説明

移動体ネットワークを使用した車両情報管理システム

【課題】
運転時に乗務員がどのような運転をしているか、輸送車がどのような状態にあるかの各種情報を、管理者側と乗務員側がリアルタイムで共有できるようにする。
【解決手段】
道路輸送管理システムSは、輸送トラック1、車載コンピュータ2、パケット通信網3、サーバ4及び管理者側コンピュータ5により構成されている。輸送トラック1の冷凍庫10と冷蔵庫11には温度計12,13が設けられおり、スピードメータ14と回転計15からは各情報を検出できる。燃料噴射ポンプへ燃料を送る送給管には送り流量計16が設けられ、返送管には戻し流量計17が設けられている。各検出情報はインターフェースボックス18へ送られ、更に車載コンピュータ2へ送られる。車載コンピュータ2はディスプレイ23を有し、パケット通信用チップ20とGPS受信機21及びメモリカード22が装着され、情報をサーバ4に送る。管理者側コンピュータ5はインターネット上のサーバ4にアクセスして情報を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体ネットワークを使用した車両情報管理システムに係り、更に詳しくは、移動体ネットワークを使用(記録媒体を併用使用)することによって、統合的な車両情報の管理を可能としたものに関する。
また、管理者と輸送車側乗務員が、輸送車から発信される情報または/および輸送車に送信される情報を広域ネットワークを介してリアルタイムに共有する、即ち、運転・運行情報を共有することによって、(1)事故の未然防止、(2)運行変動費の削減ひいては環境保護、(3)人事考課の公平性、(4)荷の集配の確実性と高効率化等を図ったものに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、運送会社においては、多数のルートを走行する輸送車を如何に安全に、かつ効率よく運転・運行管理するかは、企業の社会的責任(安全責任、環境保護責任等)を果たす上で、また利益に直結する運行変動費(燃料費、タイヤ等消耗費、事故処理費等)を削減する上で、重要な課題である。
【0003】
運行管理の方法としては、従来から、例えばGPS(Global Positioning System)と通信システムを利用したものがあり、これらのシステムを使用して管理者側は輸送車の位置情報をリアルタイムに把握し、この情報をもとに配車等を行っている。
【0004】
また、車載された運行記録計(タコメーター)から車速の情報とエンジン回転数情報を得、更に、いわゆる満タン法(燃料タンクを満杯にしてから次に満杯にしたときの給油量)によって消費燃料情報を得、これらの情報を組み合わせて運行管理を行っている。
【0005】
上記したGPSと通信システムを利用することによって輸送車の位置情報はリアルタイムに知ることができる。しかし、車速情報とエンジン回転数情報は、運行記録計が車載されているために輸送車が戻らないと得ることができない。同様に消費燃料情報も輸送車が戻り給油しなければ得ることができない。
【0006】
そして、輸送車が戻り、運行記録計と燃料消費量から得られた情報で、乗務員が安全運転をしていたか、無駄に燃料を消費していなかったか等の運転状況が判断され、その結果は人事考課に反映される。
例えば、エンジン回転数は高いが、速度は遅く、燃料消費量が多い場合、次のような運転状況が推量される。
(1)登坂路を運行している場合。
(2)先行車との車間距離が短い場合。(車間距離が短い場合はギヤを低速側に入れエンジンブレーキが利くようにして運転している。)
(3)平坦路でありながら変速機を適切に操作していない場合。
【0007】
上記(1)の場合は運転管理上は特段問題はないが、(2)の場合は、安全性の観点から問題があり(燃料の無駄な消費もある)、(3)の場合は燃料の無駄な消費、つまり運行変動費の観点から問題となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、輸送中の乗務員の運転状況が上記(2)や(3)のような場合であったとしても、それらの運転状況は輸送車が戻った後でしか知ることができない。
従って、運行中の輸送車に対して事故の発生を未然に防止する管理をしたり、燃料消費の無駄を未然に防止する管理をすることができなかった。
【0009】
つまり、安全性確保の管理、運行変動費削減の管理はリアルタイムに行うことができず、これらの管理は常に後手に回ったものとならざるを得ない結果を招いていた。このことは事故発生予防や燃料の無駄な消費の予防といった、本来であれば重要な予防対策が、事故発生後の報告や、燃料消費後の事後対策しかできなことを意味する。
【0010】
また、運行変動費、特に燃料費の削減は利益に直結する。このため、その削減に貢献した乗務員とそうでない乗務員の評価を客観的に行って乗務員の経費節減等に対するモチベーションを高めることは重要である。
【0011】
例えば、輸送車の運転を複数の乗務員が入れ替わって運転をするような場合、急発進、スピードの出し過ぎ、休憩時のエアコンをかけたままのアイドリング等、燃料の無駄遣いを頻繁に行なっている乗務員の評価は低くし、上記とは反対の運転をしている乗務員の評価は高くする必要がある。
特に、燃料の無駄な消費は、天然資源の浪費防止、一酸化炭素、炭酸ガス、NOx、固形浮遊物等の有害物質の発生防止、自然環境保護の観点からも重要視されている。
【0012】
しかし従来のような満タン法では乗務員と消費燃料量との関係を特定することは困難である。また、前の給油から次の給油まで、一人の乗務員が輸送車の運転を担当するような場合でも、乗務員によって給油量にバラツキがあり、乗務員の評価を客観的に行うことは困難であった。
更には、満タン法では、時系列的に燃料消費量を計測し記録することができないために、何が原因で燃料を無駄に消費(浪費)したか究明できない。
【0013】
また、乗務員の休日を挟んで輸送する場合は、荷物の積み置きをすることになるが、例えば輸送車が冷蔵車であり、休日のため乗務員が適切な管理を怠った場合や、温度調整のために一旦停止した冷凍機のエンジンが再始動しない場合は、商品が腐敗して多大な損害が出てしまうこともあった。
【0014】
更には、従来の輸送管理システムでは、配送の終了操作を行うにあたっては特に制限はなく、乗務員にまかせられていた。このため、極端な例では、例えば輸送経路が効率的でないこと等に起因して荷の集配が予定より遅れたような場合、乗務員によっては、配送していない荷を配送したように偽装して会社に申告し、翌日に配送したりして、後で荷主から苦情が来るようなこともあった。また、配送先を間違えてしまう誤配送も後を絶たない。
【0015】
また、上記のように輸送経路に無駄が多いと、一日の集配のノルマが達成できないことがある。従来の輸送管理システムでは、ある集配先から次の集配先までの経路は、乗務員の記憶に頼っていたので、経験の浅い乗務員や担当経路が変わって間もない場合等では、道を間違える等、どうしても経路に無駄の多い輸送になりがちであった。
【0016】
なお、道路輸送管理システムでは、輸送車が一般道路と高速道路のうちどちらを走行しているのかが管理者側にわからないと、当然に運行料金の管理や速度管理ができない。例えば、GPSで位置情報を得ても、高速道路と一般道路は通常は並行または近接して走っているので、GPSからの位置情報だけでは、どちらを走行しているのか特定しにくい。
【0017】
本発明者は、輸送車の運転・運行における事故発生の未然防止、運行変動費の削減、および人事考課の公平性確保のための研究を行っていたところ、輸送システムが、「人」である運転・運行管理者及び乗務員と、「物」である自動車から成されている点に着目した。
そして、「物」である自動車から発信される運転・運行情報を「人」である運転・運行管理者と乗務員がリアルタイムに共有すれば、互いに意思の疎通が図れるとともに両者で運行・運転の管理ができるようになり、事故の未然防止、運行変動費の削減ひいては環境保護、および人事考課の公平性が図れるのではないかとの着想を得、更に研究を重ねることによって本発明を完成するに至ったものである。
【0018】
