磁気共鳴イメージング装置
【課題】 GCの振動による静磁場の変動及び騒音を抑制することを実現したMRI装置を提供することにある。
【解決手段】 本発明のMRI装置では、上下に配置されたクライオスタットを連結する2本の連結管の強度を高めるように補強部材を強固に配置することで、傾斜磁場コイルにより生じる振動を抑制し、静磁場の変動を抑制することを実現する。また、本発明のMRI装置では、真空容器の連結管の上下部に補強部材を設けることで、傾斜磁場コイルにより生じる振動を抑制し、静磁場の変動を抑制することを実現する。さらに、本発明のMRI装置では、真空容器の上下部分に補強部材を設けることで、傾斜磁場コイルにより生じる振動を抑制し、静磁場の変動を抑制することを実現する。
【解決手段】 本発明のMRI装置では、上下に配置されたクライオスタットを連結する2本の連結管の強度を高めるように補強部材を強固に配置することで、傾斜磁場コイルにより生じる振動を抑制し、静磁場の変動を抑制することを実現する。また、本発明のMRI装置では、真空容器の連結管の上下部に補強部材を設けることで、傾斜磁場コイルにより生じる振動を抑制し、静磁場の変動を抑制することを実現する。さらに、本発明のMRI装置では、真空容器の上下部分に補強部材を設けることで、傾斜磁場コイルにより生じる振動を抑制し、静磁場の変動を抑制することを実現する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気共鳴イメージング(以下、MRIと称す)装置に係り、特に静磁場の変動及び騒音を抑制することを実現したMRI装置に関する。
【背景技術】
【0002】
MRI装置においては傾斜磁場を発生するために、傾斜磁場コイル(以下、GCと称す)にはパルス状の電流が流される。GCは静磁場中にあるため、パルス状電流を流されたGCの導体にはローレンツカが作用し、GCに振動を誘発させる。このGC振動は、支持構造部材等を介して静磁場発生源にまで伝達し、静磁場発生源を振動させる。これにより発生する静磁場発生源のミクロンオーダーの振動により、静磁場が時間的に変動し、その結果としてMR画像に悪影響を与える。また、GCの振動は空気振動、即ち、騒音となって被検者の不安感を増強し、さらには操作者と被検者とのコミュニケーションの障害となる。これに対して、GCの振動を抑制する従来のMRI装置の例が〔特許文献1〕に開示されている。この〔特許文献1〕が開示しているMRI装置は、コイル容器に補強を追加し、コイル容器の剛性を高めることにより、コイル及び磁極の振動を減少する構成となっている。また、他の従来例として〔特許文献2〕に記載されている装置では、振動発生源であるGCを真空容器内に収容するとともに、GC支持部に防振部材を用いることにより、振動を抑制するMRI装置の構成例が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2003−220050号公報
【特許文献2】特開2002−85371号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、〔特許文献1〕に示されたMRI装置の構造はコイル容器に対する補強であり、この為、コイル容器に発生する振動をある程度抑制することは可能であるが、真空容器に発生する振動を抑制することは困難であった。
【0005】
また、〔特許文献2〕に示された超電導磁石装置では、GC付近を真空化することにより空気伝播振動を抑制し、且つ、GC支持部に減衰機構を利用するので、振動及び騒音の軽減を実現できるとされている。しかしながら、この〔特許文献2〕の構成においても、GC支持部を介してGCからの振動が外部に伝達してしまい、結局、GCからの振動を抑制することは困難と考えられる。
【0006】
これら従来技術と比較して、本発明は、MRI装置において、GCの振動による静磁場の変動及び騒音を抑制できるMRI装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成する為に、本発明は、一組の超電導コイルと、該超電導コイルをそれぞれ冷媒と共に収納する一組のコイル容器と、該コイル容器をそれぞれ収納し、上下に配置された一組の真空容器と、前記一組の真空容器を連結する複数の連結管とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、真空容器と連結管とからなる連結体の剛性を高める補強部材を設けたことを特徴とする。
【0008】
この場合において、補強部材を、複数の連結管の少なくとも一つに設けることができる。あるいは、補強部材を、連結管が連結された位置の真空容器の外面に設けることができる。さらに、補強部材を、複数の連結管の少なくとも一つの外面と、この連結管が連結された位置の真空容器の外面とに渡して一体に設けることができる。また、補強部材を、少なくとも上の真空容器に設けることができる。さらに、これらの補強部材を組み合わせて適用することができる。
【0009】
また、補強部材の形状を一組の超電導コイル対称面に対して非対称な形状とすることが好ましい。
【0010】
また、上記課題を達成する為に、本発明は一組の超電導コイルと、該超電導コイルをそれぞれ冷媒と共に収納する一組のコイル容器と、該コイル容器をそれぞれ収納し、上下に配置された真空容器を備えた磁気共鳴イメージング装置において、前記上下の真空容器は傾斜磁場発生コイルを有し、該傾斜磁場発生コイルからの振動を他方の真空容器に伝達しないことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、GCの振動による静磁場の変動を抑制できるので、良質な画像を撮影することが可能となる。そして、GCの振動による空気伝播振動である騒音についても低減することが実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施例を図面に従って説明する。
【0013】
本発明が適用できるMRI装置の概要構成を図11に示す。図示のように、MRI装置は、超電導コイル(図示せず)、該超電導コイルを冷媒と共に収納するコイル容器(図示せず)、該コイル容器を包囲し、且つ内部が真空に保持された真空容器41、42と、上下のコイル容器間の冷媒を連結するように撮像空間99を挟んで配置された連結管61、62と、前記冷媒を冷却する冷凍機50からなる超電導磁石装置80と、被検体を乗せるベッド90と、被検体からの核磁気共鳴信号を解析する制御装置100とから構成され、前記真空容器41、42を相互に離間して相対向するように配置すると共に、両真空容器41、42間に垂直に磁場空間を形成し、ベッド90に乗った被検体に対して断層撮影を行うものである。以下に、本発明が適用されたMRI装置の実施例について説明する。
【実施例1】
【0014】
図1に本発明の第1の実施例であるMRI装置の断面図を示す。本実施例の超電導磁石装置80は、静磁場を発生するために所定の電流を流すための環状コイルとして超電導コイル11、12と、該超電導コイルを冷媒の液体Heと共に収納する円環筒状のコイル容器21、22と、該コイル容器を包囲するように設けられた円環筒状の熱シールド31、32と、コイル容器21、22及び熱シールド31、32を包囲し、且つ内部が真空に保持された円筒状の真空容器41、42とで構成されたクライオスタット51、52と、クライオスタット51、52間を連結する連結管61、62とからなり、クライオスタット51、52は相互に相対向するように配置されている。なお、クライオスタット52は固定部材(図示省略)を介して床面121へボルトで固定したり、床面121にゴムダンパ等の振動絶縁部材を介して単に載置することができる。また、図中の符号13は、冷媒の液面を示す。
【0015】
なお、図1において中心軸A−A′に対して左半分の断面図は連結管61、62が位置する部分の断面を示したものであり、また、中心軸A−A′に対して右半分の断面図は連結管61、62が存在しない位置の断面図を示したものである。
【0016】
そして、真空容器41、42にはそれぞれ凹部43、44が形成され、そこにGC101、102が取り付けられている。
【0017】
さらに、連結管61、62の上部の真空容器41から、連結管61、62を経由し、連結管61、62の下部の真空容器42までの部分に、撮像空間99の中心を通る平面111に対して非対称な梁状の補強部材91、92が取り付けられている。
【0018】
一連の補強部材91、92は、連結管61、62の上部付近の真空容器41の部分と、連結管61、62とこの連結管61、62の下部付近の真空容器42の部分に対して溶接等により一体に形成することが可能であり、又、脱着可能に形成することも採用出来る。
【0019】
また、図2は図1の本発明のMRI装置を補強部材91、92に対して水平方向から見た例を示している。図2に示すように、補強部材91、92の上下を平面111に対して非対称となるように床121に近い端部は形状を大きく取り、上部の真空容器41の部分の形状を小さくしている。そして、これらの補強部材91、92の材質としては非磁性のステンレススチール(以下、SUSと称する)、アルミニウム又は銅等を用いることが可能である。
