説明

磁気記録媒体用塗料組成物およびそれを用いてなる磁気記録媒体

【課題】
カーボンブラックが微細かつ均一に分散され、粗大粒子の数が少ない磁気記録媒体用塗料組成物およびそれを用いてなる表面性に優れた磁気記録媒体を提供すること。
【解決手段】
少なくともカーボンブラックと共に特定の構造を有するベンゾイソインドール誘導体を用いることにより、カーボンブラックの分散安定性が向上し、粗大粒子が少ない磁気記録媒体用塗料組成物が得られ、それを用いて形成した塗布層は粗大粒子個数が少なく、表面平滑性に優れるため。磁気特性、走行性、耐久性に優れた磁気記録媒体を提供することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気記録媒体用塗料組成物およびそれを用いてなる磁気記録媒体に関し、特に、非磁性支持体に対し、互いに反対面に磁性層とバック層を有する磁気記録テープに適する該バック層を形成するための磁気記録媒体用塗料組成物、ならびに非磁性支持体の一方の面に、非磁性粉末が結合剤に分散されてなる厚さ2.5μm以下の非磁性下層と強磁性粉末が結合剤に分散されてなる厚さ0.3μm以下の磁性層が重層された構造を少なくとも有する磁気記録媒体に適する該非磁性下層を形成するための磁気記録媒体用塗料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、磁気記録媒体、特にデータストレージテープ、放送・業務用VTRテープの高記録容量化、高画質化に伴い、磁気記録媒体の薄膜化、記録波長の短波長化および記録トラック幅の狭トラック化が図られ、磁性層の更なる高平滑化が求められている。記録波長の短波長化におけるスペーシングロスの影響による出力低下の防止や、狭トラック化の実現に不可欠なMRヘッドやGMRヘッドでの出力安定化、更に磁気記録/再生における各種特性の向上を目的に、磁性層の高平滑化が求められている。これに伴い、非磁性下層支持体に対し、磁性層と反対面に形成されたバック層および非磁性支持体に対し磁性層と同一面側に重層された非磁性下層の高平滑化も求められている。
【0003】
磁気記録テープは、一般に走行特性の改善や帯電による塵埃付着の防止あるいはテープ終端検出等を目的に、非磁性支持体に対し磁性層とは反対面にバック層が形成されている。バック層は平均一次粒子径が10〜50nmの微細なカーボンブラックと、平均一次粒子径が50〜500nmの前記カーボンブラックに比較して大きいカーボンブラックと、平均一次粒子径が50〜500nmの無機粉末および結合剤などにより構成されており、10〜50nmの微細カーボンブラックを用いて表面平滑性を得ると同時に、これよりも粒子径の大きな60〜500nmカーボンブラックを用いることにより、任意の粒度分布を有するスパイク状の突起を塗膜表面に形成することにより、平滑性と走行耐久性を両立させている(特許文献1および2参照)。
【0004】
磁性層を塗布方式により形成する磁気記録媒体においては、磁性層の薄膜化を主目的に非磁性支持体と磁性層の中間に非磁性下層が形成された重層塗布型磁気記録媒体が主流となりつつある。記録波長の短波長化に伴い、磁性層の厚みが厚いと出力が低下する自己減磁損失、厚み損失が大きな問題となるため、磁性層を薄膜化する必要がある。しかしながら、磁性層を薄くすると、支持体の影響、特にその表面形状の影響を受けやすくなり、電磁変換特性の悪化等の問題を引き起こす。このため非磁性強いたいに非磁性下層、磁性層の順に積層するいわゆる重層塗布型磁気記録媒体が提案され、実用化されている。これにより非磁性支持体の表面形状が磁性層表面に表れにくくなり、磁性層の平滑性と薄膜化を両立させることができる。また、VTRテープ等の一部の磁気記録媒体において、テープの終端検知は光透過率の差を検知することで行われており、磁気記録媒体の薄層化、磁性層内に分散されている強磁性粉末の微粒化により磁気記録層の光透過率が大きくなるとテープ終端検知が困難となるため、磁性層または非磁性下層にカーボンブラックを添加して光透過率を小さくすることが行われている。また、磁気記録媒体における表面電気抵抗値が高いと、帯電により磁気記録媒体の製造工程時や使用時に切削屑や粉塵等がテープ表面に付着し、その結果磁気記録/再生特性の低下や、ドロップアウトが増加してしまう。そのため、磁気記録媒体の表面電気抵抗値を下げる目的でも磁性層または非磁性下層中にカーボンブラックが使用されている。さらに走行耐久性の改善等の目的でしようされる潤滑剤を保持するタンク機能としての役割を非磁性下層に付与するために、非磁性下層中にカーボンブラックが好適に用いられている(特許文献3、4、5参照)。
【0005】
上述の通り、磁気記録媒体においてカーボンブラックはバック層、非磁性下層、磁性層の各層中で重要な役割を担っているが、その役割を充分に果たし且つ悪影響を及ぼさないためには、カーボンブラックを微細且つ均一に分散し安定化させる必要がある。カーボンブラックが微細且つ均一に分散安定化されずに磁気記録媒体用塗料組成物として用いた場合、バック層においては表面が粗くなり、バック層の凹凸がテープ製造工程時や走行時あるいはリール状に巻かれた状態での保存時に磁性層の表面に転写することにより生じるエンボスが顕著となる。また、磁性層の表面に傷をつけるため、そのことが原因で記録波長に対応する周波数の信号に対するノイズの増加やドロップアウトの増加などの磁気特性の低下に繋がる。また、磁気記録媒体製造時や使用時にカーボンブラック凝集物を主体とする磁気記録媒体用塗料組成物の凝集物が脱落するいわゆる粉落ちによって前記の各種問題を引き起こすことがある。一方、非磁性下層や磁性層に関しては、その平滑性が損なわれて電磁変換特性の低下等磁気特性の低下を招き、その他の機能を充分に発揮できないといった問題も生じる。
【特許文献1】特開昭62−8328号公報
【特許文献2】特開平2−7223号公報
【特許文献3】特開昭57−98134号公報
【特許文献4】特開平3−241522号公報
【特許文献5】特許第2133967号公報
【特許文献6】特開昭61−224136号公報
【特許文献7】特開平1−232524号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、磁気記録媒体における非磁性下層およびバック層に関して、カーボンブックの分散性、保存安定性を改善し、高平滑かつエラーレートに結びつくような粗大粒子を低減した塗膜を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の構造をもつベンゾイソインドール誘導体を使用することにより、カーボンブラックを微細かつ均一に分散させることができ、粗大粒子を低減できることを見出した。
【0008】
すなわち本発明は、支持体の一方の面に磁性層を有し、他方の面にバック層を有する磁気記録媒体において、非磁性層またはバック層を形成するための塗料組成物であって、該塗料組成物が少なくともカーボンブラックと樹脂、有機溶剤および下記一般式(1)で表されるベンゾイソインドール誘導体を用いてなることを特徴とする磁気記録媒体用塗料組成物である。
【0009】
一般式(1)
【0010】
【化1】

