移動体への広告表示システム
【課題】 広告依頼主の経済的負担を少なくし、かつ広域および車両乗降口などの狭い空間のいずれに対しても効果的な広告を移動体搭載の表示装置に表示可能にすること。
【解決手段】 依頼主からの広告コンテンツをその表示条件と共に記憶する記憶手段と、記憶された広告コンテンツを運行時間帯別に読み出し、無線回線を含むネットワーク経由で広告掲載対象の移動体に向けて送信する送信手段とを備えた広告コンテンツ配信装置と、広告コンテンツ配信装置から受信した広告コンテンツを受信し、自移動体内の1または複数の表示装置に配信して表示させる表示制御手段を備える移動体搭載の制御装置とを備える。
【解決手段】 依頼主からの広告コンテンツをその表示条件と共に記憶する記憶手段と、記憶された広告コンテンツを運行時間帯別に読み出し、無線回線を含むネットワーク経由で広告掲載対象の移動体に向けて送信する送信手段とを備えた広告コンテンツ配信装置と、広告コンテンツ配信装置から受信した広告コンテンツを受信し、自移動体内の1または複数の表示装置に配信して表示させる表示制御手段を備える移動体搭載の制御装置とを備える。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、依頼主から依頼された広告情報を電車などの移動体に搭載の表示装置に無線回線およびインターネット等のネットワークを介して転送して表示させる移動体への広告表示システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来において、移動体、例えば電車における各車両の搭乗空間の一部に10数インチ程度のディスプレイを設け、このディスプレイに文字放送受信機により受信した各種の広告を掲載するといった広告形態が実施されている。また、特開平9−244566号公報に開示されているように、バスなどの移動体が通過する各店舗からの広告情報をその店舗の近くに移動体が通過した時点で、その店舗の広告情報を表示するようにした広告表示システムが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、文字放送受信機により広告を配信する前者の広告表示システムにあっては、放送電波の特性上、運転区間毎や駅毎、あるいは乗降口毎といったように狭い範囲で広告内容を異ならせることができない。したがって、後部車両乗降口付近では、この乗降口に近いAデパートの広告を表示し、前方車両乗降口付近ではこれに近いBデパートの広告を表示するといった、きめ細かで効果的な広告を表示できないという問題がある。これに対し、後者の広告表示システムにあっては、店舗に無線送信機を設置しなければならず、店舗の負担が増大し、しかも近距離の店舗が広告の発信源となった場合には、広告の表示時間が短くなり、期待する広告効果が得られないという問題がある。
【0004】本発明の目的は、広告依頼主の経済的負担を少なくし、かつ広域および車両乗降口などの狭い空間のいずれに対しても効果的な広告を移動体搭載の表示装置に表示させることができる移動体への広告表示システムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の広告表示システムは、広告コンテンツ配信装置と、移動体内の表示装置に広告コンテンツを表示させる移動体搭載の制御装置とからなり、前記広告コンテンツ配信装置が、依頼主から依頼された広告コンテンツをその表示条件と共に記憶する記憶手段と、記憶された広告コンテンツを運行時間帯別に読み出し、無線回線を含むネットワーク経由で広告掲載対象の移動体に向けて送信する送信手段とを備え、前記移動体搭載の制御装置が、前記広告コンテンツ配信装置から受信した広告コンテンツを受信し、自移動体内の1または複数の表示装置に配信して表示させる表示制御手段を備えることを特徴とする。
【0006】また、広告コンテンツ配信装置と、移動体内の表示装置に広告コンテンツを表示させる移動体搭載の制御装置と、広告コンテンツを作成し、送信するクライアント端末とからなり、前記クライアント端末が、広告コンテンツを作成すると共に、その表示条件を指定するコンテンツ作成手段と、作成した広告コンテンツに前記表示条件を付加して前記広告コンテンツ配信装置に送信する送信手段とを備え、前記広告コンテンツ配信装置が、前記クライアント端末から受信した広告コンテンツを当該広告コンテンツに付加された前記表示条件に従い編集し、記憶する記憶手段と、記憶された広告コンテンツを運行時間帯別に読み出し、無線回線を含むネットワーク経由で広告掲載対象の移動体に向けて送信する送信手段とを備え、前記移動体搭載の制御装置が、前記広告コンテンツ配信装置から受信した広告コンテンツを受信し、自移動体内に設けられた1または複数の表示装置に配信して表示させる表示制御手段を備えることを特徴とする。そして、前記表示条件として、広告掲載対象の移動体の運行時間帯、運行区間、掲載位置、次到着地のいずれかを含むことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施する場合の一形態を図面を参照して具体的に説明する。図1は、本発明の電車等の移動体への広告表示システムの一実施形態を示すシステム構成図である。図1に示すシステムは、一般の広告依頼主が使用するクライアントコンピュータ1Aおよび1B、専門の広告宣伝業者が使用するクライアントコンピュータ2と、システム保守管理者が使用するクライアントコンピュータ3とを備え、さらにインターネット5を介してクライアントコンピュータ1A、1B,2,3から受付けた広告情報(広告コンテンツ)を、指定された交通車両(ここでは飛行機、船舶を含むものとする)のディスプレイ制御装置に向けてインターネット5を介して送信するサーバ6と、このサーバ6から受信した広告情報を自交通車両に設置された対象となる表示装置に転送し、表示させるディスプレイ制御装置7〜10とを備えている。ここで、各クライアントコンピュータ1A,1B、2,3およびサーバ6、ディスプレイ制御装置7〜10は無線回線を含む通信回線によってインターネット5に接続可能に構成されている。
【0008】図2は、サーバ6の詳細を表すブロック図である。サーバ6は、キーボード20、マウス21、FD読取装置22、イメージスキャナ23、インターネット5との回線接続部24、CPU25、表示装置26、記憶装置27および外部記憶装置28で構成されている。キーボード20、マウス21は、依頼主からの広告表示依頼を画面を参照しながら直接入力するためのものである。基本的に依頼内容の入力はこれで行う。FD読取装置22は、依頼主からの広告内容がフロッピー(登録商標)ディスクによって持ち込まれた場合にその内容読み出すために使用するものである。イメージスキャナ23は依頼主からの広告内容が写真等の印刷物で持ち込まれた場合にその内容を読取るため使用するものである。
