秘匿情報入力方法および秘匿情報入力方法プログラム
【目的】本発明は、秘匿情報入力方法および秘匿情報入力方法プログラムに関し、入力回数を必要以上に増やさず、かつ、後ろから覗かれても、パスワードが分かりにくい入力方法を実現することを目的とする。
【構成】ユーザ定義情報を参照して定義された秘匿情報の種類とその値を取り出し、取り出した種類とその値と、種類の値を除いた他の複数の値中から乱数で生成した値とを、固定ボタンに表示する情報として生成するステップと、固定ボタンの種類を除いた他の1つあるいは2つあるいはそれ以上の種類毎の複数の値中から乱数で生成した種類とその値を、背景ボタンに表示する情報として生成するステップと、生成された固定ボタンに表示する情報および背景ボタンに表示する情報を、乱数で画面上の表示領域にそれぞれ割り当てて重畳表示するステップとを有する秘匿情報入力方法である。
【構成】ユーザ定義情報を参照して定義された秘匿情報の種類とその値を取り出し、取り出した種類とその値と、種類の値を除いた他の複数の値中から乱数で生成した値とを、固定ボタンに表示する情報として生成するステップと、固定ボタンの種類を除いた他の1つあるいは2つあるいはそれ以上の種類毎の複数の値中から乱数で生成した種類とその値を、背景ボタンに表示する情報として生成するステップと、生成された固定ボタンに表示する情報および背景ボタンに表示する情報を、乱数で画面上の表示領域にそれぞれ割り当てて重畳表示するステップとを有する秘匿情報入力方法である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画面上に表示された情報中から秘匿情報を選択して入力する秘匿情報入力方法および秘匿情報入力プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、暗証番号、パスワードなどの入力は、他人に見られないように入力していた。しかし、ATMなどの公衆の中での入力において、他人に入力状況が見られ、手の動きから入力内容が分からないようにするために、入力画面を毎回変更する技術がある。
【0003】
また、覗き見防止策としては、予め設定された形の上の数字が、設定されたパスワードと一致する時に、指定キーを押すことにより数字を有効とし、それが、パスワードと全て一致した時認証終了とする方法がある(特許文献1)。
【特許文献1】特開2008−33924号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の前者の入力方法では、隠しカメラの設置等が考えられ、入力画面を毎回変更するだけでは、完全に防ぐことは不可能であるという問題があった。
【0005】
また、従来の後者の入力方法では、入力回数が多くなり、更に入力がどこまでされたかを覚えておく必要があり、入力桁数が多いと入力間違いが多くなってしまうという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、これらの問題を解決するために、入力回数を必要以上に増やさず、かつ、後ろから覗かれても、パスワードが分かりにくい入力方法を実現することを目的としている。
【0007】
そのため、本発明は、画面上に表示された情報中から秘匿情報を選択して入力する秘匿情報入力方法において、重畳して表示可能な英数字、色、形を含む種類のうちのいずれか2つあるいは3つあるいはそれ以上の種類中の、秘匿情報としたい種類とその値を定義して、登録したユーザ定義情報を記憶域に記憶し、コンピュータが備える手段が、ユーザ定義情報を参照して定義された秘匿情報の種類とその値を取り出し、取り出した種類とその値と、種類の値を除いた他の複数の値中から乱数で生成した値とを、固定ボタンに表示する情報として生成するステップと、固定ボタンの種類を除いた他の1つあるいは2つあるいはそれ以上の種類毎の複数の値中から乱数で生成した種類とその値を、背景ボタンに表示する情報として生成するステップと、生成された固定ボタンに表示する情報および背景ボタンに表示する情報を、乱数で画面上の表示領域にそれぞれ割り当てて重畳表示するステップとを実行するようにしている。
【0008】
この際、定義された秘匿情報の順番に、固定ボタンおよび背景ボタンに表示する情報を生成して表示することを繰り返すようにしている。
【0009】
また、ユーザ定義情報は、ユーザ毎に登録するようにしている。
【0010】
また、ユーザ定義情報中に、画面上に表示する表示領域の数を登録するようにしている。
【0011】
また、画面上に表示する表示領域の数、2つ以上の種類とその値の一覧を表示し、選択された表示領域の数、2つ以上の種類とその値をユーザ定義情報に登録するようにしている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、入力回数を必要以上に増やさず、かつ、後ろから覗かれても、パスワードが分かりにくい入力方法を実現した。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明のシステム構成図を示す。
【0014】
図1において、端末1は、画面上に表示された情報中から秘匿情報を選択して入力する対象の端末(例えばATM、携帯端末など)であって、ここでは、定義情報登録手段11、画面表示手段12、固定ボタン表示手段13、背景ボタン表示手段14、乱数発生手段15、画面定義情報16、ユーザ定義情報17、画面2、および入力手段3などから構成されるものである。
【0015】
定義情報登録手段11は、ユーザ毎に定義(入力)された秘匿情報をユーザ定義情報17に登録するものである(図4、図5などを参照)。
【0016】
画面表示手段12は、固定ボタン、背景ボタンなどを画面2に表示するものである(図2から図10を参照)。
【0017】
固定ボタン表示手段13は、ユーザ定義情報17に従いユーザの固定ボタンを画面2上に表示するものである(図6から図10を参照)。
【0018】
背景ボタン表示手段14は、ユーザ定義情報17に従いユーザの背景ボタンを画面2上に表示するものである(図6から図10を参照)。
【0019】
乱数発生手段15は、乱数を発生する公知のものである(図6から図10を参照)。
【0020】
画面定義情報16は、画面2の上に表示する固定ボタンおよび背景ボタンの数、配置などを定義するものである(図3などを参照)。
【0021】
ユーザ定義情報17は、ユーザ毎の定義された秘匿情報を登録したものである(図4、図5などを参照)。
【0022】
画面2は、画面定義情報16に従い当該画面2上に固定ボタンおよび背景ボタンを表示するもの(画面、表示装置)である(図2から図10を参照)。
【0023】
入力手段3は、各種入力を行うものであって、例えばタッチパネル、キーボードなどである。
【0024】
次に、図2のフローチャートの順番に従い画面定義情報16の作成手順を詳細に説明する。
【0025】
図2は、本発明の動作説明フローチャート(画面定義)を示す。
【0026】
図2において、ステップS1は、画面上のボタンの数を指定する。これは、設計者が図1の端末1の画面2に配置するボタンの数を指定(例えば予め作成した画面のメニュー上から当該端末1の画面2に配置するボタンの数を指定)する。ボタンの数の指定は、例えば画面2の上に縦×横=3×3、4×4、5×5、3×4・・・などと指定する。
【0027】
ステップS2は、配置する種類と値を指定する。これは、設計者が図1の端末2の画面2上のボタンに配置する種類とその値を指定(例えば予め作成した画面のメニュー上から当該端末1の画面2に配置するボタンの種類とその値を指定)する。ボタンの種類とその値の指定は、例えば
種類 値
・英数字:値1、値2・・・
・形:値1、値2・・・
・色:値1、値2・・・
・その他(前3者と重畳表示可能な点線、斜線、網掛けなどとその値)
という種類とその値を指定する。例えば後述する図10の例では、
種類 値
・英数字:1,2,3,4・・・・9
・形 :☆(星)、○(円)・・・
・色 :白、赤・・・
の3つの種類(数字、形、色の3つの種類)とその値を指定する。
【0028】
ステップS3は、登録する。これは、ステップS1、S2で指定された情報を、図1の定義情報登録手段11が図3の画面定義情報16に示すように登録する。
【0029】
以上によって、定義情報登録手段11が、図1の端末1の画面2に表示するボタンの数と、当該ボタンに重畳表示する種類とその値を画面定義情報16に登録することが可能となる。
【0030】
図3は、本発明の画面定義情報例を示す。図示の画面定義情報16は、既述した図2のフローチャートの順番に従い作成して登録したものであって、ここでは、図示の種類とその値を対応づけて登録したものである。
