説明

磁気ディスクおよび磁気ディスク装置

【課題】 トラッキング制御に際して不感帯をなくし、トラックに沿った磁気情報の読み書きを正常に行うことができる磁気ディスクを提供する。
【解決手段】 磁気ディスクは、磁気ヘッドのリードコア幅Rcwに応じたディスク径方向のトラックピッチTpで複数のトラックTをなすように、非磁性領域内に複数の第1磁性部Mを形成してなるデータ記録領域20と、ディスク径方向に所定のピッチ間隔Spで並んだ複数の基本単位からなるバーストパターン21A〜21Dがディスク周方向に複数の列をなし、かつ、互いに隣り合うバーストパターンの列同士で基本単位がピッチ間隔Spの1/2幅または1/4幅だけディスク径方向にずれるように、非磁性領域内に複数の第2磁性部M’を形成してなるバーストパターン領域21とを有し、Tp<Sp/2<2Tpが成立している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いわゆるパターンドメディアと称される磁気ディスク、およびそのような磁気ディスクを備えた磁気ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パターンドメディアと称される従来の磁気ディスクとしては、特許文献1の図3に開示されたものがある。この磁気ディスクは、ディスク径方向に所定のトラックピッチでディスク周方向に沿った複数のトラックをなすように非磁性領域内に複数の磁性部が形成されたデータ部と、このデータ部の各トラックに磁気ヘッドを追従させるための領域としてサーボ部とを有している。サーボ部においては、トラックピッチの2倍のピッチ間隔でディスク径方向に並んだ複数の磁性部からなるバーストパターンがディスク周方向に複数の列をなし、かつ、互いに隣り合うバーストパターンの列同士で磁性部がピッチ間隔の1/2幅または1/4幅だけディスク径方向にずれるように形成されている。
【0003】
このような磁気ディスクを備えた磁気ディスク装置では、データ部の各磁性部に磁気ヘッドの記録素子によってディスク面に垂直な磁化方向が付与され、これにより磁気情報が記録される。このような記録を行う際には、記録対象となるトラックに対して磁気ヘッドの位置合わせを行う制御、すなわちトラッキング制御が行われる。このトラッキング制御は、トラックのアドレス情報を読み取って得られたアドレス信号と、サーボ部における複数のバーストパターンを読み取って得られたバースト信号とを用い、これらの信号に基づいてディスク径方向に線形な位置信号を生成する。これにより、磁気ヘッドは、ディスク径方向の位置信号に基づいて記録すべきトラックに追従させられる。
【0004】
【特許文献1】特開2007−323724号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の磁気ディスクでは、磁気ヘッドの再生素子による磁気読み取り幅(リードコア幅)がトラックピッチに対して相対的に過大あるいは過小である場合、ディスク径方向に磁気ヘッドが多少ずれても複数のバーストパターンを読み取って得られるバースト信号に変化が現れない、いわゆる不感帯が生じる。これでは、ディスク径方向に非連続的な位置信号しか得られず、トラッキングエラーが多くなり、ひいては磁気ディスクに対して磁気情報の読み書きを正常に行うことができないおそれがあった。
【0006】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、トラッキング制御に際して不感帯をなくし、トラックに沿った磁気情報の読み書きを正常に行うことができる磁気ディスク、および磁気ディスク装置を提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0008】
本発明の第1の側面によれば、磁気ヘッドのリードコア幅に応じたディスク径方向のトラックピッチで複数のトラックをなすように、非磁性領域内に複数の第1磁性部を形成してなるデータ記録領域と、上記データ記録領域の各トラックに上記磁気ヘッドを追従させるための領域として、ディスク径方向に所定のピッチ間隔で並んだ複数の基本単位からなるバーストパターンがディスク周方向に複数の列をなし、かつ、互いに隣り合うバーストパターンの列同士で上記基本単位が上記ピッチ間隔の1/2幅または1/4幅だけディスク径方向にずれるように、非磁性領域内に複数の第2磁性部を形成してなるバーストパターン領域と、を有し、上記トラックピッチをTp、上記ピッチ間隔をSpとした場合、Tp<Sp/2<2Tpが成立している磁気ディスクが提供される。
【0009】
