説明

磁気記憶装置及びサーボ情報再生方法

【課題】 サーボ情報及びその補正情報の読み出し精度を向上させた磁気記憶装置を提供する。
【解決手段】 磁気ヘッド13の制御を行うためのサーボ情報を記録したサーボ部30と、サーボ情報を補正するための補正情報を記録したポストコード部40とを有する磁気ディスク2と、磁気ディスク2の記録情報を磁気ヘッド13で再生した再生信号を増幅するVGA171と、サーボ部30のプリアンブル部31に記録された振幅測定用波形を磁気ヘッド13で再生した再生信号の振幅に基づいてVGA171の利得を設定し、VGA171に、サーボ情報を磁気ヘッド13で再生した第1再生信号を増幅させると共に、ポストコード部40に記録された振幅測定用波形を磁気ヘッド13で再生した再生信号の振幅に基づいてVGA171の利得を設定し、VGA171に、補正情報を磁気ヘッド13で再生した第2再生信号を増幅させるAGCコントロール回路176とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気記憶装置及びサーボ情報再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気記憶装置、例えば、磁気ディスク装置は、片面又は両面に磁性体からなる記録層が形成された磁気ディスクに、磁気ヘッドを用いて情報を書き込んだり、又情報を読み出したりしている。このような磁気ディスク装置では、磁気ヘッドを磁気ディスク上の目標位置に正確に位置決めすることが重要である。このため、磁気ディスクには、サーボフレームと呼ばれる磁気ヘッドの位置を特定するための情報が記録された情報が記録された領域が設けられている。サーボフレームは、図1に示すように磁気ディスク2の内周から外周にかけて等間隔に配置される。また、サーボフレームの記録情報の読み出し精度の向上も磁気ヘッドの位置決め精度の向上にかかわるため、種々の技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
サーボフレーム3は、図1に示すようにプリアンブル部31と、サーボマーク(SM)部32と、グレイコード(Gray)部33と、バースト部34と、ポストコード部40と、ギャップ(GAP)部35とを有している。
これらのサーボフレーム3のうち、ポストコード部40以外のサーボフレームに記録される情報は、サーボトラックライタ(STWと略記する)と呼ばれる専用の書き込み装置を用いて予め磁気ディスク2に記録される。なお、以下では、プリアンブル部31と、サーボマーク(SM)部32と、グレイコード(Gray)部33と、バースト部34とをサーボ部30と呼ぶ。一方、ポストコード部40は、リピータブルランアウト(Repeatable Run Out(RRO))の測定後に、磁気ディスク装置によって磁気ディスク2に書き込まれる。図2に、サーボ部30の記録情報を読み出して再生した再生信号と、ポストコード部40の記録情報を読み出して再生した再生信号とを示す。
なお、リピータブルランアウトとは、磁気ディスク2の偏心等による変動を示し、磁気ディスク2の1回転を周期として繰り返し同じように生じる。ポストコード部40には、リピータブルランアウトRROを抑制するための情報が記録されている。
【0004】
【特許文献1】特開平8−180622号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のようにサーボ部の記録情報はSTWによって書き込まれ、ポストコード部の記録情報は磁気ディスク装置によって書き込まれる。このため、サーボ部の記録情報を読み出して再生した再生信号と、ポストコード部の記録情報を読み出して再生した再生信号には、信号レベルに強弱の差が生じることがある。
信号レベルに強弱の差が生じた再生信号に対して復調処理を行うと、復調後の情報がサーボ部やポストコード部に記録された情報とは異なってしまうという、いわゆるビット化けと呼ばれる読み出しエラーが発生する可能性がある。
【0006】
復調処理では、前処理として再生信号に対してスライス処理が行われる。スライス処理とは、再生信号の振幅と、スライスレベルに設定された振幅とを比較して、スライスレベルを超える再生信号の振幅をスライスレベルの振幅に変換する処理である。
サーボ部とポストコード部の再生信号の信号レベルが大きく異なっている場合、サーボ部とポストコード部に対して同じスライスレベルでスライス処理を実施すると、復調処理で本来1であった信号が0と判定される可能性がある。このため、ビット化け等の読み出しエラーが発生する。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、サーボ情報及びその補正情報の読み出し精度を向上させた磁気記憶装置及びサーボ情報再生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するために本明細書の開示では、磁気ヘッドの制御を行うためのサーボ情報を記憶した第1の領域と、前記サーボ情報を補正するための補正情報を記憶した第2の領域とを有する記憶媒体と、前記記憶媒体の記憶情報を前記磁気ヘッドで再生した再生信号を増幅する増幅部と、前記第1の領域に記憶された振幅測定用波形を前記磁気ヘッドで再生した再生信号の振幅に基づいて前記増幅部の利得を設定し、前記増幅部に、前記サーボ情報を前記磁気ヘッドで再生した第1再生信号を増幅させると共に、前記第2の領域に記憶された振幅測定用波形を前記磁気ヘッドで再生した再生信号の振幅に基づいて前記増幅部の利得を設定し、前記増幅部に、前記補正情報を前記磁気ヘッドで再生した第2再生信号を増幅させる制御部とを備えている。
