説明

移動体通信機

【課題】 携帯電話装置を開いたときに、主表示器に情報を呼び出す操作を行わなくても、外部表示器が表示していた情報等を主表示器に表示する
【解決手段】 携帯電話装置1は、閉状態において着信に対して着信応答がない場合に、外部表示器11に着信日時や相手の電話番号等を表示する。このとき、携帯電話装置1が開かれたならば、外部表示器11に表示していた電話番号等の情報を主表示器5に表示する。また、携帯電話装置1は、閉状態において電子メールを受信した場合に、発信者の名前等の情報を外部表示器11に表示する。このとき、携帯電話装置1が開かれたならば、外部表示器11に表示していた情報および電子メールの本文等の情報を主表示器5に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は、折り畳むことができる移動体通信機に関し、特に、折り畳んだ状態において情報を表示する表示部を備えた移動体通信機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な折り畳み式携帯電話装置は、ディスプレイが配置された筐体と、他の部材とが接続され、接続部を軸に折り畳むことができる。また、一般に、ディスプレイは折り畳んだときに他の部材と対向するように配置されるので、ユーザは、折り畳んだ状態でディスプレイを確認することはできない。
【0003】
そのため、折り畳んだときにもユーザに情報を提示できる折り畳み式携帯電話装置が実現されている。この携帯電話装置は、折り畳んだときに他の部材と対向するディスプレイ(以下、主表示器と記す。)の他に、折り畳んだ状態であっても外側を向くように配置された補助的なディスプレイ(以下、外部表示器と記す。)を有する。
【0004】
携帯電話装置等に関する文献として、例えば、特許文献1や特許文献2がある。
【0005】
【特許文献1】特開2000−232502号公報
【特許文献2】特開平10−215303号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、外部表示器の表示面積は小さく、外部表示器は、電話の着信があったことや、電子メールを受信したこと等の単純な情報のみを表示していた。そのため、電話をかけてきた相手の電話番号や着信日時等の情報を確認したり、電子メールの内容を確認するためには、携帯電話装置を開いて、所望の情報を主表示器に呼び出す操作を行わなければならなかった。
【0007】
そこで、本発明は、移動体通信機を開いたときに、主表示器に情報を呼び出す操作を行わなくても、外部表示器の表示内容、あるいはその表示内容に関連する情報を主表示器に表示することができる移動体通信機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による折り畳み型移動体通信機は、第1の筐体、第2の筐体、表示制御部、指示入力部及び表示部を含み、前記第1の筐体と前記第2の筐体とが接続部で折り畳み可能に接続され、前記第1の筐体と前記第2の筐体とが折り畳まれたときに前記表示部が外側を向き前記指示入力部への入力が可能な折り畳み型移動体通信機であって、前記第1の筐体と前記第2の筐体とが折り畳まれたときに、前記指示入力部への入力により前記表示部が表示を行うことを特徴とする。
【0009】
また、本発明による折り畳み型移動体通信機は、第1の筐体、第2の筐体、表示制御部、指示入力部及び表示部を含み、前記第1の筐体と前記第2の筐体とが接続部で折り畳み可能に接続され、前記第1の筐体と前記第2の筐体とが折り畳まれたときに前記表示部が外側を向き前記指示入力部への入力が可能な折り畳み型移動体通信機であって、前記表示制御部は、前記表示部の表示中に前記指示入力部への入力により前記表示部の表示を切り替えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明による折り畳み型移動体通信機は、第1の筐体、第2の筐体、表示制御部、指示入力部及び表示部を含み、前記第1の筐体と前記第2の筐体とが接続部で折り畳み可能に接続され、前記第1の筐体と前記第2の筐体とが折り畳まれたときに前記表示部が外側を向き前記指示入力部への入力が可能な折り畳み型移動体通信機であって、前記表示制御部は、前記表示部の表示中、所定時間ごとに前記表示部の表示を切り替えることを特徴とする。
【0011】
