説明

磁気記録媒体用ガラス基板

【課題】ガラス基板の端面を酸化セリウム砥粒の使用をできるだけ抑えながら、かつ高い研磨速度で研磨し、面取り部等の端面にキズ等の加工変質層がない磁気記録媒体用ガラス基板を得る。
【解決手段】 中央部に貫通孔を有し、前記貫通孔を構成する内周側面と、外周側面、および互いに対向する1対の主平面を有する円盤形状のガラス基板において、前記内周側面および前記外周側面と前記主平面との交差部に、それぞれ内周面取り部および外周面取り部が形成された磁気記録媒体用ガラス基板であって、前記内周面取り部と外周面取り部の少なくとも一方は、ガラス基板の表面を5μmエッチングしてから評価される、直径または長径の最大径が10μm以上のピット欠陥数が5個/mm以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気記録媒体用ガラス基板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、磁気記録媒体、特に磁気ディスク装置においては、急激な高記録密度化が進んでいる。磁気ディスク装置では、高速回転する記録媒体(ディスク)上を、ヘッドを僅かに浮上させて走査することによってランダムアクセスを実現しており、高記録密度と高速アクセスを両立させるために、磁気ディスクとヘッドとの間隔(ヘッド浮上量)を小さくすること、磁気ディスクの回転数を上げること、が求められる。磁気ディスクの基材は、従来アルミニウム(Al)にニッケル−リン(Ni−P)メッキを施した基板が主流であったが、高剛性で高速回転させても変形しにくく、表面の平滑性が高いガラス基板が使われるようになってきている。
【0003】
このような磁気ディスク装置における高記録密度化に伴い、磁気記録媒体用ガラス基板への要求特性が年々厳しくなっている。特に、高記録密度を達成するために、ガラス基板の表面の異物や欠陥を低減して平滑性を向上させることは重要である。
【0004】
一般に、磁気記録媒体用ガラス基板を製造するには、板状ガラス等の原材から円盤形状の原基板を切り出し、中央部に円形の貫通孔を形成した後、ガラス基板の外周を構成する外周側面の角部分と、貫通孔の内壁を構成する内周側面の角部分との面取り加工を行う。その後、ガラス基板の内周および外周の側面と面取り部(以下、側面と面取り部と合わせて端面という。)の研磨(端面研磨)を行い、さらに対向する1対の主平面も研磨した後、洗浄工程を経て磁気記録媒体用ガラス基板を得る。
【0005】
このような磁気記録媒体用ガラス基板の製造において、ガラス基板の端面の研磨は、面取り加工等の際に端面に生じたキズやクラックを除去し、凹凸を平滑化して鏡面に仕上げるために行われる。ガラス基板の端面を平滑な鏡面に仕上げることにより、ガラス基板の機械的強度を向上させる、端面の凹凸に捕捉される異物を低減する、端面の凹凸がカセットや治具等の樹脂部材等を削って発生させるパーティクルを低減する、などの多くの効果がある。
【0006】
ガラス基板の端面の研磨が不十分である場合には、前記キズ等が端面(特に面取り部)に微小欠陥(潜傷)として残留することになる。そして、研磨後の洗浄等により、この微小欠陥がキズを中心に等方的にエッチングされて顕在化し、円形状または楕円形状のピット欠陥となる。このようなピット欠陥はその後の工程で異物を補足し、さらにその後の工程でその異物が排出されてガラス基板の表面に付着すると、情報記録媒体としての信頼性低下につながる。
【0007】
従来から、ガラス基板の端面を研磨し前記キズ等が存在する加工変質層を除去する技術として、酸化セリウム砥粒を用いて研磨する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、酸化セリウム砥粒を含有する研磨液と回転軸にブラシ毛が植毛された研磨ブラシを用いて、内周端面を研磨する方法も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。砥粒を構成する酸化セリウムは、ガラス材料に対して化学的に強い相互作用を有するので、高い研磨速度(単位時間あたりの研磨量)の研磨が可能である。
【0008】
しかしながら、近時、産出国のレアアースに対する輸出規制などの影響により酸化セリウムの入手難や価格高騰が生じており、このような昨今の情勢から、砥粒である酸化セリウムの使用量をできるだけ低減することが求められている。
【0009】
また、酸化セリウムの残留による磁気記録媒体の欠陥を解消するためにも、酸化セリウム砥粒の使用量を抑えることが求められている。すなわち、酸化セリウムは、前記したようにガラスとの化学的親和力が大きいため、酸化セリウム粒子を用いて研磨したガラス基板では、表面に酸化セリウム粒子が強固に付着したり埋ったりするため、通常のアルカリ洗浄では酸化セリウム粒子を十分に除去することが難しかった。そのため、ガラス基板の表面に酸化セリウムが残留して、磁気記録媒体の欠陥となる問題が生じていた。さらに、表面に強固に付着した酸化セリウム粒子を除去するには、ガラス基板の表面を強酸やフッ素イオンを含有する洗浄液で洗浄する方法があるが、このような酸洗浄を行う方法では、工程上の負荷が大きいという問題があった。
