードのアノードには第4のダイオードのアノードと前記コンデンサの負極が接続され、前記第3のダイオードのアノードと前記第4のカソードとが第2の交流端子に接続され、前記第1のダイオードに第1の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第2のダイオードに第2の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第3のダイオードに第3の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第4のダイオードに第4の自己消弧型素子が並列に接続され、各前記自己消弧型素子のON・OFFが切り替わることによって、前記誘導性負荷のリアクタンスに蓄えられた磁気エネルギーを前記コンデンサで静電エネルギーとして蓄積・回生する磁気エネルギー回生スイッチの前記第1乃至4の自己消弧型素子のON・OFFを制御するためのプログラムであって、
コンピュータに、
前記第1の自己消弧型素子と前記第4の自己消弧型素子とのペアと、前記第2の自己消弧型素子と前記第3の自己消弧型素子とのペアと、の二組のペアのうち、一方のペアをONにした後に他方のペアをONにするステップと、
一方のペアをOFFにした後に他方のペアをOFFにするステップと、
を実行させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、低損失で順逆両方向の電流の導通・遮断を切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る磁気エネルギー回生スイッチ装置の構成を示す回路図である。
【図2】本発明に係る磁気エネルギー回生スイッチ装置の接続例を示す回路図である。
【図3】特許文献1に記載のMERSの状態遷移図である。
【図4】本発明に係る磁気エネルギー回生スイッチ装置の、スイッチの制御方法を説明するための図である。
【図5】本発明に係る磁気エネルギー回生スイッチ装置の状態遷移図である。
【図6】遮断状態から導通状態にする場合の逆導通型半導体スイッチSW1乃至4のON・OFFの推移を示す図である。
【図7】導通状態から遮断状態にする場合の逆導通型半導体スイッチSW1乃至4のON・OFFの推移を示す図である。
【図8】逆導通型半導体スイッチSW1乃至4のON・OFFに対する逆導通型半導体スイッチSW3の電流・電圧の変化を示す図である。
【図9】本発明に係る磁気エネルギー回生スイッチ装置の応用例を示す図である。
【図10】本発明に係る磁気エネルギー回生スイッチ装置の応用例を示す図である。
【図11】本発明に係る磁気エネルギー回生スイッチ装置の応用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態に係る磁気エネルギー回生スイッチ装置を、図面を参照して説明する。
【0020】
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る磁気エネルギー回生スイッチ装置1を説明する。
磁気エネルギー回生スイッチ装置1は、逆導通型半導体スイッチSW1乃至4と、制御回路200と、コンデンサCMと、端子101,102と、から構成される。
【0021】
逆導通型半導体スイッチSW1乃至4は、パワーMOSFET(MetalOxide Semiconductor Field Effect Transistor)であり、スイッチ部SSW1乃至4と、スイッチ部SSW1乃至4に並列に接続されたダイオード部DSW1乃至4とから構成されている。
【0022】
スイッチ部SSW1乃至4は、ゲートGSW1乃至4を備え、ゲートGSW1乃至4に閾値電圧以上の電圧を印加するとONし、ソース・ドレイン間の電流路が導通する。一方、ゲートGSW1乃至4に印加する電圧が閾値電圧未満の場合には、スイッチ部SSW1乃至4はOFFし、ダイオード部DSW1乃至4により、逆導通型半導体スイッチSW1乃至4がダイオードとして機能する。
なお、本実施形態では、逆導通型半導体スイッチSW1乃至4のオン抵抗は0.2Ω、OFFの場合のドロップ電圧(寄生ダイオードの順方向電圧)は1.2Vである。
【0023】
