説明

磁気ヘッドサスペンション

【課題】フランジ部による共振周波数の上昇効果を損なうことなく、第1〜第3曲げ線での曲げ角度を調整することによって捩れ1次〜3次モードの振動時における磁気ヘッドスライダのシーク方向変位量の最小化を図り且つ曲げ線での曲げ加工の容易化を図る。
【解決手段】ロードビーム部30は支持部10の先端エッジ及びディンプル33間の距離をL1とした場合に先端エッジから0.4×L1以上0.6×L1以下の中央領域に位置する第1曲げ線BL1並びに第1曲げ線より基端側に位置する第2曲げ線BL2回りに曲げられ、一対の板バネ21は第3曲げ線回りBL3に曲げられている。第2曲げ線は先端エッジから0.22×L1以内の基端領域内に位置され、第2曲げ線が位置する部分には一対のフランジ部32が存在しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハードディスク等の記憶媒体に対してデータをリード及び/又はライトする磁気ヘッドスライダを支持する磁気ヘッドサスペンションに関する。
【背景技術】
【0002】
磁気ヘッドスライダを支持する磁気ヘッドサスペンションには、前記磁気ヘッドスライダを目的トラックの中心に高速に且つ高精度に位置させることが要求される。
【0003】
即ち、前記磁気ヘッドサスペンションは、ボイスコイルモータ等のアクチュエータによって基端側が直接又は間接的に揺動中心回りに揺動されて、先端側において支持する前記磁気ヘッドスライダをディスク面に平行なシーク方向に沿って目的トラックへ向けて移動させ得るようになっている。
【0004】
前記磁気ヘッドスライダを目的トラックに高速に位置させる為には前記アクチュエータの駆動信号の周波数を高める必要がある。
【0005】
従って、前記磁気ヘッドスライダの目的トラックに高速且つ正確に位置させる為には、前記磁気ヘッドサスペンションを前記揺動中心回りに揺動させる際に前記磁気ヘッドサスペンションに共振が生じることを可及的に防止することが望まれる。
【0006】
下記特許文献1及び2には、ロードビーム部の長手方向略全域に一対のフランジ部を設けた磁気ヘッドサスペンションが提案されている。
前記一対のフランジ部は質量増加を抑えつつ剛性を高め得る点において有用であり、これにより、共振周波数を有効に上昇させることができる。
【0007】
下記特許文献3には、ロードビーム部に一対のフランジ部を備えることによる共振周波数の上昇という効果を得つつ、前記一対のフランジ部を有する前記ロードビーム部をサスペンション長手方向略中央においてサスペンション幅方向に沿った先端側曲げ線及び前記先端側曲げ線よりサスペンション長手方向基端側においてサスペンション幅方向に沿った基端側曲げ線の2カ所の曲げ線回りに曲げることによって、前記磁気ヘッドサスペンションの捩れモード振動時における前記磁気ヘッドスライダのシーク方向変位量(ゲイン)の最小化を図った磁気ヘッドサスペンションが開示されている。
【0008】
即ち、前記磁気ヘッドサスペンションに生じる振動モードには、シーク方向に振動する主共振モード、ディスク面と直交するz方向に振動する曲げモード、及び、サスペンション長手方向中心線回りに捩れ振動する捩れモードが存在する。
【0009】
前記磁気ヘッドサスペンションに振動が生じると、これに応じて前記磁気ヘッドスライダは目的トラックから変位することになるが、前記捩れモードの振動時における磁気ヘッドスライダの変位量(ゲイン)に関しては、前記ロードビーム部をサスペンション幅方向に沿った曲げ線回りに曲げると共に、前記曲げ線での曲げ角度を最適値に調整することで、最小化を図ることができる。
【0010】
つまり、最適な曲げ角度で前記ロードビーム部を曲げておけば、前記磁気ヘッドサスペンションに捩れモードの振動が生じたとしても、前記磁気ヘッドスライダの目的トラックからの変位を有効に抑えることができる。
【0011】
前記特許文献3に記載の磁気ヘッドサスペンションは、この点を考慮してなされたものであり、前記一対のフランジ部による共振周波数の上昇という効果を奏しつつ、前記先端側曲げ線及び前記基端側曲げ線での曲げ角度を最適値に設定することによって前記磁気ヘッドスライダのゲインの最小化を図っている。
【0012】
しかしながら、前記特許文献3に記載の磁気ヘッドサスペンションは、捩れ1次及び2次モードの振動時における前記磁気ヘッドスライダのゲインについては最小化を図り得るものの、捩れ3次モードのゲインについては考慮されていない。
【0013】
即ち、前記アクチュエータの駆動信号がある周波数(第1共振周波数)に達した時点で、前記磁気ヘッドサスペンションには捩れ1次モードの共振が生じる。
そして、前記駆動信号の周波数を前記第1共振周波数からさらに高めていくと、ある周波数(第2共振周波数)に達した時点で、前記磁気ヘッドサスペンションには捩れ2次モードの共振が生じ、前記駆動信号の周波数を前記第2共振周波数からさらに高めていくと、ある周波数(第3共振周波数)に達した時点で、前記磁気ヘッドサスペンションには捩れ3次モードの共振が生じる。
【0014】
特に、前述の通り、前記磁気ヘッドスライダによる読み取り/書き込み動作の高速化を図る為には、前記磁気ヘッドサスペンションを駆動する前記アクチュエータの駆動信号の周波数を高めなければならない。従って、捩れモードの振動に起因する磁気ヘッドスライダの位置ズレについては、捩れ1次及び2次モードの振動のみならず、捩れ3次モードの振動についても対策をとる必要がある。
この点に関し、前記特許文献3に記載の磁気ヘッドサスペンションは改善の余地がある。
【0015】
また、前記特許文献3には、変形形態として、前記一対のフランジ部のうち前記先端側曲げ線及び前記基端側曲げ線が位置する部分に切り欠き又は貫通孔が形成された磁気ヘッドサスペンションが開示されている。
この変形形態は、前記切り欠き又は前記貫通孔を有さない構成に比べると、前記先端側曲げ線及び前記基端側曲げ線での曲げ加工の容易化を図ることができる。
【0016】
しかしながら、前記先端側曲げ線及び前記基端側曲げ線での曲げ加工に際し前記一対のフランジ部を変形させなければならない点は依然として残っている。
特に、前記先端側曲げ線での曲げ加工及び前記基端側曲げ線での曲げ加工によって同一量のゲイン調整を可能とする為には、基端側に位置する前記基端側曲げ線での曲げ角度をサスペンション長手方向中央に位置する前記先端側曲げ線での曲げ角度よりも大きくしなければならず、結果として、前記基端側曲げ線での曲げ加工を精度良く行うことが困難であるという問題があった。
【0017】
詳しくは、前記先端側曲げ線及び前記基端側曲げ線での曲げ加工によって前記磁気ヘッドスライダのゲインを調整できる範囲は、それぞれの曲げ線での曲げ加工による変位量、即ち、曲げ加工前の状態と曲げ加工後の状態との間の変位高さに依存する。
【0018】
ここで、前記ロードビーム部のサスペンション長手方向略中央に位置する前記先端側曲げ線と前記先端側曲げ線よりサスペンション長手方向基端側に位置する前記基端側曲げ線とで同じ変位高さを得る為には、前記基端側曲げ線での曲げ角度を前記先端側曲げ線での曲げ角度よりも大きくする必要がある。そして、曲げ角度を大きくするには、前記一対のフランジ部を大きく変形させなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開2005−032393号公報
【特許文献2】特開2008−021374号公報
【特許文献3】特開2009−295261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、ロードビーム部に一対のフランジ部を備えることで共振周波数を上昇させた磁気ヘッドサスペンションにおいて、前記一対のフランジ部による共振周波数の上昇効果を損なうことなく、前記ロードビーム部における第1及び第2曲げ線での曲げ角度調整並びに荷重曲げ部を構成する一対の板バネにおける第3曲げ線のサスペンション長手方向位置の調整によって捩れ1次〜3次モードの振動時における磁気ヘッドスライダのシーク方向変位量の最小化を図ることができ、さらに、前記第1及び第2曲げ線での曲げ加工の容易化を図り得る磁気ヘッドサスペンションの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、前記目的を達成する為に、アクチュエータによって直接又は間接的に揺動中心回りにディスク面に平行なシーク方向へ揺動される支持部と、基端部が前記支持部に支持され且つ磁気ヘッドスライダを前記ディスク面に向けて押し付ける押し付け荷重を発生する左右一対の板バネを含む荷重曲げ部と、前記一対の板バネを介して前記支持部に支持され且つ前記押し付け荷重を前記磁気ヘッドスライダに伝達するロードビーム部と、前記ロードビーム部及び前記支持部に支持され且つ先端側に前記磁気ヘッドスライダを支持するヘッド搭載領域を有するフレクシャ部とを備えた磁気ヘッドサスペンションであって、前記ロードビーム部は、前記ディスク面と対向する平板状の本体部であって、前記ヘッド搭載領域における前記磁気ヘッドスライダを支持する支持面とは反対側の裏面に当接するように前記ディスク面に近接する方向へ突出されたディンプルが形成された本体部と、前記支持部の先端エッジ及び前記ディンプル間のサスペンション長手方向距離をL1とした場合に前記支持部の先端エッジから0.22×L1以内の基端領域よりサスペンション長手方向先端側の領域には少なくとも存在するように前記本体部のサスペンション幅方向両端から前記ディスク面とは反対側へ折り曲げられた左右一対のフランジ部とを有し、前記ロードビーム部は前記支持部の先端エッジから0.4×L1以上で且つ0.6×L1以下の中央領域においてサスペンション幅方向に沿った第1曲げ線並びに前記第1曲げ線よりサスペンション長手方向基端側においてサスペンション幅方向に沿った第2曲げ線の2つの曲げ線回りに曲げられており、前記一対の板バネは前記支持部に連結される基端エッジ及び前記ロードビーム部に連結される先端エッジの間においてサスペンション幅方向に沿った第3曲げ線回りに曲げられており、前記第2曲げ線は前記ロードビーム部の前記基端領域内に位置されており、前記第2曲げ線が位置する部分には前記一対のフランジ部が存在しない磁気ヘッドサスペンションを提供する。