【0031】
・ボタン数:
・3×3
・4×4
・5×5
・・・
・数字(英数字):
・1
・2(固定)
・3
・・・
・形:
・☆(星)
・○(円)
・・・
・色:
・白
・赤
・・・
・その他(点線、斜線、編みかけなどとその値):
ここで、ボタン数は、画面2に表示する(ボタンの横の数)×(縦の数)で定義する。例えば3×3は、横が3つのボタン、縦が3つのボタンの合計9個のボタンを表示することを表す(図10参照)。数字(英数字)は、ボタンに表示する種別が数字(英数字)であって、ここでは、1,2,3・・・9,0の10個をボタンに表示する数字として定義する。更に、11,12・・・、101.102・・・というように2桁の数字、3桁の数字を定義してもよい(更に、アルファベットなどでもよい)。形は、ボタンに表示する種別が形であって、ここでは、英数字と重畳可能な図形の外側の線で表した☆(星)、○(円)・・・などを表す(数は数字の数と同じ数でもよいし、多くて少なくてもよい)。色は、ボタンに表示する種別が色であって、ここでは、英数字、形と重畳可能な色である、白、赤などを表す(数は数字や形の数と同じ数でもよいし、多くて少なくてもよい)。
【0032】
図4は、本発明の動作説明フローチャート(定義情報)を示す。これは、図1の定義情報登録手段11が、ユーザ毎の秘匿情報(例えばパスワードなどの秘匿情報)を定義(入力)させて登録する場合の手順を示したものである。
【0033】
図4において、ステップS11は、入力画面を表示する。
【0034】
ステップS12は、画面上のボタンを選択する。これらステップS11、S12は、図1の定義情報登録手段11が、利用者が秘匿情報(例えばパスワード)を予め登録する入力画面を表示し、当該入力画面上に表示されているボタンの数の一覧から利用者に希望のボタンの数を選択、例えば3×3を選択させる(縦に3つ、横に3つの合計9個のボタンを表示を選択させる)。
【0035】
ステップS13は、入力画面を表示する。これは、利用者がステップS12でボタンの数を選択したので、図1の定義情報登録手段11が、次に、種類の一覧とその値を表示した入力画面を表示する。
【0036】
ステップS14は、パスワードn桁目を選択する。これは、ステップS13で表示された種類とその値の一覧中から、利用者に、定義して登録する1桁目の種類とその値として、例えば右側に記載したように、
・1桁目(1回目):2(種類が”数字”でその値が”2”を表す)
・2桁目(2回目):○(丸)(種類が”形”でその値が”○”(丸)を表す)
・3桁目(3回目);黒(種類が”色”でその値が”黒”を表す)
・4桁目(4回目):4(種類が”数字”でその値が”4”を表す)
と順次選択させる。
【0037】
ステップS15は、ユーザ定義情報に書き込む。これは、図1の定義情報登録手段11が、ステップS12、ステップS14で選択された情報(ボタンの数、秘匿情報の桁数分の(種類とその値))を例えば図5のユーザ定義情報17に示す、ユーザID”ユーザ1”に対応づけて図示のように、順次書き込む。
【0038】
ステップS16は、終了か判別する。YESの場合には、秘匿情報の桁数分の種類とその値をステップS14で選択されて定義を終了したので、終わる。一方、NOの場合には、ステップS13に戻り繰り返す。
【0039】
以上によって、図1の定義情報登録手段11は、利用者に、秘匿情報を画面2に表示するボタンの数をステップS12で選択させ、更に、秘匿情報の桁数分の種類とその値をステップS14で繰り返し選択させることにより、後述する図5のユーザ定義情報16中に図示のように、ユーザIDに対応づけてボタン数、秘匿情報(パスワード)を予め定義して登録することが可能となる。
【0040】
図5は、本発明のユーザ定義情報例を示す。図示のユーザ定義情報17は、既述した図4のフローチャートの手順に従い予めユーザが定義して登録させたものであって、ここでは、図示の下記の情報を対応づけて予め定義して登録させたものである。
【0041】
・ユーザID:
・パスワード(秘匿情報):
・ボタン数:
・その他:
ここで、ユーザIDはパスワード(秘匿情報)を登録させるユーザを表す固有のIDである。パスワードは、ユーザが定義して登録させる秘匿情報の例である。ボタン数は、図1の画面2にボタンを表示する数、例えば3×3(縦3つ、横3つの合計9個のボタン)の配置を表す。その他は、固定データ(英数字など)および背景データ(形、色など)の秘匿情報となるものに、更に、重畳表示可能な背景データ(点線、網掛けなど)であって、秘匿情報としないものである(必要あれば、秘匿情報としてもよい)。
【0042】
図6は、本発明のパスワード入力時のフローチャートを示す。これは、利用者がパスワードを画面2上から選択入力する時の詳細フローチャートを示す。
【0043】
図6において、ステップS21は、ユーザ入力する。これは、利用者が図1の画面2から当該利用者のユーザID(例えば既述した図5のユーザID”ユーザ1”)を入力する。
【0044】
ステップS22は、ユーザ定義情報を読み込む。これは、ステップS21で入力されたユーザID(例えば”ユーザ1”)をキーに、既述した図5のユーザ定義情報17中から該当するユーザIDのユーザ定義情報を読み込む、例えば”ユーザ1”のユーザ定義情報として、
・ボタン数:3×3
・パスワード(秘匿情報):2 ○ 黒 4
を読み込む。
【0045】
ステップS23は、ボタン数を元に表示するボタンを設定する。これは、ステップS22で読み込んだボタン数(ここでは、”3×3”)をもとに、表示するボタンを縦3つ、横3つの合計9個を画面2に表示するように設定する。
【0046】
ステップS24は、パスワードの1桁目の種類とその値を取り出す。ここでは、パスワードの1桁目”2”(種類が”数字”、値が”2”を表す)を取り出す。
【0047】
ステップS25は、取り出した種類とその値を固定ボタンに設定する。これは、ステップS24で取り出したパスワードの1桁目の種類”数字”とその値”2”を、固定ボタンに設定する。
【0048】
ステップS26は、残りの種類とその値を背景ボタンおよび固定ボタンに乱数で設定する。これは、ステップS24、S25で固定ボタンに設定したパスワードである、種類(数字)とその値(2)を除いた残りの種類とその値について、乱数で種類とその値を背景ボタンおよび固定ボタンに設定する(背景ボタンの数は、ステップS23で設定したボタン数3×3=9個からなる背景ボタンにそれぞれ設定する、固定ボタンにはパスワードで設定した以外のボタンに種類とその値を設定する)。
【0049】
ステップS27は、乱数で表示位置を設定する。これは、ステップS25で固定ボタンに設定した種類(数字)とその値(2)と、ステップS26で背景ボタンに設定した種類とその値(更に、固定ボタンに設定した種類と値(パスワードの種類とその値を除く))とついて、画面2上に表示する位置を乱数で設定する(ここでは、3×3のうちのいずれかの位置を乱数で順次設定する)。
【0050】
ステップS28は、固定ボタンおよび背景ボタンを重畳して表示する。これにより、パスワードの1桁目について、固定ボタンと背景ボタンとを乱数で画面2上に表示、例えば後述する図10の(a)のように表示することが可能となる。
【0051】
ステップS29は、利用者が選択する。
【0052】
ステップS30は、パスワードの正誤を判定する。これらステップS29、S30は、ステップS28で画面2上に表示された、例えば後述する図10の(a)の画面2上に表示された一覧から、パスワード(ここでは、種類”数字”とその値”2”で決まる固定ボタン)が押下されたか判別する。YESの場合(図10の(a)では、最上行の2番目のボタン(”2”と”☆(星)”と”白”とを重畳表示したボタン(固定ボタン))が利用者により押下された場合)には、正しいパスワードが入力されたと判定する。それ以外は全て誤のパスワードが入力されたと判定する。
【0053】
尚、”2”(固定ボタン)と”☆(星)”(背景ボタン)と”白”(背景ボタン)とを重畳表示したボタンは、種類”数字”とその値”2”、種類”形”とその値”☆(星)”、種類”色”とその値”白”の3つの種類とその値を重畳表示したものである。
【0054】
ステップS31は、終了か判別する。これは、ステップS22で読み込んだパスワードの全ての桁についてステップS24からステップS30を繰り返して終了したか判別する。YESの場合には、パスワードを出力する(ステップS32)。これは、ステップS29で利用者から選択されたパスワードと、ステップS30で判定した判定結果とを出力する。NOの場合には、ステップS24以降を繰り返す。
