磁気記録再生装置、磁気記録ヘッド装置および磁気記録方法
【課題】サイドイレーズによる影響を抑制することができる磁気記録再生装置を提供する。
【解決手段】回転ドラム12に搭載された磁気ヘッドによってヘリカルスキャン方式で磁気テープ(蒸着テープ)11に記録再生を行う磁気記録再生装置において、回転ドラム12の周面の所定位置に搭載された、所定アジマス角を有した記録ヘッド(プラスチャンネルヘッド)13Aと、前記記録ヘッド13Aと180度対向した回転ドラム周面に、該記録ヘッド13Aよりも所定高さ低く搭載された、所定アジマス角を有した記録ヘッド(マイナスチャンネルヘッド)13Bとを備え、先行走行させた前記記録ヘッド13Aによって記録したトラック(1)の、磁気テープ11下エッジ側端部の所定トラック幅部位を、後続走行させた前記記録ヘッド13Bによって上書きする。これらを交互に繰り返す。
【解決手段】回転ドラム12に搭載された磁気ヘッドによってヘリカルスキャン方式で磁気テープ(蒸着テープ)11に記録再生を行う磁気記録再生装置において、回転ドラム12の周面の所定位置に搭載された、所定アジマス角を有した記録ヘッド(プラスチャンネルヘッド)13Aと、前記記録ヘッド13Aと180度対向した回転ドラム周面に、該記録ヘッド13Aよりも所定高さ低く搭載された、所定アジマス角を有した記録ヘッド(マイナスチャンネルヘッド)13Bとを備え、先行走行させた前記記録ヘッド13Aによって記録したトラック(1)の、磁気テープ11下エッジ側端部の所定トラック幅部位を、後続走行させた前記記録ヘッド13Bによって上書きする。これらを交互に繰り返す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高密度ヘリカルスキャンテープシステムにおいて、蒸着テープを使用しアジマス記録を行う磁気記録再生装置、磁気記録ヘッド装置および磁気記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高密度テープシステムの開発において、線記録密度およびトラック密度は年々向上し、薄膜記録ヘッドとGMR(巨大磁気抵抗効果型)再生ヘッドの採用によりトラックピッチの狭小化に寄与する割合が大きくなり、開発の重要な要素となっている。
【0003】
従来のシステムではMIG(メタルインギャップ)ヘッドが用いられており、この場合のトラックピッチは、小さくなってきたとはいえAIT4の4.4μmである。この場合は図2に示すように、プラスチャンネルとマイナスチャンネルを交互に記録していく単純な走査方法であった。
【0004】
図2において、回転ドラム12にはアジマス角の異なる磁気ヘッド23A(プラスチャンネル)、23B(マイナスチャネル)が180度対向して搭載され、磁気ヘッド23A,23Bは、磁気テープ11の走行方向に対して所定角度をもって順次交互に走査し、これによって、磁気テープ11の長手方向に順次斜めにAchトラック(1),Bchトラック(2),Achトラック(3)…が形成される。
【0005】
現在は、薄膜ヘッドと高感度GMRヘッドが用いられてきており、トラック密度をさらに上げることが可能となった。しかし、トラック幅が小さくなると従来は無視されていたサイドイレーズが無視できなくなり、高密度システムの特性を最大限に引き出すには、これに見合ったシステムや記録方式が必要となってきている。
【0006】
尚、従来の磁気記録装置及び磁気記録方法としては、例えば下記特許文献1に記載のものが提案され、記録ヘッド装置及び記録装置としては、例えば下記特許文献2に記載のものが提案されていた。
【特許文献1】特開2000−195028号公報
【特許文献2】特開2001−319309号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、データ量の爆発的な増大により、テープ系ストレージシステムにおいても容量の増大が急務となっており、その実現のために記録密度の向上が求められている。このような中で、蒸着テープを用いるテープシステムは塗布型テープに比較し記録密度が大きく、将来のデータアーカイブシステムとして検討されている。
【0008】
蒸着テープを高トラック密度化して、トラックピッチが2μm以下になってくると、従来は無視されていたサイドイレーズが無視できなくなってくる。一般に蒸着テープ媒体は膜面内から30°程度立ち上がった斜めに配向する磁性層を有し、記録再生特性もテープの走行方向の正逆によって異なっている。サイドイレーズに関してもこの配向と記録ヘッドの磁界との関係によって決まる要因がある。
【0009】
この関係を調べるため、幅広原反と薄膜記録ヘッドにより次のような実験を行なった。実験に使用したテープは図3に示すように広幅原反をカッターで切り出したものを使用した。記録にはドラムテスターを用いた。
【0010】
第一ステージで下書きを行い、第二ステージで自トラックをオーバーライトし、第三ステージで再生を行い記録ヘッドの当たりを確認した。サイドイレーズの影響が大きいと考えられる長波長8T(1.60μm)を自トラックとし、下書きを5T(1.0μm)とした。記録電流は下書き、上書きとも波長0.20μmにおける最適記録電流とし、図4のように各切り出しテープ毎に設定した。
【0011】
下書きヘッドはMIGヘッドでトラック幅17.1μm、ギャップ長0.206μm、アジマス+25°、デプス9μm、コイル巻数16T、自トラックは薄膜記録ヘッドでトラック幅2.75μm、ギャップ長0.18μm、アジマス−25°である。
