説明

磁気情報媒体記録再生装置

【課題】 製品として実用化可能なドラム支持構造とする。磁気ヘッドの周辺でのドラムの回転振れが抑えられるようにする。また、ドラムをコンパクトでかつ軽量で正回転・逆回転を容易に切り換えられるようにする。
【解決手段】 ドラム4とその周りに配置されている複数の搬送ベルトからなる搬送手段5とによって媒体搬送路3を構成し、磁気情報媒体の磁気記録部と対向する位置に配置された磁気ヘッド7とを有する情報媒体記録再生装置において、ドラム4を中空の円筒形状とし、その中空内部にドラム4を内側から支持する複数の内支持ローラ14,14,15を配置すると共にそのうちの1つの内支持ローラ13を磁気ヘッド7の近傍に設け、かつこの内支持ローラ13を磁気ヘッド7側に常時付勢させると共にドラム4を介して対向する位置に搬送手段5の一部を構成するローラ16を配置して該ローラ16と可動搬送手段とでドラム4を挟持するようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルな磁気記録媒体を処理するのに適した磁気情報媒体記録再生装置に関する。更に詳述すると、本発明は、ドラムの外周面とその周りに配置された搬送手段との間に磁気情報媒体を挟んで搬送する間に磁気記録媒体の情報の読み取り/書き込み/照合などといった一連の情報処理を連続的に処理する磁気情報媒体記録再生装置のドラム並びにその支持構造の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気情報媒体記録再生装置には、旅客機の搭乗券のようなフレキシブルでかつ媒体長さが長い磁気記録媒体の読み取りや書き込みに使用するものがある。この磁気情報媒体記録再生装置は、2ヘッド方式では磁気記録媒体の長さに応じた搬送路を必要とするので大型化し、1つのリード/ライト兼用ヘッドを用いて磁気記録媒体を往復走行させる方式では処理時間がかかるという問題を有していた。
【0003】
これを解決するものとして、ドラムの外周面とその周りに配置された搬送手段との間に磁気情報媒体を挟んで搬送する間に磁気記録媒体の情報の読み取り/書き込み/照合などといった一連の情報処理を連続的に処理する磁気情報媒体記録再生装置が提案されている(特許文献1並びに2)。
【0004】
この装置は、回転軸101を中心に回転するドラム102の周りに平ベルトから成る搬送手段103,104を配置して、ドラム102と搬送手段103,104との間で磁気記録媒体を挟んで一方向に向けて循環走行させる環状の搬送路を形成し、その途中に配置されたリード/ライトヘッド105によってドラム102の周りを循環する磁気記録媒体に対してデータの読み取りと書き込みを連続して実行するようにしたものである。そして、搬送路の途中に配置されているフラッパ106,107の操作によって、磁気記録媒体の記録情報の不良あるいは情報書き込みの必要などに応じて、磁気記録媒体の搬送方向を適宜切り換えて、所定の磁気処理を施したり、カード排出路108から次の工程に送り出すようにしている。また、磁気記録媒体の異常の場合には、搬送手段103,104の逆回転によって磁気記録媒体をカード挿入口109へ戻して排出するようにしている。
【0005】
【特許文献1】特許第2810600号
【特許文献2】実用新案登録第2549807号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、中実なドラムを中心軸だけで支持して回転させる構造であるため、回転振れが伴い(さらに中実なドラム構造ではドラム自体の重量が大きくなってしまうことから回転振れが助長され)、その外周面を走行する磁気記録媒体と磁気ヘッドとの位置関係を一定に保つことが困難なため、磁気データの書き込み/読み取り出力が安定しない問題を含んでいる。この問題を解決するためには、ドラムの回転振れを少なく抑えるための非常に高精度なドラム加工が必要となるし、軸受けの精度も要求されることから、コスト高となるという問題があった。
【0007】
また、中実なドラム構造では、ドラム自体の重量が大きくなってしまうため慣性が大きくなり、正回転・逆回転を短時間の間に交互に繰り返すこと即ち磁気情報媒体を送ったり、戻したりして情報の読み取り/書き込み/照合などを連続的に処理することは困難であった。このため、一定方向に回転させる間にそれらを処理するしかなく、余分な回転を伴う分だけ処理時間を多く要してしまう問題を有していた。しかも、ドラム自体の重量が大きくなってしまうため、トルクの大きなモータ即ち高価なモータを使用しなければならなかった。
【0008】
また、磁気情報媒体の搬入口と搬出口との配置関係も、一方向に向けて循環走行させる環状の搬送路に対して接線方向でかつ同回転方向の延長線上に配置せざるを得ないため、搬入口や搬出口の配置関係やフラッパの位置などを自由に設計できないばかりか装置の大型化を招く原因となっていた。
【0009】
更に、中実ドラムの周りに駆動モータなどのあらゆる装備を配置せざるを得ないので、それらの配置のためのスペースを必要とし、更に装置の大型化を招いてしまう問題があった。
【0010】
