説明

秘密のマルチメディア・コンテンツへのアクセスを解除するシステム及びその方法

消費者向け電子装置(20)が質問器(36)及びタグ(42)を備える。また、タグ(42)は、無線通信装置(20)のアクセサリ(40)に付随している。タグ(42)は、無線通信装置(20)のメモリ(30)に格納された秘密のマルチメディア・コンテンツを識別する識別子を格納する。消費者向け電子装置(20)とアクセサリ(40)が接近すると、質問器(36)は、識別子を求めてタグを作動させる。消費者向け電子装置(20)に配置されたコンテンツ管理器(34)は、受信した識別子に基づいて秘密のマルチメディア・コンテンツを解除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的には無線通信装置に関し、より具体的にはメモリに格納された秘密のマルチメディア・コンテンツを有する無線通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信装置は多種多様なモデルの形で登場する。各モデルは、通常、ユーザに多様なマルチメディア・コンテンツを提供するように構成され、多彩なアクセリと組み合わせることができる。例えば、製造業者から提供される多くの装置は、和音着メロ、画像、又は映像が予めプログラムされており、多様なカバー、ヘッドセット、及び他の周辺装置に対応できるようになっている。さらに、多くの製造業者及びサードパーティベンダの少なくとも一方もまた、マルチメディア・コンテンツ及びアクセサリ装置を追随して提供しており、初めに無線通信装置を購入した後に、ユーザはそれらを購入してもよい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そのような多様性は便利である一方、いずれの個々の製造業者にとっても、自らの製品を競争相手の製品から差別化することが往々にして困難となる。したがって、製造業者が自らの製品を市場において差別化するのを助けるようなシステム及び方法が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、コンシューマ(消費者)向け電子装置のメモリに格納されてはいるがユーザには秘密の(隠された)マルチメディア・コンテンツを解除(使用可能に)するシステム及び方法を提供する。秘密のマルチメディア・コンテンツが解除されるか否かは、消費者向け装置に付随したアクセサリに付随する識別子に基づく。消費者向け装置は、例えば、無線通信装置であってもよい。アクセサリは、例えば、無線通信装置とともに使用されるカバー、充電器、又はハンズフリー・ヘッドセットであってもよい。
【0005】
消費者向け電子装置はインテロゲータ(質問器)及びコンテンツマネージャ(コンテンツ管理器)を備える。アクセサリには、それに一体化又は取り付けられたタグが付随する。タグ上の回路は、ユーザ装置に格納された秘密のマルチメディア・コンテンツを識別するための固有の識別子を格納する。秘密のマルチメディア・コンテンツは、秘密の命令、設定、プロフィール、アプリケーション、ゲーム、バックライト効果、ウェブサイトへのリンク、等を含んでもよい。質問器は、消費者向け電子装置とアクセサリが接近するとタグ回路を作動させる信号を発信する回路を含む。発信された信号に応じて、タグは、格納された識別子を質問器が取得することを許可する回路を作動させる。続いて、質問器は識別子をコンテンツ管理器に渡す。コンテンツ管理器は、識別子が有効か否かを判定するためにそれを検証し、有効な識別子に基づいて秘密のマルチメディア・コンテンツを解除する。
【0006】
一の実施形態では、タグ上の1個の識別子が秘密のマルチメディア・コンテンツ、例えば、ゲームなどの単一のインスタンスを識別する。他の実施形態では、1個の識別子が複数の秘密のマルチメディア・コンテンツ、例えば、ゲーム、スクリーンセイバ・アプリケーション、及び呼び出し音を識別する。さらに他の実施形態では、タグが、その各々が消費者向け電子装置上のメモリに格納された1つ以上の秘密のマルチメディア・コンテンツを識別する複数の識別子を含んでもよい。
【0007】
