説明

磁気共鳴映像法の訂正方法

磁気共鳴映像(MRI)技術の空間符号化は、磁場勾配例えば、X、Y、及びZ勾配に対する時間の関数として信号をサンプルすることにより、達成される。勾配磁石は線形勾配を生成するとこれまで仮定されており、通常の映像再構成技術はこの仮定に依存している。しかしながら、高速パフォーマンスを実現するために、勾配磁石はスピードに対する線形性を犠牲にすることがある。この非線形性は、ゆがんだ映像となり、ゆがみは、定位の若しくは長期の研究に対するMRI映像の有用性を貶めるのに充分である。そこでは正確な量的情報が求められるからである。勾配磁場の非線形性からのゆがみの映像、更には磁場生成デバイスにおける移行、回転、及び/又は巻き上げ/設計エラーから生じるゆがみを、訂正する方法を開示する。該方法は、勾配磁場の球面調和関数と高速フーリエ変換を採用し、計算機への過度の負担を与えること無しに充分に訂正された映像を示す。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、磁気共鳴映像法(MRI)に関する。特に、本発明は、(i)非線形勾配(以降、“非線形問題”と称する)、(ii)一つ又は複数のMRシステムの磁場生成デバイス、即ち、主要(B)磁石、X勾配磁石、Y勾配磁石及びZ勾配磁石の対称ポイントの配置の不適切(以降、“不一致中心問題”と称する)、(iii)磁場生成デバイスの理想の幾何学的配置からのずれ(以降、“軸不整列問題”と称する)、及び(iv)磁場生成デバイスの巻き上げ及び/又は設計エラー(以降、“巻き上げエラー問題”と称する)などの、MRI画像への効果を補償する球面調和関数のデコンボルーションの方法の利用に関する。
【0002】
[発明の背景]
磁気共鳴映像法の画像の質は、画像を生成するのに利用される個々の器具部品の同質性に依存する。大量の画像において必要な同質性を有するマグネットの設計及び開発に、多くの留意が払われてきた。真の値から画像のゆがみや強度変動があれば、磁場同質性の変動は明らかである。無線周波数(rf)コイルに不均等性があれば、核スピンの非一様な励起となり更に強度変動となってしまい、一方で、パルス状の磁場勾配の印加からの勾配磁場の線形からのずれは、画像の変形や歪みを誘発する。
【0003】
特に、磁気鏡面映像法の質は、物理的配置が空間的に符号化される正確性に依存する。MRIデータが、定位固定のために日常的に利用されているので、映像を保証する長期間の萎縮の研究及び機能研究には歪みが無く、不均等性は重大である。既に公知であるこの不均等性の原理的な機械依存の源は、渦電流、勾配非線形、B及びBの不均等性である。タナーエスエフ、フィニガンディジェイ、クーブイエス、マイルスピー、デアナリディピー、リーチエムオーの、歪み訂正MR画像を利用する骨盤の放射線療法立案、システムの歪みの除去、Phys Med Biol.2000 Aug:2117−32を参照されたい。
【0004】
後で詳細に議論するように、一つの形態に係る本発明は、非線形勾配の効果を計算し除去する分析方法に関する。小径の高速の勾配に近年の興味が向けられているため、非線形勾配が採り上げられた。
【0005】
特に、200μ秒以下の立ち上がり時間を有する勾配の開発に、近年の重要な興味が向けられている。抹消神経刺激は短い立ち上がり時間の制限的な特徴であるが、その勾配は、心臓の高速エコー二次元映像(EPI)と脳の拡散テンソル映像での利用が見出されている。短い立ち上がり時間を達成し、末梢神経刺激を回避するために、勾配の設計者は、勾配の長さを制限し、巻き数を限定する。所望の速度を有するパルスシーケンスの実現には適切であるが、これらの限定条件は勾配磁場での増大する非線形性という望まれない結果を有することになる。結果はゆがんだ映像となる。
【0006】
特に、非線形のパルス状の磁場勾配は、信号の不正確な空間符号化のために画像歪みを誘発する。磁場勾配が線形であると仮定すれば、k−空間が線形でサンプルされ高速フーリエ変換(FFT)が再構築に適合的であるということになる。しかしながら、勾配の線形からの偏差は非線形のデータサンプリングとなり、映像空間符号化でのエラーとなってしまう。非線形フーリエ変換ではこのデータは正確に映像に変換される。不運なことに、非線形フーリエ変換は、FFTに比べて、N/logNにより計算時間が大きく増加してしまい、このことによりリアルタイムの映像生成が計算法上禁制と成ってしまう。
【0007】
後で説明するが、本発明のある実施形態はこの問題を意図しており、勾配非線形により誘発される映像のゆがみを訂正する一般的な分析方法を提示する。該分析方法は、(1)どの勾配構成にも利用でき、(2)確固としたものであり、(3)重要なことであるが映像再構築のための方法としてFFTを維持する。
【0008】
MRIのゆがみを写像し訂正することはこれまで考察されてきたし、勾配コイルにより生成される勾配の非線形性により誘発される映像ゆがみを訂正するための多くの試みがなされてきた。シャド(Schad)らによる2つの初期の論文は、2D模型で見られる“ピンクッション”効果を議論する。Schad L, Lott S, Schmitt F, Sturm V, Lorenz WJ.らによる“Correction of spatial distortion in MR imaging: a prerequisite for accurate stereotaxy.” J Comput Assist Tomogr. 1987 May−Jun;11 (3): 499−505; および Schad LR, Ehricke HH, Wowra B, Layer G, Engenhart R, Kauczor HU, Zabel HJ, Brix G, Lorenz WJ.らによる“Correction of spatial distortion in magnetic resonance angiography for radiosurgical treatment planning of cerebral arteriovenous malformations.” Magn Reson Imaging.1992; 10 (4): 609−21.を参照されたい。
【0009】
結論スキームは、
(1)参照符として定位フレームを利用すること(Maurer CR Jr, Aboutanos GB, Dawant BM,Gadamsetty S, Margolin RA, Maciunas RJ, Fitzpatrick JM.による“Effect of geometrical distortion correction in MR on image registration accuracy.” J Comput Assist Tomogr. 1996 Jul−Aug ; 20 (4): 666− 79; 及び Moeriand MA, Beersma R, Bhagwandien R, Wijrdeman HK, Bakker CJ.による“Analysis and correction of geometric distortions in 1.5 T magnetic resonance images for use in radiotherapy treatment planning.” Phys Med Biol. 1995 Oct ; 40 (10):1651−4を参照されたい)、
(2)CT及びMRIから模型映像を計算すること(Fransson A, Andreo P, Potter R.による“Aspects of MR image distortions in radiotherapy treatment planning.”Strahlenther Onkol. 2001 Feb;177 (2): 59− 73; 及び Yu C, Petrovich Z, Apuzzo ML, Luxton G.による“An image fusion study of the geometric accuracy of magnetic resonance imaging with the Leksell stereotactic localization system.” J Appl Clin Med Phys. 2001 Winter; 2(1) : 42−50を参照されたい)、
(3)通常、適切な造成剤で充たされたチューブのアレイからなる特定のMRI模型を映像化すること(Bakker CJ,Moerland MA, Bhagwandien R, Beersma R.による“Analysis of machine−dependent and object−induced geometric distortion in 2DFT MR imaging.” Magn ResonImaging. 1992 ; 10 (4): 597− 608;と、Mizowaki T, Nagata Y, Okajima K, Murata R,Yamamoto M, Kokubo M, Hiraoka M, Abe M.による“Development of an MR simulator : experimental verification of geometric distortion and clinical application.” Radiology.1996 Jun ; 199 (3): 855−60;と、Woo JH, Kim YS, KimSI.による“The correction of MR images distortion with phantom studies.” Stud Health Technol Inform. 1999 ; 62: 388−9.;及び Tanneret らによる前述論文を参照されたい。)
を含む。
【0010】
後のMizowakiらの論文(Mizowaki T, Nagata Y, Okajima K, Kokubo M, Negoro Y, Araki N, Hiraoka M.による“Reproducibility of geometric distortion in magnetic resonance imaging based on phantom studies.” RadiotherOncol. 2000 Nov; 57 (2): 237−42)は、模型研究に係る重要な問題を示唆する。彼ら自身の模型を基礎にした訂正の再現性を査定した後、著者は、このような訂正は限定された状況でのみ有効であり得ると結論付けている。
【0011】
磁場写像は、誘導された位相シフトによるゆがみを判断する別の方法である(Chang H, Fitzpatrick JM.による“A technique for accurate magnetic resonance imaging in the presence of field inhomogeneities.” IEEE Trans. Med. Imaging, 11: 319−329,1992 ;と、Chen NK,Wyrwicz AM.による“Optimized distortion correction technique for echo planar imaging.” Magn Reson Med. 2001 Mar; 45 (3): 525−8;と、及び“Cusack R, Brett M, Osswald K.による“An evaluation of the use of magnetic field maps to undistort echo−planar images.” Neuroimage.2003 Jan ;18 (1) : 127−42を、参照されたい。)。とりわけ、Changらのアプローチは、異なる勾配強度を利用する2つの映像の取得を信頼する。異なる映像間の誘導位相シフトから、勾配磁場のゆがみ映像は計算可能であり、映像も訂正され得る。2平面勾配を利用して誘導されるゆがみを訂正する後処理方法を含む特定の問題のための別の訂正スキームが提案されている(Liu Hによる“An efficient geometric image distortion correction method for a biplanar planar gradient coil.” Magnetic Resonance Materials in Physics, Biology and Medicine, 10: 75−79, 2000を参照されたい)。とにかく、これらアプローチは、絶縁のMRIシステムの一部のために、特に勾配を識別し、モデル化し若しくは訂正することを試みる際の限定された利用に関する。
【0012】
最近の論文(Langlois S, Desvignes M, Constans JM, Revenu M.による“MRI geometric distortion: a simple approach to correcting the effects of non−linear gradient fields.” J Magn Reson Imaging. 1999 Jun; 9 (6): 821−31を参照されたい)では、対向するZ勾配のためのヘルモルツ対、若しくは横軸勾配のためのゴレイ構成のいずれかの勾配コイルを取り扱うことを基にした非線形勾配により誘導された、強度変動及び幾何学的ゆがみの両方の訂正のための方法が、提示されている。しかしながら、このアプローチは、強度訂正のための勾配磁場の非線形成分を定数として取り扱い、大きい模型(1辺約20cmの立方体)を訂正することによって非線形誘導のゆがみの訂正を実証する。選択された勾配のジオメトリーに対しては2次項のみが重要であるとも仮定される。直径に対する長さが意義ある比率(>2)である勾配に対しては、このアプローチは有用であるが、より高次の勾配磁場の不純項を伴う現行の高速勾配では、有用さは限定される。
【0013】
最近の特許(Krieg R, Schreck O.による2002年12月31日発行の米国特許第6,501,273号を参照されたい)では、一般的な確固たる方法を開発するには球面調和関数が有用であることが示唆されているが、説明は何ら無い。別の特許出願(2002年7月18日発行のZhu Yによる米国特許出願番号第2002/093334号を参照されたい)は、仮定された非線形を基にしたk−空間を再構築する方法を示唆する。提示される方法は、凡そ1014の3重積分を含み、従って実用の値が限定される。実際、この特許公開では、公知の基本的な欠陥が強調される、つまり、実用上の値に関する方法は、基礎としてFFTを利用しなければならない、ということを認識していないことである。
【0014】
前者の特許から、勾配の非線形のための映像のゆがみを訂正する一般的な方法を求める確固たる要求が存在する、ということがわかる。特に、問題に対する厳密なアプローチを基にした、臨床医が映像解析に自信を持てる方法を求める要求が存在する。
【0015】
本発明の一つの実施形態は、勾配の非線形性により誘導される映像のゆがみを訂正する一般的な方法を提示する。とりわけ、方法はとの勾配構成にも利用できる。
【0016】
非線形の問題に加えて、後で説明する分析技術を開発する過程にて、通常のMRIシステムの磁場生成デバイスは(i)実質的に転置された対称点を持ち、即ち、対称点は共通の中心を共有せず(不一致中心問題)、更に(ii)理想の幾何学的配置からの実質的な偏差を持ち、即ち、個別の磁場生成デバイスに関する個別のデカルト座標系は、転置された中心を有することに加えて、相互に対して、及び/又はMRIシステムの全体のデカルト座標系に対して、回転し得る(軸不整列問題)、ということが気付かれた。それら自身の並進の及び回転の不整列は、MR映像にゆがみを生じる。磁場生成デバイスに対する巻き上げ及び/又は設計上のエラーは、ゆがみの別の源である(巻き上げエラー問題)。他の実施形態によって、本発明は、ゆがみのこれら源に係る問題を取り扱う。
【0017】
[本発明の概要]
本発明は、核磁気共鳴(NMR)断層撮影装置での勾配非線形によるMR映像のゆがみ、及び/又は、装置の磁場生成デバイスの並進の及び/又は回転の不整列によるゆがみ、及び/又は、磁場生成デバイスの巻き上げ及び/又は設計のエラーによるゆがみを、訂正する方法を提示する。装置は通常、公知のように、所望の大きさの実質的に一定の主要(B)磁場を生成する(必要ならばシムコイルを伴う)磁石と、勾配磁場を生成する勾配コイルを含む。方法は主要磁場をデコンボルーションする冒頭のステップを含む。磁場は、球面調和関数の基準セットを用いてデコンボルーションされてもよいが、他の適切な基準セットが用いられてもよい。デコンボルーションは、MRI装置により定義される原点、例えば、映像領域の中心を利用して、実施される。
【0018】
勾配コイルは、一定の電流を用いて、個別に励起されるのが、即ち、一度に一つ励磁されるのが好ましい。通常、コイルを焼き切らないために、低電流が加えられる。個々の一定に励磁された勾配コイルに対して、同じ原点を利用して磁場が再度デコンボルーションされるのが好ましい。勾配磁場は線形であるように意図されているので、原点及びそれに関連する軸と一致する、対称点及び軸を有する完全な勾配磁石に対して、デコンボルーションから単一の調和関数係数が、例えばX勾配磁石に対するa(1,1)係数、Y勾配磁石に対するb(1,1)係数、Z勾配磁石に対するa(1,0)係数が生じる(以降、“一次係数”という)。勾配のみとその不純性及び/又は配列エラーなどの効果を得るために、第1のデコンボルーションから取得される(場合により必要に応じてシミングされる)主要磁石の調和関数が、減ぜられる。結果は、勾配コイルに対する球面調和関数係数、即ち、以下にて説明し請求項で言及するコイルに対する“a”及び“b”の係数のセットである。一次係数以外の実質的な値を伴う係数の存在は、勾配磁石、及び/又は非一致対称ポイント、及び/又は、回転軸、及び/又は、巻き上げ又は設計のエラーにおける非線形性を示す。
【0019】
個々の勾配コイル夫々に対して、球面調和関数係数を得ることが好ましいが、場合によっては、システムの対称性により、別のコイルのための勾配コイルのうちの一つに対して取得された球面調和関数係数が利用され得ることもある。例えば、x、y、z座標系のz軸に沿ったBに対して、及び(i)(シミングの後の)主要(B)コイル、(ii)相互間、及び(iii)映像領域の中心と、同じ若しくは事実上同じ対称点を有するX勾配、Y勾配、及びZ勾配に対して、更に、磁場生成デバイスのための調整された軸及び巻き上げ/設計エラーの低いレベルに対して、z勾配コイルと、x若しくはyコイルのうちの一つと対してのみ、計測が為されてもよく、このとき計測されるx若しくはyコイルに対する球面調和関数係数が非計測コイルのために使われてもよい。同様に、個々のMRIマシンに対し設置されシミングされる際に、球面調和関数係数を取得するのが最も好ましい。しかしながら、MRIマシンの特定のシリーズ若しくはモデルの代表的サンプルに対して得られた一般的な係数が、所望であれば利用されてもよい。このことにならって、計測された係数ではなく、理論上の係数が用いられてもよいが、好ましいくはない。
【0020】
一般的ルールとして、例えば、x、y、及びz勾配コイルの夫々のための計測が為されるほど、更に、特定のマシンに対して例えば設置とシミングの後の個別のマシンに対して計測が為されるほど、勾配ベースのゆがみの訂正は良くなる。しかしながら、このような一般的ルールはさておき、本発明は、球面調和関数係数のセットが最適な係数でなくとも、利益がある。結局、本発明の訂正の技術を利用するのに要求されるのは、訂正されるべきMRI映像を生成するのに利用される勾配磁石の各々に対して、どのような方法であっても取得された、球面調和関数係数のセットのみである。実際には、これらのセットは、本発明の訂正方法を実施する際に利用するために、例えばコンピュータシステムのハードドライブ上のルックアップテーブル内に格納される。
【0021】
通常の実施形態では、本発明は、非線形、不一致センタ、軸不整列、若しくは巻き上げエラー問題のうちの一つ若しくはそれ以上を示す、勾配を利用する時間領域データを取得し、高速フーリエ変換を用いて訂正されていない時間領域データを変換して映像空間でゆがんだ映像を提示することを、含む。ゆがみの源若しくは原因は公知である(即ち、上記で計算される非一次調和関数である)から、それらは映像空間映像を訂正するのに利用される。
【0022】
特に、第1の実施形態(概略図8の左コラム参照)では、本発明は次のような方法を提示する。(i)夫々勾配(Gx,Gy,Gz)を有する磁場を生成するX、Y及びZ勾配磁石を含み、(ii)(x,y,z)座標系(“x、y、z座標系”)の原点を定義する磁気共鳴映像法システムを利用して目的物の映像を形成する方法であって、
(A)X、Y及びZ勾配磁石を利用してデータ空間で3次元にて目的物のための磁気共鳴信号データセット(“MRデータセット”)を取得するステップと、
(B)上記データセットに関する3次元高速フーリエ変換を実施することを含むプロセスによって、MRデータセットから訂正されていない映像関数ρ(x,y,z)を生成するステップと、
(C)訂正されていない映像関数ρ(x,y,z)から、訂正された映像関数ρ(x’,y’,z’)を生成するステップを含み、
座標(x’,y’,z’)は、(x,y,z)における映像関数の値に対するx,y,z座標系の訂正された位置を表し、
上記(x’,y’,z’)座標は、X、Y及びZ勾配磁石により生成される磁場に対する球面調和関数展開式の係数(“球面調和関数係数”)を使用する繰り返しの写像を用いて決定されることを特徴とする方法である。
【0023】
好ましくは、繰り返しの写像は、以下の数98の式の形態であり、数99の式で設定されるタイプの“停止”パラメータを利用するのが好ましい。例えば、停止パラメータの適切な値は10−3であり、この値は訂正映像を提示するのには十分に小さい値である。一般に、停止パラメータが小さくなるほど、訂正の時間は長くかかることになる。例えば、10−3の基準値に到達するには約3回の繰り返しが求められ、計算時間が約2秒となる。例えば、計算時間を2.5秒まで増加すると、例えばより低い値である10−4の容易に到達する。一般に、2回と4回の繰り返しの間が、計算時間と十分な映像訂正との間の合理的な折衷案として好ましい。本発明の本実施形態、又は繰り返し及び/若しくは停止パラメータを含む他の実施形態の実施において、他の停止パラメータ及び繰り返しの数も、勿論、利用できる。
【0024】
第2の実施形態(概略図8の中央コラム参照)では、本発明は次のような方法を提示する。(i)夫々勾配(Gx,Gy,Gz)を有する磁場を生成するX、Y及びZ勾配磁石を含み、(ii)(x,y,z)座標系(“x、y、z座標系”)の原点を定義する磁気共鳴映像法システムを利用して目的物の映像を形成する方法であって、
(A)X、Y及びZ勾配磁石を利用してデータ空間で3次元にて目的物のための磁気共鳴信号データセット(“MRデータセット”)を取得するステップと、
(B)上記データセットに関する3次元高速フーリエ変換を実施することを含むプロセスによって、MRデータセットから訂正されていない映像関数ρ(x,y,z)を生成するステップと、
(C)訂正されていない映像関数ρ(x,y,z)から、訂正された映像関数ρ(x’,y’,z’)を生成するステップを含み、
座標(x’,y’,z’)は、(x,y,z)における映像関数の値に対するx,y,z座標系の訂正された位置を表し、
上記(x’,y’,z’)座標は、エラー関数f(x’,y’,z’)が以下の関係式を満足するように非線形方程式のシステムを解くことによって決定され、
【数1】


ここで、εは予め定められた定数であり、
更に、非線形方程式のシステムは、X、Y及びZ勾配磁石により生成される磁場に対する球面調和関数展開式の係数(“球面調和関数係数”)を使用することを特徴とする方法である。
【0025】
非線形方程式のシステムは、初期(x’,y’,z’)値として(x’=x,y’=y,z’=z)を用いて(例えば、レーベンベルグ−マーカード非線形曲線あてはめ技術、若しくは非線形最小化技術を用いて)繰り返し解かれるのが、好ましい。このとき、エラー関数、及び非線形方程式のシステムは以下の形態であり、
【数2】


