説明

神経再生用医療デバイス

【課題】神経と接合するときに縫合作業を必要とせず、高度な熟練性を要することなく神経との接合を容易かつ迅速に確立し得る神経再生用医療デバイスを提供する。
【解決手段】神経再生用医療デバイス104は、中空のチューブ体110と、チューブ体の両端部のそれぞれに神経30を接続する接続部120と、を有している。チューブ体は、少なくとも端部に形成されたネジ部201を含んでいる。接続部は、神経の外周に接触自在な接触部材130と、接触部材を神経の径方向内方に向けて押付ける押付力を接触部材に付与する押付け部材140と、押付け部材に形成されチューブ体のネジ部に捩じ込み自在なネジ部201と、を含んでいる。そして、チューブ体のネジ部と押付け部材のネジ部とを捩じ込むことによって、押付け部材が押付力を接触部材に付与するようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、神経再生用医療デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
末梢神経における外傷性あるいは医原性の損傷に対して、神経再生チューブを用いた末梢神経の再生治療が行われている(特許文献1参照)。神経と神経再生チューブとは、複数箇所において縫合糸によって縫合して接合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2008/001952号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
神経と神経再生チューブとを縫合する手技において、術者は、顕微鏡を用いて観察しながら、神経上膜において神経再生チューブと縫合しなければならない。縫合時に、神経上膜よりも深層の神経束を坐滅すると、疼痛過敏などの障害が生じてしまう。神経と神経再生チューブとを縫合する手技には熟練が必要であり、手術時間も比較的長い時間を要している。
【0005】
本発明の目的は、神経と接合するときに縫合作業を必要とせず、高度な熟練性を要することなく神経との接合を容易かつ迅速に確立し得る神経再生用医療デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための神経再生用医療デバイスは、中空のチューブ体と、前記チューブ体の両端部のそれぞれに神経を接続する接続部と、を有している。前記チューブ体は、少なくとも端部に形成されたネジ部を含んでいる。前記接続部は、前記神経の外周に接触自在な接触部材と、前記接触部材を前記神経の径方向内方に向けて押付ける押付力を前記接触部材に付与する押付け部材と、前記押付け部材に形成され前記チューブ体の前記ネジ部に捩じ込み自在なネジ部と、を含んでいる。そして、前記チューブ体の前記ネジ部と前記押付け部材の前記ネジ部とを捩じ込むことによって、前記押付け部材が前記押付力を前記接触部材に付与するようにしている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の神経再生用医療デバイスによれば、チューブ体のネジ部と押付け部材のネジ部とを捩じ込むことによって、押付け部材が、接触部材を神経の径方向内方に向けて押付ける押付力を接触部材に付与して、チューブ体の両端部のそれぞれに神経を接続するので、神経と接合するときに縫合作業を必要とせず、高度な熟練性を要することなく神経との接合を容易かつ迅速に確立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】神経再生用医療デバイスを示す正面図である。
【図2】図2(A)は、神経再生用医療デバイスの要部を示す断面図、図2(B)は、図2(A)に二点鎖線によって囲まれる2B部を拡大して示す断面図である。
【図3】チューブ体、接触部材、および押付け部材を示す斜視図である。
【図4】チューブ体、接触部材、および押付け部材を示す断面図である。
【図5】図5(A)(B)は、神経の外周に接触する部位を首振り自在に構成した接触部材の説明に使用する概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の神経再生用医療デバイスを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、図面において、理解を容易にするために誇張して図示される部分を含んでおり、寸法比率が実際の比率と異なる場合がある。なお、説明の都合上、神経やチューブ体が伸びる方向を、それぞれ「神経の長手方向」「チューブ体の長手方向」という。
【0010】
