説明

磁気トンネル接合デバイスおよびその製造方法

【課題】本発明は、磁気トンネル接合デバイスおよびその製造方法に関する。
【解決手段】磁気トンネル接合デバイスは、i)(A100−x100−yの化学式を有する化合物を含む第1磁性層と、ii)第1磁性層の上に位置する絶縁層と、iii)絶縁層の上に位置し、(A100−x100−yの化学式を有する化合物を含む第2磁性層とを含む。第1磁性層および第2磁性層は垂直磁気異方性を有し、Aおよび前記Bはそれぞれ金属元素であり、CはB(ホウ素)、C(炭素)、Ta(タンタル)、およびHf(ハフニウム)からなる群より選択された一つ以上の非晶質化元素である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気トンネル接合デバイスおよびその製造方法に関するものである。より詳しくは、本発明は、非晶質垂直磁気異方性物質を利用した磁気トンネル接合デバイスおよびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、多様な種類のメモリが開発されている。例えば、メモリとして磁気ランダムアクセスメモリ(magnetic random access memory、MRAM)、相転移ランダムアクセスメモリ(phase−change random access memory、PRAM)および抵抗ランダムアクセスメモリ(resistive random access memory、RRAM)等が開発されている。
【0003】
前述したメモリの中で磁気ランダムアクセスメモリは磁気トンネル接合(magnetic tunnel junction、MTJ)素子を情報保存素子として利用する。磁気トンネル接合素子は、メモリーセル内に含まれて強磁性トンネル接合を形成する。磁気トンネル接合素子は磁性層、絶縁層および磁性層の構造からなり、電流は絶縁層をトンネリングして流れる。ここで、2つの磁性層の相対的な磁化方向が互いに同一な場合、磁気トンネル接合素子は低い抵抗値を有する。反対に、2つの磁性層の相対的な磁化方向が互いに異なる場合、磁気トンネル接合素子は高い抵抗値を有する。前述した低い抵抗値および高い抵抗値はそれぞれデジタル情報として0および1に対応する。
【0004】
前述したデジタル情報を長時間維持する能力を熱的安定性と定義する。熱的安定性は磁気トンネル接合素子の磁性層の異方性エネルギーの大きさに比例する。磁気トンネル接合素子の素材として使用される水平磁気異方性強磁性体の異方性エネルギーの大部分は形態異方性エネルギーであるので、全体異方性エネルギーの大きさが小さい。このような限界を克服するために、磁気トンネル接合素子の素材として使用される垂直磁気異方性強磁性体は高い結晶異方性エネルギーを有する。したがって、磁気トンネル接合素子の全体異方性エネルギーの大きさが大きいので、磁気トンネル接合素子はその体積が小さくても高い熱的安定性を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
再生信号値を増加させ、熱的安定性を向上させた磁気トンネル接合デバイスを提供する。また、前述した磁気トンネル接合デバイスの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施例による磁気トンネル接合デバイスは、i)(A100−x100−yの化学式を有する化合物を含む第1磁性層と、ii)第1磁性層の上に位置する絶縁層と、iii)絶縁層の上に位置し、(A100−x100−yの化学式を有する化合物を含む第2磁性層とを含む。第1磁性層および第2磁性層は垂直磁気異方性を有し、Aおよび前記Bはそれぞれ金属元素であり、CはB(ホウ素)、C(炭素)、Ta(タンタル)、およびHf(ハフニウム)からなる群より選択された一つ以上の非晶質化元素である。
【0007】
AはFe(鉄)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Mn(マンガン)、およびCr(クロム)からなる群より選択された一つ以上の元素であることができる。BはPt(白金)、Pd(パラジウム)、Rh(ロジウム)、Au(金)、Hg(水銀)、およびAl(アルミニウム)からなる群より選択された一つ以上の元素であることができる。絶縁層はD100−zの化学式を有する化合物を含み、DはLi(リチウム)、Be(ベリリウム)、Na(ナトリウム)、Mg(マグネシウム)、Nb(ニオブ)、Ti(チタン)、V(バナジウム)、Ta(タンタル)、Ba(バリウム)、Pd(パラジウム)、Zr(ジルコニウム)、Ho(ホルミウム)、K(カリウム)、およびAg(銀)からなる群より選択された一つ以上の元素であり、EはO(酸素)、N(窒素)、C(炭素)、H(水素)、Se(セレン)、Cl(塩素)、およびF(フッ素)からなる群より選択された一つ以上の元素であることができる。第1磁性層および第2磁性層のうち、一つ以上の磁性層は立方晶系または正方晶系であることができる。
【0008】
