説明

磁気テープカートリッジ

【課題】単一のリールに巻装した磁気テープの先端に接合するリーダーテープに強度面及びその他の点で良好な特性を有するものを用い、良好なロード/アンロードが行え、耐久性を確保する。
【解決手段】カートリッジケース2に磁気テープ4を巻装した単一のリール5を回転可能に収容し、上記磁気テープ4の先端に、リーダーテープ7の一端を固着し、リーダーテープ7の他端に磁気テープ4を磁気記録再生装置に引き出すためのリーダー部材3を固着してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートリッジケース内に磁気テープが巻装された単一のリールを回転可能に収容してなる磁気テープカートリッジに関し、特に、上記磁気テープに接合するリーダーテープに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータ等の外部記憶装置に用いられる記録媒体として使用されている磁気テープカートリッジには、単一のリールに磁気テープを巻装し、このリールをカートリッジケース内に回転可能に収容したタイプのものが知られている。この磁気テープはコンピュータ等のデータ保存用として用いられ、重要な情報が記憶されているため、テープジャミング等のトラブルが発生しないように、また不用意に磁気テープが引き出されないように構成されている。
【0003】
また、上記磁気テープの先端部にはこの磁気テープを引き出すためにリーダーピン、リーダーブロックなどのリーダー部材が固着されるか、又は比較的硬質なプラスチック素材によるテープ先端に係合孔が開口されたリーダーテープが接合され、このリーダー部材又はリーダーテープ先端を記録再生装置側の保持部材で保持して引き出し、磁気テープのロード/アンロード(引き出し/巻き込み)を行うようにドライブ装置が構成される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかして、上記のような磁気テープを磁気記録再生装置側に引き出して先端部を装置内のマシンリールに巻き付けてロード/アンロードを行う際には、その先端部分は走行経路に配設されたテープガイド、磁気ヘッド等に正確な位置決めがされていない状態で接触して引っ張られ、ダメージを受けやすいことから補強を行うのが好ましく、磁気テープより強度の高いリーダーテープを磁気テープの先端に接合することが考えられる。
【0005】
一般に、上記リーダーテープとして使用される素材としては磁気テープより厚いプラスチックテープがあるが、このプラスチック素材は摩擦等により静電気を帯びやすく、この静電気により磁気ヘッドがダメージを受ける恐れがある。特に、最近の磁気記録再生用の磁気ヘッドは、高記録密度を得るためにMRヘッド等の感度が高いものが使用され、静電気によるダメージを受けやすくなっている。
【0006】
また、磁気テープについても、単位体積当たりの記録量を増やすために、記録密度を高めると共にテープ厚さの薄いものが使用される傾向にあり、これに伴ってテープ強度が低くなり、ロード/アンロード時に主にテープガイドのフランジ等に接触するテープエッジにダメージを受けやすく、また繰り返しての使用により切断が発生する恐れがある。さらに、磁気記録再生装置のマシンリールに巻き付けられる最初の部分でテープが折り曲げられる部分でもダメージを受け、この部分の強度が劣化する恐れがある。
【0007】
一方、磁気テープを引き出すためにその先端にリーダーピンなどのリーダー部材を直接結合する場合には、この磁気テープが前述のように高記録密度化に応じて薄くなると共に表面粗さが小さくなって、表面が平滑で滑らかとなり摩擦係数が低く、上記リーダー部材との十分なクランプ力を得るのが困難で、クランプ力が不足してリーダーピンが磁気テープから外れる恐れがある。さらに、前記磁気テープには磁気ヘッドとの接触摺動における摩擦の低減を図ることから、この磁気テープの磁性層への潤滑剤の添加又は表面への潤滑剤の塗布等を施して摩擦係数を低下させるようにしたものがあり、前記クランプ部材とのクランプ力が低くなることがある。
【0008】
上記のような点から磁気テープの先端にリーダーテープを接合して強度確保等を行う場合に、磁気テープとリーダーテープとの接合部分には、両者の厚みの差に応じた段差が発生し、マシンリールに巻き付けられた際に、上記段差の上に次々と磁気テープが巻かれると、この段差形状に沿って磁気テープが変形するいわゆる「テープ写り」が発生して磁気ヘッドに対する接触状態が変化し、適切なデータの書き込み及び読み出しが行えないドロップアウト等が発生する原因となり、磁気記録品質上の欠陥となる問題を有する。通常上記「テープ写り」が発生し易いテープ終端領域では、磁気記録は行わないようにしているが、この領域が長いと記録容量が低減し好ましくない。