【0009】
本明細書の開示によれば、増幅部の利得を第1の領域と第2の領域の記憶情報を再生した再生信号の振幅に応じた最適な利得に設定することができ、サーボ情報及びその補正情報の読み出し精度を向上させることができる。
【0010】
また、本明細書の開示では、磁気ヘッドの制御を行うためのサーボ情報を記憶した第1の領域と、前記サーボ情報を補正するための補正情報を記憶した第2の領域とを有する記憶媒体と、前記記憶媒体の記憶情報を前記磁気ヘッドで再生した再生信号の振幅と、スライスレベルとして設定された振幅とを比較して、該スライスレベルを超える再生信号の振幅を前記スライスレベルの振幅に補正する信号補正部と、前記第1の領域に記憶された振幅測定用波形を前記磁気ヘッドで再生した再生信号の振幅に基づいて前記スライスレベルの振幅を設定し、前記信号補正部に、前記サーボ情報を前記磁気ヘッドで再生した第1再生信号の振幅を補正させると共に、前記第2の領域に記憶された振幅測定用波形を前記磁気ヘッドで再生した再生信号の振幅に基づいて前記スライスレベルの振幅を設定し、前記信号補正部に、前記補正情報を前記磁気ヘッドで再生した第2再生信号の振幅を補正させる制御部とを備えている。
【0011】
本明細書の開示によれば、再生信号の振幅を補正するスライスレベルを、第1の領域と第2の領域の記憶情報を再生した再生信号の振幅に応じて最適なスライスレベルに設定することができ、サーボ情報及びその補正情報の読み出し精度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本明細書に開示の磁気記憶装置によれば、サーボ情報及びその補正情報の読み出し精度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例を説明する。
【実施例1】
【0014】
まず、図3を参照しながら本実施例の磁気ディスク装置1の構成を説明する。
磁気ディスク装置1は、磁気ディスク2と、SPM(スピンドルモータ)12と、磁気ヘッド13と、アクチュエータ14とを備える。
【0015】
磁気ディスク2は、SPM12の回転軸11に取り付けられている。SPM12は、回転軸11を回転させることで磁気ディスク2を回転させる。
【0016】
磁気ヘッド13は、リード素子とライト素子とを有し、磁気ディスク2に対するデータの読み出しや書き込みを行う。
【0017】
アクチュエータ14は、内部の回転軸を中心に回転するボイスコイルモータ(VCM)で構成される。また、アクチュエータ14はその先端に磁気ヘッド13を備え、磁気ディスク2の半径方向に磁気ヘッド13を移動させることができる。図3に示す例では、磁気ディスク装置1には2枚の磁気ディスク2が搭載され、4つの磁気ヘッド13が同一のアクチュエータ14で同時に駆動される。なお、磁気ディスク2の枚数は2枚に限定されるものではなく、さらに多くの磁気ディスク2を搭載することもできる。また、磁気ディスク2の搭載枚数に合わせて磁気ヘッド13の数も変更可能である。
【0018】
また、磁気ディスク装置1は、MPU(マイクロプロセッシングユニット)15と、RAM16と、RDC(リードチャネル)17と、HDC(ハードディスクコントローラ)18と、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)19と、PreAmp(プリアンプ)20とを備えている。
【0019】
MPU15は、磁気ディスク装置1の全体の制御を行うものであり、コマンドの解析、磁気ディスク装置1の状態監視、磁気ディスク装置1の各部の制御等を行う。RAM16は、MPU15の作業用メモリとして使用される。本実施例では特に、磁気ディスク2のサーボフレーム3から読み出された情報がRAM16に記録される。
【0020】
PreAmp20は、磁気ディスク2にデータを書き込むための書き込み信号を磁気ヘッド13に送出する。また、PreAmp20は、磁気ヘッド13によって読み取られ、再生された再生信号を増幅してRDC17に出力する。
RDC17は、PreAmp20から出力された再生信号に、増幅、波形等化等の処理を施して波形整形し、波形整形後の信号をDSP19に出力する。
【0021】
HDC18は、磁気ディスク装置1のホスト装置であるコンピュータ等のシステムとの間で各種命令やデータの授受を行う。HDC18は、磁気ディスク装置1に対する動作要求をATA(Advanced Technology Attachment)、SCSI(Small Computer System Interface)などのインターフェースでホスト装置から取得する。
【0022】
DSP19は、RDC17から取得した再生信号を用いて磁気ヘッド10の位置情報を復調して取り出し、磁気ヘッド10の現在位置を検出する。また、DSP19は、検出した現在位置と目標位置との誤差に従い、アクチュエータ14の駆動指令値を演算する。DSP19は、演算した駆動指令値に従って、磁気ヘッド13の位置制御(シーク制御、トラック追従制御)を実行する。
【0023】
次に、図3を参照しながらRDC17の詳細について説明する。図3には、RDC17(以下、第1実施例のRDCをRDC17Aと呼ぶ)の詳細な構成を示す。