本発明の目的は、製品として実用化可能な構造のドラム並びにその支持構造の提供にある。即ち、本発明は、磁気ヘッドの周辺での回転振れが抑えられる磁気情報媒体記録再生装置を提供することを目的とする。また、本発明は、軽量で正回転・逆回転を容易に切り換えられるドラム構造の磁気情報媒体記録再生装置の提供を目的とする。更に、本発明は、コンパクトな磁気情報媒体記録再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる目的を達成するため、本発明は、外周が磁気情報媒体の媒体搬送路を形成するとともにフレームに回転自在に支承されたドラムと、該ドラムの外周と対向するようにフレーム上に配置され磁気情報媒体をドラムの外周に沿って押圧しつつ搬送する搬送手段と、搬送手段を駆動する駆動部と、磁気情報媒体の磁気記録部と対向する位置に配置された磁気ヘッドとを有する磁気情報媒体記録再生装置において、ドラムは、内周壁を有する中空の円筒形状であり、ドラムを内周壁の側から支持する内支持ローラを複数配置して、この内支持ローラと可動搬送手段とでドラムを挟持するとともに、内支持ローラのうち1つは磁気ヘッドの近傍に設けられ、かつ該内支持ローラは内周壁に対して常時付勢される付勢支持ローラであることを特徴としている。
【0012】
ここで、複数の内支持ローラのうち、残りの内支持ローラは固定されてなることが好ましく、さらに内支持ローラは少なくとも3点以上であることが好ましい。付勢支持ローラ以外の内支持ローラは、磁気ヘッドから離間した位置に固定されていることが好ましい。また、内支持ローラは略均等にドラムの内周に対して均等に配置されるとともに、付勢支持ローラ以外の内支持ローラは固定されてなることが好ましい。
【0013】
また、ドラムの内部空間には駆動モータが配置されていることが好ましい。
【0014】
さらに、ドラムの外周側で付勢支持ローラの付勢力を受ける外ローラと、磁気ヘッドに対して磁気情報媒体の磁気記録部を押圧するパッドローラとを更に備えるとともに、付勢支持ローラと外ローラ並びに磁気ヘッドとパッドローラとは、磁気情報媒体の搬送方向と直交する媒体幅方向に並んで配置されていることが好ましい。また、内支持ローラと外ローラ並びに磁気ヘッドとパッドローラとは、磁気情報媒体の搬送方向と直交する方向に並んで同じ位置に配置されていることが好ましい。
【0015】
また、ドラムの内周には凸部を形成するとともに、複数の支持ローラには凸部を嵌合する溝部が形成されてなることが好ましい。さらにこのドラムは樹脂成形品であることが好ましく、より好ましくは滑り易く僅かに撓む可撓性を有する樹脂材で成型することである。
【0016】
磁気ヘッド近傍におけるドラムと搬送手段との間における磁気情報媒体を押圧する圧力が低下する方向へとドラムおよび磁気ヘッドをフレームに対して傾斜させていることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、中空の円筒状のドラムが一対のローラで内外から挟持されて該ローラとドラム外周面の接点を支点に揺れることを許容する支持構造となるので、ドラム自体の真円度や回転振れによらず、一対のローラで挟持されている点の近傍においては同じ所をドラムが通過するので、ドラムの位置と磁気ヘッドの位置関係を一定に保つことができ、磁気データの書き込み/読み取り出力が安定する。特に、ドラムを樹脂成形品で構成する場合、回転時にドラムそのものが変形することによって、ドラム内周面が全ての内支持ローラで支えられるので、ドラムの回転振れそのものを全体的にも抑えることができる。しかも、樹脂成形品のドラムは安価に製造できる。
【0018】
さらに、ローラと磁気ヘッドとは同一の部材(フレーム)に固定されており、媒体はドラム外周面に沿って搬送されるので、磁気ヘッドと媒体の位置関係、更にはドラム自体の真円度や回転振れに対しての精度によらず、磁気ヘッドと媒体の接触圧が安定するので、磁気データの書き込み/読み込み出力が安定する。
【0019】
また、中空円筒状のドラムにすることでその内側の空間にモータを配置できるので省スペース化がはかれると共に、ドラム自体の重量が軽くなるので慣性力の低下によりトルクの小さいモータ、即ち安価でかつ低消費電力、低騒音のモータを使用でき、コストを削減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
【0021】
この磁気情報媒体記録再生装置は、ドラム4の周りに平ベルトから成る搬送手段5を配置して、ドラム4と搬送手段5との間で磁気記録媒体を挟んで走行させる環状の媒体搬送路3を形成し、その途中に配置された記録再生手段たる記録再生用磁気ヘッド7によってドラム4の周りを移動する磁気記録媒体に対して回転中に磁気情報媒体の情報の読み取り/書き込み/照合などといった一連の情報処理を連続的に処理するようにしたものである。
【0022】
磁気情報媒体は、媒体搬送路3の途中に配置されているフラッパ24,25の操作によって、磁気情報媒体3の記録情報の不良あるいは情報書き込みの必要などに応じて、磁気情報媒体3の搬送方向を適宜切り換えて、所定の磁気処理を施したり、カード排出路30から次の工程に送り出すようにしている。
