説明

神経刺激システム

【課題】電気刺激は、神経のうちで心臓の外部の部分に送出されるので、心臓内感知なしで電気刺激の送出を心臓周期に同期化するタイミング基準信号を検出する必要がある。
【解決手段】神経刺激システムは、心臓および血管の外部のセンサを使用して、それぞれが所定のタイプのタイミング基準事象を含む心臓周期を示す基準信号を感知する。神経刺激パルスの送出は、そのタイミング基準事象に同期化される。タイミング基準事象の例には、皮下ECG信号から検出されるP波またはR波などの所定の心臓事象、音響信号から検出される所定のタイプの心音、および血流量または血圧に関係付けられる血液動態信号から検出されるピークが含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本文書は、全般的には神経刺激システムに関し、具体的には、心臓周期への神経刺激の同期化を実現するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
心臓は、ヒトの循環系の中心である。心臓の左側部分は、酸素を豊富に含む血液を肺から吸い出し、身体の諸器官にポンプ圧送して、諸器官に酸素に関する代謝要求を与える。心臓の右側部分は、脱酸素された血液を身体器官から吸い出し、肺にポンプ圧送し、肺で、血液に酸素が与えられる。これらのポンピング機能は、心筋(心臓の筋肉)の周期的収縮によって達成される。心臓周期として知られる各周期は、心収縮期と心拡張期を含む。心収縮期中に、心臓は血液を排出する。心拡張期中に、心臓は、次の排出(心収縮)期のための血液で充たされ、心筋組織が、灌流される。正常な心臓では、洞房結節が、活動電位と呼ばれる電気インパルスを生成する。この電気インパルスは、電気伝導系を介して心臓のさまざまな部位に伝搬して、これらの部位の心筋組織を興奮させる。正常な電気伝導系での活動電位の伝搬の調整された遅延は、心臓のさまざまな部分に同期して収縮させて、正常な血液動態機能によって示される効率的なポンピング機能をもたらす。遮断されるか他の形で異常な電気伝導および/または劣化した心筋組織は、心収縮機能障害(筋細胞が調和して収縮しないので)や心拡張機能障害(筋細胞が調和して弛緩しないので)をもたらす。心収縮機能や心拡張機能の低下は、それぞれ、心臓と身体の残りへの血液供給の減少を含む、悪い総合的な血液動態機能に寄与する。
【0003】
血液動態機能は、自律神経系の諸部分で神経信号によって修正される。たとえば、心筋層には、交感神経と副交感神経が分布する。人工的に加えられた電気刺激を含むこれらの神経の活動は、心拍数と心収縮性(心筋収縮の強さ)を修正する。交感神経に加えられた電気刺激は、心拍数および心収縮性を高め、心臓周期の心収縮期を短縮し、心臓周期の心拡張期を延ばすことが知られている。副交感神経に加えられた電気刺激は、本質的に反対の影響を有することが知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
心拍数と心収縮性の修正における自律神経の電気刺激の能力は、心筋リモデリング(myocardial remodeling)の制御および心筋梗塞後の不整脈の防止など、心臓の異常な状態を治療するのに利用される。そのような電気刺激の効果が、心臓周期に関する電気刺激の送出のタイミングに依存することが観察される。したがって、電気刺激の送出を心臓周期に同期化することが望ましい。電気刺激は、神経のうちで心臓の外部の部分に送出されるので、心臓内感知なしで、電気刺激の送出を心臓周期に同期化するタイミング基準信号を検出する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
神経刺激器(neural stimulator)が、心臓や血管の外部のセンサを使用して、心臓周期を示す基準信号を感知する。この心臓周期は、それぞれが所定のタイプのタイミング基準事象を含む。神経刺激パルスの送出は、そのタイミング基準事象に同期化される。
【0006】
一実施態様で、神経刺激システムは、刺激出力回路と、基準信号センサと、基準事象検出回路と、刺激制御回路とを含む。刺激出力回路は、神経刺激パルスを送出する。基準信号センサは、それぞれが所定のタイプのタイミング基準事象を含む心臓周期を示す基準信号を感知する。基準信号センサは、循環系の外部の部位に置くことができる。基準事象検出回路は、所定のタイプのタイミング基準事象を検出する。刺激制御回路は、神経刺激パルスの送出を制御し、同期化モジュールを含む。同期化モジュールは、神経刺激パルスの送出を所定のタイプのタイミング基準事象に同期化する。
【0007】
一特定の実施態様で、神経刺激システムは、刺激出力回路と、1つまたは複数の電極と、心臓事象検出回路と、刺激制御回路とを含む。刺激出力回路は、神経刺激パルスを送出する。1つまたは複数の電極は、心電図(ECG)信号を感知する。心臓事象検出回路は、ECG信号から所定のタイプの心臓事象を検出する。刺激制御回路は、神経刺激パルスの送出を制御し、同期化モジュールを含む。同期化モジュールは、神経刺激パルスの送出を所定のタイプの心臓事象に同期化する。
【0008】
もう1つの特定の実施態様では、神経刺激システムは、刺激出力回路と、音響センサと、心音検出回路と、刺激制御回路とを含む。刺激出力回路は神経刺激パルスを送出する。埋込み可能な音響センサは、心音を示す音響信号を感知する。心音検出回路は、音響信号を使用して所定のタイプの心音を検出する。刺激制御回路は、神経刺激パルスの送出を制御し、同期化モジュールを含む。同期化モジュールは、神経刺激パルスの送出を所定のタイプの心音に同期化する。
【0009】
もう1つの特定の実施態様では、神経刺激システムは、刺激出力回路と、血液動態センサと、血液動態事象検出回路と、刺激制御回路とを含む。刺激出力回路は、神経刺激パルスを送出する。血液動態センサは、血液動態信号を感知する。血液動態事象検出回路は、血液動態信号を使用して、所定のタイプの血液動態事象を検出する。刺激制御回路は、神経刺激パルスの送出を制御し、同期化モジュールを含む。同期化モジュールは、神経刺激パルスの送出を所定のタイプの血液動態事象に同期化する。
【0010】
一実施態様で、神経刺激の方法が提供される。タイミング基準信号を、循環系の外部に置かれた基準信号センサを使用して感知する。タイミング基準信号は、それぞれが所定のタイプのタイミング基準事象を含む心臓周期を示す。所定のタイプのタイミング基準事象を、基準信号から検出する。神経刺激パルスの送出を、検出されたタイミング基準事象に同期化する。
【0011】
この要約は、本願の教示の一部の概要であり、本主題を排他的にまたは網羅的に論じることは意図されていない。本主題に関するさらなる詳細は、発明を実施するための最良の形態と添付の特許請求の範囲に見出される。本発明の他の態様は、次の発明を実施するための最良の形態を読み、理解し、その一部を形成する図面を見たときに、当業者に明白になる。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲およびその法的均等物によって定義される。
