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磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録媒体の製造装置
説明

磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録媒体の製造装置

【課題】湿潤状態の磁性層が配向前に乾燥することを防止して、磁性層の角型比の低下を防止する磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録媒体の製造装置を提供する。
【解決手段】帯状の支持体と、該支持体に形成された磁性粒子を含む磁性層とを備える磁気記録媒体の製造方法であって、支持体に磁性粒子を含む塗布液を塗布して磁性塗布層を形成する塗布工程と、磁性塗布層が湿潤状態である支持体を、配向装置内に搬送して、磁性粒子を配向するとともに、磁性塗布層を乾燥させる配向乾燥工程と、を有し、配向装置の支持体が搬入される搬入口における風速が、−0.4m/s以上、2.5m/s以下(但し、搬入口に流れ込む場合が正、搬入口から流れ出る場合が負である。)である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録媒体の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、電子データの記録や保存のための磁気記録媒体として磁気テープが普及している。磁気テープとしては、可撓性の支持体上に、非磁性層と、磁性粒子を含む磁性層とが積層された構成のものが知られている。磁気テープ等の磁気記録媒体の磁性層は、支持体の非磁性層上に磁性粒子を含む塗布液を塗布して磁性塗布層を形成し、この磁性塗布層が湿潤状態であるうちに配向を行い、乾燥させて固化させることで形成される。配向は、磁性塗布層を磁界に曝すことで、磁性塗布層に含まれる磁性粒子の向きを一定にする処理である。
【0003】
高い角型比を得るため、磁性塗布層の流動性が保たれている湿潤状態のまま、配向しつつ乾燥を行う配向が提案されている。このような配向としては、湿潤状態の磁性塗布層が設けられた支持体を配向部へ搬送し、配向部で永久磁石やコイルによって発生された磁界中を通過させつつ、配向部で乾燥風を吹き付けることで、磁性粒子の配向と磁性塗布層の乾燥とを同時に行う方法がある(下記特許文献1から4参照)。
【0004】
そして、下記特許文献4には、支持体に磁性塗料を塗布してから配向装置までの到達時間と、配向の磁場強度とを所定の範囲とすることで、角型比が高い磁気記録媒体を製造する方法が示されている。
【0005】
また、下記特許文献2には、塗布膜を有する支持体を搬送しながら、風を送って塗布膜の乾燥を行う際に、その風の吹き出し口の位置や風速を制御して乾燥を防ぐ技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特公平6−103530号公報
【特許文献2】特開2001−344749号公報
【特許文献3】特開2008−77815号公報
【特許文献4】特開2006−331575号公報
【特許文献5】特開2005−114188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、いずれの文献にも、配向と乾燥を同時に行う際の、乾燥風の方向、強さ等と、製造された磁気記録媒体の磁気特性、特に、角型比との関係については、記載されていない。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、湿潤状態の磁性塗布層の乾燥の開始が早まることを抑えることで、得られる磁気記録媒体の磁性層の角型比が良好な磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録媒体の製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、帯状の支持体と、該支持体に形成された磁性粒子を含む磁性層とを備える磁気記録媒体の製造方法であって、
前記支持体に前記磁性粒子を含む塗布液を塗布して磁性塗布層を形成する塗布工程と、
前記磁性塗布層が湿潤状態である前記支持体を、配向装置内に搬送して、前記磁性粒子を配向するとともに、前記磁性塗布層を乾燥させる配向乾燥工程と、を有し、
前記配向装置の前記支持体が搬入される搬入口における風速が、−0.4m/s以上、2.5m/s以下(但し、前記搬入口に流れ込む場合が正、前記搬入口から流れ出る場合が負である。)である磁気記録媒体の製造方法である。
【0010】
また、本発明は、帯状の支持体と、該支持体に形成された磁性粒子を含む磁性層とを備える磁気記録媒体の製造装置であって、
前記支持体に前記磁性粒子を含む塗布液を塗布して磁性塗布層を形成する塗布手段と、
前記磁性塗布層が湿潤状態である前記支持体を、配向装置内に搬送して、前記磁性粒子を配向するとともに、前記磁性塗布層を乾燥させる配向乾燥手段と、を有し、
前記配向装置の前記支持体が搬入される搬入口における風速が、−0.4m/s以上、2.5m/s以下(但し、前記搬入口に流れ込む場合が正、前記搬入口から流れ出る場合が負である。)である磁気記録媒体の製造装置である。
【0011】
搬入口における風速が高すぎると、搬入口を通過する際に、磁性塗布層に吹き付けられる風によって磁性塗布層の乾燥の開始が早まる。すると、磁性塗布層の流動性が低下し、磁性粒子の配向が適正に行われなくなる。
搬入口における風速を−0.4m/s以上、2.5m/s以下とすることで、搬入口を通過する際に磁性塗布層の乾燥の開始が早まることが抑えられ、磁性塗布層の流動性を確保でき、磁性粒子の配向を適正に行うことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、湿潤状態の磁性塗布層の乾燥の開始が早まることを抑えることで、得られる磁気記録媒体の磁性層の角型比が良好な磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録媒体の製造装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】製造される磁気テープの断面を概略的に示す図である。
【図2】磁気テープの製造装置を示す図である。
【図3】配向装置を示す図である。
【図4】配向装置の他の例を示す図である。
【図5】配向装置の他の例を示す図である。
【図6】配向装置の他の例を示す図である。
【図7】配向装置の他の例を示す図である。
【図8】配向装置の他の例を示す図である。
【図9】磁性粒子の形状の種類と、それぞれ磁界をかけたときの容易磁化方向を示す模式図である。
【図10】外部磁界の向きを示す図である。
【図11】配向装置の搬入口における風速と角型比との関係を示すグラフである。
【図12】磁性層の厚さと角型比との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、磁気記録媒体の一例として磁気テープの製造手順とそれに用いる製造装置の構成を説明する。
【0015】
図1は、製造される磁気テープの断面を概略的に示す図である。
製造される磁気テープMTは、支持体B上に、非磁性層1と、磁性層2とが積層されている。
【0016】
図2は、磁気テープの製造装置を示す図である
製造装置10は、長尺帯状の支持体Bが巻回された送り出しロール11と、非磁性層と磁性層とが順に形成された支持体Bを巻き取りロール19を有し、送り出しロール11から送り出された支持体Bを搬送経路に沿って搬送しながら、磁気テープを製造するものである。
【0017】
製造装置10は、搬送される支持体Bの搬送方向の上流側から順に、第1の塗布装置12と、乾燥装置13と、第2の塗布装置14と、磁性層の配向及び乾燥を行なう配向装置20とを備えている。また、支持体Bの搬送経路には、搬送される支持体Bの記録面(磁性層及び非磁性層が設けられる側の面)の反対側を支持するガイドローラ6が適宜設けられている。
【0018】
第1の塗布装置12は、非磁性粒子を含む塗布液を支持体Bの上面に塗布し、非磁性塗布層を形成する。
【0019】
乾燥装置13は、第1の塗布装置12で形成された非磁性塗布層を乾燥させる。非磁性塗布層は、乾燥によって固化し、非磁性層になる。
【0020】
第2の塗布装置14は、非磁性層上に、磁性粒子を含む塗布液を塗布し、磁性塗布層を形成する。磁性塗布層は、湿潤状態のまま下流側へ搬送される。
【0021】
配向装置20は、湿潤状態の磁性塗布層に含まれる磁性粒子を配向するとともに、磁性塗布層を乾燥させる。
【0022】
配向装置20は、搬送方向の上流側から順に、外側排気部16と、配向部22と、乾燥部18とを備える。
【0023】
配向部22は、磁性塗布層が形成された支持体Bが搬送される空間を有する。配向部22内には、磁界を発生させる磁石25が搬送経路に沿って複数並べられている。磁石25は、搬送経路を挟んで対となるように配置され、この対が搬送経路に沿って間隔をおいて複数並べられている。対となる磁石25は、それぞれ対向する部位の磁極が異なるように配置されている。このとき、対となる磁石25同士の間に発生する磁界の向きは、搬送される支持体Bの面に対して垂直となる。
【0024】
また、配向部22には給気孔24aと排気孔24bが設けられている。給気孔24aは、配向部22の内部へ高温の乾燥風を導入する。導入された乾燥風は、搬送方向に並んだ磁石25同士の隙間を通過し、配向部22内を搬送される支持体の磁性塗布層を乾燥させる。排気孔24bは、配向部22内の乾燥風を外部へ排気する。
