説明

移動体ナビゲーション装置

【課題】放送された店舗名などの固有名称を多く取得することが可能となり、利便性を向上させた移動体ナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】放送信号を受信する機能を有した移動体ナビゲーション装置において、受信された放送信号に基づく画像データに対して文字認識処理を行い、認識された文字から固有名称を抽出する第1の固有名称抽出部および/または受信された放送信号に基づく音声データに対して音声認識処理を行い、認識された文字から固有名称を抽出する第2の固有名称抽出部を備え、前記第1の固有名称抽出部および/または前記第2の固有名称抽出部が抽出した固有名称を記憶部に登録する固有名称登録部をさらに備える構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送受信機能を有した移動体ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、テレビ放送やラジオ放送を受信する機能を有した移動体ナビゲーション装置(特に車載用ナビゲーション装置)が様々に開発されている。
【0003】
このような移動体ナビゲーション装置として、例えば特許文献1には、テレビ放送により取得したEPG(電子番組表)上の操作により目的地(名所、旧跡、観光スポット、レストラン、イベントスポットなど)が特定されると、得られたEPG位置特定情報をナビゲーションシステムに送信し、簡便に目的地設定を行うとした車載用ナビゲーション装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−170157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、実際にはEPGには店舗名などの固有名称は記載されない場合が多く、上記特許文献1の車載用ナビゲーション装置では、ユーザがテレビ放送を視聴していて行きたい場所を見つけたとしても、目的地設定することができない場合が多いといった問題があった。
【0006】
上記問題点を鑑み、本発明は、放送された店舗名などの固有名称を多く取得することが可能となり、利便性を向上させた移動体ナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明は、放送信号を受信する機能を有した移動体ナビゲーション装置において、
受信された放送信号に基づく画像データに対して文字認識処理を行い、認識された文字から固有名称を抽出する第1の固有名称抽出部および/または受信された放送信号に基づく音声データに対して音声認識処理を行い、認識された文字から固有名称を抽出する第2の固有名称抽出部を備え、
前記第1の固有名称抽出部および/または前記第2の固有名称抽出部が抽出した固有名称を記憶部に登録する固有名称登録部をさらに備える構成とした。
【0008】
このような構成によれば、放送の画像データおよび/または音声データから固有名称を抽出して登録するので、店舗名などの固有名称を多く取得することが可能となり、取得した固有名称を有効活用でき、利便性が向上する。
【0009】
また、上記構成において、前記固有名称登録部により前記記憶部に登録された固有名称を表示部にリスト表示させる表示制御部と、
前記リスト表示において選択された固有名称の位置を経路案内の目的地として設定する目的地設定部と、を備える構成としてもよい。
【0010】
このような構成によれば、放送されて興味を持った店舗等をリスト表示においてユーザが選択すれば、選択された店舗等が目的地設定され、経路案内によりユーザはその店舗等へ向かうことができる。
【0011】
また、上記構成において、前記目的地設定部は、前記リスト表示において選択された固有名称の位置と現在設定されている目的地との距離が所定距離以下の場合にその位置を追加目的地として設定を行う構成としてもよい。
【0012】
このような構成によれば、現在向かおうとしている目的地と選択した店舗等が近ければ、選択した店舗等が追加目的地として設定され、その店舗等にユーザは向かうことができる。
【0013】
また、上記構成において、前記目的地設定部は、前記リスト表示において選択された固有名称の位置と現在の移動体位置との距離が所定距離以下の場合に設定を行う構成としてもよい。
【0014】
このような構成によれば、選択した店舗等が現在の移動体位置から近ければ、選択した店舗等に目的地が設定され、その店舗等にユーザは向かうことができる。
【0015】
また、上記いずれかの構成において、前記第1の固有名称抽出部および/または前記第2の固有名称抽出部は、予め設定されたジャンルの固有名称のみを抽出する構成としてもよい。
【0016】
