祝儀袋
【課題】 デザイン上の創作性が高く、シート状部材から折り畳んで容易に製作することができる祝儀袋を提供すること。
【解決手段】 シート状部材を袋状に折りたたんで形成される袋体部4と、この袋体部4に設けられる熨斗飾り部6とから構成される祝儀袋。シート状部材の一角部である第1部分10と、その他の第2部分12から構成され、第2部分12を折りたたんで袋体部4が形成され、第1部分10を折りたたんで熨斗飾り部6が形成され、熨斗飾り部6が袋体部4の前面に配置される。シート状部材は矩形状であり、第1部分10は、シート状部材8の長手方向を上下方向に配置した状態においてその左上部に直角二等辺三角形状に設けられる。
【解決手段】 シート状部材を袋状に折りたたんで形成される袋体部4と、この袋体部4に設けられる熨斗飾り部6とから構成される祝儀袋。シート状部材の一角部である第1部分10と、その他の第2部分12から構成され、第2部分12を折りたたんで袋体部4が形成され、第1部分10を折りたたんで熨斗飾り部6が形成され、熨斗飾り部6が袋体部4の前面に配置される。シート状部材は矩形状であり、第1部分10は、シート状部材8の長手方向を上下方向に配置した状態においてその左上部に直角二等辺三角形状に設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、月謝、寸志などを包む月謝袋、寸志袋などとして用いる祝儀袋に関する。
【背景技術】
【0002】
祝儀を包むための祝儀袋として各種のものが提案され、その一例として、シート材を袋状に折り畳んだ袋体と、この袋体を結ぶ水引と、袋体の前面上部に取り付けられた熨斗飾り部と、を備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような祝儀袋では、シート材を折り畳んで袋体が形成され、かく形成された袋体に巻くように水引が装着され、また熨斗飾り部は袋体の前面上部に接着糊などによって貼着される。
【0003】
【特許文献1】特開2000−168789号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した祝儀袋では、別個に形成された熨斗飾り部を袋体の前面に貼着する構成である故に、その製作、特に熨斗飾り部の製作が煩雑で、一般の人がシート材から製作するのが難しいという問題がある。また、熨斗飾り部を袋体に単に貼着する構成である故に、祝儀袋としてのデザイン上の創作性が乏しく、あまり目立たないという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、デザイン上の創作性が高く、シート状部材から折り畳んで容易に製作することができる祝儀袋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に記載の祝儀袋は、シート状部材を袋状に折りたたんで形成される袋体部と、この袋体部に設けられる熨斗飾り部とから構成される祝儀袋であって、
前記シート状部材の一角部である第1部分と、前記第1部分を除くその他の第2部分から構成され、前記第2部分を折りたたんで袋体部が形成され、前記第1部分を折りたたんで熨斗飾り部が形成され、前記熨斗飾り部が前記袋体部の前面に配置されることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の請求項2に記載の祝儀袋では、前記シート状部材は矩形状であり、前記第1部分は、前記シート状部材の長手方向を上下方向に配置した状態においてその左上部に直角二等辺三角形状に設けられていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項3に記載の祝儀袋では、前記シート状部材の前記第1部分には第1の色彩及び/又は模様が施され、また前記第2部分には第2の色彩及び/又は模様が施されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項4に記載の祝儀袋では、前記シート状部材の前記第1部分は、前記シート状部材の前記左上部に設けられた正方形状の第1領域部と、前記第1領域部の下側に設けられた直角二等辺三角形状の第2領域部と、前記第1領域部の右側に設けられた直角二等辺三角形状の第3領域部とから構成され、前記第1部分の前記第1領域部には第1の色彩及び/又は模様が施され、前記第1部分の前記第2及び第3領域部は白色に形成され、前記第2部分には第2の色彩及び/又は模様が施されていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項5に記載の祝儀袋では、前記第2部分は、前記第1部分の前記第2領域部から右下方に延びる略矩形状の第4領域部と、前記第4領域部の左下側に設けられた第5領域部と、前記第4領域部の右上側に設けられた第6領域部と、前期第4領域部の右下側に設けられた第7領域部とから構成され、前記第4領域部には前記第2の色彩及び/又は模様が施され、前記第5、第6及び第7領域部は白色に形成されていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項6に記載の祝儀袋では、前記第1部分を重ね合わせるように前記シート状部材の前記第1部分から前記第2部分にかけて三角形状に折り、かく折る状態にて前記第1部分を開いた後つぶしてひし形に形成し、このひし形形状部を所要の通りに折って、前記熨斗飾り部が形成されることを特徴とする。
【0012】
更に、本発明の請求項7に記載の祝儀袋では、前記第1部分の前記ひし形形状部の両端部を内側に折った後に外側に折って飾り本体部を形成し、更にかかる両端部を外側に折った後に内側に折って前記飾り本体部の前面側に飾り前部を形成し、前記ひし形形状部の両端部を前記飾り本体部と前記飾り前部との間から両側に延びるように形成したことを特徴とする。
【0013】
更にまた、本発明の請求項8に記載の祝儀袋では、前記第1部分のひし形形状部の両端の角を内側に真中線まで折り、その後これら両端部を袋状に開いて折り目に沿って内側に折り、更にこの状態にて両端部を真中線まで折り、その下端部を上側に折り返し、その先端部を更に内側に折り返して前記熨斗飾り部としての鶴を形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の請求項1に記載の祝儀袋によれば、シート状部材の一角部である第1部分を折り畳んで熨斗飾り部が形成され、その第2部分を折りたたんで袋体部が形成されるので、一枚のシート状部材を所要の通りに折り畳むことによって、熨斗飾り部が一体的に付いた祝儀袋をつくることができ、でき上がった祝儀袋は創作性の高いものとなる。
