説明

磁気テープの廃棄処理方法及び装置

【課題】 磁気テープに記録された情報の読取りを容易且つ確実に不能にする磁気テープの廃棄処理方法及び装置を提供すること
【解決手段】 磁気テープの廃棄処理方法は、リール73の巻心73aに渦巻状に巻回された状態にある磁気テープ71を渦巻きの最外周部分77cから巻心に接した最内周部分77eまでの間の全体にわたって横断方向にまとめて切断する段階を含む。磁気テープ廃棄処理装置1は、磁気テープが配設される配設部28,41を備えると共に受け刃21を備えた受け部23,40と、リール73の巻心部73aの外周から巻回状態のテープの最外周部までの範囲を含む領域にわたって実質的に半径方向に延びる刃先部17を備えた押し刃10と、該押し刃10を、磁気テープ71を切断する切断位置P2と磁気テープ71の配設・取出しを許容する離間位置P1との間で可動に支持する押し刃案内部25,24,50とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気テープを廃棄処理する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気テープは、記録可能な情報量が大きく本体に対して着脱・交換可能であることから、長年情報処理データのバックアップ用に用いられており、確実なバックアップを確保するためにはその記録回数に限度があることから、多量の磁気テープの廃棄需要がある。しかしながら、磁気テープに記録された情報には、通常、機密性のあるものが含まれることから、情報の漏洩の虞れのない状態での廃棄が求められる。
【0003】
また、磁気テープは、監視用等のために映像等を記録するビデオテープとして長年用いられている。これらの磁気テープは、通常、法律に従って7年間程度の保存の後、廃棄される。しかしながら、記録された映像には個人の映像が含まれるので、プライバシー保護のために、映像情報の漏洩の虞れのない状態での廃棄が求められる。
【0004】
すなわち、いずれの場合にも、磁気テープに記録された情報の読出しを実際上不能にした状態で廃棄することが求められる。
【0005】
このために、一方では、強磁場下で記録データないし情報を消去する方法が提案されている。しかしながら、磁気テープの全領域にわたってデータ・情報が完全に消去されたか否かを確認することが容易でないので、実際には、採用され難い。
【0006】
従って、現状では、磁気テープをシュレッダの如き破砕装置によって、粉々に切断・粉砕することにより、磁気テープが廃棄されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
しかしながら、磁気テープは、該テープが巻回されるリールを含み、更に、多くの場合、カセットケースに収納されているので、磁気テープの破砕に際しては、該テープの細断だけでなく、リールやケースの破砕を要する。なお、ケースには、プラスチック材料だけでなく、金属材料片も含まれることから、該金属材料の破断又は分離処理を要する。従って、これらの全てを確実に切断・粉砕し得るようにするために、破砕装置は、大きな動力を要する。
【0008】
また、近年、廃棄物のリサイクルが求められている。しかしながら、全てを、粉々に切断・粉砕してしまうことは、このリサイクルのためには、不都合である。
【0009】
なお、カセットテープにおいて、カセットケースだけを切り取って、ケースとテープとを分離することは、提案されている(特許文献2)。また、廃棄を容易にするようなケースも提案されている(特許文献3等)。
【0010】
しかしながら、前者は、時間と手間を要するだけでなく、磁気テープ自体の有効な廃棄処理の仕方を提供するものではない。後者は、従来からある膨大な数の磁気テープの廃棄処理には適用されない。なお、後者も、磁気テープ自体の有効な廃棄処理の仕方を提供するものではない。
【0011】
なお、磁気テープの端部を廃棄するために、テープの先端部分をリールから引出し、該先端部分の一部を切断することは提案されている(例えば、特許文献4,5等)。
【0012】
しかしながら、これらは、テープの全体を廃棄処理するものでないだけでなく、この方法をテープの全体の廃棄処理に適用する場合、廃棄処理に長時間を要することになる。また、減圧系を要することから、装置が大形化するのを避け難い。
【特許文献1】特開平5−138054号公報
【特許文献2】特開平8−306157号公報
【特許文献3】特開2003−157647号公報
【特許文献4】特開平8−113399号公報
【特許文献5】特開2003−331558号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は,前記諸点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、磁気テープに記録された情報の読取りを容易且つ確実に不能にする磁気テープの廃棄処理方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の磁気テープの廃棄処理方法は、上記目的を達成すべく、リールの巻心に渦巻状に巻回された状態にある磁気テープを渦巻きの最外周部分から巻心に接した最内周部分までの間の全体にわたって横断方向にまとめて切断する段階を含む。
