説明

神経応答データを使用する脳パタン解析装置

【解決手段】システムは刺激材料に曝すされた被験者から中枢神経系、自律神経系、及び作動体システム計測のような神経応答データを取得する。刺激材料は分類及び/又はされてある。調査に基づく応答及び結果としての言語学的、知覚的、表現的及び/又は動的応答は取得され、神経応答データと統合され、脳パタン解析貯蔵装置に格納される。ハイ、イイエ、買う、取る、貰う、好き、嫌い,正、不正などの概念の神経学的特徴はグループ、サブグループ、個人単位で決定可能であり、脳パタン解析貯蔵装置に格納される。脳パタン解析貯蔵装置は神経学的特徴及び/又は特別な被験者グループの対応神経応答パタンを引き出す同様に分類された刺激材料に基づいて行動を予測するのに使用可能である。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[関連特許出願]
本出願は、共にAnantha Pradeep, Robert T. Knight, and Ramachandra Gurumoorthyによって「Brain Pattern Analyzer Device Utilizing Central Nervous System, Autonomic Nervous System And Effector System Measurements」の題名で2008年12月9日に提出された米国暫定特許出願61/120938号に基づいて「Brain Pattern Analyzer Using Neuro−Response Data」の題名で2009年8月20日に提出された米国特許出願12/544921号を基に優先権を主張するものであり、これら両者は此処に参照して合同されるものとする。
【発明の概要】
【0002】
本願が開示するものは神経応答データを使用する脳パタン解析に関する。
【0003】
脳パタンを解析する従来のシステムは限定的なものであった。従来のシステムの或るものは聴覚、視覚、触覚、臭覚、味覚の刺激への応答の測定に調音遅延解析器、手動言語選択器、又は調査に基づく言語解析を提供するが、従来のシステムは脳パタン、意味論的、統語論的、隠喩的、文化的、及び、解釈法的の誤謬に影響される。
【0004】
従って、中枢神経系、自律神経系、及び作動体システム測定のような神経応答データを使用する脳パタン解析器を提供する改良された方法及び装置の提供が望まれて居る。
【図面の簡単な説明】
【0005】
特定の実施例を示す以下の図を参照することによって、発明の開示は容易に理解されることであろう。
【0006】
【図1】神経応答データを使用する脳パタン解析を実施するシステムの一例を示す。
【0007】
【図2】貯蔵装置に含められる刺激属性の例を示すものである。
【0008】
【図3】脳パタン解析器と共に使用され得るデータモデルの例を示すものである。
【0009】
【図4】脳パタン解析器と共に使用し得る質問の一例を示すものである。
【0010】
【図5】脳パタン解析器を使用して生成される報告の一例を示すものである。
【0011】
【図6】脳パタン解析を実施するテクニクの一例を示すものである。
【0012】
【図7】脳パタン解析を実施するテクニクの一例を示すものである。
【0013】
【図8】一個以上の機構を実施するために使用し得るシステムの一例を提供するものである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を実施するに当たり、発明者が最良とみなす形体を含めた実施例を、爾後詳細に参照することにする。これらの特種実施例は添付された図に示されてある。本発明はこれらの実施例によって記述されるものではあるが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではなく、後述の請求項で定義されるように、本発明の精神に則った代案、変化案、均等案などを含むものとする。
【0015】
例えば、本発明のテクニク及び機構などは中枢神経系、自律神経系、及び作動体データのような特種のデータに関して記述されるが、本発明のテクニクや機構などは、異なる各種のデータに応用されるものと銘記されるべきものである。各種の機構やテクニクは各種の刺激に応用されるものであることに留意されるべきものである。爾後の記述に於いては、本発明が十分に理解されるべく、詳細な実施例が開示される。これら特種な詳細例には、特種の実施に使用されないものも含まれる。別の例として、本発明の実際の内容を不明確にしない目的から、周知の工程作動などの記述は割愛することとする。
【0016】
又、本発明に於ける各種のテクニクや機構は明確化のために単数形で記述されることがあるが、特に断って居ない実施例の場合にはテクニクが複数回繰り返されたり、機構が複数回の具体化をされることがあると留意されるべきものである。一例として、システムとは処理装置を多くの状況下で使用するものであるが、特に断りのない限り、本発明によるシステムは複数個の処理装置を有するものであってもよいと理解すべきものである。更に、本発明のテクニクや機構は二個の物体の接続を記述する場合があるが、二個の物体の接続とは必ずしもこれら二個の物体が途中邪魔されることなしに直接接続されると言う意味ではない。一例として、処理装置はメモリに接続されると言っても、その処理装置とメモリの間に各種のブリッジとか制御装置が介在することもあり得るのである。即ち、接続と言うのは、特筆されない限り、途中に介在するもののない直接の接続を意味するものではない。
【0017】
概要
【0018】
システムは中枢神経系、自律神経系、及び作動体システム計測のような神経応答データを刺激材料に曝された被験者から取得する。刺激材料は範疇分類及び/又はタグ付けされる。調査に基づく応答及びその結果である言語的、知覚的、表現的、及び/又は動的応答が取得され、神経応答と統合されて脳パタン解析貯蔵装置に格納される。ハイ、イイエ、買う、取る、貰う、好き、嫌い、正、不正、のような概念の神経学的特性はグループ、サブグループ、個人に基づいて決定し、脳パタンは解析貯蔵装置に貯蔵できる。脳パタン解析貯蔵装置は神経学的特性及び/又は同様に範疇分類及びタグ付けされた特定の被験者グループの対応する神経応答パタンを引き出す刺激材料に基づいて行動を予測するのに使用可能である。
【0019】
実施例
【0020】
典型的に脳パタン解析器装置は調音後解析器、手動言語選択器具、又は調査に基づく言語解析からの結果を含み、聴覚、視覚、触覚、臭覚、味覚の刺激材料への応答を測定する。しかし、従来例の 脳パタン解析器装置には刺激材料によって発生する表現(口頭、運動など)に関する何らの予測能力がない。
【0021】
