磁気テープ複製システム、磁気テープ複製プログラム及び磁気テープ制御装置
【課題】遠隔地に磁気テープの複製を作成するのに好適な磁気テープ複製システム、磁気テープ複製プログラム及び磁気テープ制御装置を提供すること。
【解決手段】拠点1の第1の磁気テープ制御装置11Aにより磁気テープから取得したイメージファイルを遠隔地である拠点2の磁気テープ制御装置21AにネットワークN1を介して送信し、磁気テープ制御装置21Aは当該イメージファイルを受信し、CMT装置20Aに充填された磁気テープに書込む。
【解決手段】拠点1の第1の磁気テープ制御装置11Aにより磁気テープから取得したイメージファイルを遠隔地である拠点2の磁気テープ制御装置21AにネットワークN1を介して送信し、磁気テープ制御装置21Aは当該イメージファイルを受信し、CMT装置20Aに充填された磁気テープに書込む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気テープに保存したイメージファイルをネットワークを介して遠隔地に送信し、遠隔地において磁気テープの複製を作成するための磁気テープ複製システム、磁気テープ複製プログラム及び磁気テープ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、企業においては、人為的ミス、コンピュータウィルス、地震などの災害など種々の要因からデータが損失するのを防止するため、データのバックアップが行われている。通常は、普段使用しているデータのストレージとは別のストレージに、定期的にバックアップを取ることが推奨されており、バックアップ用メディアの1つとしてハードディスクがある。
【0003】
このハードディスクは、固定ディスクなので、元データとバックアップ用データとを同じ場所で保管するようになる。そのため、災害等が発生すると、バックアップ用データも一緒に失う可能性が高くなる。その上、ハードディスクはドライブが壊れるとデータが読み出せなくなるといった問題がある。
【0004】
また、他のバックアップ用メディアとして、磁気テープがある。この磁気テープは、粉末状の磁性体をテープ状のフィルムに、バインダー(接着剤)で塗布または蒸着した記録媒体で、磁性の変化により情報を記録・再生する磁気記録メディアである。この磁気テープは、ドライブが壊れてもメディア自体は影響を受けず、種類によっては数十年の長期保存が可能であること等の理由から、企業が保有する大規模なサーバ、メインフレームなどのバックアップ用メディアとして主に用いられている。
【0005】
その一方、磁気テープは、磁気の影響を受けやすいという短所があるので、例えば、銀行においては、センターAのメインフレームから出力された磁気テープを、遠隔地のセンターBのメインフレームにて関連業務処理を行う場合、荷物を仕分けるためのベルトコンベアーから発生される磁気の影響を避けるべく、トラックによる直送便を利用して磁気テープを遠隔地に運搬している。
【0006】
磁気テープのデータを遠隔地において使用する場合には、現状では、このような直送便を使用せざるを得ないという実態があるが、このような手法では、時間とコストがかかるうえ、輸送時において磁気テープの漏洩、紛失、破損の心配もある。また、トラックを使用するため、近隣に対する騒音等を含めた環境問題の心配もある。
【0007】
ここで、従来から、輸送を使用せずに遠隔地にデータを送信する技術として、FTP伝送などのネットワークを利用してデータを送信する技術等があるが、本発明者らが調べたところ、磁気テープに関する技術としては特許文献1に記載のデータ送信装置及びその制御方法があった。ただし、この特許文献1には、磁気テープに記録されるデータについて所定のフォーマットと異なる他のフォーマットを検知した場合、この他のフォーマットのデータを所定のフォーマットのデータに変換し、別の記録再生装置に送信することだけが記載されている。従って、特許文献1に記載の技術を利用しただけでは、遠隔地に磁気テープの全てのデータをバックアップすることはできず、未だ満足の行く遠隔地への磁気テープのバックアップ技術は存在しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−49459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明の目的は、遠隔地に磁気テープの複製を作成するのに好適な磁気テープ複製システム、磁気テープ複製プログラム及び磁気テープ制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、一の拠点に設けられた第一の磁気テープ制御装置と、他の拠点に設けられ前記第一の磁気テープ制御装置とネットワークを介して接続された第二の磁気テープ制御装置と、からなる磁気テープ複製システムであって、前記第一の磁気テープ制御装置は、第一の磁気テープからイメージファイルを取得するイメージファイル取得手段と、前記イメージファイル取得手段により取得したイメージファイルを前記ネットワークを介して前記第二の磁気テープ制御装置に伝送するイメージファイル伝送手段と、を有し、前記第二の磁気テープ制御装置は、前記イメージファイル伝送手段により伝送されたイメージファイルを受信するイメージファイル受信手段と、前記イメージファイル受信手段により受信したイメージファイルを第二の磁気テープに複製するイメージファイル複製手段と、を有することを特徴とする。
【0011】
ここで、「イメージファイル」とは、磁気テープ等に記録されたボリュームラベル、ブロックギャップ等の情報をそのままハードディスク等の別の記憶媒体に複製、保存したファイルを言う。
【0012】
前記第一の磁気テープ制御装置及び前記第二の磁気テープ制御装置の少なくとも一方は、それぞれに予め記憶された業務情報及び当該業務情報の変更をネットワークを介して、他方に配信するようにしてもよい。
【0013】
前記第一の磁気テープ制御装置及び前記第二の磁気テープ制御装置は、前記各拠点ごとに複数あり、複数の前記第一の磁気テープ制御装置及び前記第二の磁気テープ制御装置はそれぞれ独立したネットワークにより接続され多重化されていてもよい。
【0014】
前記第一の磁気テープ制御装置は、前記イメージファイル取得手段により取得したイメージファイルを記憶管理するイメージファイル管理手段を有し、前記第二の磁気テープ制御装置は、前記イメージファイル管理手段に自身宛てのイメージファイルが存在するか否かを監視し、自身宛てのイメージファイルが存在する場合には、当該自身宛てのイメージファイルの送信要求信号を発し、当該自身宛てのイメージファイルを前記イメージファイル受信手段により受信するためのイメージファイル監視手段を有するように構成してもよい。
【0015】
また、1つの第二の磁気テープ制御装置が第一の磁気テープ制御装置に対し自身宛てのイメージファイルの送信要求信号を発した場合、前記イメージファイル管理手段は、前記送信要求信号を発せられたイメージファイルに対し処理中として他の第二の磁気テープ制御装置からの要求ができないようにするようにしてもよい。
【0016】
前記イメージファイル管理手段は、記憶管理するイメージファイルの状態を取得し、当該状態に応じてフォルダを作成し分類するようにしてもよい。
【0017】
前記イメージファイル管理手段は、記憶管理するイメージファイルの処理日の開始時間を任意に設定ができるようにしてもよい。
【0018】
前記第一の磁気テープ制御装置と前記第二の磁気テープ制御装置との間のネットワークには、主経路と予備経路が設けられているように構成してもよい。
【0019】
前記第一の磁気テープ制御装置は、予め記憶された業務情報に応じて第一の磁気テープの読み込みの可否を判断するようにしてもよい。
【0020】
前記第一の磁気テープ制御装置は、前記イメージファイル取得手段が前記第一の磁気テープから前記イメージファイルを取得するときに、イメージファイルに含まれるブロック数をカウントする読込ブロックカウント手段と、前記読込ブロックカウント手段でカウントした数に対応したファイル名を、前記イメージファイルに付与するファイル名付与手段と、を有し、前記第二の磁気テープ制御装置は、前記イメージファイル受信手段で受信したイメージファイルを第二の磁気テープに複製するときに、前記受信したイメージファイルに含まれるブロック数をカウントする複製ブロックカウント手段と、前記受信したイメージファイルのファイル名から抽出したブロック数と、前記複製ブロックカウント手段が計数したブロック数とを評価する評価手段とを有するようにしてもよい。
【0021】
本発明は、前記いずれかに記載の第一の磁気テープ制御装置及び第二の磁気テープ制御装置を動作させるための磁気テープ複製プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させることを特徴とする。
【0022】
本発明は、前記いずれかに記載の第一の磁気テープ制御装置あるいは第二の磁気テープ制御装置を構成する磁気テープ制御装置であって、前記磁気テープ複製プログラムを格納したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、一の拠点に設けられた第一の磁気テープ制御装置と、他の拠点に設けられ前記第一の磁気テープ制御装置とをネットワークを介して接続し、第一の磁気テープ制御装置で第一の磁気テープから取得したイメージファイルをネットワークを介して第二の磁気テープ制御装置に送信し、第二の磁気テープ制御装置により第二の磁気テープに複製するようにした。これにより、従来要していた輸送費、人件費などのコストが削減でき、作業時間の短縮化も図れる等といった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態の磁気テープ複製システムの概略的な構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態の磁気テープ複製システムの概略的な動作手順を示すシーケンス図である。
【図3】磁気テープに記録された磁気テープ情報のデータ構造を示す説明図である。
【図4】本発明の実施形態の磁気テープ複製システムの処理手順を画面により示した説明図である。
【図5】図4に示す磁気テープ管理画面の拡大図である。
【図6】標準ラベルの場合の読み込み処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】ノンラベルの場合の読み込み処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】CMTロード処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】CMT読込処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】CMTアンロード処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】標準ラベルの場合の書込み処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】ノンラベルの場合の書込み処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】コピー処理の一例を示すフローチャートである。
【図14】CMT書込み処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するため形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照しながら説明する。なお、本実施形態において、磁気テープとは、カートリッジ磁気テープ(CMT:Cartridge Magnetic Tape)とするが、LTO(Linear Tape Open)等の他の磁気テープであってもよい。また、ネットワークN1、N2は、WAN(広域Ethernet 100Mbps)であり専用回線とするが、インターネットなどの他の公衆回線であってもよい。
【0026】
<システムの全体構成>
図1は、本発明の一実施形態である磁気テープ複製システム1の概略的な構成を示すブロック図である。図1に示す通り、磁気テープ複製システム1は、拠点1と遠隔地にある拠点2との間において、ネットワークN1あるいはN2を介して磁気テープの複製を作成するシステムである。具体的には、磁気テープ複製システム1は、次のように構成されている。なお、本実施形態においては、各拠点間及び拠点内において、複数の同一の構成を有することから、各構成を区別するときは図1に示す符号を付して説明し、各構成を区別しないときは符号を付さない、あるいは次のような総括的な符号を付して説明する。具体的には、CMT装置,磁気テープ制御装置、ルータ及びネットワークを総括的に説明するときは符号は付さず、第一の磁気テープ制御装置を総括的に説明するときは11、第二の磁気テープ制御装置を総括的に説明するときは21と表記する。
【0027】
まず、拠点1には、CMT装置10Aと、当該CMT装置10Aに接続された第一の磁気テープ制御装置11Aと、当該第一の磁気テープ制御装置11Aに接続されたルータ12Aと、からなるCMTシステム100Aが配設されている。更に、CMT装置10Bと、当該CMT装置10Bに接続された第一の磁気テープ制御装置11Bと、当該第一の磁気テープ制御装置11Bに接続されたルータ12Bと、からなるCMTシステム100Bが配設されている。
【0028】
同様に、拠点2にも、CMT装置20Aと、当該CMT装置20Aに接続された第二の磁気テープ制御装置21Aと、当該第二の磁気テープ制御装置21Aに接続されたルータ12Aと、からなるCMTシステム200Aが配設されている。更に、CMT装置20Bと、当該CMT装置20Bに接続された第二の磁気テープ制御装置21Bと、当該第二の磁気テープ制御装置21Bに接続されたルータ22Bと、からなるCMTシステム200Bが配設されている。
【0029】
本実施形態においては、第一の磁気テープ制御装置11Aと第二の磁気テープ制御装置21Aがルータ12A、22Aを介してネットワークN1に、第一の磁気テープ制御装置11Bと第二の磁気テープ制御装置21Bがルータ12B、22Bを介してネットワークN2にそれぞれ接続されており、磁気テープ複製システム1は、2つの異なるネットワークN1、N2を使用して二重化されている。このように二重化することにより、1つのネットワークに障害が発生したとしても他のネットワークを利用することにより磁気テープのイメージファイルを遠隔地に伝送することができる。なお、本実施形態においては、二重化しているが、必ずしも二重化する必要はないし、また、三重化、四重化など更なる多重化をすることも可能である。