【0012】
ヘッドの走行方向はハードディスクタイプと同様のUNDER COREをリーディングコアとしている。テープスピードは6.8m/sである。前記実験の条件を次の表1に示す。
【0013】
【表1】
【0014】
次に、MFM(Magnetic Force Microscope)を用いてテープに記録したパターンを解析した。使用機器はDI社製Nsno Scope IV Dimension 3100で、プローブはNano World pointprobe TYPE:MFMR−10を使用した。MFM測定条件はLift scan height=60nmとした。
【0015】
MFM画像をFFT解析することによりサイドイレーズ幅SEBと実効トラック幅を算出した。本解析に使用したMFM像の最小分解能は0.01953μmである。
【0016】
記録角をヘッド磁界方向とテープ配向方向とのなす角と定義する。記録角0°は蒸着テープの順方向走行、180°は逆方向走行で、磁性面上でヘッド磁界が反時計回りCCWを正回転とする。図5にMFM像とそのFFT処理によるクロストラック方向の振幅値、および前記薄膜記録ヘッドのテープ磁性面上への投影図を示す。また、テープ切り出しパターンとの関連(テープ磁性面上での走行トラックの定義)を図6に示し、図7にテープ磁性面上での薄膜記録ヘッド形状とテープ配向との関係を示す。
【0017】
図7の薄膜記録ヘッド30は左右対称に作成されているが、アジマス角−25°のため、走行トラックに対しリーディングコア31が飛び出している側と、トレーリングコア32が飛び出している側があり、それぞれ上エッジ側(Upper Edge side)、下エッジ側(Lower Edge side)と呼ぶことにする。
【0018】
蒸着テープに薄膜記録ヘッド(30)で記録したときに生じるサイドイレーズ幅SEB(Side Erase Band)の記録角依存性を図8に示す。図8において、記録角0°と180°では上エッジ側、下エッジ側がほぼ等しく0.3μm程度である。ヘッド形状の走行方向に対する非対称性よりはテープ配向方向に対する対称性の影響が強く現れている。記録角±90°では上エッジ側も下エッジ側もSEBは小さくなる。
【0019】
しかし、前記薄膜記録ヘッド30で記録しAMRヘッドで再生した出力の記録角依存性を示す図9のように、記録角90°付近は自トラックの信号が小さく、MFMの信号も弱い。したがってこの角度の使用は現実的に有り得ない。
【0020】
図10に自トラック幅とその左右のSEBの合計、すなわちオーバーライトにより下書きパターンが消される幅の記録依存性を示す。この値はほぼ一定であり、順方向走行領域(−90°〜+90°)では3.5μm、逆方向走行領域(+90°〜180°)では3.3μmである。
【0021】
(1)記録角-90〜0°(マイナスチャンネルヘッド相当)の場合
図8より記録角の絶対値が大きくなるにつれ、SEBの上エッジ側も下エッジ側も小さくなり、図11の実効トラック幅の記録角依存性に示すように、実効トラック幅Tw,effは大きくなっている。SEBは、上エッジ側が大きく、下エッジ側は小さい。
【0022】
(2)記録角0〜90°(プラスチャンネルヘッド相当)の場合
図8のようにSEBは下エッジ側が大きくなり40°付近でピークとなり0.7μm程度と最も幅広く消されている。これはヘリカルスキャンドライブではプラスチャンネルの下エッジ側に相当する。
【0023】
図12に一例として、ドライブで記録したトラックのMFM解析を示す。図12によれば、プラスチャンネルの下エッジ側のトラック境界がシャープではなく、もやもやしている像が得られており、プラスチャンネルの下側トラックエッジのサイドイレーズが大きいことがわかる。
【0024】
一方、上エッジ側のSEBは記録角が大きくなるにつれ小さくなり、クッキリと書かれている。
【0025】
(3)記録角90〜180°(蒸着テープの逆方向走行に相当)の場合
図8のように記録角が90°の線を越えて、逆方向領域に入ると急激にSEBが大きくなっており、下エッジ側のSEBの方が大きい。
【0026】
図8の順方向走行領域(−90〜90°)におけるSEBの大雑把な傾向として、記録角0°で大きく、±90°で小さい。±90°が小さいのは媒体のクロストラック方向のHcが高く、配向分散が小さいこと、ヘッドフリンジング磁界の90°成分が小さいことなどが上げられる。
【0027】
その中で、上エッジ側、下エッジ側の優劣については次のように考えられる。磁気記録シミュレーションにて記録メカニズムを検討した結果、通常の蒸着テープの順方向ではリーディングの磁界が記録磁化の方向を決定し、逆方向ではトレーリング側の磁界が影響することが分っている。
【0028】
この考えがフリンジング磁界にも適用できるとすると、SEBが大きいのは順方向領域(−90〜90°)では図7のリーディングコア31側に近いフリンジング磁界がテープ配向方向と一致する場合で、記録角-90〜0°では上エッジ側、記録角0〜90°では下エッジ側となる。逆方向領域(90〜180°)ではトレーリングコア32に近いフリンジング磁界がテープ配向方向に合致する場合で下エッジ側となる。
【0029】