【0015】
本発明の磁気テープ廃棄処理方法では、「リールの巻心に渦巻状(換言すれば、ロール状ないしパンケーキ状)に巻回された状態にある磁気テープを渦巻きの最外周部分から巻心に接した最内周部分までの間の全体にわたって横断方向にまとめて切断する」ので、少数回の切断処理でリールに巻回された磁気テープの全体を多数の磁気テープ片に分断し得、テープに記録された情報の読取りを実際上不能にし得る。典型的には、横断方向の切断処理は、一箇所でよく、その場合には、一回の切断処理で済む。その場合でも、磁気テープは、リールの最大径部の一周分の長さ以下に分断されるので、情報の読み取りは実際上不可能になる。但し、所望ならば、複数箇所を切断してもよく、その場合、該複数回の切断処理を行えば足りる。なお、磁気テープカセット装置が複数(典型的には二つ)のリールを含む場合であって各リールに磁気テープが部分的に巻回されているときには、各リールに巻回された磁気テープを横断方向に切断すればよい。また、磁気テープが分断されたことは、一目瞭然であるから、安心して廃棄をすることが可能になる。
【0016】
なお、切断後のテープの切断箇所をばらばらにしておくために、切断後のテープに振動を与えるか切断箇所をほぐすようにしてもよい。
【0017】
磁気テープは、オープンリール式の磁気テープであっても、カセットケース内ににおいてリールに巻回されたカセット磁気テープであってもよい。カセットケース内においてリールに巻回されたカセット磁気テープの場合、カセットケースを磁気テープと共に、巻回状態の磁気テープの横断方向に、切断する。なお、この明細書において、磁気テープとリールやカセットケース(ある場合)とを含む全体を、磁気テープ装置と呼ぶ。
【0018】
切断処理を受けるべき磁気テープ装置としては、磁気テープがリールに巻かれたものであれば、その形態は、どのようなものでもよく、磁気テープがカセットケースに収容されたカセットテープ形式のものでも、オープンリール形式のものでもよく、また、リールが複数(典型的には一対)のものでも一つのものでもよく、例えば、DAT(Digital Audio Tape)形式のものでも、DDS(Digital Data Storage)形式のものでも、AIT(Advanced Intelligent Tape)形式のものでも、DLT(Digital Linear Tape)形式のものでも、LTO(Linear Tape−Open)形式のものでもよい。
【0019】
また、本発明による磁気テープの廃棄処理方法は、以上のようにして、巻回された磁気テープをその横断方向に切断するだけであるので、処理の完了後に、磁気テープ装置は、全体としてその外形を留め得るから、素材のリサイクルのための回収が容易に且つ紛れなく行われ得る。また、カセットケースを含む通常の磁気テープ装置において、カセットケースが部分的に切断されるので、その分解処理が容易になるから、リサイクル処理も容易になる。
【0020】
すなわち、本発明による磁気テープの廃棄処理方法は、切断されるべき磁気テープがカセットケース内においてリールに巻回されたカセット磁気テープ装置の磁気テープであり、前記切断は、渦巻き状態に巻回された磁気テープを該磁気テープが巻回されたリール及びカセットケースと共に切断することからなる。
【0021】
横断方向は、典型的には、実質的にリールの半径方向である。但し、リールに巻回された状態の磁気テープを、渦巻きの最外周部分から巻心に接した最内周部分までの間の全体にわたってまとめて一息に切断し得る限り、所望ならば、厳密に半径方向でなく半径方向からある程度ズレた方向に切断してもよい。
【0022】
すなわち、本発明の磁気テープ廃棄処理方法において、典型的には、前記切断が、渦巻きの最外周部分から巻心に接した最内周部分までの範囲を含む領域にわたって、実質的に半径方向に、巻回状態の磁気テープを切断することからなる。
【0023】
この場合、最小限の切断によって、テープを確実に分断し得る。また、実際上半径方向に切断することによって、切断の際に、リールが回転方向にズレル虞れを最低限に抑え得る。
【0024】
切断は、レーザビームや熱線(熱ビーム)や流体のジェット(流)による切断であってもよいけれども、典型的には、切断刃によって行う。これにより、切断に要する設備を最低限にし得、また発熱によるガスの発生等を最低限に抑え得るので、多量の磁気テープの廃棄を要するところで、直接切断による廃棄処理を行うことが可能になる。
【0025】
なお、切断刃としては、メタルソーやバンドソーでもよいけれども、磁気テープ自体は薄く(典型的には0.02mm程度)、回転体で切断すると徐々にほつれて切断刃に絡みついたりリールが回ったりする虞れがあって危険な虞れがあることや細かい粉の発生を避け難いことから、好ましくは、押し刃の形態のせん断刃からなる。
【0026】
