説明

移動体周辺撮像システム、移動体周辺撮像装置、移動体周辺撮像方法及びコンピュータプログラム

【課題】適切なタイミングで移動体に設置された撮像装置により移動体の周辺を撮像することを可能にした移動体周辺撮像システム、移動体周辺撮像装置、移動体周辺撮像方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】交差点毎で且つ該交差点への進入方向毎に、交差点と進入方向の組合せに対して、交差点の進入方向へと向かう車両が車載カメラ5により周辺の撮像を行う“撮像対象”、若しくは周辺の撮像を行わない“非撮像対象”のいずれかを設定し、車両がこれから進入する接続交差点と進入予定方向の組合せが、“撮像対象”に設定されていると判定された場合に、車載カメラ5により車両の周辺を撮像するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体に設置された撮像装置により移動体の周辺を撮像する移動体周辺撮像システム、移動体周辺撮像装置、移動体周辺撮像方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両に対して車載カメラを設置し、設置された車載カメラによって車両の周辺環境(例えば、車両の前方や車両の後方)を撮像することが行われている。そして、撮像された画像を用いて、他車両や歩行者等の障害物を検出したり、ナビゲーション装置等が有する地図DBの更新を行うこと等が可能となっている。例えば、特開2010−152139号公報には、車両に設置された車載カメラにより撮像した画像から、特徴点や特徴線分を抽出した特徴部を景観情報として作成し、作成された景観情報をナビゲーション装置の有する地図DBに記憶する技術について提案されている。尚、地図DBに記憶される景観情報としては、例えば道路に描かれた路面標示や、名所、旧跡等の施設に関する情報がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−152139号公報(第8−10頁、図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、車載カメラで撮像した撮像画像から地図DBに記憶する為の景観情報を作成する為には、対象物(路面標示や施設等)を適切な角度且つサイズで撮像することが重要である。例えば、景観情報として路面標示に関する情報を作成する為には、対象となる路面標示が障害物等によって隠れることなく、路面標示の全体が把握できる適切なサイズで正面から撮像することが望ましい。しかしながら、上記特許文献1の記載の技術では、車載カメラで撮像する為の適切な撮像タイミングを特定することができなかったので、不要な撮像画像が撮像されたり、必要な撮像画像が撮像できない虞があった。
【0005】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、適切なタイミングで移動体に設置された撮像装置により移動体の周辺を撮像することができるので、不要な撮像画像が撮像されたり、必要な撮像画像が撮像できない虞を防止した移動体周辺撮像システム、移動体周辺撮像装置、移動体周辺撮像方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため本願の請求項1に係る移動体周辺撮像システム(1)は、交差点毎で且つ該交差点への進入方向毎に、前記交差点と前記進入方向の組合せに対して、前記交差点の前記進入方向へと向かう移動体(3)が該移動体に設置された撮像装置(5)により該移動体の周辺の撮像を行う撮像対象、若しくは前記移動体が該移動体に設置された前記撮像装置により該移動体の周辺の撮像を行わない非撮像対象のいずれかを設定する撮像設定手段(33)と、前記移動体の移動方向側に接続されている交差点である接続交差点を特定する交差点特定手段(33)と、前記交差点特定手段によって特定された前記接続交差点へ前記移動体が進入する方向である進入予定方向を予測する進入予定方向予測手段(33)と、前記接続交差点と前記進入予定方向の組合せが、前記撮像設定手段により前記撮像対象に設定されているか否か判定する撮像判定手段(33)と、前記撮像判定手段によって、前記接続交差点及び前記進入予定方向の組合せが前記撮像対象に設定されていると判定された場合に、前記撮像装置により前記移動体の周辺を撮像する撮像手段(33)と、を有することを特徴とする。
尚、「移動体」としては、車両以外に、歩行者や二輪車も含む。
また、「システム」は、単一の装置により構成されても良いし、複数の装置による情報の送受信によって実現されても良い。
【0007】
また、請求項2に係る移動体周辺撮像システム(1)は、請求項1に記載の移動体周辺撮像システムであって、前記交差点特定手段(33)によって特定された前記接続交差点が、特定交差点であるか否か判定する特定交差点判定手段(33)と、前記特定交差点判定手段によって前記接続交差点が前記特定交差点であると判定された場合であって、前記接続交差点及び前記進入予定方向の組合せが前記撮像対象及び前記非撮像対象のいずれにも設定されていないと判定された場合に、前記撮像装置(5)により前記移動体(3)の周辺を撮像する判定撮像手段(33)と、前記判定撮像手段により撮像された撮像画像に基づいて、前記接続交差点及び前記進入予定方向の組合せを、前記撮像対象又は前記非撮像対象のいずれに設定するか判定する撮像設定判定手段(33)と、を有し、前記撮像設定手段(33)は、前記撮像設定判定手段の判定結果に基づいて、前記接続交差点及び前記進入予定方向の組合せを前記撮像対象又は前記非撮像対象に設定することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係る移動体周辺撮像システム(1)は、請求項2に記載の移動体周辺撮像システムであって、他の移動体から前記撮像設定判定手段(33)の判定結果を取得する判定結果取得手段(33)を有し、前記撮像設定手段(33)は、前記判定結果取得手段により取得した前記判定結果に基づいて、該判定結果の判定対象となる前記交差点と前記進入方向の組合せに対して、前記撮像対象又は前記非撮像対象を設定することを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係る移動体周辺撮像システム(1)は、請求項2又は請求項3に記載の移動体周辺撮像システムであって、前記特定交差点は、交差点の名称に特定種類の施設の施設名称を含む交差点であることを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に係る移動体周辺撮像システム(1)は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の移動体周辺撮像システムであって、前記撮像設定手段(33)により前記撮像対象に設定された前記交差点及び前記進入方向の組合せに対して、前記撮像装置(5)による撮像を行う撮像推奨地点を設定する撮像推奨地点設定手段(33)を有することを特徴とする。
【0011】
また、請求項6に係る移動体周辺撮像方法は、交差点毎で且つ該交差点への進入方向毎に、前記交差点と前記進入方向の組合せに対して、前記交差点の前記進入方向へと向かう移動体(3)が該移動体に設置された撮像装置(5)により該移動体の周辺の撮像を行う撮像対象、若しくは前記移動体が該移動体に設置された前記撮像装置により該移動体の周辺の撮像を行わない非撮像対象のいずれかを設定する撮像設定ステップと、前記移動体の移動方向側に接続されている交差点である接続交差点を特定する交差点特定ステップと、前記交差点特定ステップによって特定された前記接続交差点へ前記移動体が進入する方向である進入予定方向を予測する進入予定方向予測ステップと、前記接続交差点と前記進入予定方向の組合せが、前記撮像設定ステップにより前記撮像対象に設定されているか否か判定する撮像判定ステップと、前記撮像判定ステップによって、前記接続交差点及び前記進入予定方向の組合せが前記撮像対象に設定されていると判定された場合に、前記撮像装置により前記移動体の周辺を撮像する撮像ステップと、を有することを特徴とする。
【0012】