【0030】
CMT装置は、カートリッジ磁気テープ装置であり、磁気テープ(カートリッジ磁気テープ)の入出力を行なう装置である。例えば、CMT装置としては、株式会社ユニテックス社製の型番UMT−490EWS−ACL、UMT−F490EWS−ACL/FMなど種々のカートリッジ磁気テープ装置を使用することが可能である。
【0031】
磁気テープ制御装置には、磁気テープ複製プログラムが格納されている。磁気テープ複製プログラムは、磁気テープ複製システム1を構成する全ての磁気テープ制御装置(図1では、11A、11B、21A、21B)に予めインストールされており、磁気テープ制御装置に含まれる(図示しない)コンピュータを次の各手段として機能させる。具体的には、各手段は、磁気テープからイメージファイルを取得するイメージファイル取得手段、イメージファイルをネットワークを介して第二の磁気テープ制御装置21に伝送するイメージファイル伝送手段、伝送されたイメージファイルを受信するイメージファイル受信手段、受信したイメージファイルを磁気テープに複製するイメージファイル複製手段、取得したイメージファイルを記憶管理するイメージファイル管理手段、前記イメージファイル管理手段に自身宛てのイメージファイルが存在するか否かを監視し、自身宛てのイメージファイルが存在する場合には、当該自身宛てのイメージファイルの送信要求信号を発し、当該自身宛てのイメージファイルを前記イメージファイル受信手段により受信するためのイメージファイル監視手段、前記イメージファイルを取得するときに、イメージファイルに含まれるブロック数をカウントする読込ブロックカウント手段、前記読込ブロックカウント手段でカウントした数に対応したファイル名を、前記イメージファイルに付与するファイル名付与手段、イメージファイルを磁気テープに複製するときに、イメージファイルに含まれるブロック数をカウントする複製ブロックカウント手段、前記イメージファイルのファイル名から抽出したブロック数と、前記複製ブロックカウント手段が計数したブロック数とを評価する評価手段等である。
【0032】
また、各磁気テープ制御装置11A、11B、21A、22Bは、全ての装置に一意なIPアドレスが設定されているとともに、主経路と予備経路を有している。具体的には、第一の磁気テープ制御装置11A及び第一の磁気テープ制御装置11Bは、ルータ12Aとルータ12Bにそれぞれ接続されており、第一の磁気テープ制御装置11Aは主経路をMR1,予備経路をSR1とし、第一の磁気テープ制御装置11Bは主経路をMR2,予備経路をSR2とする。他方、第二の磁気テープ制御装置21A及び第二の磁気テープ制御装置21Bは、ルータ22Aとルータ22Bにそれぞれ接続されており、第二の磁気テープ制御装置21Aは主経路をMR3,予備経路をSR3とし、第二の磁気テープ制御装置21Bは主経路をMR4,予備経路をSR4とする。これら主経路と予備経路は、通常はいずれの磁気テープ制御装置においても主経路により通信をするように設定されているが、主経路に何らかの障害が発生し通信不能になった場合には、当該障害を検知し、主経路から予備経路に切り替えるように予め設定されている。
【0033】
また、各磁気テープ制御装置11A、11B、21A、22Bには、作業を行なう操作員のユーザー名、パスワード、ネットワーク設定及び環境情報等が登録されている。ユーザー名は操作員を識別する名前であり全ての操作員情報の中で一意である必要がある。パスワードは磁気テープ複製プログラムにログインする際に入力する必要がある。ネットワーク設定は、事業所(通信する磁気テープ制御装置を表わす任意の名称)、前記主経路用のIPアドレス及び予備経路のIPアドレス等である。環境情報は、パスワードの有効期限、ホスト時間の更改情報、例えば、平日に日を切り替える「時」、「分」、「秒」等を指定する。
【0034】
ルータ12A、12B、22A、22Bは、2つ以上の異なるネットワーク間を相互接続する通信機器であり、本実施形態においては、ルータ12Aは第一の磁気テープ11Aの主経路MR1と第一の磁気テープ制御装置11Bの予備経路SR2に、ルータ12Bは第一の磁気テープ11Aの予備経路SR1と第一の磁気テープ制御装置11Bの主経路MR2に、他方、ルータ22Aは第二の磁気テープ21Aの主経路MR3と第二の磁気テープ制御装置21Bの予備経路SR4に、ルータ22Bは第二の磁気テープ21Aの予備経路SR3と第二の磁気テープ制御装置21Bの主経路MR4に、それぞれ接続されている。
【0035】
ルータ12Aとルータ22AはネットワークN1に、ルータ12Bとルータ22BはネットワークN2にそれぞれ接続されており、本発明の磁気テープ複製システム1はいわゆる二重化構造を採用している。このように二重化構造を採用することで、ネットワークN1あるいはN2の一方が不通になった場合であっても、他のネットワークを利用することができる。
【0036】
<システムの動作>
次に、図2〜図14を参照して磁気テープ複製システム1の動作説明を行なう。図2は磁気テープ複製システム1の概略的な動作手順を示すシーケンス図、図3は磁気テープに記録されているデータ構造の一例を示す説明図、図4は磁気テープ複製システム1の処理手順を画面により示した説明図、図5は図4に示す磁気テープ管理画面の拡大図、図6は標準ラベルの場合の読み込み処理の一例を示すフローチャート、図7はノンラベルの場合の読み込み処理の一例を示すフローチャート、図8はCMTロード処理の一例を示すフローチャート、図9はCMT読込処理の一例を示すフローチャート、図10はCMTアンロード処理の一例を示すフローチャート、図11は標準ラベルの場合の書込み処理の一例を示すフローチャート、図12はノンラベルの場合の書込み処理の一例を示すフローチャート、図13はコピー処理の一例を示すフローチャート、図14はCMT書込み処理の一例を示すフローチャートである。
【0037】
<システムの動作の概略>
図2には、磁気テープ複製システム1の概略的な動作手順を示すシーケンス図が示されており、ここでは、CMT装置10Aの(図示しない)スロットに装填された磁気テープの複製をネットワークN1あるいはN2を介して拠点2において作成する場合の概略動作が図示されている。
【0038】
ここでは、例えば、ネットワークを使用したファイル共有システムを利用し、拠点1の第一の磁気テープ制御装置11Aにおいて読み込まれた磁気テープのイメージファイルの複製を遠隔地である拠点2において作成する場合を想定している。この場合、まず、第一の磁気テープ制御装置11Aにおいて、登録あるいは変更された業務情報が拠点2の第二の磁気テープ装置21A、21Bに同報配信される(S1)。一方、拠点2においては、各第二の磁気テープ制御装置21A、21Bにおいて、第一の磁気テープ制御装置11A,11B内のファイルを読み出し、処理対象画面(図5参照)を表示し、自拠点宛ての処理対象を監視する(S2)。そして、該当する処理対象があった場合には、第二の磁気テープ制御装置21A、21Bのうち早く送信要求信号を拠点1側において受信した方(図2では21A)に対し、拠点1側で読み込まれた磁気テープのイメージファイルを送信し複製する処理を行い、他方の第二の磁気テープ制御装置21Bに対してはイメージファイルの送信処理を行わないようにしている(S3〜S6)。
【0039】
より具体的には、第一の磁気テープ制御装置11Aが磁気テープの読込が終了した場合、第二の磁気テープ制御装置21Aが該当する処理対象を検出する(S3)。次に、第二の磁気テープ制御装置21Aは、第一の磁気テープ制御装置11Aのファイルで、検出した処理対象を処理中に書き換える(S4)。第二の磁気テープ制御装置21Aは、第一の磁気テープ制御装置11Aのハードディスクに記憶されているイメージファイルを、第二の磁気テープ制御装置21Aの一時ファイルに記憶する(S5)。同時に、処理した処理対象を第一の磁気テープ制御装置11Aの処理対象のファイルから削除する。第二の磁気テープ制御装置21Aは、自身の一時ファイルに記憶されたイメージファイルをCMT装置20Aに書込み、書込み終了後、処理した処理対象を第一の磁気テープ制御装置11Aの処理済みファイルに書込む(S6)。この結果、該当する処理対象が第一の磁気テープ制御装置11Aの処理対象のファイルから削除されたため、第二の磁気テープ制御装置21Bは、第一の磁気テープ制御装置11Aのハードディスクに記憶されているイメージファイルを、第二の磁気テープ制御装置21Bの一時ファイルに記憶する処理を行わない。
【0040】
<磁気テープのデータ構造>
図3を参照して磁気テープのデータ構造について説明する。図3には、磁気テープのデータ構造のイメージ図が記載されており、(a)シングルボリューム/シングルファイル、(c)シングルボリューム/マルチファイル、(c)マルチボリューム/シングルファイルである。VOL(Volume:ボリューム)は一巻の磁気テープを単位とした呼称であり、1つのファイルが複数のボリュームにまたがるものをマルチボリュームと言う。データセット(DataSet)は、ボリューム内の1つのファイルを単位とした呼称であり、単にファイルと呼ぶこともある。複数のファイルが1つのボリュームにある形式をマルチデータセットまたはマルチファイルと言う。BOT(Beginning Of Tape)は、磁気テープの先頭を表したものであり、EOT(End Of Tape)は、磁気テープの終端を表したものであり、TM(Tape Mark)は、データセットの終端を示す電気的な印であり、データセット及びファイルを区切ることからファイルマークとも言う。
【0041】
また、VOL1は、ボリューム見出しラベルであり、ボリューム番号、作成者などが記録されている。HDR1は、第1ファイル見出しラベルであり、データセット名、書込み日付などが記載されている。HDR2は、第2ファイル見出しラベルである。EOF(End Of File)は第1ファイル終わりラベルでありHDR1に対応して付されるラベルである。EOF2にはブロック書込み数、最大サイズのブロックに関するデータ等が記憶されたラベルであり、これらEOFは下記評価の際に使用される。本発明においては、遠隔地である第2拠点のCMT装置に装填された磁気テープに記録されるのは、データセット、すなわち実データ部分だけでなく、これらラベルも含めそっくりそのまま記録される、言うなれば「デッドコピー」が作成されるのである。よって、本発明においては、遠隔地においてバックアップをとる際に、アプリケーションに依存することなく、全く同じ磁気テープを複製することができる。
【0042】
<システムの動作の画面による説明>
更に、磁気テープ複製システム1の動作について画面を用いて詳細に説明する。上記概略説明した磁気テープ複製システム1の動作は、各磁気テープ制御装置11A、11B、21A、21Bにインストールされた磁気テープ複製プログラムを起動することにより行なわれる。この磁気テープ複製プログラムはGUIプログラムであり、デスクトップ上に作成される所定のアイコン、あるいはスタートメニューから起動することができ、起動すると図4のログイン画面SC1が表示される。
【0043】
ログイン画面SC1は、「ユーザー名」を入力するユーザー名入力欄101、「パスワード」を入力するパスワード入力欄102、確定ボタン103及び中止ボタン104からなる。
【0044】
このログイン画面SC1において、予め登録された「ユーザー名」と「パスワード」をそれぞれの入力欄101、102に入力し、確定ボタン103を押下すると、図4に示すメインメニュー画面SC2が表示される。一方、ログイン処理を中止する場合には、中止ボタン104を押下すれば当該ログイン処理は中断され、ログイン画面SC1が閉じられ、磁気テープ複製プログラムは終了する。
【0045】
また、「ユーザー名」と「パスワード」は、予め登録しておく必要があり、当該パスワードにはセキュリティ上、有効期限が設定されている。この有効期限から事前にユーザーにおいて設定された期間前(例えば、10日前)になると、(図示しない)警告画面が表示され、パスワードの変更を求め、当該求めに対し、ユーザーはパスワードを変更することが可能である。但し、変更せずにそのままのパスワードを使用することもできる。
【0046】
なお、上記有効期限が切れると、(図示しない)パスワードの有効期限切れを知らせるための所定の画面が表示され、磁気テープ複製プログラムの使用することが出来ないようになっている。この所定の画面が表示された場合には、当該画面でパスワードを変更するか、該当のパスワードを変更する必要がある。
【0047】
上述したログイン操作を行なうと、次に図4に示すメインメニュー画面SC2が表示される。このメインメニュー画面SC2は、磁気テープ読込ボタン201、磁気テープ書込ボタン202、カレンダー設定ボタン203、業務情報設定ボタン204及び終了ボタン205から構成されている。磁気テープ読込ボタン201あるいは磁気テープ書込ボタン202を押下すると磁気テープ管理画面SC3に移行し、カレンダー設定ボタン203を押下するとカレンダー設定画面SC4に移行し、業務情報設定ボタン204を押下すると業務情報設定画面SC5にそれぞれ移行するようになっている。
【0048】
磁気テープ管理画面SC3は、主に磁気テープの読込処理及び書込処理を行なうための画面であり、本発明の特徴部分であり、図5にその拡大図を示しているので詳細な説明は、後述する。
【0049】
カレンダー設定画面SC4は、年表示欄401Aの設定を変更する年設定ボタン401、年表示欄401Aに表示された「年」に合わせてカレンダーを変更する調整ボタン402、「月」を変更しその月のカレンダーを表示する月設定ボタン403、「日」の種類を変更にする日設定ボタン404及び終了ボタン405からなる。このカレンダー設定画面SC4は、ホスト日時を計算する際に必要となる、日の設定をする画面であり、通常のカレンダーに従って土曜日及び日曜日は自動で表示されるが、運用環境毎の特別な日を設定することもできる。
【0050】
例えば、通常のカレンダーによれば平日であり出勤日であるが、休日として換算する場合に、このカレンダー設定画面SC4は使用される。具体的には、図4に示すカレンダー設定画面SC4において、「2日」は「金曜日」でありシステム上「平日」として予め設定してある。しかし、この日が会社設立日であり特別に「休日」としたい場合に、この「2日」を示す日設定ボタン404を押下すと、(図示しない)日の種類を変更可能な画面が表示され、この画面を操作することにより、「2日」を「休日」として設定変更すれば、ホスト日時を計算する際に休日として扱われることとなる。
