説明

移動体通信網用の呼ルーティング番号管理方法

分散交換システムを用いる移動体通信網で呼ルーティング番号を管理するための方法が提供される。交換システムは、交換システムの少なくとも1つのクラスタが、呼に一時的に関連付けられた呼ルーティング番号に基づいて入来呼をルーティングすることが可能なクラスタメンバを複数有するクラスタ構造を有する。規定された一連の呼ルーティング番号が、複数のクラスタメンバに分配される。管理方法は、共通データ構造を利用する。このデータ構造は、番号列の長さに等しい量の割り当てを規定し、各割り当ては、1つのクラスタメンバを、番号列の複数の番号の1以上の最小位桁と一意に関連付けるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して移動体通信網における呼ルーティングに関し、特には移動体通信網における呼ルーティング番号の管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
移動体通信網で呼ルーティングを処理する上での主な問題は、加入者の可動性によるものである。移動加入者は、ある交換機のサービスエリアから他の交換機のサービスエリアに自由に移動することができる。そのため、移動加入者にサービスを提供する交換機-呼ルーティングを含む交換機能を提供する交換機-は、変わりうる。しかし、被呼加入者を受け持つ交換機の変更は発呼加入者側からは分からない。被呼加入者がその「ホーム」交換機、すなわち被呼加入者を移動体通信網に登録した交換機のサービスエリア内に位置していても、別の交換機のサービスエリア内に位置していても、発呼加入者は常に、被呼加入者の同一の電話番号またはディレクトリ番号にダイアルする。この番号は通常、移動加入者ISDN(MSISDN)と呼ばれる。
【0003】
呼を被呼加入者にルーティングするため、移動体通信網の交換システムは、呼に一時的な番号を内部的に割り当て、呼を終端交換機(すなわち、発呼時に被呼加入者にサービスを提供している特定の交換機)にルーティングするためにこの一時的な番号を用いる。MSISDNとは異なるこの一時的な番号は、移動機ローミング番号(MSRN)と呼ばれることが多い。MSRNは、地理的番号計画に関連するのが通常であり、加入者に割り当てられることもなければ、また加入者が知ることもできない。割り当てられたMSRNは、呼が正しく終端交換機にルーティングされるまで、呼に一時的に関連付けされた状態を保つ。要するに、移動機終端呼に(一時的に)割り当てられるMSNRを用いることにより、移動体通信網の交換システムは被呼加入者にサービスを提供している終端交換機まで呼をルーティングすることができる。
【0004】
ハンドオーバについても同様の仕組みが用いられ、この場合一時的な番号はハンドオーバ番号(HON)と呼ばれる。アンカー交換機から被アンカー交換機へのハンドオーバに関し、HONは上述したMSRNと同様の目的を満たし、また同様の仕組みを用いる。
【0005】
本明細書との関連で言えば、MSRNおよびHONはいずれも、呼をその宛先までルーティングまたは方向付けするために機能するものであるため、呼ルーティング番号の例である。呼ルーティング番号は通常、順番に用いられる。呼ルーティング番号列のおのおのは、所定数の呼ルーティング番号を有する。従来、この所定量は例えば100に固定されていた。
【0006】
分散コンピューティングの進歩とともに、移動体通信網には、交換機が次々と分散システムとして実装されている。この分散システムはスイッチクラスタとも呼ばれる。分散コンピューティングの言葉で「クラスタ」は、多くの局面において単独のコンピュータ機器として見えるように緊密に連携して動作する、緩く接続されたコンピュータ機器の一群である。クラスタは通常複数のクラスタメンバまたはブレードを有する。クラスタメンバは、場所や電源等についてスタンドアローン機器の所定の機能を欠くほかは、1つのコンピュータとして見なすに足りる全ての必須機能部品を有するコンピュータ機器である。原則として、スイッチクラスタのクラスタメンバは従前のスタンドアローンタイプの交換機と全く同じ交換機能を実行可能である。例えば、クラスタメンバは移動機起点トラフィックの処理、入来呼の受信、入来呼の、その被呼加入者にサービスを提供しているスイッチクラスタへのルーティングがそれぞれ可能であり、被呼加入者をクラスタメンバ自身でサービスを提供している場合には、入来呼を終端することがさらに可能である。
【0007】
クラスタパラダイムの適用により、交換機は複数のクラスタメンバを有するスイッチクラスタとして構成することが可能になる。スイッチクラスタの具体例は、MSCブレードクラスタ(MSC BC)、MSCサーバブレードクラスタ(MSC SBC)などを含み、従ってクラスタメンバはMSCブレード、MSC-Sブレードなどであってよい。クラスタ手法は、スタンドアローンタイプの交換機によってサービスが提供されるサービスエリアを、非常にコンパクトなスイッチクラスタで受け持つことを可能にするという効果を有する。これにより、負荷の平準化と高い利用可能性といった利点が得られる。例えば、各クラスタメンバの負荷を可能な限り等しく保つため、分散メカニズムはスイッチクラスタのサービスエリアによってサービスを提供されている全ての加入者を、全てのクラスタメンバに渡って分配する。
【0008】
スイッチクラスタ内の各クラスタメンバは、終端/ハンドオーバ呼を正しいクラスタメンバに方向付けできるように、これらの呼に対して専用の呼ルーティング番号を用いるであろう。特別な仕組みが、専用スイッチクラスタに一式の呼ルーティング番号列を割り当てる。この結果、スイッチクラスタは自身が所有する番号列からだけ呼ルーティング番号を割り当てる。
【0009】
呼ルーティング番号管理のための既存の手法は、様々な問題に悩まされている。例えば、(例えば容量を増強するために)クラスタメンバを増やすには、少なくとも1つの呼ルーティング番号列が新たに必要となる。これは、新たな呼ルーティング番号列を網内でルーティングするための網(特にスイッチクラスタ外の部分)の構成に影響を与える。
【0010】
さらに、nのクラスタメンバを有するクラスタ全体の容量が、使用されるトラフィックプロファイルに照らしてnの呼ルーティング番号列を必要としない場合であっても、各クラスタメンバが少なくとも1つの呼ルーティング番号列を必要とする。クラスタメンバあたり1つの番号列では足りない場合、クラスタメンバあたり少なくとも2つの番号列を規定する必要がある。これは、番号列の増加がもっと少なくても(例えば50%でも)十分な場合であっても、番号列の量を少なくとも倍増させる。他の機能はエンティテイごとに専用呼ルーティング番号列を必要とする(例えばロケーションエリアごとのMSRN)。例えば、mのエンティテイを有する場合、mのMSRN番号列が必要となる。結果として、nのクラスタメンバを有するスイッチクラスタでは、機能的な理由だけでn*mのMSRN番号列が必要となり、明らかにリソースの浪費である。
