説明

移動可能なエンティティを監視し制御する地理的領域を設定して利用するシステム

【課題】地理的領域内の移動可能なエンティティ及び動作を調整するために地理的領域を利用するために、地理的領域を規定する方法を提供する。
【解決手段】地理的座標及び地理的座標から発生する半径によってそれぞれ規定された複数の中間点を規定するとともにこれら中間点をトランスポンダにロードするのをユーザに許容することによって地理的領域を規定することができる。地理的領域を、トランスポンダにロードされるとともに画素で構成された画像にマッピングされる複数の座標を選択することによって規定することもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2004年11月5日に出願された米国仮特許出願第60/625,467号の優先日の利益を主張する。この出願は、発明の名称が「地理的領域を設定し及び利用する方法及びシステム」である2005年4月13日に出願された米国特許出願第11/105,931号、発明の名称が「移動可能なエンティティを監視する方法及びシステム」である2005年4月13日に出願された米国特許出願第11/105,621号、及び発明の名称が「移動可能なエンティティを制御する方法及びシステム」である2005年4月13日に出願された米国特許出願第11/105,932号の優先権も主張する。これら四つの出願を、参照することによって全体を組み込む。
【0002】
本発明は、地理的領域の設定及び使用に関する。特に、本発明は、移動可能なエンティティ機能及び予め設定された地理的領域に関連する位置決めデータを遠隔制御し及び監視するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
車両追跡システムがだんだん出回るようになっており、会社及び個人に対してますます廉価に利用できるようになっている。大抵の追跡位置探知システムは、グローバル・ポジショニング・システム(GPS)技術を利用する。GPS車両追跡システムは、貨物運送、公益輸送、個人の追跡、実施官庁の調査等の様々なアプリケーションを有する。
【0004】
車両管理において、GPS車両追跡システムは、車両効率を向上し、燃料コストのような動作コストを低減し、正確な配達、集配及び車両の動作に関連したルート設定を管理することができる。
【0005】
個人的な追跡において、個人は、目的地までの最短又は最速経路を取得するためのGPS車両追跡情報、他の位置に対する現在の位置等を用いる。さらに、個人追跡システムによって、ユーザは、他人に預けた車両を追跡することができる。同様に、実施官庁は、パトロール車両を配備するとともに盗難車両を取り戻すためにGPS車両追跡システムを用いることができる。
【0006】
現在のGPS車両追跡システムが生産性及び安全性の向上のような利益を提供するが、これらの利益はまだ最大ではない。現在のシステムは、GPS情報の中央センタ又はウェブサーバへの伝達及び車両位置のコンピュータマップへのプロットに限定されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、予め設定された地理的領域を用いることによってユーザが車両及び他の移動エンティティを制御し及び監視できるシステム及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様において、トランスポンダが取り付けられた移動可能エンティティを調整するのに用いられる地理的領域を規定する方法がある。この方法は、複数の座標を演算装置からトランスポンダのメモリにロードし、1画素を前記複数の座標の各座標に割り当てるために、画素で構成された画像に前記座標をマッピングし、割り当てられた画素の各々の間の距離を設定可能にし、割り当てられた前記複数の画素をラインで接続して、前記画素で構成された画像の領域を包囲する連続的に接続したラインを形成し、前記画素で構成された画像の形状を包囲する連続的な画素のアレイを形成するために、前記ライン上の画素を有効にする。他の態様において、地理的領域を規定する方法によって、エンティティの状態を監視し、制御し及び視覚化することによってエンティティを調整することができる。エンティティの状態を、エンティティの移動、静止及び位置とすることができる。
【0009】
他の態様において、複数の座標は、演算装置のユーザによって入力され、トランスポンダに送信される。コンピュータのマップのポイントの選択を、マップをクリックすることによりユーザに許容するとともに、マップの選択したポイントの各々の地理的座標を計算することによって、ユーザは地理的座標を入力することができる。他の態様において、ユーザは、コンピュータに緯度及び経度を打ち込むことによって地理的座標を入力することができる。複数の地理的座標は、メルカトル系又は緯度及び経度の系によって規定される。
【0010】
他の態様において、地理的領域を規定する方法で説明したような地理的領域に関連するエンティティの位置を、トランスポンダが配置された地理的座標に対応する画素を有効にすることにより画素で構成された画像内に前記トランスポンダを配置するステップと、互いに逆方向の2本の垂直方向のラインを前記画素から延ばすステップと、互いに逆方向の2本の水平方向のラインを前記画素から延ばすステップと、各ラインが前記地理的領域の境界を横切る回数を決定するステップと、前記境界を偶数回横切るラインにそれぞれ外側の状態を割り当てるステップと、前記境界を奇数回横切るラインにそれぞれ内側の状態を割り当てるステップと、4本のラインのうちの3本の状態が内側の状態を表す場合、前記トランスポンダが前記境界の内側にあることを識別するステップとによって決定する。
【0011】
他の態様において、前記トランスポンダは、位置座標を計算する地上位置決めシステム受信機を有し、前記画素で構成された画像の車両位置を前記コンピュータ画像の1画素としてロードする。
【0012】
他の態様において、前記地理的領域の形状を、正方形や、矩形や、三角形や、円形や、楕円形や台形のような幾何学的形状とする。前記地理的領域の形状を、通り、州、都市、群又は国を画定する境界の形状のような非幾何学的形状とすることもできる。
【0013】
他の態様において、トランスポンダが取り付けられた移動可能なエンティティを調整するために用いられる地理的領域を規定する方法が存在する。この方法は、複数の中間点を入力することをユーザに許容し、前記複数の中間点の各々を、緯度及び経度によって表される地理的座標並びに距離によって表される半径によって規定し、前記複数の中間点をトランスポンダにロードする。
【0014】
他の態様において、全地球位置座標を取得するとともに、前記地球位置座標が前記複数の中間点のうちの少なくとも一つの中間点にあるか否かを計算することによって、前記トランスポンダが前記地理的領域内に存在するか否かを前記トランスポンダが決定する。前記地理的領域の形状を非幾何学的形状とする。
【0015】
他の態様において、前記複数の中間点の全てが同心となるように、前記複数の中間点のすべてが同一座標で異なる半径を有する。
【0016】
他の態様において、エンティティを調整するために地理的領域を識別する方法が存在する。この方法は、コンピュータマップにおいて、二つの座標特性を有する地理的領域を識別することをユーザに許容し、識別された地理的領域をグリッドに分割し、地理的な領域を規定するために前記グリッド内から少なくとも一つの区域を選択することをユーザに許容し、前記識別された地理的領域で前記ユーザによって選択された画素を前記地理的領域として識別するように、前記少なくとも一つの区域を、画素で構成されたコンピュータ画像の画素に割り当て、前記画素で構成されたコンピュータ画像を、前記トランスポンダのメモリに割り当てる。
【0017】
他の態様において、前記画素で構成された画像が、前記識別された地理的領域に正比例する数の行及び列を有する。また、前記画素で構成された画像が、前記識別された地理的領域と同数の行及び列を有する。他の態様において、前記地理的領域を矩形又は円形とする。他の態様において、第2の地理的領域を複数の地理的領域によって規定する。
【0018】
他の態様において、前記トランスポンダの位置を、前記トランスポンダに操作的に接続した地上位置決めユニットから取得し、前記地理的領域の前記トランスポンダの位置を、前記画素で構成されたコンピュータ画像の前記トランスポンダの表示位置に関連させ、前記画素で構成されたコンピュータ画像における前記トランスポンダの表示位置が前記地理的領域内としてフラグが立てられた画素に存在するか否かを決定することによって、前記トランスポンダが取り付けられたエンティティを前記地理的位置に配置する。
【0019】
他の態様において、トランスポンダが取り付けられたエンティティを無線で監視し及び制御する方法が存在する。地理的領域を表すデータは、演算装置からトランスポンダのメモリにロードされる。地理的領域を表す包囲領域を、画素で構成された画像に形成するために、前記複数の座標を用いて地理的領域を規定するよう前記トランスポンダのマイクロプロセッサをプログラムする。前記地理的領域に関連する前記エンティティの状態に関連したイベントの発生を決定するよう前記トランスポンダのマイクロプロセッサをプログラムする。イベントの発生に関連したデータを前記トランスポンダからユーザに送信するよう前記トランスポンダのマイクロプロセッサを設定する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1A、図1Bは共に、車両を制御し及び監視するコンピュータシステムのハイレベルアーキテクチャを示す。
【図2】車両を制御し及び監視するシステムで用いられるトランスポンダの構成レイアウトを示す。
【図3】Aは、車両を制御し及び監視するシステムで用いられるトランスポンダの外部の前方を示す。Bは、車両を制御し及び監視するシステムで用いられるトランスポンダの外部の後方を示す。Cは、トランスポンダに含まれる多ピンコネクタを示す。
【図4A】モデムが検出されるトランスポンダ設定アプリケーションのウィンドウを示す。
【図4B】モデムを設定するためにユーザがパラメータを選択することができるトランスポンダ設定アプリケーションのウィンドウを示す。
【図4C】複数の入力及び出力を設定するためにユーザがパラメータを選択することができるトランスポンダ設定アプリケーションのウィンドウを示す。
【図4D】複数の論理イベント及び物理イベントを設定するためにユーザがパラメータを選択することができるトランスポンダ設定アプリケーションのウィンドウを示す。
【図4E】複数の入力及び態様を設定するためにユーザがパラメータを選択することができるトランスポンダ設定アプリケーションのウィンドウを示す。
【図4F】複数の入力及び態様を設定するためにユーザがパラメータを選択することができるトランスポンダ設定アプリケーションのウィンドウを示す。
【図4G】複数の入力及び態様を設定するためにユーザがパラメータを選択することができるトランスポンダ設定アプリケーションのウィンドウを示す。
【図5A】領域の画素マップを示す。
【図5B】地理的領域の画素マップを示す。
【図6】バックエンド制御システムの構成図を示す。
【図7A】クライアントコンソールの一例のスクリーンショットを示す。
【図7B】クライアントコンソールの一例のスクリーンショットを示す。
【図7C】クライアントコンソールの一例のスクリーンショットを示す。
【図7D】クライアントコンソールの一例のスクリーンショットを示す。
【図8】アドミニストレータコンソールの一例のスクリーンショットを示す。
【図9A】動作データプロセッサの一例のスクリーンショットを示す。
【図9B】動作データプロセッサの一例のスクリーンショットを示す。
【図9C】動作データプロセッサの一例のスクリーンショットを示す。
【図10A】ヒストリデータプロセッサの一例のスクリーンショットを示す。
【図10B】ヒストリデータプロセッサの一例のスクリーンショットを示す。
【図11】ディスエーブルトランスポンダプロセッサの一例のスクリーンショットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
地上位置決め装置を用いるアセットマネージメント及びモニタリング装置によって、ユーザは、車両、貨物及び他のエンティティを追跡することができる。以下に説明する方法及び装置は、位置及び状況情報を地球的規模で提供することができるGPS衛星と組み合わせてセルラ通信ネットワーク及び衛星通信ネットワーク上で通信を行うトランスポンダを利用する。トランスポンダによって、事前設定された地理的領域及びイベントに従う動作を含む広範囲の周辺装置とのやり取り及び周辺装置の制御を許容する。
