説明

移動体管理システム及び移動体装置

【課題】任意の位置における移動体の向きを確実に把握する。
【解決手段】ショッピングカート2は、切換え部31により第1のアンテナ32を選択している状態でこの第1のアンテナから電磁波を放射し、第1のアンテナの通信エリア内の商品陳列棚に配置された位置タグと無線通信を行って位置コードを取得する。そして、取得した位置コードと第1のアンテナの配置位置を無線通信部23から通信用アンテナ29を介してサーバ1に送信する。サーバはデータベース15から位置コードに対応した位置座標を読出し、この位置座標と第1のアンテナの配置位置の関係から、ショッピングカートの現在位置及び進行方向を判断する。そして、判断した現在位置及び進行方向をショッピングカートに送信する。ショッピングカートは現在位置及び進行方向をサーバから受信し、表示部26に表示して知らせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、店舗におけるショッピングカートや倉庫にけるフォークリフトや図書館における図書搬送カート等の移動体の移動を管理する移動体管理システム及びこのシステムに使用する移動体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の移動体管理システムとしては、商品陳列棚に多数の無線通信するIDタグを配置し、一方、ショッピングカートにアンテナを有するデータ蓄積装置を搭載し、ショッピングカートが商品陳列棚に沿って移動するときにIDタグと無線通信を行ってIDタグから位置識別データを読取ってデータ蓄積装置のメモリに現在の時刻と共に書き込むことで、ショッピングカートの動線データを得るものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−357177号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この従来のシステムは、ショッピングカートが時間経過とともにどのように移動してきたかについては把握できても、ある位置においてショッピングカートがどの向きになっているかを把握することができなかった。例えば、ショッピングカートが移動してきた方向にUターンして戻るような動きをしたときにはそのショッピングカートの向きが変わったことを把握することができなかった。
【0004】
そこで、本発明は、任意の位置における移動体の向きを確実に把握できる移動体管理システム及びこのシステムに使用する移動体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、通路又はその近傍に配置され、それぞれ配置されている位置に応じた位置コードを記憶し、通信時、この記憶した位置コードを無線送信する複数の位置タグと、各位置タグの位置コードと配置位置を示す座標情報を関連付けて記憶したデータベースを設けたサーバと、左右の一方又は両方に指向性アンテナを配置し、通路に沿って移動する移動体装置とからなり、移動体装置は、指向性アンテナを使用して略対向する位置にある位置タグと無線通信を行い、その位置タグの位置コードを読取るコード読取手段と、このコード読取手段が読取った位置コードとこの位置コードの読み取りに使用した指向性アンテナの配置情報をサーバに送信する送信手段と、サーバから座標情報と進行方向を受信し、自己の位置と向きを表示する表示手段を設け、サーバは、移動体装置からの位置コードによりデータベースから対応する座標情報を取得し、この座標情報と読み取りに使用した指向性アンテナの配置情報から移動体装置の座標情報と進行方向を判断する判断手段を備えた移動体管理システムにある。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、任意の位置における移動体の向きを確実に把握できる移動体管理システム及びこのシステムに使用する移動体装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は移動体管理システムの構成を示すブロック図で、サーバ1と移動体装置であるショッピングカート2と位置タグ4によって構成されている。
【0008】
前記サーバ1は、内部の動作を制御するシステム制御部11と、このシステム制御部11に接続したシステム記憶部12と、前記システム制御部11に接続した無線通信部13と、この無線通信部13に接続した通信用アンテナ14を備えている。前記システム記憶部12は、前記システム制御部11で実行するプログラムを格納するとともに内部にデータベース15を形成している。
【0009】
前記無線通信部13は無線通信手順に従って伝送するデジタルデータを符号化し、変調して無線周波数への周波数変換を行って通信用アンテナ14に送信する動作を行う。前記通信用アンテナ14は無線周波数に変換された信号を電磁波として空間に放射する動作を行う。
【0010】
また、前記通信用アンテナ14は電磁波を受信すると受信信号を前記無線通信部13に伝達する。前記無線通信部13は受信した無線周波数の信号を低い周波数に変換し、復調して複合化しデジタルデータに変換する。そして、無線通信手順に従った動作を行い、データを前記システム制御部11に伝達する。