更に、請求項7に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに搭載され、交差点毎で且つ該交差点への進入方向毎に、前記交差点と前記進入方向の組合せに対して、前記交差点の前記進入方向へと向かう移動体(3)が該移動体に設置された撮像装置(5)により該移動体の周辺の撮像を行う撮像対象、若しくは前記移動体が該移動体に設置された前記撮像装置により該移動体の周辺の撮像を行わない非撮像対象のいずれかを設定する撮像設定機能と、前記移動体の移動方向側に接続されている交差点である接続交差点を特定する交差点特定機能と、前記交差点特定機能によって特定された前記接続交差点へ前記移動体が進入する方向である進入予定方向を予測する進入予定方向予測機能と、前記接続交差点と前記進入予定方向の組合せが、前記撮像設定機能により前記撮像対象に設定されているか否か判定する撮像判定機能と、前記撮像判定機能によって、前記接続交差点及び前記進入予定方向の組合せが前記撮像対象に設定されていると判定された場合に、前記撮像装置により前記移動体の周辺を撮像する撮像機能と、をプロセッサに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
前記構成を有する請求項1に記載の移動体周辺撮像システムによれば、設置された撮像装置により移動体の周辺を撮像する場合において、適切なタイミングで移動体の周辺を撮像することができる。その結果、不要な撮像画像が撮像されたり、必要な撮像画像が撮像できない虞を防止することが可能となる。
【0014】
また、請求項2に記載の移動体周辺撮像システムによれば、特定交差点へと移動体が向かう場合であって、該特定交差点及び該特定交差点への進入予定方向の組合せが、撮像対象及び非撮像対象のいずれにも設定されていない場合に、移動体の周辺環境を撮像し、撮像された撮像画像に基づいて、該特定交差点及び該特定交差点への進入予定方向の組合せを撮像対象又は前記非撮像対象のいずれかに設定するので、移動体が最初に通過する交差点を含む組合せに対しても、撮像対象又は非撮像対象のいずれかを適切に設定することが可能となる。
【0015】
また、請求項3に記載の移動体周辺撮像システムによれば、他の移動体の判定結果を用いることによって、交差点及び交差点への進入予定方向の組合せを撮像対象又は前記非撮像対象のいずれかに設定するので、移動体が通過したことの無い交差点を含む組合せに対しても、撮像対象又は非撮像対象のいずれかを適切に設定することが可能となる。
【0016】
また、請求項4に記載の移動体周辺撮像システムによれば、名所を撮像できる可能性の高い交差点及び交差点への進入予定方向の組合せに対して、実際に移動体周辺を撮像した画像から、撮像対象又は非撮像対象のいずれかを適切に設定することが可能となる。従って、名所の位置や交差点周辺の道路形状を考慮して、名所が適切に撮像できる交差点及び交差点への進入予定方向の組合せを撮像対象に適切に設定することが可能となる。
【0017】
また、請求項5に記載の移動体周辺撮像システムによれば、交差点及び交差点への進入予定方向の組合せに対して、撮像装置による撮像を行う撮像推奨地点を設定するので、移動する移動体から適切なタイミングで移動体の周辺を撮像することができる。その結果、名所等の対象物を適切なサイズで適切な角度により撮像することが可能となる。
【0018】
また、請求項6に記載の移動体周辺撮像方法によれば、設置された撮像装置により移動体の周辺を撮像する場合において、適切なタイミングで移動体の周辺を撮像することができる。その結果、不要な撮像画像が撮像されたり、必要な撮像画像が撮像できない虞を防止することが可能となる。
【0019】
更に、請求項7に記載のコンピュータプログラムによれば、設置された撮像装置により移動体の周辺を撮像する場合において、適切なタイミングで移動体の周辺を撮像させることができる。その結果、不要な撮像画像が撮像されたり、必要な撮像画像が撮像できない虞を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施形態に係る移動体周辺撮像システムを示した概略構成図である。
【図2】本実施形態に係る移動体周辺撮像システムの構成を示したブロック図である。
【図3】各車両から収集されるプローブ情報の一例を示した図である。
【図4】交差点と交差点に接続されるリンクの一例を示した図である。
【図5】プローブセンタにより作成されるプローブ統計情報の一例を示した図である。
【図6】本実施形態に係るナビゲーション装置の制御系を模式的に示すブロック図である。
【図7】地図情報DBに記憶される交差点データの一例を示した図である。
【図8】撮像地点DBに記憶されたデータの一例を示した図である。
【図9】本実施形態に係る撮像判定処理プログラムのフローチャートである。
【図10】本実施形態に係る自動撮像処理プログラムのフローチャートである。
【図11】本実施形態に係る手動撮像処理プログラムのフローチャートである。
【図12】本実施形態に係る撮像画像判定処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
【図13】液晶ディスプレイに表示される撮像確認画面の一例について示した図である。
【図14】名所の名称を含む接続交差点へと進入する車両を示した図である。
【図15】名称が無い接続交差点へと進入する車両を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る移動体周辺撮像システム及び移動体周辺撮像装置について具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係る移動体周辺撮像システム1の概略構成について図1及び図2を用いて説明する。図1は本実施形態に係る移動体周辺撮像システム1を示した概略構成図である。図2は本実施形態に係る移動体周辺撮像システム1の構成を示したブロック図である。
【0022】
図1に示すように、本実施形態に係る移動体周辺撮像システム1は、移動体周辺撮像装置に相当するナビゲーション装置2を搭載した各車両3と、各車両3からプローブ情報を収集し、収集したプローブ情報に基づく交通情報の作成・配信を行うプローブセンタ4とから基本的に構成されている。
【0023】
車両3は全国の各道路を走行する車両であり、プローブカーとして後述のプローブセンタ4とともにプローブカーシステムを構成する。ここで、プローブカーシステムとは、車両をセンサとして情報を収集するシステムである。具体的には、車両3が速度データをはじめ、ステアリング操作やシフト位置等の各システムの作動状況をGPSの位置情報とともに予め車両3に搭載された携帯電話機やDCM等の車両用の通信モジュール(以下、単に通信モジュールという)を介してプローブセンタ4に送信し、センタ側でその収集データを様々な情報として再利用するシステムをいう。また、車両3には、ナビゲーション装置2とともに車両3の周辺環境を撮像する為の車載カメラ5が搭載されている。
【0024】
また、プローブセンタ4は、全国各地を走行する各車両3から送信された現在時刻や走行情報等を含むプローブ情報を収集して蓄積するとともに、蓄積されたプローブ情報から渋滞情報等の交通情報や車載カメラ5による撮像を行うのが好ましい撮像地点(交差点と交差点の進入方向により特定)に関する撮像地点情報等の配信情報を生成し、生成された配信情報(以下、プローブ統計情報という)を車両3に対して配信する情報配信センタである。また、本実施形態に係る移動体周辺撮像システム1では、特にプローブ情報として、撮像地点判定情報についても収集する。尚、撮像地点判定情報は、後述のように交差点及び交差点の進入方向に対して、車載カメラ5による撮像地点として好ましいか否かを各車両3が撮像した画像から判定した情報である。また、本実施形態では、特に名所の施設(例えば、城、タワー、寺、神社等)を車載カメラ5によって適切に撮像できる交差点及び交差点の進入方向の組合せを、車載カメラ5による撮像地点として好ましいと判定する。尚、適切に撮像できるとは、例えば所定サイズ以上で障害物に隠れることなく撮像できることや、名所の特徴部分が撮像できること等をいう。
【0025】
また、車両3にはナビゲーション装置2が設置されている。ナビゲーション装置2は格納する地図データに基づいて自車位置周辺の地図を表示したり、地図画像上において車両の現在位置を表示したり、設定された目的地までの経路の探索及び案内を行う車載機である。また、ナビゲーション装置2はプローブセンタ4から受信した渋滞情報等の交通情報を利用者に対して案内することも行う。更に、ナビゲーション装置2は、車両3が車載カメラ5で撮像した画像に基づいて、車両3の走行の案内や画像の表示を行う。尚、ナビゲーション装置2の詳細については後述する。