【0009】
本発明は上記点に鑑みなされたもので、強度面及びその他の点で良好な特性を有するリーダーテープを備え信頼性を確保するようにした磁気テープカートリッジを提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決した本発明の磁気テープカートリッジは、カートリッジケースに磁気テープを巻装した単一のリールを回転可能に収容してなり、前記磁気テープの先端にリーダーテープの一端を固着し、該リーダーテープの他端に前記磁気テープを磁気記録再生装置に引き出すためのリーダー部材を固着したことを特徴とするものである。
【0011】
その際、前記リーダーテープの少なくとも片面の中心線平均表面粗さRaが、4nm以上のものが好適であり、好ましくは8nm以上、さらに好ましくは12nm以上である。また、前記リーダーテープの前記リーダー部材を固着する端部近傍に、補強用テープを貼り付けるのが好適である。
【0012】
本発明のさらに他の磁気テープカートリッジは、カートリッジケースに磁気テープを巻装した単一のリールを回転可能に収容してなり、前記磁気テープの先端に該磁気テープを先導して磁気記録再生装置に引き出されるリーダーテープを接合し、前記リーダーテープは少なくとも一方の面に磁性層を具備してなることを特徴とするものである。
【0013】
また、前記リーダーテープの少なくとも一方の面の表面固有抵抗が1×1013Ω以下であることが好ましい。
【0014】
前記表面固有抵抗は、好ましくは1×1012Ω以下、さらに好ましくは1×1011Ω以下である。また、前記リーダーテープとしては、その他、アルミ蒸着テープ、導電性樹脂テープなどで構成してもよい。
【0015】
また、他の磁気テープカートリッジとしては、カートリッジケースに磁気テープを巻装した単一のリールを回転可能に収容してなり、前記磁気テープの先端に、該磁気テープを先導して磁気記録再生装置に引き出されるリーダーテープを接合し、前記リーダーテープのベース素材が、長さ方向の弾性率が630kg/mm以下、幅方向の弾性率が580kg/mm以下、好ましくは長さ方向及び幅方向共に弾性率が550kg/mm以下とするのが好適である。
【0016】
前記リーダーテープのベース素材としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム又はポリイミドフィルムを用いるのが好ましい。
【0017】
さらに他の磁気テープカートリッジとしては、カートリッジケースに磁気テープを巻装した単一のリールを回転可能に収容してなり、前記磁気テープの先端に、該磁気テープを先導して磁気記録再生装置に引き出されるリーダーテープを接合し、前記リーダーテープの厚みが、前記磁気テープの厚みの5倍以下、好ましくは3倍以下、さらに好ましくは2倍以下とするのが好適である。
【0018】
上記のような各リーダーテープの長さは、磁気記録再生装置におけるマシンリールの少なくとも3巻分の長さに、カートリッジケースの開口部から上記マシンリールに至る走行経路の長さを加えた長さ以上であることが望ましい。
【発明の効果】
【0019】
上記のような本発明によれば、単一のリールに巻装した磁気テープの先端にリーダーテープの一端を固着し、その他端にリーダー部材を固着したことにより、薄くて摩擦係数の低い磁気テープにリーダー部材をクランプした際のクランプ力不足による抜けの問題がなくなり、良好なリーダー部材の固着が行え、ロード/アンロード動作の信頼性が高まる。特に、前記リーダーテープの中心線平均表面粗さRaを4nm以上としたものがリーダー部材との高いクランプ力が得られると共に、磁気ヘッドのクリーニング効果も得られる。さらに、リーダーテープのリーダー部材との固着部分に補強用テープを貼り付けると、さらにクランプ力が高くなり、耐折曲強度も高めることができる。
【0020】
また、他の本発明によれば、単一のリールに巻装した磁気テープの先端に接合したリーダーテープを少なくとも一方の面に磁性層を具備するか、シート状金属テープで構成し、その表面固有抵抗を1×1013Ω以下としたことにより、その表面固有抵抗を低くして帯電防止を行い磁気ヘッドの静電気よるダメージを受けないようにし、信頼性を高めると共に、基本的に磁気テープより強度が高いリーダーテープの接合により、磁気記録再生装置への繰り返してのロード/アンロード操作に対する耐久性が向上する。
【0021】
