説明

磁気共鳴イメージング装置及び磁気共鳴イメージング方法

【課題】画質を向上することができる磁気共鳴イメージング装置及び磁気共鳴イメージング方法を提供すること。
【解決手段】実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置は、パルスシーケンスの実行を制御するシーケンス制御部を備える。前記シーケンス制御部は、脂肪プロトンをデカップリングするためのデカップリングRF(Radio Frequency)パルスを少なくともひとつ含むシミング用のパルスシーケンスを、診断画像用のデータを収集するパルスシーケンスに先行して実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、磁気共鳴イメージング装置及び磁気共鳴イメージング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、磁気共鳴イメージングの手法のひとつとして、脂肪が抑制された診断画像を得る目的で、脂肪信号を抑制する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5757188号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、画質を向上することができる磁気共鳴イメージング装置及び磁気共鳴イメージング方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置は、パルスシーケンスの実行を制御するシーケンス制御部を備える。前記シーケンス制御部は、脂肪プロトンをデカップリングするためのデカップリングRF(Radio Frequency)パルスを少なくともひとつ含むシミング用のパルスシーケンスを、診断画像用のデータを収集するパルスシーケンスに先行して実行する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、本実施形態に係るMRIシステムの構成を示す図。
【図2A】図2Aは、本実施形態における脂肪の分子構造の一例を示す図。
【図2B】図2Bは、本実施形態において脂肪プロトンがカップリングした場合のスペクトルの一例を示す図。
【図3】図3は、本実施形態における左右胸部組織のスペクトルの一例を示す図。
【図4】図4は、本実施形態におけるデカップリングRFパルスの印加を説明するための図。
【図5】図5は、本実施形態における閾値処理を説明するための図。
【図6】図6は、本実施形態における処理手順を示す図。
【図7】図7は、本実施形態におけるシミング用プレシーケンスの繰り返しを説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しながら、実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置(以下、適宜「MRI(Magnetic Resonance Imaging)システム」)及び磁気共鳴イメージング方法を説明する。
【0008】
図1は、本実施形態に係るMRIシステム100の構成を示す。図1に示すMRIシステム100は、架台10(概略的に断面図で示す)、及び、架台10と接続される種々の関連システム構成要素20を備える。通常、少なくとも架台10は、シールドルームに設置される。図1に示すMRIシステム100の結合構造には、静磁場磁石12と、G、G、G傾斜磁場コイルセット14と、ホールボディRFコイル(WBC(Whole Body RF Coil)16とを含む、1つの実質的に同軸で円筒形の構造体が含まれている。これらの構成要素から成るこの円筒形の配列体の水平軸沿いに、被検体テーブル11に支持された被検体9の頭部を実質的に包囲するものとして示される、イメージングボリューム18がある。RFコイルアレイ(AC(Array RF Coil))19は、イメージングボリューム18内において、被検体の頭部に近接して組み合わされる。自明であるように、ホールボディコイルに比べてより小さなコイルや表面コイル(surface coil)のようなアレイコイルは、特定の部位(例えば、腕、肩、肘、手首、膝、足、胸、背骨等)に応じてカスタマイズされる。このような小さなRFコイルのことを、ここではアレイコイルと称する。
【0009】
MRIシステム制御部22は、表示部24、キーボード/マウス26、及びプリンタ28に接続される入出力ポートを有する。自明であるように、表示部24は、制御入力の機能も果たすように、タッチスクリーンの類であってもかまわない。
【0010】