前記無線通信部13と通信用アンテナ14は、前記ショッピングカート2と無線通信を行うものであり、天井や壁の高い位置等に設置される。そして、システム制御部11、システム記憶部12は、無線通信部13とは離れた、例えば店舗内のバックヤードに配置されものであり、システム制御部11と無線通信部13とはケーブルにより接続されている。
【0011】
前記ショッピングカート2は、CPUを含み全体を制御する制御部21を設け、この制御部21に記憶部22、無線通信部23、送信部24、受信部25、表示手段を構成する液晶ディスプレイからなる表示部26、この表示部26と一体化したタッチパネルをキーボードとして備えた入力部27、時刻を計時する時計部28をそれぞれ接続している。前記記憶部22は制御部21が実行するプログラムを記憶するとともに書き換え可能なメモリを設けている。
【0012】
前記無線通信部23には通信用アンテナ29が接続されている。前記無線通信部23は無線通信部13と同様の機能を有するもので、前記通信用アンテナ29及び前記サーバ1の通信用アンテナ14を介して前記無線通信部13との間でデータ通信を行う。
【0013】
前記表示部26は位置情報や物品情報等を表示することができ、前記サーバ1からのデータ通信によって表示情報を変更することや前記入力部27からの入力により表示情報を変更することができる。前記入力部27は、操作者によって設定データ等を入力できる機能をもっている。前記時計部28は、前記制御部21の制御により計時している時刻を制御部21に出力する。
【0014】
前記送信部24は、前記位置タグ4と無線通信を行うプロトコルを含み、デジタルデータを符号化し、変調し、周波数変換を行うことで前記位置タグ4と通信を行う信号を出力する動作を行う。前記受信部25は、前記位置タグ4から送信され、受信した信号を周波数変換し、復調し、複合化してデジタルデータとして前記制御部21へ出力する動作を行う。
【0015】
前記送信部24及び受信部25はサーキュレータ30に接続している。前記サーキュレータ30には切換え部31が接続され、この切換え部31に第1のアンテナ32と第2のアンテナ33が接続されている。前記サーキュレータ30は、送信部24から入力した信号を切換え部31へ出力し、また、前記切換え部31から入力した信号を受信部25へ出力する。
【0016】
前記切換え部31は、第1のアンテナ32と第2のアンテナ33のどちらか一方をサーキュレータ30に接続する動作を行う。この切換え部31によるアンテナの切換え動作は前記制御部21からの制御信号によって行われるようになっている。前記第1のアンテナ32と第2のアンテナ33は、特定の方向に電磁波を強く出し、同じ方向から到来する電磁波の受信感度が高い特性を持つ指向性アンテナであり、ここでは、例えば平面パッチアンテナと呼ばれているアンテナを使用している。
【0017】
前記第1のアンテナ32と第2のアンテナ33は、前記位置タグ4と通信を行うアンテナであり、前記切換え部31により選択されたアンテナが動作することになる。
前記送信部24、受信部25、サーキュレータ30、切換え部31及び第1、第2のアンテナ32,33は位置タグ4から位置コードを読取るコード読取り手段を構成している。
【0018】
位置タグ4は、タグアンテナ41、このタグアンテナ41に接続したタグ通信部42、このタグ通信部42に接続した位置コード記憶部43によって構成されている。前記位置タグ4は、受信した電磁波から電源電力を発生して前記ショッピングカート2への伝送にバックスキャッタ通信を行うパッシブ型の無線タグである。
【0019】
なお、位置タグとしては、バッテリを備え、このバッテリから回路への電源供給を行い、ショッピングカート2への伝送にバックスキャッタ通信を行うセミパッシブ型の無線タグや、バッテリを備え、このバッテリから回路への電源供給を行い、能動的に通信を行うアクティブ型の無線タグを使用してもよい。また、バックスキャッタ通信に代えて電磁誘導方式の通信を行う無線タグを使用してもよい。
【0020】
前記タグアンテナ41は、電磁波を受信するとともに電磁波を放射する。前記タグ通信部42は、前記ショッピングカート2と通信を行うプロトコルを含んでおり、受信した電磁波を復調し、この復調したデータに応じて送信を行う。前記位置コード記憶部43は、この位置タグ4の配置位置に応じた位置コードを記憶している。従って、位置タグ毎に異なる位置コードが割り当てられることになる。
【0021】
図2は、商品を陳列する商品陳列棚5と前記ショッピングカート2の外観構成を示す斜視図で、前記商品陳列棚5の棚50の先端部に複数の前記位置タグ4を取付けている。それぞれの位置タグ4は異なる位置コードを記憶している。前記各位置タグ4に記憶している位置コードに対応する座標情報は前記サーバ1のデータベース15に位置データとして記憶している。
【0022】
前記ショッピングカート2は、商品を収納するかご部34と、このかご部34を支持するとともに後部に人が手で握るハンドル35a,35bを設け、底部に車輪36を取付けた台車部37と、前記かご部34の後部に取付けた、前記制御部21、記憶部22、無線通信部23、送信部24、受信部25、表示部26、入力部27、時計部28、通信用アンテナ29、サーキュレータ30、切換え部31を備えた操作パネル部38と、前記かご部34の左側に取付けた前記第1のアンテナ32と、前記かご部34の右側に取付けた前記第2のアンテナ33とで構成されている。前記各アンテナ32,33は前記操作パネル38内に設けた切換え部31にそれぞれ同軸ケーブル39,40を介して接続している。前記ショッピングカート2は後方に立っている人がハンドル35a,35bを手で握って前方へ押すことで移動させることができるショッピングカートである。
