説明

磁気ストライプ書込方法およびそれを用いた磁気ストライプ読書装置。

【課題】本来書き込む予定であったトラックに磁気情報が書き込めなかった場合に、代替トラックに書き込む事により、書き込み磁気情報はそのままで障害部分をさけてMS上に磁気情報を書き込む方法を提供する。
【解決手段】予め通常実施するMS書き込みの基本位置であるノミナルトラック位置(以降はノミナル位置と表現する)情報と書き込み失敗時の代替トラック情報を具備することにより、書き込みノミナル位置での磁気情報の書き込み失敗と判定した場合、代替トラック情報により書き込みトラック位置を全く別のトラックへ移動することで書き込み磁気情報を変更することなく情報書き込みをすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気ストライプの書込方法およびそれを用いた磁気ストライプ読書装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年,金融機関における営業店、無人店舗他に設定されるATM(Automatated Tellers Machine)等に使用される磁気ストライプ(以下MSとする)媒体である通帳、カード、証書等に記録された情報の読み取り、書き込みの操作をより確実に実行することで操作性の向上、取り扱い媒体の持久性向上を図っている。その一手段として「制御部6Cが、不良部分特定部8により特定された不良部分以外の部分に、磁気情報書込部2により磁気情報を書き込ませる。これにより、ゴミ等の異物の付着による書込エラーが生じても正常な書込動作が可能になるほか、磁気情報部の損傷によって書込エラーが生じてもその損傷に応じた対処が可能になる」という方法(特許文献1)が提案されている。また、「媒体を位置決めして磁気ヘッドにより情報の読み取りを行なった結果、その読取情報にエラーが存在する時は媒体を磁気ヘッドの移動方向と直交する方向に移送して位置決めしたのち再度磁気ヘッドによる読み取りを行う」方法(特許文献2参照)についても提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−39875号公報
【特許文献2】特開昭61−165179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1においては、MSへの書き込みが失敗と判断した場合、書き込みに失敗したと判断する箇所を避けて同一トラック上に情報を書き込む方式であるが、書き込めるMSのスペースが少なくなってしまうため、書き込み情報が縮小してしまうことになる。
【0005】
特許文献2においては、媒体の位置がずれることによって磁気ヘッドがMSの情報を読取れない場合に、読み取り位置の補正の為に磁気ヘッドを移動させるものである。
【0006】
本発明の目的は、本来書き込む予定であったトラックに磁気情報が書き込めなかった場合に、代替トラックに書き込む事により、書き込み磁気情報はそのままで障害部分をさけてMS上に磁気情報を書き込む方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の目的を達成するために、本発明は、予め通常実施するMS書き込みの基本位置であるノミナルトラック位置(以降はノミナル位置と表現する)情報と書き込み失敗時の代替トラック情報を具備することにより、ノミナル位置での磁気情報の書き込み失敗と判定した場合、代替トラック情報により書き込みトラック位置を全く別のトラックへ移動することで書き込み磁気情報を変更することなく情報書き込みをすることができる。
【0008】
さらに、ノミナル位置での書き込み、読み取りの繰り返しによるMSの損傷においても新規のトラック位置への書き込みが可能となりことからMS媒体の寿命延長にもつながる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、MS情報の書き込み時のトラブル解消とMS媒体の寿命の延長を促進する装置の提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態に係るMS書き込み、読み取り機構
【図2(a)】横MS媒体・媒体磁気ヘッド搬送概略図
【図2(b)】縦MS媒体・媒体磁気ヘッド搬送概略図
【図3(a)】横MSトラック位置構造図
【図3(b)】縦MSトラック位置構造図
【図4】読み書きトラック情報テーブル
【図5(a)】MS書き込み情報(通常取引情報)フォーマット
【図5(b)】MS書き込み情報(代替インデックス情報)フォーマット