【0026】
続いて、移動体周辺撮像システム1を構成するプローブセンタ4の構成について図2を用いてより詳細に説明する。
【0027】
プローブセンタ4は、図2に示すようにサーバ11と、サーバ11に接続された情報記録手段としてのプローブ情報DB12と、プローブ統計情報DB13と、センタ通信装置14とから基本的に構成されている。
【0028】
サーバ11は、プローブセンタ4における各種制御を行う電子制御ユニットである。そして、演算装置及び制御装置としてのCPU21、並びにCPU21が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるRAM22、各種制御プログラム等が記憶されたROM23等の内部記憶装置を備えている。
【0029】
また、プローブ情報DB12は、全国を走行する各車両3から収集したプローブ情報を累積的に記憶する記憶手段である。尚、本実施形態においては、車両3から収集されるプローブ情報として、撮像地点判定情報がある。ここで、撮像地点判定情報は、交差点及び交差点の進入方向に対して、車載カメラ5による撮像を行うのが好ましいか否かを各車両が判定した情報である。具体的には、後述のように交差点へ向かう各車両3が、実際に撮像した画像に基づいて、車載カメラ5により周辺の撮像を行うのが好ましいか否か判定する。
【0030】
以下に、図3を用いてプローブ情報DB12に記憶されるプローブ情報の内、撮像地点判定情報についてより詳細に説明する。図3はプローブ情報DB12に記憶されるプローブ情報の内、撮像地点判定情報の一例を示した図であり、特に図4に示す所定の交差点aに関するプローブ情報を示した図である。そして、図3に示すプローブ情報が交差点毎にプローブ情報DB12に記憶されている。
【0031】
図3に示すように、プローブ情報として収集される撮像地点判定情報は、車両3が該当する交差点を走行した時刻と、送信元の車両を識別する車両IDと、車両3が走行した交差点を識別する交差点IDと、交差点の進入方向(交差点に進入するリンクのリンクIDにより特定)と、車載カメラ5による撮像を行うのが好ましいか否かの判定結果に関する情報等が含まれる。また、車載カメラ5による撮像を行うのが好ましいと判定された場合には、判定する際に実際に車両3が撮像した撮像地点(交差点からの距離によって特定)についても記憶されている。例えば、図3に示すプローブ情報は、10:00:00にID“A”の車両3が、交差点aに接続されるリンクL1を交差点a方向へ走行し、且つ交差点aをリンクL1から進入する方向が、交差点aの20m手前で撮像した撮像画像に基づいて、車載カメラ5による撮像を行うのが好ましいと該車両によって判定されたことが記憶されている。また、10:00:08にID“C”の車両3が交差点aに接続されるリンクL2を交差点a方向へ走行し、且つ交差点aをリンクL2から進入する方向が、車載カメラ5による撮像を行う必要がないと該車両によって判定されたことが記憶されている。同様にして、他のプローブ情報についても記憶されている。
【0032】
そして、サーバ11は、プローブ情報DB12に記憶される撮像地点判定情報を統計することによって、交差点毎で且つ交差点への進入方向毎に車載カメラ5による撮像を行うのが好ましい撮像地点か否かを特定する。具体的には、プローブ情報として記憶された各車両の交差点及び交差点の進入方向毎に、車載カメラ5による撮像を行うのが好ましいか否かの判定結果を集計し、高い比率の判定結果(“車載カメラ5による撮像を行うのが好ましい(以下、撮像推奨判定という)”又は“車載カメラ5による撮像を行う必要がない(以下、撮像非推奨判定という)”)を、その交差点の進入方向に対して『統計撮像判定』として対応付ける。また、各車両の撮像地点を統計することによって、撮像するのに最適な撮像地点である『撮像推奨地点』を算出する。そして、プローブセンタ4は、交差点の進入方向毎に上記『統計撮像判定』や『撮像推奨地点』を対応付けた撮像地点情報を、プローブ統計情報として車両3に対して配信する。
【0033】
次に、図5を用いてプローブ統計情報DB13に記憶されるプローブ統計情報についてより詳細に説明する。図5はプローブ統計情報DB13に記憶されるプローブ統計情報の一例を示した図である。
【0034】
図5に示すようにプローブ統計情報は、交差点を識別する交差点IDと、交差点の進入方向(交差点に進入するリンクのリンクID)と、プローブデータの統計結果に基づいて特定された“統計撮像判定”及び“撮像推奨地点”とから構成される。例えば、図5に示すプローブ統計情報は、交差点ID『10001』の交差点の進入リンクL1からの進入方向には、統計データから車載カメラ5により周辺の撮像を行うのが好ましいと判定された“撮像推奨判定”が特定され、更に、交差点から20mの距離が撮像推奨地点に特定されていることを示している。また、交差点ID『10002』の交差点の進入リンクL11からの進入方向には、統計データから車載カメラ5により周辺の撮像を行う必要がないと判定された“撮像非推奨判定”が特定されていることを示している。そして、プローブ統計情報DB13には上記のプローブ統計情報が、ナビゲーション装置2が有する地図データに含まれる交差点及び交差点の進入方向分記憶されている。但し、“統計撮像判定”や“撮像推奨地点”を特定するためのプローブ情報が不足している交差点の進入方向については『不明』に特定される。
【0035】
また、センタ通信装置14は、車両3やVICSセンタとネットワーク15を介して通信を行う為の通信装置である。本実施形態では、センタ通信装置14を介してプローブ情報やプローブ統計情報を各車両3との間で送受信する。
【0036】
次に、車両3に搭載されたナビゲーション装置2の概略構成について図6を用いて説明する。図6は本実施形態に係るナビゲーション装置2を示したブロック図である。
【0037】
図6に示すように本実施形態に係るナビゲーション装置2は、ナビゲーション装置2が搭載された車両3の現在位置を検出する現在位置検出部31と、各種のデータが記録されたデータ記録部32と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーションECU33と、ユーザからの操作を受け付ける操作部34と、ユーザに対して車両周辺の地図や施設の関する施設情報を表示する液晶ディスプレイ35と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ36と、記憶媒体であるDVDを読み取るDVDドライブ37と、プローブセンタ4やVICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタ等の情報センタとの間で通信を行う通信モジュール38と、から構成されている。また、ナビゲーション装置2には、車載カメラ5が接続されている。
【0038】
以下に、ナビゲーション装置2を構成する各構成要素について順に説明する。
現在位置検出部31は、GPS41、車速センサ42、ステアリングセンサ43、ジャイロセンサ44等からなり、現在の車両の位置、方位、車両の走行速度、現在時刻等を検出することが可能となっている。ここで、特に車速センサ42は、車両の移動距離や車速を検出する為のセンサであり、車両の駆動輪の回転に応じてパルスを発生させ、パルス信号をナビゲーションECU33に出力する。そして、ナビゲーションECU33は発生するパルスを計数することにより駆動輪の回転速度や移動距離を算出する。尚、上記5種類のセンサをナビゲーション装置2が全て備える必要はなく、これらの内の1又は複数種類のセンサのみをナビゲーション装置2が備える構成としても良い。
【0039】
また、データ記録部32は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記録された地図情報DB45、撮像地点DB46、撮像画像DB47及び所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。尚、データ記録部32をハードディスクの代わりにメモリーカードやCDやDVD等の光ディスクにより構成しても良い。
【0040】
ここで、地図情報DB45は、例えば、道路(リンク)に関するリンクデータ、ノード点に関するノードデータ、施設に関する施設データ、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ48、経路を探索するための探索データ、地点を検索するための検索データ等が記憶された記憶手段である。
