移動体用乗客有無判断装置
【課題】従来技術において、タクシーメータの乗車/降車ボタン操作などを運転手が忘れた場合には正確な乗車/降車タイミングを取得することができず、そのために正確な運賃計算や日報作成ができない、という課題がある。また、運転手が悪意を持ってしまった場合に、わざと上記ボタン操作などを行わずにその売上分を着服するなどの細工も可能である。
【解決手段】以上の課題解決のため、本発明は、タクシーなどの移動体内にカメラを備えた上で、そのカメラによって撮影された乗客用座席の画像を利用して、その座席に乗客がいるかいないかを判断する機能を備える移動体用乗客有無判断装置を提供する。このようにして、前述のような運転手が悪意をもって乗客を乗せたにも関わらず乗せていないとして売上をごまかそうとする細工などの抑止力とすることができる。また正確な運賃計算や日報作成ができるようになる。
【解決手段】以上の課題解決のため、本発明は、タクシーなどの移動体内にカメラを備えた上で、そのカメラによって撮影された乗客用座席の画像を利用して、その座席に乗客がいるかいないかを判断する機能を備える移動体用乗客有無判断装置を提供する。このようにして、前述のような運転手が悪意をもって乗客を乗せたにも関わらず乗せていないとして売上をごまかそうとする細工などの抑止力とすることができる。また正確な運賃計算や日報作成ができるようになる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タクシーなどの乗客を乗せて移動する移動体において乗客有無を判断するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タクシーなどにおいては、乗客の乗車時/降車時に運転手がタクシーメータをボタン操作などして乗車/降車タイミングを装置に入力することで、タクシーメータが乗車運賃を自動計算するよう構成されている。
【0003】
また特許文献1には、タクシーメータなどにGPS機能を連動させることで、上記入力された乗車/降車タイミングでの現在位置情報を取得し、タクシーの運行管理のための日報(いつ、どこで乗客を乗せて、いつ、どこで降ろしたか、またその際の運賃はいくらかなどをまとめた報告書)を自動作成する技術が開示されている。
【0004】
また特許文献2には、タクシーなどの車載装置にカメラを備え、後部座席などを撮影しその映像を運転手に提示することで、例えば乗客席の忘れ物の有無やゴミの有無、汚れの確認などをすることを可能とする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平05−035951号公報
【特許文献2】特開2009−073242号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記従来の技術においては、タクシーメータの乗車/降車ボタン操作などを運転手が忘れた場合には正確な乗車/降車タイミングを取得することができず、そのために正確な運賃計算や日報作成ができない、という課題がある。また、運転手が悪意を持ってしまった場合に、わざと上記ボタン操作などを行わずに乗客を乗せていないように装いながら正規の運賃を請求し、その売上分を着服するなどの不正行為も可能である。
【0007】
また、特許文献2に開示されている技術においては、例えば運転手が後部座席を振り返るなどしなくてもその座席の状況を運転手が容易に把握することができるものの、あくまで運転手に対して後部座席などの撮影画像を提示する利用しかされていない、という課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するために、本発明は、タクシーなどの移動体内にカメラを備えた上で、そのカメラによって撮影された乗客用座席の画像を利用して、その座席に乗客がいるかいないかを判断する機能を備える移動体用乗客有無判断装置を提供する。
【0009】
具体的には、乗客用座席を撮影して判断用画像を取得する判断用画像取得部と、乗客が着座していないときに乗客用座席を撮影した空車座席画像を保持する保持部と、前記判断用画像と前記保持されている空車座席画像とを比較して両画像の類似度から乗客用座席に乗客が着座しているかいないかを判断する乗客有無判断部と、乗客有無判断部での判断結果を出力する乗客有無判断結果出力部と、を有する移動体用乗客有無判断装置を提供する。
【0010】
このようにカメラで撮影された乗客用座席の撮影画像を利用して装置が移動体内の乗客の有無を判断することで、前述のような運転手が悪意をもって乗客を乗せたにも関わらず乗せていないとして売上をごまかそうとする不正行為の抑止力とすることができる。
【0011】
また、上記乗客有無の判断結果の変遷を利用して、乗客の乗車または降車のタイミングなどを示す乗車情報を出力する機能を備える移動体用乗客有無判断装置も提供する。具体的には、上記構成を備えた上で、さらに出力された判断結果が前回の判断結果と変化した際に、前回から今回の判断結果が乗客ありから乗客なしへの変化であれば降車したことを示す降車情報を出力し、前回から今回の判断結果が乗客なしから乗客ありへの変化であれば乗車したことを示す乗車情報を出力する乗降情報出力部をさらに有する移動体用乗客有無判断装置を提供する。
【0012】
このようにカメラの撮影画像を利用して乗客の乗車または降車のタイミングを示す情報を出力することで、例えば運転手の操作を必要とせずに運賃の自動計算を正確に行うことができるようになる。
【0013】
また、上記乗客の乗車や降車を示す情報が出力された際の現在位置情報をGPSなどで合せて取得する機能を備える移動体用乗客有無判断装置も提供する。具体的には、上記構成を備えた上で、さらに移動体の現在位置情報を取得する位置情報取得部と、前記乗降情報出力部からの出力と、取得した現在位置情報とを関連付けて乗降記録として出力する乗降記録出力部と、を有する移動体用乗客有無判断装置を提供する。
【0014】
このように、カメラの画像を利用して正確に出力される乗車/降車タイミングと関連付けて位置情報を取得することで、運転手の操作を必要とせずに正確な日報を作成することができる。
【0015】
また、カメラで撮影された乗車前後の画像をサーモグラフィ処理して乗客の座席付近や乗客の温度を検出し、その検出温度に応じて空調を調節する機能を備える移動体用乗客有無判断装置も提供する。また、指名手配などの顔写真データベースを参照しカメラで撮影された画像と比較することで、犯罪利用されるケースを防ぐことができる移動体用乗客有無判断装置も提供する。
【発明の効果】
【0016】
以上のような構成をとる本発明によって、カメラの撮影画像を利用して装置がタクシーなどの移動体内の乗客の有無を判断することができる。したがって前述のような運転手が悪意をもって乗客を乗せたにも関わらず乗せていないとして売上をごまかそうとする不正行為の抑止力とすることができる。
【0017】
また、カメラの撮影画像を利用して乗客の乗車または降車のタイミングを示す情報を出力することで、例えば運転手の操作を必要とせずに運賃の自動計算を正確に行うことができるようになる。また、それに合わせて位置情報を取得することで例えば正確な日報を作成することもできるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施例1の移動体用乗客有無判断装置における乗客有無判断の一例を説明するための図
【図2】実施例1の移動体用乗客有無判断装置における機能ブロックの一例を表す図
【図3】実施例1の移動体用乗客有無判断装置の乗客有無判断部での画像のパターンマッチングを利用した判断の一例を説明するための図
【図4】実施例1の移動体用乗客有無判断装置におけるハードウェア構成の一例を表す図
【図5】実施例1の移動体用乗客有無判断装置における処理の流れの一例を表すフローチャート
【図6】実施例2の移動体用乗客有無判断装置における機能ブロックの一例を表す図
【図7】実施例2の移動体用乗客有無判断装置における処理の流れの一例を表すフローチャート
【図8】実施例3の移動体用乗客有無判断装置における機能ブロックの一例を表す図
【図9】実施例3の移動体用乗客有無判断装置の乗降記録出力部から出力される乗降記録の一例を表す図
【図10】実施例3の移動体用乗客有無判断装置における処理の流れの一例を表すフローチャート
【図11】実施例4の移動体用乗客有無判断装置における機能ブロックの一例を表す図
【図12】実施例4の移動体用乗客有無判断装置における処理の流れの一例を表すフローチャート
【図13】実施例5の移動体用乗客有無判断装置における機能ブロックの一例を表す図
【図14】実施例5の移動体用乗客有無判断装置における処理の流れの一例を表すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、図を用いて本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。
【0020】
なお、実施例1は、主に請求項1、6について説明する。また、実施例2は、主に請求項2、7について説明する。また、実施例3は、主に請求項3、8について説明する。また、実施例4は、主に請求項4について説明する。また、実施例5は、主に請求項5について説明する。
【0021】
≪実施例1≫
<概要>
図1は、本実施例の移動体用乗客有無判断装置における乗客有無判断の一例を説明するための図である。この図1(a)にあるように、例えばタクシーなどの運転席と乗客用座席との間にカメラを設置し、そのカメラを利用してタクシー内の乗客席を撮影する。そしてその撮影画像と、図1(b)に示すような、予め撮影しておくなどして用意した「誰も乗っていない状態の座席を示す画像」とをパターンマッチング処理などで比較し、その類似度を算出する。そして類似度が高ければ乗客がそこには座っておらず、類似度が低ければ乗客が座席に座っていると判断する、という具合である。
【0022】
このように本実施例の移動体用乗客有無判断装置によって、カメラで撮影された客席の画像を利用して客観的に移動体内の乗客の有無を判断することができる。したがって、例えば運転手が悪意をもって乗客を乗せたにも関わらず乗せていないとして売上をごまかそうとする不正行為の抑止力とすることなどができる。
【0023】
<機能的構成>
図2は、本実施例の移動体用乗客有無判断装置における機能ブロックの一例を表す図である。なお、以下に記載する本装置やシステムの機能ブロックは、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせとして実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPUや主メモリ、バス、あるいは二次記憶装置(ハードディスクや不揮発性メモリ、CDやDVDなどの記憶メディアとそれらメディアの読取ドライブなど)、情報入力に利用される入力デバイス、印刷機器や表示装置、その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部、またその外部周辺装置用のインターフェース、通信用インターフェース、それらハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラム、ユーザ・インターフェース用アプリケーションなどが挙げられる。そして主メモリ上に展開したプログラムに従ったCPUの演算処理によって、入力デバイスやその他インターフェースなどから入力され、メモリやハードディスク上に保持されているデータなどが加工、蓄積されたり、上記各ハードウェアやソフトウェアを制御するための命令が生成されたりする。あるいは本装置の機能ブロックは専用ハードウェアによって実現されてもよい。
【0024】
また、この発明は装置として実現できるのみでなく、方法としても実現可能である。また、このような発明の一部をソフトウェアとして構成することができる。さらに、そのようなソフトウェアをコンピュータに実行させるために用いるソフトウェア製品、及び同製品を固定した記録媒体も、当然にこの発明の技術的な範囲に含まれる(本明細書の全体を通じて同様である)。
【0025】
そして、この図2にあるように、本実施例の「移動体用乗客有無判断装置」(0200)は、「判断用画像取得部」(0201)と、「保持部」(0202)と、「乗客有無判断部」(0203)と、「乗客有無判断結果出力部」(0204)と、を有する。
【0026】
「判断用画像取得部」(0201)は、乗客用座席を撮影して判断用画像を取得する機能を有し、例えばカメラなどの撮影装置、CPUや主メモリ、あるいはGPUやグラフィックメモリ、判断用画像取得プログラムなどによって実現することができる。具体的に、この判断用画像取得部では、例えばタクシーであれば乗客が座る後部座席又は/及び助手席が撮影領域となるようにタクシーの内部の所定位置にカメラを設置する。なお、後述する空車座席画像とのパターンマッチングなどの比較判断処理のためにも、このカメラは固定カメラで撮影位置が一定となるよう、またその他の撮影環境も後述する空車座席画像の撮影時と同じになるよう構成されると良いが、もちろんそれに限定されない。
【0027】
そして、当該カメラによって乗客用座席を含む周囲空間を動画で撮影、あるいは所定間隔で定期的に静止画で撮影し、その撮影画像を判断用画像として取得する、という具合である。