【0020】
以上に示した構成によれば、真空容器41に取り付けたGC101にローレンツ力による振動が発生した場合、その振動はそのまま真空容器41に伝わり連結管61、62を介して真空容器42に伝わり床121に伝達することになる。このとき、連結管61の上部付近の真空容器41から、連結管61、62を経由し、連結管61の下部付近の真空容器42の一連の部分に、一体の梁状の補強部材91、92を設けて、高剛性化していることから、真空容器41が床121の拘束端側を基準に倒れ込もうとする振動モードに対する曲げ剛性(ヤング率×断面二次モーメント)の内、断面二次モーメントが増加する。また、その他パラメータの減衰比、質量、ローレンツ力等が同一の場合は、曲げ剛性と振動振幅は反比例の関係を持つことにより、GC101の振動に起因する真空容器41の振幅を低下させることができる。特に、一体の補強部材91、92の上下の形状を平面111に対して非対称とし、床121の拘束端に近い補強部材を幅広く、かつ、厚く形成する。このように、自由端に近い部分の補強部材を拘束端に近い補強部材と比較して狭く、かつ、薄くすることで、不必要な補強を避け、平等強さの梁若しくは等価梁とも言われている梁の様に、剛性と質量のバランスの良い補強を実現することが可能である。ここで、平等強さの梁若しくは等価梁とは、最大曲げ応力は曲げモーメントに比例し、かつ断面係数に反比例する関係が有り、通常の曲げモーメントは拘束点からの距離によって数値が変化するが、曲げモーメントの数値変化に合わせて断面係数も変化させ、どの断面部分においても常に最大曲げ応力を発生するように断面寸法を定めた梁である。
【0021】
本実施例によれば、補強部材91、92により連結管61、62と真空容器41、42とからなる連結体の剛性を高めたことから、GCの振動に起因する真空容器及びコイル容器の振動を抑制することができる。その結果、静磁場発生源の振動を抑制して静磁場の変動を抑制できるとともに、GCの振動に起因する騒音を抑制できる。
【0022】
さらに、上下で補強のバランスが相違することで、剛性に起因した真空容器の固有振動数が上下でずれることになり、真空容器が上下で同じ周波数で共振しにくくなることで、ピークの騒音レベルが下がる相乗効果もある。すなわち、上下のGC101、102には、同一の数十Hz〜数百Hzのパルス電流が流されるから、GC101、102の振動周波数は同じである。また、上下の真空容器41、42は、一般に略対称に形成されるから、真空容器41、42の固有振動数は略同一である。これに対し、本実施例によれば、補強部材91、92の上下の形状を平面111に対して非対称としたことから、補強部材91、92に固定された上下の真空容器41、42の固有振動数に差をもたせることができる。その結果、同一の振動数のGC101、102により加振される真空容器41、42の共振点がずれるから、同一の振動数に対する真空容器41、42が発生する騒音の大きさに差が生じ、全体としてピークの騒音レベルを抑えることができる。
【0023】
なお、本実施例の上の真空容器41の天板部に、図11に示すような冷凍機50を設置するための凹所が設けられていないが、この点は単なる設計上の相違であり、必要に応じて図11のMRI装置のように凹所を設けることができる。
【実施例2】
【0024】
図3に本発明の第2の実施例を示す。本実施例が、第1の実施例と異なる点は、補強部材91、92に代えて、補強部材81、82を連結管61、62の部分にのみ設置したことにある。図に示すように、補強部材81、82の上下を平面111に対して非対称となるように真空容器42に近い端部は形状を大きく取り、真空容器41の部分の形状を小さくする。特に、真空容器42に近い補強部材を幅広く、かつ、厚く形成して、真空容器41に近い部分の補強部材を真空容器42に近い部分と比較して狭く、かつ、薄く形成する。これらの補強部材81、82の材質としては、第1の実施例と同様に、非磁性のSUS、アルミニウム又は銅等を用いることが可能である。
【0025】
このように構成した場合、クライオスタット51、52との連結剛性に一番効く部分である連結管61、62の剛性を確保できるので、真空容器41、42の剛性が十分にある場合には、GC振動低減に対して効果的であり、MRI装置の重量増加を最小限に押さえて振動を抑制することが実現できる。
【0026】
さらに、補強部材81、82の上下が平面111に対して非対称に形成されているから、上下の真空容器41、42の固有振動数をずらして、ピークの騒音レベルを抑える効果も得ることができる。
【実施例3】
【0027】
図4に本発明の第3の実施例を示す。本実施例が、第1の実施例と相違する点は、補強部材91、92に代えて、連結管61、62の上部付近の真空容器41に真空容器補強部材84、85と、連結管61、62の下部付近の真空容器42に真空容器補強部材86、87を設置したことにある。
【0028】
図に示すように、真空容器42に設置している真空容器補強部材86、87の形状を大きく取り、真空容器41に設置している真空容器補強部材84、85の形状を小さくする。特に、真空容器42に設置している真空容器補強部材86、87を幅広く、かつ、厚く形成して、真空容器41に設置している真空容器補強部材84、85を真空容器補強部材86、87と比較して狭く、かつ、薄く形成する。これらの真空容器補強部材84、85、86、87の材質としては、第1の実施例と同様に、非磁性のSUS、アルミニウム又は銅等を用いることが可能である。
【0029】
このように構成した場合、クライオスタット51、52の連結剛性に効果のある部分として、真空容器41が連結管61、62と接続している付近の箇所と、真空容器42が連結管61、62と接続している付近の箇所の剛性を確保できるので、連結管61、62の剛性が十分にある場合、GC振動低減を実現することが可能になる。
【0030】
さらに、真空容器補強部材84、85と真空容器補強部材86、87の形状が平面111に対して非対称に形成されているから、上下の真空容器41、42の固有振動数をずらして、ピークの騒音レベルを抑える効果も得ることができる。
【実施例4】
【0031】
図5に本発明の第4の実施例を示す。本実施例が、第1の実施例と異なる点は、補強部材91、92に代えて、真空容器41の上側に真空容器補強部材73を配置したものである。このように構成した場合、クライオスタット51、52の剛性を保つ真空容器41の剛性を効果的に、無駄なく強化できるので、連結管61、62の剛性が十分にある場合、GC振動の低減を実現することが可能になる。
【0032】
さらに、上の真空容器41の天板にのみ真空容器補強部材73を設けていることから、補強部材が平面111に対して非対称になり、上下の真空容器41、42の固有振動数を効果的にずらして、ピークの騒音レベルを一層抑える効果が得られる。
【実施例5】
【0033】
図6に本発明の第5の実施例を示す。この実施例は、第1の実施例と第4の実施例を組み合わせたものであり、真空容器41の上側に真空容器補強部材73を配置し、超電導コイル11、12の平面111に対して真空容器の上部のみ補強を配置するとともに、さらに、連結管61の上部の真空容器41から、連結管61を経由し、連結管61の下部の真空容器42までの一体の梁状補強部材91、92を面111に対して非対称に配置したものである。
【0034】
図7に、真空容器補強部材73の詳細な外観図を示す。図7は、中心軸A−A′から見て1/4の部分の装置形状の外観を示したものであり、真空容器補強部材73は非磁性のSUSの板材152、154を格子状に組み合わせて溶接により一体に形成した構成になっている。そして、このような真空容器補強部材73を真空容器41の上側に溶接等により強固に接合することで真空容器41の剛性を高めることを実現できる。なお、真空容器補強部材73をSUSの板材を用いなくても、アルミニウム又は重量の条件が許せば銅等で形成することが可能である。
【0035】
さらに、図1の実施例に示したように一体の梁状補強部材91、92を面111に対して非対称となるように下側の真空容器42に接する形状を大きくし、上側の真空容器41に接する形状を小さくする。そして、これらの補強部材91、92の材質としては非磁性のSUS、アルミニウム又は銅等を用いることが可能である。
【0036】
このような構成を採用することにより、真空容器41、42の剛性がそれぞれ高まり、かつ、剛性が高まった真空容器41、42に対してさらに連結管61、62の剛性を高めることが可能になるので、装置全体の剛性を格段に高めることが実現できるので、GC振動の低減を実現することが可能になる。
【0037】
さらに、上の真空容器41の天板に真空容器補強部材73を設け、かつ一体の梁状補強部材91、92を面111に対して非対称となるように設けているから、装置全体の剛性を格段に高めてGC振動を抑制して騒音を低減することに加えて、上下の真空容器41、42の固有振動数を効果的にずらすことができるから、ピークの騒音レベルを一層抑える効果が得られる。
【実施例6】
【0038】
