説明

移動体通信装置

【課題】準天頂衛星の特性を生かした救援支援システムを提供することを目的とする。また、遭難個所の正確な位置把握による救助作業のコスト削減、救助作業の危険性を減少させることを目的とする。
【解決手段】自己の位置情報を記憶する記憶部30と、所定の情報を入力し、入力された所定の情報に基づいて、自己を所有するユーザに救援が必要になったか否かを判定する判定部40と、上記判定部40により上記ユーザに救援が必要になったと判定された場合に、上記記憶部30に記憶された自己の位置情報を送信する送信部55とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体通信装置に関する。また、救援支援方法に関する。例えば、山間部や砂漠地域における遭難救助、海、河川における海難救助に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、米国、カナダ、フランス、ロシアを中心に低高度周回衛星(LEO)を利用した遭難救助システムがある。
LEO衛星は、遭難者の上空通過時に遭難者が所持する専用無線機からの遭難ビーコンを受信した後、世界に配置した39の専用地上局上空通過時に信号伝送を行なう。地上局では、その信号のドップラー情報等を用いて精度30kmで遭難者の位置を推定して、救助センターへの指令を出し、救助活動を行なう。LEO衛星は、遭難者の上空通過時にしかコンタクトできないため時間遅れが生じるが、静止衛星にも遭難救助機能を付加したことによりリアルタイム性が向上したとされている。
【0003】
また、電子情報通信学会誌(Vol.82,No.12,pp.1207−1215)には、GPS(Global Positioning System)技術が記載されている。
上記電子情報通信学会誌によれば、GPSは、昇交点傾斜角が55度で昇交点経度が60度ずつ異なる六つの軌道上に4機ずつの人工衛星を配し、24衛星で全地球をカバーして測位機能を果たすとされている。測位方法は、以下のように行なうとされている。まず、いずれかの4衛星から発射された電波が利用者受信機に到達するまでの時間を測定し、光速Cを乗ずることにより衛星までの距離を測定する。そして、4衛星を2つの組に分け、一方の組の2衛星からの距離の差から構成する2衛星を焦点とする回転双曲線と他方の組の2衛星からの距離の差から構成する2衛星を焦点とする回転双曲線との地球上における交点を求める。この交点から利用者受信機の位置を求める。
【0004】
図25は、今後計画されている技術を示す図である。
図25において、200は、準天頂衛星である。
準天頂衛星200は、赤道面から約45度の傾斜角になるように地上35800km上空を地球の自転に合わせて1日に1周回している。また、準天頂衛星200は、昇交点赤経(赤道面との交点)において120度ずつ離れるように3機が配置されている。
図26は、今後計画されている技術を示す図である。
図26においては、地上を固定して考えた場合に、図25における準天頂衛星200の軌跡を示している。図26に示すように、準天頂衛星200は、赤道上を交点とする「8の字」を描くように周回している。3機の準天頂衛星200は、軌道面を異にするが8時間ずつ交代するように、切れ目なく日本上空に位置している。また、地域を日本で考えた場合、仰角が60度以上の準天頂衛星200が常に存在することになる。切れ目なく日本上空に位置しているため、仰角が60度以上の準天頂衛星200が常に存在し、受信者が地上で準天頂衛星200から電波を受ける際、ビルの谷間でも電波を遮られることがない。
図27は、準天頂衛星を利用した測位システムを示す図である。
図27において、300は、GPS衛星である。準天頂衛星200は、図25、図26と同様である。
上述したように、測位方法は、4機の衛星を用いておこなうことから、例えば、1機の準天頂衛星200と3機のGPS衛星300、或いは、1機の準天頂衛星200と3機の静止衛星の組み合わせにより利用者の測位をおこなう。
【0005】
特開2001−69059号公報に、長楕円軌道衛星を用いた捜索救助システムが示されている。図28に構成を示す。
図28は、従来技術を示す図である。
図28において、110は、長楕円軌道衛星、111は、救助センター、112は、登山者、113は、GPS衛星、114は、端末である。
長楕円軌道衛星110は、傾斜角が37度以上44度以下で、離心率が0より大きく1より小さい軌道上に存在する。端末114を所持した登山者112が遭難や事故遭遇時に端末114から救助要請信号を発信することにより、長楕円軌道衛星110を介して警察、消防等の救助センター111への救助要請をおこなっている。救助センター111では、GPS衛星113からの位置情報データで登山者112の位置を特定している。また、救助センター111にて登山者112からの発信信号の有無と位置情報を監視し、同一の位置である程度の時間継続し、移動動作が見られなければ、救助センター111にて遭難との判断を下すことが記載されている。
【特許文献1】特開2001−69059号公報
【非特許文献1】電子情報通信学会誌(Vol.82,No.12,pp.1207−1215)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の技術においては、準天頂衛星の特性を生かした簡易な救援支援システムが十分提供されていなかった。
【0007】
本発明は、準天頂衛星の特性を生かした救援支援システムを提供することを目的とする。
また、遭難個所の正確な位置把握による救助作業のコスト削減、救助作業の危険性を減少させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の移動体通信装置は、
自己の位置情報を記憶する記憶部と、
所定の情報を入力し、入力された所定の情報に基づいて、自己を所有するユーザに救援が必要になったか否かを判定する判定部と、
上記判定部により上記ユーザに救援が必要になったと判定された場合に、上記記憶部に記憶された自己の位置情報を送信する送信部と
を備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明の移動体通信装置は、
準天頂衛星を含む複数の衛星から基礎位置情報を入力する基礎位置情報入力部と、
上記基礎位置情報入力部により入力された基礎位置情報に基づいて上記自己の位置情報を生成する位置情報生成部と、
所定の情報を入力し、入力された所定の情報に基づいて、自己を所有するユーザに救援が必要になったか否かを判定する判定部と、
上記判定部により上記ユーザに救援が必要になったと判定された場合に、上記位置情報生成部により生成された自己の位置情報を送信する送信部と
を備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明の移動体通信装置は、
自己の位置情報を記憶する記憶部と、
所定の情報を入力し、入力された所定の情報に基づいて、自己を所有するユーザに救援が必要になったか否かを判定する判定部と、
上記判定部により上記ユーザに救援が必要になったと判定された場合に、上記ユーザに救援が必要になったと判定したことを出力する出力部と、
上記出力部により上記ユーザに救援が必要になったと判定したことが出力された場合に、位置情報送信命令情報を入力する送信命令入力部と、
上記送信命令入力部により上記位置情報送信命令情報が入力された場合に、上記記憶部に記憶された自己の位置情報を送信する送信部と
を備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明の移動体通信装置は、
自己の位置情報を記憶する記憶部と、
所定の危険情報を検知する検知部と、
上記検知部により上記所定の危険情報が検知された場合に、自己を所有するユーザに救援が必要になったか否かを判定する判定部と、
上記判定部により上記ユーザに救援が必要になったと判定された場合に、上記記憶部に記憶された自己の位置情報を送信する送信部と
を備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明の移動体通信装置は、
準天頂衛星を含む複数の衛星から基礎位置情報を入力する基礎位置情報入力部と、
上記基礎位置情報入力部により入力された基礎位置情報に基づいて上記自己の位置情報を生成する位置情報生成部と、
上記位置情報生成部により生成された自己の位置情報の履歴を履歴情報として記憶する記憶部と、
上記記憶部により記憶された履歴情報を送信する送信部と
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、自己の携帯する装置が自動的に救援の必要性を判断することができる。
【0014】
本発明によれば、山間などの電波が遮られ通信できない地域においても、救援支援をすることができる。
また、遭難箇所の正確な位置把握による救助作業のコストを削減することができる。
また、遭難箇所の正確な位置把握による救難作業の危険性を減少させることができる。
【0015】
本発明によれば、ユーザの救援支援に対する判断を加え、より正確な救援支援をすることができる。
【0016】
本発明によれば、文字や音声として、より正確な救援支援をすることができる。
【0017】
本発明によれば、ユーザが気絶した場合など、ユーザに判断能力、或いは活動能力が無い場合にも救援支援をすることができる。
【0018】
本発明によれば、移動距離に基づいて救援支援を判断することができる。
【0019】
本発明によれば、各状況を想定し、その状況に合った方法で救援支援を判断することができる。
【0020】