従来例の装置は複数の目的に正確で繰返し可能な解析の妨げとなる脳パタン、意味論的、統語論的、隠喩的、文化的、及び、解釈法的の誤謬の傾向を有する結果も生成する。従来例のシステムは使用者の応答の査定に神経動作的及び神経生理学的応答を混在させた表明を使用せず、刺激に個人的にカストマイズされた神経生理学的及び/又は神経動作的応答を引き出すものでもない。更に、従来例のシステムは言語的、知覚的、及び/又は動的応答の選択/予測の引き出された度合を十分に示し、確証するために、複数のデータセット、個人、種類に亘って複数のデータセットを混合し、複数種類の応答の混合表示をすることがない。
【0022】
この観点より、中枢神経系、自律神経系、及び作動体システム計測を使用する本発明の脳パタン解析器装置は従来の概念及びデザインとは実質的に異なるものであり、複数の人口特性区分に亘る音声、 視覚、触覚、臭覚、味覚の刺激への言語学的/知覚的/動的応答、応答表現選択、及び表現的応答の調音前予測を供するものである。
【0023】
種々の実施形態において、注意力、予備刺激,保持力、刺激材料に対する感情的応答特性のような特性の測定のみならず、言語学的/知覚的/動的応答の神経解析、応答表現選択、及び種々の人口統計グループ内の使用者に供される刺激材料への表現的応答の調音前予測を実施可能な技術と機構が提供される。
【0024】
種々の実施形態における脳パタン解析器は消費者経路(例えば情報、考慮、購入、義理、唱道など)に沿った購入者の動作及び消費者の状態の予測に使用可能である。或る例の脳パタン解析器はグループ、サブグループ、及び個人について真、偽、買う、取る、貰う、正、不正、好き、嫌いのような概念の神経学的特徴を決定する。特定の神経学的特徴を引き出す刺激材料が使用者に供され、消費者の状態や動作を予測する神経学的特徴が検出される。別の例においては、実際の刺激後の消費者動作と共に神経学的応答が種々の刺激及び消費者のグループとサブグループに記録される。評価中の刺激材料が受領されると、複数の被験者からの神経応答データが入手され、使用され、脳パタン解析貯蔵装置の中の対応する神経応答データが見つけられる。この対応する神経応答データに関連する消費者状態とその結果である行動とが評価中の刺激材料に対する消費者状態及びその結果である行動の予測に使用される。
【0025】
種々の実施形態において、本発明の技術及び機構は脳パタン解析を向上すべく、調査に基づく応答、統計的データ及び/又は中枢神経系、自律神経系、及び作動体測定のような神経応答測定のような種々の機構を使用することができる。中枢神経系測定機構の或る例には、機能的磁気共鳴画像処理(fMRI)、電気脳波記録法(EEG)、磁気脳波記録法(MEG)、及び光学画像処理法が含まれる。光学画像処理法は脳内の化学薬品の集中に関係する光の吸収及び散乱、或は神経細胞発火に関する神経細胞の測定に使用可能である。MEGは脳内の電気的活動によって生成される磁界を測定する。fMRIは神経細胞の活動増加に関連する脳内の血液酸素化を測定する。現行fMRIの実施に於いては時間的分解能が数秒であり良好ではない。 EEGはミリ秒の領域で起こるシナプス後電流に関する電気的活動を測定するものである。頭蓋下EEGは骨や皮膚の層が広範囲の周波数領域に於いて脆弱化するので、電気的活動を最も正確に測定することが出来る。しかし適当に解析されるならば表面EEGによって豊富な電気生理学的情報を得ることが可能である。乾燥電極を有する携帯用EEGでも、多量の神経応答情報が提供される。
【0026】
自律神経系システム測定機構には電気皮膚応答(GSR)、心電図(EKG)、瞳孔拡張などが含まれる。作動体測定機構には眼電図法(EOG)、眼球追跡、顔面感情記号化、反応時間などが含まれる。
【0027】
種々の実施形態において、本発明のテクニク及び構成は脳パタン解析をより正確に実行するため、認知前神経的特徴の複数のモード及び明示を、認知的神経的特徴及び認知後神経的特徴にインテリジェントに混合する。 或る例においては、自律神経系システム測定そのものが中枢神経系システム測定の確認に使用される。作動因子及び行為的応答はその他の測定と混合や結合がされる。種々の実施形態において、中枢神経系システム、自律神経系システム、及び作動因子システム測定は脳パタン解析を可能とする測定へと集成される。
【0028】
特種実施形態において、被験者は刺激材料に曝され、中枢神経系システム、自律神経系システム、及び作動因子データのようなデータは、刺激材料に曝されている間に収集される。種々の実施形態において、データは共鳴データを評価する複数成分尺度を集成する共鳴尺度を決定する為に収集される。特種の実施形態において、特定のイベント関係電位(ERP)解析及び/叉はイベント関係電力スペクトル摂動(ERPSP)が、被験者が刺激に曝される前と被験者が刺激に曝された後毎回の両方において脳の異なる領域で評価される。
【0029】
種々の実施形態において、脳の複数領域におけるERP時間領域成分の刺激前と刺激後の差分及びターゲットとディストラクタの差分の計測が決定される(DERP)。テータ、アルファ、ベータ、ガンマ、及び高ガンマを含み、それに限定されない複数の周波数帯に亘り注意力、感情用務、及び記憶保持を査定する差分応答(DERPSP)のイベント関係時間−周期解析が実施される。特種の実施形態においては、共鳴尺度の向上のため、単一の試行及び/又は平均DERP及び/叉はDERPSPを使用することが出来る。
【0030】
エンタテインメント及びマーケティング材料、メディアストリーム、広告板、広告印刷物、テキストストリーム、音楽演奏、感覚的経験などの種々の刺激材料が解析され得る。刺激材料には聴覚、視覚、触覚、嗅覚、味覚、その他が含まれてよい。 種々の実施形態において、モダリティ間測定機構向上とモダリティ内測定向上の両方を実施するデータ解析装置を使用することによって向上された神経応答データが生成される。種々の実施形態において、活性領域を決定するためのみならず、異なる領域間の相互作用及び作用のタイプを決定するために脳活動が測定される。本発明のテクニク及び機構においては、神経的部位間の反応が入念に準備されて組織化された動作を支持するものであると認識されて居る。注意力、感情、記憶、及びその他の能力は単に脳の一部分によるものでなく、脳部位間のネットワーク反応によるものである。
【0031】
本発明のテクニク及び機構においては更に、複数の部位の間の交信に使用される異なる周波数帯が刺激の効率を示すもとであると認識されて居る。特種な実施形態において、推定に当って各被験者は目盛調整が行われ、被験者全体が同時化される。また、特種な実施形態において、刺激前後の差分の計測のためのベースラインを生成するために被験者用のテンプレイトが作成される。種々の実施形態において、刺激生成装置は情報処理機能を有するインテリジェントなものであり、刺激材料に曝された時間とか、各被験者が解析される持続時間などを特定するパラメタを適応的に変化させるものである。
【0032】