【0028】
また、この判断用画像取得部を構成するカメラはタクシーメータに備えられ、さらにそのタクシーメータが図1(a)に示すように、運転席と後部座席との間に設けられても良い。そして、タクシーメータに自動運賃支払/釣銭払出機能を備えることで、運転手と乗客の運賃受け渡しに係る負担を軽減するとともに、カメラによって乗客の座席を至近から詳細に撮影することができる。
【0029】
「保持部」(0202)は、空車座席画像を保持する機能を有し、例えばHDDやフラッシュメモリ、その他の記録媒体によって実現することができる。また、「空車座席画像」とは、乗客が着座していないときに乗客用座席を撮影した画像をいい、例えば上記の判断用画像との比較判断のために、両者は同じ座席空間を示す画像であることが好ましい。つまり、この保持部では、上記判断用画像取得部での画像取得(撮影)と同様の条件(撮影用カメラの位置や望遠倍率、露光量、シャッタースピードなど)で撮影された画像を保持すると良い。
【0030】
また、同じ座席に関する空車座席画像であってもカメラの撮影位置や望遠倍率、周囲光量などを変えた複数の画像を保持するよう構成しても良い。また、助手席、後部座席左、後部座席右という具合に移動体の各座席に関する空車座席画像を複数保持するように構成しても良い。
【0031】
また、空車座席画像は必ずしも画像でなくても良い。例えば、画像をDCT(離散コサイン)変換などして生成した周波数成分情報やその中から高周波成分のみを取り出した高周波成分情報などであっても良い。もちろん空車座席画像がこのような周波数成分情報で示される場合、前記撮影された判断用画像も、後述する類似度の算出のために同様のDCT変換や高周波成分抽出処理によって得られる周波数成分情報とすると良い。
【0032】
「乗客有無判断部」(0203)は、前記判断用画像と前記保持されている空車座席画像とを比較して両画像の類似度から乗客用座席に乗客が着座しているかいないかを判断する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、乗客有無判断プログラムなどで実現することができる。具体的には、前記取得された判断用画像と空車座席画像をパターンマッチング処理で比較し、その処理過程で算出される両者の類似度を示す演算値を利用して、演算値が閾値以上であれば両者は類似していると判断し、演算値が閾値より小さければ両者は類似していないとの判断結果を出力する、という具合である。
【0033】
なお、乗客有無を判断するための画像のパターンマッチング処理に関しては、例えば図3に示すようにして実行する方法が挙げられる。すなわち判断用画像と空車座席画像とを重ね合せ、対応する両者の各画素の差分値を演算する。ここで判断用画像および空車座席画像はともに同じ定点カメラで撮影した画像とすることで、基本的にはほぼ同じ画像とすることができる。すると図3(a)に示すように、判断用画像内に乗客がいる場合、空車座席画像とは乗客の入っていない周囲の領域では画素値がほぼ一致しその差分値は0に近いものになるものになる一方、乗客のいる領域で画素値が一致しないためその差分値は0から大きく離れた値となる。したがって、上記画素ごとの差分値を合算すると、乗客がいる場合(両画像が類似していない場合)の値は0から大きく離れた値となる。
【0034】
また、図3(b)に示すように、判断用画像内に乗客がいない場合、空車座席画像とはすべての領域で画素値がほぼ一致しその差分値は0に近いものになるものになる。したがって、上記画素ごとの差分値を合算すると、乗客がいない場合(両画像が類似している場合)の値は0に近い値となる。
【0035】
したがって、この差分値合算値の絶対値を閾値と比較し、閾値以上であれば両画像は類似していないと判断し、閾値以下であれば量画像は類似していると判断する、という具合である。
【0036】
また、この乗客有無判断部での両画像の類似性の判断処理については上記のような画素単位での両画像の差分値を利用して判断する方法のほか、画像の特徴点を抽出し、画像の構造に応じてその特徴点を示すグラフを作成しグラフの類似度をスコア化する方法など、従来知られている各種の画像類似判断処理方法を利用することができる。
【0037】
もちろん、上記では記載していないが、本件発明において保持部にて一般的な体型の人物が着座しているときの乗客用座席を示す画像である「非空車座席画像」を保持し、それと判断用画像を比較する構成としても同様の効果を得ることができる。その場合、パターンマッチング処理によって算出された両画像の類似度を示す演算値が、閾値以下であれば乗客が現在座席に居らず、閾値以上であれば乗客が座席にいると判断する、という具合である。
【0038】
「乗客有無判断結果出力部」(0204)は、乗客有無判断部での判断結果を出力する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、I/O(インプット/アウトプット)、乗客有無判断結果出力プログラムなどで実現することができる。具体的には、上記のようにして判断された「乗客が座席にいる」、または「乗客が座席にいない」ことを示す情報を、その情報の受信をトリガーとして動作する装置やプログラムなどに対して出力する。そして出力先となる装置やプログラムでは例えばその出力情報の出力回数をカウントしたり、出力時間と合せてHDDなどに記録したりすることで、当日の乗客人数や乗降時間などの履歴を作成することができる。したがって、例えば移動体の運転手が悪意をもって乗客を乗せたにも関わらず乗せていないとして売上をごまかそうとしても、その履歴情報を確認することでその不正行為を容易に見破ることができる、という具合である。
【0039】
あるいは、実施例2で後述するように、ここで出力された判断結果を時間的な変化(直前の「乗客がいる」との判断結果から「いない」に変化した、など)として利用することで、乗客の乗車/降車を区別し、乗客の運賃計算開始/終了のトリガーとするよう構成しても良い。
【0040】
また、実施例3で後述するように、出力された判断結果を利用した上記の乗車/降車タイミングの判断時に例えばGPSなどから現在位置情報も合せて取得することで、タクシーの運行管理のための日報(いつ、どこで乗客を乗せて、いつ、どこで降ろしたか、またその際の運賃はいくらかなどをまとめた報告書)を自動作成するよう構成することもできる。
【0041】
また、乗客がいるとの判断結果が出力された場合に、判断用画像内の乗客と判断された被写体の座高などを例えば座席との高さの差から検出し、それを一般的な座高(身長)と年齢との関係を示すテーブルデータと参照することで乗客の年齢を推定処理するよう構成しても良い。また、男性と女性のパターンマッチング画像をそれぞれ用意し、パターンマッチング処理によって被写体が男性か女性かを判断するよう構成しても良い。そして、このような処理を行うことで、例えば判別された乗客の年齢や性別などに適した広告をデータベース内から選択し乗客用のディスプレイに出力することなどができる。
【0042】
また、乗客がいるとの判断結果が出力された場合、その前後の判断用画像、あるいは別途連続して乗客の座席の画像を撮影し、その時間的に連続して取得された複数枚の画像を利用して着座中の乗客の身体のゆれ(例えば動きベクトルなど)を検出するよう構成しても良い。このようにして、例えば急発進や急加速、ジグザグ走行などの危険な運転を検知し、運転手や運営会社などに通知することなどができる。
【0043】
また、乗客がいるとの判断結果が出力された場合、常時後部座席の撮影を続行し、例えば乗客が前方の運転席に身を乗り出しているパターンマッチング画像など、異常状態を示す画像とのパターンマッチング処理を行うよう構成しても良い。このようにして、例えば運転手と乗客にトラブルが発生したと思われる状況を検知し、車外に設置してあるトラブルを外部に通知するためのランプを点灯させたり、運営会社や警備会社に自動的に異常事態発生の通知を行ったりする、という具合である。
【0044】
また、乗客がいるとの判断結果が出力された場合に常時後部座席の撮影を続行し、例えば口元の動きや手の動きなどを検出するよう構成しても良い。そして、口の形と発音とを関連付けたデータベースや手話データベースを参照することで、その口の動きや手話で示される単語を音声やテキストで運転手に対して自動出力することもできる。
【0045】
また、乗客がいるとの判断結果が出力された後に、例えばエアバッグの作動検知や各種センサ(バンパーの感圧センサや加速度センサなど)の検知結果によって車両事故の発生と判断される場合、乗客のいる座席を再度撮影し、その画像を病院や運営会社などに送信するよう構成しても良い。
【0046】
また、乗客がいるとの判断結果が出力された場合に、その判断用画像の乗客の服装や髪型、靴などの画像を抽出し蓄積するよう構成しても良い。また、その判断用画像が撮影された日時情報や位置情報なども合せて蓄積しても良いし、乗客の携帯端末などから顧客の属性情報が取得可能な場合、それら属性情報も合せて蓄積するよう構成すると良い。そして、このようにして収集された顧客の服装や髪型、靴、および関連付けられた各種情報をマーケティングに利用するよう構成しても良い。
【0047】
また、判断用画像と空車座席画像の差分値が所定値よりも大きいことなどを理由に複数人の乗客が乗っていると判断された場合には、例えばその差分値の変化を検出しそれにより途中で一人の乗客が降りたことなどを検知しても良い。このようにして、相乗りした乗客の数の変化を検知し、例えば運賃計算をその乗客単位で行うよう構成しても良い。
【0048】
<ハードウェア構成>
図4は、上記機能的な各構成要件をハードウェアとして実現した際の、移動体用乗客有無判断装置における構成の一例を表す概略図である。この図を利用して乗客有無の判断結果出力処理におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。
【0049】
この図にあるように、移動体用乗客有無判断装置は、乗客有無判断部であり、またその他の各種演算処理を実行するための「CPU」(0401)と、「主メモリ」(0402)と、を備えている。また保持部である「フラッシュメモリ」(0403)や、判断用画像取得部である「カメラ装置」(0404)、そして乗客有無判断結果出力部であり、その他各種情報の入出力が行われる「I/O」(0405)も備えている。そしてそれらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0050】
また、「主メモリ」にはプログラムが読み出され、「CPU」は読み出された当該プログラムを参照し、プログラムで示される手順に従い各種演算処理を実行する。また、この「主メモリ」や「フラッシュメモリ」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」の演算処理においては、そのアドレスを特定し格納されているデータにアクセスすることで、データを用いた演算処理を行うことが可能になっている。
【0051】
ここでタクシーなどの移動体内には、その後部座席や助手席など乗客用座席を撮影できる位置に「カメラ」が設置されている。そして当該「カメラ」は、例えば動画画像として、あるいは1分などの所定の間隔でその座席を自動的に撮影するよう構成されている。そして、「CPU」は判断用画像取得プログラムを解釈し、その解釈結果にしたがって前記のように撮影される最新の座席画像を取得し、「主メモリ」のアドレス1、・・・に判断用画像として格納する。つづいて「CPU」は乗客有無判断プログラムを解釈し、その解釈結果にしたがって、「フラッシュメモリ」に予め保持されている空車座席画像を読み出し、「主メモリ」のアドレス2、・・・に格納する。
【0052】
そして、例えばアドレス1、・・・の判断用画像と、アドレス2、・・・の空車座席画像とを重ね合わせ対応する画素の差分値を「CPU」の演算処理によって算出し、全画素分の差分値を合算する。なお判断用画像と空車座席画像の撮影カメラを定点カメラとし、両画像を基本的に同じアングルや撮影倍率で同じ座席空間を撮影した画像とすることで、この差分値合算値を利用した類似度判断の信頼性を向上することができる。もちろんカメラが定点カメラで構成されていない場合(両画像のアングルや撮影倍率などが異なる場合)は、判断用画像と空車座席画像の重ね合せ位置や角度を適宜移動、変化させて、あるいは一方の画像を拡大/縮小したうえで重ね合せを行い、その対応がその差分合算値が最小となるものを類似度判断に利用しても良い。
【0053】
そして、「CPU」は上記のようにして算出された差分合算値を「主メモリ」のアドレス3に格納するとともに、「フラッシュメモリ」に予め保持されている類似度判断用の閾値を「主メモリ」のアドレス4に読み出す。そして、「CPU」の演算処理によってその差分合算値と閾値の大小比較を行い、差分合算値が閾値よりも大きければ判断用画像と空車座席画像の類似度は低い、すなわち、この判断用画像が撮影された時点で乗客がいるとの判断結果が取得される。また、差分合算値が閾値よりも小さければ判断用画像と空車座席画像の類似度は高い、すなわち、この判断用画像が撮影された時点で乗客はいないとの判断結果が取得される。そして、上記(画像取得時点で)乗客が座席にいる/いないことを示す判断結果が「主メモリ」のアドレス5に格納される。