逆導通型半導体スイッチSW1乃至4は、交流端子AC1にダイオード部DSW1のアノードとダイオード部DSW2のカソードとに接続され、直流端子DCPにダイオード部DSW1のカソードとダイオード部DSW3のカソードとコンデンサCMの正極が接続され、直流端子DCNにダイオード部DSW2のアノードとダイオード部DSW4のアノードとコンデンサCMの負極が接続され、ダイオード部DSW3のアノードとダイオード部DSW4のカソードとが交流端子AC2に接続される。
【0024】
制御回路200は、逆導通型半導体スイッチSW1乃至4のON・OFFを制御する装置である。制御回路200の4つの出力端は、対応する逆導通型半導体スイッチSW1乃至4のゲートGSW1乃至4に接続され、ゲートGSW1乃至4にゲート電圧を印加する。
逆導通型半導体スイッチSW1乃至4はそれぞれ、制御回路200から出力されるゲート電圧によって、ON・OFFが切り替わる。
【0025】
図2は、磁気エネルギー回生スイッチ装置1の接続例を示すものである。
【0026】
コンデンサCMは、本実施形態では、容量が1マイクロFの有極性コンデンサである。
端子101には、本実施形態では、出力電圧が10Vの直流電源300が接続されている。
端子102には、本実施形態では、100マイクロHのインダクタンスLと10Ωの抵抗Rとから構成された誘導性負荷400が接続されている。
【0027】
特許文献1に記載のフルブリッジ型MERSは、本実施形態に係る磁気エネルギー回生スイッチ装置1のフルブリッジ型MERS100と同様の構成をしている。しかし、特許文献1に記載のフルブリッジ型MERSと磁気エネルギー回生スイッチ装置1のフルブリッジ型MERS100では、逆導通型半導体スイッチSW1乃至4のON・OFFの切り替える方法が異なる。
特許文献1に記載のフルブリッジ型MERSは、例えば、交流端子AC1側から交流端子AC2側に流れる電流の導通・遮断を切り替える場合、逆導通型半導体スイッチSW2と逆導通型半導体スイッチSW3のON・OFFを同時に切り替える。逆導通型半導体スイッチSW1と逆導通型半導体スイッチSW4はOFF状態を維持する。
【0028】
特許文献1に記載のフルブリッジ型MERSに対して、本発明の磁気エネルギー回生スイッチ装置1は、電流を導通させる場合、逆導通型半導体スイッチSW1及びSW4のペアと、逆導通型半導体スイッチSW2及び3のペアと、のうち、片方のペアをONした後に他方のペアもONにし、電流を遮断させる場合、片方のペアをOFFした後に他方のペアもOFFにする。
【0029】
特許文献1に記載のフルブリッジ型MERSと、本実施形態に係る磁気エネルギー回生スイッチ装置1の効果の違いを容易に理解するために、まず、特許文献1に記載のフルブリッジ型MERSについて詳細に説明する。
【0030】
特許文献1に記載のフルブリッジ型MERSは、図3(a)〜(d)に示す、(a)通電状態,(b)充電状態,(c)遮断状態,(d)放電状態の4つの状態を遷移する。
【0031】
なお、図3の逆導通型半導体スイッチSW1乃至4の表記において、電流の流れ方をわかりやすくするため、逆導通型半導体スイッチSW1乃至4は、電流の流れる部分を実線で、流れない部分を点線で表記してある。また、理解を容易にするため、制御回路200と端子101,102と直流電源300とインダクタンスLと抵抗Rを図示していない。
【0032】
フルブリッジ型MERS100に接続された誘導性負荷400に直流電源300からの電力を供給する場合、例えば、ユーザは制御回路200にオンを指示する。制御回路200は、この指示に応答し、逆導通型半導体スイッチSW2,SW3を同時にONする。すると、フルブリッジ型MERSは図3(a)の導通状態になり、OFFの逆導通型半導体スイッチSW1とONの逆導通型半導体スイッチSW3との直列回路から構成される流路とONの逆導通型半導体スイッチSW2とOFFの逆導通型半導体スイッチSW4との直列回路から構成される流路との並列回路を介して、誘導性負荷400に電流が供給される。
【0033】
図3(a)の導通状態において、誘導性負荷400への電力の供給をオフしたい場合、例えば、ユーザは制御回路200にオフを指示する。制御回路200は、この指示に応答し、逆導通型半導体スイッチSW2及びSW3を同時にOFFする。すると、フルブリッジ型MERS100には、誘導性負荷400による遅れ電流が流れ、コンデンサCMが、それまで誘導性負荷400のインダクタンスLに蓄積されていた磁気エネルギーを(静電エネルギーに変換して)蓄積し始め、図3(b)に示す充電状態になる。