本発明によれば、自然状況をふまえた方法で救援支援を判断することができる。
【0021】
本発明によれば、遭難者への救援状況などの支援情報を提供することができる。
【0022】
本発明によれば、支援必要者の状況に合わせて支援情報を提供することができる。
【0023】
本発明によれば、ユーザが見た目では判断できない危険を判断し、ユーザを危険から待避させることができる。
【0024】
本発明によれば、先行する確実に安全であった情報をユーザに提供することができる。
【0025】
本発明によれば、広域放送機能により、確実に支援情報を提供することができる。
【0026】
本発明によれば、現場近くの最新情報を提供することができる。
【0027】
本発明によれば、危険情報に基づき自己の携帯する装置が自動的に救援の必要性を判断することができる。
【0028】
本発明によれば、漂流者に対し、自己の携帯する装置が自動的に救援の必要性を判断することができる。
【0029】
本発明によれば、海難事故に対し、自己の携帯する装置が自動的に救援の必要性を判断することができる。
【0030】
本発明によれば、ユーザの体調から、自己の携帯する装置が自動的に救援の必要性を判断することができる。
【0031】
本発明によれば、海難事故に対し、複数の角度から自己の携帯する装置が自動的に救援の必要性を判断することができる。
【0032】
本発明によれば、乾燥地域、砂漠地域における危険に対し、自己の携帯する装置が自動的に救援の必要性を判断することができる。
【0033】
本発明によれば、乾燥地域、砂漠地域における危険に対し、複数の角度から自己の携帯する装置が自動的に救援の必要性を判断することができる。
【0034】
本発明によれば、ユーザによる自力待避や、救援の必要性の正確さを考慮することができる。
【0035】
本発明によれば、別のユーザから遭難者への支援情報を提供することができる。また、事故の再発防止に役立てることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における構成を示す図である。
図1において、30は、記憶部、40は、判定部、55は、送信部、100は、移動体通信装置、600は、基地局(地上基地局の一例である。)である。
移動体通信装置100は、救援支援装置の一例であり、記憶部30、判定部40、送信部55を備えている。
記憶部30は、自己の位置情報を記憶する。記憶部30は、後述するように、GPSを用いて自己の位置情報を把握し、記憶してもよいし、他の方法を用いても構わない。例えば、ユーザにより位置を入力してもよい。また、記憶部30は、地図情報を記憶し、ユーザにより、地図上の特定位置を入力させることにより自己の位置情報を把握し、記憶してもよい。その他の何らかの手段により自己の位置情報を記憶していればよい。
判定部40は、所定の情報を入力し、入力された所定の情報に基づいて、自己を所有するユーザに救援が必要になったか否かを判定する。判定部40は、後述するように、検知手段により検知された情報を入力してもよいし、後述するように、GPSを用いて自己の位置情報を入力し、自己の位置情報に基づいて判定していもよい。また、例えば、ユーザにより何らかの情報を入力され、入力された情報に基づいて判断してもよい。
送信部55は、上記判定部40により上記ユーザに救援が必要になったと判定された場合に、上記記憶部30に記憶された自己の位置情報を送信する。送信部55は、移動体通信網を用いて基地局600に送信する。移動体通信網は、例えば、衛星通信、携帯電話網、船舶無線、D−MCA(Digital Multi Channel Access)無線、D−SRC(Dedicated Short Range Communications:狭域通信)等を用いるが、これらに限るものではない。
【0037】
図2は、準天頂衛星を利用した測位システムの構成を示す図である。
図2において、200は、準天頂衛星、300は、GPS衛星、500は、MTSAT(Multi−functional Transport Statellite:運輸多目的衛星)である。
GPS衛星300は、測位情報を放送する。準天頂衛星200と静止衛星の一例であるMTSAT500とは、GPS補完衛星でもあり、測位情報として、例えば、ディファレンシャル測位補正データとインテグリティデータと等を有する高精度測位情報を放送する。ここでは、MTSAT500を用いているが静止衛星の一例として用いたものであり、他の静止衛星であっても構わない。ユーザは、移動体通信装置100を用いて、例えば、1機の準天頂衛星200と3機のGPS衛星300との組み合わせ、1機の準天頂衛星200と3機の静止衛星との組み合わせ、或いは、1機の準天頂衛星200と、GPS衛星300とMTSAT500とによる3機の衛星との組み合わせ、すなわち、少なくとも準天頂衛星200を含む4機の衛星群により測位に必要な位置情報を得ることができる。また、4機に限らず4機より多くの衛星群により測位に必要な位置情報を得ても構わない。
地上には、測位情報配信センター局、全国に配置される電子基準点を配置する。電子基準点は、固定点として自己の基準位置を有する。全国に配置される電子基準点は、例えば、隣接する複数の電子基準点で取り囲む範囲を1つのメッシュとして全国を電子基準点網で網羅する。全国に配置される電子基準点は、上記4機以上の衛星群により測位に必要な位置情報を得る。そして、自己の有する基準位置と上記4機以上の衛星群により得た位置情報による位置との誤差等の測位補正情報を測位情報配信センター局に出力する。ここでは、全国を電子基準点網で網羅するため、メッシュ内のある位置においても補正精度を向上させることができる。測位情報配信センター局は、全国に配置される電子基準点より測位補正情報を入力し、入力された測位補正情報を収集、統合して収集統合情報を作成し、所定のアンテナを介して準天頂衛星200等の衛星に送信する。上記準天頂衛星200等は、測位情報配信センター局より所定のアンテナを介して準天頂衛星200等の衛星に送信された収集統合情報に基づき、高精度測位情報を放送する。
ユーザは、遮蔽が少ない高仰角である準天頂衛星200を少なくとも用いることで、山影等に位置することによる遮蔽や建物等の障害物による遮蔽を極力回避し、遮蔽を回避することにより測位可能時間を改善することができる。また、ユーザは、少なくとも準天頂衛星200を含む4機以上の衛星群と地上に配置された測位情報配信センター局及び全国に配置される電子基準点とを有するシステムにより補正された高精度測位情報を得ることにより、高精度の位置情報を得ることができる。このように、ユーザは、準天頂衛星200を用いることにより、高精度の位置情報、例えば、地上において、25cmの誤差範囲の精度で位置情報を得ることができる。
【0038】
図3は、実施の形態1における測位システムを備えた構成を示す図である。
図4は、基礎位置情報の一例を示す図である。
図5は、自己の位置情報の一例を示す図である。
図3において、10は、GPS入力部(基礎位置情報入力部の一例である。)、20は、位置計算部(位置情報生成部の一例である。)である。その他の構成は、図1と同様である。
移動体通信装置100は、記憶部30、判定部40、送信部55、GPS入力部10、位置計算部20を備えている。
図4において、基礎位置情報は、衛星軌道情報、衛星時計情報、電離層補正データ、ディファレンシャル測位補正データ、他の衛星の位置情報を有している。
図5において、自己の位置情報は、X,Y,Zの各座標位置、時刻、日付け、地図情報(MAP)の各情報を有している。
GPS入力部10は、準天頂衛星200を含む複数の衛星から基礎位置情報を入力する。複数の衛星は、図2に示すように、1機の準天頂衛星200と3機のGPS衛星300との組み合わせ、1機の準天頂衛星200と3機の静止衛星であるMTSAT500との組み合わせ、或いは、1機の準天頂衛星200と、GPS衛星300とMTSAT500とによる3機の衛星との組み合わせ、すなわち、少なくとも準天頂衛星200を含む4機の衛星群により構成される。基礎位置情報は、複数の衛星の各衛星から入力される。但し、ディファレンシャル測位補正データは、準天頂衛星200と場合によりMTSAT500とから入力される。
位置計算部20は、GPS入力部10により入力された基礎位置情報に基づいて上記自己の位置情報を生成する。
【0039】
図6は、山間部において救援支援する場合の構成を示す図である。
図6において、ユーザは、山間部に位置している。ユーザは、移動体通信装置100を携帯している。移動体通信装置100が備えるGPS入力部10は、1機の準天頂衛星200と3機のGPS衛星300との組み合わせの複数の衛星群から基礎位置情報を入力する。移動体通信装置100が備える送信部55は、判定部40により上記ユーザに救援が必要になったと判定された場合に、上記記憶部30に記憶された自己の位置情報を準天頂衛星200を介して送信する。仰角が大きい(例えば、70度)準天頂衛星200を介して送信することにより、移動体通信装置100と準天頂衛星200との間に障害物が存在することなく、他の通信手段では山間などの電波が遮られ通信できない地域においても自己の情報を送信することができる。
図6において、ユーザは、山間部に位置している。山間部でなくとも一定時間移動できない状況あれば構わない。例えば、海難事故により漂流している場合でも構わない。ユーザは、移動体通信装置100を携帯している。GPS入力部10は、単位時間として1時間毎に基礎位置情報を入力している。1時間よりも短い期間毎入力しても構わないし、常時、入力していても構わない。1時間よりも長い期間毎入力しても構わない。活動しにくい日没後の時刻、例えば、17時から翌朝5時の間における所定の時刻のユーザの位置、すなわち、移動体通信装置100の位置座標(n)を(Xn,Yn,Zn)とする。位置座標(n)から例えば、単位時間として6時間後のユーザの位置座標(n+1)を(Xn+1,Yn+1,Zn+1)とする。