さらに筐体の開閉を検出する開閉検出部を含み、前記第1の筐体と前記第2の筐体とが開いたとき前記開閉検出部は開検出信号を出力する構成であってもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、使用者は、第二の表示部に表示された情報を第一の表示部で確認する際、移動体通信機を開いた後に、所望の情報を呼び出すための操作を行う必要がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明による移動体通信機の開いた状態の例を示す斜視図である。また、図2は、本発明による移動体通信機の折り畳んだ状態の例を示す斜視図である。以下、移動体通信機が開かれた状態を開状態、折り畳まれた状態を閉状態と記す。
【0014】
携帯電話装置(移動体通信機)1は、ヒンジ2によって接続される第一の筐体(一の部材)3および第二の筐体(他の部材)4を備える。図1に示すように、第一の筐体3は、主表示器(第一の表示部)5と、磁石7と、アンテナ10とを備える。また、第一の筐体3は、図2に示すように、外部表示器(第二の表示部)11を備える。第二の筐体4は、開閉検出回路(開閉検出部)6と、複数の操作キー8と、サイドキー(指示入力部)9とを備える。主表示器5は、開状態において情報を表示する液晶ディスプレイである。主表示器5の表示面は、折り畳まれたときには第二の筐体4に対向する。外部表示器11は、閉状態において情報を表示する液晶ディスプレイであり、折り畳まれたときに表示面が外側を向くように配置されている。外部表示器11は、第二の筐体4に設けられてもよい。
【0015】
サイドキー9は、閉状態のときに、外部表示器11の表示に関する指示(例えば、情報の表示や消去等の指示)が入力されるキーである。サイドキー9に、外部表示器11の表示をスクロールする指示が入力されてもよい。サイドキー9は、第一の筐体3または第二の筐体4の側面に設けられ、閉状態においても指示を入力することができる。
キー8は、“0”ないし“9”の各番号および“#”、“*”の各記号の入力や、開始、終了、リダイヤル等の各種指示の入力が割り当てられたキーである。複数のキーの組み合わせに一つの機能が割り当てられていてもよい。
【0016】
開閉検出回路6は、開状態であるか閉状態であるかを検出する回路であり、携帯電話装置1の状態に応じた信号を発生する。開閉検出回路6は、例えば、リードスイッチで構成される。磁石7は、携帯電話装置1が折り畳まれたときに開閉検出回路6と対向する位置に配置される。閉状態になると、開閉検出回路6は、磁石7の磁力を検出して閉検出信号を発生する。また、開状態になると、開閉検出回路6は、磁石7の磁力を検出せず、開検出信号を発生する。開閉検出回路6は、ホール素子で構成してもよい。
【0017】
図3は、本発明による移動体通信機の構成の例を示すブロック図である。
アンテナ10は、基地局との間で無線電波の送受信を行う。無線回路24は、送信する音声やデータを変調し、受信した電波を復調する。
ROM23は、各種表示を行うためのフォント情報を記憶する。
【0018】
制御回路(表示制御部)21は、携帯電話装置1全体を制御する。
制御回路21は、電話の着信に対してユーザ(使用者)が着信応答しなかった場合に、電話の着信に関する情報をRAM22に保存する。電話の着信に関する情報は、例えば、着信日時や相手の電話番号(発信した電話機の電話番号)等である。以下、ユーザが着信応答しなかった着信に関する情報を不在着信履歴情報と記す。
また、制御回路21は、電子メールを受信したときに、受信した電子メールに関する情報をRAM22に保存する。受信した電子メールに関する情報は、例えば、発信者のメールアドレス、電子メールの表題、本文、受信日時等である。
【0019】
制御回路21は、携帯電話装置1のユーザが通話をしたり電子メールを送受信する相手の情報をキー8を介して入力され、その情報をRAM22に保存してもよい。例えば、よく通話する相手の電話番号とその相手の名前がキー8を介して入力され、制御回路21が電話番号と名前とを対応させてRAM22に保存してもよい。同様に、よく電子メールを送受信する相手のメールアドレスとその相手の名前等が入力され、制御回路21がメールアドレスと名前とを対応させてRAM22に保存してもよい。
【0020】
制御回路21は、開閉検出回路6が開検出信号を発生している場合(開状態の場合)、電話の着信に関する情報や受信した電子メールに関する情報等を主表示器5に表示する。
【0021】
制御回路21は、開閉検出回路6が閉検出信号を発生している場合(閉状態の場合)、電話の着信に関する情報や受信した電子メールに関する情報を外部表示器11に表示する。例えば、閉状態のときに着信があり、ユーザがこの着信に対して着信応答しないときには、制御回路21は、着信があった旨の情報や不在着信履歴情報を外部表示器11に表示する。また、閉状態のときに電子メールを受信したならば、制御回路21は、電子メールの受信を完了した旨の情報、電子メールが届いている旨の情報、および電子メールの表題、本文、発信者等を外部表示器11に表示する。