MRIシステム制御部22は、MRIシーケンス制御部30に接続する。MRIシーケンス制御部30は、G、G、G傾斜磁場コイルドライバ32を制御し、更には、RF送信部34及び(送信及び受信のどちらにも同じRFコイルが使用される場合に)送受信スイッチ36を制御する。MRIシーケンス制御部30は、プレパルスシーケンス、及び診断画像データ収集用のパルスシーケンスを実行するために適切なプログラムコード構造を含む(例えば、プレパルスシーケンスは、相対的に低分解能のプリスキャン画像の収集を含む。このプリスキャン画像は、『シミング』調整に用いられるMRI信号の強度マップを提供する。シミング調整は、後続の、MRIシーケンス制御部30のレパートリーとして既に利用可能な他の(例えば、従来型の診断用の)MRIシーケンスのために行われる)。本実施形態において、被検体のシミングプレパルスシーケンス(以下、適宜「シミング用プレシーケンス」)は、ROI(Region Of Interest)の脂肪プロトンをデカップリングするために印加される、少なくともひとつのデカップリングRFパルスを含むように設計される。また、このことは、脂肪抑制技術を採用する後続の診断用のMRIデータ収集シーケンス(以下、適宜「診断画像データ収集用シーケンス」)において、より効果的な脂肪の分離をもたらす。
【0011】
MRIシステム100は、受信部40を備えているが、これは、表示部24に送る処理済み画像データを生成するため、MRIデータ処理部42に入力を提供するものである。MRIデータ処理部42は、更に、診断用の関心領域のイメージングボリュームに対して事前収集されたシミングデータにアクセスできるように、また、画像再構成プログラムコード構造44、及び、MAP、そして、(例えば、例示的な実施形態及び画像再構成プログラムコード構造44に従った処理から導かれるMR画像データを記録するための)MR画像記憶部46にもアクセスできるように構成されている。
【0012】
MRIシステム100の動作を制御するためのプログラムコード構造が格納されるプログラム/データ格納部50も、一般化した形で図1に示している。そういったプログラムコード構造(例えば、事前のシミング用プレシーケンス中のデカップリング脂肪プロトンによる強調されたfat-freeMRI、オペレータの入力等)は、MRIシステムの種々のデータ処理コンポーネントにとってアクセス可能な、コンピュータ可読記録媒体に記録される。当業者には自明であるが、プログラム/データ格納部50を細分化し、少なくともその一部分を、MRIシステム100の諸々の処理コンピュータのうちの異なる処理コンピュータであって、通常の動作においてプログラムコード構造を最も早急に必要とするものに直接接続することができる(即ち、共有した形で記録し、MRIシステム制御部22に直接接続するのではない)。
【0013】
実際、当業者には自明であるが、図1は、簡易化して表示した典型的MRIシステム100の非常に高度な略図であり、後述する例示的な実施形態を具現化すべく、若干の改変が加えられている。MRIシステム100のコンポーネントは、「箱」の形をした様々な論理処理に分割することができる。典型的には、DSP(Digital Signal Processor)、マイクロプロセッサ、特定用途処理回路(例えば、高速A/D変換、高速フーリエ変換、アレイ処理等のための)を数多く備える。これらのプロセッサの各々は、典型的にはクロック制御式の「ステートマシーン」であり、それらの物理的データ処理回路は、各クロックサイクル(又は予め定められた数のクロックサイクル)が起こると直ぐに、ある物理的状態から別の物理的状態に進行する。
【0014】
処理回路(例えば、CPU(Central Processing Unit)、レジスタ、バッファ、演算ユニット等)の物理的状態が、動作中に、1つのクロックサイクルから別のクロックサイクルに前進的に変化するだけでなく、関連のデータ記録媒体(例えば、磁気記録媒体のビット記録部位)の物理的状態も、かかるシステムの動作中に、1つの状態から別の状態に移される。例えば、B1強度が収集されるイメージングの再構成プロセスの終了時に、物理的記録媒体内のアレイ状のコンピュータ可読アクセス可能データ値記録部位(例えば、画素値の多数桁バイナリ表現)は、何らかの前の状態(例えば、全てが一様に「0」値又は全てが「1」値)から新しい状態に移されることになるであろう。この場合、かかるアレイの物理的部位の物理的状態(例えば画素値の)は、現実の物理的事象及び状態(例えば、画像化されたボリューム空間全体にわたる患者の諸組織)を反映して、最小値と最大値との間のまちまちの値になっている。当業者には自明であるが、かかるアレイ状の記録データ値は、物理的構造を表すものであり、更にはそれを構成する。これは、命令レジスタへの書き込みと、MRIシステム100の1つ又は複数のCPUによる実行が逐次的に行われたときに、特定の動作状態のシーケンスを生成し、それをMRIシステム100内部で遷移させる特定の構造のコンピュータ制御プログラムコードの場合と同様である。
【0015】
以下に説明する例示的な実施形態は、MRIデータの収集や、MR画像の生成、表示の処理に関して、改良された方法を提供する。なお、以下の説明において、「脂肪信号のピーク」は、例えば、「共鳴脂肪ピーク」等とも称される。また、「診断画像用データ収集シーケンス」は、「診断MRIデータ収集シーケンス」や、「MRIデータ収集シーケンス」、「診断シーケンス」等とも称される。
【0016】
多くの脂肪抑制技術が知られている。設計されたMRIパルスシーケンスは、水(H2O)を含む組織から生じたNMR(Nuclear Magnetic Resonance)信号に比較して、水素含有の脂肪(主に、CH2)からのNMR信号を抑制する。