【0025】
このように配向部22では、支持体Bに形成された磁性塗布層は、磁石25の磁界に曝されることで、磁性塗布層に含まれる磁性粒子が磁界の向きに応じて移動し、磁性粒子の配向が行われる。また、配向部22では、乾燥風によって磁性塗布層の乾燥が行われる。
【0026】
外側排気部16は、配向部22から上流側に漏れ出た乾燥風を排気孔16aから外部へ排気する。外側排気部16を設ける目的は、配向部22の内部で給気孔24aから導入した乾燥風が排気孔24bから外部へ排出されるものの、乾燥風の一部が配向部22の入り口から上流側に漏れ出ることがあるためである。外側排気部16を設けることで、漏れ出た乾燥風が磁性塗布層を乾燥させてしまうことを抑えることができる。
【0027】
乾燥部18は、配向部22から搬送されてくる磁性塗布層を更に乾燥させる。なお、乾燥部18を設けずに、配向部22内の乾燥風でのみ磁性塗布層の乾燥を完了させてもよい。磁性塗布層は乾燥して固化することで磁性層となる。
【0028】
磁性層及び非磁性層が形成された支持体Bは、巻き取りロール19に巻き取られて、図示しないカレンダ工程等の次工程に送られた後、所望のテープ幅に裁断され、磁気テープが完成する。
【0029】
図2の製造装置10では、配向装置20の外側排気部16の上流側に、磁性層が塗布された支持体Bを配向装置20内へ導き入れる搬入口が設けられている。
【0030】
外側排気部16は、搬送経路近傍の空気を吸い込み排気孔16aから排出するため、搬入口(すなわち、配向装置20の搬入口)では、該搬入口の上流側から外側排気部16の内部へ向かう空気の流れが生じる。このため、搬入口では、図2中の矢印Fで示すように、搬入口へ向かって流れ込む風が生じる。
【0031】
搬入口における風速は、−0.4m/s以上、2.5m/s以下である(但し、搬入口に流れ込む場合が正、搬入口から流れ出る場合が負である。以下の説明においても同じとする。)。
【0032】
第2の塗布装置14で塗布された磁性塗布層は、湿潤状態を保ったまま配向装置20の配向部22へ搬送される。搬入口における風の風速を上記の範囲とすることで、磁性塗布層の乾燥の開始が早くなることを抑えられるため、磁性塗布層に含まれる磁性粒子の流動性が十分に確保され、磁性粒子の配向を適正に行うことができる。
【0033】
以上、支持体Bに非磁性塗布層を塗布し、該非磁性塗布層の乾燥、固化を行った後で、磁性塗布層を形成する、所謂、逐次塗布(ウェットオンドライ)方式を例に説明した。逐次塗布方式では、乾燥した非磁性層の上に磁性塗布層を塗布するため、磁性塗布層に含まれる溶媒が、非磁性層へ浸透し、磁性塗布層の溶媒濃度が実質的に低下し、乾燥の開始が早まるが、搬入口における風速を上記の範囲とすることにより、磁性塗布層の乾燥の開始が早くなることを抑えることができる。非磁性塗布層の乾燥前に磁性塗布層を形成する、ウェットオンウェット方式では、磁性塗布層に含まれる溶媒の非磁性塗布層への浸透によって生じる磁性塗布層の溶媒濃度の低下が比較的に発生し難いため、上記した風速の範囲より広い範囲でも良好な角型比が得られる。
【0034】
配向装置は、図2の例に限定されない。搬入口の風速を上述の範囲とすることができれば変更可能である。以下に、配向装置の他の例を示す。なお、以下に説明する実施形態において、すでに説明した部材などと同等な構成・作用を有する部材等については、図中に同一符号又は相当符号を付すことにより、説明を簡略化或いは省略する。
【0035】
図3に示す配向装置は、配向部22の上流側に、外側排気部を備えていない構成である。この例では配向部22の搬入口が配向装置の搬入口である。搬入口に流れる風Fの風速は、給気孔24aから導入される乾燥風の給気量と排気孔24bから排出される排気量を調整することによって、−0.4m/s以上、2.5m/s以下に調整される。
【0036】
図4に示す配向装置は、配向部22の上流側に、外側排気部を備えていない構成であって、配向部22の搬入口が配向装置の搬入口である。また、配向部22の内部の搬入口の近傍に、支持体Bの搬送方向の下流側へ向かって乾燥風を吹き出す吹出口26が設けられている。
【0037】
この例によれば、吹出口26からの乾燥風が下流側へ向かって流れており、比較的に低温の、搬入口上流側の空気が、配向部22に流れ込む。そのため、上流側から配向部22の搬入口まで搬送される支持体Bが、比較的に高温の乾燥風に曝されることがなく、磁性塗布層の乾燥がゆっくり進む。そして、磁性塗布層に含まれる磁性粒子の流動性が保たれた状態で(すなわち未乾燥状態が保たれた状態で)、配向部22の内部へ搬送される。この結果、配向部22で、磁性粒子が十分に配向され、乾燥による固化が完了する。
【0038】
この例では、搬入口に流れる風Fの風速は、給気孔24aから導入される乾燥風の給気量と排気孔24bから排出される排気量だけでなく、吹出口26の風量によって調整される。この例でも、搬入口における風速を、−0.4m/s以上、2.5m/s以下に調整する。
【0039】
吹出口26からの乾燥風は、図のように、他の乾燥風と同じように給気孔24aから導入したものの一部を分配してもよいし、又は別の空調装置から送風されてもよい。
【0040】
図5の配向装置は、配向部22から漏れ出た乾燥風と、外側排気部22の上流側の搬入口から吸い込まれる周囲の雰囲気空気とを外側排気部16の排気孔16aから排出する。漏れ出た乾燥風は比較的に高温であり、一方で雰囲気空気は比較的に低温である。
【0041】
この例では、搬入口に流れる風Fの風速は、給気孔24aから導入される乾燥風の給気量と排気孔24bから排出される排気量だけでなく、外側排気部16の排気量によって調整される。この例でも、搬入口における風速を、−0.4m/s以上、2.5m/s以下に調整する。
【0042】
図6の配向装置は、配向部22の上流側に遮風部材28が設けられている。遮風部材28は、板状に形成され、搬送される支持体Bを通過させるための搬入口を有している。この搬入口が配向装置の搬入口である。遮風部材28は、配向部22の内部の乾燥風が、搬送経路の上流側へ漏れ出てしまうことを防止している。
【0043】
図7の配向装置は、図6と同様に配向部22の上流側に遮風部材28が設けられている点で同じである。図7の配向装置は、更に、遮風部材28を覆うように外側排気部16が設けられている。この例では、配向部22から流れ出た風が遮風部材28によって上流側に沿って流れることが抑えられ、遮風部材28によって遮られた風が外側排気部16によって排気される。この例によれば、図6の例にくらべて、配向装置の上流側に位置する塗布装置近傍へ高温の乾燥風が流れ出て、磁性塗布層の乾燥の開始を早めることをより確実に抑えられる。
【0044】
図6及び図7の例では、遮風部材28と搬送される支持体との隙間が広過ぎると、この隙間から乾燥風の一部が漏れ出して塗布装置の近傍に達しやすくなり、逆に、狭過ぎると、遮風部材28に支持体が接触しやすくなる。このため、遮風部材28と搬送される支持体Bとの隙間を適宜に設定する必要がある。遮風部材28は、図のように、支持体の搬送方向に略垂直に設置してもよいし、角度をつけてもよい。風の向きを変える方向に応じて、遮風部材28の設置角度を変えてもよい。
【0045】
図6及び図7の例では、搬入口に流れる風Fの風速は、給気孔24aから導入される乾燥風の給気量と排気孔24bから排出される排気量だけでなく、遮風板28の開口の大きさによって調整される。この例でも、遮風部材28に設けられた搬入口における風速を、−0.4m/s以上、2.5m/s以下に調整する。
【0046】
なお、遮風部材28は板状としたが、配向部から流れ出た乾燥風を上流側へ流さないように遮ることができれば、形状は特に限定されない。
【0047】
図8の配向装置は、配向部22の上流側に減衰部材31が設けられた構成である。減衰部材31は、搬送される支持体の両側の面に対して所定の間隔をおくように配置される。この例では、減衰部材31に、搬送させる支持体Bを通過させるための搬入口が設けられている。この例では、搬入口に流れる風Fの風速は、給気孔24aから導入される乾燥風の給気量と排気孔24bから排出される排気量だけでなく、減衰部材31の搬入口の大きさや、減衰部材31の材質によって調整される。この例でも、搬入口における風速を、−0.4m/s以上、2.5m/s以下に調整する。
【0048】
減衰部材31は、配向部22から流れ出た乾燥風の勢いを弱め、乾燥風が搬送経路に沿って上流側の塗布装置の方へ流れることを抑える。減衰部材31により、配向部22から流れ出た乾燥風の勢いが弱まり、上流側に配される塗布装置に達していない。このため、配向部22へ搬送される前の支持体Bが、比較的に高温の乾燥風に曝される距離が短くなる。すると、磁性塗布層の乾燥の開始が早くならず、磁性塗布層の中に含まれる磁性塗布層の流動性が保たれた湿潤状態で、配向部22へ搬送される。この結果、配向部22で、磁性粒子が十分に配向され、乾燥による固化が完了する。
【0049】
減衰部材としては、多孔板のような部材、グラスウール、不織布のような部材、スポンジ、軽石、多孔質セラミックのような部材が、使用できる。
【0050】
上述した配向装置の例では、配向部に磁界を発生させるために複数の磁石を配置した構成を説明したが、磁界発生させるための部材としては磁石に限定されず、コイルであってもよい。また、磁石やコイルの数は特に限定されない。
【0051】
更に、上述した配向装置の例では、配向部に配置される複数の磁石又はコイルの隣り合うもの同士の隙間から、乾燥風を搬送される支持体B側へ吹き出す構成とした。しかし、乾燥を行うための構造を限定するものではない。