【図5(c)】MSに書き込む通常の情報(取引用情報)位置書き込み概略図
【図5(d)】代替インデックス情報と代替トラックへの取引データ書き込み概略図
【図6(a)】MS書き込み動作フローチャート
【図6(b)】MS読み取り動作フローチャート
【図7(a)】代替トラック情報書き込み動作フローチャート
【図7(b)】代替トラック情報読み取りの動作フローチャート
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態に係る機構の構成を説明する図である。
媒体は媒体挿入部1から装置内へと取り込まれる。取り込まれた媒体は、各ユニットに搬送され、夫々の処理を受ける。
【0012】
MS部2は、媒体のMSに書き込まれた磁気情報を読み取る、または、新たに磁気情報を書き込む部位であり、搬送モータでMS情報読み取り又は、MS書き込む為の位置へ磁気ヘッドを移動させ、MS情報の読み書きを行う機能を有する。
【0013】
イメージリーダ部3は、媒体のページに印字された印字行数、バーコード、あるいは印字濃度の判定を行うための読み取りを行う。
【0014】
印字部4は、印字ヘッドを媒体の挿入方向に直行する方向へ移動させる図示しないキャリッジを有しており、このキャリッジによって印字ヘッドを移動させ、媒体のページに印字を行う。
【0015】
媒体回収部5は、装置内での媒体の処理が終了し、媒体挿入部1へ放出された媒体が取り忘れられた場合に、媒体を再び取り込み、取り込んだ媒体を収納する回収部である。
【0016】
媒体搬送部6は、モータ駆動により搬送路の各ローラを回転させ、媒体挿入部1の挿入口より媒体回収部5間を処理に応じ、各ユニットに搬送する。
【0017】
制御部7は、図示しない信号線により接続された各ユニット(MS部2、イメージリーダ部3、印字部4、媒体回収部5、媒体搬送部6)を処理に応じて制御をする制御部であり、処理の指示は制御部に接続される図示しない上位局によって指示される。
【0018】
また、制御部7はMS部2で読み取った磁気情報の正否を判定する判定部や、イメージリーダ部3が読み取ったバーコード等の正否を判定する判定部を備えている。これら判定部は制御部7から独立したものであってもよい。
【0019】
なお、媒体取り扱い取引は、装置内への媒体取り込みから各ユニットにて機能に応じた操作を実施後、装置外への媒体排出による抜き取りまたは媒体の回収により終了する。
【0020】
図2は、MS媒体の形状と媒体搬送方向,MS情報読み書きの為の搬送方向とMS貼り付け方向を示した概略図である。
図2(a)は、媒体搬送方向10と直角方向にMSがある横MS媒体8aを示す図であり、媒体上のMSを横MS9aとする。このとき、MS部2の磁気ヘッドは搬送方向12aの方向に動き、横MS9aに磁気情報の書込みまたは読込みを行う。
【0021】
図2(b)は、媒体搬送方向10と水平方向にMSがある縦MS媒体8bを示す図であり、媒体上のMSを縦MS9bとする。このとき、縦MS9bの情報を読込みまたは書込みを行うために、媒体搬送部6によって縦MS媒体8bを搬送させる。
【0022】
図3は、横MS9a及び縦MS9bにMS情報を書き込む場合の書込み位置を示した図である。図3(a)は、横MS9aに書き込む場合のノミナル位置14と代替トラック位置15、16を示している。図3(b)は縦MS9bに書き込む場合のノミナル位置14と代替トラック位置15,16を示す。また、この位置はMS情報読み取り位置でもある。
なお、ノミナル位置と代替トラック位置の位置関係は図3(a)あるいは(b)の並び関係には限定しない。また、MSの幅により代替トラックの増設も可能である。
【0023】
図4は、本発明のノミナル位置、代替トラック位置情報の並びを示す読み書きトラック情報テーブル30である。この読み書きトラック情報テーブル30は、MS読み書きノミナル位置情報17をテーブルの先頭とし、順に代替トラック1位置情報18,代替トラック2位置情報19,代替トラック3位置情報20,・・・と並び、最後に読み書きトラック情報テーブル30の終端を示すトラック情報終了フラグ21から構成される。この読み書きトラック情報テーブル30は、後述するMSの読み書き時に参照する。
【0024】