【0023】
図3はショッピングカート2の移動方向と商品陳列棚5に配置した位置タグ4との関係を示す平面図で、ショッピングカート2が図3の(a)に示す位置において図中矢印Aで示す方向に進行しているとすると、ショッピングカート2の左側の第1のアンテナ32は位置タグ4aと通信を行い、右側の第2のアンテナ33は位置タグ4bと通信を行う。
【0024】
すなわち、位置タグ4は指向性を持っており、取付け位置の前面に対して電磁波を受信する感度が高く、また、電磁波を強く放射することができる。従って、位置タグ4aは図中右側から到来する電磁波を受信する感度が高く、位置タグ4bは図中左側から到来する電磁波を受信する感度が高い。
【0025】
また、前記第1のアンテナ32は、図の左側に強く電磁波を出力する指向性を持っている。従って、通信エリア51の中にある略対向する面にある位置タグ4aと無線通信を行うことができる。前記第2のアンテナ33は、図の右側に強く電波を出力する指向性を持っている。従って、通信エリア52の中にある略対向する面にある位置タグ4bと無線通信を行うことができる。
【0026】
前記ショッピングカート2が位置タグ4aから位置コードを取得する時は、先ず、ショッピングカート2において制御部21が送信部24に送信信号を出力する。この送信信号はサーキュレータ30と切換え部31を介して第1のアンテナ32から電磁波として放射される。位置タグ4aでは、第1のアンテナ32から放射された電磁波をタグアンテナ41で受信すると、タグ通信部42が起動し、位置コード記憶部43から位置コードを読込み、送信信号に変換してタグアンテナ41から放射する。
【0027】
第1のアンテナ32が位置タグ4aからの信号を受信すると、受信信号は切換え部31とサーキュレータ30を介して受信部25に入力される。受信部25は入力された信号に含まれる位置コードを制御部21へ出力する。制御部21は位置コードを取得すると、時計部28からその時点の時刻情報を取得した後に、位置コードと取得した時刻情報と第1のアンテナ32で読取ったことを表わす情報を関連させて記憶部22に記憶する。第1のアンテナ32で読取ったことは、進行方向左側の位置タグと通信をしたことを示す。
【0028】
その後、制御部21は位置コードを無線通信部23に送り、位置コードと第1のアンテナ32で読取ったことを含む信号が無線通信部23から通信用アンテナ29を介して空間に放射される。このときの無線通信部23と通信用アンテナ29は、位置コードとこの位置コードの読み取りに使用した指向性アンテナの配置情報をサーバに送信する送信手段を構成している。
【0029】
前記サーバ1は通信用アンテナ14が通信用アンテナ29から放射された信号を受信すると、無線通信部13で位置コードと第1のアンテナ32で読取ったことを含むデジタルデータとしてシステム制御部11へ出力する。
【0030】
前記システム制御部11は位置コードと第1のアンテナ32で読取ったことを含むデジタルデータを取得すると、データベース15を参照して受信した位置コードに対応する座標情報、すなわち、位置データを取得する。また、位置タグ4の座標情報と商品陳列棚5の座標情報から通路が商品陳列棚5の右側にあり、その位置にショッピングカート2が存在することを判断する。また、進行方向の左側の第1のアンテナ32で読取ったことから、ショッピングカート2の進行方向、すなわち、ショッピングカート2の向きは矢印Aの方向であると判断する。このようにして、サーバ1はショッピングカート2の現在の位置と進行方向を判断する(判断手段)。
【0031】
その後、システム制御部11は、ショッピングカート2の座標情報と進行方向を含むデジタルデータを無線通信部13へ出力する。前記無線通信部13は、入力された座標情報と進行方向を含むデジタルデータを、通信用アンテナ14を介してショッピングカート2に送信する。ショッピングカート2では、デジタルデータを、通信用アンテナ29を介して無線通信部23が受信する。そして、無線通信部23から制御部21に伝送される。前記制御部21は、座標情報と進行方向を取得すると、記憶部22に記憶してある位置コードと時刻情報に関連付けて座標情報と進行方向を記憶する。このようにして、ショッピングカート2は、座標情報と進行方向をサーバ1から受け取ることで現在の位置と自己の向きを確実に把握できる。そして、表示部26に現在の位置と向きを表示する。これにより、ショッピングカート2の操作者は、店舗内での現在位置とショッピングカート2の向きを把握できる。
【0032】
ショッピングカート2が図3の(a)に示す位置から、(b)に示す位置に移動すると、ショッピングカート2は第1のアンテナ32を使用して位置タグ4a、4c、4eと順次通信することになり、各位置タグ4a,4b,4cの位置コードを順次取得する。位置コードを取得した順番に対応する座標情報をサーバ1から受信して記憶部22に記憶することにより、後で、ショッピングカート2が移動した経路を取得することができる。このようにすることにより、店舗では、顧客が移動した経路を知ることができ、販売促進に利用することができる。
【0033】