コンテンツ管理器は、タグから受け取った識別子が有効であると判定するまで、ユーザが秘密のマルチメディア・コンテンツを作動できないようにする。コンテンツ管理器は、識別子の有効性を判定するために、タグから受け取った識別子を消費者向け電子装置のメモリに格納された1つ又はそれ以上の識別子と比較してもよい。代替例として、コンテンツ管理器は、有効性を確認するのために通信網を介して識別子をバックエンドシステムへ送信してもよい。いずれにせよ、コンテンツ管理器は、有効性の確認が得られその識別子が有効と判定されると、識別された秘密のマルチメディア・コンテンツを解除する。コンテンツが解除されると、タグの存在に関係なく、ユーザはそのマルチメディア・コンテンツを自由に楽しむことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1及び2を参照して、本発明の一の実施形態に係るシステムについて説明する。本システムは、番号10により示される。図1及び図2に示すように、システム10は無線通信装置20及びアクセサリ40を含む。図1は、無線通信装置20及びアクセサリ40を、それぞれ携帯電話機及びそのカバーとして示している。しかしながら、当業者であるならば、本発明が携帯電話機のみに限定されるものではなく、通信能力の有無に関わらず、携帯情報端末(Personal Digital Assistant、PDA)、パームトップコンピュータ又はラップトップコンピュータ、衛星電話機等(もちろんこれらにのみ限れることはない)を含む、任意の消費者向け電子装置に適用可能であることを理解するであろう。同様に、本発明は、アクセサリがカバーのみに限定されるものではなく、無線通信装置20とともに使用可能又は付随可能な任意のアクセサリを含んでもよい。
【0009】
無線通信装置20はユーザインタフェース22、マイクロホン24、スピーカ26、コンテンツ管理器34、ディスプレイ28、秘密のマルチメディア・コンテンツを格納するメモリ30、及び質問器36を備える。無線通信装置20は、本技術分野で知られるその他の要素を含んでもよい。ユーザインタフェース22は無線通信装置20の表面に配置され、英数字キーボード及び、ジョイスティック、ボタン操作部、又はダイヤル等のその他の入力操作部を含み、操作者が数字をダイヤルしたり、コマンドを入力したり、メニューシステムからオプションを選択したりできるようにする。マイクロホン24はユーザの音声を電気的な音声信号に変換する。スピーカ26は、音声信号をユーザに聞き取れる可聴音に変換する。
【0010】
ディスプレイ28はユーザへのグラフィカルインタフェースを表示し、ユーザがダイヤルした数字、呼の状態、メニューオプション、及びその他のサービス情報を見ることができるようにする。グラフィカルインタフェースは、必要又は希望に応じて、アイコン、メニュー、ユーザに情報入力を促すメッセージ、及びその他の記号及び文字列の少なくとも1つを含んでもよい。メモリ30は無線通信装置20の全メモリ階層を表しており、ランダムアクセスメモリ及び読み取り専用メモリの両者を含んでもよい。無線通信装置20の動作に必要なコンピュータプログラム命令及びデータは、不揮発メモリに格納され、個別の装置として、積層装置として、又は制御装置(不図示)と一体化して、実装されてもよい。
【0011】
秘密のマルチメディア・コンテンツ32は、メモリ30に格納された1つ以上のデジタルファイルを示す。秘密のマルチメディア・コンテンツ32は、例えば、可聴音の提供に使用される音声ファイル、ユーザに対する表示用の映像ファイル又は画像ファイル、ユーザが呼び出し可能な多様なコマンドやアクション、設定ファイル、プロフィール、アプリケーションプログラム、ゲームプログラム、ウェブサイトへのリンク、ディスプレイのバックライト・スキーム、キーパッドのバックライト・スキームを格納したファイル等である。これらのファイルは、製造時にメモリ30に格納されてもよく、又は通信網を介して受信したりダウンロードしたりしてもよい。秘密のマルチメディア・コンテンツ32は、コンテンツ管理器34がユーザに提供するために当該コンテンツを解除するまでは、ユーザからは「秘密」に保たれる(即ち、メモリ中で不活性状態となる。)。したがって、ユーザは秘密のマルチメディア・コンテンツ32がメモリ30中にあることを知っていてもよいし、知らなくてもよい。
【0012】
コンテンツ管理器34は、1つの制御装置又は複数の制御装置中に実装された1つ以上の制御機能であってよく、ディスプレイ28、メモリ30、及び質問器36とインタフェースを有する。好適な制御装置は、汎用用途及び特定用途の両制御装置又はマイクロプロセッサを含むかもしれない。コンテンツ管理器34は、無線通信装置20において秘密のマルチメディア・コンテンツ32の格納、作動、及び運用を管理する。例えば、一の実施形態において、コンテンツ管理器34は、キャッシュメモリ又はメモリ30に格納された、秘密のマルチメディア・コンテンツ32及び秘密のマルチメディア・コンテンツ32が格納された記憶番地(アドレス)を識別する、情報にアクセスできる。コンテンツ管理器34は、秘密のマルチメディア・コンテンツ32をユーザが作動できないようにする(即ち、秘密のマルチメディア・コンテンツ32をロック(使用不能に)する。)