【0009】記憶装置27には、依頼主からの広告表示要求を受付け、予約を行うなどの各種のプログラムが用意されている。これらのプログラムは、利用者管理部271、コンテンツ表示予約・照会部272、コンテンツ模擬表示部273、課金情報管理部274、表示予約処理部275、コンテンツチェック部276、スケジューリング部277、ディスプレイ管理部278、表示情報同報配信部279、表示最適情報管理部280、主要母国語翻訳部281、条件検索部282、各種交通情報管理部283、世界カレンダー+時計284という各種の機能的なプログラムで構成されている。
【0010】また外部記憶装置28には、各種の管理テーブル群285、表示対象情報286、各種の交通情報287が記憶されている。利用者管理部271は、依頼主のID番号や名称、料金支払い方法など利用者ごとの個別情報を管理するものである。コンテンツ表示予約・照会部272は、依頼主からの広告表示要求に対し予約状況を調べ、予約がなければ予約登録をし、利用料金を算出して依頼主に請求する、などの処理を行うものである。コンテンツ模擬表示部273は、依頼主からの要求に応じて広告内容の模擬表示画像を生成し、依頼主のクライアントコンピュータ1A,1Bに返信するものである。
【0011】課金情報管理部274は、予約登録された表示要求に対する利用料金あるいは検索条件によって検索された表示要求に対する利用料金を算出するものである。表示予約処理部275は、新規の表示要求に対し他の表示要求が既に予約登録されている場合、該当する依頼主同士でのオークション処理を起動し、利用料金の高い方の依頼主の表示要求を選択し予約登録するものである。コンテンツチェック部276は、予約登録された表示内容の中に公序良俗に反するような表現、などの不適切な表現があるか否かをチェックし、不適切な表現が存在している場合には、表現を改めるように依頼主側に通知し、指定日までに表示内容が改められていない場合には予約を取消す、あるいは以後の表示要求を拒否するなどの処理を行うものである。スケジューリング部277は、1日の中で指定された時刻に、所定時間後に表示すべき予約が登録されているか否かを調べ、登録されている場合には、その予約登録された表示内容(コンテンツ)を該当する車両のディスプレイ制御装置に向けて表示情報同報配信部279から配信させるものである。
【0012】ディスプレイ管理部278は、予約登録された表示対象ディスプレイが正常に表示可能か否かをチェックを行い、可能であるならば対象ディスプレイに表示要求された内容を設定するものである。表示情報同報配信部279は、スケジューリング部277からの指示に従い、予約登録された表示内容(コンテンツ)を該当する車両のディスプレイ制御装置に向けて配信するものである。表示最適情報管理部280は、各車両内の表示装置の予約状況を調べ、予約が未登録の時間帯における各種交通手段の利用者階層情報を取得し、利用者階層に適合する表示内容を表示させるものである。主要母国語翻訳部281は、各車両内の表示装置に表示させるコンテンツを当該表示装置が設置された各種交通手段の母国語に翻訳するものである。
【0013】条件検索部282は、依頼主が広告を依頼する場合に、予算や表示希望条件に適合する表示装置の予約状況、利用料金を調べて依頼主に返信するものである。各種交通情報管理部283は、表示装置の設置された各種交通手段の情報を国別、交通手段別に管理するものである。世界カレンダー284は、複数の国の交通手段に対し同じ内容の広告を同時刻に表示する場合に、各国の標準時刻に合わせて表示させるためのものである。
【0014】図3は、各種交通手段のうち例えば電車の車両に搭載されるディスプレイ制御装置の実施形態を示すブロック構成図であり、キーボードやマウスからなる入力装置71、ディスプレイ72、無線回線を通じてインターネット5に接続するための回線制御部73、広告コンテンツやその表示処理プログラムを記憶する記憶装置74、CPU75、広告コンテンツを車両別に配信する伝送装置76を備えている。このディスプレイ制御装置7は、電車にあっては車掌室等の乗務員が常駐する位置に配置され、依頼主からの広告コンテンツの他に、事故があった場合の状況などの緊急連絡のメッセージを入力装置71から乗務員が入力することによって乗客に知らせることができるようになっている。
【0015】各車両には車両別表示制御装置77−1〜77−nが搭載される。この車両別表示制御装置77−1〜77−nは、伝送装置76から車両別の広告コンテンツを受信し、自車両内の複数の表示装置78に分配して表示させるものである。伝送装置76から伝送される車両別の広告コンテンツは、それを表示する表示装置番号と表示の開始コマンドまたは終了コマンドが付加されているので、車両別表示制御装置77−1〜77−nは受信した広告コンテンツを指定された表示装置番号の表示装置78に分配し、開始コマンドに従って表示を開始させ、また終了コマンドによって表示を終了させる。
【0016】本発明においては、表示装置毎に異なる広告コンテンツの内容を表示することができ、またその表示時間も異ならせることができる。したがって、後述するように、車両後部の乗降口付近に設置された表示装置と前方乗降口付近に設置された表示装置への表示内容と表示時間を異ならせ、各乗降口から乗降する乗客に適した広告表示を行うことができる。
【0017】図4は、広告の新規予約及び予約取消の対象を選択する新規予約画面40の例を示すものであり、「列車」、「飛行機」、「船」、「バス」の4つの種類の交通手段のうちいずれか1つをボタン41〜44によって選択すると、選択されたボタンの色が反転し選択状態となる。選択の後、画面下にある「新規予約」ボタン45または「予約取消」46を押下すると、図5の新規予約画面51に遷移し、それぞれの処理を行う。
【0018】図5は、図4の新規予約画面40で「列車」のボタン41を選択操作し、かつ「新規予約」ボタン45または「予約取消」ボタン46を操作した場合に遷移する画面である。まず、「依頼主名」、「依頼主メールアドレス」にそれぞれ依頼主の名前とメールアドレスを入力し、「お支払方法」には料金の支払方法を入力する。「広告希望期間」の「開始日」と「終了日」にはそれぞれ広告を出力する開始日と終了日を入力し、「予算」には予算の金額を入力する。「連携するほかのメディア」には出力する情報をほかのメディアと連携させるならばその連携するメディア(例えば形態電話機)を入力する。「国名」、「路線名」には広告コンテンツを出力する列車の国名とその路線名を入力する。「種類」、「詳細情報」、「ディスプレイ制御」はそれぞれ「参照」ボタンを押下することにより、それぞれ図6〜図8の画面61〜81に遷移し、そこで出力された情報を選択する。すべての情報を入力し終えたならば、画面下にある「新規予約」ボタン52を押下すると、新規の予約が完了する。新規予約によって後述する予約管理テーブル、電車テーブル等に予約情報が格納された後、画面上の予約番号表示欄53に、割振られた予約番号が表示される。予約取消を行う場合、図5の予約番号表示欄53に予約を取消したい予約番号を入力し、画面下の「条件検索」ボタン54を押下する。すると、該当の予約情報が図5のように表示される。そこで、「取消」ボタン55を押下し、予約の取消を行う。