このような構成によれば、ユーザが所望するジャンルの固有名称のみを抽出して登録できるので、利便性が高いものとなる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の移動体ナビゲーション装置によれば、放送された店舗名などの固有名称を多く取得することが可能となり、利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係るナビゲーション装置のブロック構成図である。
【図2】固有名称抽出・登録処理、および登録した固有名称を用いた地点登録に関するフローチャートである。
【図3】登録した固有名称を用いた目的地設定・メモ機能に関するフローチャートである。
【図4】テレビ放送の静止画像データの一例を示す図である。
【図5】固有名称リスト表示の一例を示す図である。
【図6】目的地設定処理の変形例を示すフローチャートである。
【図7】目的地設定処理の別の変形例を示すフローチャートである。
【図8】ジャンル設定画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0020】
図1に、本発明の一実施形態に係るナビゲーション装置100のブロック構成図を示す。ナビゲーション装置100は、車両搭載用であって、GPS(Global Positioning System)衛星から受信した電波に基づいて車両の現在地(自車位置)を特定し、自車位置とともにその付近の地図が示されたナビゲーション画面を表示して、誘導経路に沿って車両を目的地まで誘導することを主たる機能としており、テレビ放送受信機能も有している。
【0021】
図1に示すように、ナビゲーション装置100は、チューナ1と、復調部2と、デコーダ3と、画像処理部4と、音声処理部5と、GPS部6と、ジャイロ・加速度センサ7と、インターフェース部8と、制御部9と、記憶装置10と、描画部11と、表示制御部12と、表示部13と、音源回路部14と、スピーカ15と、インターフェース部16と、ハードキー17と、位置検出部18と、タッチパネル19と、アンテナ20とを備えている。
【0022】
アンテナ20は、地上デジタル放送波を受信し、チューナ1は、アンテナ20から受信するデジタル放送信号から特定チャンネルの信号を選局する。復調部2は、選局された信号を復調等し、TS(トランスポートストリーム)を取り出す。デコーダ3は、取り出されたTSから映像ストリームおよび音声ストリームを作成し、作成された映像ストリームをデコードしてデジタル映像信号を制御部9および画像処理部4に送り、作成された音声ストリームをデコードしてデジタル音声信号を制御部9および音声処理部5に送る。制御部9に送られた映像音声信号により放送映像が表示され放送音声が発生し、ユーザは放送を視聴できる。
【0023】
画像処理部4および音声処理部5は、店舗名、施設名などの固有名称が記載された辞書DB(不図示)を有しており、静止画像データ、音声データを処理して固有名称を抽出する。また、辞書DBは、記憶装置10が有する構成としてもよい。
【0024】
GPS部6は、受信アンテナおよびチューナ等で構成されており、GPS衛星から受信した電波を処理して測位用データを取り出す。取り出された測位用データは、インターフェース部8を介して制御部9に送られる。制御部9は、GPS部6から送られた測位用データに基づいて自車位置を特定する。
【0025】
ナビゲーション装置100は、いわゆるハイブリッド方式を採用しており、車両の向き・加速度を検出するためのジャイロ・加速度センサ7が設けられる。ジャイロ・加速度センサ7の検出信号はインターフェース部8を介して制御部9に送られ、制御部9はそれらの信号に基づいて車両の向きや加速度を特定する。
【0026】
制御部9は、ナビゲーション装置100の制御を統括的に行うとともに、車両位置の特定や経路探索等の各種処理を実行する。制御部9は、例えば、マイクロコンピュータで構成され、CPU9a、RAM9b、ROM9cを含んでいる。
【0027】
記憶装置10には、HDDやメモリICチップなどを採用でき、ナビゲーション画面の表示や経路探索などに必要となる地図情報DB(データベース)10aが格納される。
【0028】
地図情報DB10aには、地図データ、地図データに基づいてナビゲーション画面を描画する際に参照される描画パラメータ、経路誘導用やその他の用途の音声の生成に使用される音声データが含まれている。地図データには、道路データと、海岸線、河川等に関する水系データ、施設データ等からなる背景データとが含まれる。制御部9は、実行する動作に必要なデータを地図情報DB10aから部分的に取り出して参照する。
【0029】