。また、コンテンツ管理器34は、質問器36から受信した1つ以上の識別子の有効性の確認に基づいて、秘密のマルチメディア・コンテンツ32を解除、即ち、作動させるための1つ以上の制御信号を発生するように構成される。秘密のマルチメディア・コンテンツ32が解除されると、コンテンツ管理器34は秘密のマルチメディア・コンテンツ32をディスプレイ28及びスピーカ26の少なくとも一方でユーザに提供するための制御信号を発生してもよい。或いは、コンテンツ管理器34は、ユーザがその後自由にそのコンテンツにアクセスして使用できるよう、秘密のマルチメディア・コンテンツ32をメモリ30のあるエリアに配置してもよい。
【0013】
質問器36は、アクセサリ40のタグ42を作動させることができ、作動するタグ42から固有の識別子を読み取るか、又は、受信可能な任意の回路であってよい。識別子を取得すると、質問器36は、有効性を確認するためにその識別子をコンテンツ管理器34へ送信する。通常、質問器36は無線通信装置20の筐体中に組み込まれる。しかし、それが必須ではない。質問器36が別立ての構成要素であって、システムインタフェース(不図示)又はその他同様のポートを介して無線通信装置20に接続されてもよい。
【0014】
本発明の一の実施形態において、質問器36及びタグ42は、無線ICタグ(Radio Frequency identification、RFID)システムを備える。RFID技術の詳細に関して、興味のある読者は、米国国家標準局(American National Standard Institute、ANCI)刊RFID標準文献ANSI、INCITS、256−2001を参照されたい。ここではこれに言及するにとどめる。簡潔に言えば、RFIDは特定の無線周波数を介してデータを遠隔から格納したり、読み出したりする方法である。質問器30のようなRFID送受信機は、アンテナ、送受信機及び復号器を備える。RFID送受信機は、それが読み書きできるようにRFIDタグを作動させる信号を発信する。RFIDタグは、タグ42と同様に、アクセサリ40のような製品に取り付けたり、組み込んだりできる小さい物体である。RFIDタグはまた、RFID送受信機から送信された作動信号を受信したりそれに応答したりできるようにするアンテナを含む。RFIDタグがRFID送受信機の近くにあるときは、作動信号を検出しその識別子をRFID送受信機に送信する。RFID送受信機はその識別子を受信し、デコードして、デコードされたデータを処理するために制御装置(例えば、コンテンツ管理器34)に渡す。
【0015】
2つのタイプの受動型と能動型のRFIDタグがある。受動型タグは通常、10mmから5mの距離の範囲でRFID送受信機と通信できる。したがって、互いに近接しているとき、RFID送受信機はRFIDタグを読み取る。受動型タグは、その情報をRFID送受信機へ送信するために、発信された作動信号によってそのアンテナに発生された電流を利用する。したがって、自らの電源を必要としない。一方、能動型タグは、長距離を介してRFIDに情報を通信することができる。この能力には、能動型タグが自ら電源を持つ必要があろう。本実施形態では、タグ42は受動型タグを含む。このため製造業者は、タグ42をアクセサリ40に組み込んだり、又はタグ42をアクセサリ40の一面に付着したりできる。しかしながら、他の実施形態では、能動型タグを使用してもよい。
【0016】
図3は本発明の一の実施形態に係る方法を示す。ここでは、無線通信装置20(図1の携帯電話機)は、秘密のマルチメディア・コンテンツ32をユーザ用に解除するために、アクセサリ(図1のカバー)を使用する。アクセサリ40には固有の識別子を含むタグ42が組み込まれている。識別子は、メモリ30に格納された特定の秘密のマルチメディア・コンテンツ32を識別する。なお、識別子はコード化されなくてもよい。
【0017】
ユーザがアクセサリ40を無線通信装置20の近くに配置するとき(例えば、ユーザが携帯電話機にカバーをするとき)、質問器36からの作動信号が、タグ42に格納された識別子を質問器36に送信するために、タグ42を作動させる(ボックス50)。質問器36は次いで、もし必要ならば、識別子をデコードし、有効性を確認するために、その識別子をコンテンツ管理器34に送信する。これを受信すると、コンテンツ管理器34は、例えば、その識別子をメモリ30に格納された1つ以上の既知の識別子のリストと比較することにより、有効性を確認してもよい。本実施形態でのリストでは、有効な識別子を識別された秘密のマルチメディア・コンテンツ32が存在するメモリの番地又は番地群に対応させている。
【0018】