【0052】
配向部22の排気孔24bから排出された空気や、外側排気部16の排気孔16aから排出された空気は、図示しない空調装置に再び戻されてもよいし、該空調装置に戻されるのではなく図示しない排気処理装置へ送られてもよい。
【0053】
次に、支持体、非磁性塗布層の塗布液、磁性塗布層の塗布液のそれぞれについて説明する。
【0054】
非磁性塗布層の塗布液に含まれる非磁性材料の構成は制限されないが、通常、少なくとも樹脂からなり、好ましくは、粉体、例えば、無機粉末又は有機粉末が樹脂中に分散されたものが挙げられる。無機粉末は、通常、好ましくは非磁性粉末であるが、この層が実質的に非磁性である範囲で磁性粉末を使用してもよい。
【0055】
非磁性粉末としては、例えば、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物等の無機化合物から選択することができる。無機化合物としては、例えばα化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、θ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、ヘマタイト、ゲータイト、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデンなどが単独又は組合せで使用される。
【0056】
非磁性粉末の表面には表面処理が施され、Al、SiO、TiO、ZrO、SnO、Sb、ZnO、Yが存在することが好ましい。特に分散性に好ましいのはAl、SiO、TiO、ZrOであるが、更に好ましくはAl、SiO、ZrOである。これらは組み合わせてしようしてもよいし、単独で用いることもできる。また、目的に応じて共沈させた表面処理層を用いてもよいし、先ずアルミナを存在させた後にその表層をシリカで処理する方法、又はその逆の方法を採ることもできる。また、表面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わないが、均質で密である方が一般的には好ましい。
【0057】
非磁性粉末は結合剤に対して重量比率で20〜0.1、体積比率で10〜0.2の範囲で用いられる。又、特開昭59−142741号、同61−214127号、同63−140420号には下塗り層にSnOを含むことを規定している。これらは磁性塗布層に酸化鉄、若しくはBaFeを用いており、SnOより比重は小さいものであるが、いずれも磁性塗布層の下塗処方であり、その厚みは磁性塗布層に比べてはるかに薄いものであり、本発明とは別の発明である。
【0058】
磁性層に使用する磁性粒子としては、特に制限されるべきものではないが、α−Feを主成分とする強磁性金属粉末、γ−FeOx(x=1.33〜1.5)、Co変性γ−FeOx(x=1.33〜1.5)、Fe又はNi又はCoを主成分(75%以上)とする強磁性合金微粉末、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、窒化鉄など公知の強磁性粉末が使用できる。これらの強磁性粉末には所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、Bなどの原子を含んでもかまわない。これらの強磁性微粉末にはあとで述べる分散剤、潤滑剤、界面活性剤、帯電防止剤などで分散前にあらかじめ処理を行ってもかまわない。具体的には、特公昭44−14090号、同45−18372号、同47−22062号、同47−22513号、同46−28466号、同46−38755号、同47−4286号、同47−12422号、同47−17284号、同47−18509号、同47−18573号、同39−10307号、同48−39639号、米国特許第3026215号、同3031341号、同3100194号、同3242005号、同3389014号などに記載されている。
【0059】
磁性粒子は、当該磁性粒子の容易磁化方向をX方向とし、X方向に垂直な方向をY方向、X方向とY方向に垂直な方向をZ方向としたとき、当該磁性粒子のX方向の長さLx,Y方向の長さLy,Z方向の長さLzが、1≦Ly/Lx<10、及び、1≦Lz/Lx<10を満たす。磁性粒子は、その大きさが次の範囲のものを使用する。
【0060】
図9Aから図9Cは、磁性粒子の形状の種類と、それぞれ磁界をかけたときの容易磁化方向を示す模式図である。
【0061】
図9Aは、針状の磁性粒子を示し、このような磁性粒子としては、例えばマグネタイト(Fe)やマグヘマイト(γ -Fe)の結晶粒子があげられる。図9Aに示す磁性粒子は、1≦Lx/Ly<10、及び、1≦Lx/Lz<10(自明であるが、1=Lx/Lyかつ1=Lx/Lzの場合は除く)となるものを選択して用いることが好ましい。
【0062】
図9Bは、平板形状の磁性粒子を示し、このような磁性粒子としては、例えば、六方晶フェライト磁性粒子があげられる。図9Bに示す磁性粒子は、1≦Ly/Lx<10、及び、1≦Lz/Lx<10(自明であるが、1=Ly/Lxかつ1=Lz/Lxの場合は除く)となるものを選択して用いることが好ましい。
【0063】
図9Cは、球形状の磁性粒子を示し、このような磁性粒子としては、例えば、窒化鉄磁性粒子があげられる。球状の磁性粒子は、Ly/Lxが1で、Lz/Lxが1となる。
【0064】
上述のように、磁性塗布層に含まれる磁性粒子は、1≦Ly/Lx<10、及び、1≦Lz/Lx<10を満たすほうが本発明の効果が顕著である。その理由を、以下に記載する。
【0065】
図10は、外部磁界の向きを示している。
外部磁界の方向が、容易磁化方向であるX方向と同じならば、磁性体粒子を回転させる外力は働かない。外部磁界の方向が、容易磁化方向であるX方向と異なっている時、その磁性体粒子が受ける外力が、回転運動の駆動力となる。
【0066】
磁性体粒子が磁場から受ける外力の大きさFは以下のようになる。
F=−m・Lx・H・sinθ
(ただし、m;磁化量/H;外部磁界の大きさ
右辺の負号は、θが減少する方向に力が作用することを示す。)
【0067】
磁性体粒子の体積が一定であれば、
(Lx)板状<(Lx)球状<(Lx)針状
であり、磁化量mも一定であるので、
(F)板状<(F)球状<(F)針状
となる。すなわち、外部磁界による配向が難い順に、板状粒子、球状粒子、針状粒子である。
【0068】
上記強磁性粉末の中で強磁性合金微粉末については少量の水酸化物、又は酸化物を含んでもよい。強磁性合金微粉末の公知の製造方法により得られたものを用いることができ、下記の方法をあげることができる。複合有機酸塩(主としてシュウ酸塩)と水素などの還元性気体で還元する方法、酸化鉄を水素などの還元性気体で還元してFeあるいはFe−Co粒子などを得る方法、金属カルボニル化合物を熱分解する方法、強磁性金属の水溶液に水素化ホウ素ナトリウム、次亜リン酸塩あるいはヒドラジンなどの還元剤を添加して還元する方法、金属を低圧の不活性気体中で蒸発させて微粉末を得る方法などである。このようにして得られた強磁性合金粉末は公知の徐酸化処理、すなわち有機溶剤に浸漬したのち乾燥させる方法、有機溶剤に浸漬したのち酸素含有ガスを送り込んで表面に酸化膜を形成したのち乾燥させる方法、有機溶剤を用いず酸素ガスと不活性ガスの分圧を調整して表面に酸化皮膜を形成する方法のいずれを施したものでも用いることができる。
【0069】
磁性塗布層の強磁性粉末をBET法による比表面積で表せば25〜80m/gであり、好ましくは35〜60m/gである。25以下ではノイズが高くなり、80以上では表面性が得にくく好ましくない。強磁性粉末の結晶子サイズは450〜100オングストロームであり、好ましくは350〜150オングストロームである。酸化鉄磁性粉末のσ Sは50emu/g以上、好ましくは70emu/g以上であり、強磁性金属微粉末の場合は100emu/g以上が好ましい。
【0070】
強磁性粉末のr1500は1.5以下であることが好ましい。更に好ましくはr1500は1.0以下である。r1500とは磁気記録媒体を飽和磁化したのち反対の向きに1500Oeの磁場をかけたとき反転せずに残っている磁化量の%を示すものである。強磁性粉末の含水率は0.01〜2%とするのが好ましい。結合剤の種類によって強磁性粉末の含水率は最適化するのが好ましい。γ酸化鉄のタップ密度は0.5g/cc以上が好ましく、0.8g/cc以上が更に好ましい。
【0071】
γ酸化鉄を用いる場合、2価の鉄の3価の鉄に対する比は好ましくは0〜20%であり、更に好ましくは5〜10%である。鉄原子に対するコバルト原子の量は0〜15%、好ましくは2〜8%である。強磁性粉末のpHは用いる結合剤との組合せにより最適化することが好ましい。強磁性粉末のpHの範囲は4〜12であるが、好ましくは6〜10である。強磁性粉末は必要に応じ、Al、Si、P又はこれらの酸化物などで表面処理を施してもかまわない。その量は強磁性粉末に対し0.1〜10%であり表面処理を施すと脂肪酸などの潤滑剤の吸着が100mg/m以下になり好ましい。強磁性粉末には可溶性のNa、Ca、Fe、Ni、Srなどの無機イオンを含む場合があるが、500ppm以下であれば特に特性に影響を与えない。
【0072】
また、強磁性粉末は空孔が少ないほうが好ましくその値は20容量%以下、更に好ましくは5容量%以下である。強磁性粉末の形状は、先に示した粒子サイズについての特性を満足すれば針状、粒状、米粒状、板状いずれでもかまわない。強磁性粉末のSFD0.6以下を達成するためには、強磁性粉末の抗磁力(保持力)Hcの分布を小さくする必要がある。そのためには、ゲータイトの粒度分布をよくする、γ−ヘマタイトの焼結を防止する、コバルト変性の酸化鉄についてはコバルトの被着速度を従来より遅くするなどの方法がある。