図7の、使用したヘッド(30)はアジマス−25°のため、下エッジ側ではトレーリングコア32はトラック境界部から隣接トラック側へ張り出している。トレーリングコア32(UPPER CORE)はプロセス上、飽和しやすいため、隣接トラックを消去する効果もあると考えられる。この効果が加え合わさり記録角0〜90°の下エッジ側はSEBが非常に大きくなっている。記録角-90〜0°の上エッジ側では逆にトレーリングコア32が隣接トラックから遠ざかるため、SEBは小さく抑えられていると考えられる。記録角が90〜180°では逆方向条件のため、トレーリングコア32の飽和で、自分自身のトラックを消している(SELF-ERASE)と考えられる。
【0030】
前記図2で述べた従来の記録方法では、磁気テープ11の上エッジ側のトラック端は次にスキャンするチャンネルのヘッドによって消されるが、両チャンネル下エッジ側のトラック端が残ってしまいサイドイレーズによる影響を受けてしまう。
【0031】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものでその目的は、サイドイレーズによる影響を抑制することができる磁気記録再生装置、磁気記録ヘッド装置および磁気記録方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0032】
上記課題を解決するための本発明の磁気記録再生装置は、回転ドラムに搭載された磁気ヘッドによってヘリカルスキャン方式で蒸着テープに記録再生を行う磁気記録再生装置において、回転ドラムの周面の所定位置に搭載された、所定アジマス角を有したプラスチャンネル磁気ヘッドと、前記プラスチャンネル磁気ヘッドと180度対向した回転ドラム周面に、該プラスチャンネル磁気ヘッドよりも所定高さ低く搭載された、所定アジマス角を有したマイナスチャンネル磁気ヘッドとを備え、先行走行させた前記プラスチャンネル磁気ヘッドによって記録したトラックの、蒸着テープ下エッジ側端部の所定トラック幅部位を、後続走行させた前記マイナスチャンネル磁気ヘッドによって上書きすることを特徴としている。
【0033】
また本発明の磁気記録ヘッド装置は、回転ドラムに搭載された磁気ヘッドによってヘリカルスキャン方式で蒸着テープに記録を行う磁気記録ヘッド装置において、回転ドラムの周面の所定位置に搭載された、所定アジマス角を有したプラスチャンネル磁気ヘッドと、前記プラスチャンネル磁気ヘッドと180度対向した回転ドラム周面に、該プラスチャンネル磁気ヘッドよりも所定高さ低く搭載された、所定アジマス角を有したマイナスチャンネル磁気ヘッドとを備え、先行走行させた前記プラスチャンネル磁気ヘッドによって記録したトラックの、蒸着テープ下エッジ側端部の所定トラック幅部位を、後続走行させた前記マイナスチャンネル磁気ヘッドによって上書きすることを特徴としている。
【0034】
また本発明の磁気記録方法は、回転ドラムの周面の所定位置に搭載された、所定アジマス角を有したプラスチャンネル磁気ヘッドと、前記プラスチャンネル磁気ヘッドと180度対向した回転ドラム周面に、該プラスチャンネル磁気ヘッドよりも所定高さ低く搭載された、所定アジマス角を有したマイナスチャンネル磁気ヘッドとを備え、ヘリカルスキャン方式で蒸着テープに記録を行う磁気記録方法であって、先行走行させた前記プラスチャンネル磁気ヘッドによって第1のトラックを形成する第1のステップと、前記第1のトラックの、蒸着テープ下エッジ側端部の所定トラック幅部位を、後続走行させた前記マイナスチャンネル磁気ヘッドによって上書きする第2のステップとを交互に繰り返し実行することを特徴としている。
【0035】
上記構成によれば、蒸着テープの磁性層の配向と磁気ヘッド磁界の関係からサイドイレーズが大きくなる、プラスチャンネル磁気ヘッド下エッジ側の部位を消去することができる。このためサイドイレーズによる影響を抑えることができる。
【発明の効果】
【0036】
(1)請求項1〜3に記載の発明によれば、蒸着テープの配向と磁気ヘッド磁界の関係からサイドイレーズが大きくなる部位を消去することができ、これによって、蒸着テープを用いてアジマス記録を行なうヘリカルスキャン高密度磁気記録装置において、オフトラックマージンを増加できる。また本発明を使用すれば、更なるトラック幅方向の高密度化が可能であり、さらに、大容量でビットあたりの単価が低価格なシステムを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明するが、本発明は下記の実施形態例に限定されるものではない。
【0038】
本発明の磁気記録方法は、トラックピッチが2.0μm以下のヘリカルスキャンテープシステムで蒸着テープを用い、アジマス記録を行なう場合、図1(d)のように、プラスアジマスヘッド(+ch)を先行して走行記録し、後からマイナスアジマスヘッド(−ch)を走行させてプラスアジマスヘッドのトラック端を戻り書きによりオーバーライト消去する。
【0039】
すなわち、図1(d)の(1)、(2)、(3)、(4)の順に記録を行うことにより、サイドイレーズとしてはマイナスチャンネル(−ch)の影響のみがパターン上に残る。このためアジマス角25°、トラック角5°のヘリカルスキャンシステムでは、記録角が-30°となり、前記図8から、マイナスチャンネルの下エッジ側のSEBは0.1μm、同、上エッジ側のSEBは0.2μmに抑えられる。
【0040】
このようにして記録ヘッドを走査することで高トラック密度磁気記録システムを構築することが出来、また、高転送レートでbit当りの単価が安価なシステムを実現することができる。
【0041】
上記本発明の磁気記録方法を実現するための磁気記録再生装置又は磁気記録ヘッド装置は図1(a)〜(c)のように構成される。
【0042】