【0041】
ここで、地図情報DB45に含まれる交差点データ48は、図7に示すように交差点を識別する交差点IDと、交差点名称と、交差点に接続されるリンク(以下、接続リンクという)のリンクIDとから構成されている。例えば、図7に示す交差点データ48では、交差点ID『10001』の交差点は、交差点名称が『○○城前』であり、4本のリンクL1〜L4が接続されていることを示している。
そして、ナビゲーションECU33は、地図情報DB45に記憶された交差点データ48に基づいて、後述のように名所付近にある交差点方向へと車両3が走行しているか否かを判定する。
【0042】
また、撮像地点DB46は、交差点毎で且つ交差点への進入方向毎に、車載カメラ5による“撮像対象”とするか“非撮像対象”とするかを記憶(設定)したDBである。また、撮像地点DB46は以下の(1)又は(2)の方法によって更新される。
(1)自車両が車載カメラ5により撮像した撮像画像に基づいて、自車両が車載カメラ5による撮像を行うのが好ましい撮像地点か否かを判定し、その判定結果に基づいて更新する。
(2)プローブセンタ4から配信されたプローブ統計情報(即ち、他車両が車載カメラ5による撮像を行うのが好ましい撮像地点か否かを判定した判定結果、図5参照)に基づいて更新する。
【0043】
ここで、図8は撮像地点DB46の一例について示した図である。図8に示すように撮像地点DB46には、交差点を識別する交差点IDと、交差点の進入方向(交差点に進入するリンクのリンクIDにより特定)と、自車両又は他車両の判定結果に基づいて特定された撮像可否設定及び撮像推奨地点と、撮像画像の有無を特定する情報とから構成される。尚、撮像可否設定は、車載カメラ5により車両3の周辺の撮像を行う“撮像対象”、車載カメラ5により車両3の周辺の撮像を行わない“非撮像対象”のいずれかに設定する。ここで、プローブ統計情報に基づいて撮像地点DB46を更新する場合には、プローブ統計情報で“撮像推奨判定”が特定された交差点及び交差点の進入方向は、“撮像対象”に設定され、“撮像非推奨判定”が特定された交差点及び交差点の進入方向は、“非撮像対象”に設定される。一方、自車両の判定結果に基づいて撮像地点DB46を更新する場合には、後述のように実際に撮像した画像に基づく判定によって、“撮像対象”と“非撮像対象”のいずれかに設定される。また、本実施形態では、特に名所の施設(例えば、城、タワー、寺、神社等)を車載カメラ5によって適切に撮像できる交差点及び交差点の進入方向の組合せが“撮像対象”に設定され、名所の施設を車載カメラ5によって適切に撮像できない交差点及び交差点の進入方向の組合せが“非撮像対象”に設定される。
【0044】
例えば、図8に示す撮像地点DB46は、交差点ID『10001』のL1〜L4や『10002』のL11、L12については、図5に示すプローブ統計情報(即ち、他車両の判定結果)に基づいて、撮像可否が設定されている。また、撮像推奨地点についてもプローブ統計情報に基づいて設定されている。一方、交差点ID『10003』のL23、L24については、自車両による判定結果に基づいて、撮像可否が設定されている。また、撮像推奨地点についても自車両の判定結果に基づいて設定されている。また、交差点ID『10001』のL1と交差点ID『10003』のL23については、その撮像地点で自車両が撮像した撮像画像が後述の撮像画像DB47に記憶されていることを示している。尚、プローブ統計情報から判定結果が取得できず、自車両によっても判定されていない交差点及び交差点の進入方向に関する情報は、撮像地点DB46に記録されない。
【0045】
また、撮像画像DB47は、車載カメラ5により撮像された撮像画像を記憶するDBである。特に、本実施形態に係るナビゲーション装置2では、全国各地の名所を撮像した撮像画像が撮像画像DB47に記憶される。そして、ナビゲーションECU33は、撮像画像DB47に記憶された名所の画像に基づいて、走行の案内を行う。例えば、車両が名所に接近した場合において、該名所を撮像した画像を液晶ディスプレイ35に表示する。また、撮像画像DB47に記憶された名所の画像の一覧を表示したり、スライドショーにより表示することも可能である。更に、ユーザは、撮像画像DB47に記憶された画像を選択的に削除することや、外部の記憶媒体に出力することも可能である。
【0046】
一方、ナビゲーションECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)33は、ナビゲーション装置2の全体の制御を行う電子制御ユニットであり、演算装置及び制御装置としてのCPU51、並びにCPU51が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM52、制御用のプログラムのほか、後述の撮像判定処理プログラム(図9)、自動撮像処理プログラム(図10、図12)、手動撮像処理プログラム(図11、図12)等が記録されたROM53、ROM53から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ54等の内部記憶装置を備えている。尚、ナビゲーションECU33は、プローブセンタ4のサーバ11とともに処理アルゴリズムとしての各種手段を構成する。例えば、案内経路設定手段は、出発地(例えば車両の現在位置)から目的地までの案内経路を設定する。撮像設定手段は、交差点毎で且つ該交差点への進入方向毎に、交差点と進入方向の組合せに対して、交差点の進入方向へと向かう車両3(移動体)が車載カメラ5により車両3の周辺の撮像を行う“撮像対象”、若しくは車載カメラ5により車両3の周辺の撮像を行わない“非撮像対象”のいずれかを設定する。交差点特定手段は、車両の移動方向側に接続されている交差点である接続交差点を特定し、進入予定方向予測手段は、交差点特定手段によって特定された接続交差点を車両が進入する方向である進入予定方向を予測する。撮像判定手段は、接続交差点と進入予定方向の組合せが、撮像設定手段により“撮像対象”に設定されているか否か判定する。撮像手段は、撮像判定手段によって接続交差点及び進入予定方向の組合せが“撮像対象”に設定されていると判定された場合に、車載カメラ5により車両の周辺を撮像する。特定交差点判定手段は、交差点特定手段によって特定された接続交差点が、特定交差点であるか否か判定する。判定撮像手段は、接続交差点が特定交差点であると判定された場合であって、接続交差点及び進入予定方向の組合せが“撮像対象”及び“非撮像対象”のいずれにも設定されていないと判定された場合に、車載カメラ5により車両の周辺を撮像する。撮像設定判定手段は、判定撮像手段により撮像された撮像画像に基づいて、接続交差点及び進入予定方向の組合せを、撮像対象又は非撮像対象のいずれに設定するか判定する。判定結果取得手段は、他車両から撮像設定判定手段の判定結果を取得する。撮像推奨地点設定手段は、撮像設定手段により撮像対象に設定された交差点及び進入方向の組合せに対して、撮像装置による撮像を行う撮像推奨地点を設定する。
【0047】
操作部34は、走行開始地点としての出発地及び走行終了地点としての目的地を入力する際等に操作され、各種のキー、ボタン等の複数の操作スイッチ(図示せず)から構成される。また、本実施形態では手動で車載カメラ5により撮像を行う場合にも操作される。そして、ナビゲーションECU33は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。尚、操作部34は液晶ディスプレイ35の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。また、マイクと音声認識装置によって構成することもできる。
【0048】
また、液晶ディスプレイ35には、道路を含む地図画像、交通情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、出発地から目的地までの案内経路、案内経路に沿った案内情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。
【0049】
また、スピーカ36は、ナビゲーションECU33からの指示に基づいて案内経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスや、交通情報の案内を出力する。
【0050】