【0015】
また、本発明の請求項2に記載の祝儀袋によれば、第1部分がシート状部材の長手方向を上下方向に配置した状態においてその左上部に直角二等辺三角形状に設けられているので、この第1部分を所要の通りに折り畳むことによって、熨斗飾り部を袋体部の前面側に設けた祝儀袋をつくることができる。
【0016】
また、本発明の請求項3に記載の祝儀袋によれば、シート状部材の第1部分には第1の色彩及び/又は模様が施され、またその第2部分には第2の色彩及び/又は模様が施されているので、祝儀袋の袋体部と熨斗飾り部との色彩及び/又は模様が異なるようになり、でき上がった祝儀袋は創作性及びデザイン性の高いものとなる。
【0017】
また、本発明の請求項4に記載の祝儀袋によれば、シート状部材の第1部分は、正方形状の第1領域部と、第1領域部の下側に設けられた直角二等辺三角形状の第2領域部と、第1領域部の右側に設けられた直角二等辺三角形状の第3領域部とから構成され、第1領域部には第1の色彩及び/又は模様(例えば、赤色)が施され、第2及び第3領域部は白色に形成されているので、第1部分を所要の通りに折り畳むことによって、第1の色彩赤色部分の中に白色部分が存在する熨斗飾り部をつくることができる。また、シート状部材の第2部分には第2の色彩及び/又は模様が施されているので、第2の色彩及び/又は模様が施された袋体部に上述の熨斗飾り部が一体的に付いたものとなり、創作性及びデザイン性の非常に高いものとなる。
【0018】
また、本発明の請求項5に記載の祝儀袋によれば、シート状部材の第2部分の第4領域部に第2の色彩及び/又は模様が施され、その第5、第6及び第7領域部は白色に形成されているので、でき上がった祝儀袋の袋体部の外側に露出する部分には第2の色彩及び/又は模様が施されており、第2部分の必要な領域のみに色彩及び/又は模様を施すことによって、意匠性の優れた祝儀袋をつくることができる。
【0019】
また、本発明の請求項6に記載の祝儀袋によれば、シート状部材の第1部分を重ね合わせるように第1部分から第2部分にかけて三角形状に折り、かく折る状態にて第1部分を開いた後つぶしてひし形に形成し、このひし形形状部を所要の通りに折り畳むことによって、袋体部の前面に所要の熨斗飾り部を一体的に設けることができる。
【0020】
更に、本発明の請求項8に記載の祝儀袋によれば、第1部分のひし形形状部の両端部を内側に折った後に外側に折って飾り本体部を形成し、更にかかる両端部を外側に折った後に内側に折って飾り本体部の前面側に飾り前部を形成し、ひし形形状部の両端部を飾り本体部と飾り前部との間から両側に延びるように形成することによって、通常の形態の熨斗飾り部が袋体部の前面に付いた祝儀袋をつくることができる。
【0021】
更にまた、本発明の請求項8に記載の祝儀袋によれば、第1部分のひし形形状部の両端の角を内側に真中線まで折り、その後これら両端部を袋状に開いて折り目に沿って内側に折り、更にこの状態にて両端部を真中線まで折り、その下端部を上側に折り返し、その先端部を更に内側に折り返してして形成することによって、鶴の形態の熨斗飾り部が袋体部の前面に付いた祝儀袋をつくることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して、本発明に従う祝儀袋の実施形態について説明する。まず、図1〜図10を参照して、第1の実施形態の祝儀袋について説明する。図1は、第1の実施形態の祝儀袋を示す正面図であり、図2は、図1の祝儀袋をつくるときに用いるシート状部材を示す平面図であり、図3は、図1の祝儀袋をつくるときの折り順序の第1番目の折り方を示す図であり、図4は、図1の祝儀袋をつくるときの第2番目の折り方を示す図であり、図5は、図4に示す通りに折った後の状態を示す図であり、図6は、図1の祝儀袋をつくるときの第3番目の折り方を示す図であり、図7は、図1の祝儀袋をつくるときの第4番目の折り方を示す図であり、図8は、図1の祝儀袋をつくるときの第5番目の折り方を示す図であり、図9は、図1の祝儀袋をつくるときの第6番目の折り方を示す図であり、図10は、図1の祝儀袋をつくるときの第7番目の折り方を示す図である。
【0023】
図1及び図2において、図示の祝儀袋2は、祝儀を包むための袋体部4と、この袋体部4の前面に一体的に設けられる熨斗飾り部6とを備え、これら袋体部4及び熨斗飾り部6は、図2に示すシート状部材8を所要の通りに折り畳むことによって形成される。
【0024】
このシート状部材8は矩形状であり、第1部分10と、第1部分10を除くその他の第2部分12とを有し、第1部分10を後述する如く折り畳むことによって熨斗飾り部6が形成され、第2部分12を折り畳むことによって袋体部4が形成される。この実施形態では、第1部分10は、図2に示すように、シート状部材8の長手方向を上下方向に配置した状態において左上部に設けられ、左上角部を頂角とする直角二等辺三角状に設けられ、その一辺は、一方の長辺14から他方の長辺16に向けて上短辺18の幅方向中央よりも他方の長辺16側まで延びている。この第1部分10には、第1の色彩及び/又は模様が施され、第2部分12には第2の色彩及び/又は模様が施される。
【0025】
この第1部分10は、シート状部材8の左上部に正方形状に設けられる第1領域部10aと、第1領域部10aの下側に設けられる直角二等辺三角状の第2領域部10bと、第1領域部10aの右側(他方の長辺16側)に設けられる第2領域部10cとから構成されている。この実施形態では、第1領域部10aの全体に第1の色彩、例えば赤色が施されているとともに、シート状部材8の左上角部に向かう対角線状に直線状の細い帯状模様10d、例えばベージュ色の帯状模様が施され、第2及び第3領域部10b,10cが白色に形成されており、このような色彩及び模様を施すことによって、後述する如く折り畳むことにより、赤色部及び白色部を有する通常の熨斗飾り部6が形成される。尚、第1部分10に施す第1の色彩及び/又は模様は、祝儀袋2の種類などによって任意に選択して施すことができる。
【0026】
