説明

磁気照射装置及びその製造方法、並びに、生体内磁気照射装置、薬物送達システム、治具固定装置、及び治具固定方法

【課題】生体適合性、及び長期安定性を兼ね備え、かつ設計自由度の高い磁気照射装置を提供すること。
【解決手段】本発明に係る磁気照射装置は、磁石と、空隙を備え、当該空隙内に前記磁石が収容されて密封されるケーシングを備える。ケーシングは、生体適合性があり、かつ生分解性を示さない材料により構成されている。磁石の一部にシールド手段を施すことにより指向性を付与してもよい。ケーシングの好適な材料としては、チタン系材料、セラミック、オキシニウム、超高分子ポリエチレンのいずれか、若しくはこれらを組み合わせたものを挙げることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気照射装置及びその製造方法に関する。また、磁気照射装置を用いた生体内磁気照射装置、治具固定装置、治具固定方法、及び薬物送達システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の医学の進展は目覚ましく、新規治療システムが次々に開発されている。その中で、磁気を利用した新治療システムが注目を集めている。
【0003】
特許文献1には、磁気を利用した被検体移動状態検出システムが提案されている。図11に、特許文献1に記載の被検体内導入装置である磁気照射装置の構成図を示す。同図に示すように、磁気照射装置101は、永久磁石110、生体適合性材料130、シェル150、充填部材151を備える。シェル150は、先端部と胴部は、外部からの所定量以上の加圧によって変形可能な柔軟な材料(例えば、ソフトゼラチンや生分解性ポリマー)によって形成されるとともに、被検体に一定期間留まった場合には、被検体の内部で分泌された体液に反応して分解されるものにより構成される。永久磁石110は、生体適合性材料130によりコーティングされている。充填部材151は、シェル150と永久磁石110の隙間に充填されている。
【0004】
上記のように構成された磁気照射装置101は、被検体内部に口から導入され、被検体の生体から自然排出されるまで、胃、小腸などの臓器の内部(体腔内)を移動する。そして、磁気照射装置101から発生する磁力により、位置情報を提供する。
【0005】
被検体の管の狭窄、狭小化、閉塞などによって、磁気照射装置101が被検体の外部に排出されない場合、前述したように体液によってシェル150が分解する。充填部材151は、安全性の高いものを適用し、永久磁石110は、生体適合性材料130により被覆しているので、開腹手術などによりこれらを取出す必要がない。これにより、カプセル型内視鏡を患者に安全に使用できるか否かを判断する上で有益な情報を事前に得ることができる。
【0006】
本発明者の並木は、先般、特許文献2において生体内部にて利用可能であって、かつ安全性の高い強力磁石を提案した。図12に、特許文献2に記載の磁気照射装置201の概略構成図を示す。磁気照射装置201は、Nd(ネオジム)−Fe(鉄)−B(ボロン)磁石210、これを被覆する被覆部材250、さらに、外装部材230等より構成される。
【0007】
被覆部材250は、生体適合性が比較的高く、かつ磁石表面及びTi(チタン)系材料への密着性に優れる純金、若しくは純白金などのメッキにより構成する。外装部材230は、生体適合性が非常に高く、かつ耐食性に優れるTi、TiN(窒化チタン)、TiC(炭化チタン)などTi系材料のメッキにより構成する。これにより、従来のNi(ニッケル)やCu(銅)などにより生じていた発がん性や金属アレルギーなどの発現を阻止することができる。
【特許文献1】特開2008−183451号公報
【特許文献2】登録実用新案第3142031号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
磁気照射装置の長期安定性を実現できれば、磁気を利用した新治療システムの開発に当たって、さらなる応用展開が期待できる。また、治療部位や治療のニーズに応じて設計自由度の高い磁気照射装置を提供することが理想的である。
【0009】
本発明は、上記背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、生体適合性、及び長期安定性を兼ね備え、かつ設計自由度の高い磁気照射装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る磁気照射装置は、磁石と、空隙を備え、当該空隙内に前記磁石が収容されて密封されるケーシングとを備え、前記ケーシングは、生体適合性があり、かつ生分解性を示さない材料により構成されているものである。
【0011】
上記特許文献2においては、メッキ処理を施すために磁石の一部に通電のための電極を設ける必要があった。また、磁石に純金若しくは純白金などをメッキし、さらに生体適合性に優れる材料によりメッキを施す必要があった。高価な純金や純白金などを利用する場合、コスト高は避けられない。また、メッキ処理により被覆する場合、用途によっては長期安定性があるとは言えなかった。