図1〜図4を参照して、神経再生用医療デバイス104は、概説すれば、中空のチューブ体110と、チューブ体110の両端部のそれぞれに神経30を接続する接続部120と、を有している。チューブ体110は、少なくとも端部に形成されたネジ部201を含んでいる。接続部120は、神経の外周に接触自在な接触部材130と、接触部材130を神経30の径方向内方に向けて押付ける押付力を接触部材130に付与する押付け部材140と、押付け部材140に形成されチューブ体110のネジ部201に捩じ込み自在なネジ部202と、を含んでいる。そして、チューブ体110のネジ部201と押付け部材140のネジ部202とを捩じ込むことによって、押付け部材140は、接触部材130に押付力を付与している。接触部材130は、神経30の長手方向に伸びている。以下、詳述する。
【0011】
チューブ体110は、神経30の端部を挿入する空間部111を備えている。周囲にある組織から区画して、神経30が再生する空間を確保することができる。チューブ体110の断面形状は、特に限定されず、円形形状のほか、楕円形や多角形など、再生すべき神経組織に応じた形状を種々選択することができる。
【0012】
チューブ体110は、生分解性材料または生体吸収性材料から形成することが好ましい。生分解性材料、および生体吸収性材料は、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリジオキサノン、またはそれらの共重合体、あるいは、ポリアミノ酸およびそれらの共重合体を挙げることができる。
【0013】
チューブ体110は、該チューブ内外の物質交換を許容する観点から、長手方向の外表面側から内表面側に貫通する微細孔が形成されている多孔体であることが好ましいが、再生すべき神経組織の長さが比較的短い場合、或いは比較的速い神経組織の伸長が期待できる場合等においてはその限りではなく、必ずしも微細孔が形成されていなくてもよい。
【0014】
チューブ体110は、内周面の少なくとも一部に軸方向に伸びて形成され神経30の伸長をガイドするガイド溝112を有していることが好ましい(図2、図3、図4を参照)。再生する神経線維および関連する各種細胞に伸長する方向性を与えて、中枢側神経端と末梢側神経端とが接合する時間を短縮することができるからである。
【0015】
チューブ体110は、内部空間に収納され神経30の伸長を促進する材料を含む充填材150を有していることが好ましい(図1、図2を参照)。チューブ体110の内部において再生する神経30の細胞に対して適切な密度と足場を与え、神経軸索の接着や伸長を促進し、神経軸索の再生を促すことができるからである。充填材150として、例えば、細胞接着因子/分子、神経細胞増殖因子、線維芽細胞成長因子、神経作用因子、免疫活性因子、あるいは細胞外マトリックス(Extracellular Matrix)などを挙げることができる。
【0016】
本実施形態にあっては、チューブ体110は、その外周面に、雄ネジからなるネジ部201が形成されている。ネジ部201は、チューブ体110の長手方向の全長にわたって形成されている。チューブ体110の端部開口113、114には、テーパ面117が形成されている(図2、図4を参照)。
【0017】
接触部材130は、チューブ体110の端部開口113、114に先端部が挿入されるスリーブ211から構成されている。スリーブ211は、中空円筒形状のベース部215と、ベース部215から軸方向に伸びる複数(図示例では4個。図3を参照)の弾性舌部213と、を有している。スリーブ211には、神経30を挿通するための中心孔211aが形成されている。弾性舌部213同士の間にはスリット216が形成されている(図3、図4を参照)。このスリット216によって、弾性舌部213のそれぞれは、弾性的に変位することが可能となっている。それぞれの弾性舌部213は、外周にテーパ面212が形成され、チューブ体110の端部開口113、114に挿入自在かつ挿入方向先端側に向かって先細りとなる形状を有している。弾性舌部213の内周面214は、神経30の外周面に接触する。弾性舌部213のテーパ面212にチューブ体110のテーパ面117が当接することによって、弾性舌部213は、径方向内方に向けて変位する。
【0018】
押付け部材140は、チューブ体110の端部に接続されるキャップ210から構成されている。キャップ210の内周面には、チューブ体110のネジ部201に捩じ込み自在な雌ネジからなるネジ部202が形成されている。キャップ210には、神経30を挿通するための中心孔210aが形成されている。キャップ210内には、スリーブ211が収納されている。キャップ210の中心孔210aと、スリーブ211の中心孔211aとが連通する。
【0019】
