説明

磁気ヘッドのクリーニング機構を備えた磁気媒体処理装置

【課題】クリーニング媒体を必要としない簡略な構成の磁気ヘッドのクリーニング機構を備えた磁気媒体処理装置を提供する。
【解決手段】ヘッドローラ9との間に磁気カードCを挟持して磁気処理を行う磁気ヘッド4が、ヘッドローラ9方向に移動できるように、支軸1を中心とて回動可能なヘッドアーム2にヘッドホルダ3を介して取り付けられる。ヘッドアーム2は、ソレノイド7のプランジャ5先端で支持され、通常の処理動作時には、ソレノイド7が作動してバネ6の弾性力に抗してプランジャ5が下方に引かれ、磁気ヘッド4がヘッドローラ9から離れた位置に支持される。クリーニング動作時には、ソレノイド7が不動作となりバネ6の弾性力によってプランジャ5が上方に移動して、磁気ヘッド4が回転するヘッドローラ9に圧接して、ヘッド面に付着した汚れ等が擦り落とされる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば磁気カード等の磁気媒体に対して、磁気ヘッドで磁気情報の書き込みや読み取りを行う処理装置に関し、特に、装置内に磁気ヘッドのクリーニング機構を備えた磁気媒体処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の磁気媒体処理装置としては、例えば、駅改札口に設置された自動改札機、駐車場等で料金の精算を行う精算機や、磁気媒体としての各種の磁気カード等を発行するカード発行機など、様々な用途で使用されている。このような磁気媒体処理装置では、磁気媒体に対して正確に磁気情報の読み取りまたは書き込みを行うために、磁気ヘッドに付着したゴミ、汚れ等を取り除くクリーニング作業が必要である。
【0003】従来、この磁気ヘッドのクリーニング作業は、例えば、図5に示すように、処理装置で通常処理される磁気カードを用いて、処理動作前に(a1 )、磁気カードの先端部を磁気ヘッドのヘッド面に当接させ(a2 )、磁気カードとヘッド面を一定回数(数回程度)擦り合わせることによってヘッド面の一方の側の汚れを擦り落とし(a3 )、また、処理動作後にも(b1 )、磁気カードの後端部をヘッド面に当接させ(b2 )、同様に磁気カードとヘッド面を一定回数擦り合わせてヘッド面の他方の側の汚れを擦り落とす(b3 )作業が行われる。
【0004】また、例えば、特開平5-54345 号公報や実開平2-20807 号公報等に記載された技術のように、通常処理される磁気カードとは別に、粗い表面を有したクリーニングカードを用意し、このクリーニングカードを処理装置に通すことによって磁気ヘッドのクリーニングを行うものもある。あるいは、アルコール等の洗剤を不織布等にしみ込ませ、磁気ヘッドを直接拭いてクリーニングが行われることもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の磁気媒体処理装置において、磁気ヘッドのクリーニングを行うためには、磁気カードやクリーニングカード等、何らかのクリーニング媒体が必要であって、処理装置の構成のみでクリーニングを行うことは困難である。このため、従来の装置では構成や動作が複雑になったり、管理者がクリーニング媒体の管理・保管を行わなくてはならないという問題がある。また、磁気ヘッドを直接拭いてクリーニングを行う時には、磁気ヘッドが装置内にある場合、拭き取り作業に非常に手間がかかるという問題がある。
【0006】本発明は上記問題点に着目してなされたもので、クリーニング媒体を必要としない簡略な構成の磁気ヘッドのクリーニング機構を備えた磁気媒体処理装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため本発明のうちの請求項1に記載の発明では、磁気情報の読み取りまたは書き込みを行うヘッド面を有する磁気ヘッドと前記ヘッド面に対向するヘッドローラとの間に磁気媒体を挟持し、該磁気媒体が前記ヘッド面に接触して磁気情報の読み取りまたは書き込み処理が行われる磁気媒体処理装置において、前記ヘッドローラ方向に移動可能な前記磁気ヘッドと、該磁気ヘッドを支持して、磁気媒体処理動作時には、前記ヘッドローラの外周面と前記ヘッド面との間に所定の間隔が保たれる処理位置に前記磁気ヘッドを移動させ、前記磁気ヘッドのクリーニング動作時には、回転する前記ヘッドローラの外周面に対して前記ヘッド面が圧接するクリーニング位置に前記磁気ヘッドを移動させる磁気ヘッド支持手段と、を備えて構成されることを特徴とする。