識別子が有効な(比較によって一致が明らかになった)場合、コンテンツ管理器34はその識別子に対応する記憶番地を取り出し、秘密のマルチメディア・コンテンツ32を解除又は作動させる(ボックス58)。コンテンツ管理器34は次いで、秘密のマルチメディア・コンテンツ32が解除された旨の通知をユーザに表示してもよい(ボックス60)。コンテンツ32が今や解除されたので、ユーザは質問器36がタグ42に近接しているか否かに関わらず、無線通信デバイス20に含まれるどのマルチメディア・コンテンツをも自由に使用することができる。例えば、秘密のマルチメディア・コンテンツ32が呼び出し音であったとすると、ユーザは解除された呼び出し音を呼の着信を知るために使用することができる。ユーザは無線通信装置20、即ち、質問器36を、タグ42の近くに保持する必要はない。同様に、解除されたコンテンツが画像又は映像データを含む場合は、ユーザは思いのまま自由にディスプレイ28上で画像又は映像データを見ることができる。ユーザはまた、それらが一旦解除されると、自由にコマンド、アプリケーション、バックライト・スキームを呼び出し、また各種設定又はプロフィールを使用することもできよう。
【0019】
このように、コンテンツ管理器34は、識別子をメモリ30に格納された識別子のリストと照合して有効性の確認を行う。しかしながら、これもまた図3に示される他の実施形態では、コンテンツ管理器34はさらに、秘密のマルチメディア・コンテンツ32を作動させるために識別子に併せて作動コードを使用してもよい。本実施形態では、リストはまた、リスト中の各識別子と関連する作動コードを含む。コンテンツ管理器34が受信識別子の有効性を確認すると、作動コードを入力させるようユーザに促すプロンプトをユーザに表示するようにしてもよい(ボックス54)。作動コードは、例えば、そのユーザのみが知る、メモリ30に格納された安全な個人識別番号(PIN)であってもよい。代替例として、作動コードは、製品資料に印刷されていてもよく、ウェブサイト又は通信網から装置20にダウンロードされてもよく、又はテレビジョン又はラジオを通して商業的に広告されてもよい。いずれにせよ、ユーザは希望する任意のやり方で1つ以上の作動コードを取得してよい。ユーザは作動コードを、ユーザインタフェース22を使用して入力してもよく、コンテンツ管理器34はその作動コードをリスト中のものと比較する。作動コードが有効であると(ボックス56)、コンテンツ管理器34は秘密のマルチメディア・コンテンツ32を解除し(ボックス58)、上述したようにユーザに通知してもよい(ボックス60)。
【0020】
図4及び5に示される他の実施形態では、無線通信装置20はまた通信インタフェース38を含む。通信インタフェース38は、例えば、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーション(GSM)、cdmaOne、cdma2000、UMTS、及び広帯域CDMAを含む。しかし、これらに限定されない何れかの既知規格に従って動作するフル機能の携帯無線送受信機であってもよい。同様に、通信網70は、基地局、移動交換局、及びホーム/在圏ロケーション・レジスタ等の種々のエンティティを含む無線通信網であってもよい。通信網70は、無線通信装置20をバックエンドシステム72と通信接続する。バックエンドシステム72は、サーバ74等のコンピュータ装置、及び、秘密のマルチメディア・コンテンツ32を解除するのに使用される有効な識別子及びその他の情報を格納するデータベース76を含む。本実施形態では、バックエンドシステム72が識別子の有効性を確認し、無線通信装置20にトークンを返す。
【0021】
図5は、図4の無線通信装置20を使用して実行される方法を示す。上述の実施形態と同様に、質問器36は、アクセサリ40及び無線通信装置20が互いに接近すると、タグ42を作動させる信号を発信する(ボックス80)。質問器36は、識別子をコンテンツ管理器34に送り、コンテンツ管理器は次いで、通信網70を介して識別子をサーバ72に送る(ボックス82)。サーバ72は、無線通信装置20から受信した識別子が有効か否かを判定するために、データベース76中の識別子を検索する。識別子が有効な場合(例えば、識別子が発見された場合)(ボックス84)、サーバ72は無線通信装置20にトークンを返す(ボックス86)。コンテンツ管理器34は、識別子及びトークンの少なくと一方に基づいて秘密のマルチメディア・コンテンツ32を解除し(ボックス88)、上述したようにユーザに通知してもよい(ボックス90)。
【0022】