(本発明の目的)
そこで本発明の目的は、移動体ネットワークを使用(記録媒体を併用使用)することによって、統合的な車両情報の管理を可能とすることにある。
本発明の他の目的は、運転・運行管理者と乗務員が、輸送車から発信される運転・運行情報または/および輸送車に送信される情報を広域ネットワークを介して共有できるようにすることにより、本発明によれば移動体ネットワークと記録媒体を使用することによって、統合的な車両情報の管理を可能とし、事故発生の未然防止、運行変動費の削減ひいては環境保護、および人事考課の公平性の確保を助けることである。
【0019】
本発明の他の目的は、運転・運行管理者と乗務員が、輸送車から発信される運転・運行情報または/および輸送車に送信される情報を広域ネットワークを介して共有できるようにすることにより、運転中の乗務員に対し、管理者側から安全性、経済性を加味した的確な指示を出せるようにすることである。
【0020】
本発明の他の目的は、運転・運行管理者と乗務員が、輸送車から発信される運転・運行情報または/および輸送車に送信される情報を広域ネットワークを介して共有できるようにすることにより、乗務員個々の運転時の燃費等を正確に計ることができるようにして、利益に直結する安全運転や省エネルギー運転に対する乗務員個々の姿勢や運転技術を正当に評価し、これを給与等の人事考課に反映させることにより、乗務員の運転に対する姿勢と運転技術向上の意識高揚を図り、結果的に運行変動費を削減することである。
【0021】
本発明の他の目的は、運転・運行管理者と乗務員が、輸送車から発信される運転・運行情報または/および輸送車に送信される情報を広域ネットワークを介して共有できるようにすることにより、輸送車の状態、例えば冷蔵車、冷凍車では温度情報等、あるいは現金輸送車ではドアの開閉情報等、輸送車の機能的な状態を管理者側でもリアルタイムで把握できるようにして、万一の場合の対処が迅速にできるようにすることである。
【0022】
本発明の他の目的は、運転・運行管理者と乗務員が、輸送車から発信される運転・運行情報または/および輸送車に送信される情報を広域ネットワークを介して共有できるようにすることにより、例えば、乗務員が配送していない荷を配送したように偽装して会社に申告し、翌日に配送する等の不正を防止することである。
【0023】
本発明の他の目的は、運転・運行管理者と乗務員が、輸送車から発信される運転・運行情報または/および輸送車に送信される情報を広域ネットワークを介して共有できるようにすることにより、配送先を間違えてしまう誤配送を防止することである。
【0024】
本発明の他の目的は、運転・運行管理者と乗務員が、輸送車から発信される運転・運行情報または/および輸送車に送信される情報を広域ネットワークを介して共有できるようにすることにより、経験の浅い乗務員や担当経路が変わって間もない場合等でも、輸送経路を間違えることがなく、効率のよい輸送ができるようにすることである。
【0025】
本発明の他の目的は、運転・運行管理者と乗務員が、輸送車から発信される運転・運行情報または/および輸送車に送信される情報を広域ネットワークを介して共有できるようにすることにより、輸送車が一般道路と高速道路のうちどちらを走行しているのかが管理者側がわかるようにして、運行料金の管理や速度管理を確実に行うことができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明は上記課題を解決するためのものである。
【0027】
本発明の移動体ネットワークを使用した車両情報管理方法は、
輸送車に情報表示手段を備えたコンピュータを搭載し、当該情報表示手段には、少なくとも当該輸送車の速度情報、エンジン回転数情報、瞬間燃費情報を表示し、
一方、管理者側のコンピュータには、広域ネットワークを介して、少なくとも上記輸送車側の表示手段に表示された上記情報と、上記輸送車の位置情報をリアルタイムで送り、
輸送車側と管理者側で、少なくとも上記輸送車の速度情報、エンジン回転数情報、瞬間燃費情報をリアルタイムで共有できるようにしたものである。
【0028】
本発明の移動体ネットワークを使用した車両情報管理システムは、
輸送車に情報表示手段を備えたコンピュータを搭載しており、
上記輸送車は、少なくとも速度情報、エンジン回転数情報、瞬間燃費情報を検出する手段を有しており、
上記情報表示手段には、少なくとも上記輸送車の速度情報、エンジン回転数情報、瞬間燃費情報を表示するようにし、
一方、管理者側のコンピュータには、広域ネットワークを介して、少なくとも上記輸送車側の情報表示手段に表示された上記情報と、上記輸送車の位置情報をリアルタイムで送るようにし、
輸送車側と管理者側で、少なくとも上記輸送車の速度情報、エンジン回転数情報、瞬間燃費情報をリアルタイムで共有できるようにしたものである。
【0029】
本発明の移動体ネットワークを使用した車両情報管理システムは、
輸送車に搭載されるコンピュータと、
輸送車に装置される、少なくとも速度情報、エンジン回転数情報、瞬間燃費情報を検出する手段と、
上記コンピュータと一体または別体となっており、少なくとも上記輸送車の速度情報、エンジン回転数情報、瞬間燃費情報を表示する情報表示手段と、
広域ネットワークを使用した通信手段を介して、少なくとも上記輸送車側の表示手段に表示された上記情報と、上記輸送車の位置情報をリアルタイムで表示する管理者側のコンピュータとを含むものである。
【0030】
本発明の移動体ネットワークを使用した車両情報管理方法は、
輸送車の運転状態を示す運転情報または輸送車の機能部の状態を示す機能情報を検出し、検出情報または検出情報をもとに演算された解析情報を広域ネットワークを介し管理者側へ送り、管理者側で認識できるようにしたものである。
【0031】
本発明の移動体ネットワークを使用した車両情報管理方法は、
輸送車の運転状態を示す運転情報または輸送車の機能部の状態を示す機能情報を検出し、検出情報または検出情報をもとに演算された解析情報をパケット通信によって広域ネットワーク上のサーバーへ送り、管理者側はサーバーから上記情報を得て認識できるようにしたものである。
【0032】
本発明の移動体ネットワークを使用した車両情報管理方法は、
各情報は輸送車の運行においてリアルタイムで送られるものである。
【0033】
本発明の移動体ネットワークを使用した車両情報管理方法は、
検出された運転情報または機能情報あるいは当該検出情報をもとに演算された解析情報を乗務員側でも認識できるようにし、乗務員側と管理者側で上記各情報を共有できるようにしたものである。
【0034】
本発明の移動体ネットワークを使用した車両情報管理方法は、
検出された運転情報または機能情報あるいは当該検出情報をもとに演算された解析情報を輸送車側で記録媒体に記録し、運行終了後に上記記録媒体を管理者側に提出させるようにしたものである。
【0035】
本発明の移動体ネットワークを使用した車両情報管理方法は、
輸送車の運転状態を示す運転情報または輸送車の機能部の状態を示す機能情報の検出と、当該検出情報をもとにした解析情報の演算と、上記各情報の管理者側への送信とを車載コンピュータで制御して行うようにしたものである。
【0036】
本発明の移動体ネットワークを使用した車両情報管理システムは、
輸送車から広域ネットワークを介して送られたデータを基に、輸送車の速度を時系列で検出し、車間距離が不適当であることを表す速度変動を抽出することにより、車間距離の不適当度合いを推測するようにしたものである。
【0037】
本発明の移動体ネットワークを使用した車両情報管理システムは、
輸送車から広域ネットワークを介して送られたデータを基に、輸送車の速度を時系列で検出し、検出値にハイパスフィルターをかけて、車間距離が不適当であることを表すサイクルが短い速度変動を抽出することにより、車間距離の不適当度合いを推測するようにしたものである。
【0038】
本発明の移動体ネットワークを使用した車両情報管理方法は、
輸送車から広域ネットワークを介して送られたデータを基に、輸送車の速度、走行距離の検出と同期して、燃料噴射ポンプへの燃料の供給量とリターン量を検出し、その差を燃料の消費量として検出し、この検出値をもとに所要の時間内での瞬間燃費または平均燃費を演算して解析するようにしたものである。