【発明の概要】
【0011】
従って、分散交換システムにおいて呼ルーティング番号をより経済的かつ柔軟な方法で管理するための技術が必要とされている。
【0012】
この要望を満たすため、スイッチクラスタ内の複数のクラスタメンバに関して規定される呼ルーティング番号列の番号を自動的に管理するための方法が提供される。この方法は、MSRN、HON等を含む、いかなる種類の呼ルーティング番号についても適用可能である。以下に説明するように、この方法はとりわけ、容量の観点からは必要ないにも関わらず、アーキテクチャおよび/または機能的な目的によって呼ルーティング番号列のサイズが大きくなりすぎることを回避する。この方法は移動体通信網において実施されるであろう。移動体通信網は少なくとも1つのクラスタを含む交換機を有し、クラスタは複数のクラスタメンバを有する。各クラスタメンバは入来呼を、呼に関連付けられた一時的な番号に基づいて、クラスタメンバ(自身)によってサービスを提供している被呼加入者または、他のクラスタメンバにルーティングすることができる。
【0013】
第1の見地によれば、移動体通信網用の呼ルーティング番号列を管理するためのデータ構造が提供される。このデータ構造は、番号列の長さに等しい量の割り当てを規定し、各割り当ては、クラスタメンバを番号列の複数の番号の1以上の最小位桁と一意に関連付ける。
【0014】
このデータ構造において、各割り当ては関連付けられたクラスタメンバの識別情報、すなわち「クラスタメンバID」を有することができる。さらに、割り当て自体が、複数の番号の1以上の最下位桁によって特定可能であってもよい。例えば、割り当てにはインデックスが付与され、この複数のインデックスは複数の番号の1以上の最下位桁と同一であってよい。複数のクラスタメンバと複数の番号の1以上の最下位桁との関連は、無作為または疑似的に無作為であってよい。
【0015】
別の見地によれば、移動体通信網用の呼ルーティング番号を分配するための方法が提供される。この方法は、入来呼をルーティングするために複数のクラスタメンバによって用いられる複数の呼ルーティング番号を有する番号列を用意する工程と、前記用意された番号列の長さに等しい量の割り当てを規定する第1のデータ構造を用いて、前記複数のクラスタメンバに前記複数の番号を分配する工程とを有し、各割り当ては1つのクラスタメンバを前記番号列の複数の番号の1以上の最下位桁と関連付ける。
【0016】
この方法はさらに、そのようなデータ構造をさらに1以上用いて、1以上の前記複数のクラスタメンバ間での番号分配を平準化する工程を有してもよい。使用されるデータ構造の総数は、クラスタ内のクラスタメンバ数と等しくてもよい。
【0017】
第1のデータ構造に基づいて別のデータ構造が規定されてもよい。例えば、追加データ構造は、第1のデータ構造内の各クラスタメンバ識別情報を追加データ構造内の別のクラスタメンバ識別情報で置換することによって規定することができる。この置換は、置換されるクラスタメンバ識別情報と置換するクラスタメンバ識別情報との間の固定関係に従ったものである。別の例では、追加データ構造は、第1のデータ構造における特定のクラスタメンバ識別情報を追加データ構造における別のクラスタメンバ識別情報で置換することによって規定することができる。
【0018】
第3の見地によれば、移動体通信網のスイッチクラスタのクラスタメンバで用いるための呼ルーティング番号を決定するための方法が提供される。この方法は、クラスタメンバに呼ルーティング番号列を提供する工程と、提供された番号列の長さに等しい量の割り当てを規定するデータ構造であって、各割り当てがクラスタメンバを番号列の複数の番号の1以上の最下位桁と一意に関連付けるデータ構造を調べる工程と、クラスタメンバの識別情報に従ってデータ構造から割り当てを選択する工程と、クラスタメンバに用いられる呼ルーティング番号を形成するため、番号列と、選択された割り当てに関連付けられた1以上の最下位桁とを合成する工程とを有する。
【0019】
第4の見地によれば、呼をルーティングするためのクラスタメンバを決定するための方法が移動体通信網のために提供される。この方法は、クラスタに、呼ルーティング番号列に属する呼ルーティング番号を提供する工程と、提供された番号から番号列を抽出する工程と、抽出された番号列の長さに等しい量の割り当てを規定するデータ構造であって、各割り当てがクラスタメンバを番号列の複数の番号の1つ以上の最小桁と一意に関連付けるデータ構造を提供する工程と、提供された番号から1以上の最小位桁を抽出する工程と、抽出された1以上の最下位桁に従ってデータ構造の割り当てを探索する工程と、1以上の最下位桁とクラスタメンバ間の関連に従ってクラスタメンバを決定する工程とを有することを特徴とする。
【0020】
データ構造は、番号列にハッシュ関数を適用することによって生成されてもよい。別の態様として、データ構造はクラスタのクラスタメンバ数を法として番号列をハッシュすることで生成されてもよい。さらに、第3および第4の見地に係る方法で、同じハッシュ関数を用いてもよい。
【0021】
他の見地によれば、コンピュータプログラム製品が提供される。コンピュータプログラム製品は、コンピュータプログラム製品がコンピュータ、移動体通信網の交換機、または移動体通信網の交換機の1以上の構成要素で実行された際に、ここで説明するいずれかの方法の工程を実行するためのプログラムコード部分を有する。本明細書で提示される方法は、ハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェア/ソフトウェアの組み合わせ手法によって実施することができる。ソフトウェアの態様に関し、コンピュータプログラム製品はコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されてよい。
【0022】
さらに別の見地によれば、移動体通信網のための交換機が提案される。スイッチクラスタのクラスタメンバに関し、入来呼をルーティングするために用いられる複数の番号を有する番号列が提供され、番号列の番号は複数のクラスタメンバで分配される。具体的には、クラスタは、番号列の長さに等しい量の割り当てを規定する第1のデータ構造を用いて複数のクラスタメンバに番号を分配するように構成される。各割り当ては、クラスタメンバを番号列の複数の番号の1以上の最小位桁と一意に関連付ける。
【0023】
クラスタはさらに、そのようなデータ構造をさらに1以上用いて、複数のクラスタメンバ間での番号分配を平準化するように構成されてもよい。別の態様として、最適レベルに番号分配を平準化するため、クラスタはクラスタ内のクラスタメンバと同数のデータ構造を用いるように構成されもよい。