図1(a)〜(c)において、回転ドラム12の周面には、薄膜ヘッドから成る記録ヘッド13A(Ach;プラスチャンネル)が搭載され、このプラスチャネルの記録ヘッド13Aと180°対向した回転ドラム12の周面には、該記録ヘッド13Aよりも所定高さ低く、薄膜ヘッドから成る記録ヘッド13B(Bch;マイナスチャンネル)が搭載されている。
【0043】
尚、図1(a)〜(c)では装置の要部構成のみを表しており、周辺の装置は図示省略している。回転ドラム12の回転によりまずプラスチャンネルの記録ヘッド13Aがスキャンされて、磁気テープ(蒸着テープ)11上にAch(プラスチャンネル)トラック(1)が形成される。次にマイナスチャンネルの記録ヘッド13Bが戻ってスキャンされ(記録ヘッド13Bが記録ヘッド13Aよりも低い位置に取り付けられているため戻り書きが行われる)、Bch(マイナスチャンネル)トラック(2)が形成される。
【0044】
この際Achトラック(1)、すなわちプラスチャンネルの、下エッジ側端の所定幅部位がオーバーライト消去され、プラスチャンネルの下エッジ側のサイドイレーズによる影響は抑制される。
【0045】
そして以降、前記(1)、(2)が交互に繰り返し形成されるものである。
【0046】
尚図1(d)におけるテープ進行方向は図1(a)の進行方向とは逆である。
【0047】
また記録ヘッド13A(プラスチャンネル)と記録ヘッド13B(マイナスチャンネル)の取り付け位置、高さはテープスピード、ドラムスピード、トラック幅等、フォーマットにより適宜決定するものである。
【0048】
前記記録ヘッド13A,13Bのアジマス角は20°〜45°とする。
【0049】
また比較例として、本実施例と同一のアジマス角25°、トラック角5°のヘリカルスキャンシステムで、従来の図2に示す走査方法により記録した場合、プラスチャンネルの記録角は+20°となる。この場合前記図8から、プラスチャンネルの下エッジ側のSEBは0.45μm、マイナスチャンネルの下エッジ側のSEBは0.1μmとなり、これらがトラック端に記録されることになり、実施例のようなSEB抑制効果を得ることは出来ない。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施形態例を表し、(a)は磁気テープに形成されるトラックを示す説明図、(b)は記録ヘッドを搭載した回転ドラムの平面略図、(c)は記録ヘッドを搭載した回転ドラムの側面図、(d)は記録順序を示す説明図。
【図2】従来の磁気記録再生装置の要部を表し、(a)は磁気テープに形成されるトラックを示す説明図、(b)は記録ヘッドを搭載した回転ドラムの平面略図、(c)は記録ヘッドを搭載した回転ドラムの側面図。
【図3】本発明に係る磁気テープのテープ切り出しパターンの説明図。
【図4】本発明に係る磁気ヘッドの記録電流の記録角依存性を示す特性図。
【図5】薄膜記録ヘッド形状のテープ磁性面上への投影とMFM像との関連を示す説明図。
【図6】テープ磁性面上での走行トラックの定義を示す説明図。
【図7】テープ磁性面上での薄膜記録ヘッドとテープ配向との配置関係を示す説明図。
【図8】サイドイレーズ幅の記録角依存性を示す特性図。
【図9】薄膜記録ヘッドで記録しAMRヘッドで再生した出力の記録角依存性を示す特性図。
【図10】実効トラック幅とサイドイレーズ幅の合計の記録角依存性を示す特性図。
【図11】実効トラック幅の記録角依存性を示す特性図。
【図12】記録パターンのMFM像を表す説明図。
【符号の説明】
【0051】
11…磁気テープ、12…回転ドラム、13A,13B…記録ヘッド、30…薄膜記録ヘッド、31…リーディングコア、32…トレーリングコア。
【技術分野】
【0001】
本発明は、高密度ヘリカルスキャンテープシステムにおいて、蒸着テープを使用しアジマス記録を行う磁気記録再生装置、磁気記録ヘッド装置および磁気記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高密度テープシステムの開発において、線記録密度およびトラック密度は年々向上し、薄膜記録ヘッドとGMR(巨大磁気抵抗効果型)再生ヘッドの採用によりトラックピッチの狭小化に寄与する割合が大きくなり、開発の重要な要素となっている。
【0003】
従来のシステムではMIG(メタルインギャップ)ヘッドが用いられており、この場合のトラックピッチは、小さくなってきたとはいえAIT4の4.4μmである。この場合は図2に示すように、プラスチャンネルとマイナスチャンネルを交互に記録していく単純な走査方法であった。
【0004】
図2において、回転ドラム12にはアジマス角の異なる磁気ヘッド23A(プラスチャンネル)、23B(マイナスチャネル)が180度対向して搭載され、磁気ヘッド23A,23Bは、磁気テープ11の走行方向に対して所定角度をもって順次交互に走査し、これによって、磁気テープ11の長手方向に順次斜めにAchトラック(1),Bchトラック(2),Achトラック(3)…が形成される。
【0005】
現在は、薄膜ヘッドと高感度GMRヘッドが用いられてきており、トラック密度をさらに上げることが可能となった。しかし、トラック幅が小さくなると従来は無視されていたサイドイレーズが無視できなくなり、高密度システムの特性を最大限に引き出すには、これに見合ったシステムや記録方式が必要となってきている。
【0006】
尚、従来の磁気記録装置及び磁気記録方法としては、例えば下記特許文献1に記載のものが提案され、記録ヘッド装置及び記録装置としては、例えば下記特許文献2に記載のものが提案されていた。