【0073】
磁性粒子としては、板状六方晶フェライトとしてバリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、六方晶Co粉末が使用できる。バリウムフェライトを用いる場合、その粒子サイズは0.001〜1μmの直径で厚みが直径の1/2〜1/20である。比重は4〜6g/ccで、比表面積は1〜60m/gである。
【0074】
非磁性塗布層及び磁性塗布層に使用される結合剤としては、従来公知の熱可塑系樹脂、熱硬化系樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物が使用される。熱可塑系樹脂としては、ガラス転移温度が−100〜150℃、数平均分子量が1000〜200000、好ましくは10000〜100000、重合度が約50〜1000程度のものである。このような例としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビニルアセタール、ビニルエーテルなどを構成単位として含む重合体又は共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂がある。また、熱硬化性樹脂又は反応型樹脂としてはフエノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートの混合物、ポリウレタンとポリイソシアネートの混合物等があげられる。
【0075】
これらの樹脂については朝倉書店発行の「プラスチックハンドブック」に詳細に記載されている。また、公知の電子線硬化型樹脂を非磁性塗布層、又は磁性塗布層に使用することも可能である。これらの例とその製造方法については特開昭62−256219号に詳細に記載されている。以上の樹脂は単独又は組合せて使用できるが、好ましいものとして塩化ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニルビニルアルコール樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル無水マレイン酸共重合体の群から選ばれる少なくとも1種とポリウレタン樹脂の組合せ、又はこれらにポリイソシアネートを組合せたものがあげられる。
【0076】
ポリウレタン樹脂の構造はポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテルポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタン、ポリカプロラクトンポリウレタンなど公知のものが使用できる。ここに示したすべての結合剤について、より優れた分散性と耐久性を得るためには必要に応じ、COOM、SOM、OSOM、P=O(OM)、O−P=O(OM)、(以上につきMは水素原子、又はアルカリ金属塩基)、OH、NR、N、Rは炭化水素基)、エポキシ基、SH、CN、などから選ばれる少なくとも一つ以上の極性基を共重合又は付加反応で導入したものを用いることが好ましい。このような極性基の量は10−1〜10−8モル/gであり、好ましくは10−2〜10−6モル/gである。
【0077】
結合剤の具体的な例としては、ユニオンカーバイト社製:VAGH、VYHH、VMCH、VAGF、VAGD、VROH、VYES、VYNC、VMCC、XYHL、XYSG、PKHH、PKHJ、PKHC、PKFE、日信化学工業社製:MPR−TA、MPR−TA5、MPR−TAL、MPR−TSN、MPR−TMF、MPR−TS、MPR−TM、電気化学社製:1000W、DX80、DX81、DX82、DX83、日本ゼオン社製:MR110、MR100、400X110A、日本ポリウレタン社製:ニッポランN2301、N2302、N2304、大日本インキ社製:パンデックスT−5105、T−R3080、T−5201、バーノックD−400、D−210−80、クリスボン6109、7209、東洋紡社製:バイロンUR8200、UR8300、RV530、RV280、大日精化社製:ダイフエラミン4020、5020、5100、5300、9020、9022、7020、三菱化成社製:MX5004、三洋化成社製:サンプレンSP−150、旭化成社製:サランF310、F210などがあげられる。
【0078】
結合剤は強磁性粉末に対し、5〜50重量%の範囲、好ましくは10〜30重量%の範囲で用いられる。塩化ビニル系樹脂を用いる場合は、5〜30重量%、ポリウレタン樹脂合を用いる場合は2〜20重量%、ポリイソシアネートは2〜20重量%の範囲でこれらを組合せて用いるのが好ましい。
【0079】
ポリウレタン樹脂を用いる場合はガラス転移温度が−50〜100℃、破断伸びが100〜2000%、破断応力は0.05〜10Kg/cm、降伏点は0.05〜10Kg/cmが好ましい。磁気記録媒体は二層からなる。従って、結合剤量、結合剤中に占める塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイソシアネート、あるいはそれ以外の樹脂の量、磁性塗布層を形成する各樹脂の分子量、極性基量、あるいは先に述べた樹脂の物理特性などを必要に応じ非磁性塗布層と磁性塗布層とで変えることはもちろん可能である。
【0080】
ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、4−4’−ジフエニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフエニルメタントリイソシアネート等のイソシアネート類、また、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、また、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネート等を使用することができる。これらのイソシアネート類の市販されている商品名としては、日本ポリウレタン社製:コロネートL、コロネートHL、コロネート2030、コロネート2031、ミリオネートMR、ミリオネートMTL、武田薬品社製:タケネートD−102、タケネートD−110N、タケネートD−200、タケネートD−202、住友バイエル社製:デスモジュールL、デスモジュールIL、デスモジュールN、デスモジュールHL等があり、これらを単独又は硬化反応性の差を利用して二つ若しくはそれ以上の組合せで非磁性塗布層、磁性塗布層ともに用いることができる。
【0081】
磁性塗布層に使用されるカーボンブラックはゴム用フアーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を用いることができる。比表面積は5〜500m/g、DBP吸油量は10〜400ml/100g、粒子径は5mμm〜300mμm、pHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/ccが好ましい。カーボンブラックの具体的な例としてはキャボット社製:BLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、800、700、VULCAN XC−72、旭カーボン社製:♯80、♯60、♯55、♯50、♯35、三菱化成工業社製:♯2400B、♯2300、♯900、♯1000、♯30、♯40、♯10B、コンロンビアカーボン社製:CONDUCTEX SC、RAVEN 150、50,40,15などがあげられる。カーボンブラックを分散剤などで表面処理してもよく、又は、樹脂でグラフト化して使用してもよく、又は、表面の一部をグラフアイト化したものを使用してもよい。また、カーボンブラックを磁性塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これらのカーボンブラックは単独、又は組合せで使用することができる。カーボンブラックを使用する場合は強磁性粉末に対する量の0.1〜30%で用いることが好ましい。カーボンブラックは磁性塗布層の帯電防止、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強度向上などの働きがあり、これらは用いるカーボンブラックにより異なる。従って、カーボンブラックは非磁性塗布層、磁性塗布層でその種類、量、組合せを変え、粒子サイズ、吸油量、電導度、pHなどの先に示した諸特性をもとに目的に応じて使い分けることは当然可能である。例えば、非磁性層に導電性の高いカーボンブラックを用いることにより帯電を防止し、磁性塗布層に粒子径の大きいカーボンブラックを用い摩擦係数を下げるなどがあげられる。磁性塗布層で使用できるカーボンブラックは例えば「カーボンブラック便覧」(カーボンブラック協会編)を参考にすることができる。
【0082】
磁性塗布層に用いられる研磨剤としては、α化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、人造ダイアモンド、窒化珪素、炭化珪素チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素など主としてモース硬度6以上の公知の材料が単独又は組合せで使用される。また、これらの研磨剤どうしの複合体(研磨剤を他の研磨剤で表面処理したもの)を使用してもよい。これらの研磨剤には主成分以外の化合物又は元素が含まれる場合もあるが主成分が90%以上であれば効果にかわりはない。これら研磨剤の粒子サイズは0.01〜2μmが好ましいが、必要に応じて粒子サイズの異なる研磨剤を組合せてもよいし、単独の研磨剤で粒径分布を広くして同様の効果をもたせることもできる。タップ密度は0.3〜2g/cc、含水率は0.1〜5%、pHは2〜11、比表面積は1〜30m/g、が好ましい。研磨剤の形状は針状、球状、又はサイコロ状のいずれでも良いが、形状の一部に角を有するものは研磨性が高く、好ましい。