本発明による磁気テープ廃棄処理装置は、前記目的を達成すべく、磁気テープが配設される配設部を備えると共に受け刃を備えた受け部と、リールの巻心に渦巻状に巻回された状態の磁気テープが受け部に配設された際に、リールの巻心部の外周から巻回状態のテープの最外周部までの範囲を含む領域にわたって実質的に半径方向に延びる刃先部を備えた押し刃と、該押し刃を、受け刃と協働して磁気テープを切断する切断位置と磁気テープの受け部への配設及び該受け部からの取出しを許容する離間位置との間で可動に支持する押し刃案内部とを有する。
【0027】
本発明の磁気テープ廃棄処理装置では、「リールの巻心に渦巻状に巻回された状態の磁気テープが受け部に配設された際に、リールの巻心部の外周から巻回状態のテープの最外周部までの範囲を含む領域にわたって実質的に半径方向に延びる刃先部を備えた押し刃と、該押し刃を、受け刃と協働して磁気テープを切断する切断位置と磁気テープの受け部への配設及び該受け部からの取出しを許容する離間位置との間で可動に支持する押し刃案内部と」が設けられているので、押し刃を離間位置に設定した状態で受け部に磁気テープを配設し、押し刃案内部に案内された押し刃を切断位置に移動させることによって、リールに巻回された状態の磁気テープを、リールの巻心部の外周から巻回状態のテープの最外周部までの範囲を含む領域にわたって実質的に半径方向に切断し得る。従って、本発明の磁気テープ廃棄処理装置によりこの切断が一回だけ行われる場合でも、この切断により、磁気テープを実際上一巻き分(一周分)の長さに分断し得る。所望ならば、異なる半径方向箇所でリールに巻回された状態の磁気テープを切断することにより、磁気テープを実際上一巻きより短い長さに分断し得る。このように、一巻き分またはそれより短い長さに分断された磁気テープは、有効な情報の読み取りや再生が実際上行われ難くなるから、機密の漏洩やプライバシーの漏洩の虞れなく、廃棄され得る。従って、本発明の磁気テープ廃棄処理装置は、簡単な処理で、廃棄処理を可能にする。また、磁気テープが分断されたことは、一目瞭然であるから、安心して廃棄をすることが可能になる。
【0028】
なお、切断後のテープの切断箇所をばらばらにしておくために、切断後のテープに振動を与える振動付与手段を設けておいたり、切断箇所をほぐす棒状手段を設けておいてもよい。
【0029】
本発明の磁気テープ廃棄処理装置では、前記押し刃の刃先は、巻回状態の磁気テープを切断し得る限り渦巻状に巻回されたテープの渦巻き面に対して直角でもいずれの向きに傾斜していてもよいけれども、好ましくは、リールに渦巻状に巻回された状態の磁気テープのうち外周側に位置する部分に対面する部分程磁気テープに近接するように傾斜したシャー角を有する。
【0030】
これにより、切断の際に押し刃の刃先が巻回状態の磁気テープをリールに押付けるような半径方向内向きの力を磁気テープに及ぼすので、この磁気テープに働く半径方向内向きの力をリールが背後で受けで支えることになるから、巻回状態の磁気テープの切断が容易且つ確実に行われ得る。なお、仮に、刃先が逆向きのシャー角を有する場合、巻回状態の磁気テープをリールから離す方向に即ち巻回状態の該テープをほどく方向の力が働くから、巻回状態の磁気テープの支えが不十分になって切断が容易には行われにくくなる虞れがあるけれども、刃先がリールに対面する向きのシャー角を有する場合には、このような虞れがない。なお、このシャー角は、典型的には、5度程度〜30度程度である。但し、より大きくてもより小さくてもよい。
【0031】
本発明の磁気テープ廃棄処理装置では、刃先が上述のようなシャー角を有する場合、押し刃案内部が、典型的には、押し刃のうち磁気テープのリールの巻心側とは反対側の側縁部を支える側縁支持部を備える。
【0032】
この場合、押し刃が磁気テープをリールの巻心側に押付ける際に磁気テープから受ける半径方向外向きの反力に対して、押し刃を押し刃案内部の側縁支持部で支え得るから、押し刃が磁気テープを切断する力を磁気テープに確実に及ぼし得、磁気テープの切断が確実に行われ易い。
【0033】
本発明の磁気テープ廃棄処理装置では、押し刃の前記刃先はせん断用刃先を先端部の両側縁に備えた両刃の形態であってもよいけれども、押し刃の前記刃先は、好ましくは、押し刃の先端部の一側縁に形成された片刃の形態のせん断用刃先からなる。
【0034】
この場合、せん断力が狭い領域に集中され得るので、せん断が確実に行われ得るのみでなく、せん断の際に生じた小さなせん断屑が刃先のせん断側縁とは反対側に押し退けられるので、せん断が確実に進行し得る。即ち、片刃の形態のせん断刃からなる場合、比較的剛性の高いプラスチック材料からなるカセットケース内に磁気テープが収容されていても、カセットケースのうちの切断部に沿った部分だけが効果的に切断され得、比較的小さな駆動力で磁気テープ装置の磁気テープが切断され得る。なお、仮に、両刃の場合、二つの刃の間にせん断屑がたまり易いので、せん断の進行に伴って、せん断屑に大きな圧力がかかる虞れがあり、場合によっては、受け部が破壊される虞れがあることから、片刃の方が好ましい。
【0035】
本発明の磁気テープ廃棄処理装置では、典型的には、受け部が、押し刃の刃先を受容する凹部を備える。
【0036】