【特許文献1】特開2000−195028号公報
【特許文献2】特開2001−319309号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、データ量の爆発的な増大により、テープ系ストレージシステムにおいても容量の増大が急務となっており、その実現のために記録密度の向上が求められている。このような中で、蒸着テープを用いるテープシステムは塗布型テープに比較し記録密度が大きく、将来のデータアーカイブシステムとして検討されている。
【0008】
蒸着テープを高トラック密度化して、トラックピッチが2μm以下になってくると、従来は無視されていたサイドイレーズが無視できなくなってくる。一般に蒸着テープ媒体は膜面内から30°程度立ち上がった斜めに配向する磁性層を有し、記録再生特性もテープの走行方向の正逆によって異なっている。サイドイレーズに関してもこの配向と記録ヘッドの磁界との関係によって決まる要因がある。
【0009】
この関係を調べるため、幅広原反と薄膜記録ヘッドにより次のような実験を行なった。実験に使用したテープは図3に示すように広幅原反をカッターで切り出したものを使用した。記録にはドラムテスターを用いた。
【0010】
第一ステージで下書きを行い、第二ステージで自トラックをオーバーライトし、第三ステージで再生を行い記録ヘッドの当たりを確認した。サイドイレーズの影響が大きいと考えられる長波長8T(1.60μm)を自トラックとし、下書きを5T(1.0μm)とした。記録電流は下書き、上書きとも波長0.20μmにおける最適記録電流とし、図4のように各切り出しテープ毎に設定した。
【0011】
下書きヘッドはMIGヘッドでトラック幅17.1μm、ギャップ長0.206μm、アジマス+25°、デプス9μm、コイル巻数16T、自トラックは薄膜記録ヘッドでトラック幅2.75μm、ギャップ長0.18μm、アジマス−25°である。
【0012】
ヘッドの走行方向はハードディスクタイプと同様のUNDER COREをリーディングコアとしている。テープスピードは6.8m/sである。前記実験の条件を次の表1に示す。
【0013】
【表1】
【0014】
次に、MFM(Magnetic Force Microscope)を用いてテープに記録したパターンを解析した。使用機器はDI社製Nsno Scope IV Dimension 3100で、プローブはNano World pointprobe TYPE:MFMR−10を使用した。MFM測定条件はLift scan height=60nmとした。
【0015】
MFM画像をFFT解析することによりサイドイレーズ幅SEBと実効トラック幅を算出した。本解析に使用したMFM像の最小分解能は0.01953μmである。
【0016】
記録角をヘッド磁界方向とテープ配向方向とのなす角と定義する。記録角0°は蒸着テープの順方向走行、180°は逆方向走行で、磁性面上でヘッド磁界が反時計回りCCWを正回転とする。図5にMFM像とそのFFT処理によるクロストラック方向の振幅値、および前記薄膜記録ヘッドのテープ磁性面上への投影図を示す。また、テープ切り出しパターンとの関連(テープ磁性面上での走行トラックの定義)を図6に示し、図7にテープ磁性面上での薄膜記録ヘッド形状とテープ配向との関係を示す。
【0017】
図7の薄膜記録ヘッド30は左右対称に作成されているが、アジマス角−25°のため、走行トラックに対しリーディングコア31が飛び出している側と、トレーリングコア32が飛び出している側があり、それぞれ上エッジ側(Upper Edge side)、下エッジ側(Lower Edge side)と呼ぶことにする。
【0018】
蒸着テープに薄膜記録ヘッド(30)で記録したときに生じるサイドイレーズ幅SEB(Side Erase Band)の記録角依存性を図8に示す。図8において、記録角0°と180°では上エッジ側、下エッジ側がほぼ等しく0.3μm程度である。ヘッド形状の走行方向に対する非対称性よりはテープ配向方向に対する対称性の影響が強く現れている。記録角±90°では上エッジ側も下エッジ側もSEBは小さくなる。
【0019】
しかし、前記薄膜記録ヘッド30で記録しAMRヘッドで再生した出力の記録角依存性を示す図9のように、記録角90°付近は自トラックの信号が小さく、MFMの信号も弱い。したがってこの角度の使用は現実的に有り得ない。
【0020】
図10に自トラック幅とその左右のSEBの合計、すなわちオーバーライトにより下書きパターンが消される幅の記録依存性を示す。この値はほぼ一定であり、順方向走行領域(−90°〜+90°)では3.5μm、逆方向走行領域(+90°〜180°)では3.3μmである。
【0021】
(1)記録角-90〜0°(マイナスチャンネルヘッド相当)の場合
図8より記録角の絶対値が大きくなるにつれ、SEBの上エッジ側も下エッジ側も小さくなり、図11の実効トラック幅の記録角依存性に示すように、実効トラック幅Tw,effは大きくなっている。SEBは、上エッジ側が大きく、下エッジ側は小さい。
【0022】
(2)記録角0〜90°(プラスチャンネルヘッド相当)の場合
図8のようにSEBは下エッジ側が大きくなり40°付近でピークとなり0.7μm程度と最も幅広く消されている。これはヘリカルスキャンドライブではプラスチャンネルの下エッジ側に相当する。
【0023】