図5は、MSに書き込まれる情報のフォーマット例とMSへの書き込み例を示す図である。図5(a)はMSに通常書き込まれるフォーマット(通常取引情報フォーマット)を示し、図5(b)は書込みを失敗した場合にMSに書き込まれるフォーマット(代替インデックス情報フォーマット)を示している。図5(c)は、図5(a)で示す通常取引情報フォーマットがMSに書き込まれた場合の書込み例を示し、図5(d)は、代替トラックに通常フォーマットが書き込まれた様子と、書込みが出来なかったノミナル位置に失敗時の代替インデックスフォーマットを複数書き込んでいる書込み例を示している。
【0025】
通常、MSの書き込みは図5(a)で示す本実施例のフォーマットで書き込まれる。本実施例のフォーマットは、情報の実態である取引情報の始まりを指す固定パターンキャラクタである初め符号22、情報の実態である取引情報23,情報の実態の終りを指す固定パターンキャラクタである終り符号24、MSに記録された情報が正しいか否かを判定する為のチェックキャラクタ25から構成される。
【0026】
チェックキャラクタ25はBCC,CRC方式等の生成方法あり、作成範囲は初め符号〜終り符号、初め符号〜取引情報(又は代替トラック用インデックス情報)、代替トラック用インデックス情報〜終り符号等の範囲がある。
【0027】
図5(b)のインデックス情報23aは、代替トラックへの情報書き込みに使用する1桁または2桁のトラック位置検索用情報であり取引情報23の桁数よりインデックス情報23aの桁数が小さい。その他、初め符号22、終り符号24、チェックキャラクタ25は図5(a)示すものと同様のものである。
【0028】
次に、本実施例を用いてMS書き込みまたは読み込みを行う場合の制御について図6、図7を用いて説明する。
【0029】
図6(a)は、上位局よりMS書き込みの取引情報と書き込み指示の受信を契機に実施する制御フローチャートである。
【0030】
上位局からの書き込み指示によりMS書き込み処理開始(ステップ100)し、上位局より受け取ったMS書き込み情報を図5(a)の書き込み情報フォーマット22〜25に編集(ステップ101)する。
【0031】
次に、上位局から受け取った読み書きトラック情報テーブル30からMS読み書きノミナルトラック位置情報17、代替トラック位置情報18〜20そしてトラック終了情報フラグ21を順に取り込む為のインデックスを初期設定をする(ステップ102)。このとき、インデックスは、MS読み書きノミナルトラック位置情報17が読み込めるように設定される。
【0032】
次に、インデックスが示す読み書きトラック情報テーブル30の該当箇所にあるトラック位置情報を取得する(ステップ103)。
【0033】
その取得したトラック位置情報により、書き込み媒体が横MS9aであるの場合は媒体搬送部6で媒体を搬送11a方向に移動し、縦MS9bである場合はMS部2で磁気ヘッドを搬送11b方向へと移動することで、それぞれの媒体での該当トラックの書き込み開始位置13に磁気ヘッドを配置させることができる(ステップ104)。
【0034】
ここで横MS9aの場合は、MS部2によって磁気ヘッドを搬送12a方向に移動させ、縦MS9bの場合は、媒体搬送部6によって媒体を搬送12b方向に移動させることで磁気ヘッドを磁気書き込み開始位置から終了位置までMS上を移動させるとともに、磁気ヘッドから図5(a)に示す編集済み情報22〜25を該当トラックへ書き込む(ステップ105)。
【0035】
MSへの書き込みが終了すると、書き込み動作と同様に磁気ヘッドの移動または媒体搬送により、磁気ヘッドに書き込んだMS情報を読み取らせる(ステップ106)。
【0036】
読み取った情報が情報が始め符号22〜チェックキャラクタ25の構成であり、且つ、書き込んだ情報との比較で一致であれば正常書き込みとする。また読み込んだ情報が始め符号22〜チェックキャラクタ25の構成ではない、または、書き込んだ情報との比較で不一致であれば書き込み失敗とする(ステップ107)。
【0037】
正常に書き込みまれていると判定された場合は、上位局にその旨の報告をして書き込みを終了する(ステップ113)。
【0038】
書き込み失敗の場合、再度読み取る必要があれば(ステップ108)MS読み取り(ステップ106)から繰り返し、必要でなければ同一トラックでの書き込みからやり直しをするか(ステップ109)否かを判断する。
【0039】
同一トラックでの書き込みが必要であればMSの書き込み(ステップ105)からやり直す。なお再読み取り・書き込みを行うか否かの判定基準は試行回数で定義しているが、別の基準によって判定してもよい。
【0040】
同一トラックでの再書き込みが必要でなければ、読み書きトラック情報テーブル30から情報を取得しているインデックスを1イベント分更新する(ステップ110)。
【0041】