記憶部30は、位置座標(n)を記憶している。
位置計算部20は、現在の位置、すなわち、位置座標(n+1)を計算する。
判定部40は、記憶部30により記憶された位置座標(n)の情報(所定の情報の一例である。)と位置計算部20により位置計算された位置座標(n+1)の情報(所定の情報の一例である。)とを入力する。判定部40は、位置座標(n)と位置座標(n+1)とにより、位置座標(n)から位置座標(n+1)までの移動距離Lnを計算する。判定部40は、移動距離Lnが100m以下である場合には、ユーザに救援が必要になったと判断する。判定部40は、自己の位置情報から移動体通信装置100が山間部にいると判断し、ユーザが道に迷ったなどの遭難、けが等により救援が必要になったと判断してもよい。
送信部55は、判定部40によりユーザに救援が必要になったと判断されたことにより、記憶部30に記憶された位置座標(n)を準天頂衛星200を介して基地局600へ送信する。ここで、記憶部30は、常時、位置計算部20により位置計算された位置情報を順次記憶する。送信部55は、判定部40によりユーザに救援が必要になったと判断されたことにより、記憶部30に記憶された最新の位置座標(k)を準天頂衛星200を介して基地局600へ送信する方がなおよい。
【0040】
図7は、滑落した場合の救援支援を示す図である。
図7において、ユーザは、例えば、山間部に位置している。山間部でなくとも崖の付近であれば構わない。ユーザは、移動体通信装置100を携帯している。GPS入力部10は、例えば、単位時間として1秒毎に基礎位置情報を入力している。1秒よりも短い期間毎入力しても構わないし、常時、入力していても構わない。滑落前のユーザの位置、すなわち、移動体通信装置100の位置座標(n)を(Xn,Yn,Zn)とする。位置座標(n)から例えば、単位時間として1秒後の滑落中、或いは滑落後の位置座標(n+1)を(Xn+1,Yn+1,Zn+1)とする。
記憶部30は、位置座標(n)を記憶している。
位置計算部20は、現在の位置、すなわち、位置座標(n+1)を計算する。
判定部40は、記憶部30により記憶された位置座標(n)の情報(所定の情報の一例である。)と位置計算部20により位置計算された位置座標(n+1)の情報(所定の情報の一例である。)とを入力する。判定部40は、位置座標(n)と位置座標(n+1)とにより、位置座標(n)から位置座標(n+1)までの移動距離Lnを計算する。判定部40は、移動距離Lnが2m以上である場合には、ユーザに救援が必要になったと判断する。判定部40は、自己の位置情報から移動体通信装置100が山間部にいると判断し、ユーザが滑落により救援が必要になったと判断してもよい。
送信部55は、判定部40によりユーザに救援が必要になったと判断されたことにより、記憶部30に記憶された位置座標(n)を準天頂衛星200を介して基地局600へ送信する。ここで、記憶部30は、常時、位置計算部20により位置計算された位置情報を順次記憶する。送信部55は、判定部40によりユーザに救援が必要になったと判断されたことにより、記憶部30に記憶された最新の位置座標(k)を準天頂衛星200を介して基地局600へ送信する方がなおよい。
【0041】
図8は、高波にさらわれた場合の救援支援を示す図である。
図8において、ユーザは、例えば、岸壁の上に位置している。岸壁の上に限らず高波が届く位置であれば構わない。ユーザは、移動体通信装置100を携帯している。GPS入力部10は、例えば、単位時間として1秒毎に基礎位置情報を入力している。1秒よりも短い期間毎入力しても構わないし、常時、入力していても構わない。岸壁の上に位置しているユーザの位置、すなわち、移動体通信装置100の位置座標(n)を(Xn,Yn,Zn)とする。位置座標(n)から例えば、単位時間として1秒後の高波にさらわれ中、或いは、高波にさらわれた水上の位置座標(n+1)を(Xn+1,Yn+1,Zn+1)とする。
記憶部30は、位置座標(n)を記憶している。
位置計算部20は、現在の位置、すなわち、位置座標(n+1)を計算する。
判定部40は、記憶部30により記憶された位置座標(n)の情報(所定の情報の一例である。)と位置計算部20により位置計算された位置座標(n+1)の情報(所定の情報の一例である。)とを入力する。判定部40は、位置座標(n)と位置座標(n+1)とにより、位置座標(n)から位置座標(n+1)までの移動距離Lnを計算する。判定部40は、移動距離Lnが2m以上である場合には、ユーザに救援が必要になったと判断する。判定部40は、自己の位置情報から移動体通信装置100が海岸部にいると判断し、ユーザが海難事故により救援が必要になったと判断してもよい。
送信部55は、判定部40によりユーザに救援が必要になったと判断されたことにより、記憶部30に記憶された位置座標(n)を準天頂衛星200を介して基地局600へ送信する。ここで、記憶部30は、常時、位置計算部20により位置計算された位置情報を順次記憶する。送信部55は、判定部40によりユーザに救援が必要になったと判断されたことにより、記憶部30に記憶された最新の位置座標(k)を準天頂衛星200を介して基地局600へ送信する方がなおよい。
【0042】
図9は、船舶から転落した場合の救援支援を示す図である。
図9において、ユーザは、例えば、船舶の上に位置している。ユーザは、移動体通信装置100を携帯している。GPS入力部10は、例えば、単位時間として1秒毎に基礎位置情報を入力している。1秒よりも短い期間毎入力しても構わないし、常時、入力していても構わない。船舶の上に位置しているユーザの位置、すなわち、移動体通信装置100の位置座標(n)を(Xn,Yn,Zn)とする。位置座標(n)から例えば、単位時間として1秒後の船舶から転落中、或いは、船舶から転落した水上の位置座標(n+1)を(Xn+1,Yn+1,Zn+1)とする。
記憶部30は、位置座標(n)を記憶している。
位置計算部20は、現在の位置、すなわち、位置座標(n+1)を計算する。
判定部40は、記憶部30により記憶された位置座標(n)の情報(所定の情報の一例である。)と位置計算部20により位置計算された位置座標(n+1)の情報(所定の情報の一例である。)とを入力する。判定部40は、位置座標(n)と位置座標(n+1)とにより、位置座標(n)から位置座標(n+1)までの移動距離Lnを計算する。判定部40は、移動距離Lnが2m以上である場合には、ユーザに救援が必要になったと判断する。判定部40は、自己の位置情報から移動体通信装置100が海岸部にいると判断し、ユーザが海難事故により救援が必要になったと判断してもよい。図9では、海での救援支援を想定しているが、これに限るものではなく、湖、河川等であってもよい。かかる場合、判定部40は、自己の位置情報から、ユーザが水難事故により救援が必要になったと判断してもよい。
送信部55は、判定部40によりユーザに救援が必要になったと判断されたことにより、記憶部30に記憶された位置座標(n)を準天頂衛星200を介して基地局600へ送信する。ここで、記憶部30は、常時、位置計算部20により位置計算された位置情報を順次記憶する。送信部55は、判定部40によりユーザに救援が必要になったと判断されたことにより、記憶部30に記憶された最新の位置座標(k)を準天頂衛星200を介して基地局600へ送信する方がなおよい。
【0043】
図10は、判定部における判定フローを示す図である。
図10においては、図7における滑落事故によりユーザに救援が必要になったと判断する場合と、図8、図9における海難事故によりユーザに救援が必要になったと判断する場合とにおける判定部40における判定フローを示す。
S(ステップ)1001において、判定部40は、時刻t=nにおける位置座標(Xn,Yn,Zn)を入力する。
S1002において、判定部40は、時刻t=n+1における位置座標(Xn+1,Yn+1,Zn+1)を入力する。
S1003において、判定部40は、位置座標(Xn,Yn,Zn)から位置座標(Xn+1,Yn+1,Zn+1)までの移動距離Lnを計算する。
S1004において、判定部40は、Lnが2m以上かどうかを判断する。Lnが2m未満である場合には、S1001に戻る。Lnが2m以上である場合には、S1005に進む。
S1005において、Lnが2m以上である場合には、ユーザに救援が必要になっったと判断する。
S1006において、判定部40は、最新の現在位置座標(Xk,Yk,Zk)を入力する。
S1007において、判定部40は、現在位置送信命令を送信部55に出力する。
S1008において、判定部40は、リセット入力の有無を判断する。リセット入力が無い場合には、再度、S1008に戻る、すなわち、リセット入力されるまで待つ。リセット入力が有る場合には、S1001に戻る。
【0044】
以上のように、実施の形態1における移動体通信装置100において、上記記憶部30は、時間を異にした複数の自己の位置情報を記憶し、
上記判定部40は、上記記憶部30により記憶された上記複数の自己の位置情報に基づいて上記ユーザに救援が必要になったと判定することを特徴とする。
【0045】
また、上記複数の自己の位置情報は、所定の期間毎に連続する自己の位置情報であって、
上記判定部40は、上記自己の位置情報が単位期間あたり所定の距離以上移動した場合に、上記ユーザに救援が必要になったと判定することを特徴とする。
【0046】
図11は、砂漠地域における救援支援を示す図である。