弾性舌部213の先端部を、チューブ体110の端部開口113、114に挿入した状態で、チューブ体110のネジ部201とキャップ210のネジ部202とを捩じ込む。すると、弾性舌部213のテーパ面212にチューブ体110のテーパ面117が当接し、弾性舌部213が径方向内方に向けて変位する。これによって、押付け部材140としてのキャップ210は、神経30の径方向内方に向けて押付ける押付力を、接触部材130としてのスリーブ211に付与している。
【0020】
また、キャップ210は、チューブ体110のネジ部201への捩じ込み量を調整して弾性舌部213がチューブ体110の端部開口113、114に挿入される長さを長短調整することによって、押付力を増減調整自在である。すなわち、キャップ210の捩じ込み量を増加すると、弾性舌部213がチューブ体110の端部開口113、114に挿入される長さが増えて、弾性舌部213が径方向内方に向けて変位する量が増え、押付力が増加する。一方、キャップ210のねじ込み量を減少すると、弾性舌部213が径方向内方に向けて変位する量が減り、押付力が減少する。
【0021】
チューブ体110のネジ部201は、キャップ210のネジ部202の長さよりも長い寸法を有し、切断自在であることが好ましい。チューブ体110の長さを、神経30同士の間のギャップ寸法に合致した長さに簡単に調整できるからである。
【0022】
キャップ210やスリーブ211は、チューブ体110と同様に、生分解性材料または生体吸収性材料から形成することが好ましい。
【0023】
図2(B)を参照して、接触部材130は、神経30の外周に向かい合う面に形成された微小突起135を備えていることが好ましい。接触部材130が神経30の外周に対して滑ることを防ぎ、神経再生用医療デバイス104と神経30との接合状態を安定して維持できるからである。本実施形態では、微小突起135は、接触部材130としてのスリーブ211の弾性舌部213の内周面214に形成されている。
【0024】
この場合において、微小突起135の突出寸法は、神経30の神経上膜31の厚さを超えない寸法であることが好ましい。神経上膜31の厚みは、部位や神経の太さによって異なるが、概ね20μm〜200μmの厚みの範囲である。故に、微小突起135の突出寸法は、神経上膜31の厚みである20μm〜200μmの範囲を超えない範囲で、部位や神経の太さにより最適なものが選択され得るべきである。そうすることで、神経束32の坐滅を防止することができるからである。
【0025】
また、微小突起135の形状としては、神経30が抜け難い形状であれば特に限定されないが、長軸方向の断面構造が非対称かつ神経30がより抜け難い形状であることが好ましい。
【0026】
概念的に示す図5(A)(B)を参照して、接触部材130は、押付け部材140からの押付け力が伝達される本体部130aと、神経30の外周に接触する接触部130bと、接触部130bを本体部130aに対して首振り自在に保持する保持機構160と、を備えていることが好ましい。接触部材130の本体部130aが神経30の長手方向に対して交差する方向に傾いた場合であっても(図5(B)を参照)、保持機構160によって接触部130bを首振りさせて、接触部130bが神経30を径方向内方に向けて押付ける力を、神経30の長手方向に沿って均等に分散させ、局所的に集中することを防止できるからでる。図示する実施形態にあっては、接触部材130としてのスリーブ211における弾性舌部213を、押付け部材140としてのキャップ210およびチューブ体110からの押付け力が伝達される本体部130aと、神経30の外周に接触する接触部130bと、接触部130bを本体部130aに対して首振り自在に保持する保持機構160とから構成すればよい。
【0027】
保持機構160は、チューブ体110と同様に、生分解性材料または生体吸収性材料から形成することが好ましい。
【0028】
神経30、チューブ体110やスリーブ211の寸法は特に限定されないが、一例を挙げれば、
神経30 :外径 0.5〜8mm
チューブ体110:外径 0.62〜15mm
:内径 0.6〜12mm
:長さ 10〜100mm
スリーブ211 :内周面214の部分の内径 0.6〜10mm
:長さ 3〜15mm
である。
【0029】
神経再生用医療デバイス104の使用例を説明する。
【0030】
まず、中枢側の神経端を図4中左側に示されるキャップ210の中心孔210a、スリーブ211の中心孔211aに挿通し、末梢側の神経端を図中右側に示されるキャップ210の中心孔210a、スリーブ211の中心孔211aに挿通する。
【0031】
弾性舌部213の先端部を、チューブ体110の端部開口113、114に挿入した状態で、チューブ体110のネジ部201とキャップ210のネジ部202とを捩じ込む。すると、弾性舌部213のテーパ面212にチューブ体110のテーパ面117が当接し、弾性舌部213が径方向内方に向けて変位する。これによって、神経30を径方向内方に向けて押付ける押付力を、スリーブ211に付与する(図2(A)を参照)。