【0008】かかる構成によれば、磁気媒体処理動作時には、磁気ヘッド支持手段によって処理位置に支持された磁気ヘッドとヘッドローラとの間に磁気媒体が挟持され、ヘッド面に磁気媒体が接触して磁気情報の読み取りまたは書き込み処理が行われる。一方、磁気ヘッドのクリーニング動作時には、磁気ヘッド支持手段によって磁気ヘッドの支持位置がクリーニング位置に移動し、回転するヘッドローラの外周面にヘッド面が圧接して、ヘッド面に付着した汚れ等が擦り落とされる。
【0009】請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明の具体的な構成として、前記磁気ヘッド支持手段が、磁気媒体搬送面に対して前記磁気ヘッド側に位置し、前記ヘッドローラと対向する部分に前記磁気ヘッドが固定され、且つ磁気媒体搬送面に平行で前記ヘッドローラと前記磁気ヘッドとを結ぶ直線上とは異なる位置の支軸を中心に回動可能な支持部材と、該支持部材に連結し、前記磁気ヘッドのクリーニング動作時には弾性力によって前記支持部材を押圧して前記クリーニング位置に前記磁気ヘッドを移動させ、磁気媒体処理動作時には前記弾性力に抗して前記支持部材を支持して前記処理位置に前記磁気ヘッドを移動させる位置決め手段と、を備えて構成されることを特徴とする。
【0010】請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の発明において、前記磁気ヘッド支持手段の動作を、所定のクリーニング動作周期に応じて自動的に制御する制御手段を備えて構成されることを特徴とする。かかる構成によれば、制御手段の制御によって、磁気ヘッドのクリーニング動作が所定のクリーニング動作周期で自動的に行われるようになる。
【0011】請求項4に記載の発明では、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発明において、搬送面に対して前記磁気ヘッド側の機構と向き合う前記ヘッドローラ側の機構が、前記磁気ヘッド側の機構に対して着脱可能であることを特徴とする。かかる構成によれば、ヘッドローラ側の機構を磁気ヘッド側の機構に装着した状態では、ヘッドローラ側の機構によって遮蔽される搬送面が、ヘッドローラ側の機構を取り外すことによって外部に開放されるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る磁気カード処理装置の磁気ヘッド付近の構造を示す図である。また、図2は、図1中のA方向から見た要部構造を示す側面図、図3は、図2中のB−B矢視断面図を示す。
【0013】図において、本装置は、磁気媒体として、例えば、切符、駐車券やプリペイドカード等の磁気カードCが搬送される搬送面Pに対して下側に、ヘッドホルダ3に取り付けられた磁気ヘッド4が固定される支持部材としてのヘッドアーム2と、ヘッドアーム2を支持する位置決め手段としてのソレノイド7と、磁気カードCを搬送するカード送りローラ8a,8b とが配置される。
【0014】また、搬送面Pに対して上側には、搬送された磁気カードCを磁気ヘッド4との間に挟持するヘッドローラ9、およびカード送りローラ10a,10b が取り付けられた回転軸11と、回転軸11を回転自由に支持する軸受部12a,12b と、軸受部12a,12b を保持するベアリングホルダ13a,13b と、ベアリングホルダ13a,13b および軸受部12a,12b を介して回転軸11を下方に付勢しカード送りローラ10a,10b をカード送りローラ8a,8b に圧接させる付勢バネ14a,14b と、付勢バネ14a,14b を介してベアリングホルダ13a,13b に連結するバネプレッシャー15とが配置される。
【0015】ヘッドアーム2は、上部の一端に設けられた孔に搬送面Pと平行な支軸1を挿入し、この支軸1を中心として図示されないベースに回動可能に支持される。ヘッドアーム2のヘッドローラ9と対向する部分には、ヘッドホルダ3が固定され、このヘッドホルダ3の中央部に磁気ヘッド4が取り付けられる。ただし、このとき磁気ヘッド4とヘッドローラ9とを結ぶ直線上に支軸1が位置しないように配置する。磁気ヘッド4は、磁気カードCに対して磁気情報の読み込みまたは書き込みを行うヘッド面がヘッドローラ9に対向するようにヘッドホルダ3に装着される。