【0055】
以上のように、利用者がユーザIDを入力すると、既述した図5のユーザ定義情報17中から当該利用者のユーザ定義情報を読み出し、当該読み出したユーザ定義情報中のボタン数をもとに画面2に表示するボタンの数と表示位置を設定し、次に、パスワードの1桁目を固定ボタンに設定し、それ以外の種類とその値を背景ボタンおよび固定ボタンに設定(重複なしに設定)し、乱数で決めた画面上の位置に表示し、利用者がパスワードのボタンを押下したときに正しい、それ以外のときに誤と判定することをパスワードの桁数分繰り返すことにより、パスワードの入力回数(選択回数)がパスワードの桁数分で済み、入力回数を必要以上に増やさず、かつ、後ろから覗かれても、パスワードが分かりにくい(重畳表示中のボタンの複数の種類の値のうちのいずれの値であるかを判別できず、正しいパスワードがわかりにくい)入力方法を提供することが可能となる。
【0056】
図7は、本発明の動作説明フローチャート(乱数:その1)を示す。これは、既述した図6の乱数(重複なしの配置)について詳細に説明したフローチャートである。
【0057】
図7において、ステップS41は、固定ボタンの種類とその値を取り込む。例えば右側に記載した、既述した図5のユーザ定義情報17中のユーザ1のパスワード”2○黒4”のうちの1桁目の”2”(種類(属性)が”数字”でその値が”2”を表す)を取り込むと共に、図示外のパスワード以外の他の数字の値”1,3,5,6・・・9”を取り込む(ボタン数から1を減算した数だけ取り込む)。
【0058】
ステップS42は、背景ボタンの種類とその値を取り込む。例えばステップS41で取り込んだ種類”数字”を除く、他の種類とその値を取り込む(ここでは、他の種類1”形”とその値”値1、値2・・・・”と、種類2”色”とその値”値1、値2・・・”を取り込む(ボタン数だけ取り込む)。
【0059】
以上のステップS41からS43によって、固定ボタンの種類とその値(パスワードに相当)およびパスワードを含まない他の値を取り込むと共に、背景ボタンに配置する種類1”形”の値1、値2、・・・”と、種類2”色”の値1,値2・・・を取り込むことができたこととなる。
【0060】
次に、固定ボタンの種類とその値を乱数で配置する手順を詳細に説明する。
【0061】
ステップS43は、固定ボタンの種類とその値を決定し、乱数で配置を決定する。これは、例えばパスワードの1桁目の”2”(種類”数字”とその値”2”を表す)を固定ボタンのものと決定し、ボタン数3×3のうちのいずれに配置するかを乱数で決定する。例えば後述する図10の(a)の2番目(1,2)(1行目の左から右、2行目の左から右に1番目(1,1)、2番目(1,2)・・・と付与した場合)と乱数で決定する。
【0062】
ステップS44は、固定ボタンを除いた値の先頭から1つを選ぶ(次回は選ぶ先頭を1つシフトさせる)。これは、固定ボタンの値”2”を除いた、例えば値”1、3、4、5、6、7、8,9”の数列から先頭の”1”を1つ選ぶ。次回は、2番目の”3”を1つ選ぶことを繰り返す。
【0063】
ステップS45は、選択したものを乱数で配置を決定する(次回は決定されたものを除いたものから乱数で配置を決定する)。これは、ステップS44で固定ボタンが既に配置されているので、これを除いた位置に、ステップS44で選んだ値、1回目は値”1”を
乱数で決定する。2回目は1回目で配置された位置を更に除いた位置に、ステップS44で2回目に選んだ値”3”を乱数で配置することを繰り返す。
【0064】
以上のステップS43からS45によって、固定ボタンの種類”数字”とその値’2”をもとに、当該値”2”と、それ以外の値”1,3,4,5,6,7,8,9”とを乱数でボタン数3×3の任意の位置に配置(重複なしに配置)することが可能となる。これにより、毎回表示する毎に異なった位置に配置されることとなる。
【0065】
次に、同様に、背景ボタンの種類1とその値を乱数で配置する手順を詳細に説明する。
【0066】
ステップS46は、背景ボタンの種類1とその値を取り出す。例えばステップS42で取り出したうちの、種類1”形”とその値”☆(星)、○(丸)・・・”の9個(ボタン数と同じ数)を取り出す。
【0067】
ステップS47は、先頭から1つを選ぶ(次回は先頭を1つシフトさせる)。これは、
例えば種類1の値”☆(星)、○(丸)・・・・”の9個の数列から先頭の”☆(星)”を1つ選ぶ。次回は、2番目の”○(丸)”を1つ選ぶことを繰り返す。
【0068】
ステップS48は、選択したものを乱数で配置を決定する(次回は決定されたものを除いたものから乱数で配置を決定する)。これは、ステップS47で選んだ値、1回目は値”☆(星)”を乱数で、ボタン数3×3のうちのいずれに配置するかを決定する。例えば後述する図10の(a)の2番目(1,2)(1行目の左から右、2行目の左から右に1番目(1,1)、2番目(1,2)・・・と付与した場合)と決定する。
【0069】
以上のステップS46からS48によって、背景ボタンの種類1”形”とその値”☆(星)、○(丸)・・・”の9個をもとに、乱数でボタン数3×3の任意の位置に配置(重複なしに配置)することが可能となる。これにより、毎回表示する毎に異なった位置に種類1”形”の値”☆(星)、○(丸)・・・”の9個”がボタンに配置されることとなる。
【0070】
同様に、背景ボタンの種類2とその値を乱数で配置する手順を詳細に説明する。
【0071】
ステップS49は、背景ボタンの種類2とその値を取り出す。例えばステップS42で取り出したうちの、種類2”色”とその値”白、赤・・・・黒”の9個(ボタン数と同じ数)を取り出す。
【0072】
ステップS50は、先頭から1つを選ぶ(次回は先頭を1つシフトさせる)。これは、
例えば種類2の値”白、赤・・・・黒”の9個の数列から先頭の”白”を1つ選ぶ。次回は、2番目の”赤”を1つ選ぶことを繰り返す。
【0073】
ステップS51は、選択したものを乱数で配置を決定する(次回は決定されたものを除いたものから乱数で配置を決定する)。これは、ステップS50で選んだ値、1回目は値”白”を乱数で、ボタン数3×3のうちのいずれに配置するかを決定する。例えば後述する図10の(a)の2番目(1,2)(1行目の左から右、2行目の左から右に1番目(1,1)、2番目(1,2)・・・と付与した場合)と決定する。
【0074】
以上のステップS49からS51によって、背景ボタンの種類2”色”とその値”白、赤・・・・黒”の9個をもとに、乱数でボタン数3×3の任意の位置に配置(重複なしに配置)することが可能となる。これにより、毎回表示する毎に異なった位置に種類2”色”の値”白、赤・・・・黒”の9個”がボタンに配置されることとなる。
【0075】
ステップS52は、表示する。これは、ステップS43からS45で配置した1つの固定ボタン、ステップS46からS48、ステップS49からS51で配置した2つの背景ボタンの合計3つのボタンを重畳表示、例えば後述する図10の(a)の画面2上のボタン数3×3の各ボタンに重畳表示する。
【0076】
以上によって、3つの種類とその9個の値をそれぞれ乱数でボタン数3×3の任意の位置にそれぞれ配置して図10の(a)に示すよう重畳表示することが可能となる。これにより、利用者がいずれかのボタンを押下しても3つの種類の値が重畳表示されているのでいずれが正しいパスワードであるか判別できないと共に、パスワードの桁数に等しい図10の(a)のような画面を乱数で順次表示することで当該パスワードの桁数と同じ回数の選択入力でパスワードを利用者は簡易かつ迅速に入力することが可能となる。
【0077】
図8は、本発明の動作説明フローチャート(乱数:その2)を示す。ここで、図7は種類の値を2つ以上1つの画面に同時に表示することを許さなかったが、1つの画面に同時に同じ値を表示することを許す場合の乱数による手順を詳細に説明する。図中のステップS41、S42、S43、S45、S46、S48、S49、S51、S52は、既述した図7の同一番号のステップと同じであるので説明を省略する。
【0078】
図8において、ステップS44’は、図7のステップS44の代わりであって、固定ボタンの値をランダムに選ぶ。これにより、固定ボタンの値”2”と、その他の値”1,2,3,4,5,6,7,8,9”の9個から毎回、ランダムに選んだ1つの値を、ステップS45で乱数でボタン数3×3の該当位置に順次配置することにより、後述する図10の(b)に示すように、1つの画面上のボタン数3×3のボタン上に数字の値が重複(ここでは、値”2”が3つ同時に表示されることとなる(S52)。