RDC17Aは、VGA(可変ゲインアンプ:Variable Gain Amplifier)171と、ASC(非対称性訂正:Asymmetric Collection)172と、CTF(連続タイムフィルタ:Continuous Time Filter)173と、ADC(アナログデジタルコンバータ:Analog to Digital Converter)174と、FIR(有限インパルス応答:Finite Impulse Response)175と、AGC(オートゲインコントロール:Auto Gain Control)コントロール回路(実施例1の制御部に該当する)176とを備えている。
【0024】
VGA171は、PreAmp20から出力された再生信号の振幅を、AGCコントロール回路176により設定された利得(ゲイン)で増幅する。
ASC172は、VGA171によって利得調整された再生信号の振幅の非対称性を補正する。
CTF173は、ASC172によって振幅の非対称性が補正された再生信号の目的波形への波形等化を行う。
ADC174は、CTF173によって波形等化された再生信号をデジタル信号に変換する。
FIR175は、ADC174によってデジタル信号に変換された再生信号の目的波形への波形等化を行う。
AGCコントロール回路176は、FIR175によって波形等化された再生信号を入力する。AGCコントロール回路176は入力した再生信号に基づいてVGA171の利得を制御し、VGA171の増幅後の再生信号の振幅が一定となるように制御する。
【0025】
ここで、図1を参照しながら磁気ディスク2のサーボフレーム3に書き込まれる情報について詳細に説明する。図1に示すようにサーボフレーム3は、プリアンブル部31と、サーボマーク(SM)部32と、グレイコード(Gray)部33と、バースト部34と、ポストコード部(第2の領域)40と、ギャップ(GAP)部35とを有している。なお、プリアンブル部31と、サーボマーク部32と、グレイコード(Gray)部33と、バースト部34とをあわせてサーボ部(第1の領域)30と呼ぶ。サーボ部30は、磁気ディスク2が磁気ディスク装置1に搭載される前にSTWによって情報を書き込まれるブロックである。
プリアンブル部31は、磁気ディスク2から読み出された信号の振幅を安定化するのに用いられる一定の周波数の信号(振幅測定用波形)が記録されたAGC(Automatic Gain Control)領域を含む。
サーボマーク(SM)部32には、サーボフレーム3に記録されているサーボ情報を識別する識別用の固有マーク(サーボマーク)が記録されている。
グレイコード部33には、このグレイコード部33が記録されたサーボフレーム3に固有のアドレス(サーボセクタアドレス)及び該当するトラックのシリンダアドレス(シリンダコード)がグレイコードで記録されている。
バースト部34には、グレイコード部33中のシリンダアドレスの示すシリンダ内の位置誤差を波形の振幅で示すための位置誤差信号(Positional Error Signal)であるバーストデータが記録されている。
ポストコード部40は、サーボフレーム3の後方に配置され、磁気ディスク装置1が装置本体内に組み込まれた後において、サーボ部30に記録されたサーボ情報では補正しきれない位置誤差を補正するための情報(補正データと呼ぶ)が数値で記録される。ポストコード部40への情報記録は、磁気ディスク装置1によって行われる。
ポストコード部40内にもプリアンブル部41が設けられている。プリアンブル部41には、ポストコード部40の再生信号の振幅を安定化するのに用いられる一定の周波数の信号(振幅測定用波形)が記録されている。この他にポストコード部40には、サーボマーク(SM)部42が設けられ、さらに補正データが記録される。補正データは、偶数のサーボフレーム3と奇数のサーボフレーム3とで記録内容が異なる。偶数のサーボフレーム3には、書き込み位置を補正する補正データが記録されており、奇数のサーボフレーム3には、読み取り位置を補正する補正データが記録されている。
ギャップ部35は、磁気ディスク2の回転変動や偏心などによって磁気ディスク2の回転スピードが基準から変動し、データの書き始めの位置が変動した場合にもサーボフレーム3に書き込まれた情報が消去されないように設けられたマージン領域である。
【0026】
本実施例は、サーボ部30を磁気ヘッド13で再生した再生信号を増幅するVGA171の利得を設定する処理と、ポストコード部40を磁気ヘッド13で再生した再生信号を増幅するVGA171の利得を設定する処理とを設けた。
【0027】
VGA171の利得を設定するAGCコントロール回路176の処理について詳細に説明する。AGCコントロール回路176は、まず、サーボ部30内のプリアンブル部31を再生した再生信号の振幅の大きさを求めて、AGCコントロール回路176内のメモリ(不図示)に保存する。AGCコントロール回路176は、算出した再生信号の振幅の大きさに基づいてサーボ部30の再生信号を増幅するVGA171の利得を設定する。
次に、AGCコントロール回路176は、ポストコード部40の再生タイミングとなると、ポストコード部40内のプリアンブル部41を再生した再生信号の振幅の大きさを求めて、AGCコントロール回路176内のメモリに保存する。また、AGCコントロール回路176は、ポストコード部40のプリアンブル部41を再生した再生信号の振幅の大きさを、サーボ部30内のプリアンブル部31を再生した再生信号の振幅の大きさで除算する。これによりサーボ部30とポストコード部40の振幅比K(RRO)が求められる。