本発明の一実施例による磁気トンネル接合デバイスは、i)第2磁性層および絶縁層の間に位置する水平磁気異方性磁性層と、ii)第2磁性層の上に位置する結晶性誘導層とをさらに含むことができる。水平磁気異方性磁性層はFe、CoFe、およびCoFeBからなる群より選択された一つ以上の元素を含むことができる。第1磁性層および第2磁性層のうち、一つ以上の磁性層に含まれている化合物が(Fe100−xPd100−xまたは(Fe100−xPt100−xの化学式を有する場合、結晶性誘導層はPd、Pt、AuおよびFeからなる群より選択された一つ以上の元素を含むことができる。本発明の一実施例による磁気トンネル接合デバイスはi)第1磁性層および絶縁層の間に位置する他の水平磁気異方性磁性層、およびii)第1磁性層の下に位置する他の結晶性誘導層をさらに含むことができる。
【0009】
本発明の一実施例による磁気トンネル接合デバイスは、i)結晶性誘導層と、ii)結晶性誘導層の上に位置し、(A100−x100−yの化学式を有する化合物を含む垂直磁気異方性磁性層と、iii)垂直磁気異方性磁性層の上に位置する水平磁気異方性磁性層と、iv)水平異方性磁性層の上に位置する絶縁層、v)絶縁層の上に位置する水平磁気異方性磁性層と、vi)水平磁気異方性磁性層の上に位置する垂直磁気異方性誘導層とを含む。AはFe(鉄)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Mn(マンガン)、およびCr(クロム)からなる群より選択された一つ以上の元素であり、BはPt(白金)、Pd(パラジウム)、Rh(ロジウム)、Au(金)、Hg(水銀)、およびAl(アルミニウム)からなる群より選択された一つ以上の元素であり、CはB(ホウ素)、C(炭素)、Ta(タンタル)、およびHf(ハフニウム)からなる群より選択された一つ以上の元素であることができる。
【0010】
本発明の一実施例による磁気トンネル接合デバイスの製造方法は、i)非晶質を含む第1磁性層を提供する段階と、ii)第1磁性層の上に絶縁層を提供する段階と、iii)絶縁層の上に非晶質を含む第2磁性層を提供する段階と、iv)第1磁性層、絶縁層および第2磁性層を熱処理して、第1磁性層および第2磁性層を結晶化する段階とを含む。
【0011】
第1磁性層を提供する段階および第2磁性層を提供する段階において、第1磁性層および第2磁性層はそれぞれ(A100−x100−yの化学式を有し、AはFe(鉄)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Mn(マンガン)、およびCr(クロム)からなる群より選択された一つ以上の元素であり、BはPt(白金)、Pd(パラジウム)、Rh(ロジウム)、Au(金)、Hg(水銀)、およびAl(アルミニウム)からなる群より選択された一つ以上の元素であり、CはB(ホウ素)、C(炭素)、Ta(タンタル)、およびHf(ハフニウム)からなる群より選択された一つ以上の非晶質化元素であることができる。第1磁性層および第2磁性層を結晶化する段階において、第1磁性層および第2磁性層は垂直磁気異方性を有することができる。第1磁性層および前記第2磁性層を結晶化する段階において、第1磁性層、絶縁層、および第2磁性層を300℃乃至600℃で熱処理することができる。
【0012】
本発明の一実施例による磁気トンネル接合デバイスの製造方法は、i)第2磁性層および絶縁層の間に水平磁気異方性磁性層を提供する段階と、ii)第2磁性層の上に結晶性誘導層を提供する段階とをさらに含むことができる。本発明の一実施例による磁気トンネル接合デバイスの製造方法は、i)第1磁性層および絶縁層の間に他の水平磁気異方性磁性層を提供する段階と、ii)第1磁性層の下に他の結晶性誘導層を提供する段階とをさらに含むことができる。
【0013】
本発明の一実施例による磁気トンネル接合デバイスの製造方法は、i)結晶性誘導層を提供する段階と、ii)結晶性誘導層の上に(A100−x100−yの化学式を有する化合物を含む磁性層を提供する段階と、iii)磁性層の上に水平磁気異方性磁性層を提供する段階と、iv)水平磁気異方性磁性層の上に絶縁層を提供する段階と、v)絶縁層の上に水平磁気異方性磁性層を提供する段階と、vi)水平磁気異方性磁性層の上に垂直磁気異方性誘導層を提供する段階と、vii)結晶性誘導層、磁性層、水平磁気異方性磁性層、絶縁層、水平磁気異方性磁性層、および垂直磁気異方性誘導層を熱処理して、磁性層を結晶化する段階とを含む。磁性層を結晶化する段階において、磁性層は垂直磁気異方性を有し、磁性層は(A100−x100−yの化学式を有し、AはFe(鉄)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Mn(マンガン)、およびCr(クロム)からなる群より選択された一つ以上の元素であり、BはPt(白金)、Pd(パラジウム)、Rh(ロジウム)、Au(金)、Hg(水銀)、およびAl(アルミニウム)からなる群より選択された一つ以上の元素であり、CはB(ホウ素)、C(炭素)、Ta(タンタル)、およびHf(ハフニウム)からなる群より選択された一つ以上の非晶質化元素である。