【0010】
なお、ガラス基板の端面の研磨に関しては、主平面の研削(ラッピング)工程を間に挟んで前後2段階の端面研磨を行う方法も提案されている(例えば、特許文献3参照。)。すなわち、面取り加工後、研磨量の多い前段階の端面研磨を行い、次いで主平面の研削を行った後、研磨量がより少ない後段階の端面研磨を行うことで、面取り加工で発生した端面のキズが主平面の研削により伸長することを防ぐようにした技術が提案されている。
【0011】
しかし、この方法においては、端面研磨に要する時間が長くなるため、面取り加工等により端面に生じたキズを短時間で除去し、平滑な鏡面を得ることが難しかった。また、砥粒として酸化セリウム粒子を使用する場合には、前記酸化セリウムに起因する異物付着の問題や、それを防止するための酸洗浄工程設置による工程負荷の問題が生じていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2002−150548号公報([0033]参照)
【特許文献2】特開2004−155652号公報([0041]参照)
【特許文献3】特開2009−35461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は上記問題を解決するためになされたもので、面取り部等の端面にピット欠陥がない磁気記録媒体用ガラス基板を提供することを目的とする。また、ガラス基板の端面を、酸化セリウム砥粒の使用をできるだけ抑えながら、かつ高い研磨速度で研磨し、面取り部にピット欠陥のない磁気記録媒体用ガラス基板を得るための製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、下記[1]〜[4]に示す磁気記録媒体用ガラス基板を提供する。
【0015】
[1]中央部に貫通孔を有し、前記貫通孔を構成する内周側面と、外周側面、および互いに対向する1対の主平面を有する円盤形状のガラス基板において、前記内周側面および前記外周側面と前記主平面との交差部に、それぞれ内周面取り部および外周面取り部が形成された磁気記録媒体用ガラス基板であって、
前記内周面取り部は、ガラス基板の表面を5μmエッチングしてから評価される、直径または長径の最大径が10μm以上のピット欠陥数が5個/mm以下であることを特徴とする磁気記録媒体用ガラス基板。
【0016】
[2]中央部に貫通孔を有し、前記貫通孔を構成する内周側面と、外周側面、および互いに対向する1対の主平面を有する円盤形状のガラス基板において、前記内周側面および前記外周側面と前記主平面との交差部に、それぞれ内周面取り部および外周面取り部が形成された磁気記録媒体用ガラス基板であって、
前記外周面取り部は、ガラス基板の表面を5μmエッチングしてから評価される、直径または長径の最大径が10μm以上のピット欠陥数が5個/mm以下であることを特徴とする磁気記録媒体用ガラス基板。
【0017】
[3]前記内周面取り部は、SEM−EDXで測定されるセリウムのL線の強度を、カリウムのK線、L線の強度(内部標準)で除した値が、0.3以下である[1]または[2]に記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
【0018】
[4]前記外周面取り部は、SEM−EDXで測定されるセリウムのL線の強度を、カリウムのK線、L線の強度(内部標準)で除した値が、0.3以下である[1]〜[3]のいずれかに記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、砥粒としての酸化セリウム粒子の使用をできるだけ抑えながら、ガラス基板の端面を十分に高い研磨速度で効率的に研磨し、特に面取り部にピット欠陥がない磁気記録媒体用ガラス基板を得ることができる。そして、酸化セリウム砥粒の使用量の削減により、ガラス基板の端面への酸化セリウムの付着および酸化セリウムに起因する異物の付着を低減できる。また、付着した酸化セリウムを除去するための酸洗浄の工程をなくすことができるので、製造工程上の負荷をより低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】製造される磁気記録媒体用ガラス基板の断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための形態について説明するが、本発明は以下に記載される実施形態に限定されない。
【0022】
[磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法]
