説明

磁気カード

【課題】本発明は、磁気記録材料の上に設けられた隠蔽層の上に光により記録可能な発色材料を設けても、磁気信号の書き込み、読み取りに支障のないカードの提供を課題とする。
【解決手段】本発明は、基材(1)の上に磁気記録層(2)を設け、その上に隠蔽層(3)を設け、その上に光記録発色層(4)を設け、その上に保護層(5)を設けて、隠蔽層(3)と光記録発色層(4)と保護層(5)に磁性化合物が含まれない磁気カードによって、上記課題を解決した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気カードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
かつてレーザーマーキングは強力なレーザーで媒体の一部を熱で焦がす方法であり、美観上は問題であった。カードに使用できるレーザー記録材料には、金属の合金を薄膜で蒸着したものや、遷移金属化合物を塗布したものがある。磁気記録材料と従来のレーザー記録材料をカードに利用する場合、金属の合金や遷移金属は磁性を持つため、磁気記録層の上にレーザー記録層を設けることはできなかった。
【0003】
なぜならレーザー記録材料の持つ磁性が、下に設けてある磁気記録材料のデータの読み取りや書き込みに支障を生じさせるからである。そのため従来は、磁気記録の領域とレーザー記録の領域は相互に分けて設けてあり、どのようなレーザー記録材料を使っても磁気記録層には影響がないようにしていた。
【0004】
最近のクレジットカードやキャッシュカードは、磁気ストライプが表面に見えると、デザインが制限されるので、磁気記録層の上に隠蔽層を設け、その上に自由な絵柄を印刷した磁気記録層を隠蔽したカードが多い。
【0005】
一方、隠蔽層の上に印刷を施すと、隠蔽層は完全にインキを吸収しないので印刷絵柄に起因する凹凸ができる。この場合、印刷絵柄の位置によって磁気ヘッドと磁気記録層とのギャップが変化するため、読み取り時や、書き込み時の磁気信号のジッタや出力に影響を及ぼし問題となる。
【0006】
他の用途にもレーザー記録可能な材料はあるが、例えば、追記型の光ディスクに使用されているレーザー記録可能な材料は、赤外線や紫外線などに対する反射強度の変化を利用しているので、絵柄が書き込まれても肉眼では判別しにくくカードの用途には利用できなかった。
【0007】
このような理由のため、磁気記録材料の上にレーザー記録材料を設けるカードは、これまで製造されていなかった。
【0008】
媒体にレーザーマーキングする技術は、特許文献1及び特許文献2に記載されている。カードにレーザーで情報を書き込むことは特許文献3に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】平4−44329号公報
【特許文献2】平4−27037号公報
【特許文献3】特開2001‐175838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、磁気記録材料の上に設けられた隠蔽層の上に光により記録可能な発色材料を設けても、磁気信号の書き込み、読み取りに支障のないカードを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第一の発明は、基材の上に磁気記録層を設け、その上に隠蔽層を設け、その上に光記録発色層を設け、その上に保護層を設けた磁気カードにおいて、隠蔽層と光記録発色層と保護層に磁性化合物が含まれないことを特徴とする磁気カードである。
【0012】
第2の発明は、該光記録発色層にロイコ染料と光酸化剤が含まれていることを特徴とする第1の発明に記載の磁気カードである。
【0013】
第3の発明は、該記録発色層にロイコ染料と非磁性体の顕色剤と非磁性体の赤外線吸収材料が含まれていることを特徴とする第1の発明に記載の磁気カードである。
【0014】