【0022】
一形態においては、前記ロードビーム部は、前記基端領域には前記一対のフランジ部を有さないものとされる。
【0023】
好ましくは、前記ロードビーム部は、前記第2曲げ線よりサスペンション長手方向基端側において前記本体部からサスペンション幅方向外方へ延びる左右一対の拡幅部を有し得る。
【0024】
他形態においては、前記一対のフランジ部は、前記基端領域よりサスペンション長手方向先端側の領域に設けられた先端側フランジと、前記第2曲げ線よりサスペンション長手方向基端側の領域に設けられた基端側フランジとを含み得る。
【0025】
前記種々の構成において、好ましくは、前記本体部には、前記第2曲げ線上に易曲げ構造が設けられる。
【0026】
前記種々の構成において、好ましくは、前記本体部における前記ディスク面とは反対側の面には制振材が固着される。
前記制振材は前記第1曲げ線よりサスペンション長手方向基端側の位置から前記第2曲げ線よりサスペンション長手方向基端側の位置まで延びるように配置される。
【0027】
前記支持部の先端エッジ及び前記一対のフランジ部の基端エッジ間のサスペンション長手方向距離をL2とし且つ前記支持部の先端エッジ及び前記第2曲げ線間のサスペンション長手方向距離をD2とした場合に、好ましくは、0.7×L2≦D2≦1.0×L2となるように前記第2曲げ線が配置される。
より好ましくは、D2=L2となるように前記第2曲げ線が配置される。
【0028】
前記種々の形態において、前記本体部のうち前記第2曲げ線とサスペンション長手方向に関し同一位置に位置する部分が前記フレクシャ部と重合する重合部分及び前記フレクシャ部とは重合しない非重合部分を有するように、前記フレクシャ部及び前記本体部が重合され得る。
この場合、好ましくは、前記重合部分には前記ディスク面と直交する方向に貫通する貫通孔が設けられて、前記非重合部分にのみ前記第2曲げ線が設けられる。
【0029】
前記種々の形態において、好ましくは、前記第1曲げ線BL1においては前記ディスク面に向かって凸状となるように曲げられ、前記第2曲げ線BL2及び前記第3曲げ線においては前記ディスク面とは反対側に凸状となるように曲げられる。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係る磁気ヘッドサスペンションによれば、支持部の先端エッジ及びディンプル間のサスペンション長手方向距離をL1とした場合に前記支持部の先端エッジから0.22×L1以内の基端領域よりサスペンション長手方向先端側の領域には少なくとも存在するように左右一対のフランジ部が設けられたロードビーム部が前記支持部の先端エッジから0.4×L1以上で且つ0.6×L1以下の中央領域においてサスペンション幅方向に沿った第1曲げ線並びに前記第1曲げ線よりサスペンション長手方向基端側においてサスペンション幅方向に沿った第2曲げ線の2つの曲げ線回りに曲げられており、一対の板バネが前記支持部に連結される基端エッジ及び前記ロードビーム部に連結される先端エッジの間においてサスペンション幅方向に沿った第3曲げ線回りに曲げられているので、前記第1及び第2曲げ線での曲げ角度を最適値に設定すること並びに前記第3曲げ線のサスペンション長手方向位置を最適値に設定することによって、捩れ1次〜3次モードの振動時における磁気ヘッドスライダのシーク方向変位(ゲイン)を最小化することができる。
さらに、前記第1曲げ線は前記ロードビーム部の中央領域に位置されているので、小さい曲げ角度で大きなゲイン調整可能範囲を得ることができる。
さらに、前記第2曲げ線は前記ロードビーム部の前記基端領域内に位置されており、前記第2曲げ線が位置する部分には前記一対のフランジ部が存在しないので、前記一対のフランジ部による共振周波数の上昇効果を損なうことなく、前記第2曲げ線での曲げ角度を容易に大きくすることができる。従って、例えば、中央領域に位置する前記第1曲げ線での曲げ角度よりも前記第2曲げ線での曲げ角度を大きく設定することにより、前記第1曲げ線での曲げ加工によるゲイン調整可能範囲と前記第2曲げ線での曲げ加工によるゲイン調整可能範囲とを一致させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1に係る磁気ヘッドサスペンションの上面図である。
【図2】図2は、前記実施の形態1に係る磁気ヘッドサスペンションの下面図である。
【図3】図3は、前記実施の形態1に係る磁気ヘッドサスペンションの側面図である。
【図4】図4(a)は、前記実施の形態1の実施例Aに係る磁気ヘッドサスペンションの上面図であり、図4(b)は、図4(a)におけるIV-IV線に沿った断面図である。
【図5】図5は、比較例に係る磁気ヘッドサスペンションの上面図である。
【図6】図6は、前記実施例A及び前記比較例に対する解析結果を示すグラフであり、支持部の先端エッジからフランジ部の基端エッジまでの距離と捩れ4次モードの共振周波数に関する比較例に対する実施例Aの偏差との関係を示している。
【図7】図7は、前記実施の形態1の変形例の上面図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態2に係る磁気ヘッドサスペンションの上面図である。
【図9】図9は、前記実施の形態2に係る磁気ヘッドサスペンションの製造途中の状態を示す平面図である。
【図10】図10は、前記実施の形態2の変形例に係る磁気ヘッドサスペンションの上面図である。
【図11】図11は、図10に示す前記磁気ヘッドサスペンションの下面図である。
【図12】図12は、本発明の実施の形態3に係る磁気ヘッドサスペンションの上面図である。
【図13】図13は、本発明の実施の形態4に係る磁気ヘッドサスペンションの上面図である。
【図14】図14は、前記実施の形態4に係る磁気ヘッドサスペンションの下面図である。
【図15】図15(a)は、前記実施の形態1の実施例Bに係る磁気ヘッドサスペンションの上面図であり、図15(b)は、図15(a)におけるXV-XV線に沿った断面図である。
【図16】図16は、前記実施例Bに係る磁気ヘッドサスペンションの側面図である。
【図17】図17は、前記実施例Bに係る磁気ヘッドサスペンションに対する解析結果を示すグラフであり、第1曲げ線での曲げ角度と捩れ1次及び2次モードにおけるゲインを最小化させる磁気ヘッドスライダの設定高さとの関係を示している。
【図18】図18は、前記実施例Bに係る磁気ヘッドサスペンションに対する解析結果を示すグラフであり、第3曲げ線の位置と捩れ1次及び2次モードにおけるゲインを最小化させる磁気ヘッドスライダの設定高さとの関係を示している。
【図19】図19は、第1曲げ線での曲げ角度調整及び第3曲げ線の位置調整によって捩れ1次及び2次モードにおけるゲインを最小化させた磁気ヘッドサスペンションにおける、捩れ1次〜3次モード及びSwayモードの共振周波数並びに磁気ヘッドスライダのゲインを示すグラフである。
【図20】図20は、図19に示す解析を行った磁気ヘッドサスペンションにおける、第2曲げ線の位置と捩れ3次モードにおける磁気ヘッドスライダのゲインとの関係を示すグラフである。
【図21】図21は、図19に示す解析を行った磁気ヘッドサスペンションにおける、第2曲げ線の位置とSwayモードの共振周波数との関係を示すグラフである。
【図22】図22は、第2曲げ線での曲げ角度と捩れ3次モードにおける磁気ヘッドスライダのゲインとの関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
実施の形態1
以下、本発明に係る磁気ヘッドサスペンションの好ましい実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1〜図3に、それぞれ、本実施の形態に係る磁気ヘッドサスペンション1Aの上面図(ディスク面とは反対側から視た平面図)、下面図(前記ディスク面から視た底面図)及び側面図を示す。
なお、図2中の○は溶接点を示している。
【0033】
前記磁気ヘッドサスペンション1Aは、図1〜図3に示すように、ボイスコイルモータ等のアクチュエータ(図示せず)によって直接又は間接的に揺動中心回りにディスク面に平行なシーク方向へ揺動される支持部10と、磁気ヘッドスライダ50を前記ディスク面に向けて押し付ける為の荷重を発生し得るように前記支持部10に連結された荷重曲げ部20と、前記荷重曲げ部20を介して前記支持部10に支持され且つ前記荷重を前記磁気ヘッドスライダ50に伝達するロードビーム部30と、前記磁気ヘッドスライダ50を支持した状態で前記ロードビーム部30及び前記支持部10に支持されるフレクシャ部40とを備えている。
【0034】
前記支持部10は、前記アクチュエータに直接又は間接的に連結された状態で前記荷重曲げ部20を介して前記ロードビーム部30を支持する部材であり、比較的高剛性を有するものとされる。
【0035】
