説明

移動体内情報配信システム

【課題】
従来の列車表示システムでは、車両内の全ての表示部で同じ内容を表示している。また、画面を分割して表示したり、それぞれの表示部で違う内容を表示したりすることができず、効率的な情報配信を行えない。
【解決手段】
移動体内に配置された移動体内情報サーバと、移動体内の所定の場所に配置された複数の表示装置を有し、上記移動体内情報サーバは、上記複数の表示装置に表示する配信情報を記憶する記録サーバと上記記録サーバを制御する第1の制御部を有し、上記複数の表示装置の各々は、表示部と該表示部を制御する第2の制御部を有し、上記記録サーバには、上記複数の表示部に表示情報を表示するための制御情報と表示データを有する配信情報テーブルを記憶し、上記配信情報テーブルに基づいて上記表示データを上記表示部に1画面表示あるいは複数画面表示するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体内情報配信システムに関し、特に、移動体内に設けられた情報サーバ内に蓄積された動画や静止画等の画像を移動体内の表示部に複合的に表示させる移動体内情報配信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ニュース、天気予報、列車の運行情報や乗り換え案内、広告等を画像データとして表示する装置を備えている移動車両がある。これらニュース、天気予報、列車の運行情報や乗り換え案内、広告等の情報は、CD−ROM(Compact Disc-ROM)、光デイスク、半導体メモリ等の記録媒体に記録されており、移動車両内では、そのCD−ROM、光デイスク、半導体メモリ等の記録媒体から情報を再生して、ニュース、天気、列車の運行情報や乗り換え案内、広告等の情報を移動車両内に設置された複数の液晶ディスプレイなどの表示部に表示し、列車内の乗客への情報配信、広告配信を行っている。なお、以下の説明では、ニュース、天気予報、列車の運行情報や乗り換え案内、広告等の情報を配信情報と称することにする。
【0003】
このような移動車両の場合、例えば、1つの車両内の内側壁面に複数の表示装置が配置され、列車内での情報配信は、液晶ディスプレイ等の表示部を用いて、動画や静止画等の画像データを配信している。また、表示される画像データは、移動車両内の複数の表示装置には、同じ画像データが表示されている。そして、こういった情報配信は、列車という不特定多数の人が利用する密閉空間において、乗車中の時間を有意義にするためのサービスとして非常に有用なものであり、特に広告配信は、動画や静止画を用いることで、中吊り広告などの紙面を用いた広告以上に宣伝効果がある。なお、列車等の移動車両とは、列車車両、バス、飛行機、船舶等の人の移動手段として使用されるもので、以下、これらを移動体または移動体車両と称する。
【0004】
これら複数の表示装置を移動体車両内に備えた従来の移動体内情報配信システム、例えば、列車表示システムについて図8を用いて説明する。図8は、従来の列車表示システムの概念を示すブロック図である。図8において、801は、列車内に配信する配信情報を記録した、例えば、CD−ROMを再生する為のCDドライブ、802−1、802−2、802−3は、CDドライブ801が再生した情報を表示する為の液晶ディスプレイ等の表示部である。なお、表示部を代表する場合は、表示部802と称する。これら表示部802は、移動体車両の複数の場所に設置され、乗客等に配信情報として動画や静止画等の画像データをサービスしている。803は、CDドライブ801からの情報(画像データともいう。)を表示部802に配信するためのケーブル等の伝送路である。
【0005】
而して、上述した従来の列車表示システムでは、列車の乗務員が配信情報を記録した記録媒体、例えば、CD−ROMをCDドライブ801で再生し、その再生情報は、CDドライブ802に接続された伝送路803を介して複数の表示部802に配信され、表示される。従って、移動体車両内の乗客は、複数の表示部802に表示された配信情報、即ち、ニュース、天気予報、列車の運行情報や乗り換え案内、広告等のサービスを受けることができる。しかしながら、図8に示される従来の列車表示システムは、移動体車両内に配置された複数の表示部に表示される情報は、全て同じ内容の画像データが配信されている。
【0006】
さて、このような従来の列車表示システムでは、予め表示したい画像データをCD−ROMなどの記録媒体に記憶しておき、その記録媒体を移動体車両に乗務する乗務員あるいは駅員が移動体車両内に持込んで、移動体車両内に備えられた再生装置、例えば、CDドライブ801にセットして再生する方法である。これら再生装置は、例えば、移動体車両の運転席や車掌室などに配置されており、乗務員や駅員が記録媒体を交換することで、配信情報を更新あるいは変更することができる。なお、配信情報には、スポーツニュースやテレビコマーシャルのような動画や静止画といった画像データやニュースなどの文字データも含まれている。
【0007】
更に、最近では、ニーズやサービスの多様化により移動体車両内の複数の表示部に異なる配信情報を表示することも行われている。この方法について図9を用いて説明する。図9は、従来の他の列車表示システムの一例の概略構成を示す図であり、車両内に配置される複数の表示部に異なる、例えば、2種類の配信情報を表示する場合の例を示している。図9において、901は、例えば、列車一両の内部を示している。902−1、902−2は、例えば、2台のCDドライブを示している。CDドライブ902−1は、例えば、広告に関する配信情報を再生するCDドライブであり、CDドライブ902−2は、例えば、運行情報に関する配信情報を再生するCDドライブである。903−1、903−2、903−3、904−1、904−2、904−3は、それぞれ列車のドア905−1、905−2、905−3の上部に設置された液晶ディスプレイ等の表示部である。
【0008】