【0079】
ステップS47’は、図7のステップS47の代わりであって、背景ボタン1の値をランダムに選ぶ。これにより、背景ボタン1の値”☆(星)、○(○)・・・・”の9個から毎回、ランダムに1つの値を選び、ステップS48で乱数でボタン数3×3の該当位置に配置することにより、後述する図10の(b)に示すように、1つの画面上のボタン数3×3のボタン上に背景ボタン1(種類”形”)の値が重複(ここでは、値”☆(星)”が3つ、値”○(丸)”が5つ同時に表示されることとなる(S52)。
【0080】
ステップS50’は、図7のステップS50の代わりであって、背景ボタン2の値をランダムに選ぶ。これにより、背景ボタン2の値”白、赤・・・黒”の9個から毎回、ランダムに1つの値を選び、ステップS51で乱数でボタン数3×3の該当位置に配置することにより、後述する図10の(b)に示すように、1つの画面上のボタン数3×3のボタン上に背景ボタン2(種類”色”)の値が重複(ここでは、値”白”が2つ、値”黒”が2つ同時に表示されることとなる(S52)。
【0081】
図9は、本発明の画面定義情報例(ユーザ1)を示す。これは、ユーザ1の画面定義情報16の例であって、既述した図5のユーザ1のボタン数、パスワードを取り出してわかり易く階層構造で表示したものであり、図示の下記の情報を階層構造でわかり易く表示したものである。
【0082】
・ボタン数:3×3(ボタン数が9、配置が3行3列を表す)
・数字:
・1
・2
・3
・・・
・形:
・☆(星)・・値1
・○(丸)・・値2
・・・
・楕円 ・・値9
・色:
・白・・値1
・赤・・値2
・・・
・黒・・値9
・その他(点線など)
ここで、ボタン数は、画面2に表示するボタンの数が9個、配置が3行3列を表し、例えば後述する図10の(a)のように配置することを表す。形は、種類1の例であって、その値1”☆(星)”、値2”○(丸)”・・・を表す。色は、種類2の例であって、その値1”白”、値2”赤”・・値9”黒”を表す。その他は、数字、形、色と重畳表示可能なその他の種類であって、例えば点線、一点鎖線、網掛けなどの種類がある。本発明では、2つ以上の種類を重畳表示すれば、利用者が重畳表示した2つ以上の種類のいずれの種類の値を選択(正しいパスワードとして選択)しているのか判別できないようにしている。
【0083】
図10は、本発明の画面例を示す。
【0084】
図10の(a)は値を重畳表示を許可しないで乱数で配置した場合の例を示し、図10の(b)は値の重畳表示を許可して乱数で配置した例を示す。図示の両者の例では、種類”数字”の値”1,2,3,4,5,6,7,8.9”、種類1”形”の値”☆(星)、○(丸)・・・・”、種類2”色”の値”白、赤・・・黒”をそれぞれ乱数で表示した例を示す(ただし、図10の(a)は値の重畳表示を許さないで乱数で配置、図10の(b)は値の重畳表示を許して乱数で配置)。
【0085】
ここで、図10の(a)の画面で、ユーザ定義情報”2、○、黒、4”の場合の正誤判定について以下説明する。ここでは、説明を簡単にするために、1つの画面で以下説明する。しかし、実際は、1回目、2回目、3回目、4回目の画面上の9個のボタンについて、3つの種類とその値を乱数でそれぞれ配置を決定して重畳表示するため、異なった画面となる(既述した図6、図7参照)。
【0086】
・1回目:2を含むボタンを利用者が押すと、パスワード入力が正と判定する。それ以外は誤と判定する。
【0087】
・2回目:○を含むボタンを利用者が押すと、パスワード入力が正と判定する。それ以外は誤と判定する。
【0088】
・3回目:黒を含むボタンを利用者が押すと、パスワード入力が正と判定する。それ以外は誤と判定する。
【0089】
・4回目:4を含むボタンを利用者が押すと、パスワード入力が正と判定する。それ以外は誤と判定する。
【0090】
・総合判定:1回目から4回目のいずれも正と判定されたときにパスワードの入力が正と判定し、それ以外は誤と判定する。
【0091】
ここで、図10の(b)の画面で、ユーザ定義情報”2、○、黒、4”の場合の正誤判定について以下説明する。
【0092】
・1回目:2を含むボタン(3つのいずれかのボタン)を利用者が押すと、パスワード入力が正と判定する。それ以外は誤と判定する。
【0093】
・2回目:○を含むボタン(5つのいずれかのボタン)を利用者が押すと、パスワード入力が正と判定する。それ以外は誤と判定する。
【0094】
・3回目:黒を含むボタン(2つのいずれかのボタン)を利用者が押すと、パスワード入力が正と判定する。それ以外は誤と判定する。
【0095】
・4回目:4を含むボタン(2つのいずれかのボタン)を利用者が押すと、パスワード入力が正と判定する。それ以外は誤と判定する。
【0096】
・総合判定:1回目から4回目のいずれも正と判定されたときにパスワードの入力が正と判定し、それ以外は誤と判定する。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明のシステム構成図である。
【図2】本発明の動作説明フローチャート(画面定義)である。
【図3】本発明の画面定義情報例である。
【図4】本発明の動作説明フローチャート(ユーザ定義情報)である。
【図5】本発明のユーザ定義情報例である。
【図6】本発明のユーザのパスワード入力時のフローチャートである。
【図7】本発明の動作説明フローチャート(乱数:その1)である。
【図8】本発明の動作説明フローチャート(乱数:その2)である。
【図9】本発明の画面定義情報(ユーザ1)例である。
【図10】本発明の画面例である。
【符号の説明】
【0098】
1:端末
11:定義情報登録手段
12:画面表示手段
13:固定ボタン表示手段
14:背景ボタン表示手段
15:乱数発生手段
16:画面定義情報
17:ユーザ定義情報
2:画面
3:入力手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、画面上に表示された情報中から秘匿情報を選択して入力する秘匿情報入力方法および秘匿情報入力プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、暗証番号、パスワードなどの入力は、他人に見られないように入力していた。しかし、ATMなどの公衆の中での入力において、他人に入力状況が見られ、手の動きから入力内容が分からないようにするために、入力画面を毎回変更する技術がある。
【0003】
また、覗き見防止策としては、予め設定された形の上の数字が、設定されたパスワードと一致する時に、指定キーを押すことにより数字を有効とし、それが、パスワードと全て一致した時認証終了とする方法がある(特許文献1)。
【特許文献1】特開2008−33924号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の前者の入力方法では、隠しカメラの設置等が考えられ、入力画面を毎回変更するだけでは、完全に防ぐことは不可能であるという問題があった。
【0005】
また、従来の後者の入力方法では、入力回数が多くなり、更に入力がどこまでされたかを覚えておく必要があり、入力桁数が多いと入力間違いが多くなってしまうという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、これらの問題を解決するために、入力回数を必要以上に増やさず、かつ、後ろから覗かれても、パスワードが分かりにくい入力方法を実現することを目的としている。
【0007】
そのため、本発明は、画面上に表示された情報中から秘匿情報を選択して入力する秘匿情報入力方法において、重畳して表示可能な英数字、色、形を含む種類のうちのいずれか2つあるいは3つあるいはそれ以上の種類中の、秘匿情報としたい種類とその値を定義して、登録したユーザ定義情報を記憶域に記憶し、コンピュータが備える手段が、ユーザ定義情報を参照して定義された秘匿情報の種類とその値を取り出し、取り出した種類とその値と、種類の値を除いた他の複数の値中から乱数で生成した値とを、固定ボタンに表示する情報として生成するステップと、固定ボタンの種類を除いた他の1つあるいは2つあるいはそれ以上の種類毎の複数の値中から乱数で生成した種類とその値を、背景ボタンに表示する情報として生成するステップと、生成された固定ボタンに表示する情報および背景ボタンに表示する情報を、乱数で画面上の表示領域にそれぞれ割り当てて重畳表示するステップとを実行するようにしている。
【0008】
この際、定義された秘匿情報の順番に、固定ボタンおよび背景ボタンに表示する情報を生成して表示することを繰り返すようにしている。