本実施の形態においては、前記支持部10は、前記アクチュエータに連結されるキャリッジアーム(図示せず)の先端にかしめ加工によって接合されるボス部15を備えたベースプレートとされている。
前記支持部10は、例えば、厚さ0.1mm〜0.8mmのステンレス板によって好適に形成される。
当然ながら、前記支持部10として、基端部が前記アクチュエータの揺動中心に連結されるアームを採用することも可能である。
【0036】
前記ロードビーム部30は、前述の通り、前記荷重曲げ部20によって発生される荷重を前記磁気ヘッドスライダ50に伝達する為の部材であり、従って、所定の剛性が要求される。
【0037】
図1〜図3に示すように、前記ロードビーム部30は、前記ディスク面と対向する平板状の本体部31と、前記本体部31のサスペンション幅方向両端部からディスク面とは反対側に延びる左右一対のフランジ部32とを有しており、前記フランジ部32によって剛性を向上させている。
前記ロードビーム部30は、例えば、厚さ0.02mm〜0.1mmのステンレス板によって好適に形成される。
【0038】
前記本体部31には、先端側に、所謂ディンプルと呼ばれる突起33が形成されている。
前記突起33は、ディスク面に近接する方向に、例えば、0.05mm〜0.1mm程度突出されている。この突起33は、前記フレクシャ部40における下記ヘッド搭載領域415の上面(前記磁気ヘッドスライダを支持する支持面とは反対側の裏面)に接触して、この突起33を介して前記荷重を前記フレクシャ部40の前記ヘッド搭載領域415に伝達するようになっている。
【0039】
本実施の形態においては、図1〜図3に示すように、前記ロードビーム部30は、さらに、前記本体部31の先端からサスペンション長手方向先端側へ延びるリフトタブ34を一体的に有している。前記リフトタブ34は、前記磁気ヘッドスライダ50がディスク面の径方向外方へ位置するように前記磁気ヘッドサスペンション1Aが前記アクチュエータによって揺動された際に、磁気ディスク装置に備えられたランプと係合して前記磁気ヘッドスライダ50を前記ディスク面と直交するz方向に沿って前記ディスク面から離間させる為の部材である。
【0040】
本実施の形態においては、図1及び図2に示すように、前記ロードビーム部30の前記本体部31のサスペンション幅方向両端部は、サスペンション長手方向基端側から先端側へ行くに従ってサスペンション長手方向中心線CLに近接するように平面視においてテーパ状とされている。
【0041】
斯かる構成によれば、前記ロードビーム部30の先端側における前記中心線CL回りの慣性モーメントを低減でき、共振周波数を上昇させることができる。
【0042】
前記荷重曲げ部20は、基端部が前記支持部10に連結され且つ先端部が前記ロードビーム部30に連結された左右一対の板バネ21であって、自己の弾性変形に基づいて前記磁気ヘッドスライダ50を前記ディスク面へ向けて押し付ける押し付け荷重を発生するように板面が前記ディスク面と対向する左右一対の板バネ21を有している。
【0043】
前記一対の板バネ21は、例えば、厚さ0.02mm〜0.1mmのステンレス板によって形成される。
なお、本実施の形態においては、前記一対の板バネ21は前記支持部10を形成する部材に一体形成されている。
詳しくは、本実施の形態においては、図1及び図2に示すように、前記支持部10は、互いに積層された状態で固着される第1及び第2プレート部材110,120を有しており、前記一対の板バネ21は前記第2プレート部材120に一体形成されている。
【0044】
より詳しくは、前記第2プレート部材120は、図2に示すように、前記ボス部15に対応した中央領域121であって、前記第1プレート部材110の対応する部分に接合される中央領域121と、前記中央領域121のサスペンション幅方向両側からサスペンション長手方向先端側へ延びる左右一対の先端領域122であって、前記第1プレート部材110の対応する部分に接合される左右一対の先端領域122と、前記一対の先端領域122からサスペンション長手方向先端側へそれぞれ延在された左右一対の延在領域123とを有しており、前記一対の延在領域123が前記一対の板バネ21を形成している。
【0045】
前記フレクシャ部40は、前記磁気ヘッドスライダ50を支持した状態で前記ロードビーム部30及び前記支持部10に溶接等によって固着される。
【0046】
詳しくは、前記フレクシャ部40はフレクシャ金属プレート410を有している。
前記フレクシャ金属プレート410は、図2に示すように、前記支持部10に溶接等によって固着される支持部固着領域411と、前記ロードビーム部30に溶接等によって固着されるロードビーム部固着領域412と、前記ロードビーム部固着領域412の先端部におけるサスペンション幅方向両側からサスペンション長手方向先端側へ延びる一対の支持片413(図1参照)と、前記一対の支持片413によって支持された前記ヘッド搭載領域415とを有している。
【0047】
本実施の形態に係る前記磁気ヘッドサスペンション1Aは、前記一対の板バネ21が前記支持部10を形成する部材(本実施の形態においては前記第2プレート部材120)に一体形成されている構成において、前記支持部固着領域411及び前記ロードビーム部固着領域412の間に高低差(z方向に関する変位)が生じないように下記構成を備えている。
【0048】
即ち、前記第2プレート部材120の前記一対の先端領域122は、図2に示すように、両者の間にスペース122aが存するようにサスペンション幅方向に離間されている。
そして、前記支持部固着領域411のうちサスペンション長手方向先端側に位置する部位は、前記スペース122a内において前記第1プレート部材110に固着されており、前記ロードビーム部固着領域412の基端側に位置する部分はサスペンション幅方向に関し前記一対の板バネ21を形成する部材(本実施の形態においては前記一対の延在領域123)の間において前記ロードビーム部30の前記本体部31に固着されている。
【0049】
前記ヘッド搭載領域415は、図2に示すように、前記ディスク面と対向する下面において前記磁気ヘッドスライダ50を支持している。
前述の通り、前記ヘッド搭載領域415の上面には前記突起33が接触しており、従って、前記ヘッド搭載領域415は前記突起33を支点としてロール方向及びピッチ方向に柔軟に揺動し得るようになっている。
【0050】
前記フレクシャ金属プレート410は、前記ヘッド搭載領域415がロール方向及びピッチ方向に揺動し得るように、前記ロードビーム部30よりも低剛性とされる。
前記フレクシャ金属プレート410は、例えば、厚さ0.01mm〜0.025mm程度のステンレス板とされる。
【0051】
好ましくは、前記フレクシャ部40には、図2に示すように、前記磁気ヘッドスライダ50を外部部材に電気的に接続する為の配線構造体420が一体的に備えられる。
【0052】
詳しくは、前記配線構造体420は、前記フレクシャ金属プレート410における前記ディスク面と対向する下面に積層される絶縁層と前記絶縁層における前記ディスク面と対向する面に積層される信号配線とを含み得る。
好ましくは、前記配線構造体は、前記信号配線を囲繞する絶縁性のカバー層を有し得る。
【0053】
ここで、前記磁気ヘッドスライダ50を目的のトラック上に高速且つ正確に位置させる為に、本実施の形態に係る前記磁気ヘッドサスペンション1Aが備えている構成について説明する。
【0054】
前記磁気ヘッドサスペンション1Aはボイスコイルモータ等のアクチュエータによってシーク方向に駆動されるが、前記磁気ヘッドスライダ50を高速に目的トラック上に位置させる為には前記アクチュエータの駆動信号の周波数を高める必要がある。
【0055】
そして、前記アクチュエータの駆動信号の周波数を高めた際に前記磁気ヘッドスライダ50を正確に目的トラック上に位置させる為には、前記磁気ヘッドサスペンション1Aの共振周波数を高める必要がある。
【0056】
この点に関し、本実施の形態に係る前記磁気ヘッドサスペンション1Aは、前述の通り、前記ロードビーム部30に前記一対のフランジ部32を備えている。
前記一対のフランジ部32は、質量増加を可及的に防止しつつ前記磁気ヘッドサスペンション1Aの剛性を高めることができ、これにより、共振周波数を有効に上昇させることができる。
【0057】
本実施の形態に係る前記磁気ヘッドサスペンション1Aは、共振周波数を上昇させることによって前記磁気ヘッドスライダ50の高速移動を可能とすべく前記一対のフランジ部32を備えることに加えて、捩れモードの振動時における前記磁気ヘッドスライダ50のシーク方向変位量(ゲイン)を低減させることによって前記磁気ヘッドスライダ50の位置決め精度を向上させるべく下記構成を備えている。
【0058】
即ち、前記磁気ヘッドサスペンション1Aが捩れモードで振動する際の前記磁気ヘッドスライダ50の目的トラックからの位置ズレは、前記磁気ヘッドサスペンション1Aをサスペンション幅方向に沿った曲げ線回りに曲げると共にその曲げ角度及び/又はサスペンション長手方向に関する位置(曲げ位置)を最適値に設定することで、最小化させることができる。
【0059】
この点に関し、本実施の形態に係る前記磁気ヘッドサスペンション1Aはサスペンション幅方向に沿った第1〜第3曲げ線BL1,BL2,BL3の3本の曲げ線回りに曲げられており、この3本の曲げ線の曲げ角度及び/又は曲げ位置を調整することによって、捩れ1次モード〜捩れ3次モードの3つの捩れ振動モードにおける前記磁気ヘッドスライダ50のゲインの最小化を図り得るようになっている。
【0060】
ここで、捩れモードの振動に関し詳しく説明する。