【0023】
尚、外周が磁気情報媒体の媒体搬送路となるドラム4は、それ自体が駆動モータによって直接駆動されるのではなく、その周りに配置される搬送手段との摩擦によって回転させられる構造となっている。
【0024】
ドラム4は中空の円筒形状であり、その内部の空間に配置された複数の内支持ローラ13,14,15によって内側から支持するように設けられている。この内支持ローラのうちの1つ、例えば本実施形態では内支持ローラ13は磁気ヘッド7の近傍に設けられ、磁気ヘッド7側に常時付勢されると共にドラム4を介して対向する位置に搬送手段の一部を構成する外ローラ16との間で当該回転ドラム4を挟持するように設けられている。また、残り支持ローラ14,15は軸が固定されていることが好ましい。これによって、回転振れを抑えたい1点(磁気ヘッドの近傍位置)で、1カ所で挟みつけ、それ以外の箇所では自由で動きが拘束されない支持構造を構成している。中空ドラムの採用は、重量が軽くなる分だけイナーシャ(慣性)を小さくできるため、磁気情報媒体記録再生装置1の小型化、ドラム4の反転時の応答性の改善に有利である。
【0025】
なお、外ローラ16は、内支持ローラ13を正確に対向していなくてもよく、対向位置近傍であれば、搬送手段5のベルトを内支持ローラ13とでドラム4を挟持する構成としてもよい。すなわち、搬送手段5と内支持ローラ13とでドラム4を支持するようにしてもよい。
【0026】
また、ドラム4の内周面には中央部分に内側に突出する環状の凸部4aが形成されている。この環状の凸部4aは、当該ドラム4を内側から支持するローラ13,14,15が当接するための軌道面を形成しており、ドラム4の肉厚をほぼ均一とするために対応する位置の外周面側は凹部(環状溝)63となっている(図5参照)。他方、ドラム4の外周面の両側には凹部63を挟むようにして搬送手段5のベルト5a,5b,5cが当接する軌道面が形成されている。更に、凸部4aの中央には、内側に向けて突出する環状のリブ4bが設けられている。このリブ4bは、ドラム4を内側から支持するローラ13,14,15にそれぞれ設けられた環状溝部13a,14a,15aと嵌合し、ドラム4の軸方向に移動してがたつくのを防ぐガイドレールとして機能するものである。各内支持ローラ13,14,15は、中央に設けられた環状溝部13a,14a,15aをドラム4の環状リブ4bに嵌合させるようにして当接することにより、ドラム4を回転可能な状態でその内側から保持しつつ、ドラム4が軸方向に移動してがたつくのを防ぐようにしている。
【0027】
また、ドラム4は例えばポリアセタールなどの樹脂成形品であることが好ましい。すなわち、磁気情報媒体を横方向に滑らせてメインフレーム11の媒体搬送基準面8の方へと寄せるために摩擦係数の低い材質とすることが望ましく、樹脂成形品が適する。尚、回転振れを抑制するには、容易に変形しない高剛性の金属製ドラムのようなものよりも、やや堅めのベルトのような変形可能な構造であることが好ましい。ドラム4は、柔らかい(可撓性のある)方が、変形しながら回転するので全ての内支持ローラ13,14,15で支持されて却って回転振れを防止できる。
【0028】
さらに、このドラム4は正回転および逆回転の両方が可能であり、正逆回転可能な駆動部6の回転方向に応じていずれの方向にも回転するように設けられている。なお、図1においては、このドラム4の回転方向を、図1中における時計回り方向をCW、半時計回り方向をCCWとして表している(図1参照)。
【0029】
さらに本実施形態においては、ドラム4の中空内部に当該ドラム4を内側から支持する複数(本実施形態では3個)の内支持ローラ13,14,15を配置している(図1参照)。例えば本実施形態ではこれら内支持ローラ13,14,15をほぼ120°おきに均等となるように配置した上でそれぞれをメインフレーム12に回転可能に取り付けている(図1参照)。
【0030】
また、これらのうちの1つの内支持ローラ13は磁気ヘッド7の近傍に設けられ、尚かつ支持アーム34によって回動可能な状態でメインフレーム11,12に支持されている。この支持アーム34は例えば捻りコイルばねといった図示しない付勢手段によって外周側に向けて常時付勢されている。他方、ドラム4を介して対向する位置(つまりドラム4を挟んで内支持ローラ13とは反対の外周側)には搬送手段5の一部を構成する外ローラ16が設けられており、上述した内支持ローラ13とともにドラム4を内外から挟持している(図1参照)ここで、内支持ローラ13と外ローラ16並びに磁気ヘッド7とそのパッドローラ26とは、磁気情報媒体2の搬送方向と直交する方向の同じ線上に並んで配置されていることが好ましいが、場合によっては僅かに前後しても回転振れの抑制効果は磁気ヘッド7の位置に影響を与えないものとできる。尚、各内支持ローラ13,14,15はそれぞれ滑り止めのOリング57が装着されており、該Oリング57を介して回転ドラム4の内周面と接触している。
【0031】