【0012】
本発明に係る磁気照射装置によれば、生体適合性を示し、かつ生分解性を示さない材料により構成したケーシングに磁石を収容して密封する構造を採用することにより、磁石の形状に制約されずに外装形状であるケーシングを自由に設計することが可能となる。その結果、用途、求められる特性に応じたケーシングの設計が可能となる。また、磁石にメッキを施す場合と異なり、磁石とケーシング間の相性を考慮することなく、独立に材料選定が可能となる。このため、材料選択肢の幅を広げ、高機能化を付与しやすい。さらに、生分解性を示さない材料を用いることにより、長期安定性を付与することができる。これにより、生体内部への長期留置も可能となり、医療上、様々な治療への応用展開が可能となる。
【0013】
本発明に係る生体内磁気照射装置は、上記磁気照射装置を被検体内に設置したものである。
【0014】
本発明に係る薬物送達システムは、上記磁気照射装置を患部に設置し、被検体内に注入した磁性を帯びた薬物を前記患部に集積させるものである。
【0015】
本発明に係る治具固定装置は、被検体に固設され、第1の治具が設置された第1の治具固定手段と、第2の治具が設置された第2の治具固定手段とを具備し、前記第1の治具固定手段と、前記第2の治具固定手段は、其々上記磁気照射装置を備え、前記磁気照射装置の磁力により前記第1の治具固定手段と、前記第2の治具固定手段が相互に着脱可能に構成されているものである。
【0016】
本発明に係る治具固定方法は、第1の治具が設置され、第1の磁気照射装置を備える第1の治具固定手段を被検体に固設し、第2の治具が設置され、第2の磁気照射装置を備える第2の治具固定手段を前記第1の治具固定手段に、前記第1の磁気照射装置と前記第2の磁気照射装置の磁力により接合させ、当該接合により、前記第1の治具と前記第2の治具が共同して所定の機能を発揮せしめる治具固定方法であって、前記第1の磁気照射装置、前記第2の磁気照射装置は、上記磁気照射装置を用いたものである。
【0017】
本発明に係る第1の態様の磁気照射装置の製造方法は、生体適合性があり、かつ生分解性を示さない材料から構成され、内部に空隙を有するケーシングに磁石を収容して密封し、その後、前記磁石の着磁処理を行うものである。
【0018】
本発明に係る第2の態様の磁気照射装置の製造方法は、生体適合性があり、かつ生分解性を示さない材料から構成され、内部に空隙を有するケーシングに着磁した磁石を収容し、その後、十分な冷却を行いながら前記ケーシングの密封処理を行うものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、生体適合性、及び長期安定性を兼ね備え、かつ設計自由度の高い磁気照射装置を提供することができるという優れた効果を有する。これにより、磁気を利用した新治療システムの開発など広範な用途に応用展開が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を適用した実施形態の一例について説明する。なお、本発明の趣旨に合致する限り、他の実施形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。また、以降の図における各部材のサイズや比率は、一例であり、これに限定されるものではない。
【0021】
[実施形態1]
図1に、本実施形態1に係る磁気照射装置の外観を示す模式的斜視図を、図2に、本実施形態1に係る磁気照射装置の分解斜視図を示す。図3(a)に、磁気照射装置1の蓋部をはずした際の斜視図を、図3(b)に同上面図を示す。また、図3(c)に図3(b)のIIIC-IIIC切断部断面図を示す。
【0022】
磁気照射装置1は、図1〜図3に示すように磁石10、シールド手段20、収容部30、固設部31、係合部32、蓋部40等を具備する。磁石10とシールド手段20が磁力発生手段2として機能する。また、収容部30、固設部31、蓋部40がケーシング3として機能する。シールド手段20は、磁力遮蔽部材により構成する。これにより、磁石10の磁力線に指向性を付与させることが可能となる。
【0023】
なお、磁力発生手段2としては、磁石10を有していればよく、磁石10に指向性を付与する必要がない場合には、シールド手段20を具備していなくてもよい。また、ケーシング3は、磁石10を収容して密封可能な形態であればよく、固設部31の設置は任意である。また、他の治具等の係合部や設置部などをケーシング3に具備するようにしてもよい。
【0024】
磁石10は、その種類や形状は特に限定されない。例えば、電磁石、超電導磁石、永久磁石を用いることができる。磁気照射装置の小型化や、密封性を容易に確保する観点からは、永久磁石を用いることが好ましい。永久磁石の種類は、特に限定されるものではないが、一例として、フェライト、Ne−Fe−B合金、サマリウム−コバルト合金を挙げることができる。強力な磁力を要する場合には、Ne−Fe−B合金が好ましい。磁石10の形状は、ケーシング3内に収容して密封可能であれば特にその形状を問わないが、本実施形態1においては、図2に示すように円柱体とした。