無線通信装置20に送られたトークンは、例えば、作動コードであってもよい。無線通信装置20は次いで、上述したように、作動コードを秘密のマルチメディア・コンテンツ32を作動させるために使用することができよう。代替例として、トークンは単に応答メッセージ中の「許可」フラグ又は識別子それ自体の返送であってもよい。これらの場合、トークンはメモリ30に格納された情報を使用して秘密のマルチメディア・コンテンツ32を作動させるよう、コンテンツ管理器34に知らせる許可伝票(許可スリップ)の役を果たす。トークンの形式がどうであれ、コンテンツ管理器34は、識別子及び受信トークンの少なくとも一方に基づいて秘密のマルチメディア・コンテンツ32を解除する。
【0023】
図6及び7に示すように、他のアクセサリ装置に付随するタグが秘密のマルチメディア・コンテンツ32の解除に使用されてもよい。例えば、図6は、アクセサリ40が充電ユニットである、一の実施形態を示す。ユーザが無線通信装置20を充電装置に設置すると、質問器36がタグ42を作動させ、読み取る。次いで、コンテンツ管理器34又はバックエンドシステムが上述したように識別子の有効性を確認する。図7は、ハンズフリー・ヘッドセットとしてのアクセサリ40を示す。他の実施形態同様、ハンズフリー・ヘッドセットが無線通信装置20と接続されると、質問器36がタグ42を作動させ、識別子を読み取る。コンテンツ管理器34が、識別子を有効と判定すると、コンテンツ管理器は上述したように、秘密のマルチメディア・コンテンツ32を解除する。
【0024】
明細書及び図面では本発明を携帯電話機とカバーについて説明しているが、本発明が任意のタイプのアクセサリを使用する任意の消費者向け電子装置で使用できることを、当業者であれば容易に理解しよう。例えば、装置20は無線通信機能を具備しないPDAであってもよい。通信網70は、そのPDAを公衆又は私的IP網を介してサーバ74に接続するのに必要なインフラを含んでもよい。このようなタイプのインフラに含まれる要素はよく知られており、したがって、ここでは議論しない。これらの場合は、上述したように、コンテンツ管理器34が識別子を受信し、それをメモリ30に格納してもよい。後でユーザが、例えば、家庭のPCを介してPDAをインターネットに接続するとき、コンテンツ管理器34が、有効性を確認するため、格納された識別子をインターネット経由でサーバ74に送信することもできよう。
【0025】
他の実施形態では、通信網70が、装置20中の短距離送受信機がサーバ74と通信できるようにする短距離通信リンクを含んでもよい。同類の短距離送受信機が、例えば、アクセサリ販売店に設置されてもよい。ユーザがアクセサリを購入すると、装置20中の短距離送受信機と、識別子の有効性を確認するために店内に設置された同類の短距離送受信機との間に短距離通信リンクが確立されてもよい。店内の短距離送受信機が、秘密のマルチメディア・コンテンツ32を識別及び解除の少なくとも一方を行うためにコンテンツ管理器34にコードを返してもよい。
【0026】
さらに他の実施形態では、タグ42がアクセサリ装置に付随する必要は全くない。その代わりに、タグ42が、例えば、店内の壁又はキオスク(kiosk)等、どこか人目につくところに置かれてもよい。ユーザが店に入り、タグ42の位置を知り、自身の消費者向け電子装置をそのタグ42に近づけることができるとしよう。質問器36はそのタグを読み取ることができ、コンテンツ管理器34は、上述したように、秘密のマルチメディア・コンテンツ32の有効性を確認し、解除することができよう。
【0027】
以上説明したように、本発明は、識別子の受信及び有効性の確認に基づいて、秘密のマルチメディア・コンテンツ32を解除する。しかしながら、本発明は、1個の識別子を使用しての、呼び出し音を表す音声ファイル等の、1ファイルの秘密のマルチメディア・コンテンツの解除のみに限定されるものではない。他の実施形態では、1個の識別子が複数ファイルの秘密のマルチメディア・コンテンツの解除に使用されてもよい。例えば、ユーザは、映画関係のテーマを表すデザインをプリントしたアクセサリ40を購入してもよい(例えば、スパイダーマンがテーマのカバー)。ユーザが、そのカバーを電話機と組み合わせると、コンテンツ管理器34が、先に述べたように、識別子の有効性を確認し、スパイダーマン・テーマソングの呼び出し音を解除する。これに加えて、コンテンツ管理器34は、スパイダーマン・スクリーンセーバやスパイダーマン・ゲームを解除し、また、スパイダーマン呼び出し音及び解除されたスパイダーマン・ゲームの少なくとも一方でのユーザとのやり取りにディスプレイのバックライト及びキーパッドの少なくとも一方を同期させる、照明スキーム又はプログラムを解除してもよい。代替例として、タグ42が複数の識別子を含み、その各々が種々のスパイダーマン関連の秘密のマルチメディア・コンテンツのファイルを識別してもよい。コンテンツ管理器34が各々の識別子の有効性を確認すると、それぞれが識別したコンテンツを解除する。コンテンツ管理器34は、識別子の有効性を確認すると、指定された時間にわたって個々に、又は任意の組み合わせで、識別された秘密のマルチメディア・コンテンツ32を解除してもよい。