【0024】
さらに、スイッチクラスタは第1のデータ構造に基づいて追加データ構造を規定するように構成されてもよい。例えば、クラスタは、第1のデータ構造内の各クラスタメンバ識別情報を追加データ構造内の別のクラスタメンバ識別情報で置換することによって追加データ構造を規定するように構成されてもよい。この置換は、置換されるクラスタメンバ識別情報と置換するクラスタメンバ識別情報との間の固定関係に従ったものである。別の例では、クラスタは、第1のデータ構造内の特定のクラスタメンバ識別情報を追加データ構造内の別のクラスタメンバ識別情報で置換することによって追加データ構造を規定するように構成されてもよい。
【0025】
さらに別の見地によれば、移動体通信網のための交換機が提案される。交換機は少なくとも1つのクラスタを含み、クラスタは複数のクラスタメンバを有する。入来呼をルーティングするためにクラスタメンバが用いる複数の番号を有する番号列が、クラスタメンバに提供される。交換機は、提供された番号列の長さに等しい量の割り当てを規定するデータ構造であって、各割り当てが1つのクラスタメンバを番号列の複数の番号の1以上の最下位桁と一意に関連付けるデータ構造を調べるように構成される。交換機はさらに、クラスタメンバの識別情報に従ってデータ構造から割り当てを選択し、クラスタメンバに用いられる呼ルーティング番号を形成するため、番号列と、選択された割り当てに関連付けられた1以上の最下位桁とを合成するように構成される。
【0026】
さらに別の見地によれば、移動体通信網のための交換機が提案される。交換機は少なくとも1つのクラスタを含み、クラスタは複数のクラスタメンバを有する。入来呼をルーティングするためにクラスタメンバによって用いられる、呼ルーティング番号列に属する呼ルーティング番号がクラスタに提供される。交換機は、提供された番号から番号列を抽出し、抽出された番号列の長さに等しい量の割り当てを規定するデータ構造であって、各割り当てがクラスタメンバを番号列の番号の1つ以上の最小桁と一意に関連付けるデータ構造を提供し、提供された番号から1以上の最小位桁を抽出し、抽出された1以上の最下位桁に従ってデータ構造の割り当てを探し、1以上の最下位桁とクラスタメンバ間の関連に従ってクラスタメンバを決定する、ように構成される。
【0027】
ここで提案されるクラスタは、番号列にハッシュ関数を適用して個々のデータ構造を生成するように構成されてもよい。変形物として、クラスタは、クラスタのクラスタメンバ数を法として番号列をハッシュすることにより個々のデータ構造を生成するように構成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】呼ルーティング番号の管理のためのシステム概要を説明するための交換機の実施形態を示す図である。
【図2】呼ルーティング番号を管理するために用いられるデータ構造の第1の実施形態を示す図である。
【図3】規定された番号列の呼ルーティング番号を、スイッチクラスタの複数のクラスタメンバに分配する方法の第1の実施形態を示す図である。
【図4】呼ルーティング番号を管理するために用いられるデータ構造の第2の実施形態を示す図である。
【図5】呼ルーティング番号を管理するために用いられるデータ構造の第3の実施形態を示す図である。
【図6】スイッチクラスタのクラスタメンバが用いる呼ルーティング番号を決定するための方法の第2の実施形態を示す図である。
【図7】図6に係る方法の第2実施形態の具体例を示す図である。
【図8】呼をルーティングするためのクラスタメンバを決定する方法の第3の実施形態を示す図である。
【図9】図8に係る方法の第3実施形態の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明を図面に示した実施形態に関して説明する。
以下では、限定ではなく説明を目的とし、本明細書で提示される方法の完全な理解を提供するために具体的な詳細を述べる。本技術分野の当業者には、本発明がそれら具体的な詳細とは離れた他の実施形態において実施されうることが明らかであろう。例えば、図1の特定のネットワーク配置に関して例示的な実施形態を説明するが、本技術分野の当業者には、方法が他のタイプのネットワーク配置にも等しく適用可能であることが容易に理解可能である。また、例示的な実施形態がMSRN番号およびMSRN番号列に関して主に説明されるが、ここに提示する方法はHON番号およびHON番号列にも等しく適用可能である。
【0030】
本技術分野の当業者はさらに、ここで説明する機能が、ハードウェア回路、ソフトウェア手段、またはそれらの組み合わせを用いて実施されうることを理解するであろう。ソフトウェア手段は、特定用途向け集積回路(ASIC)および/またはディジタル信号プロセッサ(DSP)を用いる、プログラミングされたマイクロプロセッサまたは汎用コンピュータと組み合わされてもよい。本発明が方法として説明される場合、コンピュータプロセッサおよび、プロセッサに接続され、プロセッサによって実行された際に方法を実行する1つ以上のプログラムがエンコードされたメモリにおいても実施可能であることが理解されよう。
【0031】
システム概要として、図1は、GSM(登録商標)またはW-CDMAネットワークのような移動体通信網(図示せず)のための交換機10の一実施形態を示している。交換機10はクラスタ12を含んでいる。図の簡潔さのため、図1には1つのクラスタのみを示しているが、交換機10は複数のクラスタを有することができる。
【0032】
クラスタ12はそれぞれ「ID」で特定される複数のクラスタメンバ14,16,18等を有する。例えば、図1に示すクラスタメンバ14,16,および18は、それぞれ「0」,「1」,および「4」がIDとして与えられている。14のような各クラスタメンバは、図1で20として示される入来呼を、正しい宛先にルーティングすることができる。宛先は入来呼20を受信するクラスタメンバ14がサービスを提供している被呼加入者か、16や18といった他のクラスタメンバである。
【0033】
呼のルーティングは呼20に関連付けられた一時的な番号22に基づいて実行される。一時的な番号はMSRNのように呼20に対して交換機10が一時的に割り当てる呼ルーティング番号であってよい。複数のクラスタメンバ14,16,および18に対し、入来呼をルーティングするために呼ルーティング番号列が提供される。番号列は24で示されており、一連の番号24−0,24−1,...,24−nを有している。破線の矢印で示すように、番号列24の複数の番号は複数のクラスタメンバ14,16,および18に分配される。
【0034】