906−1、906−2は、配信情報を伝送するケーブル等の伝送路である。伝送路906−1は、CDドライブ902−1からの広告に関する配信情報を表示部903−1、903−2、903−3に伝送し、表示部903−1、903−2、903−3に広告に関する配信情報を表示する。伝送路906−2は、CDドライブ902−2からの運行情報に関する配信情報を表示部904−1、904−2、904−3に伝送し、表示部904−1、904−2、904−3に運行情報に関する配信情報を表示する。このように従来の列車表示システムでは、異なる2種類の配信情報を表示する場合、列車のドアの上部などのスペースにそれぞれ2台の表示部を設置し、異なるCDドライブから再生される別々の配信情報を異なる伝送路でそれぞれ配信する方法が取られている。
【0009】
以上説明したように従来の列車表示システムでは、列車内の乗客への情報配信を配信する場合、表示部は、単にCD−ROMの内容を表示するだけなので、車両内のすべての表示部は、同じ内容を表示することしか出来ない。特に配信情報を画面分割して表示したり、それぞれの表示部で、違う内容を表示したりすることが出来ない為、効率的な情報配信を行うことができない。また、例えば、女性専用車両といった車両内でも、他の車両と同様の内容の広告配信をすることしか出来ない為、女性専用車両には、女性向けの、例えば、広告配信を行うといった効果的な広告も行うことが出来ない。このように乗客への効率的な情報提供、効果的な広告配信を行えず、満足のいくサービスが行えていないのが現状である。また、複数の表示部に異なる情報を配信する場合には、その情報の数だけの列車表示システムを列車内に設ける必要があり、機器の数、配線、施工等でコストが高くなる等のため、安価で操作が簡単で、かつ、ニーズやサービスの多様化に容易に対応できる移動体内情報配信システムの実現が望まれている。
【0010】
【特許文献1】特開2002−152156号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来の列車表示システムでは、表示部は、単にCD−ROMの内容を表示するだけで、車両内の全ての表示部は、同じ内容を表示することしか出来ない。特に広告配信時は、画面を分割して表示したり、それぞれの表示部で違う内容を表示したりすることが出来ないため、効率的な広告配信を行えない。また、女性専用車両といった車両内でも、全ての車両と同じ内容の広告配信をすることしか出来ない為に、女性専用車両には女性向けの広告配信を行うといった効果的な広告も行うことが出来ない。更に、複数の表示部に異なる情報を配信する場合には、その情報の数だけの列車表示システムを列車内に設ける必要があり、機器の数、配線、施工等でコストが高くなる等のため、安価で操作が簡単で、かつ、ニーズやサービスの多様化に容易に対応できる移動体内情報配信システムの実現が望まれている。
【0012】
本発明の目的は、ニーズやサービスの多様化に容易に対応して、配信情報が配信できる移動体内情報配信システムを提供することである。
【0013】
本発明の他の目的は、複数の表示部に異なる配信情報を表示できる移動体内情報配信システムを提供することである。
【0014】
本発明の更に他の目的は、管理センタから無線回線で移動体に配信情報を送信できる移動体内情報配信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の移動体内情報配信システムは、移動体内に配置された移動体内情報サーバと、移動体内の所定の場所に配置された複数の表示装置と、上記移動体内情報サーバと上記複数の表示装置を結合する伝送路を有し、上記移動体内情報サーバは、上記複数の表示装置に表示する配信情報を記憶する記録サーバと上記記録サーバを制御する第1の制御部を有し、上記複数の表示装置の各々は、表示部と該表示部を制御する第2の制御部を有し、上記記録サーバには、上記複数の表示部に表示情報を表示するための制御情報と表示データを有する配信情報テーブルを記憶し、上記配信情報テーブルに基づいて上記制御情報と上記表示データを上記複数の表示装置のそれぞれの第2の制御部に配信し、上記第2の制御部は、上記制御情報に基づいて上記表示データを上記表示部に1画面表示あるいは複数画面表示するように構成される。
【0016】
また、本発明の移動体内情報配信システムにおいて、上記複数の表示装置は、それぞれ1つの表示部を有し、上記複数の表示装置の少なくとも1つの表示部は、同じ表示データを表示し、上記複数の表示装置の少なくとも他の1つの表示部は、画面を分割され、それぞれに異なる表示データを表示するように構成される。
【0017】
また、本発明の移動体内情報配信システムにおいて、上記表示部は、2つの表示部を有し、上記第2の制御部の制御に基づいて、それぞれ異なる表示データを表示するように構成される。
【0018】
また、本発明の移動体内情報配信システムにおいて、上記移動体内情報サーバは、更に無線回線と接続される無線受信部を有し、上記無線受信部は、移動体外に配置された情報サーバ装置から上記制御情報と上記表示データを受信し、上記移動体内情報サーバの上記記録サーバに蓄積するように構成される。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように本発明によれば、一つの表示部内で異なる配信情報、例えば、広告配信と運行情報、ニュースと乗り換え案内といったような画面を分割して複合的な情報を表示したりすることが可能となる。また、1車両内に有る複数の表示部に、それぞれ違った内容の配信情報を表示することも出来る。また、女性専用車両にのみ女性向けの広告配信を行うといったことも出来る。従って、ニーズやサービスの多様化に容易に対応できる移動体内情報配信システムが実現できる特徴がある。また、管理センタから無線回線で移動体に配信情報を送信でき、乗務員や駅員が社内の記録媒体を交換するといったことも無くなり、低コストの移動体内情報配信システムが実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の一実施例を図1〜図7を用いて説明する。