【発明の効果】
【0014】
非晶質磁性層の上に絶縁層を蒸着させるので、絶縁層が低い平たん指数を有して蒸着される。したがって、高い再生信号値を有する磁気トンネル接合デバイスを製造することができる。また、非晶質磁性層を熱処理してその結晶構造を回復させることによって、磁性層が垂直磁気異方性を有する。したがって、高い熱的安定性を有する磁気トンネル接合デバイスを製造することができる。その結果、磁気トンネル接合デバイスの再生信号値および熱的安定性とも高めることによって、磁気トンネル接合デバイスを磁気ランダムアクセスメモリまたは超高周波振動子などに使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施例による磁気トンネル接合デバイスの概略的な断面図である。
【図2】図1の磁気トンネル接合デバイスの製造方法を概略的に示すフローチャートである。
【図3】第1磁性層、絶縁層および第2磁性層が順次に積層された熱処理前の磁気トンネル接合デバイスを概略的に示す図である。
【図4】本発明の第2実施例による磁気トンネル接合デバイスの概略的な断面図である。
【図5】本発明の第3実施例による磁気トンネル接合デバイスの概略的な断面図である。
【図6】本発明の第1実験例によって製造した磁気トンネル接合デバイスのX線回折グラフである。
【図7】本発明の第2実験例によって製造した磁気トンネル接合デバイスの磁性層の熱処理前および熱処理後の磁気履歴曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ある部分が他の部分の「の上に」あると言及する場合、これは他の部分の直上にあるか、またはその間に他の部分が存在することができる。対照的に、ある部分が他の部分の「真上に」あると言及する場合、その間に他の部分が存在しない。
【0017】
第1、第2、および第3等の用語は多様な部分、成分、領域、層、および/またはセクションを説明するために使用されるが、これに限られない。これらの用語はある部分、成分、領域、層またはセクションを他の部分、成分、領域、層、またはセクションと区別するためにのみ使用される。したがって、以下で説明する第1部分、成分、領域、層、またはセクションは本発明の範囲を逸脱しない範囲内で第2部分、成分、領域、層、またはセクションと言及される。
【0018】
ここで使用される専門用語は単に特定の実施例を言及するためのものであり、本発明を限定することを意図しない。ここで使用される単数形態は、文句がこれと明確に反対の意味を示さない限り複数形態も含む。明細書で使用される「含む」の意味は特定の特性、領域、定数、段階、動作、要素、および/または成分を具体化し、他の特性、領域、定数、段階、動作、要素、および/または成分の存在や付加を除外するのではない。
【0019】
「の下」、「の上」等の相対的な空間を示す用語は、図面に示している一部分の他の部分に対する関係をより容易に説明するために使用することができる。このような用語は図面で意図する意味と、共に使用中である装置の他の意味や動作を含むように意図される。例えば、図面中の装置の上下を反対にすれば、他の部分の「下」にあることと説明されたある部分は他の部分の「上」にあることと説明される。したがって、「下」という例示的な用語は上方および下方を全て含む。装置は90°回転または他の角度で回転することができ、相対的な空間を示す用語もこれによって解釈される。
【0020】
異なるように定義していないが、ここで使用される技術用語および科学用語を含むすべての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が一般的に理解する意味と同一の意味を有する。通常使用される辞典に定義された用語は関連技術文献と現在開示された内容に符合する意味を有することと追加解釈され、定義されない限り理想的或いは非常に公式的な意味として解釈されない。
【0021】
断面図を参照して説明している本発明の実施例は、本発明の理想的な実施例を具体的に示す。その結果、図解の多様な変形、例えば、製造方法および/または仕様の変形が予想される。したがって、実施例は示している領域の特定の形態に限定されず、例えば、製造による形態の変形も含む。例えば、扁平であると示されたり説明された領域は、一般的に粗いか、または粗くて非線形である特性を有することができる。また、鋭い角度を有することと示された部分はラウンディングされることができる。したがって、図面に示された領域は元来概略的なものに過ぎず、これらの形態は領域の正確な形態を示すように意図されたのではなく、本発明の範囲を縮小しようと意図されたものではない。
【0022】
以下で記載する「平たん指数」という用語は、薄膜界面の垂直方向に界面の高低偏差を示す指数と解釈される。平たん指数が低いほど界面高さが一定な界面、即ち、平らな界面を意味する。反対に、平たん指数が高いほど高さ変化が激しい界面、即ち、屈曲が激しい界面を意味する。素子の再生信号を増大させるためには、絶縁層の平たん指数を低くして平らな界面を形成するのが好ましい。