【0051】
業務情報設定画面SC5は、業務情報一覧501、新規ボタン502、修正ボタン503、削除ボタン504、業務情報数表示欄505、入力ボタン506、出力ボタン507及び終了ボタン508からなる。新規ボタン502は、業務情報の新規登録画面(図示しない)を表示するボタンであり、識別コード、VLD、業務コード、業務名、ファイル名、拠点(IN)、VOL番号(IN)、拠点(OUT)、VOL番号(OUT)、ラベル形式、データセット名、VOL形式、順序番号、データ圧縮、備考、依頼部署、依頼内容、作成日、修正日及びDMK等の項目を入力しこれら入力した情報を登録することができる。
【0052】
これら登録情報の詳細は次の通りである。識別コードは業務情報のキーとなり重複した識別コードを登録することはできない。VLDは有効フラグ(Validの略)でチェックをはずすと業務情報として磁気テープに割り当てることができなくなる。業務コードはユーザーにおいて任意のコードを入力できる。業務名及びファイル名も任意の文字列を入力できる。拠点(IN)はシステムに事前登録されている拠点から、本業務情報に該当する磁気テープの読み込みを行なう拠点を選択する欄である。VOL番号(IN)は読み込みを行なう磁気テープのVOL番号を指定する欄である。拠点(OUT)はシステムに事前登録されている拠点から、本業務情報に該当する磁気テープの書き込みを行なう拠点を選択する欄である。
【0053】
VOL番号(OUT)は書き込みを行なう磁気テープのVOL番号を指定する欄である。ラベル形式は対象磁気テープのラベル形式、すなわち、標準ラベルかノンラベルかを選択する欄である。データセット名は対象磁気テープのデータセット名の入力欄である。VOL形式は固定あるいは非固定を選ぶことができ、固定の場合は読み込み時にVOL番号を確認し、非固定の場合は読み込み時にVOL番号を確認しない。順序番号は対象磁気テープの順序番号を入力する欄である。データ圧縮は自動、有効あるいは無効を選択することができ、自動の場合はCMT装置が認識した圧縮状態でコピーをし、有効の場合はCMT装置が認識した圧縮状態に関係なく常に圧縮してコピーし、無効の場合はCMT装置が認識した圧縮状態に関係なく常に圧縮しないでコピーをする。
【0054】
備考は備考を入力する欄である。依頼部署及び以来内容はユーザーにおいて任意の文字列を入力する欄である。作成日は業務情報を新規作成した日付が表示される欄であり入力することはできない。修正日は業務情報を最後に修正した日付が表示される欄であり入力することはできない。DMKは削除マーク(Delete Markの略)で、一度業務情報の削除を行なうとマークされる。マークされている状態で再度操作員情報の削除を行なうと完全に削除され、マークされた業務情報は登録されていないものとみなされる。
【0055】
これら登録した情報が、業務情報一覧501に表示される。この業務情報設定画面SC5により、磁気テープに関連付ける業務情報を設定することができる。修正ボタン503は、業務情報一覧501に表示された業務情報を修正するためのボタンであり、業務情報一覧501に表示された業務情報をマウスなどを操作することにより選択し、当該修正ボタン503を押下することにより(図示しない)修正画面が表示され、業務情報を選択可能になっている。同様に、削除ボタン504は、選択された業務情報を削除するボタンである。
【0056】
入力ボタン506は、表計算ソフトなどを用いて予めユーザーにおいて作成されたCSVファイルを読み込み、読み込まれた業務情報を入力するボタンであり、一方、出力ボタン507は、本システム側において作成された業務情報を、CSVファイルとして出力するボタンである。終了ボタン508は、業務情報設定画面SC5を終了するとともに、結果を保存するためのボタンである。なお、この終了ボタン508を押下することにより、この業務情報設定画面SC5において登録/変更された業務情報は、ネットワーク設定で「同報配信先」に指定された磁気テープ制御装置へ自動的に配信される。
【0057】
図5には、磁気テープ管理画面SC3の拡大図が示されており、その構成を説明すると次の通りである。301〜303は、ユーザー側において任意に設定されたホスト日時を表示する欄である。例えば、一般的なコンピュータの日時は深夜0:00を超えると日が変わるが、ホストの夜間処理では深夜0:00をまたいで一続きの処理を行なうため途中で日が変わると分かりづらくなる。そのため、前日の25:00、26:00等と表現するホスト日時を表示することにより、一日分の処理を同一日にすることができるようになる。本磁気テープ複製プログラムにおいてはユーザーにおいてこのホスト日時を任意に設定可能となっている。なお、通常のホスト日時は、335〜337であり、335は現在の日付、336は曜日及び337は時間を表示する欄であり、338はこの日付の種別、すなわち平日なのか休日なのかを表示する欄である。通常の8:30をホスト日時の基準と設定する例を示す。
【0058】
図5の301〜303に示すように、通常の2008年12月26日、水曜日、8時10分51秒は、ホスト日時では前日に日付の2008年12月25日、火曜日、32時10分51秒と表示される。この表示は、32時29分59秒まで続き、1秒後のホスト日時は、2008年12月26日、水曜日、8時30分00秒と表示される。
【0059】
304は延長指示ボタンであり、押下することにより事前に設定されているホスト日時で日を切り替える時間が来ても、日を継続させて表示させることができる。
【0060】
305は自身の拠点名及び磁気テープ制御装置を表示する欄である。306〜311はそれぞれ処理対象画面、処理済み画面、障害発生表示画面、保留表示画面、CMT装置画面及びネットワーク表示画面(いずれも図示せず)に移行するためのタブである。
【0061】
処理対象画面には、現在操作している磁気テープ制御装置で読み込みを行なった磁気テープ情報の一覧が表示される。この処理対象画面内にある磁気テープ情報に対して書込み処理を開始すると、該当する磁気テープ情報は、当該処理対象画面から一時的に表示されなくなる。これは、複数の磁気テープ制御装置での競合を防ぐためである。処理済み画面には、処理対象画面に表示された磁気テープ情報が実際に磁気テープに書き込まれたものが、処理対象画面から移動し表示される。表示される項目は処理対象画面と同様である。処理対象画面に表示された磁気テープ情報は、ホスト日時による“日”が変わると自動的に保留表示画面に移動する。また、操作員の操作により、処理対象画面に表示された磁気テープ情報を障害発生表示画面に移動させることも出来る。表示される項目は処理対象画面と同様である。CMT装置画面のタブをクリックすると、図5に示す2つのCMT装置に関する情報が表示される(312〜333)。この画面では、CMT装置の状態確認と処理実行開始及び処理結果の確認ができる。ネットワーク表示画面のタブをクリックすると、予め設定されたネットワークの状況、IPアドレスが表示される。
【0062】
図5には、1つの磁気テープ制御装置が2台のCMT装置を利用して処理する態様が記載されており、312には1台目のCMT装置の名称「MT−1」が表示されており、図中右側には2台目のCMT装置の名称「MT−2」が表示されている。なお、「MT−2」においても表示される項目は同様なので、図5においては、「MT−1」についてのみ符号を付して説明する。313はCMT装置の状態を表示する欄であり、青く表示された場合は有効、白く表示された場合は無効を意味する。314はマガジンの状態を表示する欄であり、緑色に表示された場合は磁気テープの搬送が可能な状態、黄色に表示された場合は磁気テープの搬送が不可能な状態、白く表示された場合はマガジンが取り外された状態を意味する。315は磁気テープの状態を表示する欄であり、緑色に表示された場合は磁気テープがドライブに装填されていることを意味し、白く表示された場合は磁気テープがドライブに装填されていないことを意味する。316は磁気テープの書込み保護の状態を表示する欄であり、黄色く表示された場合は磁気テープは書込み保護されている状態を表し、白く表示された場合は磁気テープは書込み保護されていない状態を表す。
【0063】
317は磁気テープに記録されているラベル種別を表示する欄であり、「STANDARD」と表示された場合は標準ラベル(SL)で記録されていることを意味し、「NONE」と表示された場合はノンラベル(NL)で記録されていることを意味する。318は磁気テープに記録されているVOL番号を表示する欄である。319は磁気テープに記録されているデータセット名を表示する欄である。320は磁気テープに記録されている順序番号を表示する欄である。321は磁気テープに記録されているトラック数を表示する欄である。322は磁気テープの処理済みテープマーク数を表示する欄である。323は伝送中は伝送済みサイズを表示する欄であり、磁気テープ入出力中は磁気テープの処理済みサイズを表示する欄となる。324は磁気テープの処理済みブロック数を表示する欄である。325は伝送中は伝送の転送レートを表示する欄となり、磁気テープ入出力中は磁気テープの転送レートを表示する欄となる。
【0064】
326はCMT装置に格納された磁気テープに関する情報と処理結果を表示する欄であり、各欄の表示内容は次の通りである。「No.」はCMT装置のスロット番号を表示する、「STATUS」は磁気テープの格納状態を表示し、「・・・」は対象スロットに磁気テープが格納されていないことを意味し、「MEDIUM」は対象スロットに磁気テープが格納されていることを意味し、「DRIVE」は対象スロットに格納された磁気テープがドライブに装填されている状態を意味する。「VOLSER」は磁気テープから取得したVOL番号を表示する。「DATASET」は磁気テープから取得したデータセット名を表示する。「SEQ」は磁気テープから取得した順序番号を表示する。「TRACK」は磁気テープの記録密度を表示する。「BLOCK」は磁気テープに記録されている、あるいは記録したブロック数を表示する。「RESULT」は処理結果を表示し、◎は処理に成功、○は処理に成功、かつ磁気テープの終端はマルチボリュームの続きがあることを示す、×は処理に失敗したことをそれぞれ示す。
【0065】
327はラベル形式を選択する欄であることを示すものであり、328あるいは330をマウスなどを操作することにより、ラベル形式SLあるいはNLを選択可能である。図5においては、ラベル形式はSLが選択されており、選択されたラベル形式は色付き表示される。332は処理を開始するボタンであり、333は処理を中止するボタンであり、339は磁気テープ管理画面SC3を終了させるためのボタンである。
【0066】
(システムの動作のフローチャートによる説明)
次に、本発明における読み込み処理及び書き込み処理について、図6〜図14に記載のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
【0067】
<読込処理>
読み込み処理は、送信元である拠点1側において行う処理である。読み込み対象の磁気テープをCMT装置に格納した状態で、上記説明した通り、ユーザーにおいてマウスなどを操作することにより磁気テープ複製プログラムを起動する。そして、ログイン画面を表示しユーザー名、パスワードを入力し、メインメニュー画面に進み、磁気テープ読込ボタン201を押し、磁気テープ管理画面SC3においてラベル形式の選択等の所定の入力を行った後、実行ボタン332を押下すると読込処理が開始される。
【0068】
具体的には、読み込み対象の磁気テープのラベル形式がSLであった場合には図6に示すように、NLであった場合には図7に示すように処理される。
【0069】
最初に、ラベル形式がSLであった場合について詳細に説明すると、当該読込処理が開始されると、まず、CMTロード処理が行われる(S100)。このCMTロード処理の詳細は図8に示されており、当該CMTロード処理が開始されると、最初に、CMT装置が有効であるか無効であるかの状態が取得され(S300)、有効であった場合には磁気テープ(CMT)をスロットからドライブへ搬送し(S301)、ドライブのレディ待ちを行い(S302)、磁気テープ情報を取得し(S303)、当該CMTロード処理は終了する。
【0070】
前記CMTロード処理が終了すると、次に、CMT処理を行った磁気テープに該当する業務情報を検索する検索処理が行われる(S101)。この検索処理は次のようにして行われる。
【0071】
まず最初に、磁気テープから「VOL番号」、「データセット名」及び「順序番号」を取得する(処理1)。次に、環境情報から「拠点」の情報を取得し(処理2)、業務情報一覧501から「拠点」、「データセット名」及び「順序番号」が全て一致する情報を全て抽出する(処理3)。その結果、該当情報がない場合、業務情報不一致エラーとする(処理4)。一方、処理3の結果のうち、「VOL形式」が「固定」であり、かつ、「VOL番号」が一致する情報を全て抽出し(処理5)、その結果が一件の場合、その情報を検索結果とする(処理6)。一方、処理5の結果が複数件の場合、処理5の結果を画面にポップアップし、オペレーターが選択した情報を検索結果とする(処理7)。また、処理5の結果がない場合は、処理3のうち、「VOL形式」が「非固定」の情報を全て抽出し(処理8)、結果がない場合、業務情報不一致エラーとする(処理9)。一方、処理8の結果が一件の場合、その情報を検索結果とする(処理10)。また、処理8の結果が複数件の場合、処理8の結果を画面にポップアップし、オペレーターが選択した情報を検索結果とする(処理11)。
【0072】
前記検索処理が終了すると、次に、重複入力であるか否かが調べられる(S102)。重複入力か否かは識別コードを対比することにより行われる。その結果、重複入力であった場合には(S102のY)、既に、その磁気テープはCMTロード処理、検索処理を行っており、重複作業になってしまうことから、その結果を示す結果ログを出力する処理を行なう。一方、重複入力でない場合には(S102のN)、次に、CMT読込処理(S103)が行われる。このCMT読込処理の詳細は図9に示されており、当該CMT読込処理が開始されると、最初に、イメージファイルをローカルディスクに新規作成し(S400)、磁気テープから1ブロックあるいは1TM(テープマーク)を読み込み(S401)、イメージファイルへ1ブロックあるいは1TM書き込む(S402)。その後、テープの終端か否かがチェックされ(S403)、テープの終端でない場合には(S403のN)、前記S401、S402の処理がテープの終端となるまで行われ、一方、テープの終端であった場合には(S403のY)、読込ブロック数、TM数の評価を行ない(S404)、識別コード、磁気テープ情報をイメージファイルに付加し(S405)、当該CMT読込処理は終了する。