【0022】
トランスポンダを、種々のアーティクル及びエンティティに載せ置き、取り付け、製造し又は他の方法で含ませることができる。そのようなアーティクル又はエンティティは、車両、航空機、貨物、人、動物、又は、移動及び/又は位置を追跡するのが有用な他のアイテムを含むことができる。追跡システム内において、トランスポンダは、トランスポンダが取り付けられたアーティクル又はエンティティについての情報を収集し、処理し及び通信するよう作動する。さらに、必要なときには、トランスポンダは、ローカルアーティクル又はエンティティに種々のコマンド及びインストラクションを発することができる。
【0023】
トランスポンダは、インテリジェント装置の特徴、柔軟性及び機能を有する。トランスポンダは、少なくとも一つのモデム(セルラ、衛星及びそれ以外)、少なくとも一つのグローバル・ポジショニング・システム(GPS)受信機、少なくとも一つのメモリモジュール、及び他の周辺装置と連動する少なくとも32ビットのプロセッサを有する。トランスポンダの構成要素は、少なくとも一つのGPSアンテナ、少なくとも一つのモデムアンテナ、少なくとも一つの通信及び設定用シリアルポート、少なくとも1入力及び少なくとも1出力を有する少なくとも一つのマルチコネクタを有するが、それに限定されるものではない。
【0024】
トランスポンダは、既に説明したような構成要素の多様な組合せを有することができる。例えば、トランスポンダは、二つのモデムを有することができ、この場合、一方のモデムを衛星モデムとし、他方のモデムをセルラモデムとする。さらに、トランスポンダは、他の構成要素と共にブルートゥース受信機も有することができる。トランスポンダの構成要素は、ユーザがどの機能を要求するかに依存する。
【0025】
多数の機能のうち、トランスポンダの中央処理ユニットを、設定可能なイベント又は設定可能な動作を管理するように設定することができる。イベントを管理することは、幾つかある機能の中で特に、トランスポンダが多数の設定可能なイベント又は設定可能な動作を報告し、観察し、認識し、処理し及び分析でき、種々のコマンドを与え及び種々のコマンドに応答し、ローカルインストールの種々のイベントを達成し、並びにヒストリ記録構成要素を有することを意味する。
【0026】
物理イベント及び論理イベントによって開始されるイベントメッセージは、イベントメッセージそれ自体を含み、そのような情報は、緯度、経度、速度、方向、時間、全ての入力の状態、全ての出力の状態、走行距離、イベント理由又は原因、及びエンティティに関する他の関連情報を有する。
【0027】
トランスポンダは、ユーザが所望するのと同数の設定可能な論理イベント又は物理イベントを有するよう設定可能である。イベントを物理的又は論理的にすることができる。論理イベントを、GPS位置及び時間や速度のような他の因子の組合せ用いた規則に基づかせることができる。物理的なイベントを、車両又はオブジェクトにおいて物理的に明らかにされたイベントとする。
【0028】
設定可能なイベント又は設定可能な動作は、トランスポンダのCPUが実行する動作をいう。設定可能なイベント又は設定可能な動作は、車両の点火装置のオン又はオフの切替、燃料タンクのレベル又はその変化、緊急事態に関連するボタンの押圧又は車両内のレベル、ドア又はラッチのロック又はロック解除、窓の開閉、LED信号光のオンオフの切換、種々のリレーのオンオフの切替、アラームのオンオフの切替、バッテリの電力レベルの変化、接続されたスキャナによって走査されるバーコード、乗客の乗降、貨物の積みおろし、車両の故障部分、受信した車両診断コード、検出された衝撃、配備されたエアバッグ、シートベルトの装着/非装着、タイヤ空気圧の高低、及び車両又はオブジェクトの他の機構を含むことができるが、それに限定されない。
【0029】
他の設定可能なイベント又は設定可能な動作は、緯度、経度及び/又は高度に関連する車両又はオブジェクトの位置、最近報告された設定可能なイベントの時間及び対応する位置、車両又はオブジェクトの速度及び方向、割り当てられたあらゆる入力若しくは出力の状態又はその変化、予め選択された時間間隔、日付及び時間基準に基づいて予め選択された間隔、設定可能なイベント又は設定可能な動作のいずれかを報告し及び記録する予め選択されたスケジュール、予め選択された最高速度、最高加速度、車両のアイドルの長さ、オブジェクトの移動しない長さを含む。
【0030】
他の設定可能なイベント又は設定可能な動作は、予め設定された中間地点又は予め設定された領域の入出を有する。中間地点を、地理的な中心及び半径によって規定された円形領域とする。中間地点によって規定された領域は、半径及び地理的中心の位置を変更することによって設定可能である。領域を、領域を包囲する一連の線分によって規定された不規則な領域とする。
【0031】
設定可能なイベント、設定可能な動作又はその組合せを、特定のメッセージを送信し、特定の問合せ又はコマンドに応答し、特定の機構をイネーブル若しくはディスエーブルし、又は特定のイベントを認識するために処理することができる。例えば、CPUを、予め選択された時間において車両又はオブジェクトが予め設定された距離を移動しなかった場合にトランスポンダがコマンドを送信して車両の点火装置をオフに切り替え又はアーティクルを変更するように設定可能にすることができる。
【0032】
設定可能なイベント又は設定可能な動作が多くの状況で生じる。これらの状況は、設定可能なイベント又は設定可能な動作がコマンドに応答して生じる場合、設定可能なイベント又は設定可能な動作が問合せに応答して生じる場合、又は設定可能なイベント又は設定可能な動作が予め設定された条件の認識に応じて生じる場合を含むが、それに限定されない。
【0033】
設定可能な境界又は地理的な領域を使用することができ、設定可能な境界又は地理的な領域は、ユーザが所望するあらゆる形状に設定可能である。例えば、境界又は領域は、州の境界を追跡し又は選択された高速道路又は道を追跡することができる。境界又は領域は、校区の境界、飛行禁止区域、都市等を追跡することができる。境界又は領域を、幾何学的形状又は非幾何学的形状とすることもできる。この開示の他の利点は、トランスポンダを局所的に又は無線で更新し及び設定することができる。
【0034】
図1Aは、車両を制御し及び監視するコンピュータシステムの高レベルアーキテクチャを示す。複数の車両110は、追跡することができる少なくとも一つのトランスポンダ105を有し、車両115の遠隔制御機能を可能にする。
【0035】
トランスポンダ105は、複数の通信ネットワーク又はその組合せに接続する。一実施の形態において、そのような通信ネットワークを、複数のセルラ基地局120及びサービスプロバイダ135を有するセルラネットワークとする。他の実施の形態において、そのような通信ネットワークを、SMS受信機125を有する複数のセルラ基地局及びサービスプロバイダ140を有するセルラネットワークとする。他の実施の形態において、そのような通信ネットワークを、複数の衛星受信機及び送信機130並びに衛星地上局145を有する衛星ネットワークとする。更に別の実施の形態において、そのような通信ネットワークを、短波通信ネットワークとする。
【0036】
通信ネットワークは、トランスポンダ105がバックエンド制御システム150と通信するのを可能にする。トランスポンダ105は、イベント情報をバックエンド制御システムに送信し、バックエンド制御システム150から通信ネットワークを通じてトランスポンダ105に送信されたコマンドに応答する。バックエンド制御システム150は、コーデック155とのやり取りを行う複数のゲートウェイ151,152,153及び154を有する。コーデック155を、バックエンド制御システム150の中央のコーダ及びデコーダとし、これによって、バックエンド制御システムは、あらゆる通信ネットワークに適合し及びあらゆる通信ネットワークと通信することができる。モジュール設計によって、監視及び報告ソフトウェアを変更する必要なく新たなハードウェア及びネットワークプロトコルを導入することができる。バックエンド制御システム150は、通信の開始及び終了を非同期で効率よく処理することができる非同期ルーティングシステム159も有する。一実施の形態において、非同期ルーティングシステム159は、複数のルーティングサービス156と、少なくとも一つのデータベース157と、ウェブサーバ158とを有する。ルーティングサーバ156によって送られたメッセージは、クライアントコンソール176に直接送信される。クライアントコンソール176は、車両115及びトランスポンダ105の情報をオペレータに提供する。クライアントコンソール176は、トランスポンダ105に対するコマンドを、バックエンド制御システム150及び通信ネットワークを通じて送信する。
【0037】
複数のアプリケーションが中央データベース157に接続して、他のシステム機能を提供することができる。アドミニストレータコンソール175によって、オペレータは、トランスポンダ105の情報、車両115の情報、ユーザ情報等を追加し、編集し又は削除することができる。ヒストリプロセッサコンソール174によって、オペレータは、報告を見るとともにイベントデータを再生することができる。動作データプロセッサ173によって、オペレータは、トランスポンダ105の動作の地理的領域及び中間地点を規定することができる。設定ユーティリティ172によって、オペレータは、トランスポンダ105の特徴及び機能を簡単に設定することができる。
【0038】
車両情報を、クライアントコンソール176とともに他の媒体を通じてオペレータに提供することができる。他の実施の形態において、車両情報を、そのような情報をウェブサーバ158からウェブクライアント171に送信することによってウェブサイト又はeメールを通じてオペレータに提供することができる。他の実施の形態において、テキスト又は音声メッセージを予め決定された無線装置180に送信することによって、車両情報をオペレータに提供することができる。
【0039】
図1Bは、トランスポンダ105の無線接続を示す。トランスポンダ105は、無線信号をGPS衛星131から受信し、これによって、トランスポンダ105は位置決め情報を処理することができる。トランスポンダ105は、短距離無線154、セルラ受信機120及び125、衛星130等のトランスポンダ105のハードウェアに統合された複数の無線装置を通じて種々のネットワークと無線通信を行うことができる。
【0040】
トランスポンダハードウェア設定
図2は、トランスポンダ105の内部のボード240を示す。トランスポンダボード240は、少なくとも一つのGPS受信機215と、少なくとも一つのCPU210と、少なくとも一つのセルラモデム220と、少なくとも一つのメモリモジュール280とを有する。少なくとも一つのブルートゥース受信機を内部のボード240に含めることができる。一実施の形態において、追跡システムは、最も手ごろに全世界をカバーするためにセルラネットワークと衛星ネットワークの両方を利用する。
【0041】
GPS受信機215は、数フィート以下の範囲内の精度の位置決めを行うことができる。例えば、12チャンネルトリンブルSQ(12-Channel Trimble SQ)、ラパイックUV40(Lapaic UV40)又は小範囲の正確な受信機が考えられる。
【0042】
プロセッサ210を、少なくとも32ビットプロセッサとする。プロセッサ210は、少なくとも32キロバイトのRAMを有する。例えば、二つの内蔵UARTを有するモトローラのMMC2114 32ビットRISCプロセッサが考えられる。しかしながら、同様の又は更に向上したプロセッサも考えられる。メモリモジュール280は、少なくとも二つの追加のメモリチップを有し、この場合、追加のメモリチップの各々を少なくとも128Kとする。
【0043】