前記アクチュエータの駆動信号を上昇させていくと、ある周波数(第1共振周波数)に達した時点で、前記磁気ヘッドサスペンション1Aに捩れ1次モードの共振が生じる。
この捩れ1次モードの共振とは、前記支持部10の先端エッジの位置及び前記ロードビーム部30の前記ディンプル33の位置が前記ディスク面に直交するz方向に関し変位ゼロ(即ち、節)とされた状態で前記2つの節の間のサスペンション長手方向略中央部分がz方向変位最大(即ち、腹)となるように主として前記ロードビーム部30のみがサスペンション長手方向中心線CL回りに捩れる振動形態である。
【0061】
そして、前記駆動信号の周波数を前記第1共振周波数からさらに高めていくと、ある周波数(第2共振周波数)に達した時点で、前記磁気ヘッドサスペンション1Aには捩れ2次モードの共振が生じ、前記駆動信号の周波数を前記第2共振周波数からさらに高めていくと、ある周波数(第3共振周波数)に達した時点で、前記磁気ヘッドサスペンション1Aには捩れ3次モードの共振が生じる。
【0062】
前記捩れ2次モードの共振とは、前記支持部10のうちz方向に関し強固に固定される位置(前記支持部10がベースプレートの場合には、前記アクチュエータに連結されたキャリッジアームにかしめを介して固定される前記ボス部15の位置、以下、支持部固定位置という)と前記ディンプル33の位置と前記支持部固定位置及び前記ディンプル位置の間のサスペンション長手方向略中央に位置するロードビーム部30の中途位置との3箇所が節とされた状態で、前記支持部固定位置及び前記ロードビーム部の中途位置の間のサスペンション長手方向略中央部分と前記ロードビーム部30の中途位置及び前記ディンプル33の位置の間のサスペンション長手方向略中央部分との2箇所が腹となるように、前記支持部固定位置及び前記中途位置の間の第1部分がサスペンション長手方向中心線CL回り一方側の第1方向にねじれ、前記中途位置及び前記ディンプル33の間の第2部分がサスペンション長手方向中心線CL回り他方側の第2方向にねじれる振動形態である。
【0063】
前記捩れ3次モードの共振とは、前記支持部固定位置と前記荷重曲げ部20の位置と前記ディンプル33の位置と前記荷重曲げ部20の位置及び前記ディンプル位置の間のサスペンション長手方向略中央に位置するロードビーム部30の中途位置との4箇所が節とされた状態で、前記支持部固定位置及び前記荷重曲げ部20の位置の間に位置する第1部分がサスペンション長手方向中心線CL回り一方側の第1方向にねじれ、前記荷重曲げ部20の位置及び前記ロードビーム部30の中途位置の間に位置する第2部分が前記中心線CL回り他方側の第2方向にねじれ、前記ロードビーム部30の中途位置及び前記ディンプル位置の間の第3部分が前記中心線CL回りに前記第1方向に捩れる形態の振動形態である。
【0064】
本実施の形態に係る前記磁気ヘッドサスペンション1Aにおいては、図1〜図3に示すように、前記第1及び第2曲げ線BL1,BL2は前記ロードビーム部30に位置されており、前記第3曲げ線BL3は前記一対の板バネ20に設けられている。
【0065】
前記ロードビーム部30に位置する曲げ線(前記第1及び第2曲げ線BL1,BL2)での曲げ加工においては、曲げ角度又は前記曲げ線のサスペンション長手方向位置を調整することによって対応する一の捩れモードの振動時における磁気ヘッドスライダのゲインを最小化させることができる。
即ち、例えば、前記第1曲げ線BL1での曲げ角度を調整することによって捩れ1次モードの振動時におけるゲインの最小化を図り、前記第2曲げ線BL2での曲げ角度を調整することによって捩れ2次モードの振動時におけるゲインの最小化を図ることができる。
【0066】
一方、前記一対の板バネ20に位置する曲げ線(前記第3曲げ線BL3)での曲げ角度の調整は、前記磁気ヘッドスライダ50を前記ディスク面に向けて押し付ける押し付け荷重を所定値に設定する為に利用され、捩れモードの振動時におけるゲイン調整には利用できない。
従って、前記一対の板バネ20に位置する曲げ線(前記第3曲げ線BL3)については、前記曲げ線のサスペンション長手方向位置を調整することによって、前記捩れ1次〜3次モードのうち前記第1及び第2曲げ線でゲイン調整される振動モード以外の振動モード(例えば、捩れ3次モード)に対するゲイン最小化を図ることができる。
【0067】
本実施の形態においては、図1に示すように、前記第1曲げ線BL1は、前記支持部10の先端エッジ及び前記ディンプル33間のサスペンション長手方向距離をL1とした場合に前記支持部10の先端エッジから0.4×L1以上で且つ0.6×L1以下の中央領域に位置されている。
【0068】
このように、前記第1曲げ線BL1を前記中央領域に位置させることにより、小さい曲げ角度で大きな前記磁気ヘッドスライダ50のゲイン調整可能範囲(調整可能幅)を得ることができる。
【0069】
即ち、前記曲げ線での曲げ角度によって前記磁気ヘッドスライダ50のゲインを調整する際の調整可能範囲(調整可能幅)は、前記曲げ線での曲げによって得られる磁気ヘッドサスペンション1Aの変位量、即ち、曲げ加工前の状態と曲げ加工後の状態との間の変位量に依存する。前記変位量を大きくすれば、前記ゲインの調整可能範囲が拡がる。
【0070】
この点に関し、本実施の形態におけるように、前記第1曲げ線BL1を前記中央領域に位置させれば、前記第1曲げ線での曲げ角度当たりの前記磁気ヘッドサスペンション1Aの変位量割合を大きくすることができ、小さい曲げ角度で大きなゲイン調整可能幅を得ることができる。
【0071】
特に、本実施の形態におけるように、前記ロードビーム部30に前記一対のフランジ部32が備えられている磁気ヘッドサスペンションにおいては、前記一対のフランジ部32の存在によってサスペンション幅方向に沿った曲げ線での曲げ角度を大きくすることは困難又は厄介になる。
従って、このようなタイプの磁気ヘッドサスペンションにおいては前記第1曲げ線BL1を前記中央領域に位置させて、可及的に小さい曲げ角度で大きな変位量を得ることは特に有効である。
【0072】
前記第2曲げ線BL2は、図1〜図3に示すように、前記第1曲げ線BL1よりサスペンション長手方向基端側に位置されている。
【0073】
前記第1曲げ線BL1よりサスペンション長手方向基端側に位置している前記第2曲げ線BL2での曲げ加工による変位量を前記第1曲げ線BL1での曲げ加工による変位量と一致させる為には(即ち、前記第2曲げ線BL2での曲げ加工によるゲイン調整可能範囲を前記第1曲げ線BL1での曲げ加工によるゲイン調整可能範囲と同一とする為には)、前記第2曲げ線BL2での曲げ角度を前記第1曲げ線BL1での曲げ角度よりも大きくしなければならない。
【0074】
しかしながら、前述の通り、前記ロードビーム部30に前記一対のフランジ部32が備えられている前記磁気ヘッドサスペンション1Aにおいては、サスペンション幅方向に沿った曲げ線での曲げ角度を大きくすることは困難である。
【0075】
この点に関し、本願発明者は、前記ロードビーム部30の基端領域には前記一対のフランジ部32が存在しない構成と前記ロードビーム部30のサスペンション長手方向全域に前記一対のフランジ部32が設けられた構成とを共振周波数に関し比較して、後者の共振周波数に対する前者の共振周波数の低下割合が問題にならない程度のものであれば、前記第2曲げ線BL2を前記ロードビーム部30の基端領域に位置させ且つ前記第2曲げ線BL2が位置する部分には前記一対のフランジ部32を設けないことにより、前記一対のフランジ部32による共振周波数の上昇という効果を損なうことなく、前記第2曲げ線BL2での曲げ角度を容易に大きくすることができるという仮説を立てた。
【0076】
以下、前記仮説の真偽を実証する為に行った解析結果について説明する。
図4(a)に本解析に用いた実施例Aの平面図を、図4(b)に図4(a)におけるIV-IV線に沿った断面図を示す。
【0077】
前記実施例Aは以下の寸法を有している。
前記ロードビーム部30の板厚:0.025mm
前記一対のフランジ部32の高さ:0.26mm
前記一対のフランジ部32の前記本体部31に対する曲げ角度:70°
(前記第1〜第3曲げ線BL1〜BL3での曲げ加工を行う前の初期状態での)前記ボス部15の中心と前記ディンプル33との間のサスペンション長手方向距離:11mm
前記初期状態での前記支持部10の先端エッジと前記ディンプル33との間のサスペンション長手方向距離:L1=6.2mm
前記初期状態での前記支持部10の先端エッジと前記第1曲げ線BL1との間のサスペンション長手方向距離:3.4mm(=0.55×L1)
前記初期状態での前記支持部10の先端エッジと前記第2曲げ線BL2との間のサスペンション長手方向距離:0.93mm(=0.15×L1)
前記初期状態での前記支持部10の先端エッジと前記第3曲げ線BL3との間のサスペンション長手方向距離:0.19mm(=0.03×L1)
【0078】
前記寸法を有しつつ、前記ロードビーム部30のうち前記一対のフランジ部32を設けない領域の長さを変化させた複数の実施例Aを用意した。
具体的には、前記初期状態を基準にして前記支持部10の先端エッジから前記一対のフランジ部32の基端側エッジまでのサスペンション長手方向距離L2が0.99mm(=0.16×L1)とされた構成(以下、実施例A1という)、前記距離L2が1.24mm(=0.20×L1)とされた構成(以下、実施例A2という)、前記距離L2が1.49mm(=0.24×L1)とされた構成(以下、実施例A3という)、前記距離L2が1.74mm(=0.28×L1)とされた構成(以下、実施例A4という)、及び、前記距離L2が1.98mm(=0.32×L1)とされた構成(以下、実施例A5という)を用意した。