【0073】
このイメージファイルを作成する際に、ファイル名を形成するデータの中に、読込みブロック数、TM数の情報を付加しておく。本発明においては、コピー先である拠点2において磁気テープのいわゆるデッドコピーを作成するため、イメージファイルの中にブロック数などのチェック用データを入れるわけにはいかない。よって、イメージファイルそのものではなく、このファイル名にチェック用データを埋め込み、ファイル名により、ブロック数、TM数の評価、すなわち、作成されたイメージファイルが、読み込み対象の磁気テープを漏れなく複製しているかの評価を行なう。
【0074】
前記CMT読込処理が終了すると、次に、CMTアンロード処理が行われる(S104)。その詳細は図10に示されており、当該CMTアンロード処理が開始されると、まず、磁気テープを巻き戻し(S500)、磁気テープをドライブからスロットへ搬送し(S401)、ローダーレディ待ちとなり(S402)、当該CMTアンロード処理は終了する。
【0075】
前記CMTアンロード処理が終了すると、その結果を表す結果ログが出力され、次いで、読み込むべき次の磁気テープが存在するか否かが調べられ(S106)、存在する場合には(S106のY)、前記S100〜S105の処理を読み込むべき磁気テープが存在しなくなるまで行ない、一方、読み込むべき磁気テープが存在しなかった場合には(S106のN)、当該読込処理は終了する。
【0076】
次に、NLの場合の読込処理について図7を参照して説明する。このNLの場合の読込処理は、要するに、磁気テープ内にボリュームラベルが付加されていないため、このボリュームラベルを手作業により付加する必要があり、具体的には次のように処理される。まず、CMT装置内にNLの磁気テープが1巻のみであるか否かが調べられる。このようにNLの磁気テープが1巻のみであるか否かを調べるのは、誤作業の防止のためである。複数のNLの磁気テープがある場合に、ここに記載するNLの場合の読込処理を行なうと、誤って作業する可能性が高くなることから、本実施形態においては、CMT装置に複数のNLの磁気テープが存在する場合には(S200のN)、誤りを防止するため、当該読込処理を終了する。
【0077】
一方、NLの磁気テープが1巻のみである場合(S200のY)、次に、業務情報選択処理を行なう(S201)。この処理は操作員においてマウス、キーボードなどの各種入力デバイスを用いて行なう。これにより、初めて、NLの磁気テープに識別コードが付される。その後の処理(S202〜S205)は、SLの場合のS102〜S105の処理と同様である。なお、このNLの場合の処理は前記説明した通りCMT装置にNLの磁気テープが1巻存在する場合だけ行なうことから、S106の処理と同様の処理は行なわず、当該読込処理は終了する。
【0078】
<書込処理>
書込処理は、送信先である拠点2側において行う処理である。書き込み対象の磁気テープをCMT装置に格納した状態で、上記説明した通り、ユーザーにおいてマウスなどを操作することにより磁気テープ複製プログラムを起動する。そして、ログイン画面を表示しユーザー名、パスワードを入力し、メインメニュー画面に進み、磁気テープ書込ボタン202を押し、磁気テープ管理画面SC3においてラベル形式の選択等の所定の入力を行った後、実行ボタン332を押下すると書込処理が開始される。
【0079】
具体的には、書き込み対象の磁気テープのラベル形式がSLであった場合には図11に示すように、NLであった場合には図12に示すように処理される。
【0080】
最初に、ラベル形式がSLであった場合について詳細に説明すると、当該書込処理が開始されると、まず、CMTロード処理が行われる(S600)。このCMTロード処理は前記S100の処理と同様である。次いで、送信元である第一の磁気テープ制御装置のハードディスク内に書き込む磁気テープに該当するイメージファイルが存在するか否かが調べられ(S601)、存在しない場合には(S601のN)、その結果が結果ログに出力される(S607)。一方、存在する場合には(S601のY)、磁気テープ管理画面SC3において当該送信元である第一の磁気テープ制御装置のハードディスク内のイメージファイルを処理中状態に変更する(S602)。第二の磁気テープ制御装置21A及び21B間において重複書き込みを防止するためである。
【0081】
前記S602の処理終了後、続いて、該当する送信元である第一の磁気テープ制御装置のハードディスク内のイメージファイルから第二の磁気テープ制御装置の一時ファイルへのコピー処理を行なう(S603)。このコピー処理の詳細は図13に示されており、当該コピー処理が開始されると、最初に、ローカルディスクに一時ファイルが作成される(S800)。
【0082】
次に、イメージファイルから一部を読み込み(S801)、次いで一時ファイルへ一部書き込みを行なう(S802)。その後、イメージファイルの終端か否かが調べられ(S804)、イメージファイルの終端でない場合には、前記S800〜S802の処理をイメージファイルの終端が検知されるまで行なう。一方、イメージファイルの終端が検知されると(S802のY)、次に、イメージファイルと一時ファイルとのサイズを比較する(S804)。その結果、一致していない場合には(S806)、エラー処理を行い、当該コピー処理は終了する。一方、一致した場合には、正常に書込みが行われたとみなし当該コピー処理は終了する。
【0083】
前記コピー処理が終了すると、次に、CMT書込処理が行われる(S604)。このCMT書込処理の詳細は図14に示されており、当該CMT書込処理が開始されると、まず、一時ファイルから1ブロックあるいは1TM読み込み(S900)、磁気テープへ1ブロックあるいは1TMを書き込み(S901)、その後、一時ファイルの終端か否かが検知される(S902)。その結果、一時ファイルの終端でない場合には(S902のN)、前記S900及びS901の処理が一時ファイルの終端が検知されるまで行われる。一方、一時ファイルの終端であった場合には(S902のY)、書込ブロック数及びTM数の評価を行なった(S903)後、当該CMT書込処理は終了する。
【0084】
この評価は、前記説明した通り、拠点1から送信されたイメージファイルのファイル名をチェック用データとして行なう。詳細は前記した通りである。
【0085】
前記CMT書込処理が終了すると、次に、CMTアンロード処理が行われるが(S605)、当該処理は、前記説明したS104の処理と同様であるのでここでは説明を省略する。次いで、CMTアンロード処理終了後、磁気テープ管理画面において、第一の磁気テープ制御装置のファイルを、書き込みが終了した磁気テープの磁気テープ情報を処理済みに変更し(S606)、その結果を示す結果ログを出力し(S607)、次いで、書き込むべき次の磁気テープが存在するか否かが調べられ(S608)、存在する場合には(S608のY)、前記S600〜S607の処理を書き込むべき磁気テープが存在しなくなるまで行ない、一方、書き込むべき磁気テープが存在しなかった場合には(S608のN)、当該書込処理は終了する。
【0086】
次に、NLの場合の書込処理について図12を参照して説明する。このNLの場合の書込処理も、前記NLの場合の読込処理で説明したのと同様に、磁気テープ内にボリュームラベルが付加されていないため、書き込むイメージファイルを自動的に選択することができない。そこで、操作員が手作業で書き込み対象を選択する必要がある。具体的には、前記図7における場合と同様に、誤り防止のため、NLの磁気テープが1巻のみか否かが調べられ(S700)、複数あった場合には、処理は終了し(S700のN)、一方、1巻のみであった場合には(S700のY)、次に、操作員が書き込みイメージファイルを前記同様キーボード等を使用して選択する(S701)。後の処理は前記図7の説明と同様に、SLの場合の書込処理S600〜S607の処理と同様である。
【0087】
なお、拠点1にはメインフレーム(図示なし)と、メインフレームから出力されるデータを記憶する磁気テープ装置(図示なし)が設置されている。拠点1では、この磁気テープ装置を使用し、イメージファイルを記憶した磁気テープが保管されている。拠点1では、本発明の磁気テープ複製システムを実施して、拠点1の磁気テープのイメージファイルを、拠点2の磁気テープに複製する。このため、メインフレームに依存することなく、オフライン処理で全く同じ磁気テープを複製することができる。
【符号の説明】
【0088】
1 磁気テープ複製システム
10A、10B、20A、20B CMT装置
11A、11B 第一の磁気テープ制御装置
12A、12B、22A、22B ルータ
21A、21B 第二の磁気テープ制御装置
N1、N2 ネットワーク
SC1 ログイン画面
SC2 メインメニュー画面
SC3 磁気テープ管理画面
SC4 カレンダー設定画面
SC5 業務情報設定画面
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気テープに保存したイメージファイルをネットワークを介して遠隔地に送信し、遠隔地において磁気テープの複製を作成するための磁気テープ複製システム、磁気テープ複製プログラム及び磁気テープ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、企業においては、人為的ミス、コンピュータウィルス、地震などの災害など種々の要因からデータが損失するのを防止するため、データのバックアップが行われている。通常は、普段使用しているデータのストレージとは別のストレージに、定期的にバックアップを取ることが推奨されており、バックアップ用メディアの1つとしてハードディスクがある。
【0003】
このハードディスクは、固定ディスクなので、元データとバックアップ用データとを同じ場所で保管するようになる。そのため、災害等が発生すると、バックアップ用データも一緒に失う可能性が高くなる。その上、ハードディスクはドライブが壊れるとデータが読み出せなくなるといった問題がある。
【0004】
また、他のバックアップ用メディアとして、磁気テープがある。この磁気テープは、粉末状の磁性体をテープ状のフィルムに、バインダー(接着剤)で塗布または蒸着した記録媒体で、磁性の変化により情報を記録・再生する磁気記録メディアである。この磁気テープは、ドライブが壊れてもメディア自体は影響を受けず、種類によっては数十年の長期保存が可能であること等の理由から、企業が保有する大規模なサーバ、メインフレームなどのバックアップ用メディアとして主に用いられている。
【0005】
その一方、磁気テープは、磁気の影響を受けやすいという短所があるので、例えば、銀行においては、センターAのメインフレームから出力された磁気テープを、遠隔地のセンターBのメインフレームにて関連業務処理を行う場合、荷物を仕分けるためのベルトコンベアーから発生される磁気の影響を避けるべく、トラックによる直送便を利用して磁気テープを遠隔地に運搬している。
【0006】
磁気テープのデータを遠隔地において使用する場合には、現状では、このような直送便を使用せざるを得ないという実態があるが、このような手法では、時間とコストがかかるうえ、輸送時において磁気テープの漏洩、紛失、破損の心配もある。また、トラックを使用するため、近隣に対する騒音等を含めた環境問題の心配もある。
【0007】
ここで、従来から、輸送を使用せずに遠隔地にデータを送信する技術として、FTP伝送などのネットワークを利用してデータを送信する技術等があるが、本発明者らが調べたところ、磁気テープに関する技術としては特許文献1に記載のデータ送信装置及びその制御方法があった。ただし、この特許文献1には、磁気テープに記録されるデータについて所定のフォーマットと異なる他のフォーマットを検知した場合、この他のフォーマットのデータを所定のフォーマットのデータに変換し、別の記録再生装置に送信することだけが記載されている。従って、特許文献1に記載の技術を利用しただけでは、遠隔地に磁気テープの全てのデータをバックアップすることはできず、未だ満足の行く遠隔地への磁気テープのバックアップ技術は存在しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−49459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明の目的は、遠隔地に磁気テープの複製を作成するのに好適な磁気テープ複製システム、磁気テープ複製プログラム及び磁気テープ制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、一の拠点に設けられた第一の磁気テープ制御装置と、他の拠点に設けられ前記第一の磁気テープ制御装置とネットワークを介して接続された第二の磁気テープ制御装置と、からなる磁気テープ複製システムであって、前記第一の磁気テープ制御装置は、第一の磁気テープからイメージファイルを取得するイメージファイル取得手段と、前記イメージファイル取得手段により取得したイメージファイルを前記ネットワークを介して前記第二の磁気テープ制御装置に伝送するイメージファイル伝送手段と、を有し、前記第二の磁気テープ制御装置は、前記イメージファイル伝送手段により伝送されたイメージファイルを受信するイメージファイル受信手段と、前記イメージファイル受信手段により受信したイメージファイルを第二の磁気テープに複製するイメージファイル複製手段と、を有することを特徴とする。
【0011】
ここで、「イメージファイル」とは、磁気テープ等に記録されたボリュームラベル、ブロックギャップ等の情報をそのままハードディスク等の別の記憶媒体に複製、保存したファイルを言う。
【0012】
前記第一の磁気テープ制御装置及び前記第二の磁気テープ制御装置の少なくとも一方は、それぞれに予め記憶された業務情報及び当該業務情報の変更をネットワークを介して、他方に配信するようにしてもよい。
【0013】
前記第一の磁気テープ制御装置及び前記第二の磁気テープ制御装置は、前記各拠点ごとに複数あり、複数の前記第一の磁気テープ制御装置及び前記第二の磁気テープ制御装置はそれぞれ独立したネットワークにより接続され多重化されていてもよい。