この場合、せん断屑が刃先の進行方向にも逃げ得るから、せん断が容易且つ確実に行われ得る。また、刃先が傾斜している場合に、磁気テープの半径方向の全域を確実に切断し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
次に、本発明の好ましい一実施の形態を添付図面に示した好ましい一実施例に基づいて説明する。
【実施例】
【0038】
図1には、本発明の好ましい一実施例の磁気テープ廃棄処理方法を実施するための本発明の好ましい一実施例の磁気テープ廃棄処理装置としての磁気テープ切断装置が、示されている。また、図2には、図1の磁気テープ切断装置のいくつかの部品が示されている。
【0039】
磁気テープ切断装置1は、切断装置本体2と押し刃10とを有する。以下では、押し刃10が、図1に示したように、上下方向に移動されるとして説明するけれども、押し刃10が、上下方向に移動される代わりに、水平方向又は斜め方向に移動されるように切断装置1が配置されていてもよい。また、以下では、説明の簡明化のために、+Z方向が鉛直方向上向きになるように、切断装置1に固定したX,Y,Z直交座標系を採る。
【0040】
切断装置本体2は、受け刃プレート20と受け板30と保持ブロック40とガイドプレート50とを備える。
【0041】
図1並びに図2の(c)及び(d)からわかるように、受け刃プレート20は、押し刃10側に位置する上縁部22(+Z側縁部)に受け刃部21を備え水平方向(+Y方向)に延びた受け本体部23と、該受け本体部23の一端(−Y方向端部)から押し刃10側すなわち上方(+Z方向)に一体的に延設された支柱部24と、該支柱部24の延設端から一体的に横方向(+Y方向)に延設され受け本体部23に対向する状態で該受け本体部23と平行に延びた長方形状のガイド部25とを有し、全体としてほぼ「コ」の字状の厚板26からなる。受け本体部23のうち受け刃部21としてせん断に必要な強度の刃厚を確保し、受け本体部23のうち当該受け刃部21として必要な厚さ部分よりも下方の部分27では、厚さは不要であることからわずかに切欠かれて薄肉化されている。支柱部24と受け本体部23及びガイド部25とは、応力集中を避けるべく、円弧状連結部24a,24bでつながっている。受け本体部23の上面28は、磁気テープを支える支持面Aの一部をなす。
【0042】
図1の(a)及び(b)からわかるように、受け刃プレート20の受け本体部23の底部には受け板30が固定され、該受け板30には、受け刃プレート20の受け本体部23に対して+X方向に間隔Bをおいて、凹部44を形成する状態で保持ブロック40が固定されている。受け刃プレート20の受け本体部23や保持ブロック40と受け板30との連結は、十分な剛性が確保される限りどのような構造・形態でもよく、所望ならば、一体物であってもよい。
【0043】
受け板30に固定された状態において、保持ブロック40の上面41は、受け刃プレート20の受け本体部23の上面28と面一の状態にあり、両面41,28が全体として、切断処理されるべき磁気テープの支持面Aをなす。
【0044】
以上において、受け部4は、受け刃プレート20の受け本体部23と受け板30と保持ブロック40とからなる。また、磁気テープの配設部は、支持面Aを与える受け本体部23の上面28と保持ブロック40の上面41とからなる。
【0045】
図1並びに図2の(a)及び(b)からわかるように、ガイドプレート50は、受け刃プレート20のガイド部25と同様な長方形状を有する厚板からなり、中央部に、高さ方向Zの全域にわたって延びた溝ないし凹部51を備える。凹部51は、幅がEで深さがDである。受け刃プレート20は、凹部51の両側の厚肉部52,53で、受け刃プレート20のガイド部25の面29に固定されている。面29は、ガイド部25だけでなく、支柱部24及び受け本体部23の受け刃部21の全体にわたって面一の平面として拡がっている。ガイドプレート50の凹部51と受け刃プレート20のガイド部25の面29とによって、幅がEで厚さがDの押し刃案内孔Fが形成されている。受け刃プレート20のガイド部25とガイドプレート50との固定は、この例では、ガイドプレート50のボルト挿通孔54に挿通され受け刃プレート20のガイド部25のねじ孔25a(図2の(d))に螺着されたボルト55によりなされているけれども、押し刃案内孔Fの周壁の剛性が維持される限り、溶接等の他のどのような手段で行われていてもよく、一体物でもよい。
【0046】
以上において、押し刃案内部は、受け刃プレート20のガイド部25及び支柱24とガイドプレート50とからなる。
【0047】