図8に本発明の第6の実施例を示す。この実施例は、第5の実施例において、真空容器41のGC101と真空容器補強部材73の間に複数の突っ張り部材75を配置し、さらに真空容器42のGC102と床121の間に複数の突っ張り部材76を配置したものである。このように構成した場合、GC101付近の真空容器41と、GC102付近の真空容器42の剛性が低い場合でも、真空容器補強部材73及び床121に対し突っ張り部材75、76を介してGC101、102を剛性を高めながら取り付けることが出来るので、GCにより振動が発生した場合でもその振動が真空容器41、42に伝達しにくくなるので、静磁場の振動を一層低減することができる。
【実施例7】
【0039】
図9、図10に本発明の第7の実施例を示す。本実施例は、図6、図7に示した第5の実施例の変形例である。本実施例が図8の実施例と相違する点は、真空容器補強部材73の構成と、梁状補強部材91、92の構成を変えたことにある。なお、図9は、図7と同様に中心軸A−A′から見て1/4の部分の装置形状の外観を示したものである。
【0040】
すなわち、本実施例の真空容器補強部材74は、連結管61、62に設けたテーパー状の梁状補強部材91、92を、厚さが異なる複数の板材で梁状補強部材93、94を形成したことにある。つまり、梁状補強部材93、94は、図9に示すように、上下の真空容器41、42に挟まれた部分の連結管61、62の外面部に形成される凹所に位置する梁状補強部材93、94の厚みが厚く形成されている。しかし、梁状補強部材93、94の外表面は面一に形成されている。また、梁状補強部材93、94は、図10に示すように、下部の真空容器42の周方向の幅が広く、連結管61、62及び上部の真空容器41の周方向の幅が狭く形成され、これにより、面111に対して非対称に形成されている。
【0041】
また、真空容器補強部材74は、非磁性のSUSの板材156、158を格子状に組み合わせて溶接により一体に形成した構成になっている点では図7と同一である。しかし、真空容器41の天板の全面に設けず、一対の連結管61、62が連結された位置に架け渡すように梁状に形成されている。また、真空容器補強部材74の連結管61、62側の端部の高さ方向の角部をカットしてテーパー状に形成し、軽量化を図っている。なお、真空容器補強部材74は、SUSの板材を用いなくても、アルミニウム又は重量の条件が許せば銅等で形成することが可能である。
【0042】
このように構成されることから、本実施例によれば、第5実施例と同一の効果が得られることに加え、梁状補強部材93、94は板材を組み合わせて形成できるから、製作が容易になる。また、真空容器補強部材74を軽量化できる。
【0043】
以上説明した各実施例においては、超電導コイルを用いたMRI装置の構成を示したが、本発明は超電導コイルの代わりに永久磁石を用いたMRI装置においても適用することが可能であり、この場合のMRI装置においても静磁場の振動をなるべく抑制することが実現出来る。
【0044】
また、上述した各実施例のMRI装置においては、装置全体の剛性を高めて振動を低減するために2本の連結管を180度相対する場所に配置した構成を採用しているが、本発明はこの構成以外のMRI装置においても適用することが可能であり、例えば、180度以外の位置に配置した2本の連結管に対しても適用が可能である。さらに、1本又は3本以上の連結管に対しても適用することが可能であり、3本以上の連結管を用いた場合においては、その配置を等ピッチにしない構成に対しても本発明を適用することで装置の剛性を高めて振動を低減することが実現出来る。
【0045】
さらに、上述した各実施例のMRI装置においては、2本の連結管に補強部材を設けるようにしたが、本発明はこれに限らず、少なくとも1本の連結管に補強部材を設けることで、本発明の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の磁気共鳴イメージング装置の一実施例を示す断面図である。
【図2】図1の装置を横から見た図を示す。
【図3】本発明の第2の実施例を示す断面図である。
【図4】本発明の第3の実施例を示す断面図である。
【図5】本発明の第4の実施例を示す断面図である。
【図6】本発明の第5の実施例を示す断面図である。
【図7】本発明の第5の実施例の一部の外観図である。
【図8】本発明の第6の実施例を示す断面図である。
【図9】本発明の第7の実施例の一部の外観図である。
【図10】本発明の第7の実施例を示す断面図である。
【図11】本発明が適用可能な磁気共鳴イメージ装置の一例の斜視外観図である。
【符号の説明】
【0047】
11、12 超電導コイル
21、22 コイル容器
31、32 熱シールド
41、42 真空容器
51、52 クライオスタット
61、62 連結管
91、92 補強部材
101、102 傾斜磁場コイル
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気共鳴イメージング(以下、MRIと称す)装置に係り、特に静磁場の変動及び騒音を抑制することを実現したMRI装置に関する。
【背景技術】
【0002】
MRI装置においては傾斜磁場を発生するために、傾斜磁場コイル(以下、GCと称す)にはパルス状の電流が流される。GCは静磁場中にあるため、パルス状電流を流されたGCの導体にはローレンツカが作用し、GCに振動を誘発させる。このGC振動は、支持構造部材等を介して静磁場発生源にまで伝達し、静磁場発生源を振動させる。これにより発生する静磁場発生源のミクロンオーダーの振動により、静磁場が時間的に変動し、その結果としてMR画像に悪影響を与える。また、GCの振動は空気振動、即ち、騒音となって被検者の不安感を増強し、さらには操作者と被検者とのコミュニケーションの障害となる。これに対して、GCの振動を抑制する従来のMRI装置の例が〔特許文献1〕に開示されている。この〔特許文献1〕が開示しているMRI装置は、コイル容器に補強を追加し、コイル容器の剛性を高めることにより、コイル及び磁極の振動を減少する構成となっている。また、他の従来例として〔特許文献2〕に記載されている装置では、振動発生源であるGCを真空容器内に収容するとともに、GC支持部に防振部材を用いることにより、振動を抑制するMRI装置の構成例が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2003−220050号公報
【特許文献2】特開2002−85371号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、〔特許文献1〕に示されたMRI装置の構造はコイル容器に対する補強であり、この為、コイル容器に発生する振動をある程度抑制することは可能であるが、真空容器に発生する振動を抑制することは困難であった。
【0005】
また、〔特許文献2〕に示された超電導磁石装置では、GC付近を真空化することにより空気伝播振動を抑制し、且つ、GC支持部に減衰機構を利用するので、振動及び騒音の軽減を実現できるとされている。しかしながら、この〔特許文献2〕の構成においても、GC支持部を介してGCからの振動が外部に伝達してしまい、結局、GCからの振動を抑制することは困難と考えられる。
【0006】
これら従来技術と比較して、本発明は、MRI装置において、GCの振動による静磁場の変動及び騒音を抑制できるMRI装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成する為に、本発明は、一組の超電導コイルと、該超電導コイルをそれぞれ冷媒と共に収納する一組のコイル容器と、該コイル容器をそれぞれ収納し、上下に配置された一組の真空容器と、前記一組の真空容器を連結する複数の連結管とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、真空容器と連結管とからなる連結体の剛性を高める補強部材を設けたことを特徴とする。
【0008】
この場合において、補強部材を、複数の連結管の少なくとも一つに設けることができる。あるいは、補強部材を、連結管が連結された位置の真空容器の外面に設けることができる。さらに、補強部材を、複数の連結管の少なくとも一つの外面と、この連結管が連結された位置の真空容器の外面とに渡して一体に設けることができる。また、補強部材を、少なくとも上の真空容器に設けることができる。さらに、これらの補強部材を組み合わせて適用することができる。
【0009】
また、補強部材の形状を一組の超電導コイル対称面に対して非対称な形状とすることが好ましい。
【0010】
また、上記課題を達成する為に、本発明は一組の超電導コイルと、該超電導コイルをそれぞれ冷媒と共に収納する一組のコイル容器と、該コイル容器をそれぞれ収納し、上下に配置された真空容器を備えた磁気共鳴イメージング装置において、前記上下の真空容器は傾斜磁場発生コイルを有し、該傾斜磁場発生コイルからの振動を他方の真空容器に伝達しないことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、GCの振動による静磁場の変動を抑制できるので、良質な画像を撮影することが可能となる。そして、GCの振動による空気伝播振動である騒音についても低減することが実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施例を図面に従って説明する。