図1における番号列24の複数の番号の分配は様々な方法で実現できる。図2に、データ構造26を用いて複数のクラスタメンバに複数の番号を分配する実施形態を示す。理解を容易にするため、図2の左側に示すように番号列24が10個の番号を含んでいるものとする。限定ではなく説明を目的として、番号は以下に示すように規定される。
24-0: 123450
24-1: 123451
24-2: 123452
24-3: 123453
24-4: 123454
24-5: 123455
24-6: 123456
24-7: 123457
24-8: 123458
24-9: 123459
従って、番号列24は「12345x」と表すことができる。
【0035】
データ構造26は、規定された番号列の複数の番号を、複数のクラスタメンバ(例えば図1に示したクラスタメンバ14、16、および18)に分配または割り当てるために提供される。データ構造26は、番号列の長さに等しい量の割り当て、換言すれば、番号列内の総番号数を規定する。各割り当ては、あるクラスタメンバを、番号列の複数の番号の1以上の最小位桁と一意に関連付ける。
【0036】
図2でデータ構造26は表の形式を有するが、他の任意の適切な形式が適用可能である。データ構造26では、0から9のインデックスが付された10のテーブルエントリで示されるように、10個の割り当てが規定されている。割り当ての量は番号列24の長さに等しく、それもまた10である(番号列24は10個の番号を有する)。データ構造26において、各割り当ては、1つのクラスタメンバを、分配される番号列の複数の番号の1以上の最小位桁と一意に関連付ける。例えば、図2に示すように、(所定のインデックスを有する)所定の割り当てに対応するテーブルエントリは、特定のクラスタメンバの識別情報を有している。
【0037】
上述したように、クラスタメンバは自身の「ID」によって特定されてよい。クラスタメンバ14,16,および18のIDがそれぞれ「0」,「1」,および「4」であり、「0」,「1」,および「4」がデータ構造26の複数のテーブルエントリに割り当て/分配されているとする。クラスタメンバ「0」,「1」,および「4」は、番号列の複数の番号の最小位桁に関連付けられる。最も簡単な変形物は、複数のクラスタメンバを番号列の複数の番号の最小位桁(1桁)と関連付けることである。図2の番号列24に関し、10個の番号の最小位桁はそれぞれ0,1,2,...,9である。図2に示す具体的な実施形態において、ID「0」を有するクラスタメンバ14はインデックス0を有するテーブルエントリに配置され、クラスタメンバ14が番号列24の番号123450の最小位桁「0」に関連付けられていることを示している。ID「1」を有するクラスタメンバ16はインデックス1を有するテーブルエントリに配置され、クラスタメンバ16が番号列24の番号123451の最小位桁「1」に関連付けられていることを示している。ID「4」を有するクラスタメンバ18はインデックス3を有するテーブルエントリに配置され、クラスタメンバ18が番号列24の番号123453の最小位桁「3」に関連付けられていることを示している。他の場合についても同様である。
【0038】
なお、図面および関連する実施形態の説明には1つの最小位桁のみを用いているが、2以上の最小位桁もまた同様に用いられてよく、その場合でも割り当てとクラスタメンバとの関連の原理は共通である。
【0039】
以下では、図1から図5を参照して、例えば図1に示すようなスイッチクラスタ内の複数のクラスタメンバ間における、規定された番号列の複数の番号の割り当てを、データ構造の様々な実施形態がどのように促進可能なのかを示すための具体例を説明する。交換機10のクラスタ構成は図1に関してすでに説明した。スイッチクラスタ12は、規定された番号列、例えば図2に示す番号列24(または「12345x」)の複数の番号を分配するように構成されている。図3は、この分配をどのように行うことができるかの一方法を説明する、方法の実施形態30を示す。
【0040】
方法30は以下の基本的な手順を有する。最初に、図3の32に示すように、複数の番号24−0,24−1,24−2,等を有する番号列24がクラスタ12に提供される。これらの番号は、クラスタ12のクラスタメンバ14,16,および18によって、入来呼をルーティングするために用いられる。次に、ステップ34で、これらの番号が、データ構造手段を用いてクラスタメンバ14,16,および18に分配される。図2に示したデータ構造26はデータ構造の第1実施形態である。このデータ構造は番号列24の複数の番号を分配するために使用可能であり、かつ以下のようにして構築することができる。
【0041】
まず、クラスタ12は、規定された番号列の長さに等しい複数の要素(すなわちテーブルエントリ)を有する表を計算する。表は、クラスタ12のクラスタメンバのIDを格納している。各クラスタメンバが独立して表を計算できるよう、クラスタ12はテーブルの計算に無作為な、あるいは疑似的に無作為な分配アルゴリズムを用いることが好ましい。番号列あたり10の番号と、ID「0」,「1」,および「4」を有する3つのクラスタメンバを有する表の例が、図2のデータ構造26によって示されている。
【0042】
表のインデックスは番号列の最小位桁と等しく設定されている。10の番号を有する番号列12345xを用いる例では、番号123450は図2の実施形態に従ってID「0」を有するクラスタメンバに割り当てられるであろう。同様に、番号123451はID「1」を有するクラスタメンバに、番号123452はID「0」を有するクラスタメンバにそれぞれ割り当てられるといった具合である。
【0043】
図4の40は、番号列24の番号を分配するために用いることのできるデータ構造の別の実施形態を示す。「基本」データ構造と見なしてもよい図2のデータ構造26と比較すると、データ構造40はより複雑でより平準化された分配を促進することができる。図2の「基本」データ構造26から分かるように、ID「1」を有するクラスタメンバは4回割り当てられているが、もう一方のクラスタメンバは3回しか割り当てられていない。同じタイプ(例えばMSRNS)の複数の番号列が同じ「基本」データ構造(例えば26)を用いうる場合にこのわずかな不均衡が重大化しないよう、図4に27および28で示す、「基本」データ構造26に似た1つ以上の追加データ構造を規定することができる。追加データ構造27、28の各々は、「基本」データ構造と同じ原理で規定されている。すなわち、追加データ構造27、28の各々は、番号列の長さに等しい量の割り当てを規定し、割り当ての各々は1つのクラスタメンバを番号列の複数の数の1以上の最下位桁と関連付ける。1つの実装では、「基本」データ構造26を含んだ総数nのデータ構造が、クラスタのクラスタメンバ数に等しいnを用いて計算される。このようなnのデータ構造(26,27,および28)全体で、図4に示す「合成」データ構造40を形成する。