【0011】
[式中、Rは水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいアシル基を表す。]
、R、R、R、R、R、R、R10は、互いに独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、フェニル基、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有してもよいアルコキシ基、または−NR1213である。ただし、R12とR13は、互いに独立に、水素原子、または置換基を有してもよいアルキル基、またはR12とR13とで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含んでもよい複素環を表す。
は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアシル基、または、一般式(2)で表される置換基を表す。
【0012】
−Y−(Z)k 一般式(2)
(式中、Yは、直接結合、−O−、−S(O)m−(ここでmは、0から3の整数を表す)、−CO−、−NR14−、−CONR14−、−SONR14−、−NR14CO−、−NR14SO−(ここでR14は、水素原子、アルキル基、またはヒドロキシアルキル基を表す)、炭素数1から12の直鎖または枝分かれしたアルキレン基あるいは、アルキル基、アミノ基、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基、またはハロゲン原子で置換されていてもよいベンゼン残基あるいはトリアジン残基、またはこれらの結合基を2個以上組み合わせた結合基を表す。Zはハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいフタルイミドメチル気、−NR1516、SO・M/n、または−COO・M/nを表し、R15とR16はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいフェニル基、またはR15とR16とで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含んでもよく、置換基を有してもよい複素環を表し、Mは水素イオン、1から3価の金属イオン、または少なくとも1つがアルキル基で置換されているアンモニウムイオンを表し、nはMの価数を表す。kは1または2の整数を表す。)
11は、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアルールオキシ基、−S(O)mR17、−NR1819、またはNX−である。ただし、mは0から3までの整数であり、R17は水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、またはハロゲン原子である。さらに、R18とR19は、互いに独立に、水素原子、または置換基を有してもよいアルキル基、またはR18とR19とで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含んでもよい複素環を表す。Xは、ハロゲン原子を表す。]
また、本発明は、カーボンブラック100重量部に対し、一般式(1)で表されるベンゾイソインドール誘導体を0.1から20重量部含有することを特徴とする上記記載の磁気記録媒体用塗料組成物である。
【0013】
更には、非磁性支持体に対し、互いに反対面に磁性層とバック層を有する磁気記録媒体であって、当該バック層が上記記載の磁気記録媒体用塗料組成物を含むことを特徴とする磁気記録媒体である。
【0014】
更には、非磁性支持体の一方の面が、非磁性下層と磁性層とが重層塗布された構成を有する磁気記録媒体において、その非磁性下層が上記記載の磁気記録媒体用塗料組成物を含むことを特徴とする磁気記録媒体である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の実施により得られる磁気記録媒体用塗料組成物は、従来の技術を用いて得られた塗料組成物に比べ、優れた粘度適性、塗膜光沢、表面性、走行耐久性、貯蔵安定性を示す。これによって粗大粒子の数が少なく表面特性に優れたバック層、非磁性下層を形成することができ、データストレージテープやデジタル放送用VTRテープに適する、高記録密度であり、かつ磁気特性、信頼性に優れた磁気記録媒体を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明について詳細に説明する。本発明における磁気記録媒体用塗料組成物は少なくともカーボンブラックと結合剤、有機溶剤および下記一般式(1)で表されるベンゾイソインドール誘導体を用いてなることを特徴とする磁気記録媒体用塗料組成物である。
【0017】
本発明におけるベンゾイソインドール誘導体としては、下記一般式(1)で表される。
【0018】
一般式(1)
【0019】
【化1】