図11において、ユーザは、例えば、砂漠地域に位置している。砂漠地域でなくとも脱水症状、熱中症、日射病等にかかるおそれがある地域であれば構わない。また、人里から離れ、救援を呼びにくい地域であれば構わない。ユーザは、移動体通信装置100を携帯している。GPS入力部10は、単位時間として1時間毎に基礎位置情報を入力している。1時間よりも短い期間毎入力しても構わないし、常時、入力していても構わない。1時間よりも長い期間毎入力しても構わない。気温が所定の温度より高い時刻であって、通常、ユーザが移動するであろうと考えられる時刻、例えば、8時から17時の間における所定の時刻のユーザの位置、すなわち、移動体通信装置100の位置座標(n)を(Xn,Yn,Zn)とする。位置座標(n)から例えば、単位時間として1時間後のユーザの位置座標(n+1)を(Xn+1,Yn+1,Zn+1)とする。
記憶部30は、位置座標(n)を記憶している。
位置計算部20は、現在の位置、すなわち、位置座標(n+1)を計算する。
判定部40は、記憶部30により記憶された位置座標(n)の情報(所定の情報の一例である。)と位置計算部20により位置計算された位置座標(n+1)の情報(所定の情報の一例である。)とを入力する。判定部40は、位置座標(n)と位置座標(n+1)とにより、位置座標(n)から位置座標(n+1)までの移動距離Lnを計算する。判定部40は、移動距離Lnが100m以下である場合には、ユーザに救援が必要になったと判断する。判定部40は、自己の位置情報から移動体通信装置100が砂漠地域にいると判断し、ユーザが脱水症状、熱中症、日射病、けが等により救援が必要になったと判断してもよい。
送信部55は、判定部40によりユーザに救援が必要になったと判断されたことにより、記憶部30に記憶された位置座標(n)を準天頂衛星200を介して基地局600へ送信する。ここで、記憶部30は、常時、位置計算部20により位置計算された位置情報を順次記憶する。送信部55は、判定部40によりユーザに救援が必要になったと判断されたことにより、記憶部30に記憶された最新の位置座標(k)を準天頂衛星200を介して基地局600へ送信する方がなおよい。
【0047】
図12は、判定部における判定フローを示す図である。
図12においては、図6における山間部での遭難事故によりユーザに救援が必要になったと判断する場合と、図11における砂漠地域においてユーザに救援が必要になったと判断する場合とにおける判定フローを示す。
S1201において、判定部40は、時刻t=nにおける位置座標(Xn,Yn,Zn)を入力する。
S1202において、
図11における砂漠地域においてユーザに救援が必要になったと判断する場合に、判定部40は、例えば、1時間後の時刻t=n+1における位置座標(Xn+1,Yn+1,Zn+1)を入力する。
図6における山間部での遭難事故によりユーザに救援が必要になったと判断する場合に、判定部40は、例えば、6時間後の時刻t=n+1における位置座標(Xn+1,Yn+1,Zn+1)を入力する。
S1203において、判定部40は、位置座標(Xn,Yn,Zn)から位置座標(Xn+1,Yn+1,Zn+1)までの移動距離Lnを計算する。
S1204において、判定部40は、Lnが100m以下かどうかを判断する。Lnが100mより大きい場合には、S1201に戻る。Lnが100m以下である場合には、S1205に進む。
S1205において、
図11における砂漠地域においてユーザに救援が必要になったと判断する場合に、判定部40は、現在の時刻が日中の8時から17時の時間帯であるか判断する。8時から17時の時間帯でない場合には、S1201に戻る。8時から17時の時間帯である場合には、S1206に進む。
図6における山間部での遭難事故によりユーザに救援が必要になったと判断する場合に、判定部40は、現在の時刻が日没後の17時から翌朝5時の時間帯であるか判断する。17時から翌朝5時の時間帯でない場合には、S1201に戻る。17時から翌朝5時である場合には、S1206に進む。
S1206において、
図11における砂漠地域においてユーザに救援が必要になったと判断する場合に、判定部40は、Lnが100m以下、現在の時刻が日中の8時から17時の時間帯である場合には、ユーザに救援が必要になっったと判断する。
図6における山間部での遭難事故によりユーザに救援が必要になったと判断する場合に、判定部40は、Lnが100m以下、現在の時刻が日没後の17時から翌朝5時の時間帯である場合には、ユーザに救援が必要になっったと判断する。
S1207において、判定部40は、最新の現在位置座標(Xk,Yk,Zk)を入力する。
S1208において、判定部40は、現在位置送信命令を送信部55に出力する。
S1209において、判定部40は、リセット入力の有無を判断する。リセット入力が無い場合には、再度、S1209に戻る、すなわち、リセット入力されるまで待つ。リセット入力が有る場合には、S1201に戻る。
【0048】
以上のように、実施の形態1における移動体通信装置100において、上記記憶部30は、上記複数の自己の位置情報と一日の時間を判別する時間情報とを有し、
上記判定部40は、上記自己の位置情報が所定の時間帯に常に所定の範囲内に位置する場合に、上記ユーザに救援が必要になったと判定することを特徴とする。
【0049】
以上のように、準天頂衛星200は、常に日本上空にいるため日本周辺での遭難発生がリアルタイムで把握できるとともに、専用無線機である移動体通信装置100からの信号に位置情報も含めるため、救援活動の迅速化、正確化により救命率の向上、救難コストの大幅な削減、救難作業自体の危険性の減少を図ることができる。さらに、準天頂衛星200の広域通信機能により、救助をおこなうヘリコプター、自動車など移動体へ映像、データが実時間で伝送できる。そのため、対策指示を正確、容易とすることができる。
【0050】
なお、上記各場合において、基地局600は、例えば、測位誤差25cmを把握する高精度地図を有していてもよい。かかる場合、基地局600は、送信部55により準天頂衛星200を介して送信された位置座標(k)に基づき、例えば、遭難場所等のユーザに救援が必要になった位置を高精度地図と照合し、位置を特定把握する。そして、基地局600は、最短距離或いは最短時間で救援に向かえる救援手段を選定する。例えば、ヘリコプターにより救援に向かう救援手段を選定する。基地局600は、選定された救援手段を実施するため、救援手段を実施する外部に対し、高精度地図と照合し、特定把握した位置を有する位置情報を出力する。ここで、基地局600は、位置情報と共に、送信部55より位置座標(k)を入力した時刻等を外部に対し出力してもよい。また、送信部55は、救援者の氏名等の救援者情報を出力し、基地局600は、位置情報と共に、救援者情報を外部に対し出力してもよい。
【0051】
実施の形態2.
実施の形態1では、判定部40が救援が必要と判定した場合に、ユーザの意志に関わらず外部に救援を求める場合についての構成であるが、実施の形態2では、判定部40が救援が必要と判定した場合に、一端、ユーザに確認し、ユーザが必要と判断した場合に外部に救援を求める場合についての構成を説明する。
図13は、実施の形態2における構成を示す図である。
図13において、70は、出力部、80は、送信命令入力部である。その他の構成は、図3と同様である。
移動体通信装置100は、記憶部30、判定部40、送信部55、GPS入力部10、位置計算部20、出力部70、送信命令入力部80を備えている。
出力部70は、上記判定部40により上記ユーザに救援が必要になったと判定された場合に、上記ユーザに救援が必要になったと判定したことを出力する。出力部70は、音声でユーザに「救援が必要になったと判断する。」等と出力しても構わない。また、表示画面を備え、表示画面に「救援が必要になったと判断する。」等と表示しても構わない。また、警告ランプを点灯、或いは点滅させても構わない。ユーザに救援が必要になったと判定したことが伝わればどのような手段を用いても構わない。
送信命令入力部80は、位置情報送信命令情報を入力する。位置情報送信命令情報は、ユーザの判断により救援が必要になったことを送信命令入力部80に入力させる情報である。位置情報送信命令情報は、ユーザがボタンを押すことにより入力させる信号情報である。また、位置情報送信命令情報は、複数のコマンドを設け、ユーザがいずれかを入力することにより生じた信号情報であっても構わない。例えば、コマンド1として「怪我により移動不可」、コマンド2として「滑落した」、コマンド3として「迷子になった」、コマンド4として「食料なし移動不可」等からユーザが選択して、入力する。但し、これらに限られるものではなく、ユーザの意志表示が伝達されればどうのような手段であっても構わない。送信命令入力部80は、上記出力部70により上記ユーザに救援が必要になったと判定したことが出力された場合に、位置情報送信命令情報を入力する。ここでは、判定部40が救援が必要と判定した場合に、一端、ユーザに確認し、ユーザが必要と判断した場合に外部に救援を求める場合について記載したが、判定部40が救援が必要と判定しない場合であっても、ユーザの判断で救援が必要と判断して入力するようにしても構わない。
上記送信部55は、上記送信命令入力部80により上記位置情報送信命令情報が入力された場合に、上記記憶部30に記憶された自己の位置情報を送信する。送信部55は、実施の形態1と同様、移動体通信網を用いて基地局600に送信する。移動体通信網は、例えば、衛星通信、携帯電話網、船舶無線、D−MCA無線、D−SRC等を用いるがこれらに限るものではない。
【0052】
実施の形態3.