本発明の第2の側面によれば、上記第1の側面による磁気ディスクを備えた磁気ディスク装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明により開示された技術によれば、データ記録領域には、たとえば磁気ヘッドのリードコア幅と等しいトラックピッチTpをもって複数の第1磁性部により各トラックが形成される。バーストパターン領域には、上記トラックピッチTpの2〜4倍の範囲内となるディスク径方向のピッチ間隔Spで複数の基本単位がディスク径方向に並んでバーストパターンをなし、そのバーストパターンがディスク周方向に複数の列をなすように複数の第2磁性部が形成される。互いに隣り合うバーストパターンの列同士では、基本単位がピッチ間隔Spの1/2幅または1/4幅だけディスク径方向にずれている。トラッキング制御の際には、ディスク径方向に磁気ヘッドがずれると複数のバーストパターンを読み取って得られるバースト信号に変化が現れやすくなり、いわゆる不感帯が生じなくなる。これにより、トラッキング制御に際して不感帯によるトラッキングエラーをできる限りなくし、トラックに沿った磁気情報の読み書きを正常に行うことができる。
【0011】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0013】
図1および図2は、本発明に係る磁気ディスクの一実施形態を示している。本実施形態の磁気ディスクAは、垂直磁気記録方式に適用されるものであり、磁気ディスク装置Xに備えられている。磁気ディスク装置Xは、磁気ディスクAのほか、磁気ヘッド1、スピンドルモータ2、スイングアーム3、ボイスコイルモータ4、およびディスクコントローラ5を備えている。
【0014】
磁気ヘッド1は、磁気ディスクAに対して磁気的に情報を読み書きするものであり、スイングアーム3の先端に図示しないサスペンションおよびスライダを介して支持されている。磁気ヘッド1には、磁界を印加して記録を行うための記録素子10と、磁化方向の向きを読み取って情報を再生するための再生素子11が設けられている。
【0015】
スピンドルモータ2は、磁気ディスクXを高速回転させるものである。
【0016】
スイングアーム3は、磁気ヘッド1を磁気ディスクXの略径方向に往復移動させるものであり、ボイスコイルモータ4によって駆動させられる。
【0017】
ボイスコイルモータ4は、ディスクコントローラ5からの指令に応じてスイングアーム3を変動させるものである。
【0018】
ディスクコントローラ5は、磁気ヘッド1、スピンドルモータ2、ならびにボイスコイルモータ4を駆動制御するものであり、CPUやメモリなどを備えたマイクロコンピュータやワイヤードロジック回路で構成される。
【0019】
図2に示すように、磁気ディスクAの記録面には、非磁性領域(符号省略)内において磁気情報が読み書きされる部分的な領域としてのデータ記録領域20と、このデータ記録領域20の各トラックTに磁気ヘッド1を追従させるためのバーストパターン領域21が形成されている。その他、記録面には、磁気情報を読み書きする際にクロック信号を生成するためのプリアンブルパターンやトラックのアドレス情報などを表すアドレスパターンが形成されている。
【0020】
データ記録領域20は、ディスク周方向に沿って並んだ複数のトラックTからなる。各トラックTは、複数の第1磁性部Mをディスク周方向に所定のピッチBpで並べるようにして形成される。これらのトラックTは、ディスク径方向に所定のトラックピッチTpで配列されている。トラックピッチTpは、磁気情報の適正な読み書きを可能とし、かつ、記録密度をできる限り大きくする観点から、記録ヘッド1における再生素子11のリードコア幅(磁気読み取り幅)Rcwと概ね等しい寸法からなる。このようなデータ記録領域20を構成する第1磁性部Mは、ディスク径方向を長軸とした楕円形状を呈する。各トラックTの第1磁性部Mに対して磁気情報を読み書きする際には、トラッキング制御によって磁気ヘッド1が所定のトラックTに位置合わせされ、そのトラックTの第1磁性部Mに対して連続的に磁気が作用する。記録された第1磁性部Mは、図中に白抜きあるいは黒塗りで示すように磁気情報に応じた磁化方向をもつ。
【0021】
バーストパターン領域21は、トラッキング制御に用いられる領域である。バーストパターン領域21には、ディスク径方向に所定のピッチ間隔Spで並んだ複数の基本単位21Uからなるバーストパターン21A〜21Dがディスク周方向に複数の列をなすように形成される。これらのバーストパターン21A〜21Dにおいて互いに隣り合う列同士では、基本単位21Uがピッチ間隔Spの1/2幅または1/4幅だけディスク径方向にずれている。たとえば符号21Aと21Bや符号21Cと21Dのバーストパターンでは、基本単位21Uがディスク径方向にSp/2だけずれており、一方、符号21Bと21Cのバーストパターンでは、基本単位21Uがディスク径方向にSp/4だけずれている。