【0025】
シールド手段20は、前述したように、磁石10の磁界発生方向に指向性を付与するためのシールド機能を有する。本実施形態1に係るシールド手段20は、ヨーク(継鉄)により構成した。無論、シールド機能を有する材料であればこれに限定されるものではない。本実施形態1においては、磁石10の図2中の円柱体の軸方向(図2中のY方向)の下側(底面11)に強い磁力が発生するように、シールド手段20であるヨークは、磁石10の側面12及び上面13を被覆するような凹部形状の円筒体からなる。シールド手段20を設けることにより、磁石10の図1中の下面11からの磁力を増強し、図1中の上面12からの磁力の大幅な減衰を実現することができる。
【0026】
ケーシング3は、生体適合性があり、かつ生分解性を示さない材料により構成される。これらを満足する材料であれば、特に限定されないが、一例として、生体適合性を有するTi、チタンバナジウム合金(例えば、Tiに6%のアルミニウム、4%のバナジウムを添加したもの)、チタンニオブ合金(例えば、Tiに6%のアルミニウム、7%のニオブを添加したもの)、チタンジルコニウム合金などTi系材料を挙げることができる。また、アルミナ、窒化ケイ素、炭化ケイ素、ジルコニア等のセラミックを挙げることもできる。さらに、金属表面を高温で熱することによってセラミックに変換したオキシニウムや、超高分子量ポリエチレン(分子量150万以上、(より好ましくは450万以上))などを挙げることができる。
【0027】
ケーシング3としてチタン系材料を適用する場合、イオンプレーティングなどの乾式メッキ法により、その表面をTiN(窒化チタン)、TiC(炭化チタン)、TiCN(炭窒化チタン)、TiAlN(窒化チタンアルミ)などでコーティングすることも可能である。これにより、耐摩耗性、耐酸化性、耐食性など高度な機能を付加することができる。ケーシング3は、同一材料のみから構成されるものに限定されず、複数の材料から構成してもよい。ケーシング3の作製は、例えば、切削加工、射出成型加工等の公知の方法を適用することができる。
【0028】
ケーシング3の材料は、機械的強度を高める観点から、弾性率が高いものを用いることが好ましい。具体的には、非樹脂の場合には、ヤング率(弾性率)が、30GPa以上とすることが好ましく、90GPa以上とすることがより好ましい。また、樹脂の場合には、曲げ初期弾性率(弾性率)が、200MPa以上であることが好ましく、600MPa以上であることがより好ましい。
【0029】
ケーシング3としてチタン系材料を使用した場合、陽極酸化を行うと、酸化被膜(酸化チタン)の厚さを変えることにより、生体適合性を保持しつつ、自由に外装の色を変えることができる。また、陽極酸化により外装の一部の色を変えることにより文字、記号を記すことも可能となる。すなわち、陽極酸化によるチタン発色を応用することにより、複数の装置間の識別の容易化を図ることも可能となる。
【0030】
さらに、ケーシング3の表面にチタン系材料を使用した場合、抗菌機能、及び自己洗浄機能を付与することができる。具体的には、チタン系材料の表面に形成された酸化被膜に紫外線やブラックライトを照射すると光触媒作用により有機物を分解し、強力な殺菌作用を示す。同時に、光親水化により装置表面に付着した水は、水滴にならず表面に均一に広がり、洗浄剤などの表面活性剤が存在しなくても、装置表面に付着した汚れの下に入り込み、汚れを落としやすくする。このため、ケーシング3の少なくとも表面にチタン系材料を使用した場合、特に医療用途として、優れた機能を発揮する。
【0031】
本実施形態1に係るケーシング3は、磁石10の収容部30、固設部31、蓋部40から構成される。収容部30と固設部31は一体的に形成されている。収容部30と蓋部40は、別体に構成され、磁石10を収容した後に接合する。これにより、ケーシング3内部に磁気発生手段2を密封する。収容部30には、円柱体形状の磁気発生手段2を収容可能な略相似形の空隙が形成されている。
【0032】
固設部31は、収容部30の外径よりも大きいフラットな円板形状をしており、収容部30の底面部に、両者の同心が概ね一致するように一体的に形成されている。固設部31は、被検体、若しくは被検物と接触させて固設する個所であり、固設手段として被検体などに固設する貫通孔32を備えている。貫通孔32において、例えば、被検体の患部と手術用の糸、若しくは手術用ホチキスなどにより固設する。若しくは、被検物とボルト、ナットなどにより固設する。蓋部40は、円形状のプレートにより構成されている。収容部30、固設部31、蓋部40の材料は、生体適合性の高い材料であれば同一であっても異なっていてもよい。
【0033】