図14は、実施の形態3における構成を示す図である。
図14において、50は、送信/受信部(送信部、受信部の一例である。)、51は、コネクタ、60は、検知部、90は、変換テーブルである。その他の構成は、図13と同様である。
移動体通信装置100は、記憶部30、判定部40、送信/受信部50、GPS入力部10、位置計算部20、出力部70、送信命令入力部80、検知部60、変換テーブル90、コネクタ51を備えている。
送信/受信部50は、上記ユーザを支援する支援情報を受信する。送信/受信部50は、基地局600とユーザとの間で双方向通信をおこなう。或いは、ユーザと他の移動体通信装置100を所持する他のユーザとの間で双方向通信をおこなってもよい。
【0053】
図15は、判定基準の一例を示す図である。
図15において、判定部40は、実施の形態1で記載したように、所定の時刻における位置座標(n)から単位時間として例えば1秒後の位置座標(n+1)までの移動距離Lnを計算する。判定部40は、移動距離Lnが2m以上である場合には、ユーザに救援が必要になったと判断する。
また、判定部40は、実施の形態1で記載したように、活動しにくい日没後の時刻、例えば、17時から翌朝5時の間における所定の時刻のユーザの位置座標(n)から例えば単位時間として6時間後のユーザの位置座標(n+1)までの移動距離Lnを計算する。ここで、例えば、ユーザの位置座標は、17時から23時、23時から翌朝5時等の2つのグループに分けて入力されるようにしても構わない。判定部40は、移動距離Lnが100m以下である場合には、ユーザに救援が必要になったと判断する。
また、記憶部30は、気象情報を記憶する。記憶部30は、外部から気象情報を入力してもよいし、後述するように、記憶部30は、気象情報を送信/受信部50を介して入力し記憶してもよい。判定部40は、上記気象情報が所定の気象条件である場合に、上記ユーザに救援が必要になったと判定する。例えば、強風警報時、強風注意報時、大雨警報時、大雨注意報時、雪崩警報時、雪崩注意報時、雷警報時、雷注意報時、台風接近時等である場合に、上記ユーザに救援が必要になったと判定する。
また、判定部40は、実施の形態1で記載したように、砂漠地域における気温が所定の温度より高い時刻であって、通常、ユーザが移動するであろうと考えられる時刻、例えば、8時から17時の間における所定の時刻のユーザの位置、すなわち、移動体通信装置100の位置座標(n)から例えば、単位時間として1時間後のユーザの位置座標(n+1)までの移動距離Lnを計算する。判定部40は、移動距離Lnが100m以下である場合には、ユーザに救援が必要になったと判断する。
【0054】
送信/受信部50は、上記ユーザを支援する支援情報を受信する。
図16は、支援情報の一例を示す図である。
図16において、支援情報は、雪山情報、登山路情報、先行パーティ情報を有している。但し、これに限るものではない。例えば、上述した気象情報であってもよいし、その他の情報であってもよい。
雪山情報は、例えば、雪庇位置を示す雪庇位置情報、雪崩危険位置を示す情報を有する。
登山路情報は、例えば、登山路のルートマップ、流木の有無、川渡りの有無、川の位置、川幅、川の水深、橋の有無等の各情報を有する。
先行パーティ情報は、例えば、先行パーティの現在位置、先行パーティが通過した軌跡を示す軌跡情報、例えば先行パーティが通過した軌跡を示す軌跡マップ等を有する。
【0055】
図17は、雪庇位置情報に基づいて支援する場合の一例を示す図である。
図17において、ユーザは、雪山の稜線上に位置する。稜線には、雪庇が存在する。ユーザは、移動体通信装置100を携帯している。送信/受信部50は、上記ユーザを支援する支援情報として、雪庇位置情報を受信する。判定部40は、ユーザの現在位置座標(k)を位置計算部20或いは記憶部30から入力する。また、判定部40は、雪庇位置情報から踏み外し限界位置座標(s)を入手する。判定部40は、測位精度を考慮し、例えば、測位精度が25cmであれば、ユーザが踏み外し限界位置の25cm手前まで近づいたところで警告を出力する。或いは、ユーザの運動能力を考慮し、例えば、ユーザの歩幅が50cmであって警告後にユーザが1歩進んでも安全を確保するとすれば、ユーザが踏み外し限界位置の75cm手前まで近づいたところで警告を出力する。警告は、出力部70に出力されてもよいし、別の出力手段を備えても構わない。
【0056】
図18は、登山路情報に基づいて支援する場合の一例を示す図である。
図18において、52は、回線である。ユーザは、登山口に位置している。ユーザは、移動体通信装置100を携帯している。登山口には、地上基地局の一例として基地局600が存在し、登山路情報を提供している。
基地局600は、回線52と回線52に接続されたコネクタ51とを備えている。移動体通信装置100が備えるコネクタ51と基地局600が備えるコネクタ51とを接続し、送信/受信部50は、基地局600から登山路情報を入力する。また、送信/受信部50は、基地局600から先行パーティ情報を入力しても構わない。
【0057】
図19は、先行パーティ情報に基づいて支援する場合の一例を示す図である。
図19において、71は、表示部である。ユーザは、山間部に位置している。ユーザは、移動体通信装置100を携帯している。同じ山間部には、先行パーティが存在する。送信/受信部50は、基地局600から、例えば、準天頂衛星200を用いた衛星通信を介して先行パーティ情報を入力する。図19において、表示部71は、先行パーティ情報としての先行パーティの現在位置と先行パーティが通過した軌跡を示す軌跡マップと、移動体通信装置100を携帯するユーザの現在位置とを同一地図上に表示している。支援情報は、表示部71に表示されるのではなく、別の出力手段によって、ユーザに出力されても構わない。例えば、出力部70を用いてもよい。また、別に出力手段を設けてもよい。また、出力方法は、画面表示に限らず、ランプ表示、音声出力等であってもよい。
【0058】
以上のように、送信/受信部50は、支援情報を上記準天頂衛星と地上基地局との内少なくとも1つから受信する。
また、上記基地局600は、登山口に存在することを特徴とする。
【0059】
判定部40が入力する所定の情報として、検知部60から情報を入力する場合を以下に説明する。
検知部60は、所定の危険情報を検知する。
上記判定部40は、上記検知部60により上記所定の危険情報が検知された場合に、上記ユーザに救援が必要になったと判定する。
送信/受信部50は、判定部40によりユーザに救援が必要になったと判断されたことにより、記憶部30に記憶された位置座標(n)を準天頂衛星200を介して基地局600へ送信する。ここで、記憶部30は、常時、位置計算部20により位置計算された位置情報を順次記憶する。送信部55は、判定部40によりユーザに救援が必要になったと判断されたことにより、記憶部30に記憶された最新の位置座標(k)を準天頂衛星200を介して基地局600へ送信する方がなおよい。
【0060】
図20は、所定の危険情報に基づいて支援する場合の一例を示す図である。
図20において、61は、流速検知部(検知部の一例である。)である。ユーザは、移動体通信装置100を携帯している。移動体通信装置100は、図14における検知部60に接続される流速検知部61を備えている。ユーザは、海上を漂流している。また、検知部60の代わりに、流速検知部61を備えていてもよい。流速検知部61は、例えば、ユーザが所持するライフジャケット、浮き輪に取り付けておく。
検知部60は、流速検知部61を介して自己と海流との相対速度を検知する。例えば、流速検知部61が海流により水圧を検知した場合、水圧に基づき海流速度とユーザの移動速度との相対速度を推定する。例えば、ユーザが単に海流に流されているだけだとした場合、海流速度とユーザの移動速度とに大きな違いは生じない。海流速度とユーザの移動速度とに大きな違いが生じない場合、流速検知部61が海流により検知する水圧も小さいことになる。したがって、所定の値よりも検知する水圧が小さい場合、ユーザが海流に流されている可能性が大きい。
判定部40は、上記検知部60により検知された相対速度が所定の値よりも小さい場合に、上記ユーザに救援が必要になったと判定する。
送信/受信部50は、判定部40によりユーザに救援が必要になったと判断されたことにより、記憶部30に記憶された位置座標(n)を準天頂衛星200を介して基地局600へ送信する。ここで、記憶部30は、常時、位置計算部20により位置計算された位置情報を順次記憶する。送信部55は、判定部40によりユーザに救援が必要になったと判断されたことにより、記憶部30に記憶された最新の位置座標(k)を準天頂衛星200を介して基地局600へ送信する方がなおよい。
【0061】
ここで、ユーザが海流に流されているかを判断する場合に、送信/受信部50が基地局600から移動体通信網を介して支援情報として海流速度、海流方向等を含む海流情報を入力し、判定部40は、送信/受信部50から海流速度、海流方向を入力する。また、判定部40は、位置計算部20或いは記憶部30からユーザの所定時刻の位置座標(n)と単位時間として例えば1分後のユーザの位置座標(n+1)とを入力し、位置座標(n)から単位時間として例えば1分後のユーザの位置座標(n+1)までの移動速度Vnと移動方向とを計算する。判定部40は、海流速度とユーザの移動速度Vn、海流方向とユーザの移動方向を比較し、所定の値よりも小さい値、すなわち、近い速度値と近い方向値であれば、上記ユーザに救援が必要になったと判定しても構わない。
【0062】
図21は、所定の危険情報に基づいて支援する場合の一例を示す図である。
図21において、62は、着水検知部(検知部の一例である。)である。ユーザは、移動体通信装置100を携帯している。移動体通信装置100は、図14における検知部60に接続される着水検知部62を備えている。また、検知部60の代わりに、着水検知部62を備えていてもよい。図21においては、ユーザは、船舶から落下した場合を示している。船舶は、海上、湖上、河川上等に存在している。
検知部60は、着水検知部62を介して着水を検知する。
判定部40は、検知部60により着水が検知された場合に、上記ユーザに救援が必要になったと判定する。