まず、製造される磁気記録媒体用ガラス基板を、図1に示す。図1に示す磁気記録媒体用ガラス基板10は、中央部に断面形状が円形の貫通孔(以下、円孔という。)11を有する円盤形状を有し、円孔11の内壁面である内周側面101と、外周側面102、および対向する上下両側の主平面103a、103bからなる円盤形状を有している。そして、内周側面101と上下両主平面103a、103bとの交差部に内周面取り部104が形成されており、外周側面102と両主平面103a、103bとの交差部に外周面取り部105が形成されている。
【0023】
このような磁気記録媒体用ガラス基板10を製造する方法は、以下に示す(1)〜(5)の各工程を有する。
(1)中央部に円孔11を有する円盤形状のガラス基板を形成する形状付与工程。
(2)ガラス基板の内周側面101および外周側面102と上下両主平面103a、103bとの交差部に、それぞれ内周面取り部104および外周面取り部105を形成する面取り工程。
(3)内周側面101と内周面取り部104(以下、内周側面と内周面取り部を合わせて内周端面と示す。)を研磨する内周端面研磨工程。
(4)外周側面102と外周面取り部105(以下、外周側面と外周面取り部を合わせて外周端面と示す。)を研磨する外周端面研磨工程。
(5)ガラス基板の上下両主平面103a、103bを研磨する主平面研磨工程。
【0024】
前記(2)面取り工程の後、ガラス基板の上下両主平面103a、103bに研削(ラッピング)加工を行うことができる。また、各工程の間に、ガラス基板の洗浄(工程間洗浄)やガラス基板表面のエッチング(工程間エッチング)を実施してもよい。さらに、磁気記録媒体用ガラス基板に高い機械的強度が求められる場合は、ガラス基板の表面に強化層を形成する強化工程(例えば、化学強化工程)を、(5)主平面研磨工程の前、または(5)主平面研磨工程の後、あるいは(5)主平面研磨工程で多段階(2次〜3次)の研磨を行う場合は1次〜3次の研磨工程の間で実施してもよい。
【0025】
この製造方法においては、(3)内周端面研磨工程と(4)外周端面研磨工程のうちの少なくとも一方の工程が、シリカ粒子、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、ジルコン粒子、炭化ケイ素粒子、炭化ホウ素粒子およびダイヤモンド粒子からなる群より選ばれる1種以上であり、平均粒径が4μm〜25μmの第1の砥粒を含有する第1の研磨液を用いて端面(側面と面取り部)を研磨する第1の端面研磨工程(A)と、第1の砥粒より平均粒径の小さい第2の砥粒を含有する第2の研磨液を用いて端面を研磨する第2の端面研磨工程(B)を備えており、(A)第1の端面研磨工程次いで(B)第2の端面研磨工程の順で2段階の端面研磨を行う。
【0026】
なお、本明細書において、平均粒径は、粒度分布の累積50%点の粒子直径であるd50を示すものとする。粒径は、レーザー回折・散乱式等の粒度分布計を使用して測定した値である。
【0027】
以下、前記各工程について、さらに詳細に説明する。
<(1)形状付与工程>
フロート法、フュージョン法またはプレス成形法で成形されたガラス原基板を、中央部に円孔11を有する円盤形状に加工する。ガラス原基板は、フロート法で成形されたものでも、フュージョン法またはプレス成形法で成形されたものでもよい。また、基板を構成するガラスは、アモルファスガラスでもよく、結晶化ガラスでもよい。
【0028】
<(2)面取り工程>
中央部に円孔11を有する円盤形状に加工されたガラス基板において、円孔11の内壁面である内周側面101と上下両主平面103a、103bとの交差部に、所定の幅および角度で面取り加工を行い、内周面取り部104を形成する。また、前記ガラス基板の外周側面102と上下主平面103a、103bとの交差部にも、所定の幅および角度で面取り加工を行い、外周面取り部105を形成する。なお、この(2)面取り工程の後、ガラス基板の上下主平面103a、103bに研削加工を行ってもよい。
【0029】
<(3)内周端面研磨工程および(4)外周端面研磨工程>
磁気記録媒体用ガラス基板の製造において、内周端面および外周端面の研磨は、面取り加工等の際に生じたキズ等が存在する領域である加工変質層を除去し、凹凸を平滑化して鏡面とする目的で行われる。ガラス基板の複数枚を積層し、研磨液と研磨ブラシを用いて内周端面および外周端面を研磨する。
【0030】
(3)内周端面研磨工程と(4)外周端面研磨工程を行う順序は特に限定されず、どちらの研磨工程を先に行ってもよい。そして、(3)内周端面研磨工程と(4)外周端面研磨工程の少なくとも一方の工程において、以下に示す(A)第1の端面研磨工程次いで(B)第2の端面研磨工程の順で2段階の端面研磨を行う。(3)内周端面研磨工程と(4)外周端面研磨工程の両方の工程で、(A)第1の端面研磨工程と(B)第2の端面研磨工程(B)の2段階の端面研磨を行うことが好ましい。