【実施例】
【0023】
図1は、本発明の第1実施例による磁気トンネル接合デバイス100の断面構造を概略的に示す。図1の磁気トンネル接合デバイス100の断面構造は単に本発明を例示するためのものであり、本発明がここに限定されるのではない。したがって、磁気トンネル接合デバイス100の断面構造を他の形態に変形することができる。
【0024】
図1に示すように、磁気トンネル接合デバイス100は第1磁性層10、絶縁層20、および第2磁性層30を含む。第1磁性層10は固定磁性層として機能し、第2磁性層30は自由磁性層として機能する。磁気トンネル接合デバイス100の熱的安全性を高めるために、L1系合金のように整列された結晶構造を回復時垂直磁気異方性を有する強磁性体物質で第1磁性層10および第2磁性層30を形成する。
【0025】
第1磁性層10および第2磁性層30は、それぞれ(A100−x100−yの化学式を有する素材を含む。ここで、AおよびBはそれぞれ金属元素であることができる。より具体的に、AはFe(鉄)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Mn(マンガン)、またはCr(クロム)であることができる。また、BはPt(白金)、Pd(パラジウム)、Rh(ロジウム)、Au(金)、Hg(水銀)、またはAl(アルミニウム)であることができる。そして、CはB(ホウ素)、C(炭素)、Ta(タンタル)、またはHf(ハフニウム)であることができる。
【0026】
100−xの化学式を有する合金は整列された構造を有する。整列された構造は、立方晶系または正方晶系構造であることができる。立方晶系の例としてはL1結晶構造が挙げられる。また、正方晶系の例としてはL1結晶構造が挙げられる。Cは熱処理前にA100−xの化学式を有する合金を非晶質化するために添加する。前述した第1磁性層10および第2磁性層30は、それぞれ異なる素材または同一の素材で形成することができる。
【0027】
一方、絶縁層20はD100−zの化学式を有する化合物を含み、前記DはLi(リチウム)、Be(ベリリウム)、Na(ナトリウム)、Mg(マグネシウム)、Nb(ニオブ)、Ti(チタン)、V(バナジウム)、Ta(タンタル)、Ba(バリウム)、Pd(パラジウム)、Zr(ジルコニウム)、Ho(ホルミウム)、K(カリウム)、およびAg(銀)からなる群より選択された一つ以上の元素であり、前記EはO(酸素)、N(窒素)、C(炭素)、H(水素)、Se(セレン)、Cl(塩素)、およびF(フッ素)からなる群より選択された一つ以上の元素である。例えば、絶縁層20の素材として酸化マグネシウム(MgO)を使用することができる。
【0028】
絶縁層20は立方晶系構造を有することができる。立方晶系の例としてはB1結晶構造が挙げられる。絶縁層は磁気トンネル接合デバイス100の再生信号値を増大させるために、薄膜界面の板面に垂直な方向に沿って(001)方向性を有することができる。
【0029】
図1に矢印で示したように、第1磁性層10および第2磁性層30は熱処理によってその結晶構造を回復した後には垂直磁気異方性を有する。したがって、優れた熱的安定性および高い再生信号値を有する磁気トンネル接合デバイス100を製造することができる。以下、図2および図3を通して、前述した図1の磁気トンネル接合デバイス100の製造方法について、より詳細に説明する。
【0030】
図2は、図1の磁気トンネル接合デバイス100の製造方法のフローチャートを概略的に示す。
【0031】
図2に示したように、磁気トンネル接合デバイス100の製造方法は、i)第1磁性層10(図1に示す、以下、同一)を提供する段階(S10)、ii)第1磁性層10上に絶縁層20(図1に示す、以下、同一)を提供する段階(S20)、iii)絶縁層20上に第2磁性層30(図1に示す、以下、同一)を提供する段階(S30)、およびiv)第1磁性層10、絶縁層20および第2磁性層30を熱処理する段階(S40)を含む。その他、磁気トンネル接合デバイス100の製造方法は、他の段階をさらに含むことができる。
【0032】
まず、段階(S10)では磁気トンネル接合デバイス100を製造するために第1磁性層10を提供する。第1磁性層10は蒸着方法によって形成することができる。整列された結晶構造を有する場合、垂直磁気異方性を有する強磁性体物質に非晶質化元素を添加して、蒸着時垂直磁気異方性を持たずに第1磁性層10を製造する。第1磁性層10は段階(S40)での熱処理を通して結晶構造を回復することによって垂直磁気異方性を有する。
【0033】