【0014】
前記第一の磁気テープ制御装置は、前記イメージファイル取得手段により取得したイメージファイルを記憶管理するイメージファイル管理手段を有し、前記第二の磁気テープ制御装置は、前記イメージファイル管理手段に自身宛てのイメージファイルが存在するか否かを監視し、自身宛てのイメージファイルが存在する場合には、当該自身宛てのイメージファイルの送信要求信号を発し、当該自身宛てのイメージファイルを前記イメージファイル受信手段により受信するためのイメージファイル監視手段を有するように構成してもよい。
【0015】
また、1つの第二の磁気テープ制御装置が第一の磁気テープ制御装置に対し自身宛てのイメージファイルの送信要求信号を発した場合、前記イメージファイル管理手段は、前記送信要求信号を発せられたイメージファイルに対し処理中として他の第二の磁気テープ制御装置からの要求ができないようにするようにしてもよい。
【0016】
前記イメージファイル管理手段は、記憶管理するイメージファイルの状態を取得し、当該状態に応じてフォルダを作成し分類するようにしてもよい。
【0017】
前記イメージファイル管理手段は、記憶管理するイメージファイルの処理日の開始時間を任意に設定ができるようにしてもよい。
【0018】
前記第一の磁気テープ制御装置と前記第二の磁気テープ制御装置との間のネットワークには、主経路と予備経路が設けられているように構成してもよい。
【0019】
前記第一の磁気テープ制御装置は、予め記憶された業務情報に応じて第一の磁気テープの読み込みの可否を判断するようにしてもよい。
【0020】
前記第一の磁気テープ制御装置は、前記イメージファイル取得手段が前記第一の磁気テープから前記イメージファイルを取得するときに、イメージファイルに含まれるブロック数をカウントする読込ブロックカウント手段と、前記読込ブロックカウント手段でカウントした数に対応したファイル名を、前記イメージファイルに付与するファイル名付与手段と、を有し、前記第二の磁気テープ制御装置は、前記イメージファイル受信手段で受信したイメージファイルを第二の磁気テープに複製するときに、前記受信したイメージファイルに含まれるブロック数をカウントする複製ブロックカウント手段と、前記受信したイメージファイルのファイル名から抽出したブロック数と、前記複製ブロックカウント手段が計数したブロック数とを評価する評価手段とを有するようにしてもよい。
【0021】
本発明は、前記いずれかに記載の第一の磁気テープ制御装置及び第二の磁気テープ制御装置を動作させるための磁気テープ複製プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させることを特徴とする。
【0022】
本発明は、前記いずれかに記載の第一の磁気テープ制御装置あるいは第二の磁気テープ制御装置を構成する磁気テープ制御装置であって、前記磁気テープ複製プログラムを格納したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、一の拠点に設けられた第一の磁気テープ制御装置と、他の拠点に設けられ前記第一の磁気テープ制御装置とをネットワークを介して接続し、第一の磁気テープ制御装置で第一の磁気テープから取得したイメージファイルをネットワークを介して第二の磁気テープ制御装置に送信し、第二の磁気テープ制御装置により第二の磁気テープに複製するようにした。これにより、従来要していた輸送費、人件費などのコストが削減でき、作業時間の短縮化も図れる等といった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態の磁気テープ複製システムの概略的な構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態の磁気テープ複製システムの概略的な動作手順を示すシーケンス図である。
【図3】磁気テープに記録された磁気テープ情報のデータ構造を示す説明図である。
【図4】本発明の実施形態の磁気テープ複製システムの処理手順を画面により示した説明図である。
【図5】図4に示す磁気テープ管理画面の拡大図である。
【図6】標準ラベルの場合の読み込み処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】ノンラベルの場合の読み込み処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】CMTロード処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】CMT読込処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】CMTアンロード処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】標準ラベルの場合の書込み処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】ノンラベルの場合の書込み処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】コピー処理の一例を示すフローチャートである。
【図14】CMT書込み処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するため形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照しながら説明する。なお、本実施形態において、磁気テープとは、カートリッジ磁気テープ(CMT:Cartridge Magnetic Tape)とするが、LTO(Linear Tape Open)等の他の磁気テープであってもよい。また、ネットワークN1、N2は、WAN(広域Ethernet 100Mbps)であり専用回線とするが、インターネットなどの他の公衆回線であってもよい。
【0026】
<システムの全体構成>
図1は、本発明の一実施形態である磁気テープ複製システム1の概略的な構成を示すブロック図である。図1に示す通り、磁気テープ複製システム1は、拠点1と遠隔地にある拠点2との間において、ネットワークN1あるいはN2を介して磁気テープの複製を作成するシステムである。具体的には、磁気テープ複製システム1は、次のように構成されている。なお、本実施形態においては、各拠点間及び拠点内において、複数の同一の構成を有することから、各構成を区別するときは図1に示す符号を付して説明し、各構成を区別しないときは符号を付さない、あるいは次のような総括的な符号を付して説明する。具体的には、CMT装置,磁気テープ制御装置、ルータ及びネットワークを総括的に説明するときは符号は付さず、第一の磁気テープ制御装置を総括的に説明するときは11、第二の磁気テープ制御装置を総括的に説明するときは21と表記する。
【0027】
まず、拠点1には、CMT装置10Aと、当該CMT装置10Aに接続された第一の磁気テープ制御装置11Aと、当該第一の磁気テープ制御装置11Aに接続されたルータ12Aと、からなるCMTシステム100Aが配設されている。更に、CMT装置10Bと、当該CMT装置10Bに接続された第一の磁気テープ制御装置11Bと、当該第一の磁気テープ制御装置11Bに接続されたルータ12Bと、からなるCMTシステム100Bが配設されている。
【0028】
同様に、拠点2にも、CMT装置20Aと、当該CMT装置20Aに接続された第二の磁気テープ制御装置21Aと、当該第二の磁気テープ制御装置21Aに接続されたルータ12Aと、からなるCMTシステム200Aが配設されている。更に、CMT装置20Bと、当該CMT装置20Bに接続された第二の磁気テープ制御装置21Bと、当該第二の磁気テープ制御装置21Bに接続されたルータ22Bと、からなるCMTシステム200Bが配設されている。
【0029】
本実施形態においては、第一の磁気テープ制御装置11Aと第二の磁気テープ制御装置21Aがルータ12A、22Aを介してネットワークN1に、第一の磁気テープ制御装置11Bと第二の磁気テープ制御装置21Bがルータ12B、22Bを介してネットワークN2にそれぞれ接続されており、磁気テープ複製システム1は、2つの異なるネットワークN1、N2を使用して二重化されている。このように二重化することにより、1つのネットワークに障害が発生したとしても他のネットワークを利用することにより磁気テープのイメージファイルを遠隔地に伝送することができる。なお、本実施形態においては、二重化しているが、必ずしも二重化する必要はないし、また、三重化、四重化など更なる多重化をすることも可能である。
【0030】
CMT装置は、カートリッジ磁気テープ装置であり、磁気テープ(カートリッジ磁気テープ)の入出力を行なう装置である。例えば、CMT装置としては、株式会社ユニテックス社製の型番UMT−490EWS−ACL、UMT−F490EWS−ACL/FMなど種々のカートリッジ磁気テープ装置を使用することが可能である。
【0031】
磁気テープ制御装置には、磁気テープ複製プログラムが格納されている。磁気テープ複製プログラムは、磁気テープ複製システム1を構成する全ての磁気テープ制御装置(図1では、11A、11B、21A、21B)に予めインストールされており、磁気テープ制御装置に含まれる(図示しない)コンピュータを次の各手段として機能させる。具体的には、各手段は、磁気テープからイメージファイルを取得するイメージファイル取得手段、イメージファイルをネットワークを介して第二の磁気テープ制御装置21に伝送するイメージファイル伝送手段、伝送されたイメージファイルを受信するイメージファイル受信手段、受信したイメージファイルを磁気テープに複製するイメージファイル複製手段、取得したイメージファイルを記憶管理するイメージファイル管理手段、前記イメージファイル管理手段に自身宛てのイメージファイルが存在するか否かを監視し、自身宛てのイメージファイルが存在する場合には、当該自身宛てのイメージファイルの送信要求信号を発し、当該自身宛てのイメージファイルを前記イメージファイル受信手段により受信するためのイメージファイル監視手段、前記イメージファイルを取得するときに、イメージファイルに含まれるブロック数をカウントする読込ブロックカウント手段、前記読込ブロックカウント手段でカウントした数に対応したファイル名を、前記イメージファイルに付与するファイル名付与手段、イメージファイルを磁気テープに複製するときに、イメージファイルに含まれるブロック数をカウントする複製ブロックカウント手段、前記イメージファイルのファイル名から抽出したブロック数と、前記複製ブロックカウント手段が計数したブロック数とを評価する評価手段等である。
【0032】
また、各磁気テープ制御装置11A、11B、21A、22Bは、全ての装置に一意なIPアドレスが設定されているとともに、主経路と予備経路を有している。具体的には、第一の磁気テープ制御装置11A及び第一の磁気テープ制御装置11Bは、ルータ12Aとルータ12Bにそれぞれ接続されており、第一の磁気テープ制御装置11Aは主経路をMR1,予備経路をSR1とし、第一の磁気テープ制御装置11Bは主経路をMR2,予備経路をSR2とする。他方、第二の磁気テープ制御装置21A及び第二の磁気テープ制御装置21Bは、ルータ22Aとルータ22Bにそれぞれ接続されており、第二の磁気テープ制御装置21Aは主経路をMR3,予備経路をSR3とし、第二の磁気テープ制御装置21Bは主経路をMR4,予備経路をSR4とする。これら主経路と予備経路は、通常はいずれの磁気テープ制御装置においても主経路により通信をするように設定されているが、主経路に何らかの障害が発生し通信不能になった場合には、当該障害を検知し、主経路から予備経路に切り替えるように予め設定されている。
【0033】
また、各磁気テープ制御装置11A、11B、21A、22Bには、作業を行なう操作員のユーザー名、パスワード、ネットワーク設定及び環境情報等が登録されている。ユーザー名は操作員を識別する名前であり全ての操作員情報の中で一意である必要がある。パスワードは磁気テープ複製プログラムにログインする際に入力する必要がある。ネットワーク設定は、事業所(通信する磁気テープ制御装置を表わす任意の名称)、前記主経路用のIPアドレス及び予備経路のIPアドレス等である。環境情報は、パスワードの有効期限、ホスト時間の更改情報、例えば、平日に日を切り替える「時」、「分」、「秒」等を指定する。
【0034】
ルータ12A、12B、22A、22Bは、2つ以上の異なるネットワーク間を相互接続する通信機器であり、本実施形態においては、ルータ12Aは第一の磁気テープ11Aの主経路MR1と第一の磁気テープ制御装置11Bの予備経路SR2に、ルータ12Bは第一の磁気テープ11Aの予備経路SR1と第一の磁気テープ制御装置11Bの主経路MR2に、他方、ルータ22Aは第二の磁気テープ21Aの主経路MR3と第二の磁気テープ制御装置21Bの予備経路SR4に、ルータ22Bは第二の磁気テープ21Aの予備経路SR3と第二の磁気テープ制御装置21Bの主経路MR4に、それぞれ接続されている。
【0035】
ルータ12Aとルータ22AはネットワークN1に、ルータ12Bとルータ22BはネットワークN2にそれぞれ接続されており、本発明の磁気テープ複製システム1はいわゆる二重化構造を採用している。このように二重化構造を採用することで、ネットワークN1あるいはN2の一方が不通になった場合であっても、他のネットワークを利用することができる。
【0036】
<システムの動作>
次に、図2〜図14を参照して磁気テープ複製システム1の動作説明を行なう。図2は磁気テープ複製システム1の概略的な動作手順を示すシーケンス図、図3は磁気テープに記録されているデータ構造の一例を示す説明図、図4は磁気テープ複製システム1の処理手順を画面により示した説明図、図5は図4に示す磁気テープ管理画面の拡大図、図6は標準ラベルの場合の読み込み処理の一例を示すフローチャート、図7はノンラベルの場合の読み込み処理の一例を示すフローチャート、図8はCMTロード処理の一例を示すフローチャート、図9はCMT読込処理の一例を示すフローチャート、図10はCMTアンロード処理の一例を示すフローチャート、図11は標準ラベルの場合の書込み処理の一例を示すフローチャート、図12はノンラベルの場合の書込み処理の一例を示すフローチャート、図13はコピー処理の一例を示すフローチャート、図14はCMT書込み処理の一例を示すフローチャートである。
【0037】
<システムの動作の概略>