【0019】図6は、対象の列車情報を参照するための画面61であり、図5で「種類」の「参照」ボタン56を押下した場合に遷移する画面である。ここでは、「国名」と「路線名」から該当するデータを一覧表示する。この一覧には、列車識別、車両番号、始発駅、始発時刻、終点駅、終点時刻、車両数といった情報が含まれている。その後、表示された情報から予約を行いたい車両を選択する。選択された車両は色が反転し選択状態となる。図6においては、網掛け部分の車両が予約車両として選択されたことを示している。選択の後、画面下にある「戻る」ボタン62を押下すると、図4の画面51に遷移し、選択した情報の列車識別が図5の「種類」の欄に表示される。図5においては、「山手線1013」が選択されて表示されていることを示している。
【0020】図7は、予約内容の詳細を入力する画面71を示すものであり、図5で「詳細情報」の「参照」ボタン57押下した場合に遷移する画面である。まず、「国名」、「路線名」、「種類」から対象列車が止まる駅情報を抽出し、画面に表示する。画面右上の「対象区間指定」の欄で広告の「開始駅名」、「終了駅名」をそれぞれ選択する。もしくは画面右下の「対象駅指定」の欄で「対象駅名」と「表示駅数」を選択、入力した後、画面下の「決定」ボタン72を押下する。すると、画面左の対象区間に選択情報が表示される。また「対象区間指定」、「対象駅指定」はそれぞれ片方に情報が入力されたときは、もう片方は情報の入力が不可となる。画面左の「対象車両」に広告出力の対象となる車両番号を入力する。図7においては、対象区間として「品川〜東京」が選択され、車両数として15両編成車両のうち1号車〜8号車が選択されたことを示している。詳細情報入力の後、画面下にある「戻る」ボタン73を押下すると、図5の画面51に遷移し、入力した詳細情報が図5の「詳細情報」の欄に表示される。この画面51で入力した情報は新規予約時に、電車テーブル(後述の図10)に格納される。
【0021】図8は、各車両ごとに広告を表示する表示装置を選択する画面81を示すものであり、図5の画面51で「ディスプレイ制御」の「参照」ボタン58を押下した場合に遷移する画面である。この画面81では、図5の「種類」と「対象車両」の情報に基づき、該当列車の広告出力対象開始車両の表示装置設置状況を図8のような略図として画面に出力する。画面の左右にはそれぞれ「前」、「後」というボタン82、83を押下すると、現在表示している車両の1つ前の車両、1つ後の車両に表示装置設置状況の略図に移動する。各車両の表示装置78にはその設置場所ごとに「A」、「B」、「C」、「D」といった具合に識別子が割振られており、広告を表示させたい表示装置を選択すると、色が反転し選択状態となる。選択の後、画面下にある「戻る」ボタン84を押下すると、図5の画面51に遷移する。これによって、車両のどの位置に設置された表示装置78に広告を表示するかが選択されたことになる。
【0022】図9は、予約管理テーブルを示した図であり、図5の画面51で入力した情報に従い、依頼主92、依頼主メールアドレス93、支払い方法94、広告希望期間開始日95、終了日96及び国名97が予約番号91と共に記憶される。図10は、予約された列車について広告を表示する車両と表示装置を管理する電車テーブルの構成を示すものであり、図5の画面51で入力した情報に従い、列車識別102、対象区間開始103、対象区間終了104、対象車両開始105、対象車両終了106、表示装置コード107が予約番号101と共に記憶される。表示装置コードとは、図8で示したA〜Dである。
【0023】図11は、サーバ6の外部記憶装置28に表示対象情報286として格納される広告コンテンツの全体構造を示す図であり、24時間を10分、30分といった時間帯で区切った時間帯の番号別に広告コンテンツが編集されて格納される。そして、各時間帯の広告コンテンツは、図11に「時間帯番号01」の例を代表して示しているように、区間番号別に整理された列車別広告コンテンツ1101と次着駅番号別に整理された列車別広告コンテンツ1102で構成されている。次着駅番号別の広告コンテンツとは、次に停車する駅に近づいた時に広告を行う方が効果的であるようなコンテンツであり、次の駅に近づいた場合、それまで表示されていた区間番号別の広告コンテンツが、次着駅番号別の広告コンテンツに切換えられる。なお、次の駅に近づいたかどうかは、例えば列車制御装置からの検知信号を利用することによって判定することができる。
【0024】各区間別の列車別広告コンテンツ1101は、図12に示すように、各車両の表示装置78に表示させる広告コンテンツ1201を車両番号別に区分し、かつ車両番号と表示装置コードとを対応付けて格納する構造になっている。この場合、表示期間1202の情報も表示装置コードに対応させて格納する構造になっている。次着駅別の列車別広告コンテンツ1102についても同様であり、図13に示すように、各車両の表示装置78に表示させる広告コンテンツ1201を車両番号別に区分し、かつ車両番号と表示装置コードとを対応付けて格納し、さらに表示期間1302の情報も対応付けて格納する構造になっている。
【0025】サーバ6は、このような構造の広告コンテンツを各運行時間帯の開始時刻に、当該時間帯で表示させる広告コンテンツが存在するか否かを図9の予約管理テーブルから検索し、存在する場合には該当する広告コンテンツを読み出し、列車識別(または列車番号)をヘッダ部分に付加してインターネット経由で各列車のディスプレイ制御装置7に送信する。各列車のディスプレイ制御装置7は、自列車に対する広告コンテンツをヘッダ部分の列車識別によって識別し、自列車に関する広告コンテンツのみを記憶装置74に格納する。
【0026】図14は、記憶装置74に広告コンテンツが格納された後のディスプレイ制御装置7の処理を示すフローチャートであり、まず、記憶装置74に格納された広告コンテンツに付加された表示期間1202,1302を検索し、その表示期間で指定された時間帯の開始時刻になっているコンテンツ(開始時刻≦現在時刻<終了時刻となっているコンテンツ)が存在するか否かを調べる(ステップ1401)。存在したならば、対応する広告コンテンツを表示装置コードと共に各車両の車両別表示制御装置77−1〜77−nに分配し、かつ表示開始コマンドを送信する(ステップ1402,1403)。すると、車両別表示制御装置77−1〜77−nは、表示装置コードで指定される表示装置78に対し表示すべき広告コンテンツを転送し、かつ表示開始コマンドを送る。これにより、各表示装置78では各広告コンテンツが表示される。この後、表示期間1202,1302で指定される時間帯の終了時刻になったコンテンツが存在するか否かを検索し(ステップ1404)、存在したならば、ディスプレイ制御装置7は該当する表示装置78に表示終了コマンドを送り(ステップ1405)、表示を終了させる。これにより、各車両の表示装置ごとに異なる広告コンテンツをそれぞれ異なる時間だけ表示させることができる。