一実施の形態において、セルラ受信機又はセルラモデム220を通信の主要手段とする。セルラモデム220は、図3Bに示すような少なくとも一つのオンボードプロセッサ110の内蔵シリアルポート345又は340とやり取りを行う。セルラモデム220を、GSM、CDMA又は同様なモデムとする。衛星モデム又はトランシーバ230は、トランスポンダ105の外部にあり、シリアルポート340によって接続される。一実施の形態において、衛星モデム230は、カバーを最大にするためにグラスファイバ又は他の非金属材料の下に配置される。衛星モデム230は、セルラのカバーがほとんど又はまったくないとき又はユーザが衛星モデム230の使用を特定するときにのみ主に使用される。衛星モデム230を有効に使用すると、ユーザに対する追跡システムのコストを低減する。一実施の形態は、スカイウェーブDMR−200衛星モデムのような衛星モデム230を考える。同様に考えられる衛星モデムは、全方向性アンテナのような形態を有し、全世界をカバーし、トランスポンダ210のプロセッサと有効にやり取りを行う。
【0044】
ブルートゥース受信機215は、少なくとも20mの範囲を有する。例えば、一実施の形態において、National Semiconductor Simply Blue LMX9820 Class 2のブルートゥースモジュールが考えられる。しかしながら、同様な又は更に向上したブルートゥース受信機が考えられ、視線を必要としない他のあらゆる無線接続が考えられる。好適には、複数の無線周辺機器の統合及びサポートのような種々の機能を利用し、データをダウンロードするために短波としての役割を果たし、ローカルな移動無線「ホットスポット」(local, traveling wireless “hotspot”)としての役割を果たすように、ブルートゥース受信機215をインストールする。
【0045】
一実施の形態において、電源235を、12〜24Vの推奨動作電圧範囲を有するヒューズ付電源とする。一実施例は、通常動作中に低電力消費(65mA以下)であると考える。さらに、トランスポンダ105は、オプションのバックアップバッテリを充電する回路を有する。主電源235が許容しうる最小電圧に到達すると、トランスポンダ105は、自動的にバックアップ電源に切り替えるとともに、電源235が臨界レベルであることを識別するメッセージを送信する。
【0046】
トランスポンダ105は、種々の特徴を有する小型かつ手ごろなユニットである。トランスポンダの外観を図3A及び3Bに示す。一実施の形態において、トランスポンダ105のハウジング335を、金属とし、又は物理的な衝撃や、ほこりや、水や、過度の温度のような外部イベント若しくはトランスポンダのインテグリティに影響を及ぼしうる他のイベントから保護する機能を有する材料から構成する。図3A,3B及び3Cに示すように、トランスポンダ105は、少なくとも二つの外部通信ポートと、少なくとも九つのセンサ入力部350及び少なくとも四つの制御出力部355を有する多ピンコネクタ345と、モデムアンテナコネクタ300と、複数のインジケータ315,320,325,330と、GPSアンテナコネクタ310とを有する。他の実施の形態において、ブルートゥースアンテナ(図示せず)をオプション形態とする。
【0047】
一実施の形態の多ピンコネクタ345を20ピンとする。トランスポンダ105内のピンの個数は、0から意図した使用に適切な個数と同数の個数まで変えることができる。
【0048】
ピンの少なくとも九つが入力部345として機能する。入力部345は、トランスポンダ105が載せ置かれたアーティクルの状況に関連する情報を収集する役割を果たす。各入力部を、対応する特定の設定可能なイベント又は動作に割り当てることができる。入力信号をアナログ又はデジタルにすることができる。一実施の形態において、各入力部345は、光学的に切り離され、過電圧/不足電圧の電流サージに対して保護される。さらに、各入力部345を、シリアルケーブル又は無線を通じて局所的に個別にイネーブルし又はディスエーブルすることができる。さらに、各入力部345を無線によって局所的に設定可能にする。これら入力部345は、ユーザの特定の要望及び使用に対して設定可能である。これらの機能を後に詳細に説明する。
【0049】
一実施の形態において、少なくとも一つの入力部345を、車両の点火回路の経路専用のデジタル入力部とする。入力部345がイネーブルされる場合、車両がオンに切り替えられるときにメッセージが送信される。車両がオフに切り替えられるときに第2のメッセージが送信される。所定のレンジで機能するアナログ入力部も有用である。例えば、アナログ入力部は、温度レベル及び燃料タンクレベルに応じて機能することができる。一実施の形態において、残りの入力部は、車両の種々の形態を監視するよう機能する。
【0050】
他の入力部345は、車両の内側に目立たないように取り付けられた緊急ボタンに接続することができるパニック入力部を有することができる。パニックボタンがイネーブルされるとともに、緊急ボタンが、予め選択された設定可能な時間中に押された場合、パニックイベントに関連するメッセージが送信される。同様な入力部は、医療支援入力部、牽引車サービス入力部、又はオペレータがすぐにイベントを送信するのに用いることができる他のあらゆる入力部を有することができる。これらのメッセージを、メッセージが適切な関係者又は監視エンティティによって認識されるまで予め決定された期間中に継続して送信することができる。
【0051】
ピンコネクタ345のピンのうちの少なくとも四つは、出力部355として機能する。出力部355は、機構を制御し又はトランスポンダ105が載せ置かれたアーティクル又は車両の機能を設定するよう機能する。各出力部355は、ヒューズが付けられ、チャネルごとに少なくとも0.5Aを生じることができる。しかしながら、1を超える出力部355のチャネルを用いる場合、用いられる全ての出力チャネルの合計は1Aを越えないようにする必要がある。各出力部355を、無線コマンドを用いてハイ又はローに設定することができる。一実施の形態において、出力部355は、車両それ自体の内部の種々の装置及びオブジェクトを制御する。例えば、出力部は、ドアロック、車両の窓、LDE信号光、燃料タンク又はバルブ、種々のリレー、車両の他の機構を制御することができる。例えば、医療支援、牽引車支援又は安全支援が必要とされる場合、車両の占有者又は乗客は、クライアントコンソール176にアラームを発するためにボタンを押すことができる。オペレータ又は適切なエンティティがイベントを受け取るとともに認識すると、コマンドがトランスポンダ105に戻され、予め決定された時間中に断続的に光をオンにして、メッセージが受信されるとともに支援がまもなく到着することを占有者又は乗客が確認できるようにする。貨物のような他の実施の形態において、出力部355は、機構のロックや、信号光や、温度制御のような貨物の種々の形態を制御することができる。
【0052】
図3A及び3Bのシリアルポート305及び340は、周辺装置とやり取りを行うとともに周辺装置を制御するための少なくとも一つの9ピンシリアルポート340と、データ入出力及びフロー制御ラインからなる少なくとも一つの4ピンシリアルインタフェース205とを示す。外部シリアルポート340は、MDT(モバイルデータ端末)や、衛星モデムや、バーコードスキャナや、短距離無線や、PDAのような種々の周辺装置をサポートする。例えば、外部シリアルポート340は、一つのドアから四つのドアまで入出する人数をカウントするための複数のドア赤外動きセンサとやり取りを行う乗客カウンタをサポートすることができる。シリアルポート305を、トランスポンダ105内のアプリケーションを検査し及び設定するのに用いることもできる。一実施の形態において、ポート305は、ユニットを最初にプログラムするとき又はユニットのコアプログラムを再プログラムするときに用いられるプログラミングポートとして機能する。
【0053】
図3Aのインジケータ370を、あらゆるタイプの接続、信号、パワーレベル、状態、及び他の同様な通信に関連させることができる。一実施の形態及び図3Aにおいて、インジケータ330を、トランスポンダが電力を有するときに赤色を発するLEDとする。インジケータ325を、GPSが接続を確立するときに急な間隔で緑色を点滅するとともに接続が確立されたときに青色をゆるやかに点滅するLEDとする。インジケータ320を、メッセージを受信する度に緑色を点滅するとともにメッセージを送信する度に赤色を点滅するLEDとする。最後に、インジケータ315を、セルラモデムが移動しているときに赤色になるとともに静止しているときに緑色になるLEDとする。
【0054】
トランスポンダファームウェア設定
トランスポンダ105は、以下に説明する複数の形態、機能及び性能を有する。トランスポンダ105を、少なくとも32ビットプロセッサ210によって制御されるインテリジェント装置とする。図2は、プロセッサ210がGPS受信機215、セルラモデム220、ブルートゥース無線225、メモリモジュール280及び衛星モデム230とやり取りを行う機能を有する一実施の形態を示す。
【0055】
トランスポンダ105を、複数の論理イベントを報告し、観察し及び分析するよう設定することができる。トランスポンダを、種々のコマンドを与えるとともに応答し、かつ、設定可能なヒストリ記録構成要素を有するように設定可能にすることもできる。この開示の他の利点は、トランスポンダ105の全ての設定を局所的に又は無線で行うことができる。したがって、ユーザは、トランスポンダのオペレーティングシステム全体を含むあらゆる形態を無線で設定することができる。このような無線の設定を、セルラモデム200、ブルートゥース無線220又は他の無線手段を用いることによって行うことができる。
【0056】
さらに、トランスポンダ105を、シリアルポート305又は340への接続を通じて局所的に設定することができる。この開示の他の利点は、無線による又は局所的な設定中にトランスポンダ105が動作を通常通りに継続することである。これは、操作性をほとんど損なうことなくトランスポンダ105を設定できることを意味する。無線による設定コマンドは、オンザフライの物理イベント及び論理イベントを処理するのに用いられるパラメータを変更する。無線によるオペレーティングシステムの更新は、二つの実行可能なコードスペース及び新たなコードをロードするための一時的なコードスペースを用いて行われる。一旦、新たなコードの一時的なコードスペースへのアップロードが完了すると、トランスポンダは、再起動し、新たなコードを第2の実行可能なコードスペースにコピーし、最近の更新を有する実行を再開する。
【0057】
図4A〜4Gは、一実施の形態におけるトランスポンダ内の物理イベント及び論理イベントを設定するユーザインタフェースのスクリーンショットの例である。図4A〜4Gは、トランスポンダ105を設定するためにユーザがやり取りを行うことができる一般的なインタフェースの例としてのみ役割を果たす。この開示の重要な態様の一つは、トランスポンダの設定の際にユーザがスクリプト又はハードコードされたパラメータを知る必要がないことである。その代わりに、この開示は、トランスポンダを設定するためにユーザが簡単に論理ウィンドウ、タブ、フィールド、チェックボックス及び無線ボタンとやり取りを行うことができるソフトウェアアプリケーションを含む。
【0058】
図4Aは、トランスポンダ105を設定するためにユーザとやり取りを行うウィンドウのスクリーンショットである。ウィンドウ400は、ユーザが選択することができる少なくとも四つのタブ401を有する。第1タブ402は、トランスポンダ105のモデムを設定するようユーザをウィンドウ400に誘導する。
【0059】
第2タブ403は、ユーザが少なくとも8入力部345及び少なくとも4出力部355を設定できるようにユーザをウィンドウ400に誘導する。図4Cは、第2タブ403を選択したときのインタフェースを示す。入力部345の活動レベル407をハイ又はローに設定することができる。出力部355を、“On”フィールドボックス410を用いて開始時にアクティブ又はイナクティブ状態にデフォールトするよう設定することができる。出力部355を、LED応答411に関連して設定することもできる。出力部355を、トランスポンダ105が載せ置かれた車両又はアーティクル内のあらゆるタイプの制御機構又は機能に割り当てることができる。例えば、出力部355を、車両のドアロック機構とともに割り当てることができる。本例において、図3Cの出力部1 355をドアロック機構に関連させる場合、ユーザは、“On”フィールドボックス410をチェックすることができる。トランスポンダが最初に起動するとき、出力部1に接続したドアロックは、自動的にロックし、無線コマンドによってロック解除されるまでロックされたままである。出力部がLED応答として選択されるとき、その出力部は、応答可能なプライオリティイベント中にアクティブ状態に変化し、プライオリティイベントが応答センタによって応答されるときにオフに点滅する。