【0009】
また、ユーザ定義情報は、ユーザ毎に登録するようにしている。
【0010】
また、ユーザ定義情報中に、画面上に表示する表示領域の数を登録するようにしている。
【0011】
また、画面上に表示する表示領域の数、2つ以上の種類とその値の一覧を表示し、選択された表示領域の数、2つ以上の種類とその値をユーザ定義情報に登録するようにしている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、入力回数を必要以上に増やさず、かつ、後ろから覗かれても、パスワードが分かりにくい入力方法を実現した。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明のシステム構成図を示す。
【0014】
図1において、端末1は、画面上に表示された情報中から秘匿情報を選択して入力する対象の端末(例えばATM、携帯端末など)であって、ここでは、定義情報登録手段11、画面表示手段12、固定ボタン表示手段13、背景ボタン表示手段14、乱数発生手段15、画面定義情報16、ユーザ定義情報17、画面2、および入力手段3などから構成されるものである。
【0015】
定義情報登録手段11は、ユーザ毎に定義(入力)された秘匿情報をユーザ定義情報17に登録するものである(図4、図5などを参照)。
【0016】
画面表示手段12は、固定ボタン、背景ボタンなどを画面2に表示するものである(図2から図10を参照)。
【0017】
固定ボタン表示手段13は、ユーザ定義情報17に従いユーザの固定ボタンを画面2上に表示するものである(図6から図10を参照)。
【0018】
背景ボタン表示手段14は、ユーザ定義情報17に従いユーザの背景ボタンを画面2上に表示するものである(図6から図10を参照)。
【0019】
乱数発生手段15は、乱数を発生する公知のものである(図6から図10を参照)。
【0020】
画面定義情報16は、画面2の上に表示する固定ボタンおよび背景ボタンの数、配置などを定義するものである(図3などを参照)。
【0021】
ユーザ定義情報17は、ユーザ毎の定義された秘匿情報を登録したものである(図4、図5などを参照)。
【0022】
画面2は、画面定義情報16に従い当該画面2上に固定ボタンおよび背景ボタンを表示するもの(画面、表示装置)である(図2から図10を参照)。
【0023】
入力手段3は、各種入力を行うものであって、例えばタッチパネル、キーボードなどである。
【0024】
次に、図2のフローチャートの順番に従い画面定義情報16の作成手順を詳細に説明する。
【0025】
図2は、本発明の動作説明フローチャート(画面定義)を示す。
【0026】
図2において、ステップS1は、画面上のボタンの数を指定する。これは、設計者が図1の端末1の画面2に配置するボタンの数を指定(例えば予め作成した画面のメニュー上から当該端末1の画面2に配置するボタンの数を指定)する。ボタンの数の指定は、例えば画面2の上に縦×横=3×3、4×4、5×5、3×4・・・などと指定する。
【0027】
ステップS2は、配置する種類と値を指定する。これは、設計者が図1の端末2の画面2上のボタンに配置する種類とその値を指定(例えば予め作成した画面のメニュー上から当該端末1の画面2に配置するボタンの種類とその値を指定)する。ボタンの種類とその値の指定は、例えば
種類 値
・英数字:値1、値2・・・
・形:値1、値2・・・
・色:値1、値2・・・
・その他(前3者と重畳表示可能な点線、斜線、網掛けなどとその値)
という種類とその値を指定する。例えば後述する図10の例では、
種類 値
・英数字:1,2,3,4・・・・9
・形 :☆(星)、○(円)・・・
・色 :白、赤・・・
の3つの種類(数字、形、色の3つの種類)とその値を指定する。
【0028】
ステップS3は、登録する。これは、ステップS1、S2で指定された情報を、図1の定義情報登録手段11が図3の画面定義情報16に示すように登録する。
【0029】
以上によって、定義情報登録手段11が、図1の端末1の画面2に表示するボタンの数と、当該ボタンに重畳表示する種類とその値を画面定義情報16に登録することが可能となる。
【0030】
図3は、本発明の画面定義情報例を示す。図示の画面定義情報16は、既述した図2のフローチャートの順番に従い作成して登録したものであって、ここでは、図示の種類とその値を対応づけて登録したものである。
【0031】
・ボタン数:
・3×3
・4×4
・5×5
・・・
・数字(英数字):
・1
・2(固定)
・3
・・・
・形:
・☆(星)
・○(円)
・・・
・色:
・白
・赤
・・・
・その他(点線、斜線、編みかけなどとその値):
ここで、ボタン数は、画面2に表示する(ボタンの横の数)×(縦の数)で定義する。例えば3×3は、横が3つのボタン、縦が3つのボタンの合計9個のボタンを表示することを表す(図10参照)。数字(英数字)は、ボタンに表示する種別が数字(英数字)であって、ここでは、1,2,3・・・9,0の10個をボタンに表示する数字として定義する。更に、11,12・・・、101.102・・・というように2桁の数字、3桁の数字を定義してもよい(更に、アルファベットなどでもよい)。形は、ボタンに表示する種別が形であって、ここでは、英数字と重畳可能な図形の外側の線で表した☆(星)、○(円)・・・などを表す(数は数字の数と同じ数でもよいし、多くて少なくてもよい)。色は、ボタンに表示する種別が色であって、ここでは、英数字、形と重畳可能な色である、白、赤などを表す(数は数字や形の数と同じ数でもよいし、多くて少なくてもよい)。
【0032】
図4は、本発明の動作説明フローチャート(定義情報)を示す。これは、図1の定義情報登録手段11が、ユーザ毎の秘匿情報(例えばパスワードなどの秘匿情報)を定義(入力)させて登録する場合の手順を示したものである。
【0033】
図4において、ステップS11は、入力画面を表示する。
【0034】
ステップS12は、画面上のボタンを選択する。これらステップS11、S12は、図1の定義情報登録手段11が、利用者が秘匿情報(例えばパスワード)を予め登録する入力画面を表示し、当該入力画面上に表示されているボタンの数の一覧から利用者に希望のボタンの数を選択、例えば3×3を選択させる(縦に3つ、横に3つの合計9個のボタンを表示を選択させる)。
【0035】
ステップS13は、入力画面を表示する。これは、利用者がステップS12でボタンの数を選択したので、図1の定義情報登録手段11が、次に、種類の一覧とその値を表示した入力画面を表示する。
【0036】
ステップS14は、パスワードn桁目を選択する。これは、ステップS13で表示された種類とその値の一覧中から、利用者に、定義して登録する1桁目の種類とその値として、例えば右側に記載したように、
・1桁目(1回目):2(種類が”数字”でその値が”2”を表す)
・2桁目(2回目):○(丸)(種類が”形”でその値が”○”(丸)を表す)
・3桁目(3回目);黒(種類が”色”でその値が”黒”を表す)
・4桁目(4回目):4(種類が”数字”でその値が”4”を表す)
と順次選択させる。
【0037】
ステップS15は、ユーザ定義情報に書き込む。これは、図1の定義情報登録手段11が、ステップS12、ステップS14で選択された情報(ボタンの数、秘匿情報の桁数分の(種類とその値))を例えば図5のユーザ定義情報17に示す、ユーザID”ユーザ1”に対応づけて図示のように、順次書き込む。
【0038】
ステップS16は、終了か判別する。YESの場合には、秘匿情報の桁数分の種類とその値をステップS14で選択されて定義を終了したので、終わる。一方、NOの場合には、ステップS13に戻り繰り返す。
【0039】
以上によって、図1の定義情報登録手段11は、利用者に、秘匿情報を画面2に表示するボタンの数をステップS12で選択させ、更に、秘匿情報の桁数分の種類とその値をステップS14で繰り返し選択させることにより、後述する図5のユーザ定義情報16中に図示のように、ユーザIDに対応づけてボタン数、秘匿情報(パスワード)を予め定義して登録することが可能となる。
【0040】
図5は、本発明のユーザ定義情報例を示す。図示のユーザ定義情報17は、既述した図4のフローチャートの手順に従い予めユーザが定義して登録させたものであって、ここでは、図示の下記の情報を対応づけて予め定義して登録させたものである。
【0041】
・ユーザID:
・パスワード(秘匿情報):
・ボタン数:
・その他:
ここで、ユーザIDはパスワード(秘匿情報)を登録させるユーザを表す固有のIDである。パスワードは、ユーザが定義して登録させる秘匿情報の例である。ボタン数は、図1の画面2にボタンを表示する数、例えば3×3(縦3つ、横3つの合計9個のボタン)の配置を表す。その他は、固定データ(英数字など)および背景データ(形、色など)の秘匿情報となるものに、更に、重畳表示可能な背景データ(点線、網掛けなど)であって、秘匿情報としないものである(必要あれば、秘匿情報としてもよい)。
【0042】
図6は、本発明のパスワード入力時のフローチャートを示す。これは、利用者がパスワードを画面2上から選択入力する時の詳細フローチャートを示す。
【0043】
図6において、ステップS21は、ユーザ入力する。これは、利用者が図1の画面2から当該利用者のユーザID(例えば既述した図5のユーザID”ユーザ1”)を入力する。
【0044】
ステップS22は、ユーザ定義情報を読み込む。これは、ステップS21で入力されたユーザID(例えば”ユーザ1”)をキーに、既述した図5のユーザ定義情報17中から該当するユーザIDのユーザ定義情報を読み込む、例えば”ユーザ1”のユーザ定義情報として、
・ボタン数:3×3
・パスワード(秘匿情報):2 ○ 黒 4
を読み込む。
【0045】
ステップS23は、ボタン数を元に表示するボタンを設定する。これは、ステップS22で読み込んだボタン数(ここでは、”3×3”)をもとに、表示するボタンを縦3つ、横3つの合計9個を画面2に表示するように設定する。
【0046】
ステップS24は、パスワードの1桁目の種類とその値を取り出す。ここでは、パスワードの1桁目”2”(種類が”数字”、値が”2”を表す)を取り出す。
【0047】
ステップS25は、取り出した種類とその値を固定ボタンに設定する。これは、ステップS24で取り出したパスワードの1桁目の種類”数字”とその値”2”を、固定ボタンに設定する。
【0048】
ステップS26は、残りの種類とその値を背景ボタンおよび固定ボタンに乱数で設定する。これは、ステップS24、S25で固定ボタンに設定したパスワードである、種類(数字)とその値(2)を除いた残りの種類とその値について、乱数で種類とその値を背景ボタンおよび固定ボタンに設定する(背景ボタンの数は、ステップS23で設定したボタン数3×3=9個からなる背景ボタンにそれぞれ設定する、固定ボタンにはパスワードで設定した以外のボタンに種類とその値を設定する)。
【0049】
ステップS27は、乱数で表示位置を設定する。これは、ステップS25で固定ボタンに設定した種類(数字)とその値(2)と、ステップS26で背景ボタンに設定した種類とその値(更に、固定ボタンに設定した種類と値(パスワードの種類とその値を除く))とついて、画面2上に表示する位置を乱数で設定する(ここでは、3×3のうちのいずれかの位置を乱数で順次設定する)。
【0050】
ステップS28は、固定ボタンおよび背景ボタンを重畳して表示する。これにより、パスワードの1桁目について、固定ボタンと背景ボタンとを乱数で画面2上に表示、例えば後述する図10の(a)のように表示することが可能となる。
【0051】
ステップS29は、利用者が選択する。
【0052】
ステップS30は、パスワードの正誤を判定する。これらステップS29、S30は、ステップS28で画面2上に表示された、例えば後述する図10の(a)の画面2上に表示された一覧から、パスワード(ここでは、種類”数字”とその値”2”で決まる固定ボタン)が押下されたか判別する。YESの場合(図10の(a)では、最上行の2番目のボタン(”2”と”☆(星)”と”白”とを重畳表示したボタン(固定ボタン))が利用者により押下された場合)には、正しいパスワードが入力されたと判定する。それ以外は全て誤のパスワードが入力されたと判定する。
【0053】
尚、”2”(固定ボタン)と”☆(星)”(背景ボタン)と”白”(背景ボタン)とを重畳表示したボタンは、種類”数字”とその値”2”、種類”形”とその値”☆(星)”、種類”色”とその値”白”の3つの種類とその値を重畳表示したものである。
【0054】
ステップS31は、終了か判別する。これは、ステップS22で読み込んだパスワードの全ての桁についてステップS24からステップS30を繰り返して終了したか判別する。YESの場合には、パスワードを出力する(ステップS32)。これは、ステップS29で利用者から選択されたパスワードと、ステップS30で判定した判定結果とを出力する。NOの場合には、ステップS24以降を繰り返す。
【0055】
以上のように、利用者がユーザIDを入力すると、既述した図5のユーザ定義情報17中から当該利用者のユーザ定義情報を読み出し、当該読み出したユーザ定義情報中のボタン数をもとに画面2に表示するボタンの数と表示位置を設定し、次に、パスワードの1桁目を固定ボタンに設定し、それ以外の種類とその値を背景ボタンおよび固定ボタンに設定(重複なしに設定)し、乱数で決めた画面上の位置に表示し、利用者がパスワードのボタンを押下したときに正しい、それ以外のときに誤と判定することをパスワードの桁数分繰り返すことにより、パスワードの入力回数(選択回数)がパスワードの桁数分で済み、入力回数を必要以上に増やさず、かつ、後ろから覗かれても、パスワードが分かりにくい(重畳表示中のボタンの複数の種類の値のうちのいずれの値であるかを判別できず、正しいパスワードがわかりにくい)入力方法を提供することが可能となる。
【0056】
図7は、本発明の動作説明フローチャート(乱数:その1)を示す。これは、既述した図6の乱数(重複なしの配置)について詳細に説明したフローチャートである。
【0057】
図7において、ステップS41は、固定ボタンの種類とその値を取り込む。例えば右側に記載した、既述した図5のユーザ定義情報17中のユーザ1のパスワード”2○黒4”のうちの1桁目の”2”(種類(属性)が”数字”でその値が”2”を表す)を取り込むと共に、図示外のパスワード以外の他の数字の値”1,3,5,6・・・9”を取り込む(ボタン数から1を減算した数だけ取り込む)。
【0058】
ステップS42は、背景ボタンの種類とその値を取り込む。例えばステップS41で取り込んだ種類”数字”を除く、他の種類とその値を取り込む(ここでは、他の種類1”形”とその値”値1、値2・・・・”と、種類2”色”とその値”値1、値2・・・”を取り込む(ボタン数だけ取り込む)。
【0059】
以上のステップS41からS43によって、固定ボタンの種類とその値(パスワードに相当)およびパスワードを含まない他の値を取り込むと共に、背景ボタンに配置する種類1”形”の値1、値2、・・・”と、種類2”色”の値1,値2・・・を取り込むことができたこととなる。
【0060】
次に、固定ボタンの種類とその値を乱数で配置する手順を詳細に説明する。
【0061】
ステップS43は、固定ボタンの種類とその値を決定し、乱数で配置を決定する。これは、例えばパスワードの1桁目の”2”(種類”数字”とその値”2”を表す)を固定ボタンのものと決定し、ボタン数3×3のうちのいずれに配置するかを乱数で決定する。例えば後述する図10の(a)の2番目(1,2)(1行目の左から右、2行目の左から右に1番目(1,1)、2番目(1,2)・・・と付与した場合)と乱数で決定する。
【0062】
ステップS44は、固定ボタンを除いた値の先頭から1つを選ぶ(次回は選ぶ先頭を1つシフトさせる)。これは、固定ボタンの値”2”を除いた、例えば値”1、3、4、5、6、7、8,9”の数列から先頭の”1”を1つ選ぶ。次回は、2番目の”3”を1つ選ぶことを繰り返す。
【0063】
ステップS45は、選択したものを乱数で配置を決定する(次回は決定されたものを除いたものから乱数で配置を決定する)。これは、ステップS44で固定ボタンが既に配置されているので、これを除いた位置に、ステップS44で選んだ値、1回目は値”1”を
乱数で決定する。2回目は1回目で配置された位置を更に除いた位置に、ステップS44で2回目に選んだ値”3”を乱数で配置することを繰り返す。
【0064】
以上のステップS43からS45によって、固定ボタンの種類”数字”とその値’2”をもとに、当該値”2”と、それ以外の値”1,3,4,5,6,7,8,9”とを乱数でボタン数3×3の任意の位置に配置(重複なしに配置)することが可能となる。これにより、毎回表示する毎に異なった位置に配置されることとなる。
【0065】
次に、同様に、背景ボタンの種類1とその値を乱数で配置する手順を詳細に説明する。
【0066】
ステップS46は、背景ボタンの種類1とその値を取り出す。例えばステップS42で取り出したうちの、種類1”形”とその値”☆(星)、○(丸)・・・”の9個(ボタン数と同じ数)を取り出す。