図3は、本発明が適用される列車表示システムの一実施例を示すシステム図である。図3において、301は、配信情報を管理する管理センタ、302は、LAN(Local Area Network)等の伝送路、303−1、303−2、・・・303−nは、無線中継局(無線中継局を代表する場合は無線中継局303と称する。)、304は、列車の線路、305は、列車を示している。管理センタ301には、後述する配信情報が蓄積されており、この配信情報は、伝送路302を介して無線中継局303に送信される。無線中継局303は、列車の線路304に沿って、例えば、駅等に配置され、列車305が列車の線路304を走行し、各無線中継局303の近傍を通過する際、例えば、無線回線で列車305の列車無線装置(これについては後述する。)が無線中継局303の何れかより送信される配信情報を受信し、列車305内の列車表示装置(これについても後述する。)に配信情報を表示するようになされている。なお、上記実施例では、列車表示システムとして説明するが、これに限られるものではなく、列車車両、バス、飛行機、船舶等の人の移動手段として使用されるものに適用できることはいうまでもない。以下、列車車両、バス、飛行機、船舶等を移動体または移動体車両と称する。
【0021】
図4は、管理センタ301に設けられている情報サーバ装置400の概略構成のブロック図を示す。図4において、情報サーバ装置400は、入出力部401、インターネット等の伝送路と接続される回線接続部402、表示部403、CPU等からなる制御部404(第3の制御部ともいう。)、外部記憶装置405、記憶装置406、回線接続部407および画像処理部409で構成されている。入出力部401は、情報サーバ装置400を操作者が操作して、各種情報の配信、加工、入力等の操作を行う。なお、入出力部は、各種デイスク、VTR等の媒体から読込む装置あるいは各種デイスク、VTR等の媒体への配信情報の書込み装置等も含むものである。また、回線接続部(回線接続インターフェースともいう。以下同様である。)402は、インターネット等の伝送路から送られてくる配信情報を外部記憶装置405に接続する。また、回線接続部407は、情報サーバ装置400を入出力端子408、伝送路302を介して無線中継局303に接続する。画像処理部409については後述する。また、外部記憶装置405と記憶装置406は、一体に構成した記憶装置とすることもできる。
【0022】
外部記憶装置405には、列車表示システムの各種管理のための管理テーブル410、配信情報テーブル411および配信情報412が記憶されている。管理テーブル410は、情報サーバ装置400が管理する種々の管理テーブル郡である。配信情報テーブル411は、情報サーバ装置400から、例えば、回線接続部407を介して外部に配信する配信情報を一次記憶している。これについては後述する。配信情報412は、広告情報、お天気情報、列車の運行情報、その他情報サーバ装置400から配信する配信情報、所謂、コンテンツ情報が記憶されている。この配信情報412は、インターネットから回線接続部402を介して送られてくる情報あるいは入出力部401から各種デイスク、VTR等の媒体から読取られる情報が含まれる。
【0023】
記憶装置406には、以下に説明する列車表示システムのコンテンツの管理を行うコンテンツ管理部413、各種表示部に配信情報を表示する表示処理部414、スケジューリング部415あるいは広告予約部416等の各種の機能的なプログラムが蓄積され、列車表示システムが最適に動作するように構成されている。
【0024】
スケジューリング部415は、多数の列車内の複数の表示部に、例えば、列車の運行情報、お天気情報あるいは広告情報を、何時の列車の、どの車両に、何時から何時まで表示するか、あるいは、何時更新するか等の種々のスケジューリングを行うためのものである。また、広告予約部416は、広告依頼主からの依頼の受付、課金情報管理、依頼主の表示要求を選択し予約登録したりするものである。表示処理部414は、後述するような車内の表示部に表示する内容、表示形態等の各種表示処理を行うものであり、また、表示が正しく行われるかを予め表示部403に表示してチェックする機能も有している。
【0025】
さて、管理センタ301に設けられている情報サーバ装置400の外部記憶装置405の管理テーブル410には、例えば、表1に示すコンテンツテーブルが記憶されている。
【0026】
【表1】

【0027】
表1において、例えば、コードNo.00001は、列車運行情報、コードNo.00010は、お天気情報、・・・コードNo.01000は、広告情報というように図3で示す列車表示システムにおいて配信される配信情報のコードを纏めたテーブルが記憶されている。
【0028】
そして、情報サーバ装置400の外部記憶装置405の配信情報412には、表2に示される列車運行情報テーブル、表3に示されるお天気情報テーブルあるいは表4に示される広告情報テーブル等が記憶されている。
【0029】
【表2】

【0030】
表2は、列車運行情報テーブル(コードNo.00001)を示し、例えば、サブコードNo.、路線名、時間、運行状況が蓄積されている。なお、この列車運行情報テーブルは、例えば、各交通機関の管理室から、例えば、インターネット等の伝送路、回線接続部402、制御部404を介して受信される。また、定期的に列車運行情報が更新されることはいうまでもない。
【0031】
【表3】

【0032】
表3は、お天気情報テーブル(コードNo.00010)を示し、例えば、サブコードNo.、項目、天気概況が蓄積されている。なお、このお天気情報テーブルも、例えば、気象庁からインターネット等の伝送路、回線接続部402、制御部404を介して受信される。また、定期的にお天気情報テーブルも更新されることはいうまでもない。