送信/受信部50は、判定部40によりユーザに救援が必要になったと判断されたことにより、記憶部30に記憶された位置座標(n)を準天頂衛星200を介して基地局600へ送信する。ここで、記憶部30は、常時、位置計算部20により位置計算された位置情報を順次記憶する。送信部55は、判定部40によりユーザに救援が必要になったと判断されたことにより、記憶部30に記憶された最新の位置座標(k)を準天頂衛星200を介して基地局600へ送信する方がなおよい。
【0063】
図22は、所定の危険情報に基づいて支援する場合の一例を示す図である。
図22において、ユーザは、移動体通信装置100を携帯している。移動体通信装置100は、図14における検知部60に接続される着水検知部62を備えている。また、検知部60の代わりに、着水検知部62を備えていてもよい。図22においては、ユーザは、岸壁の上に位置している。岸壁の上に限らず高波が届く位置であれば構わない。ユーザが、高波にさらわれて、岸壁から落下した場合を示している。
検知部60は、着水検知部62を介して着水を検知する。
判定部40は、検知部60により着水が検知された場合に、上記ユーザに救援が必要になったと判定する。
送信/受信部50は、判定部40によりユーザに救援が必要になったと判断されたことにより、記憶部30に記憶された位置座標(n)を準天頂衛星200を介して基地局600へ送信する。ここで、記憶部30は、常時、位置計算部20により位置計算された位置情報を順次記憶する。送信部55は、判定部40によりユーザに救援が必要になったと判断されたことにより、記憶部30に記憶された最新の位置座標(k)を準天頂衛星200を介して基地局600へ送信する方がなおよい。
ここで、送信/受信部50が基地局600から移動体通信網を介して支援情報として波高情報等を含む海流情報を入力し、ユーザに注意を促してもよい。
【0064】
図23は、所定の危険情報に基づいて支援する場合の一例を示す図である。
図23において、63は、体温検知部、64は、水量検知部である。ユーザは、移動体通信装置100を携帯している。移動体通信装置100は、検知部60に接続される体温検知部63、或いは水量検知部64を備えている。また、検知部60の代わりに、体温検知部63、或いは水量検知部64を備えていてもよい。図22においては、ユーザは、砂漠地域に位置している。砂漠地域でなくとも脱水症状、熱中症、日射病等にかかるおそれがある地域であれば構わない。また、人里から離れ、救援を呼びにくい地域であれば構わない。
検知部60は、体温検知部63を介して上記ユーザの体温を検知する。
上記判定部40は、検知部60により検知された体温が所定の温度範囲から外れた場合に、上記ユーザに救援が必要になったと判定する。例えば、ユーザが脱水症状、熱中症、日射病等にかかったことにより体温が上昇した場合、或いは脱水症状、熱中症、日射病等にかかるおそれがあるほどに体温が上昇した場合、上記ユーザに救援が必要になったと判定する。例えば、体温が38度以上に上昇した場合などである。
送信/受信部50は、判定部40によりユーザに救援が必要になったと判断されたことにより、記憶部30に記憶された位置座標(n)を準天頂衛星200を介して基地局600へ送信する。ここで、記憶部30は、常時、位置計算部20により位置計算された位置情報を順次記憶する。送信部55は、判定部40によりユーザに救援が必要になったと判断されたことにより、記憶部30に記憶された最新の位置座標(k)を準天頂衛星200を介して基地局600へ送信する方がなおよい。
【0065】
検知部60は、水量検知部64を介して上記ユーザが所持する水量を検知する。例えば、上記ユーザが所持する水筒に水量検知部64を備える。
上記判定部40は、上記検知部60により検知された水量が所定の水量より少なくなった場合に、上記ユーザに救援が必要になったと判定する。ユーザが脱水症状、熱中症、日射病等にかかる原因として水不足があげられる。また、砂漠地域において、水不足は、致命的である。例えば、水量が0.5リットル以下になった場合、上記ユーザに救援が必要になったと判定する。
送信/受信部50は、判定部40によりユーザに救援が必要になったと判断されたことにより、記憶部30に記憶された位置座標(n)を準天頂衛星200を介して基地局600へ送信する。ここで、記憶部30は、常時、位置計算部20により位置計算された位置情報を順次記憶する。送信部55は、判定部40によりユーザに救援が必要になったと判断されたことにより、記憶部30に記憶された最新の位置座標(k)を準天頂衛星200を介して基地局600へ送信する方がなおよい。
【0066】
また、以上のように、体温検知と水量検知とのうちいずれか一方ではなく、両方を検知してもよい。
検知部60は、体温検知部63を介して上記ユーザの体温を検知し、水量検知部64を介して上記ユーザが所持する水量を検知する。
上記判定部40は、上記水量検知部64を介して検知部60により検知された水量が所定の水量より少なくなった場合であって、上記体温検知部63を介して検知部60により検知された体温が所定の温度範囲から外れた場合に、上記ユーザに救援が必要になったと判定してもよい。
【0067】
上記体温検知部63は、海難事故の場合にも利用することができる。
図20、図21、図22において、移動体通信装置100は、体温検知部63を備える。
検知部60は、体温検知部63を介して上記ユーザの体温を検知する。
上記判定部40は、体温検知部63を介して検知部60により検知された体温が所定の温度範囲から外れた場合に、上記ユーザに救援が必要になったと判定する。例えば、ユーザが海上等に落下、或いは漂流し、水温により体温が低下した場合、上記ユーザに救援が必要になったと判定する。例えば、体温が35度以下に低下した場合などである。
送信/受信部50は、判定部40によりユーザに救援が必要になったと判断されたことにより、記憶部30に記憶された位置座標(n)を準天頂衛星200を介して基地局600へ送信する。ここで、記憶部30は、常時、位置計算部20により位置計算された位置情報を順次記憶する。送信部55は、判定部40によりユーザに救援が必要になったと判断されたことにより、記憶部30に記憶された最新の位置座標(k)を準天頂衛星200を介して基地局600へ送信する方がなおよい。
【0068】
また、上記検知部60は、自己と海流との相対速度と、着水と、上記ユーザの体温との内少なくとも1つを検知し、
上記記憶部30は、海抜位置を示す海抜情報と波高を示す波高情報とを記憶し、
上記判定部40は、上記記憶部30により記憶された海抜位置の値が所定の海抜値以下の場合と上記記憶部30により記憶された波高の値が所定の波高値以上の場合と上記検知部60により検知された体温が所定の温度範囲から外れた場合の内少なくとも1つの場合であって、上記検知部60により検知された相対速度が所定の値よりも小さい場合と上記検知部60により着水が検知された場合と上記検知部60により検知された体温が所定の温度範囲から外れた場合との内少なくとも1つの場合に、上記ユーザに救援が必要になったと判定するようにしても構わない。例えば、記憶部30は、位置計算部20から現在の海抜位置を入力する。海抜位置が0m、すなわち、海面にユーザがいる場合を判定条件に加えることにより、単に水に濡れただけの着水検知部62の反応誤検出を排除し、より正確に、救援の必要性を判定できるようにすることができる。
【0069】
以上の説明において、上記判定部40は、上記ユーザに救援が必要になったと判定する場合に、所定の遅延時間を経過した後に判定するようにしても構わない。
例えば、船舶から落下し、着水検知部62が着水を検知した後、5分経過した後になっても着水を検知したままである場合に、上記判定部40は、上記ユーザに救援が必要になったと判定する。ユーザが5分以内に自力で船舶その他に這い上がる或いは仲間に助けられることも想定される。
また、例えば、流速検知部61が海流により水圧を検知し、水圧に基づき海流速度とユーザの移動速度との相対速度が小さいと推定した後、5分経過した後になっても所定の水圧を検知したままである場合に、上記判定部40は、上記ユーザに救援が必要になったと判定する。5分以内であれば、ユーザが単に遊んでいるだけであることも想定される。
また、例えば、水量検知部64を介して検知部60により検知された水量が所定の水量より少なくなった後、3時間経過した後になっても所定の水圧を検知したままである場合に、上記判定部40は、上記ユーザに救援が必要になったと判定する。3時間以内であれば、ユーザが自力で近隣の安全地域に待避できることも想定される。
【0070】
図24は、変換テーブルの一例を示す図である。
図24において、変換テーブル90は、位置情報送信命令情報と文字情報と音声情報とを備えている。変換テーブル90は、位置情報送信命令情報を文字情報或いは音声情報に、または文字情報と音声情報に、変換する。
位置情報送信命令情報は、コマンド1、コマンド2、コマンド3、コマンド4、…を有する。
文字情報は、コマンド1に対応して「ケガにより移動不可。救援求む。」との文字情報、コマンド2に対応して「滑落した。救援求む。」との文字情報、コマンド3に対応して「迷子になった所。救援求む。」との文字情報、コマンド4に対応して「食料なし移動不可。救援求む。」との文字情報を有している。
音声情報は、コマンド1に対応して「ケガにより移動不可。救援求む。」との音声情報、コマンド2に対応して「滑落した。救援求む。」との音声情報、コマンド3に対応して「迷子になった所。救援求む。」との音声情報、コマンド4に対応して「食料なし移動不可。救援求む。」との音声情報を有している。
変換テーブル90は、上記送信命令入力部80により入力された位置情報送信命令情報を文字情報と音声情報との内少なくとも1つに変換する。
上記送信/受信部50は、上記変換テーブル90により変換された文字情報と音声情報との内少なくとも1つを例えば準天頂衛星200を介して基地局600へ送信する。
【0071】
以上のように、準天頂衛星200は、常に日本上空にいるため日本周辺での遭難発生がリアルタイムで把握できるとともに、専用無線機である移動体通信装置100からの信号に位置情報も含めるため、救援活動の迅速化、正確化により救命率の向上、救難コストの大幅な削減、救難作業自体の危険性の減少を図ることができる。さらに、専用無線機に双方向通信機能を持たせることにより、救助指揮センターから遭難者への救助状況などのメッセージ返信が可能となり、延命率向上が期待される。さらに、準天頂衛星200の広域通信機能により、救助をおこなうヘリコプター、自動車など移動体から救助本部へ映像、データが実時間で伝送できるため、対策指示を正確、容易とすることができる。
【0072】
実施の形態4.