【0022】
また、制御回路21は、閉状態において外部表示器11に情報を表示しているときに、開検出信号が入力されたならば、外部表示器11の表示内容またはその表示内容に関連する情報を主表示器5に表示する。例えば、外部表示器11に不在着信履歴情報を表示しているときに、開検出信号が入力されたならば、主表示器5に不在着信履歴情報を表示する。また、外部表示器11に電子メールの発信者等を表示しているときに、開検出信号が入力されたならば、主表示器5に電子メールの発信者、表題、本文等を表示する。
【0023】
LCDドライバ25,26は、それぞれ主表示器5,外部表示器11が備える液晶に対して電圧を印加する。制御回路21は、LCDドライバ25またはLCDドライバ26を制御して、表示しようとする文字等に応じた液晶の画素に電圧を印加し、主表示器5または外部表示器11に情報を表示する。
【0024】
次に、動作について説明する。
図4は、携帯電話装置1が着信に関する情報を外部表示器11と主表示器5に表示する経過の例を示す流れ図である。制御回路21は、開閉検出回路6が発生する信号に基づいて、閉状態であるのか開状態であるのかを判断する(ステップS1)。開状態と判断した場合、制御回路21は、外部表示器11に情報を表示せず、主表示器5に情報を表示する(ステップS2)。例えば、開状態で着信等を待ち受けているならば、制御回路21は、主表示器5に待ち受け時の画面を表示する。
【0025】
一方、閉状態で着信等を待ち受けているならば、制御回路21は、外部表示器11に待ち受け時の画面を表示する(ステップS3)。
【0026】
閉状態のときに電話の着信があったならば(ステップS4)、制御回路21は、着信音を発生させる等してユーザに着信を知らせ、ユーザの着信応答を待つ(ステップS5)。ユーザが着信応答したならば、制御回路21は、通話を開始し(ステップS6)、通話後、次の着信等を待ち受ける。一方、着信に対してユーザが着信応答しない場合、制御回路21は、着信があった旨を外部表示器11に表示する(ステップS7)。図5(a)は、ステップS7において、制御回路21が外部表示器11に表示する情報の例を示す説明図である。図5(a)に示すように、着信があった旨の表示の他に、携帯電話装置1のバッテリの残量表示71や電波の受信状況表示72を表示してもよい。また、制御回路21は、着信に対して着信応答がなかった場合、着信した信号に含まれる相手の電話番号情報と着信日時の情報を不在着信履歴情報としてRAM22に記憶させる。
【0027】
制御回路21は、着信があった旨の情報を外部表示器11に表示しているときに、開閉検出回路6から開検出信号が入力されたならば(ステップS8)、主表示器5に着信があった旨の情報を表示する(ステップS9)。その後、再び携帯電話装置1が閉じられ閉検出信号が入力されたならば(ステップS10)、再度、外部表示器11に着信があった旨の情報を表示する(ステップS7)。
【0028】
ユーザは、着信に対して着信応答できなかったときでも、着信があった旨の情報を外部表示器11で確認することによって、電話がかかっていたことを確認することができる。ユーザが、不在着信履歴情報を閉状態のまま確認しようとする場合、サイドキー9によって、不在着信履歴情報の表示指示を入力する。制御回路21は、ステップS7の後に、サイドキー9を介して、不在着信履歴情報の表示指示が入力されると(ステップS11)、この指示に応じて不在着信履歴情報を外部表示器11に表示する(ステップS12)。図5R>5(b)は、ステップS12において、制御回路21が外部表示器11に表示する不在着信履歴情報の例を示す説明図である。図5(b)に示す例は、不在着信履歴情報として、RAM22に記憶した着信日時および相手の電話番号を表示する場合を示す。不在着信履歴情報として他の情報を表示してもよい。例えば、RAM22に、各電話番号に対応する相手の名前を予め記憶させておき、電話番号から特定される相手の名前を、不在着信履歴情報として外部表示器11に表示してもよい。
【0029】
制御回路21は、不在着信履歴情報を外部表示器11に表示しているときに、開閉検出回路6から開検出信号が入力されたならば(ステップS13)、外部表示器11の表示を消去する(ステップS14)。そして、制御回路21は、外部表示器11に表示していた不在着信履歴情報を主表示器5に表示する(ステップS15)。制御回路21は、開検出信号が入力されたならば、ユーザによる操作なしで自動的に主表示器5に不在着信履歴情報(受信日時や相手の電話番号等)を表示する。