図4に表示部26による表示例を示す。表示部26には商品陳列棚5の配置図61と通路62を示した地図を表示する。地図を表示するための情報は、ショッピングカート2が前記サーバ1に予め要求し、データベース15に記憶されている商品陳列棚4の座標情報を受信して記憶部22に記憶したものである。
【0034】
そして、ショッピングカート2が位置タグ4と通信して受信した位置情報に基づいてサーバ1から受信した座標情報に基づいてショッピングカート2の現在位置63を地図上に表示するとともに進行方向に基づいて向きを示す矢印64を表示する。なお、ショッピングカート2の表示形状が進行方向を認識できる形状であれば、矢印64は無くてもショッピングカート自体を進行方向に応じた向きにすればよい。また、ショッピングカート2の進行方向が常に画面の上方に向くように固定しておき、それに応じて商品陳列棚5の配置図61と通路62の表示位置や向きを変更するようにしてもよい。
【0035】
ショッピングカート2の現在位置63の判断方法についてはいくつかの方法がある。例えば、所定時間内にショッピングカート2が位置タグ4a、4c、4eと順番に無線通信しながら移動すると、ショッピングカート2は所定時間内に複数の位置コードを取得する。このとき、ショッピングカート2の現在位置を最後に取得した位置タグ4eの付近にあると判断する。
【0036】
また、別の方法は、所定時間内に位置コードを取得した回数の多い位置タグの付近にいると判断する。例えば、所定時間内にショッピングカート2が移動して位置タグと無線通信をした順番が位置タグ4a、4a、4c、4c、4e、4cであったとすると、位置タグ4aと通信を行った回数は2回、位置タグ4cと通信を行った回数は3回、位置タグ4eと通信を行った回数は1回である。その結果、位置タグ4cの位置コードを最も多く取得しているので、ショッピングカート2は位置タグ4cの付近に存在していると判断する。
【0037】
また、店にとって顧客に見てほしい商品があり、その商品の位置へ誘導したいときには、誘導したい商品の座標位置をデータベース15に記憶しておき、表示部26に誘導したい商品の陳列している位置を特定のマーク65で表示して知らせる。このとき、表示は商品陳列棚5等を上から見た二次元描画となっているため、商品陳列棚5の高さ方向の表示ができない。このため、マーク65の付近に高さ情報、例えば、「3段目」と表示することで誘導したい商品が棚の3段目に陳列されていることを知らせる。なお、二次元描画に代えて三次元的な描画を行えば高さ方向の表示も可能になる。
【0038】
このようにすることにより、ショッピングカート2を動かす人は、現在の位置と誘導したい商品の陳列位置との位置関係を知ることができ、その商品の位置へ容易に移動することができる。そして、この誘導したい商品を販売促進する商品にすれば、ショッピングカート2を操作している顧客に対して販売促進する商品を見てもらう機会が増え、販促効果を高めることができる。
【0039】
次に、図3において、左右方向をx軸とし、上下方向をy軸とし、商品陳列棚5の高さ方向である紙面に垂直な方向をz軸として移動速度を取得する処理について説明する。
(a)に示すように、位置タグ4aの位置座標(xv0、yv0、zv0)と取得時間tv0を記憶部22に記憶する。(b)のときに位置タグ4cの位置座標(xv1、yv1、zv1)と取得時間tv1を記憶部22に記憶する。このように、ショッピングカート2が取得した位置座標等を順次記録しくことにより、カート2の移動経路を取得することができる。
【0040】
2つの位置座標と取得時間を利用して、下記(1)式に代入することにより、ショッピングカート2の移動速度を算出することができる。
【数1】

【0041】
ここでは、ショッピングカート2が水平な床上を移動することになり、高さ方向は変化しないため、z軸の情報は無視している。このようにすることにより、ショッピングカート2の移動速度を取得することができる。
【0042】
ショッピングカート2が同じ場所に滞在していると、同じ位置コードを何回も取得することになる。このときは、1回目に位置コードを取得したときだけサーバ1に位置座標を問合せ、2回目からはサーバ1に位置座標を問い合わせなくてもよい。ショッピングカート2が、1回目に位置タグ4aの位置コードを取得したときの時間をta0とし、複数回同じ位置コードを取得し、最後に同じ位置コードを取得した時間をta1とすると、ショッピングカート2の位置タグ4a付近に滞在した時間は、ta1−ta0によって求める。このようにすることにより、ショッピングカート2の1つの場所における滞在時間を取得することができる。
【0043】
ここまでは、第1のアンテナ32のみで位置タグの位置コードを取得し、位置座標と進行方向を取得することを説明したが、ショッピングカート2には2つのアンテナ32,33があるので、この2つのアンテナを使用して位置座標と進行方向を取得することもできる。図3を用いて、2つのアンテナを使用する場合の説明をする。
【0044】
まず、切換え部31によって、サーキュレータ30と第1のアンテナ32の接続を行って位置タグ4aから位置コードを取得し、位置座標と進行方向情報を取得することについては前述したとおりである。次に、切換え部31の切換えによって、サーキュレータ30と第1のアンテナ32の接続を切り離し、今度はサーキュレータ30と第2のアンテナ33を接続する。
【0045】