図面は必ずしも原寸通りに描かれてはいないが、図面では、類似する符号が、複数の図を通じて類似する構成要素を指す。図面は、制限ではなく例として、本文書で述べるさまざまな実施形態を全般的に示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】神経刺激システムの実施形態およびその神経刺激システムが使用される環境の諸部分を示す図である。
【図2】心臓周期に同期化される神経刺激システムの回路の実施形態を示すブロック図である。
【図3】図2の回路の特定の実施形態を示すブロック図である。
【図4】神経刺激を心臓周期に同期化するのに無線ECGを使用する回路の実施形態を示すブロック図である。
【図5】皮下ECG感知用の電極システムの実施形態を示すブロック図である。
【図6】神経刺激を心臓周期に同期化するのに心音を使用する回路の実施形態を示すブロック図である。
【図7】神経刺激を心臓周期に同期化するのに血液動態信号を使用する回路の実施形態を示すブロック図である。
【図8】神経刺激を心臓周期に同期化する方法の実施形態を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次の詳細な説明では、その一部を形成する添付図面を参照するが、添付図面には、例示として、本発明を実践できる特定の実施形態が示されている。これらの実施形態を、当業者が本発明を実践することを可能にするのに十分に詳細に説明するが、本発明の範囲から逸脱せずに、これらの実施形態を組み合わせることができ、あるいは、他の実施形態を利用でき、構造的変更、論理的変更、電気的変更を行うことができることを理解されたい。次の詳細な説明は、例を提供し、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその法的同等物によって定義される。
【0014】
本開示での「一」実施形態または「さまざまな」実施形態への言及が、必ずしも同一の実施形態への言及ではなく、そのような言及が、複数の実施形態を企図していることに留意されたい。
【0015】
本文書では、神経刺激パルスの送出を心臓周期に同期化する神経刺激システムを論ずる。この神経刺激システムは、埋込み可能な基準事象センサを使用して、それぞれが所定のタイプのタイミング基準事象を含む心臓周期を示す基準信号を感知する、埋込み可能な神経刺激器を含む。埋込み可能な基準事象センサは、心臓外で血管外のセンサすなわち、心臓と血管を含む患者の循環系の外部に置かれるセンサである。神経刺激パルスの送出は、タイミング基準事象に同期化される。基準信号の例に、無線ECG、心音を示す音響信号、および血液動態信号が含まれる。
【0016】
本文書では、「表面ECG」は、皮膚の外面に取り付けられた電極を用いて感知された心臓電気信号を指す。「無線ECG」は、表面(埋込み可能ではない、皮膚に接触する)電極を使用せずに収集される、表面ECGを近似する信号を指す。「皮下ECG」は、無線ECGの一形態であり、皮下に埋め込まれた埋込み可能医療デバイスに組み込まれた電極を介するなど、皮下組織に埋め込まれた電極を介して感知された心臓電気信号を含む。それに対応する形態に反映されているように、表面ECGは、心臓全体の電気的活動から生じる。皮下ECGを含むがこれに限定されない無線ECGは、表面ECGの形態を近似する形態を有し、心臓の実質的な部分から心臓全体までの電気的活動を反映する。
【0017】
本文書では、「音響信号」は、心音を示すすべての信号を含む。「心音」は、マイクロホンを用いて感知できる、心臓活動によって引き起こされる可聴の機械的振動と、加速度計を用いて感知できる、心臓活動によって引き起こされる可聴および非可聴の機械的振動とを含む。既知のタイプの心音に、「第一心音」すなわちS1、「第二心音」すなわちS2、「第三心音」すなわちS3、「第四心音」すなわちS4、およびこれらのさまざまなサブコンポーネントが含まれる。S1は、とりわけ、僧帽弁閉鎖、三尖弁閉鎖、大動脈弁解放を示すことが知られている。S2は、とりわけ、大動脈弁閉鎖と肺動脈弁閉鎖を示すことが知られている。S3は、心不全を含むある種の病的状態をしばしば示す心室拡張期充満音であることが知られている。S4は、心房収縮から生じる心室拡張期充満音であることが知られており、通常は病的状態を示す。用語「心音」は、以下では、すべての心音(たとえば、S1)およびそのすべての成分(たとえば、僧帽弁閉鎖を示すS1のM1成分)を指す。
【0018】
本文書では、「血液動態信号」は、血圧または圧力関連パラメータ、心送血量、一回心拍出量、血流量、血流量の変化(たとえば、その導関数)、および/または血流量の速度など、血液動態機能の1つまたは複数の測定値の監視、計算、または推定をもたらす信号を含む。
【0019】
図1に、神経刺激システム100の実施形態およびシステム100が使用される環境の諸部分を示す。システム100は、リード線106、108を介して神経刺激パルスを送出する埋込み可能な医療デバイス110と外部システム120を含み、かつ埋込み可能な医療デバイス110と外部システム120との間の通信をもたらすテレメトリ・リンク125を含む。例示のみのために、図1には、リード線106が、交感神経系の神経102に結合された電極107を含み、リード線108が、副交感神経系の神経104に結合された電極109を含むことが示されている。神経102、104は、心臓101を刺激する。さまざまな実施形態で、埋込み可能な医療デバイス110は、心臓101を含む循環系の1つまたは複数の機能を修正するために、1つまたは複数のリード線を介して任意の1つまたは複数の神経に神経刺激を与える。そのようなリード線には、神経活動を感知し、かつ/または神経刺激パルスを送出する少なくとも1つの電極をそれぞれが含む埋込み可能な神経リード線が含まれる。そのような電極の1つの例に、大動脈、頸動脈、または迷走神経の周囲に配置されるカフ電極が含まれる。
【0020】
埋込み可能な医療デバイス110は、神経刺激パルスを送出し、心臓周期に同期化される神経刺激回路130を含む。心臓周期に同期化される神経刺激回路130は、心臓周期から所定のタイプのタイミング基準事象を検出し、神経刺激パルスの送出をそのタイミング基準事象に同期化する。一実施形態で、心臓周期に同期化される神経刺激回路130は、タイミング基準事象の検出時に所定のオフセット時間間隔を開始し、このオフセット時間間隔が満了するときに神経刺激パルスのバーストを送出する。一実施形態で、埋込み可能な医療デバイス110は、生理学的信号を監視し、かつ/または神経刺激に加えて療法を与えることができる。そのような追加の療法の例に、心臓ペーシング療法、電気的除細動/除細動療法、心臓再同期療法、心臓リモデリング・コントロール療法(cardiac remodeling control therapy)、薬物療法、細胞療法、遺伝子療法が含まれる。さまざまな実施形態で、埋込み可能な医療デバイス110は、1つまたは複数のそのような追加の療法と協調して神経刺激を送出する。
【0021】