図12に一例として、ドライブで記録したトラックのMFM解析を示す。図12によれば、プラスチャンネルの下エッジ側のトラック境界がシャープではなく、もやもやしている像が得られており、プラスチャンネルの下側トラックエッジのサイドイレーズが大きいことがわかる。
【0024】
一方、上エッジ側のSEBは記録角が大きくなるにつれ小さくなり、クッキリと書かれている。
【0025】
(3)記録角90〜180°(蒸着テープの逆方向走行に相当)の場合
図8のように記録角が90°の線を越えて、逆方向領域に入ると急激にSEBが大きくなっており、下エッジ側のSEBの方が大きい。
【0026】
図8の順方向走行領域(−90〜90°)におけるSEBの大雑把な傾向として、記録角0°で大きく、±90°で小さい。±90°が小さいのは媒体のクロストラック方向のHcが高く、配向分散が小さいこと、ヘッドフリンジング磁界の90°成分が小さいことなどが上げられる。
【0027】
その中で、上エッジ側、下エッジ側の優劣については次のように考えられる。磁気記録シミュレーションにて記録メカニズムを検討した結果、通常の蒸着テープの順方向ではリーディングの磁界が記録磁化の方向を決定し、逆方向ではトレーリング側の磁界が影響することが分っている。
【0028】
この考えがフリンジング磁界にも適用できるとすると、SEBが大きいのは順方向領域(−90〜90°)では図7のリーディングコア31側に近いフリンジング磁界がテープ配向方向と一致する場合で、記録角-90〜0°では上エッジ側、記録角0〜90°では下エッジ側となる。逆方向領域(90〜180°)ではトレーリングコア32に近いフリンジング磁界がテープ配向方向に合致する場合で下エッジ側となる。
【0029】
図7の、使用したヘッド(30)はアジマス−25°のため、下エッジ側ではトレーリングコア32はトラック境界部から隣接トラック側へ張り出している。トレーリングコア32(UPPER CORE)はプロセス上、飽和しやすいため、隣接トラックを消去する効果もあると考えられる。この効果が加え合わさり記録角0〜90°の下エッジ側はSEBが非常に大きくなっている。記録角-90〜0°の上エッジ側では逆にトレーリングコア32が隣接トラックから遠ざかるため、SEBは小さく抑えられていると考えられる。記録角が90〜180°では逆方向条件のため、トレーリングコア32の飽和で、自分自身のトラックを消している(SELF-ERASE)と考えられる。
【0030】
前記図2で述べた従来の記録方法では、磁気テープ11の上エッジ側のトラック端は次にスキャンするチャンネルのヘッドによって消されるが、両チャンネル下エッジ側のトラック端が残ってしまいサイドイレーズによる影響を受けてしまう。
【0031】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものでその目的は、サイドイレーズによる影響を抑制することができる磁気記録再生装置、磁気記録ヘッド装置および磁気記録方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0032】
上記課題を解決するための本発明の磁気記録再生装置は、回転ドラムに搭載された磁気ヘッドによってヘリカルスキャン方式で蒸着テープに記録再生を行う磁気記録再生装置において、回転ドラムの周面の所定位置に搭載された、所定アジマス角を有したプラスチャンネル磁気ヘッドと、前記プラスチャンネル磁気ヘッドと180度対向した回転ドラム周面に、該プラスチャンネル磁気ヘッドよりも所定高さ低く搭載された、所定アジマス角を有したマイナスチャンネル磁気ヘッドとを備え、先行走行させた前記プラスチャンネル磁気ヘッドによって記録したトラックの、蒸着テープ下エッジ側端部の所定トラック幅部位を、後続走行させた前記マイナスチャンネル磁気ヘッドによって上書きすることを特徴としている。
【0033】
また本発明の磁気記録ヘッド装置は、回転ドラムに搭載された磁気ヘッドによってヘリカルスキャン方式で蒸着テープに記録を行う磁気記録ヘッド装置において、回転ドラムの周面の所定位置に搭載された、所定アジマス角を有したプラスチャンネル磁気ヘッドと、前記プラスチャンネル磁気ヘッドと180度対向した回転ドラム周面に、該プラスチャンネル磁気ヘッドよりも所定高さ低く搭載された、所定アジマス角を有したマイナスチャンネル磁気ヘッドとを備え、先行走行させた前記プラスチャンネル磁気ヘッドによって記録したトラックの、蒸着テープ下エッジ側端部の所定トラック幅部位を、後続走行させた前記マイナスチャンネル磁気ヘッドによって上書きすることを特徴としている。
【0034】
また本発明の磁気記録方法は、回転ドラムの周面の所定位置に搭載された、所定アジマス角を有したプラスチャンネル磁気ヘッドと、前記プラスチャンネル磁気ヘッドと180度対向した回転ドラム周面に、該プラスチャンネル磁気ヘッドよりも所定高さ低く搭載された、所定アジマス角を有したマイナスチャンネル磁気ヘッドとを備え、ヘリカルスキャン方式で蒸着テープに記録を行う磁気記録方法であって、先行走行させた前記プラスチャンネル磁気ヘッドによって第1のトラックを形成する第1のステップと、前記第1のトラックの、蒸着テープ下エッジ側端部の所定トラック幅部位を、後続走行させた前記マイナスチャンネル磁気ヘッドによって上書きする第2のステップとを交互に繰り返し実行することを特徴としている。
【0035】
上記構成によれば、蒸着テープの磁性層の配向と磁気ヘッド磁界の関係からサイドイレーズが大きくなる、プラスチャンネル磁気ヘッド下エッジ側の部位を消去することができる。このためサイドイレーズによる影響を抑えることができる。