【0033】
【表4】

【0034】
表4は、広告情報テーブル(コードNo.01000)を示し、例えば、サブコードNo.、広告区間、時間指定、広告顧客名等が蓄積されている。この広告情報テーブルの作成には、前もって列車表示システムの管理者が広告顧客と協議して広告の内容、期間等を適宜スケジューリングする必要のあることはいうまでもない。
【0035】
また、配信情報412に蓄積される配信情報は、列車運行情報テーブル、お天気情報テーブル、広告情報テーブルに限らず、ニュースや娯楽番組等、システムの目的、規模、構成に応じて種々のものが蓄積可能である。このようにして蓄積された配信情報は、例えば、管理センタ301の管理者が入力部を操作し、これらの情報を適宜加工して、配信情報を作成(これについては後述する。)し、回線接続部407から伝送路302を介して無線中継局303に送信する。
【0036】
図5は、無線中継局303の概略構成のブロック図を示す。図5において、無線中継局303は、入出力端子501、各種のデータを受信する回線接続部502、受信した各種データを記憶する中継記憶部504と、記憶してある各種配信情報を送信データに変換し、送信する、あるいは、受信する無線送受信部505と、送受信するアンテナ506と、これら各ブロックを制御する中継制御部503を有している。そして、伝送路302から送られてくる配信情報は、入出力端子501、回線接続部502を介して中継記憶部504に記憶される。無線送受信部505では、中継記憶部504に記憶される配信情報を適宜送信データに変換し、アンテナ506から送信される。この無線中継局303は、線路304の近傍の任意の位置、例えば、駅構内に設置されて無線中継局303の付近を走行する列車305に対して配信情報を送信する。
【0037】
図1は、本発明の一実施例の概略構成のブロック図を示し、図1(A)は、本発明の移動体内情報配信システムの概略構成図を示す。図1(A)において、101は、移動体内情報サーバ、102は、情報サーバ101からの配信情報を各表示装置103−1、103−2、103−3、・・・に配信するケーブル等の伝送路である。なお、表示装置を代表する場合は、表示装置103と称する。104−1、104−2、104−3、・・・は、表示装置103を制御する制御部、105−1、105−2、105−3、・・・は、表示部を示す。
【0038】
図1(B)は、車両内に図1(A)に示す移動体内情報配信システムを配置した場合の概念図を示す。図1(B)において、110は、車両、111は、車両110の乗務員室を示し、乗務員室111には、情報サーバ101が設置されている。また、車両110のドア112−1、112−2、112−3、・・・の上部スペースには、車両内表示装置103が設けられ、車内の乗客が情報サーバ101から車両内表示装置103に配信される配信情報のサービスを受けることができるようになされている。
【0039】
図6は、本発明で用いられる車内情報サーバの一実施例の概略構成のブロック図を示す。図6に示す車内情報サーバは、アンテナ601、無線送受信部602、CPU等の制御部603(第1の制御部ともいう。)、記録サーバ604、読取部605、操作表示部606、回線接続部607および入出力端子608で構成されている。無線中継局303から送信された送信データ(配信情報という。)をアンテナ601を介して無線送受信部602で受信する。受信した配信情報は、記録サーバ604に記録される。記録サーバ604に記録された配信データは、回線接続部607を介して入出力端子608、伝送路102を介して車内の表示装置103に適宜配信される。これについては後述する。制御部603は、車内情報サーバ101を制御するもので、乗務員あるいは駅員が操作表示部606を操作して、配信情報を適宜車内の表示装置に配信する。また、車内情報サーバ101は、送信データの受信の確認信号あるいは車内表示装置103への配信の有無等の情報を無線送受信部602を介して管理センタ301に送信することもできる。また、上記実施例では、乗務員あるいは駅員が操作表示部606を操作して、配信情報を適宜車内の表示装置に配信することで説明したが、制御部603が自動で配信するようにすることもできる。
【0040】
なお、上記実施例で示す車内情報サーバ101は、無線中継局303から配信情報を無線回線で受信する場合について説明したが、これに限られるものではなく、予め車内で配信する配信情報をCD−ROM、光デイスク、半導体メモリ等の記録媒体に記録させ、この記録媒体を車内に持込み、読取部605で読取り、記録サーバ604に記録することもできる。この場合、読取部605は、CD−ROM、光デイスク、半導体メモリ等の記録媒体を読取る装置で構成されることはいうまでもない。
【0041】
図7は、本発明で用いられる車両内の表示装置の一実施例の概略構成のブロック図を示す。なお、図7は、車両内の各ドアの上部に設置される車両内表示装置103の1台のみ代表して示すが、他の構成もほぼこれと同じ構成である。図7において、701は、伝送路102に接続される入出力端子、702は、回線接続部、703は、制御部(第2の制御部ともいう。)、704は、記憶部である。なお、図1と同じものには、同じ符号が付されている。車内情報サーバ101から送信される配信情報、所謂、配信データは、回線接続部702を介して記憶部704に一時記憶される。この記憶部704は、例えば、RAM(Random Access Memory)等の記憶部で構成され、制御部703からの制御信号に基づいて順次表示部105に配信情報が表示される。なお、表示方法については後述する。
【0042】