【0020】
[式中、Rは水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいアシル基を表す。]
、R、R、R、R、R、R、R10は、互いに独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、フェニル基、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有してもよいアルコキシ基、または−NR1213である。ただし、R12とR13は、互いに独立に、水素原子、または置換基を有してもよいアルキル基、またはR12とR13とで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含んでもよい複素環を表す。
【0021】
は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアシル基、または、一般式(2)で表される置換基を表す。
【0022】
−Y−(Z)k 一般式(2)
(式中、Yは、直接結合、−O−、−S(O)m−(ここでmは、0から3の整数を表す)、−CO−、−NR14−、−CONR14−、−SONR14−、−NR14CO−、−NR14SO−(ここでR14は、水素原子、アルキル基、またはヒドロキシアルキル基を表す)、炭素数1から12の直鎖または枝分かれしたアルキレン基あるいは、アルキル基、アミノ基、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基、またはハロゲン原子で置換されていてもよいベンゼン残基あるいはトリアジン残基、またはこれらの結合基を2個以上組み合わせた結合基を表す。Zはハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいフタルイミドメチル気、−NR1516、SO・M/n、または−COO・M/nを表し、R15とR16はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいフェニル基、またはR15とR16とで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含んでもよく、置換基を有してもよい複素環を表し、Mは水素イオン、1から3価の金属イオン、または少なくとも1つがアルキル基で置換されているアンモニウムイオンを表し、nはMの価数を表す。kは1または2の整数を表す。)
11は、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアルールオキシ基、−S(O)mR17、−NR1819、またはNX−である。ただし、mは0から3までの整数であり、R17は水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、またはハロゲン原子である。さらに、R18とR19は、互いに独立に、水素原子、または置換基を有してもよいアルキル基、またはR18とR19とで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含んでもよい複素環を表す。Xは、ハロゲン原子を表す。]
【0023】
置換基を有してもよいアルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクダデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−エチルペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、トリフルオロメチル基、2−エチルヘキシル基、フェナシル基、1−ナフトイルメチル基、2−ナフトイルメチル基、4−メチルスルファニルフェナシル基、4−フェニルスルファニルフェナシル基、4−ジメチルアミノフェナシル基、4−シアノフェナシル基4−メチルフェナシル基、2−メチルフェナシル基、3−フルオロフェナシル基、3−トリフルオロメチルフェナシル基、3−ニトロフェナシル基等が挙げられる。
【0024】
置換基を有してもよいアシル基としては、炭素数2〜20のアシル基が好ましく、例えば、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、トリフルオロメチルカルボニル基、ペンタノイル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、4−メチルスルファニルベンゾイル基、4−フェニルスルファニルベンゾイル基、4−ジメチルアミノベンゾイル基、4−ジエチルアミノベンゾイル基、2−クロロベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、2−メトキシベンゾイル基、2−ブトキシベンゾイル基、3−クロロベンゾイル基、3−トリフルオロメチルベンゾイル基、3−シアノベンゾイル基、3−ニトロベンゾイル基、4−フルオロベンゾイル基、4−シアノベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基等が挙げられる。
【0025】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0026】
置換基を有してもよいアルコキシ基としては、炭素数1〜30のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イ
ソペンチルオキシ基、ヘキシルオキシキ、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、エトキシカルボニルメチル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニルメチルオキシ基、アミノカルボニルメチルオキシ基、N,N−ジブチルアミノカルボニルメチルオキシ基、N−メチルアミノカルボニルメチルオキシ基、N−エチルアミノカルボニルメチルオキシ基、N−オクチルアミノカルボニルメチルオキシ基、N−メチル−N−ベンジルアミノカルボニルメチルオキシ基、ベンジルオキシ基、シアノメチルオキシ基等が挙げられる。
【0027】
置換基を有してもよいアリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、o−、m−、およびp−トリル基、キシリル基、o−、m−、およびp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基等が挙げられる。
【0028】
置換基を有してもよいアリールオキシ基としては、炭素数6〜30のアリールオキシ基が好ましく、例えば、フェニルオキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、2−クロロフェニルオキシ基、2−メチルフェニルオキシ基、2−メトキシフェニルオキシ基、2−ブトキシフェニルオキシ基、3−クロロフェニルオキシ基、3−トリフルオロメチルフェニルオキシ基、3−シアノフェニルオキシ基、3−ニトロフェニルオキシ基、4−フルオロフェニルオキシ基、4−シアノフェニルオキシ基、4−メトキシフェニルオキシ基、4−ジメチルアミノフェニルオキシ基、4−メチルスルファニルフェニルオキシ基、4−フェニルスルファニルフェニルオキシ基等が挙げられる。
【0029】
さらに、アルキル基、アシル基、アルコキシ基、アリール基、およびアリールオキシ基の水素原子はさらに他の置換基で置換されていても良い。
【0030】
そのような置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカル
ボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基、メチルアミ
ノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−ト
リルアミノ基等のアリールアミノ基、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、ア
ンスリル基、フェナントリル基等のアリール基、フリル基、チエニル基等の複素環基等の他、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p
−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基、トリメチルアンモニウミル基、ジメチルスルホニウミル基、トリフェニルフェナシルホスホニウミル基等が挙げられる。
【0031】
さらに、R12とR13、R18とR19は、それぞれ一体となって、更なる窒素、酸素または硫黄原子を含んでもよい複素環を形成していてもよい。
【0032】
置換基を有してもよいフタルイミドメチル基としては、フタルイミドメチル基、4−ニトロフタルイミドメチル基、4−クロロフタルイミドメチル基、テトラクロロフタルイミドメチル基、(4,6−ビス(フタルイミドメチルアミノ)−1,3,5−トリアジン)
−2−イルアミノメチル基等が挙げられる。
【0033】
1〜3価の金属イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、バリウムイオン、アルミニウムイオン等が挙げられる。
【0034】
少なくとも1つがアルキル基で置換されているアンモニウムイオンとしては、オクチルアンモニウムイオン、ドデシルアンモニウムイオン、ヘキサデシルアンモニウムイオン、オクタデシルアンモニウムイオン、ジメチルジデシルアンモニウムイオン、ジメチルジドデシルアンモニウムイオン、ジメチルジオクタデシルアンモニウムイオン、トリメチルドデシルアンモニウムイオン、トリメチルオクタデシルアンモニウムイオン等が挙げられる
この中で、広範な樹脂に対し優れた分散性を示すだけでなく、非集合性、非結晶性、粘度適性、塗膜光沢、鮮明性、貯蔵安定性に優れたインキ及び塗料を得ることが容易に達成できる本発明のベンゾイソインドール誘導体は、R4
、一般式(3)または一般式(4)で表される置換基を有するものである。
【0035】
−Y−(NR1516)k 一般式(3)
式中、Yは、直接結合、−O−、−S(O)m−(ここでmは、0から3の整数を表す)、−CO−、−NR14−、−CONR14−、−SO2NR14−、−NR14CO−、−N
14SO2−(ここでR1は、水素原子、アルキル基、またはヒドロキシアルキル基を表す)、炭素数が1〜12の直鎖または枝分かれしたアルキレン基、およびアルキル基、アミノ基、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基、またはハロゲン原子で置換されてもよいベンゼン残基あるいはトリアジン残基、またはこれらの結合基を2個以上組み合わせた結合基を表す。R15とR16はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいフェニル基、またはR15とR16とで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含んでもよく、置換基を有してもよい複素環を表す。kは1または2の整数を表す。
【0036】
一般式(3)で表される置換基としては、例えば、スルファモイル基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、オクチルアミノ基、ドデシルアミノ基、オクタデシルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジメチルアミノプロピルアミノ基、ジエチルアミノプロピルアミノ基、ジエチルアミノエチルアミノ基、ジブチルアミノプロピルアミノ基、ピペリジノメチル基、ジメチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基、ジブチルアミノメチル基、ジメチルアミノエチルオキシ基、ジメチルアミノエチルチオ基、ジエチルアミノエチルチオ基、ジエチルアミノエチルスルフィニル基、(4,6−ビス(ジエチルアミノプロピルアミノ)−1,3,5−トリアジン)−2−イル基、ジメチルアミノプロピルアミノスルホニル基、ジエチルアミノプロピルアミノスルホニル基、ジブチルアミノプロピルアミノスルホニル基、モルホリノエチルアミノスルホニル基、4-アミノフェニルアミノスルホニル基、ピペリジノプロピルアミノスルホニル基、4−メチルピペラジノプロピルアミノスルホニル基、ジメチルアミノプロピルアミノカルボニル基、4−(ジエチルアミノプロピルアミノカルボニル)フェニルアミノカルボニル基、ジメチルアミノメチルカルボニルアミノメチル基、ジエチルアミノプロピルアミノメチルカルボニルアミノメチル基、ジブチルアミノプロピルアミノメチルカルボニルアミノメチル基などが挙げられる。
【0037】
−Y−(−SO3・M/n、または−COO・M/n)k 一般式(4)
式中、Yは、直接結合、−O−、−S(O)m−(ここでmは、0から3の整数を表す)、−CO−、−NR14−、−CONR14−、−SO2NR14−、−NR14CO−、−N
14SO2−(ここでR1は、水素原子、アルキル基、またはヒドロキシアルキル基を表す)、炭素数1〜12の直鎖または枝分かれしたアルキレン基、およびアルキル基、アミノ基、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基、またはハロゲン原子で置換されてもよいベンゼン残基あるいはトリアジン残基、またはこれらの結合基を2個以上組み合わせた結合基を表す。Mは水素イオン、1〜3価の金属イオン、または少なくとも1つがアルキル基で置換されているアンモニウムイオンを表し、nはMの価数を表す。kは1または2の整数を表す。
【0038】
一般式(4)で表される置換基としては、例えば、スルホ基、ナトリウムスルホナト基、カルシウムスルホナト基、ストロンチウムスルホナト基、バリウムスルホナト基、アルミニウムスルホナト基、4−(アルミニウムスルホナト)フェニルカルバモイルメチル基、ドデシルアンモニオスルホナト基、オクタデシルアンモニオスルホナト基、トリメチルオクタデシルアンモニオスルホナト基、ジメチルジデシルアンモニオスルホナト基、カルボキシル基、2−アンモニウムカルボキシラト−5−ニトロベンズアミドメチル基、4−カルボキシフェニルアミノカルボニル基などが挙げられる。
【0039】
上記一般式(1)で表されるベンゾイソインドール誘導体の具体例を表1に示す
(ただし、Meはメチル基、Etはエチル基、n−Prはノルマルプロピル基、i−Prは2−プロピル基、Buはブチル基、Hexはヘキシル基、Tolはパラトリル基、Acはアセチル基、Bzはベンゾイル基、Phはフェニル基を表す)。
【0040】
【表1】