EEG,GSR,EKG,瞳孔拡張,EOG,眼球追跡、顔面感情記号化、反応時間などを含む種々のモダリティが使用可能である。EEGのような個々のモダリティは神経地域交信経路を理性的に確認することによって強化される。モダリティ間解析は中枢神経系、自律神経系、及び作動体特性の合成と解析混合によって強化される。時間及び相移動、相関、及びモダリティ内決定の確証のような機構による合成及び解析により種々のデータ応答の意義を特徴付ける合成出力が生成される。
【0033】
種々の実施形態において、刺激材料は同様な刺激材料又は刺激材料部分が識別されるように分類及び/又はタグ付けされる。特種実施形態において、特定の使用者グループの調査に基づく実際に表現された応答及び行動は刺激材料及び神経応答データと共に統合されて脳パタン解析貯蔵装置に格納される。特別の実施形態によれば、神経応答データを解析することによって種々の刺激材料への表現的応答の調音前予測が出来る。特別の実施形態において、対応する神経応答データと同様に分類された刺激材料が、評価されている刺激材料への表現的応答を予測するのに脳パタン解析貯蔵装置から取得可能である。神経応答データは感情及び記憶の度合決定に加えて被験者の知覚、認知、及び/又は動的意図の評価及び/又は予測に使用可能である。
【0034】
図1は中枢神経系統、自律神経系統、及び/叉は作動体測定を使用して脳パタン解析を実行するシステムの一例を示すものである。種々の実施形態において、脳パタン解析システムは刺激提出装置101を含む。特種な実施形態において、刺激提出装置101は使用者に刺激材料を示す単なる表示、モニタ、画面などである。刺激材料とはメディアクリップ、広告、テキストの頁、ブランドの画像、上演、雑誌広告、映画、オーディオ上演、などであり、特種な味、匂い、組織及び/叉は音などが含まれてもよい。刺激は種々の感覚に関するものであってよく、人的監督の如何に関係しない。連続的及び不連続的両方の様相のものが含まれる。種々の実施形態において、刺激提出装置101は、異なる市場における複数の被験者への刺激を理知的に特注生産出来るようなプロトコル生成の機能も有する。
【0035】
種々の実施形態において、刺激提出装置101は異なるネットワーク、ローカルネットワーク、ケーブルチャンネル、連合企業源、ウエブサイト、インタネット内容集成装置、ポータル、サービス企業などからの広告やエンタテインメントを含み、それに制限されない刺激を呈上するためのテレビジョン、ケーブルコンソル、コンピュータ及びモニタ、投影システム、ディスプレイ装置、スピーカ、触覚面などを含むことが出来る。
【0036】
種々の実施形態において、被験者103はデータ収集装置105に接続される。このデータ収集装置105は、EEG、EOG、MEG、EKG、瞳孔拡張、眼球追跡、顔面感情記号化、反応時間装置など各種の神経学的及び神経生理学的測定機構を含む各種の神経応答測定機構を含んでも良い。種々の実施形態において、神経応答データには中枢神経系システム、自律神経系システム、及び作動因子データが含まれる。特種な実施形態において、データ収集装置105は、EEG111、EOG113、fMRI115を有して居る。場合によっては、EEGなど只一個のデータ収集装置が使用される。データの収集には人的監督があっても、なくても良い。
【0037】
データ収集装置105は複数個の源から神経応答データを収集する。これには中枢神経系統源(EEG)、自律神経系統源 (GSR,EKG、瞳孔拡張)、及び作動因子源(EOG、眼球追跡、 顔面感情記号化、反応時間)が含まれる。特定の実施形態において、収集されたデータはデジタルにサンプリングされ、後段の解析に保存される。特定の 実施形態において、収集されたデータはリアルタイムに解析されることも出来る。特種な実施形態において、ディジタルサンプリングの速度は測定されて居る神経学的及び神経生理学的データに基づいて適応的に選択される。
【0038】
特種な一実施形態において、脳パタン解析システムは頭皮レベル電極を使用して行うEEG111計測、目のデータを追跡する遮蔽電極を使用して行うEOG113計測、差分計測システムを使用して行うfMRI115計測、顔の上の特定の箇所に設置された遮蔽電極による顔面筋肉計測、及び個人別に適応的に得られた顔面作用画面及びビデオ解析装置を含むものである。
【0039】
特種な実施形態において、データ収集装置は刺激提出装置101と同期化されたクロックである。特種な実施形態において、データ収集装置105は更に連続的に被験者の状態を監視する自動的トリガ、警告、及び状態監視可視化部品を提供する状態推定サブシステム、及びデータ収集用具を含む。この状態推定サブシステムは更に可視警告を提供し、自動的に矯正行為のトリガとなるものでもよい。種々の実施形態において、データ収集装置は被験者の刺激材料に対する神経応答を監視する機構を含むのみならず、刺激材料を特定したり監視したりする機構をも含むものである。例えばデータ収集装置105はチャンネルの変更を監視するセットトップボクス(set−top box)と同期されて居ても良い。別の例として、データ収集装置105は被験者が刺激材料に注意を払わなくなった時にモニタと方向的に同期されてもよい。更に異なる例として、データ収集装置105は刺激がプログラム、広告放送、ゲーム、或は窓からの景色であるかに拘らず、一般的に被験者に観察される刺激材料を受けて保存するものでもよい。収集されたデータにより、神経応答情報、及び情報と単に被験者が気をそらして居るものでなく実際の刺激材料の情報との相関性の解析が可能となる。
【0040】
種々の実施形態において、脳パタン解析システムはデータ浄化装置121をも含むものである。特種な実施形態において、このデータ浄化装置121とは収集されたデータを濾過して、固定或は適応的濾過、加重平均法、高等成分抽出(例えばPCA,ICA)、ベクトル及び成分分離法などにより、ノイズ、アーチファクト、及びその他の無用なデータを除去するものである。この装置は外因性のノイズ(原因が被験者の生理以外の場合、例えば被験者がビデオを見ている間に鳴る電話)も内因性のアーチファクト(原因が筋肉運動、目の瞬きなどのような神経整理学的なものである場合)も除去することによってデータを浄化するものである。
【0041】
アーチファクト除去サブシステムは、応答データを選択的に分離して検査し、線周期数、目の瞬き、及び筋肉運動のようなアーチファクトに対応する時間区域及び/叉は周期数区域特質で時代(epoch)を特定する機構を含むものである。そうして、アーチファクト除去サブシステムは、これらの時代を除き、或はこれらの時代のデータをその他のクリーンなデータ(例えば EEGの最隣接による加重平均方法)による予想値で置き換えて、アーチファクトを浄化するものである。
【0042】