実施の形態4における構成は、実施の形態1〜3のいずれかと同様である。
GPS入力部10は、準天頂衛星200を含む複数の衛星から基礎位置情報を入力する。
位置計算部20は、上記GPS入力部10により入力された基礎位置情報に基づいて上記自己の位置情報を生成する。
記憶部30は、上記位置計算部20により生成された自己の位置情報の履歴を履歴情報として記憶する。
送信部55或いは送信/受信部50は、上記記憶部30により記憶された履歴情報を送信する。
移動体通信網を介して履歴情報を送信することで、救援が必用になったユーザがどのような軌跡を辿ったかを追跡することができる。追跡することができることにより事故の再発防止に役立てることができる。
また、移動体通信網を介して履歴情報を送信することで、実施の形態3における先行パーティが自己の先行パーティ情報を基地局600、或いは直接、先行パーティ情報を必用とする移動体通信装置100を携帯しているユーザに送信することができる。
【0073】
実施の形態5.
上記実施の形態3における構成に、さらに、課金部を備えることにより、救援支援をおこなったユーザから利用料金を徴収するようにしてもよい。
基地局600は、ユーザと移動体通信装置100とを登録する登録部と、救援支援をおこなったユーザから利用料金を徴収する料金徴収部を備える。
移動体通信装置100は、救援支援をおこなったユーザから利用料金を課金する課金部を備える。
登録部により登録されたユーザが、送信/受信部50により支援情報を基地局600から入力する際に、課金部は、利用料金を提示し、ユーザの同意の入力を例えば、送信命令入力部80から入力させ、課金する。送信/受信部50は、課金した情報を基地局に送信し、料金徴収部は、ユーザから利用料金を徴収する。
【0074】
また、上記各実施の形態において、ビジネスモデルとして、基地局600は、ユーザと移動体通信装置100とを登録する登録部と、救援支援をおこなうユーザから利用料金を徴収する料金徴収部を備え、料金徴収部は、登録されたユーザから定期的に利用料金を徴収してもよい。また、送信部55或いは送信/受信部50が自己の位置情報を送信した場合に、料金徴収部は、登録されたユーザから利用料金を徴収してもよい。
【0075】
上記各実施の形態における構成に、さらに、ビジネスモデルとして、救援支援をおこなうユーザに障害保険金を支払う障害保険機構部を備えてもよい。障害保険機構部は、基地局600の内部にあっても外部にあっても構わない。障害保険機構部は、救援支援をおこなうユーザから障害保険契約料を徴収する障害保険課金部を備える。移動体通信装置100が備える課金部は、障害保険契約料を提示し、ユーザの同意の入力を例えば、送信命令入力部80から入力させ、課金する。送信/受信部50は、課金した情報を基地局を介して障害保険機構部に送信し、障害保険課金部は、ユーザから障害保険契約料を徴収する。送信/受信部50は、課金した情報を直接障害保険機構部に送信してもよい。障害保険機構部は、基地局600が備える登録部に、ユーザと移動体通信装置100とを登録することを条件に障害保険契約料を軽減するようにしてもよい。障害保険機構部は、各実施の形態における構成により救援支援をおこなったユーザの発見が容易になることから救援費用を軽減することができる。また、ユーザは、障害保険金により救援にかかる費用リスクを軽減することができる。
【0076】
以上の説明において、各実施の形態の説明において「〜部」として説明したものは、一部或いはすべてコンピュータで動作可能なプログラムにより構成することができる。これらのプログラムは、例えば、C言語により作成することができる。或いは、HTMLやSGMLやXMLを用いても構わない。或いは、JAVA(登録商標)を用いて画面表示を行っても構わない。
また、各実施の形態の説明において「〜部」として説明したものは、ROM(Read Only Memory)に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェア或いは、ハードウェア或いは、ソフトウェアとハードウェアとファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。
また、上記各実施の形態を実施させるプログラムは、コンピュータで動作可能なプログラムを記録した記録媒体である磁気ディスク装置に記録されている。また、FD(Flexible Disk)、光ディスク、CD(コンパクトディスク)、MD(ミニディスク)、DVD(Digital Versatile
Disk)等のその他の記録媒体による記録装置を用いても構わない。
【0077】
以上のように、上記実施の形態における移動体通信装置は、
自己の位置情報を記憶する記憶部と、
所定の情報を入力し、入力された所定の情報に基づいて、自己を所有するユーザに救援が必要になったか否かを判定する判定部と、
上記判定部により上記ユーザに救援が必要になったと判定された場合に、上記記憶部に記憶された自己の位置情報を送信する送信部と
を備えたことを特徴とする。
【0078】
以上のように、上記実施の形態における上記移動体通信装置は、さらに、準天頂衛星を含む複数の衛星から基礎位置情報を入力する基礎位置情報入力部と、
上記基礎位置情報入力部により入力された基礎位置情報に基づいて上記自己の位置情報を生成する位置情報生成部と
を備えたことを特徴とする。
【0079】
以上のように、上記実施の形態における上記移動体通信装置は、さらに、上記判定部により上記ユーザに救援が必要になったと判定された場合に、上記ユーザに救援が必要になったと判定したことを出力する出力部と、
位置情報送信命令情報を入力する送信命令入力部と
を備え、
上記送信命令入力部は、上記出力部により上記ユーザに救援が必要になったと判定したことが出力された場合に、位置情報送信命令情報を入力し、
上記送信部は、上記送信命令入力部により上記位置情報送信命令情報が入力された場合に、上記記憶部に記憶された自己の位置情報を送信することを特徴とする。
【0080】
以上のように、上記実施の形態における上記移動体通信装置は、さらに、上記送信命令入力部により入力された位置情報送信命令情報を文字情報と音声情報との内少なくとも1つに変換する変換テーブルを備え、
上記送信部は、上記変換テーブルにより変換された文字情報と音声情報との内少なくとも1つを送信することを特徴とする。
【0081】
以上のように、上記実施の形態における上記記憶部は、時間を異にした複数の自己の位置情報を記憶し、
上記判定部は、上記記憶部により記憶された上記複数の自己の位置情報に基づいて上記ユーザに救援が必要になったと判定することを特徴とする。
【0082】
以上のように、上記実施の形態における上記複数の自己の位置情報は、所定の期間毎に連続する自己の位置情報であって、
上記判定部は、上記自己の位置情報が単位期間あたり所定の距離以上移動した場合に、上記ユーザに救援が必要になったと判定することを特徴とする。
【0083】
以上のように、上記実施の形態における上記記憶部は、上記複数の自己の位置情報と一日の時間を判別する時間情報とを有し、
上記判定部は、上記自己の位置情報が所定の時間帯に常に所定の範囲内に位置する場合に、上記ユーザに救援が必要になったと判定することを特徴とする。
【0084】
以上のように、上記実施の形態における上記記憶部は、気象情報を記憶し、
上記判定部は、上記気象情報が所定の気象条件である場合に、上記ユーザに救援が必要になったと判定することを特徴とする。
【0085】
以上のように、上記実施の形態における上記移動体通信装置は、さらに、上記ユーザを支援する支援情報を受信する受信部を備えたことを特徴とする。
【0086】
以上のように、上記実施の形態における上記支援情報は、雪山情報と登山路情報と先行パーティ情報との内少なくとも1つを有することを特徴とする。
【0087】
以上のように、上記実施の形態における上記雪山情報は、雪庇位置を示す雪庇位置情報を有することを特徴とする。
【0088】
以上のように、上記実施の形態における上記先行パーティ情報は、先行パーティが通過した軌跡を示す軌跡情報を有することを特徴とする。
【0089】
以上のように、上記実施の形態における上記受信部は、支援情報を上記準天頂衛星と地上基地局との内少なくとも1つから受信することを特徴とする。
【0090】
以上のように、上記実施の形態における上記地上基地局は、登山口に存在することを特徴とする。
【0091】
以上のように、上記実施の形態における上記移動体通信装置は、所定の危険情報を検知する検知部を備え、
上記判定部は、上記検知部により上記所定の危険情報が検知された場合に、上記ユーザに救援が必要になったと判定することを特徴とする。
【0092】
以上のように、上記実施の形態における上記検知部は、自己と海流との相対速度を検知し、
上記判定部は、上記検知部により検知された相対速度が所定の値よりも小さい場合に、上記ユーザに救援が必要になったと判定することを特徴とする。
【0093】
以上のように、上記実施の形態における上記検知部は、着水を検知し、
上記判定部は、上記検知部により着水が検知された場合に、上記ユーザに救援が必要になったと判定することを特徴とする。
【0094】
以上のように、上記実施の形態における上記検知部は、上記ユーザの体温を検知し、
上記判定部は、上記検知部により検知された体温が所定の温度範囲から外れた場合に、上記ユーザに救援が必要になったと判定することを特徴とする。
【0095】
以上のように、上記実施の形態における上記検知部は、自己と海流との相対速度と、着水と、上記ユーザの体温との内少なくとも1つを検知し、
上記記憶部は、海抜位置を示す海抜情報と波高を示す波高情報とを記憶し、
上記判定部は、上記記憶部により記憶された海抜位置の値が所定の海抜値以下の場合と上記記憶部により記憶された波高の値が所定の波高値以上の場合と上記検知部により検知された体温が所定の温度範囲から外れた場合の内少なくとも1つの場合であって、上記検知部により検知された相対速度が所定の値よりも小さい場合と上記検知部により着水が検知された場合と上記検知部により検知された体温が所定の温度範囲から外れた場合との内少なくとも1つの場合に、上記ユーザに救援が必要になったと判定することを特徴とする。
【0096】
以上のように、上記実施の形態における上記検知部は、上記ユーザが所持する水量を検知し、
上記判定部は、上記検知部により検知された水量が所定の水量より少なくなった場合に、上記ユーザに救援が必要になったと判定することを特徴とする。
【0097】