この状態では、第2のアンテナ33から電磁波が放射されると、右側の商品陳列棚5にある位置タグ4bが動作し、ショッピングカート2に位置コードを送る。ショッピングカート2は、位置タグ4aの位置コードから位置情報を取得したのと同様に、サーバ1に位置タグ4bの位置コードを送り、サーバ1から該当する位置座標と進行方向を受け取る。この結果、ショッピングカート2は位置タグ4aと位置タグ4bの位置座標の中間点に存在していると判断することができる。このように第1のアンテナ32と第2のアンテナ33の両方を使用することで、ショッピングカート2が取得する現在位置の精度を高くすることができる。
【0046】
ショッピングカート2が図3の(b)に示す位置に存在するときは、所定時間内に位置タグ4c、4d、4e、4fから位置コードを取得することになる。ショッピングカート2は、取得した位置コードをサーバ1に送り、サーバ1から位置コードに対応した位置座標を受け取る。ショッピングカート2は、位置タグ4cの位置座標(x、y、z)と、位置タグ4dの位置座標(x、y、z)と、位置タグ4eの位置座標(x、y、z)と、位置タグ4fの位置座標(x、y、z)を取得する。そして、ショッピングカート2は、この4点の座標の重心にいると判断する。このとき、下記(2)式を使用することにより、4点の重心の座標を求めることができる。
【数2】

【0047】
所定時間内に、ショッピングカート2が取得した位置コードがn個のときは、下記(3)式を使用すればよい。
【数3】

【0048】
なお、ショッピングカート2が水平な床上を移動する場合は、カートの高さは変化しないため、z軸の計算はしなくてよい。このようにすることにより、ショッピングカート2の位置をさらに精度よく取得することができる。
【0049】
また、複数の位置コードを取得した時間要素を入れてショッピングカート2の位置を算出してもよい。この場合には、位置コードを取得した時間が一番後の位置座標の重み付け係数が最も大きくなるようにして、取得した時間に応じた重み付け係数と取得した時間に対応した位置座標を使用することによって、ショッピングカート2の位置を取得すればよい。
【0050】
また、ショッピングカート2に2つのアンテナ32,33がある場合、通路の左右の一方の商品陳列棚5にだけ位置タグ4を配置しても、ショッピングカート2の現在位置と向きを把握することができる。また、この実施の形態では、前記商品陳列棚5の棚50の先端部に複数の前記位置タグ4を取付けているが、通路の近傍、例えば、商品陳列棚5の上方の天井に前記位置タグを取付けても良い。この場合、ショッピングカート2の前記かご部34の左側に、天井にアンテナ面が向くように前記第1のアンテナ32が取付けられ、前記かご部34の右側に、天井にアンテナ面が向くように第2のアンテナ33が取付けられる。
【0051】
(第2の実施の形態)
なお、前述した実施の形態と同一の部分には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。第1の実施の形態では第1のアンテナ32をショッピングカート2の左側に配置し、第2のアンテナ33をショッピングカート2の右側に配置したが、この実施の形態は、図5に示すように、第1のアンテナ32をショッピングカート2の前側に配置し、第2のアンテナ33をショッピングカート2の後側に配置している。サーバ1、ショッピングカート2、位置タグ4のブロック構成は第1の実施の形態と同じである。
【0052】
ショッピングカート2は、第1のアンテナ32を使用するときは、通信エリア71内の位置タグ4e、4fと無線通信を行うことができる。また、第2のアンテナ33を使用するときは、通信エリア72内の位置タグ4a、4bと無線通信を行うことができる。ショッピングカート2は、位置タグ4a、4b、4e、4fの位置コードを取得すると、順次サーバ1に位置コードを送り、その位置コードに対応した位置座標をサーバ1から受け取る。
【0053】
ショッピングカート2は、位置タグ4a、4b、4e、4fの位置座標から重心を計算することにより、現在位置を取得することができる。また、第1のアンテナ32で位置タグ4e、4fの位置コードを取得し、第2のアンテナ33で位置タグ4a、4bの位置コードを取得したことから、ショッピングカート2は進行方向、すなわち、向きが位置タグ4e、4f側になっていることを取得することができる。このようにすることにより、ショッピングカート2は、アンテナの取付け位置が前側と後側であっても、サーバ1からの座標情報により現在位置と向きを取得し把握することができる。
【0054】
また、通路の左右の一方の商品陳列棚5にだけ位置タグ4を配置しても、ショッピングカート2の現在位置と向きを把握することができる。また、この実施の形態では、前記商品陳列棚5の棚50の先端部に複数の前記位置タグ4を取付けているが、通路の近傍、例えば、商品陳列棚5の上方の天井に前記位置タグを取付けても良い。この場合、ショッピングカート2の前記かご部34の前側に、天井にアンテナ面が向くように前記第1のアンテナ32が取付けられ、前記かご部34の後側に、天井にアンテナ面が向くように第2のアンテナ33が取付けられる。
【0055】
(第3の実施の形態)
なお、前述した実施の形態と同一の部分には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。サーバ1及び位置タグ4のブロック構成は第1の実施の形態と同じである。