第4の発明は、該光記録発色層に、スピロピラン化合物と光硬化性樹脂が含有されていることを特徴とする、第1の発明に記載の磁気カードである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、磁気記録層の上に設けられた隠蔽層の上に任意の情報を記録しても、磁気記録層に保持されるデータの読み取りや書き込みに支障のない磁気カードを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の磁気カードの模式断面図
【図2】従来の磁気カードの模式断面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の第1の態様は、基材の上に磁気記録層を設け、その上に隠蔽層を設け、その上に光記録発色層を設け、その上に保護層を設けた磁気カードであって、隠蔽層と光記録発色層と保護層に磁性化合物が含まれないことを特徴とする磁気カードである。
【0018】
本発明の第2の態様は、該光記録発色層に、ロイコ染料と光酸化剤が含まれていることを特徴とする第1の態様に記載の磁気カードである。
【0019】
本発明の第3の態様は、該光記録発色層に、ロイコ染料と非磁性体の顕色剤と非磁性体の赤外線吸収材料が含まれていることを特徴とする第1の態様に記載の磁気カードである。
【0020】
本発明の第4の態様は、該光記録発色層に、スピロピラン化合物と光硬化性樹脂が含有されていることを特徴とする、第1の態様に記載の磁気カードである。
【0021】
以下、本発明について、図面を参照しながら説明する。
図1は光記録で情報を記録した磁気カードの横断面図である。光記録発色層は発色部も非発色部も平坦であり、磁気記録層と磁気ヘッドのギャップが変化することなく、良好に情報の読み込みと書き込みができる。一方、従来の磁気カードでは印刷部の図柄の凹凸はある程度生じるのは避けられない。
【0022】
本発明の光記録発色層中に用いられる光記録発色材料は、遷移金属や金属及び金属化合物の磁性材料を含まず、磁気記録層の情報の読み取りと書き込みに支障はない。隠蔽層と保護層にも磁性材料を含まないものを使用する。
【0023】
具体的に本発明で使用できる光記録発色材料は、書き込みに利用する光の種類にもよるが、光の波長に依存して反応する材料や、光の熱により発色する材料のいずれも単独にあるいは複数の材料の組み合わせで利用することができる。
【0024】
赤外光から可視光、紫外光により光化学反応を生じる化合物は種々知られている。しかしながら、これらの化合物を光記録材料あるいはレーザー記録材料として磁気記録材料の層の上で利用することはこれまで考えられてこなかった。
【0025】
その理由の一つは、従来の光記録材料は磁気記録材料の書き込み、読み取りに支障があることと共に、カードは日々持ち歩くものでありカラフルな色が好まれるのに、これまでの記録材料では黒色以外には濁った色しか得られなかったからである。
【0026】
本発明では、ロイコ染料と非磁性体の材料を光発色材料として使用することにより、磁気記録層を持つカードの隠蔽層の上に、パステルカラーなどの明るい色で記録できるようになり、カラフルな模様やキャラクターの記録が可能となった。
【0027】
以下、本発明で使用できる材料と方法について説明する。
<光発色記録>
光発色記録方法として、無色から発色する発色団を持つロイコ染料と、ロイコ染料を発色させる発色手段と、残りのロイコ染料が発色しないようにする発色防止手段が必要である。スピロピランのように光により構造が変化して発色する染料は、発色後に構造がもとに戻らないようにする手段が必要である。
【0028】
(ロイコ染料)
ロイコ染料の還元体は無色あるいは淡色で、酸化体が濃色となる染料である。還元体の染料をなんらかの手段で酸化させたり、構造変化を起こさせたりすることにより発色させることができる。
【0029】
染料の構造から分類すると、ジフェニルメタン系、トリフェニルメタン系、フェノチアジン系、スピロピラン系、フルオラン系、フェノキサジン系、チオフルオラン系、キサンテン系、フタリド系、クロメノピラゾール系、ロイコオーラミン系、メチン系、アゾメチン系、ローダミンラクタム系、キナゾリン系、ジアザキサンテン系、フルオレン系、などのロイコ染料が利用できる。
【0030】
<酸化手段>
酸化手段には、酸化チタンの光酸化機能を利用する方法、ラジカル発生剤による水素引き抜き反応、酸化剤(顕色剤)とロイコ染料を溶融させて接触酸化する方法が利用される。