【0031】
なお、(3)内周端面研磨工程と(4)外周端面研磨工程の一方の工程が2段階の端面研磨を行わない場合には、その工程では、従来から公知の研磨液(例えば、平均粒径が1.3μmの酸化セリウム砥粒を含有する研磨液)を使用して1段階の端面研磨を行うことができる。
【0032】
「(A)第1の端面研磨工程」
(A)第1の端面研磨工程においては、シリカ粒子、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、ジルコン粒子、炭化ケイ素粒子、炭化ホウ素粒子およびダイヤモンド粒子からなる群より選ばれる1種以上で平均粒径が4μm〜25μmの第1の砥粒を含有する第1の研磨液と、研磨ブラシを用いて端面研磨を行う。第1の砥粒としては、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、およびジルコン粒子から選ばれる1種以上の粒子の使用が好ましく、特に、平均粒径が前記範囲内であるアルミナ粒子とジルコン粒子とを、所定の質量比(例えば50:50の質量比)で混合した砥粒の使用が好ましい。
【0033】
(A)第1の端面研磨工程における第1の砥粒として、前記したように酸化セリウム以外の粒子が使用されているので、端面研磨における酸化セリウムの使用量を低減することができ、レアアースの輸出規制に起因する原料の入手難や価格高騰に良好に対応できる。また、ガラス基板端面への酸化セリウムの付着量を低減できるので、酸化セリウムの残留によって生じる欠陥を抑制できる。さらに、酸化セリウムを除去するための酸洗浄工程をなくし、工程上の負荷を低減できる。
【0034】
第1の砥粒の平均粒径は、研磨速度の向上とピット欠陥の抑制の両方の観点から、4μm〜25μmとする。第1の砥粒の平均粒径が4μm未満の場合には、(A)第1の端面研磨工程における研磨速度が低くなり、後述する(B)第2の端面研磨工程と合わせた端面研磨工程全体に時間がかかり好ましくない。第1の砥粒の平均粒径が25μmを超える場合には、砥粒の分散安定性が悪くなるばかりでなく、第1の端面研磨工程(A)においても研磨キズが生じやすくなる。第1の砥粒の平均粒径は、4μm〜12μmが好ましく、6μm〜10μmがさらに好ましい。
【0035】
第1の研磨液には、このような第1の砥粒の分散媒として水が含有される。水については特に制限はないが、他の成分に対する影響、不純物の混入、pH等への影響の少なさの点から、純水、超純水、イオン交換水等を使用することが好ましい。
【0036】
第1の研磨液における前記第1の砥粒の含有割合(濃度)は、管理のしやすさの点から、研磨液の比重を調整して管理される。第1の研磨液の比重は1.05〜1.45とすることが好ましい。1.05〜1.35の範囲がより好ましく、1.15〜1.35の範囲がさらに好ましい。研磨液の比重と研磨液中の砥粒の含有割合とは関連づけられており、比重の値から砥粒の含有割合を容易に求めることができる。そして、研磨液の比重に基づいて砥粒を補充することで、研磨液における砥粒の含有割合(濃度)を常に一定の範囲に保持し、被研磨部および研磨処理バッチ間での品質のばらつきを少なくすることができる。
【0037】
このように第1の砥粒の含有割合と密接な関係を有する第1の研磨液の比重が1.05未満である場合には、研磨速度が低くなりすぎて、効率的な研磨を行うことが難しい。反対に、第1の研磨液の比重が1.45を超える場合には、第1の砥粒の含有割合の上昇による研磨速度の上昇の度合いは飽和し、かえって砥粒の含有が多すぎて研磨液の粘度が高くなるため、研磨作業がしにくい。比重が1.05〜1.45の範囲であれば、十分に高い研磨速度が得られ、かつ研磨作業性が高い。
【0038】
第1の研磨液は、前記第1の砥粒と分散媒である水以外に他の成分を含有してもよい。含有可能な他の成分として、分散剤を挙げることができる。分散剤は、砥粒を純水等の分散媒中に安定的に分散させるために添加するものであり、陰イオン性、陽イオン性、ノニオン性、両性の界面活性剤や界面活性作用のある水溶性ポリマーを使用することができる。
【0039】
分散剤を使用する場合、その添加割合は、第1の砥粒の質量に対して0.3〜5質量%とすることが好ましい。分散剤の添加割合がこの範囲より低いと、砥粒の分散性が不十分となることがある。また、分散剤の添加割合がこの範囲を超えると、研磨速度等に対して悪影響を与えるおそれがある。
【0040】