【0030】
図5(c)は、ステップS15において、制御回路21が主表示器5に表示する不在着信履歴情報の例を示す説明図である。後述するように、制御回路21は、複数の着信があった場合に各着信毎に着信日時および相手の電話番号をRAM22に記憶してもよい。図5R>5(c)に示す例において、表示81は、1件目の情報であることを示す表示である。また、不在であったことを示す表示82、バッテリの残量表示71、電波の受信状況表示72、他の画面を呼び出すアイコン83、カーソルの移動方向表示84、入力を促す表示85等を表示してもよい。制御回路21は、電話番号から特定される相手の名前をRAM22から抽出し、不在着信履歴情報として主表示器11に表示してもよい。
【0031】
主表示器5上の不在着信履歴情報を消去する指示が、キー8から入力された場合、制御回路21は、主表示器5に表示していた不在着信履歴情報を消去し(ステップS16)、次の着信等を待ち受ける。この指示は、サイドキー9から入力されてもよい。また、制御回路21は、ステップS15において閉検出信号が入力されたときに(閉状態にされたときに)、主表示器5上の不在着信履歴情報を消去して、次の着信等を待ち受けてもよい。
【0032】
また、制御回路21は、ステップS12の後、開検出信号が入力されなければ、外部表示器11に不在着信履歴情報を表示し続ける(ステップS17)。続いて、外部表示器11上の不在着信履歴情報を消去する指示が、サイドキー9から入力された場合、制御回路21は、外部表示器11に表示していた不在着信履歴情報を消去する(ステップS18)。そして、制御回路21は、再び待ち受け時の画面を外部表示器11に表示する。
【0033】
また、制御回路21は、ステップS12において不在着信履歴情報を外部表示器11に表示した後、所定の時間、開検出信号が入力されず、サイドキー9からの入力もない場合に、外部表示器11に表示していた情報を消去してもよい。制御回路21には、予め所定の時間が設定される。この設定は、製造時に行われても、ユーザによって行われてもよい。ユーザによる設定の場合、制御回路21は、ユーザが指定する時間を設定してもよい。所定の時間が経過したことにより外部表示器11上の不在着信履歴情報を消去した後には、制御回路21は、ステップS7と同様に着信があった旨を外部表示器11に表示する。
【0034】
上記の例では、ステップS7,S9において着信があった旨を表示する場合を示したが、ステップS7,S9では、着信があった旨の情報とともに相手の電話番号を表示してもよい。
【0035】
また、ステップS11の指示が入力される前に、複数の着信があった場合には、制御回路21は、各着信毎に着信日時および相手の電話番号をRAM22に記憶してもよい。そして、制御回路21は、ステップS12において、不在着信履歴情報として一件一件の着信についての情報を表示してもよい。
【0036】
例えば、制御回路21が、サイドキー9の操作によらずに、一件一件の着信に関する情報が順次、外部表示器11に現れ、移動し、消えていくように表示して、複数の着信についての情報全体(不在着信履歴情報全体)を表示してもよい。この場合、制御回路21は、表示面内における表示内容の位置(文字等の位置)がずれたデータを、所定時間毎にLCDドライバ26に出力する。表示内容の位置がずれていくように、LCDドライバ26に出力するデータを変更することにより、情報が順次現れ、移動し、消えていくように表示することができる。
【0037】
また、制御回路21が、サイドキー9から入力される指示にしたがって、複数の着信についての情報をスクロールして表示してもよい。
制御回路21は、ステップS12,S17において、サイドキー9を介して入力される指示にしたがい、最新の着信から順に着信日時および相手の電話番号等を表示してもよい。この場合、制御回路21は、最新の着信について着信日時や相手の電話番号等を表示し、サイドキー9を介して次の表示指示が入力されたら、一件前の着信日時等の表示に切り換える。
【0038】
一件分の情報を表示させるときに、着信日時や電話番号等が順次、外部表示器11に現れ、移動し、消えていくように表示してもよい。また、サイドキー9から入力される指示に応じて、着信日時や相手の電話番号等をスクロールして表示しても、切り換えて表示してもよい。
【0039】