【0054】
すると「CPU」は乗客有無判断結果出力プログラムを解釈し、その解釈結果にしたがって、上記「主メモリ」のアドレス5に格納されている判断結果を、例えば乗客有無履歴を記録する記録装置に出力し、その出力回数をカウントし記録したり出力時刻情報などと合せて記録したりする。そして移動体の管理会社はその記録された情報を確認することで、運転手が乗客人数をごまかして報告したとしても容易にそれを見破ることができる。
【0055】
あるいは、出力先をタクシーメータとして、出力された判断結果がタクシー運賃の自動計算開始/終了のトリガーとなるよう構成しても良い。また、現在位置情報を合せて取得し日報作成装置に出力することで、日報を自動作成する構成としても良い。
【0056】
このように、本実施例の移動体用乗客有無判断装置によって、カメラで撮影される移動体内の座席画像を利用して乗客の有無を容易に確認することができる。したがって乗客人数の確認などを正確に行うことができ、例えば運転手の悪意による乗客人数のごまかし報告などの不正行為の抑止することなどができる。
【0057】
<処理の流れ>
図5は、本実施例の移動体用乗客有無判断装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
【0058】
この図にあるように、まず、乗客が着座していないときに乗客用座席を撮影した空車座席画像を、例えばフラッシュメモリなどの記録媒体に保持するために記録する(ステップS0501)。その後、例えばタクシーなどの移動体内に設置されたカメラなどで乗客用座席を撮影して判断用画像を取得する(ステップS0502)。つづいて、前記判断用画像と前記保持されている空車座席画像とを比較して両画像の類似度を算出し(ステップS0503)、その算出された類似度から乗客用座席に乗客が着座しているかいないかを判断する(ステップS0504)。そして、その判断結果を、例えば後で成果君あ乗客人数を確認するための履歴記録装置などに出力する(ステップS0505)。
【0059】
<効果の簡単な説明>
以上のように本実施例の移動体用乗客有無判断装置によって、カメラで撮影される移動体内の座席画像を利用して乗客の有無を容易に確認することができる。したがって乗客人数の確認などを正確に行うことができ、例えば運転手の悪意による乗客人数のごまかし報告などの不正行為の抑止とすることなどができる。
【0060】
≪実施例2≫
<概要>
本実施例は、上記実施例を基本として、その乗客有無の判断結果の変遷を利用して乗客の乗車タイミングまたは降車タイミングでその乗降を示す情報を出力する機能をさらに備える移動体用乗客有無判断装置である。すなわち、1つ前の判断結果が「乗客がいない」であったところから、現在の判断結果が「乗客がいる」と変化した場合、その2つの判断処理の間に乗客が乗ってきたと言うことができる。したがって、判断結果がこのように時間的に変化する場合、乗客が乗車したことを示す情報を出力する。また、判断結果が逆の時間的変化を見せる場合、2つの判断処理の間に乗客が降りたと言うことができるので乗客が降車したことを示す情報を出力する、という具合である。
【0061】
そして本実施例の移動体用乗客有無判断装置は、このような乗客の乗車/降車を示す情報を適宜出力することで、例えばそれをタクシーメータによる乗客の運賃計算処理の開始/終了のトリガーとするよう構成し、運転手がタクシーメータなどの操作を忘れても正確な運賃計算を行うことなどができる。
【0062】
<機能的構成>
図6は、本実施例の移動体用乗客有無判断装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「移動体用乗客有無判断装置」(0600)は、上記実施例を基本として、「判断用画像取得部」(0601)と、「保持部」(0602)と、「乗客有無判断部」(0603)と、「乗客有無判断結果出力部」(0604)と、を有する。なお、これらの構成要件については上記実施例ですでに記載済みであるのでその説明は省略する。
【0063】
そして、本実施例の移動体用乗客有無判断装置の特徴点は、さらに「乗降情報出力部」(0605)を有する点である。
【0064】
「乗降情報出力部」(0605)は、出力された判断結果が前回の判断結果と変化した際に、前回から今回の判断結果が乗客ありから乗客なしへの変化であれば降車したことを示す降車情報を出力し、前回から今回の判断結果が乗客なしから乗客ありへの変化であれば乗車したことを示す乗車情報を出力する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、乗降情報出力プログラムによって実現することができる。
【0065】
具体的に、本実施例の移動体用乗客有無判断装置は、判断結果出力部での出力結果の履歴を保持するよう構成し、その履歴を参照して以下のような処理を行う。すなわち、直前の判断結果が「乗客がいない」であり今回の判断結果が「乗客がいる」である場合、その2つの判断処理の間に乗客が乗ってきたと言うことができる。したがって、このような場合には「乗車情報」を出力する。また、直前の「乗客がいる」との判断結果から今回「乗客がいない」との判断結果が出力された場合、その2つの判断処理の間に乗客が降りたと言うことができる。したがって、このような場合には「降車情報」を出力する、という具合である。
【0066】
なお、なるべく正確な乗車/降車のタイミングでその乗車情報や降車情報を出力するために、上記実施例1での乗客有無の判断処理およびその判断情報の出力は、例えば1分おきなど短い間隔で実行されると良い。
【0067】
そして、この乗車情報と降車情報を例えばタクシーメータに出力することで、運転手がタクシーメータの賃走開始ボタンの操作をし忘れたとしても、タクシーメータは乗車情報の入力によって自動的に運賃計算のための走行距離測定処理を開始することができる。また、同様にタクシーメータは降車情報の入力によって、自動的に当該走行距離測定処理を終了させることができる。
【0068】
また、実施例3で後述するように、この乗車情報/降車情報に合せて現在位置情報を取得し自動日報作成装置に出力することで、いつ、どこで乗客を乗せて、いつ、どこで降ろしたか、またその際の運賃はいくらかなどをまとめた、タクシーなどの移動体の運行管理のための報告書である日報を自動的に作成することもできる。
【0069】
<処理の流れ>
図7は、本実施例の移動体用乗客有無判断装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
【0070】
ここで、まず上記実施例で説明したようにして乗客有無の判断処理を行い、その判断結果を出力する(ステップS0701)。すると出力先の装置ではその判断結果を履歴情報としてフラッシュメモリに記録する(ステップS0702)。さらに、ステップS0701で出力された判断結果と、前記のようにして記録された履歴情報で示される直前の判断結果とを比較し、判断結果で示される内容が変化したか否かを判断する(ステップS0703)。そして、それによって変化したと判断され、かつ前回から今回の判断結果が乗客ありから乗客なしへの変化であれば(ステップS0704)、降車したことを示す降車情報を出力する(ステップS0705A)。一方、前回から今回の判断結果が乗客なしから乗客ありへの変化であれば乗車したことを示す乗車情報を出力する(ステップS0705B)。
【0071】
<効果の簡単な説明>
以上のように本実施例の移動体用乗客有無判断装置によって、カメラで撮影された判断用画像と空車座席画像を利用して、乗客の乗車情報と降車情報を自動的に出力することができる。そして乗車情報をタクシーメータに出力することで、運転手がタクシーメータの賃走開始ボタンの操作をし忘れたとしても、タクシーメータは自動的に運賃計算のための走行距離測定処理を開始することができる。また、同様にタクシーメータは降車情報の入力によって自動的に当該走行距離測定処理を終了させることなどができる。
【0072】
≪実施例3≫
<概要>
タクシーなどの移動体においては、その運行管理のため「いつ、どこで乗客を乗せて、いつ、どこで降ろしたか」などをまとめた日報を作成することが運転手に求められている。しかしスムーズに乗客輸送サービスを提供するためには、乗客の乗降の際に逐一上記のような日報やそのためのメモを記入することは難しく、結局終業後や乗客の少ないタイミングを見計らって、記憶に基づいて記入することなどが行われている。
【0073】
そこで本実施例の移動体用乗客有無判断装置では、上記実施例2の乗車情報/降車情報の出力に合せて、その出力時の現在位置情報を取得することで、乗客の乗車した位置/降車した位置を自動的に取得できるよう構成することを特徴とする。
【0074】
このように構成することで、本実施例の移動体用乗客有無判断装置では、乗車情報/降車情報の出力に合せて、その出力時の現在位置情報を取得、出力し、例えば自動的に日報を作成することなどができる。
【0075】
<機能的構成>
図8は、本実施例の移動体用乗客有無判断装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「移動体用乗客有無判断装置」(0800)は、上記実施例2を基本として、「判断用画像取得部」(0801)と、「保持部」(0802)と、「乗客有無判断部」(0803)と、「乗客有無判断結果出力部」(0804)と、「乗降情報出力部」(0805)と、を有する。なお、これらの構成要件については上記実施例1および2ですでに記載済みであるのでその説明は省略する。
【0076】
そして、本実施例の移動体用乗客有無判断装置の特徴点は、さらに「位置情報取得部」(0806)と、「乗降記録出力部」(0807)と、を有する点である。
【0077】
「位置情報取得部」(0806)は、移動体の現在位置情報を取得する機能を有し、例えばGPS(全地球測位システム)などの位置測定装置やCPU、主メモリ、位置情報取得プログラムなどによって実現することができる。もちろん、現在位置情報の取得はGPSの測位結果に基づく位置情報に限定はされず、例えば無線LANにて通信先となる基地局の識別情報をキーとして、覚基地局の識別情報とその基地局の位置情報とを関連付けたデータベースを参照することで、基地局の位置情報を自身の現在位置情報として取得する方法なども挙げられる。
【0078】
「乗降記録出力部」(0807)は、前記乗降情報出力部からの出力と、取得した現在位置情報とを関連付けて乗降記録として出力する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、乗降記録出力プログラムなどによって実現することができる。
【0079】
具体的に、図9に示すように、乗車情報/降車情報が出力された時間とその時点で取得された現在位置情報とを関連付けてデータテーブルを作成する。そして、時間に応じてレコードを並べて形成される乗車と降車の組を一人の乗客に関するレコードとして日報を作成することができる、という具合である。
【0080】
このように本実施例の移動体用乗客有無判断装置によって、カメラなどで撮影された座席画像を利用して乗客の乗車情報/降車情報をそのときの位置情報と合せて取得することができる。したがって、そのデータを利用して、例えば自動的に日報などを作成することができるようになる。
【0081】
またこの乗降記録出力部から、乗車/降車位置情報や時間情報、その運賃情報などを乗降記録として運転手や顧客の携帯端末に送信出力するよう構成しても良い。なお、乗客の携帯端末への情報の送信は、例えばメールアドレスを登録してもらいそのメールアドレスに対してメール送信する方法や、運賃支払の際に利用される非接触型電子マネー支払装置からこれら情報を近距離無線通信で携帯端末に送信する方法などが挙げられる。
【0082】
また、運転手が運転開始時に例えば免許証や携帯端末などの情報を車内装置に読取らせることで、現在運転している運転手の識別情報も合せて乗降記録出力部から乗降記録として運転手や顧客の携帯端末などに出力するよう構成しても良い。このようにして、運転手や乗客は自身の携帯端末でその乗降記録を管理することができる。
【0083】
<処理の流れ>
図10は、本実施例の移動体用乗客有無判断装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
【0084】
ここで、まず上記実施例で説明したように、乗客有無の判断結果の変化に応じて乗車情報/降車情報が出力される(ステップS1001)と、その出力に合せて現在位置情報を取得する(ステップS1002)。そして、ステップS1001で出力された乗車情報/降車情報と、ステップS1002で取得した現在位置情報とを関連付けて乗降記録として出力し(ステップS1003)、例えば自動的な日報作成などに利用する。
【0085】
<効果の簡単な説明>
以上のように本実施例の移動体用乗客有無判断装置によって、カメラなどで撮影された座席画像を利用して乗客の乗車情報/降車情報をそのときの位置情報と合せて取得することができる。したがって、そのデータを利用して、例えば自動的に日報などを作成することができるようになる。
【0086】
≪実施例4≫
<概要>
