説明

磁気共鳴イメージング装置及び磁気共鳴イメージング装置における被検体移動方法

【課題】 被検体の広い範囲又は全身をテーブルを送りながら撮影するMRIにおいて、被検体の各部位の撮影の位置を正確にできるMRI装置及び被検体移動方法を提供する。
【解決手段】 本発明のMRI装置は、入力手段から入力された操作者の指示に基づいて、被検体移動手段を移動させる移動情報を設定し、設定された移動情報に基づいて、被検体移動手段を連続的に或いはステップ的に移動させることができる。
本発明のMRI装置における被検体移動方法は、入力手段により操作者の指示を受け付けるステップと、入力手段から入力された指示に基づいて、被検体移動手段を移動させる移動情報を設定するステップと、設定された移動情報に基づいて、被検体移動手段を連続的に或いはステップ的に移動させるステップと、を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気共鳴イメージング(以下、MRIという。)装置及び方法に係り、特に、被検体の広い範囲又は全身をテーブルを送りながら撮影するMRIにおいて、被検体の各部位の撮影の位置を正確にできるMRI装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
MRI装置では、均一な静磁場内に置かれた被検体に電磁波を照射したときに、被検体を構成する原子の原子核に生じる核磁気共鳴(以下、NMRという。)現象を利用し、被検体からの核磁気共鳴信号(以下、NMR信号という。)を検出し、このNMR信号を使って画像を再構成することにより、被検体の物理的性質をあらわす磁気共鳴画像(以下、MR画像という。)を得るものである。
【0003】
MRIにおいて、被検体をテーブルの上に載せて、該テーブルをMRI装置のガントリ内で移動させながら被検体の広い範囲又は全身を撮影する技術が知られている。このような技術では、テーブルの動かし方に次の2つがある。一つは、前記広い範囲又は全身の領域を複数のブロックに分割し、各ブロック毎にテーブルをステップ移動して撮影する方法である(例えば、特許文献1参照。)。もう一つは、テーブルを連続的に動かしながら同時に撮影を行い、被検体の広い範囲又は全身を撮影する方法である(例えば特許文献2、あるいは非特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】米国特許第6311085号公報
【特許文献2】特開2004−661号公報
【非特許文献1】Kruger DG, Riederer SJ, Grimm RC, Rossman PJ.:Continuously Moving Table Data Acquisition Method for Long FOV Contrast-Enhanced MRA and Whole-Body MRI. Magnetic Resonance in Meddicine 47(2):224-231(2002)。
【0005】
ただし、上述した2つの方法はいずれも、テーブルを動かす方向は該テーブルの長手方向の中心軸方向のみであった。また、被検体の広い範囲又は全身の領域を複数のブロックに分割し、各ブロック毎にテーブルをステップ移動する方法では、各ブロック毎に設定される撮影視野(以下、FOVという。)の大きさは一定であり、更にそれらはテーブルの長手方向の中心軸方向のみに等間隔に配置されるのが一般的だった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、本発明者らは上記従来技術を検討した結果以下の問題点を見出した。
【0007】
すなわち、上記従来技術において、例えば被検体の体軸中心に沿って、テーブルをブロック毎にあるいは連続的に動かしながら撮影しようとする場合、テーブルの長手方向の中心軸がMRI装置の静磁場中心を通るように設定すると、被検体がテーブルの長手方向の中心軸に対して斜めに配置された場合、うまく前記被検体の体軸中心が静磁場中心を通らず撮影の位置ずれが生じたり、被検体がFOVからはみ出してしまうという問題があった。
【0008】
本発明の目的は、被検体の広い範囲又は全身をテーブルを送りながら撮影するMRIにおいて、被検体の各部位の撮影の位置を正確にできるMRI装置及び被検体移動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を解決するために、本発明のMRI装置は、入力手段から入力された操作者の指示に基づいて、被検体移動手段を移動させる移動情報を設定し、設定された移動情報に基づいて、被検体移動手段を連続的に或いはステップ的に移動させることを特徴としている。
【0010】
上記目的はMRI方法によっても解決することが可能であり、本発明のMRI装置における被検体移動方法は、
入力手段により操作者の指示を受け付けるステップと、入力手段から入力された指示に基づいて、被検体移動手段を移動させる移動情報を設定するステップと、設定された移動情報に基づいて、被検体移動手段を連続的に或いはステップ的に移動させるステップと、を含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