本実施形態では各内支持ローラ13,14,15は、モータ取付プレート53と一方のメインフレーム12とに支持軸52が固定されることにより、モータ取付プレート53とメインフレーム12との間にそれぞれ支持されている。ここで、モータ取付プレート53とメインフレーム12の支持軸52が固定される部分は、装置設置面に対して垂直なメインフレーム12に対して僅かに傾斜するように(本実施例の場合には約1°)それぞれ折り曲げられており、各内支持ローラ13,14,15ひいては各内支持ローラ13,14,15に支持されるドラム4を僅かに傾斜させるようにしている。
【0032】
即ち、メインフレーム12には、取付作業用の円形の開口部64の内側に向かって突出するローラ支持用の3つの突片(以下、ブラケットという)51が設けられ、これらブラケット51がそれぞれの根元部分で適宜折り曲げられている。例えば、内支持ローラ13を支持するブラケット51は、メインフレーム11とは反対側の装置外側(図2、図3においては紙面の手前方向)へと僅かに折り曲げられている。また、内支持ローラ14,15を支持する各ブラケット51は、図5においてメインフレーム11のある側の装置内側(図2、図3においては紙面の奥方向)へと僅かに折り曲げられ、内支持ローラ13を支持するブラケット51と平行となっている。なお、これら各ブラケット51の根本部分には、細長い透孔51aが設けられて部分的に板幅が狭くされてブラケット51が折り曲げ易くされている(図2、図3等参照)。
【0033】
他方、支持軸52の反対側が取り付けられるモータ取付プレート53側でも、支持軸52を支える部分53cがそれぞれ対応するブラケット51とは反対側に僅かに折り曲げられており(図6参照)、対応するブラケット51との間で各支持軸52を互いに平行でかつメインフレーム11,12に対して僅かに傾斜するように支持するように設けられている。すなわち、モータ取付プレート53の上側の支持軸(内支持ローラ13を支持する支持軸)52を取り付ける部分53cについては、図5においてメインフレーム12のある側(図5においては紙面の奥方向)へと僅かに折り曲げられている。一方、モータ取付プレート53の下側の支持軸(内支持ローラ14,15を支持する支持軸)52を受ける部分53cについては、図5においてメインフレーム12とは反対の側(図5においては紙面の手前方向)へと僅かに折り曲げられている。なお、本実施形態ではモータ取付プレート53に細長い透孔53aを設けることによって部分的にモータ取付プレート53の剛性を弱め、折曲線53bに沿ってモータ取付プレート53を折り曲げ易くしている(図5参照)。
【0034】
尚、内支持ローラ13は、支持軸52を中心に揺動可能な支持アーム34に取り付けられる軸66に支持されている。この支持アーム34は、例えば支持軸52に装入される捻りコイルばねの一端がモータ取付プレート53の透孔53aを利用してモータ取付プレート53に引っかけられ、他端側が支持アーム34の先端側に引っかけられることによって、ドラム4を外ローラ16へ向けて常時付勢するように設けられている。
【0035】
このように、メインフレーム12側のブラケット51とこれに対応するモータ取付プレート53側の支持軸を支える部分53cを互いに平行となるように同じ角度で傾けることによって、これらの間で支えられる各支持軸52および該支持軸52に支持される各内支持ローラ13,14,15が僅かに傾斜し、ドラム4を所定の方向に僅かな角度(本実施形態の場合であれば1°)傾斜させた状態で回転可能に支持できる。すなわち、内支持ローラ13、14、15とドラム4とは、メインフレーム11、12の表面に対し直角から僅かに傾斜して取り付けられている。
【0036】
搬送手段5としては、本実施形態の場合、3組の平ベルトが採用されている。具体的には、図1に示すように、3組のゴム製の周回ベルト(図1中では符号5a,5b,5cで示している)がドラム4の周囲に重ならないように配置されている(図1参照)。各搬送ベルト5a,5b,5cは、それぞれが2本で一組となっており、ドラム4の中央の溝部分を挟んで前後(回転軸方向に)に並べてそれぞれ配置されている(図3参照)。各搬送ベルト5a,5b,5cは、それぞれプーリ17,18,19,20,21,22,23によってドラム側の面がドラム4の外周面に一定の圧力で押し付けられるように張り渡されている。尚、可動の内支持ローラ13と対向するベルト5には、その途中に外ローラ16が配置され、該外ローラ16によってドラム4の外周面に沿ってベルトが走行するように案内されている。
【0037】
図1に示すように本実施形態の各ベルト5a,5b,5cは互いに離れてドラム4の周りに配置され、ベルト5aとベルト5cの間並びにベルト5bとベルト5cの間にはそれぞれ磁気情報媒体の搬送方向を変えるためのフラッパ24,25が設けられている。ここで、搬送ベルト5aには、磁気ヘッド7が配置されているのと同じ軸断面平面(モータ軸と磁気ヘッドを通過する面)においてドラム4の内側に配置されている内支持ローラ13と対向する外ローラ16がそれぞれ配置されている。この外ローラと内支持ローラ13との間で搬送ベルト5aを介してドラム4の円筒部分を挟持するように設けられている。なお、本実施形態の場合、磁気情報媒体の送り方向長さ(縦長さ)よりもドラム4の外周の長さの方が長いことから、ドラム4は必ず各ベルト5a,5b,5cのいずれかと接触しており、これらベルト5a,5b,5cから回転力を受けることとなる。