制御回路21は、ステップS12において複数の着信について不在着信履歴情報を表示しているときに、開検出信号が入力されたならば、開検出信号が入力された時点に外部表示器11に表示していた不在着信履歴情報を主表示器5に表示する。すなわち、複数の着信について不在着信履歴情報を外部表示器11に表示していて、X件目の着信日時や相手の電話番号等を表示したときに開検出信号が入力されたならば、制御回路21は、X件目の着信日時や電話番号等を主表示器5に表示する。
【0040】
このような携帯電話装置によれば、制御回路21は、携帯電話装置1が開かれたときに、外部表示器11に表示していた不在着信履歴情報を、主表示器5に表示するので、ユーザは携帯電話装置1を開いた後、キー8を操作しなくても主表示器で不在着信履歴情報を確認できる。複数の着信がある場合であっても、制御回路21は、外部表示器11に表示していた着信に対応する情報を、主表示器5に表示するので、ユーザは、外部表示器11に表示された着信日時等の情報をすぐに主表示器5で確認することができる。したがって、ユーザが、サイドキー9を操作して所望の情報を外部表示器11に表示させれば、携帯電話装置1を開いてから再度所望の情報を主表示器5に表示させる操作を行う必要はない。
【0041】
なお、ステップS7の後に開検出信号が入力されない場合において、サイドキー9から指示が入力されなくても、制御回路21が自動的に不在着信履歴情報を表示してもよい。例えば、ステップS7の表示を開始してから所定の時間内に開検出信号が入力されなければ、自動的に不在着信履歴情報を外部表示器11に表示してもよい。また、サイドキー9から入力される指示によって不在着信履歴情報を表示する設定と、制御回路21が不在着信履歴情報を自動的に表示する設定をユーザが選択できるようにしてもよい。
【0042】
次に、電子メールに関する情報を表示する場合の動作について説明する。
図6は、携帯電話装置1が電子メールに関する情報を外部表示器11と主表示器5に表示する経過の例を示す流れ図である。図6において、ステップS21,S22,S23の動作は、それぞれ図4に示すステップS1,S2,S3と同様の動作である。
【0043】
閉状態のときに、電子メールを受信したならば(ステップS24)、制御回路21は、電子メールの受信完了時に、電子メールの受信を完了した旨の情報を外部表示器11に表示する(ステップS25)。図7(a)は、外部表示器11が電子メールの受信を完了した旨の情報を表示するときの画面の例である。図7(a)に示すように、バッテリの残量表示71、電波の受信状況表示72、電子メールの受信完了を示す封筒の画像74を表示してもよい。また、制御回路21は、発信者のメールアドレス、電子メールの表題、本文、および受信日時等をRAM22に保存する。
【0044】
制御回路21は、ステップS25に続いて、新着の電子メールが届いている旨の情報を外部表示器11に表示する(ステップS26)。すなわち、制御回路21は、図7(a)に例示する画面を所定の時間(例えば、2秒)表示した後、新着の電子メールが届いている旨を表示する。図7(b)は、電子メールが届いている旨の情報を外部表示器11が表示するときの画面の例である。制御回路11は、バッテリの残量表示71、電波の受信状況表示72、および封筒の画像74を表示してもよい。
【0045】
制御回路21は、電子メールが届いている旨の情報を外部表示器11に表示しているときに、開閉検出回路6から開検出信号が入力されたならば(ステップS27)、主表示器5に新着の電子メールが届いている旨の情報を表示する(ステップS28)。その後、再び携帯電話装置1が閉じられ閉検出信号が入力されたときに、再度、外部表示器11に電子メールが届いている旨の情報を表示してもよい。
【0046】
また、制御回路21は、ステップS26の後に開検出信号が入力されない場合において、電子メールに関する情報を自動的に外部表示器11に表示するか否かが設定される。この設定は、予めユーザによって行われる。
電子メールに関する情報を自動的に表示する設定がなされていないなら(ステップS29)、制御回路21は、サイドキー9を介して電子メールに関する情報の表示指示が入力され(ステップS30)、この指示に応じて外部表示器11に電子メールに関する情報を表示する(ステップS31)。
【0047】
一方、電子メールに関する情報を自動的に表示する設定がなされているならば、制御回路21は、ステップS26の後に開検出信号が入力されない場合に自動的に電子メールに関する情報を外部表示器11に表示する(ステップS31)。例えば、ステップS26の表示を開始してから所定の時間(例えば、2秒)開検出信号が入力されなければ、自動的に電子メールに関する情報を外部表示器11に表示する。
【0048】