ここで、
(a)(x’,y’,z’)の値と(r’,θ’,φ’)の値は以下の式で関係付けられ、
【数3】


(b)Bv(n,m)(r’,θ’,φ’)の式(以下参照)で用いられるav(n,m)とbv(n,m)が球面調和関数係数であり、
サブスクリプトVはX、Y及びZのうちの一つであり、
(c)(G=ax(1,1),G=bY(1,1),G=aZ(1,0))は、夫々X、Y及びZ勾配磁石により生成される磁場の勾配(Gx,Gy,Gz)の線形部分を表し、
(d)
【数4】


は、X、Y及びZ勾配磁石により生成される磁場の勾配(Gx,Gy,Gz)の線形及び非線形部分を表し、
(i)m及びnは総和のインデックスでありm≦nの関係を充たし、
(ii)Bv(n,m)(r’,θ’,φ’)は、以下の式で与えられ、
【数5】


ここでP(n、m)(cosθ’)は関連するルジャンドル関数であり、サブスクリプトVは、X、Y及びZのうちの一つである。
【0026】
個々の勾配磁石及び(シミングの後の)主要(B)磁石は、不一致中心問題、軸不整列問題、及び巻き上げエラーの問題(以降、“基本ケース”と言う)から実際上制約されないならば、上記サブ段落(d)における総和は、所望であればn=0でなくn=1から始められる、ということに着目されるべきである。というのは、低次項はゼロ、若しくは事実上ゼロに等しい、即ち、それらの大きさはゼロ、若しくは他の項と比べて数値上小さいからである。
【0027】
これらの好適な実施形態では、εはε=Res×10−3の関係を充たし、ここでResはRes=Aimage/Npixで与えられる映像の解像度であり、Aimageは映像の領域(例えば、表示スクリーン上の2次元映像)であり、Npixは映像を構成するピクセルの全数である。
【0028】
本発明の第1の実施形態に関しては、εのより大きい値又はより小さい値を発明の実施において利用でき、より大きい値は計算時間の減少ということになり、より小さい値は計算時間の増加ということになる。
【0029】
本発明の前述の第1及び第2の実施形態において、データ空間が、
(a)k−空間、
(b)時間空間、
(c)位相空間、
(d)周波数空間、
(e)少なくとも一つの座標方向に沿う時間空間と少なくとも一つの他の座標方向に沿う位相空間、若しくは、
(f)少なくとも一つの座標方向に沿う時間空間と少なくとも一つの他の座標方向に沿う周波数空間を
含むことが好ましい。
【0030】
本発明の第1及び第2の実施形態は、映像座標系がx、y、z座標系に対応する3次元映像を訂正する形で説明された。本発明に係るこれらの実施形態は、任意の3次元映像、即ち、映像座標軸がx、y、z座標系に関して任意の方向に向けられている3次元映像で、用いられてもよい。そのような3次元映像は、例えば、脳の映像内の人工物を回避する際、特に鼻構造内の空気の存在に関連する人工物を回避する際に有用である。任意の3次元映像は、映像ボリュームを、x、y、z座標系に対して回転するデカルト座標系と関連付ける、X、Y、及びZ勾配磁石に対する値を選択することによって、実際には達成される。
【0031】
関連する形状が図1Aで示され、図1Aでは(ζ,ζ,ζ)は任意の座標を表し、点Oにおいてζとζは互いに直交し、更にζは点Oを通りζとζにより定義される平面に直交する。この図では、θ(0≦θ≦π)はOζとOZとの間の角度であり、Ψ(0≦Ψ≦2π)はOAとOXの間の角度であり、Φ(0≦Φ≦2π)はOAとOζの間の角度であり、OAは平面Oζζと平面OXYとの交差線である。
【0032】
x,y,z座標系とζ座標系の間の変換は、以下の形であり、
【数6】


ここで、
【数7】


であり、
【数8】



は方向余弦である。
【0033】
方程式r=Aζ、及びζ=A−1rは、座標系rと座標系ζとの間の完全な関係を与える。
【0034】
このような任意の方向の3次元映像に対して、訂正は、
(1)ζ座標系で任意の方向の映像を取り、
(2)r=Aζ変換を用いて、ζ座標系をr座標系に変換し、
(3)本発明の第1若しくは第2の実施形態をのうちのいずれかの訂正方法を用いて、r座標系で映像を訂正し、
(4)ζ=A−1r変換を用いて、r座標系をζ座標系に変換することによって、
実施される。
【0035】
その後、訂正された映像はζ座標系で表示され得る。
【0036】
第3の実施形態(概略図8の右コラム参照)では、本発明は次のような方法を提示する。(i)夫々勾配(Gx,Gy,Gz)を有する磁場を生成するX、Y及びZ勾配磁石を含み、(ii)(x,y,z)座標系(“x、y、z座標系”)の原点を定義する磁気共鳴映像法システムを利用して目的物の映像を形成する方法であって、
(A)X、Y及びZ勾配磁石を利用してデータ空間で3次元にて目的物のための磁気共鳴信号データセット(“MRデータセット”)を取得するステップであって、
MRデータセットはs(mΔt、mΔt、mΔt)の形態であり、
(i)m、m、及びmは、夫々x、y、及びz方向のデータポイントに対するインデックスであり、
(ii)Δt、Δt、及びΔtは、夫々x、y、及びz方向の等価の時間ステップであるような、ステップと、
(B)上記データセットに関する3次元高速フーリエ変換を実施することを含むプロセスによって、MRデータセットから訂正されていない映像関数ρ(lΔω,lΔω,lΔω)を生成するステップであって、
上記の訂正されていない映像関数は、周波数空間で(lΔω,lΔω,lΔω)により与えられる周波数ポイントのセットにおいて存在し、そこでは、
(i)l、l、及びlが、夫々ω、ω及びω方向の周波数ポイントに対するインデックスであり、
(ii)Δω、Δω及びΔωが、夫々ω、ω及びω方向の周波数ステップであり、
(iii)ω=γxG,ω=γyG,ω=γzGであり、ここで、
(a)γは定数で、
(b)G、G、及びGは、夫々X、Y、及びZ勾配磁石により生成される磁場の勾配(G,G,G)の線形部分を表し、
(iv)X、Y、及びZ勾配磁石がx、y、z座標系のx、y、及びz方向の純粋な線形勾配磁場を生成するならばX、Y、及びZ勾配磁石から生じる周波数範囲を、lΔω,lΔω,及びlΔωが夫々有するように、l、l、及びlの範囲は選択され(例えば、l、l、及びlの範囲は、x,y,及びz方向の夫々の映像ポイント数を基礎にして選択され)、
(v)高速フーリエ変換は以下の形態であるような、ステップと、
【数9】


(C)以下の形態の周波数空間の補間法関数Lを用いて、訂正されていない映像関数ρ(lΔω,lΔω,lΔω)から、x、y、z座標系の(x’,y’,z’)における訂正された映像関数ρ(x’,y’,z’)を生成するステップであって、
【数10】


(i)ω,ω,及びωは、夫々(x’,y’,z’)の関数であり、
(ii)ρ(ω,ω,ω)は、所望のρ(x’,y’,z’)に等しいような、ステップとを含み、
、G、G、ω,ω,及びωは、X、Y及びZ勾配磁石により生成される磁場に対する球面調和関数展開式の係数(“球面調和関数係数”)を用いて、決定されることを特徴とする方法である。
【0037】
量Δt、Δt及びΔtは、以下の理由のため“等価な時間ステップ”を、上記で表している。空間位置を符号化するため、勾配を利用する。それが読み取り勾配であれば、アナログからデジタルへのコンバータ(ADC)のサンプリング率により決定されるので、時間の問題は生じない。しかし、これは、一つの方向、例えばy方向を符号化するに過ぎない。他の方向、例えばx方向がいかに符号化されるかを問わねばならない。
【0038】
1976年Ernstにより提案されたオリジナルの回転ゆがみ実験では、第2の勾配(位相勾配)(及び第3の勾配)が一定の勾配強度で適用され、個々の勾配の256回のインクリメントが取得された。勾配強度がGであり時間インクリメントがtであるならば、このことは、勾配強度Gを伴うが0・t・Gから255・t・Gまでの時間インクリメントを伴うx勾配の256回の適用が取られたことを意味する。x座標xを伴うポイントに対する位相シフトは従ってx・G・n・tであり、ここでnは時間におけるステップである。これにγを×と、ラジアン単位系における位相シフトとなる。
【0039】
しかし、時間に関して、固定値の、所謂Tに対して勾配が段階化(ステップ化)されても、同じ結果が得られる。gが勾配ステップサイズであれば、一定の勾配ステップのn回のインクリメントの後の位相シフトはn・g・T・xである。即ち、n・g・T・x=x・G・n・tである。従って、一定の勾配に対して時間がインクリメントされても、一定の時間に対して勾配がインクリメントされても、同じ位相符号化の結果となる。本発明及び請求項の第3の実施形態に関する上記記述では、“等価の時間”というフレーズが利用されるのは、この意味である。
【0040】
本発明のこの形態のある好適な実施形態は、以下のように特徴付けられる。
(a)av(n,m)とbv(n,m)が球面調和関数係数であり、
サブスクリプトvはX、Y及びZのうちの一つであり、
(b)G=aX(1,1)、G=bY(1,1)、及びG=aZ(1,0)であり、
(c)ω,ω,及びωは、以下の式で与えられ、
【数11】


ここで、η(x’,y’,z’)、η(x’,y’,z’)、及びη(x’,y’,z’)は、以下の式で与えられ、
【数12】


ここで、
【数13】


は、X、Y、及びZ勾配磁石により生成される磁場の非線形部分を表し、
更に
(i)m及びnは総和のインデックスであり、m≦nの関係を充たし、
(ii)Bv(n,m)(r’,θ’,φ’)は、以下の式で与えられ、
【数14】


ここでP(n、m)(cosθ’)は関連するルジャンドル関数であり、サブスクリプトVは、X、Y及びZのうちの一つであり、
(iii)(x’,y’,z’)の値と(r’,θ’,φ’)の値は以下の式で関係付けられる
【数15】


という特徴である。
【0041】
基本ケースに対して、x、y、及びZ勾配磁石により生成される磁場の非線形部分に対して上記のように設定される式の各々の最初の2つの項は、ゼロ若しくは実際上ゼロである。
【0042】
他の好適な実施形態では、補間法関数Lが、以下のようなSINC関数であることを特徴とする。
【数16】

【0043】
更なる好適な実施形態では、補間法関数Lが、以下のような形態であり、
【数17】


ここで、
(a)ΨX(lX),ΨY(lY)及びΨZ(lZ)は、直交基本関数であり、
(b)C(lX,lY,lZ)は、以下の行列方程式を充たす係数であり、
【数18】


ここで、ベクトルCは以下の形であり、
【数19】


ベクトルρは以下の形であり、
【数20】


更に、マトリクスAは以下の形であり、
【数21】


ここで、
【数22】


であり、
【数23】


であることを特徴とする。
【0044】
これらの実施形態の関係では、
(a)補間法が、ラグランジェ補間法、ニュートン補間法、差分補間法、エルミート補間法、スプライン補間法、若しくはそれらの組み合わせを含むことが好ましく、
及び/又は、
(b)補間法が、
(i)MRデータセットに関する3次元高速フーリエ変換を実施することにより得られるデータポイントの全てに適用される、又は、
(ii)MRデータセットに関する3次元高速フーリエ変換を実施することにより得られるデータポイントのサブセットに適用され、そのサブセットは映像化される目的物の対象領域の近傍内である。
【0045】
本発明の第1及び第2の形態と同様に、本発明の第3の形態が、任意の3次元映像に対する訂正画像を取得するのに利用できる。周波数で表現すれば、変換は以下のようになる。
【数24】


ここで、
【数25】


であり、Aは上記と同じである。
【0046】
このケースに対する訂正は、
(1)周波数ω(ζ1,ζ2,ζ3)の項で、任意の方向の映像を取ること、
(2)ω(X,Y,Z)=Aω(ζ1,ζ2,ζ3)の変換を用いて、ω(ζ1,ζ2,ζ3)周波数から周波数ω(X,Y,Z)へ変換すること、
(3)本発明の第3の形態の訂正方法を用いて、ω(X,Y,Z)周波数空間内で映像を訂正すること、及び、
(4)ω(ζ1,ζ2,ζ3)=A−1ω(X,Y,Z)の変換を用いて、ω(X,Y,Z)周波数からω(ζ1,ζ2,ζ3)周波数へ変換し戻すこと
によって、実施される。
【0047】
この後、訂正された映像は、ζ座標系で表示され得る。
【0048】
本発明の第1、第2、及び第3の形態に関して、ρ(x’,y’,z’)が訂正された画像として表示されるのが好ましい。図9に示すように、以下の補間法を実施してρ(x’,y’,z’)から一様のピクセル寸法を有する映像関数ρ(x”,y”,z”)を生成することが更に好ましい。
【数26】


上式にて、Hは補間法関数であり、(x”,y”,z”)はx、y、x座標系で一様に分布されたポイント座標である。適切な補間法手順の例は、ラグランジェ補間法、ニュートン補間法、差分補間法、エルミート補間法、スプライン補間法、若しくはそれらの組み合わせを含む。計算されると、訂正された映像として、映像関数ρ(x”,y”,z”)が表示されるのが、好ましい。任意の3次元映像のケースの場合、補間法は、変換し戻すステップの前若しくは後のいずれかにて、訂正された映像に関して為されればよい。
【0049】
前述の本発明の第3の形態は、3次元映像に関する。以下の第3の形態は、2次元スライス映像に関する。概して言うと、第4、第5、及び第6の形態は、第1、第2、及び第3の形態に概ね対応する訂正の技術を利用するが、3次元ではなく2次元である。図1Bは、本発明のこれら2次元の形態での議論で用いられた座標の用語を示す。
【0050】
本発明の第1、第3の形態と同様に、本発明の第4、第5、及び第6の形態のための磁気共鳴映像システムは、(x,y,z)座標系(“x,y,z−座標系”)の原点を定義し、夫々、勾配(G,G,G)を有する磁場を生成するX、Y及びZ勾配磁石を含む。
【0051】
図1Bの形状を基にして、斜めスライスに対するスライス選択勾配は、以下の式で定義され得る。
【数27】


ここで(pX3,pY3,pZ3)は、夫々X、Y、及びZ勾配磁石(G,G,G)の勾配強度係数であり、
【数28】


はスライス選択勾配の大きさであり、スライス勾配の軸方向は、
【数29】


であり、ここで、
【数30】


である。
【0052】
横方向、冠状及び矢状のスライスは、以下のように対応する。
横方向:
【数31】


【数32】


冠状:
【数33】


矢状:
【数34】

【0053】
更に、図1Bの形状を基にして、斜めスライスに対する位相符号化勾配は、以下の式で定義され得る。
【数35】


ここで(pX2,pY2,pZ2)は、夫々X、Y、及びZ勾配磁石(G,G,G)の勾配強度係数であり、
【数36】


は位相符号化勾配の大きさであり、位相符号化勾配の軸方向は、
【数37】


であり、ここで、
【数38】


である。
【0054】
最後に、図1Bの形状を基にして、斜めスライスに対する読み取り勾配は、以下の式で定義され得る。
【数39】


ここで(pX1,pY1,pZ1)は、夫々X、Y、及びZ勾配磁石(G,G,G)の勾配強度係数であり、
【数40】


は読み取り勾配の大きさであり、読み取り勾配の軸方向は、
【数41】


であり、ここで、
【数42】


である。
【0055】
このように定義される座標系(ζ,ζ,ζ)は、座標系(x,y,z)のX、Y、及びZ勾配磁石(G,G,G)の線形組み合わせであると見られる。新しい座標系(ζ,ζ,ζ)は、(x,y,z)座標系と同じ原点を有し、座標系間の変換は以下のように記述される。
【数43】


ここで、Aは、以下のように与えられるスライス回転行列である。
【数44】

【0056】
−1は逆行列であり、
【数45】


である。
【0057】
この変換において、r=(x,y,zは、以下の式による(x,y,z)座標系におけるスライスポジションである。
【数46】


また、(0,0,ζ)は、以下の式による(ζ,ζ,ζ)座標系のスライス軸ζに沿ったスライスポジションである。
【数47】

【0058】
上述のように、x,y,z座標系におけるX、Y、及びZ勾配磁石の磁場の線形部分は、(G=aX(1,1),G=bY(1,1),G=cZ(1,0))により与えられる。G及びG勾配(明細書及び請求項では、夫々、“G勾配”及び“G勾配”、若しくは“勾配(G,G)”とも表している)の線形部分は、以下のように記述され得る。
【数48】

【0059】
前述の用語を用いると、第4の形態に係る本発明は、(i)X、Y及びZ勾配磁石を含み、(ii)(x,y,z)座標系(“x、y、z座標系”)の原点を定義する磁気共鳴映像法システムを利用して目的物の映像を形成する方法であって、
上記X、Y及びZ勾配磁石は、夫々勾配(G,G,G)を有する磁場を生成し、
上記方法は、
(A)X、Y及びZ勾配磁石の線形組み合わせを利用して、データ空間で2次元にて目的物のスライス(例えば、横方向、冠状、矢状、若しくは斜方向のスライス)のための磁気共鳴信号データセット(“MRデータセット”)を取得するステップと、
(B)上記データセットに関する2次元高速フーリエ変換を実施することを含むプロセスによって、MRデータセットから訂正されていない映像関数ρ(ζ,ζ)を生成するステップであって、
ζとζは夫々、(ζ,ζ,ζ)座標系の読み取り及び位相符号化座標である、ステップと、
(C)訂正されていない映像関数ρ(ζ,ζ)から、訂正された映像関数ρ(ζ’,ζ’)を生成するステップであって、座標(ζ’,ζ’)は(ζ,ζ)における映像関数の値に対する座標系の訂正された位置を表し、上記(ζ’,ζ’)座標は、X、Y及びZ勾配磁石により生成される磁場に対する球面調和関数展開式の係数(“球面調和関数係数”)を利用する繰り返しの写像を用いて、決定されるステップを
含む。
【0060】
本発明のこの形態のある好適な実施形態では、繰り返しの写像が以下の形態であり、
【数49】


ここで、
【数50】


であり、ここでnは繰り返しの数でありη(ζ,ζ)=η(ζ,ζ,ζ)及びη(ζ,ζ)=η(ζ,ζ,ζ)は以下の式で与えられ、
【数51】


ここで、
(a)r、θ及びΦは、ζ,ζ及びζ座標系と同じ原点に対して定義され、以下の式で与えられ、
【数52】


(b)(G,G)は、X、Y及びZ勾配磁石により生成される磁場の勾配(G,G)の線形部分を表し、
(c)
【数53】


は、X、Y及びZ勾配磁石により生成される磁場の勾配の非線形部分を表し、そこでは、
(i)m及びnは総和のインデックスでありm≦nの関係を充たし、
(ii)Bv(n,m)(r,θ,φ)は、以下の式で与えられ、
【数54】


ここでP(n、m)(cosθ)は関連するルジャンドル関数であり、サブスクリプトVは、X、Y及びZのうちの一つであり、
(iii)av(n,m)とbv(n,m)が球面調和関数係数であり、
サブスクリプトVはX、Y及びZのうちの一つである。
【0061】
基本ケースに対して、X(0,0),X(1,0),Y(0,0),Y(1,0),及びZ(0,0)磁場成分は、ゼロ若しくは実質的にゼロである。
【0062】
繰り返しの写像が以下の条件を満たすまで継続されることが好ましい。
【数55】


ここで、例えば、ε=10−3である。この場合、繰り返しの数は通常2以上であり且つ4以下である。
【0063】
第5の形態として、本発明は、(i)夫々勾配(Gx,Gy,Gz)を有する磁場を生成するX、Y及びZ勾配磁石を含み、(ii)(x,y,z)座標系(“x、y、z座標系”)の原点を定義する磁気共鳴映像法システムを利用して目的物の映像を形成する方法であって、
(A)X、Y及びZ勾配磁石の線形組み合わせを利用して、データ空間で2次元にて目的物のスライス(例えば、横方向、冠状、矢状、若しくは斜方向のスライス)のための磁気共鳴信号データセット(“MRデータセット”)を取得するステップと、
(B)上記データセットに関する2次元高速フーリエ変換を実施することを含むプロセスによって、MRデータセットから訂正されていない映像関数ρ(ζ,ζ)を生成するステップであって、
ζとζは夫々、上述のように定義される(ζ,ζ,ζ)座標系の読み取り及び位相符号化座標であるような、ステップと、
(C)訂正されていない映像関数ρ(ζ,ζ)から、訂正された映像関数ρ(ζ’,ζ’)を生成するステップであって、座標(ζ’,ζ’)は(ζ,ζ)における映像関数の値に対する(ζ,ζ,ζ)座標系の訂正された位置を表し、上記(ζ’,ζ’)座標は、エラー関数f(ζ’,ζ’)が以下の関係式を満足するように非線形方程式のシステムを解くことによって決定され、
【数56】