【0031】
(光酸化剤)
遷移金属のチタンは常磁性であるが、純粋な酸化チタンは非磁性体である。ルチル型の酸化チタンは紫外線や可視光の一部を吸収して強い酸化作用をおこすことが知られている。このルチル型の酸化チタンとロイコ染料を組み合せて、光で書き込みが可能となる。
【0032】
水素引き抜き型の光ラジカル発生剤はロイコ染料から水素を引き抜いて、ロイコ染料を発色させることができる。例えば、ベンゾフェノン、ベンジル、2‐クロロチオキサントン、2‐メチルチオキサントン、ο‐ベンゾフェノン安息香酸メチルなどが使用できる。
【0033】
感熱記録では、支持体上に分散させた発色剤、顕色剤を熱により溶融、接触させることにより発色させる。また、高感度化するために低融点の増感剤が添加されている。ロイコ染料と光を吸収して発熱する有機材料と顕色剤を組み合わせることで光記録発色材料を作ることができる
【0034】
(顕色剤)
磁性化合物を含まない酸化剤(顕色剤)としては、例えば、α,α,α’‐トリス(4‐ヒドロキシフェニル)‐1‐エチル‐4‐イソプロピルベンゼン、α,α’‐ビス(4‐ヒドロキシフェニル)‐1,4‐ジイソプロピルベンゼン、4‐ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4,4’‐ビフェノ‐ル、2,2’‐ビフェノ‐ル、2,2‐ビス(3‐sec‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1‐ビス(3‐シクロヘキシル‐4‐ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2‐ビス(3‐シクロヘキシル‐4‐ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2‐ビス(2‐ヒドロキシ‐5‐ビフェニルイル)プロパン、2,2‐ビス(4‐ヒドロキシ‐3‐イソプロピルフェニル)プロパン、1,1‐ビス(4‐ヒドロキシ‐3‐メチルフェニル)シクロヘキサン、2,2‐ビス(4‐ヒドロキシ‐3‐メチルフェニル)プロパン、1,1‐ビス(4‐ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、9,9‐ビス(4‐ヒドロキシフェニル)フルオレン、1,3‐ビス[2‐(4‐ヒドロキシフェニル)‐2‐プロピル]ベンゼン、ビス(4‐ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4‐ヒドロキシフェニル)スルホン、4‐tert‐ブチルフェノ‐ル、4,4’‐ジヒドロキシジフェニルエ‐テル、4,4’‐ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’‐(1,3‐ジメチルブチリデン)ジフェノ‐ル、4,4’‐(2‐エチルヘキシリデン)ジフェノ‐ル、4,4’‐エチリデンビスフェノ‐ル、4,4’‐(2‐ヒドロキシベンジリデン)ビス(2,3,6‐トリメチルフェノ‐ル)、4,4’‐メチレンビス(2‐メチルフェノ‐ル)、1,1’‐メチレンジ‐2‐ナフト‐ル、4‐ヒドロキシ安息香酸メチル、1‐ナフト‐ル、2‐ナフト‐ル、4‐フェニルフェノ‐ル、レソルシノ‐ル、テトラブロモビスフェノ‐ルA、4‐(1,1,3,3‐テトラメチルブチル)フェノ‐ル、2,3,4‐トリヒドロキシジフェニルメタン、1,1,1‐トリス(4‐ヒドロキシフェニル)エタンなどが挙げられる。
【0035】
(増感剤)
磁性化合物を含まない増感剤としては、例えば、ベヘン酸、4‐ベンジルビフェニル、ベンジル2‐ナフチルエ‐テル、1,4‐ジベンジルオキシベンゼン、ジベンジルスルホキシド、2,6‐ジイソプロピルナフタレン、テレフタル酸ジメチル、1,4‐ジフェノキシベンゼン、炭酸ジフェニル、ジベンゾイルメタン、ジフェニルスルホン、エチレングリコールジフェニルエ‐テル、フルオランテン、フルオレン、ヘキサデカンアミド、ヘキサンアミド、ラウリン酸、3‐ヒドロキシ‐2‐ナフトエ酸メチル、ミリスチン酸、n‐オクタンアミド、オレイン酸アミド、パルミチン酸、1‐ヒドロキシ‐2‐ナフトエ酸フェニル、ステアリン酸アミド、ステアルアニリド、1,3‐ジフェニルベンゼンなどが挙げられる。