【0044】
「基本」データ構造26は図2に関して上述したように計算することができるが、追加データ構造27、28の各々は、その後で、かつ過去のデータ構造を基礎として計算することができる。後続のデータ構造を計算するために使用可能な多くの仕組みの1つは、置換されるクラスタメンバIDと置換するクラスタメンバIDとの固定関係を用いて、データ構造内の各クラスタメンバIDを他のクラスタメンバIDで置換することである。図4に示す実施形態において、おそらくクラスタメンバIDは次に大きなクラスタメンバIDと置換され、最も大きなクラスタメンバIDは最初のクラスタメンバIDと置換されるであろう。ID「0」,「1」,および「4」を有する3つのクラスタメンバを有する例では、クラスタメンバID「0」がクラスタメンバID「1」で、クラスタメンバID「1」がクラスタメンバID「4」で、クラスタメンバID「4」がクラスタメンバID「0」で、それぞれ置換されることになる。データ構造40を用いることで、番号列の複数の番号への複数のクラスタメンバIDの割り当てを平準化することができ、各クラスタメンバは同量の数の割り当てを受けるであろう。
【0045】
図5は、さらなる利点を提供する合成データ構造50の別の実施形態を示す。この合成データ構造50は、3つのデータ構造29,29’,および29”を有する。「最初の」データ構造29は、図2に示したデータ構造26と同一であり、「不均衡部分」と示されるテーブルエントリが付加されている。後続のデータ構造29’および29”は、「不均衡部分」のテーブルエントリの内容が異なることを除き、データ構造29と同一である。
【0046】
データ構造の実施形態50は、規定された番号列の複数の番号が複数のクラスタメンバに分配される際の、クラスタメンバの容量の考慮を容易にする。1つの実装においては、おそらく最初のデータ構造29は複数のクラスタメンバの相対容量を考慮して計算され、後続のデータ構造29’および29”は不均衡テーブルエントリだけを別のクラスタメンバIDで置換するであろう。例えば、最初のデータ構造29のうち、クラスタメンバID「1」を格納している1つのテーブルエントリだけが、後続のデータ構造29’および29”において別のクラスタメンバIDに置換されるであろう。この手法に従ったデータ構造29,29’,および29”の一式を、図5に示す「合成」データ構図50と見なす。このデータ構造50を用いることで、より多くの容量を有するクラスタメンバは、より少ない容量を有するクラスタメンバよりも多くの番号の割り当てを得るであろう。
【0047】
ここで検討したデータ構造は、呼ルーティング番号を複数のクラスタメンバに分配するためだけでなく、そのような番号の他の管理タスクにも用いることができる。例えば、データ構造は所定の番号列に属する特定の番号を、この番号に割り当てられたクラスタメンバに基づいて選択することを容易にすることができる。このさらなる見地についての詳細は、以下で説明する。
【0048】
別の方法の実施形態60と、方法の実施形態60の具体例70をぞれぞれ示す図6および図7を参照して、所定のクラスタメンバに基づいて所定の番号列の番号を選択する仕組みについて説明する。これらの実施形態は図1から図5に関して上述した実施形態と組み合わせることもできる。選択の仕組みは例えばMSRNまたはHON割り当てのために必要となる。番号の選択のための入力は、所定の予め定められた番号列である。
【0049】
図1に示す交換機10は、図6に示す方法の実施形態60を実行するように構成されてよい。方法の実施形態600は以下の工程を有する。最初に、ステップ62で、入来呼をルーティングするための所定のクラスタメンバに番号列が提供される。次にステップ64で、交換機10は、1つのクラスタメンバを番号列の複数の番号の1以上の最小位桁と一意に関連付ける割り当てを、番号列の長さに等しい量規定するデータ構造を調べる。その後、ステップ66で交換機10は、クラスタメンバの識別情報に従って、データ構造から割り当てを選択する。最後にステップ68で交換機10は、そのクラスタメンバで用いるための呼ルーティング番号を形成するために、番号列を、選択された割り当てに関連付けられた1以上の最下位桁と合成する。
【0050】
この方法のより詳細な理解のために、図7は方法の実施形態60の具体例70を示している。例70によれば、クラスタメンバ(例えばID「4」を有するクラスタメンバ18)によって番号を選択するための最初の工程は、番号を選択すべきデータ構造を決定するための工程である。これは、各番号列が番号選択のために所定の表を用いるように、番号列にハッシュアルゴリズムを適用することで行われる。そのため、
番号列 mod クラスタメンバ数
という演算また他の演算を用いることができる。
【0051】
図2に示す番号列24(12345x)を用いる例において、決定されるデータ構造は、以下の式により、最初のデータ構造26(図2および図4参照)となるであろう。
12345 mod 3 = 0 → データ構造26
【0052】
2番目の工程は、自身のクラスタメンバIDを格納する割り当て(例えばテーブルエントリ)を選択するためのものである。番号列(番号列の、インデックスより上位の複数桁)とともに用いられる、選択された割り当てのインデックスが、選択される番号である。機能に固有な必要条件に応じてインデックスを選択する(さらにそのインデックスによって番号を選択する)ためのロジック、例えば番号列から1つの呼ルーティングを選択するためのロジックは、アイドル状態の呼ルーティング番号(すなわち、現在割り当てられていない呼ルーティング番号)だけを考慮するであろう。図2に示すような、番号列24(12345x)と決定されたデータ構造26とを用いる例において、ID「4」を有するクラスタメンバは図2に従ってインデックス5を有する割り当てを選択することができる。
【0053】
図7に示すように、3番目の工程は、番号列と選択されたインデックスとを合成して番号にする工程である。番号列24(12345x)と選択されたインデックス5とを用いる例では、最終的に得られる番号は123455である。この番号は、ID「4」を有するクラスタメンバに登録された移動加入者についての移動機終端呼について関連付けられたホームロケーションレジスタ(HLR)によって呼ルーティング番号が要求された場合、ID「4」を有するクラスタメンバによって用いることができる。
【0054】
さらに別の方法の実施形態80と、方法の実施形態80の具体例90をぞれぞれ示す図8および図9を参照して、番号列の所与の呼ルーティング番号に対する正しいクラスタメンバを決定する仕組みについて説明する。これらの実施形態は図1から図7の実施形態と組み合わせることができる。この決定の仕組みは例えば、MSRNが受信された際に、移動機終端呼に対するクラスタメンバを決定するために必要となる。