【0028】
次に、AGCコントロール回路176は、求めた振幅比K(RRO)を予め設定した上限しきい値及び下限しきい値と比較する。比較の結果、振幅比K(RROが下限しきい値よりも大きく、上限しきい値よりも小さい場合には、AGCコントロール回路176は、サーボ部30の再生信号を増幅する利得をVGA171に設定する。VGA171は、サーボ部30の再生信号の増幅に用いた利得と同一の利得で、ポストコード部40の再生信号を増幅する。すなわち、AGCコントロール回路176は、サーボ部30の再生信号の振幅とポストコード部40の再生信号の振幅との差が小さい場合には、VGA171の利得を変更する必要はないと判定する。
また、振幅比K(RRO)が下限しきい値以下の場合、又は上限しきい値以上の場合には、AGCコントロール回路176は、ポストコード部40の再生信号を増幅するVGA171の利得を新たに設定する。AGCコントロール回路176は、サーボ部30の再生信号の増幅に設定されたVGA171の利得に、前述した振幅比K(RRO)の逆数を積算する。AGCコントロール回路176は、積算した値をポストコード部40の再生信号を増幅するVGA171の利得としてVGA171に設定する。すなわち、ポストコード部40の再生信号を増幅するVGA171の利得を、サーボ部30とポストコード部40とのプリアンブル部31、41の再生信号の振幅の大きさの比に応じて補正する。このため、ポストコード部40の再生信号を増幅するVGA171の利得を最適な値に設定することができる。また、AGCコントロール回路176は、サーボ部30の再生信号の振幅とポストコード部40の再生信号の振幅との比を下限しきい値及び上限しきい値と比較して、VGA171の利得を補正する必要があるか否かを判定している。従って、VGA171の利得を補正する必要がある場合にだけ補正することができる。
【0029】
図5に示すフローチャートを参照しながらAGCコントロール回路176の処理手順を説明する。
まず、AGCコントロール回路176は、FIR172から出力されるサーボ部30のプリアンブル部31の再生信号を取得して(ステップS1)、取得した再生信号の振幅をメモリ(不図示)に記録する(ステップS2)。次に、AGCコントロール回路176は、サーボ部30のプリアンブル部31の再生信号によりサーボ部30の再生信号を増幅するVGA171の利得を設定する(ステップS3)。VGA171は、AGCコントロール回路176により設定された利得でサーボ部30の再生信号を増幅する。
【0030】
次に、AGCコントロール回路176は、FIR172から出力されるポストコード部40のプリアンブル部41の再生信号を取得し(ステップS4)、取得した再生信号の振幅をメモリ(不図示)に記録する(ステップS5)。次に、AGCコントロール回路176は、ポストコード部40の再生信号を増幅するVGA171の利得を設定する。すなわち、AGCコントロール回路176は、メモリに保存されているポストコード部40のプリアンブル部41の再生信号の振幅の大きさを、サーボ部30のプリアンブル部31の再生信号の振幅の大きさで除算して振幅比K(RRO)を求める(ステップS6)。次に、AGCコントロール回路176は求めた振幅比K(RRO)を予め設定された下限しきい値及び上限しきい値と比較する(ステップS7)。算出した振幅比が下限しきい値よりも大きく、上限しきい値よりも小さい場合には(ステップS7/YES)、AGCコントロール回路176は、サーボ部30の再生信号を増幅する利得をVGA171に設定する。すなわち、VGA171は、サーボ部30のプリアンブル部31の再生信号の振幅の大きさから設定したVGA171の利得をそのまま用いてポストコード部40の再生信号を増幅する(ステップS8及びS10)。
また、算出した振幅比が下限しきい値以下である場合、又は振幅比が上限しきい値以上である場合(ステップS7/NO)、AGCコントロール回路176は、サーボ部30の再生信号の増幅に設定された利得を算出した振幅比K(RRO)で除算する。そして、AGCコントロール回路176は、振幅比K(RRO)で除算した利得をポストコード部40の再生信号を増幅するVGA171の利得に設定する(ステップS9)。AGCコントロール回路176は、設定した利得をVGA171に通知する(ステップS10)。VGA171は、AGCコントロール回路176によって設定された利得によってポストコード部40の再生信号の増幅を行う。
【0031】
このように本実施例は、サーボフレーム3のポストコード部40の再生信号の増幅を最適な利得で行うことができる。このため、サーボフレーム3の再生信号の振幅を一定とすることができ、ビット化け等の発生を低減することができる。
【実施例2】
【0032】
添付図面を参照しながら第2実施例について説明する。なお、第2実施例の構成要素のうち、第1実施例と同一の構成については同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0033】
まず、図6を参照しながら実施例2のRDC17Bの詳細な構成を説明する。本実施例のRDC17Bは、AGC(Automatic Gain Control)アンプ201と、フィルタ202と、イコライザ203と、レベル検出回路204と、復調器205と、AGCコントロール回路206と、PLL回路207とを備えている。