また、DVDドライブ37は、DVDやCD等の記録媒体に記録されたデータを読み取り可能なドライブである。そして、読み取ったデータに基づいて音楽や映像の再生、地図情報DB45の更新等が行われる。
【0051】
また、通信モジュール38は、交通情報センタ、例えば、VICSセンタやプローブセンタ等から送信された渋滞情報、規制情報、交通事故情報等の各情報から成る交通情報を受信する為の通信装置であり、例えば携帯電話機やDCMが該当する。
【0052】
また、車載カメラ5は、例えばCCD等の固体撮像素子を用いたカメラにより構成され、車両3のフロントバンパの上方に取り付けられるとともに光軸方向を水平より所定角度下方に向けて設置される。そして、車載カメラ5は、車両3が撮像地点DB46に記憶された撮像推奨地点に到達した場合に、車両3の前方環境を撮像する。そして、撮像された撮像画像は撮像画像DB47に累積的に記憶される。また、ナビゲーションECU33は、その撮像された撮像画像に基づいて、前記したように車両3の走行の案内や画像の一覧の表示を行う。尚、車載カメラ5は、ドライブレコーダ機能用のカメラ等と兼用しても良い。
【0053】
続いて、前記構成を有する移動体周辺撮像システム1を構成するナビゲーション装置2において実行する撮像判定処理プログラムについて図9に基づき説明する。図9は本実施形態に係る撮像判定処理プログラムのフローチャートである。ここで、撮像判定処理プログラムは車両のACCがONされた後に実行され、車載カメラ5により車両3の周辺を撮像する状態にあるか否かを判定するプログラムである。尚、以下の図9乃至図12にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーションECU33が備えているRAM52やROM53等に記憶されており、CPU51により実行される。
【0054】
先ず、撮像判定処理プログラムではステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU51は、車両3の現在位置及び方位を現在位置検出部31の検出結果に基づいて取得する。尚、車両3の現在位置を地図データ上で特定するマップマッチング処理についても行う。更に、車両3の現在位置は、高精度ロケーション技術を用いて詳細に特定することが望ましい。ここで、高精度ロケーション技術とは、車両後方のカメラから取り込んだ白線や路面ペイント情報を画像認識により検出し、更に、白線や路面ペイント情報を予め記憶した地図情報DBと照合することにより、走行車線や高精度な車両位置を検出可能にする技術である。尚、高精度ロケーション技術の詳細については既に公知であるので省略する。
【0055】
次に、S2においてCPU51は、前記S1で取得した車両3の現在位置及び方位と地図情報DB45に基づいて、車両3が現在走行するリンクの終端に位置する交差点(即ち、車両の走行方向側に接続されている交差点であり、以下接続交差点という)を特定する。
【0056】
続いて、S3においてCPU51は、前記S2で特定された接続交差点へと車両が進入する方向(以下、進入予定方向)を特定する。尚、進入予定方向は、交差点に接続されたリンク(以下、接続リンクという)のリンクIDによって特定される。例えば、図4に示す交差点を車両3が左方向から右方向へと交差点へ進入することが予測される場合には、進入予定方向として車両3が交差点へと進入する為に走行する接続リンクであるリンクL1が特定される。
【0057】
その後、S4においてCPU51は、前記S2で特定された接続交差点と前記S3で特定された進入予定方向の組合せが、撮像地点DB46(図8)において撮像可否が設定されているか否かを判定する。
【0058】
そして、接続交差点と進入予定方向の組合せが撮像地点DB46(図8)において撮像可否が設定されていると判定された場合(S4:YES)には、S5へと移行する。それに対して、接続交差点と進入予定方向の組合せが撮像地点DB46(図8)において撮像可否が設定されていないと判定された場合(S4:NO)には、S9へと移行する。
【0059】
その後、S5においてCPU51は、前記S2で特定された接続交差点と前記S3で特定された進入予定方向の組合せが、撮像地点DB46(図8)において、特に車載カメラ5により車両3の周辺の撮像を行う“撮像対象”に設定されているか否かを判定する。尚、撮像地点DB46は、前記したように自車両での判定処理の結果(図12参照)やプローブセンタ4から配信されるプローブ統計情報に基づいて更新される。
【0060】
そして、接続交差点と進入予定方向の組合せが、撮像地点DB46(図8)において車載カメラ5により車両3の周辺の撮像を行う“撮像対象”に設定されていると判定された場合(S5:YES)には、S6へと移行する。それに対して、接続交差点と進入予定方向の組合せが、撮像地点DB46(図8)において車載カメラ5により車両3の周辺の撮像を行わない“非撮像対象”に設定されていると判定された場合(S5:NO)には、CPU51は、車載カメラ5により車両3の周辺環境の撮像を行う必要が無いと推定し、当該撮像判定処理プログラムを終了する。
【0061】
S6においてCPU51は、前記S2で特定された接続交差点と前記S3で特定された進入予定方向の組合せにおいて、車両3が過去に同一の交差点へ同一の方向に進入する際に撮像した撮像画像が撮像画像DB47に既に記憶されているか否かを特定する情報を撮像地点DB46(図8)から取得する。
【0062】
そして、S7においてCPU51は、前記S6で取得した情報に基づいて、前記S2で特定された接続交差点と前記S3で特定された進入予定方向の組合せにおいて、車両3が過去に同一の交差点へ同一の方向に進入する際に撮像した撮像画像が撮像画像DB47に既に記憶されているか否かを判定する。
【0063】
そして、接続交差点と進入予定方向の組合せにおいて、車両3が過去に同一の交差点へ同一の方向に進入する際に撮像した撮像画像が撮像画像DB47に既に記憶されていると判定された場合(S7:YES)には、CPU51は、車載カメラ5により車両3の周辺環境の撮像を行う必要が無いと推定し、当該撮像判定処理プログラムを終了する。それに対して、車両3が過去に同一の交差点へ同一の方向に進入する際に撮像した撮像画像が撮像画像DB47に記憶されていないと判定された場合(S7:NO)には、CPU51は、車載カメラ5により車両3の周辺環境の撮像を行う必要があると推定し、S8へと移行する。
【0064】
S8においてCPU51は、RAM52から第1自動撮像フラグを読み出し、ONに設定する。尚、第1自動撮像フラグは、車載カメラ5により車両周辺の撮像を行う状態に車両3が有るか否かを特定するフラグであり、車載カメラ5による撮像を行う状態に車両3が有ると判定された場合にONに設定され、撮像が終了するとOFFに設定される(S28)。また、車両のACCがオンされた時点ではOFFに設定される。
【0065】
一方、S9においてCPU51は、地図情報DB45に記憶された交差点データ48(図7)に基づいて、前記S2で特定された接続交差点の名称を取得する。
【0066】
次に、S10においてCPU51は、前記S9で取得された接続交差点の交差点名称が、名所に分類される施設の施設名称を含むか否か、即ち接続交差点の付近に名所が有るか否かを判定する。尚、名所に分類される施設に関する情報(施設名称、位置座標等)は、地図情報DB45に予め記憶されている。尚、交差点名称が、名所に分類される施設の施設名称を含む場合としては、例えば、交差点名称が『○○(名所の名称)前』や『○○(名所の名称)北』等の場合がある。
次に、S10においてCPU51は、前記S9で取得された接続交差点の交差点名称が、名所に分類される施設の施設名称を含むか否か、即ち接続交差点の付近に名所が有るか否かを判定する。尚、名所に分類される施設に関する情報(施設名称、位置座標等)は、地図情報DB45に予め記憶されている。ここで、名所に分類される施設に関する情報を特別に用意することなく、例えば、通常の施設よりも目立つ態様(3Dランドマークなど)にて地図上に表示されるように描画データが記憶されている施設を、名所として採用するようにしてもよい。また、交差点名称が、名所に分類される施設の施設名称を含む場合としては、例えば、交差点名称が『○○(名所の名称)前』や『○○(名所の名称)北』等の場合がある。尚、交差点名称が、『○○前』や『○○北』等の場合、『○○』の部分が名所に分類されていない場合であっても、交差点名称として採用されていることからその地域では有名な施設である可能性があるため、交差点名称の末尾に方向を示す文言(『前』、『右』、など)や方位を示す文言(『東』、『北』、など)が含まれている場合、接続交差点の交差点名称が名所に分類される施設の施設名称を含むと判断してもよい。
