説明

磁粉イメージング用トレーサとしての集団磁粉

本発明は、磁粉イメージングに用いられる磁性トレーサ材料及びその製造方法を提供する。この磁性トレーサ材料は、個々の物体、例えば、安定化された油脂小滴、固体乳剤粒子、リポソーム、ポリマソーム又は小嚢、或いは細胞又はウイルスのような自然発生的な生物学的物体を形成するための制御された態様でクラスタ化される複数の磁粉のクラスタを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁粉イメージング(MPI;Magnetic Particle Imaging)用途において磁性トレーサとして用いるための磁粉組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
磁粉イメージング(MPI)は、磁性材料のダイレクト3D画像形成を可能にする。空間画像は、検査領域に導入された磁粉により発生された磁界を測定することによって生成される。例えば、米国特許出願に係る文献のUS2003/0085703A1に記述されているように、空間的に不均質な磁界が検査領域で発生され、この磁界が、当該粒子の磁化が非飽和状態にある第1のゾーンを含むものとしている。検査ゾーンの残りの部分において、当該磁界は、飽和の状態に当該粒子を維持するのに十分強力なものとなっている。検査領域内でその第1のゾーンをシフトすることは、外部検出可能な磁化の変化を生成し、当該検査ゾーンにおける磁粉の空間分布に関する情報を含む。都合の良いことに、時間とともに変化する正弦波磁界が印加され、これが、検出され評価される、より高次の高調波を誘導するものとなる。
【0003】
したがって、MPIにおける磁性トレースの信号強度は、高周波RF場における磁性トレースを再度磁化することにより捕捉される比較的高次の高調波の強度と相関がある。それ故、MPIにおける磁性トレースの性能は、RF場におけるそれらの磁気特性に依存し、これはまた、当該材料及び特異粒子の磁気特性に関係するだけでなく、多数の粒子間の起こりうる相互作用にも関係する。
【0004】
温度、pHなどのパラメータの変化を測定し、MPI技術を用いてクラスタ化する方法は、国際特許出願に係る文献のWO2004/091397A2に記述されている。この方法は、磁粉は、互いに近づいて互いの磁界の影響下にあるときにそれらの特性を変化させる、という作用を使うものである。外部磁界に対する個々の粒子の応答性は、隣接粒子の磁界に結合するため、変化する。WO2004/091397A2は、さらに、そこで説明される方法に用いて好適な様々なトレーサ(例えば、機能的にされた粒子、粒子集団(クラスタ)又は複合体、ゲル状粒子又はその他の空間的に画定された媒体)を記述している。しかしながら、MPI性能を向上させた磁性トレーサの必要性が残っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
よって、十分に規定された磁粉を有するMPIに用いるための新規でかつ改良されたトレーサ材料、及びこのような材料を生成するための方法を提供することは望ましいと思われる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、磁粉イメージングに用いるための磁性トレーサ材料と、この磁性トレーサ材料を製造するための方法を提供する。この磁性トレーサ材料は、例えば安定化させられた油脂小滴、固体エマルション(乳剤)粒子、リポソーム、ポリマソーム(polymersomes)又は小嚢(vesicles)など、個々の物体を形成するように制御された方法でクラスタ化される複数の磁粉の集団(クラスタ)群を有する。好ましくは、これら磁粉は、十分に制御された組成物、例えば、Fe、Fe、すなわち一般的にはFe、或いはドープされた物質(例えば、Co,Ni,Zn,Mn,…):Fe物質、又は他の磁性材料(Fe,Co,Ni又はフェライト例えばMnZnなど)のものとされるのが良い。さらに、当該磁粉を、非磁性シェル(コアシェル粒子と呼ばれるもの)による周囲環境から保護することができる。例として、例えば金、シリコン、二酸化物、非磁性酸化鉄又は有機被膜によるナノメータの範囲にある厚さを持つ非磁性シェルによりカプセル化された上述の磁性材料により形成される磁性コアがある。
【0007】
これら磁粉は、適切なサイズ及び形状を有する。他のものとの相互作用を伴いそして伴わずに、MPI信号に寄与する粒子がクラスタ化される場合、当該粒子の直径は、十分なMPI信号を提供するために20ないし50nmの範囲にあるのが好ましい。この利点は、1つのスポットに大なる集中があり、画像取得により、いわゆるホットスポットをもたらすことである。当該粒子間の相互作用は、MPI信号に対して構成的又は破壊的なものとしてもよい。