【0038】
また、各搬送ベルト5a,5b,5cが掛け渡されている両端の各プーリ17と18,19と21,22と23のうちのいずれか一方には駆動モータ6からの駆動力が同時に伝達されるように動力伝達ベルト31がそれぞれ巻き掛けられている。例えば本実施形態の場合には、駆動モータ6のモータ軸に固着されているプーリ44と、プーリ17と同軸のプーリ67、プーリ19と同軸のプーリ68、プーリ22と同軸のプーリ69およびアイドラ32に動力伝達ベルト31が掛け渡され、駆動モータ6の動力を各プーリ67,68,69を介して各ベルト5a,5b,5cに同時に伝達し、同期回転させるように設けられている(図4参照)。尚、図中の符号20並びに32はアイドルプーリであり、搬送ベルト5bや動力伝達ベルト31がそれぞれ干渉するのを防いだり、駆動プーリ44に十分巻き掛けられるようにするものである。
【0039】
ここで、第1の搬送ベルト5aは、左右のメインフレーム11,12を貫通する枢軸47を中心に揺動可能な一対のプレートから成るフレーム45によって支持され、枢軸47を中心に揺動することでドラム4から遠ざけてドラム4を露出可能な構造とされている。このような構造は、取り込み直後に磁気情報媒体がジャムなどを起こした場合にその取り出しを容易なものとできる。フレーム45には、プーリ17,18,67並びに外プーリ16が回転自在に支持されており、プーリ17,18,67並びに外プーリ16とこれらに張り掛けられた搬送ベルト5aとが当該フレーム45を介して一体となって1つのブロックとして移動するようになっている。このフレーム45は、長孔49内でスライド可能な連結ピン46が備えられており、該連結ピン46をメインフレーム12側に形成された爪48に引っかることによって、ドラム4に対して一定の位置関係を保って固定される。連結ピン46は同方向にスライド可能なカバー50によって引っかけられている。そして、該カバー50のスライドによって、爪48から離脱されるように設けられている。
【0040】
搬送手段5の駆動源たる駆動モータ6は、ドラム4の内側の空間を有効利用して設置されている。この駆動モータ6の配置は特にいずれかの位置に限定されることはないが、本実施形態においては、中空構造のドラム4の内側に配置してスペースの有効利用を図るようにしている。この駆動モータ6は、例えば、モータ取付プレート53を介して一方のメインフレーム例えば図3においては左メインフレーム11に固定されている。モータ取付プレート53は、例えば複数本の連結ピン59によって、ドラム4の縁近くに配置された状態でメインフレーム11に固定されている。尚、駆動モータ6としては、本実施形態の場合には正逆回転可能なステッピングモータが使用されており、媒体搬送路3などに配置されている図示していないセンサで磁気情報媒体を検出して、適宜モータの回転数をパルス制御するように設けられいる。この駆動モータ6の表側には手動でモータ軸を回転させるためのノブ60が設けられ、何らかの事情でモータ6が駆動できないときには、手動で各搬送ベルト5a,5b,5cを回転させ得るように設けられている。
【0041】
磁気ヘッド7は、磁気情報媒体の磁気記録部に記録された磁気情報を読み取りあるいは新たな磁気情報を書き込むためのヘッドであり、磁気記録部が通過する位置に配置されている。本実施形態の場合、ドラム4は磁気記録部の外の領域を利用して搬送するようにしているので、ドラム4と並んで配置されている(図1、図3参照)。そして、この磁気ヘッド7と磁気情報媒体を介在させて対向する位置には、回転自在なパッドローラ26がこの磁気ヘッド7に接触した状態で取り付けられている(図3参照)。このパッドローラ26は、磁気ヘッド7とパッドローラ26との間を通過する磁気情報媒体の磁気記録部を磁気ヘッド7の方へと押し付けるようにして磁気情報の読み取り及び書き込みが確実に行われるようにする。パッドローラ26及び磁気ヘッド7は、図3に示すように、メインフレーム11に対して固定された支持フレーム61にそれぞれジンバル(弾性)支持されている。支持フレーム61は、例えば図4、図5に示すような箱形(内部に空間を設けた)フレームが採用されている。
【0042】
尚、本実施形態において、磁気ヘッド7及びドラム4は、左右のメインフレーム11,12の間に並べて配置されている。即ち、左右のメインフレーム11,12の間が磁気情報媒体が通過する媒体搬送路3の幅であり、磁気情報媒体の幅よりも僅かに広いものとされ、磁気情報媒体を搬送する際に僅かなクリアランスが生じるように設定されている。これらメインフレーム11,12は、その間にスペーサを兼ねるロッドを介在させて互いに連結されることによって、一定間隔を開けて互いに対峙している。各メインフレーム11,12の内側の面には、磁気情報媒体の搬入路フレーム35、予備取り込み・排出路フレーム42並びに排出路フレーム43がそれぞれビス止めなどによって固定されており、磁気情報媒体の両側縁部を支持して搬送路を形成するように設けられている。そして、搬入路フレーム35の間の空間、即ちメインフレーム11,12の間の中央の空間には、磁気情報媒体を挟持して搬送するための第1〜第3の取り込みローラ36a,36b,37a,37b,38a,38bがそれぞれ配置されている。これらローラ36a,36b,37a,37b,38a,38bは、駆動モータ6から分岐されたベルト62によって駆動される。尚、本実施形態において磁気情報媒体の媒体搬送路3は、ドラム4とその周りに配置されている複数の搬送ベルトからなる搬送手段5とによって構成されている。