【0032】
押付力を増減調整するときには、チューブ体110のネジ部201へのキャップ210の捩じ込み量を調整して、弾性舌部213がチューブ体110の端部開口113、114に挿入される長さを長短調整する。すなわち、押付力を増加させたいときには、キャップ210の捩じ込み量を増加し、弾性舌部213がチューブ体110の端部開口113、114に挿入される長さを増やし、弾性舌部213が径方向内方に向けて変位する量を増やす。逆に、押付力を減少させたいときには、キャップ210のねじ込み量を減少させ、弾性舌部213が径方向内方に向けて変位する量を減らせばよい。
【0033】
キャップ210の捩じ込み量の調整が終わると、神経再生用医療デバイス104と神経30との接合が完了する。弾性舌部213の微小突起135が神経30の神経上膜31に食い込み、スリーブ211が神経30の外周に対して滑ることを防いでいる。これによって神経再生用医療デバイス104と神経30との接合状態を安定して維持できる。
【0034】
以上説明したように、本実施形態の神経再生用医療デバイス104によれば、チューブ体110の両端部のそれぞれに神経30を接続する接続部120は、神経30の外周に接触自在な接触部材130と、接触部材130を神経30の径方向内方に向けて押付ける押付力を接触部材130に付与する押付け部材140と、押付け部材140に形成されチューブ体110のネジ部201に捩じ込み自在なネジ部202と、を含み、チューブ体110のネジ部201と押付け部材140のネジ部202とを捩じ込むことによって、押付け部材140が押付力を接触部材130に付与するようにしている。このため、神経再生用医療デバイス104を神経30と接合するときに縫合作業を必要とせず、高度な熟練性を要することなく神経30との接合を容易かつ迅速に確立することができる。
【0035】
接触部材130は、押付け部材140からの押付け力が伝達される本体部130aと、神経30の外周に接触する接触部130bと、接触部130bを本体部130aに対して首振り自在に保持する保持機構160と、を備えているので、接触部材130が神経30を径方向内方に向けて押付ける力を、神経30の長手方向に沿って均等に分散させ、局所的に集中することを防止できる。
【0036】
接触部材130は、神経30の外周に向かい合う面に形成された微小突起135を備えているので、接触部材130が神経30の外周に対して滑ることを防ぎ、神経再生用医療デバイス104と神経30との接合状態を安定して維持できる。また、微小突起135の突出寸法は、神経30の神経上膜31の厚さを超えない寸法であるので、神経束32の坐滅を防止できる。
【0037】
接触部材130は、チューブ体110の端部開口113、114に挿入自在かつ挿入方向先端側に向かって先細りとなる形状の弾性舌部213を備え、押付け部材140は、チューブ体110のネジ部201への捩じ込み量を調整して弾性舌部213がチューブ体110の端部開口113、114に挿入される長さを長短調整することによって、押付力を増減調整自在である。このため、簡単な構造で、神経30との接合を容易かつ迅速に確立することができ、しかも、ネジ部201、202における捩じ込み量を調整するだけで、神経30を径方向内方に向けて押付ける押付力を調整することができる。
【0038】
チューブ体110のネジ部201が、押付け部材140のネジ部202の長さよりも長い寸法を有し、切断自在であり、かつ、接触部材130がチューブ体110と一体になっておらず、単独の部材として存在している。これにより、神経30を径方向内方に向けて押付ける押付力を、神経30の長手方向に沿って均等に分散させ、局所的に集中することを防止しつつ、チューブ体110の長さを、神経30同士の間のギャップ寸法に合致した長さに簡単に調整できる。
【0039】
また、チューブ体110は神経30の端部を挿入する空間部111を備えており、神経30が再生する空間を周囲から区画して確保することができる。
【0040】
さらに、神経再生用医療デバイス104を全て生分解性材料または生体吸収性材料から形成することにより、神経細胞が再生伸長し、中枢側神経端が末梢側神経端と繋がった後に、神経再生用医療デバイス104を体内から取り出す必要もない。
【0041】
チューブ体110は神経30の伸長をガイドするガイド溝112を有しているので、再生する神経線維および関連する各種細胞に伸長する方向性を与えて、中枢側神経端と末梢側神経端とが接合する時間を短縮することができる。
【0042】
チューブ体110は、内部空間に収納され神経30の伸長を促進する材料を含む充填材150を有しているので、神経軸索の接着や伸長を促進し、神経軸索の再生を促すことができる。