【0060】
第3タブ404は、ユーザが所定の論理イベントを設定できるようにユーザをウィンドウ400に誘導する。図4Dは、第3タブ404が選択されたときのインタフェースを示す。図4Dの論理イベント412〜420は例示に過ぎない。さらにこの開示は、図4Dに示さない種々の設定可能な論理イベントを考える。図4Dで選択された論理イベント412〜420を、後に個別に説明する。各イベントは、ユーザが適切な値を埋めることができる対応するフィールドボックスを有する。
【0061】
第4タブ405は、ユーザが入力部345及びトランスポンダ105の特定の態様を設定できるようユーザをウィンドウ400に誘導する。図4E,4F及び4Gは、第3タブ404を選択したときのインタフェースを示す。既に説明したように、各入力部に対応するイベントを割り当てることができる。例えば、入力部345を車両のイグニションに割り当てることができる。したがって、車両のイグニションに関連する発生を伝達し、特定の入力部345として配置する。ユーザは、入力部又は態様424をイネーブルし、イベントをプライオリティイベント425として割り当て、一つ以上の出力部426をイベントに割り当て、又はイベントの発生を、セルラネットワーク427を通じて送信されるメッセージングにリンクすることによって、各入力部345及び各態様429〜445を設定することができる。
【0062】
イベントを物理的又は論理的にすることができる。物理イベント及び論理イベントは、所定の条件に適合したときに無線によるメッセージの送信を開始する。大抵の論理イベントは、GPSの位置と時間や速度のような他の要因との組合せを用いた規則に基づく。物理イベント及び論理イベントによって開始されたイベントメッセージは、イベントメッセージそれ自体を有し、そのような情報は、緯度、経度、速度、方向、時間、全ての入力部345の状態、走行距離、イベントの理由又は原因、及び他のあらゆる関連情報を有する。論理イベントは通常、駆動されたソフトウェア、GPSの位置に基づく計算、及び典型的にはGPSの位置から引き出される計算である。トランスポンダ105は、ユーザが所望するのと同数の論理イベントを有するよう設定可能である。一実施の形態は、互いに異なる少なくとも六つの設定可能な論理イベントを有する。
【0063】
第1の実施の形態の第1論理イベントは、トランスポンダの最近知った位置を特定の時間間隔で報告する態様である。このような時間報告の態様412を図4Dに示す。ユーザに対する状態報告は、緯度、経度、速度、方向、時間、入力部345の状態のような他のパラメータからなる。例えば、図4Dは、ユーザが時間報告間隔412を60秒に設定した例を示す。これは、このシナリオにおいて最近知った位置の状態及び適用可能なパラメータが60秒ごとに報告されることを意味する。このような時間報告形態412は、ユーザの柔軟性及びデータ送信のコストを低減するオプションを与える。図4Dは、衛星時間報告間隔413のエントリも示し、この場合、同一の時間報告態様を適用することができ、メッセージのみがオプションの衛星モデムを通じて送信される。典型的には衛星通信によってコストが高くなるため、ユーザは、固定された時間間隔でどの程度の衛星報告のコストをかけることができるかを決定する柔軟性を有する。
【0064】
一実施の形態の第2論理イベントは、時間報告態様412の報告機能を更に向上する態様である。このイベントを、図4Dにおいてスマート時間報告414として示す。スマート時間報告414の態様は、最近送信された報告以来に車両が予め選択された距離移動したときにのみ報告を送信する機能を有する。図4Dは、スマート時間報告414の態様が時間間隔415及び距離416に関連して設定可能であることを示す。したがって、ユーザは、位置と、秒に関連する時間報告間隔415及びメートルに関連する距離416を選択することによって適用可能なパラメータとを報告するように、トランスポンダ105を設定することができる。例えば、ユーザは、時間報告間隔415を60秒に選択するとともに距離416を1000mに選択することができる。これは、トランスポンダ105が最後の報告から少なくとも1000m移動しなかった場合でなければトランスポンダが60秒ごとに報告を送信することを意味する。このスマート時間報告414の態様によって、ユーザは、報告回数及びデータ送信のコストを調整することができる。
【0065】
図示しない他の考えられる報告態様は、スケジュールされた報告態様である。この態様は、日付及び時間基準に基づく間隔のトランスポンダの報告態様を設定する。したがって、ユーザは、位置と、週の予め選択された日数及び時間の他のパラメータとを報告するようトランスポンダを設定することができる。例えば、ユーザは、ウィークデーの午前8時、正午及び午後4時並びに週末の日ごとに1回だけ報告するようトランスポンダを設定するために、スケジュールされた報告態様を用いることができる。衛星スケジュールされた報告も示さず、この場合、同一のスケジュールされた報告機能を適用することができ、メッセージのみがオプションの衛星モデムを通じて送信される。
【0066】
第1の実施の形態の第3論理イベントは、速度の態様である。トランスポンダ105を、トランスポンダ105が載せ置かれた車両又はアーティクルの速度に依存する報告を送信するよう設定することができる。図4Dは、速度に関する少なくとも二つの異なる設定についてユーザがトランスポンダ105を設定できることを示す。特に、ユーザは、スピード違反417及び速度フィルタ時間420を選択することができる。スピード違反417は、車両又はアーティクルの最大速度しきい値をユーザが選択するよう設定可能である。したがって、速度しきい値を超える度に、しきい値を超えたとき、しきい値より上の時に到達した最高速度、及びユニットがしきい値より下になったときを記録するイベントを発生する。トランスポンダ105がしきい値より下に戻るとき、この発生を表すイベントメッセージと、トランスポンダ105が速度しきい値より上になった期間中に到達した最高速度を表す第3メッセージとを送信する。速度時間フィルタ420は、メッセージを送信することなく車両又はアーティクルが速度しきい値を交差することを許容する秒に関する期間を設定するオプションをユーザに提供する。このフィルタは、データ送信を有効にするようにも作用する。例えば、ユーザは、速度時間フィルタ420を15秒に設定することができ、これによって、報告を送信することなく15秒間車両の速度を上げることができる。このシナリオは、例えば、車両の速度を上げて他の車両を追い越し又は車両を加速して合流するときに有用である。他の論理イベントと同様に、イベントメッセージは、緯度、経度、速度、方向、時間及び入力の状態のような情報も含む。
【0067】
一実施の形態の第4論理イベントは、過度のアイドル態様421である。トランスポンダ105を、車両又はアーティクルがアイドルである時間に依存する報告を送信するように設定することができる。図4Gは、イネーブル422を行い、プライオリティイベント425を考慮し、出力部426を割り当て、又は携帯電話427用のメッセージングシステムにリンクするようユーザが過度のアイドル421を設定できることを示す。過度のアイドル421の態様は、最大の過度のアイドル時間に到達するときは常にイベントメッセージを発生する。イベントメッセージは、しきい値を超えたときに対応する時間及び位置を記録する。この態様は、イグニションが(ガソリンを用いて)オンに切り替わるが動かない車両の数を監視し又は減少するのを所望するユーザに有用である。
【0068】
GEOFENCING
一実施の形態の次の論理イベントは、設定可能な境界又は地理的領域の態様の”geofencing”すなわち形成である。この態様は、トランスポンダが中間地点及び領域を通過するときのイベントの発生からなる。設定可能な境界又は地理的領域を、中間地点及び/又は領域の組合せによって構成することができる。この組合せのために、設定可能な境界又は地理的領域を、非常に特殊な形状及び特殊な境界又は道の輪郭によって構成することができる。中間地点を、地理的な中心及び半径によって規定される円形領域とする。中間点によって規定される領域は、半径及び地理的中心の位置を変更することによって設定可能である。したがって、中間点及び領域によって形成された境界は設定可能である。
【0069】
一実施の形態において、各々が座標及び半径によって規定される複数の中間点がトランスポンダ105にロードされる。領域を複数の中間点によって規定することができる。したがって、例えば、都市を二つの中間点によって規定することができる。GPSデータを用いることによって、トランスポンダは、都市を規定する二つの中間点のいずれにあるかを計算する。二つの中間点の内側にあることをトランスポンダが決定する場合、トランスポンダ105は、都市の範囲内であると仮定する。
【0070】
領域は、包囲する一連の線分によって規定された不規則な領域となる。一実施の形態において、各領域は、この不規則は領域を規定する線分を形成するための3〜256又はそれ以上の偏向点を有する。一実施の形態において、この不規則な領域は、設定可能な境界又は地理的領域を形成することができる。領域の特性は、名称、説明、及び領域が立ち入り禁止領域であるか閉鎖領域であるかを決定するフラグを有する。
【0071】
一実施の形態において、複数の座標を選択するとともに座標をトランスポンダ105にダウンロードすることによって地理的領域を形成することができる。複数の座標をメルカトル座標系にすることができる。次に、トランスポンダ105は、各座標を、トランスポンダ105にロードされた画素で構成した画像の画素に割り当てる。割当てを行うために、トランスポンダ105は、複数の座標の周りの「境界」スクエア又はボックスを規定する論理を利用する。境界ボックスが画素で構成され、座標が存在する画素が、有効なものとしてマークされる。一旦、各座標に対して画素が割り当てられると、画素で構成した画像に包囲された領域を形成するためにラインがある画素から次の画素まで延長される。有効な画素間のライン上の画素も有効にされる。したがって、画素の包囲された連続的な線が形成される。
【0072】
中間点及び領域は、動作データプロセッサ173によって構成される。一旦、中間点が構成されると、中間点を、トランスポンダにロードするのに用いることができる。トランスポンダのロードは、トランスポンダ105にロードされる予定のある領域及び中間点の収集である。これらのロードは、設定ユーティリティ172によってトランスポンダにロードされる。
【0073】
図4Fは、中間点イベント及び領域イベントを設定する設定ユーティリティ172のスクリーンショットを示す。設定ユーティリティ172によって、オペレータは、中間点近接の態様433、中間点退出の態様434、領域境界入場の態様435及び領域境界退出の態様436を設定することができる。中間点接近の態様433は、中間点に入ったときを監視し、中間点退出の態様434は、中間点を出たときを監視し、領域境界入場の態様435は、領域に入ったときを監視し、領域境界退出の態様436は、領域を出たときを監視する。図4F及び4Gは、一実施の形態のユーザインタフェースを示し、この場合、ユーザは、中間点及び領域の態様をイネーブルし、イベントをプライオリティイベント425として割り当て、出力部426をイベントに割り当て、又はイベントの発生を、携帯電話427のメッセージングシステムにリンクすることができる。
【0074】
図5Aは、領域の画素マップ500を示す。所定の領域の全ての変更点をアップロードした後、領域が、画素マップ500の形態でトランスポンダ105のメモリモジュール280にセーブされる。画素マップ500は、最初に領域の全体の周辺に正方形を描写することによって形成される。その後、正方形は80/80画素マップに分割される。各画素505は正方形である。これらの正方形は、領域515の輪郭形状510を描写するのに用いられる。その後、地理的な領域が画素マップ500の各画素505にマッピングされる。画素マップ500の定位置520が、車両の現在の地理的な位置からマッピングされる。
【0075】