【0013】
本発明が適用できるMRI装置の概要構成を図11に示す。図示のように、MRI装置は、超電導コイル(図示せず)、該超電導コイルを冷媒と共に収納するコイル容器(図示せず)、該コイル容器を包囲し、且つ内部が真空に保持された真空容器41、42と、上下のコイル容器間の冷媒を連結するように撮像空間99を挟んで配置された連結管61、62と、前記冷媒を冷却する冷凍機50からなる超電導磁石装置80と、被検体を乗せるベッド90と、被検体からの核磁気共鳴信号を解析する制御装置100とから構成され、前記真空容器41、42を相互に離間して相対向するように配置すると共に、両真空容器41、42間に垂直に磁場空間を形成し、ベッド90に乗った被検体に対して断層撮影を行うものである。以下に、本発明が適用されたMRI装置の実施例について説明する。
【実施例1】
【0014】
図1に本発明の第1の実施例であるMRI装置の断面図を示す。本実施例の超電導磁石装置80は、静磁場を発生するために所定の電流を流すための環状コイルとして超電導コイル11、12と、該超電導コイルを冷媒の液体Heと共に収納する円環筒状のコイル容器21、22と、該コイル容器を包囲するように設けられた円環筒状の熱シールド31、32と、コイル容器21、22及び熱シールド31、32を包囲し、且つ内部が真空に保持された円筒状の真空容器41、42とで構成されたクライオスタット51、52と、クライオスタット51、52間を連結する連結管61、62とからなり、クライオスタット51、52は相互に相対向するように配置されている。なお、クライオスタット52は固定部材(図示省略)を介して床面121へボルトで固定したり、床面121にゴムダンパ等の振動絶縁部材を介して単に載置することができる。また、図中の符号13は、冷媒の液面を示す。
【0015】
なお、図1において中心軸A−A′に対して左半分の断面図は連結管61、62が位置する部分の断面を示したものであり、また、中心軸A−A′に対して右半分の断面図は連結管61、62が存在しない位置の断面図を示したものである。
【0016】
そして、真空容器41、42にはそれぞれ凹部43、44が形成され、そこにGC101、102が取り付けられている。
【0017】
さらに、連結管61、62の上部の真空容器41から、連結管61、62を経由し、連結管61、62の下部の真空容器42までの部分に、撮像空間99の中心を通る平面111に対して非対称な梁状の補強部材91、92が取り付けられている。
【0018】
一連の補強部材91、92は、連結管61、62の上部付近の真空容器41の部分と、連結管61、62とこの連結管61、62の下部付近の真空容器42の部分に対して溶接等により一体に形成することが可能であり、又、脱着可能に形成することも採用出来る。
【0019】
また、図2は図1の本発明のMRI装置を補強部材91、92に対して水平方向から見た例を示している。図2に示すように、補強部材91、92の上下を平面111に対して非対称となるように床121に近い端部は形状を大きく取り、上部の真空容器41の部分の形状を小さくしている。そして、これらの補強部材91、92の材質としては非磁性のステンレススチール(以下、SUSと称する)、アルミニウム又は銅等を用いることが可能である。
【0020】
以上に示した構成によれば、真空容器41に取り付けたGC101にローレンツ力による振動が発生した場合、その振動はそのまま真空容器41に伝わり連結管61、62を介して真空容器42に伝わり床121に伝達することになる。このとき、連結管61の上部付近の真空容器41から、連結管61、62を経由し、連結管61の下部付近の真空容器42の一連の部分に、一体の梁状の補強部材91、92を設けて、高剛性化していることから、真空容器41が床121の拘束端側を基準に倒れ込もうとする振動モードに対する曲げ剛性(ヤング率×断面二次モーメント)の内、断面二次モーメントが増加する。また、その他パラメータの減衰比、質量、ローレンツ力等が同一の場合は、曲げ剛性と振動振幅は反比例の関係を持つことにより、GC101の振動に起因する真空容器41の振幅を低下させることができる。特に、一体の補強部材91、92の上下の形状を平面111に対して非対称とし、床121の拘束端に近い補強部材を幅広く、かつ、厚く形成する。このように、自由端に近い部分の補強部材を拘束端に近い補強部材と比較して狭く、かつ、薄くすることで、不必要な補強を避け、平等強さの梁若しくは等価梁とも言われている梁の様に、剛性と質量のバランスの良い補強を実現することが可能である。ここで、平等強さの梁若しくは等価梁とは、最大曲げ応力は曲げモーメントに比例し、かつ断面係数に反比例する関係が有り、通常の曲げモーメントは拘束点からの距離によって数値が変化するが、曲げモーメントの数値変化に合わせて断面係数も変化させ、どの断面部分においても常に最大曲げ応力を発生するように断面寸法を定めた梁である。
【0021】
本実施例によれば、補強部材91、92により連結管61、62と真空容器41、42とからなる連結体の剛性を高めたことから、GCの振動に起因する真空容器及びコイル容器の振動を抑制することができる。その結果、静磁場発生源の振動を抑制して静磁場の変動を抑制できるとともに、GCの振動に起因する騒音を抑制できる。
【0022】
さらに、上下で補強のバランスが相違することで、剛性に起因した真空容器の固有振動数が上下でずれることになり、真空容器が上下で同じ周波数で共振しにくくなることで、ピークの騒音レベルが下がる相乗効果もある。すなわち、上下のGC101、102には、同一の数十Hz〜数百Hzのパルス電流が流されるから、GC101、102の振動周波数は同じである。また、上下の真空容器41、42は、一般に略対称に形成されるから、真空容器41、42の固有振動数は略同一である。これに対し、本実施例によれば、補強部材91、92の上下の形状を平面111に対して非対称としたことから、補強部材91、92に固定された上下の真空容器41、42の固有振動数に差をもたせることができる。その結果、同一の振動数のGC101、102により加振される真空容器41、42の共振点がずれるから、同一の振動数に対する真空容器41、42が発生する騒音の大きさに差が生じ、全体としてピークの騒音レベルを抑えることができる。
【0023】
なお、本実施例の上の真空容器41の天板部に、図11に示すような冷凍機50を設置するための凹所が設けられていないが、この点は単なる設計上の相違であり、必要に応じて図11のMRI装置のように凹所を設けることができる。
【実施例2】
【0024】
図3に本発明の第2の実施例を示す。本実施例が、第1の実施例と異なる点は、補強部材91、92に代えて、補強部材81、82を連結管61、62の部分にのみ設置したことにある。図に示すように、補強部材81、82の上下を平面111に対して非対称となるように真空容器42に近い端部は形状を大きく取り、真空容器41の部分の形状を小さくする。特に、真空容器42に近い補強部材を幅広く、かつ、厚く形成して、真空容器41に近い部分の補強部材を真空容器42に近い部分と比較して狭く、かつ、薄く形成する。これらの補強部材81、82の材質としては、第1の実施例と同様に、非磁性のSUS、アルミニウム又は銅等を用いることが可能である。
【0025】
このように構成した場合、クライオスタット51、52との連結剛性に一番効く部分である連結管61、62の剛性を確保できるので、真空容器41、42の剛性が十分にある場合には、GC振動低減に対して効果的であり、MRI装置の重量増加を最小限に押さえて振動を抑制することが実現できる。
【0026】
さらに、補強部材81、82の上下が平面111に対して非対称に形成されているから、上下の真空容器41、42の固有振動数をずらして、ピークの騒音レベルを抑える効果も得ることができる。
【実施例3】
【0027】
図4に本発明の第3の実施例を示す。本実施例が、第1の実施例と相違する点は、補強部材91、92に代えて、連結管61、62の上部付近の真空容器41に真空容器補強部材84、85と、連結管61、62の下部付近の真空容器42に真空容器補強部材86、87を設置したことにある。
【0028】
図に示すように、真空容器42に設置している真空容器補強部材86、87の形状を大きく取り、真空容器41に設置している真空容器補強部材84、85の形状を小さくする。特に、真空容器42に設置している真空容器補強部材86、87を幅広く、かつ、厚く形成して、真空容器41に設置している真空容器補強部材84、85を真空容器補強部材86、87と比較して狭く、かつ、薄く形成する。これらの真空容器補強部材84、85、86、87の材質としては、第1の実施例と同様に、非磁性のSUS、アルミニウム又は銅等を用いることが可能である。
【0029】