上記本発明によれば、被検体の広い範囲又は全身をテーブルを送りながら撮影するMRIにおいて、被検体の各部位の撮影の位置を正確にできるMRI装置及び方法を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付図面に従って本発明のMRI装置の好ましい実施の形態について詳説する。なお、発明の実施形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0013】
最初に、本発明のMRI装置の概略を図1に基づいて説明する。図1は本発明を適用したMRI装置の一実施例に関する全体構成を示すブロック図である。このMRI装置は、核磁気共鳴(NMR)現象を利用して被検体の断層画像を得るもので、図1に示すように、MRI装置は静磁場発生系2と、傾斜磁場発生系3と、送信系5と、受信系6と、信号処理系7と、シーケンサ4と、中央処理装置(CPU)8とを備えて構成される。
【0014】
静磁場発生系2は、垂直磁場方式であれば、被検体1の周りの空間にその体軸と直交する方向(水平磁場方式であれば、体軸方向)に均一な静磁場を発生させるもので、被検体1の周りに永久磁石方式、常電導磁石方式あるいは超電導磁石方式の静磁場発生源が配置されている。
【0015】
傾斜磁場発生系3は、MRI装置の座標系(静止座標系)であるX,Y,Zの3軸方向に傾斜磁場を発生するように巻かれた傾斜磁場コイル9と、それぞれの傾斜磁場コイルを駆動する傾斜磁場電源10とから成り、後述のシ−ケンサ4からの命令に従ってそれぞれのコイルの傾斜磁場電源10を駆動することにより、X,Y,Zの3軸方向に傾斜磁場Gx,Gy,Gzを発生する。撮影時には、スライス面(撮影断面)に直交する方向に選択されたスライス方向傾斜磁場パルス(Gs)を印加して被検体1に対するスライス面を設定し、そのスライス面に直交して且つ互いに直交する残りの2つの方向に割り当てられた位相エンコード方向傾斜磁場パルス(Gp)と周波数エンコード方向傾斜磁場パルス(Gf)を印加して、エコー信号にそれぞれの方向の位置情報をエンコードする。
【0016】
シーケンサ4は、高周波磁場パルス(以下、「RFパルス」という)と傾斜磁場パルスをある所定のパルスシーケンスで繰り返し印加する制御手段で、CPU8の制御で動作し、被検体1の断層画像のデータ収集に必要な種々の命令を送信系5、傾斜磁場発生系3、および受信系6に送る。
【0017】
送信系5は被検体1の生体組織を構成する原子の原子核スピンに核磁気共鳴を起こさせるためにRFパルスを照射するもので、高周波発振器11と変調器12と高周波増幅器13と送信側の高周波コイル(送信コイルあるいは、RF照射コイル)14aとから成る。高周波発振器11から出力された高周波パルスをシーケンサ4から指令されるタイミングにより変調器12により振幅変調し、この振幅変調された高周波パルスを高周波増幅器13で増幅した後に被検体1に近接して配置された高周波コイル14aに供給することにより、RFパルスが被検体1に照射される。
【0018】
受信系6は、被検体1の生体組織を構成する原子核スピンの核磁気共鳴により放出されるエコー信号(NMR信号)を検出するもので、受信側の高周波コイル(受信コイル)14bと信号増幅器15と直交位相検波器16と、A/D変換器17とから成る。送信側の高周波コイル14aから照射された電磁波によって誘起された被検体1の応答のNMR信号が被検体1に近接して配置された高周波コイル14bで検出され、信号増幅器15で増幅された後、シーケンサ4からの指令によるタイミングで直交位相検波器16により直交する二系統の信号に分割され、それぞれがA/D変換器17でディジタル量に変換されて、信号処理系7に送られる。
【0019】
信号処理系7は、各種データ処理と処理結果の表示及び保存等を行うもので、光ディスク19、磁気ディスク18等の外部記憶装置と、CRT等からなるディスプレイ20とを有し、受信系6からのデータがCPU8に入力されると、CPU8が信号処理、画像再構成等の処理を実行し、その結果である被検体1の断層画像をディスプレイ20に表示すると共に、外部記憶装置の磁気ディスク18等に記録する。
【0020】
操作部25は、MRI装置の各種制御情報や上記信号処理系7で行う処理の制御情報を入力するもので、トラックボール又はマウス23、及び、キーボード24から成る。この操作部25はディスプレイ20に近接して配置され、操作者がディスプレイ20を見ながら操作部25を通してインタラクティブにMRI装置の各種処理を制御する。
【0021】
被検体1はテーブル26に載置されて静磁場空間に移送される。そのテーブル26はシーケンサ4から送られてくる制御命令に従ってテーブル駆動部27によって駆動制御される。ここで、本発明におけるテーブル駆動部27は、テーブル26を、該テーブル26の長手方向あるいは鉛直方向のみならず、該長手方向と直交して水平な方向へも動かせるようになっている。
【0022】
なお、図1において、送信側の高周波コイル14と傾斜磁場コイル9は、被検体1が配置される空間の周りに設置されている。また、受信側の高周波コイル14bは、被検体1に対向して、或いは、取り囲むように設置されている。
【0023】
現在MRI装置の撮像対象核種は、臨床で普及しているものとしては、被検体の主たる構成物質である水素原子核(プロトン)である。プロトン密度の空間分布や、励起状態の緩和時間の空間分布に関する情報を画像化することで、人体頭部、腹部、四肢等の形態または、機能を2次元もしくは3次元的に撮像する。