【0039】
本発明の移動体ネットワークを使用した車両情報管理方法は、
輸送車から広域ネットワークを介して送られたデータを基に、輸送車の速度、走行距離及び位置検出手段による位置の検出と同期して、燃料噴射ポンプへの燃料の供給量とリターン量を検出し、その差を燃料の消費量として検出し、この検出値をもとに所要の時間内での瞬間燃費または平均燃費を演算して、ルート別の燃費を解析するようにしたものである。
【0040】
本発明の移動体ネットワークを使用した車両情報管理システムは、
輸送車の運転状態を示す運転情報または輸送車の機能部の状態を示す機能情報の検出と、当該検出情報をもとにした解析情報の演算と、上記各情報の広域ネットワークを使用した送信とを車載コンピュータで制御して行うようにし、
車載コンピュータのプログラムを通信手段を介してアップデートするようにしたものである。
【0041】
本発明の移動体ネットワークを使用した車両情報管理システムは、
輸送車の運転情報を検出するための運転情報検出手段と、
輸送車の機能情報を検出するための機能情報検出手段と、
検出された運転情報と機能情報を解析し、検出情報または解析情報を管理者側コンピュータへ送るとともに記録する車載コンピュータと、
車載コンピュータから管理者側コンピュータへ上記検出情報または解析情報を直接的または間接的に送るための広域ネットワークを使用した通信手段と、
上記車載コンピュータから送られた上記検出情報または解析情報を得るための管理者側コンピュータと、
管理者側において、検出情報または解析情報を表示する管理者側情報表示手段と、を備えているものである。
【0042】
本発明の移動体ネットワークを使用した車両情報管理システムは、
広域ネットワーク上に設けられているサーバと、
輸送車の運転情報を検出するための運転情報検出手段と、
輸送車の機能情報を検出するための機能情報検出手段と、
検出された運転情報と機能情報を解析し、検出情報または解析情報を上記サーバへ送るとともに記録する車載コンピュータと、
車載コンピュータから上記サーバへ上記検出情報または解析情報を送るための広域ネットワークを使用した通信手段と、
上記サーバへアクセスして上記検出情報または解析情報を得るための管理者側コンピュータと、
管理者側において、検出情報または解析情報を表示する管理者側情報表示手段と、を備えているものである。
【0043】
本発明の移動体ネットワークを使用した車両情報管理システムは、
輸送車側において検出情報または解析情報を表示するための輸送車側情報表示手段を備えているものである。
【0044】
本発明の移動体ネットワークを使用した車両情報管理システムは、
車載コンピュータは、各情報を輸送車の運行においてリアルタイムで送るようにしてあるものである。
【0045】
本発明の移動体ネットワークを使用した車両情報管理システムは、
輸送車から広域ネットワークを介して送られたデータを基に輸送車の情報を管理するシステムであって、
集配先において荷を集配し、集配の完了を情報としてコンピュータに入力しようとする際に、あらかじめ記憶されている集配先の位置情報と、位置検出手段による自動車の実際の位置情報を照合して、位置情報のずれが、あらかじめ設定されている許容誤差の範囲内であれば、上記荷の集配の完了が情報として入力されるか、または入力が可能となるようにしてあるものである。
【0046】
本発明の移動体ネットワークを使用した車両情報管理システムは、
輸送車から広域ネットワークを介して送られたデータを基に輸送車の情報を管理するシステムであって、
集配先において荷を集配し、集配の完了を情報としてコンピュータに入力しようとする際に、荷の識別情報と、あらかじめ設定されている荷と集配先との関連付け情報を照合し、集配先が荷を集配すべき場所に間違いがなければ、上記荷の集配の完了が情報として入力されるか、または入力が可能となるようにしてあるものである。
【0047】
本発明の移動体ネットワークを使用した車両情報管理システムは、
集配先において荷を集配し、集配の完了を情報としてコンピュータに入力しようとする際に、あらかじめ記憶されている集配先の位置情報と、位置検出手段による実際の位置情報を照合して、位置情報のずれが、あらかじめ設定されている許容誤差の範囲内であり、
なおかつ、荷の識別情報と、あらかじめ設定されている荷と集配先との関連付け情報を照合し、集配先が荷を集配すべき場所に間違いがなければ、上記荷の集配の完了が情報として入力されるか、または入力が可能となるようにしてあるものである。
【0048】
本発明の移動体ネットワークを使用した車両情報管理システムは、
車載コンピュータの記録媒体に記録されたデータを基に、輸送車の速度を時系列で検出し、車間距離が不適当であることを表す速度変動を抽出することにより、車間距離の不適当度合いを推測するようにしたものである。
【0049】
本発明の移動体ネットワークを使用した車両情報管理システムは、
輸送車から送られたデータを基に、輸送車の速度を時系列で検出し、車間距離が不適当であることを表す速度変動を抽出することにより、車間距離の不適当度合いを推測するようにしたものである。
【0050】
本発明の移動体ネットワークを使用した車両情報管理システムは、
輸送車から広域ネットワークを介して送られたデータを基に輸送車の情報を管理するシステムであって、
集配先において荷を集配し、集配の完了を情報としてコンピュータに入力することによって、あらかじめ記憶されている集配先の位置情報をもとに、コンピュータの表示部に現在地から次の集配先へのルートを地図とともに表示するようにしてあるものである。
【0051】
本発明の移動体ネットワークを使用した車両情報管理システムは、
輸送車から広域ネットワークを介して送られたデータを基に輸送車の情報を管理するシステムであって、
高速道路の通行券を乗務員が所定の手段に収容または保持させたことを感知手段が感知することにより輸送車が一般道路から高速道路に移ったことを管理者側へ知らせ、通行券の収容または保持を解除したことを感知手段が感知することにより輸送車が高速道路を降りて一般道路に移ったことを管理者側へ知らせるようにしてあるものである。
【0052】
道路輸送管理システムの対象となる業務としては、道路を走行する車両によって人または物の輸送を行うものであれば、特に限定されるものではない。例えば、荷物の輸送、集配を行う運送会社の他、現金の輸送等を行う警備会社、人の輸送を行うタクシー会社、バス会社等である。
【0053】
本明細書にいう移動体ネットワーク(移動体通信ネットワークとも称される)は、輸送車両等の移動体と、インターネット等の広域ネットワークを組み合わせた意味を含むものである。
運転情報と機能情報は、何れか一方だけを検出するようにもできるし、両方を検出するようにもできる。
本明細書にいう「運転情報」の用語は、乗務員による運転の仕方に起因する様々な情報を含む意味で使用している。例えば、GPS等の位置検出手段により検出された位置情報、速度情報、エンジンの回転数情報、走行距離情報、走行時間情報、燃料消費量情報、急停止回数情報等である。
なお、位置検出手段としては、地上の三次元空間の受信者(輸送車等)の位置を求めることができるものであれば特に限定するものではなく、例えば静止衛星を使用したGPSの他、航行衛星を使用したNNSS(Navy Navigation Satellitesystem)等、公知の他のシステムまたは将来的に開発されるシステムを採用することもできる。
【0054】
本明細書にいう「機能情報」の用語は、運転中あるいは停車中の輸送車の機能部に関する様々な情報を含む意味で使用している。例えば、輸送車が冷蔵車、冷凍車であれば庫内の温度情報であり、あるいは現金輸送車であればドアの開閉情報である等である。なお、機能部としては、上記に限定されるものではない。
【0055】
本明細書にいう「検出情報」の用語は、各検出手段によって検出したままの情報であって、例えば上記したようなGPSによる位置情報、速度情報、エンジンの回転数情報、走行距離情報、走行時間情報、燃料消費量情報、急停止回数情報、あるいは庫内の温度情報、ドアの開閉情報等である。