【0079】
また、前記一対のフランジ部32が前記ロードビーム部30の長手方向全域に設けられた構成(以下、比較例という)も用意した(図5参照)。
【0080】
前記実施例A1〜5及び前記比較例に対して、前記支持部10の基準部位(前記ボス部15)を完全拘束し且つ前記磁気ヘッドスライダ50のディスク対向面を前記ディスク面に直交するz方向に関し拘束した状態で、前記支持部10の基準部位に対して前記サスペンション幅方向に沿ったy方向に強制振動(周期的外力による定常振動)を与えて前記実施例A1〜5及び前記比較例の捩れ4次モードに関する共振周波数を有限要素法によって求めた。
【0081】
なお、捩れ4次モードの共振周波数を求めたのは、捩れ1次〜3次モードの振動については、前記第1及び第2曲げ線BL1,BL2での曲げ角度並びに前記第3曲げ線BL3の曲げ位置を最適値に設定することによって、前記磁気ヘッドスライダ50のゲインの最小化を図り得るからである。
【0082】
即ち、前記第1〜第3曲げ線BL1〜BL3の3つの曲げ線の曲げ角度及び/又は曲げ位置の調整によっては前記磁気ヘッドスライダ50のゲイン調整を行うことができない捩れ4次モードに関して、前記実施例A1〜5及び前記比較例の共振周波数を比較することによって、前記一対のフランジ部32が前記ロードビーム部10の長手方向全域に必要か否かを検証した。
【0083】
本解析結果を図6に示す。
なお、図6における縦軸は、前記比較例の共振周波数に対する前記実施例A1〜5の共振周波数の偏差である。
【0084】
図6から、前記ロードビーム部30における前記一対のフランジ部32を前記支持部10の先端エッジから0.22×L1よりサスペンション長手方向基端側の基端領域内においては削除したとしても、共振周波数がそれ程悪化することがないことが分かる。
【0085】
このことから、前記第2曲げ線BL2を前記支持部10の先端エッジから0.22×L1よりサスペンション長手方向基端側の基端領域内に位置させ、且つ、前記第2曲げ線BL2が位置する部分には前記一対のフランジ部30が存在しないように構成すれば、前記一対のフランジ部32を備えることによる共振周波数の上昇という効果を損なうことなく、前記第2曲げ線BL2での曲げ加工の容易化を図り得ることが理解される。
【0086】
本実施の形態に係る前記磁気ヘッドサスペンション1Aは、さらに、図1に示すように、前記本体部31における前記ディスク面とは反対側の面に固着された制振材60を備えている。
【0087】
斯かる構成によれば、前記磁気ヘッドサスペンション1Aの振動時における前記磁気ヘッドスライダ50の変位を減衰させることができる。
好ましくは、前記制振材60は前記第1曲げ線BL1よりサスペンション長手方向基端側の位置から前記第2曲げ線BL2よりサスペンション長手方向基端側の位置まで延びるように配置される。
斯かる構成によれば、捩れモードの共振周波数を高めることができる。
【0088】
図7に、本実施の形態の変形例に係る磁気ヘッドサスペンション1Bの上面図を示す。
前記磁気ヘッドサスペンション1Bは、図7に示すように、前記ロードビーム部30における前記本体部31の前記第2曲げ線BL上に易曲げ構造35を有している。
【0089】
かかる構成によれば、前記第2曲げ線BL2での曲げ加工のさらなる容易化を図ることができる。
前記易曲げ構造35としては、例えば、前記第2曲げ線BL2に沿うように前記本体部31に形成された一又は複数のスリットが例示される。
【0090】
実施の形態2
以下、本発明に係る磁気ヘッドサスペンションの他の実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図8に、本実施の形態に係る磁気ヘッドサスペンション2Aの上面図(ディスク面とは反対側から見た平面図)を示す。
なお、図中、前記実施の形態1における同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0091】
本実施の形態に係る磁気ヘッドサスペンション2Aは、前記実施形態1に係る磁気ヘッドサスペンション1Aにおいて、前記ロードビーム部30の代わりにロードビーム部30(2)を有している。
【0092】
前記ロードビーム部30(2)は、図8に示すように、前記本体部31及び前記一対のフランジ部32に加えて、前記第2曲げ線BL2よりサスペンション長手方向基端側において前記本体部31からサスペンション幅方向外方へ延びる左右一対の拡幅部36を有している。
【0093】
斯かる構成を備えた本実施の形態に係る磁気ヘッドサスペンション2Aによれば、前記実施の形態1における効果を奏しつつ、前記ロードビーム部30の剛性をさらに向上させることによって共振周波数をさらに高めることができる。
【0094】
なお、一般的には、一枚の原材料シート200からエッチング等によって複数のロードビーム部2Aが形成される。この際に、一般的には、図9に示すように、複数の前記ロードビーム部2Aはブリッジ205を介して前記シート200に連結された状態のままで保持され、最終段階において、前記ブリッジ205を切断することで個々に分離される。
【0095】
従って、切断後の前記ブリッジ205が前記一対の拡幅部36を形成するように前記ブリッジ205を設けることによって、前記一対の拡幅部36を有する前記ロードビーム部30(2)を容易に形成することができる。
なお、図9中の符号201は前記シートに形成された位置決め孔である。
【0096】
また、本実施の形態においては、前記実施の形態1におけると同様に、前記ロードビーム部30(2)は前記荷重曲げ部20とは別体とされているが、これに代えて、前記ロードビーム部30(2)と前記荷重曲げ部20とを一体形成することも可能である。
図10及び図11に、それぞれ、前記ロードビーム部30(2)及び前記荷重曲げ部20が一体形成された本実施の形態の変形例に係る磁気ヘッドサスペンション2Bの上面図及び下面図を示す。
当然ながら、前記実施の形態1に係る磁気ヘッドサスペンション1Aにおいて、前記ロードビーム部30及び前記荷重曲げ部20を一体形成することも可能である。
【0097】
実施の形態3
以下、本発明に係る磁気ヘッドサスペンションの他の実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図12に、本実施の形態に係る磁気ヘッドサスペンション3Aの上面図(ディスク面とは反対側から見た平面図)を示す。
なお、図中、前記実施の形態1又は2における同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0098】
本実施の形態に係る磁気ヘッドサスペンション3Aは、前記実施形態1に係る磁気ヘッドサスペンション1Aにおいて、前記ロードビーム部30の代わりにロードビーム部30(3)を有している。
【0099】
前記ロードビーム部30(3)は、図12に示すように、前記本体部31と、前記支持部10の先端エッジから0.22×L1以下の前記基端領域よりサスペンション長手方向先端側の領域に設けられた先端側フランジ32aと、前記第2曲げ線BL2よりサスペンション長手方向基端側の領域に設けられた基端側フランジ32bとを有している。
【0100】
斯かる構成を備えた本実施の形態に係る磁気ヘッドサスペンション3Aによれば、前記実施の形態1における効果を奏しつつ、前記ロードビーム部30(3)の剛性をさらに向上させることによって共振周波数をさらに高めることができる。
【0101】
実施の形態4
以下、本発明に係る磁気ヘッドサスペンションのさらに他の実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図13及び図14に、それぞれ、本実施の形態に係る磁気ヘッドサスペンション4Aの上面図及び下面図を示す。
なお、図中、前記実施の形態1〜3における同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0102】
本実施の形態に係る磁気ヘッドサスペンション4Aは、前記実施形態1に係る磁気ヘッドサスペンション1Aにおいて、前記ロードビーム部30の代わりにロードビーム部30(4)を有している。
【0103】
図13及び図14に示すように、前記ロードビーム部30(4)の前記本体部31のうちサスペンション長手方向に関し前記第2曲げ線BL2と同一位置に位置する部分(以下、第2曲げ線設置部分)が前記フレクシャ部40と重合する重合部分及び前記フレクシャ部40とは重合しない非重合部分を有するように、前記本体部31及び前記フレクシャ部40が重合されている。
【0104】
即ち、前記本体部31の前記第2曲げ線設置部分のサスペンション幅方向長さは前記フレクシャ部40における対応部分のサスペンション幅方向長さよりも大とされており、前記フレクシャ部40はサスペンション幅方向に関し前記第2曲げ線設置部分と部分的に重合した状態で前記第2曲げ線設置部分を跨いでサスペンション長手方向に延びている。
【0105】
斯かる構成において、前記重合部分には前記ディスク面に直交する方向に貫通する貫通孔31aが設けられており、前記非重合部分にのみ前記第2曲げ線BL2が設けられている。
【0106】
斯かる構成を備えた本実施の形態に係る磁気ヘッドサスペンション4Aによれば、前記実施の形態1における効果を奏しつつ、前記第2曲げ線BL2での曲げ加工の安定化を図ることができる。
【0107】
即ち、前記第2曲げ線BL2が前記フレクシャ部40と重合していると、前記第2曲げ線BL2での曲げ加工に前記フレクシャ部40の剛性が影響を及ぼし、前記第2曲げ線BL2での曲げ加工を精度良く行うことが困難になる。