【0083】
研磨剤の具体的な例としては、住友化学社製:AKP−20,AKP−30,AKP−50,HIT−50、日本化学工業社製:G5,G7,S−1、戸田工業社製:100ED,140EDなどがあげられる。研磨剤は非磁性塗布層、磁性塗布層で種類、量及び組合せを変え、目的に応じて使い分けることはもちろん可能である。これらの研磨剤はあらかじめ結合剤で分散処理したのち磁性塗料中に添加してもかまわない。磁気記録媒体の磁性塗布層の表面及びその端面に存在する研磨剤は5個/100μm以上が好ましい。
【0084】
添加剤としては潤滑効果、帯電防止効果、分散効果、可塑効果、などを有するものが使用される。二硫化モリブデン、二硫化タングステングラフアイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基をもつシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、ポリオレフイン、ポリグリコール、アルキル燐酸エステル及びそのアルカリ金属塩、アルキル硫酸エステル及びそのアルカリ金属塩、ポリフエニルエーテル、フッ素含有アルキル硫酸エステル及びそのアルカリ金属塩、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)、及び、これらの金属塩(Li,Na,K,Cuなど)又は、炭素数12〜22の一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコール(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)、炭素数12〜22のアルコキシアルコール、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)と炭素数2〜12の一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコールのいずれか一つ(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)とからなるモノ脂肪酸エステル又はジ脂肪酸エステル又はトリ脂肪酸エステル、アルキレンオキシド重合物のモノアルキルエーテルの脂肪酸エステル、炭素数8〜22の脂肪酸アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミンなどが使用できる。これらの具体例としてはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ステアリン酸ブチル、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチル、ステアリン酸ブトキシエチル、アンヒドロソルビタンモノステアレート、アンヒドロソルビタンジステアレート、アンヒドロソルビタントリステアレート、オレイルアルコール、ラウリルアルコール、があげられる。
【0085】
また、アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール系、アルキルフエノールエチレンオキサイド付加体等のノニオン界面活性剤、環状アミン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導体、複素環類、ホスホニウム又はスルホニウム類、等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スルフォン酸、燐酸、硫酸エステル基、燐酸エステル基などの酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸又は燐酸エステル類、アルキルベダイン型等の両性界面活性剤等も使用できる。これらの界面活性剤については、「界面活性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載されている。これらの潤滑剤、帯電防止剤等は必ずしも100%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物等の不純分が含まれてもかまわない。これらの不純分は30%以下が好ましく、更に好ましくは10%以下である。
【0086】
潤滑剤、界面活性剤は非磁性塗布層、磁性塗布層でその種類、量を必要に応じ使い分けることができる。例えば、非磁性塗布層、磁性塗布層で融点の異なる脂肪酸を用い表面へのにじみ出しを制御する、沸点や極性の異なるエステル類を用い表面へのにじみ出しを制御する、界面活性剤量を調節することで塗布の安定性を向上させる、潤滑剤の添加量を非磁性層で多くして潤滑効果を向上させるなどが考えられ、ここに示した例のみに限られるものではない。
【0087】
添加剤のすべて又はその一部は、磁性塗料製造のどの工程で添加してもかまわない、例えば、混練工程前に強磁性粉末と混合する場合、強磁性粉末と結合剤と溶剤による混練工程で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。潤滑剤の商品例としては、日本油脂社製:NAA−102,NAA−415,NAA−312,NAA−160,NAA−180,NAA−174,NAA−175,NAA−222,NAA−34,NAA−35,NAA−171,NAA−122,NAA−142,NAA−160,NAA−173K,ヒマシ硬化脂肪酸,NAA−42,NAA−44,カチオンSA,カチオンMA,カチオンAB,カチオンBB,ナイミーンL−201,ナイミーンL−202,ナイミーンS−202,ノニオンE−208,ノニオンP−208,ノニオンS−207,ノニオンK−204,ノニオンNS−202,ノニオンNS−210,ノニオンHS−206,ノニオンL−2,ノニオンS−2,ノニオンS−4,ノニオンO−2,ノニオンLP−20R,ノニオンPP−40R,ノニオンSP−60R,ノニオンOP−80R,ノニオンOP−85R,ノニオンLT−221,ノニオンST−221,ノニオンOT−221,モノグリMB,ノニオンDS−60,アノンBF,アノンLG,ブチルステアレート,ブチルラウレート,エルカ酸、関東化学社製:オレイン酸、竹本油脂社製:FAL−205,FAL−123、新日本理化社製:エヌジエルブLO,エヌジョルブIPM,サンソサイザーE4030、信越化学社製:TA−3,KF−96,KF−96L,KF−96H,KF410,KF420,KF965,KF54,KF50,KF56,KF−907,KF−851,X−22−819,X−22−822,KF−905,KF−700,KF−393,KF−857,KF−860,KF−865,X−22−980,KF−101,KF−102,KF−103,X−22−3710,X−22−3715,KF−910,KF−3935、ライオンアーマー社製:アーマイドP,アーマイドC,アーモスリップCP、ライオン油脂社製:デュオミンTDO、日清製油社製:BA−41G、三洋化成社製:プロフアン2012E,ニューポールPE61,イオネットMS−400,イオネットMO−200,イオネットDL−200,イオネットDS−300,イオネットDS−1000,イオネットDO−200などがあげられる。
【0088】
有機溶媒は、任意の比率でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、テトラヒドロフラン、等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキサノールなどのアルコール類、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン、などのグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼン、などの芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等のものが使用できる。これら有機溶媒は必ずしも100%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物、水分等の不純分がふくまれてもかまわない。これらの不純分は30%以下が好ましく、更に好ましくは10%以下である。有機溶媒は必要ならば磁性塗布層と非磁性塗布層でその種類、量を変えてもかまわない。非磁性塗布層に揮発性の高い溶媒を用い表面性を向上させる、磁性塗布層に表面張力の高い溶媒(シクロヘキサノン、ジオキサンなど)を用い塗布の安定性をあげる、磁性塗布層の溶解性パラメータの高い溶媒を用い充填度を上げるなどがその例としてあげられるが、これらの例に限られない。
【0089】
磁気記録媒体の厚み構成は支持体が1〜100μm、好ましくは5〜20μm、非磁性層の厚みが0.5〜10μm、好ましくは1〜5μm、磁性層の厚みは0.05μm以上1.0μm以下、好ましくは0.05μm以上0.6μm以下、更に好ましくは0.05μm以上、0.3μm以下である。磁性層と非磁性層を合わせた厚みは支持体の厚みの1/100〜2倍の範囲で用いられる。
【0090】
また、支持体と非磁性層との間に密着性向上のための下塗り層を設けてもかまわない。下塗り層の厚みは0.01〜2μm、好ましくは0.05〜0.5μmである。
【0091】