種々の実施形態において、データ浄化装置121はハードウエア、ファームウエア、及び/叉はソフトウエアを使用して実現し得る。データ浄化装置121はデータ収集装置105の後でデータ解析装置181の前の位置に示されて居るが、その他の装置と同様に、データ浄化装置121はシステムの実施に基づいた位置及び機能を持つことが出来ると理解すべきものである。例えば、システムによっては自動的データ浄化装置を全然使用しなくてもよい。その一方、その他のシステムにおいては、データ浄化装置が個別のデータ収集装置に組み込まれて居てもよい。
【0043】
特別の実施形態においては、調査及び会見システムが使用者調査及び会見応答を収集及び統合してより効果的に配達用の内容を選択するように神経応答データと結合する。種々の実施形態において、調査及び会見システムは年齢、性別、収入レベル、場所、興味、好みの購入、趣味などの使用者の特徴に関する情報を獲得する。調査及び会見システムは更に特種な刺激材料に関する使用者応答の入手に使用することができる。
【0044】
種々の実施形態において、脳パタン解析システムはデータ浄化装置121に関連するデータ解析装置123を含む。このデータ解析装置123は種々の機構を使用してシステムの基本的データを解析して共鳴を決定する。種々の実施形態において、データ解析装置123は各モダリティの各個人に関して独立の神経学的及び神経生理学的パラメタをカストマイズ及び摘出し、モダリティ内及びモダリティ間の予測を混合し、与えられた刺激材料への向上された応答を引き出す。特別な実施形態において、データ解析装置123はデータセット内の被験者に亘る応答計量を集める。
【0045】
種々の実施形態において、神経学的及び神経生理学的特徴は時間ドメイン解析及び周期ドメイン解析を使用して測定される。これらの解析には、各個人に独特のパラメタのみならず、個人間に共通のパラメタも使用される。解析には統計パラメタ抽出及び合成された応答の時間及び周期成分両方からのファジイロジックに基づく特性推定も含むことが出来る。
【0046】
或る例においては、融合された効率推定に使用される統計パラメタに、注意力、感情的従事及び記憶保持のファジイ推定のみならず、歪み,頂点,第一及び第二モーメント、分布が含まれる。
【0047】
種々の実施形態において、データ解析装置123はモダリティ内応答合成装置及びモダリティ間応答合成装置を含んでもよい。特種実施形態において、モダリティ内応答合成装置は各モダリティの各個人用に独立した神経学的及び神経生理学的パラメタをカストマイズして抽出し、モダリティ内の推定を解析的に混合して呈上された刺激への向上された応答を引き出すように構成されて居る。特種実施形態において、モダリティ内応答合成装置は更にデータセット内の異なる被験者からのデータを集成する。
【0048】
種々の実施形態において、モダリティ間応答合成装置或は融合装置は未加工信号及び信号出力を含む異なるモダリティ間応答を融合する。信号の結合はモダリティ内での効率の尺度を向上する。モダリティ間応答融合装置は更にデータセット内の異なる被験者からのデータを集成することが出来る。
【0049】
種々の実施形態において、データ解析装置123は各モダリティからの向上された応答や推定を結合し各種の目的の為の効率の混合推定を提出する合成向上効率推定装置(CEEE)を更に含むものである。特種例において、混合推定は被験者が刺激材料に曝されるごとに与えられる。混合推定は時間をかけて推定され、消費者経験の特徴が査定される。種々の実施形態において、混合推定の各々には数値が割り当てられる。これらの数値は神経応答の強度、頂点の意義、頂点間の変更などに対応するものでもよい。高い数値が神経応答の強度における意義の高いことに対応するものであってもよい。低い数値は神経応答の意義が低いこと、或いは神経応答活動が無意義であることに対応するもであってもよい。更に別の例として、神経応答意義の混合推定は刺激材料に曝されることが繰り返された後の変化を示すためにグラフとして示される。
【0050】
種々の実施形態において、データ解析装置123は共鳴パタンを査定し抽出する共鳴推定装置へ供給する。特種実施形態において、共鳴推定装置は種々の刺激部分における実体位置を決定し、サッケードを注意力、記憶保持及び感情的従事の神経的査定と相関させながら位置情報を眼球追跡軌跡と照合する。特種の実施形態の場合、共鳴推定装置はデータをプライミング貯蔵システムに格納する。システム内の種々の部品と同様、種々の貯蔵がシステムの残り及び使用者と共に、或いは遠隔地に位置されてよい。
【0051】
種々の貯蔵装置からのデータはパタン、応答及び予測の生成のために混合され、脳パタン解析エンジンへ通される。或る実施形態における脳パタン解析エンジンはパタン及び以前の使用者に関するパタン及び表現と比較して現行の使用者の表現を予測する。種々の実施形態において、パタン及び表現は調査、人口統計及び選択データと相関される。特別な実施形態において、言語学的、知覚的及び/又は動的応答が引き出され、予測される。応答表現選択及び表現的応答の調音前予測も評価される。
【0052】
図2は脳パタン解析システム内で使用し得るデータモデルの例を示すものである。種々の実施形態において、刺激属性データモデル201はチャンネル203、メディアタイプ205、時間スパン207、聴衆209、及び人口統計学的情報211を含む。刺激目的データモデル213は意図215及び目標217を含んでもよい。種々の実施形態において、刺激目的データモデル213は実体に関する空間的及び時間的情報219及び実体間に現れる関係をも含む。
【0053】
種々の実施形態において、別の刺激属性データモデル221は創造属性223、所有権属性225、放送属性227、及び神経生理学的及び神経行為的応答を刺激に関係するその他の属性及びメタ情報を自動的に統合する統計的、人口統計的、及び/叉は査定に基づく識別子229を含む。
【0054】
種々の実施形態において、刺激プライミングデータモデル231には種々のプライミングレベル237及び聴衆共鳴測定239と関連可能な広告中断233及び場面235の場が含まれる。特種の実施形態において、このデータモデル231はプライミングレベル及び聴衆共鳴測定と関連可能な広告、場面、イベント、場所などの時間的及び空間的情報を提供する。或る例において、種々の製品、サービス、提供物などのプライミングレベルは映画、広告板、広告、広告放送、店棚などの素材内の時間的及び空間的情報と相関される。或る例において、データモデルは展示の各秒に対してプライミングされる製品及びサービスのカテゴリを示す中断前の内容のメタタグ(meta−tag)のセットを関係付ける。種々の挿入点における製品及びサービスのカテゴリの各々に関連するプライミングのレベルも提供される。種々の場面及び広告中断の聴衆共鳴測定及び最大聴衆共鳴測定も製品、サービス及び提供物などと相関されてよい。
【0055】