また、第2部分12は、第1部分10の第2領域部10bからシート状部材8の右下角部に向けて右下方に延びる略矩形状の第4領域部12aと、この第4領域部12aからシート状部材8の左下角部に向けて左下方に延びる略三角状の第5領域部12bと、第4領域部12aからシート状部材8の右上角部に向けての右上方に延びる略三角状の第6領域部12cと、第4領域部12aからシート状部材8の右下角部に向けて右下方に延びる第7領域部12dとから構成されている。この実施形態では、第4領域部12aには第2の色彩及び/又は模様、例えばベージュ色が施されているとともに、例えば花柄及び/又は花びら模様が施され、第5、第6及び第7領域部12b,12c,12dは白色に形成されている。尚、この第2部分12に施す第2の色彩及び/又は模様も、祝儀袋2の種類などによって任意に選択して施すことができる。
【0027】
後述した如く折り畳んだときには、第2部分12の第4領域部12aが袋体部4の外側に露出するようになり、それ故に、この第4領域部12aに第2の色彩及び/又は模様を施して袋体部4の意匠性を高めているが、このような構成に限定されず、例えば、展開したシート状部材8の意匠性を考慮したときには、第4〜第7領域部12a〜12d、即ち第2部分12の全体にわたって第2の色彩及び/又は模様を施すようにしてもよい。
【0028】
図2に示すシート状部材8を次のようにして折り畳んで図1に示す祝儀袋2をつくることができる。主として図2とともに、図3〜図10を参照して、祝儀袋2をつくるときには、まず、図3に示すように、第1の色彩及び/又は模様と第2の色彩及び/又は模様とが施された面を外側にし、第1部分10の帯状模様10dを通る線で山折りし、図2の上短辺18を図2の一方の長辺14に重なるように、第1部分10から第2部分12にかけて三角状に折るようにする。そして、図4に示すように、このように三角状に折る状態にて、第1部分10を開いた後につぶしてひし形に形成する。かく折り畳むと、図5に示す状態となり、第1部分10の第1領域部10aがひし形形状部の表面側に位置し、第2及び第3領域部10b.10cがひし形形状部の背面側に位置するようになる。
【0029】
次に、図6に示すように、第1部分10によって形成されるひし形形状部を例えば左に位置するようにし、第2部分12の第5領域部12bを内側に折って第6領域部12cの内側に位置付け、また第7領域部12dを内側に折り、このようにして第2部分12を帯状にする。祝儀は、このように開いた状態において、第2部分12の第4領域部12aと第5及び第6領域部12b,12cとの間に入れて包むようになる。
【0030】
次いで、図7に示すように、帯状の第2部分12の一端側(第1部分10が一する側と反対側)の端部を内側に折り、更にこの折った端部を上から覆うように第2部分12の他端部(第1部分10が存在する端部)を内側に折り、このように折り畳むことによって、図8に示すように袋体部4を形成することができ、このようにして祝儀袋の中間基本形態が作られる。図8に示す如く折り畳んだ状態では、第2部分12の第4領域部12aが袋体部8の前面及び後面に位置し、袋体部4の表面は第4領域部12aに施された第2の色彩及び/又は模様が表れるようになる。
【0031】
その後に、第1部分10のひし形形状部を次のように折り畳んで熨斗飾り部6を形成する。即ち、図9に示すように、第1部分10のひし形形状部の両端部を内側に折った後に外側に折って、上述した袋体部4の前面側に飾り本体部22を形成し、更に、図10に示すように、飾り本体部22から両側に延びる端部を外側に折った(即ち、山折りする)後に内側に折って(即ち、谷折りする)飾り本体部22の前面側に飾り前部24を形成する。かくすると、第1部分10のひし形形状部の両端部の先端側は、図10から理解されるように、飾り本体部22と飾り前部24との間から両側に延び、このようにして通常の形態の熨斗としての熨斗飾り部6を形成することができる。
【0032】
このようにして図1に示す祝儀袋2をつくることができ、この祝儀袋2の熨斗飾り部6は、図1及び図10に示すように、飾り本体部22の前面に第1部分10の第2及び第3領域部10b,10cが位置し(この部分は白色となる)、飾り本体部22の内面には第1領域部10aの第1の色彩及び/又は模様(例えば、赤色と帯状模様10d)が施され、また飾り前部24及びこれから両側に延びる両端部の前面は第1の色彩及び/又は模様(例えば、赤色)が施されているので、熨斗飾り部6は赤色部と白色部が混ざった意匠性の意匠性に優れたものとなる。
【0033】
尚、このような熨斗飾り部6では、折り畳んで重なっている部分があるので、前面側に浮き上がり易くなる傾向にあり、このような浮き上が傾向を防止するために、例えばテープなどを用いて止めるようにしてもよい。例えば、熨斗飾り部6の前面側にテープを設け、このテープの両端部を袋体部4の前面に貼付けて抑えるようにしることができる。
【0034】
次に、図11〜図16を参照して、第2の実施形態の祝儀袋について説明する。図11は、第2の実施形態の祝儀袋を示す正面図であり、図12は、図11の祝儀袋をつくるときに用いるシート状部材を示す平面図であり、図13は、図11の祝儀袋をつくるときの中間基本形態まで折り畳んだ後の次の折り方を示す図であり、図14は、図13に示す状態の次の折り方を示す図であり、図15は、図14に示す状態の次の折り方を示す図であり、図16は、図15に示す状態の次の折り方を示す図である。
【0035】
図11及び図12において、図示の祝儀袋102は、祝儀を包むための袋体部104と、この袋体部104の前面に一体的に設けられる熨斗飾り部106とを備え、これら袋体部410及び熨斗飾り部106は、図12に示すシート状部材108を所要の通りに折り畳むことによって形成される。
【0036】
このシート状部材108は矩形状であり、第1実施形態と同様に、第1部分110と、第1部分110を除くその他の第2部分112とを有し、第1部分110を後述する如く折り畳むことによって熨斗飾り部106が形成され、第2部分112を折り畳むことによって袋体部1044が形成される。第1部分110は、図12に示すように、シート状部材108の長手方向を上下方向に配置した状態において左上部に設けられ、左上角部を頂角とする直角二等辺三角状に設けられ、この第1部分110の全体に第1の色彩及び/又は模様が施され、第2部分112の全体に第2の色彩及び/又は模様が施される。例えば、第1部分110の全体に赤色が施され、第2部分112の全体に薄いピンク色及び薄い花柄模様が施される。尚、この第2の実施形態においては、第2部分112は、第1の実施形態と同様に第4〜第7領域部を有し、これら第4〜第7領域部に第2の色彩及び/又は模様が施されるが、このような構成に代えて、第1の実施形態と同様に第4領域部のみに第2の色彩及び/又は模様を施すようにしてもよい。