この充電状態では、遅れ電流は、OFFの逆導通型半導体スイッチSW1を流れ、コンデンサCMを充電し、OFFの逆導通型半導体スイッチSW4を介して負荷に流れる。
【0034】
遅れ電流が流れ終わると、フルブリッジ型MERS100は、図3(c)に示す遮断状態になる。遮断状態では、フルブリッジ型MERS100を通過する電流は遮断され、コンデンサCMは蓄積した静電エネルギーを保持する。
【0035】
図3(c)の遮断状態において、誘導性負荷400に電力を再度供給したい場合、例えば、ユーザは、制御回路200にオンを指示する。制御回路200は、この指示に応答し、まず、逆導通型半導体スイッチSW2とSW3を同時にONする。すると、フルブリッジ型MERS100は、図3(d)に示す放電状態になる。すると、電流は、ONになった逆導通型半導体スイッチSW2,SW3を通り、誘導性負荷400に流れる。また、直流電源300から供給される電流に加え、コンデンサCMに蓄積された電荷が放電されたことに起因する電流が誘導性負荷400を流れる。コンデンサCMから電荷が放電されたことによる電流が誘導性負荷400を流れることによって、磁気エネルギーが回生される。
【0036】
しかし、図3で示したように、(a)導通状態と(b)充電状態において、OFFの逆導通型半導体スイッチSW1及び逆導通型半導体スイッチSW4の逆導通時に、電流が逆導通型半導体スイッチを構成する逆導通のためのダイオードに流れることで、ドロップ電圧が生じ、電力損失が発生する。
【0037】
実際に、図2に示す回路において、デューティ比が50%、周波数が1kHzの矩形波信号によって、逆導通型半導体スイッチSW2,3を特許文献1に記載の方法で制御した。結果、入力電力は4.53Wで、出力電力は3.96Wであった。入力電力と出力電力の差から、特許文献1に記載の方法で制御した場合の、フルブリッジ型MERS100での電力損失は0.56Wであるとわかる。
【0038】
以上が、特許文献1に記載のフルブリッジ型MERSの説明である。
【0039】
次に、本実施形態に係る磁気エネルギー回生スイッチ装置1を説明する。
磁気エネルギー回生スイッチ装置1は、特許文献1に記載のフルブリッジ型MERSにおいて、OFFの逆導通型半導体スイッチのダイオードに電流が流れて、電力損失が発生する問題を解消したものである。
【0040】
OFFの逆導通型半導体スイッチのダイオードに電流が流れないようにするため、磁気エネルギー回生スイッチ装置1では、逆導通型半導体スイッチSW1乃至4の制御方法を図4に示す制御方法に変更した。
図4は、コンデンサCMの電圧Vcに対する逆導通型半導体スイッチSW1乃至4のON・OFFを示した図であり、横軸は時刻timeである。なお、図4は、概念を示したものであり、横軸の単位を示していない。
【0041】
導通する電流を時刻T1で遮断する場合、逆導通型半導体スイッチSW2,3を時刻T1でOFFし、遅れ電流がコンデンサに流れ終わる時刻T2で、逆導通型半導体スイッチSW1,4をOFFする。
遮断している電流を時刻T3で導通させる場合、時刻T3で逆導通型半導体スイッチSW2,3をONし、コンデンサCMが放電し終わる時刻T4で逆導通型半導体スイッチSW1,4をONする。
【0042】
図4に示す制御方法で、逆導通型半導体スイッチSW1乃至4が制御されると、磁気エネルギー回生スイッチ装置1は、図5(a)〜(d)に示す(a)導通状態,(b)充電状態,(c)遮断状態,(d)放電状態の4つの状態を遷移する。
なお、図5の逆導通型半導体スイッチSW1乃至4の表記において、電流の流れ方を理解しやすくするため、電流の流れる部分を実線で、流れない部分を点線で表記してある。また、理解を容易にするため、制御回路200と、端子101,102と、直流電源300と、インダクタンスLと、抵抗Rは図示していない。
【0043】
逆導通型半導体スイッチSW1乃至4がONの場合、電流は(a)導通状態である。(a)導通状態において、電流は、ONの逆導通型半導体スイッチSW1及びONの逆導通型半導体スイッチSW3と、ONの逆導通型半導体スイッチSW2及びONの逆導通型半導体スイッチSW4と、の並列回路を流れる。
【0044】