ここで、εは予め定められた定数であり、
更に、非線形方程式のシステムは、X、Y及びZ勾配磁石により生成される磁場に対する球面調和関数展開式の係数(“球面調和関数係数”)を使用するような、ステップと
を含むことを特徴とする方法を、提示する。
【0064】
好適には、非線形方程式のシステムが、初期値(ζ’,ζ’)としてのζ’1(0)=ζ及びζ’2(0)=ζと、以下の形態の非線形方程式のエラー関数及びシステムを用いて(例えば、レーベンベルグ−マーカード非線形曲線あてはめ技術、若しくは非線形最小技術を用いて)、反復して解かれ、
【数57】


ここで、
(a)(r’,θ’,Φ’)及び(ζ’,ζ’,ζ’)の値は以下のように関係付けられ、
【数58】


であり、
(b)(G,G)は、X、Y及びZ勾配磁石により生成される磁場の勾配(G,G)の線形部分を表し、
(c)
【数59】


は、X、Y及びZ勾配磁石により生成される磁場の勾配の線形と非線形部分を表し、そこでは、
(i)m及びnは総和のインデックスでありm≦nの関係を充たし、
(ii)Bv(n,m)(r’,θ’,φ’)は、以下の式で与えられ、
【数60】


ここでP(n、m)(cosθ’)は関連するルジャンドル関数であり、サブスクリプトVは、X、Y及びZのうちの一つであり、
(iii)av(n,m)とbv(n,m)が球面調和関数係数であり、
サブスクリプトVはX、Y及びZのうちの一つである。
【0065】
基本ケースに対して、上記サブパラグラフ(c)の総和は、所望であればn=0でなくn=1から始めてもよい。
【0066】
本発明の第2の形態と同様に、εは、ε=Res×10−3の関係式を充たすのが好ましい。ここで、Resは、Res=Aimage/Npixで与えられる映像の解像度であり、
imageは映像の領域であり、Npixは映像を構成するピクセルの全数である。
【0067】
第6の形態として、本発明は、(i)夫々勾配(Gx,Gy,Gz)を有する磁場を生成するX、Y及びZ勾配磁石を含み、(ii)(x,y,z)座標系(“x、y、z座標系”)の原点を定義する磁気共鳴映像法システムを利用して目的物の映像を形成する方法であって、
(A)X、Y及びZ勾配磁石の線形組み合わせを利用して、データ空間で2次元にて目的物のスライス(例えば、横方向、冠状、矢状、若しくは斜方向のスライス)のための磁気共鳴信号データセット(“MRデータセット”)を取得するステップであって、
MRデータセットはs(mΔt、mΔt)の形態であり、
(i)m及びmは、上述のζ^及びζ^方向のk−空間データポイントのための夫々インデックスであり、
(ii)Δt及びΔtは夫々、上述のζ^及びζ^に対するk−空間の等価の時間ステップであり、等価の時間は本発明の上述の第3の形態に関して述べた意味を有しているような、ステップと、
(B)上記データセットに関する2次元高速フーリエ変換を実施することを含むプロセスによって、MRデータセットから訂正されていない映像関数ρ(lΔω,lΔω)を生成するステップであって、
上記の訂正されていない映像関数は、周波数空間で(lΔω,lΔω)により与えられる周波数ポイントのセットにおいて存在し、そこでは、
(i)l、及びlが、夫々ω及びω方向の周波数ポイントに対するインデックスであり、
(ii)Δω及びΔωが、夫々ω及びω方向の周波数ステップであり、
(iii)ω=γG・ζ,ω=γG・ζであり、ここで、
(a)γは定数で、
(b)(G,G)は、X、Y、及びZ勾配磁石により生成される磁場の勾配(G,G)の線形部分を表し、
(iv)G勾配がζ^方向で純粋に線形であるならばG勾配から生じる周波数範囲を、lΔωが有するように、lの範囲が選択され、G勾配がζ^方向で純粋に線形であるならばG勾配から生じる周波数範囲を、lΔωが有するように、lの範囲が選択され、
(v)高速フーリエ変換は以下の形態であるような、ステップと、
【数61】


(C)以下の形態の周波数空間の補間法関数Lを利用して、訂正されていない映像関数ρ(lΔω,lΔω)から、(ζ,ζ,ζ)座標系の(ζ’,ζ’,ζ’)における周波数空間の訂正された映像関数ρ(ζ’,ζ’)を生成するステップであって、
【数62】


ここで、
(i)ρ(ω(ζ’,ζ’,ζ’),ω(ζ’,ζ’,ζ’))は所望のρ(ζ’,ζ’)であり、
(ii)G、G、ω(ζ’,ζ’,ζ’)、及びω(ζ’,ζ’,ζ’)は、X、Y及びZ勾配磁石により生成される磁場に対する球面調和関数展開式の係数(“球面調和関数係数”)を用いて決定されるような、ステップと
を含む。
【0068】
本発明のこの形態のある好適な実施形態は、以下のように特徴付けられる。
(a)av(n,m)とbv(n,m)が球面調和関数係数であり、
サブスクリプトVはX、Y及びZのうちの一つであり、
(b)
【数63】


であり、
(c)ω(ζ’,ζ’,ζ’)及びω(ζ’,ζ’,ζ’)は、以下の式で与えられ、
【数64】


ここで、η(ζ’,ζ’,ζ’)、及びη(ζ’,ζ’,ζ’)は、以下の式で与えられ、
【数65】


ここで、
【数66】


は、X、Y及びZ勾配磁石により生成される磁場の非線形部分を表し、そこでは、
(i)m及びnは総和のインデックスでありm≦nの関係を充たし、
(ii)Bv(n,m)(r’,θ’,φ’)は、以下の式で与えられ、
【数67】


ここでP(n、m)(cosθ’)は関連するルジャンドル関数であり、サブスクリプトVは、X、Y及びZのうちの一つであり、
(iii)(r’,θ’,φ’)及び(ζ’,ζ’,ζ’)の値は、以下の式で関連づけられる。
【数68】


【数69】

【0069】
基本ケースに対して、X(0,0),X(1,0),Y(0,0),Y(1,0),及びZ(0,0)磁場成分の大きさは、ゼロ若しくは実質的にゼロである。
【0070】
他の好適な実施形態では、補間法関数Lが以下の式のようなSINC関数である。
【数70】

【0071】
更なる好適な実施形態では、補間法関数Lが以下の形態であり、
【数71】


ここで、
(a)Ψ1(l1)及びΨ2(l2)は、直交基本関数であり、
(b)C(l1,l2)は、以下の行列方程式を満たす係数であり、
【数72】


ここで、ベクトルCは以下の形態であり、
【数73】


ベクトルρは以下の形態であり、
【数74】


行列Aは以下の形態である。
【数75】

【0072】
これらの実施形態に関連して、
(a)補間法が、ラグランジェ補間法、ニュートン補間法、差分補間法、エルミート補間法、スプライン補間法、若しくはそれらの組み合わせを含み、
(b)補間法が、
(i)MRデータセットに関する2次元高速フーリエ変換を実施することにより得られるデータポイントの全てに適用され、若しくは、
(ii)MRデータセットに関する2次元高速フーリエ変換を実施することにより得られるデータポイントのサブセットに適用され、そのサブセットは映像化される目的物の対象領域の近傍内である。
【0073】
本発明の第1、第2、及び第3の形態と同様に、訂正された映像としてρ(ζ’,ζ’)が表示されるのが好ましい。更に、以下の補間法を実施して、ρ(ζ’,ζ’)から、一様のピクセル寸法を有する映像関数ρ(ζ”,ζ”)が生成されるのが好ましい。
【数76】


上式で、Hは補間法関数であり、(ζ”,ζ”)は(ζ,ζ,ζ)座標系で一様に分布されたポイント座標である。
【0074】
適切な補間法手順の例は、ラグランジェ補間法、ニュートン補間法、差分補間法、エルミート補間法、スプライン補間法、若しくはそれらの組み合わせを含む。計算されると、映像関数ρ(ζ”,ζ”)は、訂正された映像として表示されるのが好ましい。
【0075】
上記にて詳細に議論したように、本発明の前述の6個の形態の各々に関して、望んだとしても磁石の全ては実際には計測できず、及び/又は、磁石の一部若しくは全てに対して理論値が利用されることになるが、一定の電流で勾配磁石の各々を単独で操作することによって、球面調和関数係数が得られるのが好ましい。実際には、X、Y、及びZ勾配コイルの球面調和関数係数は、映像訂正計算での利用に対して即座に利用可能となるように、磁気共鳴映像を処理するために使用されるコンピュータシステムに格納されるのが、好ましい。
【0076】
更に、前述の6個の形態に対して、以下の事項が銘記されるべきである
(1)磁気共鳴映像システムにより定義されるx、y、x座標系の原点は、概略、映像領域の中心であるが、所望であれば別の位置でもよい(以下のセクション(V)(E)参照)。この原点を利用して主要磁石及び勾配磁石の両方に対する球面調和関数係数を決定することにより、主要磁石に対して決定される球面調和関数によって表される、主要磁石の生成する磁場の不均等性は、係数ごとに勾配磁石に対する係数から主要磁石に対する係数を差し引くことだけで勾配磁石の非線形性を決定するのに、容易に斟酌され得る。例えば、主要磁石に対するa(0,0)係数は、X、Y、及びZ勾配磁石の各々に対するa(0,0)係数から差し引かれ得る、などである。このような差は、存在し得る不一致の中心、軸の不整列、及び/又は巻き上げエラー問題に関する勾配磁石情報に対する低次数の係数とも、自動的に組み合わさるものである。
【0077】
(2)本発明により与えられる訂正された映像は、概略、ゆがみが全くないというものではない。特に、それら訂正された映像は、勾配磁石における非線形性やMRシステムにおける他の原因から、幾分かのゆがみを未だ含むものである。
【0078】
(3)本発明に係る前述の形態に関する訂正された映像のゆがみにおいて、当初のシミングされた磁石での映像形成のための磁場要求を満たすのに求められる特別なシミングは、勾配磁場における不均等性、不整列性、及び/又は巻き上げエラーの全体効果よりも、ずっと少ないと想定される。
【0079】
前述の映像訂正技術は、スライス方向での位相符号化を用いる3次元取得から生じる映像のゆがみを訂正するのに、最も効果的である。この方法は、2次元取得に対して完全なゆがみ訂正を与えるものではない。なぜなら、スライス組成の間、どのスピンが励磁するか、これらのスピンが対称のスライスに属するのか、理想的でない勾配磁場が影響するからである。2次元取得に対して別の方法で見られると、前述の方法は、平面ゆがみを訂正すると考えられるが、スライス選択問題を訂正すると考えられない。
【0080】
前述し例で示したように(特に、表2A、2B及び2Cの調和関数係数参照)、勾配磁石は、X(0,0),X(1,0),Y(0,0),Y(1,0),及び/又はZ(0,0)成分に対応する実質的な調和関数係数によって特徴付けられることが、本発明に関して見出されている。即ち、実際の勾配磁石は、概略、上記の“基本ケース”の状況を満足しない。
【0081】
更に一般的には、磁場生成デバイス、即ち、主要(B)磁石の各々、及び3つの勾配磁石の各々は、デバイスに対する軸系を定義する対称ポイントを有する。主要磁石の場合、磁場は対称ポイントに関して対称であり、勾配磁石に対しては非対称である。
【0082】
主要磁石に対して、対称ポイントは、主要コイル(若しくは主要コイル束)の製造者により指定される磁石内径の中心ポイント考えられる。磁石内径は通常z軸に沿って位置すると考えられる。この中心ポイントは計算されるポイントであり、ワイヤ巻き上げプロセス及び/又は超伝導温度までの磁石の冷却の間に、計算上の対称ポイントは動いてしまう。それにもかかわらず、全体の本体の磁石に対して、この方法が通常利用される。ある場合には、主要磁石に対する対称ポイントは、計測によって、とりわけ、z軸に沿って共鳴周波数(及び磁場)をプロットし、結果としてのプロットの空間的な中心ポイントを取ることによって、見出される。
【0083】
z軸に沿う主要磁石の対称点(以降、“OBZ”という)を決定するためにどの方法が用いられても、主要磁石に対するy軸は、水平磁石に対して直交する方向であり“OBZ”を通過する軸であると、通常考えられ、一方x軸は、“OBZ”を通過しz及びyの両方の軸に直交する軸であるよ、通常考えられる。
【0084】
勾配磁石のどの一つに対しても、OBZと(例えば)OGZが共通の中心であり、GZが電流でエネルギを与えられるのならば、勾配磁石の電流の符号が逆方向になるときに一致対称ポイントに配置される(例えば、水を含む)小さいテストサンプルからの信号の(周波数変更の)シフトは無いということに留意することによって、勾配磁石の対称ポイントがOBZと共通の中心となり得る。
【0085】
公差を含む、製造における考慮事項のために、MRIシステムにおいては、4つの対称ポイントOBZ、OGZ、OGY、OZXはMRIシステムの原点と全て一致するということは殆ど生じにくい。このことにより、対称ポイントが原点に存在しない磁場生成デバイスに対する調和関数展開式のa(0,0)及び/又はb(0,0)項が生じる。更に、同じ次数のクロス項、即ち、巻き上げ/設計エラー、及び/又は、勾配磁石に対するx及びy軸がMRIシステムの全体のデカルト座標に対して回転するという事実から発生する、a(1,0)及び/又はb(1,0)項も存在し得る。
【0086】
特に、公知技術では、これらの低次数項は、とりわけ重要であると考えられていなかった。前述の米国特許第6501273号を参照されたい。
【0087】
従って、第7の形態において、MRIシステムの磁場生成デバイス、即ち、システムの主要勾配及びX、Y、及びZ勾配磁石の、対称ポイント及び/又は関連する軸の訂正プロセス、移行上の及び/又は回転上の不整列、更にはそれらデバイスの巻き上げ及び/又は設計のエラーまでを、少なくとも相当程度まで、考慮することによって、本発明はMRI映像の勾配ベースのゆがみを訂正する。
【0088】
言い換えると、本発明のこの形態は、磁場生成デバイスの少なくとも他の一つのものの対称ポイント及び/又は関連する軸と共に、磁場生成デバイスの少なくとも一つのものの対称ポイント及び/又は関連する軸の、移行上の及び/又は回転上の不整列を、考慮に入れる。この訂正は、磁場生成デバイス自身の基本的な不均質性の訂正を上回る且つ下回るものである。即ち、磁場生成デバイスはそれ自身、有効に均質である磁場、即ち、主要磁石の場合の対称磁場、若しくは勾配磁場の場合の非対称磁場を、生成するのであるが、生成デバイスの対称ポイント及び/又は関連する軸の、移行上の及び/又は回転上の不整列のために、結果として生成される映像に未だゆがみは存在し得る。ゆがみの減少したレベルを有する磁気共鳴映像を生成するように、本発明はこの問題を認識し方向付けている。
【0089】
例えば、勾配磁石及び/又は主要磁石により生成される磁場のためのX(0,0),X(1,0),Y(0,0),Y(1,0),及び/又はZ(0,0)を含み、例えば本発明の第1から第6の形態に係る訂正された映像を生成する調和関数展開式を利用することによって、本発明のこの形態が実施されることが好ましい。ゆがみを訂正するための他の方法も、所望であれば本発明のこの形態に関して利用され得る。
【0090】
特に、例えば、X(0,0),X(1,0),Y(0,0),Y(1,0),及び/又はZ(0,0)磁場成分に対応する調和関数係数が決定され、MR映像を訂正するのに利用される。例えば、これら係数に対する数値、若しくはこれら係数を利用して決定されるパラメータに対する数値は、コンピュータメモリに格納され映像を訂正するのに利用され得る。
【0091】
本発明の第7の形態は以下のように示され得る。座標系の原点を定義し、(i)主要磁石と(ii)X、Y及びZ勾配磁石を含む磁気共鳴映像法システムを利用して目的物の映像を形成する方法であって、
(A)X、Y及びZ勾配磁石を利用してデータ空間で目的物のための磁気共鳴信号データセット(“MRデータセット”)(例えば、3次元、若しくは2次元データセット)を取得するステップと、
(B)MRデータセットから訂正されていない映像関数を生成するステップと、
(C)以下の(i)〜(iii)の係数から構成されるグループから選択された少なくとも一つの係数(及び、好ましくは、一つ以上の係数、例えば、X勾配磁石係数の少なくとも一つ、Y勾配磁石係数の少なくとも一つ、及び/又はZ勾配磁石係数の少なくとも一つ)を利用して、訂正されていない映像関数から、訂正された映像関数を生成するステップを含む方法である。
(i)X勾配磁石に対する球面調和関数係数a(0,0),b(0,0),a(1,0),b(1,0)及びb(1,1)、即ち、球面調和関数以外の基本セットがラプラス方程式を解くのに利用されるならば生じる対応の係数。
(ii)Y勾配磁石に対する球面調和関数係数a(0,0),b(0,0),a(1,0),a(1,1)及びb(1,0)、即ち、球面調和関数以外の基本セットがラプラス方程式を解くのに利用されるならば生じる対応の係数。
(iii)Z勾配磁石に対する球面調和関数係数a(0,0),b(0,0),a(1,1),b(1,0)及びb(1,1)、即ち、球面調和関数以外の基本セットがラプラス方程式を解くのに利用されるならば生じる対応の係数。
【0092】
最大の大きさを有する係数は映像を訂正するのに最大の効果を有し、従ってそれらのより大きい係数はステップ(C)の映像訂正を実施するのに利用されるのが好ましい。最大の大きさを伴う係数のための表2などのテーブルを調査して、このようなより大きい係数が選択され、ステップ(C)でこれら係数を利用し、その際まず最も大きい2若しくは3の係数から始めてそこから所望に従い継続する。
【0093】
最大の係数のみ利用してうまくいくとしても、一般的には、全ての上述の係数を利用するのが好ましい。けだし、追加の計算時間は最小限だからである。
【0094】
上記係数の一つ又はそれ以上(又は全て)はコンピュータメモリに格納され(若しくはそれら係数から導出される値がコンピュータメモリに格納され)、ステップ(C)にて訂正されていない映像関すから訂正された映像関数を生成する際にメモリから引き出されるのが好ましい。
【0095】
本発明の付加的な特徴及び利点は、以下の詳細な説明で示されており、更に部分的にはその記述から当業者には明白であり、若しくは本明細書に記載する発明を実施することで認識され得るものである。添付の図面は本発明の更なる理解を進めるべく与えられているものであり、本明細書に組み込まれてその一部を構成する。前述の概略の記述及び以降の詳細な説明は、本発明の例示に過ぎず、本発明の本質若しくは特徴を理解するために概観若しくは枠組を与えることが意図されている、ということが理解されるべきである。
【0096】
[発明の詳細な説明]
A.磁気共鳴映像
磁気共鳴映像(MRI)では、映像、即ち映像データ(r=(x、y、z))と、データ、即ち“k”空間(k=(k、k、k))は、フーリエ変換と結びつく。パルスシーケンスの間、磁場勾配はk−空間の範囲を生成する決定的な役割を演じる。3直交勾配のセットの存在の全体サンプルの単一rf励振からの信号は、3次元フーリエ変換として記載され得る。
【0097】
【数77】

【0098】
ここで、s(k)はk−空間の信号でありρ(r)は映像空間でのスピン密度である。再構築映像、ρ~(r)は計測データs(k)の逆フーリエ変換である。
【0099】
【数78】

【0100】
kの3つの潜在的な時間依存の成分は、個々の勾配成分の積分に関連し、
【0101】
【数79】

【0102】
ここで、γは定数であり、(G、G、G)は磁気勾配である。
【0103】
勾配磁場が線形でないならば、勾配磁場も非線形成分の関数であり、位置ベクトルr=(x、y、z)に依存する。標準的なMR映像の方法では、時間領域信号は単一の時間割合でサンプルされ、k−空間は、印加される仮定の線形の勾配磁場に基づいてサンプルされる。従って、映像空間は周波数により符号化される。
【0104】
勾配磁場が映像空間で非線形であれば、このデータ収集方法では、周波数の符号化か非線形であるため、幾何学的にゆがんだ映像となる。即ち、非線形勾配磁場分布が映像内に直接写像されると、ゆがみが生じる。正確な勾配磁場プロファイルを知ることが、この幾何学的な映像ゆがみの問題を解決する中心である。
【0105】
B.勾配磁場分布の記述
勾配磁場分布を正確に記述することは単純な仕事ではない。勾配コイルの同じ設計に対しても、巻き上げエラーは、予想された磁場からの変動を誘導してしまう。
【0106】
上述のように、最適方法は、映像空間の有限のポイントで、特定の勾配コイルセットによって生成される実際の磁場の強さを計測することである。磁場分布を正確に記述するように関数が構築され得る。
【0107】
一般的に、ラプラス方程式∇=0を満足する基礎的な関数(例えば、球面調和関数、円柱調和関数、楕円調和関数など)が利用され得る。特に、Bを表す関数は以下のようになる。
【0108】
【数80】