第1磁性層10が結晶構造を有する場合、磁性層の結晶格子定数と絶縁層20の結晶格子定数との差が大きいこともある。この場合、(001)方向性を有する絶縁層20を第1磁性層10の上で成長させにくい。また、(001)方向性を有する絶縁層20が第1磁性層10の上で成長しても、第1磁性層10の結晶格子定数と絶縁層20の結晶格子定数との差が大きいので、絶縁層20の平たん指数が高くなる。特に、垂直磁気異方性の高いL1構造の合金の格子定数は、絶縁層20の素材として使用される酸化マグネシウムの格子定数と大きな差を有する。したがって、L1構造の合金上に酸化マグネシウムをB1結晶構造の(001)方向に成長させにくい。さらに、酸化マグネシウムをL1構造の合金上に成長させても、両者間の大きな格子定数の差によって絶縁層20の平たん指数が大きくなり、磁気トンネル接合デバイスの再生信号値を低くする。
【0034】
しかし、本発明の第1実施例では非晶質からなる第1磁性層10を提供するので、絶縁層20が第1磁性層10の上で(001)方向性を有してよく成長する。また、第1磁性層10が非晶質である場合、結晶構造が存在しない。したがって、第1磁性層10が絶縁層20との結晶構造の差を誘発しないので、絶縁層20の平たん指数が低くなる。その結果、磁気トンネル接合デバイスの再生信号値を大きく増加させることができ、磁気トンネル接合デバイスの抵抗を大幅低くすることができる。
【0035】
その次に、段階(S20)では第1磁性層10の上に絶縁層20を提供する。即ち、絶縁層20は、第1磁性層10の上で(001)方向性を有して蒸着される。また、絶縁層20の平たん指数が低くなる。
【0036】
段階(S30)では絶縁層20の上に第2磁性層30を提供する。第2磁性層30は非晶質からなる。第2磁性層30は、段階(S10)の第1磁性層10と同様の方法を利用して製造することができる。
【0037】
図3は、第1磁性層10、絶縁層20、および第2磁性層30が順次に積層された熱処理前の磁気トンネル接合デバイスを概略的に示す。
【0038】
磁気トンネル接合デバイスを熱処理する前には非晶質からなる第1磁性層10および第2磁性層30が結晶性を有しないので、垂直磁気異方性を有しない。したがって、図3に示したように、第1磁性層10および第2磁性層30は、その磁化モーメントがx軸方向、即ち、水平方向に沿って位置する。
【0039】
再び図2を参照すれば、段階(S40)では前述した方法で製造した第1磁性層10、絶縁層20、および第2磁性層30を熱処理する。高温で十分な時間の間、第1磁性層10、絶縁層20、および第2磁性層30を熱処理することによって、(A100−x100−yの化学式を有する第1磁性層10および第2磁性層30が整列された結晶構造に回復されるようにする。より具体的には、他の元素の拡散による磁気トンネル接合の性能低下を防止するために、300℃乃至600℃で数分乃至数時間熱処理することができる。
【0040】
熱処理によって非晶質強磁性体になった第1磁性層10および第2磁性層30は整列された結晶構造に変換されながら垂直磁気異方性を有する。つまり、本発明の第1実施例では第1磁性層10および第2磁性層30をそれぞれ非晶質状態で蒸着して磁気トンネル接合デバイスを製造した後、磁気トンネル接合デバイスを熱処理する。したがって、第1磁性層10および第2磁性層30の垂直磁気異方性を誘導することによって磁気トンネル接合デバイス100の再生信号値を高め、小さい体積を有しながらも熱的安全性を高めることができる。その結果、信号特性が優れた素材で第1磁性層10、第2磁性層30、および絶縁層20を製造しながら磁気トンネル接合デバイス100の垂直磁気異方性を確保することができる。
【0041】
図4は、本発明の第2実施例による磁気トンネル接合デバイス200の概略的な断面構造を示す。図4の磁気トンネル接合デバイス200は、図1の磁気トンネル接合デバイス100と類似しているので、同一の部分には同一符号を使用し、その詳細な説明は省略する。
【0042】
図4に示したように、磁気トンネル接合デバイス200は第1磁性層10、絶縁層20、第2磁性層30、水平異方性磁性層40、42、および結晶性誘導層50、52を含む。水平異方性磁性層40、42は磁性層10、30と絶縁層20との結晶構造の差が大きすぎて整合がなされない場合にこれを補完するために使用する。また、磁気トンネル接合デバイス200の再生信号値を高めるために、水平異方性磁性層40、42を使用することもできる。
【0043】
この場合、絶縁層20は水平異方性磁性層40、42と整合をなし、第1磁性層10および第2磁性層30は結晶性誘導層50、52と整合をなす。垂直異方性を有する第1磁性層10および第2磁性層30は、水平異方性磁性層40、42と整合をなさないが、磁気的に連結される。その結果、第1磁性層10および第2磁性層30の強い垂直異方性が水平異方性磁性層40、42の磁気モーメントを垂直に整列させるので、磁気トンネル接合デバイス200に垂直磁気異方性磁気トンネル接合を実現することができる。
【0044】
水平異方性磁性層40、42は高いスピン分極率を有し、格子定数において絶縁層20との差が小さい。水平異方性磁性層40、42の素材としてはFe、CoFe、またはCoFeBなどを使用することができる。