外部システム120は、医師または他の介護者による埋込み可能な医療デバイス110を制御し、これとの通信する。一実施形態で、外部システム120は、プログラマを含む。もう1つの実施形態で、外部システム120は、テレメトリ・リンク125を介して埋込み可能な医療デバイス110と通信する外部デバイスや比較的離れた位置のリモート・デバイスを含み、さらに外部デバイスとリモート・デバイスをリンクする遠隔通信ネットワークを含む患者管理システムである。この患者管理システムは、患者の状況の監視と療法の調整などのための、リモート位置からの埋込み可能な医療デバイス110へのアクセスを可能にする。一実施形態で、テレメトリ・リンク125は、誘導型テレメトリ・リンクである。代替実施形態では、テレメトリ・リンク125は、遠距離電磁界ラジオ周波数(RF)テレメトリ・リンクである。テレメトリ・リンク125は、埋込み可能な医療デバイス110から外部システム120へのデータ伝送を実現する。これには、たとえば、埋込み可能な医療デバイス110によって収集されたリアルタイム生理学的データの送信、埋込み可能な医療デバイス110によって収集され、格納された生理学的データの抽出、埋込み可能な医療デバイス110に記録された不整脈の発生や療法供給などの患者履歴データの抽出、および/または埋込み可能な医療デバイス110の動作状況(たとえば、バッテリ状況やリード線インピーダンス)を示すデータの抽出が含まれる。テレメトリ・リンク125は、外部システム120から埋込み可能な医療デバイス110へのデータ送信も提供する。これには、たとえば、生理学的データを収集するように埋込み可能な医療デバイス110をプログラムすること、少なくとも1つの自己診断テスト(デバイス動作状況に関するものなど)を実行するように埋込み可能な医療デバイス110をプログラムすること、ならびに/あるいは1つもしくは複数の療法を供給し、かつ/または1つもしくは複数の療法の供給を調整するように埋込み可能な医療デバイス110をプログラムすることが含まれる。
【0022】
図2は、心臓周期に同期化される神経刺激システム231の回路の実施形態を示すブロック図である。システム231は、基準信号センサ215および心臓周期に同期化される神経刺激回路130を含む。
【0023】
基準信号センサ215は、それぞれが所定のタイプのタイミング基準事象を含む心臓周期を示す基準信号を感知する。一実施形態で、基準信号センサ215は、埋込み可能な基準信号センサである。タイミング基準事象は、神経刺激がそれに同期化されるタイミング基準になるように選択された、心臓周期の繰り返し発生する特徴である。一実施形態で、基準信号センサ215は、心臓外で血管外の配置すなわち、心臓や血管の外部の配置用に構成される。基準信号センサ215の例には、皮下ECG信号を感知する電極の組、心音を示す音響信号を感知する音響センサ、血液動態機能を示す血液動態信号を感知する血液動態センサが含まれる。一実施形態で、埋込み可能な医療デバイス110は、基準信号センサ215と心臓周期に同期化される神経刺激回路130との両方を含む埋込み可能なハウジングを有する。もう1つの実施形態で、基準信号センサ215は、埋込み可能な医療デバイス110のハウジングに組み込まれる。もう1つの実施形態で、基準信号センサ215は、1つまたは複数のリード線を介して埋込み可能な医療デバイス110に電気的に接続される。もう1つの実施形態で、基準信号センサ215は、体内テレメトリ・リンクを介して埋込み可能な医療デバイス110に通信的に結合される。
【0024】
心臓周期に同期化される神経刺激回路130は、刺激出力回路232、基準事象検出回路234、刺激制御回路236を含む。基準事象検出回路234は、基準信号センサ215から基準信号を受け取り、その基準信号からタイミング基準事象を検出する。刺激制御回路236は、神経刺激パルスの送出を制御し、同期化モジュール238を含む。同期化モジュール238は、各タイミング基準事象の検出を示す信号を受け取り、神経刺激パルスの送出を、検出されたタイミング基準事象に同期化する。刺激出力回路232は、刺激制御回路236からパルス送出信号を受け取ったときに神経刺激パルスを送出する。
【0025】
図3は、システム231の特定の実施形態である、心臓周期に同期化される神経刺激システム331の回路の実施形態を示すブロック図である。システム331は、基準信号センサ215と心臓周期に同期化される神経刺激回路330を含み、心臓周期に同期化される神経刺激回路330は、心臓周期に同期化される神経刺激回路130の特定の実施形態である。心臓周期に同期化される神経刺激回路330は、刺激出力回路232、基準事象検出回路334、刺激制御回路336を含む。
【0026】
基準事象検出回路334は、基準事象検出回路234の特定の実施形態であり、信号プロセッサ342と事象検出器344を含む。信号プロセッサ342は、基準信号センサ215によって感知された基準信号を受け取り、事象検出器344によるタイミング基準事象の検出に備えて基準信号を処理する。事象検出器344は、処理された基準信号を受け取る入力と、検出閾値を受け取るもう1つの入力と、タイミング基準信号の検出を示す検出信号を作る出力とを有する比較器を含む。一実施形態で、信号プロセッサ342は、基準信号を処理して、単一の心臓周期に基づくタイミング基準事象の抽出をもたらす。一特定の実施形態では、信号プロセッサ342は、基準信号内の望まれない活動が事象検出器344によって検出されるのを防ぐために、タイミング基準事象の周波数範囲に対応する通過帯域を有するフィルタを含む。もう1つの特定の実施形態では、信号プロセッサ342は、基準信号内の望まれない活動を消し去るブランキング期間を生成するブランキング期間ジェネレータを含む。この手法は、タイミング基準事象と望まれない活動との間の近いタイミング関係または別の検出可能な事象と望まれない活動との間の近いタイミング関係が予想できるときに適用される。もう1つの特定の実施形態では、ブランキング期間ジェネレータは、基準信号内の心臓ペーシング・アーチファクトすなわち、心臓ペーシング・パルスの送出によって引き起こされる望まれない活動を消し去るブランキング期間を生成する。もう1つの特定の実施形態では、信号プロセッサ342は、中間事象とタイミング基準事象との間のタイミング間隔を生成するタイミング間隔ジェネレータを含む。この手法は、中間事象がタイミング基準事象より簡単に検出可能であるとき、および中間事象とタイミング基準事象との間の近いタイミング関係が予想できるときに適用される。もう1つの実施形態で、信号プロセッサ342は、基準信号を処理して、複数の心臓周期に基づくタイミング基準事象の抽出をもたらす。一特定の実施形態では、信号プロセッサ342は、事象検出器344によるタイミング基準事象の検出の前の所定の個数の心臓周期にまたがって基準信号の平均をとる信号平均化回路を含む。
【0027】
刺激制御回路336は、刺激制御回路236の特定の実施形態であり、同期化回路338、オフセット間隔ジェネレータ339、パルス送出コントローラ340を含む。同期化回路338は、連続的同期化モジュール346と周期的同期化モジュール348のうちの一方または両方を含む。連続的同期化モジュール346は、神経刺激パルスの送出を連続する心臓周期のタイミング基準事象に同期化する。周期的同期化モジュール348は、神経刺激パルスの送出を、周期的な基礎で選択された心臓周期のタイミング基準事象に同期化する。オフセット間隔ジェネレータ339は、検出されたタイミング基準事象と共に始まるオフセット間隔を作る。パルス送出コントローラ340は、オフセット間隔が満了したときに、複数の神経刺激パルスのバーストの送出を開始するためにパルス送出信号を送る。一実施形態で、パルス送出コントローラ340は、連続する心臓周期のそれぞれのタイミング基準事象が検出された後に、パルス送出信号を送る。もう1つの実施形態では、パルス送出コントローラ340は、周期的な基礎など、所定のパターンまたはスケジュールに従って、選択された心臓周期のタイミング基準事象が検出された後に、パルス送出信号を送る。