【0055】
図1に示す交換機10は、図8に示す方法の実施形態80を実行するように構成されてよい。方法の実施形態80は以下の工程を有する。まずステップ81で、クラスタ12に、呼ルーティング番号列に属する呼ルーティング番号が提供される。次にステップ82で、交換機10は提供された番号から番号列を抽出する。そして、ステップ83で、1つのクラスタメンバを番号列の複数の番号の1以上の最小位桁と一意に関連付ける割り当てを、番号列の長さに等しい量規定するデータ構造が規定される。その後ステップ84で交換機10は、提供された番号から1以上の最小位ビットを抽出する。続くステップ85で交換機10は、抽出した1以上の最小位ビットに従って、データ構造の割り当てを探索する。最後にステップ86で、1以上の最下位ビットとクラスタメンバとの関係に従って、目的のクラスタメンバが決定される。
【0056】
この仕組みをより詳細に理解するため、方法の実施形態80の具体例90を図9に示す。方法の例90によれば、最初の工程は、クラスタメンバIDを決定すべきデータ構造を決定するための工程である。
【0057】
これは番号から番号列を抽出し、図6および図7に関して上述した、番号の選択に用いられたものと同じハッシュアルゴリズムを番号列に適用することによって実行される。呼ルーティング番号123455を用いる例において、抽出された番号列は(図2に示すように)12345xである。決定されるデータ構造は、以下の式により、(図4に示すような)第1のデータ構造26である。
12345 mod 3 = 0 → データ構造26
【0058】
これが行われる際、2番目の工程は番号からデータ構造インデックスを抽出する工程である。呼ルーティング番号123455を用いる例に続き、抽出されるインデックスは図7に示すように5である。
【0059】
3番目の工程は、決定されたデータ構造の決定されたインデックスで、クラスタメンバIDを探す工程である。決定されたデータ構造26および決定されたインデックス5を用いる例では、図2および図4に従って、決定されるクラスタメンバIDは「4」である。これは、番号123455がID「4」を有するクラスタメンバに属する事を意味する。この番号を有する移動機終端呼がクラスタで受信された場合、123455を割り当てたクラスタメンバとしてID「4」を有するクラスタメンバを決定することが可能であり、そのクラスタメンバがその終端呼を処理しなければならない。
【0060】
上述の様々な実施形態から明らかであろうが、新たな番号列を規定せずにクラスタメンバを追加することができる。上述した例に従えば、ID「5」を有する新たなクラスタメンバが追加される場合、クラスタメンバID「0」,「1」,「4」,および「5」を格納するように分配データ構造を規定あるいは再規定することができる。ID「5」を有する新たなクラスタメンバに属する番号の選択は、データ構造も新たなクラスタメンバID「5」を有するエントリを有しているため、上述した方法と同様に機能する。
【0061】
新たな番号列を規定する必要がないため、クラスタメンバの追加はまた、移動体通信網における再設定を必要とせずに実施可能である。結局、新たなメンバを考慮する必要がないため、網内のルーティングを変更する必要がない。
【0062】
規定される番号列の数(例えば、MSRN番号列またはHON番号列)は、交換機の容量には依存するが、クラスタメンバの数に静的に依存するわけではない。それにより、リソースの浪費を防いでいる。新たな番号列を規定する必要がないため、既存のトラフィックをより多くのクラスタメンバで共有できるように新たなクラスタメンバを追加することができる。必要な番号列の量は、クラスタ全体の総トラフィック量にのみ依存し、トラフィックを共有するクラスタメンバの数には依存しない。
【0063】
本発明に係る方法を上述の実施形態に関して説明してきたが、この説明が例示のみを目的としたものであることを理解すべきである。従って、本発明は添付の請求項の範囲によってのみ限定されることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのクラスタ(12)を含んだ交換機(10)を有する移動体通信網のための、複数の呼ルーティング番号(24-0,24-1,...,24-n)の列(24)を管理するためのデータ構造(26)であって、前記クラスタ(12)は複数のクラスタメンバ(14,16,18)を有し、前記複数のクラスタメンバ(14,16,18)の各々は、入来呼に関連付けられた一時的な番号(22)に基づいて前記入来呼を前記クラスタメンバ(14,16,18)がサービスを提供する被呼加入者または他のクラスタメンバ(14,16,18)にルーティングすることが可能であり、前記データ構造(26)が、前記番号列(24)の長さに等しい量の割り当てを規定し、前記割り当ての各々が、1つのクラスタメンバを前記番号列(24)の前記複数の番号の1以上の最小位桁に一意に関連付けることを特徴とするデータ構造。
【請求項2】
前記割り当ての各々が、前記関連付けられたクラスタメンバ(14,16,18)の識別情報を有することを特徴とする請求項1に記載のデータ構造(26)。
【請求項3】
さらに、前記複数の割り当てが、前記複数の番号(24-0,24-1,...,24-n)の1以上の最下位桁によって特定可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のデータ構造(26)。
【請求項4】
前記複数の割り当てにはインデックスが付与され、前記複数のインデックスは前記複数の番号(24-0,24-1,...,24-n)の1以上の最下位桁と同一であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のデータ構造(26)。
【請求項5】
前記複数のクラスタメンバ(14,16,18)と前記複数の番号(24-0,24-1,...,24-n)の1以上の最小位桁とが、無作為または疑似的に無作為に関連付けられることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のデータ構造(26)。
【請求項6】
少なくとも1つのクラスタ(12)を含んだ交換機(10)を有する移動体通信網のための、複数の呼ルーティング番号を分配するための方法(30)であって、前記クラスタ(12)は複数のクラスタメンバ(14,16,18)を有し、前記複数のクラスタメンバ(14,16,18)の各々は、入来呼に関連付けられた一時的な番号(22)に基づいて前記入来呼を前記クラスタメンバ(14,16,18)がサービスを提供する被呼加入者または他のクラスタメンバ(14,16,18)にルーティングすることが可能であり、