【0034】
PreAmp20から出力された再生信号は、まず、RDC17BのAGCアンプ201に供給される。AGCアンプ201は、AGCコントロール回路206からのAGCコントロール信号に応じて利得が制御され、磁気ヘッド13から供給される再生信号の振幅が一定になるように増幅を行う。AGCアンプ201によって増幅された再生信号は、フィルタ202に供給される。
【0035】
フィルタ202は、再生信号の不要成分を除去するためのフィルタで、AGCアンプ201から供給された再生信号から不要成分を除去する。フィルタ202には、MPU15からカットオフ周波数制御信号が供給される。フィルタ202は、MPU15から供給されるカットオフ周波数制御信号によりカットオフ周波数が制御され、通過帯域が制御される。フィルタ202により不要成分が除去された再生信号は、イコライザ203と、AGCコントロール回路206と、MPU15とに供給される。
【0036】
AGCコントロール回路206は、フィルタ202から出力された再生信号の振幅を検出して、振幅が所定の振幅よりも大きければ、AGCアンプ201の利得が小さくなるAGCコントロール信号を生成する。また、再生信号の振幅が所定の振幅よりも小さければ、AGCアンプ201の利得が大きくなるAGCコントロール信号を生成する。生成されたAGCコントロール信号は、AGCコントロール回路206からAGCアンプ201に供給される。AGCアンプ201は、AGCコントロール回路206から供給されるAGCコントロール信号により利得が制御され、磁気ヘッド13から供給される再生信号の振幅が一定になるように増幅を行う。
【0037】
一方、イコライザ203は、フィルタ202から供給された再生信号から歪みを除去する。イコライザ203で歪みが除去された再生信号は、レベル検出回路204及びPLL回路207に供給される。レベル検出回路204は、イコライザ203で歪みが除去された再生信号を所定のスライスレベルでスライスして、パルス状に波形整形する。すなわち、再生信号の振幅と、スライスレベルに設定された振幅とを比較して、スライスレベルを超える再生信号の振幅をスライスレベルの振幅に補正する。レベル検出回路204には、MPU15からスライスレベル制御信号が供給されており、MPU15から通知されるスライスレベル制御信号に応じてスライスレベルが可変される。
【0038】
また、PLL回路207は、イコライザ203で歪みが除去された再生信号から、再生信号に同期したクロック(以下、同期クロックと呼ぶ)を生成する。PLL回路207で生成された同期クロックは、復調器205に供給されると共に、復調器205で復調されたデータと共にDSP19に供給される。また、レベル検出回路204でパルス状に波形整形された再生信号は、復調器205に供給される。復調器205は、レベル検出回路204からの再生信号及びPLL回路207で生成された同期クロックに基づいて、再生信号の復調(1/0判定)を行う。
【0039】
本実施例は、サーボ部30の再生信号を波形整形するためのスライスレベルを設定する処理と、ポストコード部40の再生信号を波形整形するためのスライスレベルを設定する処理とを設けた。
【0040】
MPU(実施例2の制御部に該当する)15は、フィルタ202によるフィルタ処理後の再生信号を入力して、再生信号の振幅の大きさを検出する。MPU15は、サーボ部30のプリアンブル部31を再生した再生信号の振幅と、ポストコード部40のプリアンブル部41を再生した再生信号の振幅との大きさを検出する。そして、MPU15は、ポストコード部40のプリアンブル部41の再生信号の振幅の大きさを、サーボ部30内のプリアンブル部31の再生信号の振幅の大きさで除算して、サーボ部30とポストコード部40の振幅比K(RRO)を求める。
次に、MPU15は、求めた振幅比K(RRO)を予め設定した上限しきい値及び下限しきい値と比較する。比較の結果、振幅比K(RRO)が下限しきい値よりも大きく、上限しきい値よりも小さい場合には、MPU15は、サーボ部30の再生信号用に設定されたスライスレベルをレベル検出回路204に設定する。レベル検出回路204は、サーボ部30の再生信号用に設定されたスライスレベルでポストコード部40の再生信号の振幅を変換する。
また、振幅比K(RRO)が下限しきい値以下であった場合、又は上限しきい値以上であった場合、MPU15は、ポストコード部40の再生信号のスライスレベルを新たに設定する。MPU15は、算出した振幅比(K(RRO))に、サーボ部30の再生信号用に設定のスライスレベルを積算し、積算した値をポストコード部40の再生信号をスライスするスライスレベルに設定する。すなわち、ポストコード部40の波形整形に使用するスライスレベルをサーボ部30とポストコード部40の振幅の大きさの比に応じて補正する。このため、ポストコード部40の再生信号のスライスレベルを最適な値に設定することができ、ポストコード部40の復調を最適に行うことができる。また、AGCコントロール回路176は、サーボ部30の再生信号の振幅とポストコード部40の再生信号の振幅との比を下限しきい値及び上限しきい値と比較して、レベル検出回路204のスライスレベルを補正する必要があるか否かを判定している。従って、補正の必要があると判定した場合にだけレベル検出回路204のスライスレベルを補正することができる。
【0041】