次に、車両内への配信情報の表示方法について詳細に説明する。前述したように本発明の特徴は、例えば、1列車の車両毎に、あるいは、1車両の複数の表示部に異なる情報を配信することによってニーズやサービスの多様化に容易に対応できる移動体内情報配信システムを提供することである。従って、これについて具体的に説明する。配信情報を複数の表示装置に表示するためには、所定の編集機能が要求される。本発明では、例えば、管理センタ301に設けられている情報サーバ装置400にこの機能が設けられている。なお、本発明の一実施例では、例えば、車両内の表示装置に異なる配信情報を表示する方法について説明するが、これに限られるものではなく、列車車両、バス、飛行機、船舶等の人の移動手段として使用される、所謂、移動体または移動体車両に適用できることはいうまでもない。
【0043】
図2は、車両内の表示装置に異なる配信情報を表示する方法について説明するための図である。図2(A)は、配信情報編集画面を表し、図2(B)は、表示装置の表示画面に表示する表示内容を示している。この配信情報編集画面201は、管理センタ301の管理者が入出力部401を操作して記憶装置406の、例えば、表示処理部414から読み出し、表示部403に表示した編集画面である。このような、配信情報編集画面201は、画面編集のために特にプログラムされている。
【0044】
図2(A)に示す配信情報編集画面201において、202は、列車番号表示部であり、配信情報を配信するための該当列車番号が表示されるようになされている。203は、該当列車番号を選択するボタンである。このボタンをマウスでクリックすると、例えば、表5に示す列車の運行予定表にリストアップされた列車が順次選択表示されるようになされている。例えば、図2(A)では、列車番号表示部202に表示されている列車番号X1001は、例えば、中央線の列車で、始発駅:東京、始発時間:06:00、終着駅:高尾、車両数:10両編成の列車が選択されることを示している。
【0045】
【表5】

【0046】
204は、車両選択画面を示す。この車両選択画面204は、例えば、列車番号表示部202で選択された列車番号の車両を表示する。例えば、図2(A)では、1号車を表示している。そして、ボタン205をマウスでクリックすると、1号車、2号車、3号車、・・・10号車というように、車両番号X1001の10両編成の列車の所定の車両を選択表示することができる。206−1、206−2、206−3、206−4は、車両内に設置されている表示装置の表示画面を示している。即ち、1号車の表示装置の表示画面206−1は、図1(A)の表示装置103−1の表示画面105−1が対応する。同様に、1号車の表示装置の表示画面206−2は、図1(A)の表示装置103−2の表示画面105−2が対応する。以下同様である。なお、表示画面を代表する場合は、表示画面206と称する。207は、決定ボタン、208は、戻りボタンである。
【0047】
そして、図2(A)で示す本発明の一実施例では、1つの表示画面206を2つに分割して表示できるように前もって設計してある場合が示されている。例えば、1号車の表示装置の表示画面206−1は、2画面を区別する識別コードA1、A2が付されている。同様に、1号車の表示装置の表示画面206−2は、2画面を区別する識別コードB1、B2が付されている。同様に、表示画面206−3は、2画面を区別する識別コードC1、C2が付され、表示画面206−4は、2画面を区別する識別コードD1、D2が付されている。このようにして、この配信情報編集画面201は、表5に示す列車管理テーブルに基づいて情報を配信する全ての列車と、それら列車の車内の表示画面を選択することができるようになされている。
【0048】
次に、上述した配信情報編集画面201の表示画面206に配信情報を割付ける方法について説明する。まず、管理センタ301では、前もって、各列車および車両内の表示装置の表示部に何を配信し、表示するかの配信情報管理テーブルが作成され、情報サーバ装置400の外部記憶装置405の管理テーブル411に記憶されている。この配信情報管理テーブルの一実施例を表6に示す。
【0049】
【表6】

【0050】
表6は、例えば、車両番号X1001の表示管理テーブルを示している。表6において、車両番号は、車両番号X1001の1号車、2号車、・・・10号車を示す。画面識別コードは、表示装置103の表示部105(図2(A)の206に対応する。)の識別コードを示している。表示項目は、表示部105に配信する表示項目、コード番号は、表示するコンテンツの内容であり、表1〜表4に示したようなコードである。
【0051】
従って、管理センタ301の操作者は、情報サーバ装置400の表示部403に図2(A)に示す配信情報編集画面を表示し、そして、入出力部401を操作して表6に示す列車番号X1001の表示管理テーブルを参照し、例えば、1号車の各表示画面206にコード番号を入力する。入力方法は、例えば、キーボードからコード番号を入力することもできるが、表6のコード番号をマウスでドラッグ&ドロップ操作により入力することもできる。図2(B)は、車両番号X1001の表示画面206−1、206−2、206−3、206−4にコード番号を入力した状態を示している。そして、例えば、1号車から10号車までの全ての表示画面への入力が完了すると、決定ボタンを押下することで、確定する。図2(B)において、例えば、1号車の表示装置103−1の表示画面206−1(105−1に相当する。)は、識別コードA1、A2に1つの広告01000−00001が表示されることを表している。即ち、広告01000−00001は、表4から広告区間A駅―B駅、時間は、5:00−18:00、Aデパートの広告が配信されることを示している。また、1号車の表示装置103−2の表示画面206−2(105−2に相当する。)の識別コードB1には、運行情報00001−00010、即ち、表2に示す中央線の運行情報が表示されることを示している。識別コードB2には、お天気情報00010−00010、即ち、表3に示す各地のお天気情報が表示されることを示している。以下同様である。
【0052】
さて、図2(A)で示す配信情報編集画面で各列車の車両内の表示装置への配信情報が確定すると、情報サーバ装置400の制御部404は、編集された配信情報を一旦外部記憶装置405の配信情報テーブル411に記憶する。これを表7の車両番号X1001の配信情報テーブルとして示す。