【0043】
また、磁気情報媒体記録再生装置には磁気情報媒体2を装置内に取り込むための第1〜第3の取入れ口27〜29および装置外に送り出すための排出口30並びに必要に応じて(装置設置面65a,65bを変更する時など)取り込み口あるいは排出口となる予備口41がそれぞれ搬入路フレーム35、予備取り込み・排出路フレーム42並びに排出路フレーム43によって形成されている。本実施形態の場合には第1の取入れ口27、第2の取入れ口28及び第3の取入れ口29の3つの取入れ口を備え、種類やカテゴリーの異なる磁気情報媒体をそれぞれ対応する取入れ口から取り入れることができるように設けられている。各フレーム35、42並びに43は、磁気情報媒体の両側縁部を挟み込むように、一定のスペースを開けて配置された2枚1組の板材から成る左右のメインフレーム11,12にそれぞれビス止めなどによって固着されている。尚、予備口41は、フラッパ40を回転ドラム4から離す方向に寄せてビスなど固定されることによって、通常は閉じられている。この状態においてフラッパ40はドラム4の回りの搬送路の一部を形成している。
【0044】
フラッパ24,25は、磁気情報媒体の媒体搬送路3への取り込み並びに媒体搬送路3を搬送されている磁気情報媒体の送り方向を切り換えるための切換手段として設けられている。これらのうち、フラッパ24はベルト5bとベルト5cとの間に設けられているもので、磁気情報媒体の回転方向・搬送方向に応じて磁気情報媒体の送り方向を切り換えるようになっている。すなわち、磁気情報媒体が照合作業のために反時計回転方向へ搬送されるときには、フラッパ24がドラム4側に移動して照合後の磁気情報媒体を排出口30へと送り、磁気情報媒体が時計回転方向へ搬送されるときにはフラッパ24がドラム4から離れてドラム4の外周に沿った媒体搬送路の一部と成り、磁気情報媒体を搬送ベルト5bから搬送ベルト5cへと送られるようにしている(図1参照)。また、フラッパ25はベルト5aとベルト5cとの間に設けられているもので、磁気情報媒体が搬送されている態様に応じて位置を変えるようになっている。すなわち、フラッパ25は、磁気情報媒体が第1〜第3の取入れ口27〜29のいずれかから取り込まれてドラム4へと搬送されるときは当該ドラム4に接近して磁気情報媒体の媒体搬送路3を確保し、また、取り込まれた磁気情報媒体がドラム4の周囲を搬送されているときにはこのドラム4から離れて磁気情報媒体が搬入路へ戻るのを妨げてドラム4に沿って第3の搬送ベルト5cへと導く媒体搬送路3を確保している(図1参照)。
【0045】
また、図中の符号54は媒体搬送路3へ取り込む直前の磁気情報媒体を光学的に読み取る光学スキャナー56を支持するフレームであり、メインフレーム11,12を貫通する枢軸55を中心に揺動可能として、搬入路を開放可能としている。光学スキャナー56部分はさらに軸62を中心に揺動して開閉できる構造とされている。
【0046】
尚、本実施形態では、磁気情報媒体3の一方の縁が接して磁気情報部(例えば磁気ストライプ)が一定位置を通過するように案内する媒体搬送のための媒体搬送基準面8が形成されている。この媒体搬送基準面8としては、独立した部材によって形成しても良いが、本実施形態の場合には、媒体搬送路3の両側を区画する左右のメインフレーム11,12の一方、好ましくは磁気ヘッド7に近い側のメインフレーム11の内側面が利用されている。磁気情報媒体がその縁を媒体搬送基準面8に摺接させた状態で搬送されている場合には、磁気情報部が媒体搬送路3の幅方向においては一定位置を走行することとなるため、読み取りあるいは書き込む際のトラック位置精度が高くなり、出力安定につながるようになっている。
【0047】
さらに、本実施形態においては、例えば図3に示すように、ドラム4を僅かに傾斜させた状態としている。すなわち、磁気情報媒体の媒体搬送路3への取り込みの際に、少なくとも磁気ヘッド7の近傍の上流付近において、ドラム4と搬送手段たる搬送ベルト5aとの間隔が磁気ヘッド7から離れるに従って狭くなるように、ドラム4の軸9が僅かに傾斜させられて設置されている。具体的には、磁気情報媒体の走行幅を規制している左右の各メインフレーム11,12に対して、磁気ヘッド7あるいはそれよりも僅かに前方の位置とドラム4の回転中心とを通る面で傾けるようにしている。この場合の傾斜角は、例えば本実施形態の磁気情報媒体記録再生装置1においては1°(即ち、θ=91°)に設定しているが特にこの値そのものに限定されるものではなく、装置の構成や磁気情報媒体の種別等に応じて種々の値を採りうる。ドラム4は、3点の内支持ローラ13,14,15で回転支持されているため、具体的にはこれら3点の内支持ローラ13,14,15の支持ブラケットを傾斜させて各ローラ13,14,15の軸を傾けることにより、ドラム4を傾斜させている。尚、本実施形態では、僅かに傾く磁気情報媒体に対して磁気ヘッド7が平行に接触するように、磁気ヘッド7もメインフレーム11,12に対して傾けて配置しているが、相手側のパッドローラ26がジンバル支持されているため水平に設置していても支障はないようにしている。