また、地図情報DB10aには、店舗名などの固有名称データが位置データと対応付けられて格納もされており、地点登録や経路案内の目的地設定に用いられる。
【0030】
また、記憶装置10には、地図情報DB10aの他に、固有名称DB10b、地点登録DB10c、メモ用DB10dも格納されるが、これらについては後述する。
【0031】
描画部11は、描画専用のCPU等を含むICチップであって、制御部9からの指示に基づいて、ナビゲーション画面の画像データや操作画面の画像データ等を作成する。描画部11で作成された画像データは、表示制御部12に送られ、表示制御部12が有するRAMに記憶される。表示制御部12は、記憶した画像データに基づいて表示部13に画像表示用の信号を送り、表示部13の表示領域に画像データに係る画面を表示させる。表示部13には、LCDや有機ELディスプレイなどが用いられる。なお、テレビ放送視聴モードの際は、制御部9がデコーダ3からの映像信号を表示制御部12に送り、表示部13に放送画面が表示される。
【0032】
音源回路部14は、制御部9から送られた音声データに基づいて、経路誘導用やその他の用途のアナログ音声信号を生成する。生成されたアナログ音声信号に基づきスピーカ15は音声を発生する。なお、テレビ放送視聴モードの際は、制御部9がデコーダ3からの音声信号を音源回路部14に送り、スピーカ15から放送音声が発生する。
【0033】
ハードキー17およびタッチパネル19は、ナビゲーション装置100に指示を与えるためのものである。ハードキー17を構成するキーの1つが押下されると、そのキーの押下を通知する信号がインターフェース部16を介して制御部9に送られる。
【0034】
タッチパネル19は、例えば、格子状に配置された透明な電極を有する感圧式のパネルであって、表示部13の表示領域上に配設される。タッチパネル19が押下されると、位置検出部18は、タッチパネル19から送られた電圧信号に基づいて、押下された位置の座標情報を通知する信号を生成する。この信号は、インターフェース部16を介して制御部9に送られる。
【0035】
次に、ナビゲーション装置100における固有名称抽出・登録処理、および登録した固有名称を用いた地点登録等に関して、図2および図3のフローチャートに沿って説明する。
【0036】
ここで、ハードキー17の操作によりテレビ放送視聴モードが選択されると、チューナ1、復調部2並びにデコーダ3が動作を開始し、表示部13に放送画面が表示されると共に、スピーカ15から放送音声が発生し、図2のフローチャートが開始される。
【0037】
まず、ステップS1で、固有名称抽出・登録処理が開始される。
【0038】
具体的には、画像処理部4が、デコーダ3からの静止画像データを一定時間間隔で取得しつつ、取得した静止画像データに対して文字認識処理を行い、認識された文字から辞書DBを参照して固有名称を抽出する。なお、処理が終了した静止画像データは逐次破棄される。
【0039】
例えば、図4に示すような静止画像データの場合は、図4のAで示す放送業者が編集で付した画像が文字認識されると共に、図4のBで示す撮影された看板の「○×屋」という画像も文字認識され、店舗名である「○×屋」が抽出されることになる。
【0040】
また、音声処理部5は、デコーダ3からの音声データを記録しつつ、記録された音声データに対して音声認識処理を行い、認識された文字から辞書DBを参照して固有名称を抽出する。なお、処理が終了した部分の記録音声は逐次破棄される。
【0041】
そして、制御部9は、画像処理部4および音声処理部5が抽出した固有名称を順次、記憶装置10に格納される固有名称DB10bに登録する。このとき、既に固有名称DB10bに登録されている固有名称については登録しない。なお、固有名称DB10bに登録された固有名称は、ナビゲーション装置100の電源をオフにすると、全て消去されるようにしてもよい。
【0042】
ステップS1の後、固有名称リスト表示操作がされない間は、固有名称抽出・登録処理が継続される(ステップS2のN)。固有名称リスト表示操作は、ハードキー17が有する専用キーによるものでもよいし、表示部13に表示されたソフトボタンによるものでもよい。
【0043】
そして、固有名称リスト表示操作がされると(ステップS2のY)、制御部9は、固有名称DB10bに現時点で格納された固有名称データに基づき描画部11に指示を行い、表示部13に、放送画面に代わり固有名称リストが表示される(ステップS3)。なお、固有名称の抽出・登録処理は継続される。
【0044】
ここで、図5に、固有名称リスト表示の一例を示す。図5のように、固有名称が固有名称表示欄Cにリスト表示され、スクロールボタンDにより固有名称のスクロール表示も可能となっている。また、固有名称表示欄Cに隣接して、地点登録ボタンE、目的地設定ボタンF並びにメモ用ボタンGが表示される。また、固有名称および各ボタンは、タッチパネル19により選択できる。