【0041】
が水素原子である化合物は、互変異性体として下記一般式(5)に示す骨格もとることができる。
【0042】
一般式(5)
【0043】
【化2】

上記顔料組成物には、さらに顔料誘導体、好ましくはジケトピロロピロール、キナクリドン、チアジンインジゴまたはアントラキノンからなる顔料残基に、塩基性基、酸性基またはフタルイミドジメチル基が導入された顔料誘導体群から選ばれる少なくとも1種の顔料誘導体を含有させることができる。
【0044】
本発明におけるベンゾイソインドール誘導体の配合量としては、使用するカーボンブラックの粒径、比表面積、DBP吸収量などによって差はあるが、カーボンブラック100重量部に対して1〜20重量部が好ましく、3〜10重量部が更に好ましい。配合量が1重量部以下であると本発明の誘導体の機能が十分に発現されず、また20重量部以上ではかえって分散不良を起こし、増粘や表面平滑性の悪化を引き起こす恐れがある。
【0045】
本発明におけるカーボンブラックとしては、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック等を単独または組み合わせて用いることができる。これらのカーボンブラックは従来公知の方法により各種前処理が施されていたり、目的に応じて他の物質で表面処理されていたり、グラフト化等の処理が行われていてもよい。さらに他の物質の表面等に付着した状態あるいは処理されたカーボンブラックも使用できる。また、粒状、粉状、ウエット状、スラリー状の何れの形態であってもよい。
【0046】
本発明における結合剤としては、磁気記録媒体用途に用いられるか公知の樹脂を単独または組み合わせて用いることができる。具体例としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、アクリロニトリル、スチレン、ビニルブチラール、ビニルアセタール等を構成単位として含む重合体または共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコン樹脂、硝化綿等の繊維素系樹脂が挙げられる。好ましい結合剤としては、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、硝化綿、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂を単独または組み合わせたものであり、特に好ましくはポリウレタン樹脂単独、または硝化綿とポリウレタン樹脂の組み合わせである。ポリウレタン樹脂としては、ポリエステルポリウレタンの共重合体、ポリエーテルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、ポリカプロラクトンポリウレタンが使用できる。
【0047】
また、これらの結合剤には、−COOM、−SOM、−OSOM、−PO(OM)(Mは水素原子またはアルカリ金属原子)、−OH、NRn(Rは水素原子または炭化水素、n=2〜3)、エポキシ基、スルホベタイン基などから選ばれる少なくとも1つの極性基を導入したものが好ましい。また、これらの結合剤に紫外線または電子線で架橋する不飽和基を導入してもよい。また、これらの樹脂には架橋剤としてポリイソシアネートを組み合わせてもよい。ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、4−4’ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、オルトトルイジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のイソシアネート類、またいわゆるブッロク剤(マスク剤とも言う)でブロックされたブロックイソシアネート類、またこれらのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、またイソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネート等を使用することができる。これらのポリイソシアネートは結合剤中の極性基と反応し3次元的に架橋し、塗膜の強度、耐久性等を高める効果がある。
【0048】
本発明における溶剤としては、特に制限はないが、具体例としてはメチルエチルケトン、トルエン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、テトラヒドロフラン等の任意比率の混合溶剤が挙げられる。これらの溶剤は必ずしも100%純粋である必要はなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物、水分等の不純物が含まれていても構わない。
【0049】
本発明の磁気記録媒体用塗料組成物には、必要に応じて各種粉末、分散剤、潤滑剤、その他各種添加剤等の公知の材料を含有しても良い。粉末の具体例としては、酸化チタン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、アルミナ、シリカ、窒化珪素、炭化珪素等が挙げられる。分散剤としては、従来公知の樹脂型分散剤、界面活性剤、カップリング剤、レシチン、リン酸エステル、脂肪酸、脂肪酸金属塩、あるいは特開昭61−224136号公報や特第2602273号公報などに開示されている有機色素化合物やトリアジン化合物などを単独または2つ以上組み合わせて使用できる。
【0050】
本発明の磁気記録媒体用塗料組成物の製造方法に関しては特に制限はないが、従来公知である製造工程、例えば2本ロールミル、3本ロールミル、ニーダー、加圧ニーダー、連続ニーダー、エクストルーダー、連続エクストルーダー、ボールミル、アトライター、サンドミル、コボールミル、アジテーターミル、スーパーミル、ショットミル、ピンミル、ジェットミル、ディスクミル、ホモジナイザー、バスケットミル、ペブルミル、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、プラネタリーミキサー、ディゾルバー、超音波分散機などを、単独あるいは2つ以上組み合わせて用いる工程により製造することができる。
【0051】