(a)導通状態時に、例えば、ユーザは制御回路200に電流の遮断を指示したとする。制御回路200はこの指示に応答して、まず逆導通型半導体スイッチSW2及びSW3をOFFする。逆導通型半導体スイッチSW2及びSW3がOFFになると、誘導性負荷400のインダクタンスLによる遅れ電流が流れ、フルブリッジ型MERS100は磁気エネルギーを蓄積する(b)充電状態になる。
遅れ電流はONの逆導通型半導体スイッチSW1を流れ、コンデンサCMを充電する。コンデンサCMを流れる電流は、ONの逆導通型半導体スイッチSW4を通過し、誘導性負荷400に流れる。
【0045】
遅れ電流が全て流れ終わると、フルブリッジ型MERS100が(c)遮断状態になるとともに、制御回路200は逆導通型半導体スイッチSW1,4をOFFする。
(c)遮断状態では、フルブリッジ型MERS100を通過する電流は遮断され、コンデンサCMは蓄積した電荷を保持する。
【0046】
(c)遮断状態時に、例えばユーザが電流の導通を指示すると、制御回路200は、逆導通型半導体スイッチSW2,SW3をONにする。逆導通型半導体スイッチSW2,SW3がONになると、コンデンサCMの保持する電荷が放電され、フルブリッジ型MERS100は(d)放電状態になる。
逆導通型半導体スイッチSW2,SW3がONされると、フルブリッジ型MERS100を通過する電流は、ONになった逆導通型半導体スイッチSW2,SW3を通過し、誘導性負荷400に流れる。直流電源300から供給される電流に加え、コンデンサCMに蓄積された電荷が放電されたことに起因する電流が誘導性負荷400に流れる。(d)放電状態において、コンデンサCMから電荷が放電されたことによる電流が、誘導性負荷400に流れることによって、磁気エネルギーが回生される。
【0047】
コンデンサCMの放電が終わると、電流は、(a)導通状態になるとともに、逆導通型半導体スイッチSW1,SW4がONされる。逆導通型半導体スイッチSW1,SW4がONされると、電流は再び、ONの逆導通型半導体スイッチSW1及びONの逆導通型半導体スイッチSW3と、ONの逆導通型半導体スイッチSW2及びONの逆導通型半導体スイッチSW4との並列回路を流れる。
【0048】
以上、図5を参照して説明した通り、本発明に係る磁気エネルギー回生スイッチ装置1では、電流が、逆導通型半導体スイッチSW1乃至4を構成するダイオードDSW1乃至4に流れることがない。よって、OFFの逆導通型半導体スイッチSW1乃至4に逆導通の電流が流れてドロップ電圧が生じることはない。
【0049】
実際に、図2で示した本発明に係る磁気エネルギー回生スイッチ装置1を用いた回路において、図5の(c)遮断状態時に、逆導通型半導体スイッチSW2,SW3をONし、13マイクロ秒遅れて逆導通型半導体スイッチSW1,SW4をONした。その結果の、誘導性負荷400に流れる負荷電流Iload,抵抗Rに印加される電圧Vr,コンデンサの電圧Vc,逆導通型半導体スイッチSW1乃至4のON・OFFの関係は図6に示すようになった。
図6(a)は、誘導性負荷400に流れる電流である負荷電流Iloadの推移を示す図である。
図6(b)は、抵抗Rに印加される電圧である電圧Vr並びに、コンデンサCMの電圧であるコンデンサ電圧Vcの推移を示す図である。
図6(c)は、逆導通型半導体スイッチSW1乃至4のON・OFFの切り替えの推移を示す図である。なお、13マイクロ秒は、図2で示した回路において、コンデンサCMが蓄積した磁気エネルギーの回生が終わる概略の時間である。
【0050】
時刻T11において、逆導通型半導体スイッチSW2,SW3がONされると、負荷電流Iloadが流れ出す。負荷電流Iloadの変化に伴い、電圧Vrが変化する。逆導通型半導体スイッチSW2,SW3がONされると、まず、コンデンサCMに蓄積された電荷が放電されるので、コンデンサ電圧Vcが減少する。なお、逆導通型半導体スイッチSW2,SW3がONされると、直流電源300から供給される電流に加え、コンデンサCMに蓄積された電荷が放電されたことに起因する電流が流れるため、誘導性負荷400を流れる負荷電流Iloadはオーバーシュートする。
コンデンサCMの放電が完了する時刻T12において逆導通型半導体スイッチSW1,SW4をONすると、電圧Vrは、約10Vに収束する。直流電源300が10Vに対し、出力が10Vであることからも、OFFの逆導通型半導体スイッチに電流が流れることによるドロップ電圧が生じていないことがわかる。