【実施例1】
【0024】
本発明の実施例1に係るMRI装置及び方法を図2〜図7を用い説明する。先ず図2は、実施例1におけるMRIの手順の概略を示すフローチャートである。図2の各ステップを順に説明する。ただし、実施例1は被検体の広い範囲又は全身の領域を複数のブロックに分割し、各ブロック毎にテーブルを、向きを同じにしたまま平行移動させて撮影する場合の実施例である。
【0025】
(ステップ201)
本撮影の前準備として、被検体の撮影対象の全領域のスキャノグラムを撮影してディスプレイ20へ表示する。ここで、スキャノグラムとは、本撮影を行う領域の位置を設定するための簡易画像のことであり、一般的に低分解能で且つ高速なパルスシーケンスを用いて撮影されるものである(例えばスキャノグラムに関する従来技術として特開平5−253208号公報参照。)。図3は、本実施例においてディスプレイ20上に表示されたスキャノグラムを表したものであり、図3(a)はテーブル長手方向中心軸が撮影空間の中心軸方向と一致して位置合わせされた位置(以下、テーブル移動ラインの初期位置という。)に配置されたテーブルの長手方向の中心軸と被検体の中心軸が一致する場合、図3(b)はテーブル移動ラインの初期位置と被検体の中心軸が一致しない場合である。ただし、図3において301はスキャノグラム、302はテーブル移動ラインの初期位置を示すライン、303で示した点線は被検体の中心軸を示すライン、304は撮影の開始の合図等を入力するためのStartボタンである。
【0026】
図3によれば、図3(a)の場合にはテーブル上の中央にまっすぐ被検体が横たわっているので、テーブル移動ラインの初期位置と被検体の中心軸が一致しているが、図3(b)の場合には被検体が傾いて横たわっているので、テーブル移動ラインの初期位置と被検体の中心軸が一致しなくなっている。
【0027】
(ステップ202)
被検体撮影ライン(本撮影において、そのラインに沿ってテーブルを移動させることが必要なライン)をスキャノグラム上に入力する。図3(a)の場合には、テーブル移動ラインの初期位置が被検体の中心軸に一致するので、本ステップは省略し、次のステップへ進むか、あるいはテーブル移動ラインの初期位置を被検体撮影ラインとする。一方、図3(b)の場合には、被検体撮影ラインをディスプレイ20に表示されたスキャノグラム上に入力する。より具体的には、トラックボール又はマウス23或いはキーボード24を用いて、被検体の中心軸上に被検体撮影ラインを描画する。例えば、被検体撮影ラインを直線で描画する場合には、その始点と終点をディスプレイ20の画面上にて指定することにより描画する。また、被検体撮影ラインを曲線で描画する場合には、その曲線を通る複数の点をマウス等で指定して、それらの点を通る曲線を補間で求めることにより、描画することができる。
【0028】
(ステップ203)
下記に示すステップ206における本撮影の際に、ステップ202で入力した被検体撮影ラインに対応する被検体の部位がMRI装置の静磁場中心(撮影空間中心)を通ってテーブルが動かされるように、テーブル移動ラインを調整する。具体的にはトラックボール又はマウス23或いはキーボード24を操作して、テーブル移動ラインがステップ202で入力した被検体撮影ラインに一致するように、テーブル移動ラインを回転又は平行移動させる。ただし、図3(a)のようにテーブル移動ラインの初期位置と被検体撮影ラインが一致する場合には、本ステップは省略する。また、ステップ202において被検体撮影ラインが曲線として描画された場合には、その曲線が直接、テーブル移動ラインとなるようにする。
【0029】
本実施例ではMRI装置の静磁場中心を原点とする座標系とテーブルが設置される位置、距離等との関連付けが予め磁気ディスク等に記憶されていて、(ステップ201)で撮影したスキャノグラムの位置やその上に表示されたライン等の位置も、MRI装置の静磁場中心を原点とする座標系へ変換可能となっている。
【0030】
そして、本実施例ではテーブル移動ラインの初期位置のMRI装置の座標系(静磁場の中心位置を原点としたもの。)における位置も予め設計データとして求められていて、本ステップで決定したテーブル移動ラインがテーブル移動ラインの初期位置に対してどれくらい位置の差があるかをスキャノグラム上のデータを基に計算され、そのことによって、被検体がどの程度ずれて配置されたかを検出し、更に下記に示す本計測において、どのようなにテーブルを移動させれば、被検体撮影ラインがMRI装置の静磁場中心が通るようになるかCPU等で計算されるようになっている。
【0031】
本ステップで決定したテーブル移動ラインは、例えばCPU内のメモリーに一時記憶されるようになっている。
【0032】
(ステップ204)
被検体の広い範囲又は全身の領域を複数のブロックに分割して行う撮影のFOVを設定する。図4に、FOV設定の一例を示す。図4はスキャノグラム上にコロナル断面を撮影するFOV401〜405を表す矩形を設定した場合である。ただし、図4ではFOVの数が5つである場合を示していて(以下の図5、図6、図9においても同様。)、FOV401〜405の設定は、それらを互いに少しずつ重ね合わせて設定されている。これは、被検体で撮影されない部位が生じることを無くすとともに、隣合うFOV間の画像データの接続を後述するステップにおいて容易にできるという利点がある。