押し刃10は、厚さがほぼDで幅がほぼEの厚板11からなり、図1において実線で示した離間位置P1と図1に置いて想像線で示した切断位置P2との間で−Z,+Z方向に摺動可能に押し刃案内孔Fに挿通されている。離間位置P1は被切断物である磁気テープ装置の装着・取出を許容する限り、図示の位置よりも高くても低くてもよい。また、切断位置P2は、磁気テープ装置のリールやカセットケースを過度に切断することなく磁気テープを切断し得る限り、図示の位置よりも図示の位置よりも高くても低くてもよく、また、ストッパで位置決めされても、被切断物の剛性や状態に応じて又は各回の切断操作において操作者により適宜選択可能であるなど厳密には定められていなくてもよい。押し刃10の厚板11は、−X側表面12で受け刃プレート20の表面29に摺接し、+X側表面13でガイドプレート50の凹部51の底面56(図2の(a))に摺接し、−Y側側面14でガイドプレート50の凹部51の側面57に摺接し、+Y側側面15で凹部51の側面58に摺接している。凹部51の側面57は、支柱部24の+Y側側面24cよりも−Y側に位置しており、支柱24の面29が押し刃10による切断加工の際に押し刃10を支持・案内するガイド面になる。なお、受け刃プレート20の支柱部23に押し刃10の側面14を案内・支持する支持・案内面が形成されていてもよい。押し刃10は、下端部に、片刃形態のせん断用刃部16を備える。せん断用刃部16は、受け部4の受け刃21と協働して被切断物をせん断する。刃部16の刃先縁17は、支柱部24から+Y方向に離れる程、支持面Aから+Z方向に遠ざかるように傾斜したシャー角αを有する。このシャー角αは、好ましくは、5度程度〜30度程度の範囲内である。また、片刃部16の表面13側の刃面18は、ガイド部25の面29から+X方向に離れる程、支持面Aから+Z方向に遠ざかるように傾斜したシャー角βを有する。このシャー角βは、好ましくは、45度程度〜60度程度の範囲内である。シャー角βは、図示したように一段の傾斜面からなる代わりに、二段など多段の傾斜面になっていてもよい。
【0048】
押し刃10は、想像線で示した駆動手段ないし装置5に結合され、該駆動手段5によって、Z方向に移動される。駆動手段5は、電動モータ及び減速機構とボールねじの如き回転・並進変換機構との組合せであっても、油圧シリンダ装置や空圧シリンダ装置の如き流体圧シリンダ装置であってもよい。流体圧シリンダ装置は、バネによって復帰する単動式のものでも往動及び復動の両方共に流体圧による複動式のものでもよい。孔10aは駆動手段による+Z方向への引上げの際の係合用の孔である。
【0049】
図示した磁気テープ切断装置1は、その実質的な部分であって、所望に応じて、押し刃10による怪我などの虞れを最低限にすべく押し刃の動作範囲の周囲を蔽う囲繞を含んだり、切断されるべき磁気テープの配設や位置決めを容易にするように配設部分の周囲を取囲む囲繞等を含む所望の筐体に収容され得る。押し刃10が鉛直方向に移動する代わりに、水平方向や斜め方向に移動するような向きに磁気テープ切断装置1が筐体に組込まれる場合には、磁気テープ装置を所望位置で位置決め保持するためのバネ等を含む位置決め保持手段が設けられていてもよい。
【0050】
次に、図1に示した磁気テープ切断装置1によって、図4の(a)に示したような磁気テープ装置70の磁気テープ71を切断する例について、主として、図3に基づいて説明する。
【0051】
この磁気テープ装置70は、カセットケース72内において二つのリール73,74間で磁気テープ71がガイドピンないしガイドローラ75を介して繰出ないし巻取り・巻戻しされるように移動されるタイプのVHS形式のビデオテープ装置である。リール73,74は、図3の(a)及び(b)並びに図4の(a)に示したように、夫々、巻心73a,74a及び円板状のフランジ部73b,74bを含み、図3の(b)からわかるように、巻心73a,74a間に延在しケース本体72aの前面側壁部72bに中央部で支えられた金属製のバネ76により巻心73a,74aが押えられている。カセットケース72は、ケース本体72aと該本体72aに対して開閉回動可能な蓋部72cとを含み、剛性の比較的高いプラスチック材料からなる。バネ76に加えて、蓋部72cと本体72aとの間のバネ(図示せず)やガイドローラ等の一部の部品は金属製であり得る。以下では、説明の簡単化のために、磁気テープ71が一方のリール73に巻取られて渦巻状(ロール状ないしパンケーキ状)の状態Hにあるとする。
【0052】
切断に際しては、まず、押し刃10を上端の離間位置P1に設定した状態で、図3に示したとおり磁気テープ装置70の一方の面(典型的には背面70a)が切断装置1の支持面Aに当接するように且つ特に図3の(b)に示したとおり押し刃10の刃部16が磁気テープ装置70のリール73の巻心73aのうちバネ76の重なっていない外周部分73cから渦巻状Hの磁気テープ部分77を実質的に半径方向に横切ってカセットケース72の隣接側壁たとえば端壁72dまでの部分に対向するように、磁気テープ装置70を受け部の支持面A上に載置する。
【0053】
この切断装置1では、押し刃10の側縁14が支柱部24の側面24cよりも−Y側に位置するので、被切断物である磁気テープ装置70の端壁72dを支柱部24の側面24cに当接させても、押し刃10は、磁気テープ装置70の端壁72dの角部から切断を開始し得る(湾曲部24bがない場合)。但し、押し刃10の刃部16の刃先部17の+Y方向端部17aが巻心73aの外周部分73cよりも+Y側に位置することになる場合には、磁気テープ装置70のY方向の配設位置を調整・選択する。
【0054】