図2には、磁気テープ複製システム1の概略的な動作手順を示すシーケンス図が示されており、ここでは、CMT装置10Aの(図示しない)スロットに装填された磁気テープの複製をネットワークN1あるいはN2を介して拠点2において作成する場合の概略動作が図示されている。
【0038】
ここでは、例えば、ネットワークを使用したファイル共有システムを利用し、拠点1の第一の磁気テープ制御装置11Aにおいて読み込まれた磁気テープのイメージファイルの複製を遠隔地である拠点2において作成する場合を想定している。この場合、まず、第一の磁気テープ制御装置11Aにおいて、登録あるいは変更された業務情報が拠点2の第二の磁気テープ装置21A、21Bに同報配信される(S1)。一方、拠点2においては、各第二の磁気テープ制御装置21A、21Bにおいて、第一の磁気テープ制御装置11A,11B内のファイルを読み出し、処理対象画面(図5参照)を表示し、自拠点宛ての処理対象を監視する(S2)。そして、該当する処理対象があった場合には、第二の磁気テープ制御装置21A、21Bのうち早く送信要求信号を拠点1側において受信した方(図2では21A)に対し、拠点1側で読み込まれた磁気テープのイメージファイルを送信し複製する処理を行い、他方の第二の磁気テープ制御装置21Bに対してはイメージファイルの送信処理を行わないようにしている(S3〜S6)。
【0039】
より具体的には、第一の磁気テープ制御装置11Aが磁気テープの読込が終了した場合、第二の磁気テープ制御装置21Aが該当する処理対象を検出する(S3)。次に、第二の磁気テープ制御装置21Aは、第一の磁気テープ制御装置11Aのファイルで、検出した処理対象を処理中に書き換える(S4)。第二の磁気テープ制御装置21Aは、第一の磁気テープ制御装置11Aのハードディスクに記憶されているイメージファイルを、第二の磁気テープ制御装置21Aの一時ファイルに記憶する(S5)。同時に、処理した処理対象を第一の磁気テープ制御装置11Aの処理対象のファイルから削除する。第二の磁気テープ制御装置21Aは、自身の一時ファイルに記憶されたイメージファイルをCMT装置20Aに書込み、書込み終了後、処理した処理対象を第一の磁気テープ制御装置11Aの処理済みファイルに書込む(S6)。この結果、該当する処理対象が第一の磁気テープ制御装置11Aの処理対象のファイルから削除されたため、第二の磁気テープ制御装置21Bは、第一の磁気テープ制御装置11Aのハードディスクに記憶されているイメージファイルを、第二の磁気テープ制御装置21Bの一時ファイルに記憶する処理を行わない。
【0040】
<磁気テープのデータ構造>
図3を参照して磁気テープのデータ構造について説明する。図3には、磁気テープのデータ構造のイメージ図が記載されており、(a)シングルボリューム/シングルファイル、(c)シングルボリューム/マルチファイル、(c)マルチボリューム/シングルファイルである。VOL(Volume:ボリューム)は一巻の磁気テープを単位とした呼称であり、1つのファイルが複数のボリュームにまたがるものをマルチボリュームと言う。データセット(DataSet)は、ボリューム内の1つのファイルを単位とした呼称であり、単にファイルと呼ぶこともある。複数のファイルが1つのボリュームにある形式をマルチデータセットまたはマルチファイルと言う。BOT(Beginning Of Tape)は、磁気テープの先頭を表したものであり、EOT(End Of Tape)は、磁気テープの終端を表したものであり、TM(Tape Mark)は、データセットの終端を示す電気的な印であり、データセット及びファイルを区切ることからファイルマークとも言う。
【0041】
また、VOL1は、ボリューム見出しラベルであり、ボリューム番号、作成者などが記録されている。HDR1は、第1ファイル見出しラベルであり、データセット名、書込み日付などが記載されている。HDR2は、第2ファイル見出しラベルである。EOF(End Of File)は第1ファイル終わりラベルでありHDR1に対応して付されるラベルである。EOF2にはブロック書込み数、最大サイズのブロックに関するデータ等が記憶されたラベルであり、これらEOFは下記評価の際に使用される。本発明においては、遠隔地である第2拠点のCMT装置に装填された磁気テープに記録されるのは、データセット、すなわち実データ部分だけでなく、これらラベルも含めそっくりそのまま記録される、言うなれば「デッドコピー」が作成されるのである。よって、本発明においては、遠隔地においてバックアップをとる際に、アプリケーションに依存することなく、全く同じ磁気テープを複製することができる。
【0042】
<システムの動作の画面による説明>
更に、磁気テープ複製システム1の動作について画面を用いて詳細に説明する。上記概略説明した磁気テープ複製システム1の動作は、各磁気テープ制御装置11A、11B、21A、21Bにインストールされた磁気テープ複製プログラムを起動することにより行なわれる。この磁気テープ複製プログラムはGUIプログラムであり、デスクトップ上に作成される所定のアイコン、あるいはスタートメニューから起動することができ、起動すると図4のログイン画面SC1が表示される。
【0043】
ログイン画面SC1は、「ユーザー名」を入力するユーザー名入力欄101、「パスワード」を入力するパスワード入力欄102、確定ボタン103及び中止ボタン104からなる。
【0044】
このログイン画面SC1において、予め登録された「ユーザー名」と「パスワード」をそれぞれの入力欄101、102に入力し、確定ボタン103を押下すると、図4に示すメインメニュー画面SC2が表示される。一方、ログイン処理を中止する場合には、中止ボタン104を押下すれば当該ログイン処理は中断され、ログイン画面SC1が閉じられ、磁気テープ複製プログラムは終了する。
【0045】
また、「ユーザー名」と「パスワード」は、予め登録しておく必要があり、当該パスワードにはセキュリティ上、有効期限が設定されている。この有効期限から事前にユーザーにおいて設定された期間前(例えば、10日前)になると、(図示しない)警告画面が表示され、パスワードの変更を求め、当該求めに対し、ユーザーはパスワードを変更することが可能である。但し、変更せずにそのままのパスワードを使用することもできる。
【0046】
なお、上記有効期限が切れると、(図示しない)パスワードの有効期限切れを知らせるための所定の画面が表示され、磁気テープ複製プログラムの使用することが出来ないようになっている。この所定の画面が表示された場合には、当該画面でパスワードを変更するか、該当のパスワードを変更する必要がある。
【0047】
上述したログイン操作を行なうと、次に図4に示すメインメニュー画面SC2が表示される。このメインメニュー画面SC2は、磁気テープ読込ボタン201、磁気テープ書込ボタン202、カレンダー設定ボタン203、業務情報設定ボタン204及び終了ボタン205から構成されている。磁気テープ読込ボタン201あるいは磁気テープ書込ボタン202を押下すると磁気テープ管理画面SC3に移行し、カレンダー設定ボタン203を押下するとカレンダー設定画面SC4に移行し、業務情報設定ボタン204を押下すると業務情報設定画面SC5にそれぞれ移行するようになっている。
【0048】
磁気テープ管理画面SC3は、主に磁気テープの読込処理及び書込処理を行なうための画面であり、本発明の特徴部分であり、図5にその拡大図を示しているので詳細な説明は、後述する。
【0049】
カレンダー設定画面SC4は、年表示欄401Aの設定を変更する年設定ボタン401、年表示欄401Aに表示された「年」に合わせてカレンダーを変更する調整ボタン402、「月」を変更しその月のカレンダーを表示する月設定ボタン403、「日」の種類を変更にする日設定ボタン404及び終了ボタン405からなる。このカレンダー設定画面SC4は、ホスト日時を計算する際に必要となる、日の設定をする画面であり、通常のカレンダーに従って土曜日及び日曜日は自動で表示されるが、運用環境毎の特別な日を設定することもできる。
【0050】
例えば、通常のカレンダーによれば平日であり出勤日であるが、休日として換算する場合に、このカレンダー設定画面SC4は使用される。具体的には、図4に示すカレンダー設定画面SC4において、「2日」は「金曜日」でありシステム上「平日」として予め設定してある。しかし、この日が会社設立日であり特別に「休日」としたい場合に、この「2日」を示す日設定ボタン404を押下すと、(図示しない)日の種類を変更可能な画面が表示され、この画面を操作することにより、「2日」を「休日」として設定変更すれば、ホスト日時を計算する際に休日として扱われることとなる。
【0051】
業務情報設定画面SC5は、業務情報一覧501、新規ボタン502、修正ボタン503、削除ボタン504、業務情報数表示欄505、入力ボタン506、出力ボタン507及び終了ボタン508からなる。新規ボタン502は、業務情報の新規登録画面(図示しない)を表示するボタンであり、識別コード、VLD、業務コード、業務名、ファイル名、拠点(IN)、VOL番号(IN)、拠点(OUT)、VOL番号(OUT)、ラベル形式、データセット名、VOL形式、順序番号、データ圧縮、備考、依頼部署、依頼内容、作成日、修正日及びDMK等の項目を入力しこれら入力した情報を登録することができる。
【0052】
これら登録情報の詳細は次の通りである。識別コードは業務情報のキーとなり重複した識別コードを登録することはできない。VLDは有効フラグ(Validの略)でチェックをはずすと業務情報として磁気テープに割り当てることができなくなる。業務コードはユーザーにおいて任意のコードを入力できる。業務名及びファイル名も任意の文字列を入力できる。拠点(IN)はシステムに事前登録されている拠点から、本業務情報に該当する磁気テープの読み込みを行なう拠点を選択する欄である。VOL番号(IN)は読み込みを行なう磁気テープのVOL番号を指定する欄である。拠点(OUT)はシステムに事前登録されている拠点から、本業務情報に該当する磁気テープの書き込みを行なう拠点を選択する欄である。
【0053】
VOL番号(OUT)は書き込みを行なう磁気テープのVOL番号を指定する欄である。ラベル形式は対象磁気テープのラベル形式、すなわち、標準ラベルかノンラベルかを選択する欄である。データセット名は対象磁気テープのデータセット名の入力欄である。VOL形式は固定あるいは非固定を選ぶことができ、固定の場合は読み込み時にVOL番号を確認し、非固定の場合は読み込み時にVOL番号を確認しない。順序番号は対象磁気テープの順序番号を入力する欄である。データ圧縮は自動、有効あるいは無効を選択することができ、自動の場合はCMT装置が認識した圧縮状態でコピーをし、有効の場合はCMT装置が認識した圧縮状態に関係なく常に圧縮してコピーし、無効の場合はCMT装置が認識した圧縮状態に関係なく常に圧縮しないでコピーをする。
【0054】
備考は備考を入力する欄である。依頼部署及び以来内容はユーザーにおいて任意の文字列を入力する欄である。作成日は業務情報を新規作成した日付が表示される欄であり入力することはできない。修正日は業務情報を最後に修正した日付が表示される欄であり入力することはできない。DMKは削除マーク(Delete Markの略)で、一度業務情報の削除を行なうとマークされる。マークされている状態で再度操作員情報の削除を行なうと完全に削除され、マークされた業務情報は登録されていないものとみなされる。
【0055】
これら登録した情報が、業務情報一覧501に表示される。この業務情報設定画面SC5により、磁気テープに関連付ける業務情報を設定することができる。修正ボタン503は、業務情報一覧501に表示された業務情報を修正するためのボタンであり、業務情報一覧501に表示された業務情報をマウスなどを操作することにより選択し、当該修正ボタン503を押下することにより(図示しない)修正画面が表示され、業務情報を選択可能になっている。同様に、削除ボタン504は、選択された業務情報を削除するボタンである。
【0056】
入力ボタン506は、表計算ソフトなどを用いて予めユーザーにおいて作成されたCSVファイルを読み込み、読み込まれた業務情報を入力するボタンであり、一方、出力ボタン507は、本システム側において作成された業務情報を、CSVファイルとして出力するボタンである。終了ボタン508は、業務情報設定画面SC5を終了するとともに、結果を保存するためのボタンである。なお、この終了ボタン508を押下することにより、この業務情報設定画面SC5において登録/変更された業務情報は、ネットワーク設定で「同報配信先」に指定された磁気テープ制御装置へ自動的に配信される。
【0057】
図5には、磁気テープ管理画面SC3の拡大図が示されており、その構成を説明すると次の通りである。301〜303は、ユーザー側において任意に設定されたホスト日時を表示する欄である。例えば、一般的なコンピュータの日時は深夜0:00を超えると日が変わるが、ホストの夜間処理では深夜0:00をまたいで一続きの処理を行なうため途中で日が変わると分かりづらくなる。そのため、前日の25:00、26:00等と表現するホスト日時を表示することにより、一日分の処理を同一日にすることができるようになる。本磁気テープ複製プログラムにおいてはユーザーにおいてこのホスト日時を任意に設定可能となっている。なお、通常のホスト日時は、335〜337であり、335は現在の日付、336は曜日及び337は時間を表示する欄であり、338はこの日付の種別、すなわち平日なのか休日なのかを表示する欄である。通常の8:30をホスト日時の基準と設定する例を示す。
【0058】
図5の301〜303に示すように、通常の2008年12月26日、水曜日、8時10分51秒は、ホスト日時では前日に日付の2008年12月25日、火曜日、32時10分51秒と表示される。この表示は、32時29分59秒まで続き、1秒後のホスト日時は、2008年12月26日、水曜日、8時30分00秒と表示される。
【0059】
304は延長指示ボタンであり、押下することにより事前に設定されているホスト日時で日を切り替える時間が来ても、日を継続させて表示させることができる。
【0060】
305は自身の拠点名及び磁気テープ制御装置を表示する欄である。306〜311はそれぞれ処理対象画面、処理済み画面、障害発生表示画面、保留表示画面、CMT装置画面及びネットワーク表示画面(いずれも図示せず)に移行するためのタブである。
【0061】