支持体の磁性層が形成される側とは反対側にバックコート層を設けてもかまわない。バックコート層の厚みは0.1〜2μm、好ましくは0.3〜1.0μmである。これらの下塗り層、バックコート層は公知のものが使用できる。
【0092】
支持体は、ポリエチレンテレフタレート、2軸延伸を行ったポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、等のポリエステル類、ポリオレフイン類、セルローストリアセテート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルフオン、アラミド、芳香族ポリアミドなどの公知のフイルムが使用できる。これらの支持体にはあらかじめコロナ放電処理、プラズマ処理、易接着処理、熱処理、除塵処理などをおこなってもよい。支持体は、中心線平均表面粗さが0.03μm以下、好ましくは0.02μm以下、更に好ましくは0.01μm以下のものを使用する必要がある。また、これらの支持体は単に中心線平均表面粗さが小さいだけではなく、1μm以上の粗大突起がないことが好ましい。また表面の粗さ形状は必要に応じて支持体に添加されるフィラーの大きさと量により自由にコントロールされるものである。これらのフィラーとしては一例としてはCa,Si,Tiなどの酸化物や炭酸塩の他、アクリル系などの有機微粉末があげられる。支持体のテープ走行方向のF−5値は好ましくは5〜50Kg/mm、テープ幅方向のF−5値は好ましくは3〜30Kg/mmであり、テープ長手方向のF−5値がテープ幅方向のF−5値より高いのが一般的であるが、特に幅方向の強度を高くする必要があるときはその限りでない。
【0093】
支持体の熱収縮率は、テープ走行方向及び幅方向に100℃30分で、好ましくは3%以下、更に好ましくは1.5%以下、80℃30分での熱収縮率は好ましくは1%以下、更に好ましくは0.5%以下である。破断強度は両方向とも5〜100Kg/mm、弾性率は100〜2000Kg/mmが好ましい。
【0094】
磁気記録媒体の磁性塗料(磁性材料を含む塗布液)を製造する工程は、少なくとも混練工程、分散工程、及びこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からなる。個々の工程はそれぞれ2段階以上にわかれていてもかまわない。強磁性粉末、結合剤、カーボンブラック、研磨剤、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの工程の最初又は途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。例えば、ポリウレタンを混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で分割して投入してもよい。
【0095】
従来の公知の製造技術を一部の工程として用いることができるが、混練工程では連続ニーダや加圧ニーダなど強い混練力をもつものを使用することにより、磁気記録媒体の高い残留磁化密度(Br)を得ることができる。連続ニーダ又は加圧ニーダを用いる場合は強磁性粉末と結合剤のすべて又はその一部(ただし全結合剤の30%以上が好ましい)及び強磁性粉末100部に対し15〜500部の範囲で混練処理される。これらの混練処理の詳細については特開平1−106338号、特開平1−79274号に記載されている。
【0096】
逐次重層構成の磁気記録媒体の製造装置に用いる塗布装置には、従来の公知の製造技術を用いることができる。例えば、磁性塗料の塗布で一般的に用いられる、グラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルージョン塗布装置等が挙げられる。
【0097】
なお、強磁性粉末の凝集による磁気記録媒体の電磁変換特性等の低下を防止するため、特開昭62−95174号や特開平1−236968号に開示されているような方法により塗布ヘッド内部の塗布液に剪断を付与することが望ましい。更に、磁性塗料の粘度については、特開平3−8471号に開示されている数値範囲を満足することが好ましい。
【0098】
配向の磁界を発生させる磁石としては、1000G以上のソレノイドと2000G以上のコバルト磁石を併用することが好ましく、更には乾燥後の配向性が最も高くなるように配向前に予め適度の乾燥工程を設けることが好ましい。
【0099】
磁気記録媒体の表面平滑化処理を行うカレンダ処理ロールとしては、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等の耐熱性のあるプラスチックロールを使用する。また、金属ロール同志で処理することもできる。処理温度は、好ましくは70℃以上、更に好ましくは80℃以上である。線圧力は好ましくは200kg/cm、更に好ましくは300kg/cm以上であり、その速度は20m/分以上700m/分以下の範囲である。
【0100】
製造された磁気記録媒体の磁性層及びその反対面のSUS420Jに対する摩擦係数は好ましくは0.5以下、更に0.3以下、表面固有抵抗は好ましくは10−5〜10−12オーム/sq、磁性層の0.5%伸びでの弾性率は走行方向、幅方向とも好ましくは100〜2000Kg/mm、破断強度は好ましくは1〜30Kg/cm、磁気記録媒体の弾性率は走行方向、長手方向とも好ましくは100〜1500Kg/mm、残留のびは好ましくは0.5%以下、100℃以下のあらゆる温度での熱収縮率は好ましくは1%以下、更に好ましくは0.5%以下、最も好ましくは0.1%以下である。
【0101】
製造された磁気記録媒体の磁性層に含まれる残留溶媒は、好ましくは100mg/m以下、更に好ましくは10mg/m以下であり、磁性層に含まれる残留溶媒が非磁性層に含まれる残留溶媒より少ないほうが好ましい。磁性層及び非磁性層が有する空隙率は、ともに好ましくは30容量%以下、更に好ましくは10容量%以下である。磁性層の空隙率が非磁性層の空隙率より大きいほうが好ましいが、逆の場合でも非磁性層の空隙率が20%以下であれば支障はない。
【0102】
(実施例)
本発明者は、搬入口で流れる風の風速と角型比との関係を調べるため、次のような測定を行った。
【0103】
本測定では、図2に示す製造装置10を使用し、湿潤状態の磁性塗布層の厚さと搬入口における風速を変えた場合の磁気テープの角型比を測定した。
【0104】
配向部22の給気風量を調整して、配向部22を出たところで磁性粒子が固化されるように乾燥条件を調整し、温度60℃、風量20m/minとした。乾燥部18は、温度120℃、風量15m/minとした。外側排気部16の風量(排気量)を調整し、搬入口に流れる風の風速を、下記のように設定した。本測定では、風速の数値は、搬入口の上流側から搬入口に流れ込む方向を正とし、搬入口から該搬入口の上流側に流れ出る方向を負とした。
【0105】
実施例1では、搬入口における風速を0.1m/sとし、湿潤状態の磁性塗布層の厚さ1.0μm、1.2μm、1.4μm、1.6μm、1.8μm、2.0μmのそれぞれで角型比を測定した。
【0106】
実施例2では、搬入口における風速を0.8m/sとし、湿潤状態の磁性塗布層の厚さ1.0μm、1.2μm、1.4μm、1.6μm、1.8μm、2.0μmのそれぞれで角型比を測定した。
【0107】
実施例3では、搬入口における風速を2.0m/sとし、湿潤状態の磁性塗布層の厚さ1.0μm、1.2μm、1.4μm、1.6μm、1.8μm、2.0μmのそれぞれで角型比を測定した。
【0108】
実施例4では、搬入口における風速を2.5m/sとし、湿潤状態の磁性塗布層の厚さ1.0μm、1.2μm、1.4μm、1.6μm、1.8μm、2.0μmのそれぞれで角型比を測定した。
【0109】
実施例5では、搬入口における風速を−0.1m/sとし、湿潤状態の磁性塗布層の厚さ1.0μm、1.2μm、1.4μm、1.6μm、1.8μm、2.0μmのそれぞれで角型比を測定した。
【0110】
実施例6では、搬入口における風速を−0.4m/sとし、湿潤状態の磁性塗布層の厚さ1.0μm、1.2μm、1.4μm、1.6μm、1.8μm、2.0μmのそれぞれで角型比を測定した。
【0111】
比較例1では、搬入口における風速を3.0m/sとし、湿潤状態の磁性塗布層の厚さ1.0μm、1.2μm、1.4μm、1.6μm、1.8μm、2.0μmのそれぞれで角型比を測定した。
【0112】
比較例2では、搬入口における風速を−2.5m/sとし、湿潤状態の磁性塗布層の厚さ1.0μm、1.2μm、1.4μm、1.6μm、1.8μm、2.0μmのそれぞれで角型比を測定した。
【0113】
角型比の測定は、東英工業株式会社製、振動試料型磁力計VSMを用いて、磁場強度5kOeで測定した。
【0114】
実施例1〜実施例6、比較例1及び2は、同じ支持体を使用し、支持体上に形成する非磁性塗布層及び磁性塗布層はいずれも同じ材料を用いて製造された。また、実施例1〜実施例6、比較例1及び2ではいずれも、支持体は厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートを使用し、支持体の搬送速度を200m/minとし、湿潤状態の非磁性塗布層の厚さを10.0μmとした。
【0115】
非磁性塗布層の塗布液は、以下のものを用いた。
非磁性粉体 α−Fe 80部
平均長軸長 0.1μm
BET法による比表面積 48m/g
pH8、Fe含有量 90%以上
DBP吸油量 27〜38ml/100g
表面被覆化合物 Al
カーボンブラック 20部
平均1次粒子径 16μm
DBP吸油量80ml/100g
pH8