【0037】
この第2の実施形態では、図12に示すシート状部材108を次のようにして折り畳んで図11に示す祝儀袋102をつくることができる。主として図2とともに、図13〜図16を参照して、祝儀袋102をつくるときには、まず、第1の実施形態と同様に折り畳んで図8に示す中間基本形態をつくり(図3〜図8を参照)、その後、図13〜図16に示す通りに折り畳んで熨斗飾り部6を次のようにつくる。
【0038】
シート状部材108を上述したように折り畳んで中間基本形態をつくった後に、シート状部材108の第1部分110のひし形形状部の両端の角を内側に真中線まで折り、その後、図13に示すように、この両端部を袋状に開いて折り目に沿って内側に折り、更に、図14に示すように、図13に示す状態からその両端部114を真中線まで折る。
【0039】
しかる後、図15に示すように、折り畳んだ第1部分110の袋体部104から下方に延びる下端部116を上側に折り返し、更に図16に示すように、上方に折り畳んだ下端部116の先端部118を内側に折り返し、この折り返した先端部118を内側に折った両端部114の内側に挿入し、このようにして第1部分10のひし形形状部から熨斗飾りとしての鶴の熨斗飾り部106を形成することができる。
【0040】
このようにして図11に示す祝儀袋102をつくることができ、この祝儀袋102の熨斗飾り部106は、図10及び図16に示すように、熨斗飾り部106の表面には第1部分110の第1の色彩及び/又は模様が存在し、袋本体部104の表面には第2部分112の第2の色彩及び/又は模様が存在するので、意匠性の優れたものとなる。
【0041】
以上、本発明に従う祝儀袋の実施形態について説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0042】
例えば、上述した実施形態では特に設けていないが、折る部位をわかりやすくするために、必要に応じて折り線を施すようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】第1の実施形態の祝儀袋を示す正面図。
【図2】図1の祝儀袋をつくるときに用いるシート状部材を示す平面図。
【図3】図1の祝儀袋をつくるときの折り順序の第1番目の折り方を示す図。
【図4】図1の祝儀袋をつくるときの第2番目の折り方を示す図。
【図5】図4に示す通りに折った後の状態を示す図。
【図6】図1の祝儀袋をつくるときの第3番目の折り方を示す図。
【図7】図1の祝儀袋をつくるときの第4番目の折り方を示す図。
【図8】図1の祝儀袋をつくるときの第5番目の折り方を示す図。
【図9】図1の祝儀袋をつくるときの第6番目の折り方を示す図。
【図10】図1の祝儀袋をつくるときの第7番目の折り方を示す図。
【図11】第2の実施形態の祝儀袋を示す正面図。
【図12】図11の祝儀袋をつくるときに用いるシート状部材を示す平面図。
【図13】図11の祝儀袋をつくるときの中間基本形態まで折り畳んだ後の次の折り方を示す図。
【図14】図13に示す状態の次の折り方を示す図。
【図15】図14に示す状態の次の折り方を示す図。
【図16】図15に示す状態の次の折り方を示す図。
【符号の説明】
【0044】
2,102 祝儀袋
4,104 袋体部
6,106 熨斗飾り部
8,108 シート状部材
10,110 第1部分
12,112 第2部分
【技術分野】
【0001】
本発明は、月謝、寸志などを包む月謝袋、寸志袋などとして用いる祝儀袋に関する。
【背景技術】
【0002】
祝儀を包むための祝儀袋として各種のものが提案され、その一例として、シート材を袋状に折り畳んだ袋体と、この袋体を結ぶ水引と、袋体の前面上部に取り付けられた熨斗飾り部と、を備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような祝儀袋では、シート材を折り畳んで袋体が形成され、かく形成された袋体に巻くように水引が装着され、また熨斗飾り部は袋体の前面上部に接着糊などによって貼着される。
【0003】
【特許文献1】特開2000−168789号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した祝儀袋では、別個に形成された熨斗飾り部を袋体の前面に貼着する構成である故に、その製作、特に熨斗飾り部の製作が煩雑で、一般の人がシート材から製作するのが難しいという問題がある。また、熨斗飾り部を袋体に単に貼着する構成である故に、祝儀袋としてのデザイン上の創作性が乏しく、あまり目立たないという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、デザイン上の創作性が高く、シート状部材から折り畳んで容易に製作することができる祝儀袋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に記載の祝儀袋は、シート状部材を袋状に折りたたんで形成される袋体部と、この袋体部に設けられる熨斗飾り部とから構成される祝儀袋であって、
前記シート状部材の一角部である第1部分と、前記第1部分を除くその他の第2部分から構成され、前記第2部分を折りたたんで袋体部が形成され、前記第1部分を折りたたんで熨斗飾り部が形成され、前記熨斗飾り部が前記袋体部の前面に配置されることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の請求項2に記載の祝儀袋では、前記シート状部材は矩形状であり、前記第1部分は、前記シート状部材の長手方向を上下方向に配置した状態においてその左上部に直角二等辺三角形状に設けられていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項3に記載の祝儀袋では、前記シート状部材の前記第1部分には第1の色彩及び/又は模様が施され、また前記第2部分には第2の色彩及び/又は模様が施されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項4に記載の祝儀袋では、前記シート状部材の前記第1部分は、前記シート状部材の前記左上部に設けられた正方形状の第1領域部と、前記第1領域部の下側に設けられた直角二等辺三角形状の第2領域部と、前記第1領域部の右側に設けられた直角二等辺三角形状の第3領域部とから構成され、前記第1部分の前記第1領域部には第1の色彩及び/又は模様が施され、前記第1