なお、固設部31及び固設手段である貫通孔32の例は一例であって、ケーシング3における設置個所や、設置形状等はこれに限定されない。また、前述したように固設部31や貫通孔32は必ずしも設けなくてよい。換言すると、被検体や被検物との固設が必要ない場合には、固設部31等は設ける必要はない。また、粘着材や接着材などによりケーシング3と被検体若しくは被検物と直接固設可能な場合にも、固設部31等を設ける必要はない。
【0034】
磁石10の密封は、以下の手順により行う。すなわち、磁石10とシールド手段20により構成される磁力発生手段2をケーシング3内に収容後、蓋部40をかぶせる。次いで、収容部30と蓋部40を公知の方法により接合する。接合方法は、磁力発生手段2が密封可能であれば特に限定されないが、好ましい例として溶接、若しくは接着方法を挙げることができる。中でも、接合箇所の分子レベルでの連続性を考慮すると、溶接により直接接合することがより好ましい。
【0035】
溶接としては、例えば、ガス溶接、アーク溶接、エレクトロスラグ溶接、電子ビーム溶接、レーザービーム溶接などの融接を挙げることができる。また、抵抗溶接、鍛接、摩擦圧接、爆発圧接などの圧接を適用してもよい。若しくは、ろう付け、はんだ付けなどのろう接などでもよい。これらのうち、生体適合金属を母材にした溶接を考慮すると、アーク溶接が好ましい。
【0036】
上記アーク溶接としては、TIG(Tungsten Inert Gas)溶接、プラズマ溶接などの非消耗電極式、若しくは、被覆アーク溶接、サブマージアーク溶接、ミグ溶接、炭酸ガスアーク溶接、セルフシールド溶接などの消耗電極式が挙げられる。これらのうち、長時間安定した高品質な溶接を考慮すると、非消耗電極式がより好ましく、プラズマ溶接が特に好ましい。
【0037】
磁石10の着磁方法は、特に限定されるものではなく公知の方法を適用することができる。例えば、静磁場、パルス磁場を挙げることができる。ケーシング3の磁力発生手段2の密封を溶接等の高温条件下により行う場合には、未着磁の磁石10をケーシング3に密封し、密封後に磁石10を着磁することが好ましい。これは、磁石10が高温にさらされて、キュリー温度に達することにより磁気が大幅に損なわれてしまうことを防止するためである。但し、アルゴンガス噴霧や放熱器具によって、加熱を伴う密封時の磁石10の冷却を十分に実施可能であれば、収容部30と蓋部40の接合前に着地することも可能である。
【0038】
上記のように構成された磁気照射装置1は、前述したように図1中の下側の方向に大きな磁力線を発生する。
【0039】
本実施形態1に係る磁気照射装置1は、生体適合性を示し、かつ生分解性を示さない材料により構成されているので、生体と接触する若しくは近接する用途に好適に適用することができる。適用できる生物種については、限定されるものではなく、ヒト、サル、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ブタ、ウサギ、イヌ、ネコ、マウス、ラット、モルモット等の哺乳動物をはじめとする広範な動物に適用することができる。また、植物、微生物等に適用することもでき、その範囲は特に限定されない。
【0040】
また、生体外部(例えば、皮膚)との接触に留まらず、生体内部に長期留置する生体内磁気照射装置として好適に使用することができる。生体内で使用する場合、磁気照射装置の留置部位は、特に限定されないが、一例として、静脈内、実質臓器内(例えば、脳、目、甲状腺、乳腺、心臓、肺、肝臓、膵臓、腎臓、副腎、卵巣、精巣等)、管腔臓器の管腔内(例えば、食道、胃、十二指腸、空腸、回腸、大腸、胆嚢、尿管、膀胱内等)、脳脊髄腔内、胸腔内、腹腔内、筋肉内、関節内、皮下、皮内等を挙げることができる。
【0041】
本実施形態1によれば、生体適合性を示し、かつ生分解性を示さない材料により構成したケーシングに磁石を収容して密封する構造を採用することにより、磁石の形状に制約されずに外装形状であるケーシングを自由に設計することが可能となる。その結果、用途、求められる特性に応じたケーシングの設計が可能となる。例えば、本実施形態1のように、被検体や被検物との固設部をケーシング3に設けることも可能となる。
【0042】
また、磁石にメッキを施す場合と異なり、磁石とケーシング間の相性を考慮することなく、独立に材料選定が可能となる。このため、材料選択肢の幅を広げ、高機能化を付与しやすい。さらに、生分解性を示さない材料を用いることにより、長期安定性を付与することができる。これにより、生体内部への長期留置も可能となり、医療上、様々な治療への応用展開が可能となる。
【0043】
また、本実施形態1においては、シールド手段20を適用して磁力に指向性を付与しているので、より強力な磁力をピンポイント的に発生させることが可能であるという優れた特徴を有する。
【0044】
[実施形態2]
次に、上記実施形態1の磁気照射装置の適用例について説明する。なお、以降の説明において、上記実施形態と同一の要素部材は同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。
【0045】