【0043】
以上、本発明の神経再生用医療デバイス104を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、神経再生用医療デバイス104を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
【0044】
例えば、チューブ体110の全長にわたってネジ部201を形成した例を示したが、チューブ体は、少なくとも端部にネジ部が形成されていればよい。
【符号の説明】
【0045】
30 神経、
31 神経上膜、
32 神経束、
104 神経再生用医療デバイス、
110 チューブ体、
111 空間部、
112 ガイド溝、
113、114 端部開口、
117 チューブ体のテーパ面、
120 接続部、
130 接触部材、
130a 本体部、
130b 接触部、
135 微小突起、
140 押付け部材、
150 充填材、
160 保持機構、
201、202 ネジ部、
210 キャップ、
210a キャップの中心孔、
211 スリーブ、
211a スリーブの中心孔、
212 弾性舌部のテーパ面、
213 弾性舌部、
214 内周面、
215 ベース部、
216 スリット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空のチューブ体と、
前記チューブ体の両端部のそれぞれに神経を接続する接続部と、を有し、
前記チューブ体は、
少なくとも端部に形成されたネジ部を含み、
前記接続部は、
前記神経の外周に接触自在な接触部材と、
前記接触部材を前記神経の径方向内方に向けて押付ける押付力を前記接触部材に付与する押付け部材と、
前記押付け部材に形成され前記チューブ体の前記ネジ部に捩じ込み自在なネジ部と、を含み、
前記チューブ体の前記ネジ部と前記押付け部材の前記ネジ部とを捩じ込むことによって、前記押付け部材が前記押付力を前記接触部材に付与する、神経再生用医療デバイス。
【請求項2】
前記接触部材は、前記押付け部材からの押付け力が伝達される本体部と、前記神経の外周に接触する接触部と、前記接触部を前記本体部に対して首振り自在に保持する保持機構と、を備えている、請求項1に記載の神経再生用医療デバイス。
【請求項3】
前記接触部材は、前記神経の外周に向かい合う面に形成された微小突起を備えている、請求項1または請求項2に記載の神経再生用医療デバイス。
【請求項4】
前記微小突起の突出寸法は、前記神経の神経上膜の厚さを超えない寸法である、請求項3に記載の神経再生用医療デバイス。
【請求項5】
前記接触部材は、前記チューブ体の端部開口に挿入自在かつ挿入方向先端側に向かって先細りとなる形状の弾性舌部を備え、
前記押付け部材は、前記チューブ体の前記ネジ部への捩じ込み量を調整して前記弾性舌部が前記チューブ体の前記端部開口に挿入される長さを長短調整することによって、前記押付力を増減調整自在である、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の神経再生用医療デバイス。
【請求項6】
前記チューブ体の前記ネジ部は、前記押付け部材の前記ネジ部の長さよりも長い寸法を有し、切断自在である、請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の神経再生用医療デバイス。
【請求項7】
前記チューブ体は、前記神経の端部を挿入する空間部を備えている、請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の神経再生用医療デバイス。
【請求項8】
前記チューブ体は、生分解性材料または生体吸収性材料から形成されている、請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の神経再生用医療デバイス。
【請求項9】
前記チューブ体は、内周面の少なくとも一部に軸方向に伸びて形成され神経の伸長をガイドするガイド溝を有する、請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載の神経再生用医療デバイス。
【請求項10】
前記チューブ体は、内部空間に収納され神経の伸長を促進する材料を含む充填材を有する、請求項1〜請求項9のいずれか1つに記載の神経再生用医療デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−210255(P2012−210255A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−76726(P2011−76726)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】