トランスポンダ105が領域515の内側と外側のいずれに存在するかを決定するために各定位置520の各領域に対する検査が行われる。したがって、各領域515に対して、検査は、定位置520が画素マップ500の内側と外側のいずれにあるかの簡単なチェックから開始する。現在の固定位置520が画素マップ500の内側にある場合、境界ボックス内部の固定位置520をプロットするとともに固定位置520から画素マップ500の境界まで4方向(東西南北)に4本のラインを引くことによって、更に広範囲に及び検査を行う。その後、領域の境界の交差部530の数を、4本の線525の各々に対して計数する。
【0076】
複数の境界交差検査が正確に行われる。所定のライン525が奇数の領域境界510に交差する場合、固定位置520は、領域515の内側にあると考えられる。所定のライン525が偶数の領域境界510に交差する場合、固定位置520は、領域515の外側にあると考えられる。4回の境界交差検査のうちの少なくとも3回が適合する場合、固定位置520が領域の内側にあるか外側にあるかを決定するために、領域境界交差部530が用いられる。4階の境界検査のうちの3回が適合しない場合、固定位置520は、領域515の外側にあると考えられる。
【0077】
画素マップ500の特定の位置にある固定位置520によって、特定の位置決め結果が生じうる。一実施の形態において、領域境界510にある固定位置520は、領域境界510の外側にあると決定される。他の実施の形態において、領域境界510にある固定位置520は、領域境界510の内側にあると決定される。一実施の形態において、1画素の幅しかない「細長い突出部」に存在する固定位置520は、常に領域515の内側にあると考えられる。他の実施の形態において、1画素の幅しかない「細長い突出部」に存在する固定位置520は、常に領域515の外側にあると考えられる。
【0078】
所定の領域の全ての変更点をアップロードした後、領域が、画素マップ500の形態でトランスポンダ105のメモリモジュール280にセーブされる。画素マップ500は、最初に領域の全体の周辺に正方形を描写することによって形成される。その後、正方形は80/80画素マップに分割される。各画素505は正方形である。これらの正方形は、領域515の輪郭形状510を描写するのに用いられる。その後、地理的な領域が画素マップ500の各画素505にマッピングされる。画素マップ500の定位置520が、車両の現在の地理的な位置からマッピングされる。
【0079】
図5Bは、地理的な領域の画素マップ550を示す。画素マップ550は、先ず、演算装置に接続されたスクリーン上の地理的なマップとしてユーザに提供される。一実施の形態において、ユーザは、ユーザが規定することを所望する地理的な領域560の周辺の矩形形状555を選択する。他の実施の形態において、ユーザは、カスタマイズされた形状を規定することができる。その後、矩形形状を更に小さい矩形に分割して、矩形の領域をグリッドに分割する。グリッドの各画素を、地理的領域の一部となるように有効にすることができる。一実施の形態において、ユーザは、各画素をダブルクリックすることによって各画素を有効にすることができる。他の実施の形態において、ユーザは、更に小さな矩形領域を選択するとともに、更に小さな矩形領域を地理的領域560の一部としてマークし、更に小さな地理的領域に含まれる画素を有効にすることができる。更に別の実施の形態において、ユーザは、地理的領域560の一部として円形領域を選択することができ、そのような円形領域の全ての画素を有効にする。他の実施の形態において、ユーザは、あらゆるカスタマイズされた地理的又は非地理的形状を規定することができる。
【0080】
一旦、全ての所望の画素が地理的領域560の一部としてユーザに選択されると、矩形形状555は、画素で構成されたコンピュータ画像にマッピングされる。一実施の形態において、画素で構成されたコンピュータ画像は、グリッドの区分数と同数の画素を有する。その後、画素で構成されたコンピュータ画像をトランスポンダ105にロードすることができる。トランスポンダの位置が存在する画素が有効であるか否かの簡単な計算によってエンティティの位置を決定するようトランスポンダ105をプログラムすることができる。他の実施の形態において、地理的な領域を、矩形領域及び円形領域を選択することによって規定する。円形領域を中間点によって規定することができる。
【0081】
不規則な領域又は地理的な領域を、中間点及び画素で構成された画像を収集することによって規定することができる。さらに、不規則な領域のそれぞれは、エンティティの速度しきい値、飛行禁止区域のフラグや、危険又はセキュリティの脅威の順番をコード化した色、イネーブル又はディスエーブルされた通信のような他のパラメータを有することができる。
【0082】
トランスポンダ105が、中間点及び領域に入出するとき、どの基準点又は領域が入出したかを表すイベントメッセージが送信される。イベントメッセージは、緯度、経度、速度、方向、時間、入力の状態、走行距離、イベント理由又は原因、及び他の関連情報を有することができる。したがって、領域境界及び中間点によって、ユーザは、州境界や特定のルートのような設定可能な境界又は地理的領域を通じて車両又はアーティクルを追跡することができる。
【0083】
一実施の形態において、中間点イベント及び領域イベントは、一つ以上の割り当てられた出力部に対して設定可能である。これは、トランスポンダ105が中間点及び領域を入出したときにトランスポンダが出力を開始することを意味する。出力部は、車両又はアーティクル内のLED光ユニット、ドアロック機構、燃料バルブ機構等からなる。これは、車両が特定の中間点又は領域を入出する場合にドアをロックし又は燃料バルブを閉じるよう車両を設定できることを意味する。
【0084】
コマンド
トランスポンダ105は、種々の問合せに応答するとともに無線で送信されたコマンドを設定するよう設定可能である。位置問合せは、最近の有効なGPS位置、速度、方向、時間、入力状態及び他の関連情報を戻すようトランスポンダ105に命令する。トランスポンダを、走行距離の問合せに応答するよう設定可能にすることもできる。この問合せコマンドを受け取ると、トランスポンダ105は、最近の有効なGPS位置、速度、方向、時間、入力状態及び他の関連情報を戻す。
【0085】
トランスポンダ105は、オプションの衛星モデム上で送信された種々の問合せコマンドに応答するよう設定することもできる。衛星位置問合せは、最近の有効なGPS位置、速度及び時間を戻すようトランスポンダ105に命令する。トランスポンダ105を、衛星走行距離問合せに応答するよう設定可能にすることもできる。この問合せコマンドを受け取ると、トランスポンダ105は、入力状態及び走行距離の値を戻す。トランスポンダ105に送られた問合せコマンドの他の形態の例は、入力及び出力信号問合せ、アナログ/デジタルレベル問合せ、乗客計数問合せ、ファームウェアバージョン問合せ、衛星状態問合せ、衛星位置及び速度問合せ、衛生走行距離及びIO問合せ等である。
【0086】
他のオプションコマンドは、アラーム応答である。このコマンドは、プライオリティコマンド(パニック、医療又は牽引車支援がプライオリティイベントの例である。)の送信を終了するためにトランスポンダ105に送信される。アラーム応答を受け取ると、現在のイベントに対する他のプライオリティメッセージは送信されない。
【0087】
一実施の形態において、コマンドは単一出力を設定する。これは、無線によって出力の状態をアクティブ又はイナクティブに変更するのに用いられる。一例は、装甲車が銀行に到着したときの装甲車の後方のドアのロックの解除又はタンク車がガソリンスタンドに到着したときのタンク車の燃料ポンプのオンの切替である。
【0088】
他の実施の形態において、コマンドを、テキストメッセージのトランスポンダ105から通信ネットワークを通じたテキストメッセージ受信及び解釈の設定を可能にした装置への送信とすることができる。
【0089】
他の実施の形態において、コマンドを、既に説明したようなトランスポンダ105の機能を設定する設定コマンドとする。設定コマンドの例は、時間報告設定、走行距離設定、新ファームウェアアップロード、超過速度イベント設定、超過アイドルイベント設定、衛星時間報告設定、臨界電力レベル設定、衛星通信ポート設定、イベントイネーブル、プライオリティイベント設定、セルラメッセージイネーブル、ショートレンジ無線メッセージイネーブル、出力イベントアサート、GPSフィルタ設定、入力イネーブル、乗客計数設定、スマート時間報告設定、スケジュールされた報告設定、衛星スケジュールされた報告設定である。
【0090】
トランスポンダ105は、履歴報告要素を有することもできる。トランスポンダ105が主要な通信媒体を通じたカバーの不足のためにデータパケットを送信できないときは常に、パケットは、オンボードフラッシュメモリの少なくとも二つのヒストリログの一つに記憶される。トランスポンダが、通信リンクが再確立されたことを決定すると、メモリに格納されたあらゆるパケットは、プライオリティとして識別されたメッセージとともに順次送信が開始される。例えば、緊急又は牽引車支援は、接続が再確立されたときに送信される最初のメッセージとなるプライオリティメッセージである。
【0091】
GPSドリフトに対処する試みにおいて、GPS受信機から受信したGPS位置をフィルタリングするために二つのパラメータが含まれる。二つのフィルタは、許可された最高速度及び許可された最高加速度に基づく。パラメータを、インストールのタイプにカスタマイズすることができる。パケットをGPS受信機から受信するとともにこれら二つのパラメータのうちのいずれかが実行される場合、位置パケットが投げ出される。
【0092】
バックエンド制御システム
図6は、バックエンド制御システム150を示す。バックエンド制御システム150は、ゲートウェイシステム151〜153と、コーデック155と、非同期ルーティングシステム159とを有する。非同期ルーティングシステム159は、ウェブサーバ156と、複数のルータシステム620,622と、リアルタイムデータベース630と、ヒストリデータベース642と、フリートデータベース670とを有する。
【0093】
リアルタイムデータベース630は、位置、速度、方向、走行距離読出し等のトランスポンダの最近の情報形態を維持する。ヒストリデータベース642は、非同期ルーティングシステム159から送受信した全てのイベント及びトランザクションの記録を維持する。最後に、フリートデータベース670は、トランスポンダが取り付けられた制御された移動及び静止オブジェクト(例えば、車両)ユーザ、トランスポンダ設定、フリート等の全てのアドミニストレータエンティティの記録を保持する。
【0094】
バックエンド制御システム150を、コンピュータサーバのあらゆる組合せを実行するように設定することができる。一実施の形態において、複数の通信ゲートウェイシステム151〜153は、独立したコンピュータシステム上で実行する。他の実施の形態において、通信ゲートウェイ151〜153は、共通のコンピュータシステム上で実行する。
【0095】
通信ゲートウェイ151〜153は、データをトランスポンダ105の各々からバックエンド制御システム150に流すように誘導する。ゲートウェイシステム151〜153は、コマンド及び問合せを適切なトランスポンダ105に誘導する。各ゲートウェイは、通信ネットワーク651〜653との通信リンクを確立し及び維持する。一実施の形態において、ゲートウェイを、インターネット/セルラネットワーク651に接続するユーザデータグラムプロトコル/インターネットプロトコル(UPD/IP)パケット受信機及び送信機151とする。データを送受信する1個を超えるUDP/IPゲートウェイ151が存在してもよい。UDP/IPゲートウェイ151によって、バックエンド制御システム150は、UDPパケットを用いてGSM/GPRSネットワーク、CDMA/1xRTTネットワーク及びCDPDネットワーク上でトランスポンダ105と通信を行うことができる。
【0096】
他の実施の形態において、ゲートウェイシステムを、ショートメッセージサービス(SMS)ネットワーク652に接続するショートメッセージピアトゥピア(SMPP)ゲートウェイ152とする。複数のSMPPゲートウェイシステム152は、SMPPプロトコルを用いてSMSネットワーク上で通信を行うトランスポンダ用のデータを送受信する。各SMPPゲートウェイシステム152は、ゲートを開放するとともに入力データに対するサービスプロバイダのショートメッセージサービスセンタ(SMSC)への継続的な接続を維持して、SMSCからのトランスポンダ105のデータの受信を保証することができる。