【0017】
脂肪抑制シーケンスとして、CHESS(CHEsmical Shift Selective)、STIR(Short TI(inversion time) Recovery)、SPIR(SPectral-selective Inversion Recovery)、PASTA(Polarity Alternated Spectral and spatial Acquisition)、SPAIR(SPectral-selective Adiabatic Inversion Recovery)、Dixon−based(逆位相(opposed-phase)の脂肪若しくは水のNMR信号に基づき、ピクセルレベルで画像を減算/加算することで、『水』や『脂肪』の画像を生成する)、DFS(Double Fat Suppression)WFOP(water-fat-opposed phase)等が知られている。WFOPの技術は、CHESS(SPIR若しくはSPAIR)及びDixonタイプのシーケンスの両方を用いて、脂肪信号を、飽和状態(aliphatic(脂肪族))(脂肪全体の90%以上)及び不飽和状態(olefinic(オレフィン))(脂肪全体の10%以下)にする。
【0018】
周波数選択脂肪抑制技術(例えば、CHESS、SPIR、PASTA、DFS)には、静磁場B0や高周波磁場B1の不均一性の影響を受け易い、体の形や組織、例えば、骨や空気の磁化率(susceptibility effects)等に起因して核種のピークの共振周波数が分散する、周波数選択RFパルスに起因する不完全なTI(脂肪信号をキャンセルするための反転時間)、といった課題がある。例えば、磁化率に起因して、脂肪の共振周波数のピークは、時折、期待される(expected)ピーク(水から−3.5ppm)からずれる(shift off)。それ故、期待される共鳴周波数(オンレゾナンス(on-resonance))で脂肪が抑制されたとしても、期待されない(unexpected)、若しくは望まれない(unwanted)共鳴周波数(オフレゾナンス(off-resonance))の脂肪のピークが残ってしまう。更に、自然分子や原子核が隣り合うプロトンとカップリング(結合)することに起因して脂肪のピークが生じ(例えば、J-coupling)、複数の異なる脂肪共鳴周波数のピークが生じる結果となる。
【0019】
周波数選択脂肪抑制法が用いられる場合、望まれないオフレゾナンスは、できれば対処されるべきである。例えば、シミング領域内で複数のH1がカップリングした脂肪信号のスペクトルは、どのピークが、期待されるオンレゾナンスな脂肪信号(水から−3.5ppm)であるかを選択させるパズルを、オペレータに提供するようなものである。これは、複数のプロトンの隣接するプロトンとのカップリング(J-coupling)や、異なる位置のプロトンの磁化のずれをもたらすはずである。多くの脂肪のピークの重畳は、脂肪信号の複合体の効果的な中心ピークを見分けることを困難にしている。
【0020】
以下に説明する例示的な実施形態は、ROIのシミングスペクトルを収集する前に脂肪信号の複合体をデカップリングすることで、仮に、ROI内の水、空気、組織等の磁化率のオフセットに起因するいくつかの複合体は残ったとしても、脂肪信号の複合体を単純化する。
【0021】
不完全な望まれない化学シフト(例えば、磁化率の違いによって引き起こされたもの)の課題を解決するために、以下に説明する例示的な実施形態は用いられる。例えば、シミングスペクトルを得るためのプレシーケンスにおいて、水信号と、デカップリングされた脂肪信号とを見つけることは簡単である。被検体のシミングデータの収集直前のデカップリングプロセスは、概ね、唯一の水のピークと唯一の脂肪のピーク(すなわち、隣接するプロトンからデカップリングされた脂肪信号を伴う)とを、少なくとも関心対象の組織について提供する。デカップリングプロセスは、通常の脂肪抑制のMRIデータ収集シーケンス(例えば、T1W、T2W、PD等)の前に、できればシミング領域毎に1回実行されることが望ましい。例示的な実施形態は、シミングプロセスのプレシーケンスを変更する。
【0022】
シミングプロセスは、脂肪抑制MRIデータ収集シーケンス診断スキャンのためのパラメータの設定が関連している。この結果、脂肪のプロトンと水のプロトンとの間で異なる、効果的若しくは平均的な中心周波数を、より正確に決定することができる。すなわち、水、空気、組織等に起因する磁化率のオフセットを考慮に入れる。
【0023】