【0028】
図4は、システム231の特定の実施形態であり、神経刺激を心臓周期に同期化するのに無線ECGを使用する、心臓周期に同期化される神経刺激システム431の実施形態を示すブロック図である。システム431は、ECG電極415と心臓周期に同期化される神経刺激回路430を含み、心臓周期に同期化される神経刺激回路430は、心臓周期に同期化される神経刺激回路130の特定の実施形態である。心臓周期に同期化される神経刺激回路430は、刺激出力回路232、心臓事象検出回路434、不整脈検出回路452、心臓パラメータ測定回路454、刺激制御回路436を含む。
【0029】
一実施形態で、ECG電極415は、表面ECG電極を含む。もう1つの実施形態で、ECG電極415は、無線ECG信号を感知する電極を含む。一実施形態で、ECG電極415は、皮下ECG信号を感知する皮下電極を含む。一実施形態で、皮下電極は、埋込み可能な医療デバイス110に組み込まれ、この埋込み可能な医療デバイス110は、皮下に埋め込まれる。そのような皮下電極の例を、下で図5に関して述べる。一実施形態で、少なくとも1つの皮下電極が、身体内で心底の近くの選択された位置に置かれて、心房性脱分極(P波)の選択的検出を可能にする。もう1つの実施形態では、複数の皮下電極が、心底や心尖の近くに置かれて、心室脱分極(R波)を含む望まれない活動を減算することによるP波検出を可能にする。この手法は、電極部位の選択とフィルタリングによってP波を分離することが難しいときに適用される。少なくとも1つの皮下電極が、R波の検出を可能にするために心尖の近くに置かれる。検出されたR波は、その後、P波とR波との両方を含む皮下ECG信号から減算によってP波を分離するのに使用される。
【0030】
心臓事象検出回路434は、基準事象検出回路234の特定の実施形態である。一実施形態で、心臓事象検出回路434は、信号プロセッサ342などの信号プロセッサと、事象検出器344などの事象検出器とを含む。信号プロセッサは、ECG電極415を介して感知された皮下ECG信号を増幅し、フィルタリングする無線ECG感知回路を含む。皮下ECG信号を含む無線ECG信号を感知する電極と回路の例が、参照によってその全体が本明細書に組み込まれている、Cardiac Pacemakers,Inc.社に譲渡された2004年3月5日出願の米国特許出願第10/795,126号、名称「WIRELESS ECG IN IMPLANTABLE DEVICES」に記載されている。一実施形態で、図4に示されているように、タイミング基準事象はP波である。心臓事象検出回路434は、無線ECG信号からP波を検出するP波検出器450を含む。一特定の実施形態では、P波検出器450は、P波の周波数範囲に対応する通過帯域を有するフィルタを含む。もう1つの特定の実施形態では、P波検出器450は、1つの皮下信号からR波を検出するR波検出器と、別の無線ECG信号内のR波を含む望まれない活動を消し去るブランキング期間を生成するブランキング期間ジェネレータとを含む。もう1つの特定の実施形態では、P波検出器450は、皮下信号からR波を検出するR波検出器と、各R波の検出時にタイミング間隔を生成するタイミング間隔ジェネレータとを含む。P波は、タイミング間隔の終りに発生すると推定される。
【0031】
不整脈検出回路452と心臓パラメータ測定回路454は、心臓の状態に基づく神経刺激を制御する。不整脈検出回路452は、無線ECG信号から1つまたは複数のタイプの不整脈を検出する。心臓パラメータ測定モジュール454は、心拍数や房室インターバル(atrioventricular interval)などの1つまたは複数の心臓パラメータを無線ECG信号から測定する。
【0032】
刺激制御回路436は、刺激制御回路336の特定の実施形態であり、同期化モジュール438を含む。同期化モジュール438は、神経刺激パルスの送出を、P波などの検出された心臓事象に同期化する。一実施形態で、刺激制御回路436は、オフセット間隔ジェネレータ339とパルス送出コントローラ340を含む、刺激制御回路336の要素に対応する要素を含む。同期化回路438は、神経刺激パルスの送出を連続する心臓周期のそれぞれのP波に同期化する連続的同期化モジュールと神経刺激パルスの送出を周期的な基礎で選択された心臓周期のそれぞれのP波に同期化する周期的同期化モジュールの一方または両方を含む。オフセット間隔ジェネレータは、各検出されたP波と共に始まるオフセット間隔を作る。パルス送出コントローラは、オフセット間隔が満了するときに、複数の神経刺激パルスのバーストの送出を開始するパルス送出信号を送る。一実施形態で、パルス送出コントローラは、連続する心臓周期のそれぞれのP波の検出の後にパルス送出信号を送る。もう1つの実施形態で、パルス送出コントローラは、周期的な基礎でなど、所定のパターンまたはスケジュールに従って、選択された心臓周期のそれぞれのP波の検出の後にパルス送出信号を送る。
【0033】
一実施形態で、刺激制御回路436は、不整脈検出回路452によって検出された心臓リズムおよび/または心臓パラメータ測定回路454によって測定された心臓パラメータに基づいて、神経刺激パルスの送出を制御もする。一実施形態で、刺激制御回路436は、不整脈が検出されるときに、神経刺激パルスの送出を抑制するか調整する。もう1つの実施形態で、刺激制御回路436は、心拍数と房室インターバルなどの測定された心臓パラメータに基づいて神経刺激パルスの送出を開始し、停止し、または調整する。
【0034】
図5は、1つまたは複数の皮下ECG信号を感知する電極システムの実施形態の図である。皮下ECG感知用の電極システムは、複数の埋込み可能な電極を含む。これらの埋込み可能な電極は、図5に示されたものを含むがこれに限定されない電極から選択される。これらの電極は、心臓の実質的な部分から心臓全体までの電気的活動を感知することを可能にするように選択される。図5には、埋込み可能な医療デバイス110の特定の実施形態である埋込み可能な医療デバイス510と、そのデバイスに組み込まれた電極とが示されている。埋込み可能な医療デバイス510は、心臓機能を修正するための神経刺激を必要とする患者の皮下に埋め込まれる。一実施形態で、ECG電極415は、図5に示された1つまたは複数の電極を含む。もう1つの実施形態で、図5に示された1つまたは複数の電極に加えて、ECG電極415は、それぞれがリード線を介して埋込み可能な医療デバイス510に電気的に接続される1つまたは複数の電極を含む。
【0035】