【0109】
ここで、(x、x、x)は特定の座標系であり、βはラプラス方程式を満足する基本関数であり、cは展開式で形成される係数である。
【0110】
基本関数として球面調和関数を用いて磁場を展開するのは、好ましいアプローチである。Eccles CD, Crozier S, Westphal M, Doddrell DM.による“Temporal spherical−harmonic expansion and compensation of eddy−current fields produced by gradient pulses.” Journal of Magnetic Resonance, A 103: 135−141,1993.を参照されたい。
【0111】
勾配コイルで生成される磁場Bは、以下のように球面座標で書かれ得る。
【0112】
【数81】

【0113】
ここで、BV(n,m)(r,θ,Φ)は、特定のB勾配磁場(x、y、及びz勾配の夫々に対するV=X、Y、及びZ)の階数n及び次数mの球面調和展開であり、aV(n,m)とbV(n,m)は球面調和係数でありP(n,m)(cosθ)は関連するルジャンドル関数であり、rはMRIシステムの原点からの半径距離である。有限数の項であれば、式(数81)の総和は、真の勾配磁場Bの概算に過ぎない。
【0114】
磁場の不純性を記述するため、球面調和関数でコンボルーションを利用する方法論は、上述のEccleらの文献に既に示されている。一般的に、DSV(直径球体ボリューム)の多重面サンプリングは、過度のサンプリングを保証し要求される勾配の不純性の評価を正確にするために、実施される。磁石は、23次の調和関数を生成する24面までの面で、通常写像される。利用する勾配のセット及び設計のパラメータに依存して、勾配の不純性は、少なくとも8面のプロットを要求する7次まで展開し得る。図2A及び図2Bは、主要磁石及び勾配磁場を写像するための適切な磁場計測位置を示す。
【0115】
概算の勾配磁場での最大のエラーが所与の値(以下参照)より低くなるように、映像ボリューム全体での勾配の分布を概算することは、有用である。デコンボルーションが8より低い次元で実施されると、図2Cに示すように映像ボリュームをサンプルすることがより正確になる。図2Cにおいてドットはサンプルポイントを示す。
【0116】
非線形の最良の適合方法が、係数aV(n,m)及びbV(n,m)を解析するのに用いられ、再生成の磁場B及び真の磁場Bが以下の関係にあることを保証する。
【0117】
【数82】

【0118】
ここで、Ddsvは、映像空間を覆うdsvの領域を表し、εは5%以下が好ましいエラーパラメータである。ここでは、dsvは勾配の直径球体ボリュームのことであり、主要磁場ではない。
【0119】
上述のように、勾配コイルの同じ設計に対しても、巻き上げエラーは想定された磁場からの変動を誘導し、従って、映像ゆがみを訂正するために、勾配コイルの巻き上げパターンを基にした理論的な磁場展開を用いるだけでは、少なくともある程度まで、不正確となる。それにもかかわらず、所望であれば、本発明は理論的な磁場展開と共に実施し得る。しかしながら、特定の勾配コイルにより生成される実際の磁場強さを、映像空間内の有限個数のポイントで計測し、このサンプリングを用いて、計測された磁場分布を正確に記述する関数、特に球面調和展開を構築することは、好適なアプローチである。
【0120】
C.勾配磁場、映像空間及びk−空間
勾配磁場B(r)についてわかると、勾配は以下のように定義される。
【0121】
【数83】

【0122】
ここで、v∈(x、y、z)、Bzは、特定のコイル成分により生成される全体勾配磁場であり、Bzは、デカルト座標vに対して所望の第1次数の調和関数のみ有する線形勾配磁場であり、Bzは、高次の調和関数により定義される非線形勾配磁場であり、G(r)は、特定の勾配成分を表し、Gは、コイル内の電流で生成される線形勾配を表す定数であり、G(r)は、勾配磁場への非線形の寄与を表す空間関数の関数である。自由空間で完全に線形の勾配を生成することは経験的に不可能であるから、従って、G項は常に生じる。
【0123】
MR収集の間、実際の時間依存の勾配は以下のようになる。
【0124】
【数84】

【0125】
ここで、ζ(t)は、勾配パルスシーケンス時間長、勾配切換、及び位相符号化勾配長のインクリメントを含む、勾配成分の活性を制御する時間の関数である。{ζ(t),ζ(t),ζ(t)}のセットは、k−空間の全範囲をカバーすることになる。数84では、非線形勾配の動きがζ(t)から独立していることを銘記することが重要であり、このことは、k−空間がどのようにカバーしていても(サンプルしていても)、幾何学的な映像のゆがみは同じ、即ち一定である、ということである。このことは以下に示すアペンディックスでより詳細に扱われる。アペンディックスは、k−空間での特定の方向をサンプルするために、位相符号化勾配をインクリメントする効果を分析する。
【0126】
勾配コイルで生成される勾配磁場は、以下のように線形及び非線形の勾配の項で表現され得る。
【0127】
【数85】

【0128】
このような磁場で処理するスピンのラーモア周波数は以下の通りである。
【0129】
【数86】

【0130】
数86は、ある方向に沿った特定のロケーションでのスピンの配置と、空間内のそのロケーションでの歳差運動の速度に関連する。このような関連は、特定方向に沿った周波数符号化として知られる。
【0131】
数77及び数78は以下の式になる。
【数87】


ここでr’は次の通りである。
【数88】

【0132】
従って、非線形勾配がk−空間をサンプルするのに利用されるとき、実際の映像空間はr’=(x’,y’,z’)であり、r=(x,y,z)ではない。更に、k−空間サンプリングはベクトルk=(k,k,k)ではなくk’=(k’,k’,k’)で表され、以下のようになる。
【0133】
【数89】

【0134】
数88及び数89の式は、k−空間の線形サンプリングと非線形サンプリングの間の関係である。幾何学的にゆがんだ映像は、数88の完成を利用して、映像空間で訂正され得る。
【0135】
D.ゆがんだ映像を訂正する
前記を利用して、本発明に係る映像ゆがみ補正のために、多数のアプローチが利用できる。個々のアプローチでは、時間変数データは、線形変換、特に、高速フーリエ変換を利用して、変換される。高速フーリエ変換技術の参考文献は、O. E. Brigham. The Fast Fourier Transform. Prentice−Hall, Englewood Cliffs, New Jersey, 1974 and Nussbaumer, H. J. 1982, fast Fourier Transform and Convolution Algorithms (New York: Springer−Verlag)を含み、その内容は本明細書に参照の上組み込まれる。
【0136】
映像ゆがみ補正を実施する基本的なアプローチと考えられ得るものにおいて、数88を直接利用する代わりに、ゆがみのない映像空間の変換が、非線形方程式のシステムを解くことによって実施される。
【数90】


ここで、B(r’)=[B(r’),B(r’),B(r’)]、
Bz(r)=[xG,yG,zG]である。
【0137】
方向ベクトルを有する所与の映像ポイントに対して、数90は新しい映像ポイントr’を生成する。幾何学的にゆがんだ映像は新しい映像空間r’=(x’,y’,z’)を用いて訂正される。
【0138】
図3及び図4は処理を示す。図3(a)は像化されるべき球体を示し、図3(b)は非線形勾配を生成する勾配磁石の利用の結果として得られたゆがんだ映像を示す。図4(a)は図3(b)のゆがんだ映像であり、図4(b)は新しい映像空間r’=(x’,y’,z’)を利用して得られた訂正された映像を示す。
【0139】
数90のセットは、以下のように書かれ得る。
【0140】
【数91】


【0141】
ここで、{B(r’,θ’,φ’),B(r’,θ’,φ’),B(r’,θ’,φ’)}は、それらの調和展開を有する。従って、(r’,θ’,φ’)は、非線形の数91を解くことで、見出され得る。よって、(r’,θ’,φ’)の座標は、以下の式を利用して(x’,y’,z’)に変換され得る。
【0142】
【数92】

【0143】
特定の時間従属勾配スキームζ(y)に対して、k−空間をサンプルするために、数90は次のようになる。
【0144】
【数93】

【0145】
これは常に、数90と同じ形態で書き直され得る。数93は、映像の幾何学的ゆがみが、k−空間範囲が生成される時間的方法(以下に説明するアペンディックス参照)から独立していることを示している。従って、ゆがみの性質は勾配コイルそのもの自身にのみ依存する。勾配磁場が確率されると、映像の訂正は常に得られ得る。
【0146】
E.MRIシステムの原点
公知のように、MRIシステムは以下の3つの主要なハードウエア構成要素を含む。
(1)場ベクトルが、共通して指定されるz方向に向けられるB磁場を生成する主要磁石。
(2)夫々磁場Bx、By及びBzを生成するX勾配磁石、Y勾配磁石及びZ勾配磁石からなる直交勾配磁石。これらのベクトル磁場は全てz方向であり、夫々勾配Gx=∂Bx/∂x、Gy=∂By/∂y、Gz=∂Bz/∂z生成するよう意図されている。
(3)B磁場を生成し、z方向に直交する磁場のための場ベクトルを伴う、RFコイル。
【0147】
上述のように、本発明はB、及びGx、Gy及びGzに関連する。
【0148】
MRIの設計において、主要磁石はそれ自身に基づいて設計される。有用なB場領域は、直径感知ボリューム(DSV)又は利益あるボリューム(VOI)と一般に称され、それ自身を定義する中心(原点)、例えばOを有する。
【0149】
X、Y及びZ勾配磁石は、それぞれから及び主要磁石から分離するように設計されている。設計の過程では、最終のMRIシステム内でこれらの磁石が空間的に互いに適合するように、調節が為される必要がある。そのDSV若しくはVOIも、夫々それら自身の中心(原点)、例えばOx,Oy,及びOzを有する。
【0150】
製造の過程では、主要磁石は通常それ自身に基づいて組み立てられる。X、Y及びZ勾配磁石は、一つのユニットとして通常組み立てられる。しかしながら、エンジニアリングの限界から、磁石の中心Ox、Oy及びOzは、単一の中心点Oで本質的に決して一致せず、勾配磁場生成デバイスも純然たるものにならない。
【0151】
勾配磁石が主要磁石の中に嵌め込まれると、エンジニアリング処理は、勾配磁石の一つの中心を参照中心(例えばOx)として利用する傾向がある。この中心と主要磁石中心との間の差は、組み立てプロセスの間に最小化される。
【0152】
どのMRIも映像領域の固定中心(原点)、例えばOを有する。システムでは、全ての映像ソフトウエアは、Oにてその座標参照中心(原点)を有し、全ての映像データは、原点Oに関する座標位置(x,y,z)にて与えられる。この出願及び請求項では、MRIシステムで定義される原点はOが好ましい。
【0153】
は、Oと同じポイントでもよく、OとOは、小さい差で分離していてもよい。しかしながら、Oと、Ox、Oy、Ozの各々とは本質的に一致することがないため、中心の全体セット、即ち、O、O、Ox、Oy及びOzは、本質的に決して同じポイントにならない。
【0154】
更に、現実世界では、O、Ox、Oy及びOzの正確な位置を見出すのは非常に困難である。多くのファクタが中心位置に影響する。例えば、主要磁石設計では、Oは磁場の対称ポイントである。しかしながら、磁石設置後には、環境上の影響や受動的なシミングの影響がある。これらの影響は対称性に非常に背くものである。従って、現実のB磁場の完全な3次元対称ポイントは決して見出され得ない。
【0155】
主要及び勾配磁場を写像する場合、磁場カメラの中心Ocは、映像領域の中心OIにできるだけ近い位置であるのが好ましい。更に、Ocは個別の磁場プロットの間で変動すべきではない。そのような磁場プロット分析から得られる調和係数は、勾配磁場の非線形性の影響の真の計測値(映像における幾何学的ゆがみ)を与える。
【0156】
これらの考察を俯瞰すると、O、O、Ox、Oy及びOzが同じポイントであるか否か、勾配磁場生成デバイスが完全に純然たるものであるか、若しくは、勾配磁場の軸がシステムの且つ磁場の軸と完全に一致しているかは、磁場プロット計測が全て同じ原点即ちOcを参照している限り、問題とはならない。MR映像が真の磁場を表現するためにOを参照するので、OcはOと同じポイントであるべきである。MRIシステムはレーザマーカと、該マーカの位置を示すデータディスプレイを提供するので、Oは見出し易く、磁場カメラの中心OcをOと整列させるのは容易である。
【0157】
上述にて十全に議論したように、本発明に関しては、勾配磁石の映像ゆがみ効果の全てが考慮されるのが好ましい。従って、本発明の好適な実施形態では、訂正プロセスで含まれるのは、非線形勾配磁場効果に対処する高次項即ち調和関数だけでなく、一致することのないO、O、Ox、Oy及びOzに関連する低次項即ち調和関数をも含む訂正である。更に、磁場生成デバイスの回転上の不正配列及び/又はこれらのデバイスの巻き上げ/設計のエラーも含む。
【0158】
MRIシステムの原点に関する上記の考察は、線形システム及び非線形システムの両方に適用される。
【0159】
[好適な実施形態の説明]
図5〜図10は、本発明に係るゆがんだMR映像を訂正する好適な処理を示す。
【0160】
図5は、勾配磁場の非線形性の判定(図5ステップ(I))から、ゆがんだMR映像の表示(図5ステップ(IV))までの本発明の全体処理を示す一般的なフローチャートである。図6〜図9は夫々、図5のステップ(I)からステップIVまでを詳細に示すものである。図10は、2次元データのための方法のバリエーション(図5ステップ(V)参照、及び上記発明の第4〜第6の形態も参照)と任意に方向付けされる3次元映像化(図5ステップ(V)参照、及び上記発明の第1〜第3の形態も参照)を示す。以下の議論はこれらの図で用いられる数学的術語を示す。
【0161】
上記数83を参照して(図6も参照)、磁場の線形及び非線形の成分は、以下の数94及び数95により夫々与えられる。ここでは、便宜上、上述の式のバリエーションとして、サブスクリプトzはBzから落としている。
【0162】
【数94】


【数95】

【0163】
基本ケースに対して、X(0,0)、X(1,0)、Y(0,0)、Y(1,0)及びZ(0,0)磁場成分の大きさは、ゼロ若しくは事実上ゼロである。
【0164】
ここから、以下の項を定義することが有用である(図7参照)
【0165】
【数96】

【0166】
映像ゆがみの訂正は以下のように単純に書かれる。
【0167】
【数97】

【0168】
数97は、以下のプロセスを介して(x’,y’,z’)に対して繰り返して解かれ得る(図8、特に最初のコラムを参照。上述の発明の第1の形態も参照)
【0169】
【数98】

【0170】
個々の段階でエラー項は以下のように計算される。
【0171】
【数99】

【0172】
後の繰り返しの間のこのエラー項の変動が臨界の許容度(例えば、0.01)を下回れば、繰り返しは停止する。5及び7次の離散解に対して、これは、2.94(0.0058)及び2.72(0.0053)の平均(標準偏差)の繰り返しに等しいものとなる。
【0173】
図8に示されるように、データ空間からのデータについて直接計算を実施することの代案として、データ空間からのデータについて繰り返し計算をしてもよい(図8中央コラム参照。上述の発明の第2の形態も参照。)し、訂正された映像が周波数空間データの補間により取得されてもよい(図8最後のコラム参照。上述の発明の第3の形態も参照。)。
【0174】
前述の処理では、非線形勾配磁場の依存性から生じる強度変動に対して、訂正はしないし、同一の幾何学的寸法を有するピクセルを生じるものではない。
【0175】
方法が視覚データ分析で最も有用となるには、2次元映像データにおけるピクセルの寸法、若しくは3次元データにおけるボクセル寸法は、幾何学的に等しくなければならない。従って、規則正しいセットのポイント(lX’Δx’,lY’Δy’,lZ’Δz’)にて、映像が要求される。後続の操作は、幾何学的なゆがみボクセル(若しくはピクセル)寸法変動の両方を訂正するように、適用される。(x,y,z)座標系における訂正された座標は以下のように定義される。
【0176】
【数100】


このポイントから、数100に表現される変形に対する離散解を利用して映像データの単純な非線形質量保存リサンプリングが、上述のLangloisらによるものとして、要求される。図9は更に、規則正しいセットのポイントにて訂正された映像を得るための特定のアプローチを記述する。
【0177】
勾配を基にしたゆがみを訂正するための前述の方法は、種々の計算ステップを実施する適切なプログラミングで構成されるデジタルコンピュータ上で行われるのが好ましい。プログラミングは、公知の種々のプログラミング言語でなされ得る。科学計算を実施するのに特に適しており、MATHLABなどの一般目的の科学計算パッケージと比較して100対1の率で計算時間を減少できるC++言語が、好ましいプログラミング言語である。利用できる他の言語は、FORTAN、BASIC、PASCAL、C等である。プログラムは、プログラムが符号化される磁気ディスク、光ディスクなどのコンピュータ利用可能媒体を含む製造品として、実体化されうる。
【0178】
コンピュータシステムは、DIGITAL EQUIPMENT CORPORATION,IBM,HEWLETT−PACKARD,SUN MICROSYSTEMS,SGIなどにより製造されるコンピュータや周辺機器などの、一般目的科学用コンピュータ及びそれに繋がる周辺機器を含む。コンピュータシステムは、MRIマシンの操作を制御しマシンから得られる映像データを記録し処理するための、MRIマシンにより利用されるのと同じシステムであってもよい。システムは、データを入力する手段と、電子的形態および視覚的形態の両方で映像訂正プロセスの結果を出力する手段とを含むべきである。出力は、更なる分析及び/又は後続の表示のために、ディスクドライブ、テープドライブなどで蓄えられてもよい。
【0179】
[例示]
本発明がより十分に理解され実践に移行されるために、以下の例示及び添付の図面によって、本発明の好適な実施形態を説明する。これらの特定の例示が添付の請求項の範囲を限定することを意図されていないことが理解されるべきである。
【0180】
A.例1
ドイツのSIEMENS AKTIENGESELLSCHAFTで製造された高速SONATA勾配のセットを分析した。SONATAのセットはOXFORD MAGNET TECHNOLOGY 4T 全体ボディ磁石に対してインターフェースをとるものであり、勾配の不均質性は、24面の球面調和デコンボルーションNMRプロットを利用して計測された。シミングされた磁石が最初にプロットされ、X及びZ勾配の夫々に一定電流が印加される2つの更なるプロットがそれに続いた。シミングされた磁場のための調和関数が、勾配で生成されたものから引かれた。この場合、単純化のために、X及びY勾配ゆがみは同一であると仮定した。
【0181】
対象の調和関数は、表1Aに示す。4次の調和関数のみが示される。けだし、映像訂正にはこれで十分だからである。参照のため、表1Bは7次の調和関数を示す。X、Y及びZ勾配のための磁場分布は図11で示す。
【0182】
勾配は不均質な磁場を生成することはこれらの等磁線プロットから明白であり、そのような勾配がMRIで使われると映像のゆがみが生じがちである。
【0183】
結果を視覚化するために、以下のパラメータを導入することが有用である。どんな勾配磁場に対しても、線形勾配成分の性質は以下のように計測される。
【0184】
【数101】