本発明における非磁性支持体は、現在磁気記録媒体に汎用されているポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリカーボネート等の合成樹脂フィルム、アルミニウム、ステンレス等の金属フィルム、各種紙が使用でき、厚みは1〜200μm、好ましくは2〜20μmである。
【0052】
本発明における磁性層は、強磁性粉末をバインダーに分散させた磁性塗料組成物を塗布、乾燥するか、蒸着やスパッタリングにより金属薄膜を形成する方法により得られる。強磁性粉末としては、金属磁性粉末、酸化鉄、炭化鉄、バリウムフェライトなどの磁性をもつものであれば特に制限はなく、形状も球状、針状、板状等任意に選択して使用できる。これらの強磁性粉末には必要に応じて無機化合物、有機化合物で表面処理してもよい。また磁性層にはカーボンブラックや従来公知の潤滑剤、研磨剤、分散剤や各種添加剤を含有させることができる。また、蒸着またはスパッタリングにより形成される金属薄膜としてはFe、Co、及びNi等の強磁性金属ならびにこれらの合金からなるものがあり、単層であっても多層であってもよい。また蒸着層の上層にスパッタリング,CVD法等による保護膜を形成してもよく、従来公知の潤滑層を形成してもよい。
【0053】
本発明における非磁性下層は、少なくともカーボンブラックを含む非磁性粉末と結合剤を含有し、カーボンブラック以外の非磁性粉末としては金属酸化物、金属炭酸塩、金属窒化物、金属炭化物等の無機化合物がある。具体例としては例えば酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、アルミナ、シリカ、窒化珪素、炭化珪素等が挙げられる。これらの非磁性粉末の平均一次粒子径は5nm〜1000nmであるが特に好ましいのは10〜500nmである。非磁性粒子が球状の場合には平均一次粒子径は80nm以下が好ましく、針状粒子の場合には平均長軸経300nm以下が好ましい。これらの非磁性粉末には必要に応じて無機化合物、有機化合物、カーボンブラックで表面処理してもよい。特にアルミニウムの水酸化物または酸化物、ケイ素の水酸化物または酸化物から選ばれた1種または2種以上で被覆処理することが好ましい。また、非磁性層には従来公知の潤滑剤、分散剤や各種添加剤を含有させることができる。形成方法に関しては特に制限はなく、従来公知の方法を用いることが可能で、例えば、上記材料を含有する非磁性下層形成用塗料組成物を塗布、乾燥すること等が挙げられ、磁性層と別々に或いは同時に形成されても良い。
【0054】
本発明におけるバック層は、少なくともカーボンブラックを含む非磁性粉末と結合剤樹脂を有し、カーボンブラック以外の非磁性粉末としては金属酸化物、金属炭酸塩、金属窒化物、金属炭化物等の無機化合物がある。具体例としては例えば酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、アルミナ、シリカ、窒化珪素、炭化珪素等が挙げられる。これらの非磁性粉末の平均一次粒子径は5nm〜500nmであるが特に好ましいのは10〜350nmであり、単独でも良いが2種類以上を組み合わせて用いることができる。これらの非磁性粉末には必要に応じて無機化合物、有機化合物、カーボンブラックで表面処理してもよい。特にアルミニウムの水酸化物または酸化物、ケイ素の水酸化物または酸化物から選ばれた1種または2種以上で被覆処理することが好ましい。また、バック層には従来公知の潤滑剤、分散剤や各種添加剤を含有させることができる。形成方法に関しては特に制限はなく、従来公知の方法を用いることが可能で、例えば、上記材料を含有するバック層形成用塗料組成物を塗布、乾燥すること等が挙げられ、磁性層や非磁性下層に対する形成の順序に関しても特に制限はない。
[実施例]
以下に、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における「部」は、「重量部」を表す。また、実施例および比較例中で使用した有機色素誘導体AないしEについては、従来公知の方法により得られたものを使用した。
[実施例1]
[磁性層の形成]
メタル磁性粉(比表面積50平方米/g、保磁力1500Oe) 100部
塩化ビニル樹脂(MR−110、日本ゼオン株式会社) 10部
ポリウレタン樹脂(UR−8300、東洋紡績株式会社) 20部
α−アルミナ(粒子径:0.2μ) 3部
カーボンブラック(コンダクテックスSC、
コロンビヤンカーボン株式会社) 5部
ステアリン酸 1部
ステアリン酸ブチル 1部
シクロヘキサノン 60部
トルエン 120部
メチルエチルケトン 120部
上記組成物を1mm径のガラスビーズを充填したサンドミルで分散した後に、ポリイソシアネート(コロネートL、日本ポリウレタン株式会社)を5部加え、5μのフィルターで濾過して磁性層形成用塗料組成物を得た。該磁性層形成用塗料組成物を9μ厚のポリエチレンテレフタラート支持体上に塗布、配向、乾燥後にカレンダー処理による鏡面加工を行い、1.5μ厚の磁性層を形成した。
【0055】
[バック層の形成]
下記のバック層形成用塗料組成物(1)およびバック層形成用塗料組成物を別々に調整した後、バック層形成用塗料組成物(1)100重量部に対してバック層形成用塗料組成物(2)を3部混合してバック層形成用塗料組成物(3)を調製した。得られたバック層形成用塗料組成物(3)100重量部に対してポリイソシアネート(コロネートL、日本ポリウレタン株式会社)を2部混合し、5μmのフィルターで濾過して得られたバック層形成用塗料組成物(4)を上記磁性層形成後の支持体における磁性層と反対面に塗布、乾燥して1μm厚のバック層を形成した。その後、60℃で24時間硬化促進し、1/2インチ幅に裁断して磁気テープを作成した。
【0056】
[バック層形成用塗料組成物(1)]
下記組成物を以下の要領で分散してバック層形成用塗料組成物(1)を得た。
【0057】
カーボンブラックA(平均一次粒子径17nm) 100部
70%湿潤硝化綿(HIG−1 SNPEジャパン株式会社) 81部
ポリウレタン溶液(バイロンUR8300 東洋紡績株式会社) 127部
有機色素誘導体A(一般式(6)) 5部
シクロヘキサノン 68部
トルエン 250部
メチルエチルケトン 250部
上記組成物をタンク中で混合攪拌後に、0.5mmφのジルコニアビーズが充填されたアニュラー構造を有するメディア攪拌型分散機にてベッセル内塗料滞留時間5分で分散し、5μmのフィルターで濾過してバック層形成用塗料組成物(1)を得た。
【0058】