【0033】
本実施例において、FOVの設定方法にはいくつかあり、先ず図4(a)はFOVを表す矩形の一辺がテーブルの長手方向の中心軸に平行になるようにして、更にそれらの中心がテーブルの移動ライン上に載るようにして設定する方法である。本方法では、傾斜磁場をオブリークさせて印加するオブリーク撮影を行う必要はない。(ここで、オブリーク撮影とは周波数エンコードあるいは位相エンコードのどちらかの目的のために、2つ以上の傾斜磁場(X方向、Y方向、あるいはZ方向)を特開平7−23931号公報に開示されている技術のように印加する撮影方法のことをいう。
【0034】
次に図4(b)はFOVを表す矩形の一辺を、テーブルの長手方向の中心軸に対して傾斜を持つテーブル移動ラインと平行になるようにして、更にそれらの中心がテーブル移動ライン上に載るようにして設定する方法である。このようにFOVを設定して本撮影を行う場合には、テーブル移動ラインが図4(b)におけるY軸に対して傾斜を持つことに対応させて、傾斜磁場をオブリークさせて印加してオブリーク撮影を行う。
【0035】
次に図4(c)は図4(a)あるいは図4(b)のようにFOVが設定された後に、各FOVの位置と大きさを変更させた場合である。ここで、FOVの位置や大きさの変更は、それを表す矩形の四隅のいずれかをマウスでドラッグする方法や、そのFOVに対応する数値入力ウィンドウを設けてキーボードから大きさを指定する数値を入力する方法等を用いれば良い。図4(c)のような場合にテーブルは、下記に示す本計測においては各撮影視野の中心を繋ぐ折れ線がMRI装置の静磁場中心を通るように移動され、被検体における各黒丸(406〜410)の位置が静磁場の中心になる時にテーブルが停止され、各FOVの本撮影が行われる。
【0036】
本ステップにおいて定められたFOVの設定(位置、大きさ、方向等)に関する情報は、例えばCPU内のメモリーに一時記憶されるようにする。
【0037】
(ステップ205)
本撮影を行うためのパラメータで、FOVの設定以外の撮影パラメータを入力する。例えば、撮影のためのパラメータの一つに空間分解能がある。図4(c)のように異なる大きさのFOVを設定した場合でも、それぞれのFOVで空間分解能は同じであることが望ましい。本実施例では、各FOVを設定した後、空間分解能を各撮影視野で同じになるように調整する。
【0038】
ここで、空間分解能はFOVの大きさと1画像における1辺のマトリクス数(matrix)から次式(1)によって表される。
【0039】
Res=FOV/matrix ・・・式(1)
この空間分解能を低く調整すれば、全体の撮影時間を短縮できる効果があるが、高く調整すれば、全体を高い空間分解能の画質で診断することができる効果がある。
【0040】
本ステップの調整において決定された空間分解能等の撮影のためのパラメータは、例えばCPU内のメモリーに一時記憶される。
【0041】
(ステップ206)
テーブルを各ブロック毎にステップ移動させながら行う本撮影を開始する。より具体的には、CPU8内のメモリーに一時記憶されているテーブル移動ラインや各撮影視野の位置等の設定や撮影のパラメータに関する情報はシーケンサ4に送られ、シーケンサ4の制御の下に本撮影が開始される。本撮影では、スキャノグラム上で設定したテーブル移動ラインに相当する被検体の部位がMRI装置の静磁場中心を通るように図1におけるテーブルの移動がなされる。そして、テーブルがステップ移動され、各ブロック毎に各FOVの中心位置に対応する被検体の部位がMRI装置の静磁場発生源の中心位置に一致した時に、本撮影が行われる。
【0042】
テーブル26のステップ移動による撮影は、1つのFOVの撮影が終了すると、次のFOVの中心位置に対応する被検体の部位がMRI装置の静磁場発生源の中心位置に一致した時に、次の撮影が行われる。
【0043】
各FOVで得られた画像は、磁気ディスク18に一時記憶される。下記に図7(a)及び図7(b)を用いて、本ステップにおいてテーブルをステップ移動させながら本撮影を行う場合の具体例について、後述する。
【0044】
(ステップ207)
各FOVの画像を合成して全体画像を作成する。磁気ディスク18に一時記憶された各FOVの画像をCPU8内のメモリーに読み込んで、CPU8で各画像を合成して全体画像を作成する。
【0045】
ここで、各FOVの画像が被検体のどの部位について撮影したかを考慮にいれずに合成すると、図5(a)のように接続部分が不連続な全体画像になってしまう。合成する際には、各FOVの画像をどのようなテーブル移動の位置関係で撮影したかを考慮に入れて合成する。より具体的には、被検体を含む大きな空間の中に、各FOVで得られた画像を各ステップにおけるテーブル移動(図4におけるX方向とY方向)を考慮に入れて張り合わせていくことにより、全体画像を作成するようにする。そのように作成した全体画像の一例を図5(b)に示す。図5(b)における、各FOVでの画像は、図5(b)で各FOVの画像の左隅に示された基準点(501-1〜501-5)を基準に画像化されている。各FOVの基準点の被検体を含む大きな空間内の相対的な位置は、各画像を撮影するためにテーブルを送った際のテーブル移動量を基に求められていて、この相対的位置を基に、前記被検体を含む大きな空間内に各画像を張り合わせて、全体画像が作成される。
【0046】