【0097】
他の実施の形態において、ゲートウェイシステムを、衛星ネットワーク653に接続する衛星ゲートウェイ153とする。図1Aに示すように、衛星ネットワーク652は、一つ以上の衛星130と、少なくとも一つの地上局145とを有する。衛星ゲートウェイ153は、衛星通信を通じて通信を行うトランスポンダ105に対するデータを送受信する。一実施の形態において、衛星通信プロトコルを、8バイトのデータパケットを用いたインマルサット衛星の衛星通信プロトコルとする。衛星ゲートウェイ153は、ゲートを開放するとともに衛星ネットワーク653に対する継続的な接続を維持する。
【0098】
非同期ルーティングシステムとトランスポンダとの間の通信は、適切なゲートウェイシステム151〜154を通じてチャネル化される。トランスポンダ製造者、通信プロトコル及びサービスプロバイダの独自の組合せに基づいて適切なゲートウェイシステム151〜154が選択される。例えば、CDPD通信を用いるトランスポンダ105は、SMS通信プロトコルを用いるトランスポンダ105とは異なるゲートウェイシステム151〜154を通じてルーティングが行われる。同様に、CDPDのような同一通信プロトコルを用いるが異なるサービスプロバイダを有するトランスポンダ150は、個別のゲートウェイを有する。
【0099】
ゲートウェイシステム151〜153がデータのインバウンドパケットをそれぞれ受信するので、ゲートウェイシステム151〜153は、到達の日付及び時間、トランスポンダ105の製造者情報、トランスポンダ105のアドレス情報によりパケットのそれぞれにタグを付け、コーデック155への送信のためにパケットを再パッケージする。ゲートウェイ151〜153は、再パッケージしたデータを、コーデック155によって読み出されるキュー665に書き込む。
【0100】
ゲートシステム151〜153がアウトバウンドキュー661〜664からアウトバウンドパケットを受信すると、ゲートウェイシステム151〜153は、パケットをターゲットトランスポンダ105に送信するためにアドレス情報を用いる。所望の場合には、ゲートウェイシステム151〜153は、ゲートウェイシステム151〜153が開放されているとともに対応するネットワーク651〜653に対する有効な接続を有することを送信前に確認する。各ゲートウェイシステム151〜153は、少なくとも一つの対応するアウトバウンドキュー661〜663を有する。例えば、各UDP/IPゲートウェイ151は、少なくとも一つのアウトボードUDP/IPキュー661を有する。各SMPPゲートウェイ152は、少なくとも一つのアウトバウンドSMSキュー662を有する。各衛星ゲートウェイ153は、少なくとも一つのアウトバウンドゲートウェイ663を有する。各SMTPメールゲートウェイ154は、少なくとも一つのアウトバウンドSmTPキュー664を有する。
【0101】
パケットをインバウンドキュー665に配置した後、種々のネットワークから来るデータは、標準的なデータフォーマットに復号される。どうように、パケットをアウトバウンドキュー661〜663に配置する前に、種々の通信ネットワークに行くデータは、標準的なデータフォーマットからネットワーク特有のフォーマットに符号化される。データの符号化及び復号は、コーデック(コーダ−デコーダ)155によって行われる。コーデック155は、更に大きな柔軟性を許容する。その理由は、新しい通信ネットワークプロトコルの導入が非同期ルーティングシステム159に対して明らかだからである。したがて、新しいトランスポンダモデルが新しい通信ネットワークプロトコルを用いる場合、バックエンド制御システムをアップグレードする必要がない。要求されるシステムアップグレードは、コーデック155の更新及び必要な場合の新しいゲートウェイである。
【0102】
パケットが非同期ルーティングシステム159から来ると、コーデック155が受信するインバウンドパケットの各々は、先ず、トランスポンダモデルを決定するために検査される。コーデック155が特定のトランスポンダモデルをサポートする場合、データは、トランスポンダ105の独自仕様のフォーマットから標準的なシステムフォーマットに変換される。一旦、コーデック155がデータを解読すると、コーデック155は、データを応答キュー610に書き込む。コーデック155がトランスポンダモデルを認識しない場合、コーデック155は、サポートされていないデータをログし、データを、設計されたシステム又はネットワークの技術者にeメール送信する。
【0103】
パケットが非同期ルーティングシステム159から送信されると、コーデック155は、パケットが送信されるトランスポンダモデルを決定する。コーデック155が、特定のトランスポンダモデルをサポートする場合、データは、標準的なシステムフォーマットからトランスポンダ105の独自仕様のフォーマットに変換される。同様に、パケットが、トランスポンダ105でない他の装置に送信される場合、コーデックは、その装置をサポートするか否か決定し、サポートする場合、適切なフォーマットに変換する。一旦、コーデック155がデータを解読し及び符号化すると、コーデック155は、パケットを、ネットワーク通信プロトコルの適切なタイプに対応するキューに配置する。SMSパケットデータは、アウトバウンドSMSキュー662に配置される。コーデック155がトランスポンダモデルをサポートしない場合、サポートされていないデータをログし、データを、設計されたシステム又はネットワークの技術者にeメール送信する。
【0104】
一旦、パケットがコーデック155によって処理されると、パケットは、アウトバウンドパケットかインバウンドパケットかに応じて処理が開始される。アウトバウンドパケットは、適切なアウトバウンドキュー661〜664に配置される。インバウンドパケットは、応答キュー610に応答して非同期ルーティングシステム159によって受信される。応答キュー610は、パケットを応答ルータ620に供給する。応答ルータ620は、クライアントコンソール176が到来メッセージに関連するトランスポンダ105を追跡するか否か決定する。追跡する場合、応答ルータ620は、到来メッセージを適切なクライアントコンソールに送出する。したがって、クライアントコンソールは、非同期ルーティングシステム159の他のあらゆるプロセスの前にメッセージを受け取る。クライアントコンソール176が、到来メッセージに関連したトランスポンダ105を追跡しない場合、応答ルータ620は、到来メッセージを新しいイベントキュー621に配置する。新しいイベントキュー620は、新しいイベントルータ622に供給される。新しいイベントルータ622は、到来メッセージをそれぞれ分析し、到来メッセージがトランスポンダ105の新しいプライオリティイベントに関連されるか否か決定する。新しいイベントルータ622は、トランスポンダ105に関連した同様なイベントに対するリアルタイムデータベース630を探索することによって、到来メッセージが新しいイベントに関連するか否か決定する。イベントがトランスポンダ105に記録されない又はイベントが高プライオリティである場合、新しいイベントルータ622は、ルーティング要求を、到来メッセージを見ることを許容する全てのクライアントコンソール176に送出する。要求は、少なくとも一つのクライアントコンソール176がルーティング要求を許容するまで断続的に送出される。一旦、ルーティング要求が許容されると、クライアントコンソール176は、到来メッセージを処理することができるようにトランスポンダ105をクライアントコンソール176のインベントリに追加する。
【0105】
ヒストリキュー640は、全てのトランスポンダ105に対するインバウンドメッセージ及びアウトバウンドメッセージを非同期的に受け取る。インバウンドメッセージは、ヒストリキュー640からヒストリレコーダ641に供給される。ヒストリレコーダ641は、有効な経度及び緯度を有する全てのパケットをジオコードする。ジオコードされた情報は、報告及び統計分析のために後に用いられるヒストリデータベース641にセーブされる。
【0106】
トランスポンダ105からの到来メッセージを、eメールアドレス、携帯電話又は他のあらゆる通信装置に送り出すこともできる。この機能を達成するために、ヒストリレコーダ641は、ジオコード化された位置をリモート通知キュー680に配置することによって、ジオコード化された位置をリモート通知ルータ681に送信する。ジオコード化された位置及びイベント情報を受け取るリモート通知ルータ681は、トランスポンダ105に関連した設定情報が通信装置177への通知を要求するか否かを知るためにフリートデータベース670に問い合わせる。通知が要求される場合、リモート通知ルータ681は、適切な通信装置177に対するコンタクト情報を検索する。その後、リモート通知ルータ681は、通信装置177に送り出されるメッセージをフォーマット化して符号化する。メッセージは、SMTPゲートウェイ154を通じて送り出されるアウトバウンドSMTPキュー664に配置される。メッセージを、SMPPゲートウェイ152を通じて送り出されるアウトバウンドSMSキュー662に配置することができる。
【0107】
リアルタイムデータベース630は、到来メッセージに関連した新しいイベント情報によっても更新される。したがって、リアルタイムデータベース630は、所定のトランスポンダ105で報告される最新情報を有する。リアルタイムデータベース630は、ウェブサーバ158に接続される。ウェブサーバ158は、インターネット160に直接接続され、これによって、ウェブトラッキングアプリケーション171のユーザは、ロケーション要求、コマンド要求632及び報告要求633を形成することができる。ウェブサーバ158がウェブトラッキングアプリケーション171からロケーション要求631を受け取ると、ウェブサーバ158は、ヒストリデータベース642に問合せを行う。ヒストリデータベース642は、時間順の全てのイベントを有する。ウェブサーバ158は、ウェブトラッキングアプリケーション171の問合せに関連した全てのトランザクションを検索し、ウェブブラウザでの表示のためにデータをウェブトラッキングアプリケーション171に送り出す。
【0108】
ウェブサーバ158がウェブトラッキングアプリケーション171からロケーション要求631を受け取ると、ウェブサーバ158は、対応するトランスポンダ105の情報をリアルタイムデータベース630に問い合わせる。リアルタイムデータベース630は、関連のトランスポンダ105からの最近の到来メッセージに関連するようなトランスポンダ情報を提供する。ウェブトラッキングアプリケーション171は、トランスポンダの位置の問合せのようなコマンド要求632も送り出すことができる。コマンド要求632は、適切なトランスポンダ105の情報にタグを付けることによって位置要求コマンドを処理するコマンド受信機690に送り出される。メッセージは、コーデック155によって符号化され、適切なアウトバウンドキュー661〜663に配置され、対応するゲートウェイシステム151〜154を通じてトランスポンダ105に送り出される。その後、トランスポンダ105は、応答を戻し、バックエンド制御システム150は、リアルタイムデータベース630を更新するよう処理を行う。リアルタイムデータベース630が更新された後、ウェブサーバ631は、トランスポンダ105の新しい位置を示すウェブトラッキングアプリケーション171のコンテンツをリフレッシュすることができる。
【0109】
コマンド受信機690は、トランスポンダに送信される全てのアウトバウンドメッセージに関連する全てのコマンドを処理する。コマンド受信機は、クライアントコンソール176、アドミニストレータコンソール175及びウェブサーバ158からコマンドメッセージを受け取ることができる。コマンド受信機6909がコマンドメッセージを受け取ると、コマンド受信機690は、フリートデータベース670を探索するとともにアドレス情報を検索することによってアウトバウンドメッセージの各々に正確なトランスポンダ105のタグを付ける。各メッセージは、符号化のためにコマンド受信機690によってコーデック155に送出される。
【0110】