【0028】
さらに、コンテンツ管理器34は、秘密のマルチメディア・コンテンツ32の幾つか又は全ての解除を、指定された時間、遅らせてもよい。これは、例えば、ユーザが店に来るだけで、アクセサリ40を買わずに、装置20をアクセサリ40の近くに持っていって秘密のマルチメディア・コンテンツ32を解除することを防止する。この時間長は本発明には重要でないが、しかし、ユーザが装置20をアクセサリ40の近くにほんの僅かな時間持っていけばよいというようにならないよう、十分に長い値であることが好ましい。
【0029】
図8は、そのような実施形態の1つを示す。ここでは、ユーザがアクセサリ40を購入して、そのアクセサリ40を装置20に組み合わせるか又は接続する。コンテンツ管理器34は、上述したように、1つ以上の識別子の有効性を確認し(ボックス100)、もし識別子が有効であるとすると(ボックス102)、識別された秘密のマルチメディア・コンテンツ32を解除するのではなくタイマをスタートさせる(ボックス104)。タイマの指定時間は、例えば、製造業者が設定でき、装置20かシステム72かにある有効識別子リスト中に格納できよう。代替例として、質問器36がタグ42から1つ以上の識別子を読み取るときに、タイマ値を読み取ってもよい。コンテンツ管理器34は、タグ42を再読み取りする(ボックス106)よう質問器36に知らせるコマンドを、周期的に発生してもよい。識別子が有効でなくなると(例えば、装置20がアクセサリ40の近くから離れたか、又は識別子が変更された場合)(ボックス108)、コンテンツ管理器34はタイマを止め、識別子を破棄する。秘密のマルチメディア・コンテンツはロック状態に保たれよう。しかし、識別子が有効であり続けると(ボックス108)、タイマのカウントダウンが継続する。タイマが時間切れになると(ボックス110)、コンテンツ管理器34は秘密のマルチメディア・コンテンツ32をユーザのために、上述したように、解除することになろう(ボックス112)。一旦解除されると、装置20がアクセサリ40の近くにあるか否かに関わらず、ユーザは解除された何れのコンテンツをもアクセス又は使用できよう。
【0030】
同様に、1つのアクセサリ40をユーザ達が使い回しできないようにするために、ユーザ達に類似のセキュリティ機能を課しもよい。本実施形態では、システム72中のデータベース76が、購入ユーザにより既に作動済の旨、識別子に印を付ける表示を格納してもよい。その秘密のマルチメディア・コンテンツ32へのそれ以後の解除要求は、これらの印のついた識別子に基づいて拒絶可能となろう。
【0031】
本発明は、当然のことながら、本明細書で説明されたのとは別のやり方でも、本発明の本質的特性から逸脱することなく実施できよう。本発明の実施形態は、全ての観点において、例示のためのものであって限定のためのものではないとみなされるべきであり、添付の請求項の意味及び等価な範囲に納まる全ての変更は、本発明の範囲に含まれることを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一の実施形態に係る無線通信装置とそれに付随するアクセサリの斜視図である。
【図2】本発明の一の実施形態により構成された無線通信装置を示すブロック図である。
【図3】本発明の一の実施形態に係る無線通信装置に格納された秘密のマルチメディア・コンテンツを作動させる方法を示す図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る無線通信装置とバックエンドシステムを示すブロック図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る無線通信装置に格納された秘密のマルチメディア・コンテンツを作動させる方法を示す図である。
【図6】本発明の一の実施形態に係るアクセサリが秘密のマルチメディア・コンテンツを解除するタグを含む充電器の形態を示す図である。
【図7】本発明の一の実施形態に係るアクセサリが秘密のマルチメディア・コンテンツを解除するタグを含むハンドフリー・ヘッドセットでの形態を示す図である。
【図8】秘密のマルチメディア・コンテンツの解除が遅延される、他の実施形態を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費者向け電子装置(10)であって、