【0056】
また、「解析情報」の用語は、検出情報をもとに演算をして所定の解析を行った情報であり、数値情報である場合もあるし、文字(文章)情報、警告ランプ等の視覚に訴える情報あるいは警告音等の聴覚に訴える情報である場合もある。
例えば、瞬間燃費情報、平均燃費情報、ルート別の燃費情報、一定の走行距離当たりのエンジン回転数情報、速度変動率情報(車間距離の解析に利用)、目的地までの距離情報、「注意」「警告」等の文字情報、注意または警告のためのアラーム等の音情報等である。
【0057】
本明細書にいう「燃費」の用語は、自動車の燃料消費率を意味するものであって、自動車が単位走行距離または単位時間当たりに消費する燃料の量(L/km,L/h)、もしくは自動車が燃料の単位容積当たりに走行できる距離(km/L)で表すものである。
本明細書にいう「リアルタイム」の用語は、即時、同時、実時間という意味であるが、厳密な意味ではなく多少のタイムラグがある場合も含む概念で使用している。
【0058】
本明細書にいう「通信手段」の用語は、例えばPHS、携帯電話あるいはこれらを利用したパケット通信等を含む意味で使用しているが、無線通信ができるものであれば、これらに限定するものではない。
本明細書にいう「車載コンピュータ」の用語は、専用に設計されたコンピュータの他、汎用の各種PDA(Personal Digital Assistance)を含む意味で使用している。
PDAとしては、例えばPalm(商標:パーム・インコーポレイティッド)、PocketPC、Zaurus(商標:シャープ(株))等があるが、これらに限定するものではない。
【0059】
本明細書にいう「記録媒体」の用語は、磁気カードや磁気テープの他、例えば車載コンピュータとしてPDAを採用する場合の各仕様に対応した記録媒体、すなわちメモリスティック、SDメモリカード、マルチメディアカード、コンパクトフラッシュ(登録商標)カード等を含む意味で使用しているが、これらに限定するものではない。
本明細書にいう「輸送車側情報表示手段」または「管理者側情報表示手段」の用語は、コンピュータにより制御されるLCDディスプレイの他、CRTディスプレイを含む意味で使用しているが、これらに限定されるものではない。
本明細書にいう「感知手段」は、通行券を乗務員が所定の手段に収容または保持させたことと、通行券の収容または保持を解除したことを感知できるものであれば、その構造は特に限定するものではない。例えば、赤外線センサやリミットスイッチ等、公知の各種センサまたは各種スイッチ等を使用することができる。
【0060】
(作用)
道路輸送管理システムは、まず、輸送車の運転情報を運転情報検出手段により検出し、輸送車の機能情報を機能情報検出手段により検出する。
そして、検出された運転情報と機能情報をもとに車載コンピュータが所定の演算を行う等して解析する。車載コンピュータは、上記検出情報または解析情報を通信手段を介し管理者側コンピュータへ送る。検出情報または解析情報は、管理者側コンピュータへ直接的に送ることもできるし、インターネット等の広域ネットワークを介在させ、サーバを経由する等して間接的に送ることもできる。
【0061】
管理者側コンピュータへ送られた情報は、ディスプレイ等の管理者側情報表示手段により管理者側で認識することができる。そして、情報がリアルタイムで送られることにより、輸送車の速度や燃費等、運転に問題があるときには、管理者側から乗務員側へ注意を促す指導をリアルタイムで行うことができる。
【0062】
なお、輸送車側においても検出情報または解析情報を表示するための輸送車側情報表示手段を備えていれば、乗務員側と管理者側で情報を共有することができる。これによれば、乗務員が情報をチェックすることにより、乗務員の安全運転と省エネルギー運転に対する意識を高めることができるとともに、乗務員側と管理者側で協調することにより、運行をより効率化することが可能になる。
【0063】
また、車載コンピュータは、上記情報を送るとともに、その情報を記録媒体等の記録手段に記録する。
乗務員は、運行終了後に上記記録媒体を管理者側に提出する。管理者側は、管理者側コンピュータ等を利用して、記録媒体に記録されている情報を更に詳細に解析し、解析して得られた情報をもとに、より効率のよい道路輸送のための管理を行うことが可能になる。
【0064】
以上のように、運転・運行管理者と乗務員が、輸送車から発信される運転・運行情報または/および輸送車に送信される指示情報等を広域ネットワークを介してリアルタイムに共有できるようになることによって上記した様々な作用および効果を生じる。
更には次のような作用・効果もある。
【0065】
リアルタイムで同じ情報を共有できるようになるために、運転・運行管理者と乗務員間の意思の疎通が可能となり、運転・運行の共有管理ができるようになる。これによって事故の未然防止、運行変動費の削減ひいては環境保護、および人事考課の公平性を図り、企業としての社会責任を果たせるようにすると共にコストダウン(燃料費、タイヤ等消耗費、事故処理費の削減等)による適切な営利の追求を助けることができる。
例えば、無理なエンジン回転領域を使用している場合は、そのことが両者にわかり、互いに注意することで排気ガス中の有毒成分を減らし、環境保護を図ることも可能になる。
【0066】
また、例えば車速が80km/hであることを運転・運行管理者側のコンピュータが表示しても、位置情報と組合わせることによって、高速道路か一般道路かの弁別ができ、適正な車速であるかどうか判断できる。
更には、長距離運転で乗務員が仮眠を取る場合、駐車位置によっては後の運行にかかる時間を計算し、差し支えないように適切な時間に起床合図を送る必要がある。
このような場合はGPSに基づく位置情報だけでは、仮眠しているかどうかわからないが、位置情報と運転情報を組み合わせることによって、例えば位置が動かずエンジンの回転数が0の場合は、仮眠している可能性が高い等、正確な情報を得ることができ、適切な連絡ができる。
【0067】
また、無理な運転をしている場合も運転・運行管理者側にわかるため、広域ネットワークを利用して、或いは携帯電話に電話することによって注意を促すことができる等、その効果は大きい。
【0068】
集配先において荷を集配し、集配の完了を情報としてコンピュータに入力しようとする際に、あらかじめ記憶されている集配先の位置情報と、GPSによる自動車の実際の位置情報を照合して、位置情報のずれが、あらかじめ設定されている許容誤差の範囲内であれば、上記荷の集配の完了が情報として入力されるか、または入力が可能となるようにしてある道路輸送管理システムは、上記の条件を満たさなければ、集配の完了をコンピュータに情報として入力することができない。従って、例えば、実際には荷を集配先に配達していないのに配達したように装う、乗務員による配達の偽装あるいは虚偽申告等の不正を防止することが可能になる。
【0069】
集配先において荷を集配し、集配の完了を情報としてコンピュータに入力しようとする際に、荷の識別情報と、あらかじめ設定されている荷と集配先との関連付け情報を照合し、集配先が荷を集配すべき場所に間違いがなければ、上記荷の集配の完了が情報として入力されるか、または入力が可能となるようにしてある道路輸送管理システムは、上記の条件を満たさなければ、集配の完了をコンピュータに情報として入力することができない。従って、例えば、実際の集配先でない別の集配先に荷を配達してしまう誤配送を防止することが可能になる。
【0070】
集配先において荷を集配し、集配の完了を情報としてコンピュータに入力することによって、あらかじめ記憶されている集配先の位置情報をもとに、コンピュータの表示部に現在地から次の集配先へのルートを地図とともに表示するようにしてあるものは、例えば交通混雑や距離の情報を利用する等して、集配先の順番を最も効率のよい順序で地図と連動させてプログラムしておけば、次の集配先と、現在地から集配先までのルートが視覚的に確認できるので、集配先を間違えたりしにくく、無駄のない効率的な輸送が可能になる。