コマンド受信機690によって処理されるコマンドの全ては、最終的にはトランスポンダ105に遠隔送信される。一実施の形態において、コマンドを位置問合せとする。この問合せコマンドを受け取ると、トランスポンダ105は、最新の有効位置、速度、方向、時間及び入力状態を戻す。他の実施の形態において、コマンドを走行距離問合せとする。この問合せコマンドを受け取ると、移動製品は、最新の有効なGPS位置、速度、方向、時間、入力状態及び走行距離の値を戻す。他の実施の形態において、コマンドを入力/出力問合せとする。この問合せコマンドを受け取ると、トランスポンダは、全ての入力及び全ての出力の最新の更新状態(アクティブ/イナクティブ)を戻す。所定の入力に対して、アクティブ状態は、入力の設定に関連する。例えば、入力がアクティブロー(H−L)に設定される場合、入力部を0Vにすると、入力を「アクティブ」に変換する。入力がアクティブハイ(H−L)に設定される場合、入力部を12/24Vにすると、入力を「アクティブ」に変換する。他の実施の形態において、コマンドを、時間報告セット及び/又はホームIPとする。このコマンドは、ファームウェアの時間報告態様の報告間隔を設定するためにトランスポンダに送信される。このコマンドを、トランスポンダの宛先IP/MINアドレスを設定するのに用いることもできる。このコマンドによって、制御センタのIP/MINアドレス又はホームアドレスが変更された場合に新しい制御センタ又はホームアドレスを送信するようトランスポンダを無線によって再設定することができる。他の実施の形態において、コマンドを全出力設定とする。このコマンドは、全ての出力を同時に設定するためにトランスポンダに送信される。個別の出力をハイ又はローにすることができる。他の実施の形態において、コマンドを単一出力設定とすることができる。このコマンドは、個別の出力をハイ又はローに設定するために移動製品に送り出される。他の実施の形態において、コマンドを、イネーブル/ディスエーブル入力及びイベントとする。このコマンドは、既知の全てのトランスポンダ態様をイネーブル/ディスエーブルするためにトランスポンダに送り出される。物理イベントと論理イベントの両方を個別のイネーブル及び/又はディスエーブルすることができる。物理イベント及び論理イベントをディスエーブルできる間、ロケーション及び状態をトランスポンダに問い合わせる能力を有効にしたままにすることができる。他の実施の形態において、コマンドをアラーム応答とする。このコマンドを、パニックや、牽引車支援や、医療支援のような緊急イベントの送信を終了するためにトランスポンダに送信することができる。アラーム応答を受信すると、現在のイベントに対する他の緊急メッセージがトランスポンダ105から送り出されない。
【0111】
非同期ルーティングシステム159は、種々の制御コンソールとやり取りを行う。報告コンソール174は、フリート情報を表示するためにフリートデータベース670に接続する。アドミニストレータコンソール175は、トランスポンダ、車両及びユーザ情報を検索するためにフリートデータベースに接続する。アドミニストレータコンソール175は、コマンドをトランスポンダ105に送り出すためにコマンド受信機691にも接続する。動作データプロセッサ173は、特定のユーザ又はトランスポンダ105に対する設定情報を検索するためにフリートデータベース670に接続する。最後に、クライアントコンソール176は、追跡されたトランスポンダ105の情報を応答ルータ620から受け取り、追跡されなかったトランスポンダ105の情報を新しいイベントルータ621から受け取り、フリートデータベース670から情報を検索する。クライアントコンソールは、コマンドをコマンド受信機691に送り出すことによってコマンドをトランスポンダ105にも送り出す。
【0112】
管理ソフトウェア
図7Aは、クライアントコンソールの一例のスクリーンショットを示す。クライアントコンソール176は、リアルタイムトランスポンダ105のロケーションマッピング、ロケーショントラッキング、トランスポンダ制御及びトランスポンダ管理/イベント処理を提供する。
【0113】
一実施の形態において、クライアントコンソール176は、複数のパラメータを設定することによってマップデータベース及びトランスポンダデータベースに接続する。そのようなパラメータは、コンソールマップセット710、任意のカスタムデータセット711、マップ情報表示シンボル712及びコンソール動作手順713の経路規定を有することができる。設定は、システム登録において維持され、プログラムロードで再現される。他の実施の形態において、クライアントコンソール176は、ユーザコンソール176によって用いられるマッピングパラメータを設定することができる。クライアントコンソール176は、コンソール位置、種々のプログラム発生マップを表示するときのデフォールトズームレベル、使用されるマップセット、及びロケーションをマッピングするときにストリート位置が表示されるか否かを規定することができる。図7Bは、クライアントコンソールの一例のスクリーンショットを示す。図形ユーザインタフェースによって、マップをクライアントコンソール176に表示することができる。一実施の形態において、クライアントコンソール176は、全ての利用できるトランスポンダを一つのマスタマップに表示する。他の実施の形態において、クライアントコンソール176によって、ユーザは、トランスポンダをグループ721ごとに又は個別720に見ることができる。他の実施の形態において、クライアントコンソール176によって、ユーザは、中間点内の全てのトランスポンダを見ることができる。他の実施の形態において、クライアントコンソール176によって、ユーザは、領域内の全てのトランスポンダを見ることができる。
【0114】
クライアントコンソール176によって、ユーザは、トランスポンダ105の位置の処理の管理を助ける種々のマッピングツールを用いることができる。設けられたツールは、マップズームイン/アウト、マップパン、マップ形態ラベル、マップルーラ、選択したポイントにおけるマップ位置、マップの凡例、選択されたポイントの中心マップ、マップ形態及びその上の中心マップの発見、選択されたカスタムデータセット構成要素の情報の表示、選択されたトランスポンダの情報の表示、標準的なマップ形態の情報の表示、及び表示されたマップの印刷を有する。
【0115】
さらに、表示されたマップは、トランスポンダ105に関する特別な条件を表すために位置シンボル及び位置識別の色分けを用いる。色分けされた特別な状況は、トランスポンダ移動、トランスポンダ停止、トランスポンダ報告なし、トランスポンダの位置が古いこと、及びトランスポンダが有効なプライオリティメッセージを有することを含む。
【0116】
図7Cに示すように、クライアントコンソール176は、コンソール740によって受け取られた全てのメッセージ、コンソール741によって送出されたコマンド及びコンソールオペレーション中に発生するキーイベント742を含むユーザオペレーティングログを発生することができる。他の実施の形態において、他の実施の形態において、発生したログはインタラクティブとなり、ユーザは、選択可能な期間中にイベントログを再現し及び観察するために自由な形態の備考を付すことができる。他の実施の形態において、クライアントコンソール176は、割り当てられたトランスポンダインベントリ及び選択されたトランスポンダの現在のリアルタイム状況の要約リストを発生することができる。
【0117】
図7Dは、トランスポンダ要約テーブル750及びマスタマップ751を表示する発生したリストを有するクライアントコンソール176のスクリーンショットを示す。クライアントコンソールによって、ユーザは、クライアントコンソール176で受信した全てのメッセージ176及びクライアントコンソール176からトランスポンダ105に送信された全てのコマンド753の時系列のリストを見ることができる。
【0118】
トランスポンダ要約テーブル750は、全てのトランスポンダ情報を表示し、クライアントコンソール176に対するトランスポンダ報告としてリアルタイムで更新される。示されたトランスポンダデータは、ユーザのインベントリに属するトランスポンダに対応するデータである。トランスポンダ要約テーブル750は、特定の状況に対してユーザに警告を行うためにアイコン及び色分けを用いる。色分けされた特定の状況は、トランスポンダの移動、トランスポンダの停止、トランスポンダの報告なし、トランスポンダの位置が古い、トランスポンダが有効なプライオリティメッセージを有することを含む。他の実施の形態において、ユーザは、トランスポンダ要約テーブル750のあらゆるアイテムを見つけることができ、どの列が可視であるかを選択することができ、かつ、選択可能な分類タイプ及び3列までの分類順序に従ってテーブルを分類することができる。
【0119】
他の実施の形態において、クライアントコンソール176によって、ユーザは、トランスポンダ要約テーブル750のアイテムを選択するとともに選択されたアイテム又はグループに関連した動作を実行することができる。例えば、トランスポンダが選択されると、トランスポンダに関連する種々の動作は、トランスポンダのマスタマップへの追加、トランスポンダのマスタマップからの削除、グループマップの形成、個別のマップの形成、選択されたトランスポンダ位置のマップの形成、トランスポンダの入出力及びイベント状態の観察、トランスポンダに対するメッセージ報告モードの設定、トランスポンダに属するマスタデータベースからの詳細な情報を含む情報スクリーンの観察、並びに通常表示されないロケーションデータパケットに含まれる補助情報の観察を含む。
【0120】
他の実施の形態において、クライアントコンソール176によって、ユーザは、メッセージイベント、標準イベント又はプライオリティイベントをクライアントコンソール176で受け取ると常に、音声キューを含むポップアップアラーム通知を受け取ることができる。通知モードを、各トランスポンダに対してイネーブル又はディスエーブルすることができる。一実施の形態において、通知モードがフリートデータベース670に設定される。他の実施の形態において、通知モードがクライアントコンソール176に局所的に設定される。プライオリティメッセージを受け取ると、ユーザは、メッセージをキャンセルし、報告を緊急モードに切り替え、又は標準報告モードの使用を継続することができる。トランスポンダ要約テーブル750は、トランスポンダ識別欄の下の特定のアイコンによってプライオリティメッセージを表示する。
【0121】
図8は、アドミニストレータコンソールの一例のスクリーンショットを示す。アドミニストレーションコンソール175は、クライアント設定を形成し及び維持することができる。アドミニストレータコンソール175は、データベース670を更新する。図7Bに示すように、アドミニストレータコンソール175は、フリート820のリストをディスプレイに表示することによって各フリートへのアクセスを許容する。選択したフリートに関連した全ての車両を観察しおよび管理するために各フリートにアクセスすることができる。車両821のリストを、フリート820のリストの各フリートに関連させる。車両821のリストの各車両は、トランスポンダ822、乗客823及びオペレータ824の対応するリストを有する。トランスポンダ822のリストの各トランスポンダを設定のために選択することができる。同様に、オペレータ824のリストを、オペレータを追加し、編集し又は削除するために選択することができる。乗客823のリストを、対応する車両の乗客を追加し、編集し又は削除するために選択することができる。
【0122】
図9Aは、動作データプロセッサ173の一例のスクリーンショットを示す。動作データプロセッサ173は、領域、中間点及びトランスポンダ105のトランスポンダロードを形成し及び維持することができる。領域、中間点及びサイトは、図9Aに示すようなポイント・アンド・クリックマッピングインタフェースによって形成され及び維持される。動作データプロセッサ173によって提供される図形インタフェースは、中間点920がインストールされた領域のマップ910を表示する。一実施の形態において、図形インタフェースは、中間点の周りの半径930を拡大し又は縮小することができる。他の実施の形態において、半径情報は、図形ユーザインタフェースの所定の領域に番号を打ち込むことによって入力される。動作データプロセッサ173は、中間点940のリストを維持し、かつ、対応するマップ910の各中間点920を観察することができる。
【0123】