1イベント分更新されたインデックスが、読み書きトラック情報テーブル30の示す情報がトラック情報終了フラグ21でないかを確認し(ステップ111)、トラック情報終了フラグ21でない場合は、そのトラック位置情報を次の代替トラック位置情報として取り込み、該当する位置のトラックへ書き込みを実施する(ステップ103〜109)。
【0042】
インデックスが取得する情報がトラック情報終了フラグ21であった場合は、MS情報の書き込み失敗として上位局へ報告し、書き込みを終了する(ステップ112)。
【0043】
図6(b)は、上位局よりMS情報の読み取り指示を契機に実施する制御フローチャートである。
上位局からの読み取り指示によりMS読み取り処理開始(ステップ200)し、読み書きトラック情報情報テーブル30からMS読み書きノミナルトラック位置情報17、代替トラック位置情報18〜20、そしてトラック終了情報フラグ21を順に取り込む為のインデックスの初期設定をする(ステップ201)。書き込み時と同様に、インデックスはMS読み書きノミナルトラック位置情報17が読込める位置に設定される。
【0044】
次に、インデックスが示す読み書きトラック情報テーブル30の該当箇所のトラック位置情報を取得する(ステップ103)。
【0045】
取得したそのトラック位置情報により横MS9aの場合は、媒体搬送部6によって媒体を搬送11a方向に移動させ、縦MS9bの場合は、MS部2によって磁気ヘッドを搬送11b方向に移動させることで該当トラックの読み取り開始位置13に磁気ヘッドを配置させる(ステップ203)。
【0046】
横MS9aの場合はMS部2によって磁気ヘッドを搬送12a方向に移動させ、縦MS9bの場合は媒体搬送部6によって媒体を搬送12b方向に移動させることで、磁気ヘッドを磁気書き込み開始位置から終了位置にMS上を移動させるとともに、磁気ヘッドに該当トラックの情報を読み取らせる(ステップ204)。
【0047】
読み取った情報が情報が始め符号22〜チェックキャラクタ25の構成で、且つチェックキャラクタの値が規定の方式で生成したものと、読取り情報のチェックキャラクタと一致するか確認をする。
結果が正常あれば正常読み取りとし、読み込んだ情報が始め符号22〜チェックキャラクタ25の構成でない、または、チェックキャラクタの値が不正な値であれば読み取り失敗とする(ステップ205)。
【0048】
MS情報が正常に読み取れたの場合は上位局に読み取った情報を報告し読み取りを終了する(ステップ210)。
【0049】
読み取り失敗の場合、再度読み取りが必要であれば(ステップ206)、MS読み取り(ステップ204)から繰り返し、必要でなければ読み書きトラック情報テーブル30から情報を取得するインデックスを1イベント分更新する(ステップ207)。なお、この再読み取りを行うか否かの判定基準は試行回数で決定してもよいし、他の判定基準を用いてもよい。
【0050】
1イベント分更新されたインデックスが読み書きトラック情報テーブル30の示す情報がトラック情報終了フラグ21でないかを確認し(ステップ208)、トラック情報終了フラグ21でない場合は、そのトラック位置情報を次の代替トラック位置情報として取り込み、再度トラックの読み取りを実施する(ステップ202〜206)。
【0051】
インデックスが取得する情報がトラック情報終了フラグ21であったの場合は、MS情報の読み取り失敗として上位局へ報告し読み取りを終了する(ステップ209)。
【0052】
次に、図7(a)(b)を用いて、図5(b)に示した代替トラックへの情報をMS上に展開するMS書き込み、読み取り方法を説明する。
【0053】
図7(a)は、上位局よりMS書き込みの取引情報と書き込み指示を契機に実施する制御フローチャートである。
【0054】
上位局からの書き込み指示によりMS書き込み処理開始(ステップ100)する。
以降ステップ101〜112は図6(a)と同様の動作をするため省略し、MS書き込み正常判定(ステップ107)後から記載する。(動作フロー確認については、図6(a)101〜112ステップ説明を参照)。
【0055】
MSへの書込みが正常と判定された場合、正常に書き込んだトラックがノミナル位置であるか代替トラックであるかの判定をインデックスが読み取ったトラック位置情報が初期値(MS読み書きノミナルトラック位置情報17が示す値)であるか否かを判定する(ステップ300)。インデックスが初期値であればノミナル位置、初期値でなければ代替トラック位置となる。