本実施形態2に係る磁気照射装置の基本的な構造は上記実施形態1と同様である。本実施形態2に係る磁気照射装置は、薬物送達システムに適用される。
【0046】
図4に、本実施形態2に係る薬物送達システムの概略説明図を示す。磁気照射装置1が、被検体50の患部である胃51に設置されている。設置方法としては、例えば、手術用の糸や手術用ホチキスにより胃51と固設部31(図3(a)参照)の係合部32を固設する。次に、磁性を帯びた薬物61を注射60により血液中に注入する。
【0047】
血液中に注入された磁性を帯びた薬物61が磁気照射装置1の磁力により患部に集積される。薬物61は、患部に送達する目的物質と、磁気誘導が可能な物質により構成されている。磁気誘導が可能な物質としては、例えば、磁性ナノ粒子を挙げることができる。磁性ナノ粒子としては、例えば、本発明者の並木らが先に出願した特許第4183047号、特願2008−243279、特願2008−243280に開示の技術を好適に適用することができる。
【0048】
磁性ナノ粒子の磁気誘導による送達を目的とする物質は、特に限定されるものではなく、例えば、核酸(例えば、DNA、RNA、またはこれらの類似体又は誘導体(例えば、ペプチド核酸、ホスホロチオエートDNA等)、ペプチド、タンパク質、薬物(例えば、抗癌剤、光感受性物質、造影剤等)、糖、これらの複合体等が挙げられる。なお、前記核酸の形態は特に限定されるものではなく、一本鎖又は二本鎖、線状又は環状等が挙げられる。
【0049】
送達を目的とする物質が核酸である場合、陰性荷電をもつ核酸と磁性ナノ粒子を構成するカチオン性脂質の静電的相互作用を介して、磁性ナノ粒子?核酸複合体を形成し、前記複合体の磁気誘導による標的への送達が可能となる。但し、目的物質が送達可能であれば、磁性ナノ粒子に目的物質を結合する方法については、特に限定されることなく利用することが可能である。
【0050】
本実施形態2に係る薬物送達システムによれば、病巣部である患部に直接的かつ効率的に薬剤を送達して集積させることができる。このため、治療の効果の飛躍的向上が期待できる。特に、本実施形態2に係る磁気照射装置1は、指向性を付与することができるため、患部に対して、より効率的かつピンポイント的に治療を実施することができる。また、磁気照射装置1を生体内に長期に留置可能なので、治療の必要な期間にわたって磁気照射装置1を患部に設置させることができる。このため、患者の負担を軽減することができる。
【0051】
なお、本実施形態2においては、患部が胃51である例について述べたが、これに限定されるものではなく、上記実施形態1で述べた通り、広範な箇所に適用できる。また、患部が皮膚の場合には、磁気照射装置1の皮膚との接触面に薬剤を塗布して、包帯等により固設したりしてもよい。
【0052】
また、患部の大きさや形状により、磁気照射装置1のケーシング3の形状を随時設計変更可能である。患部の大きさが磁気照射装置1よりも大きい場合には、磁気照射装置1のサイズ自体を大きくするほか、図5に示すように、例えば3つの磁気照射装置1をチタン製金具35等で固設し、患部の面積に合うように調整してもよい。また、図5の3つのケーシングを一体的に1つのケーシングとしてもよい。換言すると、1つのケーシング内に3つの磁石10が収容できるように、3つのセパレートされた凹部形状の収容部を形成したケーシングを用いてもよい。
【0053】
[実施形態3]
本実施形態3に係る磁気照射装置の基本的な構造は上記実施形態1と同様である。本実施形態3に係る磁気照射装置は、外科的手術に用いられる治具固定装置に付属されている。
【0054】
本実施形態3に係る治具固定装置を図6〜図9の概略説明図を用いつつ説明する。治具固定装置5は、図9(a)(b)に示すように、プレート状の第1の治具固定手段70、第2の治具固定手段75を備える。
【0055】
第1の治具固定手段70には、図6に示すように、磁気照射装置1Aの収容部30を嵌合させる4つの開口穴71、磁気照射装置1Aの貫通孔32等と固定するための貫通孔72、及び第1の治具を装着するための開口部73、第1の治具の付属器具を装着するための貫通孔74等が設けられている。そして、図6及び図7(a)に示すように、第1の治具固定手段70には、4つの磁気照射装置1Aの収容部30が開口穴71に挿入され、チタン製ボルト91とチタン製ナット92により磁気照射装置1Aの貫通孔32と第1の治具固定手段70の貫通孔72が固設されている。
【0056】
第1の治具を装着するための開口部73は、円板形状の第1の治具固定手段70の略中心位置に、これを貫通するように設置されている。そして、開口部73に第1の治具である臓器固定用バルーン管81(以下、「バルーン管」とも称する)が挿通され、管が動かないように固定されている。バルーン管81には、バルーン82、バルーン82に直結する逆流防止弁付細管83、逆流防止弁84が付属している。
【0057】