【0045】
もし、固有名称リスト表示において固有名称が一つまたは複数選択された上で地点登録ボタンEが選択されると、ステップS4に進み、制御部9は、選択された固有名称と一致する名称が地図情報DB10aに存在するか否かを判定する。ここで、地図情報DB10aには上述したように固有名称データが位置データと対応付けられて格納される。
【0046】
一致する名称が存在すれば(ステップS4のY)、ステップS6に進み、制御部9は、一致する名称に対応する位置データを地点登録DB10cに登録する(複数選択された固有名称のうち一部が一致した場合は一致した名称に対応する位置データを登録する)。以後、例えば、表示部13に表示されるナビゲーション画面において、地点登録DB10cに登録された位置にフラグなどを表示するようにしてもよい。
【0047】
一方、一致する名称が存在しなければ(ステップS4のN)、ステップS5に進み、制御部9は、描画部11に指示を行い、表示部13に地点登録できない旨を表示させる。
【0048】
また、ステップS3の固有名称リスト表示において固有名称が一つ選択された上で目的地設定ボタンFが選択されると、図3のステップS7に進み、制御部9は、選択された固有名称と一致する名称が地図情報DB10aに存在するか否かを判定する。
【0049】
一致する名称が存在すれば(ステップS7のY)、ステップS8に進み、制御部9は、一致した名称に対応する位置データを経路案内の目的地として設定する。そして、ステップS9で、制御部9は、現在の車両位置から設定された目的地への経路を探索し、経路案内を開始する。
【0050】
一方、一致する名称が存在しなければ(ステップS7のN)、ステップS10に進み、制御部9は、描画部11に指示を行い、表示部13に目的地設定できない旨を表示させる。
【0051】
また、ステップS3の固有名称リスト表示において固有名称が一つまたは複数選択された上でメモ用ボタンGが選択されると、図3のステップS11に進み、制御部9は、選択された固有名称をメモ用DB10dに登録する。
【0052】
登録後、ハードキー17またはタッチパネル19によりメモリスト表示操作がされると、制御部9は、メモ用DB10dに登録された固有名称データを読み出し、読み出された固有名称データに基づき描画部11に指示を行い、読み出された固有名称をリスト表示したメモリストを表示部13に表示させる。
【0053】
以上のように、本願発明では、テレビ放送された店舗等の固有名称が抽出され固有名称リストに表示されるので、ユーザが興味を持った店舗等を選択することで、選択された店舗等を地点登録および目的地設定することができ、興味を持った店舗等にユーザが行き易くなる。また、固有名称のメモ機能により、ユーザは興味を持った店舗等をDBにとりあえず登録しておき、後でメモリストを表示させて店舗等を確認できるので、店舗名等を忘れてしまうことを防げる。
【0054】
なお、目的地設定については、固有名称リスト表示において複数の固有名称を選択できるようにしてもよい。この場合、ステップS7で、選択された複数の固有名称のうち地図情報DB10aに一致する名称が複数存在すれば(ステップS7のY)、ステップS8に進み、一致した複数の名称に対応する位置データを目的地として設定する。その際、一致した複数の名称に対応する位置データを現在位置から近い順に巡る経路を探索することができる(ステップS9)。
【0055】
また、図6のフローチャートは、目的地設定に関する処理の変形例を示す。
【0056】
ステップS1〜ステップS3までは上述の図2と同様であり、固有名称リスト表示において固有名称が一つ選択された上で目的地設定ボタンFが選択されると、ステップS12に進む。ステップS12で、制御部9は、選択された固有名称と一致する名称が地図情報DB10aに存在するか否かを判定する。
【0057】
一致する名称が存在すれば(ステップS12のY)、ステップS13に進み、制御部9は、経路案内の目的地が既に設定されているか否かを判定する。そして、目的地が設定されていなければ(ステップS13のN)、ステップS15に進み、制御部9は、一致した名称に対応する位置データを経路案内の目的地として設定する。そして、ステップS16で、制御部9は、現在の車両位置から設定された目的地への経路を探索し、経路案内を開始する。
【0058】
ステップS13で、目的地が既に設定されていれば(ステップS13のY)、ステップS14に進み、制御部9は、一致した名称の位置と現在設定されている目的地との距離を算出し、算出された距離が所定距離以下か否かを判定する。そして、所定距離以下であれば(ステップS14のY)、ステップS17に進み、制御部9は、一致した名称に対応する位置データを追加目的地として設定する。そして、ステップS18で、制御部9は、追加目的地を経由地として事前に設定された目的地まで至る経路を探索し、経路案内を開始する。