秘密のマルチメディア・コンテンツを格納するメモリ(30)と、
前記秘密のマルチメディア・コンテンツを識別する識別子を受信する質問器(36)と、
前記識別子に基づいて前記秘密のマルチメディア・コンテンツを解除するために、前記メモリ(30)と前記質問器(36)との通信を介して接続されたコンテンツ管理器(34)と
を備えることを特徴とする消費者向け電子装置。
【請求項2】
前記質問器(36)は、該質問器(36)が発した作動信号に応じた前記識別子を受信することを特徴とする請求項1に記載の消費者向け電子装置。
【請求項3】
前記識別子は、無線通信装置用のアクセサリ装置(40)に付随することを特徴とする請求項1に記載の消費者向け電子装置。
【請求項4】
前記識別子は、前記アクセサリ装置(40)に付随する無線周波数識別タグ(42)に格納された固有の識別コードであり、前記消費者向け電子装置(10)のメモリに格納された前記秘密のマルチメディア・コンテンツを識別することを特徴とする請求項3に記載の消費者向け電子装置。
【請求項5】
前記コンテンツ管理器(34)は、前記識別子の有効性を確認し、前記識別子が有効な場合に前記秘密のマルチメディア・コンテンツを解除することを特徴とする請求項1に記載の消費者向け電子装置。
【請求項6】
有効性を確認するために、前記識別子を通信網(70)を介してサーバ(72)に送信する送受信機(38)をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の消費者向け電子装置。
【請求項7】
前記コンテンツ管理器(34)は、前記サーバ(72)から返されたトークンに基づいて前記秘密のマルチメディア・コンテンツを解除することを特徴とする請求項6に記載の消費者向け電子装置。
【請求項8】
前記コンテンツ管理器(34)は、前記秘密のマルチメディア・コンテンツが解除されたことをユーザに知らせるメッセージを表示することを特徴とする請求項1に記載の消費者向け電子装置。
【請求項9】
前記コンテンツ管理器(34)は、前記識別子及びユーザによって入力された作動コードに基づいて前記秘密のマルチメディア・コンテンツを解除することを特徴とする請求項1に記載の消費者向け電子装置。
【請求項10】
前記コンテンツ管理器(34)は、有効性が確認された識別子に基づいてタイマを始動し、該タイマが時間切れになったときに前記秘密のマルチメディア・コンテンツを解除することを特徴とする請求項1に記載の消費者向け電子装置。
【請求項11】
前記コンテンツ管理器(34)は、前記タイマが時間切れになる前に、前記質問器(36)に対して周期的に前記識別子を再読み取りさせるコマンド信号を生成し、前記周期的に再読み取りされた識別子の有効性を確認することを特徴とする請求項10に記載の消費者向け電子装置。
【請求項12】
前記消費者向け電子装置(10)が携帯電話機を含むことを特徴とする請求項1に記載の消費者向け電子装置。
【請求項13】
消費者向け電子装置(10)において秘密のマルチメディア・コンテンツを解除する方法であって、
前記秘密のマルチメディア・コンテンツを消費者向け電子装置(10)のメモリ(30)に格納するステップと、
前記秘密のマルチメディア・コンテンツを識別する識別子を受信するステップと、
前記識別子に基づいて前記秘密のマルチメディア・コンテンツを解除するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
前記識別子を受信するステップは、前記消費者向け電子装置(10)によって送信された作動信号に応じた前記識別子を受信するステップを含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記識別子は、アクセサリ装置(40)に付随する無線ICタグ(42)に割り当てられた固有の識別子を含み、消費者向け電子装置(10)のメモリに格納された前記秘密のマルチメディア・コンテンツを個別に識別することを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項16】