【0051】
また、同様に、図2に示した本発明に係る磁気エネルギー回生スイッチ装置1を用いた回路において、導通状態時のある時刻T21に、逆導通型半導体スイッチSW1,SW4をOFFし、13マイクロ秒後の時刻T22に逆導通型半導体スイッチSW2,SW3をOFFした。結果、誘導性負荷400に流れる負荷電流Iload,抵抗Rに印加される電圧Vr,コンデンサの電圧Vc,逆導通型半導体スイッチSW1乃至4のON・OFFの関係は図7(a)〜(c)のようになった。
図7(a)は、誘導性負荷400に流れる電流である負荷電流Iloadの推移を示す図である。
図7(b)は、抵抗Rに印加される電圧である電圧Vr並びに、コンデンサCMの電圧であるコンデンサ電圧Vcの推移を示す図である。
図7(c)は、逆導通型半導体スイッチSW1乃至4のON・OFFの切り替えの推移を示す図である。
【0052】
時刻T21に、逆導通型半導体スイッチSW2,SW3がOFFになると、負荷電流Iloadは瞬時に遮断されるわけではなく、遅れ電流が流れていることがわかる。また、負荷電流Iloadの変化に伴い電圧Vrが変化している。逆導通型半導体スイッチSW2,3がOFFになると、コンデンサ電圧Vcが上昇していることからも、磁気エネルギーによる遅れ電流はコンデンサCMへ流れていることがわかる。
時刻T21から13マイクロ秒後の時刻T22に、逆導通型半導体スイッチSW1,SW4をOFFになった。しかし、コンデンサ電圧Vcは0でなく、放電が完了していなかった。コンデンサCMが放電を完了するのは時刻T22よりあとの時刻T23であった。
【0053】
以上、図6,7を参照して、逆導通型半導体スイッチSW2,SW3に対して13マイクロ秒後に、逆導通型半導体スイッチSW1,SW4を制御する場合の、誘導性負荷400に流れる負荷電流Iloadと,抵抗Rに印加される電圧Vrと,コンデンサの電圧Vcと,逆導通型半導体スイッチSW1乃至4のON・OFFとの関係を説明した。
【0054】
次に、本発明に係る磁気エネルギー回生スイッチ装置1の消費電力について説明する。
実際に、図1の回路において、本発明に係る磁気エネルギー回生スイッチ装置1をデューティ比が50%、周波数が1kHzの矩形波信号によって制御した場合の消費電力を測定した。また、逆導通型半導体スイッチSW4に流れる電流と印加される電圧を測定した。
なお、逆導通型半導体スイッチSW2,3と逆導通型半導体スイッチSW1,4を制御する時間の差は、図6,7で説明した時間と同じ、13マイクロ秒である。
結果得られる誘導性負荷400に流れる負荷電流Iloadと、逆導通型半導体スイッチSW3の電流・電圧と、逆導通型半導体スイッチSW1乃至4のON・OFFの切り替えの関係を図8に示す。
図8(a)は、誘導性負荷400に流れる負荷電流Iloadの推移を示す図である。
図8(b)は、逆導通型半導体スイッチSW3に流れる電流I3と、逆導通型半導体スイッチSW3に印加される電圧V3の推移を示す図である。なお、電圧V3の値は0.1倍してプロットしてある。
図8(c)は、逆導通型半導体スイッチSW1乃至4のON・OFFの切り替えの推移を示す図である。
なお、スイッチは、デューティ比が50%で、周波数が1kHzの矩形波信号によって制御されているため、時刻T33は時刻T31の0.5ミリ秒後で、時刻T34は時刻T32の0.5ミリ秒後である。
【0055】
まず、逆導通型半導体スイッチSW3を流れる電流と印加される電圧の推移について説明する。
時刻T31に、逆導通型半導体スイッチSW2,SW3はONされる。なお、時刻T31以前は、逆導通型半導体スイッチSW3はOFFなので、電圧V3が印加されるが、電流I3は流れない。時刻T31に、逆導通型半導体スイッチSW2,SW3がONされると、逆導通型半導体スイッチSW3にかかる電圧V3は、略0になり、逆導通型半導体スイッチSW3には直流電源300からの電流に加え、コンデンサCMに蓄えられていた電荷が流れる。
時刻T32に逆導通型半導体スイッチSW1,SW4がONされると、電流は、逆導通型半導体スイッチSW1側と逆導通型半導体スイッチSW2側に分流されるので、I3はほぼ半分になる。ただし、今回の場合、逆導通型半導体スイッチSW1,SW4をONするタイミングが速かったため、コンデンサCMが短絡され、時刻T32のI3にノイズが発生した。