埋込み可能な医療デバイス510は、その回路を収容する密閉された缶511を含む。缶511は、体組織と接触させられる外側表面を有する。缶511は、皮下ECG信号を感知する電極の1つとして選択可能な缶電極514の基部を含むか形成する。缶511の外側表面の少なくとも一部は、導電性の材料から作られる。一実施形態で、缶511は、缶電極514として使用される。一特定の実施形態で、缶電極514は、缶511の少なくとも1つの導電部分を含む。もう1つの実施形態で、缶電極514は、缶511の外側表面に組み込まれ、非導電層を使用して缶511のすべての導電部分から電気的に絶縁される。一特定の実施形態で、導体を含む密閉された貫通接続が、缶電極514と缶511に収容された回路との間の電気接続をもたらす。
【0036】
ヘッダ512が、缶511に取り付けられ、缶511に収容された回路へ電気的にアクセスするコネクタを含む。一実施形態で、1つまたは複数のヘッダ電極516A〜Bが、ヘッダに組み込まれる。ヘッダ電極516A〜Bは、それぞれ、皮下ECG信号を感知する電極の1つとして選択可能である。
【0037】
一実施形態で、複数の同心電極517A〜Cが、缶511の外側表面に組み込まれる。同心電極517A〜Cのそれぞれは、皮下ECG信号を感知する電極の1つとして選択可能である。同心電極517A〜Cは、非導電層を用いて缶511の導電部分から絶縁され、密閉された貫通接続を介して缶511に収容された回路に接続される。一実施形態では、内側電極と外側電極を含む2つの電極が、無線ECG感知のために同心電極517A〜Cから選択される。一実施形態で、外側電極は、リング形状を有する。もう1つの実施形態で、外側電極は、缶511の輪郭に達する形状を有する。
【0038】
一実施形態で、埋込み可能な医療デバイス510は、埋込み可能な医療デバイス510と外部システム120との間で通信する遠距離電磁界RFテレメトリ・リンクに使用されるアンテナ513を含む。アンテナ513は、缶511に収容された回路に電気的に接続される。一実施形態で、アンテナ513は、ヘッダ512から突き出し、缶511の一側面に沿って延びる。一実施形態で、アンテナ513は、アンテナ電極518として機能するために露出された遠位部分を有する金属導体を含み、このアンテナ電極518は、皮下ECG信号を感知する電極の1つとして選択可能である。
【0039】
図5に示された電極は、制限ではなく例であることを意図されていることを理解されたい。表面ECGを近似するか、神経刺激パルスの送出を心臓周期に同期化するタイミング基準信号の検出を他の形で可能にする1つまたは複数の表面ECG信号の感知を実現する限り、他の電極構成が、使用可能である。複数の皮下ECGベクトルが感知されるさまざまな実施形態では、電極の複数の対が、複数チャネル(複数ベクトル)皮下ECG感知のために同時にまたは一時に1つずつ選択される。一特定の実施形態では、1つまたは複数の皮下ECGベクトルが、標準複数リード線表面ECG記録の1つまたは複数のベクトルを近似するために感知される。もう1つの特定の実施形態では、複数の皮下ECGベクトルが、神経刺激パルスの送出を心臓周期に同期化するための特定の情報の必要に基づいて感知される。そのような皮下ECGベクトルは、必ずしも標準表面ECGベクトルを近似しない。一特定の実施形態では、埋込み可能な医療デバイス510は、皮下ECG感知のために、ヘッダ電極516A〜Bと缶電極514を含む。埋込み可能な医療デバイス510は、(1)ヘッダ電極516Aと516Bとの間、(2)ヘッダ電極516Aと缶電極514との間、および/または(3)ヘッダ電極516Bと缶電極514との間で皮下ECGベクトルを感知するようにプログラム可能である。もう1つの特定の実施形態では、埋込み可能な医療デバイス510は、皮下ECG感知のために、ヘッダ電極516A〜B、アンテナ電極518、缶電極514のうちの1つを含む。埋込み可能な医療デバイス510は、(1)ヘッダ電極516Aまたは516Bとアンテナ電極518との間、(2)ヘッダ電極516Aまたは516Bと缶電極514との間、および/または(3)アンテナ電極518と缶電極514との間で皮下ECGベクトルを感知するようにプログラム可能である。もう1つの特定の実施形態では、埋込み可能な医療デバイス510は、皮下ECG感知のために、ヘッダ電極516A〜B、アンテナ電極518、缶電極514を含む。埋込み可能な医療デバイス510は、(1)ヘッダ電極516Aと516Bとの間、(2)ヘッダ電極516Aとアンテナ電極518との間、(3)ヘッダ電極516Aと缶電極514との間、(4)ヘッダ電極516Bとアンテナ電極518との間、(5)ヘッダ電極516Bと缶電極514との間、および/または(6)アンテナ電極518と缶電極514との間で皮下ECGベクトルを感知するようにプログラム可能である。皮下ECG感知に関する任意の電極の組合せを用いる他の特定の実施形態が、心臓周期への神経刺激パルスの送出の同期化に関する必要と考慮事項に基づいて、および埋込み可能な医療デバイス510によって実現される他の診断機能および/または療法機能の実行に関する必要と考慮事項に基づいて使用される。
【0040】
皮下ECGベクトルの選択は、皮下ECG感知の目的に依存する。皮下ECG信号がP波を検出するために感知されると、信頼できるP波検出をもたらす皮下ECGベクトルが選択される。皮下ECG信号が、R波を検出するために感知されると、信頼できるR波検出をもたらす1つまたは複数の皮下ECGベクトルが選択される。一実施形態で、複数の皮下ECGベクトルが、特定の目的について信頼できる感知をもたらすときには、その目的に関する最高の信号対雑音比(SNR)を示す皮下ECGベクトルが選択される。たとえば、皮下ECGが、P波を検出するために感知される場合には、P波について最高のS神経刺激システムNRを示す皮下ECGベクトルが、選択される信号と考えられる。
【0041】
図6は、心臓周期に同期化される神経刺激システム631の実施形態を示すブロック図であり、心臓周期に同期化される神経刺激システム631は、システム231の特定の実施形態であり、神経刺激を心臓周期に同期化するのに心音を使用する。システム631は、音響センサ615と心臓周期に同期化される神経刺激回路630を含み、心臓周期に同期化される神経刺激回路630は、心臓周期に同期化される神経刺激回路230の特定の実施形態である。心臓周期に同期化される神経刺激回路630は、刺激出力回路232、心音検出回路634、刺激制御回路636を含む。
【0042】
音響センサ615は、心音を示す音響信号を感知する。一実施形態で、音響センサ615は、埋込み可能な音響センサを含む。一実施形態で、音響センサ615は、加速度計を含む。もう1つの実施形態で、音響センサ615は、マイクロホンを含む。一特定の実施形態で、音響センサ615は、埋込み可能な医療デバイス110に含まれる。もう1つの特定の実施形態で、音響センサ615は、埋込み可能な医療デバイス110に接続されたリード線に組み込まれる。
【0043】