BET法による比表面積 250m/g
揮発分 1.5%
塩化ビニル系重合体 10部
日本ゼオン社製 MR−110
ポリエステルポリウレタン樹脂 5部
分子量 3.5万
ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI=0.9/2.6/1
−SONa基 1×10−4eq/g含有
ステアリン酸 1部
メチルエチルケトン 100部
シクロヘキサノン 50部
トルエン 50部
【0116】
磁性塗布層の塗布液は、以下のものを用いた。
強磁性金属微粉末 組成:Fe/Co=80/20 100部
Hc 183kA/m(2300 Oe)
BET法による比表面積 54m/g
結晶子サイズ 16.5nm
表面被覆化合物 Al
粒子サイズ(長軸径) 0.10μm
針状比 8
σs 150A・m/kg(emu/g)
塩化ビニル系重合体 5部
日本ゼオン社製 MR−110
ポリエステルポリウレタン樹脂 3部
ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI=0.9/2.6/1
−SONa基 1×10−4eq/g含有
αアルミナ(粒子サイズ 0.1μm) 5部
カーボンブラック(粒子サイズ 0.10μm)0.5部
ステアリン酸 0.5部
メチルエチルケトン 90部
シクロヘキサノン 30部
トルエン 60部
【0117】
図11は、搬入口の風速に対する角型比を、磁性塗布層の厚さごとにプロットした示す図である。本測定の結果、湿潤状態の磁性層の厚さにかかわらず、風速が−0.4m/sから2.5m/sの範囲であるときには、高い角型比が得られた。
一方で、比較例1のように風速が3.0m/sの場合や、及び、比較例2のように風速が−2.5m/sのときには、高い角型比を得られなかった。これは、搬入口での風によって磁性層の乾燥が早く開始され、配向部に搬送されるまで湿潤状態を保持できず、磁性粒子の流動性が低下したため配向部の配向が適正に行われなかったものと考えられる。
【0118】
この結果、支持体が搬入される搬入口における風速が、−0.4m/s以上、2.5m/s以下とすることで、搬入口を通過する際に磁性層の乾燥の開始が早まることが抑えられ、磁性粒子の流動性を確保でき、配向を適正に行うことができることがわかった。また、特に好ましい範囲としては、支持体の搬送方向の上流側から搬入口へ流れ込む風の風速を0.1m/sから2.0m/sの範囲とすることが好ましい。
【0119】
磁性塗布層の湿潤状態の厚さを変えることの意味は、磁性塗布層を塗布する塗布装置から配向装置の搬入口までの距離、支持体の搬送速度、溶剤種類(物質に固有な乾燥速度)を変えたときの影響を模擬的に測定するためである。理論的な背景を、以下に示す。
【0120】
ここで、
W[m]:塗布巾
L[m]:塗布装置から配向装置の搬入口までの距離
V[m/s]:支持体の搬送速度
α[kg/ms]:溶剤の蒸発速度
とする。塗布してから配向工程に入るまでは、恒率乾燥状態とみなせるので、αは時間にかかわらず一定である。
【0121】
また、Ms[kg/m]:支持体単位面積当たりの磁性塗布層に含まれる固形分量(時間に寄らず一定値)、ML(t)[kg/m]:塗布してからt秒後の支持体単位面積当たりの磁性層に含まれる溶剤量とする。
【0122】
すると、以下のように表すことができる。
C(t)[kg/kg]:塗布してからt秒後の磁性塗布層の固形分濃度
C(t)=Ms÷{Ms+ML(t)}
T(s):塗布してから配向装置に入るまでの時間 T=L÷V
ML(t)=Ml(0)−α・t
である。
【0123】
すなわち、塗布した瞬間の磁性塗布層の固形分濃度は、下記式1で表せる。
C(0)=Ms÷{Ms+ML(0)} ・・・式1
【0124】
配向工程に入る時の、磁性塗布層の固形分濃度は、下記式2で表せる。
C(T)=Ms÷{Ms+ML(0)−α・L÷V} ・・・・ 式2
【0125】
本測定では湿潤状態の厚さ(塗布する量)を変えている。
この操作は、式1を満足させながらMsとML(0)の絶対値を変えて、その結果として式2においてC(T)の値を変えることである。すなわち、式2において、(α、L、V)の組み合わせを変えて、C(T)の値を変えたことと同じである。更に厳密に言えば、静止している空気に対する相対速度として支持体搬送速度Vは、物理的には乾燥風の風速と同値である。よって、αはVの影響を受けるが、「式2において、α、L、Vの組を変えて、C(T)の値を変える」ということとなる。
【0126】
式1を変形すると、
ML(0)÷Ms={1−C(0)}÷C(0) ・・・式3
となり、
式2を変形して、式3を使って、ML(0)を消去すると
C(T)=1÷{1+{1−C(0)}÷C(0)−α・L÷(V×Ms)}・・・式4
となる。
【0127】
このように、本測定では湿潤状態の厚さを、1.0μm〜2.0μmの範囲で変えている。これは、C(0)の値が変わらず、Msの値が2倍変わったことに相当し、(α・L÷V)を2倍変える、(α、L、V)の全ての組み合わせを調べたことになる。
【0128】
次に、磁性粒子の種類を変えた場合に、角型比の向上率の違いを比較する測定を行った。本測定では、実施例2と比較例3とを比較し、また、実施例7と比較例4とを比較した。
【0129】
実施例2は、磁気テープが、上記測定で用いたものと同じ処方で製造されたものである。磁性塗布層は針状の磁性粒子を含むものである。搬入口における風速は0.8m/sとした。
【0130】
比較例3は、磁気テープが、実施例2と同じ処方で製造されたものであり、磁性塗布層が針状の磁性粒子を含むものである。搬入口における風速は3.0m/sとした。
【0131】
実施例7は、磁気テープが、上記測定で用いたものと同じ処方で製造されたものであるが、磁性塗布層は後述する処方で調整されたものであり、板状の磁性粒子を含むものである。搬入口における風速は0.8m/sとした。
【0132】
比較例4は、磁気テープが、実施例7と同じ処方で製造されたものであるが、磁性塗布層は後述する処方で調整されたものであり、板状の磁性粒子を含むものである。搬入口の搬入口から搬送方向の上流側へ流れ出る風の風速を2.5m/sとした。
【0133】
実施例7及び比較例4では、磁性塗布層の塗布液として以下のものを用いた。
強磁性金属微粉末 100部
組成:Co置換バリウムフェライト
BET法による比表面積 35m/g
平均粒子径 0.06μm
板状比 5
塩化ビニル系重合体 9部
日本ゼオン社製 MR−110
CrO(粒子サイズ 0.3μm) 7部
ポリエステルポリウレタン樹脂 10部
ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI=0.9/2.6/1
ステアリン酸 0.5部
メチルエチルケトン 70部
トルエン 20部
シクロヘキサノン 60部
【0134】
図12は、実施例2、実施例7、比較例3、比較例4のそれぞれについて、磁性塗布層の湿潤状態の厚さ(図中の横軸)に対する角型比(図中左側の縦軸)をプロットしたものである。また、図12には、比較例3と比べたときの実施例2の向上率と、比較例4と比べたときの実施例7の向上率とが、磁性塗布層の湿潤状態の厚さごとにプロットされている。
【0135】
図12に示すように、実施例2は、磁性層の湿潤状態の厚さにかかわらず、搬入口に流れ込む風の風速を0.8m/sとすることで、比較例3よりも高い角型比の磁気テープが得られる。
また、実施例7は、磁性層の湿潤状態の厚さにかかわらず、搬入口に流れ込む風の風速を0.8m/sとすることで、比較例4よりも高い角型比の磁気テープが得られる。
更に、実施例7は、実施例2と比べて、向上率が高い。つまり、搬入口に流れ込む風の風速を0.8m/sとした場合、板状の磁性粒子を含む磁性層の方が、針状の磁性粒子を含む磁性層に比べて、より効果的に高い角型比の磁気テープを得られることがわかった。
【0136】
本明細書は、以下の内容を開示するものである。
(1)帯状の支持体と、該支持体に形成された磁性粒子を含む磁性層とを備える磁気記録媒体の製造方法であって、
前記支持体に前記磁性粒子を含む塗布液を塗布して磁性塗布層を形成する塗布工程と、
前記磁性塗布層が湿潤状態である前記支持体を、配向装置内に搬送して、前記磁性粒子を配向するとともに、前記磁性塗布層を乾燥させる配向乾燥工程と、を有し、
前記配向装置の前記支持体が搬入される搬入口における風速が、−0.4m/s以上、2.5m/s以下(但し、前記搬入口に流れ込む場合が正、前記搬入口から流れ出る場合が負である。)である磁気記録媒体の製造方法。
(2)(1)に記載の磁気記録媒体の製造方法であって、
前記磁性粒子は、当該磁性粒子の容易磁化方向をX方向とし、X方向に垂直な方向をY方向、X方向とY方向に垂直な方向をZ方向としたとき、当該磁性粒子のX方向の長さLx,Y方向の長さLy,Z方向の長さLzが、1≦Ly/Lx<10、及び、1≦Lz/Lx<10を満たす磁気記録媒体の製造方法。
(3)(1)又は(2)に記載の磁気記録媒体の製造方法であって、
前記支持体上に非磁性層を形成し、その後、前記非磁性層上に前記磁性塗布層を形成する磁気記録媒体の製造方法。
(4)(1)から(3)のいずれか1つに記載の磁気記録媒体の製造方法であって、
前記配向装置は、前記磁性粒子を配向するとともに、前記磁性塗布層を乾燥させる配向部を備え、
前記搬入口が前記配向部に設けられている磁気記録媒体の製造方法。
(5)(1)から(3)のいずれか1つに記載の磁気記録媒体の製造方法であって、
前記配向装置は、前記磁性粒子を配向するとともに、前記磁性塗布層を乾燥させる配向部と、該配向部の搬送方向上流側に設けられ、前記配向部から流れ出た風を排気する排気部と備え、