時刻T33に逆導通型半導体スイッチSW2,3がOFFされると、逆導通型半導体スイッチSW3に流れる電流I3は遮断される。また、遅れ電流がコンデンサCMに流れることにより、コンデンサCMが充電状態になり、逆導通型半導体スイッチSW3に印加される電圧V3が上昇する。
時刻T34に逆導通型半導体スイッチSW1,4がOFFされると、逆導通型半導体スイッチSW2側に流れる電流も遮断されるため、逆導通型半導体スイッチSW3には直流電源300から約10Vの電圧が印加される。
【0056】
以上説明した通り、逆導通型半導体スイッチSW3に電流が流れるのは、逆導通型半導体スイッチSW3をONしている期間のみである。よって、逆導通型半導体スイッチSW3を電流が導通することによって消費される電力は、逆導通型半導体スイッチSW3のON抵抗によって消費される電力のみである。ON抵抗で消費される電力は、ドロップ電圧による電力損失より小さく、消費電力は低減する。
実際にデューティ比が50%で、周波数が1kHzの矩形波信号によって制御した場合の消費電力を測定した。結果、入力電力5.10Wで、出力電力が5.05Wであった。入力電力と出力電力の差から、逆導通型半導体スイッチSW1乃至4に消費された電力は0.05Wであるとわかる。
つまり、特許文献1に記載の方法で逆導通型半導体スイッチSW1乃至4を制御した場合、逆導通型半導体スイッチSW1乃至4の消費電力は0.56Wであったのに対して、本発明に係る磁気エネルギー回生スイッチ装置1の消費電力は0.05Wに低減された。
【0057】
以上説明したように、本実施形態によれば、磁気エネルギー回生スイッチにおいて、逆導通型半導体スイッチのドロップ電圧に起因する電力損失を回避しつつ、電流の導通・遮断を制御できるようになった。
【0058】
尚、本発明を実施するにあたっては、種々の形態が考えられ、上記実施形態に限られるものではない。
【0059】
例えば、上記実施形態では、逆導通型半導体スイッチSW1乃至4は、パワーMOSFETであるとして説明した。しかし、逆導通型半導体スイッチSW1乃至4は、逆導電型のスイッチであればよく、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)や、ゲートターンオフサイリスタ(GTO:Gate Turn−Off thyristor)であってもよいし、電流の導通・遮断をON・OFFするスイッチとダイオードの組み合わせでも良い。
【0060】
また、コンデンサCMは、有極性コンデンサであるとして説明した。しかし、コンデンサCMは、磁気エネルギーを吸収する容量があればよく、極性を持っていてもよい。例えば、コンデンサCMは、セラミックコンデンサや、プラスチックフィルムコンデンサであってもよい。
【0061】
また、直流電源300は出力10Vの直流電源であると説明したが、電圧源は10Vに限定されるわけではない。本発明に係る磁気エネルギー回生スイッチ装置1の耐性は、逆導通型半導体スイッチSW1乃至4の耐性に大きく依存する。
【0062】
また、本実施形態では、端子101に直流電源300を、端子102に誘導性負荷400を接続した。しかし、逆に、端子102に直流電源300を、端子101に誘導性負荷400を接続することも可能である。
この場合、本実施形態とは逆に、逆導通型半導体スイッチSW1,4のON・OFFに対して、逆導通型半導体スイッチSW2,3のON・OFFを遅らせればよい。
【0063】
また、本実施形態で、逆導通型半導体スイッチSW2,SW3に対して、逆導通型半導体スイッチSW2,SW1を13マイクロ秒遅らせて使用した。しかし、13マイクロ秒に限られるわけでない。
逆導通型半導体スイッチSW2,SW3がONされた後、コンデンサCMの電圧が略0になれば逆導通型半導体スイッチSW1,4がONされればよい。また、逆導通型半導体スイッチSW2,3がOFFされた後、誘導性負荷400に流れる電流が略0になれば逆導通型半導体スイッチSW1,4がOFFされればよい。
例えば、図9に示すように、電圧計500でコンデンサCMの電圧を計測し、計測した電圧の情報を制御回路200に出力し、電圧が略0になると制御回路200が、逆導通型半導体スイッチSW1,4をONする。