心音検出回路634は、音響信号から所定のタイプの心音を検出する。心音検出回路634は、第一心音(S1)を検出するS1検出器、第二心音(S2)を検出するS2検出器、第三心音(S3)を検出するS3検出器、第四心音(S4)を検出するS4検出器のうちの1つまたは複数を含む。一実施形態で、検出される心音のタイプは、各特定のタイプの心音が、一貫して繰り返して発生し、個々の患者で信頼できる形で検出可能であるかどうかに基づいて決定される。一実施形態で、心音検出回路634は、信号プロセッサ342などの信号プロセッサと、事象検出器344などの事象検出器とを含む。一実施形態で、心音検出回路634は、所定のタイプの心音の周波数範囲に対応する通過帯域を有するフィルタを含む。もう1つの実施形態で、心音検出回路634は、所定のタイプの心音の検出の前の所定の個数の心臓周期にまたがって音響信号の平均をとる信号平均化回路を含む。もう1つの特定の実施形態で、心音検出回路634は、患者の全体的な身体活動レベルを示す活動信号を受け取り、活動信号が所定の閾活動レベルを超える間は心音の検出を停止する。もう1つの実施形態では、心音検出回路634は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれている、Cardiac Pacemakers,Inc.社に譲渡された2004年12月24日出願の米国特許出願第10/746,853号、名称「METHOD AND APPARATUS FOR THIRD HEART SOUND DETECTION」に記載のものなどのS2検出器および/またはS3検出器を含む。
【0044】
刺激制御回路636は、特定の実施形態であり、同期化モジュール638を含む。同期化モジュール638は、神経刺激パルスの送出を所定のタイプの心音に同期化する。一実施形態で、刺激制御回路636は、オフセット間隔ジェネレータ339とパルス送出コントローラ340を含む、刺激制御回路336の要素に対応する要素を含む。同期化回路638は、神経刺激パルスの送出を連続する心臓周期のそれぞれの所定のタイプの心音に同期化する連続的同期化モジュールと神経刺激パルスの送出を、周期的な基礎で選択された心臓周期のそれぞれの所定のタイプの心音に同期化する周期的同期化モジュールの一方または両方を含む。オフセット間隔ジェネレータは、検出された所定のタイプの心音と共に始まるオフセット間隔を作る。パルス送出コントローラは、オフセット間隔が満了するときに、複数の神経刺激パルスのバーストの送出を開始するパルス送出信号を送る。一実施形態で、パルス送出コントローラは、連続する心臓周期のそれぞれの所定のタイプの心音の検出の後にパルス送出信号を送る。もう1つの実施形態で、パルス送出コントローラは、周期的な基礎でなど、所定のパターンまたはスケジュールに従って、選択された心臓周期のそれぞれの所定のタイプの心音の検出の後にパルス送出信号を送る。
【0045】
図7は、心臓周期に同期化される神経刺激システム731の実施形態を示すブロック図であり、心臓周期に同期化される神経刺激システム731は、システム231の特定の実施形態であり、神経刺激を心臓周期に同期化するのに血液動態信号を使用する。システム731は、血液動態センサ715と心臓周期に同期化される神経刺激回路730を含み、心臓周期に同期化される神経刺激回路730は、心臓周期に同期化される神経刺激回路230の特定の実施形態である。心臓周期に同期化される神経刺激回路730は、刺激出力回路232、血液動態事象検出回路734、刺激制御回路736を含む。
【0046】
血液動態センサ715は、血圧または血流量を示す信号など、血液動態機能を示す血液動態信号を感知する。一実施形態で、血液動態センサ715は、埋込み可能な血液動態センサである。一実施形態で、血液動態センサ715は、末梢血流量を感知するドップラ心エコー変換器を含む。もう1つの実施形態で、血液動態センサ715は、中心血圧(central blood pressure)または末梢血圧を感知する圧力センサを含む。もう1つの実施形態で、血液動態センサ715は、酸素飽和度測定信号を感知するパルス酸素濃度計を含み、この酸素飽和度測定信号は、血流量を示すプレチスモグラフ信号である。
【0047】
血液動態事象検出回路734は、血液動態信号から所定のタイプの血液動態事象を検出する。血液動態事象は、神経刺激がそれに同期化されるタイミング基準になるように選択される、心臓周期の繰り返し発生する特徴に対応する。一実施形態で、血液動態事象検出回路734は、血液動態信号内の所定のタイプのピークを検出するピーク検出器を含む。一特定の実施形態で、ピーク検出器は、血圧信号内の所定のタイプのピークを検出する圧力ピーク検出器である。もう1つの特定の実施形態で、ピーク検出器は、血流量信号内の所定のタイプのピークを検出する流れピーク検出器である。所定のタイプのピークは、各心臓周期中に発生する特有の事象を示すピークである。もう1つの実施形態で、心臓周期に同期化される神経刺激回路730は、血液動態信号の時間導関数を計算することによって導関数血液動態信号を作る導関数計算機を含む。血液動態事象検出回路734は、導関数血液動態信号から所定のタイプの血液動態事象を検出する。一実施形態で、ピーク検出器は、導関数血液動態信号から所定のタイプのピークを検出する。一特定の実施形態で、ピーク検出器は、血圧の変化を示す導関数血液動態信号(たとえば、dP/dt)内の所定のタイプのピークを検出する圧力変化ピーク検出器である。もう1つの特定の実施形態で、ピーク検出器は、血流量の変化を示す導関数血液動態信号内の所定のタイプのピークを検出する流れ変化ピーク検出器を含む。
【0048】
刺激制御回路736は、特定の実施形態であり、同期化モジュール738を含む。同期化モジュール738は、神経刺激パルスの送出を所定のタイプの血液動態事象に同期化する。一実施形態で、刺激制御回路736は、オフセット間隔ジェネレータ339とパルス送出コントローラ340とを含む刺激制御回路336の要素に対応する要素を含む。同期化回路738は、神経刺激パルスの送出を連続する心臓周期のそれぞれの所定のタイプの血液動態事象に同期化する連続的同期化モジュールを含み、かつ神経刺激パルスの送出を周期的な基礎で選択された心臓周期のそれぞれの所定のタイプの血液動態事象に同期化する周期的同期化モジュールの一方または両方を含む。オフセット間隔ジェネレータは、各検出された所定のタイプの血液動態事象と共に始まるオフセット間隔を作る。パルス送出コントローラは、オフセット間隔が満了するときに、複数の神経刺激パルスのバーストの送出を開始するパルス送出信号を送る。一実施形態で、パルス送出コントローラは、連続する心臓周期のそれぞれの所定のタイプの血液動態事象の検出の後にパルス送出信号を送る。もう1つの実施形態で、パルス送出コントローラは、周期的な基礎でなど、所定のパターンまたはスケジュールに従って、選択された心臓周期のそれぞれの所定のタイプの血液動態事象の検出の後にパルス送出信号を送る。
【0049】
図8は、神経刺激を心臓周期に同期化する方法の実施形態を示す流れ図である。一実施形態で、この方法は、上で述べたシステム231の特定の実施形態のいずれかまたはその特定の実施形態の任意の組合せを含む、心臓周期に同期化される神経刺激システム231によって実行される。
【0050】
800で、基準信号を感知する。基準信号は、それぞれが所定のタイプのタイミング基準事象を含む心臓周期を示す。一実施形態で、基準信号は、循環系の外部に置かれた埋込み可能センサを使用して感知される。基準信号の例には、皮下ECG信号などの心臓信号と心音を示す音響信号が含まれ、さらに血圧信号か血流量信号などの血液動態信号が含まれる。
【0051】