プライミング及び共鳴情報はプライミング及び共鳴の特別なレベルに適した刺激内容を選択するのに使用されてもよい。
【0056】
図3は共鳴の追跡及び測定に関する情報の貯蔵に使用され得るデータモデルの例を示す。種々の実施形態において、データセットデータモデル301は実験名303及び/叉は識別子、顧客属性305、被験者群307、テストの位置、日付、時間のようなロジスティクス情報309、及び刺激材料属性を含む刺激材料311を含む。
【0057】
特種の実施形態において、被験者属性データモデル315は被験者名317及び/叉は識別子、コンタクト情報321、及び神経学的及び神経生理学的データの検査に便利となり得る人口統計学的属性319を含む。関係のある人口統計学的属性の例には結婚状態、就職状態、職業、家族の収入、家族のサイズ及び構成、民族性、地理的位置、性別、人種がある。その他の分野でデータモデル315に含まれてよいものには、ショッピングに関する選択、エンタテインメントに関する選択、及び財政に関する選択などの被験者選択323がある。ショッピングに関する選択には、好みの店舗、ショッピングの頻度、購買のカテゴリ、好みのブランドがある。エンタテインメントに関する選択には、ネットワーク/ケーブル/衛星放送へのアクセス機能、気に入りの演劇、気に入りの種類、及び気に入りの俳優が含まれる。財政に関する選択には、気に入りの保険会社、選択される投資の実行、銀行に関する選択、及び気に入りのオンラインの財政手段が含まれる。刺激属性データモデル315には種々の被験者属性が含まれてよく、データモデルは事前設置でも、特種の目的に合わせて生成されてもよい。
【0058】
種々の実施形態において、神経フィードバック関連用データモデル325は実験プロトコル327、EEG,EOG,GSRのような含まれたモダリティ329、実施された調査、及び区分及び区分属性のような実験設計パラメタを特定する。その他の分野には実験呈示原稿、区分長さ、使用された刺激材料のような区分の詳細、被験者間の変動、被験者内の変動、指示、呈示順序、使用された調査質問などが含まれてもよい。その他のデータモデルにはデータ収集データモデル337が含まれてもよい。種々の実施形態において、データ収集データモデル337には局及び位置識別子のような記録属性339、記録のデータ及び時間、及び操作人に関する詳細が含まれる。種々の実施形態において、用具属性341には増幅器識別子及びセンサ識別子が含まれる。
【0059】
記録モダリティ343にはEEGキャップ設計、活性チャンネル、サンプリング周期、及び使用フィルタのようなモダリティ特有属性が含まれてもよい。EOGに特有の属性には使用されるセンサの数と種類、設置されたセンサの位置などが含まれる。眼球追跡に特有な属性には使用された追跡用具の種類、データの記録周期、記録されて居るデータ、記録様式などが含まれる。種々の実施形態において、データ貯蔵属性345にはファイル貯蔵慣例(様式、名付け慣例、日付慣例)、貯蔵位置、文書保存属性、満期属性などが含まれる。
【0060】
既成質問データモデル349は、質問名351及び/叉は識別子、関係するデータ区分(モデル、データベース/キューブ、表など)のようなアクセスされたデータ群353、誰がどのようなタイプのアクセスを持つかを含むアクセス安全属性355、及び質問の満期のようなリフレッシュ属性357、リフレッシュ周期などを含む。その他、プルプッシュ選択のような分野も、自動プッシュ報告ドライバ或は使用者駆動の報告検索システムを特定するために含まれてよい。
【0061】
図4は脳パタン解析に関するデータ獲得のために実施され得る質問の例を示すものである。種々の実施形態において、質問とは一般的或はカストマイズされた手書き言語及び構成、視覚的構成、既定質問の蔵書、ドリルダウン診断を含む診断的質問、及びシナリオであったらそれを引き出すことから定義されるものである。 種々の実施形態によれば、被験者特性質問415は、位置417或は地理的情報、試験時刻と日付のような活動期間情報、及び人口統計属性419などを使用してデータを神経情報貯蔵装置から取得するように構成されたものでもよい。人口統計属性には、家族収入、家族の人数及び地位、教育程度、子供の年齢などが含まれる。
【0062】
その他の質問は、関係被験者の購買選択、支持、生理的査定、完成状態に基づいて刺激材料を検索するものであってもよい。例えば、使用者は製品カテゴリ、購入された製品、頻繁に購買する商店、被験者の眼修正状態、色盲、被験者状態、測定応答の信号強度、アルファ周波数帯リンガ、筋肉動作査定、完成セグメントなどに関係するデータについて質問してもよい。実験的デザインに基づいた質問によって、神経情報貯蔵装置から、実験的プロトコル427、製品カテゴリ429、含まれた調査431、及び供給された刺激433に基づいたデータが得られるかもしれない。その他、使用されたプロトコルの繰り返し数、使用されたプロトコルの結合、及び調査の使用構成のような分野も使用出来よう。
【0063】
クライエント及び産業に基づいた質問によっては、テスティングに含まれた産業のタイプ、テストされた特種なカテゴリ、関係したクライエントの会社、及びテストされたブランドに基づいたデータが得られるかもしれない。質問に基づいた応答査定437には、集中力採点439、感情採点441、保持力採点443、及び効果力採点445が含まれてもよい。これらの質問によって、特種な採点を引き出す材料が得られるかも知れない。特種な実施形態において、予測質問には言語的応答449、知覚的応答451、認識応答453、及び動的応答455が含まれてよい。
【0064】
応答測定プロファイルに基づいた質問は、平均測定閾値、分散度、検出された頂点の数などを使用するものでもよい。グループ応答質問には、平均、分散、尖度、p値などのグループ統計、グループサイズ、異常値査定度などが含まれてもよい。更に別の質問には、テスト位置、テスト期間、テスト繰返し回数、テストステイション、及びテスト操作者フィールドのような試験特性が関係してもよい。効率よくデータを抽出するために、質問の各種の結合やタイプが使用されてよい。
【0065】
図5は、生成され得る報告の例を示すものである。種々の実施形態において、クライエント査定概略報告501には、効率尺度503、成分査定尺度505、及び共鳴尺度507が含まれる。効率査定尺度には、合成査定尺度、産業/カテゴリ/クライエントに独特な配置(百分比、等級など)、材料除去、区分の変更、或は特種要素の最終的調整のような作用的グルーピング査定、及び効率プロファイルの時間的変化などが含まれる。特種な実施形態において、報告には材料の査定回数、使用された複数呈示の属性、複数呈示に亘る応答査定尺度の進化、及び使用推薦などが含まれる。
【0066】