磁気照射装置1A及び臓器固定用バルーン管81を第1の治具固定手段70に固設したものが図7(a)となる。これを胃などの管腔臓器に固定する際には、管腔臓器の切開孔にバルーン管81を入れた後に、バルーン82を水などで膨らまし(図7(b)参照)、バルーン管81からの管腔臓器内容物の漏出防止措置、及びバルーン管81の抜け防止措置を施す。
【0058】
第2の治具固定手段75には、図8(a)(b)に示すように、磁気照射装置1Bの収容部30を嵌合させる4つの開口穴71、磁気照射装置1Bの貫通孔32等と固定するための貫通孔72、及び第2の治具を装着するための開口部76等が設けられている。そして、図8(a)及び図8(b)に示すように、第2の治具固定手段75には、4つの磁気照射装置1Bの収容部30が開口穴71に挿入され、チタン製ボルト91とチタン製ナット92により磁気照射装置1Bの貫通孔32と第2の治具固定手段75の貫通孔72が固設されている。
【0059】
第2の治具を装着するための開口部76は、円板形状の第2の治具固定手段75の略中心位置に、これを貫通するように設置されている。そして、開口部76に第2の治具であるチューブ80が挿通され、管が動かないように固定されている。
【0060】
第1の治具固定手段70に設置された第1の磁気照射装置1Aと、第2の治具固定手段75に設置された第2の磁気照射装置1Bは、相互に引き寄せられるように磁極が異なるものにより構成されている。これにより、磁力で第1の磁気固定手段70と第2の磁気固定手段75が接合される。
【0061】
次に、治具固定装置5の臓器への固設方法について説明する。まず、手術により、胃壁外部から胃壁内部に貫通する切開孔(不図示)を設ける。そして、その切開孔に、バルーン管81及びその付属物を挿入する。次いで、胃壁外部に第1の治具固定手段70を手術糸により縫い付ける。引き続き、バルーン管81の抜け防止、及び切開孔−バルーン管間の漏れ防止を目的に、バルーン82に水を入れることによりバルーン82を膨らませる。
【0062】
次いで、第1の治具固定手段70に設置された第1の磁気照射装置1Aと、第2の治具固定手段75に設置された第2の磁気照射装置1Bの磁力により、第1の磁気固定手段70と第2の磁気固定手段75を接合させる。第1の磁気固定手段70と第2の磁気固定手段75の接合に伴い、第2の治具固定手段75のチューブ80が、第1の治具固定手段70のバルーン管81内部の逆流防止弁84を押し下げる。その結果、チューブ80とバルーン管81が開通状態となり、臓器内部の排液が可能となる。
【0063】
事故等によりチューブ80が強く引っ張られた場合、チューブ80自体を臓器に固設していないので、臓器を損傷することなく、第1の治具固定手段70と第2の治具固定手段75を磁力に逆らって引き離すことができる。また、これらを切り離すことによりバルーン管81内部の逆流防止弁84が機能し、臓器内部の液体の漏れを防止することができる。
【0064】
本実施形態3に係る治具固定手段及び治具固定方法よれば、第1の治具固定手段と第2の治具固定手段を磁力により接合する方法とすることにより、着脱を簡便に行うことができる。また、接合によって治具の所定の機能を発揮せしめる構造とすることにより、医療事故を防止することができる。さらに、前述したようにチューブを臓器に直接固設しない方式を採用しているので、事故等によりチューブが強く引っ張られた場合に臓器の損傷を防止することができる。
【0065】
なお、本実施形態3においては、第1の治具固定手段70、第2の治具固定手段75に磁気照射装置1A,1Bを嵌合させることにより一体化させる例について述べたが、磁気照射装置1のケーシング3自体が第1の治具固定手段70、第2の治具固定手段75の形状であってもよい。換言すると、ケーシング内に、4つの磁石10を収容可能な4つにセパレートされた凹部形状の収容部、治具を装着するための開口部73等を設けてもよい。
【0066】
また、本実施形態3に係る治具の例は一例であり、外科手術器具の位置の固定や、外科手術時に使用するドレーンなどの固定にも適用可能である。さらには、歯科材料(入れ歯など)の固定にも適用可能である。また、従来、市販されている磁石の中では最強の磁場を有する耐食性の低いネオジム磁石を、牛の胃内で使用することは考えられなかったが、本発明に係る磁気照射装置1においては、牛の胃に入れるマグネットとしても利用可能である。
【0067】
<実施例>
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。なお本発明の範囲は、かかる実施例に限定されないことはいうまでもない。
【0068】
(実施例1)
図10(a)に示すような磁気照射装置1aを作製した。具体的には、磁石10aとして、未着磁のNe−Fe−B磁石を用いた。磁石10aのサイズは、外径5mm×厚み2mm寸法の円板状とした。シールド手段20aとして、磁性ステンレス(SUS430)製のヨーク(継鉄)を適用した。シールド手段20aのサイズは、外径6.8mm×内径5.2mm×外高3mm×内高2mm寸法の図10(a)に示すような凹部形状の円筒体とした。そして、未着磁の磁石10aをシールド手段20に装着することにより磁気発生手段2を作製した。