ここで、rdsvはDSVの半径である。勾配磁場の非線形性の効果は、SONATA勾配に対して有効なdsvが10cm以下の半径となる範囲まで、映像ボリュームが増加するのと合わせて、増加する(以下に示すように、有効な映像空間は楕円ボリュームにより最も良く記述される)。より古い全体ボディのMRI器具内で、パラメータΓは、映像dsv全体で所望の値の5%の範囲内である。しかしながら、SONATA勾配セットの折衷の線形性はΓ関数のプロットを示す図12で示される。非線形性は直ちに明白である。特に、図は、非線形の性質はMRIシステムの原点からの変位と共に増加することを、示す。
【0185】
この勾配セットは勾配の線形性を最適化するために明確には設計されたのではないということが理解されなければならない。これらの勾配により提示される優れた立ち上がり時間を達成するように、明白に妥協が為された。そのような立ち上がり時間は、心臓映像や、EPIに対して短いインターエコーの間隔を要求する他の方法にとって、重要である。
【0186】
表2A、2B及び2Cは、X及びY勾配磁石が相互に90°転位したに過ぎないと仮定することなく、24面の球面調和デコンボルーションNMRプロットにより得られたこれらの高速SONATA勾配磁石に対する第2のセットの調和係数を示す。0次調和関数はこれらテーブル(表)に含まれる。
【0187】
特に、表2A及び2Bは、夫々X及びY勾配磁石に対する調和係数を与え、表2Cは、Z勾配磁石に対する係数を与える。表2B及び2Cは実質的なa(0,0)係数を含み、表2Aはこの係数に対して小さいがゼロではない係数を含み、その全ては、MRIシステムの原点から外れた中心を少なくとも有する3つの勾配磁石を示す、ということが着目されるべきである。勾配磁場の非線形性を訂正することに関して、勾配磁石の対称ポイント内のこのオフセットは、少なくとも数95のa(0,0)項を単に含むことによって、容易に処理される。X勾配磁石に対する表2Aの係数の符号と表1A及び1Bの係数の符号の差異は、磁場プロットに対する勾配コイルで用いられる電流の方向のためである。
【0188】
訂正の速度を増すために、5mmの規則正しいスペーシングを伴う件の領域(x、y及びzの原点から+/−120mm)におけるベクトルのグリッド関数として表現される離散解は、球面調和係数のセットから生成され得る。ボリュームにおける各々のベクトルは、各々のポイントにおいて前の段落で示した方法を利用し結果のデルタデータを蓄積して解に向かって繰り返すことによって、生成される(数97〜数100参照)。
【0189】
この変形ベクトルのセットは、空間の範囲内のどのデータセットにも適用可能である。このアプローチを利用して256の映像を非線形でサンプルし直すのに掛かる時間は、平均の計算機ハードウエア(RISC300Mhz)を利用すると20分以下であり、5mmの3次元磁場の生成は、数秒のオーダに過ぎない。質量保存の再サンプルは、再サンプルの一部として変形磁場の一つを加えて、ヤコビアン行列式の単純な掛け算を介して上記離散技術を用いて、容易に達せられ得る、ということに着目することが重要である。このタイプの再サンプルは“質量保存再サンプル”としばしば称される。
【0190】
B.例2
例1で議論したように、SONATA勾配セットのX、Y、Z勾配の球面調和デコンボルーションは、4Tにて実行した。同じ勾配の不純性は全ての製造されたSONATA勾配と共に存在し、4Tにおける勾配の調和デコンボルーションは1.5T SIEMENS SONATAスキャナを用いて取得される映像を訂正するのに利用できる、と仮定した。さもなければ、上述のように、所与のスキャナのための特定の勾配が、写像され、一覧表に蓄えられ、ゆがんだ映像を訂正するのに利用されるべきである。
【0191】
勾配の線形性を評価する映像実験は、ドイツのBRUKER MEDICALにより製造された模型を用いて、実施された。この模型は完全に平坦である端部を有する円筒からなる。模型の直径は18.5cmであり深さは3cmである。模型の範囲内には、ポイントマーカがあり、ポイントマーカの間のスペーシングは、メイングリッドに対して、公知の距離、即ち2cmである。映像化は、256×256の視覚磁場(マトリクスサイズ512×512)を伴うターボスピンシーケンスを用いて1.5Tで実施された。スライス厚さは5mmに設定され、TRは500msに設定され、TEは25msに設定された。
【0192】
磁石のXY平面内に配置される模型の映像化では、完全な円の映像を生成すべきである。同様に、ポイントマーカは、X、Y、及びZ軸に沿って模型を固定された距離動かすことによって、勾配の映像ボリュームを写像するのに、利用され得る。模型は図13に示される。
【0193】
図14(a)はXY平面でスライスされた模型の2次元映像であり、模型の中心は映像領域、即ちMRIシステムの原点に配置されている。映像内にグリッドマーカが表れていることに注目すべきである。円は比較のためにこの映像上に重ねられており、重大なゆがみがあることが明白である。
【0194】
映像は、表1Aにリストされた調和関数及び上述の数90の方法を用いて、訂正された。特に、数98の繰り返しのアプローチは、数99の1%の停止パラメータと共に、利用した。というのは、このことは概念上の実験の証明であるからである。実際には、0.1%若しくはそれ以下の停止パラメータが一般的にはより好ましい。結果の訂正された映像は図14bに示される。重ねられた円は今度は映像に一致することに着目されたい。映像の背景も訂正され、勾配の非線形勾配の性質がMRIシステムの原点から更に離れたポイントに対して劇的に増加していることを示している。
【0195】
より大きいボリュームに関して非線形性を調査するために、MRIシステムの原点における模型により得られる映像からのグリッドマーカは、着目され、模型は再映像化されたが、その中心はz軸に沿って10cm移動した。グリッドマーカ位置を再計測した。結果は図15に示す。図15では白丸は、再配置された模型を映像化することから得られるグリッドマーカの位置を示す。ドットは、図14(a)で映像を訂正するのに用いられたのと同じ訂正を適用するのに際して、白丸が動かされた位置である。
【0196】
図15は、SONATA勾配の有効なdsvが、Z軸に沿うがX及びY方向の限定された均一の範囲での延長部を有する、楕円のボリュームに制限される、ということを明確に示す。図15を生成するのに利用される処理は、表2A、2B及び2Cの調和係数を用いて繰り返した。この実験の結果は図16に示す。図15とこの図とを比較すると、V勾配磁石とY勾配磁石の調和関数は互いに単に90°転位したものに過ぎないという仮定が不適当であるため、図16の訂正がよりずっと正確であることが明らかになる。寧ろ、最も高い訂正のレベルに到達するためには、個々の勾配コイルセットは個別に写像されなければならない。更に、図16では、a(0,0)とb(0,0)の調和関数項が含まれる、即ち、とりわけ、この訂正は、主要磁石及び勾配磁石は、MRIシステムの原点と一致する対称ポイントを有すると、仮定するものではない。
【0197】
[補遺]
映像化の実験では、k−空間サンプリングは、2次元映像化に対して少なくとも一つの勾配の、3次元映像化に対して少なくとも2つの勾配の、強度をインクリメントすることによって、実施される。k−空間の寸法は、一定の読み取り勾配により常に決定される。ここで、インクリメント、勾配インクリメントのステップサイズ、若しくは勾配の立ち上がり時間は、ゆがみに影響するのか、という疑問が生じる。換言すれば、インクリメントされた勾配に対してさえ数93は一般に正確なのであろうか、ということである。
【0198】
一定時間Tに対して適用される立ち上がり及び立ち下がり時間tを有する勾配の場合を考察する。立ち上がり及び立ち下がりの間の勾配の変化率が一定であるとする。更に、勾配スケーリング係数がαとする。即ちαは、勾配により誘導されるk−空間の符号化を取得するのに勾配がインクリメントされる量を表す。
【0199】
表3では、立ち上がり時間、時間に関する勾配、スケーリング係数の効果に対する、有効な勾配、勾配磁場及びスケーリングの効果が与えられている。この表(テーブル)から、勾配ゆがみ係数は時間従属から常に分離され得るということが、明白にわかる。
【0200】
[結論]
本発明の方法は、勾配の非線形性による誘導される映像ゆがみを訂正する。このゆがみは、高速勾配セットを利用する意義のある映像の生成に対して重大な問題を提示する。マトリクスの並進、反らし及びねじりを用いると、ゆがみを訂正することは可能であるが、かような試みは常に経験的なものになってしまう。本発明によると、勾配磁場が適切な展開式によって定量化されるならば、勾配セットの正確な特徴が映像を訂正するのに利用可能となり得、高速フーリエ変換技術を採用して映像データを生成し、臨床の設定で該技術を型に嵌めて利用できる。
【0201】
本発明の方法は、磁場生成デバイスの並進の及び/又は回転の不整列に関連するゆがみや、デバイス内の巻き上げ及び/又は設計エラーに関連するゆがみも、訂正する。勾配磁場内の非線形性の訂正と同様に、これらの訂正は、臨床の設定においてMR映像化のより有効な利用を可能にする。
【0202】
本発明の特定の実施形態を説明し提示したが、本発明の範囲及び精神から乖離しない種々の修正が、前述の開示から当業者には明白であるということが理解されるべきである。
【表1A】


【表1B】


【表2A−1】


【表2A−2】


【表2B−1】


【表2B−2】


【表2C−1】


【表2C−2】


【表3】

【図面の簡単な説明】
【0203】
【図1A】任意に方向付けられた3D映像を記述する典型的な座標系を示す概略図である。
【図1B】斜めのスライスの空間方向付けを記述するための典型的な座標系を示す概略図である。
【図2A】24の経線平面のための典型的なサンプル位置を示す。ドットは磁場計測位置である。
【図2B】典型的な正距方位図の回転を示す。ドットは磁場計測位置である。
【図2C】デコンボルーションが8より低い次数で実施される場合、勾配磁場の最適の球面調和関数分析に利用されるサンプル配置を示す。
【図3】3次元の幾何学的なゆがみ映像を示し、図3(a)は完全形状を示し、図3(b)は表1の調和関数を有する非線形勾配によって生じるゆがみ映像を示す。
【図4】ゆがみ映像を訂正する映像空間の変換を示し、図4(a)はr=(x,y,z)空間の3次元の幾何学軟骨ゆがみ映像を示し、図4(b)はr’=(x’,y’,z’)空間の訂正された映像を示す。訂正された映像は表1Aの調和関数を利用して得られる。
【図5】勾配磁場の非線形の判定から、訂正されたMRI映像を表示するまでの、本発明の全体処理を示す一般的なフローチャートである。
【図6】球面調和関数展開式の項の勾配磁場の非線形性を判断するステップを示す特定のフローチャートである。
【図7】勾配磁場の線形及び非線形成分を表す好適なアプローチを示す特定のフローチャートである。
【図8】“データ空間からのデータに基づく直接計算”、“データ空間からのデータに基づく繰り返し計算”及び“周波数空間データの補間法”と称する3つの好適な訂正方法を示す特定のフローチャートである。
【図9】訂正されたデータポイントが一様に分布されない訂正された映像を表示する好適なアプローチを示す特定のフローチャートである。
【図10】斜めスライス、映像、及び(ii)任意に方向付けられた3D映像を含む、(i)スライスの訂正に適用される方法のバリエーションを示す特定のフローチャートである。
【図11】SONATAの勾配のセットに対する半径18cmの球面上の磁場分布を示す。図11(a)はX勾配磁場を示す。図11(b)は(Xと同じだが90°回転している)Y勾配磁場を示す、図11(c)はZ勾配磁場を示す。これら磁場分布のための支配的な調和関数に対する係数値は、表1Aに示される。
【図12】表1Aからの調和関数を利用する半径18cmの球面におけるΓ(r)プロットを示す。図12(a)、(b)及び(c)は、夫々、X勾配、Y勾配、及びZ勾配の結果を示す。
【図13】BRUKER属性制御保証模型を示す。グリッドマーカは位置1に示され、模型全体で見られる。数字2〜7で示される他のマーカは、他の特定パルスシーケンスの属性制御目的のためのものである。
【図14】図13の模型のオリジナル映像(図14(a))と、模型の中心が映像領域の中心にあった本発明によって得られた訂正映像(図14(b))とを示す。
【図15】図13に示す模型を利用してXZ平面で計測されたグリッドポイントの空間配置を示す。白丸は計測位置であり、黒丸は本発明の調和関数の訂正方法と表1Aの係数を利用した訂正位置である。
【図16】図13に示す模型を利用してXZ平面で計測されたグリッドポイントの空間配置を示す。白丸は計測位置であり、黒丸は本発明の調和関数の訂正方法と表2A、2B及び2Cの係数を利用した訂正位置である。次元はmmである。





【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)夫々勾配(Gx,Gy,Gz)を有する磁場を生成するX、Y及びZ勾配磁石を含み、(ii)(x,y,z)座標系(“x、y、z座標系”)の原点を定義する磁気共鳴映像法システムを利用して目的物の映像を形成する方法であって、
(A)X、Y及びZ勾配磁石を利用してデータ空間で3次元にて目的物のための磁気共鳴信号データセット(“MRデータセット”)を取得するステップと、
(B)上記データセットに関する3次元高速フーリエ変換を実施することを含むプロセスによって、MRデータセットから訂正されていない映像関数ρ(x,y,z)を生成するステップと、
(C)訂正されていない映像関数ρ(x,y,z)から、訂正された映像関数ρ(x’,y’,z’)を生成するステップを含み、
座標(x’,y’,z’)は、(x,y,z)における映像関数の値に対するx,y,z座標系の訂正された位置を表し、
上記(x’,y’,z’)座標は、X、Y及びZ勾配磁石により生成される磁場に対する球面調和関数展開式の係数(“球面調和関数係数”)を使用する繰り返しの写像を用いて決定されることを特徴とする方法。
【請求項2】
v(n,m)とbv(n,m)が球面調和関数係数であり、
サブスクリプトVはX、Y及びZのうちの一つであり、
繰り返しの写像は、
【数1】


の形態であり、ここで、
【数2】


であり、nは繰り返しの数であり、η(x,y,z)、η(x,y,z)、及びη(x,y,z)は、以下のように与えられ、
【数3】


更に、
(a)(r,θ,φ)は以下の式で(x,y,z)に関係付けられ、
【数4】


(b)(G=ax(1,1),G=bY(1,1),G=aZ(1,0))は、夫々X、Y及びZ勾配磁石により生成される磁場の勾配(Gx,Gy,Gz)の線形部分を表し、
(c)
【数5】


はX、Y及びZ勾配磁石により生成される磁場の勾配(Gx,Gy,Gz)の非線形部分を表し、
(i)m及びnは総和のインデックスでありm≦nの関係を充たし、
(ii)Bv(n,m)(r,θ,φ)は、以下の式で与えられ、
【数6】


ここでP(n、m)(cosθ)は関連するルジャンドル関数であり、サブスクリプトVは、X、Y及びZのうちの一つである
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
繰り返しの写像が以下の状況が満足されるまで継続され、
【数7】


εは予め定められた定数であり、nは繰り返しの数であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ε=10−3であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
繰り返しの数が2以上であり且つ4以下であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ステップ(A)のデータ空間が、
(a)k−空間、
(b)時間空間、
(c)位相空間、
(d)周波数空間、
(e)少なくとも一つの座標方向に沿う時間空間と少なくとも一つの他の座標方向に沿う位相空間、若しくは、
(f)少なくとも一つの座標方向に沿う時間空間と少なくとも一つの他の座標方向に沿う周波数空間を
含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
訂正された映像としてρ(x’,y’,z’)を表示するステップを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
以下の補間法を実施してρ(x’,y’,z’)から一様のピクセル寸法を有する映像関数ρ(x”,y”,z”)を生成するステップを更に含み、
【数8】


Hは補間法関数であり、(x”,y”,z”)はx、y、x座標系で一様に分布されたポイント座標であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
補間法が、ラグランジェ補間法、ニュートン補間法、差分補間法、エルミート補間法、スプライン補間法、若しくはそれらの組み合わせを含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
訂正された映像としてρ(x”,y”,z”)を表示するステップを更に含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
(a)ステップ(A)において、MRデータセットが、x、y、z座標系と共通の原点を有するが該座標系に関して回転されているデカルト座標系ζで取得され、ζ座標系の軸は(ζ,ζ,ζ)であり、
(b)ステップ(B)において、3次元高速フーリエ変換がζ座標系のMRデータセットに関して実施され訂正されていない映像関数ρ(ζ,ζ,ζ)を生成し、その後、ζ座標系からx、y、z座標系への変換により、訂正されていない映像関数ρ(x,y,z)がρ(ζ,ζ,ζ)から生成され、
(c)ステップ(C)の後、x、y、z座標系からζ座標系への変換によって、ステップ(C)の訂正された映像関数ρ(x’,y’,z’)から、ζ座標系の訂正された映像関数ρ(ζ’,ζ’,ζ’)が生成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
訂正された映像としてρ(ζ’,ζ’,ζ’)を表示するステップを更に含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項13】
以下の補間法を実施してρ(ζ’,ζ’,ζ’)から一様のピクセル寸法を有する映像関数ρ(ζ”,ζ”,ζ”)を生成するステップを更に含み、
【数9】


Hは補間法関数であり、(ζ”,ζ”,ζ”)はζ座標系で一様に分布されたポイント座標であることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
訂正された映像としてρ(ζ”,ζ”,ζ”)を表示するステップを更に含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
(a)ステップ(A)において、MRデータセットが、x、y、z座標系と共通の原点を有するが該座標系に関して回転されているデカルト座標系ζで取得され、ζ座標系の軸は(ζ,ζ,ζ)であり、
(b)ステップ(B)において、3次元高速フーリエ変換がζ座標系のMRデータセットに関して実施され訂正されていない映像関数ρ(ζ,ζ,ζ)を生成し、その後、ζ座標系からx、y、z座標系への変換により、訂正されていない映像関数ρ(x,y,z)がρ(ζ,ζ,ζ)から生成され、
(c)ステップ(C)の後、以下の補間法を実施して、ρ(x’,y’,z’)から、一様のピクセル寸法を有する映像関数ρ(x”,y”,z”)が生成され、
【数10】


ここで、Hは補間法関数であり、(x”,y”,z”)はx、y、x座標系で一様に分布されたポイント座標であり、
(d)その後、x、y、z座標系からζ座標系への変換によって、映像関数ρ(x”,y”,z”)から、ζ座標系の訂正された映像関数ρ(ζ’,ζ’,ζ’)が生成されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項16】
訂正された映像としてρ(ζ’,ζ’,ζ’)を表示するステップを更に含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
(i)夫々勾配(Gx,Gy,Gz)を有する磁場を生成するX、Y及びZ勾配磁石を含み、(ii)(x,y,z)座標系(“x、y、z座標系”)の原点を定義する磁気共鳴映像法システムを利用して目的物の映像を形成する方法であって、
(A)X、Y及びZ勾配磁石を利用してデータ空間で3次元にて目的物のための磁気共鳴信号データセット(“MRデータセット”)を取得するステップと、
(B)上記データセットに関する3次元高速フーリエ変換を実施することを含むプロセスによって、MRデータセットから訂正されていない映像関数ρ(x,y,z)を生成するステップと、
(C)訂正されていない映像関数ρ(x,y,z)から、訂正された映像関数ρ(x’,y’,z’)を生成するステップを含み、
座標(x’,y’,z’)は、(x,y,z)における映像関数の値に対するx,y,z座標系の訂正された位置を表し、
上記(x’,y’,z’)座標は、エラー関数f(x’,y’,z’)が以下の関係式を満足するように非線形方程式のシステムを解くことによって決定され、
【数11】


ここで、εは予め定められた定数であり、
更に、非線形方程式のシステムは、X、Y及びZ勾配磁石により生成される磁場に対する球面調和関数展開式の係数(“球面調和関数係数”)を使用することを特徴とする方法。
【請求項18】
v(n,m)とbv(n,m)が球面調和関数係数であり、
サブスクリプトVはX、Y及びZのうちの一つであり、
非線形方程式のシステムは、初期(x’,y’,z’)値として(x’=x,y’=y,z’=z)を用いて繰り返し解かれ、
エラー関数、及び非線形方程式のシステムは以下の形態であり、
【数12】


ここで、
(a)(x’,y’,z’)の値と(r’,θ’,φ’)の値は以下の式で関係付けられ、
【数13】


(b)(G=ax(1,1),G=bY(1,1),G=aZ(1,0))は、夫々X、Y及びZ勾配磁石により生成される磁場の勾配(Gx,Gy,Gz)の線形部分を表し、
(c)
【数14】


は、X、Y及びZ勾配磁石により生成される磁場の勾配(Gx,Gy,Gz)の線形及び非線形部分を表し、
(i)m及びnは総和のインデックスでありm≦nの関係を充たし、
(ii)Bv(n,m)(r’,θ’,φ’)は、以下の式で与えられ、
【数15】


ここでP(n、m)(cosθ’)は関連するルジャンドル関数であり、サブスクリプトVは、X、Y及びZのうちの一つである
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
レーベンベルグ−マーカード非線形曲線あてはめ技術が、非線形方程式のシステムを解く際に用いられることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
非線形最小技術が、非線形方程式のシステムを解く際に用いられることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項21】
ε=Res×10−3であり、ResはRes=Aimage/Npixで与えられる映像の解像度であり、
imageは映像の領域であり、Npixは映像を構成するピクセルの全数であることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項22】
ステップ(A)のデータ空間が、
(a)k−空間、
(b)時間空間、
(c)位相空間、
(d)周波数空間、
(e)少なくとも一つの座標方向に沿う時間空間と少なくとも一つの他の座標方向に沿う位相空間、若しくは、
(f)少なくとも一つの座標方向に沿う時間空間と少なくとも一つの他の座標方向に沿う周波数空間を
含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項23】
訂正された映像としてρ(x’,y’,z’)を表示するステップを更に含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項24】
以下の補間法を実施してρ(x’,y’,z’)から一様のピクセル寸法を有する映像関数ρ(x”,y”,z”)を生成するステップを更に含み、
【数16】