なお、制御回路21は、電子メールに関する情報を自動的に外部表示器11に表示するか否かの設定機能を備えていなくてもよい。この場合、制御回路21は、サイドキー9を介して入力される指示に応じてステップS31の表示をする動作、あるいは、自動的にステップS31の表示をする動作の一方を行う。
【0049】
図7(c)は、ステップS31において外部表示器11が電子メールに関する情報を表示するときの画面の例である。図7(c)に示す例では、封筒の画像73とともに電子メールの発信者を表示している。制御回路21は、メールアドレスから特定される相手の名前をRAM22から抽出し、外部表示器11に表示する。電子メールに関する情報として、表題や本文の他に、発信者のメールアドレス、名前、受信日時等がある。制御回路21は、ステップS31において、表題、本文、発信者のメールアドレス、名前、受信日時等の各項目のみを表示しても、これらの項目の組み合わせを表示してもよい。
【0050】
制御回路21には、ステップS31において表示する項目が予め設定されている。この設定は、製造時に行われても、ユーザによって行われてもよい。ユーザによる設定の場合、制御回路21は、表題、本文、発信者のメールアドレス、名前、受信日時等のうち、ユーザが指定する項目を設定する。例えば、制御回路21は、予めユーザから表示すべき項目を入力され、ステップS31ではその項目を表示する。
【0051】
制御回路21は、表題、本文、発信者のメールアドレス、名前、受信日時等の各項目を外部表示器11に一度に表示できない場合、サイドキー9の操作によらずに、各項目の情報が順次、外部表示器11に現れ、移動し、消えていくように表示して、表示すべき情報全体を表示する。制御回路21は、一部の項目のみが移動するように表示してもよい。例えば、表題を同じ位置に表示し続け、本文のみが順次現れ、移動し、消えていくように表示してもよい。
【0052】
制御回路21は、サイドキー9から入力される指示にしたがい、スクロールして各項目の情報を表示してもよい。制御回路21は、サイドキー9から入力される指示に従って、各項目を順番に切り換えて表示してもよい。
【0053】
制御回路21は、電子メールに関する情報を外部表示器11に表示しているときに、開閉検出回路6から開検出信号が入力されたならば(ステップS32)、外部表示器11の表示を消去する(ステップS33)。そして、制御回路21は、より詳細な電子メールの情報を主表示器5に表示する(ステップS34)。制御回路21は、開検出信号が入力されたならば、ユーザによる操作なしで自動的に主表示器5に電子メールに関する情報を表示する。
【0054】
図7(d)は、ステップS31において、制御回路21が主表示器5に表示する情報の例を示す説明図である。後述するように、制御回路21は、複数のメールを受信した場合、受信した電子メール毎に表題等の各項目をRAM22に記憶する。図7(d)に示す例において、郵便受けの画像75とともに示される「受信[1/2]」という表示は2件の電子メールのうち1件目であることを示す。また、本例では、発信者の他、時計の画像77とともに受信日時を表示し、便箋の画像78とともに表題を表示している。また、下段に表示されている情報は、電子メールの本文である。また、この他に、バッテリの残量表示71、電波の受信状況表示72、封筒の画像74、既読であることを示す封筒の画像76を表示してもよい。
【0055】
主表示器5上の情報を消去する指示が、キー8から入力された場合、制御回路21は、主表示器5に表示していた電子メールに関する情報を消去し(ステップS35)、次の着信等を待ち受ける。この指示は、サイドキー9から入力されてもよい。また、制御回路21は、ステップS34において閉検出信号が入力されたときに(閉状態にされたときに)、主表示器5上の情報を消去して、次の着信等を待ち受けてもよい。
【0056】
また、制御回路21は、ステップS31の後、開検出信号が入力されなければ、外部表示器11に電子メールに関する情報を表示し続ける(ステップS36)。続いて、外部表示器11上の電子メールに関する情報を消去する指示が、サイドキー9から入力された場合、制御回路21は、外部表示器11に表示していた電子メールに関する情報を消去する(ステップS37)。そして、制御回路21は、再び待ち受け時の画面を外部表示器11に表示する。
【0057】
また、制御回路21は、ステップS31において電子メールに関する情報を外部表示器11に表示した後、所定の時間、開検出信号が入力されず、サイドキー9からの入力もない場合に、外部表示器11に表示していた情報を消去してもよい。制御回路21には、予め所定の時間が設定されている。この設定は、製造時に行われても、ユーザによって行われてもよい。ユーザによる設定の場合、制御回路21は、ユーザが指定する時間を設定してもよい。所定の時間が経過したことにより外部表示器11上の情報を消去した後には、制御回路21は、ステップS26と同様に新着の電子メールが届いている旨を外部表示器11に表示する。