(ステップ204)における図4(b)の場合のように、FOVを表す矩形の一辺を、テーブルの長手方向の中心軸に対して傾斜を持つテーブル移動ラインと平行になるようにしてFOVを設定した場合の本ステップにおける合成も図5(b)と同様である。図6(a)は、FOVを表す矩形の一辺がテーブルの長手方向の中心軸に対して傾斜を持つ場合に、各FOVにおける画像をそのまま順番に表示しただけの例であり、互いの画像の接続部が不連続な合成画像になっている。そこで、図6(b)では被検体を含む大きな空間の中に、各FOVで得られた画像を各ステップにおけるテーブル移動と、各FOVの画像を撮影した時の各FOVのテーブルの長手方向に対する傾きを考慮に入れて張り合わせていくことにより、全体画像を作成するようにしている。図6(b)では、各FOVでの画像は、図6(b)で各FOVの画像の左隅に示された基準点(601-1〜601-5)を基準に画像化されている。各FOVの基準点の被検体を含む大きな空間内の相対的な位置は、各画像を撮影するためにテーブルを送った際のテーブル移動量を基に求められ、この相対的位置と、各FOVの画像を撮影時の各FOVのテーブルの長手方向に対する傾きを考慮に入れて張り合わせて、全体画像が作成される。
【0047】
また、図6(b)のような場合には、モニタ上に被検体の体軸が傾いて表示されることになるので、図6(c)のように、テーブル移動ライン(被検体撮影ライン)がモニタ上における上下方向になるように表示しても良い。
【0048】
(ステップ208)
各FOVにおいて撮影した画像とステップ207で作成した全体画像を表示する。
次に図7(a)及び図7(b)は、本実施例におけるステップ206において、テーブルをステップ移動させながら本撮影を行う場合の具体的な手順の概略を示すフローチャートである。ただし、図7(a)及び図7(b)では撮影視野の数がN個の場合の例について示されている。先ず図7(a)の各ステップを順に説明する。
【0049】
(ステップ701)
CPU内のメモリーに一時記憶されているN個のFOV(1)〜FOV(N)の位置に関する設定情報を、CPU8から読み出し、シーケンサ4へ入力する。
【0050】
(ステップ702)
テーブルの位置等を初期位置に設定する。更に、FOVのカウンタiを初期値1にする。
【0051】
(ステップ703)
テーブルの位置をステップ204でFOV(i)について設定された位置へ移動させる。つまり、ステップ204で設定した各FOV(i)の中心位置に対応する被検体の部位の図4におけるXY平面上の位置が、MRI装置の静磁場発生源の静磁場中心のXY平面上の位置に一致するように、テーブル26をテーブル移動ライン302に沿ってテーブル26の長手方向(図4におけるY方向)と該長手方向と直交して水平な方向(図4におけるX方向)へ移動させる。ここで、テーブルを移動させる方向は図4におけるY方向への成分とX方向への成分を合成して、X方向でもY方向でもない斜めの方向へ直線的に移動させても良いし、移動を2回に分けて、初めY方向にのみ移動させ、後からX方向にのみ移動させるようにしても良い。
【0052】
(ステップ704)
FOV(i)を撮影するための撮影条件等を設定する。具体的には、(ステップ205)で入力した空間分解能や、その他撮影に用いる撮影シーケンスにおける傾斜磁場パルスの印加波形、RFパルスの送信周波数、及びエコー信号を検波するための受信周波数の設定等を行う。
【0053】
(ステップ705)
i番目のFOV(i)について、撮影を行う。撮影により得られた画像は、磁気ディスク18に一時記憶される。
【0054】
(ステップ706)
FOV(i)のカウンタiが最大のNに達したか否かを判定する。達していれば、撮影を終了し、達していなければ、ステップ707へ移行する。
【0055】
(ステップ707)
FOV(i)のカウンタiをインクリメントしてステップ703へ移行する。そのようにして、FOV(1)からFOV(n)のすべてについて、撮影を行う。
【0056】
次に、図7(b)はステップ206における具体的な手順の概略の別の例を示すフローチャートである。図7(b)における各ステップを順に説明する。ただし、図7(b)はテーブル26を該テーブルの長手方向にのみ移動させ、該長手方向と直交する水平な方向へ移動させない場合についての例である。また、図7(b)は図7(a)とステップ703とステップ705のみ異なり、ステップ703の代わりにステップ710とステップ711、ステップ705の代わりにステップ712を設けたので、共通のステップの説明は省略して、異なるステップのみを以下に説明する。
【0057】
(ステップ710)
テーブル26を該テーブルの長手方向のみにステップ移動させる。すなわち、テーブルを該テーブルの長手方向にのみ移動させ、FOV(i)の前記長手方向への中心位置と、MRI装置の静磁場の長手方向の中心位置を一致させる。
【0058】
(ステップ711)
テーブルの長手方向と直交する水平な方向へ、静磁場の中心と異なる位置を中心位置とするFOVを撮影するオフセット撮影を行うための準備を行う。より具体的には、例えば、FOVを表す矩形の一辺にテーブルの長手方向に平行なものがある場合において、テーブルの長手方向と直交する水平な方向を周波数エンコード方向とする場合には、直交位相検波器16がエコー信号を検波する際の受信周波数をシフトさせる量として、次式(2)により求められる量を周波数オフセット量として求める。