【0067】
そして、前記S9で取得された接続交差点の交差点名称が、名所に分類される施設の施設名称を含むと判定された場合(S10:YES)、即ち接続交差点の付近に名所が有ると判定された場合には、CPU51は、車載カメラ5により車両3の周辺環境の撮像を行う必要があると推定し、S11へと移行する。それに対して、前記S9で取得された接続交差点の交差点名称が、名所に分類される施設の施設名称を含まないと判定された場合(S10:NO)、即ち接続交差点の付近に名所が無いと判定された場合には、CPU51は、車載カメラ5により車両3の周辺環境の撮像を行う必要が無いと推定し、当該撮像判定処理プログラムを終了する。
【0068】
S11においてCPU51は、RAM52から第2自動撮像フラグを読み出し、ONに設定する。尚、第2自動撮像フラグは、車載カメラ5により車両周辺の撮像を行う状態に車両3が有るか否かを特定するフラグであり、車載カメラ5による撮像を行う状態に車両3が有ると判定された場合にONに設定され、撮像が終了するとOFFに設定される(S28)。また、車両のACCがオンされた時点ではOFFに設定される。
【0069】
続いて、移動体周辺撮像システム1を構成するナビゲーション装置2において実行する自動撮像処理プログラムについて図10に基づき説明する。図10は本実施形態に係る自動撮像処理プログラムのフローチャートである。ここで、自動撮像処理プログラムは車両のACCがONされた後に実行され、車載カメラ5により車両3の周辺を撮像するとともに、撮像した写真に基づいて撮像地点DB46を更新するプログラムである。
【0070】
先ず、S21において、CPU51は、RAM52から第1自動撮像フラグ及び第2自動撮像フラグを読み出し、第1自動撮像フラグ又は第2自動撮像フラグのいずれかがONになっているか否か判定する。
【0071】
そして、第1自動撮像フラグ又は第2自動撮像フラグのいずれかがONになっていると判定された場合(S21:YES)には、CPU51は、車載カメラ5により車両3の周辺環境の撮像を行う必要があると推定し、S22へと移行する。それに対して、第1自動撮像フラグ及び第2自動撮像フラグのいずれもOFFになっていると判定された場合(S21:NO)には、CPU51は、車載カメラ5により車両3の周辺環境の撮像を行う必要が無いと推定し、当該自動撮像処理プログラムを終了する。
【0072】
次に、S22においてCPU51は、車両3の現在位置を現在位置検出部31の検出結果に基づいて取得する。尚、車両3の現在位置を地図データ上で特定するマップマッチング処理についても行う。更に、車両3の現在位置は、前記S1と同様に高精度ロケーション技術を用いて詳細に特定することが望ましい。
【0073】
続いて、S23においてCPU51は、前記S22で取得した車両3の現在位置に基づいて、車両3が車載カメラ5により撮像を行う撮像地点に到達したか否か判定する。尚、撮像地点は、撮像地点DB46(図8)において、接続交差点と進入予定方向の組合せに対して撮像推奨地点が設定されている場合には、設定された撮像推奨地点を撮像地点とする。一方、撮像推奨地点が設定されていない場合には、固定の値(例えば、交差点の手前100mの地点や50m手前)とする。
【0074】
そして、車両3が車載カメラ5により撮像を行う撮像地点に到達したと判定された場合(S23:YES)には、S24へと移行する。それに対して、車両3が車載カメラ5により撮像を行う撮像地点に到達していないと判定された場合(S23:NO)には、当該自動撮像処理プログラムを終了する。
【0075】
S24においてCPU51は、車両3に設置された車載カメラ5により車両3の前方環境を撮像する。
【0076】
更に、S25においてCPU51は、前記S24で撮像された撮像画像を撮像画像DB47に保存する。
【0077】
次に、S26において、CPU51は、RAM52から第1自動撮像フラグを読み出し、第1自動撮像フラグがONになっているか否か判定する。
【0078】
そして、第1自動撮像フラグがONになっていると判定された場合(S26:YES)には、CPU51は、今回の接続交差点と進入予定方向の組合せは、既に他車両によって車載カメラ5による撮像を行うのが好ましいと判定されているので、自車両では判定を行う必要は無いと推定し、S28へと移行する。それに対して、第1自動撮像フラグがOFFになっていると判定された場合(S26:NO)には、CPU51は、今回の接続交差点と進入予定方向の組合せは、他車両によって車載カメラ5による撮像を行うのが好ましいか否か判定されておらず、自車両で判定を行う必要があると推定し、S27へと移行する。
【0079】
S27においてCPU51は、後述の撮像画像判定処理(図12)を行う。尚、撮像画像判定処理は、後述のように実際に撮像した撮像画像をユーザに確認させ、今回の接続交差点と進入予定方向の組合せが車載カメラ5による撮像を行うのが好ましいか否かを判定するプログラムである。尚、本実施形態では、特に名所の施設(例えば、城、タワー、寺、神社等)を車載カメラ5によって適切に撮像できる交差点及び交差点の進入方向の組合せを、車載カメラ5による撮像地点として好ましいと判定する。その後、S28へと移行する。
【0080】
S28でCPU51は、RAM52から第1自動撮像フラグ及び第2自動撮像フラグを読み出し、それぞれ初期化(OFFに設定)する。
【0081】
続いて、移動体周辺撮像システム1を構成するナビゲーション装置2において実行する手動撮像処理プログラムについて図11に基づき説明する。図11は本実施形態に係る手動撮像処理プログラムのフローチャートである。ここで、手動撮像処理プログラムは車両のACCがONされた後に実行され、手動操作に基づいて車載カメラ5により車両3の周辺を撮像するとともに、撮像した写真に基づいて撮像地点DB46を更新するプログラムである。
【0082】
先ず、S31において、CPU51は、操作部34から出力される信号に基づいて、車載カメラ5による撮像を行う為の所定の操作を受け付けたか否か判定する。
【0083】
そして、車載カメラ5による撮像を行う為の所定の操作を受け付けたと判定された場合(S31:YES)には、S32へと移行する。それに対して、車載カメラ5による撮像を行う為の所定の操作を受け付けていないと判定された場合(S31:NO)には、当該手動撮像処理プログラムを終了する。
【0084】
S32においてCPU51は、車両3の現在位置を現在位置検出部31の検出結果に基づいて取得する。尚、車両3の現在位置を地図データ上で特定するマップマッチング処理についても行う。更に、車両3の現在位置は、前記S1と同様に高精度ロケーション技術を用いて詳細に特定することが望ましい。
【0085】
S33においてCPU51は、車両3に設置された車載カメラ5により車両3の前方環境を撮像する。
【0086】
更に、S34においてCPU51は、前記S33で撮像された撮像画像を撮像画像DB47に保存する。
【0087】
次に、前記S33で撮像された画像に基づいて今回の接続交差点と進入予定方向の組合せが、車載カメラ5による撮像を行うのが好ましいか否かを判定する為の判定タイミングとなったか否かを判定する。尚、判定タイミングとしては、撮像した直後でも良いし、撮像後に車両が最初に停車したタイミングとしても良い。
【0088】
そして、前記S33で撮像された画像に基づいて今回の接続交差点と進入予定方向の組合せが、車載カメラ5による撮像を行うのが好ましいか否かを判定する為の判定タイミングとなったと判定された場合(S35:YES)には、S36へと移行する。それに対して、前記S33で撮像された画像に基づいて今回の接続交差点と進入予定方向の組合せが、車載カメラ5による撮像を行うのが好ましいか否かを判定する為の判定タイミングとなっていないと判定された場合(S35:NO)には、当該手動撮像処理プログラムを終了する。
【0089】
S36においてCPU51は、後述の撮像画像判定処理(図12)を行う。尚、撮像画像判定処理は、後述のように実際に撮像した撮像画像をユーザに確認させ、今回の接続交差点と進入予定方向の組合せが車載カメラ5による撮像を行うのが好ましいか否かを判定するプログラムである。尚、本実施形態では、特に名所の施設(例えば、城、タワー、寺、神社等)を車載カメラ5によって適切に撮像できる交差点及び交差点の進入方向の組合せを、車載カメラ5による撮像地点として好ましいと判定する。その後、当該手動撮像処理プログラムを終了する。