一般式(6)
【0059】
【化3】


[バック層形成用塗料組成物(2)]
下記組成物を以下の要領で分散してバック層形成用塗料組成物(2)を得た。
【0060】
カーボンブラックB(平均一次粒子径270nm) 100部
70%湿潤硝化綿(HIG−1 SNPEジャパン株式会社) 81部
ポリウレタン溶液(バイロンUR8300 東洋紡績株式会社) 127部
有機色素誘導体A(一般式(6)) 3部
シクロヘキサノン 240部
トルエン 240部
メチルエチルケトン 53部
上記組成物をタンク中で混合攪拌後に、0.5mmφのジルコニアビーズが充填されたアニュラー構造を有するメディア攪拌型分散機にてベッセル内塗料滞留時間3分で分散し、5μmのフィルターで濾過してバック形成用塗料組成物(2)を得た。
【0061】
次に、バック層形成用塗料組成物(1)と(2)を、それぞれ
[実施例2]
実施例1のバック層形成用塗料組成物(1)、(2)の製造過程において、それぞれに用いる有機色素誘導体を有機色素誘導体B(一般式(7))と変更した以外は同様にして各塗料組成物および塗布テープを作成した。
【0062】

一般式(7)
【0063】
【化4】


[実施例3]
実施例1のバック層形成用塗料組成物(1)、(2)の製造過程において、それぞれに用いる有機色素誘導体を有機色素誘導体C(一般式(8))と変更した以外は同様にして各塗料組成物および塗布テープを作成した。
【0064】