【0022】
各バーストパターン21A〜21Dを構成する基本単位21Uのそれぞれは、第2磁性部M’がディスク周方向に等ピッチで並んだ単列からなる。このような基本単位21Uのディスク径方向の寸法は、トラックピッチTpと概ね等しいかそれ以上の寸法になっている。これらの基本単位21Uを構成する第2磁性部M’は、ディスク径方向を長軸とし、データ記録領域20の第1磁性部Mよりもやや長い長軸寸法の楕円形状を呈する。このような第2磁性部M’は、すべて同じ向きをなすように磁化方向があらかじめ付与されている。なお、バーストパターン21A〜21Dの基本単位21Uについては、便宜上、ディスク周方向に3つの第2磁性部M’が並んだものとして図示しているが、それより多くの第2磁性部をディスク周方向に並べたもの、あるいは十分な面積をもつ一つの第2磁性部によって基本単位を構成してもよい。
【0023】
上記ピッチ間隔Spは、トラックピッチTpとの関係から、Tp<Sp/2<2Tpといった条件を満たす寸法に設定されている。すなわち、ピッチ間隔Spの半分となるSp/2ごとにバーストパターン21A〜21Dの基準ラインLが形成され、これらの基準ラインLには、トラックTに一致するものと一致しないものとが含まれることになる。すなわち、複数のバーストパターン21A〜21Dのうち、少なくともいずれかのバーストパターンに含まれる一つの基本単位21Uについては、データ記録領域20のいずれかのトラックTとディスク径方向の同一位置上に位置させている。本実施形態では、一例として符号21Cのバーストパターンに含まれる基本単位21Uを2列目のトラックTに一致させている。このようなバーストパターン21CとトラックTとの相対的な位置関係を示す情報は、トラックのアドレス情報に含まれている。
【0024】
上記したように本実施形態では、Tp<Sp/2<2Tpとなる条件で基準ラインLを設定することにより、バーストパターン21A〜21Dの基本単位21Uのディスク径方向寸法をトラックピッチTpよりやや大きく形成している。トラッキング制御を行う際には、トラックピッチTpに等しいリードコア幅Rcwをもつ再生素子11で複数のバーストパターン21A〜21Dを読み取り、たとえば図2に信号振幅を示すように、(A−B)/(A+B)のバースト信号Xと(C−D)/(C+D)のバースト信号Yを生成する。バースト信号X,Yは、互いに一定の振幅になる部分が重なることなく、再生素子11がディスク径方向に移動するのに伴い、少なくともいずれか一方のバースト信号X,Yの振幅が変化するため、バースト信号X,Yに明確な変化が生じ、いわゆる不感帯が生じなくなる。この不感帯は、リードコア幅Rcwとピッチ間隔Spとの関係から、Sp/2<Rcw<Spとなる条件において生じない。すなわち、本実施形態のバーストパターン21A〜21Dによれば、バースト信号X,Yからディスク径方向の連続的な位置情報が得られる。このようにして得られたバースト信号X,Yとアドレス情報に基づき、ディスクコントローラ5は、磁気ヘッド1のディスク径方向位置を正確に認識することができる。
【0025】
ディスクコントローラ5には、アドレス情報とバースト信号X,Yに基づいて磁気ヘッド1のディスク径方向位置を求める演算回路が組み込まれている。ディスクコントローラ5は、バースト信号X,Yとアドレス情報に基づいて磁気ヘッド1のディスク径方向位置を認識し、これにより磁気ヘッド1を正確に各トラックTに位置合わせすることができる。
【0026】
したがって、本実施形態の磁気ディスクAによれば、トラックピッチTpがリードコア幅Rcwに等しく、かつ、Tp<Sp/2<2Tpとなるピッチ間隔Spの基準ラインLを基準にして複数のバーストパターン21A〜21Dが形成されているので、これらのバーストパターン21A〜21Dを読み取る際、磁気ヘッド1の位置がディスク径方向に微調整されるのに応じてバースト信号X,Yに明確な変化が現れ、いわゆる不感帯がほとんど生じることがない。これにより、トラッキング制御に際して不感帯によるトラッキングエラーをできる限り無くすことができ、ひいては各トラックTに磁気ヘッド1を正確に位置合わせした状態で磁気情報の読み書きを正常に行うことができる。
【0027】
図3〜7は、本発明に係る磁気ディスクの他の実施形態を示している。なお、先述の実施形態によるものと同一または類似の構成要素については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0028】