【0045】
一方、結晶性誘導層50、52は、非晶質からなる第1磁性層10および第2磁性層30が絶縁層20と接触せずに熱処理によって整列された結晶構造を有するように形成する。例えば、第1磁性層10および第2磁性層30の素材としてFePdBまたはFePtBなどを使用する場合、結晶性誘導層50、52の素材としてPd、Pt、AuまたはFeなどを(100)方向性を有するように成長させて使用することができる。
【0046】
前述のように、第1磁性層10および第2磁性層30と絶縁層20の結晶構造の差が大きすぎても、水平異方性磁性層40、42および結晶性誘導層50、52を利用することによって磁気トンネル接合デバイス200の垂直磁気異方性を実現することができる。
【0047】
図5は、本発明の第3実施例による磁気トンネル接合デバイス300の概略的な断面構造を示す。図5の磁気トンネル接合デバイス300は、図4の磁気トンネル接合デバイス200と類似しているので、同一の部分には同一符号を使用し、その詳細な説明は省略する。
【0048】
図5に示したように、磁気トンネル接合デバイス300は第1磁性層10、絶縁層20、水平磁気異方性磁性層40、結晶性誘導層50、水平磁気異方性磁性層60、および垂直磁気異方性誘導層62を含む。
【0049】
図5の磁気トンネル接合デバイス300の絶縁層20の上部構造は図4の磁気トンネル接合デバイス200の絶縁層20の上部構造と相違し、残りの部分は互いに同一である。
【0050】
図5に示したように、磁気トンネル接合デバイス300には垂直磁気異方性誘導層として一方には非晶質からなる物質を使用し、他方には結晶質物質を使用することっができる。熱処理後には非晶質からなる物質は第1磁性層10になり、結晶質物質はそのまま垂直磁気異方性誘導層62になる。図5には絶縁層20の下部に垂直磁気異方性誘導層として非晶質からなる物質を使用した場合を示す。この場合、絶縁層20の下部構造は図4の磁気トンネル接合デバイス200の絶縁層20の下部構造と同一である。
【0051】
図5に示したように、磁気トンネル接合デバイス300の絶縁層20の上部には水平磁気異方性磁性層60および結晶質の垂直磁気異方性誘導層62が形成される。例えば、水平磁気異方性磁性層60の素材としてCoFeB合金を使用し、垂直磁気異方性誘導層62の素材として多層構造のCo/Pt合金を使用することができる。
【0052】
以下、実験例を通して本発明を詳細に説明する。このような実験例は単に本発明を例示するためのものであり、これに限定されるのではない。
【0053】
実験例1
磁性層、絶縁層および磁性層が順次に積層された磁気トンネル接合デバイスを製造した。磁性層は元素含有量1:1のFe50Pd50合金に20at%のホウ素を添加して(Fe50Pd508020からなる磁性層を製造した。Fe50Pd50合金は整列された結晶構造を有し、垂直磁気異方性を有する。ここにホウ素を添加することによって磁性層を非晶質化した。磁性層の厚さは3nmであった。
【0054】
その次に、磁性層の上に絶縁層を蒸着した。絶縁層の素材は酸化マグネシウムであり、絶縁層の厚さは10nmであった。また、前述した(Fe50Pd508020からなる磁性層を絶縁層上に蒸着した。
【0055】
図6は、前述した実験例1によって製造した磁気トンネル接合デバイスのX線回折グラフを示す。
【0056】
図6に示したように、2θが約43°である位置でX線回折ピークが観察された。これは、絶縁層であるMgOが(001)方向性を有して成長したことを意味する。したがって、磁性層上で絶縁層が(001)方向性を有して成長したことがわかった。また、絶縁層が非晶質化された磁性層上に蒸着されたので、絶縁層の平たん指数も低いことと予測された。
【0057】
実験例2
(001)方向性を有するMgOからなる単結晶基板上にPt層を(001)方向性を有するように40nm蒸着した。ここで、Pt層は40nmの厚さを有し、非晶質磁性層の結晶性誘導層として機能した。その次に、(Fe50Pd508020からなる磁性層をPt層の上に非晶質状態で蒸着した。(Fe50Pd508020からなる磁性層の厚さは10nmであった。磁性層を蒸着して500℃で1時間熱処理した。
【0058】
図7は、本発明の第2実験例によって製造した磁気トンネル接合デバイスに含まれている(Fe50Pd508020からなる磁性層の熱処理前および熱処理後の垂直磁気履歴曲線を示す。図7において細線は熱処理前の非晶質状態の正規磁化図を示しており、太線は熱処理した後の結晶構造を回復した状態の正規磁化図を示す。
【0059】