【0069】
次いで、純Ti丸棒を用いて、図10(b)(c)に示す寸法のケーシング3を作製した。そして、ケーシング3の内部、すなわち収容部30aの内部に磁気発生手段2を収容した後に、蓋部40aをかぶせた。
【0070】
引き続き、アルゴンガス気流下にてTIG溶接を行った。溶加材として純Tiを用いて、蓋部40aと収容部30aを溶着することにより作製した純Ti製のケーシング3aの内部に磁気発生手段2aを完全に密封した。その後、着磁電源、及び着磁コイルを用いて、ケーシング3a外部から強磁場を照射することにより、磁石10aの着磁処理を行った。上記工程等を経て、安全性及び耐久性の非常に高い指向性を有する磁気照射装置1aを作製した。
【0071】
(実施例2)
ホールプローブ(A−550、電子磁気工業株式会社製)を装着したガウスメータ(GM−5005、電子磁気工業株式会社製)を用いて、3個の磁気照射装置1aの磁気測定を行った。その結果、磁気照射装置1aのうちのシールド手段20aが装着されていない面からの磁気は、平均205.8ミリテスラであった。一方、その反対面からの磁気は平均3.3ミリテスラであり、磁石10aの側面からの磁気は平均3.1ミリテスラであった。以上の結果より、磁気照射装置1aが強い磁場指向性を備えていることを確認した。
【0072】
(実施例3)
純水中、0.9重量パーセントの生理食塩水中、若しくは20重量パーセントの生理食塩水中に、実施例1で作製した磁気照射装置1aを入れ、セ氏37度の恒温室に放置した。
【0073】
14日後に、磁気照射装置1aを恒温室より取り出し、腐蝕の有無について確認した。その結果、肉眼的に、純水及び生理食塩水の変色がないことを確認した。また、磁気照射装置1aの腐蝕もないことを確認した。さらに、放置前後の重量変化がないことを確認した。
【0074】
(実施例4)
ラット(実験動物)の皮膚を麻酔処置後に切開し、磁気照射装置1aを皮下に挿入し、皮膚を縫合した。14日間、ラットの健康状態について経過観察を行った。磁気照射装置1aの非挿入ラット(陰性対照群)と比較し、体重、摂食量、飲水量、皮膚など検索した全ての項目において有意な相違を認めなかった。
【0075】
(実施例5)
ケーシング3に収容する磁石として、着磁処理を先に行った磁石を用いた点以外は、上記実施形態1と同様にして磁気発生手段を作製した。ケーシングは、実施例1と同様のものを用いた。そして、磁気発生手段をケーシングに収容後、蓋部をかぶせた。
【0076】
次いで、チタンケース部に放熱板を密着させて、十分なアルゴンガス気流による冷却のもと、TIG溶接を行った。そして、実施例1と同様に、Ti製の蓋部とTi製の収容部を溶着することにより純Ti製のケーシング内部に磁気発生手段を完全に密封した。上記工程等を経て、安全性及び耐久性の非常に高い指向性磁気照射装置を作製した。
【0077】
(実施例6)
実施例2と同様に、実施例5で作製した磁気照射装置の磁気測定を行った。その結果、磁気照射装置のうちのシールド手段が装着されていない面からの磁気は平均203.5ミリテスラであった。一方、その反対面からの磁気は平均3.1ミリテスラであり、磁石の側面からの磁気は平均3.3ミリテスラであった。以上の結果より、磁気照射装置が強い磁場指向性を備えていることを確認した。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明の安全性の非常に高い、磁気照射装置は、生体内に留置することが可能なので、磁気を利用した治療システムにおいて好適に適用することができる。磁気照射装置の放出する磁場により、磁性ナノ粒子を患部に効率良く安全に集積させることが可能になるので、遺伝子、抗癌剤、光感受性物質などの各種薬剤の送達システムとして用いることができる。同様に、強力な磁場を安全に照射できるので、外科手術、外科的処置、歯科処置、歯科材料、内科的処置、疾患診断、医薬品製造、獣医療、畜産業、農業、水産業、水処理、食品加工業、工業など幅広い分野にわたり利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】実施形態1に係る磁気照射装置の外観を示す斜視図。
【図2】実施形態1に係る磁気照射装置の分解斜視図。
【図3】(a)蓋部をはずした状態の磁気照射装置の斜視図。(b)同上面図。(c)図3(b)のIIIB−IIIB切断部断面図。
【図4】実施形態2に係る薬物送達システムの説明図。
【図5】実施形態2に係る薬物送達システムに用いられる磁気照射装置の変形例を示す模式的上面図。
【図6】実施形態3に係る治具固定装置の第1の治具固定手段の分解図。
【図7】(a)(b)実施形態3に係る治具固定装置の第1の治具固定手段の説明図。
【図8】実施形態3に係る治具固定装置の第2の治具固定手段の分解図。
【図9】(a)(b)実施形態3に係る治具固定装置の臓器への装着例を示す説明図。