【0008】
或いは、例えば5ないし10nmの範囲の直径を持つ、より小さい粒子又は粒状物も、意図的にクラスタ化されるようにしてもよい。このような比較的小さい粒子は、高度に単分散な分布で製造することができる。このように比較的小さい粒子がクラスタ化される場合、粒子間の相互作用は、良好なMPI信号をもたらす必要性であり、これにより、温度、pHなどの変化をもたらす傾向がある。そうした作用は、それらの生物学的環境、すなわち炎症組織における増加した温度、又は低酸素腫瘍における又は当該サイトソル(cytosol)内の少し酸性のpHに依存して信号を変化させるスマートプローブを構成するために活用することができる。クラスタ化される小さい粒子は、何10nmないし何100nmのサイズ範囲の「単一」物体を形成する。
【0009】
クラスタ化された小さい粒子は、さらに、最適なMPI特性をもたらすよう20〜50nmの「単一の」磁粉と等価な第1の小物体を形成することができる。例としては、多粒状粒子や、保護される環境すなわち乳剤における化学的に安定化された秩序構造がある。そしてこのような小物体は、小物体どうし又は異なる小物体内の磁粉どうしの相互作用がMPI信号に対して構成的又は破壊的となるものとすることができるところの個別の物体にクラスタ化されることが可能である。
【0010】
個別の物体は、直径が10ないし1000nm、好ましくは100ないし200nmのサイズを有することができるので、当該個々の物体のうちの1つは、最大で約1000以上の磁粉を含むことができる。
【0011】
したがって、個々の物体は、十分に規定された比較的小さい複数の粒子の制御の下にあるクラスタ化から形成される。このため、多数の比較的小さい磁粉は、空間的に分散した媒体、例えば油脂、小嚢などに集められる。そして、かかるクラスタ化は、制御された態様で、例えば、当該温度及び磁界の制御を用いて行うことができるので、サイズ及び/又は異方性などの当該物体の磁粉の分散度を制御することができる。さらに、溶剤に存在することのできる物体を、必須ではないがさらに安定化させるようにしてもよい。
【0012】
個々の物体において、制御された数の磁粉及び/又は制御された構成における磁粉をアレンジすることは、個々の物体における磁粉の相互作用による単一の磁粉と比較してMPIにおける物体全体の新規で改良された磁粉をもたらすことになる。個々の物体の磁粉における改良された単分散性は、分子医学のための画像形成技術として、MPIの数値定量化及び検証に利益をもたらすことができる。
【0013】
本発明の他の態様は、非クラスタ化粒子が、制御されたクラスタ化粒子に対してそれらの信号が異なるといったことの実現性である。したがって、粒子の生物学的に誘導されたクラスタ化は、細胞の取り込みが細胞内のクラスタ化、ひいては信号の変化をもたらすところの粒子の細胞摂取のような生物学的過程を画像化することを可能にする。この作用の医学的用途は、細胞追跡又は磁粉のマクロファージ摂取の画像化にある。同じ作用は、例えば、画像形成のために磁粉を含む赤血球を用いることによって活用することができる。クラスタ化された粒子を搬送するためのオプションを提供する他の生物学的物体も可能であり、例としてウイルス、ナノカプセルなどがある。
【0014】
本発明のこれらの態様及びその他の態様は、以下に説明する実施例に基づいて明瞭となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】疎水性被覆磁粉の透過電子顕微鏡法(TEM)画像を示す図。
【図2】トルエンに懸濁された磁粉の動的光散乱(DSL)測定の結果を示す図。
【図3】磁粉のX線回折測定の結果を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
磁粉の集団(クラスタ)を有する磁性トレーサ材料は、エマルション(乳剤)に基づく物体を有することができる。乳剤に基づく物体は、次の処理ステップを用いて合成することができる。
【0017】