【0027】図15は、同一列車で各駅ごとに表示内容を制御できることを示した図である。図15において、新宿駅を通過し渋谷駅へ向かう列車1501では渋谷駅付近の広告を表示している。一方、五反田駅より新宿駅に向かう列車1502の場合、五反田駅から渋谷駅までは渋谷駅付近の広告を表示し、渋谷駅を通過すると新宿駅までは新宿駅付近の広告を表示している。
【0028】図16は、同じ列車であっても時間帯ごとに表示内容を異ならせることができることを示した図である。図16において、通勤の時間帯である6時30分〜10時の間にはビジネスマンやOLを対象とした広告コンテンツを、そのあとの10時〜16時の間には買物の主婦等を対象とした広告コンテンツを、それぞれ表示する。これにより、それらのコンテンツに乗客の関心を集め、広告効果を向上させることが可能になる。
【0029】図17は、同じ列車内で車両ごとに広告コンテンツを異ならせることができることを示した図である。図17において、新宿駅東口が前車両寄り、新宿駅南口が後車両寄り、渋谷駅ハチ公口が中央車両寄りであった場合、前寄りの車両には新宿駅東口の広告を、後寄りの車両には新宿駅南口の広告を、中央寄りの車両には渋谷ハチ公口の広告を、それぞれ表示することにより、それらの広告に乗客の関心を集め、広告効果を高めることが可能になる。
【0030】図18は、他のメディアと連携して広告を行う場合の例を示す図である。上記のように各交通車両の表示装置78に表示されている広告コンテンツは、インターネット5を介して表示されているため、インターネット5を介するメディアならば同じように表示させることができる。他のメディアで表示させるためには、その広告コンテンツを配信しているWebページへのアクセスすればよく、そのアクセスの結果、各交通車両で表示されていた広告についてさらに詳細な情報を参照可能になる。図18においては、乗客が列車内で見た広告について降車後に携帯電話機を用いてWebページにアクセスし、詳細を参照していることを示している。
【0031】なお、各車両の表示制御装置から光信号または微弱電波で広告中のWebページのURLを携帯電話機等の携帯端末に転送するように構成することもできる。また、改札口にも同様のディスプレイ制御装置を設置することにより、改札口においても時間帯ごとに効果的な広告を表示させることができる。また、上記の説明では列車を例に挙げて説明したが、本発明は、飛行機、客船、バスなどの他の交通手段にも同様に適用できるものである。
【0032】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明によれば、(1)列車等の運行時間帯、運行区間、車両別、乗降口、次到着地別にきめ細かに効果的な広告を表示させることができる。同時に、世界各国を対象にした同時広告を行うこともできる。
(2)広告依頼主は無線送信機などの高価な機器を準備しなくてもよいため、経済的負担が減少する。
(3)広告依頼主が隣接していても、予約時間に従って効果的な広告を表示させることができるなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の広告表示システムの実施の形態を示すシステム構成図である。
【図2】サーバの構成図である。
【図3】車両搭載のディスプレイ制御装置の構成を示すブロック構成図である。
【図4】広告対象の交通手段を選択する新規予約画面を示す図である。
【図5】依頼主等の情報を入力する新規予約画面を示す図である。
【図6】広告対象の交通手段の詳細を選択する新規予約画面を示す図である。
【図7】広告対象の交通手段の対象区間等を選択する新規予約画面を示す図である。
【図8】広告対象の交通手段における表示装置を選択する新規予約画面を示す図である。
【図9】予約内容を格納する予約管理テーブルの構成図である。
【図10】列車毎の予約内容を格納する電車テーブルの構成図である。
【図11】広告コンテンツの全体構造を示す図である。
【図12】区間別広告コンテンツの構造を示す図である。
【図13】次着駅別広告コンテンツの構造を示す図である。
【図14】車両搭載のディスプレイ制御装置の処理を示すフローチャートである。
【図15】区間毎に広告内容を異ならせる形態を示す説明図である。
【図16】時間帯毎に広告内容を異ならせる形態を示す説明図である。
【図17】車両別に広告内容を異ならせる形態を示す説明図である。
【図18】他のメディアと連携して広告を行う形態を示す説明図である。
【符号の説明】
1A,1B、2、3…クライアントコンピュータ、5…インターネット、6…サーバ、7〜10…ディスプレイ制御装置、77−1〜77−n…車両別表示制御装置、78…表示装置。
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、依頼主から依頼された広告情報を電車などの移動体に搭載の表示装置に無線回線およびインターネット等のネットワークを介して転送して表示させる移動体への広告表示システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来において、移動体、例えば電車における各車両の搭乗空間の一部に10数インチ程度のディスプレイを設け、このディスプレイに文字放送受信機により受信した各種の広告を掲載するといった広告形態が実施されている。また、特開平9−244566号公報に開示されているように、バスなどの移動体が通過する各店舗からの広告情報をその店舗の近くに移動体が通過した時点で、その店舗の広告情報を表示するようにした広告表示システムが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、文字放送受信機により広告を配信する前者の広告表示システムにあっては、放送電波の特性上、運転区間毎や駅毎、あるいは乗降口毎といったように狭い範囲で広告内容を異ならせることができない。したがって、後部車両乗降口付近では、この乗降口に近いAデパートの広告を表示し、前方車両乗降口付近ではこれに近いBデパートの広告を表示するといった、きめ細かで効果的な広告を表示できないという問題がある。これに対し、後者の広告表示システムにあっては、店舗に無線送信機を設置しなければならず、店舗の負担が増大し、しかも近距離の店舗が広告の発信源となった場合には、広告の表示時間が短くなり、期待する広告効果が得られないという問題がある。
【0004】本発明の目的は、広告依頼主の経済的負担を少なくし、かつ広域および車両乗降口などの狭い空間のいずれに対しても効果的な広告を移動体搭載の表示装置に表示させることができる移動体への広告表示システムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の広告表示システムは、広告コンテンツ配信装置と、移動体内の表示装置に広告コンテンツを表示させる移動体搭載の制御装置とからなり、前記広告コンテンツ配信装置が、依頼主から依頼された広告コンテンツをその表示条件と共に記憶する記憶手段と、記憶された広告コンテンツを運行時間帯別に読み出し、無線回線を含むネットワーク経由で広告掲載対象の移動体に向けて送信する送信手段とを備え、前記移動体搭載の制御装置が、前記広告コンテンツ配信装置から受信した広告コンテンツを受信し、自移動体内の1または複数の表示装置に配信して表示させる表示制御手段を備えることを特徴とする。