このように構成した場合、クライオスタット51、52の連結剛性に効果のある部分として、真空容器41が連結管61、62と接続している付近の箇所と、真空容器42が連結管61、62と接続している付近の箇所の剛性を確保できるので、連結管61、62の剛性が十分にある場合、GC振動低減を実現することが可能になる。
【0030】
さらに、真空容器補強部材84、85と真空容器補強部材86、87の形状が平面111に対して非対称に形成されているから、上下の真空容器41、42の固有振動数をずらして、ピークの騒音レベルを抑える効果も得ることができる。
【実施例4】
【0031】
図5に本発明の第4の実施例を示す。本実施例が、第1の実施例と異なる点は、補強部材91、92に代えて、真空容器41の上側に真空容器補強部材73を配置したものである。このように構成した場合、クライオスタット51、52の剛性を保つ真空容器41の剛性を効果的に、無駄なく強化できるので、連結管61、62の剛性が十分にある場合、GC振動の低減を実現することが可能になる。
【0032】
さらに、上の真空容器41の天板にのみ真空容器補強部材73を設けていることから、補強部材が平面111に対して非対称になり、上下の真空容器41、42の固有振動数を効果的にずらして、ピークの騒音レベルを一層抑える効果が得られる。
【実施例5】
【0033】
図6に本発明の第5の実施例を示す。この実施例は、第1の実施例と第4の実施例を組み合わせたものであり、真空容器41の上側に真空容器補強部材73を配置し、超電導コイル11、12の平面111に対して真空容器の上部のみ補強を配置するとともに、さらに、連結管61の上部の真空容器41から、連結管61を経由し、連結管61の下部の真空容器42までの一体の梁状補強部材91、92を面111に対して非対称に配置したものである。
【0034】
図7に、真空容器補強部材73の詳細な外観図を示す。図7は、中心軸A−A′から見て1/4の部分の装置形状の外観を示したものであり、真空容器補強部材73は非磁性のSUSの板材152、154を格子状に組み合わせて溶接により一体に形成した構成になっている。そして、このような真空容器補強部材73を真空容器41の上側に溶接等により強固に接合することで真空容器41の剛性を高めることを実現できる。なお、真空容器補強部材73をSUSの板材を用いなくても、アルミニウム又は重量の条件が許せば銅等で形成することが可能である。
【0035】
さらに、図1の実施例に示したように一体の梁状補強部材91、92を面111に対して非対称となるように下側の真空容器42に接する形状を大きくし、上側の真空容器41に接する形状を小さくする。そして、これらの補強部材91、92の材質としては非磁性のSUS、アルミニウム又は銅等を用いることが可能である。
【0036】
このような構成を採用することにより、真空容器41、42の剛性がそれぞれ高まり、かつ、剛性が高まった真空容器41、42に対してさらに連結管61、62の剛性を高めることが可能になるので、装置全体の剛性を格段に高めることが実現できるので、GC振動の低減を実現することが可能になる。
【0037】
さらに、上の真空容器41の天板に真空容器補強部材73を設け、かつ一体の梁状補強部材91、92を面111に対して非対称となるように設けているから、装置全体の剛性を格段に高めてGC振動を抑制して騒音を低減することに加えて、上下の真空容器41、42の固有振動数を効果的にずらすことができるから、ピークの騒音レベルを一層抑える効果が得られる。
【実施例6】
【0038】
図8に本発明の第6の実施例を示す。この実施例は、第5の実施例において、真空容器41のGC101と真空容器補強部材73の間に複数の突っ張り部材75を配置し、さらに真空容器42のGC102と床121の間に複数の突っ張り部材76を配置したものである。このように構成した場合、GC101付近の真空容器41と、GC102付近の真空容器42の剛性が低い場合でも、真空容器補強部材73及び床121に対し突っ張り部材75、76を介してGC101、102を剛性を高めながら取り付けることが出来るので、GCにより振動が発生した場合でもその振動が真空容器41、42に伝達しにくくなるので、静磁場の振動を一層低減することができる。
【実施例7】
【0039】
図9、図10に本発明の第7の実施例を示す。本実施例は、図6、図7に示した第5の実施例の変形例である。本実施例が図8の実施例と相違する点は、真空容器補強部材73の構成と、梁状補強部材91、92の構成を変えたことにある。なお、図9は、図7と同様に中心軸A−A′から見て1/4の部分の装置形状の外観を示したものである。
【0040】
すなわち、本実施例の真空容器補強部材74は、連結管61、62に設けたテーパー状の梁状補強部材91、92を、厚さが異なる複数の板材で梁状補強部材93、94を形成したことにある。つまり、梁状補強部材93、94は、図9に示すように、上下の真空容器41、42に挟まれた部分の連結管61、62の外面部に形成される凹所に位置する梁状補強部材93、94の厚みが厚く形成されている。しかし、梁状補強部材93、94の外表面は面一に形成されている。また、梁状補強部材93、94は、図10に示すように、下部の真空容器42の周方向の幅が広く、連結管61、62及び上部の真空容器41の周方向の幅が狭く形成され、これにより、面111に対して非対称に形成されている。
【0041】
また、真空容器補強部材74は、非磁性のSUSの板材156、158を格子状に組み合わせて溶接により一体に形成した構成になっている点では図7と同一である。しかし、真空容器41の天板の全面に設けず、一対の連結管61、62が連結された位置に架け渡すように梁状に形成されている。また、真空容器補強部材74の連結管61、62側の端部の高さ方向の角部をカットしてテーパー状に形成し、軽量化を図っている。なお、真空容器補強部材74は、SUSの板材を用いなくても、アルミニウム又は重量の条件が許せば銅等で形成することが可能である。
【0042】
このように構成されることから、本実施例によれば、第5実施例と同一の効果が得られることに加え、梁状補強部材93、94は板材を組み合わせて形成できるから、製作が容易になる。また、真空容器補強部材74を軽量化できる。
【0043】
以上説明した各実施例においては、超電導コイルを用いたMRI装置の構成を示したが、本発明は超電導コイルの代わりに永久磁石を用いたMRI装置においても適用することが可能であり、この場合のMRI装置においても静磁場の振動をなるべく抑制することが実現出来る。
【0044】
また、上述した各実施例のMRI装置においては、装置全体の剛性を高めて振動を低減するために2本の連結管を180度相対する場所に配置した構成を採用しているが、本発明はこの構成以外のMRI装置においても適用することが可能であり、例えば、180度以外の位置に配置した2本の連結管に対しても適用が可能である。さらに、1本又は3本以上の連結管に対しても適用することが可能であり、3本以上の連結管を用いた場合においては、その配置を等ピッチにしない構成に対しても本発明を適用することで装置の剛性を高めて振動を低減することが実現出来る。
【0045】
さらに、上述した各実施例のMRI装置においては、2本の連結管に補強部材を設けるようにしたが、本発明はこれに限らず、少なくとも1本の連結管に補強部材を設けることで、本発明の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の磁気共鳴イメージング装置の一実施例を示す断面図である。
【図2】図1の装置を横から見た図を示す。
【図3】本発明の第2の実施例を示す断面図である。
【図4】本発明の第3の実施例を示す断面図である。
【図5】本発明の第4の実施例を示す断面図である。
【図6】本発明の第5の実施例を示す断面図である。
【図7】本発明の第5の実施例の一部の外観図である。
【図8】本発明の第6の実施例を示す断面図である。
【図9】本発明の第7の実施例の一部の外観図である。
【図10】本発明の第7の実施例を示す断面図である。
【図11】本発明が適用可能な磁気共鳴イメージ装置の一例の斜視外観図である。
【符号の説明】
【0047】
11、12 超電導コイル
21、22 コイル容器
31、32 熱シールド
41、42 真空容器
51、52 クライオスタット
61、62 連結管
91、92 補強部材
101、102 傾斜磁場コイル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一組の超電導コイルと、
該超電導コイルをそれぞれ冷媒と共に収納する一組のコイル容器と、
該コイル容器をそれぞれ収納し、上下に配置された一組の真空容器と、前記一組の真空容器を連結する複数の連結管とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、
前記真空容器と前記連結管とからなる連結体の剛性を高める補強部材を設けたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項2】
請求項1の磁気共鳴イメージング装置において、