次に、駆動手段5を駆動して、押し刃10を−Z方向に押し下げる。これにより、押し刃10は、案内孔Fで案内されつつ、−Z方向に下りて、カセットケース72の端壁72dの部分から磁気テープ装置70の切断を開始する。切断装置1では、押し刃10の刃先17にシャー角αが形成されているので、剛性の比較的高いプラスチック材料からなるカセットケース72の本体部72aの端壁部72dが角部72fから押し刃10によって容易に切断され得る。
【0055】
押し刃10が更に−Z方向に押し下げられると、押し刃10の刃先17が、ケース72の端壁部72d及び上壁部72bを切断すると共に、渦巻き状Hの磁気テープ部分77を表面側77aから裏面側77bに向かって−Z方向に且つ最外周側部分77cから内周側77dに向かって−Y方向に切断していく。ここで、磁気テープ部分77では、磁気テープ71がパンケーキ(渦巻きないしロール)の形態Hに巻かれているので、磁気テープ71のパンケーキ体(渦巻き体ないしロール体)77は剛性が比較的高いから、押し刃10による切断が容易に行われ得る。また、押し刃10では、刃先17にシャー角αが形成されているので、切断の進行に伴い渦巻き状(パンケーキ状ないしロール状)の磁気テープ部分77がリール73の巻心73aに向かって半径方向内向きJ1に押付けられ、該リール73がその外周部において背面側で渦巻き状の磁気テープ部分77を支えるから、押し刃10によるせん断が容易且つ確実に進行し得る。なお、このせん断の進行の際に、押し刃10は、反力として、渦巻き状の磁気テープ部分77から半径方向外向きJ2の力を受けるけれども、切断装置1の案内孔Fの面57が押し刃10の側面14を支え且つ孔Fの面58の上部が側面15を支えるので、押し刃10は、確実に−Z方向に押し下げられ得る。
【0056】
また、この押し刃10では、片刃面18にシャー角βが形成されているので、切断の完了した部分に対して押し刃10の刃面18が切断屑を最小限にする状態で−Z方向に押込まれ易く、且つ該−Z方向の押込みの際に押し刃10の刃面18が切断物を+X方向に押し退け得るから若干の切断屑が生じても該生成物が切断の進行を妨げる虞れを最低限にし得る。更に、押し刃10は、刃面18で反力を受けて−X方向に押され得るので、せん断刃16,21によるせん断が容易且つ確実に行われ易い。
【0057】
押し刃10のうち磁気テープ71の渦巻き状の磁気テープ部分77の切断を完了した刃先部分17は、ケース72の裏面側壁部72eを貫通して、磁気テープ装置70のケース72から−Z方向に凹部44内に突出する。押し刃10の刃先17のうちリール73の巻心73a側の縁部分17aが、リール73の巻心73aの外周部分73cを少なくとも部分的に切断すると共に、該巻心73aに隣接して位置する渦巻き状磁気テープ77の最内周部分77eの切断が完了する切断位置P2に刃先17が達すると、切断処理が完了する。なお、切断位置P2は、図3の(b)において想像線で示したように、実際には、最内周部分77eの切断の後、刃先17が更に−Z方向に進んだ位置であり得る。この切断処理により、磁気テープ71は、図4の(b)において切断線77fで示したように、半径方向領域77gの全体が、切断される。切断が完了すると、駆動手段5が駆動されて、押し刃10が切断位置P2から元の離間位置P1に+Z方向に戻される。
【0058】
このように、半径方向に切断された渦巻き状状磁気テープ部分77では、磁気テープ71は、リール73の一周分の長さ領域に分断される。従って、このように切断された磁気テープ71からの情報の読み取りや再生は実際上行われ難い。その結果、このような切断処理を受けた磁気テープ71を備えた磁気テープ装置70は、情報の読取りや再生の虞れなく、実際上そのまま廃棄可能である。なお、所望ならば、切断されたテープ71の切断線77fの部分77gをほぐしてもよい。
【0059】
所望ならば、切断を切断線77fに沿って一方向に行う代わりに、図4の(c)に示したように、切断線77fと交差する(例えば、ほぼ直角な)切断線77h,77jに沿って更に切断してもよい。勿論、切断線77fに沿った切断を行う代わりに、切断線77h又は77jに沿った切断のみを行うようにしてもよい。
【0060】
なお、磁気テープ71がリール73の巻心73aだけでなくリール74の巻心74aにも部分的に巻かれた状態である場合には、切断線77fや77hや77jと同様な切断線に沿って、リール74の巻心74aに渦巻状に巻かれた磁気テープ71を更に切断すればよい。
【0061】
以上のようにして、磁気テープ71がリール一巻き分以下の長さに分断された磁気テープ装置70では、切断線77g等において切断されているだけであるので、ケース72が元の形態(原型)を実際上留めているから、切断屑の発生が最低限に抑えられるだけでなく、リサイクル処理にそのまま回され得る。加えて、ケース72が部分的に切断されているので、手作業による分解も容易に行われ得る。その結果、各材料への仕分けも容易且つ確実に行われ得るから、切断処理済みの磁気テープ装置70は、高純度の再生材料として利用され得る。
【0062】
なお、以上においては、金属製バネ76を避けて切断するとして説明したけれども、十分大きい切断荷重をかけ得る場合には、金属材料部分をも切断するようにしてもよい。