(3)内周端面研磨工程および/または(4)外周端面研磨工程においては、このような(A)第1の端面研磨工程に引き続いて後述する(B)第2の端面研磨工程を行うが、第1および第2の2段階の端面研磨における各段の研磨の程度(例えば、研磨量等)は、以下に示すようにすることが好ましい。すなわち、(A)第1の端面研磨工程では、研磨の効率を第1の目的とし、面取り加工の際に生じたキズ等の加工変質層を高い研磨速度で取り除くため、研磨量も大きくする。そして、このような(A)第1の端面研磨工程により、面取り加工の際に生じたキズ等の加工変質層が除去された端面を、後述する(B)第2の端面研磨工程において鏡面になるまで研磨する。
【0041】
「(B)第2の端面研磨工程)」
(B)第2の端面研磨工程においては、(A)第1の端面研磨工程においてキズ等のある加工変質層が除去された後のガラス基板の端面(側面および面取り部)を、前記した第1の砥粒に比べて平均粒径が小さい第2の砥粒を含有する第2の研磨液を用いて、鏡面になるまで研磨する。
【0042】
第2の砥粒は、シリカ粒子、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、ジルコン粒子、酸化セリウム粒子、炭化ケイ素粒子、炭化ホウ素粒子およびダイヤモンド粒子からなる群より選ばれる1種または2種以上の粒子であることが好ましい。端面への酸化セリウムの付着および酸化セリウムに起因する異物の付着を防止するためには、第2の砥粒は、酸化セリウム粒子を除いた前記粒子群、すなわちシリカ粒子、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、ジルコン粒子、炭化ケイ素粒子、炭化ホウ素粒子およびダイヤモンド粒子からなる群より選ばれる1種以上であることが好ましく、アルミナ粒子とジルコニア粒子のうちの少なくとも1種であることがさらに好ましい。(A)第1の端面研磨工程だけでなく(B)第2の端面研磨工程においても、砥粒として酸化セリウム以外の粒子を使用した場合には、ガラス基板端面への酸化セリウムの付着や残留を完全に防止できるので、酸化セリウムの残留によって生じる欠陥を排除できる。また、レアアースの輸出規制に起因する原料の入手難や価格高騰に対応し、安価かつ安定的にガラス基板を研磨できる。さらに、酸化セリウムを除去するための酸洗浄工程を設ける必要がないので、ガラス基板製造における工程上の負荷を低減できる。
【0043】
第2の砥粒の平均粒径は、0.2μm以上4μm未満が好ましく、0.2μm〜2μmがさらに好ましく、0.5μm〜1.5μmが特に好ましい。第2の砥粒の平均粒径が0.2μm未満の場合には、研磨に時間がかかりすぎるおそれがある。第2の砥粒の平均粒径が4μm以上の場合には、端面を所望の研磨粗さ(鏡面)に研磨することが難しくなるおそれがある。
【0044】
第1の研磨液と同様に、第2の研磨液にも前記砥粒の分散媒として水が含有される。水については、特に制限はないが、他の成分に対する影響、不純物の混入、pH等への影響の少なさの点から、純水、超純水、イオン交換水等を使用することが好ましい。また、第2の研磨液の比重も、第1の研磨液と同様に1.05〜1.45の範囲とすることが好ましい。第2の研磨液の比重が1.05未満である場合には、研磨速度が低くなりすぎるため、研磨効率が劣るおそれがある。反対に、第2の研磨液の比重が1.45を超える場合には、第2の研磨液の粘度が高くなりすぎるため、研磨速度が低下し、研磨作業が難しくなるおそれがある。
【0045】
さらに第2の研磨液は、前記第2の砥粒と水以外に分散剤を含有してもよい。分散剤としては、陰イオン性、陽イオン性、ノニオン性、両性の界面活性剤や界面活性作用のある水溶性ポリマーを使用することができる。
【0046】
<(5)主平面研磨工程>
磁気記録媒体用ガラス基板の製造において、上下両主平面の研磨は、形状付与や面取り加工、主平面の研削等の際に生じたキズ等が存在する加工変質層を除去し、凹凸を平滑化して鏡面とする目的で行われる。(5)主平面研磨工程では、砥粒を含有する研磨液と発泡樹脂製等の研磨パッドとを使用し、両面研磨装置により上下両主平面の研磨を行うことが好ましい。
【0047】
所定の平均粒径の砥粒を使用して1次研磨のみを行ってもよいが、1次研磨を行った後、より粒径の小さい砥粒を使用して2次研磨を行ってもよい。また、2次研磨の後にさらに粒径の小さい砥粒を使用して3次研磨(仕上げ研磨)を行ってもよい。
【0048】
主平面研磨用の砥粒としては、シリカ粒子、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、ジルコン粒子、酸化セリウム粒子等を使用できる。これらの中でも酸化セリウム以外の粒子を使用した場合には、レアアースの輸出規制に起因する原料の入手難や価格高騰に対応し、安価かつ安定的にガラス基板を研磨できる。また、ガラス基板の主平面への酸化セリウムの付着も防止できるので、酸化セリウムの残留によって生じる欠陥をなくすことができるうえに、酸化セリウムを除去するための酸洗浄工程を設ける必要がないので、工程上の負荷を低減できる。
【0049】