Hは補間法関数であり、(x”,y”,z”)はx、y、x座標系で一様に分布されたポイント座標であることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項25】
補間法が、ラグランジェ補間法、ニュートン補間法、差分補間法、エルミート補間法、スプライン補間法、若しくはそれらの組み合わせを含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
訂正された映像としてρ(x”,y”,z”)を表示するステップを更に含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項27】
(a)ステップ(A)において、MRデータセットが、x、y、z座標系と共通の原点を有するが該座標系に関して回転されているデカルト座標系ζで取得され、ζ座標系の軸は(ζ,ζ,ζ)であり、
(b)ステップ(B)において、3次元高速フーリエ変換がζ座標系のMRデータセットに関して実施され訂正されていない映像関数ρ(ζ,ζ,ζ)を生成し、その後、ζ座標系からx、y、z座標系への変換により、訂正されていない映像関数ρ(x,y,z)がρ(ζ,ζ,ζ)から生成され、
(c)ステップ(C)の後、x、y、z座標系からζ座標系への変換によって、ステップ(C)の訂正された映像関数ρ(x’,y’,z’)から、ζ座標系の訂正された映像関数ρ(ζ’,ζ’,ζ’)が生成されることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項28】
訂正された映像としてρ(ζ’,ζ’,ζ’)を表示するステップを更に含むことを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】
以下の補間法を実施してρ(ζ’,ζ’,ζ’)から一様のピクセル寸法を有する映像関数ρ(ζ”,ζ”,ζ”)を生成するステップを更に含み、
【数17】


Hは補間法関数であり、(ζ”,ζ”,ζ”)はζ座標系で一様に分布されたポイント座標であることを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項30】
訂正された映像としてρ(ζ”,ζ”,ζ”)を表示するステップを更に含むことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項31】
(a)ステップ(A)において、MRデータセットが、x、y、z座標系と共通の原点を有するが該座標系に関して回転されているデカルト座標系ζで取得され、ζ座標系の軸は(ζ,ζ,ζ)であり、
(b)ステップ(B)において、3次元高速フーリエ変換がζ座標系のMRデータセットに関して実施され訂正されていない映像関数ρ(ζ,ζ,ζ)を生成し、その後、ζ座標系からx、y、z座標系への変換により、訂正されていない映像関数ρ(x,y,z)がρ(ζ,ζ,ζ)から生成され、
(c)ステップ(C)の後、以下の補間法を実施して、ρ(x’,y’,z’)から、一様のピクセル寸法を有する映像関数ρ(x”,y”,z”)が生成され、
【数18】


ここで、Hは補間法関数であり、(x”,y”,z”)はx、y、x座標系で一様に分布されたポイント座標であり、
(d)その後、x、y、z座標系からζ座標系への変換によって、映像関数ρ(x”,y”,z”)から、ζ座標系の訂正された映像関数ρ(ζ’,ζ’,ζ’)が生成されることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項32】
訂正された映像としてρ(ζ’,ζ’,ζ’)を表示するステップを更に含むことを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項33】
(i)夫々勾配(Gx,Gy,Gz)を有する磁場を生成するX、Y及びZ勾配磁石を含み、(ii)(x,y,z)座標系(“x、y、z座標系”)の原点を定義する磁気共鳴映像法システムを利用して目的物の映像を形成する方法であって、
(A)X、Y及びZ勾配磁石を利用してデータ空間で3次元にて目的物のための磁気共鳴信号データセット(“MRデータセット”)を取得するステップであって、
MRデータセットはs(mΔt、mΔt、mΔt)の形態であり、
(i)m、m、及びmは、夫々x、y、及びz方向のデータポイントに対するインデックスであり、
(ii)Δt、Δt、及びΔtは、夫々x、y、及びz方向の等価の時間ステップであるような、ステップと、
(B)上記データセットに関する3次元高速フーリエ変換を実施することを含むプロセスによって、MRデータセットから訂正されていない映像関数ρ(lΔω,lΔω,lΔω)を生成するステップであって、
上記の訂正されていない映像関数は、周波数空間で(lΔω,lΔω,lΔω)により与えられる周波数ポイントのセットにおいて存在し、そこでは、
(i)l、l、及びlが、夫々ω、ω及びω方向の周波数ポイントに対するインデックスであり、
(ii)Δω、Δω及びΔωが、夫々ω、ω及びω方向の周波数ステップであり、
(iii)ω=γxG,ω=γyG,ω=γzGであり、ここで、
(a)γは定数で、
(b)G、G、及びGは、夫々X、Y、及びZ勾配磁石により生成される磁場の勾配(G,G,G)の線形部分を表し、
(iv)X、Y、及びZ勾配磁石がx、y、z座標系のx、y、及びz方向の純粋な線形勾配磁場を生成するならばX、Y、及びZ勾配磁石から生じる周波数範囲を、lΔω,lΔω,及びlΔωが夫々有するように、l、l、及びlの範囲は選択され、
(v)高速フーリエ変換は以下の形態であるような、ステップと、
【数19】


(C)以下の形態の周波数空間の補間法関数Lを用いて、訂正されていない映像関数ρ(lΔω,lΔω,lΔω)から、x、y、z座標系の(x’,y’,z’)における訂正された映像関数ρ(x’,y’,z’)を生成するステップであって、
【数20】


(i)ω,ω,及びωは、夫々(x’,y’,z’)の関数であり、
(ii)ρ(ω,ω,ω)は、所望のρ(x’,y’,z’)に等しいような、ステップとを含み、
、G、G、ω,ω,及びωは、X、Y及びZ勾配磁石により生成される磁場に対する球面調和関数展開式の係数(“球面調和関数係数”)を用いて、決定されることを特徴とする方法。
【請求項34】
(a)av(n,m)とbv(n,m)が球面調和関数係数であり、
サブスクリプトvはX、Y及びZのうちの一つであり、
(b)G=aX(1,1)、G=bY(1,1)、及びG=aZ(1,0)であり、
(c)ω,ω,及びωは、以下の式で与えられ、
【数21】


ここで、η(x’,y’,z’)、η(x’,y’,z’)、及びη(x’,y’,z’)は、以下の式で与えられ、
【数22】


ここで、
【数23】


は、X、Y、及びZ勾配磁石により生成される磁場の非線形部分を表し、
更に
(i)m及びnは総和のインデックスであり、m≦nの関係を充たし、
(ii)Bv(n,m)(r’,θ’,φ’)は、以下の式で与えられ、
【数24】


ここでP(n、m)(cosθ’)は関連するルジャンドル関数であり、サブスクリプトVは、X、Y及びZのうちの一つであり、
(iii)(x’,y’,z’)の値と(r’,θ’,φ’)の値は以下の式で関係付けられる
【数25】


請求項33に記載の方法。
【請求項35】
補間法関数Lが、以下のようなSINC関数であることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【数26】

【請求項36】
補間法関数Lが、以下のような形態であり、
【数27】


ここで、
(a)ΨX(lX),ΨY(lY)及びΨZ(lZ)は、直交基本関数であり、
(b)C(lX,lY,lZ)は、以下の行列方程式を充たす係数であり、
【数28】


ここで、ベクトルCは以下の形であり、
【数29】


ベクトルρは以下の形であり、
【数30】


更に、マトリクスAは以下の形であり、
【数31】


ここで、
【数32】


であり、
【数33】


であることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項37】
補間法が、ラグランジェ補間法、ニュートン補間法、差分補間法、エルミート補間法、スプライン補間法、若しくはそれらの組み合わせを含むことを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項38】
補間法が、MRデータセットに関する3次元高速フーリエ変換を実施することにより得られるデータポイントの全てに適用されることを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項39】
補間法が、MRデータセットに関する3次元高速フーリエ変換を実施することにより得られるデータポイントのサブセットに適用され、
上記サブセットは映像化される目的物の対象領域の近傍内であることを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項40】
訂正された映像としてρ(x’,y’,z’)を表示するステップを更に含むことを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項41】
以下の補間法を実施してρ(x’,y’,z’)から一様のピクセル寸法を有する映像関数ρ(x”,y”,z”)を生成するステップを更に含み、
【数34】


Hは補間法関数であり、(x”,y”,z”)はx、y、x座標系で一様に分布されたポイント座標であることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項42】
補間法が、ラグランジェ補間法、ニュートン補間法、差分補間法、エルミート補間法、スプライン補間法、若しくはそれらの組み合わせを含むことを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項43】
訂正された映像としてρ(x”,y”,z”)を表示するステップを更に含むことを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項44】
(a)ステップ(A)において、MRデータセットが、x、y、z座標系と共通の原点を有するが該座標系に関して回転されているデカルト座標系ζで取得され、ζ座標系の軸は(ζ,ζ,ζ)であり、x,y,z座標系とζ座標系の間の変換(“xyz−ζ変換”)は、以下の形であり、
【数35】


ここで、
【数36】


であり、cは方向余弦であり、
(b)ステップ(B)において、3次元高速フーリエ変換がζ座標系のMRデータセットに関して実施され(ωζ1,ωζ2,ωζ2)周波数空間における訂正されていない映像関数を生成し、その後、(ω,ω,ω)周波数空間における訂正されていない映像関数が、(ωζ1,ωζ2,ωζ2)周波数から(ω,ω,ω)周波数への以下の変換により生成され、
【数37】


ここで、ω(X,Y,Z)=[ω,ω,ω,ω(ζ1,ζ2,ζ3)=[ωζ1,ωζ2,ωζ3,及びAはAマトリクス(Amatrix)であり、
(c)ステップ(C)の後、xyz−ζ変換を用いて、ステップ(C)の訂正された映像関数ρ(x’,y’,z’)から、ζ座標系の訂正された映像関数ρ(ζ’,ζ’,ζ’)が生成されることを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項45】
訂正された映像としてρ(ζ’,ζ’,ζ’)を表示するステップを更に含むことを特徴とする請求項44に記載の方法。
【請求項46】
以下の補間法を実施してρ(ζ’,ζ’,ζ’)から一様のピクセル寸法を有する映像関数ρ(ζ”,ζ”,ζ”)を生成するステップを更に含み、
【数38】


Hは補間法関数であり、(ζ”,ζ”,ζ”)はζ座標系で一様に分布されたポイント座標であることを特徴とする請求項44に記載の方法。
【請求項47】
訂正された映像としてρ(ζ”,ζ”,ζ”)を表示するステップを更に含むことを特徴とする請求項46に記載の方法。
【請求項48】
(a)ステップ(A)において、MRデータセットが、x、y、z座標系と共通の原点を有するが該座標系に関して回転されているデカルト座標系ζで取得され、ζ座標系の軸は(ζ,ζ,ζ)であり、x,y,z座標系とζ座標系の間の変換(“xyz−ζ変換”)は、以下の形であり、
【数39】


ここで、
【数40】


【数41】


であり、cは方向余弦であり、
(b)ステップ(B)において、3次元高速フーリエ変換がζ座標系のMRデータセットに関して実施され(ωζ1,ωζ2,ωζ2)周波数空間における訂正されていない映像関数を生成し、その後、(ω,ω,ω)周波数空間における訂正されていない映像関数が、(ωζ1,ωζ2,ωζ2)周波数から(ω,ω,ω)周波数への以下の変換により生成され、
【数42】


ここで、ω(X,Y,Z)=[ω,ω,ω,ω(ζ1,ζ2,ζ3)=[ωζ1,ωζ2,ωζ3,及びAはAマトリクス(Amatrix)であり、
(c)ステップ(C)の後、以下の補間法を実施してρ(x’,y’,z’)から一様のピクセル寸法を有する映像関数ρ(x”,y”,z”)が生成され、
【数43】


Hは補間法関数であり、(x”,y”,z”)はx、y、z座標系で一様に分布されたポイント座標であり、
(d)その後、xyz−ζ変換を用いて、映像関数ρ(x”,y”,z”)から、ζ座標系の訂正された映像関数ρ(ζ’,ζ’,ζ’)が生成されることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項49】
訂正された映像としてρ(ζ’,ζ’,ζ’)を表示するステップを更に含むことを特徴とする請求項48に記載の方法。
【請求項50】
(i)夫々勾配(Gx,Gy,Gz)を有する磁場を生成するX、Y及びZ勾配磁石を含み、(ii)(x,y,z)座標系(“x、y、z座標系”)の原点を定義する磁気共鳴映像法システムを利用して目的物の映像を形成する方法であって、
(A)X、Y及びZ勾配磁石の線形組み合わせを利用して、データ空間で2次元にて目的物のスライスのための磁気共鳴信号データセット(“MRデータセット”)を取得するステップと、
(B)上記データセットに関する2次元高速フーリエ変換を実施することを含むプロセスによって、MRデータセットから訂正されていない映像関数ρ(ζ,ζ)を生成するステップであって、
ζとζは夫々、(ζ,ζ,ζ)座標系の読み取り及び位相符号化座標であり、そこでは、
(i)スライス選択勾配は、G=(pX3,pY3,pZ3)により、(ζ,ζ,ζ)座標系で与えられ、
ここで(pX3,pY3,pZ3)は、夫々X、Y、及びZ勾配磁石(G,G,G)の勾配強度係数であり、スライス勾配の軸方向は、
【数44】


であり、ここで、
【数45】


であり、
(ii)スライスに対する位相符号化勾配は、以下の式により、(ζ,ζ,ζ)座標系で与えられ、
【数46】


ここで(pX2,pY2,pZ2)は、夫々X、Y、及びZ勾配磁石(G,G,G)の勾配強度係数であり、位相符号化勾配の軸方向は、
【数47】


であり、ここで、
【数48】


であり、
(iii)スライスに対する読み取り勾配は、以下の式により、(ζ,ζ,ζ)座標系で与えられ、
【数49】


ここで(pX1,pY1,pZ1)は、夫々X、Y、及びZ勾配磁石(G,G,G)の勾配強度係数であり、読み取り勾配の軸方向は、
【数50】


であり、ここで、
【数51】


であるような、ステップと、
(C)訂正されていない映像関数ρ(ζ,ζ)から、訂正された映像関数ρ(ζ’,ζ’)を生成するステップであって、座標(ζ’,ζ’)は(ζ,ζ)における映像関数の値に対する(ζ,ζ,ζ)座標系の訂正された位置を表し、上記(ζ’,ζ’)座標は、X、Y及びZ勾配磁石により生成される磁場に対する球面調和関数展開式の係数(“球面調和関数係数”)を利用する繰り返しの写像を用いて、決定されるステップを
含むことを特徴とする方法。
【請求項51】
繰り返しの写像が以下の形態であり、
【数52】


ここで、
【数53】


であり、ここでnは繰り返しの数でありη(ζ,ζ)=η(ζ,ζ,ζ)及びη(ζ,ζ)=η(ζ,ζ,ζ)は以下の式で与えられ、
【数54】


ここで、
(a)r、θ及びΦは、ζ,ζ及びζ座標系と同じ原点に対して定義され、以下の式で与えられ、
【数55】


(b)(G,G)は、X、Y及びZ勾配磁石により生成される磁場の勾配(G,G)の線形部分を表し、
(c)
【数56】


は、X、Y及びZ勾配磁石により生成される磁場の勾配の非線形部分を表し、そこでは、
(i)m及びnは総和のインデックスでありm≦nの関係を充たし、
(ii)Bv(n,m)(r,θ,φ)は、以下の式で与えられ、
【数57】


ここでP(n、m)(cosθ)は関連するルジャンドル関数であり、サブスクリプトVは、X、Y及びZのうちの一つであり、
(iii)av(n,m)とbv(n,m)が球面調和関数係数であり、
サブスクリプトvはX、Y及びZのうちの一つである
ことを特徴とする請求項50に記載の方法。
【請求項52】
繰り返しの写像が以下の条件を満たすまで継続されることを特徴とする請求項51に記載の方法。
【数58】

【請求項53】
ε=10−3であることを特徴とする請求項52に記載の方法。
【請求項54】
繰り返しの数が2以上であり且つ4以下であることを特徴とする請求項53に記載の方法。
【請求項55】
訂正された映像としてρ(ζ”,ζ”)を表示するステップを更に含むことを特徴とする請求項50に記載の方法。
【請求項56】
以下の補間法を実施してρ(ζ’,ζ’)から一様のピクセル寸法を有する映像関数ρ(ζ”,ζ”)を生成するステップを更に含み、
【数59】


Hは補間法関数であり、(ζ”,ζ”)は(ζ,ζ,ζ)座標系で一様に分布されたポイント座標であることを特徴とする請求項50に記載の方法。
【請求項57】
補間法が、ラグランジェ補間法、ニュートン補間法、差分補間法、エルミート補間法、スプライン補間法、若しくはそれらの組み合わせを含むことを特徴とする請求項56に記載の方法。
【請求項58】
訂正された映像としてρ(ζ”,ζ”)を表示するステップを更に含むことを特徴とする請求項56に記載の方法。
【請求項59】
(i)夫々勾配(Gx,Gy,Gz)を有する磁場を生成するX、Y及びZ勾配磁石を含み、(ii)(x,y,z)座標系(“x、y、z座標系”)の原点を定義する磁気共鳴映像法システムを利用して目的物の映像を形成する方法であって、
(A)X、Y及びZ勾配磁石の線形組み合わせを利用して、データ空間で2次元にて目的物のスライスのための磁気共鳴信号データセット(“MRデータセット”)を取得するステップと、
(B)上記データセットに関する2次元高速フーリエ変換を実施することを含むプロセスによって、MRデータセットから訂正されていない映像関数ρ(ζ,ζ)を生成するステップであって、
ζとζは夫々、(ζ,ζ,ζ)座標系の読み取り及び位相符号化座標であり、そこでは、
(i)スライス選択勾配は、G=(pX3,pY3,pZ3)により、(ζ,ζ,ζ)座標系で与えられ、
ここで(pX3,pY3,pZ3)は、夫々X、Y、及びZ勾配磁石(G,G,G)の勾配強度係数であり、スライス勾配の軸方向は、
【数60】


であり、ここで、
【数61】


であり、
(ii)スライスに対する位相符号化勾配は、以下の式により、(ζ,ζ,ζ)座標系で与えられ、
【数62】


ここで(pX2,pY2,pZ2)は、夫々X、Y、及びZ勾配磁石(G,G,G)の勾配強度係数であり、位相符号化勾配の軸方向は、
【数63】


であり、ここで、
【数64】


であり、
(iii)スライスに対する読み取り勾配は、以下の式により、(ζ,ζ,ζ)座標系で与えられ、
【数65】


ここで(pX1,pY1,pZ1)は、夫々X、Y、及びZ勾配磁石(G,G,G)の勾配強度係数であり、読み取り勾配の軸方向は、
【数66】


であり、ここで、
【数67】


であるような、ステップと、
(C)訂正されていない映像関数ρ(ζ,ζ)から、訂正された映像関数ρ(ζ’,ζ’)を生成するステップであって、座標(ζ’,ζ’)は(ζ,ζ)における映像関数の値に対する(ζ,ζ,ζ)座標系の訂正された位置を表し、上記(ζ’,ζ’)座標は、エラー関数f(ζ’,ζ’)が以下の関係式を満足するように非線形方程式のシステムを解くことによって決定され、
【数68】


ここで、εは予め定められた定数であり、
更に、非線形方程式のシステムは、X、Y及びZ勾配磁石により生成される磁場に対する球面調和関数展開式の係数(“球面調和関数係数”)を使用するような、ステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項60】
非線形方程式のシステムが、初期値(ζ’,ζ’)としてのζ’1(0)=ζ及びζ’2(0)=ζと、以下の形態の非線形方程式のエラー関数及びシステムを用いて、反復して解かれ、
【数69】


ここで、
(a)(r’,θ’,Φ’)及び(ζ’,ζ’,ζ’)の値は以下のように関係付けられ、
【数70】


であり、

(b)(G,G)は、X、Y及びZ勾配磁石により生成される磁場の勾配(G,G)の線形部分を表し、
(c)
【数71】


は、X、Y及びZ勾配磁石により生成される磁場の勾配の線形と非線形部分を表し、そこでは、
(i)m及びnは総和のインデックスでありm≦nの関係を充たし、
(ii)Bv(n,m)(r’,θ’,φ’)は、以下の式で与えられ、
【数72】