【0048】
以上のように構成された磁気情報媒体記録再生装置によれば、磁気情報媒体の磁気情報部と磁気ヘッド7の位置関係を一定に保って、磁気データの書き込み/読み取り出力を安定させ得ることができる。
【0049】
例えば、ミシン目で繋がれた多数の磁気情報媒体を蛇腹状に折り畳んだ状態の連券をいずれかの取入れ口27〜29から取り込んで処理する場合を例に挙げて説明する。まず、磁気情報媒体の装入を図示していないセンサで検知すると、駆動モータ6を作動させて、動力伝達ベルト31を介して3つの搬送手段5の各駆動プーリ17,19,22並びにそれに巻き掛けられた搬送ベルト5a,5b,5cをそれぞれ回転させる。これに伴って、これらベルト5a,5b,5cと接触しているドラム4も回転する。
【0050】
そして、連券の先端の磁気情報媒体が搬送ベルト5aによって媒体搬送路3に取り込まれると、プレリードが行われ、磁気情報媒体に券種や通し番号等の情報が予め記録されているときにはこれら情報が読み取られて判別される。そして、真正な磁気情報媒体の場合にはカッター33によりミシン目から切り離して1枚の磁気券として取り込む。
【0051】
このとき、ドラム4が僅かに傾斜して、水平に配置された搬送ベルト5aとドラム4との間の磁気情報媒体に対する摩擦力に偏り(メインフレーム12に近い方が摩擦力が大きく、メインフレーム11に近い方が摩擦力が小さい)が与えられるため、磁気情報媒体2に対してメインフレーム11の内側面の媒体搬送基準面8に付勢する横滑りの力が与えられつつ磁気ヘッド7側へ向けて搬送される。このため、ドラム4と搬送ベルト5aとの間の磁気情報媒体は、媒体搬送基準面8に縁が押し付けられた状態で磁気ヘッド7を通過する。この結果、磁気情報媒体の磁気情報を読み取りあるいは書き込む際のトラック位置精度がさらに高まり、出力がより安定することになる。
【0052】
また、ドラム4は、磁気情報媒体の長さよりドラム外周の長さの方が長いので、必ずいずれかの搬送ベルト5a,5b,5cと接触してベルトから回転力を受ける。したがって、内支持ローラ13,14,15並びに周囲の搬送ベルト5a,5b,5cによって支持されながら回転を続ける。このとき、ドラム4は一対のローラ13,16で内外から挟持されて該ローラ13,16とドラム外周面の接点を支点に揺れるように残りの固定内ローラ14,15との間で支持されているので、ドラム自体の真円度や回転振れによらず、ローラ13,16で挟持されている点の近傍においては同じ所をドラムが通過する。特に、可撓性のある樹脂成形品で構成された本実施形態のドラム4の場合には、回転時にドラム4そのものが変形することによって、ドラム内周面が全ての内支持ローラ13,14,15で支えられるので、ドラムの回転振れそのものが抑えられる。したがって、ドラムの位置と磁気ヘッドの位置関係を一定に保つことができ、磁気データの書き込み/読み取り出力が安定する。
【0053】
その状態で、切り離された磁気券はドラム4の外周を1回転してから、再び磁気ヘッド7を通過する際に必要な情報が書き込まれる。書き込みが完了したこと(所定位置まで磁気情報媒体が達したこと)を図示していないセンサで検出したとき、駆動モータ6が一旦停止された後、逆回転して(ドラム4を逆回転させて)再び磁気ヘッド7を逆方向に通過してベリファイリードを行い、書き込み内容を照合する。照合結果が問題なければ、フラッパ24を切り換えて、磁気情報媒体2を排出口30から排出する(図1参照)。尚、照合結果に不都合がある場合あるいはプレリードで磁気券に問題があることが判明した場合などには、フラッパ25をドラム4側へ寄せるように切り換えて、いずれかの取り込み口27,28,29から排出する。
【0054】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、本実施形態では、航空券のような可撓性のある磁気情報媒体を磁気ヘッドで読み取りあるいは書き込む磁気情報媒体記録再生装置を例に挙げて主に説明したが、これに限られず可撓性のある媒体、例えば小切手やはがきなどの検査を行う装置などにも適用できることはいうまでもないし、その場合には情報読み取り手段としても光学スキャナーやバーコードリーダを備えた装置においても適用することができる。すなわち、磁気、画像、バーコードなどのいずれを読み取りや書き込みの対象とする場合であっても、情報記録媒体をドラム4の外周面を利用した環状の媒体搬送路3を移動する間に記録情報の読み取り/書き込み/照合などといった必要な情報処理を実施する装置であれば本発明を適用することができ、情報読み取り手段の周辺での回転振れが抑えられる、また低トルクの駆動モータの使用で十分であり正回転・逆回転を容易に切り換えられると共にコンパクトな構造となるなどの効果が得られる。