脂肪プロトン信号をデカップリングするために(すなわち、画像化される、プロトンのNMRスペクトルにおいて唯一の周波数の脂肪のピークが見つかるように)、1つ若しくは複数のRFデカップリングパルスを、被検体のシミングプレスキャンの間に適用することができる。例えば、特定のROIのための被検体のシミングスペクトルを収集するために用いられる通常のアルファRFパルス(nutation pulse)の前に、適用することができる。スペクトル信号応答の大きさは、ROIの中の脂肪と水の信号の量の関係を示す。水と脂肪の逆位相を用いた技術において、望まれないオフレゾナンスの脂肪ピークを抑制するために、SPIR、SPAIR、DFSが、所望のメインの共鳴脂肪ピークを抑制するために適用される。逆位相のMRIデータ収集シーケンス技術によって、オフレゾナンス望まれない脂肪ピークは、水の信号からキャンセルされることができる。例えば、被検体のシミングスペクトルに現れる、望まれないオフレゾナンス脂肪ピークを抑制するために、シミングアルファパルスの後に、通常期待される、メインのオフレゾナンスの脂肪ピーク(水から−3.5ppm、通常の、若しくは期待されるオンレゾナンス脂肪ピーク)が検出され、続く脂肪抑制収集シーケンスの中で用いられるタウ時間(例えば、TI)が、シーケンスに適応するように、公知技術にしたがって自動的に計算されることができる。
【0024】
期待されないオフレゾナンス脂肪ピークを発見し、対処するために、シミングスペクトルは、(脂肪ピークを示すために)閾値処理され、また、調整される(例えば、最適な平均脂肪ピーク周波数を見つけるために、カーブフィッティング処理を用いることができる)。脂肪プロトンをデカップルするために、1つ若しくは複数のデカップリングRFパルスを、被検体のシミングシーケンスの中で適用することができ、それによって、カーブフィットされる脂肪ピークスペクトルをシンプルにし、その後、適切な脂肪抑制診断シーケンスによって対処される。適切な計算されたタウ時間(例えば、TI)や、スペクトルで選択されたRFパルスは、決定され、続く、逆位相、若しくは、他の所望のタイプの脂肪抑制診断MRIデータ収集シーケンスで、適用される。
【0025】
例えば、PASTA逆位相技術においては、スペクトル的選択的な水の励起パルスは、望まれない脂肪信号もまた、照射するかもしれない。ここで、単純化された(デカップルされた)脂肪スペクトルが手元にあれば、脂肪ピークは、計算されることができ、続くMRIデータ収集シーケンスの中の新しいタウ時間を適用することができる(例えば、脂肪信号をキャンセルするために、逆位相の望まれない脂肪信号を生成する)。PASTA励起の後、望まれない脂肪信号が依然として残っていたとしても、公知技術として知られる、Dixonタイプの逆位相技術(例えば、Dixonタイプの非対称のSE(Spin Echo)収集シーケンス)によって、これらをキャンセルすることができる。
【0026】
シミングプリスキャン手順で用いられるデカップリングRFパルスは、公知技術として知られる、適切な周波数、持続時間、帯域等の単純な連続波のRFパルスで実現できる。一般に、それらは、C13スペクトルにデカップルされたH1のように、異種のスピンのプロトンのデカップリングに対して、設計され、用いられる。ここで、脂肪が多い、連鎖構造のプロトンは、連続するRF波のパルスによって、デカップルすることができる。
【0027】
当業者であれば分かるように、診断MRIデータ収集において、他の核との区別を改善するために、プロトン共鳴を積極的にデカップリングするために設計された、プロトンデカップリングシーケンスが知られている。本実施形態は、この知られたデカップリングシーケンスのいずれかを用いることを考えるが、ここでは、被検体のROIのシミング用のプレシーケンスの一部として行う。
【0028】
脂肪共鳴ピークの不均質を弱めるために(なぜならば、特に、1つの水のピークと1つの脂肪ピークとを結果的にもたらす場合、水の観察を簡単にし、且つ、脂肪信号をデカップリングする)、脂肪プロトン信号のデカップリング(例えば、1つの脂肪ピークの生成)、すなわち1つ若しくは複数のRFデカップリングパルスは、診断スキャンの前のROIシミングプロセスにおいて適用される(例えば、シミングスペクトルを収集するために用いられるアルファRFパルス(nutation pulse)の前に)。これは、水のスペクトル(例えば、1ピーク)及び脂肪のスペクトル(例えば、1ピーク)をシンプルにする。
【0029】
本実施形態においては、オフレゾナンス脂肪信号(メインの脂肪信号(水信号のピークから典型的には−3.5ppmの位置に存在する)からのオフレゾナンス脂肪信号)を含む、全ての望まれない脂肪信号を抑制するために、以下の(i)〜(iii)がある。
【0030】
(i)水−脂肪の逆位相技術(water-fat opposed techniques)(例えば、SPIR、SPAIR、DFS)の適用により、診断画像用データ収集シーケンスは、メインの脂肪信号を抑制することができる。オフレゾナンスな望まれない脂肪ピークもまた、公知の逆位相技術を用いることで、水信号から相殺される。
【0031】
(ii)対処されるべきメインのオフレゾナンスな脂肪信号のピークが、デカップリングされたH1の被検体のROIのシミングの後に検出される。このメインのオフレゾナンスな脂肪信号のピークとは、例えば、所望の水信号のピークに最も近い位置に存在し、水信号と、オンレゾナンス(若しくは水信号から−3.5ppmのメインの脂肪信号のピーク)との間に存在する脂肪信号のピークである。そして、続く診断画像用データ収集シーケンスの中で用いられるタウ時間(例えば、TI(Inversion Time))が、より良く脂肪信号を打ち消すことができるよう、診断画像用データ収集シーケンスに適応するように、自動的に算出される。