本実施例は、上記実施例を基本として、その判断用画像取得装置が、例えば赤外線サーモグラフィ装置などで構成されていることを特徴とする。そして乗車情報が出力されて乗客が乗車してきたとの判断がなされた際に、その撮影画像に対しサーモグラフィ処理を行い、座席における温度分布を取得する。そして、例えば乗客の温度が標準体温より高いようであれば、乗客は熱があると判断して空調の温度をあまり下げないよう調整する。また、座席周辺の温度が高いようであれば空調の温度を下げるよう調整する、という具合である。
【0087】
<機能的構成>
図11は、本実施例の移動体用乗客有無判断装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「移動体用乗客有無判断装置」(1100)は、上記実施例2を基本として、「判断用画像取得部」(1101)と、「保持部」(1102)と、「乗客有無判断部」(1103)と、「乗客有無判断結果出力部」(1104)と、「乗降情報出力部」(1105)と、を有する。また実施例3を基本として、図示しない「位置情報取得部」と、「乗降記録出力部」と、を有していてもよい。なお、これらの構成要件については上記実施例にてすでに記載済みであるのでその説明は省略する。
【0088】
そして、本実施例の移動体用乗客有無判断装置の特徴点は、さらに「サーモグラフィ部」(1106)と、「空調調節部」(1107)と、を有する点である。
【0089】
「サーモグラフィ部」(1106)は、乗降情報出力部から乗車情報が出力され、その後降車情報が出力されていない場合に判断用画像をサーモグラフィ処理し温度を検出する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、サーモグラフィプログラムなどで実現することができる。また、判断用画像をサーモグラフィ処理するため、判断用画像取得部であるカメラなどは、被写体の赤外線強度を検知して撮影する機能を備える赤外線サーモグラフィ装置などで実現されていると良い。
【0090】
そしてサーモグラフィ部では、サーモグラフィ処理として、例えば赤外線サーモグラフィ装置で検知された領域別の赤外線強度に応じて撮影画像上の領域別の温度分布を算出する、という具合である。また、算出された温度分布に応じて温度の高い領域は赤く低い領域は青く、という具合に撮影画像の色を変えるなどして画像内の温度分布を示すような画像を生成しても良い。そして、このようにして算出された画像上各領域の温度分布によって、例えば画像内の乗客の領域(空車座席画像との差分値が大きい領域)における乗客の体温や、乗客の周囲領域(空車座席画像との差分値が小さい領域)の温度などを検出することができる。
【0091】
「空調調節部」(1107)は、サーモグラフィ部で検出された温度を設定温度になるよう空調調節する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、空調制御回路、空調調整プログラムなどで実現することができる。
【0092】
具体的には、例えば前述のように乗客の領域、すなわち乗客の体温が設定された標準温度よりも低ければ、熱のある人に影響の少ない比較的高めの設定温度に空調調節したり、乗客の周囲領域の温度が設定温度よりも低ければ、その設定温度となるよう空調調節したりする、という具合である。また、温度設定の調節のみならず、検出された温度に応じて例えば乗客に風が当たらないよう送風の方向を調節したり、設定温度と異なる空間に風を送るよう送風の方向を調節したりしても良い。
【0093】
このように、本実施例の移動体用乗客有無判断装置では、撮影画像を利用してサーモグラフィ処理によって座席周囲や乗客の温度を検出し、その検出温度に応じた空調調節を行うことができる。
【0094】
<処理の流れ>
図12は、本実施例の移動体用乗客有無判断装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
【0095】
ここで、まず上記実施例で説明したように、乗客有無の判断結果の変化に応じて乗車情報が出力される(ステップS1201)と、赤外線サーモグラフィ装置などで撮影された判断用画像をサーモグラフィ処理し、温度を検出する(ステップS1202)。そして、検出された温度を設定温度になるよう空調調節する(ステップS1203)。
【0096】
<効果の簡単な説明>
以上のように本実施例の移動体用乗客有無判断装置によって、撮影画像を利用してサーモグラフィ処理によって座席周囲や乗客の温度を検出し、その検出温度に応じた空調調節を行うことができる。
【0097】
≪実施例5≫
<概要>
本実施例は、上記実施例を基本として、乗客有無を判断するための撮影画像を犯罪者の顔写真データベースなどで照合することで、乗客有無判断部にて乗客がいると判断された際の乗客が、犯罪者では無いか検出する機能を備えることを特徴とする。このようにして、移動体が犯罪者の逃亡などに利用されることを未然に防ぐことができる。
【0098】
<機能的構成>
図13は、本実施例の移動体用乗客有無判断装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「移動体用乗客有無判断装置」(1300)は、上記実施例1を基本として、「判断用画像取得部」(1301)と、「保持部」(1302)と、「乗客有無判断部」(1303)と、「乗客有無判断結果出力部」(1304)と、を有する。また、その他の実施例を基本として、図示しない「乗降情報出力部」、あるいは「位置情報取得部」や「乗降記録出力部」、「サーモグラフィ部」や「空調調節部」などを有していてもよい。なお、これらの構成要件については上記実施例にてすでに記載済みであるのでその説明は省略する。
【0099】
そして、本実施例の移動体用乗客有無判断装置の特徴点は、さらに「犯罪者顔画像蓄積部」(1305)と、「顔類似判断部」(1306)と、「犯罪警告出力部」(1307)と、を有する点である。
【0100】
「犯罪者顔画像蓄積部」(1305)は、犯罪者の顔を示す画像を蓄積する機能を有し、例えばHDDやフラッシュメモリ、その他の記録媒体によって実現することができる。また犯罪者の顔を示す画像の取得に関しては、例えばインターネットなどを介して警視庁などが配信している指名手配犯の顔写真などを取得するよう構成すると良い。
【0101】
「顔類似判断部」(1306)は、判断用画像から顔画像を抽出し、抽出された乗客の顔と、前記蓄積されている画像で示される犯罪者の顔が類似しているか判断する機能を有し、CPUや主メモリ、顔類似判断プログラムなどで実現することができる。具体的に、乗客有無判断結果出力部にて乗客がいるとの判断結果が出力された際に、その判断用画像から顔画像を抽出し判断する。なお判断用画像から顔画像を抽出する処理に関しては、例えば空車座席画像との差分の大きな領域を顔を含む乗客の画像として抽出する方法や、一般的な顔画像をパターン画像としてマッチング検索を行い、マッチングした領域を顔画像として抽出する方法などが挙げられる。
【0102】
また、両画像の類似判断処理については、画素単位での両画像の差分値を利用して判断する方法や、画像の特徴点を抽出し、画像の構造に応じてその特徴点を示すグラフを作成しグラフの類似度をスコア化する方法など、従来知られている画像のパターンマッチング処理に関する各種方法を利用することができる。
【0103】
そして、この類似判断部にて類似していると判断された場合、その乗客は犯罪者である可能性があり、移動体が逃亡などに利用されている可能性がある、という具合である。
【0104】
「犯罪警告出力部」(1307)は、前記類似判断部での判断結果が類似しているとの判断結果である場合に、運転手に対して警告を出力する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、そしてディスプレイやスピーカなどの出力装置と、犯罪警告出力プログラムなどによって実現することができる。つまり類似判断部にて類似していると判断された場合、前述のように移動体が犯罪者の逃亡に利用されている可能性があるので、そのことを運転手に知らせて逃亡を未然に防ぐ、という具合である。
【0105】
なお警告の出力方法は特に限定せず、タクシーメータやカーナビゲーション装置のディスプレイ表示部に警告メッセージやアイコンなどを表示する出力方法や、スピーカにて音声で出力する方法などが挙げられる。また、例えば運転手用座席やハンドルにバイブレーション機能などを設け、振動によって運転手のみに対して警告が認識されるよう出力しても良い。また、前記類似していると判断された犯罪者の顔写真を、運転手にのみ見えるよう表示し運転手に自らの目での確認を促すような出力を行うよう構成しても良い。
【0106】
このように本実施例の移動体用乗客有無判断装置によって、乗客有無判断部にて乗客がいると判断された際の乗客が犯罪者では無いか検出することができる。そして、その検出結果に応じて乗客が犯罪者である可能性を運転手に通知することで、移動体が犯罪者の逃亡などに利用されることを未然に防ぐことができる。
【0107】
<処理の流れ>
図14は、本実施例の移動体用乗客有無判断装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
【0108】
ここで、まず上記実施例で説明したように、撮影された判断用画像を利用した乗客有無の判断によって乗客がいるとの判断結果が出力された(ステップS1401)場合、その判断用画像から顔画像を抽出し(ステップS1402)、抽出された乗客の顔と、予め蓄積されている犯罪者顔画像で示される犯罪者の顔が類似しているか判断する(ステップS1403)。そして前記ステップでの判断結果が類似しているとの判断結果である場合に、運転手に対して例えばディスプレイやスピーカを利用して警告を出力する(ステップS1404)
【0109】
<効果の簡単な説明>
以上のように本実施例の移動体用乗客有無判断装置によって、乗客有無判断部にて乗客がいると判断された際の乗客が犯罪者では無いか検出することができる。そして、その検出結果に応じて乗客が犯罪者である可能性を運転手に通知することで、移動体が犯罪者の逃亡などに利用されることを未然に防ぐことができる。
【符号の説明】
【0110】
0200 移動体用乗客有無判断装置
0201 判断用画像取得部
0202 保持部
0203 乗客有無判断部
0204 乗客有無判断結果出力部
【技術分野】
【0001】
本発明は、タクシーなどの乗客を乗せて移動する移動体において乗客有無を判断するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タクシーなどにおいては、乗客の乗車時/降車時に運転手がタクシーメータをボタン操作などして乗車/降車タイミングを装置に入力することで、タクシーメータが乗車運賃を自動計算するよう構成されている。
【0003】
また特許文献1には、タクシーメータなどにGPS機能を連動させることで、上記入力された乗車/降車タイミングでの現在位置情報を取得し、タクシーの運行管理のための日報(いつ、どこで乗客を乗せて、いつ、どこで降ろしたか、またその際の運賃はいくらかなどをまとめた報告書)を自動作成する技術が開示されている。
【0004】
また特許文献2には、タクシーなどの車載装置にカメラを備え、後部座席などを撮影しその映像を運転手に提示することで、例えば乗客席の忘れ物の有無やゴミの有無、汚れの確認などをすることを可能とする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平05−035951号公報
【特許文献2】特開2009−073242号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記従来の技術においては、タクシーメータの乗車/降車ボタン操作などを運転手が忘れた場合には正確な乗車/降車タイミングを取得することができず、そのために正確な運賃計算や日報作成ができない、という課題がある。また、運転手が悪意を持ってしまった場合に、わざと上記ボタン操作などを行わずに乗客を乗せていないように装いながら正規の運賃を請求し、その売上分を着服するなどの不正行為も可能である。
【0007】
また、特許文献2に開示されている技術においては、例えば運転手が後部座席を振り返るなどしなくてもその座席の状況を運転手が容易に把握することができるものの、あくまで運転手に対して後部座席などの撮影画像を提示する利用しかされていない、という課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するために、本発明は、タクシーなどの移動体内にカメラを備えた上で、そのカメラによって撮影された乗客用座席の画像を利用して、その座席に乗客がいるかいないかを判断する機能を備える移動体用乗客有無判断装置を提供する。
【0009】
具体的には、乗客用座席を撮影して判断用画像を取得する判断用画像取得部と、乗客が着座していないときに乗客用座席を撮影した空車座席画像を保持する保持部と、前記判断用画像と前記保持されている空車座席画像とを比較して両画像の類似度から乗客用座席に乗客が着座しているかいないかを判断する乗客有無判断部と、乗客有無判断部での判断結果を出力する乗客有無判断結果出力部と、を有する移動体用乗客有無判断装置を提供する。
【0010】