インデックスが初期値であれば、取引情報23はノミナル位置へ書き込みまれていることから、上位局に正常書き込みを報告し書き込みを終了する(ステップ308)。
【0056】
一方インデックスが初期値でない場合は、代替トラックに図5(a)で示す書き込み情報フォーマットによって取引情報23などが書き込まれている。したがって、取引情報23がどの代替トラックに書き込まれているかを示すために、書き込み情報フォーマットを図5(b)で示す書き込み情報フォーマットに編集し、MSに書き込む準備をする(ステップ301)。
【0057】
インデックスを初期化することでMS読み書きノミナルトラック位置情報17を読み書きトラック情報テーブル30から取り込み、磁気ヘッドをノミナル位置に配置し(ステップ302)、MSに図5(b)で示す情報フォーマットでインデックス情報23aなどを書き込む(ステップ303)。
【0058】
このとき、複数個を書き込むことによりMSが傷ついているなど読み取りができない位置以外に正常なインデックス情報23aを書き込む事ができる。
【0059】
続いて、MS書き込み(ステップ303)と同様に磁気ヘッドの移動または媒体搬送により、磁気ヘッドに書き込んだインデックス情報23aを読取らせる(ステップ304)。
【0060】
読み取った情報が情報が始め符号22〜チェックキャラクタ25の構成で、且つ書き込んだ情報との比較で一致していれば正常書き込みとする。不一致であって次に続く情報が無い場合は書き込み失敗とする。
【0061】
本チェックでは書き込まれた複数個のインデックス情報のうち一個でも正常であれば正常書き込みとし、全ての情報が不一致であれば書き込み失敗とする(ステップ305)。
【0062】
正常書き込みと判断された場合は、上位局にその旨を報告し、書き込みを終了する(ステップ308)。
【0063】
書き込みが失敗した場合、再度読み取りが必要であれば(ステップ306)MS読み取り(ステップ304)から繰り返し、必要でなければなければインデックス情報の書き込みからやり直す再試行の判断する(ステップ307)。
【0064】
インデックス情報の再書き込みが必要であればMSの書き込み(ステップ303)からやり直す。この再読み取り、書き込みの判定基準は、通常回数で指定するが別の判定基準を設定してもよい。
【0065】
再書込みが必要でなければ上位局に書き込み成功を報告し書き込みを終了する(ステップ308)。この場合、インデックス情報23a等は書き込み失敗となっているが、既に代替トラックに取引情報23を正常に書き込み済みであり、ノミナル位置のMSが読めない場合は、インデックスを更新することで読み書きトラック情報テーブル30から代替トラック位置が把握でき(例えばステップ207等)、問題ないと判断できるため正常書き込みとする。
【0066】
図7(b)は、上位局よりMS情報読み取り指示を契機に実施する制御フローチャートであり、上位局からの読み取り指示によりMS読み取りを処理開始する(ステップ200)。
【0067】
以降ステップ201〜209(205を除く)は図6(b)と同様の動作をするため省略し、動作が相違するMS読み取り正常判定(ステップ205)から説明する。
【0068】
ステップ204で読み取った情報が始め符号22〜チェックキャラクタ25の構成で、且つチェックキャラクタの値が規定の方式で生成したものと、読取り情報のチェックキャラクタと一致するか確認をする。(ステップ205)
結果が正常あれば正常読み取りとし、不一致又は、次に続く情報が無い場合は読取り失敗とする。読み取り失敗の場合、再度読み取りが必要であれば(ステップ206)MS読み取り(ステップ204)から繰り返す。
【0069】
正常読み取りの場合は読み取ったトラックがインデックスが初期値(MS読み書きノミナルトラック位置情報17が示す値)であるかを判定し(ステップ400)、さらに読取った情報のサイズがインデックス情報23aと同じサイズである場合(ステップ401)には、読取った情報はインデックス情報23aと判定し、それ以外は通常の取引情報と判定する。
【0070】
通常の取引取引情報の読み込みである場合は上位局に読取った情報を報告し読み取りを終了する(ステップ408)。
【0071】
インデックス情報23aであると判定した場合は、その情報を基に読み書きトラック情報テーブル30から、該当する代替トラック位置情報を取得する(ステップ402)。以降代替トラックの通常取引情報の読み取りをステップ403〜406で実施するがこのステップはステップ203〜206と同じである。
【0072】