ここでP(n、m)(cosθ’)は関連するルジャンドル関数であり、サブスクリプトVは、X、Y及びZのうちの一つであり、
(iii)av(n,m)とbv(n,m)が球面調和関数係数であり、
サブスクリプトvはX、Y及びZのうちの一つである
ことを特徴とする請求項59に記載の方法。
【請求項61】
レーベンベルグ−マーカード非線形曲線あてはめ技術が、非線形方程式のシステムを解く際に用いられることを特徴とする請求項60に記載の方法。
【請求項62】
非線形最小技術が、非線形方程式のシステムを解く際に用いられることを特徴とする請求項60に記載の方法。
【請求項63】
ε=Res×10−3であり、ResはRes=Aimage/Npixで与えられる映像の解像度であり、
imageは映像の領域であり、Npixは映像を構成するピクセルの全数であることを特徴とする請求項59に記載の方法。
【請求項64】
訂正された映像としてρ(ζ’,ζ’)を表示するステップを更に含むことを特徴とする請求項59に記載の方法。
【請求項65】
以下の補間法を実施してρ(ζ’,ζ’)から一様のピクセル寸法を有する映像関数ρ(ζ”,ζ”)を生成するステップを更に含み、
【数73】


Hは補間法関数であり、(ζ”,ζ”)は(ζ,ζ,ζ)座標系の一様に分布されたポイント座標であることを特徴とする請求項59に記載の方法。
【請求項66】
補間法が、ラグランジェ補間法、ニュートン補間法、差分補間法、エルミート補間法、スプライン補間法、若しくはそれらの組み合わせを含むことを特徴とする請求項65に記載の方法。
【請求項67】
訂正された映像としてρ(ζ”,ζ”)を表示するステップを更に含むことを特徴とする請求項65に記載の方法。
【請求項68】
(i)夫々勾配(Gx,Gy,Gz)を有する磁場を生成するX、Y及びZ勾配磁石を含み、(ii)(x,y,z)座標系(“x、y、z座標系”)の原点を定義する磁気共鳴映像法システムを利用して目的物の映像を形成する方法であって、
(A)X、Y及びZ勾配磁石の線形組み合わせを利用して、データ空間で2次元にて目的物のスライスのための磁気共鳴信号データセット(“MRデータセット”)を取得するステップであって、
MRデータセットはs(mΔt、mΔt)の形態であり、
(i)m及びmはζ及びζ方向のk−空間データポイントのための夫々インデックスであり、ζ及びζは、(ζ,ζ,ζ)座標系の夫々読み取り及び位相符号化座標であり、ここで、
(a)スライス選択勾配は、G=(pX3,pY3,pZ3)により、(ζ,ζ,ζ)座標系で与えられ、
ここで(pX3,pY3,pZ3)は、夫々X、Y、及びZ勾配磁石(G,G,G)の勾配強度係数であり、スライス勾配の軸方向は、
【数74】


であり、ここで、
【数75】


であり、
(b)スライスに対する位相符号化勾配は、以下の式により、(ζ,ζ,ζ)座標系で与えられ、
【数76】


ここで(pX2,pY2,pZ2)は、夫々X、Y、及びZ勾配磁石(G,G,G)の勾配強度係数であり、位相符号化勾配の軸方向は、
【数77】


であり、ここで、
【数78】


であり、
(c)スライスに対する読み取り勾配は、以下の式により、(ζ,ζ,ζ)座標系で与えられ、
【数79】


ここで(pX1,pY1,pZ1)は、夫々X、Y、及びZ勾配磁石(G,G,G)の勾配強度係数であり、読み取り勾配の軸方向は、
【数80】


であり、ここで、
【数81】


であり、
(ii)Δt1及びΔt2は夫々、ζ及びζに対するk−空間の等価の時間ステップであるような、ステップと、
(B)上記データセットに関する2次元高速フーリエ変換を実施することを含むプロセスによって、MRデータセットから訂正されていない映像関数ρ(lΔω,lΔω)を生成するステップであって、
上記の訂正されていない映像関数は、周波数空間で(lΔω,lΔω)により与えられる周波数ポイントのセットにおいて存在し、そこでは、
(i)l、及びlが、夫々ω及びω方向の周波数ポイントに対するインデックスであり、
(ii)Δω及びΔωが、夫々ω及びω方向の周波数ステップであり、
(iii)ω=γG・ζ,ω=γG・ζであり、ここで、
(a)γは定数で、
(b)(G,G)は、X、Y、及びZ勾配磁石により生成される磁場の勾配(G,G)の線形部分を表し、
(iv)G勾配がζ方向で純粋に線形であるならばG勾配から生じる周波数範囲を、lΔωが有するように、lの範囲が選択され、G勾配がζ方向で純粋に線形であるならばG勾配から生じる周波数範囲を、lΔωが有するように、lの範囲が選択され、
(v)高速フーリエ変換は以下の形態であるような、ステップと、
【数82】


(C)以下の形態の周波数空間の補間法関数Lを利用して、訂正されていない映像関数ρ(lΔω,lΔω)から、(ζ,ζ,ζ)座標系の(ζ’,ζ’,ζ’)における周波数空間の訂正された映像関数ρ(ζ’,ζ’)を生成するステップであって、
【数83】


ここで、
(i)ρ(ω(ζ’,ζ’,ζ’),ω(ζ’,ζ’,ζ’))は所望のρ(ζ’,ζ’)であり、
(ii)G、G、ω(ζ’,ζ’,ζ’)、及びω(ζ’,ζ’,ζ’)は、X、Y及びZ勾配磁石により生成される磁場に対する球面調和関数展開式の係数(“球面調和関数係数”)を用いて決定されるような、ステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項69】
(a)av(n,m)とbv(n,m)が球面調和関数係数であり、
サブスクリプトVはX、Y及びZのうちの一つであり、
(b)
【数84】


であり、
(c)ω(ζ’,ζ’,ζ’)及びω(ζ’,ζ’,ζ’)は、以下の式で与えられ、
【数85】


ここで、η(ζ’,ζ’,ζ’)、及びη(ζ’,ζ’,ζ’)は、以下の式で与えられ、
【数86】


ここで、
【数87】


は、X、Y及びZ勾配磁石により生成される磁場の非線形部分を表し、そこでは、
(i)m及びnは総和のインデックスでありm≦nの関係を充たし、
(ii)Bv(n,m)(r’,θ’,φ’)は、以下の式で与えられ、
【数88】


ここでP(n、m)(cosθ’)は関連するルジャンドル関数であり、サブスクリプトVは、X、Y及びZのうちの一つであり、
(iii)(r’,θ’,φ’)及び(ζ’,ζ’,ζ’)の値は、以下の式で関連づけられることを特徴とする請求項68に記載の方法。
【数89】

【請求項70】
補間法関数Lが以下の式のようなSINC関数であることを特徴とする請求項68に記載の方法。
【数90】

【請求項71】
補間法関数Lが以下の形態であり、
【数91】


ここで、
(a)Ψ1(l1)及びΨ2(l2)は、直交基本関数であり、
(b)C(l1,l2)は、以下の行列方程式を満たす係数であり、
【数92】


ここで、ベクトルCは以下の形態であり、
【数93】


ベクトルρは以下の形態であり、
【数94】


行列Aは以下の形態であることを特徴とする請求項68に記載の方法。
【数95】

【請求項72】
補間法が、ラグランジェ補間法、ニュートン補間法、差分補間法、エルミート補間法、スプライン補間法、若しくはそれらの組み合わせを含むことを特徴とする請求項71に記載の方法。
【請求項73】
補間法が、MRデータセットに関する2次元高速フーリエ変換を実施することにより得られるデータポイントの全てに適用されることを特徴とする請求項71に記載の方法。
【請求項74】
補間法が、MRデータセットに関する2次元高速フーリエ変換を実施することにより得られるデータポイントのサブセットに適用され、
上記サブセットは映像化される目的物の対象領域の近傍内であることを特徴とする請求項71に記載の方法。
【請求項75】
訂正された映像としてρ(ζ’,ζ’)を表示するステップを更に含むことを特徴とする請求項68に記載の方法。
【請求項76】
以下の補間法を実施してρ(ζ’,ζ’)から一様のピクセル寸法を有する映像関数ρ(ζ”,ζ”)を生成するステップを更に含み、
【数96】


Hは補間法関数であり、(ζ”,ζ”)は(ζ,ζ,ζ)座標系で一様に分布されたポイント座標であることを特徴とする請求項68に記載の方法。
【請求項77】
補間法が、ラグランジェ補間法、ニュートン補間法、差分補間法、エルミート補間法、スプライン補間法、若しくはそれらの組み合わせを含むことを特徴とする請求項76に記載の方法。
【請求項78】
訂正された映像としてρ(ζ”,ζ”)を表示するステップを更に含むことを特徴とする請求項76に記載の方法。
【請求項79】
座標系の原点を定義し、(i)主要磁石と(ii)X、Y及びZ勾配磁石を含む磁気共鳴映像法システムを利用して目的物の映像を形成する方法であって、
(A)X、Y及びZ勾配磁石を利用してデータ空間で目的物のための磁気共鳴信号データセット(“MRデータセット”)を取得するステップと、
(B)MRデータセットから訂正されていない映像関数を生成するステップと、
(C)以下の(i)〜(iii)の係数から構成されるグループから選択された少なくとも一つの係数を利用して、訂正されていない映像関数から、訂正された映像関数を生成するステップを含む方法。
(i)X勾配磁石に対する球面調和関数係数a(0,0),b(0,0),a(1,0),b(1,0)及びb(1,1)、即ち、球面調和関数以外の基本セットがラプラス方程式を解くのに利用されるならば生じる対応の係数。
(ii)Y勾配磁石に対する球面調和関数係数a(0,0),b(0,0),a(1,0),a(1,1)及びb(1,0)、即ち、球面調和関数以外の基本セットがラプラス方程式を解くのに利用されるならば生じる対応の係数。
(iii)Z勾配磁石に対する球面調和関数係数a(0,0),b(0,0),a(1,1),b(1,0)及びb(1,1)、即ち、球面調和関数以外の基本セットがラプラス方程式を解くのに利用されるならば生じる対応の係数。
【請求項80】
ステップ(C)で利用される少なくとも一つの係数が、X勾配磁石に対する球面調和関数係数a(0,0),b(0,0),a(1,0),b(1,0)及びb(1,1)、即ち、球面調和関数以外の基本セットがラプラス方程式を解くのに利用されるならば生じる対応の係数の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項79に記載の方法。
【請求項81】
ステップ(C)で利用される少なくとも一つの係数が、X勾配磁石に対する球面調和関数係数a(0,0),b(0,0),a(1,0),b(1,0)及びb(1,1)、即ち、球面調和関数以外の基本セットがラプラス方程式を解くのに利用されるならば生じる対応の係数の全てを含むことを特徴とする請求項79に記載の方法。
【請求項82】
ステップ(C)で利用される少なくとも一つの係数が、Y勾配磁石に対する球面調和関数係数a(0,0),b(0,0),a(1,0),a(1,1)及びb(1,0)、即ち、球面調和関数以外の基本セットがラプラス方程式を解くのに利用されるならば生じる対応の係数の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項79に記載の方法。
【請求項83】
ステップ(C)で利用される少なくとも一つの係数が、Y勾配磁石に対する球面調和関数係数a(0,0),b(0,0),a(1,0),a(1,1)及びb(1,0)、即ち、球面調和関数以外の基本セットがラプラス方程式を解くのに利用されるならば生じる対応の係数の全てを含むことを特徴とする請求項79に記載の方法。
【請求項84】
ステップ(C)で利用される少なくとも一つの係数が、Z勾配磁石に対する球面調和関数係数a(0,0),b(0,0),a(1,1),b(1,0)及びb(1,1)、即ち、球面調和関数以外の基本セットがラプラス方程式を解くのに利用されるならば生じる対応の係数の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項79に記載の方法。
【請求項85】
ステップ(C)で利用される少なくとも一つの係数が、Z勾配磁石に対する球面調和関数係数a(0,0),b(0,0),a(1,1),b(1,0)及びb(1,1)、即ち、球面調和関数以外の基本セットがラプラス方程式を解くのに利用されるならば生じる対応の係数の全てを含むことを特徴とする請求項79に記載の方法。
【請求項86】
ステップ(C)で利用される少なくとも一つの係数が、
X勾配磁石に対する球面調和関数係数a(0,0),b(0,0),a(1,0),b(1,0)及びb(1,1)、即ち、球面調和関数以外の基本セットがラプラス方程式を解くのに利用されるならば生じる対応の係数の少なくとも一つと、
Y勾配磁石に対する球面調和関数係数a(0,0),b(0,0),a(1,0),a(1,1)及びb(1,0)、即ち、球面調和関数以外の基本セットがラプラス方程式を解くのに利用されるならば生じる対応の係数の少なくとも一つと、
Z勾配磁石に対する球面調和関数係数a(0,0),b(0,0),a(1,1),b(1,0)及びb(1,1)、即ち、球面調和関数以外の基本セットがラプラス方程式を解くのに利用されるならば生じる対応の係数の少なくとも一つを
含むことを特徴とする請求項79に記載の方法。
【請求項87】
ステップ(C)で利用される少なくとも一つの係数が、
X勾配磁石に対する球面調和関数係数a(0,0),b(0,0),a(1,0),b(1,0)及びb(1,1)、即ち、球面調和関数以外の基本セットがラプラス方程式を解くのに利用されるならば生じる対応の係数の全てと、
Y勾配磁石に対する球面調和関数係数a(0,0),b(0,0),a(1,0),a(1,1)及びb(1,0)、即ち、球面調和関数以外の基本セットがラプラス方程式を解くのに利用されるならば生じる対応の係数の全てと、
Z勾配磁石に対する球面調和関数係数a(0,0),b(0,0),a(1,1),b(1,0)及びb(1,1)、即ち、球面調和関数以外の基本セットがラプラス方程式を解くのに利用されるならば生じる対応の係数の全てを
含むことを特徴とする請求項79に記載の方法。
【請求項88】
上記の少なくとも一つの係数、即ち導出された数値がコンピュータメモリに格納され、ステップ(C)の実行の間にメモリから引き出されることを特徴とする請求項79に記載の方法。
【請求項89】
ステップ(A)で取得されたデータセットが、目的物のための3次元データを含むことを特徴とする請求項79に記載の方法。
【請求項90】
ステップ(A)で取得されたデータセットが、目的物のための2次元データを含むことを特徴とする請求項79に記載の方法。
【請求項91】
ステップ(B)が、MRデータセットに関して高速フーリエ変換を実行するステップを含むことを特徴とする請求項79に記載の方法。
【請求項92】
ステップ(C)で生成された訂正された映像を表示するステップを更に含むことを特徴とする請求項79に記載の方法。
【請求項93】
(i)夫々勾配(Gx,Gy,Gz)を有する磁場を生成するX、Y及びZ勾配磁石を含み、(ii)(x,y,z)座標系(“x、y、z座標系”)の原点を定義する磁気共鳴映像法システムを利用して目的物の映像を形成する方法であって、
(A)X、Y及びZ勾配磁石を利用してデータ空間で3次元にて目的物のための磁気共鳴信号データセット(“MRデータセット”)を取得するステップと、
(B)上記データセットに関する3次元高速フーリエ変換を実施することを含むプロセスによって、MRデータセットから訂正されていない映像関数ρ(x,y,z)を生成するステップと、
(C)訂正されていない映像関数ρ(x,y,z)から、訂正された映像関数ρ(x’,y’,z’)を生成するステップを含み、
座標(x’,y’,z’)は、(x,y,z)における映像関数の値に対するx,y,z座標系の訂正された位置を表し、
上記(x’,y’,z’)座標は、X、Y及びZ勾配磁石により生成される磁場に対する展開式の係数を使用する繰り返しの写像を用いて決定され、上記展開式及び係数はラプラス方程式を充たす基本セットに対するものであることを特徴とする方法。
【請求項94】
(i)夫々勾配(Gx,Gy,Gz)を有する磁場を生成するX、Y及びZ勾配磁石を含み、(ii)(x,y,z)座標系(“x、y、z座標系”)の原点を定義する磁気共鳴映像法システムを利用して目的物の映像を形成する方法であって、
(A)X、Y及びZ勾配磁石を利用してデータ空間で3次元にて目的物のための磁気共鳴信号データセット(“MRデータセット”)を取得するステップと、
(B)上記データセットに関する3次元高速フーリエ変換を実施することを含むプロセスによって、MRデータセットから訂正されていない映像関数ρ(x,y,z)を生成するステップと、
(C)訂正されていない映像関数ρ(x,y,z)から、訂正された映像関数ρ(x’,y’,z’)を生成するステップを含み、
座標(x’,y’,z’)は、(x,y,z)における映像関数の値に対するx,y,z座標系の訂正された位置を表し、
上記(x’,y’,z’)座標は、エラー関数f(x’,y’,z’)が以下の関係式を満足するように非線形方程式のシステムを解くことによって決定され、
【数97】


ここで、εは予め定められた定数であり、
更に、非線形方程式のシステムは、X、Y及びZ勾配磁石により生成される磁場に対する展開式の係数を使用し、上記展開式及び係数はラプラス方程式を充たす基本セットに対するものであることを特徴とする方法。
【請求項95】
レーベンベルグ−マーカード非線形曲線あてはめ技術が、非線形方程式のシステムを解く際に用いられることを特徴とする請求項94に記載の方法。
【請求項96】
非線形最小技術が、非線形方程式のシステムを解く際に用いられることを特徴とする請求項94に記載の方法。
【請求項97】
ε=Res×10−3であり、ResはRes=Aimage/Npixで与えられる映像の解像度であり、
imageは映像の領域であり、Npixは映像を構成するピクセルの全数であることを特徴とする請求項94に記載の方法。
【請求項98】
(i)夫々勾配(Gx,Gy,Gz)を有する磁場を生成するX、Y及びZ勾配磁石を含み、(ii)(x,y,z)座標系(“x、y、z座標系”)の原点を定義する磁気共鳴映像法システムを利用して目的物の映像を形成する方法であって、
(A)X、Y及びZ勾配磁石を利用してデータ空間で3次元にて目的物のための磁気共鳴信号データセット(“MRデータセット”)を取得するステップであって、
MRデータセットはs(mΔt、mΔt、mΔt)の形態であり、
(i)m、m、及びmは、夫々x、y、及びz方向のデータポイントに対するインデックスであり、
(ii)Δt、Δt、及びΔtは、夫々x、y、及びz方向の等価の時間ステップであるような、ステップと、
(B)上記データセットに関する3次元高速フーリエ変換を実施することを含むプロセスによって、MRデータセットから訂正されていない映像関数ρ(lΔω,lΔω,lΔω)を生成するステップであって、
上記の訂正されていない映像関数は、周波数空間で(lΔω,lΔω,lΔω)により与えられる周波数ポイントのセットにおいて存在し、そこでは、
(i)l、l、及びlが、夫々ω、ω及びω方向の周波数ポイントに対するインデックスであり、
(ii)Δω、Δω及びΔωが、夫々ω、ω及びω方向の周波数ステップであり、
(iii)ω=γxG,ω=γyG,ω=γzGであり、ここで、
(a)γは定数で、
(b)G、G、及びGは、夫々X、Y、及びZ勾配磁石により生成される磁場の勾配(G,G,G)の線形部分を表し、
(iv)X、Y、及びZ勾配磁石がx、y、z座標系のx、y、及びz方向の純粋な線形勾配磁場を生成するならばX、Y、及びZ勾配磁石から生じる周波数範囲を、lΔω,lΔω,及びlΔωが夫々有するように、l、l、及びlの範囲は選択され、
(v)高速フーリエ変換は以下の形態であるような、ステップと、
【数98】


(C)以下の形態の周波数空間の補間法関数Lを用いて、訂正されていない映像関数ρ(lΔω,lΔω,lΔω)から、x、y、z座標系の(x’,y’,z’)における訂正された映像関数ρ(x’,y’,z’)を生成するステップであって、
【数99】


(i)ω,ω,及びωは、夫々(x’,y’,z’)の関数であり、
(ii)ρ(ω,ω,ω)は、所望のρ(x’,y’,z’)に等しいような、ステップとを含み、
、G、G、ω,ω,及びωは、X、Y及びZ勾配磁石により生成される磁場に対する展開式の係数を用いて決定され、上記展開式及び係数はラプラス方程式を充たす基本セットに対するものであることを特徴とする方法。
【請求項99】
補間法関数Lが、以下のようなSINC関数であることを特徴とする請求項98に記載の方法。
【数100】

【請求項100】
補間法関数Lが、以下のような形態であり、
【数101】


ここで、
(a)ΨX(lX),ΨY(lY)及びΨZ(lZ)は、直交基本関数であり、
(b)C(lX,lY,lZ)は、以下の行列方程式を充たす係数であり、
【数102】