【0059】
Δf=−γGx(Δx) ・・・式(2)
ただし、式(2)においてγは磁気回転比、Gxは周波数エンコード方向の傾斜磁場出力値である。
【0060】
また、テーブルの長手方向と直交する水平な方向を位相エンコード方向とする場合には、直交位相検波器16がエコー信号を検波する際の受信位相をシフトさせる量として、次式により求められる量をオフセット量として求める。
【0061】
Δθ(e)=−2π{(Δy)e}/My ・・・式(3)
ただし、式(3)においてeは位相エンコード番号、Myは位相エンコード方向の画像マトリクスサイズである。すなわち、式(3)によれば、位相エンコード番号に比例した量が各エコー信号検波の際に位相をシフトさせる位相オフセット量とされる。
(ステップ712)
ステップ711で求めた量を周波数オフセット量あるいは位相オフセット量として用いながら、オフセット撮影を行う。すなわち、FOVがテーブルの長手方向と直交する水平な方向へ、静磁場の中心と異なる場合に対応させたオフセット撮影を行う。
【0062】
上記実施例1では、上述したように被検体の体軸がテーブル移動ラインの初期位置(テーブルの長手方向の中心軸)に対して斜めに配置されていても、予めスキャノグラムを行い、スキャノグラム上で撮影の必要な位置を決定して、該位置にテーブルを移動させたり、オフセット撮影等の手法によりMRIを行う。そのため、テーブルをステップ移動をさせながら行う撮影において被検体の位置がずれてしまうといった問題を解決できる。実施例1において、図7(b)で示したオフセット撮影の手法は、特にトンネル型の水平磁場方式MRI装置のようにテーブルをその長手方向にのみ動かせない場合においても、被検体の位置のずれに対応させてテーブルをステップ移動させながらの好適に撮影を行うことができるという利点がある。
【実施例2】
【0063】
本発明の実施例2に係るMRI装置及び方法を図8及び図9を用い説明する。実施例2は、実施例1のようにテーブルの長手方向の中心軸やテーブル移動ライン上にFOVの中心が載るようにFOVを先ず設定するのではなく、テーブルの長手方向の中心軸やテーブル移動ラインとは関係ない独自の位置にそれらの位置を設定する装置及び方法である。先ず図8は、実施例2におけるMRIの手順の概略を示すフローチャートである。図8の各ステップを順に説明する。ただし、実施例2では実施例1の図2に比較してステップ202〜ステップ204の代わりにステップ801とステップ802を設けたことが異なっているので、実施例1とはステップの異なるステップ801とステップ802のみを以下に説明する。
【0064】
(ステップ801)
スキャノグラム上に複数個のFOVを設定する。FOV設定の一例を図9に示す。先ず図9(a)では、スキャノグラム301上にコロナル断面を撮影する5つの撮影視野FOV901〜905を表す矩形を設定した場合である。FOV901〜905の設定においては、それらの位置と大きさを各FOVがカバーする撮影領域の位置と大きさを対応させて、それぞれ独立に設定する。各FOVの位置と大きさの調整の仕方は、図4(c)における場合とほぼ同様である。ただし、図9(a)ではFOVを表す矩形のうち少なくとも1辺がテーブルの長手方向の中心軸に平行な場合について例示しているが、FOVを表す矩形のうち少なくとも1辺がテーブルの長手方向の中心軸に平行でなくても良く、傾いていても良い。その場合には、図4(b)の場合と同様にオブリーク撮影による手法を用い撮影を行う。本ステップにより設定された情報は、例えばCPU8内のメモリーに一時記憶される。
【0065】
(ステップ802)
ステップ801で設定した各FOVを通るラインを求めて、テーブル移動ラインとして設定する。図9(b)では、FOV901〜905の中心をつなぐラインを求めて、これをテーブル移動ライン302とする例が示されている。このように設定すれば、ステップ206の本撮影においては、設定したテーブル移動ライン上にテーブルを動かして、ステップ801で設定したFOVの位置で撮影を行うことができる。
【0066】
上記実施例2では、スキャノグラム上に被検体撮影ラインを設定することなく、各FOVをそれぞれ独立に設定するだけで、テーブルを好適に移動させて被検体の広い領域又は全身を撮影できるため、ブロック毎の各FOVの設定が実施例1と比較して容易になる。
【実施例3】
【0067】
本発明の実施例3に係るMRI装置及び方法を図10及び図11を用い説明する。ただし、実施例3は、テーブルを連続的に移動させながら被検体の広い範囲又は全身を連続的に撮影する装置及び方法である。先ず図10は、実施例3におけるMRIの手順の概略を示すフローチャートである。図10の各ステップを順に説明する。ただし、実施例3では実施例1の図2に比較してステップ203とステップ204を削除し、ステップ202とステップ206とステップ207の代わりに実施例1の場合と少し異なるステップ1002とステップ1006とステップ1007を設けたので、本実施例において特徴が実施例1と異なるステップ1002とステップ1006と、ステップ1007のみについて以下に説明する。
【0068】
(ステップ1002)