【0053】
【表7】

【0054】
表7は、例えば、図1(A)に示す車両内の各表示装置103の表示部105に表示するための制御データおよび表示のための画像データを表している。例えば、列車番号X1001の1号車の表示装置103−1の表示画面105−1には、コード番号01000−00001の広告が表示される。ここで、列車番号:X1001、車両番号:1号車、2号車、・・、画面識別コードA1、A2,・・・、コード番号:01000−00001、・・・等は、表示する形態、表示場所を制御するための制御情報である。また、表示内容の画像データは、DA1で示されている。この画像データDA1は、例えば、配信情報412から適宜読み出され、画像処理部409で表示画面105に表示される形態に画像処理がなされた画像データである。以下、他の表示装置103の表示画面105のそれぞれについても同様である。
【0055】
そして、列車等の運行が開始される前に制御部404は、外部記憶装置405の配信情報テーブル411から表7に示す列車番号X1001の配信情報テーブルを読出し、回線接続部407、伝送路302、無線中継局303を介して、例えば、列車番号X1001の車内情報サーバ101の記録サーバ604に書込まれる。
【0056】
車内情報サーバ101では、記録サーバ604に書込まれた表7に示す配信情報テーブルに基づいて列車番号X1001の車内の表示装置103に配信情報が配信される。即ち、制御部603は、記録サーバ604から配信情報を読出し、それぞれの表示装置107の制御部104に配信され、それぞれの記憶部704に一次記憶される。それぞれの記憶部704に記憶される制御情報および表示データを表8に示す。
【0057】
【表8】

【0058】
表8は、車両内表示装置103の表示制御部104の記憶部704(記憶部1〜記憶部4で示す。)に一次記憶された制御情報および表示データを示している。例えば、1号車の車両内表示装置103−1の制御部104−1には、画面識別コードA1、A2、コード番号01000−00001、表示項目:広告およびデータDA1が送信され、記憶部704(区別のため記憶部1と表示する。)に一旦記憶される。そして、1号車の車両内表示装置103−1の制御部104−1は、記憶部1から制御信号、画像データを読出し、表示部105−1に表示する。従って、1号車の車両内表示装置103−1では、表示画面105−1の全面(A1とA2を合わせた画面)にAデパートの広告がA駅―B駅区間で、時間5:00−18:00の間表示さる。
【0059】
同様に、1号車の車両内表示装置103−2の制御部104−2には、画面識別コードB1、コード番号00001−00001、表示項目:運行情報、データDA2および画面識別コードB2、コード番号00010−00010、表示項目:お天気、データDA3が送信され、記憶部704(区別のため記憶部2と表示する。)に一旦記憶される。そして、1号車の車両内表示装置103−2の制御部104−2は、記憶部2から制御信号、画像データを読出し、表示部105−2の画面識別コードB1には、運行情報が、また、画面識別コードB2には、お天気情報が表示される。以下同様である。このようにすると、表示部105には、全面に同一の画面を表示したり、あるいは、2分割して別々の画像を表示したりすることができるので、ニーズやサービスの多様化に容易に対応した配信情報が配信できる移動体内情報配信システムを実現することができる。
【0060】
なお、上記実施例では、管理センタ301の情報サーバ装置400から配信情報を送信する場合について説明したが、これに限られるものではなく、例えば、情報サーバ装置400の外部記憶装置405の配信情報テーブルに一旦記憶されている配信情報、例えば、表7に示すテーブルを入出力部401で、例えば、光デスク等の記録媒体に一旦読出す。そして、列車の乗務員あるいは駅員がこの光デスク等の記録媒体を列車内に持込み、車内情報サーバ101の読取部605で読取り、記録サーバ604に記憶することで同様な情報配信を行うこともできる。但し、お天気情報、運行情報、ニュース等の配信情報は、時々刻々変化するので、管理センタ301から最新の情報を送信するほうが良いことはいうまでもない。
【0061】
次に、上述した実施例で、表示装置103で表示する画面を1画面にしたり、2画面にしたりする方法について図10〜図13を用いて以下説明する。まず、配信情報を1画面にしたり、2画面にしたりするには、外部記憶装置405に蓄積されている配信情報を前もって画像処理し、加工することが必要である。この画像処理、加工は、情報サーバ装置400の画像処理部409で行われる。この画像処理部409の概略構成のブロック図を図10に示す。図10において、1001は、画像処理、加工すべき配信情報の入力端子であり、本実施例の場合、外部記憶装置405の配信情報412に記憶されているデータが入力される。このデータは、一般的にアナログデータである。入力端子1001に入力されたアナログデータは、A/D変換部1002でデジタルデータに変換され、画像変換部1003に入力される。
【0062】
画像変換部1003では、所定の画像変換がなされ、1画面表示の配信情報は、1画面記憶部1006に記憶され、2画面表示の配信情報は、2画面記憶部1007に記憶される。そして、先に説明した表示装置103の表示画面105に1画面表示の配信情報を表示するか、2画面表示の配信情報を表示するかに従って操作者が操作表示部1005を操作し、制御部1004の制御に従って選択部1008を駆動し、出力端子1009から1画面表示の配信情報あるいは2画面表示の配信情報を出力し、この出力信号が配信情報テーブル411に蓄積される。即ち、表7に示されるデータDAとなる。
【0063】