第1のステップにおいて、良好に制御された組成物、例えば、Fe、Fe又は一般的にはFe、或いはドープされる材料(例えば、Co、Ni、Zn、Mn、…):Feの材料、Fe、Co、Niなどの他の磁性材料、又は適切で十分制御された形状及びサイズの他の磁性材料による磁粉は、好ましくは当該粒子が疎水表面被覆になるような態様で合成される。このような材料の合成の例は、当業界において知られている。図1には、疎水性被覆酸化鉄粒子のTEM画像が示される。図2は、DLS測定の結果を示しているのに対し、図3には、20nmのサイズを有する酸化鉄粒子及びオレイン酸の疎水性表面コーティングのX線回折測定の結果が示される。これら粒子は、トルエン、へプタン又はCHClのような疎水性有機溶剤において安定し十分に分散させられる。
【0018】
かかる粒子はまた、べにばな油又はケシの実油或いは(一部)フッ素化したオイルのような疎水性油脂において、或いは例えばコンプリトール(compritol)などの体温を上回る融点(好ましくは50℃以上)を有するオイルにおける上昇温度にて、安定するものであり、第2のステップでこれら油脂において容易に分散させられることが可能である。
【0019】
当該粒子を当該油脂において分散させた後、連続相としての水を伴う乳剤は、脂質、ブロック重合体若しくはポロキサマ(poloxamer)又は他のポリマのような適切な乳化剤で第3のステップにおいて生成することができる。原油乳剤は、高圧ホモジェナイザによる処理にultra-turrax(R)又は超音波で最初に処理することができる。後者の例には、例えば、微細流動化システム(Microfluidizer system)又はAPV−Gaulinシステムがある。上昇する温度において溶融する油相が用いられる場合、全体の処理は、高い温度で行われなければならない。処理の後、乳剤は、各々が複数の磁粉を含む安定化した油脂小滴とともに得られる。これら油脂小滴の平均的サイズは、直径が80ないし500nmの間、好ましくは100ないし200nmの間にある。油相における分散した磁粉の量を制御することによって、個々の乳剤小滴の内部の粒子の数を良好な(平均化された)程度に制御することができる。例えば、直径が約200nmの乳剤小滴は、約20nm(又は必要に応じてこれ以下)の直径を各々が持つ最大1000個の粒子を含むことができる。
【0020】
体温において液体であるオイルを有する乳剤の場合、磁粉は、不規則な形で内部分散させられることになる。より高い温度で融解し体温では固化するオイルに基づいた乳剤小滴の場合、磁粉は、融解温度を下回る温度に対する固化された油相において初期時にこれも統計的に分散される。後者のタイプは、固体乳剤粒子と称される。
【0021】
各々が固有の特異的磁気特性を持つ制御された数の磁粉の相互作用が当該物体全体の新しい磁気特性をもたらすことになるので、上記システムは、MPIのための新しいトレーサ材料の基礎を形成する。
【0022】
固体乳剤粒子に基づくトレーサ材料は、MPIにおけるそれらの磁気応答性をさらに一層調整するように磁界においてさらに操作されることが可能である。例えば、水性の媒体に懸濁した固体乳剤粒子又は他の適切な連続相は、磁界(AC又はDC)にかけられ当該オイルの融解温度以上に加熱させられることができる。融解すると、磁粉は、例えば、当該磁界において配向し、又は塊りになり若しくはクラスタとなり又は特定の態様で相互作用し、或いはAC場が用いられる場合には部分的に配向することができる。後者の場合、良好な反応を示す粒子のみが配向する。そして、このシステムは、当該凝固オイルにおいて磁粉を「凝固」させるよう当該オイルの溶解温度より低く冷やされるようにすることができる。このようなシステムの性能は、異方性磁性材料が用いられるときに大幅に変化する。
【0023】
上述した原理は、薄いポリマシェル、例えばポリ乳酸により安定化される粒子にまで拡張することができる。これら粒子の内部相は、上述したような全ての付加的処理ステップにより、上述したような分散された磁粉を伴う同様のオイルに基づくことができる。但し、付加的ステップにおいて、当該オイルは、凍結乾燥法により除去することができ、当該ポリマシェルにクラスタ化された磁粉を置き去りにすることとなる。こうしたタイプの物体は、MPIにおいて新しい特性を呈することになる。
【0024】
磁性トレーサ材料はまた、リポソーム又はポリマソーム(polymersome)或いは小嚢を基礎とするシステムに基づくものとすることができる。リポソーム又はポリマソーム(polymersome)或いは小嚢を基礎とするシステムは、両親媒性の分子により形成され、疎水性膜により外部から切り離されている水の内部体積を持つ小嚢の中へ自己組織化する。上記第1のステップを参照して説明されるように、疎水性被覆で覆われた磁粉は、疎水性膜の中へ組み込まれることができ、これにより、基本的に球体の表面上へ配されることができる。小嚢の平均的サイズは、磁粉の対応の増加とともに60ないし500nmとすることができる。代表的リポソーム溶剤は、約2重量%の脂質を含む。代表例として、60%モルのホスファチジルコリン、30%モルのコレステロール及び10%モルのホスファチジルエタノールアミン又は卵黄リン脂質のような天然産物がある。