なお、集配先の順番は、上記したようにあらかじめプログラムされている場合もあるし、ある集配先で集配の完了を情報としてコンピュータに入力することによって、例えば現在地から距離的に最も近い集配先または帰社までのルートの中で距離的に最も効率がよい集配先をその都度演算または検索して表示するようにプログラムされている場合もある。
【0071】
高速道路の通行券を乗務員が所定の手段に収容または保持させたことを感知手段が感知することにより輸送車が一般道路から高速道路に移ったことを管理者側へ知らせ、通行券の収容または保持を解除したことを感知手段が感知することにより輸送車が高速道路を降りて一般道路に移ったことを管理者側へ知らせるようにしてあるものは、乗務員が料金所で発券される通行券を高速道路に移るときに容器やホルダー等の所定の手段に収容または保持させ、一般道路に移るときに通行券の収容または保持を解除すれば、自動的に管理者側へ知らせることができる。
これにより、管理者側は、輸送車が一般道路と高速道路のうちどちらを走行しているのかを常時特定することができるので、運行料金の管理や速度管理を間違いなく確実に行うことができる。
【発明の効果】
【0072】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば移動体ネットワークと記録媒体を使用することによって、統合的な車両情報の管理が可能となる。具体的には次の通りである。
(a)本発明によれば、運転・運行管理者と乗務員が、輸送車から発信される運転・運行情報または/および輸送車に送信される指示情報等を広域ネットワークを介してリアルタイムに共有できるようになる。
このようにリアルタイムで同じ情報を共有できるようになるために、運転・運行管理者と乗務員間の意思の疎通が可能となり、運転・運行の共有管理ができるようになる。これによって事故の未然防止、運行変動費の削減ひいては環境保護、および人事考課の公平性を図ることができ、企業としての社会責任を果たせるようにすると共にコストダウン(燃料費、タイヤ等消耗費、事故処理費の削減等)による適切な営利の追求を助けることができる。
【0073】
(b)輸送車側で検出した検出情報及びそれを解析した解析情報を管理者側へ送ることにより、管理者側は、運転時に乗務員がどのような運転をしているか、あるいは輸送車がどのような状態にあるかの各種情報を見ることができる。
これによれば、運行中に輸送車の速度や燃費等、運転に問題があるときには、管理者側から乗務員側へ注意を促す指導を行うことができる。また、情報をリアルタイムで送ることにより、より効果的な車両の統合管理が可能である。
【0074】
(c)輸送車側において検出情報または解析情報を表示するための輸送車側情報表示手段を備えていることにより、乗務員側と運転・運行管理者側で情報を共有することができる。
これによれば、乗務員が情報をチェックすることにより、乗務員の安全運転と省エネルギー運転に対する意識を高めることができるともに、乗務員側と運転・運行管理者側で協調することにより、運行をより効率化することが可能になる。
【0075】
(d)乗務員個々の運転時の燃費等を正確に計ることができるので、利益に直結する安全運転や省エネルギー運転に対する乗務員個々の姿勢や運転技術を正当に評価し、これを給与等の人事考課に反映させることができる。
従って、乗務員の運転に対する姿勢と運転技術向上の意識高揚を図り、結果的に運行変動費を削減することができる。
【0076】
(e)輸送車の状態、例えば冷蔵車、冷凍車では温度情報等、あるいは現金輸送車ではドアの開閉情報等、輸送車の機能的な状態をリアルタイムで把握できるので、万一の場合の対処が迅速にできる。
【0077】
(f)集配先において荷を集配し、集配の完了を情報としてコンピュータに入力しようとする際に、あらかじめ記憶されている集配先の位置情報と、位置検出手段による自動車の実際の位置情報を照合して、位置情報のずれが、あらかじめ設定されている許容誤差の範囲内であれば、上記荷の集配の完了が情報として入力されるか、または入力が可能となるようにしてある道路輸送管理システムは、上記の条件を満たさなければ、集配の完了をコンピュータに情報として入力することができない。従って、例えば、実際には荷を集配先に配達していないのに配達したように装う、乗務員による配達の偽装あるいは虚偽申告等の不正を防止することが可能になる。
【0078】
(g)集配先において荷を集配し、集配の完了を情報としてコンピュータに入力しようとする際に、荷の識別情報と、あらかじめ設定されている荷と集配先との関連付け情報を照合し、集配先が荷を集配すべき場所に間違いがなければ、上記荷の集配の完了が情報として入力されるか、または入力が可能となるようにしてある道路輸送管理システムは、上記の条件を満たさなければ、集配の完了をコンピュータに情報として入力することができない。従って、例えば、実際の集配先でない別の集配先に荷を配達してしまう誤配送を防止することが可能になる。
【0079】
(h)集配先において荷を集配し、集配の完了を情報としてコンピュータに入力することによって、あらかじめ記憶されている集配先の位置情報をもとに、コンピュータの表示部に現在地から次の集配先へのルートを地図とともに表示するようにしてあるものは、例えば交通混雑や距離の情報を利用する等して、集配先の順番を最も効率のよい順序で地図と連動させてプログラムしておけば、現在地から集配先までのルートがカーナビゲーションシステムと同様に視覚的に確認できるので、集配先を間違えたりしにくく、無駄のない効率的な輸送が可能になる。
【0080】
(i)高速道路の通行券を乗務員が所定の手段に収容または保持させたことを感知手段が感知することにより輸送車が一般道路から高速道路に移ったことを管理者側へ知らせ、通行券の収容または保持を解除したことを感知手段が感知することにより輸送車が高速道路を降りて一般道路に移ったことを管理者側へ知らせるようにしてあるものは、乗務員が料金所で発券される通行券を高速道路に移るときに容器やホルダー等の所定の手段に収容または保持させ、一般道路に移るときに通行券の収容または保持を解除すれば、自動的に管理者側へ知らせることができる。
これにより、管理者側は、輸送車が一般道路と高速道路のうちどちらを走行しているのかを常時特定することができるので、運行料金の管理や速度管理を間違いなく確実に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0081】
本発明を図に示した実施例に基づき詳細に説明する。
【実施例】
【0082】
図1は本発明に係る道路輸送管理システムの一実施の形態を示す説明図である。
道路輸送管理システムSは、本実施の形態では輸送トラックで荷物の集配を行う運送会社に対応したシステムである。まず、道路輸送管理システムSの構成を説明する。
道路輸送管理システムSは、輸送トラック1と、輸送トラック1に搭載されている車載コンピュータ2と、車載コンピュータ2から情報を送るためのパケット通信網3と、インターネット上にあるサーバ4と、管理者側コンピュータ5により構成されている。
【0083】
輸送トラック1は冷蔵車で、冷凍庫10と冷蔵庫11を備えている。冷蔵庫10内には、温度計12が設けられており、冷凍庫11内には、温度計13が設けられている。
スピードメータ14から速度を検出できるようになっており、回転計(タコメータ)15からはエンジンの回転数を検出できるようになっている。
【0084】
また、エンジン(ディーゼル)の燃料噴射ポンプ側へ燃料(軽油)を送る送給管には送り流量計16が設けられており、燃料を戻す返送管には戻し流量計17が設けられている。
温度計12からの冷凍庫10の温度情報と、温度計13からの冷蔵庫11の温度情報と、スピードメータ14からの速度情報と、回転計15からのエンジンの回転数情報と、送り流量計16からの燃料の供給量情報と、戻し流量計17からの燃料の返送量情報は、インターフェースボックス18へ送られ、ここから車載コンピュータ2へ一秒毎にリアルタイムで送られる。この時間の間隔は適宜設定が可能である。
【0085】
車載コンピュータ2は、ディスプレイ23を有するPDA(本実施の形態ではカシオペア:商標:カシオ計算機(株))であり、輸送トラック1の運転席に乗務員が見やすい位置に取り付けられている。