【0108】
これに対し、本実施の形態におけるように、前記本体部31及び前記フレクシャ部40が重合する前記重合部分には前記貫通孔31aを設け、前記非重合部分にのみ前記第2曲げ線BL2を設ければ、前記第2曲げ線BL2での曲げ加工に対する前記フレクシャ部40の影響を可及的に抑えることができ、前記第2曲げ線BL2での曲げ加工の安定化を図ることができる。
【0109】
なお、本実施の形態においては、図13及び図14に示すように、前記荷重曲げ部20を構成する前記一対の板バネ21及び前記ロードビーム部30(4)が単一部材によって一体形成されている。
【0110】
ここで、前記実施の形態1に係る磁気ヘッドサスペンションにおいて、捩れ1次〜3次モードにおける磁気ヘッドスライダ50のゲインを最小化させる為の好ましい構成について説明する。
【0111】
まず、前記実施の形態1に係る磁気ヘッドサスペンションの一例(以下、実施例Bという)を用いて、捩れ1次モード及び捩れ2次モードにおける前記磁気ヘッドスライダ50のゲインを最小化させる為の構成について説明する。
【0112】
図15(a)に前記実施例Bの上面図を、図15(b)に図15(a)におけるXV-XV線に沿った断面図を示す。
また、図16に前記実施例Bの側面図を示す。
【0113】
前記実施例Bは以下の基本寸法を有するものとした。
前記支持体10の板厚:0.15mm
前記ロードビーム部30の板厚:0.025mm
前記一対のフランジ部32の高さ:0.275mm
前記一対のフランジ部32の前記本体部31に対する曲げ角度:70°
(前記第1〜第3曲げ線BL1〜BL3での曲げ加工を行う前の初期状態での)前記ボス部15の中心と前記ディンプル33との間のサスペンション長手方向距離:L0=11mm
前記初期状態での前記支持部10の先端エッジと前記ディンプル33との間のサスペンション長手方向距離:L1=6.2mm
前記初期状態での前記支持部10の先端エッジと前記一対のフランジ部32の基端側エッジとの間のサスペンション長手方向距離:L2=0.7mm(=0.113×L1)
前記初期状態での前記支持部10の先端エッジと前記第1曲げ線BL1との間のサスペンション長手方向距離:D1=3.4mm(=0.55×L1)
前記初期状態での前記支持部10の先端エッジと前記第2曲げ線BL2との間のサスペンション長手方向距離:D2=0.54mm(=0.77×L2)
前記初期状態での前記支持部10の先端エッジと前記第3曲げ線BL3との間のサスペンション長手方向距離:D3=0.2mm(=0.032×L1)
【0114】
まず、前記第1曲げ線BL1での曲げ角度θ1の調整について説明する。
前記基本寸法を有しつつ、前記第1曲げ線BL1での曲げ角度θ1を1deg、前記第2曲げ線BL2での曲げ角度θ2を−6degに固定した状態で、前記第3曲げ線BL3の曲げ角度θ3を異ならせることにより、前記磁気ヘッドスライダ50の下面(ディスク対向面)と前記支持部固定位置の上面との間のディスク面に直交するz方向の距離(ハードディスク組み付け高さであり、以下、「設定高さ」という)ZH(図16参照)を異ならせた複数の磁気サスペンションを用意した。
なお、曲げ角度のマイナスは、前記ディスク面とは反対側に凸状となるように曲げられていることを意味し、曲げ角度のプラスは、前記ディスク面に向かって凸状となるように曲げられていることを意味する。
【0115】
この複数の磁気ヘッドサスペンションのそれぞれに対して有限要素法を用いて下記解析を行った。
具体的には、前記支持部固定位置をz方向及びサスペンション長手方向に沿ったx方向に関し拘束し且つ前記磁気ヘッドスライダ50のディスク対向面をz方向に関し拘束した状態で、前記支持部固定位置にサスペンション幅方向に沿ったy方向に強制振動(周期的な外力による定常振動:周波数100Hz〜30kHz)を与えて捩れ1次モードで振動させ、支持部固定位置に加える前記強制振動による変位量(もしくは加速度)」に対する前記磁気ヘッドスライダ50のサスペンション幅方向変位量(もしくは加速度)」の比を前記磁気ヘッドスライダ50のゲインとして求めた。
【0116】
そして、前記複数の磁気ヘッドサスペンションのうちでゲインが最小となる磁気ヘッドサスペンションを特定し、その磁気ヘッドサスペンションにおける設定高さZH(以下、最小ゲイン時の設定高さZH(min)という)を得た。
ゲインが最小ということは、磁気ヘッドサスペンションに捩れ1次モードの振動が生じたとしても前記磁気ヘッドスライダ50が目的トラックから変位する量が小さいことを意味する。
【0117】
この条件では、複数の磁気ヘッドサスペンションの中でゲインが最小となった磁気ヘッドサスペンションの設定高さZH(最小ゲイン時の設定高さZH(min))は−0.03mmであった。
この結果を、横軸をθ1とし且つ縦軸を最小ゲイン時の設定高さZH(min)とした図17のグラフにプロットした(図17のa1)。
【0118】
θ1を2degに変更して同様の解析を行った。
この条件では、最小ゲイン時の設定高さZH(min)は0.195mmであった。
この結果を図17にプロットした(図17のb1)。
【0119】
そして、a1及びb1を結んで、θ1と捩れ1次モードでのZH(min)との関係を表す直線ZH(min)/θs(T1)を得た(図17参照)。
前記直線ZH(min)/θs(T1)の関係を満たすθ1及びZHの組み合わせによれば、前記磁気ヘッドサスペンションB1に捩れ1次モードの振動が生じたとしても、その際の前記磁気ヘッドスライダ50の変位を最小とさせることができる。
【0120】
捩れ2次モードについても同様の解析を行った。
前記基本寸法を有しつつ、θ1を1deg、θ2を−6degに固定した条件においては、最小ゲイン時の設定高さZH(min)は0.595mmであった。
この結果を図17にプロットした(図17のa2)。
【0121】
θ1を2degに変更して同様の解析を行った。
この条件では、最小ゲイン時の設定高さZH(min)は0.520mmであった。
この結果を図17にプロットした(図17のb2)。
【0122】
そして、a2及びb2を結んで、θ1と捩れ2次モードでの最小ゲイン時の設定高さZH(min)との関係を表す直線ZH(min)/θs(T2)を得た(図17参照)。
前記直線ZH(min)/θs(T2)の関係を満たすθ1及びZHの組み合わせによれば、前記磁気ヘッドサスペンションB1に捩れ2次モードの振動が生じたとしても、その際の前記磁気ヘッドスライダ50の変位を最小とさせることができる。
【0123】
従って、前記直線ZH(min)/θs(T1)及び前記直線ZH(min)/θs(T2)の交点CPによって定まるθ1及びZHの組み合わせ(本解析においては、θ1=3.08deg、ZH=0.439mm)は、捩れ1次モード及び捩れ2次モードの双方においてゲインを最小化できることになる。
【0124】
ところで、前記設定高さZHは自由に設定できる数値ではなく、磁気ヘッドサスペンションが組み込まれるハードディスク装置の仕様に応じて決定されるべきものである。
従って、前記交点CPにおける設定高さZHがハードディスク装置の仕様に応じた設定高さ(以下、目標設定高さZH(O)という)となるように、前記交点CPの位置を変位させる調整作業がさらに必要となる。
【0125】
前記交点CPにおける設定高さZHを前記目標設定高さZH(O)に一致させることは、前記直線ZH(min)/θs(T1)及び前記直線ZH(min)/θs(T2)を図17において縦軸に沿って平行移動させることによって実現できる。
【0126】
そして、前記直線ZH(min)/θs(T1)及び前記直線ZH(min)/θs(T2)を図17において縦軸に沿って平行移動させることは、前記第3曲げ線BL3のサスペンション長手方向位置D3を変化させることによって実現できる。
【0127】
次に、この点について詳述する。
前記基本寸法を有しつつ、θ1を2deg、θ2を−6degに固定した状態で、前記第3曲げ線BL3での曲げ角度θ3を異ならせることにより、設定高さZHを異ならせた複数の磁気サスペンションを用意した。
【0128】
この複数の磁気ヘッドサスペンションのそれぞれに対して有限要素法を用いて下記解析を行った。
即ち、前記複数の磁気ヘッドサスペンションのそれぞれに対して強制振動を与えて捩れ1次モードで振動させ、ゲインが最小となる磁気ヘッドサスペンションを特定した。
その磁気ヘッドサスペンションの設定高さZH(最小ゲイン時の設定高さZH(min))は0.195mmであった。
この結果を、横軸をD3とし且つ縦軸を最小ゲイン時の設定高さZH(min)とした図18のグラフにプロットした(図18のc1)。
【0129】
D3のみを0.3mm(=0.048×L1)に変更して同様の解析を行った。
この条件では、最小ゲイン時の設定高さZH(min)は0.045mmであった。
この結果を図18にプロットした(図18のd1)。
【0130】
そして、c1及びd1を結んで、D3と捩れ1次モードでのZH(min)との関係を表す直線ZH(min)/D3(T1)を得た(図18参照)。
【0131】
この直線ZH(min)/D3(T1)から、捩れ1次モードでの最小ゲイン時の設定高さZH(min)を所定距離だけ大きく(又は小さく)する為には、第3曲げ線BL3をサスペンション長手方向先端側又は基端側の何れの方向へ且つどれだけ変位させれば良いかを知ることができる。
【0132】
例えば、図18に示す例において、捩れ1次モードでの最小ゲイン時の設定高さZH(min)を大きくするのであれば、D3を小さくすればよく(即ち、第3曲げ線BL3をサスペンション長手方向基端側へ移動させればよく)、その量は直線ZH(min)/D3(T1)の傾きによって得られる。