図7に、サーボ部30の再生信号をスライス処理するスライスレベルと、ポストコード部40の再生信号をスライス処理するスライスレベルとを示す。図7には、N(Nは任意の自然数)番目のサーボフレーム3と、N+2番目のサーボフレーム3の記録情報を再生した再生信号波形を示す。図7に示す例では、サーボ部30の再生信号の振幅と、ポストコード部40の再生信号の振幅とが大きく異なっている。このため、MPU15がサーボ部30の再生信号に対するスライスレベルと、ポストコード部40の再生信号に対するスライスレベルとを設定することで、ポストコード部40の復調を最適に行うことができる。
【0042】
図8に示すフローチャートを参照しながらMPU15の処理手順を説明する。
まず、MPU15は、フィルタ202から出力されるサーボ部30のプリアンブル部31の再生信号を取得して(ステップS11)、取得した再生信号の振幅をRAM16に記録する(ステップS12)。次に、MPU15は、サーボ部30のプリアンブル部31の再生信号によりサーボ部30の再生信号の振幅をスライスするスライスレベルを設定する(ステップS13)。RDC17Bのレベル検出回路204は、MPU15により設定されたスライスレベルでサーボ部30の再生信号をスライスする。すなわち、レベル検出回路204は、MPU15より設定されたスライスレベルよりも大きい再生信号の振幅を、スライスレベルとして設定された振幅に補正する。
【0043】
次に、MPU15は、フィルタ202から出力されるポストコード部40のプリアンブル部41の再生信号を取得し(ステップS14)、取得した再生信号の振幅をRAM16に記録する(ステップS15)。次に、MPU15は、ポストコード部40のスライスレベルを設定する。すなわち、MPU15は、RAM16にに保存されているポストコード部40のプリアンブル部41の再生信号の振幅の大きさを、サーボ部30のプリアンブル部31の再生信号の振幅の大きさで除算して振幅比K(RRO)を求める(ステップS16)。次に、MPU15は求めた振幅比K(RRO)を予め設定された下限しきい値及び上限しきい値と比較する(ステップS17)。算出した振幅比が下限しきい値よりも大きく、上限しきい値よりも小さい場合には(ステップS17/YES)、MPU15は、サーボ部30の再生信号の振幅から求めたスライスレベルをそのままポストコード部40のスライスレベルに設定する(ステップS18)。また、算出した振幅比が下限しきい値よりも小さい場合、又は振幅比が上限しきい値よりも大きい場合(ステップS17/NO)、MPU15は、算出した振幅比K(RRO)にサーボ部30のスライスレベルを積算する。そして、MPU15は、振幅比K(RRO)にサーボ部30のスライスレベルを積算した値をポストコード部40のスライスレベルに設定して、レベル検出回路204に通知する(ステップS19)。レベル検出回路204は、MPU15により設定されたスライスレベルでポストコード部40の再生信号をスライスする。すなわち、レベル検出回路204は、MPU15より設定されたスライスレベルよりも大きい再生信号の振幅を、スライスレベルとして設定された振幅に補正する。
【0044】
以上の処理により本実施例では、ポストコード部40の再生信号の波形整形を適正に行うことができる。このため、サーボフレーム3の記録情報を精度よく読み出すことができ、ビット化け等の発生を低減することができる。
【実施例3】
【0045】
添付図面を参照しながら本発明の第3実施例を説明する。
本実施例は、ポストコード部40の再生信号をスライスするスライスレベルを決める振幅比K(RRO)を管理テーブル300に記録しておき、MPU15は、この管理テーブル300を参照してポストコード部40の再生信号のスライスレベルを設定する。
管理テーブル300の一例を図9に示す。なお、管理テーブル300は、MPU15によってRAM16に形成される。図9に示すように管理テーブル300には、変数rと、その位置rでの振幅比K(RRO)とを格納している。なお、変数rは、図10に示すように磁気ディスク2の半径方向での位置を示す変数であり、磁気ヘッド13を磁気ディスク2の1ビット分の書込み幅だけ磁気ディスク2の外周側に移動させると、変数rの値が1加算される。また、磁気ディスク2上での磁気ヘッド13の位置は、サーボ部30に記録されたサーボ情報を読み取ることで得ることができる。
【0046】
MPU15は、サーボ部30に記録されたサーボ情報をDSP19から取得して、磁気ディスク2上での磁気ヘッド13の位置情報を取得する。次に、MPU15は、取得した位置情報により管理テーブル300を参照して、磁気ヘッド13の現在位置での振幅比K(RRO)を求める。MPU15は、管理テーブル300を参照して磁気ディスク2の読み出し位置での振幅比K(RRO)を取得すると、取得した振幅比K(RRO)にサーボ部30の再生信号のスライスレベルに設定された振幅を積算して、該当位置でのスライスレベルを算出する。算出したスライスレベルは、MPU15からレベル検出回路204に指示される。レベル検出回路204は、MPU15により指示されたスライスレベルでポストコード部40の再生信号をスライスする。すなわち、レベル検出回路204は、MPU15より指示されたスライスレベルよりも大きい再生信号の振幅を、スライスレベルとして設定された振幅に補正する。
【0047】
次に、図11に示すフローチャートを参照しながら、MPU15による管理テーブル300の生成手順を説明する。