前記方法(30)が、
複数の入来呼(20)をルーティングするために前記複数のクラスタメンバ(14,16,18)によって用いられる複数の番号(24-0,24-1,...,24-n)、を有する番号列(24)を提供する工程(32)と、
前記番号列(24)の長さに等しい量の割り当てを規定する第1のデータ構造(26)を用いて、前記複数の番号を前記複数のクラスタメンバ(14,16,18)に分配する工程(34)とを有し、
前記複数の割り当ての各々が、1つのクラスタメンバを前記番号列(24)の前記複数の番号の1以上の最小位桁と一意に関連付けることを特徴とする方法(30)。
【請求項7】
さらに、1以上の追加データ構造(27,28,29’;29”)を用いて、前記複数のクラスタメンバ間での番号分配を平準化する工程を有することを特徴とする請求項6に記載の方法(30)。
【請求項8】
前記データ構造(26,27,28;29,29’,29”)の総数が、前記クラスタ内の前記複数のクラスタメンバ(14;16,18)の数に等しいことを特徴とする請求項7に記載の方法(30)。
【請求項9】
前記追加データ構造が、前記第1のデータ構造(26,29)に基づいて規定されることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の方法(30)。
【請求項10】
前記追加データ構造(27,28)の各々が、置換されるクラスタメンバ識別情報と置換するクラスタメンバ識別情報との固定関係に従って、前記第1のデータ構造(26)内のクラスタメンバ識別情報を前記追加データ構造(27,28)内の他のクラスタメンバ識別情報で置換することにより規定されることを特徴とする請求項9記載の方法(30)。
【請求項11】
前記追加データ構造(29’,29”)の各々が、前記第1のデータ構造(26)内の特定のクラスタメンバ識別情報を前記追加データ構造(29’,29”)内の他のクラスタメンバ識別情報で置換することにより規定されることを特徴とする請求項9記載の方法(30)。
【請求項12】
移動体通信網の交換機(10)のクラスタ(12)の1つのクラスタメンバによって用いられる呼ルーティング番号を決定するための方法(60)であって、前記交換機(10)は少なくとも1つのクラスタ(12)を含み、前記クラスタ(12)は複数のクラスタメンバ(14,16,18)を有し、前記複数のクラスタメンバ(14,16,18)の各々は、入来呼に関連付けられた一時的な番号(22)に基づいて前記入来呼を前記クラスタメンバ(14,16,18)がサービスを提供する被呼加入者または他のクラスタメンバ(14,16,18)にルーティングすることが可能であり、
前記方法(60)が、
前記クラスタメンバに、番号列(24)を提供する工程(62)と、
前記番号列(24)の長さに等しい量の割り当てを規定するデータ構造(26)であって、各割り当てが、1つのクラスタメンバを前記番号列(24)の複数の番号の1以上の最小位桁と一意に関連付けるデータ構造(26)を調べる工程(64)と、
前記クラスタメンバの識別情報に従って、前記データ構造(26)から1つの割り当てを選択する工程(66)と、
前記クラスタメンバで用いるための呼ルーティング番号を形成するために、前記番号列(24)を、前記選択された割り当てに関連付けられた1以上の最下位桁と合成する工程(68)と、を有することを特徴とする方法(60)。
【請求項13】
少なくとも1つのクラスタ(12)を含んだ交換機(10)を有する移動体通信網のための、呼(20)をルーティングするためのクラスタメンバを決定するための方法(80)であって、前記クラスタ(12)は複数のクラスタメンバ(14,16,18)を有し、前記複数のクラスタメンバ(14,16,18)の各々は、入来呼(20)に関連付けられた一時的な番号(22)に基づいて前記入来呼(20)を前記クラスタメンバ(14,16,18)がサービスを提供する被呼加入者または他のクラスタメンバ(14,16,18)にルーティングすることが可能であり、
前記方法(80)が、
前記クラスタ(12)に、呼ルーティング番号列(24)に属する呼ルーティング番号を提供する工程(81)と、
前記提供された番号から前記番号列(24)を抽出する工程(82)と、
前記番号列(24)の長さに等しい量の割り当てを規定するデータ構造(26)であって、各割り当てが、1つのクラスタメンバを前記番号列(24)の複数の番号の1以上の最小位桁と一意に関連付けるデータ構造(26)を提供する工程(83)と、
前記提供された番号から1以上の最小位ビットを抽出する工程(84)と、
前記1以上の最小位ビットに従って前記データ構造(26)の割り当てを探索する工程(85)と、
前記1以上の最下位ビットと前記クラスタメンバとの関係に従って、前記クラスタメンバを決定する工程(86)と、を有することを特徴とする方法(80)。
【請求項14】
前記データ構造(26)が、前記番号列(24)にハッシュ関数を適用することによって生成されることを特徴とする請求項12または請求項13に記載の方法(60,80)。
【請求項15】
前記データ構造(26)が、前記クラスタの前記複数のクラスタメンバ(14,16,18)の数を法として前記番号列(24)をハッシュすることで生成されることを特徴とする請求項12または請求項13に記載の方法(60,80)。
【請求項16】
前記請求項12および13に係る前記方法(60,80)において適用されるハッシュ関数が同一であることを特徴とする 請求項12乃至請求項15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の番号(24-0,24-1,...,24-n)が、移動機ローミング番号またはハンドオーバ番号であることを特徴とする請求項6乃至請求項16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
コンピュータ、移動体通信網の交換機、または移動体通信網の交換機の1以上の構成要素で実行された際に、請求項6乃至請求項17のいずれか1項に記載の方法の各工程を実行させるためのプログラムコード部分を有するコンピュータプログラム。
【請求項19】
請求項18に記載のコンピュータプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項20】
移動体通信網の交換機(10)であって、前記交換機は少なくとも1つのクラスタ(12)を含み、前記クラスタ(12)は複数のクラスタメンバ(14,16,18)を有し、前記複数のクラスタメンバの各々は、入来呼(20)に関連付けられた一時的な番号(22)に基づいて前記入来呼(20)を前記クラスタメンバ(14,16,18)がサービスを提供する被呼加入者または他のクラスタメンバ(14,16,18)にルーティングすることが可能であり、複数の入来呼(20)をルーティングするために前記複数のクラスタメンバ(14,16,18)によって用いられる複数の番号(24-0,24-1,...,24-n)を有する番号列(24)が提供されており、