なお、単一のリールに巻装した磁気テープの先端に接合したリーダーテープのベース素材を、長さ方向の弾性率が630kg/mm以下、幅方向の弾性率が580kg/mm以下とすると、その引き裂き強度に優れロード/アンロード時にテープガイドのフランジ等にテープエッジが接触してもダメージを受けることなく、繰り返して使用しても切断することなく、磁気記録再生装置のマシンリールに巻き付けられる最初の部分でテープが折り曲げられる部分の強度も大きくなり、この部分の強度が劣化する恐れもなく、磁気テープは記録容量の増大に応じてテープ厚さを薄くしても、耐久性及び記録特性において信頼性を確保できる。
【0022】
また、単一のリールに巻装した磁気テープの先端に接合したリーダーテープの厚みを磁気テープの厚みの5倍以下とすると、両者の接合部分の段差が小さく、この段差上への磁気テープの巻き付けに伴う変形による「テープ写り」の発生が低減し、ドロップアウト等の発生の恐れのある磁気記録を行わないテープ終端領域を短くすることができ、磁気記録品質の信頼性が高まると共に、記録容量の増大が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面に示す実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。図1はこの実施の形態の磁気テープカートリッジの磁気テープを引き出した状態の斜視図、図2はリーダーピン固着部分の分解斜視図、図3は磁気テープとリーダーテープとの接合部分の平面図、図4は磁気記録再生装置に装填した状態の概略機構図である。なお、この実施形態ではリーダー部材としてリーダーピンを使用した例を示している。
【0024】
磁気テープカートリッジ1は、上ケース2aと下ケース2bとがビス等により締結されてなるカートリッジケース2内に、終端にリーダーピン3(リーダー部材)が固着されたリーダーテープ7が先端に延長接合されてなる磁気テープ4を巻装した単一のリール5が回動可能に収容されている。上記カートリッジケース2の一側壁には、磁気テープ4を引き出すための開口部2cが形成され、この開口部2cは図示しない弾性手段で閉方向に付勢されたスライドドア6により開閉される。また、上記磁気テープカートリッジ1はその不使用時に磁気テープ4及びリーダーテープ7が完全にリール5に巻き込まれた状態で、終端のリーダーピン3が開口部2cの近傍に形成された凹状の格納部2dに係止される。上記リーダーテープ7は後述の実施の形態に示すような各種態様のもので形成される。
【0025】
図示していないが、前記下ケース2bの中心部には磁気記録再生装置の駆動軸によって前記リール5を回転駆動するためのセンター穴が開口され、前記リール5の中心部には、不使用状態におけるリール5の回転を拘束する不図示の回転規制機構(ブレーキ機構)が設けられる。その他、リール5の底面には中央部にマグネット式の回転駆動手段を吸引保持させるためのリールプレートが取り付けられ、外周部には回転駆動手段のドライブギヤと噛合するリールギヤが刻設されている。なお、リールギヤとドライブギヤが噛合した状態においては前記回転規制機構が解除作動してリール5が回転自在とされる。
【0026】
前記リーダーピン3は、磁気テープカートリッジ1を使用する後述の磁気記録再生装置10(図4参照)が磁気テープ4を装置内のテープ走行路に導入するために保持して引き込むテープローディング用のものであり、このリーダーピン3は磁気テープ4の先端に延長接合されたリーダーテープ7の終端に断面C形のクリップ8を使用して固着される。
【0027】
上記リーダーピン3は図2に示すように、リーダーテープ7の終端部を前記クリップ8の嵌着によりクランプする軸状のクランプ部3aを中央に有し、このクランプ部3aの上下両側に板状の上下フランジ部3b,3bが連設され、さらに上下フランジ部3bの上下に記録再生装置側から係合保持される細い係合部3c,3cがそれぞれ軸方向に延びて形成され、両端にはケース固定用の固定部3d,3dが形成されてなる。また、前記クリップ8は樹脂成形品であり、前記リーダーピン3のクランプ部3aの長さに相当する軸方向長さを有し、その全長に渡って軸方向に延びるスリット8aが開口された断面C形に形成されている。上記スリット8aと反対側の外周面には平面状に面取りされた平坦部8bが設けられている。
【0028】
前記リーダーテープ7は、磁気テープ4の先端に対して該リーダーテープ7の一端を突き合わせた状態で公知のスプライシングテープ7aを貼り付けて接合してなり(図3参照)、また、このリーダーテープ7の他端部における前記リーダーピン3との固着部分近傍には、図2に示すように、補強用テープ9を貼り付けるようにしてもよい。