【0133】
捩れ2次モードについても同様の解析を行った。
前記基本寸法を有しつつ、θ1を2deg、θ2を−6degに固定した条件においては、最小ゲイン時の設定高さZH(min)は0.520mmであった。
この結果を図18にプロットした(図18のc2)。
【0134】
D3のみを0.3mm(=0.048×L1)に変更して同様の解析を行った。
この条件では、最小ゲイン時の設定高さZH(min)は0.445mmであった。
この結果を図18にプロットした(図18のd2)。
【0135】
そして、c2及びd2を結んで、D3と捩れ2次モードでのZH(min)との関係を表す直線ZH(min)/D3(T2)を得た(図18参照)。
【0136】
この直線ZH(min)/D3(T2)から、捩れ2次モードでの最小ゲイン時の設定高さZH(min)を所定距離だけ大きく(又は小さく)する為には、荷重曲げ線BL2をサスペンション長手方向先端側又は基端側の何れの方向へ且つどれだけ変位させれば良いかを知ることができる。
【0137】
このようにして得られた直線ZH(min)/D3(T1)及び直線ZH(min)/D3(T2)を用いることによって、図17における前記交点CPの設定高さZHが前記目標設定高さZH(O)となるように、前記交点CPの位置を移動させることができる。
【0138】
仮に、目標設定高さZH(O)を0.57mmに設定する。
前述の通り、図17における前記交点CPの設定高さZHは0.439mmであるから、図17に示された直線ZH(min)/θ1(T1)及び/又は直線ZH(min)/θ1(T2)を縦軸に沿って上方へ移動させることで、前記交点CPの設定高さZHを目標設定高さZH(O)の0.57mmに一致させることができる。
【0139】
そして、直線ZH(min)/θs(T1)及び/又は直線ZH(min)/θs(T2)を縦軸に沿って上方へ移動させる為には、D3を小さくすれば良い(図18参照)。
つまり、D3の数値を小さく、即ち、第3曲げ線BL3をサスペンション長手方向基端側へ移動させることによって、交点CPの設定高さZHを目標設定高さZH(O)の0.57mmへ近づけることができ、その移動すべき量は前記の2つの直線の傾きによって得ることができる。
本解析においては、D3を0.06mmにすれば、交点CPの設定高さZHが目標設定高さZH(O)の0.57mmに一致した。この際のθ1は2.73degであった。
【0140】
次に、このような調整作業によって設定されたθ1及びD3を有する磁気サスペンション100の振動特性についての解析を有限要素法を用いて行った。
【0141】
具体的には、D3を除き前記基本寸法を有しつつ、θ1が2.73deg、θ2が−6deg且つD3が0.06mmとされることで、捩れ1次モードのゲイン及び前記捩れ2次モードのゲインが最小化され且つ設定高さZHが目標設定高さZH(O)である0.57mmとされた磁気ヘッドサスペンションを用意し、この磁気ヘッドサスペンションに対して、前記支持部固定位置をz方向及びサスペンション長手方向に沿ったx方向に関し拘束し且つ前記磁気ヘッドスライダ50のディスク対向面をz方向に関し拘束した状態で、前記支持部固定位置にサスペンション幅方向に沿ったy方向に強制振動(周期的な外力による定常振動:周波数100Hz〜30kHz)を与え、支持部固定位置に加える前記強制振動による変位量(もしくは加速度)」に対する前記磁気ヘッドスライダ50のサスペンション幅方向変位量(もしくは加速度)」の比を前記磁気ヘッドスライダ50のゲインとして求めた。なお、θ3は前記磁気ヘッドスライダ50を前記ディスク面に押し付ける為の押し付け荷重を所定値に設定する為に適宜設定されるものである。本解析においては、前記押し付け荷重が2gfとなるようにθ3を設定している。
その結果を図19に示す。
【0142】
図19から、周波数7.22kHz付近で捩れ1次モードの共振が生じ、周波数16.3kHz付近で捩れ2次モードの共振が生じているが、これらの捩れ1次モード及び捩れ2次モードのゲインは最小化されていることが確認できる。
【0143】
一方、図19から、周波数19.9kHz付近に捩れ3次モードの共振が生じており、この捩れ3次モードでのゲインは16.2dBという大きな値となっている。
また、図19から、周波数25.0kHz付近にSwayモードの共振が生じており、このSwayモードでのゲインは43.1dBという大きな値となっている。
【0144】
そこで、捩れ3次モード及びSwayモードの振動に対して効果的な構成について検討する。
前述の通り、前記第1曲げ線BL1及び前記第3曲げ線BL3の設置位置並びに曲げ角度を調整することによって捩れ1次モード及び捩れ2次モードにおけるゲインの最小化を図っている。
従って、前記第1曲げ線BL1及び第3曲げ線BL3の設置位置並びに曲げ角度の調整によって、捩れ3次モード及びSwayモードに対する振動特性を向上させることはできず、これらの曲げ線以外の前記第2曲げ線BL2の設置位置及び/又は曲げ角度の調整によって、捩れ3次モード及びSwayモードに対する振動特性を向上させる必要がある。
【0145】
この点に関し、図19に示す解析において用いた磁気ヘッドサスペンションにおけるD2と捩れ3次モードにおけるゲインとの関係を図20にプロットした(図20のe1)。
また、図19に示す解析において用いた磁気ヘッドサスペンションにおけるD2とSwayモードの共振周波数との関係を図21にプロットした(図21のe1)。
【0146】
前記基本寸法に対してD2を0.637mm(=0.91×L2)に変更した磁気ヘッドサスペンションを用いて図17及び図18の解析を行った。
その結果、D2が0.637mm(=0.91×L2)の場合には、θ1を2.79deg、θ2を−6degとし、且つ、D3を0.21mm(=0.029×L2)とすれば、設定高さZHを目標設定高さZH(O)としつつ捩れ1次モード及び捩れ2次モードのゲインを最小化させることができた。なお、θ3は、前述の通り、前記磁気ヘッドスライダ50を前記ディスク面に押し付ける為の押し付け荷重を所定値に設定する為に適宜設定されるものである。本解析においては、前記押し付け荷重が2gfとなるようにθ3を設定している。
【0147】
この磁気ヘッドサスペンションに対して図19と同じ解析を行った結果、捩れ3次モードにおけるゲインは13.1dBで、Swayモードの共振周波数は24.88kHzであった。
その結果を、図20及び図21にそれぞれ示す(e2)。
【0148】
前記基本寸法に対してD2を0.7mm(=1.0×L2)に変更した磁気ヘッドサスペンションを用いて同様の解析を行った。
その結果を、図20及び図21にそれぞれ示す(e3)。
【0149】
前記基本寸法に対してD2を0.336mm(=0.48×L2)に変更した磁気ヘッドサスペンションを用いて同様の解析を行った。
その結果を、図20及び図21にそれぞれ示す(e4)。
【0150】
前記基本寸法に対してD2を0.434mm(=0.62×L2)に変更した磁気ヘッドサスペンションを用いて同様の解析を行った。
その結果を、図20及び図21にそれぞれ示す(e5)。
【0151】
さらに、e1〜e5の磁気ヘッドサスペンションにおいて、θ2を−6degから−4degに変更した磁気ヘッドサスペンションにおいても、同様の解析を行った。
その結果を、図20及び19に示す(f1〜f5)。
【0152】
図20から、前記第2曲げ線BL2での曲げ角度θ2の如何に拘わらず、前記第2曲げ線BL2をサスペンション長手方向先端側へ移動させて前記一対のフランジ部32の基端側エッジに近接させるに従って(即ち、D2を1.0×L2に近づけるに従って)、捩れ3次モードにおけるゲインを小さくできることが確認できる。
【0153】
又、図21から、Swayモードの共振周波数は、前記第2曲げ線BL2での曲げ角度θ2の如何に拘わらず、前記第2曲げ線BL2をサスペンション長手方向基端側から先端側へ移動させるに従って上昇し、D2が0.7×L2に達するとそれ以降は実質的に最上昇値に保持されることが確認できる。
即ち、図21から、0.7×L2≦D2とすると、Swayモードの共振周波数を最も上昇させ得ることが確認できる。
【0154】
以上の点から、前記第2曲げ線BL2の位置D2を0.7×L2≦D2≦1.0×L2に設定すれば、前記第2曲げ線BL2での曲げ加工容易化という効果を得つつ、Swayモードの共振周波数の上昇及び捩れ3次モードのゲインの低減を図ることができ、より好ましくは、D2=1.0×L2となるように前記第2曲げ線BL2を配置させることができる。
【0155】
次に、前記第2曲げ線BL2での(曲げ方向を含む)曲げ角度に関して行った解析について説明する。
前記実施例Bの基本寸法に対してD2を0.637mm(=0.91×L2)に変更し、且つ、前記第2曲げ線BL2での曲げ角度θ2を−6degとした磁気ヘッドサスペンションを用いて、図17及び図18の解析と同様の解析を行った。
なお、曲げ角度が「−(マイナス)」とは、ディスク面とは反対側に凸状になるように曲げられることを意味し、曲げ角度が「+(プラス)」とは、ディスク面に向かって凸状となるように曲げられることを意味する。
又、前記第3曲げ線BL3での曲げ角度θ3は、前述の通り、前記磁気ヘッドスライダ50を前記ディスク面に押し付ける為の押し付け荷重が所定値(本解析においては2gf)となるように設定した。本解析においては、θ3の曲げ角度は「−(マイナス)」の値であった。
【0156】