前記番号列(24)の前記複数の番号(24-0,24-1,...,24-n)が前記複数のクラスタメンバ(14,16;18)に分配され、
前記クラスタ(12)が、前記番号列(24)の長さに等しい量の割り当てを規定する第1のデータ構造(26)を用いて、前記複数の番号(24-0,24-1,...,24-n)を前記複数のクラスタメンバ(14,16,18)に分配するように構成され、前記複数の割り当ての各々が、1つのクラスタメンバを前記番号列(24)の前記複数の番号(24-0,24-1,...,24-n)の1以上の最小位桁と一意に関連付けることを特徴とする交換機(10)。
【請求項21】
前記クラスタ(12)がさらに、1以上の追加データ構造(27,28;29’,29”)を用いて、前記複数のクラスタメンバ(14,16,18)間での番号分配を平準化するように構成されることを特徴とする請求項20に記載の交換機(10)。
【請求項22】
前記クラスタ(12)がさらに、前記番号分配を平準化するために、前記クラスタ(12)の前記複数のクラスタメンバ(14,16,18)の数に等しい数のデータ構造を用いるように構成されることを特徴とする請求項21に記載の交換機(10)。
【請求項23】
前記クラスタ(12)がさらに、前記追加データ構造(27,28;29’,29”)を、前記第1のデータ構造(26,29)に基づいて規定するように構成されることを特徴とする請求項21または請求項22に記載の交換機(10)。
【請求項24】
前記クラスタ(12)がさらに、前記追加データ構造(27,28;29’,29”)の各々を、置換されるクラスタメンバ識別情報と置換するクラスタメンバ識別情報との固定関係に従って、前記第1のデータ構造(26)内のクラスタメンバ識別情報を前記追加データ構造内の他のクラスタメンバ識別情報で置換することにより規定するように構成されることを特徴とする請求項23に記載の交換機(10)。
【請求項25】
前記クラスタ(12)がさらに、前記追加データ構造(29’,29”)の各々を、前記第1のデータ構造(26)内の特定のクラスタメンバ識別情報を前記追加データ構造(29’,29”)内の他のクラスタメンバ識別情報で置換することにより規定するように構成されることを特徴とする請求項23に記載の交換機(10)。
【請求項26】
移動体通信網の交換機(10)であって、前記交換機(10)は少なくとも1つのクラスタ(12)を含み、前記クラスタ(12)は複数のクラスタメンバ(14,16,18)を有し、前記複数のクラスタメンバ(14,16,18)の各々は、入来呼(20)に関連付けられた一時的な番号(22)に基づいて前記入来呼(20)を前記クラスタメンバ(14,16,18)がサービスを提供する被呼加入者または他のクラスタメンバ(14,16,18)にルーティングすることが可能であり、入来呼(20)をルーティングするために1つのクラスタメンバ(14,16,18)によって用いられる複数の番号(24-0,24-1,...,24-n)を有する番号列(24)が前記クラスタメンバに提供されており、
前記交換機(10)が、
前記番号列(24)の長さに等しい量の割り当てを規定するデータ構造(26)であって、各割り当ては、1つのクラスタメンバを前記番号列(24)の複数の番号の1以上の最小位桁と一意に関連付けるデータ構造(26)を調べ、
前記クラスタメンバの識別情報に従って、前記データ構造(26)から1つの割り当てを選択し、
前記クラスタメンバで用いるための呼ルーティング番号を形成するために、前記番号列(24)を、前記選択された割り当てに関連付けられた1以上の最下位桁と合成する、ように構成されることを特徴とする交換機(10)。
【請求項27】
移動体通信網の交換機(10)であって、前記交換機(10)は少なくとも1つのクラスタ(12)を含み、前記クラスタ(12)は複数のクラスタメンバ(14,16,18)を有し、前記複数のクラスタメンバ(14,16,18)の各々は、入来呼(20)に関連付けられた一時的な番号(22)に基づいて前記入来呼(20)を前記クラスタメンバ(14,16,18)がサービスを提供する被呼加入者または他のクラスタメンバ(14,16,18)にルーティングすることが可能であり、複数の入来呼をルーティングするために複数のクラスタメンバ(14,16,18)によって用いられる複数の呼ルーティング番号(24-0,24-1,...,24-n)の列(24)に属する1つの呼ルーティング番号が前記クラスタ(12)に提供されており、
前記交換機(10)が、
前記提供された番号から前記番号列(24)を抽出し、
前記番号列(24)の長さに等しい量の割り当てを規定するデータ構造(26)であって、各割り当ては、1つのクラスタメンバを前記番号列(24)の複数の番号の1以上の最小位桁と一意に関連付けるデータ構造(26)を規定し、
前記提供された番号から1以上の最小位ビットを抽出し、
前記1以上の最小位ビットに従って前記データ構造(26)の割り当てを探索し、
前記1以上の最下位ビットと前記クラスタメンバとの関係に従って、前記クラスタメンバを決定する、ように構成されることを特徴とする交換機(10)。
【請求項28】
前記クラスタ(12)が、前記番号列(24)にハッシュ関数を適用することによって前記データ構造(26)を生成するように構成されることを特徴とする請求項26または請求項27に記載の交換機(10)。
【請求項29】
前記クラスタ(12)が、前記番号列(24)を、前記クラスタ(12)の前記複数のクラスタメンバ(14,16,18)の数を法としてハッシュすることによって前記データ構造(26)を生成するように構成されることを特徴とする請求項26または請求項27に記載の交換機(10)。
【請求項30】
前記複数の番号(24-0,24-1,...,24-n)が、移動機ローミング番号またはハンドオーバ番号であることを特徴とする請求項26乃至請求項29のいずれか1項に記載の交換機(10)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−514020(P2013−514020A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543478(P2012−543478)
【出願日】平成21年12月15日(2009.12.15)
【国際出願番号】PCT/EP2009/008971
【国際公開番号】WO2011/072700
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】