このようにカメラで撮影された乗客用座席の撮影画像を利用して装置が移動体内の乗客の有無を判断することで、前述のような運転手が悪意をもって乗客を乗せたにも関わらず乗せていないとして売上をごまかそうとする不正行為の抑止力とすることができる。
【0011】
また、上記乗客有無の判断結果の変遷を利用して、乗客の乗車または降車のタイミングなどを示す乗車情報を出力する機能を備える移動体用乗客有無判断装置も提供する。具体的には、上記構成を備えた上で、さらに出力された判断結果が前回の判断結果と変化した際に、前回から今回の判断結果が乗客ありから乗客なしへの変化であれば降車したことを示す降車情報を出力し、前回から今回の判断結果が乗客なしから乗客ありへの変化であれば乗車したことを示す乗車情報を出力する乗降情報出力部をさらに有する移動体用乗客有無判断装置を提供する。
【0012】
このようにカメラの撮影画像を利用して乗客の乗車または降車のタイミングを示す情報を出力することで、例えば運転手の操作を必要とせずに運賃の自動計算を正確に行うことができるようになる。
【0013】
また、上記乗客の乗車や降車を示す情報が出力された際の現在位置情報をGPSなどで合せて取得する機能を備える移動体用乗客有無判断装置も提供する。具体的には、上記構成を備えた上で、さらに移動体の現在位置情報を取得する位置情報取得部と、前記乗降情報出力部からの出力と、取得した現在位置情報とを関連付けて乗降記録として出力する乗降記録出力部と、を有する移動体用乗客有無判断装置を提供する。
【0014】
このように、カメラの画像を利用して正確に出力される乗車/降車タイミングと関連付けて位置情報を取得することで、運転手の操作を必要とせずに正確な日報を作成することができる。
【0015】
また、カメラで撮影された乗車前後の画像をサーモグラフィ処理して乗客の座席付近や乗客の温度を検出し、その検出温度に応じて空調を調節する機能を備える移動体用乗客有無判断装置も提供する。また、指名手配などの顔写真データベースを参照しカメラで撮影された画像と比較することで、犯罪利用されるケースを防ぐことができる移動体用乗客有無判断装置も提供する。
【発明の効果】
【0016】
以上のような構成をとる本発明によって、カメラの撮影画像を利用して装置がタクシーなどの移動体内の乗客の有無を判断することができる。したがって前述のような運転手が悪意をもって乗客を乗せたにも関わらず乗せていないとして売上をごまかそうとする不正行為の抑止力とすることができる。
【0017】
また、カメラの撮影画像を利用して乗客の乗車または降車のタイミングを示す情報を出力することで、例えば運転手の操作を必要とせずに運賃の自動計算を正確に行うことができるようになる。また、それに合わせて位置情報を取得することで例えば正確な日報を作成することもできるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施例1の移動体用乗客有無判断装置における乗客有無判断の一例を説明するための図
【図2】実施例1の移動体用乗客有無判断装置における機能ブロックの一例を表す図
【図3】実施例1の移動体用乗客有無判断装置の乗客有無判断部での画像のパターンマッチングを利用した判断の一例を説明するための図
【図4】実施例1の移動体用乗客有無判断装置におけるハードウェア構成の一例を表す図
【図5】実施例1の移動体用乗客有無判断装置における処理の流れの一例を表すフローチャート
【図6】実施例2の移動体用乗客有無判断装置における機能ブロックの一例を表す図
【図7】実施例2の移動体用乗客有無判断装置における処理の流れの一例を表すフローチャート
【図8】実施例3の移動体用乗客有無判断装置における機能ブロックの一例を表す図
【図9】実施例3の移動体用乗客有無判断装置の乗降記録出力部から出力される乗降記録の一例を表す図
【図10】実施例3の移動体用乗客有無判断装置における処理の流れの一例を表すフローチャート
【図11】実施例4の移動体用乗客有無判断装置における機能ブロックの一例を表す図
【図12】実施例4の移動体用乗客有無判断装置における処理の流れの一例を表すフローチャート
【図13】実施例5の移動体用乗客有無判断装置における機能ブロックの一例を表す図
【図14】実施例5の移動体用乗客有無判断装置における処理の流れの一例を表すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、図を用いて本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。
【0020】
なお、実施例1は、主に請求項1、6について説明する。また、実施例2は、主に請求項2、7について説明する。また、実施例3は、主に請求項3、8について説明する。また、実施例4は、主に請求項4について説明する。また、実施例5は、主に請求項5について説明する。
【0021】
≪実施例1≫
<概要>
図1は、本実施例の移動体用乗客有無判断装置における乗客有無判断の一例を説明するための図である。この図1(a)にあるように、例えばタクシーなどの運転席と乗客用座席との間にカメラを設置し、そのカメラを利用してタクシー内の乗客席を撮影する。そしてその撮影画像と、図1(b)に示すような、予め撮影しておくなどして用意した「誰も乗っていない状態の座席を示す画像」とをパターンマッチング処理などで比較し、その類似度を算出する。そして類似度が高ければ乗客がそこには座っておらず、類似度が低ければ乗客が座席に座っていると判断する、という具合である。
【0022】
このように本実施例の移動体用乗客有無判断装置によって、カメラで撮影された客席の画像を利用して客観的に移動体内の乗客の有無を判断することができる。したがって、例えば運転手が悪意をもって乗客を乗せたにも関わらず乗せていないとして売上をごまかそうとする不正行為の抑止力とすることなどができる。
【0023】
<機能的構成>
図2は、本実施例の移動体用乗客有無判断装置における機能ブロックの一例を表す図である。なお、以下に記載する本装置やシステムの機能ブロックは、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせとして実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPUや主メモリ、バス、あるいは二次記憶装置(ハードディスクや不揮発性メモリ、CDやDVDなどの記憶メディアとそれらメディアの読取ドライブなど)、情報入力に利用される入力デバイス、印刷機器や表示装置、その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部、またその外部周辺装置用のインターフェース、通信用インターフェース、それらハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラム、ユーザ・インターフェース用アプリケーションなどが挙げられる。そして主メモリ上に展開したプログラムに従ったCPUの演算処理によって、入力デバイスやその他インターフェースなどから入力され、メモリやハードディスク上に保持されているデータなどが加工、蓄積されたり、上記各ハードウェアやソフトウェアを制御するための命令が生成されたりする。あるいは本装置の機能ブロックは専用ハードウェアによって実現されてもよい。
【0024】
また、この発明は装置として実現できるのみでなく、方法としても実現可能である。また、このような発明の一部をソフトウェアとして構成することができる。さらに、そのようなソフトウェアをコンピュータに実行させるために用いるソフトウェア製品、及び同製品を固定した記録媒体も、当然にこの発明の技術的な範囲に含まれる(本明細書の全体を通じて同様である)。
【0025】
そして、この図2にあるように、本実施例の「移動体用乗客有無判断装置」(0200)は、「判断用画像取得部」(0201)と、「保持部」(0202)と、「乗客有無判断部」(0203)と、「乗客有無判断結果出力部」(0204)と、を有する。
【0026】
「判断用画像取得部」(0201)は、乗客用座席を撮影して判断用画像を取得する機能を有し、例えばカメラなどの撮影装置、CPUや主メモリ、あるいはGPUやグラフィックメモリ、判断用画像取得プログラムなどによって実現することができる。具体的に、この判断用画像取得部では、例えばタクシーであれば乗客が座る後部座席又は/及び助手席が撮影領域となるようにタクシーの内部の所定位置にカメラを設置する。なお、後述する空車座席画像とのパターンマッチングなどの比較判断処理のためにも、このカメラは固定カメラで撮影位置が一定となるよう、またその他の撮影環境も後述する空車座席画像の撮影時と同じになるよう構成されると良いが、もちろんそれに限定されない。
【0027】
そして、当該カメラによって乗客用座席を含む周囲空間を動画で撮影、あるいは所定間隔で定期的に静止画で撮影し、その撮影画像を判断用画像として取得する、という具合である。
【0028】
また、この判断用画像取得部を構成するカメラはタクシーメータに備えられ、さらにそのタクシーメータが図1(a)に示すように、運転席と後部座席との間に設けられても良い。そして、タクシーメータに自動運賃支払/釣銭払出機能を備えることで、運転手と乗客の運賃受け渡しに係る負担を軽減するとともに、カメラによって乗客の座席を至近から詳細に撮影することができる。
【0029】
「保持部」(0202)は、空車座席画像を保持する機能を有し、例えばHDDやフラッシュメモリ、その他の記録媒体によって実現することができる。また、「空車座席画像」とは、乗客が着座していないときに乗客用座席を撮影した画像をいい、例えば上記の判断用画像との比較判断のために、両者は同じ座席空間を示す画像であることが好ましい。つまり、この保持部では、上記判断用画像取得部での画像取得(撮影)と同様の条件(撮影用カメラの位置や望遠倍率、露光量、シャッタースピードなど)で撮影された画像を保持すると良い。
【0030】
また、同じ座席に関する空車座席画像であってもカメラの撮影位置や望遠倍率、周囲光量などを変えた複数の画像を保持するよう構成しても良い。また、助手席、後部座席左、後部座席右という具合に移動体の各座席に関する空車座席画像を複数保持するように構成しても良い。
【0031】
また、空車座席画像は必ずしも画像でなくても良い。例えば、画像をDCT(離散コサイン)変換などして生成した周波数成分情報やその中から高周波成分のみを取り出した高周波成分情報などであっても良い。もちろん空車座席画像がこのような周波数成分情報で示される場合、前記撮影された判断用画像も、後述する類似度の算出のために同様のDCT変換や高周波成分抽出処理によって得られる周波数成分情報とすると良い。
【0032】
「乗客有無判断部」(0203)は、前記判断用画像と前記保持されている空車座席画像とを比較して両画像の類似度から乗客用座席に乗客が着座しているかいないかを判断する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、乗客有無判断プログラムなどで実現することができる。具体的には、前記取得された判断用画像と空車座席画像をパターンマッチング処理で比較し、その処理過程で算出される両者の類似度を示す演算値を利用して、演算値が閾値以上であれば両者は類似していると判断し、演算値が閾値より小さければ両者は類似していないとの判断結果を出力する、という具合である。
【0033】
なお、乗客有無を判断するための画像のパターンマッチング処理に関しては、例えば図3に示すようにして実行する方法が挙げられる。すなわち判断用画像と空車座席画像とを重ね合せ、対応する両者の各画素の差分値を演算する。ここで判断用画像および空車座席画像はともに同じ定点カメラで撮影した画像とすることで、基本的にはほぼ同じ画像とすることができる。すると図3(a)に示すように、判断用画像内に乗客がいる場合、空車座席画像とは乗客の入っていない周囲の領域では画素値がほぼ一致しその差分値は0に近いものになるものになる一方、乗客のいる領域で画素値が一致しないためその差分値は0から大きく離れた値となる。したがって、上記画素ごとの差分値を合算すると、乗客がいる場合(両画像が類似していない場合)の値は0から大きく離れた値となる。
【0034】
また、図3(b)に示すように、判断用画像内に乗客がいない場合、空車座席画像とはすべての領域で画素値がほぼ一致しその差分値は0に近いものになるものになる。したがって、上記画素ごとの差分値を合算すると、乗客がいない場合(両画像が類似している場合)の値は0に近い値となる。
【0035】
したがって、この差分値合算値の絶対値を閾値と比較し、閾値以上であれば両画像は類似していないと判断し、閾値以下であれば量画像は類似していると判断する、という具合である。
【0036】
また、この乗客有無判断部での両画像の類似性の判断処理については上記のような画素単位での両画像の差分値を利用して判断する方法のほか、画像の特徴点を抽出し、画像の構造に応じてその特徴点を示すグラフを作成しグラフの類似度をスコア化する方法など、従来知られている各種の画像類似判断処理方法を利用することができる。
【0037】
もちろん、上記では記載していないが、本件発明において保持部にて一般的な体型の人物が着座しているときの乗客用座席を示す画像である「非空車座席画像」を保持し、それと判断用画像を比較する構成としても同様の効果を得ることができる。その場合、パターンマッチング処理によって算出された両画像の類似度を示す演算値が、閾値以下であれば乗客が現在座席に居らず、閾値以上であれば乗客が座席にいると判断する、という具合である。