種々の実施形態において、クライエント累積報告511は、査定された総ての刺激のメディアグループ報告513、及び査定された刺激のキャンペーングループ報告517が含まれる。種々の実施形態において、産業累積的及び協調報告521は、集合査定応答尺度523、上位演技者リスト525、下位演技者リスト527、異常値529、及び流行報告531が含まれる。特種な実施形態においては、追跡及び報告に、特種な製品、カテゴリ、会社、ブランドが含まれる。種々の実施形態において、予測報告533も生成される。予測報告にはブランド相性予測535、製品経路予測537、及び購買意図予測539が含まれてよい。
【0067】
図6は脳パタン解析の一例を示す。601において刺激材料が複数人の被験者に与えられる。種々の実施形態において、刺激にはストリーミングビデオ及びオーディオが含まれる。特種実施形態において、被験者は自宅でのグループ或いは個別の環境で刺激を観察する。或る例として、口頭及び筆答での応答が神経応答測定なしの使用に収集される。別の例として、口頭及び筆答での応答が神経応答測定と相関される。603において、被験者応答はEEG、ERP,EOG,GSRなどのような各種のモダリティを使用して収集される。605においてデータはデータ浄化装置を通過され、データの解釈を難しくする元となるノイズ及びアーチファクトが除去される。種々の実施形態において、データ浄化装置は瞬きやその他の外因的/内因的アーチファクトに関するEEG電気活動を除去する。
【0068】
種々の実施形態に従ってデータ解析が実施される。有効性向上のため、データ解析にはモダリティ内応答合成及びモダリティ間応答合成が含まれてよい。特種な場合においては、或るタイプの合成がその他のタイプの合成が実施されずに行われることもあると銘記されたい。例えば、モダリティ内応答合成が実施されずにモダリティ間応答合成が実施されてもよい。
【0069】
データ解析には種々の機構が使用され得る。特別な実施形態においては、目的、意図、対象などと共に刺激材料の特性や特徴を取得するのに刺激特性貯蔵装置がアクセスされる。特種の実施形態においては、有効性の査定向上のためにEEG応答データが合成される。種々の実施形態において、EEGは脳の異なる部位に関する何千の同時神経プロセスの結果である電気的活性を測定する。EEGデータは幾つかの帯に分級することが出来る。種々の実施形態において、脳波周期はデルタ、テータ、アルファ、ベータ、及びガンマ周期帯を含むものである。デルタ波は4Hz以下のものであり、熟睡中に顕著なものである。テータ波は周期が3.5から7.5Hzの間のものであり、記憶力、注意力、感情、及び感覚に関係する。テータ波は典型的に内的集中の時に顕著となる。
【0070】
アルファ周期は7.5と13Hzの間であり、典型的に10Hzで頂上に達する。アルファ波は寛ぎの状態で顕著である。ベータ波の周期範囲は14から30Hzであり、ベータ波は運動制御、脳部位間の広範囲の同期、解析問題の解決、判断、決断などの期間に顕著である。ガンマ波は30から60Hzの間に起こり、認知的或は運動機能及び注意力、記憶力の実行の為に異なるニューロン群をネットワークに結合することに関与するものである。頭蓋及び皮膚層はこの周期数範囲の波を減衰するため、75−80Hzの範囲の脳波は検出が難しいため、刺激応答の評価には使用されないことが多い。
【0071】
しかし、本発明のテクニクや機構においては、テータ、アルファ、ベータ、及び低ガンマ帯の計測に加えて高ガンマ帯(カッパ帯:60Hz以上)の計測が神経学的注意力、感情用務、保持成分推定を向上することが認識されて居る。特種の実施形態において、 取得するのが難しい高ガンマ或はカッパ帯測定をも含めたEEG測定が取得され、向上され、評価される。テータ、アルファ、ベータ、ガンマ、及びカッパ帯での被験者及びタスクに合わせた部分帯が303で向上された応答推定のために特定される。種々の実施形態において、80Hz以上の高ガンマ波(カッパ帯)(典型的に頭蓋下EEG及び脳磁図によって検出可能)が刺激の周波応答の逆モデルに基づく向上に使用される。
【0072】
本発明の種々の実施形態において、或る活動の際、各周波数範囲の特定の部分帯が特に顕著になることが認知されて居る。特定の帯内の周波数の部分集合のことを此処では部分帯と呼称する。例えば、部分帯とはガンマ帯の中の40−45Hzの範囲を含むものでもよい。特種の実施形態においては、複数の部分帯が異なる帯から選択され、残りの周波は帯域通過濾過にかけられる。特種の実施形態においては、複数の部分帯応答が向上され、残りの周波数応答が減衰される。
【0073】
情報理論に基づくバンド調整モデルが、選択的データセット、被験者及びタスクに独特な帯の適応的抽出をして神経情報貯蔵データを向上すべく使用される。適応的抽出は、ファジイスケイリングを使用することで実施されてもよい。複数回に亘って刺激が提供され向上された測定が決定され、複数の呈上に亘っての変化プロファイルを決定することが出来る。変化プロファイルを決定することにより、一次的応答の向上応答ならびにマーケティング及びエンタテインメント刺激の長命(消耗)を提供することが出来る。複数の個人から協調的に提出される刺激への同期的応答が測定されて、被験者に亘る向上された効率の同期程度が提供される。種々の実施形態において、同期的応答は離れた位置に住む複数の被験者或は同じ地区に住む複数の被験者に対して決定されてよい。
【0074】
種々の合成機構が記述されて居るが、機構間における反応の有無に拘らず、何個の機構を順番的に、或は並列的に適応してもよいことを銘記すべきである。
【0075】
モダリティ内合成機構は向上された意味データを供給するものであるが、追加的にモダリティ間合成機構も適応出来るものである。EEG、眼球追跡、GSR、EOG,及び顔面運動符号化など各種の機構がモダリティ間合成機構に接続される。その他の機構及び現存の機構の変形及び向上品も含まれてよい。種々の実施形態において、特定のモダリティからのデータが一個以上の他のモダリティからのデータを使用して向上させられる。特種の実施形態においては、 EEGが典型的にアルファ、ベータ、及びガンマのような異なる帯で計測して、効率の推定を供給する。しかし、本発明の技術によれば、効率の計測価は他のモダリティからの情報を使用することによって更に向上し得るものであると認められる。
【0076】
例えば、顔面感情記号化はEEG感情用務特徴の数価を向上するのに使用可能である。対象実体のEOGと眼球追跡衝動計測は、注意力、感情用務、及び記憶保持を含み且つそれに限定されない効率のEEG推定を向上させるのに使用可能である。種々の実施形態において、モダリティ間合成機構は異なるモダリティからのデータを整列させるようにデータの時間及び位相移動を行う。或る例においては、顔面感情測定が変化する数百ミリ秒前にEEG応答がしばしば起こることが認められて居る。相関性が得られ、時間及び位相移動がグループによってのみならず、個別にも行い得る。別の例においては、衝動的眼球運動を特定のEEG応答の前後に起こるものとして決定してもよい。種々の実施形態においては、時間的に関連したGSR測定値が注意力、感情用務及び記憶保持測定を含む効率のEEG推定の規模変更及び向上に使用される。