【0032】
(iii)オフレゾナンスな脂肪信号のピークをみつけるために、デカップリングされた(そして単純化された)シミングスペクトルは、全ての望まれない脂肪信号のピークのベストな平均の共鳴周波数をみつけるために、(ピークの高さと閾値とを比較することによる)閾値処理及び従来型のカーブフィッティングによって調整される。
【0033】
プレスキャンシミング手順の中の、1つ又は複数のデカップリングパルスを伴うシミングは、効果的なメインの脂肪信号のピークの周波数の良い見積りの効果をもたらすことができる。シミングスペクトルの結果は、何らかの単純なピークを持つ。望ましくは、1つの水信号のピーク、及び、望ましくは、1つの脂肪信号のピークのように。しかしながら、そこには、オフレゾナンスとなるいくつかの脂肪信号のピークを、メインの脂肪信号のピーク(すなわち、水信号のピークから−3.5ppmと期待される)からシフトさせる磁化の影響が存在する。この場合、いくつかの技術を、脂肪抑制のために用いることができる。
【0034】
(i)複数の周波数選択パルス(DFSのような)を、異なる周波数励起に適用することができる。
【0035】
(ii)Dixonのような逆位相型の収集シーケンスの組合せを利用することができる。この場合、メインの脂肪信号のピークが周波数選択パルスによって抑制され、他の置き換えられた脂肪信号のピーク(例えば、第2の脂肪信号のピーク)が、SE(spin Echo)型の診断画像用データ収集シーケンスを用いた場合に逆位相技術によって抑制される。
【0036】
例示的な実施形態は、周波数選択の手法を採ることで、脂肪抑制において、より高いロバスト性を提供する。例示的な実施形態は、例えば、次の通りである。
・脂肪信号のスペクトルのカップリングを解消するために、ひとつ若しくは複数のデカップリングパルスを伴うシミングを用いる。
・(磁化率の影響によって分裂した)脂肪信号のピークの周波数を特定する。
・オフレゾナンスな脂肪信号のピークを特定し、第2の周波数選択パルスを適用する、若しくは、SE系の診断画像用データ収集シーケンスにおいて、逆位相(opposed-phase)パルスを適用する。
・望まれない脂肪信号のピークを特定するために、シミング調整を用いて、適切な閾値を決定する。
・望まれない脂肪信号のピーク(ひとつ又は複数)を特定した後に、適切に調整されたタウ時間を(例えば、従来型のカーブフィッティング技術によって)提供する。タウ時間は、SE系のシーケンスに適応させるために、逆位相収集シーケンスの中で用いる。
・いくつかのケースにおいて、第2のデカップリングパルスが、より周波数プロファイルをシャープにするために用いられてもよい。必ずしも水信号に影響を与えるとは限らないが。
【0037】
以下、図2〜図5を説明する。図2Aは、典型的な脂肪分子構造の部分的な概略を示す。図2Bは、『通常』のシミング用のプレシーケンスで得られ、脂肪信号の共鳴周波数がカップリングしているROIのスペクトルの表示例を示す。図3は、『通常』のシミング用のプレシーケンスで得られ、脂肪信号の共鳴周波数がカップリングしているROIのスペクトルであって空間的に分離している(例えば、左右の胸部組織)スペクトルの表示例を示す。図4は、『通常』のシミング用のプレシーケンス、若しくは、デカップリングRFパルスを含むシミング用のプレシーケンス、並びに、これらに続く、脂肪抑制型のMRIデータ収集シーケンスの概略を示す。図5は、右の胸部組織及び左の胸部組織について、デカップリングされて単純化された、脂肪信号の共鳴周波数の単一のピークを示す。
【0038】
図2Aに示す部分的な分子構造は、2つのプロトンHbにカップリングされた脂肪のプロトンHaを示す。このようなカップリングは、図2Bに示すように、シミングレスポンスのスペクトルにおいて、脂肪の3つ子(triplet)NMR信号レスポンスをもたらす。
【0039】
すなわち、図4上部に示すように、脂肪のプロトンがカップリングしたままの『通常』の被検体シミングプレシーケンスプロセスにおいて、章動パルスαの後に収集された、リードアウトRFシミングデータの結果であるスペクトルレスポンスは、図2Bに示されるように、脂肪の3つ子NMRレスポンスを引き起こす。水のピークから−3.5ppmの位置に所望されるメインの脂肪信号のピークは、このように、両側に1つずつ、2つの小さなピークを伴っている。右の胸部組織の信号と左の胸部組織の信号とが重畳される典型的なアプリケーションにおいて、この状況は、図3に示すように、なおさら複雑になるおそれがある。
【0040】
NMRレスポンスと比較する目的で、調整可能な閾値を用いることができる。この比較は、デカップリングされた脂肪信号のピークを取り出すために、そして、デカップリングされた各脂肪信号のピーク(仮に、先のシミングスペクトルが『通常』の手法で収集された場合は、カップリングされた各脂肪信号のピーク)の概算の周波数を求めるために行われる。(例えば、閾値処理やカーブフィッティング技術による調整によって、デカップリングされて単純化された脂肪信号のピークの平均が求められ、スペクトルの幅が推定されることで、)NMRレスポンスのピークが周波数スペクトルにおいてひとたび識別されると、続く脂肪抑制MRIデータ収集シーケンスにおいて、複数の脂肪信号のピークをより良く補償するために、適切な調整が行われる。