【0067】
ステップS47は、先頭から1つを選ぶ(次回は先頭を1つシフトさせる)。これは、
例えば種類1の値”☆(星)、○(丸)・・・・”の9個の数列から先頭の”☆(星)”を1つ選ぶ。次回は、2番目の”○(丸)”を1つ選ぶことを繰り返す。
【0068】
ステップS48は、選択したものを乱数で配置を決定する(次回は決定されたものを除いたものから乱数で配置を決定する)。これは、ステップS47で選んだ値、1回目は値”☆(星)”を乱数で、ボタン数3×3のうちのいずれに配置するかを決定する。例えば後述する図10の(a)の2番目(1,2)(1行目の左から右、2行目の左から右に1番目(1,1)、2番目(1,2)・・・と付与した場合)と決定する。
【0069】
以上のステップS46からS48によって、背景ボタンの種類1”形”とその値”☆(星)、○(丸)・・・”の9個をもとに、乱数でボタン数3×3の任意の位置に配置(重複なしに配置)することが可能となる。これにより、毎回表示する毎に異なった位置に種類1”形”の値”☆(星)、○(丸)・・・”の9個”がボタンに配置されることとなる。
【0070】
同様に、背景ボタンの種類2とその値を乱数で配置する手順を詳細に説明する。
【0071】
ステップS49は、背景ボタンの種類2とその値を取り出す。例えばステップS42で取り出したうちの、種類2”色”とその値”白、赤・・・・黒”の9個(ボタン数と同じ数)を取り出す。
【0072】
ステップS50は、先頭から1つを選ぶ(次回は先頭を1つシフトさせる)。これは、
例えば種類2の値”白、赤・・・・黒”の9個の数列から先頭の”白”を1つ選ぶ。次回は、2番目の”赤”を1つ選ぶことを繰り返す。
【0073】
ステップS51は、選択したものを乱数で配置を決定する(次回は決定されたものを除いたものから乱数で配置を決定する)。これは、ステップS50で選んだ値、1回目は値”白”を乱数で、ボタン数3×3のうちのいずれに配置するかを決定する。例えば後述する図10の(a)の2番目(1,2)(1行目の左から右、2行目の左から右に1番目(1,1)、2番目(1,2)・・・と付与した場合)と決定する。
【0074】
以上のステップS49からS51によって、背景ボタンの種類2”色”とその値”白、赤・・・・黒”の9個をもとに、乱数でボタン数3×3の任意の位置に配置(重複なしに配置)することが可能となる。これにより、毎回表示する毎に異なった位置に種類2”色”の値”白、赤・・・・黒”の9個”がボタンに配置されることとなる。
【0075】
ステップS52は、表示する。これは、ステップS43からS45で配置した1つの固定ボタン、ステップS46からS48、ステップS49からS51で配置した2つの背景ボタンの合計3つのボタンを重畳表示、例えば後述する図10の(a)の画面2上のボタン数3×3の各ボタンに重畳表示する。
【0076】
以上によって、3つの種類とその9個の値をそれぞれ乱数でボタン数3×3の任意の位置にそれぞれ配置して図10の(a)に示すよう重畳表示することが可能となる。これにより、利用者がいずれかのボタンを押下しても3つの種類の値が重畳表示されているのでいずれが正しいパスワードであるか判別できないと共に、パスワードの桁数に等しい図10の(a)のような画面を乱数で順次表示することで当該パスワードの桁数と同じ回数の選択入力でパスワードを利用者は簡易かつ迅速に入力することが可能となる。
【0077】
図8は、本発明の動作説明フローチャート(乱数:その2)を示す。ここで、図7は種類の値を2つ以上1つの画面に同時に表示することを許さなかったが、1つの画面に同時に同じ値を表示することを許す場合の乱数による手順を詳細に説明する。図中のステップS41、S42、S43、S45、S46、S48、S49、S51、S52は、既述した図7の同一番号のステップと同じであるので説明を省略する。
【0078】
図8において、ステップS44’は、図7のステップS44の代わりであって、固定ボタンの値をランダムに選ぶ。これにより、固定ボタンの値”2”と、その他の値”1,2,3,4,5,6,7,8,9”の9個から毎回、ランダムに選んだ1つの値を、ステップS45で乱数でボタン数3×3の該当位置に順次配置することにより、後述する図10の(b)に示すように、1つの画面上のボタン数3×3のボタン上に数字の値が重複(ここでは、値”2”が3つ同時に表示されることとなる(S52)。
【0079】
ステップS47’は、図7のステップS47の代わりであって、背景ボタン1の値をランダムに選ぶ。これにより、背景ボタン1の値”☆(星)、○(○)・・・・”の9個から毎回、ランダムに1つの値を選び、ステップS48で乱数でボタン数3×3の該当位置に配置することにより、後述する図10の(b)に示すように、1つの画面上のボタン数3×3のボタン上に背景ボタン1(種類”形”)の値が重複(ここでは、値”☆(星)”が3つ、値”○(丸)”が5つ同時に表示されることとなる(S52)。
【0080】
ステップS50’は、図7のステップS50の代わりであって、背景ボタン2の値をランダムに選ぶ。これにより、背景ボタン2の値”白、赤・・・黒”の9個から毎回、ランダムに1つの値を選び、ステップS51で乱数でボタン数3×3の該当位置に配置することにより、後述する図10の(b)に示すように、1つの画面上のボタン数3×3のボタン上に背景ボタン2(種類”色”)の値が重複(ここでは、値”白”が2つ、値”黒”が2つ同時に表示されることとなる(S52)。
【0081】
図9は、本発明の画面定義情報例(ユーザ1)を示す。これは、ユーザ1の画面定義情報16の例であって、既述した図5のユーザ1のボタン数、パスワードを取り出してわかり易く階層構造で表示したものであり、図示の下記の情報を階層構造でわかり易く表示したものである。
【0082】
・ボタン数:3×3(ボタン数が9、配置が3行3列を表す)
・数字:
・1
・2
・3
・・・
・形:
・☆(星)・・値1
・○(丸)・・値2
・・・
・楕円 ・・値9
・色:
・白・・値1
・赤・・値2
・・・
・黒・・値9
・その他(点線など)
ここで、ボタン数は、画面2に表示するボタンの数が9個、配置が3行3列を表し、例えば後述する図10の(a)のように配置することを表す。形は、種類1の例であって、その値1”☆(星)”、値2”○(丸)”・・・を表す。色は、種類2の例であって、その値1”白”、値2”赤”・・値9”黒”を表す。その他は、数字、形、色と重畳表示可能なその他の種類であって、例えば点線、一点鎖線、網掛けなどの種類がある。本発明では、2つ以上の種類を重畳表示すれば、利用者が重畳表示した2つ以上の種類のいずれの種類の値を選択(正しいパスワードとして選択)しているのか判別できないようにしている。
【0083】
図10は、本発明の画面例を示す。
【0084】
図10の(a)は値を重畳表示を許可しないで乱数で配置した場合の例を示し、図10の(b)は値の重畳表示を許可して乱数で配置した例を示す。図示の両者の例では、種類”数字”の値”1,2,3,4,5,6,7,8.9”、種類1”形”の値”☆(星)、○(丸)・・・・”、種類2”色”の値”白、赤・・・黒”をそれぞれ乱数で表示した例を示す(ただし、図10の(a)は値の重畳表示を許さないで乱数で配置、図10の(b)は値の重畳表示を許して乱数で配置)。
【0085】
ここで、図10の(a)の画面で、ユーザ定義情報”2、○、黒、4”の場合の正誤判定について以下説明する。ここでは、説明を簡単にするために、1つの画面で以下説明する。しかし、実際は、1回目、2回目、3回目、4回目の画面上の9個のボタンについて、3つの種類とその値を乱数でそれぞれ配置を決定して重畳表示するため、異なった画面となる(既述した図6、図7参照)。
【0086】
・1回目:2を含むボタンを利用者が押すと、パスワード入力が正と判定する。それ以外は誤と判定する。
【0087】
・2回目:○を含むボタンを利用者が押すと、パスワード入力が正と判定する。それ以外は誤と判定する。
【0088】
・3回目:黒を含むボタンを利用者が押すと、パスワード入力が正と判定する。それ以外は誤と判定する。
【0089】
・4回目:4を含むボタンを利用者が押すと、パスワード入力が正と判定する。それ以外は誤と判定する。
【0090】
・総合判定:1回目から4回目のいずれも正と判定されたときにパスワードの入力が正と判定し、それ以外は誤と判定する。
【0091】
ここで、図10の(b)の画面で、ユーザ定義情報”2、○、黒、4”の場合の正誤判定について以下説明する。
【0092】
・1回目:2を含むボタン(3つのいずれかのボタン)を利用者が押すと、パスワード入力が正と判定する。それ以外は誤と判定する。