【0029】
前記補強用テープ9は、前記クリップ8と前記クランプ部3aの間に、テープ補強用に介在されると共に、両者間のクランプ力を確保するようにしている。この補強用テープ9は粘着シート等の接着性を有するもので、前記リーダーテープ7の片面に固着される。前記補強用テープ9としては、ポリエステル等によるプラスッチックシート、発泡シート、ラミネートフィルム、ラミネート紙などの可撓性帯状部材の片面に接着層(粘着層)が設けられたものが使用される。
【0030】
そして、前記リーダーテープ7の第1の実施の形態としては、リーダーテープ7の表面固有抵抗が1×1013Ω以下、好ましくは1×1012Ω以下、さらに好ましくは1×1011Ω以下となる特性を有するように構成したものを使用する。例えば、少なくとも片面に磁性層を有する磁気テープによるリーダーテープ、金属をシート状に形成した金属テープによるリーダーテープ、アルミ蒸着テープによるリーダーテープ、導電性樹脂テープによるリーダーテープなどを用いる。
【0031】
このように表面固有抵抗が通常のプラスチック素材のものより低い値で導電性を有するものを使用することで、静電気が帯電しないようにしてMRヘッド等の高感度磁気ヘッドにダメージを与えないようにしている。
【0032】
リーダーテープ7の第2の実施の形態としては、リーダーテープ7のベース素材(ベースフィルム)が、長さ方向の弾性率が630kg/mm以下、幅方向の弾性率が580kg/mm以下、好ましくは長さ方向及び幅方向共に弾性率が550kg/mm以下となる特性を有するものを使用する。例えば、上記特性を有するベース素材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリイミド(PI)フィルムが適している。
【0033】
上記のように弾性率(ヤング率)が比較的低いベース素材を使用することで、リーダーテープ7の引き裂き強度が高くなり、繰り返して使用しても破損することなく優れた耐久性が得られる。上記弾性率が高いベース素材では、エッジ部分との接触で裂けやすくなる。
【0034】
リーダーテープ7の第3の実施の形態としては、リーダーテープ7の厚みが磁気テープ4の厚みの5倍以下となるような厚みを有するものを使用する。つまり、図3に示すように、磁気テープ4とリーダーテープ7をスプライシングテープ7aで接合した部分において、磁気テープ4の厚みaよりリーダーテープ7の厚みbが大きく、両者の比(b/a)が5倍以下、すなわち(b/a)≦5となるように、好ましくは3倍以下、さらに好ましくは2倍以下に設定するものである。
【0035】
このように磁気テープ4とリーダーテープ7との厚みの比を比較的小さな値とすることで、両者の接合部分の段差が小さくなり、この段差上への磁気テープ4の巻き付けに伴う変形による「テープ写り」の発生を低減し、ドロップアウト等の発生の恐れのある磁気記録を行わないテープ終端領域を短くすることができ、磁気記録品質の信頼性が高まると共に、記録容量の増大が図れる。なお、基本的にテープ写りが発生する領域にはデータの書き込みは行わないようにする。
【0036】
リーダーテープ7の第3の実施の形態としては、リーダーテープ7の少なくともリーダーピン3が固着される先端部分における表面の中心線平均表面粗さRaが4nm以上のもの、好ましくは8nm以上、さらに好ましくは12nm以上のものを使用する。なお、前記第1の実施の形態のように、リーダーテープ7が磁性層を有するものの場合には、その磁性層表面あるいはバック層表面の少なくとも一方の表面粗さが、上記特性を有するようにすればよい。
【0037】
このようにリーダーテープ7の表面粗さを大きくして摩擦係数を大きくすることで、リーダーピン3とのクランプ力が高く良好な固着が行え、ロード/アンロード時にリーダーピン3が抜けるようなことがなく確実な動作が得られる。さらに、リーダーテープ7の先端部に前記補強用テープ9を貼り付けると、さらにクランプ力が高くなり、耐折曲強度も高めることができる。また、リーダーテープ7の表面粗さを大きくすると、該リーダーテープ7が後述の磁気ヘッド15の表面に接触走行するときに、その表面に付着した磁性粉等のクリーニング除去効果が得られる。
【0038】
なお、実際に使用されるリーダーテープ7は、前記第1〜第3の実施の形態が組み合わせて構成されてなるものであり、例えば、PETフィルムをベース素材とし、その片面に磁性層を有し、この磁性層表面の表面粗さRaが4nm以上で、厚さが磁気テープ4の厚さの2倍程度で、補強用テープ9が貼り付けられた先端部にリーダーピン3をクリップ8を使用してクランプしたものが用いられる。
【0039】