【0036】
(赤外線吸収剤)
赤外線吸収剤には、例えば、シアニン系化合物、シアニンメチン系化合物、ポリメチン系化合物、アゾ系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、スクアリリウム化合物、ピリリウム系化合物、セリリウム系化合物、ジイモニウム系化合物、イモニウム系化合物、ジフェニルメタン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、トリアリルメタン系化合物、オキソール系化合物などが知られている。化合物単体以外に対イオンや錯体化合物を必要とするものもあり、対イオンや錯体化合物に磁性化合物を含まないものを選択する必要がある。
【0037】
<発色防止手段>
発色材料と発色手段により発色を防止する手段は異なる。例えば、ロイコ染料と顕色剤を物理的に分離しておいて、レーザー光などで加熱溶融して発色させる方法では、その後の発色防止手段を必要としない。
【0038】
光の刺激により酸化剤を発生させてロイコ染料を酸化する方法では、異なる波長の光で還元剤を形成してロイコ染料の酸化を防止する方法が考えられる。例えば、可視レーザーでロイコ染料を発色させ、紫外光を全面に露光することにより還元剤を発生させて、染料より先に酸化剤を還元して発色を防止することができる。
【0039】
この時、紫外線レーザーで書き込みをして、その後に可視光を全面露光すると逆像を形成することが可能である。
【0040】
(還元剤の形成)
キノン化合物は光によりハイドロキノン化合物となり、ハイドロキノン化合物は還元剤として作用する。
【0041】
<スピロピラン系染料の発色防止>
スピロピラン系の染料は露光エネルギーを吸収することにより構造が変化して発色する。その後、熱的にエネルギーを放出してもとの構造にもどって消色する。発色した後にバインダーを架橋して染料をバインダー中に固定すると、発色した染料はもとの構造にもどることができず画像は消えない一方、未発色のロイコ染料も構造を変化させることができないため、余分な発色を防止することができる。
【0042】
(光橋架けポリマー)
ポリビニルアルコールに塩化ケイ皮酸を反応させて得られるポリビニルシンナメートは、光ニ量化反応で橋架けしてスピロピラン染料を固定化することができる。
また、ケイ皮酸以外にも光ニ量化反応を起こす化合物は、例えば、ベンザルアセトフェノン、ベンジリデンアセトフェノン、クマリン、スチリルピリジン、イミノスチルベン、フェニルマレイミドなどが知られており、光橋架けポリマーに利用できる。
【0043】
カードの基材は通常使用されている白色塩ビシートや透明塩ビシートが利用できる。隠蔽層のインキも市販のメジウムに磁性のない白色顔料を分散させて、使用することができる。保護層は光硬化型のインキは使用できないので、熱硬化型のインキや塗布乾燥型のインキを使用する。
【実施例】
【0044】
(基材の作成)
大判工程(30面付け)として、カード基体のコアシートとして、厚み280μmの白色硬質塩化ビニールシート2枚を使用し、そのそれぞれの表面に位置合せ用の見当トンボをオフセットで印刷した。
2枚のコアシートの見当トンボの印刷面が外側になるように重ね、さらに、その表面側に、幅7.3mmの磁気テープを転写済みのオーバーシート(厚み100μmの透明塩化ビニールシート)を位置合せして重ね、裏面側には磁気テープ未転写のオーバーシート(厚み100μmの透明塩化ビニールシート)を重ねて仮貼りした後、プレス機に導入して熱圧融着(150℃、20kgf/cm2 、30分)した。
【0045】
塩酢ビ系のメジウム(昭和インク株式会社製、VAHSメジウム)に、酸化チタンを重量比で10%添加したインキで、上記シートの磁気テープが転写されている面にスクリーン印刷で、乾燥後の厚み6μmとなるように前面に印刷して遮蔽層を形成した。
【0046】
この大判を、個々のカードに断裁して、厚み760μmの4層構成の磁気層及び隠蔽層つきの基材1が得られた。
【0047】
(実施例1)