【0006】また、広告コンテンツ配信装置と、移動体内の表示装置に広告コンテンツを表示させる移動体搭載の制御装置と、広告コンテンツを作成し、送信するクライアント端末とからなり、前記クライアント端末が、広告コンテンツを作成すると共に、その表示条件を指定するコンテンツ作成手段と、作成した広告コンテンツに前記表示条件を付加して前記広告コンテンツ配信装置に送信する送信手段とを備え、前記広告コンテンツ配信装置が、前記クライアント端末から受信した広告コンテンツを当該広告コンテンツに付加された前記表示条件に従い編集し、記憶する記憶手段と、記憶された広告コンテンツを運行時間帯別に読み出し、無線回線を含むネットワーク経由で広告掲載対象の移動体に向けて送信する送信手段とを備え、前記移動体搭載の制御装置が、前記広告コンテンツ配信装置から受信した広告コンテンツを受信し、自移動体内に設けられた1または複数の表示装置に配信して表示させる表示制御手段を備えることを特徴とする。そして、前記表示条件として、広告掲載対象の移動体の運行時間帯、運行区間、掲載位置、次到着地のいずれかを含むことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施する場合の一形態を図面を参照して具体的に説明する。図1は、本発明の電車等の移動体への広告表示システムの一実施形態を示すシステム構成図である。図1に示すシステムは、一般の広告依頼主が使用するクライアントコンピュータ1Aおよび1B、専門の広告宣伝業者が使用するクライアントコンピュータ2と、システム保守管理者が使用するクライアントコンピュータ3とを備え、さらにインターネット5を介してクライアントコンピュータ1A、1B,2,3から受付けた広告情報(広告コンテンツ)を、指定された交通車両(ここでは飛行機、船舶を含むものとする)のディスプレイ制御装置に向けてインターネット5を介して送信するサーバ6と、このサーバ6から受信した広告情報を自交通車両に設置された対象となる表示装置に転送し、表示させるディスプレイ制御装置7〜10とを備えている。ここで、各クライアントコンピュータ1A,1B、2,3およびサーバ6、ディスプレイ制御装置7〜10は無線回線を含む通信回線によってインターネット5に接続可能に構成されている。
【0008】図2は、サーバ6の詳細を表すブロック図である。サーバ6は、キーボード20、マウス21、FD読取装置22、イメージスキャナ23、インターネット5との回線接続部24、CPU25、表示装置26、記憶装置27および外部記憶装置28で構成されている。キーボード20、マウス21は、依頼主からの広告表示依頼を画面を参照しながら直接入力するためのものである。基本的に依頼内容の入力はこれで行う。FD読取装置22は、依頼主からの広告内容がフロッピー(登録商標)ディスクによって持ち込まれた場合にその内容読み出すために使用するものである。イメージスキャナ23は依頼主からの広告内容が写真等の印刷物で持ち込まれた場合にその内容を読取るため使用するものである。
【0009】記憶装置27には、依頼主からの広告表示要求を受付け、予約を行うなどの各種のプログラムが用意されている。これらのプログラムは、利用者管理部271、コンテンツ表示予約・照会部272、コンテンツ模擬表示部273、課金情報管理部274、表示予約処理部275、コンテンツチェック部276、スケジューリング部277、ディスプレイ管理部278、表示情報同報配信部279、表示最適情報管理部280、主要母国語翻訳部281、条件検索部282、各種交通情報管理部283、世界カレンダー+時計284という各種の機能的なプログラムで構成されている。
【0010】また外部記憶装置28には、各種の管理テーブル群285、表示対象情報286、各種の交通情報287が記憶されている。利用者管理部271は、依頼主のID番号や名称、料金支払い方法など利用者ごとの個別情報を管理するものである。コンテンツ表示予約・照会部272は、依頼主からの広告表示要求に対し予約状況を調べ、予約がなければ予約登録をし、利用料金を算出して依頼主に請求する、などの処理を行うものである。コンテンツ模擬表示部273は、依頼主からの要求に応じて広告内容の模擬表示画像を生成し、依頼主のクライアントコンピュータ1A,1Bに返信するものである。
【0011】課金情報管理部274は、予約登録された表示要求に対する利用料金あるいは検索条件によって検索された表示要求に対する利用料金を算出するものである。表示予約処理部275は、新規の表示要求に対し他の表示要求が既に予約登録されている場合、該当する依頼主同士でのオークション処理を起動し、利用料金の高い方の依頼主の表示要求を選択し予約登録するものである。コンテンツチェック部276は、予約登録された表示内容の中に公序良俗に反するような表現、などの不適切な表現があるか否かをチェックし、不適切な表現が存在している場合には、表現を改めるように依頼主側に通知し、指定日までに表示内容が改められていない場合には予約を取消す、あるいは以後の表示要求を拒否するなどの処理を行うものである。スケジューリング部277は、1日の中で指定された時刻に、所定時間後に表示すべき予約が登録されているか否かを調べ、登録されている場合には、その予約登録された表示内容(コンテンツ)を該当する車両のディスプレイ制御装置に向けて表示情報同報配信部279から配信させるものである。
【0012】ディスプレイ管理部278は、予約登録された表示対象ディスプレイが正常に表示可能か否かをチェックを行い、可能であるならば対象ディスプレイに表示要求された内容を設定するものである。表示情報同報配信部279は、スケジューリング部277からの指示に従い、予約登録された表示内容(コンテンツ)を該当する車両のディスプレイ制御装置に向けて配信するものである。表示最適情報管理部280は、各車両内の表示装置の予約状況を調べ、予約が未登録の時間帯における各種交通手段の利用者階層情報を取得し、利用者階層に適合する表示内容を表示させるものである。主要母国語翻訳部281は、各車両内の表示装置に表示させるコンテンツを当該表示装置が設置された各種交通手段の母国語に翻訳するものである。
【0013】条件検索部282は、依頼主が広告を依頼する場合に、予算や表示希望条件に適合する表示装置の予約状況、利用料金を調べて依頼主に返信するものである。各種交通情報管理部283は、表示装置の設置された各種交通手段の情報を国別、交通手段別に管理するものである。世界カレンダー284は、複数の国の交通手段に対し同じ内容の広告を同時刻に表示する場合に、各国の標準時刻に合わせて表示させるためのものである。