図3に示す磁気ディスクにおいて、バーストパターン21A〜21Dを構成する基本単位21Uのそれぞれは、複数の第2磁性部M’がディスク周方向に等ピッチで並ぶとともにディスク径方向に2列ずつまとまった複列からなる。基本単位21Uを構成する第2磁性部M’は、データ記録領域20の第1磁性部Mとほぼ同一の形状として楕円形状を呈する。なお、これらの基本単位21Uについては、便宜上、ディスク周方向に3つの第2磁性部M’が並んでディスク径方向に2列をなすものとして図示しているが、ディスク周方向に4つ以上の第2磁性部を並べたもの、あるいはディスク径方向に3列以上の列をなすものを基本単位としてもよい。トラックピッチTpがリードコア幅Rcwと概ね等しいといった条件や、Tp<Sp/2<2Tpといった条件については、先述した実施形態と同様である。
【0029】
このような図3の磁気ディスクによれば、先述した実施形態と同様に不感帯によるトラッキングエラーをできる限り無くすことができる。さらに、バーストパターン領域21の第2磁性部M’とデータ記録領域20の第1磁性部Mとが同一形状からなるので、製造上において非磁性領域内にデータ記録領域20やバーストパターン領域21のパターンを造り込みやすくすることができる。
【0030】
図4に示す磁気ディスクにおいて、データ記録領域20の第1磁性部Mは、円形状を呈しており、これら第1磁性部Mがディスク周方向に並ぶことによって複数のトラックTが形成されている。バーストパターン21A〜21Dを構成する基本単位21Uのそれぞれは、複数の第2磁性部M’がディスク周方向に等ピッチで並ぶとともにディスク径方向に3列ずつまとまった複列からなる。これらの第2磁性部M’は、データ記録領域20の第1磁性部Mとほぼ同一形状の円形状を呈する。トラックピッチTpがリードコア幅Rcwと概ね等しいといった条件や、Tp<Sp/2<2Tpといった条件については、先述した実施形態と同様である。
【0031】
このような図4の磁気ディスクによっても、先述した実施形態と同様に不感帯によるトラッキングエラーをできる限り無くすことができ、製造上データ記録領域20やバーストパターン領域21のパターンを造り込みやすくすることができる。
【0032】
図5に示す磁気ディスクにおいて、データ記録領域20の第1磁性部Mは、円形状を呈しており、これらの第1磁性部Mがディスク径方向に3列ずつ並ぶことによって複数のトラックTが形成されている。バーストパターン21A〜21Dを構成する基本単位21Uのそれぞれは、複数の第2磁性部M’がディスク周方向に等ピッチで並ぶとともにディスク径方向に3列ずつまとまった複列からなる。これらの第2磁性部M’は、データ記録領域20の第1磁性部Mとほぼ同一形状の円形状を呈する。トラックピッチTpがリードコア幅Rcwと概ね等しいといった条件や、Tp<Sp/2<2Tpといった条件については、先述した実施形態と同様である。
【0033】
このような図5の磁気ディスクによっても、先述した実施形態と同様に不感帯によるトラッキングエラーをできる限り無くすことができ、製造上データ記録領域20やバーストパターン領域21のパターンを造り込みやすくすることができる。さらに、トラックTが3列ずつまとまった複数の第1磁性部Mによって形成されており、実質的にトラック幅が大きくなるので、磁気情報の読み書きエラーをより低減することができる。
【0034】
図6に示す磁気ディスクにおいて、データ記録領域20の第1磁性部Mは、円形状を呈しており、これらの第1磁性部Mがディスク径方向に3列ずつ並ぶことによって複数のトラックTが形成されている。バーストパターン21A〜21Dを構成する基本単位21Uのそれぞれは、複数の第2磁性部M’がディスク周方向に等ピッチで並ぶとともにディスク径方向に4列ずつまとまった複列からなる。これらの第2磁性部M’は、データ記録領域20の第1磁性部Mとほぼ同一形状の円形状を呈する。トラックピッチTpがリードコア幅Rcwと概ね等しいといった条件や、Tp<Sp/2<2Tpといった条件については、先述した実施形態と同様である。
【0035】
このような図6の磁気ディスクによっても、先述した実施形態と同様に不感帯によるトラッキングエラーをできる限り無くすことができるとともに、製造上データ記録領域20やバーストパターン領域21のパターンを造り込みやすくすることができ、磁気情報の読み書きエラーをより低減することができる。
【0036】