部分の前記第2及び第3領域部は白色に形成され、前記第2部分には第2の色彩及び/又は模様が施されていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項5に記載の祝儀袋では、前記第2部分は、前記第1部分の前記第2領域部から右下方に延びる略矩形状の第4領域部と、前記第4領域部の左下側に設けられた第5領域部と、前記第4領域部の右上側に設けられた第6領域部と、前期第4領域部の右下側に設けられた第7領域部とから構成され、前記第4領域部には前記第2の色彩及び/又は模様が施され、前記第5、第6及び第7領域部は白色に形成されていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項6に記載の祝儀袋では、前記第1部分を重ね合わせるように前記シート状部材の前記第1部分から前記第2部分にかけて三角形状に折り、かく折る状態にて前記第1部分を開いた後つぶしてひし形に形成し、このひし形形状部を所要の通りに折って、前記熨斗飾り部が形成されることを特徴とする。
【0012】
更に、本発明の請求項7に記載の祝儀袋では、前記第1部分の前記ひし形形状部の両端部を内側に折った後に外側に折って飾り本体部を形成し、更にかかる両端部を外側に折った後に内側に折って前記飾り本体部の前面側に飾り前部を形成し、前記ひし形形状部の両端部を前記飾り本体部と前記飾り前部との間から両側に延びるように形成したことを特徴とする。
【0013】
更にまた、本発明の請求項8に記載の祝儀袋では、前記第1部分のひし形形状部の両端の角を内側に真中線まで折り、その後これら両端部を袋状に開いて折り目に沿って内側に折り、更にこの状態にて両端部を真中線まで折り、その下端部を上側に折り返し、その先端部を更に内側に折り返して前記熨斗飾り部としての鶴を形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の請求項1に記載の祝儀袋によれば、シート状部材の一角部である第1部分を折り畳んで熨斗飾り部が形成され、その第2部分を折りたたんで袋体部が形成されるので、一枚のシート状部材を所要の通りに折り畳むことによって、熨斗飾り部が一体的に付いた祝儀袋をつくることができ、でき上がった祝儀袋は創作性の高いものとなる。
【0015】
また、本発明の請求項2に記載の祝儀袋によれば、第1部分がシート状部材の長手方向を上下方向に配置した状態においてその左上部に直角二等辺三角形状に設けられているので、この第1部分を所要の通りに折り畳むことによって、熨斗飾り部を袋体部の前面側に設けた祝儀袋をつくることができる。
【0016】
また、本発明の請求項3に記載の祝儀袋によれば、シート状部材の第1部分には第1の色彩及び/又は模様が施され、またその第2部分には第2の色彩及び/又は模様が施されているので、祝儀袋の袋体部と熨斗飾り部との色彩及び/又は模様が異なるようになり、でき上がった祝儀袋は創作性及びデザイン性の高いものとなる。
【0017】
また、本発明の請求項4に記載の祝儀袋によれば、シート状部材の第1部分は、正方形状の第1領域部と、第1領域部の下側に設けられた直角二等辺三角形状の第2領域部と、第1領域部の右側に設けられた直角二等辺三角形状の第3領域部とから構成され、第1領域部には第1の色彩及び/又は模様(例えば、赤色)が施され、第2及び第3領域部は白色に形成されているので、第1部分を所要の通りに折り畳むことによって、第1の色彩赤色部分の中に白色部分が存在する熨斗飾り部をつくることができる。また、シート状部材の第2部分には第2の色彩及び/又は模様が施されているので、第2の色彩及び/又は模様が施された袋体部に上述の熨斗飾り部が一体的に付いたものとなり、創作性及びデザイン性の非常に高いものとなる。
【0018】
また、本発明の請求項5に記載の祝儀袋によれば、シート状部材の第2部分の第4領域部に第2の色彩及び/又は模様が施され、その第5、第6及び第7領域部は白色に形成されているので、でき上がった祝儀袋の袋体部の外側に露出する部分には第2の色彩及び/又は模様が施されており、第2部分の必要な領域のみに色彩及び/又は模様を施すことによって、意匠性の優れた祝儀袋をつくることができる。
【0019】
また、本発明の請求項6に記載の祝儀袋によれば、シート状部材の第1部分を重ね合わせるように第1部分から第2部分にかけて三角形状に折り、かく折る状態にて第1部分を開いた後つぶしてひし形に形成し、このひし形形状部を所要の通りに折り畳むことによって、袋体部の前面に所要の熨斗飾り部を一体的に設けることができる。
【0020】
更に、本発明の請求項8に記載の祝儀袋によれば、第1部分のひし形形状部の両端部を内側に折った後に外側に折って飾り本体部を形成し、更にかかる両端部を外側に折った後に内側に折って飾り本体部の前面側に飾り前部を形成し、ひし形形状部の両端部を飾り本体部と飾り前部との間から両側に延びるように形成することによって、通常の形態の熨斗飾り部が袋体部の前面に付いた祝儀袋をつくることができる。
【0021】
更にまた、本発明の請求項8に記載の祝儀袋によれば、第1部分のひし形形状部の両端の角を内側に真中線まで折り、その後これら両端部を袋状に開いて折り目に沿って内側に折り、更にこの状態にて両端部を真中線まで折り、その下端部を上側に折り返し、その先端部を更に内側に折り返してして形成することによって、鶴の形態の熨斗飾り部が袋体部の前面に付いた祝儀袋をつくることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して、本発明に従う祝儀袋の実施形態について説明する。まず、図1〜図10を参照して、第1の実施形態の祝儀袋について説明する。図1は、第1の実施形態の祝儀袋を示す正面図であり、図2は、図1の祝儀袋をつくるときに用いるシート状部材を示す平面図であり、図3は、図1の祝儀袋をつくるときの折り順序の第1番目の折り方を示す図であり、図4は、図1の祝儀袋をつくるときの第2番目の折り方を示す図であり、図5は、図4に示す通りに折った後の状態を示す図であり、図6は、図1の祝儀袋をつくるときの第3番目の折り方を示す図であり、図7は、図1の祝儀袋をつくるときの第4番目の折り方を示す図であり、図8は、図1の祝儀袋をつくるときの第5番目の折り方を示す図であり、図9は、図1の祝儀袋をつくるときの第6番目の折り方を示す図であり、図10は、図1の祝儀袋をつくるときの第7番目の折り方を示す図である。
【0023】