【0055】
また、本実施形態では、ドラム4を内側から支持するローラは3カ所に均等間隔で配置したが、これに特に限られず4カ所以上配置しても良い。
【0056】
さらに、本実施形態ではドラムを僅かに傾けた実施形態について主に説明したが、これに限られるものではなく、水平なドラムに対しても適用できることはいうまでもない。この場合にも慣性力を小さくして低トルクのモータでも使用可能などの利点は有する。勿論、ドラム4を水平に保持すると共に搬送手段5の各回転軸を僅かに傾けることによって、ドラム4と搬送手段5との回転軸を相対的に僅かに傾斜する実施形態においても適用できることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明にかかる磁気情報媒体記録再生装置の右側面図である。
【図2】図1に示した磁気情報媒体記録再生装置の内部構造を示す縦断面図で、手前側のメインフレームを仮想線で示している。
【図3】図2に示した磁気情報媒体記録再生装置の縦断面図において駆動部(駆動モータ)を外した状態を示す図である。
【図4】同磁気情報媒体記録再生装置の正面図である。
【図5】図2のV−V線に沿う断面図である。
【図6】同磁気情報媒体記録再生装置の左側面図で、配線基板を取り外した状態を示す。
【図7】同磁気情報媒体記録再生装置の平面図である。
【図8】図3に示した磁気情報媒体記録再生装置のうち、外ローラおよび内支持ローラで挟持されているドラムの周辺部を拡大して示す説明図である。
【図9】従来のドラム式磁気情報媒体記録再生装置の原理を示す概略図である。
【符号の説明】
【0058】
2 磁気情報媒体
3 媒体搬送路
4 ドラム
4b リブ(凸部)
5 搬送手段
6 駆動部
7 磁気ヘッド
13 ドラムを挟持する可動の内支持ローラ
14,15 ドラムを支持する固定の内支持ローラ
13a,14a,15a ドラムのリブ4bと嵌合する環状溝
16 内支持ローラとの間でドラムを挟持する外ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周が磁気情報媒体の媒体搬送路を形成するとともにフレームに回転自在に支承されたドラムと、該ドラムの外周と対向するように前記フレーム上に配置され前記磁気情報媒体を前記ドラムの外周に沿って押圧しつつ搬送する搬送手段と、前記搬送手段を駆動する駆動部と、前記磁気情報媒体の磁気記録部と対向する位置に配置された磁気ヘッドとを有する磁気情報媒体記録再生装置において、前記ドラムは、内周壁を有する中空の円筒形状であり、前記ドラムを前記内周壁の側から支持する内支持ローラを複数配置して、この内支持ローラと前記可動搬送手段とで前記ドラムを挟持するとともに、前記内支持ローラのうち1つは前記磁気ヘッドの近傍に設けられ、かつ該内支持ローラは前記内周壁に対して常時付勢される付勢支持ローラであることを特徴とする磁気情報媒体記録再生装置。
【請求項2】
前記内支持ローラは略均等に前記ドラムの内周に対して均等に配置されるとともに、前記付勢支持ローラ以外の内支持ローラは固定されてなることを特徴とする請求項1記載の磁気情報媒体記録再生装置。
【請求項3】
前記ドラムの内周には凸部を形成するとともに、前記複数の内支持ローラには前記凸部と嵌合する溝部が形成されてなる請求項1または2記載の磁気情報媒体記録再生装置。
【請求項4】
前記ドラムの外周側で付勢支持ローラの付勢力を受ける外ローラと、前記磁気ヘッドに対して前記磁気情報媒体の磁気記録部を押圧するパッドローラとを更に備えるとともに、前記付勢支持ローラと前記外ローラ並びに前記磁気ヘッドと前記パッドローラとは、前記磁気情報媒体の搬送方向と直交する媒体幅方向に並んで配置されていることを特徴とする請求項1記載の磁気情報媒体記録再生装置。
【請求項5】
前記ドラムの内部空間に駆動モータが配置されていることを特徴とする請求項1記載の磁気情報媒体記録再生装置。
【請求項6】
前記ドラムは樹脂成形品である請求項1記載の磁気情報媒体記録再生装置。
【請求項7】
前記磁気ヘッド近傍における前記ドラムと前記搬送手段との間における前記磁気情報媒体を押圧する圧力が低下する方向へと前記ドラムおよび前記磁気ヘッドを前記フレームに対して傾斜させていることを特徴とする請求項1から6のいずれかひとつに記載の磁気情報媒体記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−146496(P2006−146496A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−334685(P2004−334685)
【出願日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(000002233)日本電産サンキョー株式会社 (1,337)
【Fターム(参考)】