ここで、ベクトルCは以下の形であり、
【数103】


ベクトルρは以下の形であり、
【数104】


更に、マトリクスAは以下の形であり、
【数105】


ここで、
【数106】


であり、
【数107】


であることを特徴とする請求項98に記載の方法。
【請求項101】
補間法が、ラグランジェ補間法、ニュートン補間法、差分補間法、エルミート補間法、スプライン補間法、若しくはそれらの組み合わせを含むことを特徴とする請求項100に記載の方法。
【請求項102】
補間法が、MRデータセットに関する3次元高速フーリエ変換を実施することにより得られるデータポイントの全てに適用されることを特徴とする請求項100に記載の方法。
【請求項103】
補間法が、MRデータセットに関する3次元高速フーリエ変換を実施することにより得られるデータポイントのサブセットに適用され、
上記サブセットは映像化される目的物の対象領域の近傍内であることを特徴とする請求項100に記載の方法。
【請求項104】
(a)ステップ(A)において、MRデータセットが、x、y、z座標系と共通の原点を有するが該座標系に関して回転されているデカルト座標系ζで取得され、ζ座標系の軸は(ζ,ζ,ζ)であり、x,y,z座標系とζ座標系の間の変換(“xyz−ζ変換”)は、以下の形であり、
【数108】


ここで、
【数109】


であり、cは方向余弦であり、
(b)ステップ(B)において、3次元高速フーリエ変換がζ座標系のMRデータセットに関して実施され(ωζ1,ωζ2,ωζ2)周波数空間における訂正されていない映像関数を生成し、その後、(ω,ω,ω)周波数空間における訂正されていない映像関数が、(ωζ1,ωζ2,ωζ2)周波数から(ω,ω,ω)周波数への以下の変換により生成され、
【数110】


ここで、ω(X,Y,Z)=[ω,ω,ω,ω(ζ1,ζ2,ζ3)=[ωζ1,ωζ2,ωζ3,及びAはAマトリクス(Amatrix)であり、
(c)ステップ(C)の後、xyz−ζ変換を用いて、ステップ(C)の訂正された映像関数ρ(x’,y’,z’)から、ζ座標系の訂正された映像関数ρ(ζ’,ζ’,ζ’)が生成されることを特徴とする請求項98に記載の方法。
【請求項105】
訂正された映像としてρ(ζ’,ζ’,ζ’)を表示するステップを更に含むことを特徴とする請求項104に記載の方法。
【請求項106】
以下の補間法を実施してρ(ζ’,ζ’,ζ’)から一様のピクセル寸法を有する映像関数ρ(ζ”,ζ”,ζ”)を生成するステップを更に含み、
【数111】


Hは補間法関数であり、(ζ”,ζ”,ζ”)はζ座標系で一様に分布されたポイント座標であることを特徴とする請求項104に記載の方法。
【請求項107】
訂正された映像としてρ(ζ”,ζ”,ζ”)を表示するステップを更に含むことを特徴とする請求項106に記載の方法。
【請求項108】
(a)ステップ(A)において、MRデータセットが、x、y、z座標系と共通の原点を有するが該座標系に関して回転されているデカルト座標系ζで取得され、ζ座標系の軸は(ζ,ζ,ζ)であり、x,y,z座標系とζ座標系の間の変換(“xyz−ζ変換”)は、以下の形であり、
【数112】


ここで、
【数113】


であり、cは方向余弦であり、
(b)ステップ(B)において、3次元高速フーリエ変換がζ座標系のMRデータセットに関して実施され(ωζ1,ωζ2,ωζ2)周波数空間における訂正されていない映像関数を生成し、その後、(ω,ω,ω)周波数空間における訂正されていない映像関数が、(ωζ1,ωζ2,ωζ2)周波数から(ω,ω,ω)周波数への以下の変換により生成され、
【数114】


ここで、ω(X,Y,Z)=[ω,ω,ω,ω(ζ1,ζ2,ζ3)=[ωζ1,ωζ2,ωζ3,及びAはAマトリクス(Amatrix)であり、
(c)ステップ(C)の後、以下の補間法を実施してρ(x’,y’,z’)から一様のピクセル寸法を有する映像関数ρ(x”,y”,z”)が生成され、
【数115】


Hは補間法関数であり、(x”,y”,z”)はx、y、x座標系で一様に分布されたポイント座標であり、
(d)その後、xyz−ζ変換を用いて、映像関数ρ(x”,y”,z”)から、ζ座標系の訂正された映像関数ρ(ζ’,ζ’,ζ’)が生成されることを特徴とする請求項98に記載の方法。
【請求項109】
訂正された映像としてρ(ζ’,ζ’,ζ’)を表示するステップを更に含むことを特徴とする請求項108に記載の方法。
【請求項110】
ステップ(A)のデータ空間が、
(a)k−空間、
(b)時間空間、
(c)位相空間、
(d)周波数空間、
(e)少なくとも一つの座標方向に沿う時間空間と少なくとも一つの他の座標方向に沿う位相空間、若しくは、
(f)少なくとも一つの座標方向に沿う時間空間と少なくとも一つの他の座標方向に沿う周波数空間を
含むことを特徴とする請求項93又は94に記載の方法。
【請求項111】
訂正された映像としてρ(x’,y’,z’)を表示するステップを更に含むことを特徴とする請求項93、94若しくは98のうちのいずれか一に記載の方法。
【請求項112】
以下の補間法を実施してρ(x’,y’,z’)から一様のピクセル寸法を有する映像関数ρ(x”,y”,z”)を生成するステップを更に含み、
【数116】


Hは補間法関数であり、(x”,y”,z”)はx、y、x座標系で一様に分布されたポイント座標であることを特徴とする請求項93、94若しくは98のうちのいずれか一に記載の方法。
【請求項113】
補間法が、ラグランジェ補間法、ニュートン補間法、差分補間法、エルミート補間法、スプライン補間法、若しくはそれらの組み合わせを含むことを特徴とする請求項112に記載の方法。
【請求項114】
訂正された映像としてρ(x”,y”,z”)を表示するステップを更に含むことを特徴とする請求項112に記載の方法。
【請求項115】
(a)ステップ(A)において、MRデータセットが、x、y、z座標系と共通の原点を有するが該座標系に関して回転されているデカルト座標系ζで取得され、ζ座標系の軸は(ζ,ζ,ζ)であり、
(b)ステップ(B)において、3次元高速フーリエ変換がζ座標系のMRデータセットに関して実施され訂正されていない映像関数ρ(ζ,ζ,ζ)を生成し、その後、ζ座標系からx、y、z座標系への変換により、訂正されていない映像関数ρ(x,y,z)がρ(ζ,ζ,ζ)から生成され、
(c)ステップ(C)の後、x、y、z座標系からζ座標系への変換によって、ステップ(C)の訂正された映像関数ρ(x’,y’,z’)から、ζ座標系の訂正された映像関数ρ(ζ’,ζ’,ζ’)が生成されることを特徴とする請求項93又は94に記載の方法。
【請求項116】
訂正された映像としてρ(ζ’,ζ’,ζ’)を表示するステップを更に含むことを特徴とする請求項115に記載の方法。
【請求項117】
以下の補間法を実施してρ(ζ’,ζ’,ζ’)から一様のピクセル寸法を有する映像関数ρ(ζ”,ζ”,ζ”)を生成するステップを更に含み、
【数117】


Hは補間法関数であり、(ζ”,ζ”,ζ”)はζ座標系で一様に分布されたポイント座標であることを特徴とする請求項115に記載の方法。
【請求項118】
訂正された映像としてρ(ζ”,ζ”,ζ”)を表示するステップを更に含むことを特徴とする請求項117に記載の方法。
【請求項119】
(a)ステップ(A)において、MRデータセットが、x、y、z座標系と共通の原点を有するが該座標系に関して回転されているデカルト座標系ζで取得され、ζ座標系の軸は(ζ,ζ,ζ)であり、
(b)ステップ(B)において、3次元高速フーリエ変換がζ座標系のMRデータセットに関して実施され訂正されていない映像関数ρ(ζ,ζ,ζ)を生成し、その後、ζ座標系からx、y、z座標系への変換により、訂正されていない映像関数ρ(x,y,z)がρ(ζ,ζ,ζ)から生成され、
(c)ステップ(C)の後、以下の補間法を実施して、ρ(x’,y’,z’)から、一様のピクセル寸法を有する映像関数ρ(x”,y”,z”)が生成され、
【数118】


ここで、Hは補間法関数であり、(x”,y”,z”)はx、y、x座標系で一様に分布されたポイント座標であり、
(d)その後、x、y、z座標系からζ座標系への変換によって、映像関数ρ(x”,y”,z”)から、ζ座標系の訂正された映像関数ρ(ζ’,ζ’,ζ’)が生成されることを特徴とする請求項93又は94に記載の方法。
【請求項120】
訂正された映像としてρ(ζ’,ζ’,ζ’)を表示するステップを更に含むことを特徴とする請求項119に記載の方法。
【請求項121】
(i)夫々勾配(Gx,Gy,Gz)を有する磁場を生成するX、Y及びZ勾配磁石を含み、(ii)(x,y,z)座標系(“x、y、z座標系”)の原点を定義する磁気共鳴映像法システムを利用して目的物の映像を形成する方法であって、
(A)X、Y及びZ勾配磁石の線形組み合わせを利用して、データ空間で2次元にて目的物のスライスのための磁気共鳴信号データセット(“MRデータセット”)を取得するステップと、
(B)上記データセットに関する2次元高速フーリエ変換を実施することを含むプロセスによって、MRデータセットから訂正されていない映像関数ρ(ζ,ζ)を生成するステップであって、
ζとζは夫々、(ζ,ζ,ζ)座標系の読み取り及び位相符号化座標であり、そこでは、
(i)スライス選択勾配は、G=(pX3,pY3,pZ3)により、(ζ,ζ,ζ)座標系で与えられ、
ここで(pX3,pY3,pZ3)は、夫々X、Y、及びZ勾配磁石(G,G,G)の勾配強度係数であり、スライス勾配の軸方向は、
【数119】


であり、ここで、
【数120】


であり、
(ii)スライスに対する位相符号化勾配は、以下の式により、(ζ,ζ,ζ)座標系で与えられ、
【数121】


ここで(pX2,pY2,pZ2)は、夫々X、Y、及びZ勾配磁石(G,G,G)の勾配強度係数であり、位相符号化勾配の軸方向は、
【数122】


であり、ここで、
【数123】


であり、
(iii)スライスに対する読み取り勾配は、以下の式により、(ζ,ζ,ζ)座標系で与えられ、
【数124】


ここで(pX1,pY1,pZ1)は、夫々X、Y、及びZ勾配磁石(G,G,G)の勾配強度係数であり、読み取り勾配の軸方向は、
【数125】


であり、ここで、
【数126】


であるような、ステップと、
(C)訂正されていない映像関数ρ(ζ,ζ)から、訂正された映像関数ρ(ζ’,ζ’)を生成するステップであって、座標(ζ’,ζ’)は(ζ,ζ)における映像関数の値に対する(ζ,ζ,ζ)座標系の訂正された位置を表し、上記(ζ’,ζ’)座標は、X、Y及びZ勾配磁石により生成される磁場に対する展開式の係数を利用する繰り返しの写像を用いて決定され、上記展開式及び係数はラプラス方程式を充たす基本セットに対するものであるような、ステップを
含むことを特徴とする方法。
【請求項122】
(i)夫々勾配(Gx,Gy,Gz)を有する磁場を生成するX、Y及びZ勾配磁石を含み、(ii)(x,y,z)座標系(“x、y、z座標系”)の原点を定義する磁気共鳴映像法システムを利用して目的物の映像を形成する方法であって、
(A)X、Y及びZ勾配磁石の線形組み合わせを利用して、データ空間で2次元にて目的物のスライスのための磁気共鳴信号データセット(“MRデータセット”)を取得するステップと、
(B)上記データセットに関する2次元高速フーリエ変換を実施することを含むプロセスによって、MRデータセットから訂正されていない映像関数ρ(ζ,ζ)を生成するステップであって、
ζとζは夫々、(ζ,ζ,ζ)座標系の読み取り及び位相符号化座標であり、そこでは、
(i)スライス選択勾配は、G=(pX3,pY3,pZ3)により、(ζ,ζ,ζ)座標系で与えられ、
ここで(pX3,pY3,pZ3)は、夫々X、Y、及びZ勾配磁石(G,G,G)の勾配強度係数であり、スライス勾配の軸方向は、
【数127】


であり、ここで、
【数128】


であり、
(ii)スライスに対する位相符号化勾配は、以下の式により、(ζ,ζ,ζ)座標系で与えられ、
【数129】


ここで(pX2,pY2,pZ2)は、夫々X、Y、及びZ勾配磁石(G,G,G)の勾配強度係数であり、位相符号化勾配の軸方向は、
【数130】


であり、ここで、
【数131】


及び、
【数132】


であり、
(iii)スライスに対する読み取り勾配は、以下の式により、(ζ,ζ,ζ)座標系で与えられ、
【数133】


ここで(pX1,pY1,pZ1)は、夫々X、Y、及びZ勾配磁石(G,G,G)の勾配強度係数であり、読み取り勾配の軸方向は、
【数134】


であり、ここで、
【数135】


であるような、ステップと、
(C)訂正されていない映像関数ρ(ζ,ζ)から、訂正された映像関数ρ(ζ’,ζ’)を生成するステップであって、座標(ζ’,ζ’)は(ζ,ζ)における映像関数の値に対する(ζ,ζ,ζ)座標系の訂正された位置を表し、上記(ζ’,ζ’)座標は、エラー関数f(ζ’,ζ’)が以下の関係式を満足するように非線形方程式のシステムを解くことによって決定され、
【数136】


ここで、εは予め定められた定数であり、
更に、非線形方程式のシステムは、X、Y及びZ勾配磁石により生成される磁場に対する展開式の係数を使用し、上記展開式及び係数はラプラス方程式を充たす基本セットに対するものであるような、ステップを
含むことを特徴とする方法。
【請求項123】
レーベンベルグ−マーカード非線形曲線あてはめ技術が、非線形方程式のシステムを解く際に用いられることを特徴とする請求項122に記載の方法。
【請求項124】
非線形最小技術が、非線形方程式のシステムを解く際に用いられることを特徴とする請求項122に記載の方法。
【請求項125】
ε=Res×10−3であり、ResはRes=Aimage/Npixで与えられる映像の解像度であり、
imageは映像の領域であり、Npixは映像を構成するピクセルの全数であることを特徴とする請求項122に記載の方法。
【請求項126】
(i)夫々勾配(Gx,Gy,Gz)を有する磁場を生成するX、Y及びZ勾配磁石を含み、(ii)(x,y,z)座標系(“x、y、z座標系”)の原点を定義する磁気共鳴映像法システムを利用して目的物の映像を形成する方法であって、
(A)X、Y及びZ勾配磁石の線形組み合わせを利用して、データ空間で2次元にて目的物のスライスのための磁気共鳴信号データセット(“MRデータセット”)を取得するステップであって、
MRデータセットはs(mΔt、mΔt)の形態であり、
(i)m及びmはζ及びζ方向のk−空間データポイントのための夫々インデックスであり、ζ及びζは、(ζ,ζ,ζ)座標系の夫々読み取り及び位相符号化座標であり、ここで、
(a)スライス選択勾配は、G=(pX3,pY3,pZ3)により、(ζ,ζ,ζ)座標系で与えられ、
ここで(pX3,pY3,pZ3)は、夫々X、Y、及びZ勾配磁石(G,G,G)の勾配強度係数であり、スライス勾配の軸方向は、
【数137】


であり、ここで、
【数138】


であり、
(b)スライスに対する位相符号化勾配は、以下の式により、(ζ,ζ,ζ)座標系で与えられ、
【数139】


ここで(pX2,pY2,pZ2)は、夫々X、Y、及びZ勾配磁石(G,G,G)の勾配強度係数であり、位相符号化勾配の軸方向は、
【数140】


であり、ここで、
【数141】


であり、
(c)スライスに対する読み取り勾配は、以下の式により、(ζ,ζ,ζ)座標系で与えられ、
【数142】


ここで(pX1,pY1,pZ1)は、夫々X、Y、及びZ勾配磁石(G,G,G)の勾配強度係数であり、読み取り勾配の軸方向は、
【数143】


であり、ここで、
【数144】


であり、
(ii)Δt1及びΔt2は夫々、ζ及びζに対するk−空間の等価の時間ステップであるような、ステップと、
(B)上記データセットに関する2次元高速フーリエ変換を実施することを含むプロセスによって、MRデータセットから訂正されていない映像関数ρ(lΔω,lΔω)を生成するステップであって、
上記の訂正されていない映像関数は、周波数空間で(lΔω,lΔω)により与えられる周波数ポイントのセットにおいて存在し、そこでは、
(i)l、及びlが、夫々ω及びω方向の周波数ポイントに対するインデックスであり、
(ii)Δω及びΔωが、夫々ω及びω方向の周波数ステップであり、
(iii)ω=γG・ζ,ω=γG・ζであり、ここで、
(a)γは定数で、
(b)(G,G)は、X、Y、及びZ勾配磁石により生成される磁場の勾配(G,G)の線形部分を表し、
(iv)G勾配がζ方向で純粋に線形であるならばG勾配から生じる周波数範囲を、lΔωが有するように、lの範囲が選択され、G勾配がζ方向で純粋に線形であるならばG勾配から生じる周波数範囲を、lΔωが有するように、lの範囲が選択され、
(v)高速フーリエ変換は以下の形態であるような、ステップと、
【数145】


(C)以下の形態の周波数空間の補間法関数Lを利用して、訂正されていない映像関数ρ(lΔω,lΔω)から、(ζ,ζ,ζ)座標系の(ζ’,ζ’,ζ’)における周波数空間の訂正された映像関数ρ(ζ’,ζ’)を生成するステップであって、
【数146】


ここで、
(i)ρ(ω(ζ’,ζ’,ζ’),ω(ζ’,ζ’,ζ’))は所望のρ(ζ’,ζ’)であり、
(ii)G、G、ω(ζ’,ζ’,ζ’)、及びω(ζ’,ζ’,ζ’)は、X、Y及びZ勾配磁石により生成される磁場に対する展開式の係数を用いて決定され、上記展開式及び係数はラプラス方程式を満たす基本セットに対するものであるような、ステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項127】
補間法関数Lが以下の式のようなSINC関数であることを特徴とする請求項126に記載の方法。
【数147】

【請求項128】
補間法関数Lが以下の形態であり、
【数148】


ここで、
(a)Ψ1(l1)及びΨ2(l2)は、直交基本関数であり、
(b)C(l1,l2)は、以下の行列方程式を満たす係数であり、
【数149】


ここで、ベクトルCは以下の形態であり、
【数150】


ベクトルρは以下の形態であり、
【数151】


行列Aは以下の形態であることを特徴とする請求項126に記載の方法。
【数152】

【請求項129】
補間法が、ラグランジェ補間法、ニュートン補間法、差分補間法、エルミート補間法、スプライン補間法、若しくはそれらの組み合わせを含むことを特徴とする請求項128に記載の方法。
【請求項130】
補間法が、MRデータセットに関する2次元高速フーリエ変換を実施することにより得られるデータポイントの全てに適用されることを特徴とする請求項128に記載の方法。
【請求項131】
補間法が、MRデータセットに関する2次元高速フーリエ変換を実施することにより得られるデータポイントのサブセットに適用され、
上記サブセットは映像化される目的物の対象領域の近傍内であることを特徴とする請求項128に記載の方法。
【請求項132】
訂正された映像としてρ(ζ’,ζ’)を表示するステップを更に含むことを特徴とする請求項121、122若しくは126のうちのいずれか一に記載の方法。
【請求項133】
以下の補間法を実施してρ(ζ’,ζ’)から一様のピクセル寸法を有する映像関数ρ(ζ”,ζ”)を生成するステップを更に含み、
【数153】


Hは補間法関数であり、(ζ”,ζ”)は(ζ,ζ,ζ)座標系で一様に分布されたポイント座標であることを特徴とする請求項121、122若しくは126のうちのいずれか一に記載の方法。
【請求項134】
補間法が、ラグランジェ補間法、ニュートン補間法、差分補間法、エルミート補間法、スプライン補間法、若しくはそれらの組み合わせを含むことを特徴とする請求項76に記載の方法。
【請求項135】
訂正された映像としてρ(ζ”,ζ”)を表示するステップを更に含むことを特徴とする請求項76に記載の方法。



【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2006−512116(P2006−512116A)
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−562386(P2004−562386)
【出願日】平成15年12月22日(2003.12.22)
【国際出願番号】PCT/AU2003/001707
【国際公開番号】WO2004/059335
【国際公開日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(500020760)ザ・ユニバーシティ・オブ・クイーンズランド (20)
【Fターム(参考)】