【発明の効果】
【0036】
(1)請求項1〜3に記載の発明によれば、蒸着テープの配向と磁気ヘッド磁界の関係からサイドイレーズが大きくなる部位を消去することができ、これによって、蒸着テープを用いてアジマス記録を行なうヘリカルスキャン高密度磁気記録装置において、オフトラックマージンを増加できる。また本発明を使用すれば、更なるトラック幅方向の高密度化が可能であり、さらに、大容量でビットあたりの単価が低価格なシステムを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明するが、本発明は下記の実施形態例に限定されるものではない。
【0038】
本発明の磁気記録方法は、トラックピッチが2.0μm以下のヘリカルスキャンテープシステムで蒸着テープを用い、アジマス記録を行なう場合、図1(d)のように、プラスアジマスヘッド(+ch)を先行して走行記録し、後からマイナスアジマスヘッド(−ch)を走行させてプラスアジマスヘッドのトラック端を戻り書きによりオーバーライト消去する。
【0039】
すなわち、図1(d)の(1)、(2)、(3)、(4)の順に記録を行うことにより、サイドイレーズとしてはマイナスチャンネル(−ch)の影響のみがパターン上に残る。このためアジマス角25°、トラック角5°のヘリカルスキャンシステムでは、記録角が-30°となり、前記図8から、マイナスチャンネルの下エッジ側のSEBは0.1μm、同、上エッジ側のSEBは0.2μmに抑えられる。
【0040】
このようにして記録ヘッドを走査することで高トラック密度磁気記録システムを構築することが出来、また、高転送レートでbit当りの単価が安価なシステムを実現することができる。
【0041】
上記本発明の磁気記録方法を実現するための磁気記録再生装置又は磁気記録ヘッド装置は図1(a)〜(c)のように構成される。
【0042】
図1(a)〜(c)において、回転ドラム12の周面には、薄膜ヘッドから成る記録ヘッド13A(Ach;プラスチャンネル)が搭載され、このプラスチャネルの記録ヘッド13Aと180°対向した回転ドラム12の周面には、該記録ヘッド13Aよりも所定高さ低く、薄膜ヘッドから成る記録ヘッド13B(Bch;マイナスチャンネル)が搭載されている。
【0043】
尚、図1(a)〜(c)では装置の要部構成のみを表しており、周辺の装置は図示省略している。回転ドラム12の回転によりまずプラスチャンネルの記録ヘッド13Aがスキャンされて、磁気テープ(蒸着テープ)11上にAch(プラスチャンネル)トラック(1)が形成される。次にマイナスチャンネルの記録ヘッド13Bが戻ってスキャンされ(記録ヘッド13Bが記録ヘッド13Aよりも低い位置に取り付けられているため戻り書きが行われる)、Bch(マイナスチャンネル)トラック(2)が形成される。
【0044】
この際Achトラック(1)、すなわちプラスチャンネルの、下エッジ側端の所定幅部位がオーバーライト消去され、プラスチャンネルの下エッジ側のサイドイレーズによる影響は抑制される。
【0045】
そして以降、前記(1)、(2)が交互に繰り返し形成されるものである。
【0046】
尚図1(d)におけるテープ進行方向は図1(a)の進行方向とは逆である。
【0047】
また記録ヘッド13A(プラスチャンネル)と記録ヘッド13B(マイナスチャンネル)の取り付け位置、高さはテープスピード、ドラムスピード、トラック幅等、フォーマットにより適宜決定するものである。
【0048】
前記記録ヘッド13A,13Bのアジマス角は20°〜45°とする。
【0049】
また比較例として、本実施例と同一のアジマス角25°、トラック角5°のヘリカルスキャンシステムで、従来の図2に示す走査方法により記録した場合、プラスチャンネルの記録角は+20°となる。この場合前記図8から、プラスチャンネルの下エッジ側のSEBは0.45μm、マイナスチャンネルの下エッジ側のSEBは0.1μmとなり、これらがトラック端に記録されることになり、実施例のようなSEB抑制効果を得ることは出来ない。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施形態例を表し、(a)は磁気テープに形成されるトラックを示す説明図、(b)は記録ヘッドを搭載した回転ドラムの平面略図、(c)は記録ヘッドを搭載した回転ドラムの側面図、(d)は記録順序を示す説明図。
【図2】従来の磁気記録再生装置の要部を表し、(a)は磁気テープに形成されるトラックを示す説明図、(b)は記録ヘッドを搭載した回転ドラムの平面略図、(c)は記録ヘッドを搭載した回転ドラムの側面図。
【図3】本発明に係る磁気テープのテープ切り出しパターンの説明図。
【図4】本発明に係る磁気ヘッドの記録電流の記録角依存性を示す特性図。
【図5】薄膜記録ヘッド形状のテープ磁性面上への投影とMFM像との関連を示す説明図。
【図6】テープ磁性面上での走行トラックの定義を示す説明図。
【図7】テープ磁性面上での薄膜記録ヘッドとテープ配向との配置関係を示す説明図。
【図8】サイドイレーズ幅の記録角依存性を示す特性図。
【図9】薄膜記録ヘッドで記録しAMRヘッドで再生した出力の記録角依存性を示す特性図。
【図10】実効トラック幅とサイドイレーズ幅の合計の記録角依存性を示す特性図。
【図11】実効トラック幅の記録角依存性を示す特性図。
【図12】記録パターンのMFM像を表す説明図。
【符号の説明】
【0051】