【0016】ソレノイド7は、貫通するピン5aを備えたプランジャ5を有し、プランジャ5周囲の前記ピン5aとソレノイド本体との間にバネ6が取り付けられる。図示されない内部の励磁コイルが通電されないと、バネ6の弾性力によってプランジャ5が上方向に押し上げられ、励磁コイルが通電されると、バネ6の弾性力に抗してプランジャ5が下方向に引かれる。プランジャ5の上端は、ヘッドアーム2の磁気ヘッド4側の下面(図2においてヘッドアーム2の右側凸部の下面)に当接し、プランジャ5がヘッドアーム2の自重を支持して後述するように磁気ヘッド4のヘッド面が所定の位置にくるようにヘッドアーム2の位置決めを行う。ソレノイド7の動作は、図示されない制御手段としての制御部から出力される信号に応じて制御される。制御部は、例えば、磁気カードの処理回数をカウントして、この処理回数が予め設定した回数を超えるとクリーニング動作を行う制御信号を出力する。
【0017】カード送りローラ8a,8b は、搬送面Pに直交し搬送方向に平行な磁気ヘッド4の両側面(図3の左右側面)に対向する位置に設けられ、搬送平面Pに平行で搬送方向と直交する軸8a',8b' をローラの中心に有する。軸8a' の一端には、図示されないモータ等で発生した駆動力が伝達され、ローラ8aが軸8a' を中心として回転する。また、軸8a' には、伝動ギア18が取り付けられ、回転軸11に取り付けられた伝動ギア19に駆動力が伝達される。
【0018】回転軸11には、磁気ヘッド4に対向する位置にヘッドローラ9の中心が固定され、カード送りローラ8a,8b に対向する位置にはそれぞれカード送りローラ10a,10b の中心が固定される。この回転軸11は、ヘッドローラ9とカード送りローラ10a の間、およびヘッドローラ9とカード送りローラ10b の間に設けられた軸受部12a,12b によって回転自由に支持される。この軸受部12a,12b の図示されない一端はバネプレッシャー15に連結される。また、後述するように回転軸11は下方に付勢され、カード送りローラ10a,10b がカード送りローラ8a,8b に圧接される。
【0019】ベアリングホルダ13a,13b は、軸受部12a,12b に取り付けられ、上部には付勢バネ14a,14b の一端が接続される。付勢バネ14a,14b の他端はバネプレッシャー15に取り付けられ、付勢バネ14a,14b が圧縮されてベアリングホルダ13a,13b を下方に押圧する。バネプレッシャー15は、図3に示すように、左右の端部を屈曲して成形した平板を用いる。屈曲した左右の端部それぞれには、外側に突出したストッパ16が設けられ、また、図2R>2に示すように、略半円形状に切り欠いて形成された軸受部が設けられる。上記のようにバネプレッシャー15には、付勢バネ14a,14b の他端が取り付けられ、付勢バネ14a,14b 、ベアリングホルダ13a,13b 、軸受部12a,12b、回転軸11、ヘッドローラ9、カード送りローラ10a,10b 及び伝動ギア19がバネプレッシャー15と一体化される。このバネプレッシャー15は、図示されない側面ガイド板にワンタッチで着脱可能である。装着時には、側面ガイド板に固定された軸17にバネプレッシャー15の軸受部を係合させ、軸17を中心としてバネプレッシャー15を回動して、側面ガイド板に設けられた図示されない穴部にストッパ16を係止させて、バネプレッシャー15が所定の位置に保持される(図2の実線部分)。一方、取り外す時には、バネプレッシャー15の屈曲した両端部を内側に変形させてストッパ16を穴部から外し、バネプレッシャー15を軸17を中心として上方に所定の角度以上回動して(図2の一点鎖線部分)、バネプレッシャー15の軸受部が軸17から外れる。
【0020】次に、本実施形態の動作を説明する。まず、通常の磁気カード処理動作時には、ソレノイド7の励磁コイルに通電が行われ、プランジャ5はバネ6の弾性力に抗して下方に引かれ所定の位置に保持される。ヘッドアーム2は、自重によって支軸1を中心に回動しプランジャ5の先端に当接する位置に支持される。このヘッドアーム2の支持位置では、ヘッドホルダ3に取り付けられた磁気ヘッド4のヘッド面が、ヘッドローラ9の外周下端に対して所定の間隔を保つ位置(処理位置)にくる。この所定の間隔は、磁気カードCが磁気ヘッド4とヘッドローラ9との間に挟持され、磁気カードCの磁気記録部分がヘッド面に摺接するように調整される。この時の位置関係を、図2の一点鎖線部分、及び図4(a)に示す。また、カード送りローラ8aがモータからの駆動力によって一定の速度で回転すると同時に、ヘッドローラ9、カード送りローラ10a,10b も伝動ギア18,19 を介して伝達される駆動力によって、カード送りローラ8aと等しい速度で反対方向に回転する。また、カード送りローラ8bは圧接するカード送りローラ10b の回転によってカード送りローラ8aと同様に回転する。