車載コンピュータ2には、パケット通信用チップ20が装着されており、これによりパケット通信網3を介して通信が可能になる。
車載コンピュータ2には、GPS受信機21が装着されており、これにより輸送トラック1の位置情報を静止衛星から得ることができる。
更に、車載コンピュータ2にはメモリカード22が装着される。メモリカード22(本実施の形態では、カシオペアに対応したSDメモリカード)は抜き差し可能であり、運行開始時に乗務員が乗るときに車載コンピュータ2のソケットに差し込み、運行終了後に乗務員が降りるときに抜き取る。
【0086】
パケット通信網3は、情報を安価に送ることができるもので、車載コンピュータ2は、運行時においては常時接続されている。車載コンピュータ2が、パケット通信網3を介しインターネット上のサーバ4へ情報を送る時間の間隔は、例えば一分間であるが、これに限定せず適宜設定が可能である。
なお、本実施の形態では、サーバ4は管理者である運送会社以外の運営になる集中管理サーバであるが、管理者が管理者側コンピュータ5を兼ねたサーバを持つこともできる。
管理者側コンピュータ5は、ディスプレイ50と、メモリーカード22の情報を読み取るためのカードリーダ51を有している。また、管理者側コンピュータ5はインターネット上のサーバ4にアクセスできるようになっている。
【0087】
図2は、燃料ポンプの送給経路に配置される気泡分離器を示した説明図である。
後で説明するように、燃料消費量の測定は、燃料噴射ポンプへ供給される燃料(軽油)と燃料噴射ポンプから返送される燃料の差で計測するようにしている。
ところが、燃料噴射ポンプで余剰の燃料を返送する際に燃料中に気泡を含む場合があり、この場合は正確な測定が困難である。
そこで燃料の返送管の途中に気泡分離器19を設けて燃料中に含まれている気泡を取り除くようにしている。
【0088】
気泡分離器19は、ケーシング(またはハウジング)190を備えている。ケーシング190は側部に燃料導入口191、下部に燃料排出口192、上部に小さな空気排出口193がそれぞれ設けてある。ケーシング190内は、セパレータ194によって、下側の燃料貯留室195と上側の空気貯留室196に区画されている。セパレータ194には、所要数の空気抜き穴197と、後で説明するフロート198の弁棒(ニードル)198aが挿通しガイドされるガイド穴198eとが設けてある。
なお、燃料導入口191は流入する燃料が排出される燃料より多くなる大きさに形成されている。
【0089】
ケーシング190内には、フロート198が配置されている。フロート198には空気を封入した容器(袋等)が使用されている。フロート198の上側には、先端に(ニードル)弁体198bを有する弁棒198aが立設されている。
一方、下側には、下端に弁体198dを有する弁棒198cが垂設されている。
各弁と当接する箇所には、弁座192a、193aが形成されている。
【0090】
気泡分離器19は上記のような構成になっており、燃料導入口191から気泡を含んだ燃料が燃料貯留室195に流入すると、燃料は一旦燃料貯留室195に貯留する。継続して流入し貯留する燃料によってフロート198が浮き上がり、弁198dが燃料排出口192の弁座192aから離れる。これによって、燃料は燃料貯留室195から排出される。
【0091】
流入した燃料に含まれている気泡は燃料から分離し空気貯留室196に移行し貯留する。燃料の流入に伴いフロート198が浮き上がり、弁198bが排出側弁座と当接して空気排出口193を閉塞する。その状態で燃料は排出される。
燃料の流入に伴い、貯留する空気の量も増加し空気貯留室196内の圧力が一定以上になるとフロート198に空気圧がかかり、これを押し下げる。これに伴い、弁198bが排出側の弁座193aから離れ、空気排出口193から空気が排出される。
【0092】
そして上記作動を繰り返しながら、燃料内の空気を燃料と分離することができる。なお、噴射ポンプの戻し圧によって燃料排出口192から或程度圧力のかかった燃料を排出するので、この流出圧力によって流量計を円滑に作用させることができる。
【0093】
(作 用)
図3は本発明に係る道路輸送管理システムの運用の方法を示すフローチャートである。
図4は車載コンピュータのディスプレイを示し、目的地までの方向と直線距離を表示した画面の説明図、
図5は車載コンピュータのディスプレイを示し、主に検出情報を表示した画面の説明図、
図6は車載コンピュータのディスプレイを示し、主に解析情報を表示した画面の説明図、
図7は車載コンピュータのディスプレイを示し、速度情報とエンジンの回転数情報を時系列で表示した画面の説明図、
図8は車載コンピュータのディスプレイを示し、冷凍庫と冷蔵庫の庫内温度情報を時系列で表示した画面の説明図である。
【0094】
図9は管理者側コンピュータのディスプレイを示し、個別車両の集配状況情報を表示した説明図、
図10は管理者側コンピュータのディスプレイを示し、運行後の解析情報を表示した説明図、
図11は、輸送トラックの運行地域を表示した広域地図とそれに対応する輸送トラックの運行記録グラフを表示したディスプレイ画面の説明図、
図12は管理者側で行う運行解析テーブルの説明図、
図13は管理者側で行う乗務員別の管理台帳テーブルの説明図、
図14は管理者側で行う車両特性テーブルの説明図である。
図1ないし図14を参照して、本発明に係る道路輸送管理システムSの運用方法について説明する。
【0095】
(1)管理者側が配送予定を管理者側コンピュータ5に入力する。入力情報は、請求システム、給与システム等の他のシステムと連携して入力される。入力情報は、インターネットを介してサーバ4にも配信され記憶される(図3参照)。
(2)乗務員は輸送トラック1に搭載された車載コンピュータ2に、情報を消去(クリア)したメモリカード22を装着する。乗務員は車載コンピュータ2に乗務員IDを入力する。なお、車載コンピュータ2の電源を入れたとき、プログラムのアップデートがある場合には、サーバ4からパケット通信網3を介して自動的に更新されるようになっている(図3参照)。
【0096】
(3)輸送トラック1を運行させると、GPS受信機21が静止衛星からの信号を受け、輸送トラック1の位置情報を検出する。また、温度計12からの冷凍庫10の温度情報と、温度計13からの冷蔵庫11の温度情報と、スピードメータ14からの速度情報と、回転計15からのエンジンの回転数情報と、送り流量計16からの燃料の供給量情報と、戻し流量計17からの燃料の返送量情報等の各検出情報は、インターフェースボックス18へ送られ、ここから車載コンピュータ2へ一秒毎にリアルタイムで送られる(図1参照)。
【0097】
(4)車載コンピュータ2へ送られた各情報は、演算処理することによって所定の解析が行われる。車載コンピュータ2のディスプレイ23には、上記各検出情報及び解析情報が表示されるようになっており、乗務員はリアルタイムで各情報を見ることができる。ディスプレイ23の表示は、乗務員のスイッチ操作によってあらかじめ設定されている画面に切り替わるようになっているが、これに限定されるものではなく、所定時間毎に順次自動的に切り替わるようにしてもよい。
【0098】
図4ないし図8を参照して、検出情報と、車載コンピュータ2での解析情報を表示するディスプレイ23の画面を説明する。
図4のディスプレイ画面では、ディスプレイ23に目的地までの方向と直線距
離を視覚的に表示している。
図5のディスプレイ画面では、主に検出情報を表示しており、速度(km/h)と、エンジンの回転数(rpm)と、瞬間燃費(km/L)と、走行距離(km)及び消費燃料(L)を数値で表示している。
このうち、瞬間燃費の解析は、燃料噴射ポンプへの燃料の供給量(送り流量計16からの情報)とリターン量(戻し流量計17からの情報)を検出し、その差を燃料の消費量として検出し、この検出値をもとに所要の時間内での瞬間燃費を演算して行っており、燃費の正確な値がリアルタイムでわかる。
【0099】