ショッピングカート2は、図6に示すように、制御部211に、記憶部22、無線通信部23、表示部26、入力部27、時計部28を接続するとともに第1の読取り部81と第2の読取り部82を接続している。
【0056】
前記第1の読取り部81は、読取り制御部83に送信部84と受信部85を接続し、前記送信部84と受信部85をサーキュレータ86に接続している。そして、前記サーキュレータ86に第1のアンテナ91を接続している。前記第2の読取り部82は、読取り制御部87に送信部88と受信部89を接続し、前記送信部88と受信部89をサーキュレータ90に接続している。そして、前記サーキュレータ90に第2のアンテナ92を接続している。
【0057】
前記読取り制御部83は、送信部84及び受信部85の制御を行うとともに前記制御部211とのデータ交換を行う。前記送信部84は送信部24と同じ動作を行い、前記受信部85は受信部25と同じ動作を行い、前記サーキュレータ86はサーキュレータ30と同じ動作を行うものである。前記読取り制御部87は、送信部88及び受信部89の制御を行うとともに前記制御部211とのデータ交換を行う。前記送信部88は送信部24と同じ動作を行い、前記受信部89は受信部25と同じ動作を行い、前記サーキュレータ90はサーキュレータ30と同じ動作を行うものである。前記制御部211は第1の読取り部81及び第2の読取り部82を択一的に動作制御する。
【0058】
このショッピングカート2の構成は、基本的には図2の構成と変わらないが、図2における第1のアンテナ32を第1の読取り部81に置き換え、第2のアンテナ33を第2の読取り部82に置き換えた構成になっている。この構成では操作パネル38には、制御部211、記憶部22、無線通信部23、表示部26、入力部27、時計部28、通信用アンテナ29が設けられ、各読取り部81,82と制御部211が信号線93,94によって接続される。すなわち、同軸ケーブル39,40に代えて通常の信号線93,94が使用されることになる。前記第1のアンテナ91の指向性は第1のアンテナ32の指向性と同一であり、第2のアンテナ92の指向性は第2のアンテナ33の指向性と同一である。
【0059】
この構成においては、第1のアンテナ91を使用して取得した位置タグの位置コードは、第1の読取り部81から制御部211に出力され、無線通信部23を使用してサーバに送られる。そして、サーバから位置コードに対応した位置座標と進行方向の情報が送られるので、制御部211は無線通信部23を使用して受信し記憶部22に記憶する。また、第2アンテナ92を使用して取得した位置タグの位置コードは、第2の読取り部87から制御部211に出力され、無線通信部23を使用してサーバに送られる。そして、サーバから位置コードに対応した位置座標と進行方向の情報が送られるので、制御部211は無線通信部23を使用して受信し記憶部22に記憶する。
【0060】
このようにしても、ショッピングカート2の現在の位置座標と進行方向、すなわち、向きを確実に取得し把握することができる。さらに、この構成では、同軸ケーブルを使用するのはアンテナ91,92とサーキュレータ86,90との間のごく短い距離でよく、同軸ケーブルによる高周波信号の減衰量を低減することができる。そのため、送信部84,88から出力する電力を第1の実施の形態に比べて低く設定しても第1の実施の形態と同じ通信エリアを確保することができる。すなわち、ショッピングカート2の消費電力を低減することができる。
【0061】
(第4の実施の形態)
なお、前述した実施の形態と同一の部分には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。サーバ1及び位置タグ4のブロック構成は第1の実施の形態と同じである。
ショッピングカート2は、図7に示すように、制御部21に、記憶部221を接続し、この記憶部221にデータベース222を形成している。その他の構成は第1の実施の形態と同じである。
【0062】
前記データベース222にはサーバ1のデータベース15と同じ情報が記憶されている。前記サーバ1においてデータベース15が更新されると、システム制御部11は無線通信部13及び通信用アンテナ14を使用してショッピングカート2に更新した情報を送信する。前記ショッピングカート2は通信用アンテナ29及び無線通信部23を使用してサーバ1からの更新情報を受信し、制御部21はデータベース222の内容を更新する。こうして、データベース222は常にデータベース15と同一の内容なっている。
【0063】
このような構成においては、ショッピングカート2は第1のアンテナ32を使用して位置タグの位置コードを受信部25で取得すると、この受信部25から制御部21に位置コードを送信する。制御部21は、記憶部221内のデータベース222を参照することにより、位置コードに対応した位置座標を取得する。そして、この位置座標と位置コードを取得した第1のアンテナ32の配置位置との関係から、ショッピングカート2の現在の位置と進行方向、すなわち、向きを判断する(判断手段)。
【0064】
このように、ショッピングカート2はサーバ1との通信を行うことなく自己の位置座標と進行方向を自ら判断できる。従って、より速く位置座標と進行方向を表示部26に表示して知らせることができる。また、ショッピングカート2はサーバ1と無線通信をする回数を減らすことができるため、ショッピングカート2の消費電力を低減させることができる。