図1及び図2において、図示の祝儀袋2は、祝儀を包むための袋体部4と、この袋体部4の前面に一体的に設けられる熨斗飾り部6とを備え、これら袋体部4及び熨斗飾り部6は、図2に示すシート状部材8を所要の通りに折り畳むことによって形成される。
【0024】
このシート状部材8は矩形状であり、第1部分10と、第1部分10を除くその他の第2部分12とを有し、第1部分10を後述する如く折り畳むことによって熨斗飾り部6が形成され、第2部分12を折り畳むことによって袋体部4が形成される。この実施形態では、第1部分10は、図2に示すように、シート状部材8の長手方向を上下方向に配置した状態において左上部に設けられ、左上角部を頂角とする直角二等辺三角状に設けられ、その一辺は、一方の長辺14から他方の長辺16に向けて上短辺18の幅方向中央よりも他方の長辺16側まで延びている。この第1部分10には、第1の色彩及び/又は模様が施され、第2部分12には第2の色彩及び/又は模様が施される。
【0025】
この第1部分10は、シート状部材8の左上部に正方形状に設けられる第1領域部10aと、第1領域部10aの下側に設けられる直角二等辺三角状の第2領域部10bと、第1領域部10aの右側(他方の長辺16側)に設けられる第2領域部10cとから構成されている。この実施形態では、第1領域部10aの全体に第1の色彩、例えば赤色が施されているとともに、シート状部材8の左上角部に向かう対角線状に直線状の細い帯状模様10d、例えばベージュ色の帯状模様が施され、第2及び第3領域部10b,10cが白色に形成されており、このような色彩及び模様を施すことによって、後述する如く折り畳むことにより、赤色部及び白色部を有する通常の熨斗飾り部6が形成される。尚、第1部分10に施す第1の色彩及び/又は模様は、祝儀袋2の種類などによって任意に選択して施すことができる。
【0026】
また、第2部分12は、第1部分10の第2領域部10bからシート状部材8の右下角部に向けて右下方に延びる略矩形状の第4領域部12aと、この第4領域部12aからシート状部材8の左下角部に向けて左下方に延びる略三角状の第5領域部12bと、第4領域部12aからシート状部材8の右上角部に向けての右上方に延びる略三角状の第6領域部12cと、第4領域部12aからシート状部材8の右下角部に向けて右下方に延びる第7領域部12dとから構成されている。この実施形態では、第4領域部12aには第2の色彩及び/又は模様、例えばベージュ色が施されているとともに、例えば花柄及び/又は花びら模様が施され、第5、第6及び第7領域部12b,12c,12dは白色に形成されている。尚、この第2部分12に施す第2の色彩及び/又は模様も、祝儀袋2の種類などによって任意に選択して施すことができる。
【0027】
後述した如く折り畳んだときには、第2部分12の第4領域部12aが袋体部4の外側に露出するようになり、それ故に、この第4領域部12aに第2の色彩及び/又は模様を施して袋体部4の意匠性を高めているが、このような構成に限定されず、例えば、展開したシート状部材8の意匠性を考慮したときには、第4〜第7領域部12a〜12d、即ち第2部分12の全体にわたって第2の色彩及び/又は模様を施すようにしてもよい。
【0028】
図2に示すシート状部材8を次のようにして折り畳んで図1に示す祝儀袋2をつくることができる。主として図2とともに、図3〜図10を参照して、祝儀袋2をつくるときには、まず、図3に示すように、第1の色彩及び/又は模様と第2の色彩及び/又は模様とが施された面を外側にし、第1部分10の帯状模様10dを通る線で山折りし、図2の上短辺18を図2の一方の長辺14に重なるように、第1部分10から第2部分12にかけて三角状に折るようにする。そして、図4に示すように、このように三角状に折る状態にて、第1部分10を開いた後につぶしてひし形に形成する。かく折り畳むと、図5に示す状態となり、第1部分10の第1領域部10aがひし形形状部の表面側に位置し、第2及び第3領域部10b.10cがひし形形状部の背面側に位置するようになる。
【0029】
次に、図6に示すように、第1部分10によって形成されるひし形形状部を例えば左に位置するようにし、第2部分12の第5領域部12bを内側に折って第6領域部12cの内側に位置付け、また第7領域部12dを内側に折り、このようにして第2部分12を帯状にする。祝儀は、このように開いた状態において、第2部分12の第4領域部12aと第5及び第6領域部12b,12cとの間に入れて包むようになる。
【0030】
次いで、図7に示すように、帯状の第2部分12の一端側(第1部分10が一する側と反対側)の端部を内側に折り、更にこの折った端部を上から覆うように第2部分12の他端部(第1部分10が存在する端部)を内側に折り、このように折り畳むことによって、図8に示すように袋体部4を形成することができ、このようにして祝儀袋の中間基本形態が作られる。図8に示す如く折り畳んだ状態では、第2部分12の第4領域部12aが袋体部8の前面及び後面に位置し、袋体部4の表面は第4領域部12aに施された第2の色彩及び/又は模様が表れるようになる。
【0031】
その後に、第1部分10のひし形形状部を次のように折り畳んで熨斗飾り部6を形成する。即ち、図9に示すように、第1部分10のひし形形状部の両端部を内側に折った後に外側に折って、上述した袋体部4の前面側に飾り本体部22を形成し、更に、図10に示すように、飾り本体部22から両側に延びる端部を外側に折った(即ち、山折りする)後に内側に折って(即ち、谷折りする)飾り本体部22の前面側に飾り前部24を形成する。かくすると、第1部分10のひし形形状部の両端部の先端側は、図10から理解されるように、飾り本体部22と飾り前部24との間から両側に延び、このようにして通常の形態の熨斗としての熨斗飾り部6を形成することができる。
【0032】
このようにして図1に示す祝儀袋2をつくることができ、この祝儀袋2の熨斗飾り部6は、図1及び図10に示すように、飾り本体部22の前面に第1部分10の第2及び第3領域部10b,10cが位置し(この部分は白色となる)、飾り本体部22の内面には第1領域部10aの第1の色彩及び/又は模様(例えば、赤色と帯状模様10d)が施され、また飾り前部24及びこれから両側に延びる両端部の前面は第1の色彩及び/又は模様(例えば、赤色)が施されているので、熨斗飾り部6は赤色部と白色部が混ざった意匠性の意匠性に優れたものとなる。
【0033】