ここで、画像変換部1003について説明する。なお、画像変換部1003は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)で構成することができる。まず、本発明で使用する表示装置103の表示部105としては、例えば、高精細の液晶ディスプレイを用い、配信情報としては、従来のNTSC方式の映像データを用いるものとして説明する。図11は、例えば、従来のNTSC方式の画像をデジタル変換した画面を示しており、例えば、走査線としては525ラインで、画素数は、525画素×700画素とする。また、図12は、高精細の液晶ディスプレイを示し、例えば、走査線は、1236ライン、画素数は、1236画素×1628画素である。なお、本実施例は、一例であり、これに限られるものではない。
【0064】
而して、図11に示す画面は、例えば、配信情報であり、この配信情報を図12に示す高精細の液晶ディスプレイに2画面表示する場合について説明する。図12において、1201は、例えば、運行情報の表示画面、1202は、例えば、お天気情報の表示画面を示す。このように高精細の液晶ディスプレイに2画面表示する場合、運行情報の表示画面1201は、例えば、P1、P2、P5、P6で囲まれる表示部分に割当てる。そのためには、運行情報の表示画面1201を横方向P1:77番目の画素〜P2:776番目の画素に、そして縦方向P5:356番目の画素〜P6:880番目の画素に割り付けることで実現できる。また、お天気情報の表示画面1202は、例えば、P3、P4、P5、P6で囲まれる表示部分に割当てる。そのためには、お天気情報の表示画面1202を横方向P3:853番目の画素〜P4:1552番目の画素に、そして縦方向P5:356番目の画素〜P6:880番目の画素に割り付けることで実現できる。このように画像変換部1003で画素の変換を行うことで、高精細の液晶ディスプレイに2画面表示することができる。
【0065】
次に、高精細の液晶ディスプレイに1画面表示する場合について説明する。図13は、図11に示す、例えば、従来のNTSC方式の画像をデジタル変換した画面を示しており、例えば、走査線525ラインで、画素数525画素×700画素の画面を高精細の液晶ディスプレイ画面1301に表示する場合を示している。この場合、図11に示す画素数525画素×700画素の画面を約2.3倍に拡大した画面1302として表示した場合について示してある。このようにすると、画面が大きくでき、文字表示等の情報が見易くなり、乗客に対してのサービスが向上する。なお、上記説明では、簡単のためにNTSC方式の画像をデジタル変換して説明したが、アナログ方式であっても同様な処理をすることで実現は可能である。
【0066】
次に、本発明の他の一実施例について、図14、図15を用いて説明する。図14において、1401−1、1401−2、1401−3、・・・は、車両内表示装置を示す。なお、表示装置を代表する場合は、表示装置1401と称する。1402−1、1402−2、1402−3、・・・は、表示装置1401の制御部である。なお、制御部を代表する場合は、制御部1402と称する。1403−1、1403−2、・・・1403−6、・・・は、表示部である。なお、表示部を代表する場合は、表示部1403と称する。本実施例では、表示装置1401の各々は、2つの表示部1403、例えば、表示部1403−1、1403−2というようにペアーの表示部で構成されている。そして、このようなペアーの表示部からなる表示装置1401が、例えば、図1(B)で示すような車両のドアの上部に配置されている。なお、図1と同じものには同じ符号が付されている。この図14では、各表示部1403は、1つの表示部で構成され、例えば、従来のNTSC方式の画像データを表示するような液晶ディスプレイで構成することができる。
【0067】
図15は、図14で示される移動体内情報配信システムの情報配信の方法を説明するための図である。図15において、1501−1、1501−2、・・・1501−8は、それぞれ図14に示される表示部1403−1、1403−2、・・・に対応する。なお、図2と同じものには同じ符号が付されている。図15は、図2(A)で説明したと同様の配信情報編集画面である。
【0068】
管理センタ301の操作者は、情報サーバ装置400の表示部403に図15に示す配信情報編集画面を表示し、そして、入出力部401を操作して先に説明した表6に示す列車番号X1001の表示管理テーブルと同様なテーブルを作成し、このテーブルを参照し、例えば、1号車の各表示画面1501に、先の実施例で説明したように、前もって決められている配信情報に従って、表2〜表5に示す配信コード番号を入力する。入力方法は、例えば、キーボードからコード番号を入力することもできるが、マウスでドラッグ&ドロップ操作により入力することもできる。このようにすると、車両番号X1001の表示画面1501−1、1501−2、・・・1501−8(それぞれ表示部1403−1、1403−2、・・・に対応する。)にコード番号を入力した状態となる。そして、例えば、1号車から10号車までの全ての表示画面1501への入力が完了すると、決定ボタン207を押下することで、確定する。本実施例の場合は、先の実施例のように表示部に1画面を表示したり、2画面を表示したりするような画像処理、加工をする必要がないので、情報サーバ装置400の画像処理部409の機能を使用する必要はない。また、上記のようにして各表示部1501に割り付けられた配信情報を各列車の表示装置1401の表示部1403に配信する方法については、先の実施例で説明したのと同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0069】