有効性を確認するために、前記識別子を通信網(70)を介してサーバ(72)に送信するステップをさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記サーバ(72)によって前記消費者向け電子装置(10)に返されたトークンに基づいて前記秘密のマルチメディア・コンテンツを解除するステップをさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記受信した識別子が有効な場合に、前記秘密のマルチメディア・コンテンツを解除するステップをさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記秘密のマルチメディア・コンテンツが解除されたことをユーザに知らせるメッセージを表示するステップをさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記識別子及びユーザによって入力された作動コードに基づいて前記秘密のマルチメディア・コンテンツを解除するステップをさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項21】
タイマが時間切れになるまで、前記秘密のマルチメディア・コンテンツの解除を遅延させるステップをさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項22】
前記タイマが時間切れになるまでの間、前記識別子を周期的に受信し、該識別子の有効性を確認し直すステップをさらに含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
消費者向け電子装置(10)における秘密のマルチメディア・コンテンツを解除するシステムであって、
消費者向け電子装置(10)のメモリに格納された秘密のマルチメディア・コンテンツを識別する識別子を格納する第1のメンバと、
消費者向け電子装置(10)によって発せられた作動信号に応答して、前記第1のメンバから前記識別子を受信する第2のメンバと、
前記第2のメンバによって受信された前記識別子に基づいて前記秘密のマルチメディア・コンテンツを解除するコンテンツ管理器(34)と
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項24】
前記第1のメンバは、前記消費者向け電子装置用のアクセサリ(40)に付随し、
前記第2のメンバは、前記消費者向け電子装置(10)に付随することを特徴とする請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記第1のメンバは、無線周波数識別タグ(42)を含み、
前記第2メンバは、前記タグを読み取る無線周波数質問器(36)を含むことを特徴とする請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記コンテンツ管理器(34)は、前記受信した識別子が有効な場合に、前記秘密のマルチメディア・コンテンツを解除することを特徴とする請求項23に記載のシステム。
【請求項27】
前記消費者向け電子装置(10)は、前記受信した識別子を通信網(70)を介してサーバ(72)に送信する送受信機(38)を備えることを特徴とする請求項23に記載のシステム。
【請求項28】
前記サーバ(72)は、前記消費者向け電子装置(10)から受信した前記識別子の有効性を確認し、前記識別子の有効性に基づいて該消費者向け電子装置(10)にトークンを返すことを特徴とする請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記コンテンツ管理器(34)は、前記サーバ(72)から受信した前記トークンに基づいて前記秘密のマルチメディア・コンテンツを解除することを特徴とする請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記コンテンツ管理器(34)は、作動コードを入力するようユーザを促し、前記識別子及び該ユーザが入力した前記作動コードに基づいて前記秘密のマルチメディア・コンテンツを解除することを特徴とする請求項23に記載のシステム。
【請求項31】
前記コンテンツ管理器(34)は、タイマが時間切れになるまで、前記秘密のマルチメディア・コンテンツの解除を遅延させることを特徴とする請求項23に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−527801(P2008−527801A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−549347(P2007−549347)
【出願日】平成17年7月8日(2005.7.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/024702
【国際公開番号】WO2006/073489
【国際公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(502087507)ソニー エリクソン モバイル コミュニケーションズ, エービー (823)
【Fターム(参考)】