(5)主平面研磨工程の後は、ガラス基板の精密洗浄を行い、磁気記録媒体用ガラス基板を得る。そして、こうして得られた磁気記録媒体用ガラス基板の上に、磁性層などの薄膜が形成され、磁気ディスクが製造される。
【0050】
[磁気記録媒体用ガラス基板]
本発明の磁気記録媒体用ガラス基板は、図1に示す内周端面(内周側面101と内周面取り部104)と外周端面(外周側面102と外周面取り部105)のうちの少なくとも一方の端面に対して、前記(A)第1の端面研磨工程と(B)第2の端面研磨工程を順に行い、鏡面になるまで研磨することにより得られるものであり、そのような2段階の研磨が行われた内周端面および/または外周端面の面取り部において、最大径10μm以上のピット欠陥数が5個/mm以下となっていることを特徴とする。面取り部の最大径10μm以上のピット欠陥数は、3個/mm以下が好ましく、1個/mm以下がより好ましく、0個/mmが特に好ましい。
【0051】
一般に、研磨ブラシを用いたガラス基板の端面研磨において、面取り部の研磨量は側面の研磨量に比べて少なくなるため、側面よりも面取り部に加工変質層が残留しやすい。ガラス基板の端面等の表面に残留する加工変質層は、ガラス基板の表面をエッチングすることにより、キズを中心に等方的にエッチングされて円形状または楕円形状のピット欠陥となり、光学顕微鏡等を用いて簡便に評価できるようになる。なお、面取り部の全周において、ピット欠陥の有無を確認するには、明視野方式ディテール可視化検査装置(Vision Psytec社製、製品名:Micro‐Max VMI‐2000P)を用いるとよい。
【0052】
本発明の磁気記録媒体用ガラス基板では、面取り部の加工変質層などの欠陥がないため、ガラス基板の機械的強度の低下が抑えられる。また、面取り部の凹凸を平滑化して十分に鏡面に仕上げられているため、凹部に捕捉された異物が主平面の異物欠陥増加の原因となる問題がなくなる。さらに、酸化セリウムが付着した異物欠陥を低減、またはなくすことができる。
【実施例】
【0053】
以下、本発明を実施例および比較例により具体的に説明する。以下の例において、例1〜例5および例8〜例20は、内周端面の研磨を2段階で行った本発明の実施例であり、例6および例7は比較例である。また、例21〜例25および例28〜例40は、外周端面の研磨を2段階で行った本発明の実施例であり、例26および例27は比較例である。本発明は実施例に限定されるものではない。
【0054】
砥粒の平均粒径、研磨液の比重およびpHは、以下の装置により測定された値である。また、研磨速度および得られたガラス基板の端面の特性(ピット欠陥数および付着粒子数)は、下記の方法により測定し評価した。
[砥粒の平均粒径]
レーザー回折・散乱装置(日機装株式会社製:マイクロトラックMT3300)を使用して求めた。
[研磨液の比重]
横田計器製作所製の比重計を使用して測定した。
[研磨液のpH]
横河電機株式会社製のpHメーターを使用し25℃で測定した。
【0055】
[研磨速度]
外周端面(外周側面および外周面取り部)については、(A)第1の端面研磨工程後または(B)第2の端面研磨工程の前後において、外径測マイクロメータ(株式会社ミツトヨ社製:デジマチック標準外側マイクロメータ)を用いて研磨量(μm)を測定し、この測定値を研磨に要した時間(min.)で除して求めた。
【0056】
また、内周端面(内周側面と内周面取り部)については、(A)第1の端面研磨工程または第2の端面研磨工程の前後において、ガラス基板中央部の円孔の直径を高精度2次元寸法測定機(キーエンス社製:VM8040)を用いて内周側面で測定し、研磨前後の円孔の直径差を用い、以下の式により内周端面の研磨量(μm)を計算した、そして、この計算値を研磨に要した時間(min.)で除して研磨速度とした。
(内周端面の研磨量)=[(研磨後ガラス基板の円孔の直径)−(研磨前ガラス基板の円孔の直径)]
【0057】
[ピット欠陥数]
ガラス基板の内周端面または外周端面を、フッ酸や硝酸等を含む酸性のエッチング溶液を用いて、ガラス基板を深さ方向に5μmエッチングして加工変質層のキズを観察しやすいピット欠陥として、洗浄と乾燥を行った後、さらにピット欠陥数を評価しやすいサイズにガラス基板を切断した。こうして内周側面、内周面取り部、外周側面および外周面取り部をそれぞれ含むピット欠陥数観察試料を作製した。なお、ガラス基板の表面のエッチング量(深さ)は、端面研磨の研磨量の測定と同じ方法で測定した。
【0058】
ピット欠陥数は、レーザー顕微鏡(オリンパス社製、製品名:LEXT OLS 3500)を用いてカウントし評価した。各観察試料を試料台に付け、側面または面取り部の面がレーザー顕微鏡の対物レンズのレンズ面に対して平行となるように固定した。レーザー顕微鏡の対物レンズは20倍を使用し、観察視野を635μm×480μmとして、直径(または長径)が10μm以上の円形状または楕円形状のピット欠陥の数をカウントした。そして、計測したピット欠陥数を観察面積で除した数値を算出した。この数値が5個/mm以下のガラス基板を良品とする。