【0038】
「乗客有無判断結果出力部」(0204)は、乗客有無判断部での判断結果を出力する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、I/O(インプット/アウトプット)、乗客有無判断結果出力プログラムなどで実現することができる。具体的には、上記のようにして判断された「乗客が座席にいる」、または「乗客が座席にいない」ことを示す情報を、その情報の受信をトリガーとして動作する装置やプログラムなどに対して出力する。そして出力先となる装置やプログラムでは例えばその出力情報の出力回数をカウントしたり、出力時間と合せてHDDなどに記録したりすることで、当日の乗客人数や乗降時間などの履歴を作成することができる。したがって、例えば移動体の運転手が悪意をもって乗客を乗せたにも関わらず乗せていないとして売上をごまかそうとしても、その履歴情報を確認することでその不正行為を容易に見破ることができる、という具合である。
【0039】
あるいは、実施例2で後述するように、ここで出力された判断結果を時間的な変化(直前の「乗客がいる」との判断結果から「いない」に変化した、など)として利用することで、乗客の乗車/降車を区別し、乗客の運賃計算開始/終了のトリガーとするよう構成しても良い。
【0040】
また、実施例3で後述するように、出力された判断結果を利用した上記の乗車/降車タイミングの判断時に例えばGPSなどから現在位置情報も合せて取得することで、タクシーの運行管理のための日報(いつ、どこで乗客を乗せて、いつ、どこで降ろしたか、またその際の運賃はいくらかなどをまとめた報告書)を自動作成するよう構成することもできる。
【0041】
また、乗客がいるとの判断結果が出力された場合に、判断用画像内の乗客と判断された被写体の座高などを例えば座席との高さの差から検出し、それを一般的な座高(身長)と年齢との関係を示すテーブルデータと参照することで乗客の年齢を推定処理するよう構成しても良い。また、男性と女性のパターンマッチング画像をそれぞれ用意し、パターンマッチング処理によって被写体が男性か女性かを判断するよう構成しても良い。そして、このような処理を行うことで、例えば判別された乗客の年齢や性別などに適した広告をデータベース内から選択し乗客用のディスプレイに出力することなどができる。
【0042】
また、乗客がいるとの判断結果が出力された場合、その前後の判断用画像、あるいは別途連続して乗客の座席の画像を撮影し、その時間的に連続して取得された複数枚の画像を利用して着座中の乗客の身体のゆれ(例えば動きベクトルなど)を検出するよう構成しても良い。このようにして、例えば急発進や急加速、ジグザグ走行などの危険な運転を検知し、運転手や運営会社などに通知することなどができる。
【0043】
また、乗客がいるとの判断結果が出力された場合、常時後部座席の撮影を続行し、例えば乗客が前方の運転席に身を乗り出しているパターンマッチング画像など、異常状態を示す画像とのパターンマッチング処理を行うよう構成しても良い。このようにして、例えば運転手と乗客にトラブルが発生したと思われる状況を検知し、車外に設置してあるトラブルを外部に通知するためのランプを点灯させたり、運営会社や警備会社に自動的に異常事態発生の通知を行ったりする、という具合である。
【0044】
また、乗客がいるとの判断結果が出力された場合に常時後部座席の撮影を続行し、例えば口元の動きや手の動きなどを検出するよう構成しても良い。そして、口の形と発音とを関連付けたデータベースや手話データベースを参照することで、その口の動きや手話で示される単語を音声やテキストで運転手に対して自動出力することもできる。
【0045】
また、乗客がいるとの判断結果が出力された後に、例えばエアバッグの作動検知や各種センサ(バンパーの感圧センサや加速度センサなど)の検知結果によって車両事故の発生と判断される場合、乗客のいる座席を再度撮影し、その画像を病院や運営会社などに送信するよう構成しても良い。
【0046】
また、乗客がいるとの判断結果が出力された場合に、その判断用画像の乗客の服装や髪型、靴などの画像を抽出し蓄積するよう構成しても良い。また、その判断用画像が撮影された日時情報や位置情報なども合せて蓄積しても良いし、乗客の携帯端末などから顧客の属性情報が取得可能な場合、それら属性情報も合せて蓄積するよう構成すると良い。そして、このようにして収集された顧客の服装や髪型、靴、および関連付けられた各種情報をマーケティングに利用するよう構成しても良い。
【0047】
また、判断用画像と空車座席画像の差分値が所定値よりも大きいことなどを理由に複数人の乗客が乗っていると判断された場合には、例えばその差分値の変化を検出しそれにより途中で一人の乗客が降りたことなどを検知しても良い。このようにして、相乗りした乗客の数の変化を検知し、例えば運賃計算をその乗客単位で行うよう構成しても良い。
【0048】
<ハードウェア構成>
図4は、上記機能的な各構成要件をハードウェアとして実現した際の、移動体用乗客有無判断装置における構成の一例を表す概略図である。この図を利用して乗客有無の判断結果出力処理におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。
【0049】
この図にあるように、移動体用乗客有無判断装置は、乗客有無判断部であり、またその他の各種演算処理を実行するための「CPU」(0401)と、「主メモリ」(0402)と、を備えている。また保持部である「フラッシュメモリ」(0403)や、判断用画像取得部である「カメラ装置」(0404)、そして乗客有無判断結果出力部であり、その他各種情報の入出力が行われる「I/O」(0405)も備えている。そしてそれらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0050】
また、「主メモリ」にはプログラムが読み出され、「CPU」は読み出された当該プログラムを参照し、プログラムで示される手順に従い各種演算処理を実行する。また、この「主メモリ」や「フラッシュメモリ」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」の演算処理においては、そのアドレスを特定し格納されているデータにアクセスすることで、データを用いた演算処理を行うことが可能になっている。
【0051】
ここでタクシーなどの移動体内には、その後部座席や助手席など乗客用座席を撮影できる位置に「カメラ」が設置されている。そして当該「カメラ」は、例えば動画画像として、あるいは1分などの所定の間隔でその座席を自動的に撮影するよう構成されている。そして、「CPU」は判断用画像取得プログラムを解釈し、その解釈結果にしたがって前記のように撮影される最新の座席画像を取得し、「主メモリ」のアドレス1、・・・に判断用画像として格納する。つづいて「CPU」は乗客有無判断プログラムを解釈し、その解釈結果にしたがって、「フラッシュメモリ」に予め保持されている空車座席画像を読み出し、「主メモリ」のアドレス2、・・・に格納する。
【0052】
そして、例えばアドレス1、・・・の判断用画像と、アドレス2、・・・の空車座席画像とを重ね合わせ対応する画素の差分値を「CPU」の演算処理によって算出し、全画素分の差分値を合算する。なお判断用画像と空車座席画像の撮影カメラを定点カメラとし、両画像を基本的に同じアングルや撮影倍率で同じ座席空間を撮影した画像とすることで、この差分値合算値を利用した類似度判断の信頼性を向上することができる。もちろんカメラが定点カメラで構成されていない場合(両画像のアングルや撮影倍率などが異なる場合)は、判断用画像と空車座席画像の重ね合せ位置や角度を適宜移動、変化させて、あるいは一方の画像を拡大/縮小したうえで重ね合せを行い、その対応がその差分合算値が最小となるものを類似度判断に利用しても良い。
【0053】
そして、「CPU」は上記のようにして算出された差分合算値を「主メモリ」のアドレス3に格納するとともに、「フラッシュメモリ」に予め保持されている類似度判断用の閾値を「主メモリ」のアドレス4に読み出す。そして、「CPU」の演算処理によってその差分合算値と閾値の大小比較を行い、差分合算値が閾値よりも大きければ判断用画像と空車座席画像の類似度は低い、すなわち、この判断用画像が撮影された時点で乗客がいるとの判断結果が取得される。また、差分合算値が閾値よりも小さければ判断用画像と空車座席画像の類似度は高い、すなわち、この判断用画像が撮影された時点で乗客はいないとの判断結果が取得される。そして、上記(画像取得時点で)乗客が座席にいる/いないことを示す判断結果が「主メモリ」のアドレス5に格納される。
【0054】
すると「CPU」は乗客有無判断結果出力プログラムを解釈し、その解釈結果にしたがって、上記「主メモリ」のアドレス5に格納されている判断結果を、例えば乗客有無履歴を記録する記録装置に出力し、その出力回数をカウントし記録したり出力時刻情報などと合せて記録したりする。そして移動体の管理会社はその記録された情報を確認することで、運転手が乗客人数をごまかして報告したとしても容易にそれを見破ることができる。
【0055】
あるいは、出力先をタクシーメータとして、出力された判断結果がタクシー運賃の自動計算開始/終了のトリガーとなるよう構成しても良い。また、現在位置情報を合せて取得し日報作成装置に出力することで、日報を自動作成する構成としても良い。
【0056】
このように、本実施例の移動体用乗客有無判断装置によって、カメラで撮影される移動体内の座席画像を利用して乗客の有無を容易に確認することができる。したがって乗客人数の確認などを正確に行うことができ、例えば運転手の悪意による乗客人数のごまかし報告などの不正行為の抑止することなどができる。
【0057】
<処理の流れ>
図5は、本実施例の移動体用乗客有無判断装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
【0058】
この図にあるように、まず、乗客が着座していないときに乗客用座席を撮影した空車座席画像を、例えばフラッシュメモリなどの記録媒体に保持するために記録する(ステップS0501)。その後、例えばタクシーなどの移動体内に設置されたカメラなどで乗客用座席を撮影して判断用画像を取得する(ステップS0502)。つづいて、前記判断用画像と前記保持されている空車座席画像とを比較して両画像の類似度を算出し(ステップS0503)、その算出された類似度から乗客用座席に乗客が着座しているかいないかを判断する(ステップS0504)。そして、その判断結果を、例えば後で成果君あ乗客人数を確認するための履歴記録装置などに出力する(ステップS0505)。
【0059】
<効果の簡単な説明>
以上のように本実施例の移動体用乗客有無判断装置によって、カメラで撮影される移動体内の座席画像を利用して乗客の有無を容易に確認することができる。したがって乗客人数の確認などを正確に行うことができ、例えば運転手の悪意による乗客人数のごまかし報告などの不正行為の抑止とすることなどができる。
【0060】
≪実施例2≫
<概要>
本実施例は、上記実施例を基本として、その乗客有無の判断結果の変遷を利用して乗客の乗車タイミングまたは降車タイミングでその乗降を示す情報を出力する機能をさらに備える移動体用乗客有無判断装置である。すなわち、1つ前の判断結果が「乗客がいない」であったところから、現在の判断結果が「乗客がいる」と変化した場合、その2つの判断処理の間に乗客が乗ってきたと言うことができる。したがって、判断結果がこのように時間的に変化する場合、乗客が乗車したことを示す情報を出力する。また、判断結果が逆の時間的変化を見せる場合、2つの判断処理の間に乗客が降りたと言うことができるので乗客が降車したことを示す情報を出力する、という具合である。
【0061】
そして本実施例の移動体用乗客有無判断装置は、このような乗客の乗車/降車を示す情報を適宜出力することで、例えばそれをタクシーメータによる乗客の運賃計算処理の開始/終了のトリガーとするよう構成し、運転手がタクシーメータなどの操作を忘れても正確な運賃計算を行うことなどができる。
【0062】
<機能的構成>
図6は、本実施例の移動体用乗客有無判断装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「移動体用乗客有無判断装置」(0600)は、上記実施例を基本として、「判断用画像取得部」(0601)と、「保持部」(0602)と、「乗客有無判断部」(0603)と、「乗客有無判断結果出力部」(0604)と、を有する。なお、これらの構成要件については上記実施例ですでに記載済みであるのでその説明は省略する。
【0063】
そして、本実施例の移動体用乗客有無判断装置の特徴点は、さらに「乗降情報出力部」(0605)を有する点である。
【0064】
「乗降情報出力部」(0605)は、出力された判断結果が前回の判断結果と変化した際に、前回から今回の判断結果が乗客ありから乗客なしへの変化であれば降車したことを示す降車情報を出力し、前回から今回の判断結果が乗客なしから乗客ありへの変化であれば乗車したことを示す乗車情報を出力する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、乗降情報出力プログラムによって実現することができる。