【0025】
かかる脂質は、CHClに溶かされ、CHClに分散する或る特定の量の磁粉が加えられるようにしてもよい。この混合物は、例えばガラス上に膜を形成するために丸底フラスコにおいてRotorVapで乾燥させられ、その後に真空下で乾燥される。この膜は、水性溶剤、例えば、安定剤による緩衝剤を含む水及びultra-turrax(R)に混合される原油により再水和される。その後、この混合物は、リポソーム系を形成するよう、高圧力の下で押出機において又は高圧ホモジナイザにおいて処理される。自己組織化に起因して、磁粉は、疎水性膜に導入される。これら粒子の2D構成は、MPIにおいて異なる挙動をもたらす新しい磁気的特性を導くこととなる。脂質膜は、約4nmの厚さを有し、2〜4nmぐらいのサイズを持つ相当小さな磁粉だけを組み入れることを可能にしている。より大きな磁粉を組み入れる必要があれば、ポリマソームは、より厚い疎水性膜で生成することができるので利点を奏する。
【0026】
ポリマソームは、例えば両親媒性のポリマを用いて生成可能である。十分検討された例として、ポリマジブロック系ポリエチレンオキシド・ポリブタジエンがある。疎水性分子重量画分fphilic、すなわち疎水性部分の分子量を全分子量で割ったものは、小嚢の形態を形成するために、約0.2<fphilic<0.4の範囲内とする必要がある。fphilicの高めの値に対して、円筒状ミセルのような他の構造又はミセルは、ここでも異なる特性を呈するものとして形成される。ポリエチレンオキシド(PEO)部分の分子量は、好ましくは500<Mw,PEO<5000の範囲にあるのが良い。より大なるMwも可能であるが、生体内分布及び生体内用途における組織維持時間において好適な度合いの低い特性を呈する場合がある。ポリマソームの生成は、リポソームについて上で概説した製法に従う。ポリマソームを押し出す前に、原油ポリマ・水分散を液体窒素槽の中へそしてその後に60度で水槽内に配することによって、凍結融解サイクルを含ませることが有利である。凍結融解サイクルは、後に押し出されることができるより小さい小嚢をもたらすよう5回前後繰り返されるのが良い。
【0027】
或いは、疎水性の磁粉、例えばリゾビスト(R)は、小嚢、リポソーム又はポリマソームの内水・室部に導入されることができる。このようにするため、親水性の被覆を有する粒子は、上述した生産過程において脂質膜を水和するときに水に加えられる。処理の後、磁粉は、リポソーム又はポリマソームの内室部に配される。外の溶剤における残りの磁粉は、柱体にわたる当該混合物を処理して導入されない磁粉を除去することによって取り除くことができる。このようなシステムは、MPIにおいて新しい特性を有することになる。
【0028】
以上、本発明を、図面及び前述の説明において詳しく図示し説明したが、このような図示及び説明は、例示するもの又は模範例を示すものと解釈されるべきであり、限定するものではなく、本発明は、開示の実施例に限定されるものではない。開示した実施例に対する変形は、図面、開示内容及び添付の請求項の検討に基づいて、請求項記載の発明を実用化する当業者により理解され行うことのできるものである。請求の範囲において、「有する」なる文言は、他の要素又はステップを排除するものではなく、単数表現は、複数を排除するものではない。単一のプロセッサ又は他のユニットは、請求項に挙げられた複数のアイテムの機能を満たしうるものである。或る特定の方策が相互に異なる従属請求項に挙げられているに過ぎない点は、これら方策の組み合わせが活用できないことを示すものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個々の物体を形成するよう制御された態様にてクラスタ化された複数の磁粉を有する、磁粉イメージングに用いられる磁性トレーサ材料。
【請求項2】
請求項1に記載の材料であって、前記磁粉は、Fe、Co、Niを含む磁性材料、Fe、Feを含むFeを含む組成物、Co,Ni,Zn,Mnを含むドープされる材料のFe、又はフェライト材料を有する、材料。
【請求項3】
請求項1に記載の材料であって、前記磁粉は、約20〜50nmの平均サイズを有する、材料。
【請求項4】