【0058】
上記の例では、図7(b)に例示する表示(ステップS26の表示)を行ってから電子メールに関する情報を表示する場合を示したが、ステップS26を行わずにステップS27以降の動作を行ってもよい。
【0059】
なお、複数の電子メールを受信した場合には、制御回路21は、受信した電子メール毎に、表題等の各項目をRAM22に記憶する。そして、制御回路21は、ステップS31において、外部表示器11に最新の電子メールの情報を表示するものであってもよい。
【0060】
あるいは、制御回路21は、受信した複数の電子メールに関する情報を順次表示してもよい。例えば、制御回路21が、サイドキー9の操作によらずに、情報が順次、外部表示器11に現れ、移動し、消えていくように表示して、複数の電子メールの情報全体を表示してもよい。複数の電子メールについて表題や本文等の各項目を表示する場合、制御回路21は、サイドキー9から入力される指示に従い、複数の電子メールの情報をスクロールして表示してもよい。
また、制御回路21は、サイドキー9から入力される指示に従い最新の電子メールから順に表示を切り換えて、各電子メールの情報を表示してもよい。すなわち、制御回路21は、最新の電子メールに関する情報の表題や本文等をユーザの指示に従って表示し、サイドキー9を介して次の電子メールの表示指示が入力されたならば、一件前の電子メールに切り換えて同様の表示を行ってもよい。
【0061】
制御回路21は、ステップS31において複数の電子メールについての情報を表示しているときに、開検出信号が入力されたならば、開検出信号が入力された時点に外部表示器11に表示していた項目に対応する電子メールの詳細な情報を主表示器5に表示する。すなわち、複数の電子メールについて発信者の名前、表題、本文、受信日時等を外部表示器11に表示していて、X件目の発信者の名前等を表示したときに開検出信号が入力されたならば、制御回路21は、X件目の電子メールについての詳細な情報を主表示器5に表示する。
【0062】
このような携帯電話装置によれば、制御回路21は、携帯電話装置1が開かれたときに、外部表示器11に表示していた項目に対応する電子メールの詳細な情報を、主表示器5に表示するので、ユーザは携帯電話装置1を開いた後、キー8を操作しなくても主表示器で電子メールに関する情報を確認できる。複数の電子メールを受信した場合であっても、制御回路21は、外部表示器11に表示していた項目に対応する電子メールの詳細な情報を、主表示器5に表示するので、ユーザは、すぐに主表示器5で詳細な情報を確認することができる。したがって、ユーザが、サイドキー9を操作して所望の情報を外部表示器11に表示させれば、携帯電話装置1を開いてから再度所望の情報を主表示器5に表示させる操作を行う必要はない。
【0063】
なお、情報が順次、外部表示器11に現れ、移動し、消えていくように表示する場合において、制御回路21が情報を移動させる方向は、上下左右のいずれの方向であってもよい。また、斜め方向であってもよい。制御回路21は、各情報を移動させながら表示する際、一定の速度で情報が移動するように表示してもよい。一件分の情報や一項目分の情報が外部表示器11の中央に移動したときに一旦移動を停止して、再び移動を開始するように表示してもよい。さらに、文字等が点滅しながら移動するように表示してもよい。また、一件分あるいは一項目分の情報が外部表示器11の中央に移動するまでは、文字が点滅しながら移動するように表示し、中央で点滅および移動を一旦停止して、再び点滅しながら移動するように表示してもよい。
また、外部表示器11に情報をスクロールして表示する場合、スクロールの方向は、上下方向であっても、左右方向であっても、また、斜め方向であってもよい。
【0064】
上記の各例では、外部表示器11の表示に関する指示が入力されるキーが、携帯電話装置1の側面にサイドキー9として配置される場合を示したが、このキーを携帯電話装置1の第一の筐体3または第二の筐体4の背面(閉状態において外側を向く面)に設けてもよい。この場合、ステップS11,S18,S30,S37における操作や、外部表示器11上の画面をスクロールさせたりする操作等は、背面に設けられたキーを用いて行われる。そして、制御回路21は、背面に設けられたキーから入力される指示に応じて、外部表示器11上において情報の表示、消去、スクロール等を行う。また、ステップS16,S35における表示消去の指示が背面に設けられたキーから入力されてもよい。