図7に示したように、(Fe50Pd508020からなる磁性層を熱処理する前には磁場によって磁化度が比例して増加して、薄膜状態で蒸着された形態によって発生する減磁場(demagnetization field)値である7000Oe付近で飽和された。(Fe50Pd508020からなる磁性層の飽和磁気モーメント値は560emu/ccであり、その蒸着形態が薄膜である場合、減磁場値は7000Oeになった。つまり、(Fe50Pd508020からなる磁性層を熱処理する前には結晶構造がないので、磁性層の垂直磁気異方性は確保されず、磁性層は水平磁気異方性を有した。しかし、(Fe50Pd508020からなる磁性層を熱処理した後、磁性層の磁化度は減磁場値、つまり、7000Oeよりずっと小さい1000Oe付近で飽和された。つまり、熱処理した後、(Fe50Pd508020からなる磁性層の結晶構造が回復されながら垂直磁気異方性が確保された。
【0060】
本発明は、以下の特許請求の範囲の概念および範囲を逸脱しない限り、多様な修正および前記の記載によって変形が可能であることを本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に理解できる。
【符号の説明】
【0061】
10 第1磁性層
20 絶縁層
30 第2磁性層
40、42 水平異方性磁性層
50、52 結晶性誘導層
60 水平磁気異方性磁性層
62 垂直磁気異方性誘導層
100、200、300 磁気トンネル接合デバイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A100−x100−yの化学式を有する化合物を含む第1磁性層と、
前記第1磁性層の上に位置する絶縁層と、
前記絶縁層の上に位置し、(A100−x100−yの化学式を有する化合物を含む第2磁性層と
を含み、
前記第1磁性層および前記第2磁性層は垂直磁気異方性を有し、
前記Aおよび前記Bはそれぞれ金属元素であり、前記CはB(ホウ素)、C(炭素)、Ta(タンタル)、およびHf(ハフニウム)からなる群より選択された一つ以上の非晶質化元素であることを特徴とする磁気トンネル接合デバイス。
【請求項2】
前記AはFe(鉄)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Mn(マンガン)、およびCr(クロム)からなる群より選択された一つ以上の元素であることを特徴とする請求項1に記載の磁気トンネル接合デバイス。
【請求項3】
前記BはPt(白金)、Pd(パラジウム)、Rh(ロジウム)、Au(金)、Hg(水銀)、およびAl(アルミニウム)からなる群より選択された一つ以上の元素であることを特徴とする請求項2に記載の磁気トンネル接合デバイス。
【請求項4】
前記絶縁層はD100−zの化学式を有する化合物を含み、前記DはLi(リチウム)、Be(ベリリウム)、Na(ナトリウム)、Mg(マグネシウム)、Nb(ニオブ)、Ti(チタン)、V(バナジウム)、Ta(タンタル)、Ba(バリウム)、Pd(パラジウム)、Zr(ジルコニウム)、Ho(ホルミウム)、K(カリウム)、およびAg(銀)からなる群より選択された一つ以上の元素であり、前記EはO(酸素)、N(窒素)、C(炭素)、H(水素)、Se(セレン)、Cl(塩素)、およびF(フッ素)からなる群より選択された一つ以上の元素であることを特徴とする請求項1に記載の磁気トンネル接合デバイス。
【請求項5】
前記第1磁性層および前記第2磁性層のうちの一つ以上の磁性層は立方晶系または正方晶系であることを特徴とする請求項1に記載の磁気トンネル接合デバイス。
【請求項6】
前記第2磁性層および前記絶縁層の間に位置する水平磁気異方性磁性層と、
前記第2磁性層の上に位置する結晶性誘導層と
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の磁気トンネル接合デバイス。
【請求項7】
前記水平磁気異方性磁性層はFe、CoFe、およびCoFeBからなる群より選択された一つ以上の元素を含むことを特徴とする請求項6に記載の磁気トンネル接合デバイス。
【請求項8】
前記第1磁性層および前記第2磁性層のうちの一つ以上の磁性層に含まれている前記化合物が(Fe100−xPd100−xまたは(Fe100−xPt100−xの化学式を有する場合、前記結晶性誘導層はPd、Pt、Au、およびFeからなる群より選択された一つ以上の元素を含むことを特徴とする請求項6に記載の磁気トンネル接合デバイス。
【請求項9】
前記第1磁性層および前記絶縁層の間に位置する他の水平磁気異方性磁性層と
前記第1磁性層の下に位置する他の結晶性誘導層と
をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の磁気トンネル接合デバイス。
【請求項10】
結晶性誘導層と、
前記結晶性誘導層の上に位置し、(A100−x100−yの化学式を有する化合物を含む垂直磁気異方性磁性層と、
前記垂直磁気異方性磁性層の上に位置する水平磁気異方性磁性層と、
前記水平異方性磁性層の上に位置する絶縁層と、
前記絶縁層の上に位置する水平磁気異方性磁性層と、
前記水平磁気異方性磁性層の上に位置する垂直磁気異方性誘導層と
を含み、