【0014】図3は、各種交通手段のうち例えば電車の車両に搭載されるディスプレイ制御装置の実施形態を示すブロック構成図であり、キーボードやマウスからなる入力装置71、ディスプレイ72、無線回線を通じてインターネット5に接続するための回線制御部73、広告コンテンツやその表示処理プログラムを記憶する記憶装置74、CPU75、広告コンテンツを車両別に配信する伝送装置76を備えている。このディスプレイ制御装置7は、電車にあっては車掌室等の乗務員が常駐する位置に配置され、依頼主からの広告コンテンツの他に、事故があった場合の状況などの緊急連絡のメッセージを入力装置71から乗務員が入力することによって乗客に知らせることができるようになっている。
【0015】各車両には車両別表示制御装置77−1〜77−nが搭載される。この車両別表示制御装置77−1〜77−nは、伝送装置76から車両別の広告コンテンツを受信し、自車両内の複数の表示装置78に分配して表示させるものである。伝送装置76から伝送される車両別の広告コンテンツは、それを表示する表示装置番号と表示の開始コマンドまたは終了コマンドが付加されているので、車両別表示制御装置77−1〜77−nは受信した広告コンテンツを指定された表示装置番号の表示装置78に分配し、開始コマンドに従って表示を開始させ、また終了コマンドによって表示を終了させる。
【0016】本発明においては、表示装置毎に異なる広告コンテンツの内容を表示することができ、またその表示時間も異ならせることができる。したがって、後述するように、車両後部の乗降口付近に設置された表示装置と前方乗降口付近に設置された表示装置への表示内容と表示時間を異ならせ、各乗降口から乗降する乗客に適した広告表示を行うことができる。
【0017】図4は、広告の新規予約及び予約取消の対象を選択する新規予約画面40の例を示すものであり、「列車」、「飛行機」、「船」、「バス」の4つの種類の交通手段のうちいずれか1つをボタン41〜44によって選択すると、選択されたボタンの色が反転し選択状態となる。選択の後、画面下にある「新規予約」ボタン45または「予約取消」46を押下すると、図5の新規予約画面51に遷移し、それぞれの処理を行う。
【0018】図5は、図4の新規予約画面40で「列車」のボタン41を選択操作し、かつ「新規予約」ボタン45または「予約取消」ボタン46を操作した場合に遷移する画面である。まず、「依頼主名」、「依頼主メールアドレス」にそれぞれ依頼主の名前とメールアドレスを入力し、「お支払方法」には料金の支払方法を入力する。「広告希望期間」の「開始日」と「終了日」にはそれぞれ広告を出力する開始日と終了日を入力し、「予算」には予算の金額を入力する。「連携するほかのメディア」には出力する情報をほかのメディアと連携させるならばその連携するメディア(例えば形態電話機)を入力する。「国名」、「路線名」には広告コンテンツを出力する列車の国名とその路線名を入力する。「種類」、「詳細情報」、「ディスプレイ制御」はそれぞれ「参照」ボタンを押下することにより、それぞれ図6〜図8の画面61〜81に遷移し、そこで出力された情報を選択する。すべての情報を入力し終えたならば、画面下にある「新規予約」ボタン52を押下すると、新規の予約が完了する。新規予約によって後述する予約管理テーブル、電車テーブル等に予約情報が格納された後、画面上の予約番号表示欄53に、割振られた予約番号が表示される。予約取消を行う場合、図5の予約番号表示欄53に予約を取消したい予約番号を入力し、画面下の「条件検索」ボタン54を押下する。すると、該当の予約情報が図5のように表示される。そこで、「取消」ボタン55を押下し、予約の取消を行う。
【0019】図6は、対象の列車情報を参照するための画面61であり、図5で「種類」の「参照」ボタン56を押下した場合に遷移する画面である。ここでは、「国名」と「路線名」から該当するデータを一覧表示する。この一覧には、列車識別、車両番号、始発駅、始発時刻、終点駅、終点時刻、車両数といった情報が含まれている。その後、表示された情報から予約を行いたい車両を選択する。選択された車両は色が反転し選択状態となる。図6においては、網掛け部分の車両が予約車両として選択されたことを示している。選択の後、画面下にある「戻る」ボタン62を押下すると、図4の画面51に遷移し、選択した情報の列車識別が図5の「種類」の欄に表示される。図5においては、「山手線1013」が選択されて表示されていることを示している。
【0020】図7は、予約内容の詳細を入力する画面71を示すものであり、図5で「詳細情報」の「参照」ボタン57押下した場合に遷移する画面である。まず、「国名」、「路線名」、「種類」から対象列車が止まる駅情報を抽出し、画面に表示する。画面右上の「対象区間指定」の欄で広告の「開始駅名」、「終了駅名」をそれぞれ選択する。もしくは画面右下の「対象駅指定」の欄で「対象駅名」と「表示駅数」を選択、入力した後、画面下の「決定」ボタン72を押下する。すると、画面左の対象区間に選択情報が表示される。また「対象区間指定」、「対象駅指定」はそれぞれ片方に情報が入力されたときは、もう片方は情報の入力が不可となる。画面左の「対象車両」に広告出力の対象となる車両番号を入力する。図7においては、対象区間として「品川〜東京」が選択され、車両数として15両編成車両のうち1号車〜8号車が選択されたことを示している。詳細情報入力の後、画面下にある「戻る」ボタン73を押下すると、図5の画面51に遷移し、入力した詳細情報が図5の「詳細情報」の欄に表示される。この画面51で入力した情報は新規予約時に、電車テーブル(後述の図10)に格納される。
【0021】図8は、各車両ごとに広告を表示する表示装置を選択する画面81を示すものであり、図5の画面51で「ディスプレイ制御」の「参照」ボタン58を押下した場合に遷移する画面である。この画面81では、図5の「種類」と「対象車両」の情報に基づき、該当列車の広告出力対象開始車両の表示装置設置状況を図8のような略図として画面に出力する。画面の左右にはそれぞれ「前」、「後」というボタン82、83を押下すると、現在表示している車両の1つ前の車両、1つ後の車両に表示装置設置状況の略図に移動する。各車両の表示装置78にはその設置場所ごとに「A」、「B」、「C」、「D」といった具合に識別子が割振られており、広告を表示させたい表示装置を選択すると、色が反転し選択状態となる。選択の後、画面下にある「戻る」ボタン84を押下すると、図5の画面51に遷移する。これによって、車両のどの位置に設置された表示装置78に広告を表示するかが選択されたことになる。
【0022】図9は、予約管理テーブルを示した図であり、図5の画面51で入力した情報に従い、依頼主92、依頼主メールアドレス93、支払い方法94、広告希望期間開始日95、終了日96及び国名97が予約番号91と共に記憶される。図10は、予約された列車について広告を表示する車両と表示装置を管理する電車テーブルの構成を示すものであり、図5の画面51で入力した情報に従い、列車識別102、対象区間開始103、対象区間終了104、対象車両開始105、対象車両終了106、表示装置コード107が予約番号101と共に記憶される。表示装置コードとは、図8で示したA〜Dである。