一般式(8)
【0065】
【化5】


[実施例4]
バック層の形成方法および塗料の配合を以下の記載通りとしたこと以外は実施例1と同様にして、各塗料組成物および塗布テープを作成した。
【0066】
[バック層の形成]
下記のバック層形成用塗料組成物(3)およびバック層形成用塗料組成物(4)を別々に調整した後、バック層形成用塗料組成物(3)100重量部に対してバック層形成用塗料組成物(4)を3部混合してバック層形成用塗料組成物(3)を調製した。得られたバック層形成用塗料組成物(3)100重量部に対してポリイソシアネート(コロネートL、日本ポリウレタン株式会社)を2部混合し、5μmのフィルターで濾過して得られたバック層形成用塗料組成物(4)を上記磁性層形成後の支持体における磁性層と反対面に塗布、乾燥して1μm厚のバック層を形成した。その後、60℃で24時間硬化促進し、1/2インチ幅に裁断して磁気テープを作成した。
【0067】
下記組成物を2本ロールミルで分散処理し固形分散物を得た。
【0068】
カーボンブラックA(一次粒子の平均粒子径17nm) 100部
70%湿潤硝化綿(HIG−1 旭化成ケミカルズ(株)) 81部
ポリウレタン溶液(バイロンUR8200 東洋紡績(株)) 127部
有機色素誘導体A(一般式(6) 5部
上記固形分散物の120℃1時間加熱での不揮発分は95%であった。次にメチルエチルケトン240部、トルエン240部、シクロヘキサノン53部を予め混合した溶液中に上記固形分散物100部をディゾルバーで攪拌しながら加え、2時間攪拌した。次に得られた組成物を0.5mm径のジルコニアビーズを充填したアニュラー構造を有するメディア攪拌型分散機を用いて分散し、5μmのフィルターで濾過してバック層形成用塗料組成物(3)を得た。
【0069】
[バック層形成用塗料組成物(4)]
下記組成物を2本ロールミルで分散処理し固形分散物を得た。
【0070】
カーボンブラックB(一次粒子の平均粒径270nm) 100部
70%湿潤硝化綿(HIG−1 旭化成(株)) 81部
ポリウレタン溶液(バイロンUR8200 東洋紡績(株)) 127部
有機色素誘導体A(一般式(6)) 5部
上記固形分散物の120℃1時間加熱での不揮発分は95%であった。次にメチルエチルケトン240部、トルエン240部、シクロヘキサノン53部を予め混合した溶液中に上記固形分散物100部をディゾルバーで攪拌しながら加え、2時間攪拌した。次に得られた組成物を0.5mm径のジルコニアビーズを充填したアニュラー構造を有するメディア攪拌型分散機を用いて分散し、5μmのフィルターで濾過してバック層形成用塗料組成物(4)を得た。
[実施例5]
実施例4のバック層形成用塗料組成物(3)、(4)の製造過程において、それぞれに用いる有機色素誘導体を有機色素誘導体B(一般式(7))と変更した以外は同様にして各塗料組成物および塗布テープを作成した。
[実施例6]
実施例4のバック層形成用塗料組成物(3)、(4)の製造過程において、それぞれに用いる有機色素誘導体を有機色素誘導体C(一般式(8))と変更した以外は同様にして各塗料組成物および塗布テープを作成した。
[実施例7]
[非磁性下層の形成]
下記の非磁性下層用形成用塗料組成物(1)および非磁性下層用塗料組成物(2)を別々に調製した後、非磁性下層形成用塗料組成物(1)100重量部に対して非磁性下層形成用塗料組成物(2)を70部混合し、0.5mm径のジルコニアビーズを充填したアニュラー構造を有するメディア攪拌型分散機を用いて分散して非磁性下層形成用塗料組成物(3)を調製した。得られた非磁性下層形成用塗料組成物(3)100重量部に対してポリイソシアネート(コロネートL 日本ポリウレタン株式会社)を2部加え、5μmのフィルターで濾過をして得られた非磁性下層用塗料組成物(3)を9μm厚ののポリエチレンテレフタラート支持体上に塗布、乾燥後、カレンダー処理による鏡面加工を行い1.5μm厚の非磁性下層を形成した。
【0071】
[非磁性下層形成用塗料組成物(1)]
α−酸化鉄(平均長軸径0.10μm、BET値:55平方米/g) 100部
塩化ビニル樹脂(MR110 日本ゼオン株式会社) 19部
ポリウレタン樹脂(バイロンUR8300 東洋紡績株式会社) 8部
ミリスチン酸 1部
ステアリン酸ブチル 1部
シクロヘキサノン 60部
トルエン 60部
メチルエチルケトン 14部
上記組成物を3本ロールミルで分散し、20μmのフィルターで濾過して非磁性下層形成用お良組成物(1)を得た。
【0072】
[非磁性下層形成用塗料組成物(2)]
カーボンブラックA(平均一次粒子径17nm) 100部
ポリウレタン溶液(バイロンUR8300 東洋紡績株式会社) 94部
有機色素誘導体A(一般式(6)) 7部
シクロヘキサノン 60部
トルエン 60部
メチルエチルケトン 14部
上記組成物をタンク中で混合攪拌後に、0.5mmφのジルコニアビーズが充填されたアニュラー構造を有するメディア攪拌型分散機にてベッセル内塗料滞留時間5分で分散し、5μmのフィルターで濾過して非磁性下層形成用塗料組成物(2)を得た。
[実施例8]
実施例7の非磁性下層層形成用塗料組成物(2)の製造過程において、用いた有機色素誘導体を有機色素誘導体B(一般式(7))と変更した以外は同様にして各塗料組成物および塗布テープを作成した。
[実施例9]
実施例7の非磁性下層層形成用塗料組成物(2)の製造過程において、用いた有機色素誘導体を有機色素誘導体C(一般式(8))と変更した以外は同様にして各塗料組成物および塗布テープを作成した。
[比較例1]
実施例1のバック層形成用塗料組成物(1)、(2)の製造過程において、それぞれに用いる有機色素誘導体を有機色素誘導体D(一般式(9))と変更した以外は同様にして各塗料組成物および塗布テープを作成した。
【0073】

一般式(9)

【0074】
【化6】

実施例1のバック層形成用塗料組成物(1)、(2)の製造過程において、それぞれに用いる有機色素誘導体を有機色素誘導体E(一般式(10))と変更した以外は同様にして各塗料組成物および塗布テープを作成した。
【0075】

一般式(10)
【0076】
【化7】


[比較例3]