【0041】
(右の胸部組織及び左の胸部組織のように)空間的に離れた位置の2つの関連する信号のソースがある場合、図3に示すように、かなり複雑なスペクトルが、結果としてもたらされる。しかしながら、ひとたび、(図4下部に示すように)脂肪のデカップリングRFパルスが印加されれば、このスペクトルは、図5に示すように、より単純になる。ここで、脂肪信号のピークのスペクトルを単純化することによって、続く脂肪抑制MRIデータ収集シーケンスで用いられる、適切なTI間隔(若しくは、スペクトル的に選択されるRFパルス)の計算は、より単純になる。スペクトルにおける脂肪レスポンスピークの閾値調整/決定と同様である。
【0042】
図6は、本実施形態における脂肪抑制MRIシーケンスのサブルーチン(sub-routine)を示し、図1に示すMRIシステム100によって実行可能なプログラムコード構造を示す。まず、通常と同様、ROI、シーケンス、及びパラメータの選択や、その他の所望の設定、初期化のための手順等が実行される(ステップS01)。
【0043】
続いて、MRIシーケンス制御部30が、ステップS01で設定されたROIを対象にシミング用のプレシーケンスを実行する(ステップS02)。このシミング用のプレシーケンスには、脂肪信号のピークをデカップリングするためのデカップリングRFパルスの印加が含まれる。この結果、図5に示すように、単純化された周波数スペクトルが表示される。
【0044】
次に、例えば、MRIデータ処理部42が、調整された閾値処理やカーブフィッティングによって、デカップリングされることで単純化された脂肪信号のピークの周波数(単数若しくは複数)を識別する(ステップS03)。例えば、MRIデータ処理部42は、ピークの振幅(単数若しくは複数)と、調整された閾値とを比較することで、周波数スペクトルにおける、脂肪信号のピークの数及び位置を決定する。その後、例えば、MRIデータ処理部42は、適切なカーブフィッティングを行うことで、最も適合する平均的な脂肪信号のピーク値をみつける。例えば、MRIデータ処理部42は、続く診断画像用データ収集スキャンにおいて、単一のTI時間が望まれ、必要とされる場合に、これらの処理を行う。すなわち、デカップリングRFパルスを含むシミング用のプレシーケンスの実行により脂肪信号のピークが単純化された場合であっても、依然として、複数のピークが観察されたり、明確でないピークが観察されたりすること等が起こり得る。このため、本実施形態においては、MRIデータ処理部42が、図5に示すように、まず、ピークの高さと閾値とを比較することで候補となるピークを絞り込み、続いて、カーブフィッティングによってピークの形を整えることで、最適な脂肪信号のピークをみつける。
【0045】
続いて、MRIデータ処理部42は、適切なTIや、周波数選択RFパルスのRF帯域のパラメータ値を算出する(ステップS04)。自明であるように、異なる脂肪信号のピークに適合するように、異なるTIや周波数選択RFパルスが算出される。そして、MRIシーケンス制御部30が、ステップS04で算出されたパラメータ値を用いて、続く診断画像用データ収集シーケンス(脂肪抑制シーケンス)を実行し、収集したMRIデータを格納する(ステップS05)。このROIのMRIデータは、対象組織の画像データ(fat-free image)を生成するために用いられる。画像データは、格納若しくは表示される。
【0046】
以下、上述した実施形態を改めて説明する。まず、上述した実施形態において、『シミング』とは、広義に解釈することができ、例えば、磁場(例えば、静磁場、傾斜磁場、RF磁場等)の不均一性を補正するためのデータ収集を指す場合や、励起パルスの中心周波数を求めるためのデータ収集を指す場合、その他、両方のデータ収集を含む場合や、その他のデータ収集を指す場合、含む場合等がある。
【0047】
例えば、シミング用プレシーケンスにおいて、まず、磁場の不均一性を補正するためのデータが収集され、収集されたデータに基づいて、磁場の補正量(以下、オフセット磁場)が算出される。次に、この算出されたオフセット磁場に応じて電流値が算出され、算出された電流値が補正コイル(図示を省略)に流される(オフセット磁場が印加される)。更に、このオフセット磁場が印加された状態で、すなわち、磁場が均一に補正された状態で、励起パルスの中心周波数を求めるためのデータ(以下、周波数スペクトラム)が収集される。収集された周波数スペクトラムは、例えば、表示部24に表示され、オペレータが、表示された周波数スペクトラム上で、水信号や脂肪信号の中心周波数を特定する。また、例えば、自動的に、周波数スペクトラムから中心周波数が算出される。
【0048】