前記搬入口が前記排気部に設けられている磁気記録媒体の製造方法。
(6)(1)から(3)のいずれか1つに記載の磁気記録媒体の製造方法であって、
前記配向装置は、前記磁性粒子を配向するとともに、前記磁性塗布層を乾燥させる配向部と、該配向部の搬送方向上流側に設けられた遮風部材とを備え、
前記搬入口が、前記遮風部材に設けられている磁気記録媒体の製造方法。
(7)(1)から(3)のいずれか1つに記載の磁気記録媒体の製造方法であって、
前記配向装置は、前記磁性粒子を配向するとともに、前記磁性塗布層を乾燥させる配向部と、該配向部の搬送方向上流側に設けられ、前記配向部から流れ出た風の勢いを弱める減衰部材とを備え、
前記搬入口が、前記減衰部材に設けられている磁気記録媒体の製造方法。
(8)帯状の支持体と、該支持体に形成された磁性粒子を含む磁性層とを備える磁気記録媒体の製造装置であって、
前記支持体に前記磁性粒子を含む塗布液を塗布して磁性塗布層を形成する塗布手段と、
前記磁性塗布層が湿潤状態である前記支持体が搬入され、前記磁性粒子を配向するとともに、前記磁性塗布層を乾燥させる配向装置と、を有し、
前記配向装置の前記支持体が搬入される搬入口における風速が、−0.4m/s以上、2.5m/s以下(但し、前記搬入口に流れ込む場合が正、前記搬入口から流れ出る場合が負である。)である磁気記録媒体の製造装置。
(9)(8)に記載の磁気記録媒体の製造装置であって、
前記磁性粒子は、当該磁性粒子の容易磁化方向をX方向とし、X方向に垂直な方向をY方向、X方向とY方向に垂直な方向をZ方向としたとき、当該磁性粒子のX方向の長さLx,Y方向の長さLy,Z方向の長さLzが、1≦Ly/Lx<10、及び、1≦Lz/Lx<10を満たす磁気記録媒体の製造装置。
(10)(8)又は(9)に記載の磁気記録媒体の製造装置であって、
前記塗布手段は、前記支持体に非磁性塗布層を形成し、乾燥した前記非磁性塗布層上に前記磁性塗布層を形成する磁気記録媒体の製造装置。
(11)(8)から(10)のいずれか1つに記載の磁気記録媒体の製造装置であって、
前記配向装置は、前記磁性粒子を配向するとともに、前記磁性塗布層を乾燥させる配向部を備え、
前記搬入口が前記配向部に設けられている磁気記録媒体の製造装置。
(12)(8)から(10)のいずれか1つに記載の磁気記録媒体の製造装置であって、
前記配向装置は、前記磁性粒子を配向するとともに、前記磁性塗布層を乾燥させる配向部と、該配向部の搬送方向上流側に設けられ、前記配向部から流れ出た風を排気する排気部と備え、
前記搬入口が前記排気部に設けられている磁気記録媒体の製造装置。
(13)(8)から(10)のいずれか1つに記載の磁気記録媒体の製造装置であって、
前記配向装置は、前記磁性粒子を配向するとともに、前記磁性塗布層を乾燥させる配向部と、該配向部の搬送方向上流側に設けられた遮風部材とを備え、
前記搬入口が、前記遮風部材に設けられている磁気記録媒体の製造装置。
(14)(8)から(10)のいずれか1つに記載の磁気記録媒体の製造装置であって、
前記配向装置は、前記磁性粒子を配向するとともに、前記磁性塗布層を乾燥させる配向部と、該配向部の搬送方向上流側に設けられ、前記配向部から流れ出た風の勢いを弱める減衰部材とを備え、
前記搬入口が、前記減衰部材に設けられている磁気記録媒体の製造装置。
【符号の説明】
【0137】
12 第1の塗布装置
14 第2の塗布装置
16 外側排気部
20 配向装置
22 配向部
28 遮風部材
31 減衰部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状の支持体と、該支持体に形成された磁性粒子を含む磁性層とを備える磁気記録媒体の製造方法であって、
前記支持体に前記磁性粒子を含む塗布液を塗布して磁性塗布層を形成する塗布工程と、
前記磁性塗布層が湿潤状態である前記支持体を、配向装置内に搬送して、前記磁性粒子を配向するとともに、前記磁性塗布層を乾燥させる配向乾燥工程と、を有し、
前記配向装置の前記支持体が搬入される搬入口における風速が、−0.4m/s以上、2.5m/s以下(但し、前記搬入口に流れ込む場合が正、前記搬入口から流れ出る場合が負である。)である磁気記録媒体の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法であって、
前記磁性粒子は、当該磁性粒子の容易磁化方向をX方向とし、X方向に垂直な方向をY方向、X方向とY方向に垂直な方向をZ方向としたとき、当該磁性粒子のX方向の長さLx,Y方向の長さLy,Z方向の長さLzが、1≦Ly/Lx<10、及び、1≦Lz/Lx<10を満たす磁気記録媒体の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の磁気記録媒体の製造方法であって、
前記支持体上に非磁性層を形成し、その後、前記非磁性層上に前記磁性塗布層を形成する磁気記録媒体の製造方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載の磁気記録媒体の製造方法であって、
前記配向装置は、前記磁性粒子を配向するとともに、前記磁性塗布層を乾燥させる配向部を備え、
前記搬入口が前記配向部に設けられている磁気記録媒体の製造方法。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか1つに記載の磁気記録媒体の製造方法であって、
前記配向装置は、前記磁性粒子を配向するとともに、前記磁性塗布層を乾燥させる配向部と、該配向部の搬送方向上流側に設けられ、前記配向部から流れ出た風を排気する排気部と備え、
前記搬入口が前記排気部に設けられている磁気記録媒体の製造方法。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか1つに記載の磁気記録媒体の製造方法であって、
前記配向装置は、前記磁性粒子を配向するとともに、前記磁性塗布層を乾燥させる配向部と、該配向部の搬送方向上流側に設けられた遮風部材とを備え、
前記搬入口が、前記遮風部材に設けられている磁気記録媒体の製造方法。
【請求項7】
請求項1から3のいずれか1つに記載の磁気記録媒体の製造方法であって、
前記配向装置は、前記磁性粒子を配向するとともに、前記磁性塗布層を乾燥させる配向部と、該配向部の搬送方向上流側に設けられ、前記配向部から流れ出た風の勢いを弱める減衰部材とを備え、
前記搬入口が、前記減衰部材に設けられている磁気記録媒体の製造方法。
【請求項8】
帯状の支持体と、該支持体に形成された磁性粒子を含む磁性層とを備える磁気記録媒体の製造装置であって、
前記支持体に前記磁性粒子を含む塗布液を塗布して磁性塗布層を形成する塗布手段と、
前記磁性塗布層が湿潤状態である前記支持体が搬入され、前記磁性粒子を配向するとともに、前記磁性塗布層を乾燥させる配向装置と、を有し、
前記配向装置の前記支持体が搬入される搬入口における風速が、−0.4m/s以上、2.5m/s以下(但し、前記搬入口に流れ込む場合が正、前記搬入口から流れ出る場合が負である。)である磁気記録媒体の製造装置。
【請求項9】
請求項8に記載の磁気記録媒体の製造装置であって、
前記磁性粒子は、当該磁性粒子の容易磁化方向をX方向とし、X方向に垂直な方向をY方向、X方向とY方向に垂直な方向をZ方向としたとき、当該磁性粒子のX方向の長さLx,Y方向の長さLy,Z方向の長さLzが、1≦Ly/Lx<10、及び、1≦Lz/Lx<10を満たす磁気記録媒体の製造装置。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の磁気記録媒体の製造装置であって、
前記塗布手段は、前記支持体に非磁性塗布層を形成し、乾燥した前記非磁性塗布層上に前記磁性塗布層を形成する磁気記録媒体の製造装置。
【請求項11】
請求項8から10のいずれか1つに記載の磁気記録媒体の製造装置であって、
前記配向装置は、前記磁性粒子を配向するとともに、前記磁性塗布層を乾燥させる配向部を備え、
前記搬入口が前記配向部に設けられている磁気記録媒体の製造装置。
【請求項12】
請求項8から10のいずれか1つに記載の磁気記録媒体の製造装置であって、
前記配向装置は、前記磁性粒子を配向するとともに、前記磁性塗布層を乾燥させる配向部と、該配向部の搬送方向上流側に設けられ、前記配向部から流れ出た風を排気する排気部と備え、
前記搬入口が前記排気部に設けられている磁気記録媒体の製造装置。
【請求項13】
請求項8から10のいずれか1つに記載の磁気記録媒体の製造装置であって、
前記配向装置は、前記磁性粒子を配向するとともに、前記磁性塗布層を乾燥させる配向部と、該配向部の搬送方向上流側に設けられた遮風部材とを備え、
前記搬入口が、前記遮風部材に設けられている磁気記録媒体の製造装置。
【請求項14】
請求項8から10のいずれか1つに記載の磁気記録媒体の製造装置であって、
前記配向装置は、前記磁性粒子を配向するとともに、前記磁性塗布層を乾燥させる配向部と、該配向部の搬送方向上流側に設けられ、前記配向部から流れ出た風の勢いを弱める減衰部材とを備え、
前記搬入口が、前記減衰部材に設けられている磁気記録媒体の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−138565(P2011−138565A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−296215(P2009−296215)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】