【0090】
次に、前記S27及びS36において実行される撮像画像判定処理のサブ処理について図12に基づき説明する。図12は撮像画像判定処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
【0091】
S41においてCPU51は、前記S24又はS33で直前に撮像された撮像画像を撮像画像DB47から読み出し、読み出した撮像画像を含む撮像確認画面を液晶ディスプレイ35に表示する。
【0092】
ここで、図13は前記S41で液晶ディスプレイ35に表示される撮像確認画面61の一例について示した図である。図13に示すように、撮像確認画面61は、通常の走行案内画面に重畳して画像確認ウインドウ62が表示される。そして、画像確認ウインドウ62には、直前に撮像された撮像画像63とともに、名所が適切に撮像されたか否かをユーザに確認する文章及び確認結果を入力するボタン64、65が表示される。そして、ユーザは撮像確認画面61を参照することによって、直前に撮像された撮像画像63の内容を確認することが可能であり、また、表示された撮像画像63に基づいて撮像画像63に名所が適切に撮像されているか否かを確認し、その結果をボタン64、65を用いて入力することが可能となる。
【0093】
次に、S42においてCPU51は、前記S24又はS33で撮像された撮像画像に名所が適切に撮像されているか否かをユーザから受け付けた操作に基づいて判定する。具体的に、撮像確認画面61においてユーザによりボタン64が選択されたことを受け付けた場合には、撮像画像に名所が適切に撮像されていると判定し、一方、撮像確認画面61においてユーザによりボタン65が選択されたことを受け付けた場合には、撮像画像に名所が適切に撮像されていないと判定する。
【0094】
そして、前記S24又はS33で撮像された撮像画像に名所が適切に撮像されていると判定された場合(S42:YES)には、CPU51は、今回の接続交差点と進入予定方向の組合せが車載カメラ5による撮像を行うのに好ましいと判定し、車載カメラ5により車両3の周辺の撮像を行う“撮像対象”に設定する(S43)。更に、S44でCPU51は、今回の接続交差点と進入予定方向の組合せに対して、撮像推奨地点を設定する。尚、撮像推奨地点は、今回の撮像を行った撮像地点でも良いし、ユーザの指示により修正された地点でも良い。例えば、ユーザが撮像画像63に撮像された名所が小さいと感じた場合には、その結果を操作部34により入力する。その結果、CPU51は今回の撮像よりも所定距離(例えば50m)接続交差点側に移動した地点を撮像推奨地点として設定することが可能である。その後、S47へと移行する。
【0095】
一方、前記S24又はS33で撮像された撮像画像に名所が適切に撮像されていないと判定された場合(S42:NO)には、CPU51は、今回の接続交差点と進入予定方向の組合せは車載カメラ5による撮像を行う必要がないと判定し、車載カメラ5により車両3の周辺の撮像を行わない“非撮像対象”に設定する(S45)。更に、S46でCPU51は、直前の前記S24又はS33で撮像された該当の撮像画像を撮像画像DB47から削除する。その後、S47へと移行する。
【0096】
S47においてCPU51は、今回の接続交差点と進入予定方向の組合せを特定する情報とともに、前記S42の判定結果、即ち車載カメラ5による撮像を行うのが好ましいか否かの判定結果に関する情報をプローブセンタ4へとプローブ情報として送信する。また、車載カメラ5による撮像を行うのが好ましいと判定された場合には、前記S44で設定された撮像推奨地点についても送信される。その後、当該サブ処理プログラムを終了する。
【0097】
そして、本実施形態に係るナビゲーション装置2は、上記自動撮像処理プログラム(図10、図12)や手動撮像処理プログラム(図11、図12)を実行することによって、例えば図14に示すように接続交差点71の名称が『○○(名所の名称)前』といった名所の名称を含む場合であっても、図15に示すように接続交差点72の名称が無い場合であっても、交差点付近に位置する名所を車載カメラ5により適切なタイミングで撮像することが可能となる。そして、撮像した結果に基づいて、その接続交差点及び接続交差点の進入方向の組合せを、車載カメラ5による撮像を行う対象とするか否かを適切に判定することが可能である。
【0098】
尚、前記S47でプローブ情報が送信されたプローブセンタ4は、送信されたプローブ情報をプローブ情報DB12(図3)に累積的に格納する。そして、所定の間隔(例えば24時間毎)に、プローブ情報DB12記憶されるプローブ情報を統計することによって、プローブ統計情報(図5)を作成及び更新する。例えば、プローブ情報として記憶された各車両の交差点及び交差点の進入方向毎に、車載カメラ5による撮像を行うのが好ましいか否かの判定結果を集計し、高い比率の判定結果を、その交差点の進入方向に対して『統計撮像判定』として対応付ける。また、各車両から送信された撮像推奨地点を統計することによって、撮像するのに最適な『撮像推奨地点』を算出する。そして、プローブセンタ4は、交差点の進入方向毎に上記『統計撮像判定』や『撮像推奨地点』を対応付けた撮像地点情報を、プローブ統計情報として車両3に対して配信する。そして、プローブ統計情報を受信した車両3のナビゲーション装置2は、受信したプローブ統計情報に基づいて撮像地点DB46(図8)を更新する。
【0099】
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係る移動体周辺撮像システム1、ナビゲーション装置2、移動体周辺撮像方法及びナビゲーション装置2やサーバ11で実行されるコンピュータプログラムでは、交差点毎で且つ該交差点への進入方向毎に、交差点と進入方向の組合せに対して、交差点の進入方向へと向かう車両が車載カメラ5により周辺の撮像を行う“撮像対象”、若しくは周辺の撮像を行わない“非撮像対象”のいずれかを設定し(S43、S45)、車両がこれから進入する接続交差点と進入予定方向の組合せが、“撮像対象”に設定されていると判定された場合に、車載カメラ5により車両の周辺を撮像する(S24)ので、車載カメラ5により車両の周辺を撮像する場合において、適切なタイミングで車両の周辺を撮像することができる。その結果、不要な撮像画像が撮像されたり、必要な撮像画像が撮像できない虞を防止することが可能となる。
また、特定交差点へと車両が向かう場合であって、該特定交差点及び該特定交差点への進入予定方向の組合せが、撮像対象及び非撮像対象のいずれにも設定されていない場合に、車両の周辺環境を撮像し(S24)、撮像された撮像画像に基づいて、該特定交差点及び該特定交差点への進入予定方向の組合せを撮像対象又は前記非撮像対象のいずれかに設定する(S27)ので、車両が最初に通過する交差点を含む組合せに対しても、撮像対象又は非撮像対象のいずれかを適切に設定することが可能となる。
また、他車両の判定結果であるプローブ統計情報を用いることによって、交差点及び交差点への進入予定方向の組合せを撮像対象又は前記非撮像対象のいずれかに設定するので、車両が通過したことの無い交差点を含む組合せに対しても、撮像対象又は非撮像対象のいずれかを適切に設定することが可能となる。
また、名所を撮像できる可能性の高い交差点及び交差点への進入予定方向の組合せに対して、実際に移動体周辺を撮像した画像から、撮像対象又は非撮像対象のいずれかを適切に設定することが可能となる。従って、名所の位置や交差点周辺の道路形状を考慮して、名所が適切に撮像できる交差点及び交差点への進入予定方向の組合せを撮像対象に適切に設定することが可能となる。
また、交差点及び交差点への進入予定方向の組合せに対して、車載カメラ5による撮像を行う撮像推奨地点を設定するので、走行中の車両3から適切なタイミングで車両の周辺を撮像することができる。その結果、名所等の対象物を適切なサイズで適切な角度により撮像することが可能となる。
【0100】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態では自車両で撮像した撮像画像に対する判定結果に加えて、プローブセンタ4から配信された他車両の判定結果に基づいて、交差点及び交差点の進入方向毎に車載カメラ5による撮像を行う対象とするか否かを設定することとしているが、自車両で撮像した撮像画像に対する判定結果のみに基づいて車載カメラ5による撮像を行う対象とするか否かを設定する構成としても良い。その場合には、プローブセンタ4は不要となる。また、プローブセンタを介さずに、車車間通信で判定結果を送受信する構成としても良い。