【0063】
切断処理を受けるべき磁気テープ装置としては、磁気テープがリールに巻かれたものであれば、その形態は、どのようなものでもよく、磁気テープがカセットケースに収容されたカセットテープ形式のものでも、オープンリール形式のものでもよい。また、リールが複数のものでも一つのものでもよく、例えば、DAT形式のものでも、DDS形式のものでも、AIT形式のものでも、DLT形式のものでもよい。なお、この明細書で、リールとは、磁気テープが渦巻状に巻かれるものをいい、通常は異なる名称で呼ばれるものでもよい。
【0064】
例えば裏側壁部がアルミニウム板の如き金属板からなるデータカートリッジ形式の磁気テープ装置の場合、裏側壁面を貫通するような切断を行っても、(シャー角αに起因して)裏側壁部の一部を貫通するような切断を行っても、裏側壁部の表面側(内面側)の一部に切り込むような切断を行ってもよい。
【0065】
図5の(a)には、リールが一つのLTO形式の磁気テープ装置70kを示した。図5の(a)において、図4や図3に示した磁気テープ装置70と同様な又は対応する部材や要素や部位には同一の符号の最後に添字kが付されている。このLTO形式の磁気テープ装置70kを廃棄処理する場合、磁気テープ装置70kを磁気テープ切断装置1の支持面A上の所定部位に配置して、図5の(b)に切断線77fkで示したように、ケース72kの任意の一側壁72dkからリール73kの巻心73akの外周部分73ckまでを、切断装置1の押し刃10により、切断する。これにより、磁気テープ71kの渦巻き状部分77kは、一周毎に分断される。その他の点は、磁気テープ装置70について、図3及び図4に関連して行った説明が実際上そのまま当てはまることは、明らかであろう。なお、この場合、巻心73akの外周部分73ckまで切断する代わりに、巻心73akの中心部まで切断してもよい。なお、場合によっては、巻心73akを越えて渦巻き状磁気テープ部分77kの他方の側まで切断してもよいけれども、好ましくは、巻心73akまでで留めて、反対側から切断する方が好ましい。
【0066】
図5の(c)には、オープンリール形式の磁気テープ装置70mを示した。図5の(c)において、図4や図3に示した磁気テープ装置70と同様な又は対応する部材や要素や部位には同一の符号の最後に添字mが付されている。このオープンリール形式の磁気テープ装置70mを廃棄処理する場合、磁気テープ装置70mを磁気テープ切断装置1の支持面A上の所定部位に配置して、図5の(d)に切断線77fmで示したように、リール73mの外周部分78からリール73mの巻心73amの外周部分73cmまでを、切断装置1の押し刃10により、切断する。これにより、磁気テープ71mの渦巻き状部分77mは、一周毎に分断される。その他の点は、ケースを欠く点を除き、磁気テープ装置70について、図3及び図4に関連して行った説明が実際上そのまま当てはまることは、明らかであろう。なお、この場合、リール73mの半径方向アーム部79に沿って該アーム部79を半径方向に切断してもよいけれども、典型的には、無駄な切断屑の発生を最低限に抑えるべく、アーム79のない部分に沿って半径方向に切断する。なお、この場合にも、巻心73amの外周部分73cmまで切断する代わりに、巻心73amの中心部まで切断してもよい。
【0067】
切断装置は、磁気テープ装置の磁気テープの渦巻状部分をその外周部分から巻心のところまで、カセットケースなどがある場合には該ケースと同時に切断し得る限り、図示したものの代わりに、他のどのような形状や構造のものでもよい。
【0068】
また、本発明の切断方法を具現化するための切断装置は、せん断刃を備えたせん断装置の代わりに、場合によっては、メタルソーやバンドソーのようなソーであってもよく、また、素材が熱によりガスなどを発生し難い場合には、レーザビームや熱線などであってもよい。
【0069】
なお、現時点においては、情報処理されるべき情報や映像等が記録されるテープが実際上磁気記録に限られることから、以上においては、テープを磁気テープと記載したけれども、リールに渦巻状に巻回されるテープであれば、磁気記録以外の形式で情報や映像等が記録されたものでもよく、この明細書において、磁気テープという用語はそれらを含み得る趣旨である。
【0070】
また、特許請求の範囲に記載された発明の範囲には含まれないけれども、本発明の切断装置は、所望ならば、CD(コンパクトディスク)やDVD(多用途デジタルディスク)のようなディスク状の記録媒体であって記録可能なもの又は読取専用のものに機密情報やプライバシーに係る情報が含まれる場合に、それらのディスク状記録媒体を読み取り不能に処理するためにも用いられ得る。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明による好ましい一実施例の磁気テープ切断装置を示したもので、(a)は(b)の右側面説明図、(b)は正面説明図。
【図2】図1の磁気テープ切断装置の本体の部品を示したもので、(a)はガイドプレートの上面説明図、(b)は(a)のIIB方向の平面(背面)説明図、(c)は受け刃プレートの上面説明図、(d)は(c)のIID方向の平面(正面)説明図。