例えば、図10に示すように、電流計600で負荷電流を計測し、計測した電流の情報を制御回路200に出力し、電流が略0になると制御回路200が、逆導通型半導体スイッチSW1,4をOFFする。
また、図11に示すように、電圧計500と電流計600とを共に配置し、同様にその出力を従って逆導通型半導体スイッチのON・OFFを切り替えてよい。
なお。電流の向きが逆の場合は、逆導通型半導体スイッチSW1,SW4に対して、逆導通型半導体スイッチSW2,SW3を遅らせてON・OFFを切り替えればよい。
【0064】
また、制御回路200は、上述した制御をする回路として説明したが、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の記憶手段を備えたマイクロコンコントローラ(以下、「マイコン」と呼称する。)などのコンピュータであってもよい。
特に、制御回路200がマイコンである場合、マイコンの出力する1と0の信号に対して逆導通型半導体スイッチがON・OFFするように、逆導通型半導体スイッチとマイコンを組み合わせれば、マイコンの出力で逆導通型半導体スイッチのON・OFFを切り替えられるので、部品数が少なく済む。
この場合は、例えば、上述したゲート信号を出力するようなプログラムを、予めマイコンに記憶させればよい。
【0065】
また、コンピュータに上述の制御を実行させるためのプログラムを、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read−Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magnet Optical Disk)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、これを別のコンピュータにインストールし、上述の手段として動作させ、あるいは、上述の工程を実行させてもよい。
【0066】
さらに、インターネット上のサーバ装置が有する外部記憶装置等にプログラムを格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 磁気エネルギー回生スイッチ装置
100 フルブリッジ型MERS
200 制御回路
300 直流電源
400 誘導性負荷
500 電圧計
600 電流計
CM コンデンサ
SW1,SW2,SW3,SW4 逆導通型半導体スイッチ
DSW1,DSW2,DSW3,DSW4 ダイオード部
SSW1,SSW2,SSW3,SSW4 スイッチ部
GSW1,GSW2,GSW3,GSW4 ゲート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源と誘導性負荷の間に直列に挿入され、第1の交流端子には第1のダイオードのアノードと第2のダイオードのカソードが接続され、前記第1のダイオードのカソードには第3のダイオードのカソードとコンデンサの正極が接続され、前記第2のダイオードのアノードには第4のダイオードのアノードと前記コンデンサの負極が接続され、前記第3のダイオードのアノードと前記第4のカソードとが第2の交流端子に接続され、前記第1のダイオードに第1の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第2のダイオードに第2の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第3のダイオードに第3の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第4のダイオードに第4の自己消弧型素子が並列に接続され、各前記自己消弧型素子のON・OFFが切り替わることによって、前記誘導性負荷のインダクタンスに蓄えられた磁気エネルギーを前記コンデンサで静電エネルギーとして蓄積・回生する磁気エネルギー回生スイッチと、
各前記自己消弧型素子のON・OFFを制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記第1の自己消弧型素子と前記第4の自己消弧型素子とのペアと、前記第2の自己消弧型素子と前記第3の自己消弧型素子とのペアと、の二組のペアのうち、一方のペアをONにした後に他方のペアをONにし、一方のペアをOFFにした後に他方のペアをOFFにする、
ことを特徴とする磁気エネルギー回生スイッチ装置。