【0021】このような状態で磁気カードCが磁気ヘッド4上に搬送されると、磁気カードCは磁気ヘッド4のヘッド面に摺接しながらカード送りローラ8a,8b 及びカード送りローラ10a,10b によって搬送方向に送られ、磁気カードCの磁気記録部分に対して磁気情報の読み取りまたは書き込みが行われる。搬送された磁気カードCの処理が完了すると、制御部で処理回数がカウントされる。
【0022】次に、磁気ヘッドのクリーニング動作時について説明する。制御部でカウントされた処理回数が予め設定した所定の回数を超えると、制御部からクリーニング動作を開始させる制御信号がソレノイド7およびモータに出力される。この制御信号を受けたソレノイド7は、励磁コイルの通電を止め不作動の状態となる。この状態では、圧縮されたバネ6の弾性力によってプランジャ5が上方に押し上げられ、プランジャ5の先端に当接するヘッドアーム2が支軸1を中心に上方に回動する。ヘッドアーム2の回動によって、磁気ヘッド4のヘッド面がヘッドローラ9の外周下端に圧接する位置(クリーニング位置)に保持される。また、制御信号を受けたモータは、ヘッドローラ9等を低速度で回転させる駆動力を発生し、その駆動力が伝動ギア18,19 を介して伝達されてヘッドローラ9等が低速回転する。この時の位置関係を図4(b)に示す。
【0023】このように低速回転するヘッドローラ9に磁気ヘッド4のヘッド面を圧接することによって、ヘッド面に付着した汚れ等が擦り落とされる。一定時間ヘッドローラ9にヘッド面を圧接してクリーニング動作が完了すると、再び、ソレノイド7の励磁コイルが通電されプランジャ5が下方に引がれて、磁気ヘッド4のヘッド面が処理位置に戻り、モータで発生する駆動力も処理動作時の状態に戻る。この状態を図4(c)に示す。また、制御部でカウントされた処理回数がクリアされ、新たに処理回数がカウントされる。
【0024】上述したように本実施形態によれば、磁気ヘッド4のクリーニング動作時に、低速回転するヘッドローラ9に磁気ヘッド4のヘッド面を圧接させることによって、クリーニングカード等を使用することなくヘッド面をクリーニングできるため、保守性の優れた簡略な構成の磁気カード処理装置となる。また、制御部でカウントされた処理回数に応じて磁気ヘッド4のクリーニング動作を自動的に行うようにすることで、装置の管理がより容易となり、例えば、駐車場等屋外で無人運用される時など、磁気ヘッドのクリーニングが定期的に行い難い場合に特に有効である。
【0025】更に、磁気ヘッド4を搬送面上部で遮蔽しているバネプレッシャー15に一体化された部分を容易に着脱可能とすることによって、搬送面が外部に開放されるため、磁気ヘッド4の摩耗状態の確認、各部品の交換や、ヘッドローラ9、各カード送りローラの清掃を容易に行うことができる。尚、本実施形態では、切符、駐車券やプリペイドカード等の磁気カードを処理する場合を説明したが、本発明で処理される磁気媒体は磁気カードに限られるものではなく、例えば、磁気テープ等、任意の磁気媒体に応用できる。
【0026】また、磁気カードの片面に対して1つの磁気ヘッドで磁気情報の読み取りまたは書き込みを行う構成としたが、勿論、本実施形態と同様の構成のものを複数設けることも可能である。更に、処理回数に応じて制御部でクリーニング動作を制御する構成としたが、これに限らず、例えば、一定期間毎にクリーニング動作を行ったり、あるいは管理者がクリーニング時期を判断して手動でクリーニング動作を行わせる構成であってもよい。手動で行う場合には、制御部で処理回数をカウントする代わりに入力スイッチ等を設けてその入力に応じてクリーニング動作を行う構成とする。
【0027】加えて、ソレノイド7に支持されるヘッドアーム2の回動によって磁気ヘッド4のヘッド面の位置を移動させる構成としたが、本発明の磁気ヘッド支持手段はこれに限らず、磁気ヘッドが処理位置とクリーニング位置の間で移動可能に支持される任意の構成とすることができる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1、2に記載の発明は、磁気ヘッドのクリーニング動作時に、回転するヘッドローラに磁気ヘッドのヘッド面を圧接させることによって、クリーニングカード等のクリーニング媒体を使用することなくヘッド面に付着した汚れ等を除去できるため、簡略な構成で保守性の優れた磁気媒体処理装置が提供できる。