【0065】
なお、閉状態から開状態に変化したときに、外部表示器11から主表示器5に切り替えられる情報は、着信や電子メールに関する情報に限定されない。他の情報を外部表示器11に表示していて、開検出信号が入力されたときに、その情報を主表示器5に表示してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明による移動体通信機の開いた状態の例を示す斜視図である。
【図2】本発明による移動体通信機の折り畳んだ状態の例を示す斜視図である。
【図3】本発明による移動体通信機の構成の例を示すブロック図である。
【図4】着信に関する情報を外部表示器と主表示器に表示する経過の例を示す流れ図である。
【図5】着信に対して着信応答がない場合に表示する画面の例である。
【図6】電子メールに関する情報を外部表示器と主表示器に表示する経過の例を示す流れ図である。
【図7】電子メールを受信した場合に表示する画面の例である。
【符号の説明】
【0067】
1 携帯電話装置
2 ヒンジ
3 第一の筐体
4 第二の筐体
5 主表示器
6 開閉検出回路
7 磁石
8 キー
9 サイドキー
10 アンテナ
11 外部表示器
21 制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の筐体、第2の筐体、表示制御部、指示入力部及び表示部を含み、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とが接続部で折り畳み可能に接続され、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とが折り畳まれたときに前記表示部が外側を向き前記指示入力部への入力が可能な折り畳み型移動体通信機であって、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とが折り畳まれたときに、前記指示入力部への入力により前記表示部が表示を行うことを特徴とする折り畳み型移動体通信機。
【請求項2】
第1の筐体、第2の筐体、表示制御部、指示入力部及び表示部を含み、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とが接続部で折り畳み可能に接続され、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とが折り畳まれたときに前記表示部が外側を向き前記指示入力部への入力が可能な折り畳み型移動体通信機であって、
前記表示制御部は、前記表示部の表示中に前記指示入力部への入力により前記表示部の表示を切り替えることを特徴とする折り畳み型移動体通信機。
【請求項3】
第1の筐体、第2の筐体、表示制御部、指示入力部及び表示部を含み、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とが接続部で折り畳み可能に接続され、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とが折り畳まれたときに前記表示部が外側を向き前記指示入力部への入力が可能な折り畳み型移動体通信機であって、
前記表示制御部は、前記表示部の表示中、所定時間ごとに前記表示部の表示を切り替えることを特徴とする折り畳み型移動体通信機。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一記載の折り畳み型移動体通信機であって、さらに筐体の開閉を検出する開閉検出部を含み、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とが開いたとき前記開閉検出部は開検出信号を出力することを特徴とする折り畳み型移動体通信機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2005−192225(P2005−192225A)
【公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−380067(P2004−380067)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【分割の表示】特願2001−79950(P2001−79950)の分割
【原出願日】平成13年3月21日(2001.3.21)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】