【請求項2】
前記制御手段は、一方の前記ペアをONにすると、当該ペアをONした後に前記誘導性負荷に流れる電流が略0になると、他方の前記ペアをOFFにする、
ことを特徴とする請求項1に記載の磁気エネルギー回生スイッチ装置。
【請求項3】
前記制御手段は、一方の前記ペアをOFFにすると、当該ペアをOFFした後に前記コンデンサの電圧が略0になると、他方の前記ペアをOFFにする、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の磁気エネルギー回生スイッチ装置。
【請求項4】
各前記ダイオードは、並列に接続される前記自己消弧型素子に内蔵される寄生ダイオードである、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の磁気エネルギー回生スイッチ装置。
【請求項5】
直流電源と誘導性負荷の間に直列に挿入され、第1の交流端子には第1のダイオードのアノードと第2のダイオードのカソードが接続され、前記第1のダイオードのカソードには第3のダイオードのカソードとコンデンサの正極が接続され、前記第2のダイオードのアノードには第4のダイオードのアノードと前記コンデンサの負極が接続され、前記第3のダイオードのアノードと前記第4のカソードとが第2の交流端子に接続され、前記第1のダイオードに第1の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第2のダイオードに第2の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第3のダイオードに第3の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第4のダイオードに第4の自己消弧型素子が並列に接続され、各前記自己消弧型素子のON・OFFが切り替わることによって、前記誘導性負荷のインダクタンスに蓄えられた磁気エネルギーを前記コンデンサで静電エネルギーとして蓄積・回生する磁気エネルギー回生スイッチにおいて、
前記第1の自己消弧型素子と前記第4の自己消弧型素子とのペアと、前記第2の自己消弧型素子と前記第3の自己消弧型素子とのペアと、の二組のペアのうち、一方のペアをONにすると、当該ペアをONした後に他方のペアをONにし、一方のペアをOFFにすると、当該ペアをOFFした後に他方のペアをOFFにする、
ことを特徴とする磁気エネルギー回生スイッチ制御方法。
【請求項6】
直流電源と誘導性負荷の間に直列に挿入され、第1の交流端子には第1のダイオードのアノードと第2のダイオードのカソードが接続され、前記第1のダイオードのカソードには第3のダイオードのカソードとコンデンサの正極が接続され、前記第2のダイオードのアノードには第4のダイオードのアノードと前記コンデンサの負極が接続され、前記第3のダイオードのアノードと前記第4のカソードとが第2の交流端子に接続され、前記第1のダイオードに第1の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第2のダイオードに第2の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第3のダイオードに第3の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第4のダイオードに第4の自己消弧型素子が並列に接続され、各前記自己消弧型素子のON・OFFが切り替わることによって、前記誘導性負荷のリアクタンスに蓄えられた磁気エネルギーを前記コンデンサで静電エネルギーとして蓄積・回生する磁気エネルギー回生スイッチの前記第1乃至4の自己消弧型素子のON・OFFを制御するためのプログラムであって、
コンピュータに、
前記第1の自己消弧型素子と前記第4の自己消弧型素子とのペアと、前記第2の自己消弧型素子と前記第3の自己消弧型素子とのペアと、の二組のペアのうち、一方のペアをONにした後に他方のペアをONにするステップと、
一方のペアをOFFにした後に他方のペアをOFFにするステップと、
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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