請求項1に記載の材料であって、前記磁粉は、約20〜50nmの等価サイズを有する粒子を形成するよう相互作用する約5〜10nmの平均サイズを有する、材料。
【請求項5】
請求項1に記載の材料であって、前記個々の物体は、安定化油脂小滴、固体乳剤粒子、リポソーム、ポリマソーム又は小嚢を有する、材料。
【請求項6】
請求項1に記載の材料であって、クラスタ化は、細胞、赤血球、ウイルスその他を含む自然発生的な生物学的物体の内部にある、材料。
【請求項7】
請求項1に記載の材料であって、前記個々の物体は、直径で10ないし1000nm又は100ないし200nmの平均サイズを有する、材料。
【請求項8】
磁粉イメージングに用いられる磁性トレーサ材料を製造するための方法であって、
空間的に境界づけされる媒体において磁粉を分散させるステップと、
個々の物体を形成するための制御された態様で前記磁粉の複数をクラスタ化するステップと、
を有する方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、前記磁粉は、Fe、Co、Niを含む磁性材料、Fe、Feを含むFeを含む組成物、又はCo,Ni,Zn,Mnを含むドープされる材料のFeを有する、方法。
【請求項10】
請求項8に記載の方法であって、前記磁粉は、疎水性表面被覆で被覆される、方法。
【請求項11】
請求項8に記載の方法であって、前記磁粉は、トルエン、へプタン又はCHClを含む疎水性有機溶剤を含む有機溶剤において分散される、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、制御された量の磁粉は、さらに、べにばな油又はケシの実油又は少なくとも一部フッ素化されたオイルを含む疎水性油脂に分散される、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、油脂、ブロック重合体、ポロクサマ又は他の適切なポリマを含む乳化剤を用いて水を有する疎水性油脂に分散される磁粉の乳剤を生成し、これにより、クラスタ化された磁粉の当該個々の物体は、制御された量の磁粉を含む安定化した油脂小滴の形態の乳剤に形成されるようにすることをさらに有する方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、体温以上又は50℃以上の融点を有する油脂が用いられ、これにより、当該安定化油脂小滴は、前記油脂の融点を下回る温度で固体乳剤粒子を形成する、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、前記固体乳剤粒子は、さらに、前記油脂の融点以上に媒体に懸濁した前記固体乳剤粒子を加熱し、当該懸濁液を外部磁界にかけ当該懸濁液を再び冷却して当該磁気特性を保つようにすることにより製造される、方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法であって、前記乳剤を凍結乾燥することによって前記油脂を除去し、これによりポリマシェルにおいて安定化されたクラスタ化された磁粉が形成されるようにしたステップをさらに有する方法。
【請求項17】
請求項10に記載の方法であって、前記磁粉は、CHClに分散され、油脂又は両親媒性ポリマを有する溶剤と混合され、当該混合物は、さらに、疎水性膜により分離される水の内部体積を有するリポソーム、ポリマソーム又は小嚢の形態でクラスタ化された磁粉の当該個々の物体を形成するように処理され、前記磁粉は、前記疎水性膜に配されるように制御される、方法。
【請求項18】
請求項8に記載の方法であって、当該磁粉又は親水性の磁粉は、油脂又は両親媒性ポリマを有する溶剤と混合され、当該混合物は、さらに、疎水性膜により分離される水の内部体積を有するリポソーム、ポリマソーム又は小嚢の形態でクラスタ化された磁粉の当該個々の物体を形成するように処理され、前記磁粉は、前記内部体積に配されるように制御される、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−537971(P2010−537971A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−522498(P2010−522498)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際出願番号】PCT/IB2008/053461
【国際公開番号】WO2009/027937
【国際公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】