以上の制御を行うことで本発明は、MS情報の書き込み時のトラブル解消とMS媒体の寿命の延長を促進する装置の提供することができる。また本発明は、MSを持つ媒体であれば適用することができる。
【符号の説明】
【0073】
1 媒体挿入部
2 MS部
3 イメージリーダ部
4 印字部
5 媒体回収部
6 媒体搬送部
7 制御部
8a 横MS媒体
8b 縦MS媒体
9a 横磁気ストライプ
9b 縦磁気ストライプ
10 機構内MS媒体搬送方向
11a 磁気情報読み書き込み位置決め媒体搬送方向,
11b 磁気情報読み書き込み位置決め磁気ヘッド搬送方向,
12a 磁気情報読み書きのための磁気ヘッド搬送方向
12b 磁気情報読み書き込みのための媒体搬送方向
13 磁気情報読み書き開始及び終了時のMSと磁気ヘッド位置関係
14 ノミナル読み書きトラック位置
15 代替トラック1
16 代替トラック2
17 MS読み書きノミナルトラック位置情報
18 代替トラック1位置情報
19 代替トラック2位置情報
20 代替トラック3位置情報
21 トラック位置情報終了フラグ
22 初め符号
23 取引情報
23a インデックス情報
24 終り符号
25 チェックキャラクタ
26 ノミナル位置に書き込んだ取引情報
27 代替トラック位置に書き込んだ取引情報
28 ノミナル位置に複数個の書き込んだインデックス情報
30 読み書きトラック情報テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体に付された磁気ストライプの情報を読み出すまたは前記磁気ストライプに磁気情報を書き込みをする磁気ストライプ読書装置であって、
少なくとも二個の磁気情報を並べて書き込み可能な短手方向の幅を有する前記磁気ストライプと、
前記磁気ストライプの長手方向にある前記磁気ストライプの情報を読み出すまたは前記磁気ストライプに前記磁気情報を書き込みを行う磁気ヘッドと、
前記磁気ストライプに書き込まれた前記磁気情報が正しく書き込まれたか否かを判定する判定部と、
当該装置の制御を行う制御部と、を備え、
前記磁気ストライプには、予め、通常の読書きが行われるノミナルトラックと前記ノミナルトラックに前記磁気情報が書き込めない場合に使用される代替トラックが設定され、
前記磁気ヘッドが前記ノミナルトラックに前記磁気情報を書き込み、
前記判定部が前記磁気情報が正しく書き込まれていないと判断した場合、前記磁気ヘッドは前記磁気情報を代替トラック書き込むこと、を特徴とする磁気ストライプ読書装置。
【請求項2】
請求項1に記載の磁気ストライプ読書装置であって、
前記磁気ヘッドを前記磁気ストライプの短手方向に移動させる磁気ヘッド搬送部を有し、
前記判定部によって正しく書き込まれていないと判断した場合に、前記磁気ヘッド搬送部は、前記ノミナルトラックにある前記磁気ヘッドを前記代替トラックへと移動させること、を特徴とする磁気ストライプ読書装置。
【請求項3】
請求項1に記載の磁気ストライプ読書装置であって、
前記媒体を前記磁気ストライプの短手方向に搬送させる媒体搬送部を有し、
前記判定部によって正しく書き込まれていないと判断した場合に、前記ノミナルトラックに相対する前記磁気ヘッドが前記代替トラックに相対するように前記媒体を搬送させること、を特徴とする磁気ストライプ読書装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の磁気ストライプ読書装置であって、
前記ノミナルトラックで書き込みを行った際、前記判定部が書き込まれた情報が正しいものではないと判断した場合、前記磁気ヘッドは、前記ノミナルトラックに前記代替トラックの位置情報を少なくとも1つは書き込むこと、を特徴とする磁気ストライプ読書装置。
【請求項5】
請求項1〜4に記載の磁気ストライプ読書装置であって、
前記制御部は、前記ノミナルトラックおよび前記大体トラックの位置情報を示すテーブルを備え、
前記代替トラックの位置情報を書き込む、前記磁気ヘッドを移動させる、または、前記媒体を搬送する場合に、前記テーブルを参照することを特徴とする磁気ストライプ読書装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の磁気ストライプ読書装置であって、
前記判定部は、前記磁気ヘッドが書きこんだ情報と書き込み後に読取った情報とを比較し、一致しない場合は書き込みが失敗したと判断することを特徴とする磁気ストライプ読書装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の磁気ストライプ読書装置であって、