810で、所定のタイプのタイミング基準事象を検出する。一実施形態で、基準信号は、所定のタイプのタイミング基準事象の検出を可能にするか容易にするために処理される。一特定の実施形態で、所定のタイプのタイミング基準事象は、単一の心臓周期にわたって感知された基準信号に基づいて検出される。もう1つの実施形態で、所定のタイプのタイミング基準事象は、複数の心臓周期にわたって感知された基準信号に基づいて検出される。そのような処理の例には、フィルタリングを含むと同時に、基準信号からの望まれない活動を消し去ることや所定のタイプのタイミング基準事象との近似的に予想できるタイミング関係を有する中間事象の検出を含み、かつ複数の心臓周期にまたがって基準信号の平均をとることを含む。所定のタイプのタイミング基準事象の例には、皮下ECG信号などの心臓信号から検出されるP波とR波や、音響信号からの所定のタイプの心音、圧力信号または流れ信号などの血液動態信号内のピーク振幅の点または任意の他の形態的に特徴的な点が含まれる。
【0052】
820で、神経刺激パルスの送出を所定のタイプのタイミング基準事象に同期化する。一実施形態で、神経刺激パルスの送出は、連続的な基礎で連続する心臓周期のそれぞれの所定のタイプのタイミング基準事象に同期化される。もう1つの実施形態で、神経刺激パルスの送出は、周期的な基礎で選択された心臓周期のそれぞれの所定のタイプのタイミング基準事象に同期化される。一実施形態では、神経刺激パルスのバーストが、所定のタイプのタイミング基準事象と共に始まるオフセット間隔の終りに送出される。一実施形態では、神経刺激パルスのバーストが、連続する心臓周期の各心臓周期の所定のタイプのタイミング基準事象の後に送出される。もう1つの実施形態では、神経刺激パルスのバーストが、周期的な基礎など、所定のパターンまたはスケジュールに従って、選択された心臓周期の各心臓周期の所定のタイプのタイミング基準事象の後に送出される。
【0053】
一実施形態で、神経刺激パルスの送出は、さらに、患者の心臓の状態および/または活動レベルによって制御される。患者の心臓リズムと心臓機能を示す1つまたは複数の心臓パラメータが、監視される。一実施形態で、神経刺激パルスの送出は、心臓リズムに基づいて制御される。検出された不整脈に応答して、神経刺激パルスの送出が、抑制されるか調整される。もう1つの実施形態では、神経刺激パルスの送出は、1つまたは複数の心臓パラメータに基づいて調整され、または最適化される。そのような心臓パラメータの例に、心拍数、房室インターバル、および心室間インターバル(interventricular interval)が含まれる。神経刺激パルスの送出のタイミングは、たとえば、望ましい心拍数、望ましい血液動態機能に対応する房室インターバル、および/または最小心室間インターバルに関して調整される。
【0054】
上の詳細な説明が、例示的であることを意図され、制限的ではないことを理解されたい。上の説明を読み、理解したときに、他の実施形態が、当業者に明白になるであろう。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を、その特許請求の範囲が権利を与えられる法的同等物の全範囲と共に用いて決定されなければならない。
【0055】
本発明に関する上記の教示を考慮に入れるならば、本発明の種々の変更が可能であることは明白である。本発明は、特許請求の範囲において特定したものとは異なる態様で実施することも可能である。
【0056】
本発明に関連する好ましい態様として、例えば、以下のものをあげることができる。
〔態様1〕
循環系を有する生きている対象に結合される神経刺激システムであって、
神経刺激パルスを送出する刺激出力回路と、
それぞれが所定のタイプのタイミング基準事象を含む心臓周期を示す基準信号を感知する埋込み可能な基準信号センサであって、前記循環系の外部に置かれるように構成された埋込み可能な基準信号センサと、
前記埋込み可能な基準信号センサに結合された基準事象検出回路であって、前記所定のタイプのタイミング基準事象を検出するように適合された基準事象検出回路と、
前記刺激出力回路と前記基準事象検出回路とに結合された刺激制御回路であって、前記刺激制御回路は、前記神経刺激パルスの前記送出を制御するように適合され、前記神経刺激パルスの前記送出を前記所定のタイプのタイミング基準事象に同期化するように適合された同期化モジュールを含む刺激制御回路と、
を含むことを特徴とする神経刺激システム。
〔態様2〕
少なくとも前記刺激出力回路、前記基準事象検出回路、前記刺激制御回路を含むように適合された埋込み可能なハウジングをさらに含む、上記態様1に記載の神経刺激システム。
〔態様3〕
前記基準信号は皮下心電図(ECG)信号を含み、前記所定のタイプのタイミング基準事象は所定のタイプの心臓事象を含み、前記埋込み可能な基準信号センサは皮下ECG信号を感知するように適合された1つまたは複数の皮下電極を含み、前記基準事象検出回路は前記皮下ECG信号から所定のタイプの心臓事象を検出するように適合された心臓事象検出回路を含む、上記態様1又は2に記載の神経刺激システム。
〔態様4〕
前記心臓事象検出回路は、心室脱分極(R波)を検出するR波検出器を含む、上記態様3に記載の神経刺激システム。
〔態様5〕
前記心臓事象検出回路は、心房性脱分極(P波)を検出するP波検出器を含む、上記態様3に記載の神経刺激システム。
〔態様6〕
前記P波検出器は、複数の心臓周期にわたって前記皮下ECG信号の平均をとる信号平均化回路を含む、上記態様5に記載の神経刺激システム。
〔態様7〕
前記1つまたは複数の皮下電極は、前記埋込み可能なハウジングに組み込まれる、上記態様3から6のいずれかに記載の神経刺激システム。
〔態様8〕
前記皮下ECG信号から不整脈を検出する不整脈検出回路をさらに含み、前記刺激制御回路は、前記不整脈が検出されるときに、前記神経刺激パルスの前記送出を抑制するか調整するように適合される、上記態様3から7のいずれかに記載の神経刺激システム。
〔態様9〕
前記皮下ECG信号から1つまたは複数の心臓パラメータを測定する心臓パラメータ測定回路をさらに含み、前記刺激制御回路は、前記測定された1つまたは複数の心臓パラメータに基づいて前記神経刺激パルスの前記送出を調整するように適合される、上記態様3から8のいずれかに記載の神経刺激システム。
【0057】
〔態様10〕
前記基準信号は、心音を示す音響信号を含み、前記所定のタイプのタイミング基準事象は所定のタイプの心音を含み、前記埋込み可能な基準信号センサは前記音響信号を感知する音響センサを含み、前記基準事象検出回路は、前記音響信号を使用して所定のタイプの心音を検出するように適合された心音検出回路を含む、上記態様1又は2に記載の神経刺激システム。
〔態様11〕
前記音響センサは埋込み可能な加速度計を含む、上記態様10に記載の神経刺激システム。
〔態様12〕
前記心音検出回路は、第一心音(S1)を検出するS1検出器、第二心音(S2)を検出するS2検出器、第三心音(S3)を検出するS3検出器、第四心音(S4)を検出するS4検出器のうちの1つまたは複数を含む、上記態様10又は11に記載の神経刺激システム。
〔態様13〕