図6のディスプレイ画面では、主に解析情報を表示しており、1km当たりのエンジン回転数(Rev/km)、速度変動率(%/s)、燃費(km/L)をグラフで表示し、最高速度(km/h)、最高回転数(rpm)、急停車回数(回)、走行時間(h:m:s)、アイドリング時間(h:m:s)を数値で表示している。
図7のディスプレイ画面では、速度(km/h)とエンジンの回転数(rpm)を時系列でグラフで表示し、併せて走行距離(km)を数値で表示している。
図8のディスプレイ画面では、冷凍庫10と冷蔵庫11の庫内温度(℃)を時系列でグラフと数値で表示している。
【0100】
(5)車載コンピュータ2は、上記検出情報及び解析情報をディスプレイ23に表示するとともに、パケット通信網3を介し、インターネット上のサーバ4へ送る(図1、図3参照)。
(6)管理者側コンピュータ5は、インターネットを介してサーバ4にアクセスしており、サーバ4に送られた上記情報を得ることができる。そして、管理者側コンピュータ5へ送られた情報は、ディスプレイ50により管理者側でリアルタイムで見ることができる。なお、上記したように乗務員側でも同様に情報を見ることができるので、乗務員側と管理者側で情報をリアルタイムで共有することができる。
【0101】
これによれば、乗務員が情報を常時チェックすることにより、乗務員の安全運転と省エネルギー運転に対する意識を高めることができるともに、乗務員側と管理者側で協調することにより、運行をより効率化することが可能になる。
なお、情報はリアルタイムで送られるので、輸送トラック1の速度や燃費等、運転に問題があるときには、管理者側から乗務員側へ注意を促す指導をリアルタイムで行うことができる。
また、並行して集配報告書が作成される。集配報告書は、請求システム、給与システム等の他のシステムと連携している(図3参照)。
【0102】
(7)車載コンピュータ2は、上記情報を送るとともに、その情報をメモリカード22に記録する。乗務員は、運行終了後(車庫に帰着後)にメモリカード22を管理者側に提出する。管理者側は、メモリカード22に記録されている情報を管理者側コンピュータ5のカードリーダ51で読み取り、更に情報を詳細に分析し、解析して得られた情報をもとに、より効率のよい道路輸送のための管理を行うことが可能になる(図1、図3参照)。
【0103】
図9ないし図14を参照して、管理者側コンピュータ5で行う解析の例を次に説明する。なお、表示された情報には、検出情報と、車載コンピュータ2での解析情報も含まれている。
図9のディスプレイ画面では、輸送トラック1の現在地を表示する広域地図と詳細地図を表示しており、更に三つの別のウィンドウで、客先別の集配状況、伝票別の集配状況、個別車両情報を表示している。
個別車両情報には、車両ID、運送会社名、乗務員氏名、現在地、進行方向、速度(km/h)、エンジン回転数(rpm)、急停止回数(回)、冷凍庫10と冷蔵庫11の庫内温度(℃)を表示している。
【0104】
図10のディスプレイ画面では、輸送トラック1の現在地を表示する広域地図と、速度、加速・減速の程度の各条件でそのような運転がされたかどうかの検索ができる検索ウィンドウを表示している。
また、別のウィンドウでは、速度(km/h)、エンジン回転数(rpm)等を時系列でグラフで表示し、走行時間(h:m:s)、停車時間(h:m:s)、アイドリング率(%)、急加速(回)、急減速(回)、単位距離回転数(Rev/km)を数値で表示している。
【0105】
図11のディスプレイ画面では、輸送トラック1の運行地域を表示した広域地図とそれに対応する輸送トラック1の運行記録グラフが表示してある。
運行記録グラフ上には、マウスで任意に動かすことができるグラフカーソル91が設けられている。
一方、広域地図上には、運行記録グラフのグラフカーソル91位置の時刻における輸送トラック1の位置を示す赤色のポインターが点滅している。
上記グラフカーソル91の動きとポインターの動きは連動している。従ってマウスでグラフカーソル91を任意の時刻の位置に動かすことによって、その時刻(分、秒単位)に輸送トラック1がどこを走っていたかがわかる。このように位置情報と時間、運転状態の情報を組み合わせることによってきめ細かな運行・運転情報を得ることができる。
【0106】
図12で示す運行解析テーブルでは、運行ID、車両番号、乗務員ID、出発日時、帰着日時、走行距離(総走行距離)、燃料使用量(総使用量)、平均燃費、実車率(Σ(積載量/最大積載量)×(積載走行距離)/(総走行距離))、急停止回数、波状運転指数(短い周期(20秒以下)での速度変動のマグニチュード)、平均加速度(加速の平均値km/h/s)、平均減速度(減速の平均値km/h/s)、エンジン回転数/走行距離(1km走行に要したエンジン総回転数)、走行時間、アイドリング時間を管理するようになっている。
【0107】
図13で示す乗務員別の管理台帳テーブルでは、乗務員ID、就業時間(1ヶ月の総就業時間)、総走行距離(1ヶ月の総走行距離)、実車走行時間(1ヶ月の総実車走行時間)、実車走行距離(1ヶ月の総実車走行距離)、平均燃費(1ヶ月の平均燃費)、経済運転指数(Σ(1運行の平均燃費BATU 係数)/運行回数+Σ(1運行の平均加速度+平均減速度)/運行回数)、安全運転指数(1ヶ月の波状運転指数の平均+急停止回数+Σ(1運行の平均加速度+平均減速度)/運行回数)を管理するようになっている。
【0108】
図14で示す車両特性テーブルでは、車両番号、最終減速比、燃費係数を管理するようになっている。
【0109】
図15は本発明に係る道路輸送管理システムの他の実施の形態を示す説明図である。
本実施の形態に係る道路輸送管理システムは、上記した道路輸送管理システムの中に組み込んでもよいし、他の道路輸送管理システムに組み込んでもよい。また、独立した道路輸送管理システムとしてもよい。
【0110】
車載コンピュータ2には、あらかじめ集配先と荷の情報がダウンロード等により読み込まれている。
集配先のリスト情報d1には、あらかじめGPS等で計測された位置情報(緯度、経度)が各集配先に関連付けられて記憶されている。
荷(荷物1、2、3・・・)のリスト情報d2には、各荷に関連付けられて商品コード(識別情報)が記憶され、また各荷と集配先とは関連付けられて記憶されている。
【0111】
(作用)
図15を参照して、「○○商店」に「荷物3」を配送する場合で説明する。
輸送車が「○○商店」に到着し、乗務員は降ろす荷のバーコードをスキャナまたはバーコードリーダで読み取って配送を完了しようとする。
ここで、まず、GPSからの輸送車の現在の位置情報と、あらかじめ記憶されている「○○商店」の位置情報が照合される。これらの位置情報の誤差が、あらかじめきめられている許容誤差の範囲内であれば、車載コンピュータ2は、輸送車の位置が「○○商店」であると認識する。
【0112】
輸送車の位置が「○○商店」であると認識されれば、次にバーコードを読み取った荷の商品コードと、「荷物3の集配先が○○商店である」という、荷と集配先の関連付け情報が照合される。
バーコードを読み取った荷が間違いなく「荷物3」であれば、車載コンピュータ2は、「○○商店」に「荷物3」が配送されたと認識し、荷の集配の完了が情報として入力される。また、乗務員が間違って「荷物2」を降ろそうとしていた場合は、スキャナ等の表示画面に「エラー」が表示され、荷が間違っていることを知らせる。
【0113】
本実施の形態に係る道路輸送管理システムによれば、輸送車の位置が間違いなく「○○商店」であることと、降ろそうとしている荷が間違いなく「荷物3」であることが認識されなければ、集配の完了を車載コンピュータ2に情報として入力することができない。
従って、例えば、実際には荷を集配先に配達していないのに配達したように装う、乗務員による配達の偽装あるいは虚偽申告等の不正を防止することが可能になる。また、実際の集配先でない別の集配先に荷を配達してしまう誤配送を防止することが可能になる。
【0114】
図16は本発明に係る道路輸送管理システムの他の実施の形態を示す説明図である。
本実施の形態に係る道路輸送管理システムは、上記した道路輸送管理システムの中に組み込んでもよいし、他の道路輸送管理システムに組み込んでもよい。また、独立した道路輸送管理システムとしてもよい。