前記磁気テープカートリッジ1は、例えば図4に示すような磁気記録再生装置10に装填されるもので、装填と同時にスライドドア6が開作動されて開口部2cが開かれる。前記リーダーピン3は装置内に設置されたリーダーブロック11が移動してカートリッジケース2の開口部2c内に進入し、このリーダーピン3を係合保持した後、リーダーテープ7を磁気テープ4と共に引き出しつつテープ走行路に沿って移動し、内部に設置されたマシンリール12のハブに嵌着される。
【0040】
上記テープ走行路には磁気ヘッド15が配設されると共にその両側には複数のテープガイド16が配設されている。そして、前記マシンリール12の回転駆動により磁気テープ4が磁気ヘッド15に対して走行し、磁気記録再生が行われる。
【0041】
上記のようなリーダーテープ7の長さは、磁気記録再生装置10におけるマシンリール12の少なくとも3巻分の長さに、カートリッジケース2の開口部2cから上記マシンリール12に至る走行経路の長さを加えた長さ以上であることが望ましい。
【0042】
なお、前記実施の形態ではリーダーテープ7の先端部にリーダー部材としてリーダーピン3を固着した例を示したが、リーダーブロックを直接リーダーテープ7の先端部に固着するようにしてもよい。また、他の形態のリーダー部材を設けるようにしてもよく、いずれにしても磁気記録再生装置側からの保持部材で係合してリーダーテープ7を引き出すように構成されていればよい。
【0043】
また、前記リーダーテープ7の先端部には、補強用テープ9を貼り付けるようにしているが、リーダーテープ7そのものにより十分な強度及びリーダーピン3とのクランプ力が得られる場合には、補強用テープ9の貼り付けは不要となる。
【0044】
さらに、前記クリップ8は、樹脂成形品に限らず、金属の薄板でかしめたり、金属薄板製のクリップとテープの間にエラストマー等のテープ保護又は摩擦力を得ることを目的とした部材を挟むなど複数の部材や種々の材質で形成したものでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一つの実施の形態による磁気テープカートリッジの磁気テープを引き出した状態の斜視図
【図2】リーダーテープへのリーダーピンの固着部分の分解斜視図
【図3】磁気テープとリーダーテープとの接合部分の平面図
【図4】磁気テープカートリッジを装填した状態の磁気記録再生装置の概略機構図
【符号の説明】
【0046】
1 磁気テープカートリッジ
2 カートリッジケース
2c 開口部
3 リーダーピン
3a クランプ部
4 磁気テープ
5 リール
7 リーダーテープ
7a スプライシングテープ
8 クリップ
9 補強用テープ
10 磁気記録再生装置
11 リーダーブロック
12 マシンリール
15 磁気ヘッド
16 テープガイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートリッジケースに磁気テープを巻装した単一のリールを回転可能に収容してなる磁気テープカートリッジにおいて、
前記磁気テープの先端に、少なくとも一方の面の表面固有抵抗が1×1013Ω以下であるリーダーテープの一端を固着し、該リーダーテープの他端に前記磁気テープを磁気記録再生装置に引き出すためのリーダー部材を固着したことを特徴とする磁気テープカートリッジ。
【請求項2】
前記表面固有抵抗が1×1012Ω以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁気テープカートリッジ。
【請求項3】
前記表面固有抵抗が1×1011Ω以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁気テープカートリッジ。
【請求項4】
前記磁気テープカートリッジは、MRヘッドを備えた磁気記録再生装置の記録媒体として使用されるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁気テープカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−73194(P2006−73194A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−300422(P2005−300422)
【出願日】平成17年10月14日(2005.10.14)
【分割の表示】特願平11−289078の分割
【原出願日】平成11年10月12日(1999.10.12)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】