【0059】
ステップS14で、算出された距離が所定距離以下でなければ(ステップS14のN)、ステップS19に進み、制御部9は、描画部11に指示を行い、表示部13に目的地設定しない旨を表示させる。
【0060】
また、ステップS12で、一致する名称が存在しなければ(ステップS12のN)、ステップS20に進み、制御部9は、描画部11に指示を行い、表示部13に目的地設定できない旨を表示させる。
【0061】
これによれば、既に設定されている目的地と固有名称リストで選択した店舗等とが近ければ、これから向かおうとしている地域に店舗等が位置することになるので、選択した店舗等を目的地として追加設定して、そこに向かうことができる。一方、既に設定されている目的地と固有名称リストで選択した店舗等とが遠ければ、その店舗等に向かうことは困難と考えられるので、目的地の追加設定は行わない。
【0062】
なお、固有名称リスト表示において複数の固有名称を選択できるようにしてもよい。この場合、ステップS12で、選択された複数の固有名称のうち地図情報DB10aに一致する名称が複数存在すれば(ステップS12のY)、ステップS13に進み、目的地が既に設定されていれば(ステップS13のY)、ステップS14に進む。そして、ステップS14で、一致した名称の位置と設定されている目的地との距離が所定距離以下のものが複数あれば(ステップS14のY)、ステップS17に進み、その位置データを追加目的地に設定し、ステップS18で、複数の追加目的地を経由地として事前に設定された目的地まで至る経路を探索し、経路案内を開始するようにすればよい。なお、ステップS13で、目的地が設定されていなければ(ステップS13のN)、ステップS15に進み、一致した名称に対応する位置を目的地に設定し、ステップS16で、設定された目的地を経由する経路を探索し、経路案内を開始すればよい。
【0063】
また、図7のフローチャートは、目的地設定に関する処理の別の変形例を示す。
【0064】
ステップS1〜ステップS3までは上述の図2と同様であり、固有名称リスト表示において固有名称が一つ選択された上で目的地設定ボタンFが選択されると、ステップS21に進む。ステップS21で、制御部9は、選択された固有名称と一致する名称が地図情報DB10aに存在するか否かを判定する。
【0065】
一致する名称が存在すれば(ステップS21のY)、ステップS22に進み、制御部9は、一致した名称の位置と現在の車両位置との距離を算出し、算出された距離が所定距離以下か否かを判定する。所定距離以下であれば(ステップS22のY)、ステップS23に進み、一致した名称に対応する位置データを経路案内の目的地として設定する。そして、ステップS24で、制御部9は、現在の車両位置から設定された目的地への経路を探索し、経路案内を開始する。
【0066】
ステップS22で、算出された距離が所定距離以下でなければ(ステップS22のN)、ステップS25に進み、制御部9は、描画部11に指示を行い、表示部13に目的地設定しない旨を表示させる。
【0067】
また、ステップS21で、一致する名称が存在しなければ(ステップS21のN)、ステップS26に進み、制御部9は、描画部11に指示を行い、表示部13に目的地設定できない旨を表示させる。
【0068】
これによれば、現在の車両位置と固有名称リストで選択した店舗等とが近ければ、選択した店舗等を目的地として設定して、そこに向かうことができる。一方、現在の車両位置と固有名称リストで選択した店舗等とが遠ければ、その店舗等に向かうのは困難と考えられるので、目的地設定は行わない。
【0069】
なお、固有名称リスト表示において複数の固有名称を選択できるようにしてもよい。この場合、ステップS21で、選択された複数の固有名称のうち地図情報DB10aに一致する名称が複数存在すれば(ステップS21のY)、ステップS22に進み、一致した複数の名称の位置と現在の車両位置との距離が所定距離以下のものがあれば(ステップS22のY)、ステップS23で、その複数の位置データを目的地に設定し、ステップS24で、設定された複数の目的地を現在位置から近い順に経由する経路を探索し、経路案内を開始すればよい。
【0070】
また、固有名称の抽出については、次のような実施形態としてもよい。
【0071】
まず、ハードキー17またはタッチパネル19の所定操作により、制御部9が、描画部11に指示を行い、表示部13に図8に示すようなジャンル設定画面を表示させる。この画面では、ジャンル表示欄Hにジャンルがリスト表示されており、設定ボタンIも表示される。