被検体撮影ラインをスキャノグラム上に設定する。図11はスキャノグラム上に被検体撮影ラインを描画した例である。図11において示した被検体撮影ライン303の例は、テーブル移動ラインの初期位置302とは独立に描画されたものであり、トラックボール又はマウス23或いはキーボード24によるキー操作などで描画される。被検体撮影ラインは、直線又は曲線、或いは直線と曲線の混合線のいずれでも良い。
【0069】
また、一度設定した被検体撮影ラインを変更する場合にも、トラックボール又はマウス23或いはキーボード24のキー操作等で行うことができる。
【0070】
(ステップ1006)
ステップ1002で描画された被検体撮影ライン303が磁場中心を通過するように、向きが一定のままテーブル26を連続して平行移動させると共に、連続して撮影する。本ステップにおける撮影の具体的方法としては、テーブル26を送る各位置において、テーブルの長手方向の中心軸と直交する断面を1スライスずつ撮影する方法が考えられる。
【0071】
(ステップ1007)
全体画像を画像再構成する。全体画像を画像再構成する方法としては、各テーブルの位置において撮影した画像を再構成した後、その結果を各画像を撮影した時のテーブルの長手方向(Y方向)およびこれと直交する水平な方向(X方向)への位置を考慮して、被検体を含む大きな空間の中に配置し、任意の高さの断面で水平方向にリフォーマットすることにより、全体画像を作成するようにする。
【0072】
上記実施例3によれば、テーブルを連続移動させて被検体の広い範囲又は全身を連続撮影する場合に、画像上で被検体を撮影するラインのみを設定して、その被 検体撮影ラインがMRI装置の静磁場中心を通過するようにテーブル移動を制御できるので、テーブルの位置決め操作を容易にすることができるといった利点がある。
【0073】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変形して実施できる。例えば、本発明の実施例1において各FOVの撮影では、2次元のコロナル断面を撮影しても良いし、図4においてZ軸方向に厚みのある3次元ボリュームデータを撮影しても良い。また、本発明はトンネル型の水平磁場方式MRI装置にも適用できるし、テーブルを水平方向に2次元に移動することに好適なオープンMRI装置にも適用できる。また、MRI装置の静磁場の座標系と、テーブルの配置される位置等との関連付けは、MRI装置の静磁場原点を基準として関連付けを行わなくても良く、予め定められたテーブルの初期位置の隅の位置あるいは1ステップ目の撮影視野の中心位置等を基準にして、座標の関連付けを行い、各FOVの撮影の際に、当該各FOVの中心が静磁場の中心になるようにするためのテーブル移動の計算等に用いてもよい。また、被検体のどのように斜めに配置されているかを検出するために、必ずしもスキャノグラムを用いなくても良い。例えば、NMR信号の1方向へのプロジェクションしたデータのみを用いたり、カメラでテーブル上に配置された被検体を撮影して被検体の配置されている方向を検出しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明を適用したMRI装置の一実施例に関する全体構成を示すブロック図。
【図2】実施例1におけるMRIの手順の概略を示すフォローチャート。
【図3】ディスプレイ上に表示されたスキャノグラムを表した図で、(a)はテーブルの移動ラインの初期位置と被検体の中心軸が一致する場合の図。(b)はテーブルの移動ラインの初期位置と被検体の中心軸が一致しない場合の図。
【図4】FOVの設定の一例を示す図であり、(a)はFOVを表す矩形の一辺がテーブルの長手方向の中心軸に平行になるようにして、更にそれらの中心がテーブルの移動ライン上に載るようにして設定する方法の図。(b)はFOVを表す矩形の一辺を、テーブルの長手方向の中心軸に対して傾斜を持つテーブル移動ラインと平行になるようにして、更にそれらの中心がテーブル移動ライン上に載るようにして設定する方法の図。(c)は、図4(a)あるいは図4(b)のように撮影視野が設定された後に、各FOVの位置と大きさを変更させる方法の図。
【図5】(a)は各FOVの画像の接続部分が不連続になってしまう全体画像の例を示す図。5(b)は各FOVの画像を各ステップにおけるテーブルの移動を考慮にいれて張り合わせていくことにより作成した全体画像の例を示す図。
【図6】(a)はFOVを表す矩形の一辺がテーブルの長手方向の中心軸に対して傾斜を持つ場合に、各FOVにおける画像をそのまま順番に表示しただけの例を示す図。(b)は被検体を含む大きな空間の中に、各FOVで得られた画像を各ステップにおけるテーブル移動と、各FOVの画像を撮影した時の各FOVのテーブルの長手方向に対する傾きを考慮に入れて張り合わせていくことにより、全体画像を作成した例を示す図。(c)は図6(b)を、テーブル移動ライン(被検体撮影ライン)がモニタ上における上下方向になるように表示した例を示す図。
【図7】(a)は(ステップ206)において、テーブルをステップ移動させながら本撮影を行う場合の具体的な手順の概略を示すフローチャート。(b)はテーブル26を該テーブルの長手方向にのみ移動させ、該長手方向と直交する水平な方向へ移動させない場合についての例を示すフローチャート。
【図8】実施例2におけるMRIの手順の概略を示すフローチャート。
【図9】(a)はスキャノグラム301上にコロナル断面を撮影する5つのFOV901〜905を表す矩形を設定した場合を示す図。(b)はFOV901〜905の中心をつなぐラインを求めて、これをテーブル移動ライン302とする例を示す図。