まず、MPU15は磁気ヘッド13をサーボ部30のプリアンブル部31に移動し、磁気ヘッド13によりプリアンブル部31の記録情報を再生した再生信号を取得する(ステップS21)。MPU15は取得したサーボ部30の再生信号の振幅の大きさをRAM16に保存する。
【0048】
次に、MPU15は、ポストコード部40の記録位置のうち、磁気ディスク2の半径方向の最も内側の初期位置に磁気ヘッド13を移動させる(ステップS23)。そして、MPU15は、移動させた初期位置でのポストコード部40の記録情報を磁気ヘッド13で読み取り、再生信号を取得する。MPU15は、取得した再生信号の振幅の大きさをRAM16に保存する(ステップS24)。次に、MPU15は、ポストコード部40の該当位置での再生信号の振幅の大きさを、ステップS21で取得したサーボ部30の再生信号の振幅の大きさで除算して、振幅比K(RRO)を求める(ステップS25)。MPU15は、求めた振幅比を管理テーブル300の該当位置に記録する(ステップS26)。
【0049】
次に、MPU15は、ポストコード部40の全ての情報記録位置で再生信号の振幅測定が終了したか否かを判定する(ステップS27)。ポストコード部40の全ての情報記録位置で再生信号の振幅測定が終了していない場合には、MPU15は、磁気ヘッド13を磁気ディスク2の半径方向に所定距離(1ビット幅分)移動させる(ステップS28)。そして、移動位置でのポストコード部40の再生信号を取得して、この位置での振幅比K(RRO)を算出する。また、以上の処理を繰り返し行い、ポストコード部40の全ての情報記録位置で再生信号の振幅測定が終了すると(ステップS27/YES)、MPU15は、この処理を終了する。
【0050】
なお、上述した実施例1〜3に開示の技術は、仮想円制御や、記録密度(Track Per Inch)を可変にして磁気ディスクに情報を記録する可変TPIにおいても有効な技術となる。
仮想円制御とは、磁気ディスク2の回転中心を基準とした真円の軌道を描くように磁気ヘッド13を移動させる制御である。図12には、磁気ヘッド13に流す電流(VCM電流)を一定として、磁気ヘッド13を固定した場合の磁気ヘッド13に対するトラックの軌跡を示す。仮想円制御では、このトラックの軌跡に追従するように磁気ヘッド13に流す電流を制御する。
【0051】
上述した実施例は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】磁気ディスク上でのサーボフレームの配置と、サーボフレームの構成を示す図である。
【図2】STWで磁気ディスクに記録されたサーボ部の再生信号の信号波形と、磁気ディスク装置によって記録されたポストコード部の再生信号の信号波形とを示す図である。
【図3】磁気ディスク装置の構成を示す図である。
【図4】実施例1のRDCの構成を示す図である。
【図5】AGCコントロール回路の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】実施例2のRDCの構成を示す図である。
【図7】サーボ部とポストコード部のスライスレベルを示す図である。
【図8】MPUの処理手順を示す図である。
【図9】管理テーブルの一例を示す図である。
【図10】磁気ディスク上の半径方向での位置を示す変数rを説明するための図である。
【図11】MPUによる管理テーブルの作成手順を示すフローチャートである。
【図12】磁気ヘッドを固定した場合の磁気ヘッドに対するトラックの軌跡を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
1 磁気ディスク装置
2 磁気ディスク
3 サーボフレーム
12 SPM
13 磁気ヘッド
14 アクチュエータ
15 MPU
16 RAM
17 RDC
18 HDC
19 DSP
20 PreAmp
30 サーボ部
31、41 プリアンブル部
32、42 サーボマーク部
33 グレイコード部
34 バースト部
35 ギャップ部
40 ポストコード部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気ヘッドの制御を行うためのサーボ情報を記憶した第1の領域と、前記サーボ情報を補正するための補正情報を記憶した第2の領域とを有する記憶媒体と、
前記記憶媒体の記憶情報を前記磁気ヘッドで再生した再生信号を増幅する増幅部と、
前記第1の領域に記憶された振幅測定用波形を前記磁気ヘッドで再生した再生信号の振幅に基づいて前記増幅部の利得を設定し、前記増幅部に、前記サーボ情報を前記磁気ヘッドで再生した第1再生信号を増幅させると共に、前記第2の領域に記憶された振幅測定用波形を前記磁気ヘッドで再生した再生信号の振幅に基づいて前記増幅部の利得を設定し、前記増幅部に、前記補正情報を前記磁気ヘッドで再生した第2再生信号を増幅させる制御部と、
を有することを特徴とする磁気記憶装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記増幅部で前記第2再生信号を増幅するときに、前記第1の領域と前記第2の領域との前記振幅測定用波形を前記磁気ヘッドで再生した再生信号の振幅比に基づいて、前記第1再生信号を増幅する利得に設定された前記増幅部の利得を補正するか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の磁気記憶装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1再生信号を増幅する前記増幅部の利得を前記振幅比で除算した値を、前記第2再生信号を増幅する前記増幅部の利得に設定することを特徴とする請求項2記載の磁気記憶装置。