【図10】(a)実施例1に係る磁気照射装置の切断部断面図。(b)(c)実施例1に係るケーシングの寸法を示す説明図。
【図11】特許文献1に記載の磁気照射装置の説明図。
【図12】(a)特許文献2に記載の磁気照射装置の上面図。(b)同斜視図。
【符号の説明】
【0080】
1 磁気照射装置
2 磁力線発生手段
3 ケーシング
5 治具固定装置
10 磁石
20 シールド手段
30 収容部
31 固設部
32 貫通孔
40 蓋部
70 第1の治具固定手段
71 開口穴
72 貫通孔
73 開口部
74 貫通孔
75 第2の治具固定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁石と、
空隙を備え、当該空隙内に前記磁石が収容されて密封されるケーシングと
を備え、
前記ケーシングは、生体適合性があり、かつ生分解性を示さない材料により構成されている磁気照射装置。
【請求項2】
前記磁石から生じる磁力が指向性を有するように、当該磁石の一部にシールド手段が施されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気照射装置。
【請求項3】
前記ケーシングは、チタン系材料、セラミック、オキシニウム、超高分子ポリエチレンのいずれか、若しくはこれらを組み合わせたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気照射装置。
【請求項4】
前記ケーシングの少なくとも一部の表面は、チタン系材料を陽極酸化させたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁気照射装置。
【請求項5】
前記ケーシングの少なくとも一部の表面は、チタン系材料の酸化被膜が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁気照射装置。
【請求項6】
前記ケーシングには、被検体又は被検物との固設部が設置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の磁気照射装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の磁気照射装置を、被検体内部に設置する生体内磁気照射装置。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の磁気照射装置を患部に設置し、被検体内に注入した磁性を帯びた薬物を前記患部に集積させる薬物送達システム。
【請求項9】
被検体に固設され、第1の治具が設置された第1の治具固定手段と、
第2の治具が設置された第2の治具固定手段と
を具備し、
前記第1の治具固定手段と、前記第2の治具固定手段は、其々請求項1〜6のいずれか1項に記載の磁気照射装置を備え、
前記磁気照射装置の磁力により前記第1の治具固定手段と、前記第2の治具固定手段が相互に着脱可能に構成されている治具固定装置。
【請求項10】
前記第1の治具固定手段と前記第2の治具固定手段が接合されることにより、前記第1の治具と前記第2の治具が共同して所定の機能を発揮することを特徴とする請求項9に記載の治具固定装置。
【請求項11】
前記ケーシングは、前記磁石を収容して密封するとともに、前記第1の治具固定手段又は/及び前記第2の治具固定手段として機能することを特徴とする請求項9又は10に記載の治具固定装置。
【請求項12】
第1の治具が設置され、第1の磁気照射装置を備える第1の治具固定手段を被検体に固設し、
第2の治具が設置され、第2の磁気照射装置を備える第2の治具固定手段を前記第1の治具固定手段に、前記第1の磁気照射装置と前記第2の磁気照射装置の磁力により接合させ、
当該接合により、前記第1の治具と前記第2の治具が共同して所定の機能を発揮せしめる治具固定方法であって、
前記第1の磁気照射装置、前記第2の磁気照射装置は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の磁気照射装置である治具固定方法。
【請求項13】
生体適合性があり、かつ生分解性を示さない材料から構成され、内部に空隙を有するケーシングに未着磁の磁石を収容して密封し、
その後、前記磁石の着磁処理を行う磁気照射装置の製造方法。
【請求項14】
生体適合性があり、かつ生分解性を示さない材料から構成され、内部に空隙を有するケーシングに着磁した磁石を収容し、
その後、十分な冷却を行いながら前記ケーシングの密封処理を行う磁気照射装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−126501(P2010−126501A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−304288(P2008−304288)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(501083643)学校法人慈恵大学 (20)
【Fターム(参考)】