【0059】
[付着粒子数]
内周面取り部または外周面取り部の各部をSEM−EDX(装置名:日立製作所社製S4700)を用いて観察し、酸化セリウム粒子の残渣状況(付着量)を調べた。すなわち、SEM−EDXを用いて内周面取り部または外周面取り部の任意の8点を3000倍に拡大表示し、観察視野領域の全面において、EDXの面分析によりセリウムの残渣を分析した。内周面取り部または外周面取り部のセリウムの残渣は、セリウムのL線の強度を、ガラス基板に含まれるカリウムのK線、L線の強度(内部標準)で除して評価した。そして、8箇所で測定した平均値を残留セリウム量とした。
【0060】
[例1]
フロート法で成形されたSiOを主成分とするガラス板を、外径65mm、内径20mm、板厚0.635mmの磁気記録媒体用ガラス基板が得られるような、中央部に円孔を有する円盤形状に加工した。
【0061】
この中央部に円孔を有する円盤状ガラス基板の内周側面および外周側面を、最終製品である磁気記録媒体用ガラス基板としたときの面取り幅0.15mm、面取り角度45°となるように面取り加工した後、ガラス基板の上下主平面を、アルミナ砥粒(平均粒径7〜7.5μm)を用いて研削(ラッピング)した後、砥粒を洗浄・除去した。
【0062】
次に、ガラス基板の内周端面(内周側面と内周面取り部)を、(A)第1の端面研磨工程で、第1の研磨液と研磨ブラシとを用いて研磨し、内周側面と内周面取り部のキズ等のある加工変質層を除去した後、(B)第2の端面研磨工程で、第2の研磨液と研磨ブラシとを用い鏡面となるように研磨した。(A)第1の端面研磨工程および(B)第1の端面研磨工程における研磨条件は、以下の通りであった。
【0063】
(A)第1の端面研磨工程では、第1の研磨液として、平均粒径d50が4μmのアルミナ粒子と同じく平均粒径d50が4μmのジルコン粒子とを50:50の質量比で混合した混合砥粒と、水および公知の分散剤を含有する研磨液(比重1.25)を使用し、1.0μm/min.の研磨速度で30分間研磨を行った。
【0064】
(B)第2の端面研磨工程では、第2の研磨液として、砥粒である平均粒径d50が1.2μmの酸化セリウム粒子と水および公知の分散剤を含有する研磨液(比重1.30)を使用し、1.4μm/min.の研磨速度で内周端面が鏡面になるまで15分間研磨を行った。内周端面研磨後のガラス基板は、砥粒を洗浄除去するため、超音波洗浄した。
【0065】
次に、こうして研磨が行われた後のガラス基板の内周端面(内周側面および内周面取り部)について、ピット欠陥数および付着粒子(酸化セリウム粒子)数を前記方法で測定した。測定結果をガラス基板の端面特性として表1に示す。
【0066】
端面加工後、両面研磨装置を用いてガラス基板の上下主平面を研磨した。上下主平面を研磨したガラス基板は、スクラブ洗浄、超音波洗浄を順次行い、イソプロピルアルコール蒸気により乾燥した。こうして、磁気記録媒体用ガラス基板を得た。
【0067】
[例2〜例20]
次に、(A)第1の端面研磨工程と(B)第2の端面研磨工程の少なくとも一方における研磨液の組成を変えて内周端面の研磨を行った。すなわち、中央部に円孔を有する円盤形状に加工されたガラス基板の内周側面を、例1と同様に面取り加工した後、上下主平面を研削(ラッピング)した。次いで、得られたガラス基板の内周端面(内周側面と内周面取り部)を、(A)第1の端面研磨工程で、表1および表2に示す砥粒を有する第1の研磨液を使用して同表に示す研磨速度で研磨した後、(B)第2の端面研磨工程で、表1および表2に示す砥粒を有する第2の研磨液を用いて同表に示す研磨速度で鏡面となるまで研磨した。
【0068】
こうして研磨が行われた後のガラス基板の内周端面(内周側面および内周面取り部)について、ピット欠陥数および付着粒子(酸化セリウム粒子)数を例1と同様に前記方法で測定した。測定結果を、ガラス基板の端面特性として表1および表2に示す。
【0069】
【表1】

【0070】
【表2】

【0071】
[例21〜例40]
例1と同様に面取り加工がなされたガラス基板の外周端面(外周側面と外周面取り部)を、(A)第1の端面研磨工程で、表3および表4に示す砥粒を有する第1の研磨液を使用して同表に示す研磨速度で研磨した後、(B)第2の端面研磨工程で、表3および表4に示す砥粒を有する第2の研磨液を用いて同表に示す研磨速度で鏡面となるまで研磨した。
【0072】
こうして研磨が行われた後のガラス基板の外周端面(外周側面および外周面取り部)について、ピット欠陥数および付着粒子(酸化セリウム粒子)数を前記した方法で測定した。測定結果を、ガラス基板の端面特性として表3および表4に示す。
【0073】
【表3】

【0074】
【表4】

【0075】