尚、このような熨斗飾り部6では、折り畳んで重なっている部分があるので、前面側に浮き上がり易くなる傾向にあり、このような浮き上が傾向を防止するために、例えばテープなどを用いて止めるようにしてもよい。例えば、熨斗飾り部6の前面側にテープを設け、このテープの両端部を袋体部4の前面に貼付けて抑えるようにしることができる。
【0034】
次に、図11〜図16を参照して、第2の実施形態の祝儀袋について説明する。図11は、第2の実施形態の祝儀袋を示す正面図であり、図12は、図11の祝儀袋をつくるときに用いるシート状部材を示す平面図であり、図13は、図11の祝儀袋をつくるときの中間基本形態まで折り畳んだ後の次の折り方を示す図であり、図14は、図13に示す状態の次の折り方を示す図であり、図15は、図14に示す状態の次の折り方を示す図であり、図16は、図15に示す状態の次の折り方を示す図である。
【0035】
図11及び図12において、図示の祝儀袋102は、祝儀を包むための袋体部104と、この袋体部104の前面に一体的に設けられる熨斗飾り部106とを備え、これら袋体部410及び熨斗飾り部106は、図12に示すシート状部材108を所要の通りに折り畳むことによって形成される。
【0036】
このシート状部材108は矩形状であり、第1実施形態と同様に、第1部分110と、第1部分110を除くその他の第2部分112とを有し、第1部分110を後述する如く折り畳むことによって熨斗飾り部106が形成され、第2部分112を折り畳むことによって袋体部1044が形成される。第1部分110は、図12に示すように、シート状部材108の長手方向を上下方向に配置した状態において左上部に設けられ、左上角部を頂角とする直角二等辺三角状に設けられ、この第1部分110の全体に第1の色彩及び/又は模様が施され、第2部分112の全体に第2の色彩及び/又は模様が施される。例えば、第1部分110の全体に赤色が施され、第2部分112の全体に薄いピンク色及び薄い花柄模様が施される。尚、この第2の実施形態においては、第2部分112は、第1の実施形態と同様に第4〜第7領域部を有し、これら第4〜第7領域部に第2の色彩及び/又は模様が施されるが、このような構成に代えて、第1の実施形態と同様に第4領域部のみに第2の色彩及び/又は模様を施すようにしてもよい。
【0037】
この第2の実施形態では、図12に示すシート状部材108を次のようにして折り畳んで図11に示す祝儀袋102をつくることができる。主として図2とともに、図13〜図16を参照して、祝儀袋102をつくるときには、まず、第1の実施形態と同様に折り畳んで図8に示す中間基本形態をつくり(図3〜図8を参照)、その後、図13〜図16に示す通りに折り畳んで熨斗飾り部6を次のようにつくる。
【0038】
シート状部材108を上述したように折り畳んで中間基本形態をつくった後に、シート状部材108の第1部分110のひし形形状部の両端の角を内側に真中線まで折り、その後、図13に示すように、この両端部を袋状に開いて折り目に沿って内側に折り、更に、図14に示すように、図13に示す状態からその両端部114を真中線まで折る。
【0039】
しかる後、図15に示すように、折り畳んだ第1部分110の袋体部104から下方に延びる下端部116を上側に折り返し、更に図16に示すように、上方に折り畳んだ下端部116の先端部118を内側に折り返し、この折り返した先端部118を内側に折った両端部114の内側に挿入し、このようにして第1部分10のひし形形状部から熨斗飾りとしての鶴の熨斗飾り部106を形成することができる。
【0040】
このようにして図11に示す祝儀袋102をつくることができ、この祝儀袋102の熨斗飾り部106は、図10及び図16に示すように、熨斗飾り部106の表面には第1部分110の第1の色彩及び/又は模様が存在し、袋本体部104の表面には第2部分112の第2の色彩及び/又は模様が存在するので、意匠性の優れたものとなる。
【0041】
以上、本発明に従う祝儀袋の実施形態について説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0042】
例えば、上述した実施形態では特に設けていないが、折る部位をわかりやすくするために、必要に応じて折り線を施すようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】第1の実施形態の祝儀袋を示す正面図。
【図2】図1の祝儀袋をつくるときに用いるシート状部材を示す平面図。
【図3】図1の祝儀袋をつくるときの折り順序の第1番目の折り方を示す図。
【図4】図1の祝儀袋をつくるときの第2番目の折り方を示す図。
【図5】図4に示す通りに折った後の状態を示す図。
【図6】図1の祝儀袋をつくるときの第3番目の折り方を示す図。
【図7】図1の祝儀袋をつくるときの第4番目の折り方を示す図。
【図8】図1の祝儀袋をつくるときの第5番目の折り方を示す図。
【図9】図1の祝儀袋をつくるときの第6番目の折り方を示す図。
【図10】図1の祝儀袋をつくるときの第7番目の折り方を示す図。
【図11】第2の実施形態の祝儀袋を示す正面図。
【図12】図11の祝儀袋をつくるときに用いるシート状部材を示す平面図。
【図13】図11の祝儀袋をつくるときの中間基本形態まで折り畳んだ後の次の折り方を示す図。
【図14】図13に示す状態の次の折り方を示す図。
【図15】図14に示す状態の次の折り方を示す図。
【図16】図15に示す状態の次の折り方を示す図。
【符号の説明】
【0044】
2,102 祝儀袋
4,104 袋体部
6,106 熨斗飾り部
8,108 シート状部材
10,110 第1部分
12,112 第2部分
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状部材を袋状に折りたたんで形成される袋体部と、この袋体部に設けられる熨斗飾り部とから構成される祝儀袋であって、
前記シート状部材の一角部である第1部分と、前記第1部分を除くその他の第2部分から構成され、前記第2部分を折りたたんで袋体部が形成され、前記第1部分を折りたたんで熨斗飾り部が形成され、前記熨斗飾り部が前記袋体部の前面に配置されることを特徴とする祝儀袋。
【請求項2】
前記シート状部材は矩形状であり、前記第1部分は、前記シート状部材の長手方向を上下方向に配置した状態においてその左上部に直角二等辺三角形状に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の祝儀袋。
【請求項3】