前記補強部材を、前記複数の連結管の少なくとも一つに設けたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項3】
請求項2の磁気共鳴イメージング装置において、
前記補強部材の形状を前記一組の超電導コイル対称面に対して非対称な形状としたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項4】
請求項1の磁気共鳴イメージング装置において、
前記補強部材を、前記連結管が連結された位置の前記真空容器の外面に設けたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項5】
請求項4の磁気共鳴イメージング装置において、
前記補強部材の形状を前記一組の超電導コイル対称面に対して非対称な形状としたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項6】
請求項1の磁気共鳴イメージング装置において、
前記補強部材を、前記複数の連結管の少なくとも一つの外面と、該連結管が連結された位置の前記真空容器の外面とに渡して一体に設けたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項7】
請求項6の磁気共鳴イメージング装置において、
前記補強部材の形状を前記一組の超電導コイル対称面に対して非対称な形状としたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項8】
請求項1の磁気共鳴イメージング装置において、
前記補強部材を、少なくとも上の前記真空容器に設けたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項9】
請求項8の磁気共鳴イメージング装置において、
前記補強部材を、前記真空容器の天板に設けたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項10】
請求項9に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
前記真空容器は傾斜磁場発生コイルを備え、
上の前記真空容器の天板に設けた前記補強部材と前記傾斜磁場発生コイルを接続する突つ張り部材を備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項11】
請求項10に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
下の前記真空容器の底板と前記傾斜磁場発生コイルを接続する突つ張り部材を備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項12】
請求項1の磁気共鳴イメージング装置において、
前記補強部材を、前記複数の連結管の少なくとも一つの外面と、該連結管が連結された位置の前記真空容器の外面とに渡して一体に設けるとともに、少なくとも上の前記真空容器の天板に設けたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項13】
請求項9又は12の磁気共鳴イメージング装置において、
前記真空容器の天板に設けた前記補強部材は、板材を格子状に組み合わせて形成されたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項14】
請求項13の磁気共鳴イメージング装置において、
前記連結管が2本設けられ、
前記補強部材は、2本の前記連結管がそれぞれ連結された位置の前記真空容器の天板に架け渡して梁状に形成されていることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項15】
一組の超電導コイルと、
該超電導コイルをそれぞれ冷媒と共に収納する一組のコイル容器と、
該コイル容器をそれぞれ収納し、上下に配置された一組の真空容器と、前記一組の真空容器にそれぞれ配置された一組の傾斜磁場発生コイルと、前記一組の真空容器を連結する複数の連結管とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、
前記複数の連結管の少なくとも一つの外面と、該連結管が連結された位置の前記真空容器の外面とに渡して一体に設けられた第1の補強部材と、
少なくとも上の前記真空容器の天板に板材を格子状に組み合わせて設けられた第2の補強部材と、
前記第2の補強部材と前記傾斜磁場発生コイルを接続する第1の突つ張り部材と、
下の前記真空容器の底板と前記傾斜磁場発生コイルを接続する第2の突つ張り部材とを備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項16】
請求項15の磁気共鳴イメージング装置において、
前記第1の補強部材は、前記一組の超電導コイル対称面に対して非対称な形状に形成されてなることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項17】
請求項15の磁気共鳴イメージング装置において、
前記第1の補強部材は、板材を用いて外面が面一に形成され、板幅を上下で変えて前記一組の超電導コイル対称面に対して非対称な形状に形成されてなることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項18】
一組の超電導コイルと、
該超電導コイルをそれぞれ冷媒と共に収納する一組のコイル容器と、
該コイル容器をそれぞれ収納し、上下に配置された一組の真空容器を備えた磁気共鳴イメージング装置において、
前記上下のそれぞれの真空容器は傾斜磁場発生コイルを有し、該傾斜磁場発生コイルからの振動を他方の真空容器に伝達しないことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項19】
請求項18の磁気共鳴イメージング装置において、
前記一組の真空容器を連結する連結管の剛性を高めたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一組の超電導コイルと、
該超電導コイルをそれぞれ冷媒と共に収納する一組のコイル容器と、
該コイル容器をそれぞれ収納し、上下に配置された一組の真空容器と、前記一組の真空容器を連結する連結管とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、
前記真空容器と前記連結管とからなる連結体の剛性を高める補強部材を設けたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項2】
請求項1の磁気共鳴イメージング装置において、
前記補強部材を、前記連結管に設けたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項3】
請求項2の磁気共鳴イメージング装置において、
前記補強部材の形状を前記一組の超電導コイル対称面に対して非対称な形状としたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項4】
請求項1の磁気共鳴イメージング装置において、
前記補強部材を、前記連結管が連結された位置の前記真空容器の外面に設けたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項5】
請求項4の磁気共鳴イメージング装置において、
前記補強部材の形状を前記一組の超電導コイル対称面に対して非対称な形状としたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項6】
請求項1の磁気共鳴イメージング装置において、
前記補強部材を、前記連結管の外面と、該連結管が連結された位置の前記真空容器の外面とに渡して一体に設けたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項7】
請求項6の磁気共鳴イメージング装置において、
前記補強部材の形状を前記一組の超電導コイル対称面に対して非対称な形状としたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項8】
請求項1の磁気共鳴イメージング装置において、
前記補強部材を、少なくとも上の前記真空容器に設けたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項9】
請求項8の磁気共鳴イメージング装置において、
前記補強部材を、前記真空容器の天板に設けたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項10】
請求項9に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
前記真空容器は傾斜磁場発生コイルを備え、
上の前記真空容器の天板に設けた前記補強部材と前記傾斜磁場発生コイルを接続する突つ張り部材を備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項11】