【0093】
・2回目:○を含むボタン(5つのいずれかのボタン)を利用者が押すと、パスワード入力が正と判定する。それ以外は誤と判定する。
【0094】
・3回目:黒を含むボタン(2つのいずれかのボタン)を利用者が押すと、パスワード入力が正と判定する。それ以外は誤と判定する。
【0095】
・4回目:4を含むボタン(2つのいずれかのボタン)を利用者が押すと、パスワード入力が正と判定する。それ以外は誤と判定する。
【0096】
・総合判定:1回目から4回目のいずれも正と判定されたときにパスワードの入力が正と判定し、それ以外は誤と判定する。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明のシステム構成図である。
【図2】本発明の動作説明フローチャート(画面定義)である。
【図3】本発明の画面定義情報例である。
【図4】本発明の動作説明フローチャート(ユーザ定義情報)である。
【図5】本発明のユーザ定義情報例である。
【図6】本発明のユーザのパスワード入力時のフローチャートである。
【図7】本発明の動作説明フローチャート(乱数:その1)である。
【図8】本発明の動作説明フローチャート(乱数:その2)である。
【図9】本発明の画面定義情報(ユーザ1)例である。
【図10】本発明の画面例である。
【符号の説明】
【0098】
1:端末
11:定義情報登録手段
12:画面表示手段
13:固定ボタン表示手段
14:背景ボタン表示手段
15:乱数発生手段
16:画面定義情報
17:ユーザ定義情報
2:画面
3:入力手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面上に表示された情報中から秘匿情報を選択して入力する秘匿情報入力方法において、
重畳して表示可能な英数字、色、形を含む種類のうちのいずれか2つあるいは3つあるいはそれ以上の種類中の、秘匿情報としたい種類とその値を定義して、登録したユーザ定義情報を記憶域に記憶し、
コンピュータが備える手段が、
前記ユーザ定義情報を参照して定義された秘匿情報の種類とその値を取り出し、当該取り出した種類とその値と、当該種類の値を除いた他の複数の値中から乱数で生成した値とを、固定ボタンに表示する情報として生成するステップと、
前記固定ボタンの種類を除いた他の1つあるいは2つあるいはそれ以上の種類毎の複数の値中から乱数で生成した種類とその値を、背景ボタンに表示する情報として生成するステップと、
前記生成された固定ボタンに表示する情報および前記背景ボタンに表示する情報を、乱数で画面上の表示領域にそれぞれ割り当てて重畳表示するステップと
を実行することを特徴とする秘匿情報入力方法。
【請求項2】
前記定義された秘匿情報の順番に、前記固定ボタンおよび背景ボタンに表示する情報を生成して表示することを繰り返すことを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の秘匿情報入力方法。
【請求項3】
前記ユーザ定義情報は、ユーザ毎に登録したことを特徴とする請求項1から請求項2のいずれかに記載の秘匿情報入力方法。
【請求項4】
前記ユーザ定義情報中に、画面上に表示する表示領域の数を登録したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の秘匿情報入力方法。
【請求項5】
前記画面上に表示する表示領域の数、2つ以上の種類とその値の一覧を表示し、選択された表示領域の数、2つ以上の種類とその値を前記ユーザ定義情報に登録したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の秘匿情報入力方法。
【請求項6】
画面上に表示された情報中から秘匿情報を選択して入力する秘匿情報入力プログラムにおいて、
重畳して表示可能な英数字、色、形を含む種類のうちのいずれか2つあるいは3つあるいはそれ以上の種類中の、秘匿情報としたい種類とその値の入力順を定義して、登録したユーザ定義情報を記憶域に記憶し、
コンピュータに、
前記ユーザ定義情報を参照して定義された秘匿情報の種類とその値を取り出し、当該取り出した種類とその値と、当該種類の値を除いた他の複数の値中から乱数で生成した値とを、固定ボタンに表示する情報として生成するステップと、
前記固定ボタンの種類を除いた他の1つあるいは2つあるいはそれ以上の種類毎の複数の値中から乱数で生成した種類とその値を、背景ボタンに表示する情報として生成するステップと、
前記生成された固定ボタンに表示する情報および前記背景ボタンに表示する情報を、乱数で画面上の表示領域にそれぞれ割り当てて重畳表示するステップと
を実行させるための秘匿情報入力プログラム。
【請求項1】
画面上に表示された情報中から秘匿情報を選択して入力する秘匿情報入力方法において、
重畳して表示可能な英数字、色、形を含む種類のうちのいずれか2つあるいは3つあるいはそれ以上の種類中の、秘匿情報としたい種類とその値を定義して、登録したユーザ定義情報を記憶域に記憶し、
コンピュータが備える手段が、
前記ユーザ定義情報を参照して定義された秘匿情報の種類とその値を取り出し、当該取り出した種類とその値と、当該種類の値を除いた他の複数の値中から乱数で生成した値とを、固定ボタンに表示する情報として生成するステップと、
前記固定ボタンの種類を除いた他の1つあるいは2つあるいはそれ以上の種類毎の複数の値中から乱数で生成した種類とその値を、背景ボタンに表示する情報として生成するステップと、
前記生成された固定ボタンに表示する情報および前記背景ボタンに表示する情報を、乱数で画面上の表示領域にそれぞれ割り当てて重畳表示するステップと
を実行することを特徴とする秘匿情報入力方法。
【請求項2】
前記定義された秘匿情報の順番に、前記固定ボタンおよび背景ボタンに表示する情報を生成して表示することを繰り返すことを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の秘匿情報入力方法。
【請求項3】
前記ユーザ定義情報は、ユーザ毎に登録したことを特徴とする請求項1から請求項2のいずれかに記載の秘匿情報入力方法。
【請求項4】
前記ユーザ定義情報中に、画面上に表示する表示領域の数を登録したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の秘匿情報入力方法。
【請求項5】
前記画面上に表示する表示領域の数、2つ以上の種類とその値の一覧を表示し、選択された表示領域の数、2つ以上の種類とその値を前記ユーザ定義情報に登録したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の秘匿情報入力方法。
【請求項6】
画面上に表示された情報中から秘匿情報を選択して入力する秘匿情報入力プログラムにおいて、
重畳して表示可能な英数字、色、形を含む種類のうちのいずれか2つあるいは3つあるいはそれ以上の種類中の、秘匿情報としたい種類とその値の入力順を定義して、登録したユーザ定義情報を記憶域に記憶し、
コンピュータに、
前記ユーザ定義情報を参照して定義された秘匿情報の種類とその値を取り出し、当該取り出した種類とその値と、当該種類の値を除いた他の複数の値中から乱数で生成した値とを、固定ボタンに表示する情報として生成するステップと、
前記固定ボタンの種類を除いた他の1つあるいは2つあるいはそれ以上の種類毎の複数の値中から乱数で生成した種類とその値を、背景ボタンに表示する情報として生成するステップと、
前記生成された固定ボタンに表示する情報および前記背景ボタンに表示する情報を、乱数で画面上の表示領域にそれぞれ割り当てて重畳表示するステップと
を実行させるための秘匿情報入力プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−203840(P2012−203840A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−70470(P2011−70470)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(598057291)株式会社富士通エフサス (147)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(598057291)株式会社富士通エフサス (147)
【Fターム(参考)】
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