【図3】図1の磁気テープ切断装置による磁気テープ切断処理を示したもので、(a)は図1の(a)と同様な方向から見た説明図(但し、磁気テープ装置については図4の(a)のIIIA−IIIA線断面で示されている)、(b)は図1の(b)と同様な方向から見た説明図(但し、磁気テープ装置については図4の(a)のIIIB−IIIB線断面で示されている)。
【図4】図3の磁気テープ切断処理で切断される磁気テープ装置を示したもので、(a)は切断処理前の状態を示した平面説明図、(b)は一方向の切断処理が完了した状態についての(a)と同様な平面説明図、(c)は三方向の切断処理が完了した状態についての(a)と同様な平面説明図。
【図5】図1の磁気テープ切断装置で切断される別の磁気テープ装置を示したもので、(a)はLTO形式の磁気テープ装置についての図4の(a)と同様な平面説明図、(b)は(a)の磁気テープ装置の切断処理後の状態を示した(a)と同様な平面説明図、(c)はオープンリール形式の磁気テープ装置についての(a)と同様な平面説明図、(d)は(c)の磁気テープ装置の切断処理後の状態を示した(c)と同様な平面説明図。
【符号の説明】
【0072】
1 磁気テープ切断装置
2 切断装置本体
4 受け部
5 駆動手段
10 押し刃
11 厚板
12,13 表面
14,15 側面
16 片刃部
17 刃先
17a 縁部分
18 片刃面
20 受け刃プレート
21 受け刃部
22 上縁部
23 受け本体部
24 支柱部
25 ガイド部
28,41 上面
29 表面
30 受け板
40 保持ブロック
50 ガイドプレート
51 凹部
70,70k,70m 磁気テープ装置
70a 背面
71,71k,71m 磁気テープ
72,72k カセットケース
72a ケース本体
72c 蓋部
72d 端壁
73,74,73k,73m リール
73a,74a,73ak,73am 巻心
73b,74b フランジ部
73c 巻心外周部分
77,77k,77m 渦巻状(ロール状ないしパンケーキ状)磁気テープ部分
77a 表面側部分
77b 裏面側部分
77c 最外周部分
77d 内周側部分
77e 最内周部分
77f,77h,77j,77fk,77fm 切断線
77g 切断された半径方向領域
A 支持面
F 押し刃案内孔
H 渦巻き状(ロール状ないしパンケーキ状)形態
P1 離間位置
P2 切断位置
X,Y,Z 座標系
α シャー角
β シャー角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リールの巻心に渦巻状に巻回された状態にある磁気テープを渦巻きの最外周部分から巻心に接した最内周部分までの間の全体にわたって横断方向にまとめて切断する段階を含む磁気テープの廃棄処理方法。
【請求項2】
前記横断方向が実質的にリールの半径方向である請求項1に記載の磁気テープの廃棄処理方法。
【請求項3】
切断されるべき磁気テープがカセットケース内においてリールに巻回されたカセット磁気テープ装置の磁気テープであり、前記切断は、渦巻き状態に巻回された磁気テープを該磁気テープが巻回されたリール及びカセットケースと共に切断することからなる請求項1又は2に記載の磁気テープの廃棄処理方法。
【請求項4】
前記切断を、一方向に行う請求項1から3までのいずれか一つの項に記載の磁気テープの廃棄処理方法。
【請求項5】
前記切断を切断刃によって行う請求項1から4までのいずれか一つの項に記載の磁気テープの廃棄処理方法。
【請求項6】
磁気テープが配設される配設部を備えると共に受け刃を備えた受け部と、
リールの巻心に渦巻状に巻回された状態の磁気テープが受け部に配設された際に、リールの巻心部の外周から巻回状態のテープの最外周部までの範囲を含む領域にわたって実質的に半径方向に延びる刃先部を備えた押し刃と、
該押し刃を、受け刃と協働して磁気テープを切断する切断位置と磁気テープの受け部への配設及び該受け部からの取出しを許容する離間位置との間で可動に支持する押し刃案内部と
を有する磁気テープ廃棄処理装置。
【請求項7】
前記押し刃の刃先は、リールに渦巻状に巻回された状態の磁気テープのうち外周側に位置する部分に対面する部分程磁気テープに近接するように傾斜したシャー角を有する請求項6に記載の磁気テープ廃棄処理装置。
【請求項8】
受け部が、押し刃の刃先を受容する凹部を備える請求項6又は7に記載の磁気テープ廃棄処理装置。
【請求項9】
押し刃の前記刃先部が片刃の形態のせん断用刃先からなる請求項6から8までのいずれか一つの項に記載の磁気テープ廃棄処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−159328(P2006−159328A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−352400(P2004−352400)
【出願日】平成16年12月6日(2004.12.6)
【出願人】(303015505)三央工業株式会社 (6)
【Fターム(参考)】