【0065】
具体的に、本実施例の移動体用乗客有無判断装置は、判断結果出力部での出力結果の履歴を保持するよう構成し、その履歴を参照して以下のような処理を行う。すなわち、直前の判断結果が「乗客がいない」であり今回の判断結果が「乗客がいる」である場合、その2つの判断処理の間に乗客が乗ってきたと言うことができる。したがって、このような場合には「乗車情報」を出力する。また、直前の「乗客がいる」との判断結果から今回「乗客がいない」との判断結果が出力された場合、その2つの判断処理の間に乗客が降りたと言うことができる。したがって、このような場合には「降車情報」を出力する、という具合である。
【0066】
なお、なるべく正確な乗車/降車のタイミングでその乗車情報や降車情報を出力するために、上記実施例1での乗客有無の判断処理およびその判断情報の出力は、例えば1分おきなど短い間隔で実行されると良い。
【0067】
そして、この乗車情報と降車情報を例えばタクシーメータに出力することで、運転手がタクシーメータの賃走開始ボタンの操作をし忘れたとしても、タクシーメータは乗車情報の入力によって自動的に運賃計算のための走行距離測定処理を開始することができる。また、同様にタクシーメータは降車情報の入力によって、自動的に当該走行距離測定処理を終了させることができる。
【0068】
また、実施例3で後述するように、この乗車情報/降車情報に合せて現在位置情報を取得し自動日報作成装置に出力することで、いつ、どこで乗客を乗せて、いつ、どこで降ろしたか、またその際の運賃はいくらかなどをまとめた、タクシーなどの移動体の運行管理のための報告書である日報を自動的に作成することもできる。
【0069】
<処理の流れ>
図7は、本実施例の移動体用乗客有無判断装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
【0070】
ここで、まず上記実施例で説明したようにして乗客有無の判断処理を行い、その判断結果を出力する(ステップS0701)。すると出力先の装置ではその判断結果を履歴情報としてフラッシュメモリに記録する(ステップS0702)。さらに、ステップS0701で出力された判断結果と、前記のようにして記録された履歴情報で示される直前の判断結果とを比較し、判断結果で示される内容が変化したか否かを判断する(ステップS0703)。そして、それによって変化したと判断され、かつ前回から今回の判断結果が乗客ありから乗客なしへの変化であれば(ステップS0704)、降車したことを示す降車情報を出力する(ステップS0705A)。一方、前回から今回の判断結果が乗客なしから乗客ありへの変化であれば乗車したことを示す乗車情報を出力する(ステップS0705B)。
【0071】
<効果の簡単な説明>
以上のように本実施例の移動体用乗客有無判断装置によって、カメラで撮影された判断用画像と空車座席画像を利用して、乗客の乗車情報と降車情報を自動的に出力することができる。そして乗車情報をタクシーメータに出力することで、運転手がタクシーメータの賃走開始ボタンの操作をし忘れたとしても、タクシーメータは自動的に運賃計算のための走行距離測定処理を開始することができる。また、同様にタクシーメータは降車情報の入力によって自動的に当該走行距離測定処理を終了させることなどができる。
【0072】
≪実施例3≫
<概要>
タクシーなどの移動体においては、その運行管理のため「いつ、どこで乗客を乗せて、いつ、どこで降ろしたか」などをまとめた日報を作成することが運転手に求められている。しかしスムーズに乗客輸送サービスを提供するためには、乗客の乗降の際に逐一上記のような日報やそのためのメモを記入することは難しく、結局終業後や乗客の少ないタイミングを見計らって、記憶に基づいて記入することなどが行われている。
【0073】
そこで本実施例の移動体用乗客有無判断装置では、上記実施例2の乗車情報/降車情報の出力に合せて、その出力時の現在位置情報を取得することで、乗客の乗車した位置/降車した位置を自動的に取得できるよう構成することを特徴とする。
【0074】
このように構成することで、本実施例の移動体用乗客有無判断装置では、乗車情報/降車情報の出力に合せて、その出力時の現在位置情報を取得、出力し、例えば自動的に日報を作成することなどができる。
【0075】
<機能的構成>
図8は、本実施例の移動体用乗客有無判断装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「移動体用乗客有無判断装置」(0800)は、上記実施例2を基本として、「判断用画像取得部」(0801)と、「保持部」(0802)と、「乗客有無判断部」(0803)と、「乗客有無判断結果出力部」(0804)と、「乗降情報出力部」(0805)と、を有する。なお、これらの構成要件については上記実施例1および2ですでに記載済みであるのでその説明は省略する。
【0076】
そして、本実施例の移動体用乗客有無判断装置の特徴点は、さらに「位置情報取得部」(0806)と、「乗降記録出力部」(0807)と、を有する点である。
【0077】
「位置情報取得部」(0806)は、移動体の現在位置情報を取得する機能を有し、例えばGPS(全地球測位システム)などの位置測定装置やCPU、主メモリ、位置情報取得プログラムなどによって実現することができる。もちろん、現在位置情報の取得はGPSの測位結果に基づく位置情報に限定はされず、例えば無線LANにて通信先となる基地局の識別情報をキーとして、覚基地局の識別情報とその基地局の位置情報とを関連付けたデータベースを参照することで、基地局の位置情報を自身の現在位置情報として取得する方法なども挙げられる。
【0078】
「乗降記録出力部」(0807)は、前記乗降情報出力部からの出力と、取得した現在位置情報とを関連付けて乗降記録として出力する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、乗降記録出力プログラムなどによって実現することができる。
【0079】
具体的に、図9に示すように、乗車情報/降車情報が出力された時間とその時点で取得された現在位置情報とを関連付けてデータテーブルを作成する。そして、時間に応じてレコードを並べて形成される乗車と降車の組を一人の乗客に関するレコードとして日報を作成することができる、という具合である。
【0080】
このように本実施例の移動体用乗客有無判断装置によって、カメラなどで撮影された座席画像を利用して乗客の乗車情報/降車情報をそのときの位置情報と合せて取得することができる。したがって、そのデータを利用して、例えば自動的に日報などを作成することができるようになる。
【0081】
またこの乗降記録出力部から、乗車/降車位置情報や時間情報、その運賃情報などを乗降記録として運転手や顧客の携帯端末に送信出力するよう構成しても良い。なお、乗客の携帯端末への情報の送信は、例えばメールアドレスを登録してもらいそのメールアドレスに対してメール送信する方法や、運賃支払の際に利用される非接触型電子マネー支払装置からこれら情報を近距離無線通信で携帯端末に送信する方法などが挙げられる。
【0082】
また、運転手が運転開始時に例えば免許証や携帯端末などの情報を車内装置に読取らせることで、現在運転している運転手の識別情報も合せて乗降記録出力部から乗降記録として運転手や顧客の携帯端末などに出力するよう構成しても良い。このようにして、運転手や乗客は自身の携帯端末でその乗降記録を管理することができる。
【0083】
<処理の流れ>
図10は、本実施例の移動体用乗客有無判断装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
【0084】
ここで、まず上記実施例で説明したように、乗客有無の判断結果の変化に応じて乗車情報/降車情報が出力される(ステップS1001)と、その出力に合せて現在位置情報を取得する(ステップS1002)。そして、ステップS1001で出力された乗車情報/降車情報と、ステップS1002で取得した現在位置情報とを関連付けて乗降記録として出力し(ステップS1003)、例えば自動的な日報作成などに利用する。
【0085】
<効果の簡単な説明>
以上のように本実施例の移動体用乗客有無判断装置によって、カメラなどで撮影された座席画像を利用して乗客の乗車情報/降車情報をそのときの位置情報と合せて取得することができる。したがって、そのデータを利用して、例えば自動的に日報などを作成することができるようになる。
【0086】
≪実施例4≫
<概要>
本実施例は、上記実施例を基本として、その判断用画像取得装置が、例えば赤外線サーモグラフィ装置などで構成されていることを特徴とする。そして乗車情報が出力されて乗客が乗車してきたとの判断がなされた際に、その撮影画像に対しサーモグラフィ処理を行い、座席における温度分布を取得する。そして、例えば乗客の温度が標準体温より高いようであれば、乗客は熱があると判断して空調の温度をあまり下げないよう調整する。また、座席周辺の温度が高いようであれば空調の温度を下げるよう調整する、という具合である。
【0087】
<機能的構成>
図11は、本実施例の移動体用乗客有無判断装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「移動体用乗客有無判断装置」(1100)は、上記実施例2を基本として、「判断用画像取得部」(1101)と、「保持部」(1102)と、「乗客有無判断部」(1103)と、「乗客有無判断結果出力部」(1104)と、「乗降情報出力部」(1105)と、を有する。また実施例3を基本として、図示しない「位置情報取得部」と、「乗降記録出力部」と、を有していてもよい。なお、これらの構成要件については上記実施例にてすでに記載済みであるのでその説明は省略する。
【0088】
そして、本実施例の移動体用乗客有無判断装置の特徴点は、さらに「サーモグラフィ部」(1106)と、「空調調節部」(1107)と、を有する点である。
【0089】
「サーモグラフィ部」(1106)は、乗降情報出力部から乗車情報が出力され、その後降車情報が出力されていない場合に判断用画像をサーモグラフィ処理し温度を検出する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、サーモグラフィプログラムなどで実現することができる。また、判断用画像をサーモグラフィ処理するため、判断用画像取得部であるカメラなどは、被写体の赤外線強度を検知して撮影する機能を備える赤外線サーモグラフィ装置などで実現されていると良い。
【0090】
そしてサーモグラフィ部では、サーモグラフィ処理として、例えば赤外線サーモグラフィ装置で検知された領域別の赤外線強度に応じて撮影画像上の領域別の温度分布を算出する、という具合である。また、算出された温度分布に応じて温度の高い領域は赤く低い領域は青く、という具合に撮影画像の色を変えるなどして画像内の温度分布を示すような画像を生成しても良い。そして、このようにして算出された画像上各領域の温度分布によって、例えば画像内の乗客の領域(空車座席画像との差分値が大きい領域)における乗客の体温や、乗客の周囲領域(空車座席画像との差分値が小さい領域)の温度などを検出することができる。
【0091】
「空調調節部」(1107)は、サーモグラフィ部で検出された温度を設定温度になるよう空調調節する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、空調制御回路、空調調整プログラムなどで実現することができる。
【0092】
具体的には、例えば前述のように乗客の領域、すなわち乗客の体温が設定された標準温度よりも低ければ、熱のある人に影響の少ない比較的高めの設定温度に空調調節したり、乗客の周囲領域の温度が設定温度よりも低ければ、その設定温度となるよう空調調節したりする、という具合である。また、温度設定の調節のみならず、検出された温度に応じて例えば乗客に風が当たらないよう送風の方向を調節したり、設定温度と異なる空間に風を送るよう送風の方向を調節したりしても良い。
【0093】
このように、本実施例の移動体用乗客有無判断装置では、撮影画像を利用してサーモグラフィ処理によって座席周囲や乗客の温度を検出し、その検出温度に応じた空調調節を行うことができる。
【0094】
<処理の流れ>
図12は、本実施例の移動体用乗客有無判断装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
【0095】
ここで、まず上記実施例で説明したように、乗客有無の判断結果の変化に応じて乗車情報が出力される(ステップS1201)と、赤外線サーモグラフィ装置などで撮影された判断用画像をサーモグラフィ処理し、温度を検出する(ステップS1202)。そして、検出された温度を設定温度になるよう空調調節する(ステップS1203)。
【0096】
<効果の簡単な説明>
以上のように本実施例の移動体用乗客有無判断装置によって、撮影画像を利用してサーモグラフィ処理によって座席周囲や乗客の温度を検出し、その検出温度に応じた空調調節を行うことができる。
【0097】
≪実施例5≫
<概要>