【請求項4】
磁気ヘッドの制御を行うためのサーボ情報を記憶した第1の領域と、前記サーボ情報を補正するための補正情報を記憶した第2の領域とを有する記憶媒体と、
前記記憶媒体の記憶情報を前記磁気ヘッドで再生した再生信号の振幅と、スライスレベルとして設定された振幅とを比較して、該スライスレベルを超える再生信号の振幅を前記スライスレベルの振幅に補正する信号補正部と、
前記第1の領域に記憶された振幅測定用波形を前記磁気ヘッドで再生した再生信号の振幅に基づいて前記スライスレベルの振幅を設定し、前記信号補正部に、前記サーボ情報を前記磁気ヘッドで再生した第1再生信号の振幅を補正させると共に、前記第2の領域に記憶された振幅測定用波形を前記磁気ヘッドで再生した再生信号の振幅に基づいて前記スライスレベルの振幅を設定し、前記信号補正部に、前記補正情報を前記磁気ヘッドで再生した第2再生信号の振幅を補正させる制御部と、
を有することを特徴とする磁気記憶装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第2再生信号の振幅を補正する前記信号補正部の前記スライスレベルの設定時に、前記第1の領域と前記第2の領域との前記振幅測定用波形を前記磁気ヘッドで再生した再生信号の振幅比に基づいて、前記第1再生信号の振幅を補正するスライスレベルに設定された前記信号補正部のスライスレベルを補正するか否かを判定することを特徴とする請求項4記載の磁気記憶装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1再生信号の振幅補正用に設定されたスライスレベルに前記振幅比を積算した値を、前記第2再生信号の振幅補正用のスライスレベルとして前記信号補正部に設定することを特徴とする請求項5記載の磁気記憶装置。
【請求項7】
前記第2の領域の情報記憶位置ごとに、当該情報記憶位置に記憶した記憶情報を前記磁気ヘッドで再生した再生信号の振幅と前記第1再生信号の振幅との振幅比を記憶した記憶部を有し、
前記制御部は、前記第2の領域に記憶された前記補正情報を前記磁気ヘッドで読み出し再生するときに、前記磁気ヘッドで前記補正情報を読み出した情報記憶位置の振幅比を前記記憶部から取得し、取得した振幅比に基づいて前記情報記憶位置での前記信号補正部のスライスレベルを算出し、前記信号補正部に算出したスライスレベルを設定することを特徴とする請求項4から6のいずれか一項記載の磁気記憶装置。
【請求項8】
磁気ヘッドの制御を行うためのサーボ情報と、振幅測定用波形とを記憶した記憶媒体の第1の領域に記憶された前記振幅測定用波形を前記磁気ヘッドで再生するステップと、
前記振幅測定用波形を前記磁気ヘッドで再生した再生信号の振幅に基づいて前記増幅部の利得を設定するステップと、
前記サーボ情報を前記磁気ヘッドで再生した第1再生信号を前記増幅部で増幅するステップと、
前記サーボ情報を補正するための補正情報と、振幅測定用波形とを記憶した記憶媒体の第2の領域に記憶された前記振幅測定用波形を前記磁気ヘッドで再生するステップと、
前記振幅測定用波形を前記磁気ヘッドで再生した再生信号の振幅に基づいて前記増幅部の利得を設定するステップと、
前記補正情報を前記磁気ヘッドで再生した第2再生信号を前記増幅部で増幅するステップと、
を有することを特徴とするサーボ情報再生方法。
【請求項9】
磁気ヘッドの制御を行うためのサーボ情報と、振幅測定用波形とを記憶した記憶媒体の第1の領域に記憶された前記振幅測定用波形を前記磁気ヘッドで再生するステップと、
前記振幅測定用波形を前記磁気ヘッドで再生した再生信号の振幅に基づいて、前記サーボ情報を前記磁気ヘッドで再生した第1再生信号の振幅を補正するスライスレベルを設定するステップと、
前記サーボ情報を前記磁気ヘッドで再生した第1再生信号の振幅と、前記スライスレベルとして設定された振幅とを比較して、該スライスレベルの振幅を超える前記第1再生信号の振幅を前記スライスレベルの振幅に補正するステップと、
前記サーボ情報を補正するための補正情報と、振幅測定用波形とを記憶した記憶媒体の第2の領域に記憶された前記振幅測定用波形を前記磁気ヘッドで再生するステップと、
前記振幅測定用波形を前記磁気ヘッドで再生した再生信号の振幅に基づいて、前記補正情報を前記磁気ヘッドで再生した第2再生信号の振幅を補正するスライスレベルを設定するステップと、
前記補正情報を前記磁気ヘッドで再生した第2再生信号の振幅と、前記スライスレベルとして設定された振幅とを比較して、該スライスレベルの振幅を超える前記第2再生信号の振幅を前記スライスレベルの振幅に補正するステップと、
を有することを特徴とするサーボ情報再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−80014(P2010−80014A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−249294(P2008−249294)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(309033264)東芝ストレージデバイス株式会社 (255)
【Fターム(参考)】