図7に示す磁気ディスクにおいて、基本単位21Uには、ディスク周方向に2列ずつまとまった第2磁性部M’の組が含まれ、これらの組がディスク周方向に所定の間隔をあけて形成されている。このような構成の基本単位21Uからなるバーストパターンでも、正確に読み取ることができるので、不感帯によるトラッキングエラーをできる限り無くすことができる。
【0037】
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
【0038】
上記実施形態で示した構成は、あくまでも一例にすぎず、仕様に応じて適宜設計変更することが可能である。
【0039】
たとえば、バーストパターン領域の第2磁性部やデータ記録領域の第1磁性部については、矩形状としてもよい。トラックピッチTpがリードコア幅Rcwと概ね等しく、Tp<Sp/2<2Tpといった条件を満たした上、トラックピッチTpに対して適当なピッチ間隔Spを設定し、さらに一つのトラックを構成する列の数に対して基本単位を構成する列の数を適当に設定することにより、データ記録領域の第1磁性部に対してバーストパターン領域の第2磁性部をディスク径方向同一位置上に揃えるようにしてもよい。そうした場合、製造上においてデータ記録領域やバーストパターン領域のパターンをより造り込みやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る磁気ディスクの一実施形態を示す全体斜視図である。
【図2】図1に示す磁気ディスクの要部平面図である。
【図3】本発明に係る磁気ディスクの他の実施形態を示す要部平面図である。
【図4】本発明に係る磁気ディスクの他の実施形態を示す要部平面図である。
【図5】本発明に係る磁気ディスクの他の実施形態を示す要部平面図である。
【図6】本発明に係る磁気ディスクの他の実施形態を示す要部平面図である。
【図7】本発明に係る磁気ディスクの他の実施形態を示す細部平面図である。
【符号の説明】
【0041】
A 磁気ディスク
X 磁気ディスク装置
Rcw リードコア幅
M 第1磁性部
M’ 第2磁性部
T トラック
Tp トラックピッチ
Sp ピッチ間隔
1 磁気ヘッド
20 データ記録領域
21A〜21D バーストパターン
21 バーストパターン領域
21U バーストパターンを構成する基本単位

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気ヘッドのリードコア幅に応じたディスク径方向のトラックピッチで複数のトラックをなすように、非磁性領域内に複数の第1磁性部を形成してなるデータ記録領域と、
上記データ記録領域の各トラックに上記磁気ヘッドを追従させるための領域として、ディスク径方向に所定のピッチ間隔で並んだ複数の基本単位からなるバーストパターンがディスク周方向に複数の列をなし、かつ、互いに隣り合うバーストパターンの列同士で上記基本単位が上記ピッチ間隔の1/2幅または1/4幅だけディスク径方向にずれるように、非磁性領域内に複数の第2磁性部を形成してなるバーストパターン領域と、
を有し、
上記トラックピッチをTp、上記ピッチ間隔をSpとした場合、Tp<Sp/2<2Tpが成立していることを特徴とする、磁気ディスク。
【請求項2】
上記基本単位のそれぞれは、上記第2磁性部がディスク周方向に並んで列をなし、その列がディスク径方向に単列または複列をなすようにまとまった単位からなる、請求項1に記載の磁気ディスク。
【請求項3】
上記複数のバーストパターンのうち、少なくともいずれかのバーストパターンを構成する少なくとも一つの上記基本単位は、上記データ記録領域のいずれかのトラックとディスク径方向の同一位置上に形成されている、請求項2に記載の磁気ディスク。
【請求項4】
上記データ記録領域の各トラックは、上記第1磁性部がディスク周方向に所定のピッチで並んだ列からなる、請求項1ないし3のいずれかに記載の磁気ディスク。
【請求項5】
上記第2磁性部は、上記第1磁性部と同一形状からなり、円形状、楕円形状、または矩形状を呈している、請求項1ないし4のいずれかに記載の磁気ディスク。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の磁気ディスクを備えたことを特徴とする、磁気ディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−73288(P2010−73288A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−242479(P2008−242479)
【出願日】平成20年9月22日(2008.9.22)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】