請求項10に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
下の前記真空容器の底板と前記傾斜磁場発生コイルを接続する突つ張り部材を備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項12】
請求項1の磁気共鳴イメージング装置において、
前記補強部材を、前記連結管の外面と、該連結管が連結された位置の前記真空容器の外面とに渡して一体に設けるとともに、少なくとも上の前記真空容器の天板に設けたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項13】
請求項9又は12の磁気共鳴イメージング装置において、
前記真空容器の天板に設けた前記補強部材は、板材を格子状に組み合わせて形成されたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項14】
請求項13の磁気共鳴イメージング装置において、
前記連結管が2本設けられ、
前記補強部材は、2本の前記連結管がそれぞれ連結された位置の前記真空容器の天板に架け渡して梁状に形成されていることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項15】
一組の超電導コイルと、
該超電導コイルをそれぞれ冷媒と共に収納する一組のコイル容器と、
該コイル容器をそれぞれ収納し、上下に配置された一組の真空容器と、前記一組の真空容器にそれぞれ配置された一組の傾斜磁場発生コイルと、前記一組の真空容器を連結する連結管とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、
前記連結管の外面と、該連結管が連結された位置の前記真空容器の外面とに渡して一体に設けられた第1の補強部材と、
少なくとも上の前記真空容器の天板に板材を格子状に組み合わせて設けられた第2の補強部材と、
前記第2の補強部材と前記傾斜磁場発生コイルを接続する第1の突つ張り部材と、
下の前記真空容器の底板と前記傾斜磁場発生コイルを接続する第2の突つ張り部材とを備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項16】
請求項15の磁気共鳴イメージング装置において、
前記第1の補強部材は、前記一組の超電導コイル対称面に対して非対称な形状に形成されてなることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項17】
請求項15の磁気共鳴イメージング装置において、
前記第1の補強部材は、板材を用いて外面が面一に形成され、板幅を上下で変えて前記一組の超電導コイル対称面に対して非対称な形状に形成されてなることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項18】
一組の超電導コイルと、
該超電導コイルをそれぞれ冷媒と共に収納する一組のコイル容器と、
該コイル容器をそれぞれ収納し、上下に配置された一組の真空容器を備えた磁気共鳴イメージング装置において、
前記上下のそれぞれの真空容器は傾斜磁場発生コイルを有し、該傾斜磁場発生コイルからの振動を他方の真空容器に伝達しないことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項19】
請求項18の磁気共鳴イメージング装置において、
前記一組の真空容器を連結する連結管の剛性を高めたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項1】
一組の超電導コイルと、
該超電導コイルをそれぞれ冷媒と共に収納する一組のコイル容器と、
該コイル容器をそれぞれ収納し、上下に配置された一組の真空容器と、前記一組の真空容器を連結する複数の連結管とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、
前記真空容器と前記連結管とからなる連結体の剛性を高める補強部材を設けたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項2】
請求項1の磁気共鳴イメージング装置において、
前記補強部材を、前記複数の連結管の少なくとも一つに設けたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項3】
請求項2の磁気共鳴イメージング装置において、
前記補強部材の形状を前記一組の超電導コイル対称面に対して非対称な形状としたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項4】
請求項1の磁気共鳴イメージング装置において、
前記補強部材を、前記連結管が連結された位置の前記真空容器の外面に設けたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項5】
請求項4の磁気共鳴イメージング装置において、
前記補強部材の形状を前記一組の超電導コイル対称面に対して非対称な形状としたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項6】
請求項1の磁気共鳴イメージング装置において、
前記補強部材を、前記複数の連結管の少なくとも一つの外面と、該連結管が連結された位置の前記真空容器の外面とに渡して一体に設けたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項7】
請求項6の磁気共鳴イメージング装置において、
前記補強部材の形状を前記一組の超電導コイル対称面に対して非対称な形状としたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項8】
請求項1の磁気共鳴イメージング装置において、
前記補強部材を、少なくとも上の前記真空容器に設けたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項9】
請求項8の磁気共鳴イメージング装置において、
前記補強部材を、前記真空容器の天板に設けたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項10】
請求項9に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
前記真空容器は傾斜磁場発生コイルを備え、
上の前記真空容器の天板に設けた前記補強部材と前記傾斜磁場発生コイルを接続する突つ張り部材を備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項11】
請求項10に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
下の前記真空容器の底板と前記傾斜磁場発生コイルを接続する突つ張り部材を備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項12】
請求項1の磁気共鳴イメージング装置において、
前記補強部材を、前記複数の連結管の少なくとも一つの外面と、該連結管が連結された位置の前記真空容器の外面とに渡して一体に設けるとともに、少なくとも上の前記真空容器の天板に設けたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項13】
請求項9又は12の磁気共鳴イメージング装置において、
前記真空容器の天板に設けた前記補強部材は、板材を格子状に組み合わせて形成されたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項14】
請求項13の磁気共鳴イメージング装置において、
前記連結管が2本設けられ、
前記補強部材は、2本の前記連結管がそれぞれ連結された位置の前記真空容器の天板に架け渡して梁状に形成されていることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項15】
一組の超電導コイルと、
該超電導コイルをそれぞれ冷媒と共に収納する一組のコイル容器と、
該コイル容器をそれぞれ収納し、上下に配置された一組の真空容器と、前記一組の真空容器にそれぞれ配置された一組の傾斜磁場発生コイルと、前記一組の真空容器を連結する複数の連結管とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、
前記複数の連結管の少なくとも一つの外面と、該連結管が連結された位置の前記真空容器の外面とに渡して一体に設けられた第1の補強部材と、
少なくとも上の前記真空容器の天板に板材を格子状に組み合わせて設けられた第2の補強部材と、
前記第2の補強部材と前記傾斜磁場発生コイルを接続する第1の突つ張り部材と、
下の前記真空容器の底板と前記傾斜磁場発生コイルを接続する第2の突つ張り部材とを備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項16】