【0029】また、請求項3に記載の発明は、請求項1、2に記載の発明の効果に加えて、磁気ヘッド支持手段の動作を制御する制御手段を設けることによって、所定のクリーニング動作周期に応じて自動的に磁気ヘッドのクリーニング動作が行われるため、装置の管理がより容易となり、例えば、駐車場等屋外で無人運用される時など、磁気ヘッドのクリーニングが定期的に行い難い場合に特に有効である。
【0030】更に、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発明の効果に加えて、搬送面に対してヘッドローラ側の機構を、磁気ヘッド側の機構に対して着脱可能にすることによって、搬送面が外部に開放されるため、磁気ヘッドの摩耗状態の確認やヘッドローラの清掃等を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の磁気ヘッド付近の構造を示す図
【図2】同上実施形態の要部構造を示す側面図
【図3】同上実施形態の図2中のB−B矢視断面図
【図4】同上実施形態の磁気ヘッド付近の動作を示す図
【図5】従来の磁気ヘッドのクリーニング動作を説明する図
【符号の説明】
1 支軸
2 ヘッドアーム
3 ヘッドホルダ
4 磁気ヘッド
5 プランジャ
6 バネ
7 ソレノイド
8a,8b,10a,10b カード送りローラ
9 ヘッドローラ
11 回転軸
12a,12b 軸受
13a,13b ベアリングホルダ
14a,14b 付勢バネ
15 バネプレッシャー
16 ストッパ
17 軸
18,19 伝動ギア
C 磁気カード
P 搬送面

【特許請求の範囲】
【請求項1】磁気情報の読み取りまたは書き込みを行うヘッド面を有する磁気ヘッドと前記ヘッド面に対向するヘッドローラとの間に磁気媒体を挟持し、該磁気媒体が前記ヘッド面に接触して磁気情報の読み取りまたは書き込み処理が行われる磁気媒体処理装置において、前記ヘッドローラ方向に移動可能な前記磁気ヘッドと、該磁気ヘッドを支持して、磁気媒体処理動作時には、前記ヘッドローラの外周面と前記ヘッド面との間に所定の間隔が保たれる処理位置に前記磁気ヘッドを移動させ、前記磁気ヘッドのクリーニング動作時には、回転する前記ヘッドローラの外周面に対して前記ヘッド面が圧接するクリーニング位置に前記磁気ヘッドを移動させる磁気ヘッド支持手段と、を備えて構成されることを特徴とする磁気ヘッドのクリーニング機構を備えた磁気媒体処理装置。
【請求項2】前記磁気ヘッド支持手段が、磁気媒体搬送面に対して前記磁気ヘッド側に位置し、前記ヘッドローラと対向する部分に前記磁気ヘッドが固定され、且つ磁気媒体搬送面に平行で前記ヘッドローラと前記磁気ヘッドとを結ぶ直線上とは異なる位置の支軸を中心に回動可能な支持部材と、該支持部材に連結し、前記磁気ヘッドのクリーニング動作時には弾性力によって前記支持部材を押圧して前記クリーニング位置に前記磁気ヘッドを移動させ、磁気媒体処理動作時には前記弾性力に抗して前記支持部材を支持して前記処理位置に前記磁気ヘッドを移動させる位置決め手段と、を備えて構成されることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッドのクリーニング機構を備えた磁気媒体処理装置。
【請求項3】前記磁気ヘッド支持手段の動作を、所定のクリーニング動作周期に応じて自動的に制御する制御手段を備えて構成されることを特徴とする請求項1または2記載の磁気ヘッドのクリーニング機構を備えた磁気媒体処理装置。
【請求項4】搬送面に対して前記磁気ヘッド側の機構と向き合う前記ヘッドローラ側の機構が、前記磁気ヘッド側の機構に対して着脱可能であることを特徴とする磁気ヘッドのクリーニング機構を備えた磁気媒体処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開平9−320022
【公開日】平成9年(1997)12月12日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平8−138937
【出願日】平成8年(1996)5月31日
【出願人】(000004651)日本信号株式会社 (720)