【0115】
車載コンピュータ2には、集配先の位置情報がダウンロード等により読み込まれている。集配先のリスト情報d3には、あらかじめGPS等で計測された位置情報(緯度、経度)が各集配先に関連付けられて記憶されており、また、各集配先は地図情報と関連付けられて記憶されている。
【0116】
(作用)
図16を参照して、「△△倉庫」への集配が終了して集配の完了を情報としてコンピュータに入力する場合を例にとり説明する。
輸送車が「△△倉庫」に到着し、乗務員は降ろす荷のバーコードをスキャナで読み取って配送を完了する。
【0117】
このようにして、集配の完了が情報としてコンピュータに入力されると、集配先のリスト情報d3の中から、地図情報をもとに距離的に最も近い集配先または帰社までのルートの中で距離的に最も効率がよい集配先を演算し、ここでは「××運輸」を特定し、地図上に現在地(△△倉庫)からその集配先(目標地点:××運輸)までのルートを表示する。
これによれば、現在地から次の集配先までのルートが、カーナビゲーションシステムと同様に視覚的に確認できるので、集配先を間違えたりしにくく、無駄のない効率的な輸送が可能になる。
【0118】
図17は、本発明に係る道路輸送管理システムの他の実施の形態を示す説明図である。
本実施の形態に係る道路輸送管理システムは、上記した道路輸送管理システムの中に組み込んでもよいし、他の道路輸送管理システムに組み込んでもよい。また、独立した道路輸送管理システムとしてもよい。
【0119】
本実施の形態に係る道路輸送管理システムでは、車載コンピュータ2に接続されているカードホルダー6を備えている。カードホルダー6の収容部60の底部には、収容部60に通行券62が収容されたことと取り出されたことを感知する感知手段であるセンサ61が設けられている。
【0120】
(作用)
本実施の形態に係る道路輸送管理システムによれば、乗務員が料金所で発券される通行券62をカードホルダー6の収容部60に収容するようにすれば、センサ61が通行券62を感知して、車載コンピュータ2によって管理者側へその情報を自動的に送信する。これにより、管理者側では、輸送車が一般道路から高速道路に移ったことを認識でき、例えば速度の管理を高速道路用に切り替えて間違わずに正確に管理することができる。
【0121】
また、輸送車が高速道路を降りるときに、運転者が料金の支払いのために通行券62をカードホルダー6から引き抜くと、それをセンサ61が感知して、車載コンピュータ2によって管理者側へその情報を自動的に送信する。これにより、管理者側では、輸送車が高速道路から一般道路に移ったことを認識でき、速度の管理を一般道路用に切り替えて間違わずに正確に管理することができる。
このように、管理者側は、輸送車が一般道路と高速道路のうちどちらを走行しているのかを常時特定することができるので、運行料金の管理や速度管理を間違いなく確実に行うことができる。
【0122】
なお、本明細書で使用している用語と表現は、あくまで説明上のものであって限定的なものではなく、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するものではない。また、本発明は図示されている実施の形態に限定されるものではなく、技術思想の範囲内において種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】本発明に係る道路輸送管理システムの一実施の形態を示す説明図。
【図2】燃料ポンプの送給経路に配置される気泡分離器を示した説明図。
【図3】本発明に係る道路輸送管理システムの運用の方法を示すフローチャート。
【図4】車載コンピュータのディスプレイを示し、目的地までの方向と直線距離を表示した画面の説明図。
【図5】車載コンピュータのディスプレイを示し、主に検出情報を表示した画面の説明図。
【図6】車載コンピュータのディスプレイを示し、主に解析情報を表示した画面の説明図。
【図7】車載コンピュータのディスプレイを示し、速度情報とエンジンの回転数情報を時系列で表示した画面の説明図。
【図8】車載コンピュータのディスプレイを示し、冷凍庫と冷蔵庫の庫内温度情報を時系列で表示した画面の説明図。
【図9】管理者側コンピュータのディスプレイを示し、個別車両の集配状況情報を表示した説明図。
【図10】管理者側コンピュータのディスプレイを示し、運行後の解析情報を表示した説明図。
【図11】輸送トラックの運行地域を表示した広域地図とそれに対応する輸送トラックの運行記録グラフを表示したディスプレイ画面の説明図。
【図12】管理者側で行う運行解析テーブルの説明図。
【図13】管理者側で行う乗務員別の管理台帳テーブルの説明図。
【図14】管理者側で行う車両特性テーブルの説明図。
【図15】本発明に係る道路輸送管理システムの他の実施の形態を示す説明図。
【図16】本発明に係る道路輸送管理システムの他の実施の形態を示す説明図。
【図17】本発明に係る道路輸送管理システムの他の実施の形態を示す説明図。
【符号の説明】
【0124】
S 道路輸送管理システム
1 輸送トラック
10 冷凍庫
11 冷蔵庫
12、13 温度計
14 スピードメータ
15 回転計
16 送り流量計
17 戻し流量計
18 インターフェースボックス
19 気泡分離器
190 ケーシング
191 燃料導入口
192 燃料排出口
193 空気排出口
192a、193a 弁座
194 セパレータ
195 燃料貯留室
196 空気貯留室
197 空気抜き穴
198 フロート
198a 弁棒
198b 弁体
198c 弁棒
198d 弁体
198e ガイド穴
2 車載コンピュータ
20 パケット通信用チップ
21 GPS受信機
22 メモリカード
23 ディスプレイ
3 パケット通信網
4 サーバ
5 管理者側コンピュータ
50 ディスプレイ
51 カードリーダ
d1 集配先のリスト情報
d2 荷のリスト情報
d3 集配先のリスト情報
6 カードホルダー
60 収容部
61 センサ
62 通行券

【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送車から広域ネットワークを介して送られたデータを基に、輸送車の速度を時系列で検出し、車間距離が不適当であることを表す速度変動を抽出することにより、車間距離の不適当度合いを推測するようにしたことを特徴とする、
移動体ネットワークを使用した車両情報管理システム。
【請求項2】
輸送車から広域ネットワークを介して送られたデータを基に、輸送車の速度を時系列で検出し、検出値にハイパスフィルターをかけて、車間距離が不適当であることを表すサイクルが短い速度変動を抽出することにより、車間距離の不適当度合いを推測するようにしたことを特徴とする、
移動体ネットワークを使用した車両情報管理システム。
【請求項3】
車載コンピュータの記録媒体に記録されたデータを基に、輸送車の速度を時系列で検出し、車間距離が不適当であることを表す速度変動を抽出することにより、車間距離の不適当度合いを推測するようにしたことを特徴とする、
車両情報管理システム。
【請求項4】
輸送車から送られたデータを基に、輸送車の速度を時系列で検出し、車間距離が不適当であることを表す速度変動を抽出することにより、車間距離の不適当度合いを推測するようにしたことを特徴とする、
車両情報管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図17】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−4437(P2006−4437A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−178596(P2005−178596)
【出願日】平成17年6月17日(2005.6.17)
【分割の表示】特願2002−111384(P2002−111384)の分割
【原出願日】平成14年4月12日(2002.4.12)
【出願人】(594072339)
【出願人】(597085361)株式会社トワード物流 (4)
【Fターム(参考)】