【0023】図11は、サーバ6の外部記憶装置28に表示対象情報286として格納される広告コンテンツの全体構造を示す図であり、24時間を10分、30分といった時間帯で区切った時間帯の番号別に広告コンテンツが編集されて格納される。そして、各時間帯の広告コンテンツは、図11に「時間帯番号01」の例を代表して示しているように、区間番号別に整理された列車別広告コンテンツ1101と次着駅番号別に整理された列車別広告コンテンツ1102で構成されている。次着駅番号別の広告コンテンツとは、次に停車する駅に近づいた時に広告を行う方が効果的であるようなコンテンツであり、次の駅に近づいた場合、それまで表示されていた区間番号別の広告コンテンツが、次着駅番号別の広告コンテンツに切換えられる。なお、次の駅に近づいたかどうかは、例えば列車制御装置からの検知信号を利用することによって判定することができる。
【0024】各区間別の列車別広告コンテンツ1101は、図12に示すように、各車両の表示装置78に表示させる広告コンテンツ1201を車両番号別に区分し、かつ車両番号と表示装置コードとを対応付けて格納する構造になっている。この場合、表示期間1202の情報も表示装置コードに対応させて格納する構造になっている。次着駅別の列車別広告コンテンツ1102についても同様であり、図13に示すように、各車両の表示装置78に表示させる広告コンテンツ1201を車両番号別に区分し、かつ車両番号と表示装置コードとを対応付けて格納し、さらに表示期間1302の情報も対応付けて格納する構造になっている。
【0025】サーバ6は、このような構造の広告コンテンツを各運行時間帯の開始時刻に、当該時間帯で表示させる広告コンテンツが存在するか否かを図9の予約管理テーブルから検索し、存在する場合には該当する広告コンテンツを読み出し、列車識別(または列車番号)をヘッダ部分に付加してインターネット経由で各列車のディスプレイ制御装置7に送信する。各列車のディスプレイ制御装置7は、自列車に対する広告コンテンツをヘッダ部分の列車識別によって識別し、自列車に関する広告コンテンツのみを記憶装置74に格納する。
【0026】図14は、記憶装置74に広告コンテンツが格納された後のディスプレイ制御装置7の処理を示すフローチャートであり、まず、記憶装置74に格納された広告コンテンツに付加された表示期間1202,1302を検索し、その表示期間で指定された時間帯の開始時刻になっているコンテンツ(開始時刻≦現在時刻<終了時刻となっているコンテンツ)が存在するか否かを調べる(ステップ1401)。存在したならば、対応する広告コンテンツを表示装置コードと共に各車両の車両別表示制御装置77−1〜77−nに分配し、かつ表示開始コマンドを送信する(ステップ1402,1403)。すると、車両別表示制御装置77−1〜77−nは、表示装置コードで指定される表示装置78に対し表示すべき広告コンテンツを転送し、かつ表示開始コマンドを送る。これにより、各表示装置78では各広告コンテンツが表示される。この後、表示期間1202,1302で指定される時間帯の終了時刻になったコンテンツが存在するか否かを検索し(ステップ1404)、存在したならば、ディスプレイ制御装置7は該当する表示装置78に表示終了コマンドを送り(ステップ1405)、表示を終了させる。これにより、各車両の表示装置ごとに異なる広告コンテンツをそれぞれ異なる時間だけ表示させることができる。
【0027】図15は、同一列車で各駅ごとに表示内容を制御できることを示した図である。図15において、新宿駅を通過し渋谷駅へ向かう列車1501では渋谷駅付近の広告を表示している。一方、五反田駅より新宿駅に向かう列車1502の場合、五反田駅から渋谷駅までは渋谷駅付近の広告を表示し、渋谷駅を通過すると新宿駅までは新宿駅付近の広告を表示している。
【0028】図16は、同じ列車であっても時間帯ごとに表示内容を異ならせることができることを示した図である。図16において、通勤の時間帯である6時30分〜10時の間にはビジネスマンやOLを対象とした広告コンテンツを、そのあとの10時〜16時の間には買物の主婦等を対象とした広告コンテンツを、それぞれ表示する。これにより、それらのコンテンツに乗客の関心を集め、広告効果を向上させることが可能になる。
【0029】図17は、同じ列車内で車両ごとに広告コンテンツを異ならせることができることを示した図である。図17において、新宿駅東口が前車両寄り、新宿駅南口が後車両寄り、渋谷駅ハチ公口が中央車両寄りであった場合、前寄りの車両には新宿駅東口の広告を、後寄りの車両には新宿駅南口の広告を、中央寄りの車両には渋谷ハチ公口の広告を、それぞれ表示することにより、それらの広告に乗客の関心を集め、広告効果を高めることが可能になる。
【0030】図18は、他のメディアと連携して広告を行う場合の例を示す図である。上記のように各交通車両の表示装置78に表示されている広告コンテンツは、インターネット5を介して表示されているため、インターネット5を介するメディアならば同じように表示させることができる。他のメディアで表示させるためには、その広告コンテンツを配信しているWebページへのアクセスすればよく、そのアクセスの結果、各交通車両で表示されていた広告についてさらに詳細な情報を参照可能になる。図18においては、乗客が列車内で見た広告について降車後に携帯電話機を用いてWebページにアクセスし、詳細を参照していることを示している。
【0031】なお、各車両の表示制御装置から光信号または微弱電波で広告中のWebページのURLを携帯電話機等の携帯端末に転送するように構成することもできる。また、改札口にも同様のディスプレイ制御装置を設置することにより、改札口においても時間帯ごとに効果的な広告を表示させることができる。また、上記の説明では列車を例に挙げて説明したが、本発明は、飛行機、客船、バスなどの他の交通手段にも同様に適用できるものである。
【0032】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明によれば、(1)列車等の運行時間帯、運行区間、車両別、乗降口、次到着地別にきめ細かに効果的な広告を表示させることができる。同時に、世界各国を対象にした同時広告を行うこともできる。
(2)広告依頼主は無線送信機などの高価な機器を準備しなくてもよいため、経済的負担が減少する。
(3)広告依頼主が隣接していても、予約時間に従って効果的な広告を表示させることができるなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の広告表示システムの実施の形態を示すシステム構成図である。
【図2】サーバの構成図である。
【図3】車両搭載のディスプレイ制御装置の構成を示すブロック構成図である。
【図4】広告対象の交通手段を選択する新規予約画面を示す図である。
【図5】依頼主等の情報を入力する新規予約画面を示す図である。