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明では、移動体内情報配信システムを複数用いることなく、また、1つの表示部でも、画面を分割した複合的な情報配信を行うことが可能となる。即ち、1つの表示部には、広告情報のみを表示し、他の表示部には、運行情報とお天気情報を2画面で表示する。あるいは、更に他の表示部には、列車の運行情報と広告情報を2画面で表示するといったように、画面を分割して複合的な情報配信を行うことが出来る。更に、例えば、第1車両が女性専用車両であれば、第1車両内の表示部の広告情報には、女性向けの広告情報等を表示し、それ以外の車両の表示部には、通常の広情報等を表示するといった使い方をすることが可能となり、ニーズやサービスの多様化に容易に対応できる配信情報が配信できる移動体内情報配信システムを実現できる特徴がある。
【0070】
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は、ここに記載された移動体内情報配信システムの実施例に限定されるものではなく、上記以外の移動体内情報配信システムに広く適応することが出来ることは、いうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の一実施例の概略構成のブロック図を示す。
【図2】本発明の一実施例の配信情報の割付を説明するための図である。
【図3】本発明が適用される一実施例の列車表示システムを説明するための図である。
【図4】本発明で用いられる情報サーバ装置の概略構成のブロック図を示す。
【図5】本発明で用いられる無線中継局の概略構成のブロック図を示す。
【図6】本発明で用いられる車内情報サーバの概略構成のブロック図を示す。
【図7】本発明で用いられる車両内表示装置の概略構成のブロック図を示す。
【図8】従来の移動体内情報配信システムの一例を示す図である。
【図9】従来の移動体内情報配信システムを列車内に設置した一例を示す図である。
【図10】本発明で用いられる画像処理部の概略構成のブロック図を示す。
【図11】NTSC方式の配信情報の表示画像の一例を示す図である。
【図12】本発明で用いられる高精細の液晶ディスプレイ画面の一実施例を示す図である。
【図13】本発明で用いられる高精細の液晶ディスプレイ画面の他の一実施例を示す図である。
【図14】本発明の他の一実施例の概略構成のブロック図を示す。
【図15】本発明の他の一実施例の配信情報の割付を説明するための図である。
【符号の説明】
【0072】
101:車内情報サーバ、102、302、803、906:伝送路、103、802、903、904、1401:表示装置、104、404、603、703、1004、1402:制御部、105、403、1403:表示部、110、901:車両、111:乗務員室、112、905:車両のドア、201:配信情報編集画面、301:管理センタ、303:無線中継局、304:列車の線路、305:列車、400:情報サーバ装置、401:入出力部、402、407、502、607、702:回線接続部、405:外部記憶装置、406:記憶装置、408、501、608、701:入出力端子、409:画像処理部、410:管理テーブル、411:配信情報テーブル、412:配信情報、413:コンテンツ管理部、414:表示処理部、415:スケジューリング部、416:広告予約部、503:中継制御部、504:中継記憶部、505、602:無線送受信部、506、601:アンテナ、604:記録サーバ、605:読取部、606、1005:操作表示部、704:記憶部、801、902:CDドライブ、1001:入力端子、1002:A/D変換部、1003:画像変換部、1006:1画面記憶部、1007:2画面記憶部、1008:選択部、1009:出力端子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体内に配置された移動体内情報サーバと、移動体内の所定の場所に配置された複数の表示装置と、上記移動体内情報サーバと上記複数の表示装置を結合する伝送路を有し、上記移動体内情報サーバは、上記複数の表示装置に表示する配信情報を記憶する記録サーバと上記記録サーバを制御する第1の制御部を有し、上記複数の表示装置の各々は、表示部と該表示部を制御する第2の制御部を有し、上記記録サーバには、上記複数の表示部に表示情報を表示するための制御情報と表示データを有する配信情報テーブルを記憶し、上記配信情報テーブルに基づいて上記制御情報と上記表示データを上記複数の表示装置のそれぞれの第2の制御部に配信し、上記第2の制御部は、上記制御情報に基づいて上記表示データを上記表示部に1画面表示あるいは複数画面表示することを特徴とする移動体内情報配信システム。
【請求項2】
請求項1記載の移動体内情報配信システムにおいて、上記複数の表示装置は、それぞれ1つの表示部を有し、上記複数の表示装置の少なくとも1つの表示部は、同じ表示データを表示し、上記複数の表示装置の少なくとも他の1つの表示部は、画面を分割され、それぞれに異なる表示データを表示することを特徴とする移動体内情報配信システム。
【請求項3】
請求項1記載の移動体内情報配信システムにおいて、上記表示部は、2つの表示部を有し、上記第2の制御部の制御に基づいて、それぞれ異なる表示データを表示することを特徴とする移動体内情報配信システム。
【請求項4】
請求項1記載の移動体内情報配信システムにおいて、上記移動体内情報サーバは、更に無線回線と接続される無線送受信部を有し、上記無線送受信部は、移動体外に配置された情報サーバ装置から上記制御情報と上記表示データを受信し、上記移動体内情報サーバの上記記録サーバに蓄積することを特徴とする移動体内情報配信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−160204(P2008−160204A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−343374(P2006−343374)
【出願日】平成18年12月20日(2006.12.20)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】