前記寸法においては、θ1を2.79degで且つD3を0.021mmとすれば、捩れ1次モード及び捩れ2次モードの双方のゲインを最小化させつつ、設定高さZHを目標設定高さZH(O)の0.57mmとすることができた。
この磁気ヘッドサスペンションに対して図19の解析と同様の解析を行って、捩れ3次モードのゲインを求めると、13.1dBであった。
その結果を横軸がθ2とされ且つ縦軸が捩れ3次モードのゲインとされた図22にプロットした(図22のg1)。
【0157】
θ2を−5degに変更して同様の解析を行った。
この場合には、θ1を2.73degで且つD3を0.094mmとすれば、捩れ1次モード及び捩れ2次モードの双方のゲインを最小化させつつ、設定高さZHを目標設定高さZH(O)の0.57mmとすることができ、その寸法を有する磁気ヘッドサスペンションの捩れ3次モードのゲインは16.5dBであった。その結果を図22にプロットした(図22のg2)。
【0158】
θ2を−4degに変更して同様の解析を行った。
この場合には、θ1を2.81degで且つD3を0.164mmとすれば、捩れ1次モード及び捩れ2次モードの双方のゲインを最小化させつつ、設定高さZHを目標設定高さZH(O)の0.57mmとすることができ、その寸法を有する磁気ヘッドサスペンションの捩れ3次モードのゲインは18.4dBであった。その結果を図22にプロットした(図22のg3)。
【0159】
θ2を−2degに変更して同様の解析を行った。
この場合には、θ1を2.60degで且つD3を0.273mmとすれば、捩れ1次モード及び捩れ2次モードの双方のゲインを最小化させつつ、設定高さZHを目標設定高さZH(O)の0.57mmとすることができ、その寸法を有する磁気ヘッドサスペンションの捩れ3次モードのゲインは19.7dBであった。その結果を図22にプロットした(図22のg4)。
【0160】
θ2を0degに変更して(即ち、前記第2曲げ線BL2での曲げが無い状態で)同様の解析を行った。
この場合には、θ1を2.51degで且つD3を0.316mmとすれば、捩れ1次モード及び捩れ2次モードの双方のゲインを最小化させつつ、設定高さZHを目標設定高さZH(O)の0.57mmとすることができ、その寸法を有する磁気ヘッドサスペンションの捩れ3次モードのゲインは20.7dBであった。その結果を図22にプロットした(図22のg5)。
【0161】
θ2を4degに変更して同様の解析を行った。
この場合には、θ1を2.56degで且つD3を0.364mmとすれば、捩れ1次モード及び捩れ2次モードの双方のゲインを最小化させつつ、設定高さZHを目標設定高さZH(O)の0.57mmとすることができ、その寸法を有する磁気ヘッドサスペンションの捩れ3次モードのゲインは21.1dBであった。その結果を図22にプロットした(図22のg6)。
【0162】
図22から、前記第1曲げ線BL1においては前記ディスク面に向かって凸状となるように曲げられ(即ち、先端側が前記ディスク面から離間するように曲げられ)且つ前記第3曲げ線BL3においては前記ディスク面とは反対側に向かって凸状となるように曲げられ(即ち、先端側が前記ディスク面に近接するように曲げられ)た磁気ヘッドサスペンションにおいては、前記第2曲げ線BL2での曲げ角度θ2をマイナス方向に大きくするに従って(即ち、先端側が前記ディスク面に近接する方向への曲げ角度を大きくするに従って)、捩れ3次モードのゲインを小さくできることが確認される。
【符号の説明】
【0163】
1A、1B、2A、2B、3A、4A 磁気ヘッドサスペンション
10 支持部
20 荷重曲げ部
21 板バネ
30、30(2)、30(3)、30(4) ロードビーム部
31 本体部
32 フランジ部
32a 先端側フランジ部
32b 基端側フランジ部
33 ディンプル
35 易曲げ構造
36 拡幅部
40 フレクシャ部
50 磁気ヘッドスライダ
60 制振材
415 ヘッド搭載領域
BL1 第1曲げ線
BL2 第2曲げ線
BL3 第3曲げ線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータによって直接又は間接的に揺動中心回りにディスク面に平行なシーク方向へ揺動される支持部と、基端部が前記支持部に支持され且つ磁気ヘッドスライダを前記ディスク面に向けて押し付ける押し付け荷重を発生する左右一対の板バネを含む荷重曲げ部と、前記一対の板バネを介して前記支持部に支持され且つ前記押し付け荷重を前記磁気ヘッドスライダに伝達するロードビーム部と、前記ロードビーム部及び前記支持部に支持され且つ先端側に前記磁気ヘッドスライダを支持するヘッド搭載領域を有するフレクシャ部とを備えた磁気ヘッドサスペンションであって、
前記ロードビーム部は、前記ディスク面と対向する平板状の本体部であって、前記ヘッド搭載領域における前記磁気ヘッドスライダを支持する支持面とは反対側の裏面に当接するように前記ディスク面に近接する方向へ突出されたディンプルが形成された本体部と、前記支持部の先端エッジ及び前記ディンプル間のサスペンション長手方向距離をL1とした場合に前記支持部の先端エッジから0.22×L1以内の基端領域よりサスペンション長手方向先端側の領域には少なくとも存在するように前記本体部のサスペンション幅方向両端から前記ディスク面とは反対側へ折り曲げられた左右一対のフランジ部とを有し、
前記ロードビーム部は前記支持部の先端エッジから0.4×L1以上で且つ0.6×L1以下の中央領域においてサスペンション幅方向に沿った第1曲げ線並びに前記第1曲げ線よりサスペンション長手方向基端側においてサスペンション幅方向に沿った第2曲げ線の2つの曲げ線回りに曲げられており、
前記一対の板バネは前記支持部に連結される基端エッジ及び前記ロードビーム部に連結される先端エッジの間においてサスペンション幅方向に沿った第3曲げ線回りに曲げられており、
前記第2曲げ線は前記ロードビーム部の前記基端領域内に位置されており、前記第2曲げ線が位置する部分には前記一対のフランジ部が存在しないことを特徴とする磁気ヘッドサスペンション。
【請求項2】
前記ロードビーム部は、前記基端領域には前記一対のフランジ部を有さないことを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘッドサスペンション。
【請求項3】
前記ロードビーム部は、前記第2曲げ線よりサスペンション長手方向基端側において前記本体部からサスペンション幅方向外方へ延びる左右一対の拡幅部を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気ヘッドサスペンション。
【請求項4】
前記一対のフランジ部は、前記基端領域よりサスペンション長手方向先端側の領域に設けられた先端側フランジと、前記第2曲げ線よりサスペンション長手方向基端側の領域に設けられた基端側フランジとを含むことを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘッドサスペンション。
【請求項5】
前記本体部には、前記第2曲げ線上に易曲げ構造が設けられていることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の磁気ヘッドサスペンション。
【請求項6】
前記本体部における前記ディスク面とは反対側の面には制振材が固着されており、
前記制振材は前記第1曲げ線よりサスペンション長手方向基端側の位置から前記第2曲げ線よりサスペンション長手方向基端側の位置まで延びていることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の磁気ヘッドサスペンション。
【請求項7】
前記支持部の先端エッジ及び前記一対のフランジ部の基端エッジ間のサスペンション長手方向距離をL2とし且つ前記支持部の先端エッジ及び前記第2曲げ線間のサスペンション長手方向距離をD2とした場合に、0.7×L2≦D2≦1.0×L2となるように前記第2曲げ線が配置されていることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の磁気ヘッドサスペンション。
【請求項8】
D2=L2となるように前記第2曲げ線が配置されていることを特徴とする請求項7に記載の磁気ヘッドサスペンション。
【請求項9】
前記本体部のうち前記第2曲げ線とサスペンション長手方向に関し同一位置に位置する部分が前記フレクシャ部と重合する重合部分及び前記フレクシャ部とは重合しない非重合部分を有するように、前記フレクシャ部及び前記本体部が重合されており、
前記重合部分には前記ディスク面と直交する方向に貫通する貫通孔が設けられて、前記非重合部分にのみ前記第2曲げ線が設けられていることを特徴とする請求項1から8の何れかに記載の磁気ヘッドサスペンション。
【請求項10】
前記第1曲げ線BL1においては前記ディスク面に向かって凸状となるように曲げられ、前記第2曲げ線BL2及び前記第3曲げ線においては前記ディスク面とは反対側に凸状となるように曲げられていることを特徴とする請求項1から9の何れかに記載の磁気ヘッドサスペンション。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−216270(P2012−216270A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166828(P2011−166828)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000175722)サンコール株式会社 (96)
【Fターム(参考)】