【図6】広告対象の交通手段の詳細を選択する新規予約画面を示す図である。
【図7】広告対象の交通手段の対象区間等を選択する新規予約画面を示す図である。
【図8】広告対象の交通手段における表示装置を選択する新規予約画面を示す図である。
【図9】予約内容を格納する予約管理テーブルの構成図である。
【図10】列車毎の予約内容を格納する電車テーブルの構成図である。
【図11】広告コンテンツの全体構造を示す図である。
【図12】区間別広告コンテンツの構造を示す図である。
【図13】次着駅別広告コンテンツの構造を示す図である。
【図14】車両搭載のディスプレイ制御装置の処理を示すフローチャートである。
【図15】区間毎に広告内容を異ならせる形態を示す説明図である。
【図16】時間帯毎に広告内容を異ならせる形態を示す説明図である。
【図17】車両別に広告内容を異ならせる形態を示す説明図である。
【図18】他のメディアと連携して広告を行う形態を示す説明図である。
【符号の説明】
1A,1B、2、3…クライアントコンピュータ、5…インターネット、6…サーバ、7〜10…ディスプレイ制御装置、77−1〜77−n…車両別表示制御装置、78…表示装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 依頼主から依頼された広告情報を電車などの移動体に搭載の表示装置に転送して表示させる移動体への広告表示システムであって、広告コンテンツ配信装置と、移動体内の表示装置に広告コンテンツを表示させる移動体搭載の制御装置とからなり、前記広告コンテンツ配信装置が、依頼主から依頼された広告コンテンツをその表示条件と共に記憶する記憶手段と、記憶された広告コンテンツを運行時間帯別に読み出し、無線回線を含むネットワーク経由で広告掲載対象の移動体に向けて送信する送信手段とを備え、前記移動体搭載の制御装置が、前記広告コンテンツ配信装置から受信した広告コンテンツを受信し、自移動体内の1または複数の表示装置に配信して表示させる表示制御手段を備えることを特徴とする移動体への広告表示システム。
【請求項2】 依頼主から依頼された広告情報を電車などの移動体に搭載の表示装置に転送して表示させる移動体への広告表示システムであって、広告コンテンツ配信装置と、移動体内の表示装置に広告コンテンツを表示させる移動体搭載の制御装置と、広告コンテンツを作成し、送信するクライアント端末とからなり、前記クライアント端末が、広告コンテンツを作成すると共に、その表示条件を指定するコンテンツ作成手段と、作成した広告コンテンツに前記表示条件を付加して前記広告コンテンツ配信装置に送信する送信手段とを備え、前記広告コンテンツ配信装置が、前記クライアント端末から受信した広告コンテンツを当該広告コンテンツに付加された前記表示条件に従い編集し、記憶する記憶手段と、記憶された広告コンテンツを運行時間帯別に読み出し、無線回線を含むネットワーク経由で広告掲載対象の移動体に向けて送信する送信手段とを備え、前記移動体搭載の制御装置が、前記広告コンテンツ配信装置から受信した広告コンテンツを受信し、自移動体内に設けられた1または複数の表示装置に配信して表示させる表示制御手段を備えることを特徴とする移動体への広告表示システム。
【請求項3】 前記表示条件として、広告掲載対象の移動体の運行時間帯、運行区間、掲載位置、次到着地のいずれかを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の広告表示システム。
【請求項1】 依頼主から依頼された広告情報を電車などの移動体に搭載の表示装置に転送して表示させる移動体への広告表示システムであって、広告コンテンツ配信装置と、移動体内の表示装置に広告コンテンツを表示させる移動体搭載の制御装置とからなり、前記広告コンテンツ配信装置が、依頼主から依頼された広告コンテンツをその表示条件と共に記憶する記憶手段と、記憶された広告コンテンツを運行時間帯別に読み出し、無線回線を含むネットワーク経由で広告掲載対象の移動体に向けて送信する送信手段とを備え、前記移動体搭載の制御装置が、前記広告コンテンツ配信装置から受信した広告コンテンツを受信し、自移動体内の1または複数の表示装置に配信して表示させる表示制御手段を備えることを特徴とする移動体への広告表示システム。
【請求項2】 依頼主から依頼された広告情報を電車などの移動体に搭載の表示装置に転送して表示させる移動体への広告表示システムであって、広告コンテンツ配信装置と、移動体内の表示装置に広告コンテンツを表示させる移動体搭載の制御装置と、広告コンテンツを作成し、送信するクライアント端末とからなり、前記クライアント端末が、広告コンテンツを作成すると共に、その表示条件を指定するコンテンツ作成手段と、作成した広告コンテンツに前記表示条件を付加して前記広告コンテンツ配信装置に送信する送信手段とを備え、前記広告コンテンツ配信装置が、前記クライアント端末から受信した広告コンテンツを当該広告コンテンツに付加された前記表示条件に従い編集し、記憶する記憶手段と、記憶された広告コンテンツを運行時間帯別に読み出し、無線回線を含むネットワーク経由で広告掲載対象の移動体に向けて送信する送信手段とを備え、前記移動体搭載の制御装置が、前記広告コンテンツ配信装置から受信した広告コンテンツを受信し、自移動体内に設けられた1または複数の表示装置に配信して表示させる表示制御手段を備えることを特徴とする移動体への広告表示システム。
【請求項3】 前記表示条件として、広告掲載対象の移動体の運行時間帯、運行区間、掲載位置、次到着地のいずれかを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の広告表示システム。
【図1】
【図2】
【図14】
【図3】
【図4】
【図9】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図15】
【図17】
【図16】
【図18】
【図2】
【図14】
【図3】
【図4】
【図9】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図15】
【図17】
【図16】
【図18】
【公開番号】特開2002−297075(P2002−297075A)
【公開日】平成14年10月9日(2002.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−94669(P2001−94669)
【出願日】平成13年3月29日(2001.3.29)
【出願人】(000233055)日立ソフトウエアエンジニアリング株式会社 (1,610)
【公開日】平成14年10月9日(2002.10.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成13年3月29日(2001.3.29)
【出願人】(000233055)日立ソフトウエアエンジニアリング株式会社 (1,610)
[ Back to top ]