【0072】
そして、一または複数のジャンルがタッチパネル19の操作により選択された上で設定ボタンIが選択されると、制御部9は、選択されたジャンルを設定する。設定先は、記憶装置10でもよいし、制御部9のRAM9bでもよい。
【0073】
そして、テレビ放送視聴モードに入ると、制御部9は、設定されたジャンルを記憶装置10またはRAM9bから読み出し、読み出したジャンルを画像処理部4および音声処理部5に通知する。そして、画像処理部4は、静止画像データに対して文字認識処理を行い、認識された文字から設定されたジャンルの固有名称のみを抽出する。また、音声処理部5は、記録された音声データに対して音声認識処理を行い、認識された文字から設定されたジャンルの固有名称のみを抽出する。このとき、参照する辞書DBには、固有名称とジャンルを対応付けて記載しておく。
【0074】
これにより、表示部13に表示される固有名称リストには、ユーザが所望するジャンルの固有名称のみが表示され、利便性が高くなる。
【0075】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の趣旨の範囲内であれば、実施形態は種々変更可能である。
【0076】
例えば、本発明は、車載用のナビゲーション装置に限らず、歩行者用の携帯可能なナビゲーション装置などに適用してもよい。
【0077】
また、ラジオ放送を受信可能なナビゲーション装置において、ラジオ放送の音声データを音声認識して固有名称を抽出するようにしてもよい。
【0078】
また、受信するテレビ放送は、デジタル放送に限らず、アナログ放送でもよい。
【符号の説明】
【0079】
100 ナビゲーション装置
1 チューナ
2 復調部
3 デコーダ
4 画像処理部
5 音声処理部
6 GPS部
7 ジャイロ・加速度センサ
8 インターフェース部
9 制御部
9a CPU
9b RAM
9c ROM
10 記憶装置
10a 地図情報DB
10b 固有名称DB
10c 地点登録DB
10d メモ用DB
11 描画部
12 表示制御部
13 表示部
14 音源回路部
15 スピーカ
16 インターフェース部
17 ハードキー
18 位置検出部
19 タッチパネル
20 アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送信号を受信する機能を有した移動体ナビゲーション装置において、
受信された放送信号に基づく画像データに対して文字認識処理を行い、認識された文字から固有名称を抽出する第1の固有名称抽出部および/または受信された放送信号に基づく音声データに対して音声認識処理を行い、認識された文字から固有名称を抽出する第2の固有名称抽出部を備え、
前記第1の固有名称抽出部および/または前記第2の固有名称抽出部が抽出した固有名称を記憶部に登録する固有名称登録部をさらに備えることを特徴とする移動体ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記固有名称登録部により前記記憶部に登録された固有名称を表示部にリスト表示させる表示制御部と、
前記リスト表示おいて選択された固有名称の位置を経路案内の目的地として設定する目的地設定部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の移動体ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記目的地設定部は、前記リスト表示において選択された固有名称の位置と現在設定されている目的地との距離が所定距離以下の場合にその位置を追加目的地として設定を行うことを特徴とする請求項2に記載の移動体ナビゲーション装置。
【請求項4】
前記目的地設定部は、前記リスト表示において選択された固有名称の位置と現在の移動体位置との距離が所定距離以下の場合に設定を行うことを特徴とする請求項2に記載の移動体ナビゲーション装置。
【請求項5】
前記第1の固有名称抽出部および/または前記第2の固有名称抽出部は、予め設定されたジャンルの固有名称のみを抽出することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の移動体ナビゲーション装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−169622(P2011−169622A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−31198(P2010−31198)
【出願日】平成22年2月16日(2010.2.16)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】