前記シート状部材の前記第1部分には第1の色彩及び/又は模様が施され、また前記第2部分には第2の色彩及び/又は模様が施されていることを特徴とする請求項2に記載の祝儀袋。
【請求項4】
前記シート状部材の前記第1部分は、前記シート状部材の前記左上部に設けられた正方形状の第1領域部と、前記第1領域部の下側に設けられた直角二等辺三角形状の第2領域部と、前記第1領域部の右側に設けられた直角二等辺三角形状の第3領域部とから構成され、前記第1部分の前記第1領域部には第1の色彩及び/又は模様が施され、前記第1部分の前記第2及び第3領域部は白色に形成され、前記第2部分には第2の色彩及び/又は模様が施されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の祝儀袋。
【請求項5】
前記第2部分は、前記第1部分の前記第2領域部から右下方に延びる略矩形状の第4領域部と、前記第4領域部の左下側に設けられた第5領域部と、前記第4領域部の右上側に設けられた第6領域部と、前期第4領域部の右下側に設けられた第7領域部とから構成され、前記第4領域部には前記第2の色彩及び/又は模様が施され、前記第5、第6及び第7領域部は白色に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の祝儀袋。
【請求項6】
前記第1部分を重ね合わせるように前記シート状部材の前記第1部分から前記第2部分にかけて三角形状に折り、かく折る状態にて前記第1部分を開いた後つぶしてひし形に形成し、このひし形形状部を所要の通りに折って、前記熨斗飾り部が形成されることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の祝儀袋。
【請求項7】
前記第1部分の前記ひし形形状部の両端部を内側に折った後に外側に折って飾り本体部を形成し、更にかかる両端部を外側に折った後に内側に折って前記飾り本体部の前面側に飾り前部を形成し、前記ひし形形状部の両端部を前記飾り本体部と前記飾り前部との間から両側に延びるように形成したことを特徴とする請求項6に記載の祝儀袋。
【請求項8】
前記第1部分のひし形形状部の両端の角を内側に真中線まで折り、その後これら両端部を袋状に開いて折り目に沿って内側に折り、更にこの状態にて両端部を真中線まで折り、その下端部を上側に折り返し、その先端部を更に内側に折り返して前記熨斗飾り部としての鶴を形成することを特徴とする請求項6に記載の祝儀袋。
【請求項1】
シート状部材を袋状に折りたたんで形成される袋体部と、この袋体部に設けられる熨斗飾り部とから構成される祝儀袋であって、
前記シート状部材の一角部である第1部分と、前記第1部分を除くその他の第2部分から構成され、前記第2部分を折りたたんで袋体部が形成され、前記第1部分を折りたたんで熨斗飾り部が形成され、前記熨斗飾り部が前記袋体部の前面に配置されることを特徴とする祝儀袋。
【請求項2】
前記シート状部材は矩形状であり、前記第1部分は、前記シート状部材の長手方向を上下方向に配置した状態においてその左上部に直角二等辺三角形状に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の祝儀袋。
【請求項3】
前記シート状部材の前記第1部分には第1の色彩及び/又は模様が施され、また前記第2部分には第2の色彩及び/又は模様が施されていることを特徴とする請求項2に記載の祝儀袋。
【請求項4】
前記シート状部材の前記第1部分は、前記シート状部材の前記左上部に設けられた正方形状の第1領域部と、前記第1領域部の下側に設けられた直角二等辺三角形状の第2領域部と、前記第1領域部の右側に設けられた直角二等辺三角形状の第3領域部とから構成され、前記第1部分の前記第1領域部には第1の色彩及び/又は模様が施され、前記第1部分の前記第2及び第3領域部は白色に形成され、前記第2部分には第2の色彩及び/又は模様が施されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の祝儀袋。
【請求項5】
前記第2部分は、前記第1部分の前記第2領域部から右下方に延びる略矩形状の第4領域部と、前記第4領域部の左下側に設けられた第5領域部と、前記第4領域部の右上側に設けられた第6領域部と、前期第4領域部の右下側に設けられた第7領域部とから構成され、前記第4領域部には前記第2の色彩及び/又は模様が施され、前記第5、第6及び第7領域部は白色に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の祝儀袋。
【請求項6】
前記第1部分を重ね合わせるように前記シート状部材の前記第1部分から前記第2部分にかけて三角形状に折り、かく折る状態にて前記第1部分を開いた後つぶしてひし形に形成し、このひし形形状部を所要の通りに折って、前記熨斗飾り部が形成されることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の祝儀袋。
【請求項7】
前記第1部分の前記ひし形形状部の両端部を内側に折った後に外側に折って飾り本体部を形成し、更にかかる両端部を外側に折った後に内側に折って前記飾り本体部の前面側に飾り前部を形成し、前記ひし形形状部の両端部を前記飾り本体部と前記飾り前部との間から両側に延びるように形成したことを特徴とする請求項6に記載の祝儀袋。
【請求項8】
前記第1部分のひし形形状部の両端の角を内側に真中線まで折り、その後これら両端部を袋状に開いて折り目に沿って内側に折り、更にこの状態にて両端部を真中線まで折り、その下端部を上側に折り返し、その先端部を更に内側に折り返して前記熨斗飾り部としての鶴を形成することを特徴とする請求項6に記載の祝儀袋。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2008−18958(P2008−18958A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−191438(P2006−191438)
【出願日】平成18年7月12日(2006.7.12)
【出願人】(302014435)有限会社ラビットハウス (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月12日(2006.7.12)
【出願人】(302014435)有限会社ラビットハウス (1)
【Fターム(参考)】
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