【0065】
なお、前述した各実施の形態は移動体装置として、店舗におけるショッピングカート2を使用し、そのショッピングカートの現在位置やその向きの取得、その他、移動経路の取得や移動速度、滞在時間などの取得について述べたがこれに限定するものではなく、移動体装置として、倉庫におけるフォークリフトや図書館における図書搬送カートを使用するシステムにも適用できるものである。
【0066】
倉庫におけるフォークリフトについては、例えば誘導する物品を出荷する物品とし、フォークリフトに、現在位置と向き並びに出荷する物品の位置を表示する。これにより、物品を探す時間を短縮することができる。また、図書館における図書搬送カートについては、例えば誘導する物品の位置を返却された本を収容する棚位置とし、図書搬送カートに、現在位置と向き並びに本を収容する棚位置を表示する。これにより、返却された本を棚に戻す時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る移動体管理システムの構成を示すブロック図。
【図2】同実施の形態における商品陳列棚とショッピングカートの外観構成を示す斜視図。
【図3】同実施の形態におけるショッピングカートの移動位置と通信する位置タグとの関係を示す図。
【図4】同実施の形態において店舗内地図、ショッピングカートの現在位置と進行方向、誘導する商品をショッピングカートの表示部に表示した表示例を示す図。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る移動体管理システムにおけるショッピングカートの移動位置と通信する位置タグとの関係を示す図。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係るショッピングカートの構成を示すブロック図。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係るショッピングカートとサーバの構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0068】
1…サーバ、2…ショッピングカート(移動体装置)、4…位置タグ、11…システム制御部、15…データベース、21…制御部、23…無線通信部、24…送信部、25…受信部、26…表示部、32…第1のアンテナ、33…第2のアンテナ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通路又はその近傍に配置され、それぞれ配置されている位置に応じた位置コードを記憶し、通信時、この記憶した位置コードを無線送信する複数の位置タグと、
前記各位置タグの位置コードと配置位置を示す座標情報を関連付けて記憶したデータベースを設けたサーバと、
左右の一方又は両方に指向性アンテナを配置し、通路に沿って移動する移動体装置とからなり、
前記移動体装置は、前記指向性アンテナを使用して略対向する位置にある位置タグと無線通信を行い、その位置タグの位置コードを読取るコード読取手段と、このコード読取手段が読取った位置コードとこの位置コードの読み取りに使用した指向性アンテナの配置情報を前記サーバに送信する送信手段と、前記サーバから座標情報と進行方向を受信し、自己の位置と向きを表示する表示手段を設け、
前記サーバは、前記移動体装置からの位置コードにより前記データベースから対応する座標情報を取得し、この座標情報と読み取りに使用した指向性アンテナの配置情報から前記移動体装置の座標情報と進行方向を判断する判断手段を備えたことを特徴とする移動体管理システム。
【請求項2】
通路又はその近傍に配置され、それぞれ配置されている位置に応じた位置コードを記憶し、通信時、この記憶した位置コードを無線送信する複数の位置タグと、
左右の一方又は両方に指向性アンテナを配置し、通路に沿って移動する移動体装置とからなり、
前記移動体装置は、前記各位置タグの位置コードと配置位置を示す座標情報を関連付けて記憶したデータベースと、前記指向性アンテナを使用して略対向する位置にある位置タグと無線通信を行い、その位置タグの位置コードを読取るコード読取手段と、このコード読取手段が読取った位置コードにより前記データベースから対応する座標情報を取得し、この座標情報と読み取りに使用した指向性アンテナの配置情報から自己の座標情報と進行方向を判断する判断手段と、この判断手段が判断した自己の座標情報と進行方向によって位置と向きを表示する表示手段を備えたことを特徴とする移動体管理システム。
【請求項3】
通路又はその近傍に配置され、それぞれ配置されている位置に応じた位置コードを記憶し、通信時、この記憶した位置コードを無線送信する複数の位置タグと、
前記各位置タグの位置コードと配置位置を示す座標情報を関連付けて記憶したデータベースを設けたサーバと、
前後にそれぞれ指向性アンテナを配置し、通路に沿って移動する移動体装置とからなり、
前記移動体装置は、前記各指向性アンテナを使用して前後の近傍位置にある位置タグと無線通信を行い、その各位置タグの位置コードを読取るコード読取手段と、このコード読取手段が読取った各位置タグの位置コードと対応する位置コードの読み取りに使用した指向性アンテナの配置情報を前記サーバに送信する送信手段と、前記サーバから座標情報と進行方向を受信し、自己の位置と向きを表示する表示手段を設け、