前記制御部は、上位装置と通信を行い、受信した情報を前記磁気ヘッドが書きこむことを特徴とする磁気ストライプ読書装置。
【請求項8】
媒体に付された少なくとも二個の磁気情報を並べて書き込み可能な短手方向の幅を有する磁気ストライプの情報を読み出すまたは前記磁気ストライプに情報を書き込む磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを前記磁気ストライプの短手方向に移動させる磁気ヘッド搬送部と、前記磁気ストライプに書き込まれた情報が正しく書き込まれたか否かを判定する判定部と、当該装置を制御する制御部とを備える磁気ストライプ読書装置を用い、
媒体に付された磁気ストライプの予め定められた通常書き込みを行うノミナルトラックに前記情報を書き込むステップと、
前記ノミナルトラックに書き込まれた情報を読み出し、正しく書き込まれたか判定するステップと、
正しく書き込まれていないと判定した場合、前記ノミナルトラックから前記ノミナルトラックへ正しく書き込めない場合に使用する代替トラックへ短手方向に前記磁気ヘッドを移動させるステップと、
前記代替トラックに前記情報を書き込むステップとを実行する磁気ストライプ書込方法。
【請求項9】
媒体に付された少なくとも二個の磁気情報を並べて書き込み可能な短手方向の幅を有する磁気ストライプの情報を読み出すまたは前記磁気ストライプに情報を書き込む磁気ヘッドと、前記媒体を前記磁気ストライプの短手方向に移動させる媒体搬送部と、前記磁気ストライプに書き込まれた情報が正しく書き込まれたか否かを判定する判定部と、当該装置を制御する制御部とを備える磁気ストライプ読書装置を用い、
媒体に付された磁気ストライプの予め定められた通常書き込みを行うノミナルトラックに前記情報を書き込むステップと、
前記ノミナルトラックに書き込まれた情報を読み出し、正しく書き込まれたか判定するステップと、
正しく書き込まれていないと判定した場合、前記磁気ヘッドが相対する前記ノミナルトラックから前記ノミナルトラックへ正しく書き込めない場合に使用する代替トラックへと短手方向に前記媒体を移動させるステップと、
前記代替トラックに前記情報を書き込むステップとを実行する磁気ストライプ書込方法。

【図1】
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【図2(a)】
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【図2(b)】
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【図3(a)】
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【図3(b)】
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【図4】
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【図5(a)】
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【図5(b)】
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【図5(c)】
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【図5(d)】
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【図6(a)】
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【図6(b)】
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【図7(a)】
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【図7(b)】
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【公開番号】特開2012−99196(P2012−99196A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−248043(P2010−248043)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】