【0077】
特定の部位での特定の時間領域差イベント関連電位成分(例えばDERP)の発生或は不発生の証拠は特定の刺激への被験者の感応度に関連する。種々の実施形態において、ERP計測値はマーケティング及びエンタテインメントの刺激の提出に応じ、EEG時間−周波数計測値(ERPSP)を使用して向上される。特定の部分が抽出され、分離されて実行されるERP,DERP,及びERPSPが特定される。特種の実施形態においては、注意力、感情、及び記憶保持(ERPSP)のEEG周波数推定が共因子としてERP,DERP,及び時間−領域応答解析の向上に使用される。
【0078】
EOGは眼球衝動を計測して刺激の特定した対象への注意力の存在を決定する。眼球追跡は被験者の熟視経路、刺激の特定対象の上の位置及び滞留を計測する。種々の実施形態において、EOG及び眼球追跡は、眼球衝動到来の勾配で誘発された後頭部及び線条体外領域内の現行EEG内のラムダ波(眼球衝動効率の神経生理学的指数)の存在を計測し、EOG及び眼球追跡計測値の効率を推測することにより向上される。特種の実施形態においては、眼球衝動到来に先行した緩慢な電位移動及びFEF(Frontal Eye Field)領域での時間−周波数コヒーレンスの値が計測され眼球衝動活動のデータの効率が向上される。
【0079】
GSRは典型的に提供された刺激に応じた一般的な覚醒の変化を計測する。種々の実施形態において、GSRはEEG/ERP応答及びGSR測定を相関して被験者の関与の向上された推測を取得することによって向上される。GSR潜在ベースラインは刺激への時間補正された応答を築くのに使用される。時間補正されたGSR応答はEEG計測の補助因子とされGSRの重要性度合を向上させる。
【0080】
種々の実施形態において、顔面感情記号化には試験前に種々の感情を表現する個人の顔面筋肉位置及び運動を計測して生成されるテンプレートが使用される。これらの個人に独特な顔面感情記号化テンプレートは個々の応答と比較され、被験者の感情的応答が特定される。特種実施形態においては、特定周波数帯でのEEG応答における半球間非対称を評価し、周波数帯相互作用を測定することによって、これら顔面感情記号化測定が向上される。本発明のテクニクにおいては、特種な周波数帯がEEG応答において有意義であるのみならず、脳の特定領域間の交信に使用される特種な周波数帯が有意義であることが、認められて居る。従って、これらのEEG応答はEMG,図形的、及びビデオに基づく顔面感情特定を向上する。
【0081】
種々の実施形態において、脳の複数領域におけるERP時間領域成分の刺激前と刺激後の差分(DERP)が607で計測される。この差分尺度は刺激に起因する応答を引き出す機構を与えるものである。例えば広告に起因する伝言応答或は複数のブランドに起因するブランド応答は共鳴前及び共鳴後推定を使用して決定される。
【0082】
脳の複数領域におけるターゲット対ディストラクタ刺激差分応答(DERP)が609で決定される。差分応答のイベント関係時間−周期解析(DERPSP)が611で使用されて複数の周期帯に亘って注意力、感情及び記憶保持尺度がアクセスされる。種々の実施形態において、この複数の周期帯にはテータ、アルファ、ベータ、ガンマ、及び高ガンマ、或はカッパが含まれる。
【0083】
調査応答及び結果としての動作情報が613で統合される。種々の実施例において、調査応答及び結果の行動情報並びに人口統計データが種々の地理的及び人口統計的グループの多数の被験者の神経応答データと統合される。617では複数の試行が測定の向上のために実施される。619では統合されたデータが脳パタン解析貯蔵装置に送られる。脳パタン解析貯蔵装置は使用者に関する情報及び結果としての神経応答データを使用して新しい刺激材料に曝されたことによる行動を予測するのに使用されてもよい。種々の実施例において、好き、嫌い、買う、取る、忠誠などの概念の神経学的特性は脳パタン解析貯蔵装置の種々のグループ、サブグループ、及び個人に対して格納される。神経学的特性はDERP及び/又はDERPSPに対応してもよい。
【0084】
図7は脳パタン解析のテクニクの一例を示す。原料材料の特徴が701において決定される。種々の実施形態において、原料材料自身が種々の製品、サービス、及び提供物の準備刺激のレベルを示す空間的及び時間的位置に対応するメタタグを含むものである。これらの特徴はパーソナル化貯蔵装置から、又は動的にデータ解析器から取得されてよい。703において、神経応答データが複数のモダリティを使用して複数の使用者に取得される。705では、調査及び結果としての行動情報が脳パタン解析貯蔵装置から統合される。
【0085】
種々の実施形態において、刺激材料は分類され、その他の同様なタグと特徴をもつ刺激材料は707において特定される。或る例における刺激材料は特徴付けされなくてもよく、神経学的特性自身が消費者状態及び行動の予測に使用可能である。709では使用者知覚、認知、及び動的意図が予測される。特別な実施形態においては、同様な刺激材料への同様な神経応答パタンが以前引き出された表現の決定に参照される。
【0086】
種々の実施形態において、データ収集機構、モダリティ内合成機構、モダリティ間合成機構などのような種々の機構は複数の装置に実装される。しかし、これらの種々の機構は単一システムにハードウエア、ファームウエア及び/叉はソフトウエアとして実装することも可能である。図8は一個以上の機構を実装するのに使用出来るシステムの一例である。例えば図8に示されるシステムは共鳴測定システムの実施に使用が出来る。
【0087】
特種の実施形態において、本発明の特種の実施形態を実施するのに好適なシステム800はプロセサ801、メモリ803、インタフェイス811及びバス815(例えばPCIバス)を含むものである。適当なソフトウエア或はファームウエアの制御のもとで運行して居る場合、パタン生成のようなタスクの責任はプロセサ801にある。プロセサ801の代わりとし、或はプロセサ801に追加的に、種々の特別に構成された装置も使用可能である。カストマイズされたハードウエアによっても完全実施は可能である。インタフェイス811は典型的にネットワークを通じてデータパケット或はデータ切片を送信したり受信したりするように構成されて居る。装置に支持される特種例のインタフェイスにはホストバスアダプタ(HBA)インタフェイス、エサネットイインタフェイス、フレイムリレイインタフェイス、ケーブルインタフェイス、DSLインタフェイス、トークンリングインタフェイスなどが含まれる。
【0088】