前記AはFe(鉄)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Mn(マンガン)、およびCr(クロム)からなる群より選択された一つ以上の元素であり、前記BはPt(白金)、Pd(パラジウム)、Rh(ロジウム)、Au(金)、Hg(水銀)、およびAl(アルミニウム)からなる群より選択された一つ以上の元素であり、前記CはB(ホウ素)、C(炭素)、Ta(タンタル)、およびHf(ハフニウム)からなる群より選択された一つ以上の元素であることを特徴とする磁気トンネル接合デバイス。
【請求項11】
非晶質を含む第1磁性層を提供する段階と、
前記第1磁性層の上に絶縁層を提供する段階と、
前記絶縁層の上に非晶質を含む第2磁性層を提供する段階と、
前記第1磁性層、前記絶縁層、および前記第2磁性層を熱処理して、前記第1磁性層および前記第2磁性層を結晶化する段階と
を含むことを特徴とする磁気トンネル接合デバイスの製造方法。
【請求項12】
前記第1磁性層を提供する段階および前記第2磁性層を提供する段階において、前記第1磁性層および前記第2磁性層はそれぞれ(A100−x100−yの化学式を有し、前記AはFe(鉄)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Mn(マンガン)、およびCr(クロム)からなる群より選択された一つ以上の元素であり、前記BはPt(白金)、Pd(パラジウム)、Rh(ロジウム)、Au(金)、Hg(水銀)、およびAl(アルミニウム)からなる群より選択された一つ以上の元素であり、前記CはB(ホウ素)、C(炭素)、Ta(タンタル)、およびHf(ハフニウム)からなる群より選択された一つ以上の非晶質化元素であることを特徴とする請求項11に記載の磁気トンネル接合デバイスの製造方法。
【請求項13】
前記第1磁性層および前記第2磁性層を結晶化する段階において、前記第1磁性層および前記第2磁性層は垂直磁気異方性を有することを特徴とする請求項11に記載の磁気トンネル接合デバイスの製造方法。
【請求項14】
前記第1磁性層および前記第2磁性層を結晶化する段階において、前記第1磁性層、前記絶縁層および前記第2磁性層を300℃乃至600℃で熱処理することを特徴とする請求項11に記載の磁気トンネル接合デバイスの製造方法。
【請求項15】
前記第2磁性層および前記絶縁層の間に水平磁気異方性磁性層を提供する段階と、
前記第2磁性層の上に結晶性誘導層を提供する段階と
をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の磁気トンネル接合デバイスの製造方法。
【請求項16】
前記第1磁性層および前記絶縁層の間に他の水平磁気異方性磁性層を提供する段階と、
前記第1磁性層の下に他の結晶性誘導層を提供する段階と
をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の磁気トンネル接合デバイスの製造方法。
【請求項17】
結晶性誘導層を提供する段階と、
前記結晶性誘導層の上に(A100−x100−yの化学式を有する化合物を含む磁性層を提供する段階と、
前記磁性層の上に水平磁気異方性磁性層を提供する段階と、
前記水平磁気異方性磁性層の上に絶縁層を提供する段階と、
前記絶縁層の上に水平磁気異方性磁性層を提供する段階と、
前記水平磁気異方性磁性層の上に垂直磁気異方性誘導層を提供する段階と、
前記結晶性誘導層、前記磁性層、前記水平磁気異方性磁性層、前記絶縁層、前記水平磁気異方性磁性層、および前記垂直磁気異方性誘導層を熱処理して、前記磁性層を結晶化する段階と
を含み、
前記磁性層を結晶化する段階において前記磁性層は垂直磁気異方性を有し、
前記磁性層は(A100−x100−yの化学式を有し、前記AはFe(鉄)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Mn(マンガン)、およびCr(クロム)からなる群より選択された一つ以上の元素であり、前記BはPt(白金)、Pd(パラジウム)、Rh(ロジウム)、Au(金)、Hg(水銀)、およびAl(アルミニウム)からなる群より選択された一つ以上の元素であり、前記CはB(ホウ素)、C(炭素)、Ta(タンタル)、およびHf(ハフニウム)からなる群より選択された一つ以上の非晶質化元素であることを特徴とする磁気トンネル接合デバイスの製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−44684(P2011−44684A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−272188(P2009−272188)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.RRAM
【出願人】(591074116)韓国科学技術研究院 (17)
【氏名又は名称原語表記】KOREA INSTITUTE OF SCIENCE AND TECNOLOGY
【住所又は居所原語表記】39−1 Hawolgok−dong,Seongbuk−gu,Seoul 136−791KOREA
【Fターム(参考)】