表1〜表4からわかるように、内周端面研磨についての本発明の実施例である例1〜例5および例8〜例20においては、研磨後のガラス基板の内周側面および内周面取り部にピット欠陥がほとんどなく、面取り加工等で生じたキズ等の加工変質層が完全に除去されている。また、外周端面研磨についての本発明の実施例である例21〜例25および例28〜例40においても、研磨後のガラス基板の外周側面および外周面取り部にピット欠陥がほとんどなく、面取り加工等で生じたキズ等の加工変質層が完全に除去されていることがわかる。すなわち、本発明の実施例である例1〜例5、例8〜例25、例28〜例40においては、内周面取り部あるいは外周面取り部のピット欠陥数が5個/mm以下のガラス基板が得られている。
さらに、これらの実施例の中でも、第2の砥粒として酸化セリウム以外の粒子を使用して(B)第2の端面研磨工程を行った例14〜例20例34〜例40においては、ガラス基板の端面への酸化セリウム粒子の付着・残留がないことがわかる。
【0076】
これに対して、例6および例26では、平均粒径が4μm未満の砥粒を使用して(A)第1の端面研磨工程を行っているので、(A)第1の端面研磨工程における研磨速度を十分に大きくすることができず、内周端面(内周側面と内周面取り部)および外周端面(外周側面と外周面取り部)における加工変質層(キズ等)の除去が十分にできていない。そのため、ガラス基板の内周端面あるいは外周端面にピット欠陥が数多く観察された。
【0077】
また、例7および例27では、平均粒径が25μmを超える砥粒を使用して(A)第1の端面研磨工程を行っているので、(A)第1の端面研磨工程での研磨加工により研磨キズが発生する結果、ガラス基板の外周面取り部および内周面取り部だけでなく、外周側面および内周側面にもピット欠陥が数多く観察された。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明によれば、砥粒としての酸化セリウム粒子の使用をできるだけ抑えながら、ガラス基板の端面を研磨し、端面にピット欠陥がなく高記録密度の実現が可能な磁気記録媒体用ガラス基板を生産性高く確実に得ることができる。
【符号の説明】
【0079】
10…磁気記録媒体用ガラス基板、11…円孔、101…内周側面、102…外周側面、103a,103b…主平面、104…内周面取り部、105…外周面取り部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央部に貫通孔を有し、前記貫通孔を構成する内周側面と、外周側面、および互いに対向する1対の主平面を有する円盤形状のガラス基板において、前記内周側面および前記外周側面と前記主平面との交差部に、それぞれ内周面取り部および外周面取り部が形成された磁気記録媒体用ガラス基板であって、
前記内周面取り部は、ガラス基板の表面を5μmエッチングしてから評価される、直径または長径の最大径が10μm以上のピット欠陥数が5個/mm以下であることを特徴とする磁気記録媒体用ガラス基板。
【請求項2】
中央部に貫通孔を有し、前記貫通孔を構成する内周側面と、外周側面、および互いに対向する1対の主平面を有する円盤形状のガラス基板において、前記内周側面および前記外周側面と前記主平面との交差部に、それぞれ内周面取り部および外周面取り部が形成された磁気記録媒体用ガラス基板であって、
前記外周面取り部は、ガラス基板の表面を5μmエッチングしてから評価される、直径または長径の最大径が10μm以上のピット欠陥数が5個/mm以下であることを特徴とする磁気記録媒体用ガラス基板。
【請求項3】
前記内周面取り部は、SEM−EDXで測定されるセリウムのL線の強度を、カリウムのK線、L線の強度(内部標準)で除した値が、0.3以下である請求項1または2に記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
【請求項4】
前記外周面取り部は、SEM−EDXで測定されるセリウムのL線の強度を、カリウムのK線、L線の強度(内部標準)で除した値が、0.3以下である請求項1〜3いずれかに記載の磁気記録媒体用ガラス基板。

【図1】
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【公開番号】特開2012−256426(P2012−256426A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−219258(P2012−219258)
【出願日】平成24年10月1日(2012.10.1)
【分割の表示】特願2011−49388(P2011−49388)の分割
【原出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(000000044)旭硝子株式会社 (2,665)
【Fターム(参考)】