処理対象画面には、現在操作している磁気テープ制御装置で読み込みを行なった磁気テープ情報の一覧が表示される。この処理対象画面内にある磁気テープ情報に対して書込み処理を開始すると、該当する磁気テープ情報は、当該処理対象画面から一時的に表示されなくなる。これは、複数の磁気テープ制御装置での競合を防ぐためである。処理済み画面には、処理対象画面に表示された磁気テープ情報が実際に磁気テープに書き込まれたものが、処理対象画面から移動し表示される。表示される項目は処理対象画面と同様である。処理対象画面に表示された磁気テープ情報は、ホスト日時による“日”が変わると自動的に保留表示画面に移動する。また、操作員の操作により、処理対象画面に表示された磁気テープ情報を障害発生表示画面に移動させることも出来る。表示される項目は処理対象画面と同様である。CMT装置画面のタブをクリックすると、図5に示す2つのCMT装置に関する情報が表示される(312〜333)。この画面では、CMT装置の状態確認と処理実行開始及び処理結果の確認ができる。ネットワーク表示画面のタブをクリックすると、予め設定されたネットワークの状況、IPアドレスが表示される。
【0062】
図5には、1つの磁気テープ制御装置が2台のCMT装置を利用して処理する態様が記載されており、312には1台目のCMT装置の名称「MT−1」が表示されており、図中右側には2台目のCMT装置の名称「MT−2」が表示されている。なお、「MT−2」においても表示される項目は同様なので、図5においては、「MT−1」についてのみ符号を付して説明する。313はCMT装置の状態を表示する欄であり、青く表示された場合は有効、白く表示された場合は無効を意味する。314はマガジンの状態を表示する欄であり、緑色に表示された場合は磁気テープの搬送が可能な状態、黄色に表示された場合は磁気テープの搬送が不可能な状態、白く表示された場合はマガジンが取り外された状態を意味する。315は磁気テープの状態を表示する欄であり、緑色に表示された場合は磁気テープがドライブに装填されていることを意味し、白く表示された場合は磁気テープがドライブに装填されていないことを意味する。316は磁気テープの書込み保護の状態を表示する欄であり、黄色く表示された場合は磁気テープは書込み保護されている状態を表し、白く表示された場合は磁気テープは書込み保護されていない状態を表す。
【0063】
317は磁気テープに記録されているラベル種別を表示する欄であり、「STANDARD」と表示された場合は標準ラベル(SL)で記録されていることを意味し、「NONE」と表示された場合はノンラベル(NL)で記録されていることを意味する。318は磁気テープに記録されているVOL番号を表示する欄である。319は磁気テープに記録されているデータセット名を表示する欄である。320は磁気テープに記録されている順序番号を表示する欄である。321は磁気テープに記録されているトラック数を表示する欄である。322は磁気テープの処理済みテープマーク数を表示する欄である。323は伝送中は伝送済みサイズを表示する欄であり、磁気テープ入出力中は磁気テープの処理済みサイズを表示する欄となる。324は磁気テープの処理済みブロック数を表示する欄である。325は伝送中は伝送の転送レートを表示する欄となり、磁気テープ入出力中は磁気テープの転送レートを表示する欄となる。
【0064】
326はCMT装置に格納された磁気テープに関する情報と処理結果を表示する欄であり、各欄の表示内容は次の通りである。「No.」はCMT装置のスロット番号を表示する、「STATUS」は磁気テープの格納状態を表示し、「・・・」は対象スロットに磁気テープが格納されていないことを意味し、「MEDIUM」は対象スロットに磁気テープが格納されていることを意味し、「DRIVE」は対象スロットに格納された磁気テープがドライブに装填されている状態を意味する。「VOLSER」は磁気テープから取得したVOL番号を表示する。「DATASET」は磁気テープから取得したデータセット名を表示する。「SEQ」は磁気テープから取得した順序番号を表示する。「TRACK」は磁気テープの記録密度を表示する。「BLOCK」は磁気テープに記録されている、あるいは記録したブロック数を表示する。「RESULT」は処理結果を表示し、◎は処理に成功、○は処理に成功、かつ磁気テープの終端はマルチボリュームの続きがあることを示す、×は処理に失敗したことをそれぞれ示す。
【0065】
327はラベル形式を選択する欄であることを示すものであり、328あるいは330をマウスなどを操作することにより、ラベル形式SLあるいはNLを選択可能である。図5においては、ラベル形式はSLが選択されており、選択されたラベル形式は色付き表示される。332は処理を開始するボタンであり、333は処理を中止するボタンであり、339は磁気テープ管理画面SC3を終了させるためのボタンである。
【0066】
(システムの動作のフローチャートによる説明)
次に、本発明における読み込み処理及び書き込み処理について、図6〜図14に記載のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
【0067】
<読込処理>
読み込み処理は、送信元である拠点1側において行う処理である。読み込み対象の磁気テープをCMT装置に格納した状態で、上記説明した通り、ユーザーにおいてマウスなどを操作することにより磁気テープ複製プログラムを起動する。そして、ログイン画面を表示しユーザー名、パスワードを入力し、メインメニュー画面に進み、磁気テープ読込ボタン201を押し、磁気テープ管理画面SC3においてラベル形式の選択等の所定の入力を行った後、実行ボタン332を押下すると読込処理が開始される。
【0068】
具体的には、読み込み対象の磁気テープのラベル形式がSLであった場合には図6に示すように、NLであった場合には図7に示すように処理される。
【0069】
最初に、ラベル形式がSLであった場合について詳細に説明すると、当該読込処理が開始されると、まず、CMTロード処理が行われる(S100)。このCMTロード処理の詳細は図8に示されており、当該CMTロード処理が開始されると、最初に、CMT装置が有効であるか無効であるかの状態が取得され(S300)、有効であった場合には磁気テープ(CMT)をスロットからドライブへ搬送し(S301)、ドライブのレディ待ちを行い(S302)、磁気テープ情報を取得し(S303)、当該CMTロード処理は終了する。
【0070】
前記CMTロード処理が終了すると、次に、CMT処理を行った磁気テープに該当する業務情報を検索する検索処理が行われる(S101)。この検索処理は次のようにして行われる。
【0071】
まず最初に、磁気テープから「VOL番号」、「データセット名」及び「順序番号」を取得する(処理1)。次に、環境情報から「拠点」の情報を取得し(処理2)、業務情報一覧501から「拠点」、「データセット名」及び「順序番号」が全て一致する情報を全て抽出する(処理3)。その結果、該当情報がない場合、業務情報不一致エラーとする(処理4)。一方、処理3の結果のうち、「VOL形式」が「固定」であり、かつ、「VOL番号」が一致する情報を全て抽出し(処理5)、その結果が一件の場合、その情報を検索結果とする(処理6)。一方、処理5の結果が複数件の場合、処理5の結果を画面にポップアップし、オペレーターが選択した情報を検索結果とする(処理7)。また、処理5の結果がない場合は、処理3のうち、「VOL形式」が「非固定」の情報を全て抽出し(処理8)、結果がない場合、業務情報不一致エラーとする(処理9)。一方、処理8の結果が一件の場合、その情報を検索結果とする(処理10)。また、処理8の結果が複数件の場合、処理8の結果を画面にポップアップし、オペレーターが選択した情報を検索結果とする(処理11)。
【0072】
前記検索処理が終了すると、次に、重複入力であるか否かが調べられる(S102)。重複入力か否かは識別コードを対比することにより行われる。その結果、重複入力であった場合には(S102のY)、既に、その磁気テープはCMTロード処理、検索処理を行っており、重複作業になってしまうことから、その結果を示す結果ログを出力する処理を行なう。一方、重複入力でない場合には(S102のN)、次に、CMT読込処理(S103)が行われる。このCMT読込処理の詳細は図9に示されており、当該CMT読込処理が開始されると、最初に、イメージファイルをローカルディスクに新規作成し(S400)、磁気テープから1ブロックあるいは1TM(テープマーク)を読み込み(S401)、イメージファイルへ1ブロックあるいは1TM書き込む(S402)。その後、テープの終端か否かがチェックされ(S403)、テープの終端でない場合には(S403のN)、前記S401、S402の処理がテープの終端となるまで行われ、一方、テープの終端であった場合には(S403のY)、読込ブロック数、TM数の評価を行ない(S404)、識別コード、磁気テープ情報をイメージファイルに付加し(S405)、当該CMT読込処理は終了する。
【0073】
このイメージファイルを作成する際に、ファイル名を形成するデータの中に、読込みブロック数、TM数の情報を付加しておく。本発明においては、コピー先である拠点2において磁気テープのいわゆるデッドコピーを作成するため、イメージファイルの中にブロック数などのチェック用データを入れるわけにはいかない。よって、イメージファイルそのものではなく、このファイル名にチェック用データを埋め込み、ファイル名により、ブロック数、TM数の評価、すなわち、作成されたイメージファイルが、読み込み対象の磁気テープを漏れなく複製しているかの評価を行なう。
【0074】
前記CMT読込処理が終了すると、次に、CMTアンロード処理が行われる(S104)。その詳細は図10に示されており、当該CMTアンロード処理が開始されると、まず、磁気テープを巻き戻し(S500)、磁気テープをドライブからスロットへ搬送し(S401)、ローダーレディ待ちとなり(S402)、当該CMTアンロード処理は終了する。
【0075】
前記CMTアンロード処理が終了すると、その結果を表す結果ログが出力され、次いで、読み込むべき次の磁気テープが存在するか否かが調べられ(S106)、存在する場合には(S106のY)、前記S100〜S105の処理を読み込むべき磁気テープが存在しなくなるまで行ない、一方、読み込むべき磁気テープが存在しなかった場合には(S106のN)、当該読込処理は終了する。
【0076】
次に、NLの場合の読込処理について図7を参照して説明する。このNLの場合の読込処理は、要するに、磁気テープ内にボリュームラベルが付加されていないため、このボリュームラベルを手作業により付加する必要があり、具体的には次のように処理される。まず、CMT装置内にNLの磁気テープが1巻のみであるか否かが調べられる。このようにNLの磁気テープが1巻のみであるか否かを調べるのは、誤作業の防止のためである。複数のNLの磁気テープがある場合に、ここに記載するNLの場合の読込処理を行なうと、誤って作業する可能性が高くなることから、本実施形態においては、CMT装置に複数のNLの磁気テープが存在する場合には(S200のN)、誤りを防止するため、当該読込処理を終了する。
【0077】
一方、NLの磁気テープが1巻のみである場合(S200のY)、次に、業務情報選択処理を行なう(S201)。この処理は操作員においてマウス、キーボードなどの各種入力デバイスを用いて行なう。これにより、初めて、NLの磁気テープに識別コードが付される。その後の処理(S202〜S205)は、SLの場合のS102〜S105の処理と同様である。なお、このNLの場合の処理は前記説明した通りCMT装置にNLの磁気テープが1巻存在する場合だけ行なうことから、S106の処理と同様の処理は行なわず、当該読込処理は終了する。
【0078】
<書込処理>
書込処理は、送信先である拠点2側において行う処理である。書き込み対象の磁気テープをCMT装置に格納した状態で、上記説明した通り、ユーザーにおいてマウスなどを操作することにより磁気テープ複製プログラムを起動する。そして、ログイン画面を表示しユーザー名、パスワードを入力し、メインメニュー画面に進み、磁気テープ書込ボタン202を押し、磁気テープ管理画面SC3においてラベル形式の選択等の所定の入力を行った後、実行ボタン332を押下すると書込処理が開始される。
【0079】
具体的には、書き込み対象の磁気テープのラベル形式がSLであった場合には図11に示すように、NLであった場合には図12に示すように処理される。
【0080】
最初に、ラベル形式がSLであった場合について詳細に説明すると、当該書込処理が開始されると、まず、CMTロード処理が行われる(S600)。このCMTロード処理は前記S100の処理と同様である。次いで、送信元である第一の磁気テープ制御装置のハードディスク内に書き込む磁気テープに該当するイメージファイルが存在するか否かが調べられ(S601)、存在しない場合には(S601のN)、その結果が結果ログに出力される(S607)。一方、存在する場合には(S601のY)、磁気テープ管理画面SC3において当該送信元である第一の磁気テープ制御装置のハードディスク内のイメージファイルを処理中状態に変更する(S602)。第二の磁気テープ制御装置21A及び21B間において重複書き込みを防止するためである。
【0081】
前記S602の処理終了後、続いて、該当する送信元である第一の磁気テープ制御装置のハードディスク内のイメージファイルから第二の磁気テープ制御装置の一時ファイルへのコピー処理を行なう(S603)。このコピー処理の詳細は図13に示されており、当該コピー処理が開始されると、最初に、ローカルディスクに一時ファイルが作成される(S800)。
【0082】
次に、イメージファイルから一部を読み込み(S801)、次いで一時ファイルへ一部書き込みを行なう(S802)。その後、イメージファイルの終端か否かが調べられ(S804)、イメージファイルの終端でない場合には、前記S800〜S802の処理をイメージファイルの終端が検知されるまで行なう。一方、イメージファイルの終端が検知されると(S802のY)、次に、イメージファイルと一時ファイルとのサイズを比較する(S804)。その結果、一致していない場合には(S806)、エラー処理を行い、当該コピー処理は終了する。一方、一致した場合には、正常に書込みが行われたとみなし当該コピー処理は終了する。
【0083】