ここで、上述した実施形態に係るMRIシーケンス制御部30は、例えば、デカップリングRFパルスを印加したシミング用プレシーケンスを実行し、脂肪信号のピークがある程度単純化された周波数スペクトラムを収集する。「ある程度」と述べたのは、デカップリングRFパルスの印加によって、脂肪信号のピークが1つに特定できる場合もあるが、依然として複数のピークが観察されたり、明確でないピークが観察されたりすること等が起こり得るからである。1つに特定できた場合、MRIシステム100は、このピークに基づいて、例えば脂肪信号の共鳴周波数を特定し、これを、後続する診断画像用データ収集シーケンスで用いればよい。また、1つに特定できなかった場合、MRIシステム100は、上述したように、例えば閾値処理やカーブフィッティング技術を用いて、最適な脂肪信号の共鳴周波数を特定し、これを、後続する診断画像用データ収集シーケンスで用いればよい。
【0049】
また、上述した実施形態に係るMRIシーケンス制御部30は、シミング用プレシーケンスを複数回実行してもよい。この例について説明する。まず、シミング用プレシーケンスにおいて、例えば、少なくとも2つのTE(エコー時間(Time to Echo))データが収集される場合がある。収集されたTEデータからは、磁場の不均一性を補正するためのフィールドマップが生成される。ここで、水プロトンの共鳴周波数と脂肪プロトンの共鳴周波数とは、3.5ppm異なる。この共鳴周波数の差は、1.5Tでは224Hz(1秒間に224回転)の差となる。すなわち、1/224秒(4.4msec)の半分の2.2msec毎に、水プロトンの磁化ベクトルと脂肪プロトンの磁化ベクトルとは、同一位相になったり、逆位相になったりする。この同一位相の画像を「in phase画像」と呼び、逆位相の画像を「out of phase画像」と呼ぶ。例えば、収集されたTEデータから、この「in phase画像」や「out of phase画像」が生成される。
【0050】
そこで、例えば、MRIシーケンス制御部30は、デカップリングRFパルスを印加した1回目のシミング用プレシーケンスを実行し、脂肪信号のピークがある程度単純化された周波数スペクトラムを1回収集する。そして、MRIシステム100は、収集した周波数スペクトラムに基づいて脂肪信号の中心周波数を特定し、この特定した中心周波数に基づいて、TEデータを収集するためのタウ時間を算出する。次に、MRIシステム100は、算出したタウ時間を用いて、2回目のシミング用プレシーケンスを実行し、TEデータを収集する。
【0051】
図7は、本実施形態におけるシミング用プレシーケンスの繰り返しを説明するための図である。図7において、「パルスα」は、シミング用データ(例えば、オフセット磁場を算出するためのデータ、周波数スペクトラム、TEデータ等)を収集するための励起パルスである。図7に示すように、各シミング用プレシーケンスにおいては、まず、デカップリングRFパルスが印加され、続いて、シミング用データを収集するためのシーケンスが実行される。図7においては、シミング用プレシーケンスが2回繰り返される例を示す。例えば、1回目では、少なくとも周波数スペクトラムが収集され、1回目と2回目との間で、収集された周波数スペクトラムから、タウ時間が算出される。そして、2回目では、算出されたタウ時間に従って、TEデータが収集される。
【0052】
また、図7に示す例では、2回目のシミング用プレシーケンスにおいても、デカップリングRFパルスを印加する。このため、2回目のシミング用プレシーケンスにて再び周波数スペクトラムを収集し、ここで収集した周波数スペクトラムに基づいて、後続する診断画像用データ収集シーケンスで用いるための中心周波数を特定してもよい。
【0053】
この例によれば、まず、デカップリングによって、脂肪信号の共鳴周波数は精度良く特定され、後続する診断画像用データ収集シーケンスで脂肪信号がより良く抑制される。更に、精度良く特定された共鳴周波数に基づいて算出されたタウ時間でTEデータが収集されるので、「in phase画像」や「out of phase画像」の精度も向上する。ひいては、画像の品質が向上する。
【0054】
なお、実施形態は、図7に示す例に限られるものではない。シミング用プレシーケンスを繰り返す回数は2回に限られるものではない。また、全てのシミング用プレシーケンスにおいてデカップリングRFパルスを印加することが必ずしも必要ではない。また、各シミング用プレシーケンスで収集されるデータも、適宜変更することができる。更に、各シーケンスの間に、例えば、オペレータへの提示等が行われてもよいし、自動で次のシーケンスに移行してもよい。
【0055】
ところで、診断画像用データ収集シーケンスでPASTAを用いる場合、シミング用プレシーケンスで得られた周波数スペクトラムを用いて、PASTAに逆位相(opposed-phase)の技術を組み合わせて適用してもよい。PASTAとは、SE系のシーケンスで、180°パルスのスライス選択傾斜磁場の極性を、90°パルスのスライス選択傾斜磁場の極性の逆極性にすることで、水信号の周波数帯域のみから信号を収集する手法である。このような手法を用いた場合でも、脂肪信号が十分に抑制されない場合が起こり得る。
【0056】