図9Bは、動作データプロセッサ173の一例のスクリーンショットを示す。動作データプロセッサ173によって提供される図形インタフェースは、領域950が描かれた領域のマップ910を表示する。領域950は、偏向点951及び偏向点951を接続する線によって規定される。偏向点951を、マップ910をクリックすることによって表すことができる。領域960のリストも、偏向点970の収集に従って動作データプロセッサ173により表示される。各領域950を、偏向点951を変更することによって編集することができる。
【0124】
図9Cは、動作データプロセッサ173の一例のスクリーンショットを示す。動作データプロセッサ173によって提供される図形インタフェースは、トランスポンダロードを設定するウィンドウを表示する。トランスポンダロードは、トランスポンダにロードされる領域及び中間点の収集である。各クライアントはトランスポンダロードの収集を編集する。トランスポンダロードは、後にフリートデータベース670の設定に従って各トランスポンダ105にダウンロードされる。ロードは、クライアント980を選択するとともに、クライアント980によって規定された所望の中間点981及び領域982を選択することによって設定される。選択された中間点981及び領域982は、後にトランスポンダ105にダウンロードされるものとなる。
【0125】
図10Aは、ヒストリデータプロセッサ173の一例のスクリーンショットを示す。ヒストリデータプロセッサ173は、選択した車両及びトランスポンダに関連した履歴データ及びイベントを検索し及びマッピングすることができる。図形ユーザインタフェースは、インタラクティブマップ1010と、イベントが生じた図形ポイント1020とを表示する。一実施の形態において、ヒストリデータプロセッサ173によって、ユーザは、各図形ポイント1020をクリックするとともに、当該図形ポイント1020に報告されたイベント情報1030を見ることができる。他の実施の形態において、ヒストリデータプロセッサ173によって、ユーザは、地理的ポイント1020のグループを選択するとともに、選択した図形ポイント1020に従ってトランスポンダ又は車両の履歴を再生することができる。他の実施の形態において、ヒストリデータプロセッサ173によって、ユーザは、全ての図形ポイント1020を選択するとともに、選択した図形ポイントに従ってトランスポンダ又は車両の履歴を再生することができる。一実施の形態において、履歴再生は、走行した通りに従って車両の動き、方向及び速度を再生する。他の実施の形態において、車両の履歴が再生される際に、イベント情報130を、到達した図形ポイント1020のそれぞれに対して表示する。
【0126】
他の実施の形態において、履歴再生は、選択した期間に従って履歴を再生することができる。他の実施の形態において、履歴再生は、選択した中間点920に関連した履歴を再生することができる。他の実施の形態において、履歴再生は、選択した領域950に関連した履歴を再生することができる。
【0127】
図10Bは、ヒストリデータプロセッサ173の一例のスクリーンショットを示す。ヒストリデータプロセッサ173は、選択した車両及びトランスポンダに関連した履歴データ及びイベントを検索し、報告し及びマッピングすることができる。一実施の形態において、コンピュータアプリケーションの図形ユーザインタフェース形態は、利用できる報告1040のリストを表示する。他の実施の形態において、ウェブブラウザの図形ユーザインタフェースは、利用できる報告1040のリストを表示する。一旦、利用できる報告1040のリストのアイテムが選択されると、報告1050がユーザに表示される。各報告1050は、期間、イベントのタイプ、トランスポンダのタイプ、特定のトランスポンダ、特定の領域、中間点、車両のタイプ、車両等の複数のパラメータオプションに基づいて発生するように設定可能である。
【0128】
図11は、ディスエーブルトランスポンダプロセッサ1100の一例のスクリーンショットを示す。ディスエーブルトランスポンダプロセッサ1100によって、経理部は、未払いのトランスポンダ105をディステーブルするとともに加入時又は支払い時にトランスポンダ105をイネーブルすることができる。一実施の形態において、ディスエーブルトランスポンダプロセッサ1100を、会計処理データ交換機177に接続することができる。他の実施の形態において、ディスエーブルトランスポンダプロセッサ1100を、経理部によって用いられるコンピュータシステムにインストールされるスタンドアロンアプリケーションとすることができる。他の実施の形態において、ディスエーブルトランスポンダプロセッサ1100を、経理部によってのみアクセス可能なウェブアプリケーションとすることができる。
【0129】
ディスエーブルトランスポンダプロセッサ11000は、ディスエーブルされたトランスポンダ1110のリスト及びイネーブルされたトランスポンダのリストを提供する。ユーザがトランスポンダ105をディスエーブルし又はイネーブルする場合、トランスポンダ設定105は、フリートデータベース670において更新され、処理のためにコマンド受信機690にも送り出される。コマンド受信機690は、機能をオフに切り替えるためにメッセージをトランスポンダ105に送り出す。
【0130】
上記記載は、多数の特定の形態を含むが、これらは、開示の範囲を限定するものとして解釈すべきではなく、実施の形態であると解釈すべきである。
【0131】
既に説明した方法及びシステムは、この開示の多数のアプリケーションを考える。この開示は、移動オブジェクト又は移動しようとする静止オブジェクトを制御し及び監視することができるシステムを有する。オブジェクトを、車両や、航空機や、気球や、動物や、人や、貨物や、薬品、武器、危険物質などの特殊及び/又は不安定な貨物のような多くのものとすることができる。さらに、壊れやすい貨物は、薬物、患者、寄贈用の器官のようなアイテムを含むことができるが、これらに限定されるものではなく、この場合、温度、圧力、湿度、血圧、ekgのようなパラメータを監視し、他の条件がアイテムの完全性に重大である。追跡し、監視し及び局所的に制御する他の気候に敏感なオブジェクトは、有益な農産物及び腐りやすい商品を含む。例えば、トランスポンダは、湿度を監視し、湿気の影響があるとともに腐りやすいアイテムを含む荷物の水分量を制御することができる。さらに、これらのオブジェクトは、移動及び/又は位置を追跡するのが有益である他のあらゆるアイテムを含むことができる。トランスポンダを、乗せ置き、装着し、製造し、又は他の方法で種々のアーティクルを含ませることができる。トランスポンダは、ナノ及び/又はマイクロスケールのトランスポンダを含む種々のサイズのものが考えられる。追跡システムに関して、トランスポンダは、トランスポンダが取り付けられたアーティクル又は車両についての種々の情報を収集し、処理し及び伝達するよう作動する。さらに、要求されたときには、トランスポンダは、種々のコマンド及びインストラクションをローカルアーティクル又は車両に発することができる。ローカルアーティクル又は車両に対するこれらのコマンド又はインストラクションは、アーティクル又は車両の気候、機能、構造又は構成を変更し、改良し又は向上するあらゆるコマンドを含むと考えられる。例えば、この開示の医療アプリケーションは、患者の命にかかわる兆候を監視することができるトランスポンダを考える。トランスポンダを、静脈管、医療機器及び他の医療装置に有線結合し又は取り付けることができる。したがって、例えば、ユーザは、機能を実行するためにトランスポンダに命令することによって遠隔操作で投薬することができる。さらに、命にかかわる兆候の変化によって、イベントメッセージをトランスポンダに送り出すことができ、この場合、トランスポンダは、メッセージを応答センタに送り出し、患者の主治医の携帯電話に直接送り出し、又は家族のような複数の携帯電話に直接送り出すことができる。
【0132】
他のアプリケーション及び状況は、車両又は人を追跡し及び監視する必要があるだけでなく車両又は人の機能を制御できるのに有用な軍事アプリケーションを含む。例えば、軍用車両の発射機能を制御し、一旦車両が所定の領域に入ると同様な機能を制御し、又は一旦車両が安全地帯に入ると所定の機能をオフに切り替えるのが望ましい。同様に、航空機アイテム及び気球アイテムに対する他のアプリケーションも考えられる。トランスポンダは、同一機能を有する。しかしながら、トランスポンダを、緯度及び経度だけでなく空間の3次元ポイントに配置することができる。当然、これらアプリケーションの各々は、無線で設定可能かつ制御可能のままである。
【0133】
さらに、この開示は、ここで開示した形態及び/又は実施の形態からの構成要素のあらゆるコンビネーション又はサブコンビネーションを含む。当業者は、これらの態様を認識し、したがって、開示の範囲は、特許請求の範囲及びその等価物を考慮して解釈すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1人の制御センタのユーザが、自由に移動可能な個別移動体である個人とメッセージで通信することを可能にするシステムであって、前記個人は、少なくとも1つのブルートゥース(登録商標)装備の個人用の携帯機器に関連し、この携帯機器は、ネットワーク内のブルートゥース(登録商標)が使用可能な位置トランスポンダと通信するシステムにおいて、このシステムが、
複数のトランスポンダを含む、事前設定した地理的領域を使用し、前記トランスポンダは、前記地理的領域の周囲に配置されて前記地理的領域を規定し、前記トランスポンダは、前記個人との携帯電話通信用及びブルートゥース通信用であり;
前記トランスポンダは、多次元空間内に配置され;
前記制御センタのユーザのうち1人以上と前記個人との間で、携帯電話通信及びブルートゥース(登録商標)通信によって前記メッセージを送信し;
前記個人が前記地理的領域に対して特定位置に存在する際に、前記メッセージでの通信は、前記個人を対象とし;
前記個別移動体の位置に関するデータを、前記多次元空間内の前記トランスポンダの配置された位置に応じて取得して分析する
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記トランスポンダは、2次元座標空間内または3次元座標空間内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記携帯機器は、携帯電話、PDA、コンピュータ、または適切なネットワークを通して他の装置と無線通信するように構成された装置から選択したものであることを特徴とする請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記個別移動体の動きの、監視、制御、及び視覚化の少なくとも1つを行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
前記メッセージは、前記地理的領域内の前記トランスポンダのうち1つ以上に関係し、選択した前記トランスポンダ、及び前記携帯機器のユーザが前記地理的領域を通る挙動の過去のパターンに関係するメッセージであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
前記個別移動体の挙動を監視し、前記挙動は、前記個人が、前記地理的領域内の種々の前記トランスポンダの付近に存在した時間長のうち少なくとも1つで表されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
前記ユーザが、監視環境内で前記個別移動体を制御及び監視することを可能にし、前記個別移動体の位置データを利用するセキュリティ支援システムに影響を与えることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図4G】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−101661(P2013−101661A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2013−1784(P2013−1784)
【出願日】平成25年1月9日(2013.1.9)
【分割の表示】特願2011−259187(P2011−259187)の分割
【原出願日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(507146212)ワイヤレスワークス インターナショナル インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】