11…磁気テープ、12…回転ドラム、13A,13B…記録ヘッド、30…薄膜記録ヘッド、31…リーディングコア、32…トレーリングコア。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転ドラムに搭載された磁気ヘッドによってヘリカルスキャン方式で蒸着テープに記録再生を行う磁気記録再生装置において、
回転ドラムの周面の所定位置に搭載された、所定アジマス角を有したプラスチャンネル磁気ヘッドと、
前記プラスチャンネル磁気ヘッドと180度対向した回転ドラム周面に、該プラスチャンネル磁気ヘッドよりも所定高さ低く搭載された、所定アジマス角を有したマイナスチャンネル磁気ヘッドとを備え、
先行走行させた前記プラスチャンネル磁気ヘッドによって記録したトラックの、蒸着テープ下エッジ側端部の所定トラック幅部位を、後続走行させた前記マイナスチャンネル磁気ヘッドによって上書きすることを特徴とする磁気記録再生装置。
【請求項2】
回転ドラムに搭載された磁気ヘッドによってヘリカルスキャン方式で蒸着テープに記録を行う磁気記録ヘッド装置において、
回転ドラムの周面の所定位置に搭載された、所定アジマス角を有したプラスチャンネル磁気ヘッドと、
前記プラスチャンネル磁気ヘッドと180度対向した回転ドラム周面に、該プラスチャンネル磁気ヘッドよりも所定高さ低く搭載された、所定アジマス角を有したマイナスチャンネル磁気ヘッドとを備え、
先行走行させた前記プラスチャンネル磁気ヘッドによって記録したトラックの、蒸着テープ下エッジ側端部の所定トラック幅部位を、後続走行させた前記マイナスチャンネル磁気ヘッドによって上書きすることを特徴とする磁気記録ヘッド装置。
【請求項3】
回転ドラムの周面の所定位置に搭載された、所定アジマス角を有したプラスチャンネル磁気ヘッドと、前記プラスチャンネル磁気ヘッドと180度対向した回転ドラム周面に、該プラスチャンネル磁気ヘッドよりも所定高さ低く搭載された、所定アジマス角を有したマイナスチャンネル磁気ヘッドとを備え、ヘリカルスキャン方式で蒸着テープに記録を行う磁気記録方法であって、
先行走行させた前記プラスチャンネル磁気ヘッドによって第1のトラックを形成する第1のステップと、
前記第1のトラックの、蒸着テープ下エッジ側端部の所定トラック幅部位を、後続走行させた前記マイナスチャンネル磁気ヘッドによって上書きする第2のステップと
を交互に繰り返し実行することを特徴とする磁気記録方法。
【請求項1】
回転ドラムに搭載された磁気ヘッドによってヘリカルスキャン方式で蒸着テープに記録再生を行う磁気記録再生装置において、
回転ドラムの周面の所定位置に搭載された、所定アジマス角を有したプラスチャンネル磁気ヘッドと、
前記プラスチャンネル磁気ヘッドと180度対向した回転ドラム周面に、該プラスチャンネル磁気ヘッドよりも所定高さ低く搭載された、所定アジマス角を有したマイナスチャンネル磁気ヘッドとを備え、
先行走行させた前記プラスチャンネル磁気ヘッドによって記録したトラックの、蒸着テープ下エッジ側端部の所定トラック幅部位を、後続走行させた前記マイナスチャンネル磁気ヘッドによって上書きすることを特徴とする磁気記録再生装置。
【請求項2】
回転ドラムに搭載された磁気ヘッドによってヘリカルスキャン方式で蒸着テープに記録を行う磁気記録ヘッド装置において、
回転ドラムの周面の所定位置に搭載された、所定アジマス角を有したプラスチャンネル磁気ヘッドと、
前記プラスチャンネル磁気ヘッドと180度対向した回転ドラム周面に、該プラスチャンネル磁気ヘッドよりも所定高さ低く搭載された、所定アジマス角を有したマイナスチャンネル磁気ヘッドとを備え、
先行走行させた前記プラスチャンネル磁気ヘッドによって記録したトラックの、蒸着テープ下エッジ側端部の所定トラック幅部位を、後続走行させた前記マイナスチャンネル磁気ヘッドによって上書きすることを特徴とする磁気記録ヘッド装置。
【請求項3】
回転ドラムの周面の所定位置に搭載された、所定アジマス角を有したプラスチャンネル磁気ヘッドと、前記プラスチャンネル磁気ヘッドと180度対向した回転ドラム周面に、該プラスチャンネル磁気ヘッドよりも所定高さ低く搭載された、所定アジマス角を有したマイナスチャンネル磁気ヘッドとを備え、ヘリカルスキャン方式で蒸着テープに記録を行う磁気記録方法であって、
先行走行させた前記プラスチャンネル磁気ヘッドによって第1のトラックを形成する第1のステップと、
前記第1のトラックの、蒸着テープ下エッジ側端部の所定トラック幅部位を、後続走行させた前記マイナスチャンネル磁気ヘッドによって上書きする第2のステップと
を交互に繰り返し実行することを特徴とする磁気記録方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図5】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図5】
【図12】
【公開番号】特開2008−59716(P2008−59716A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−237607(P2006−237607)
【出願日】平成18年9月1日(2006.9.1)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月1日(2006.9.1)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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