特種の実施形態において、システム800はデータ、アルゴリズム、及びプログラム使用法の記録にメモリ803を使用する。プログラム使用法とは、例えばオペレイティングシステムの操作、及び/叉は一つ以上のアプリケイションを制御するものであってよい。一個以上のメモリは受信されたデータ及び作用受信データを記録するように構成されたものであってよい。
【0089】
このような情報やプログラム使用法は此処で記述されたシステム/方法を実施するのに使用され得るので、本発明は此処に記載された種々の操作を実施するためのプログラム使用法、状態情報などを含む有形な機械で読む事の出来るメディアに関するものである。機械で読む事の出来るメディアの例にはハードディスク、フロッピイディスク、及び磁気テープのような磁気メディア、CD−ROMディスクやDVDのような光学メディア、光学ディスクのような磁気光学的メディア、及びROMやRAMのようなプログラム使用法の記録及び実施用に特に構成されたハードウエア装置を含むが、それに限られるものではない。プログラム使用法はコンパイラによって生成される機械コード及び翻訳機を使用してコンピュターによって実施され得る高レベルのコードの双方を含むものである。
【0090】
本発明は明確に理解されるべく詳細に亘って記述されたものであるが、此処に添付するクレームの範囲内において、若干の変更が可能であることは明白であろう。従って、この開示は例示的なもので、限定的なものではないと解釈されるべきものであり、発明は此処に示された詳細に限定されず、添付されたクレームと均等の範囲内で変更され得るものと解釈すべきものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脳パタンを解析する方法であって、
被験者に供する刺激材料の特徴を決定する工程と、
該刺激材料に曝された被験者から神経応答データを取得する工程と、
該神経応答データを使用する脳パタン解析貯蔵装置を参照することにより該刺激材料に曝された被験者の表現的応答を予測する工程とから成り、
該脳パタン解析貯蔵装置は該被験者に供された該刺激材料に対応する特徴を有する材料に曝された複数の被験者から収集された統合された表現的応答及び神経応答データを含むものである方法。
【請求項2】
表現的応答が知覚から成るものである請求項1に記載の方法。
【請求項3】
表現的応答が認識から成るものである請求項1に記載の方法。
【請求項4】
表現的応答が動的意図から成るものである請求項1に記載の方法。
【請求項5】
神経応答データが電気脳波記録法(EEG)及び眼電図法(EOG)を含む複数のモダリティを使用して収集されるものである請求項1に記載の方法。
【請求項6】
神経応答データの収集がターゲット対ディストラクタのイベント関係電位(ERP)測定を取得して脳の複数領域におけるERP時間領域成分の差分計測を決定する(DERP)ものである請求項1に記載の方法。
【請求項7】
神経応答データの収集が差分応答のイベント関係時間−周期解析を取得して複数の周波数帯に亘り注意力、感情、及び記憶保持を査定する(DERPSP)ことをも含むものである請求項1に記載の方法。
【請求項8】
該脳パタン解析貯蔵装置が統合された調査応答、表現的表現、及び広範囲の特徴を有する材料に曝された複数の被験者の神経応答データを含むものである請求項1に記載の方法。
【請求項9】
表現的応答が言語的、知覚的、及び動的応答から成るものである請求項1に記載の方法。
【請求項10】
表現的応答の予測が該刺激材料に曝された被験者の神経学的特徴を決定することから成るものである請求項1に記載の方法。
【請求項11】
脳パタンを解析する装置であって、
被験者に供するための刺激材料の特徴を決定するように構成された刺激提供装置と、
該刺激材料に曝された該被験者から神経応答データを取得するように構成されたデータ収集装置と、
該神経応答データを使用する脳パタン解析貯蔵装置を参照して該刺激材料に曝された該被験者の表現的応答を予測するように構成されたデータ解析器とから成り、
該脳パタン解析貯蔵装置は該被験者に供された該刺激材料に対応する特徴を有する材料に曝された複数の被験者から収集された統合された表現的応答及び神経応答データを含むものである装置。
【請求項12】
表現的応答が知覚から成るものである請求項11に記載の装置。
【請求項13】
表現的応答が認識から成るものである請求項11に記載の装置。
【請求項14】
表現的応答が動的意図から成るものである請求項11に記載の装置。
【請求項15】
神経応答データが電気脳波記録法(EEG)及び眼電図法(EOG)を含む複数のモダリティを使用して収集されるものである請求項11に記載の装置。
【請求項16】
神経応答データの収集がターゲット対ディストラクタのイベント関係電位(ERP)測定を取得して脳の複数領域におけるERP時間領域成分の差分計測を決定する(DERP)ものである請求項11に記載の装置。
【請求項17】
神経応答データの収集が差分応答のイベント関係時間−周期解析を取得して複数の周波数帯に亘り注意力、感情、及び記憶保持を査定する(DERPSP)ことをも含むものである請求項11に記載の装置。
【請求項18】
該脳パタン解析貯蔵装置が統合された調査応答、表現的表現、及び広範囲の特徴を有する材料に曝された複数の被験者の神経応答データを含むものである請求項11に記載の装置。
【請求項19】
表現的応答が言語的、知覚的、及び動的応答から成るものである請求項11に記載の装置。
【請求項20】
脳パタンを解析するシステムであって、
被験者に供するための刺激材料の特徴を決定する手段と、
該刺激材料に曝された該被験者から神経応答データを取得する手段と、
該神経応答データを使用する脳パタン解析貯蔵装置を参照して該刺激材料に曝すされた該被験者の表現的応答を予測する手段とから成り、
該脳パタン解析貯蔵装置は該被験者に供された該刺激材料に対応する特徴を有する材料に曝すされた複数の被験者から収集された統合された表現的応答及び神経応答データを含むものである
システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−511397(P2012−511397A)
【公表日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−540764(P2011−540764)
【出願日】平成21年11月20日(2009.11.20)
【国際出願番号】PCT/US2009/065368
【国際公開番号】WO2010/068392
【国際公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(509191137)ニューロフォーカス・インコーポレーテッド (6)
【氏名又は名称原語表記】NeuroFocus Incorporated
【Fターム(参考)】