前記サーバは、前記移動体装置からの位置コードにより前記データベースから対応する座標情報を取得し、この座標情報と読み取りに使用した指向性アンテナの配置情報から前記移動体装置の座標情報と進行方向を判断する判断手段を備えたことを特徴とする移動体管理システム。
【請求項4】
通路又はその近傍に配置され、それぞれ配置されている位置に応じた位置コードを記憶し、通信時、この記憶した位置コードを無線送信する複数の位置タグと、
前後にそれぞれ指向性アンテナを配置し、通路に沿って移動する移動体装置とからなり、
前記移動体装置は、前記各位置タグの位置コードと配置位置を示す座標情報を関連付けて記憶したデータベースと、前記各指向性アンテナを使用して前後の近傍位置にある位置タグと無線通信を行い、その各位置タグの位置コードを読取るコード読取手段と、このコード読取手段が読取った位置コードにより前記データベースから対応する座標情報をそれぞれ取得し、この各座標情報と読み取りに使用した指向性アンテナの配置情報から自己の座標情報と進行方向を判断する判断手段と、この判断手段が判断した自己の座標情報と進行方向によって位置と向きを表示する表示手段を備えたことを特徴とする移動体管理システム。
【請求項5】
左右の一方又は両方に配置した指向性アンテナと、
この指向性アンテナを使用して、通路又はその近傍に配置され、それぞれ配置されている位置に応じた位置コードを記憶し、通信時、この記憶した位置コードを無線送信する複数の位置タグのうち、左右の略対向する位置にある位置タグと無線通信を行い、その位置タグに記憶されている位置コードを読取るコード読取手段と、
このコード読取手段が読取った位置コードとこの位置コードの読み取りに使用した指向性アンテナの配置情報をサーバに送信する送信手段と、
前記サーバから座標情報と進行方向を受信し、自己の位置と向きを表示する表示手段を備えたことを特徴とする移動体装置。
【請求項6】
左右の一方又は両方に配置した指向性アンテナと、
この指向性アンテナを使用して、通路又はその近傍に配置され、それぞれ配置されている位置に応じた位置コードを記憶し、通信時、この記憶した位置コードを無線送信する複数の位置タグのうち、左右の略対向する位置にある位置タグと無線通信を行い、その位置タグに記憶されている位置コードを読取るコード読取手段と、
前記各位置タグの位置コードと配置位置を示す座標情報を関連付けて記憶したデータベースと、
前記コード読取手段が読取った位置コードにより前記データベースから対応する座標情報を取得し、この座標情報と読み取りに使用した指向性アンテナの配置情報から自己の座標情報と進行方向を判断する判断手段と、
この判断手段が判断した自己の座標情報と進行方向によって位置と向きを表示する表示手段を備えたことを特徴とする移動体装置。
【請求項7】
左右の両方に指向性アンテナを配置し、コード読取手段は、使用する指向性アンテナを切替えて左右の略対向する位置にある位置タグと無線通信を行うことを特徴とする請求項5又は6記載の移動体装置。
【請求項8】
前後にそれぞれ配置した指向性アンテナと、
この各指向性アンテナを使用して、通路又はその近傍に配置され、それぞれ配置されている位置に応じた位置コードを記憶し、通信時、この記憶した位置コードを無線送信する複数の位置タグのうち、前後の近傍位置にある位置タグと無線通信を行い、その各位置タグの位置コードを読取るコード読取手段と、
このコード読取手段が読取った各位置タグの位置コードと対応する位置コードの読み取りに使用した指向性アンテナの配置情報を前記サーバに送信する送信手段と、
前記サーバから座標情報と進行方向を受信し、自己の位置と向きを表示する表示手段を備えたことを特徴とする移動体装置。
【請求項9】
前後にそれぞれ配置した指向性アンテナと、
この各指向性アンテナを使用して、通路又はその近傍に配置され、それぞれ配置されている位置に応じた位置コードを記憶し、通信時、この記憶した位置コードを無線送信する複数の位置タグのうち、前後の近傍位置にある位置タグと無線通信を行い、その各位置タグの位置コードを読取るコード読取手段と、
前記各位置タグの位置コードと配置位置を示す座標情報を関連付けて記憶したデータベースと、
前記コード読取手段が読取った位置コードにより前記データベースから対応する座標情報をそれぞれ取得し、この各座標情報と読み取りに使用した指向性アンテナの配置情報から自己の座標情報と進行方向を判断する判断手段と、
この判断手段が判断した自己の座標情報と進行方向によって位置と向きを表示する表示手段を備えたことを特徴とする移動体装置。
【請求項10】
表示手段は、通路を示した地図を表示するとともにこの地図上に自己の位置と向き及び自己を誘導する誘導位置をそれぞれ表示することを特徴とする請求項5乃至9のいずれか1記載の移動体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−108144(P2007−108144A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−302051(P2005−302051)
【出願日】平成17年10月17日(2005.10.17)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】