光発色インキAを下記組成物より得て、上記基材の隠蔽層面にワイヤーバーで塗布、乾燥した。乾燥膜厚1.5μm。
光発色インキA:
トリフェニルメタン系色素(ロイコクリスタルバイオレット) :1重量部
光ラジカル発生剤[ο‐ベンゾフェノン安息香酸メチル] :1重量部
キノン :1重量部
塩酢ビ樹脂 :10重量部
トルエン、メチルエチルケトン1対1混合溶剤 :100重量部
【0048】
保護層インキBを下記エマルジョンを使用して、上記光発色インキA層の上にワイヤーバーで塗布、乾燥して磁気カードを得た。保護層インキBの乾燥膜厚1.0μm
保護層インキB:
アクリル系エマルジョン「ビニプラン(登録商標)2585」
(日信化学工業株式会社製)
【0049】
実施例1の光記録カードに、緑色レーザーでパターンを書き込んだ後、紫外光で全面を照射した、緑色レーザーで書き込んだパターン状にハイドロキノンが生成し、紫外光で発生するラジカルはハイドロキノンで不活性化され無色で残るが、それ以外のロイコ染料は発色するので、ネガ像が形成された。
【0050】
(実施例2)
光発色インキCを下記組成物より得て、基材の隠蔽層面にワイヤーバーで塗布、乾燥した。乾燥膜厚1.5μm。
光発色インキC:
ロイコ染料(クリスタルバイオレットラクトン) :1重量部
顕色剤(4‐ヒドロキシ安息香酸ベンジル) :1重量部
増感剤(エチレングリコールジフェニルエーテル) :0.5重量部
塩酢ビエマルジョン(固形分20%) :50重量部
水 :100重量部
下記化学式で表わされる赤外線吸収剤(ジイモニウム系化合物) :0.2重量部
【化1】

【0051】
保護層インキBを上記光発色インキC層の上にワイヤーバーで塗布、乾燥して磁気カードを得た。保護層インキBの乾燥膜厚1.0μm。
【0052】
実施例2の磁気カードを赤外線レーザーでパターンを描画して紫色の画像を得た。
【0053】
(実施例3)
光発色インキDを下記組成物より得て、基材の隠蔽層面にワイヤーバーで塗布、乾燥した。乾燥膜厚1.5μm。
光発色インキD:
ロイコ染料(N‐メチルアクリジノ‐β‐ナフトスピロピラン) :1重量部
フォトポリマー(ポリビニルシンナメート) :10重量部
トルエン、メチルエチルケトン1対1混合溶剤 :100重量部
【0054】
保護層インキBを上記光発色インキD層の上にワイヤーバーで塗布、乾燥して磁気カードを得た。保護層インキBの乾燥膜厚1.0μm。
【0055】
実施例3の磁気カードを青色レーザーを使用してパターンを書き込み発色させた。その後紫外線を全面に照射してフォトポリマーを硬化した。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明の磁気カードは、磁気記録層の位置に関係なくパターンを光記録により描画することができ、自由に絵柄をデザインできるカードを提供することができる。
【符号の説明】
【0057】
1:基材
2:磁気層
3:隠蔽層
4:光記録発色層
5:保護層
11:光発色部
12:印刷画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の上に磁気記録層を設け、その上に隠蔽層を設け、その上に光記録発色層を設け、その上に保護層を設けた磁気カードにおいて、
隠蔽層と光記録発色層と保護層に磁性化合物が含まれないことを特徴とする磁気カード。
【請求項2】
該光記録発色層に、ロイコ染料と光酸化剤が含有されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気カード。
【請求項3】
該光記録発色層に、ロイコ染料と非磁性体の顕色剤と非磁性体の赤外線吸収材料が含有されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気カード。
【請求項4】
該光記録発色層に、スピロピラン化合物と光硬化性樹脂が含有されていることを特徴とする、請求項1に記載の磁気カード。

【図1】
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【図2】
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