以上のように、上記実施の形態における上記検知部は、上記ユーザの体温を検知し、
上記判定部は、上記検知部により検知された水量が所定の水量より少なくなった場合であって、上記検知部により検知された体温が所定の温度範囲から外れた場合に、上記ユーザに救援が必要になったと判定することを特徴とする。
【0098】
以上のように、上記実施の形態における上記判定部は、上記ユーザに救援が必要になったと判定する場合に、所定の遅延時間を経過した後に判定することを特徴とする。
【0099】
以上のように、上記実施の形態における移動体通信装置は、
準天頂衛星を含む複数の衛星から基礎位置情報を入力する基礎位置情報入力部と、
上記基礎位置情報入力部により入力された基礎位置情報に基づいて上記自己の位置情報を生成する位置情報生成部と、
上記位置情報生成部により生成された自己の位置情報の履歴を履歴情報として記憶する記憶部と、
上記記憶部により記憶された履歴情報を送信する送信部と
を備えたことを特徴とする。
【0100】
以上のように、上記実施の形態における救援支援方法は、
準天頂衛星を含む複数の衛星から基礎位置情報を入力する基礎位置情報入力工程と、
上記基礎位置情報入力工程により入力された基礎位置情報に基づいて上記自己の位置情報を生成する位置情報生成工程と、
上記位置情報生成工程により生成された自己の位置情報の履歴を履歴情報として記憶する記憶工程と、
上記記憶工程により記憶された履歴情報を送信する送信工程と
を備えたことを特徴とする。
【0101】
以上のように、上記実施の形態におけるプログラムは、
自己の位置情報を記憶する記憶処理と、
所定の情報を入力し、入力された所定の情報に基づいて、自己を所有するユーザに救援が必要になったか否かを判定する判定処理と、
上記判定処理により上記ユーザに救援が必要になったと判定された場合に、上記記憶処理により記憶された自己の位置情報を送信する送信処理と
をコンピュータに実行させる。
【0102】
以上のように、上記実施の形態におけるプログラムは、
準天頂衛星を含む複数の衛星から基礎位置情報を入力する基礎位置情報入力処理と、
上記基礎位置情報入力処理により入力された基礎位置情報に基づいて上記自己の位置情報を生成する位置情報生成処理と、
上記位置情報生成処理により生成された自己の位置情報の履歴を履歴情報として記憶する記憶処理と、
上記記憶処理により記憶された履歴情報を送信する送信処理と
をコンピュータに実行させる。
【0103】
以上のように、上記実施の形態における記録媒体は、
自己の位置情報を記憶する記憶処理と、
所定の情報を入力し、入力された所定の情報に基づいて、自己を所有するユーザに救援が必要になったか否かを判定する判定処理と、
上記判定処理により上記ユーザに救援が必要になったと判定された場合に、上記記憶処理により記憶された自己の位置情報を送信する送信処理と
をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0104】
以上のように、上記実施の形態における記録媒体は、
準天頂衛星を含む複数の衛星から基礎位置情報を入力する基礎位置情報入力処理と、
上記基礎位置情報入力処理により入力された基礎位置情報に基づいて上記自己の位置情報を生成する位置情報生成処理と、
上記位置情報生成処理により生成された自己の位置情報の履歴を履歴情報として記憶する記憶処理と、
上記記憶処理により記憶された履歴情報を送信する送信処理と
をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0105】
以上のように、上記実施の形態における移動体通信装置は、
準天頂衛星を含む複数の衛星から基礎位置情報を入力する基礎位置情報入力部と、
上記基礎位置情報入力部により入力された基礎位置情報に基づいて上記自己の位置情報を生成する位置情報生成部と、
所定の情報を入力し、入力された所定の情報に基づいて、自己を所有するユーザに救援が必要になったか否かを判定する判定部と、
上記判定部により上記ユーザに救援が必要になったと判定された場合に、上記位置情報生成部により生成された自己の位置情報を送信する送信部と
を備えたことを特徴とする。
【0106】
以上のように、上記実施の形態における移動体通信装置は、
自己の位置情報を記憶する記憶部と、
所定の情報を入力し、入力された所定の情報に基づいて、自己を所有するユーザに救援が必要になったか否かを判定する判定部と、
上記判定部により上記ユーザに救援が必要になったと判定された場合に、上記ユーザに救援が必要になったと判定したことを出力する出力部と、
上記出力部により上記ユーザに救援が必要になったと判定したことが出力された場合に、位置情報送信命令情報を入力する送信命令入力部と、
上記送信命令入力部により上記位置情報送信命令情報が入力された場合に、上記記憶部に記憶された自己の位置情報を送信する送信部と
を備えたことを特徴とする。
【0107】
以上のように、上記実施の形態における移動体通信装置は、
自己の位置情報を記憶する記憶部と、
所定の危険情報を検知する検知部と、
上記検知部により上記所定の危険情報が検知された場合に、自己を所有するユーザに救援が必要になったか否かを判定する判定部と、
上記判定部により上記ユーザに救援が必要になったと判定された場合に、上記記憶部に記憶された自己の位置情報を送信する送信部と
を備えたことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】実施の形態1における構成を示す図である。
【図2】準天頂衛星を利用した測位システムの構成を示す図である。
【図3】実施の形態1における測位システムを備えた構成を示す図である。
【図4】基礎位置情報の一例を示す図である。
【図5】自己の位置情報の一例を示す図である。
【図6】山間部において救援支援する場合の構成を示す図である。
【図7】滑落した場合の救援支援を示す図である。
【図8】高波にさらわれた場合の救援支援を示す図である。
【図9】船舶から転落した場合の救援支援を示す図である。
【図10】判定部における判定フローを示す図である。
【図11】砂漠地域における救援支援を示す図である。
【図12】判定部における判定フローを示す図である。
【図13】実施の形態2における構成を示す図である。
【図14】実施の形態3における構成を示す図である。
【図15】判定基準の一例を示す図である。
【図16】支援情報の一例を示す図である。
【図17】雪庇位置情報に基づいて支援する場合の一例を示す図である。
【図18】登山路情報に基づいて支援する場合の一例を示す図である。
【図19】先行パーティ情報に基づいて支援する場合の一例を示す図である。
【図20】所定の危険情報に基づいて支援する場合の一例を示す図である。
【図21】所定の危険情報に基づいて支援する場合の一例を示す図である。
【図22】所定の危険情報に基づいて支援する場合の一例を示す図である。
【図23】所定の危険情報に基づいて支援する場合の一例を示す図である。
【図24】変換テーブルの一例を示す図である。
【図25】今後計画されている技術を示す図である。
【図26】今後計画されている技術を示す図である。
【図27】準天頂衛星を利用した測位システムを示す図である。
【図28】従来技術を示す図である。
【符号の説明】
【0109】
10 GPS入力部、20 位置計算部、30 記憶部、40 判定部、50 送信/受信部、51 コネクタ、52 回線、55 送信部、60 検知部、61 流速検知部、62 着水検知部、63 体温検知部、64 水量検知部、70 出力部、71 表示部、80 送信命令入力部、90 変換テーブル、100 移動体通信装置、110 長楕円軌道衛星、111 救助センター、112 登山者、113 GPS衛星、114 端末、200 準天頂衛星、300 GPS衛星、500 MTSAT、600 基地局。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己の位置情報を記憶する記憶部と、
自己を所有するユーザが所持する水の量を検知する検知部と、
上記検知部により検知された水の量が所定の水量より少ない場合に、上記ユーザに救援が必要になったと判定する判定部と、
上記判定部により上記ユーザに救援が必要になったと判定された場合に、上記記憶部に記憶された自己の位置情報を送信する送信部と
を備えたことを特徴とする移動体通信装置。
【請求項2】
上記検知部は、さらに、上記ユーザの体温を検知し、
上記判定部は、上記検知部により検知された水の量が所定の水量より少ない場合であって、上記検知部により検知された体温が所定の温度範囲から外れた場合に、上記ユーザに救援が必要になったと判定することを特徴とする請求項1に記載の移動体通信装置。
【請求項3】
上記移動体通信装置は、さらに、
複数の衛星から基礎位置情報を入力する基礎位置情報入力部と、
上記基礎位置情報入力部により入力された基礎位置情報に基づいて上記自己の位置情報を生成する位置情報生成部と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の移動体通信装置。
【請求項4】
上記基礎位置情報入力部は、準天頂衛星を含む複数の衛星から基礎位置情報を入力することを特徴とする請求項3に記載の移動体通信装置。
【請求項5】
上記移動体通信装置は、さらに、
上記ユーザを支援する支援情報を受信して上記記憶部に入力する受信部と、
上記受信部により上記支援情報が上記記憶部に入力される際に、上記ユーザに利用料金を課金する課金部とを備え、
上記送信部は、さらに、上記課金部により課金された情報を送信することを特徴とする請求項1に記載の移動体通信装置。
【請求項6】
上記判定部は、上記ユーザに救援が必要になったと判定する場合に、所定の遅延時間を経過した後に再度判定することを特徴とする請求項1に記載の移動体通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2006−185436(P2006−185436A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−347797(P2005−347797)
【出願日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【分割の表示】特願2002−166441(P2002−166441)の分割
【原出願日】平成14年6月7日(2002.6.7)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】