前記基準信号は、血液動態機能を示す血液動態信号を含み、前記所定のタイプのタイミング基準事象は所定のタイプの血液動態事象を含み、前記埋込み可能な基準信号センサは前記血液動態信号を感知する血液動態センサを含み、前記基準事象検出回路は、前記血液動態信号を使用して所定のタイプの血液動態事象を検出するように適合された血液動態事象検出回路を含む、上記態様1又は2に記載の神経刺激システム。
〔態様14〕
前記血液動態事象検出回路に結合された導関数計算機をさらに含み、前記導関数計算機は、前記血液動態信号の時間導関数を計算することによって導関数血液動態信号を作るように適合され、前記血液動態事象検出回路は、前記導関数血液動態信号から前記所定のタイプの血液動態事象を検出するように適合される、上記態様13に記載の神経刺激システム。
〔態様15〕
前記基準事象検出回路は、前記血液動態信号内の所定のタイプのピークを検出するピーク検出器を含む、上記態様13に記載の神経刺激システム。
〔態様16〕
前記血液動態センサは、血流量を示す血液動態信号を感知するドップラ心エコー・セン
サを含む、上記態様13から15のいずれかに記載の神経刺激システム。
〔態様17〕
前記血液動態センサは、血圧を示す圧力信号を感知する圧力センサを含む、上記態様13から15のいずれかに記載の神経刺激システム。
〔態様18〕
前記血液動態センサは、血流量を示すインピーダンス信号を感知するインピーダンス・センサを含む、上記態様13から15のいずれかに記載の神経刺激システム。
〔態様19〕
前記基準事象検出回路は、前記心臓周期のそれぞれについて前記基準信号から前記所定のタイプのタイミング基準事象を抽出するように適合された信号プロセッサを含む、上記態様1から18のいずれかに記載の神経刺激システム。
【0058】
〔態様20〕
前記同期化モジュールは、前記心臓周期のそれぞれについて前記神経刺激パルスの前記送出を前記所定のタイプのタイミング基準事象に連続的に同期化するように適合された連続的同期化モジュールを含む、上記態様19に記載の神経刺激システム。
〔態様21〕
前記基準事象検出回路は、複数の心臓周期に関連する前記基準信号のセグメントから前記所定のタイプのタイミング基準事象のそれぞれを抽出するように適合された信号プロセッサを含む、上記態様1から18のいずれかに記載の神経刺激システム。
〔態様22〕
前記同期化モジュールは、所定の個数の前記心臓周期のうちの心臓周期について前記神経刺激パルスの前記送出を周期的に同期化するように適合された周期的同期化モジュールを含む、上記態様1から21のいずれかに記載の神経刺激システム。
〔態様23〕
前記刺激制御回路は、前記所定のタイプのタイミング基準事象のうちの1つと共に始まるオフセット間隔を作るように適合されたオフセット間隔ジェネレータと、前記オフセット間隔が満了するときに複数の神経刺激パルスのバーストの送出を開始するように適合されたパルス送出コントローラとを含む、上記態様1から22のいずれかに記載の神経刺激システム。
【0059】
〔態様24〕
循環系を有する生きている対象に結合される神経刺激システムを動作させる方法であって、
前記循環系の外部に置かれた埋込み可能な基準信号センサを使用して、それぞれが所定のタイプのタイミング基準事象を含む心臓周期を示す基準信号を感知することと、
前記基準信号から前記所定のタイプのタイミング基準事象を検出することと、
神経刺激パルスの送出を前記検出された所定のタイプのタイミング基準事象に同期化することと
を含む方法。
〔態様25〕
前記基準信号を感知することは、埋込み可能な電極を使用して皮下ECG信号を感知することを含む、上記態様24に記載の方法。
〔態様26〕
前記基準信号から前記所定のタイプのタイミング基準事象を検出することは、前記皮下ECG信号から心房性脱分極(P波)を検出することを含む、上記態様25に記載の方法。
〔態様27〕
前記基準信号を感知することは心音を示す音響信号を感知することを含み、前記基準信号から前記所定のタイプのタイミング基準事象を検出することは、前記音響信号から所定のタイプの心音を検出することを含む、上記態様24に記載の方法。
〔態様28〕
前記基準信号を感知することは、血流量または血圧を示す血液動態信号を感知することを含む、上記態様24に記載の方法。
〔態様29〕
前記基準信号から前記所定のタイプのタイミング基準事象を検出することは、前記血液動態信号から所定のタイプのピークを検出することを含む、上記態様28に記載の方法。
【0060】
〔態様30〕
前記検出されたタイミング基準事象のうちの1つと共にオフセット間隔を開始することをさらに含み、神経刺激パルスの前記送出を前記検出されたタイミング基準事象に同期化することは、前記オフセット間隔が満了するときに、複数の神経刺激パルスのバーストの送出を開始することを含む、上記態様24から29のいずれかに記載の方法。
〔態様31〕
神経刺激パルスの前記送出を同期化することは、前記神経刺激パルスの前記送出を連続する心音の前記タイミング基準事象に連続的な基礎で同期化することを含む、上記態様24から30のいずれかに記載の方法。
〔態様32〕
神経刺激パルスの前記送出を同期化することは、前記神経刺激パルスの前記送出を選択された心音の前記タイミング基準事象に周期的な基礎で同期化することを含む、上記態様24から30のいずれかに記載の方法。
〔態様33〕
前記基準信号から前記タイミング基準事象を検出することは、複数の心臓周期中に記録された前記基準信号のセグメントから前記タイミング基準事象のそれぞれを抽出することを含む、上記態様24から32のいずれかに記載の方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
循環系を有する生きている対象に結合される神経刺激システムであって、
神経刺激パルスを送出する刺激出力回路と、
それぞれが所定のタイプのタイミング基準事象を含む心臓周期を示す基準信号を感知する埋込み可能な基準信号センサであって、前記循環系の外部に置かれるように構成された埋込み可能な基準信号センサと、
前記埋込み可能な基準信号センサに結合された基準事象検出回路であって、前記所定のタイプのタイミング基準事象を検出するように適合された基準事象検出回路と、
前記刺激出力回路と前記基準事象検出回路とに結合された刺激制御回路であって、前記刺激制御回路は、前記神経刺激パルスの前記送出を制御するように適合され、前記神経刺激パルスの前記送出を前記所定のタイプのタイミング基準事象に同期化するように適合された同期化モジュールを含む刺激制御回路と、
を含むことを特徴とする神経刺激システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−59633(P2013−59633A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−243472(P2012−243472)
【出願日】平成24年11月5日(2012.11.5)
【分割の表示】特願2008−505371(P2008−505371)の分割
【原出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(505003528)カーディアック ペースメイカーズ, インコーポレイテッド (466)
【Fターム(参考)】