実施例1のバック層形成用塗料組成物(1)、(2)の製造過程において、それぞれに用いる有機色素誘導体A(一般式(6))の配合量を25部へと変更した以外は同様にして各塗料組成物および塗布テープを作成した。
[比較例4]
実施例1のバック層形成用塗料組成物(1)、(2)の製造過程において、それぞれに用いる勇気色素誘導体A(一般式(6))の配合量を0.05部へと変更したこと以外は同様にして各塗料組成物および塗布テープを作成した。
[比較例5]
実施例4のバック層形成用塗料組成物(3)、(4)の製造過程において、それぞれに用いる有機色素誘導体を有機色素誘導体D(一般式(9))と変更した以外は同様にして各塗料組成物および塗布テープを作成した。
[比較例6]
実施例4のバック層形成用塗料組成物(3)、(4)の製造過程において、それぞれに用いる有機色素誘導体を有機色素誘導体E(一般式(10))と変更した以外は同様にして各塗料組成物および塗布テープを作成した。
[比較例7]
実施例4のバック層形成用塗料組成物(3)、(4)の製造過程において、それぞれに用いる有機色素誘導体A(一般式(6))の配合量を25部へと変更した以外は同様にして各塗料組成物および塗布テープを作成した。
[比較例8]
実施例4のバック層形成用塗料組成物(3)、(4)の製造過程において、それぞれに用いる勇気色素誘導体A(一般式(6))の配合量を0.05部へと変更したこと以外は同様にして各塗料組成物および塗布テープを作成した。
[比較例9]
実施例7の非磁性下層形成用塗料組成物(2)の製造過程において、用いた有機色素誘導体を有機色素誘導体D(一般式(9))と変更した以外は同様にして各塗料組成物および塗布テープを作成した。
[比較例10]
実施例7の非磁性下層形成用塗料組成物(2)の製造過程において、用いた有機色素誘導体を有機色素誘導体E(一般式(10))と変更した以外は同様にして各塗料組成物および塗布テープを作成した。
[比較例11]
実施例7の非磁性下層形成用塗料組成物(2)の製造過程において、用いた有機色素誘導体A(一般式(6))の配合量を25部へと変更したこと以外は同様にして各塗料組成物および塗布テープを作成した。
[比較例12]
実施例7の非磁性下層形成用塗料組成物(2)の製造過程において、用いた有機色素誘導体A(一般式(6))の配合量を0.05部へと変更したこと以外は同様にして各塗料組成物および塗布テープを作成した。
【0077】
以上の実施例1〜9、比較例1〜12で作成した媒体およびそれら組成物について、下記に示す方法で評価した。
【0078】
[中心線平均粗さ]:バック層及び非磁性下層の表面を触針式表面粗さ計(触針径1ミクロン)によりJIS−B−0601−1982に基づきカットオフ値0.08で測定し、中心線平均粗さRaを求めた。Raは小さいほど平滑であることを示す。またRaについては塗料組成物作成直後に塗布媒体を作成した塗膜と塗料組成物を40℃1ケ月保存した後塗布媒体を作成した塗膜のそれぞれについて測定した。
【0079】
[粗大粒子個数]:画像解析装置(SEIKO製SV−250)を用いて、1mm角の視野における塗膜中の1μm以上の粒子の数を測定し、10視野の積算値を求めて粗大粒子個数とした。粗大粒子は少ないほど分散状態が良好であることを示す。また粗大粒子個数については塗料組成物作成直後に塗布媒体を作成した塗膜と塗料組成物を40℃1ヶ月保存した後の塗布媒体を作成した塗膜のそれぞれについて測定した。
【0080】
[塗料流動性]:各実施例および比較例の塗布前の塗料組成物の粘度を液温25℃に調整した後、エアーディスパーにて3分攪拌し、直後にBL型粘度計において60rpm1分後の値を測定した。また、塗料組成物を40℃1ヶ月保存した後の粘度について測定した。尚、非磁性下層形成用塗料組成物(実施例3〜6および比較例5〜8)については、混合前の非磁性下層用塗料組成物(2)についての測定とした。
【0081】
[塗料安定性]:上記[塗料流動性]における初期粘度と経時粘度との比較から経時増粘率を算出した。経時増粘率=経時粘度/初期粘度
以上の評価結果を表2にまとめた。表2から明らかなように、本発明によって磁気記録媒体用組成物の分散性、流動性が大きく向上し、40℃保存1ケ月後においても作成直後と同等の塗料流動性、塗膜平滑性で良好な保存安定性が得られた。
【0082】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体の一方の面に磁性層を有し、他方の面にバック層を有する磁気記録媒体において、非磁性層またはバック層を形成するための塗料組成物であって、該塗料組成物が少なくともカーボンブラックと結合剤、溶剤および下記一般式(1)で表されるベンゾイソインドール誘導体を用いてなることを特徴とする磁気記録媒体用塗料組成物。

一般式(1)
【化1】


[式中、Rは水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいアシル基を表す。]
、R、R、R、R、R、R、R10は、互いに独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、フェニル基、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有してもよいアルコキシ基、または−NR1213である。ただし、R12とR13は、互いに独立に、水素原子、または置換基を有してもよいアルキル基、またはR12とR13とで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含んでもよい複素環を表す。
は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアシル基、または、一般式(2)で表される置換基を表す。
−Y−(Z)k 一般式(2)
(式中、Yは、直接結合、−O−、−S(O)m−(ここでmは、0から3の整数を表す)、−CO−、−NR14−、−CONR14−、−SONR14−、−NR14CO−、−NR14SO−(ここでR14は、水素原子、アルキル基、またはヒドロキシアルキル基を表す)、炭素数1から12の直鎖または枝分かれしたアルキレン基あるいは、アルキル基、アミノ基、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基、またはハロゲン原子で置換されていてもよいベンゼン残基あるいはトリアジン残基、またはこれらの結合基を2個以上組み合わせた結合基を表す。Zはハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいフタルイミドメチル気、−NR1516、SO・M/n、または−COO・M/nを表し、R15とR16はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいフェニル基、またはR15とR16とで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含んでもよく、置換基を有してもよい複素環を表し、Mは水素イオン、1から3価の金属イオン、または少なくとも1つがアルキル基で置換されているアンモニウムイオンを表し、nはMの価数を表す。kは1または2の整数を表す。)
11は、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアルールオキシ基、−S(O)mR17、−NR1819、またはNX−である。ただし、mは0から3までの整数であり、R17は水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、またはハロゲン原子である。さらに、R18とR19は、互いに独立に、水素原子、または置換基を有してもよいアルキル基、またはR18とR19とで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含んでもよい複素環を表す。Xは、ハロゲン原子を表す。]
【請求項2】
カーボンブラック100重量部に対し、一般式(1)で表されるベンゾイソインドール誘導体を0.1から20重量部含有することを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体用塗料組成物。
【請求項3】
非磁性支持体に対し、互いに反対面に磁性層とバック層を有する磁気記録媒体であって、当該バック層が請求項1または2記載の磁気記録媒体用塗料組成物を含むことを特徴とする磁気記録媒体。
【請求項4】
非磁性支持体の一方の面が、非磁性下層と磁性層とが重層塗布された構成を有する磁気記録媒体において、その非磁性下層が請求項1ないし3いずれか記載の磁気記録媒体用塗料組成物を含むことを特徴とする磁気記録媒体。


【公開番号】特開2009−187623(P2009−187623A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−26799(P2008−26799)
【出願日】平成20年2月6日(2008.2.6)
【出願人】(000222118)東洋インキ製造株式会社 (2,229)
【Fターム(参考)】