【図10】実施例3におけるMRIの手順の概略を示すフローチャート。
【図11】スキャノグラム上に被検体撮影ラインを描画した例を示す図。
【符号の説明】
【0075】
1 被検体、2 静磁場発生系、3 傾斜磁場発生系、4 シーケンサ、5 送信系、
6 受信系、7 信号処理系、8 中央処理装置(CPU)、9 傾斜磁場コイル、10 傾
斜磁場電源、11 高周波発信器、12 変調器、13 高周波増幅器、14a 高周波
コイル(送信コイル)、14b 高周波コイル(受信コイル)、15 信号増幅器、16 直
交位相検波器、17 A/D変換器、18 磁気ディスク、19 光ディスク、20 ディ
スプレイ、23 トラックボール又はマウス、24 キーボード、25 操作系、26
テーブル、27 テーブル駆動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体を搭載して静磁場空間内を移動させる被検体移動手段と、
前記被検体移動手段を移動させて、前記被検体の広範囲領域を撮像し、該広範囲領域の画像を取得する計測制御手段と、
前記広範囲領域の画像を表示する表示手段と、
操作者からの指示を受け付ける入力手段と、
を備えた磁気共鳴イメージング装置であって、
前記入力手段から入力された指示に基づいて、前記被検体移動手段を移動させる移動情報を設定する移動情報設定手段を備え、
前記計測制御手段は、前記設定された移動情報に基づいて、前記被検体移動手段を連続的に或いはステップ的に移動させることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項2】
請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置において、
前記移動情報は、磁場中心を通過させる、前記被検体移動手段の1以上の位置又はラインを含むことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項3】
請求項2記載の磁気共鳴イメージング装置において、
前記被検体移動手段の1以上の位置又はラインの、少なくとも一部は、前記被検体移動手段の長手方向の中心軸と異なる位置を含むことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項4】
請求項2又は3記載の磁気共鳴イメージング装置において、
前記被検体移動手段の1以上の位置は、前記表示手段に表示された画像上で設定された1以上のFOVの中心位置であることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項5】
請求項2又は3記載の磁気共鳴イメージング装置において、
前記被検体移動手段のラインは、前記表示手段に表示された画像上で設定された複数のFOVの中心位置を結ぶ線であることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項6】
請求項4又は5記載の磁気共鳴イメージング装置において、
前記FOVの少なくとも一つは、それを表す矩形の一辺が、前記前記被検体移動手段の長手方向の中心軸に対して傾斜を有することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項7】
請求項2又は3記載の磁気共鳴イメージング装置において、
前記被検体移動手段のラインは、前記表示手段に表示された画像上で描画された線であることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
前記被検体移動手段の移動の少なくとも一部は、該被検体移動手段の長手方向と異なる方向の移動を含むことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項9】
被検体を搭載して静磁場空間内を移動させる被検体移動手段と、
前記被検体移動手段を移動させて、前記被検体の広範囲領域を撮像し、該広範囲領域の画像を取得する計測制御手段と、
前記広範囲領域の画像を表示する表示手段と、
操作者からの指示を受け付ける入力手段と、
を備えた磁気共鳴イメージング装置における被検体移動方法であって、
前記入力手段により前記操作者の指示を受け付けるステップと、
前記入力手段から入力された指示に基づいて、前記被検体移動手段を移動させる移動情報を設定するステップと、
前記設定された移動情報に基づいて、前記被検体移動手段を連続的に或いはステップ的に移動させるステップと、を有することを特徴とする被検体移動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−272524(P2008−272524A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−212310(P2008−212310)
【出願日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【分割の表示】特願2006−535721(P2006−535721)の分割
【原出願日】平成17年9月2日(2005.9.2)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】