請求項15の磁気共鳴イメージング装置において、
前記第1の補強部材は、前記一組の超電導コイル対称面に対して非対称な形状に形成されてなることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項17】
請求項15の磁気共鳴イメージング装置において、
前記第1の補強部材は、板材を用いて外面が面一に形成され、板幅を上下で変えて前記一組の超電導コイル対称面に対して非対称な形状に形成されてなることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項18】
一組の超電導コイルと、
該超電導コイルをそれぞれ冷媒と共に収納する一組のコイル容器と、
該コイル容器をそれぞれ収納し、上下に配置された一組の真空容器を備えた磁気共鳴イメージング装置において、
前記上下のそれぞれの真空容器は傾斜磁場発生コイルを有し、該傾斜磁場発生コイルからの振動を他方の真空容器に伝達しないことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項19】
請求項18の磁気共鳴イメージング装置において、
前記一組の真空容器を連結する連結管の剛性を高めたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一組の超電導コイルと、
該超電導コイルをそれぞれ冷媒と共に収納する一組のコイル容器と、
該コイル容器をそれぞれ収納し、上下に配置された一組の真空容器と、前記一組の真空容器を連結する連結管とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、
前記真空容器と前記連結管とからなる連結体の剛性を高める補強部材を設けたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項2】
請求項1の磁気共鳴イメージング装置において、
前記補強部材を、前記連結管に設けたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項3】
請求項2の磁気共鳴イメージング装置において、
前記補強部材の形状を前記一組の超電導コイル対称面に対して非対称な形状としたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項4】
請求項1の磁気共鳴イメージング装置において、
前記補強部材を、前記連結管が連結された位置の前記真空容器の外面に設けたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項5】
請求項4の磁気共鳴イメージング装置において、
前記補強部材の形状を前記一組の超電導コイル対称面に対して非対称な形状としたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項6】
請求項1の磁気共鳴イメージング装置において、
前記補強部材を、前記連結管の外面と、該連結管が連結された位置の前記真空容器の外面とに渡して一体に設けたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項7】
請求項6の磁気共鳴イメージング装置において、
前記補強部材の形状を前記一組の超電導コイル対称面に対して非対称な形状としたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項8】
請求項1の磁気共鳴イメージング装置において、
前記補強部材を、少なくとも上の前記真空容器に設けたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項9】
請求項8の磁気共鳴イメージング装置において、
前記補強部材を、前記真空容器の天板に設けたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項10】
請求項9に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
前記真空容器は傾斜磁場発生コイルを備え、
上の前記真空容器の天板に設けた前記補強部材と前記傾斜磁場発生コイルを接続する突つ張り部材を備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項11】
請求項10に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
下の前記真空容器の底板と前記傾斜磁場発生コイルを接続する突つ張り部材を備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項12】
請求項1の磁気共鳴イメージング装置において、
前記補強部材を、前記連結管の外面と、該連結管が連結された位置の前記真空容器の外面とに渡して一体に設けるとともに、少なくとも上の前記真空容器の天板に設けたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項13】
請求項9又は12の磁気共鳴イメージング装置において、
前記真空容器の天板に設けた前記補強部材は、板材を格子状に組み合わせて形成されたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項14】
請求項13の磁気共鳴イメージング装置において、
前記連結管が2本設けられ、
前記補強部材は、2本の前記連結管がそれぞれ連結された位置の前記真空容器の天板に架け渡して梁状に形成されていることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項15】
一組の超電導コイルと、
該超電導コイルをそれぞれ冷媒と共に収納する一組のコイル容器と、
該コイル容器をそれぞれ収納し、上下に配置された一組の真空容器と、前記一組の真空容器にそれぞれ配置された一組の傾斜磁場発生コイルと、前記一組の真空容器を連結する連結管とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、
前記連結管の外面と、該連結管が連結された位置の前記真空容器の外面とに渡して一体に設けられた第1の補強部材と、
少なくとも上の前記真空容器の天板に板材を格子状に組み合わせて設けられた第2の補強部材と、
前記第2の補強部材と前記傾斜磁場発生コイルを接続する第1の突つ張り部材と、
下の前記真空容器の底板と前記傾斜磁場発生コイルを接続する第2の突つ張り部材とを備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項16】
請求項15の磁気共鳴イメージング装置において、
前記第1の補強部材は、前記一組の超電導コイル対称面に対して非対称な形状に形成されてなることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項17】
請求項15の磁気共鳴イメージング装置において、
前記第1の補強部材は、板材を用いて外面が面一に形成され、板幅を上下で変えて前記一組の超電導コイル対称面に対して非対称な形状に形成されてなることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項18】
一組の超電導コイルと、
該超電導コイルをそれぞれ冷媒と共に収納する一組のコイル容器と、
該コイル容器をそれぞれ収納し、上下に配置された一組の真空容器を備えた磁気共鳴イメージング装置において、
前記上下のそれぞれの真空容器は傾斜磁場発生コイルを有し、該傾斜磁場発生コイルからの振動を他方の真空容器に伝達しないことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項19】
請求項18の磁気共鳴イメージング装置において、
前記一組の真空容器を連結する連結管の剛性を高めたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−34955(P2006−34955A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−170956(P2005−170956)
【出願日】平成17年6月10日(2005.6.10)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(390023928)日立エンジニアリング株式会社 (134)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月10日(2005.6.10)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(390023928)日立エンジニアリング株式会社 (134)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】
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