本実施例は、上記実施例を基本として、乗客有無を判断するための撮影画像を犯罪者の顔写真データベースなどで照合することで、乗客有無判断部にて乗客がいると判断された際の乗客が、犯罪者では無いか検出する機能を備えることを特徴とする。このようにして、移動体が犯罪者の逃亡などに利用されることを未然に防ぐことができる。
【0098】
<機能的構成>
図13は、本実施例の移動体用乗客有無判断装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「移動体用乗客有無判断装置」(1300)は、上記実施例1を基本として、「判断用画像取得部」(1301)と、「保持部」(1302)と、「乗客有無判断部」(1303)と、「乗客有無判断結果出力部」(1304)と、を有する。また、その他の実施例を基本として、図示しない「乗降情報出力部」、あるいは「位置情報取得部」や「乗降記録出力部」、「サーモグラフィ部」や「空調調節部」などを有していてもよい。なお、これらの構成要件については上記実施例にてすでに記載済みであるのでその説明は省略する。
【0099】
そして、本実施例の移動体用乗客有無判断装置の特徴点は、さらに「犯罪者顔画像蓄積部」(1305)と、「顔類似判断部」(1306)と、「犯罪警告出力部」(1307)と、を有する点である。
【0100】
「犯罪者顔画像蓄積部」(1305)は、犯罪者の顔を示す画像を蓄積する機能を有し、例えばHDDやフラッシュメモリ、その他の記録媒体によって実現することができる。また犯罪者の顔を示す画像の取得に関しては、例えばインターネットなどを介して警視庁などが配信している指名手配犯の顔写真などを取得するよう構成すると良い。
【0101】
「顔類似判断部」(1306)は、判断用画像から顔画像を抽出し、抽出された乗客の顔と、前記蓄積されている画像で示される犯罪者の顔が類似しているか判断する機能を有し、CPUや主メモリ、顔類似判断プログラムなどで実現することができる。具体的に、乗客有無判断結果出力部にて乗客がいるとの判断結果が出力された際に、その判断用画像から顔画像を抽出し判断する。なお判断用画像から顔画像を抽出する処理に関しては、例えば空車座席画像との差分の大きな領域を顔を含む乗客の画像として抽出する方法や、一般的な顔画像をパターン画像としてマッチング検索を行い、マッチングした領域を顔画像として抽出する方法などが挙げられる。
【0102】
また、両画像の類似判断処理については、画素単位での両画像の差分値を利用して判断する方法や、画像の特徴点を抽出し、画像の構造に応じてその特徴点を示すグラフを作成しグラフの類似度をスコア化する方法など、従来知られている画像のパターンマッチング処理に関する各種方法を利用することができる。
【0103】
そして、この類似判断部にて類似していると判断された場合、その乗客は犯罪者である可能性があり、移動体が逃亡などに利用されている可能性がある、という具合である。
【0104】
「犯罪警告出力部」(1307)は、前記類似判断部での判断結果が類似しているとの判断結果である場合に、運転手に対して警告を出力する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、そしてディスプレイやスピーカなどの出力装置と、犯罪警告出力プログラムなどによって実現することができる。つまり類似判断部にて類似していると判断された場合、前述のように移動体が犯罪者の逃亡に利用されている可能性があるので、そのことを運転手に知らせて逃亡を未然に防ぐ、という具合である。
【0105】
なお警告の出力方法は特に限定せず、タクシーメータやカーナビゲーション装置のディスプレイ表示部に警告メッセージやアイコンなどを表示する出力方法や、スピーカにて音声で出力する方法などが挙げられる。また、例えば運転手用座席やハンドルにバイブレーション機能などを設け、振動によって運転手のみに対して警告が認識されるよう出力しても良い。また、前記類似していると判断された犯罪者の顔写真を、運転手にのみ見えるよう表示し運転手に自らの目での確認を促すような出力を行うよう構成しても良い。
【0106】
このように本実施例の移動体用乗客有無判断装置によって、乗客有無判断部にて乗客がいると判断された際の乗客が犯罪者では無いか検出することができる。そして、その検出結果に応じて乗客が犯罪者である可能性を運転手に通知することで、移動体が犯罪者の逃亡などに利用されることを未然に防ぐことができる。
【0107】
<処理の流れ>
図14は、本実施例の移動体用乗客有無判断装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
【0108】
ここで、まず上記実施例で説明したように、撮影された判断用画像を利用した乗客有無の判断によって乗客がいるとの判断結果が出力された(ステップS1401)場合、その判断用画像から顔画像を抽出し(ステップS1402)、抽出された乗客の顔と、予め蓄積されている犯罪者顔画像で示される犯罪者の顔が類似しているか判断する(ステップS1403)。そして前記ステップでの判断結果が類似しているとの判断結果である場合に、運転手に対して例えばディスプレイやスピーカを利用して警告を出力する(ステップS1404)
【0109】
<効果の簡単な説明>
以上のように本実施例の移動体用乗客有無判断装置によって、乗客有無判断部にて乗客がいると判断された際の乗客が犯罪者では無いか検出することができる。そして、その検出結果に応じて乗客が犯罪者である可能性を運転手に通知することで、移動体が犯罪者の逃亡などに利用されることを未然に防ぐことができる。
【符号の説明】
【0110】
0200 移動体用乗客有無判断装置
0201 判断用画像取得部
0202 保持部
0203 乗客有無判断部
0204 乗客有無判断結果出力部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗客用座席を撮影して判断用画像を取得する判断用画像取得部と、
乗客が着座していないときに乗客用座席を撮影した空車座席画像を保持する保持部と、
前記判断用画像と前記保持されている空車座席画像とを比較して両画像の類似度から乗客用座席に乗客が着座しているかいないかを判断する乗客有無判断部と、
乗客有無判断部での判断結果を出力する乗客有無判断結果出力部と、
を有する移動体用乗客有無判断装置。
【請求項2】
出力された判断結果が前回の判断結果と変化した際に、前回から今回の判断結果が乗客ありから乗客なしへの変化であれば降車したことを示す降車情報を出力し、前回から今回の判断結果が乗客なしから乗客ありへの変化であれば乗車したことを示す乗車情報を出力する乗降情報出力部をさらに有する請求項1に記載の移動体用乗客有無判断装置。
【請求項3】
さらに移動体の現在位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記乗降情報出力部からの出力と、取得した現在位置情報とを関連付けて乗降記録として出力する乗降記録出力部と、を有する請求項2に記載の移動体用乗客有無判断装置。
【請求項4】
乗降情報出力部から乗車情報が出力され、その後降車情報が出力されていない場合に判断用画像をサーモグラフィ処理し温度を検出するサーモグラフィ部と、
サーモグラフィ部で検出された温度を設定温度になるよう空調調節する空調調節部と、
を有する請求項2または3に記載の移動体用乗客有無判断装置。
【請求項5】
犯罪者の顔を示す画像を蓄積する犯罪者顔画像蓄積部と、
判断用画像から顔画像を抽出し、抽出された乗客の顔と、前記蓄積されている画像で示される犯罪者の顔が類似しているか判断する顔類似判断部と、
前記類似判断部での判断結果が類似しているとの判断結果である場合に、運転手に対して警告を出力する犯罪警告出力部と、
を有する請求項1から4のいずれか一に記載の移動体用乗客有無判断装置。
【請求項6】
乗客用座席を撮影して判断用画像を取得する判断用画像取得ステップと、
乗客が着座していないときに乗客用座席を撮影した空車座席画像を保持するために記録する記録ステップと、
前記判断用画像と前記保持されている空車座席画像とを比較して両画像の類似度から乗客用座席に乗客が着座しているかいないかを判断する乗客有無判断ステップと、
乗客有無判断部での判断結果を出力する乗客有無判断結果出力ステップと、
を計算機に実行させる移動体用乗客有無判断装置の動作方法。
【請求項7】
出力された判断結果が前回の判断結果と変化した際に、前回から今回の判断結果が乗客ありから乗客なしへの変化であれば降車したことを示す降車情報を出力し、前回から今回の判断結果が乗客なしから乗客ありへの変化であれば乗車したことを示す乗車情報を出力する乗降情報出力ステップをさらに計算機に実行させる請求項6に記載の移動体用乗客有無判断装置の動作方法。
【請求項8】
さらに移動体の現在位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記乗降情報出力部からの出力と、取得した現在位置情報とを関連付けて乗降記録として出力する乗降記録出力ステップと、を計算機に実行させる請求項7に記載の移動体用乗客有無判断装置の動作方法。
【請求項1】
乗客用座席を撮影して判断用画像を取得する判断用画像取得部と、
乗客が着座していないときに乗客用座席を撮影した空車座席画像を保持する保持部と、
前記判断用画像と前記保持されている空車座席画像とを比較して両画像の類似度から乗客用座席に乗客が着座しているかいないかを判断する乗客有無判断部と、
乗客有無判断部での判断結果を出力する乗客有無判断結果出力部と、
を有する移動体用乗客有無判断装置。
【請求項2】
出力された判断結果が前回の判断結果と変化した際に、前回から今回の判断結果が乗客ありから乗客なしへの変化であれば降車したことを示す降車情報を出力し、前回から今回の判断結果が乗客なしから乗客ありへの変化であれば乗車したことを示す乗車情報を出力する乗降情報出力部をさらに有する請求項1に記載の移動体用乗客有無判断装置。
【請求項3】
さらに移動体の現在位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記乗降情報出力部からの出力と、取得した現在位置情報とを関連付けて乗降記録として出力する乗降記録出力部と、を有する請求項2に記載の移動体用乗客有無判断装置。
【請求項4】
乗降情報出力部から乗車情報が出力され、その後降車情報が出力されていない場合に判断用画像をサーモグラフィ処理し温度を検出するサーモグラフィ部と、
サーモグラフィ部で検出された温度を設定温度になるよう空調調節する空調調節部と、
を有する請求項2または3に記載の移動体用乗客有無判断装置。
【請求項5】
犯罪者の顔を示す画像を蓄積する犯罪者顔画像蓄積部と、
判断用画像から顔画像を抽出し、抽出された乗客の顔と、前記蓄積されている画像で示される犯罪者の顔が類似しているか判断する顔類似判断部と、
前記類似判断部での判断結果が類似しているとの判断結果である場合に、運転手に対して警告を出力する犯罪警告出力部と、
を有する請求項1から4のいずれか一に記載の移動体用乗客有無判断装置。
【請求項6】
乗客用座席を撮影して判断用画像を取得する判断用画像取得ステップと、
乗客が着座していないときに乗客用座席を撮影した空車座席画像を保持するために記録する記録ステップと、
前記判断用画像と前記保持されている空車座席画像とを比較して両画像の類似度から乗客用座席に乗客が着座しているかいないかを判断する乗客有無判断ステップと、
乗客有無判断部での判断結果を出力する乗客有無判断結果出力ステップと、
を計算機に実行させる移動体用乗客有無判断装置の動作方法。
【請求項7】
出力された判断結果が前回の判断結果と変化した際に、前回から今回の判断結果が乗客ありから乗客なしへの変化であれば降車したことを示す降車情報を出力し、前回から今回の判断結果が乗客なしから乗客ありへの変化であれば乗車したことを示す乗車情報を出力する乗降情報出力ステップをさらに計算機に実行させる請求項6に記載の移動体用乗客有無判断装置の動作方法。
【請求項8】
さらに移動体の現在位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記乗降情報出力部からの出力と、取得した現在位置情報とを関連付けて乗降記録として出力する乗降記録出力ステップと、を計算機に実行させる請求項7に記載の移動体用乗客有無判断装置の動作方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−154618(P2011−154618A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−16757(P2010−16757)
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(508056202)FBイノベーション株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(508056202)FBイノベーション株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
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