前記コピー処理が終了すると、次に、CMT書込処理が行われる(S604)。このCMT書込処理の詳細は図14に示されており、当該CMT書込処理が開始されると、まず、一時ファイルから1ブロックあるいは1TM読み込み(S900)、磁気テープへ1ブロックあるいは1TMを書き込み(S901)、その後、一時ファイルの終端か否かが検知される(S902)。その結果、一時ファイルの終端でない場合には(S902のN)、前記S900及びS901の処理が一時ファイルの終端が検知されるまで行われる。一方、一時ファイルの終端であった場合には(S902のY)、書込ブロック数及びTM数の評価を行なった(S903)後、当該CMT書込処理は終了する。
【0084】
この評価は、前記説明した通り、拠点1から送信されたイメージファイルのファイル名をチェック用データとして行なう。詳細は前記した通りである。
【0085】
前記CMT書込処理が終了すると、次に、CMTアンロード処理が行われるが(S605)、当該処理は、前記説明したS104の処理と同様であるのでここでは説明を省略する。次いで、CMTアンロード処理終了後、磁気テープ管理画面において、第一の磁気テープ制御装置のファイルを、書き込みが終了した磁気テープの磁気テープ情報を処理済みに変更し(S606)、その結果を示す結果ログを出力し(S607)、次いで、書き込むべき次の磁気テープが存在するか否かが調べられ(S608)、存在する場合には(S608のY)、前記S600〜S607の処理を書き込むべき磁気テープが存在しなくなるまで行ない、一方、書き込むべき磁気テープが存在しなかった場合には(S608のN)、当該書込処理は終了する。
【0086】
次に、NLの場合の書込処理について図12を参照して説明する。このNLの場合の書込処理も、前記NLの場合の読込処理で説明したのと同様に、磁気テープ内にボリュームラベルが付加されていないため、書き込むイメージファイルを自動的に選択することができない。そこで、操作員が手作業で書き込み対象を選択する必要がある。具体的には、前記図7における場合と同様に、誤り防止のため、NLの磁気テープが1巻のみか否かが調べられ(S700)、複数あった場合には、処理は終了し(S700のN)、一方、1巻のみであった場合には(S700のY)、次に、操作員が書き込みイメージファイルを前記同様キーボード等を使用して選択する(S701)。後の処理は前記図7の説明と同様に、SLの場合の書込処理S600〜S607の処理と同様である。
【0087】
なお、拠点1にはメインフレーム(図示なし)と、メインフレームから出力されるデータを記憶する磁気テープ装置(図示なし)が設置されている。拠点1では、この磁気テープ装置を使用し、イメージファイルを記憶した磁気テープが保管されている。拠点1では、本発明の磁気テープ複製システムを実施して、拠点1の磁気テープのイメージファイルを、拠点2の磁気テープに複製する。このため、メインフレームに依存することなく、オフライン処理で全く同じ磁気テープを複製することができる。
【符号の説明】
【0088】
1 磁気テープ複製システム
10A、10B、20A、20B CMT装置
11A、11B 第一の磁気テープ制御装置
12A、12B、22A、22B ルータ
21A、21B 第二の磁気テープ制御装置
N1、N2 ネットワーク
SC1 ログイン画面
SC2 メインメニュー画面
SC3 磁気テープ管理画面
SC4 カレンダー設定画面
SC5 業務情報設定画面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一の拠点に設けられた第一の磁気テープ制御装置と、他の拠点に設けられ前記第一の磁気テープ制御装置とネットワークを介して接続された第二の磁気テープ制御装置と、からなる磁気テープ複製システムであって、
前記第一の磁気テープ制御装置は、
第一の磁気テープからイメージファイルを取得するイメージファイル取得手段と、
前記イメージファイル取得手段により取得したイメージファイルを前記ネットワークを介して前記第二の磁気テープ制御装置に伝送するイメージファイル伝送手段と、を有し、
前記第二の磁気テープ制御装置は、
前記イメージファイル伝送手段により伝送されたイメージファイルを受信するイメージファイル受信手段と、
前記イメージファイル受信手段により受信したイメージファイルを第二の磁気テープに複製するイメージファイル複製手段と、を有すること
を特徴とする磁気テープ複製システム。
【請求項2】
前記第一の磁気テープ制御装置及び前記第二の磁気テープ制御装置の少なくとも一方は、それぞれに予め記憶された業務情報及び当該業務情報の変更をネットワークを介して、他方に配信することを特徴とする請求項1に記載の磁気テープ複製システム。
【請求項3】
前記第一の磁気テープ制御装置及び前記第二の磁気テープ制御装置は、前記各拠点ごとに複数あり、複数の前記第一の磁気テープ制御装置及び前記第二の磁気テープ制御装置はそれぞれ独立したネットワークにより接続され多重化されていることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の磁気テープ複製システム。
【請求項4】
前記第一の磁気テープ制御装置は、前記イメージファイル取得手段により取得したイメージファイルを記憶管理するイメージファイル管理手段を有し、
前記第二の磁気テープ制御装置は、前記イメージファイル管理手段に自身宛てのイメージファイルが存在するか否かを監視し、自身宛てのイメージファイルが存在する場合には、当該自身宛てのイメージファイルの送信要求信号を発し、当該自身宛てのイメージファイルを前記イメージファイル受信手段により受信するためのイメージファイル監視手段を有すること
を特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の磁気テープ複製システム。
【請求項5】
1つの第二の磁気テープ制御装置が第一の磁気テープ制御装置に対し自身宛てのイメージファイルの送信要求信号を発した場合、
前記イメージファイル管理手段は、前記送信要求信号を発せられたイメージファイルに対し処理中として他の第二の磁気テープ制御装置からの要求ができないようにすることを特徴とする請求項4に記載の磁気テープ複製システム。
【請求項6】
前記イメージファイル管理手段は、記憶管理するイメージファイルの状態を取得し、当該状態に応じてフォルダを作成し分類することを特徴とする請求項4あるいは5に記載の磁気テープ複製システム。
【請求項7】
前記イメージファイル管理手段は、記憶管理するイメージファイルの処理日の開始時間を任意に設定ができることを特徴とする請求項4〜6いずれか1項に記載の磁気テープ複製システム。
【請求項8】
前記第一の磁気テープ制御装置と前記第二の磁気テープ制御装置との間のネットワークには、主経路と予備経路が設けられていることを特徴とする請求項1〜7いずれか1項に記載の磁気テープ複製システム。
【請求項9】
前記第一の磁気テープ制御装置は、予め記憶された業務情報に応じて第一の磁気テープの読み込みの可否を判断することを特徴とする請求項1〜8いずれか1項に記載の磁気テープ複製システム。
【請求項10】
前記第一の磁気テープ制御装置は、
前記イメージファイル取得手段が前記第一の磁気テープから
前記イメージファイルを取得するときに、イメージファイルに含まれるブロック数をカウントする読込ブロックカウント手段と、
前記読込ブロックカウント手段でカウントした数に対応したファイル名を、前記イメージファイルに付与するファイル名付与手段と、を有し、
前記第二の磁気テープ制御装置は、
前記イメージファイル受信手段で受信した
イメージファイルを第二の磁気テープに複製するときに、前記受信したイメージファイルに含まれるブロック数をカウントする複製ブロックカウント手段と、
前記受信したイメージファイルのファイル名から抽出したブロック数と、前記複製ブロックカウント手段が計数したブロック数とを評価する評価手段と
を有することを特徴とする請求項1〜9いずれか1項に記載の磁気テープ複製システム。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載の第一の磁気テープ制御装置及び第二の磁気テープ制御装置を動作させるための磁気テープ複製プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるための磁気テープ複製プログラム。
【請求項12】
請求項1〜10いずれか1項に記載の第一の磁気テープ制御装置あるいは第二の磁気テープ制御装置を構成する磁気テープ制御装置であって、
請求項11に記載の磁気テープ複製プログラムを格納した磁気テープ制御装置。
【請求項1】
一の拠点に設けられた第一の磁気テープ制御装置と、他の拠点に設けられ前記第一の磁気テープ制御装置とネットワークを介して接続された第二の磁気テープ制御装置と、からなる磁気テープ複製システムであって、
前記第一の磁気テープ制御装置は、
第一の磁気テープからイメージファイルを取得するイメージファイル取得手段と、
前記イメージファイル取得手段により取得したイメージファイルを前記ネットワークを介して前記第二の磁気テープ制御装置に伝送するイメージファイル伝送手段と、を有し、
前記第二の磁気テープ制御装置は、
前記イメージファイル伝送手段により伝送されたイメージファイルを受信するイメージファイル受信手段と、
前記イメージファイル受信手段により受信したイメージファイルを第二の磁気テープに複製するイメージファイル複製手段と、を有すること
を特徴とする磁気テープ複製システム。
【請求項2】
前記第一の磁気テープ制御装置及び前記第二の磁気テープ制御装置の少なくとも一方は、それぞれに予め記憶された業務情報及び当該業務情報の変更をネットワークを介して、他方に配信することを特徴とする請求項1に記載の磁気テープ複製システム。
【請求項3】
前記第一の磁気テープ制御装置及び前記第二の磁気テープ制御装置は、前記各拠点ごとに複数あり、複数の前記第一の磁気テープ制御装置及び前記第二の磁気テープ制御装置はそれぞれ独立したネットワークにより接続され多重化されていることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の磁気テープ複製システム。
【請求項4】
前記第一の磁気テープ制御装置は、前記イメージファイル取得手段により取得したイメージファイルを記憶管理するイメージファイル管理手段を有し、
前記第二の磁気テープ制御装置は、前記イメージファイル管理手段に自身宛てのイメージファイルが存在するか否かを監視し、自身宛てのイメージファイルが存在する場合には、当該自身宛てのイメージファイルの送信要求信号を発し、当該自身宛てのイメージファイルを前記イメージファイル受信手段により受信するためのイメージファイル監視手段を有すること
を特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の磁気テープ複製システム。
【請求項5】
1つの第二の磁気テープ制御装置が第一の磁気テープ制御装置に対し自身宛てのイメージファイルの送信要求信号を発した場合、
前記イメージファイル管理手段は、前記送信要求信号を発せられたイメージファイルに対し処理中として他の第二の磁気テープ制御装置からの要求ができないようにすることを特徴とする請求項4に記載の磁気テープ複製システム。
【請求項6】
前記イメージファイル管理手段は、記憶管理するイメージファイルの状態を取得し、当該状態に応じてフォルダを作成し分類することを特徴とする請求項4あるいは5に記載の磁気テープ複製システム。
【請求項7】
前記イメージファイル管理手段は、記憶管理するイメージファイルの処理日の開始時間を任意に設定ができることを特徴とする請求項4〜6いずれか1項に記載の磁気テープ複製システム。
【請求項8】
前記第一の磁気テープ制御装置と前記第二の磁気テープ制御装置との間のネットワークには、主経路と予備経路が設けられていることを特徴とする請求項1〜7いずれか1項に記載の磁気テープ複製システム。
【請求項9】
前記第一の磁気テープ制御装置は、予め記憶された業務情報に応じて第一の磁気テープの読み込みの可否を判断することを特徴とする請求項1〜8いずれか1項に記載の磁気テープ複製システム。
【請求項10】
前記第一の磁気テープ制御装置は、
前記イメージファイル取得手段が前記第一の磁気テープから
前記イメージファイルを取得するときに、イメージファイルに含まれるブロック数をカウントする読込ブロックカウント手段と、
前記読込ブロックカウント手段でカウントした数に対応したファイル名を、前記イメージファイルに付与するファイル名付与手段と、を有し、
前記第二の磁気テープ制御装置は、
前記イメージファイル受信手段で受信した
イメージファイルを第二の磁気テープに複製するときに、前記受信したイメージファイルに含まれるブロック数をカウントする複製ブロックカウント手段と、
前記受信したイメージファイルのファイル名から抽出したブロック数と、前記複製ブロックカウント手段が計数したブロック数とを評価する評価手段と
を有することを特徴とする請求項1〜9いずれか1項に記載の磁気テープ複製システム。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載の第一の磁気テープ制御装置及び第二の磁気テープ制御装置を動作させるための磁気テープ複製プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるための磁気テープ複製プログラム。
【請求項12】
請求項1〜10いずれか1項に記載の第一の磁気テープ制御装置あるいは第二の磁気テープ制御装置を構成する磁気テープ制御装置であって、
請求項11に記載の磁気テープ複製プログラムを格納した磁気テープ制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−165435(P2010−165435A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−8666(P2009−8666)
【出願日】平成21年1月19日(2009.1.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ETHERNET
【出願人】(503136772)株式会社ユニテックス (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月19日(2009.1.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ETHERNET
【出願人】(503136772)株式会社ユニテックス (3)
【Fターム(参考)】
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