【0101】
また、本実施形態では撮像判定処理プログラム(図9)、自動撮像処理プログラム(図10、図12)、手動撮像処理プログラム(図11、図12)の各ステップの実行主体は、ナビゲーション装置2であったが、プローブセンタ4が一部または全部を実行する構成としても良い。
【0102】
また、本実施形態では前記S27において撮像処理が行われた直後に、撮像した撮像画像判定処理を実行する構成としているが、他のタイミング(例えば、撮像処理が行われた後であって最初に停車したタイミング)で撮像画像判定処理を実行する構成としても良い。
【0103】
また、本実施形態では交差点への車両の進入方向を、交差点に接続されたリンクによって特定する構成としているが、具体的な方角、角度、座標によって特定する構成としても良い。
【0104】
また、本実施形態では前記S42において撮像画像に名所が適切に撮像されたか否かを、ユーザを介して判定することとしているが、画像処理を行うことによってユーザを介することなくナビゲーション装置2が判定する構成としても良い。更に、本実施形態では、特に名所の施設(例えば、城、タワー、寺、神社等)を車載カメラ5によって適切に撮像できる交差点及び交差点の進入方向の組合せを、車載カメラ5による撮像地点として好ましいと判定し、“撮像対象”に設定することとしているが、他の基準に基づいて“撮像対象”を設定しても良い。例えば、少なくとも名所の施設の一部が車載カメラ5によって撮像できる交差点及び交差点の進入方向の組合せを、“撮像対象”に設定することとしても良い。また、名所の施設ではなく路面標示等の地物を車載カメラ5によって適切に撮像できる交差点及び交差点の進入方向の組合せを、“撮像対象”に設定することとしても良い。
【0105】
また、本発明はナビゲーション装置以外に、カメラ等を用いた撮像機能を有する装置(カメラや一体でも別体でも良い)に対して適用することが可能である。例えば、携帯電話機やPDA等の携帯端末、パーソナルコンピュータ、携帯型音楽プレイヤ等(以下、携帯端末等という)に適用することも可能である。また、サーバと携帯端末等から構成されるシステムに対しても適用することが可能となる。その場合には、上述した交差点案内処理プログラム(図9〜図12)の各ステップは、サーバと携帯端末等のいずれが実施する構成としても良い。
【符号の説明】
【0106】
1 移動体周辺撮像システム
2 ナビゲーション装置
3 車両
4 プローブセンタ
46 撮像地点DB
47 撮像画像DB
48 交差点データ
33 ナビゲーションECU
51 CPU
52 RAM
53 ROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交差点毎で且つ該交差点への進入方向毎に、前記交差点と前記進入方向の組合せに対して、前記交差点の前記進入方向へと向かう移動体が該移動体に設置された撮像装置により該移動体の周辺の撮像を行う撮像対象、若しくは前記移動体が該移動体に設置された前記撮像装置により該移動体の周辺の撮像を行わない非撮像対象のいずれかを設定する撮像設定手段と、
前記移動体の移動方向側に接続されている交差点である接続交差点を特定する交差点特定手段と、
前記交差点特定手段によって特定された前記接続交差点へ前記移動体が進入する方向である進入予定方向を予測する進入予定方向予測手段と、
前記接続交差点と前記進入予定方向の組合せが、前記撮像設定手段により前記撮像対象に設定されているか否か判定する撮像判定手段と、
前記撮像判定手段によって、前記接続交差点及び前記進入予定方向の組合せが前記撮像対象に設定されていると判定された場合に、前記撮像装置により前記移動体の周辺を撮像する撮像手段と、を有することを特徴とする移動体周辺撮像システム。
【請求項2】
前記交差点特定手段によって特定された前記接続交差点が、特定交差点であるか否か判定する特定交差点判定手段と、
前記特定交差点判定手段によって前記接続交差点が前記特定交差点であると判定された場合であって、前記接続交差点及び前記進入予定方向の組合せが前記撮像対象及び前記非撮像対象のいずれにも設定されていないと判定された場合に、前記撮像装置により前記移動体の周辺を撮像する判定撮像手段と、
前記判定撮像手段により撮像された撮像画像に基づいて、前記接続交差点及び前記進入予定方向の組合せを、前記撮像対象又は前記非撮像対象のいずれに設定するか判定する撮像設定判定手段と、を有し、
前記撮像設定手段は、前記撮像設定判定手段の判定結果に基づいて、前記接続交差点及び前記進入予定方向の組合せを前記撮像対象又は前記非撮像対象に設定することを特徴とする請求項1に記載の移動体周辺撮像システム。
【請求項3】
他の移動体から前記撮像設定判定手段の判定結果を取得する判定結果取得手段を有し、
前記撮像設定手段は、前記判定結果取得手段により取得した前記判定結果に基づいて、該判定結果の判定対象となる前記交差点と前記進入方向の組合せに対して、前記撮像対象又は前記非撮像対象を設定することを特徴とする請求項2に記載の移動体周辺撮像システム。
【請求項4】
前記特定交差点は、交差点の名称に特定種類の施設の施設名称を含む交差点であることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の移動体周辺撮像システム。
【請求項5】
前記撮像設定手段により前記撮像対象に設定された前記交差点及び前記進入方向の組合せに対して、前記撮像装置による撮像を行う撮像推奨地点を設定する撮像推奨地点設定手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の移動体周辺撮像システム。
【請求項6】
交差点毎で且つ該交差点への進入方向毎に、前記交差点と前記進入方向の組合せに対して、前記交差点の前記進入方向へと向かう移動体が該移動体に設置された撮像装置により該移動体の周辺の撮像を行う撮像対象、若しくは前記移動体が該移動体に設置された前記撮像装置により該移動体の周辺の撮像を行わない非撮像対象のいずれかを設定する撮像設定ステップと、
前記移動体の移動方向側に接続されている交差点である接続交差点を特定する交差点特定ステップと、
前記交差点特定ステップによって特定された前記接続交差点へ前記移動体が進入する方向である進入予定方向を予測する進入予定方向予測ステップと、
前記接続交差点と前記進入予定方向の組合せが、前記撮像設定ステップにより前記撮像対象に設定されているか否か判定する撮像判定ステップと、
前記撮像判定ステップによって、前記接続交差点及び前記進入予定方向の組合せが前記撮像対象に設定されていると判定された場合に、前記撮像装置により前記移動体の周辺を撮像する撮像ステップと、を有することを特徴とする移動体周辺撮像方法。
【請求項7】
コンピュータに搭載され、
交差点毎で且つ該交差点への進入方向毎に、前記交差点と前記進入方向の組合せに対して、前記交差点の前記進入方向へと向かう移動体が該移動体に設置された撮像装置により該移動体の周辺の撮像を行う撮像対象、若しくは前記移動体が該移動体に設置された前記撮像装置により該移動体の周辺の撮像を行わない非撮像対象のいずれかを設定する撮像設定機能と、
前記移動体の移動方向側に接続されている交差点である接続交差点を特定する交差点特定機能と、
前記交差点特定機能によって特定された前記接続交差点へ前記移動体が進入する方向である進入予定方向を予測する進入予定方向予測機能と、
前記接続交差点と前記進入予定方向の組合せが、前記撮像設定機能により前記撮像対象に設定されているか否か判定する撮像判定機能と、
前記撮像判定機能によって、前記接続交差点及び前記進入予定方向の組合せが前記撮像対象に設定されていると判定された場合に、前記撮像装置により前記移動体の周辺を撮像する撮像機能と、
をプロセッサに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−216919(P2012−216919A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−79278(P2011−79278)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】