そこで、上述した実施形態に係るMRIシーケンス制御部30は、例えば、シミング用プレシーケンスで得られた周波数スペクトラムに基づき特定された共鳴周波数を用いて、このPASTAにおける励起タイミングをずらしてもよい。一般に、PASTAにおいて、180°RFパルスは、90°RFパルスからTE/2経過後に印加されるが、例えば、MRIシーケンス制御部30は、TE/2経過した時刻からΔtだけずらした時刻で、180°RFパルスを印加する。例えば、このずれ時間Δtが、エコー中心において、不飽和脂肪プロトンと飽和脂肪プロトンとの位相差が逆位相になるように調整されると、不飽和脂肪プロトンから生じるエコーと、飽和脂肪プロトンから発生するエコーとが互いに逆極性となり、両エコーは相殺若しくは抑制される。例えば、MRIシーケンス制御部30は、周波数スペクトラムに基づき特定された共鳴周波数に基づいてこのΔtを算出し、180°パルスの励起タイミングを前後にずらすことで、脂肪信号を逆位相にし、少なくとも部分的に、脂肪信号を相殺する。
【0057】
なお、上述した実施形態においては、シミング用プレシーケンスにデカップリングRFパルスが含まれるものとして説明したが、シミング用プレシーケンスの範囲の解釈によっては、シミング用プレシーケンスの前に、デカップリングRFパルスが印加される場合を含む。
【0058】
以上述べた少なくともひとつの実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置及び磁気共鳴イメージング方法によれば、画質を向上することができる。
【0059】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0060】
100 MRIシステム
30 MRIシーケンス制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルスシーケンスの実行を制御するシーケンス制御部を備え、
前記シーケンス制御部は、
脂肪プロトンをデカップリングするためのデカップリングRF(Radio Frequency)パルスを少なくともひとつ含むシミング用のパルスシーケンスを、診断画像用のデータを収集するパルスシーケンスに先行して実行することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項2】
前記シーケンス制御部は、
前記シミング用のパルスシーケンスを実行する場合、シミング用のスペクトルデータを収集するために印加されるRFパルスに先行して、前記デカップリングRFパルスを印加することを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項3】
前記シーケンス制御部は、
前記シミング用のパルスシーケンスを複数回実行する場合、各回のパルスシーケンスで少なくともひとつの前記デカップリングRFパルスを印加することを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項4】
前記シーケンス制御部は、
静磁場、傾斜磁場、及びRF磁場のうち、少なくともひとつの不均一性を調整するための前記シミング用パルスシーケンスを実行することを特徴とする請求項1〜3のいずれかひとつに記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項5】
前記シーケンス制御部は、
前記シミング用のパルスシーケンスで収集されたスペクトルデータに基づいて、診断画像用のデータを収集するPASTA(Polarity Alternated Spectral and Spatial Acquisition)のパルスシーケンスにおけるタウ時間を導出することを特徴とする請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項6】
前記シーケンス制御部は、
前記タウ時間に基づいて、180°励起パルスの励起タイミングを前又は後ろにずらすことを特徴とする請求項5に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項7】
磁気共鳴イメージング装置で実行される磁気共鳴イメージング方法であって、
パルスシーケンスの実行を制御するシーケンス制御部が、脂肪プロトンをデカップリングするためのデカップリングRFパルスを少なくともひとつ含むシミング用のパルスシーケンスを実行する工程と、
前記シーケンス制御部が、前記シミング用のパルスシーケンスが実行された後に、診断画像用のデータを収集するパルスシーケンスを実行する工程と
を含むことを特徴とする磁気共鳴イメージング方法。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−81780(P2013−81780A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−223919(P2012−223919)
【出願日】平成24年10月9日(2012.10.9)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】