説明

移動圏検索システム及び移動圏検索方法

【課題】実状に沿った移動圏を求める。
【解決手段】地図上において基準となる基準点と、該基準点を基準とした移動時間とを指定する検索要求を受け付け、検索要求に応じて、ユーザ端末のユーザを識別するユーザ識別子と、該ユーザ端末の現在位置の測位点を示す測位情報と、測位点の測位時刻とを含む、複数のプローブ情報が記憶されているプローブ情報記憶部を参照し、基準点から所定範囲内に測位点があるプローブ情報である基準点情報を特定し、特定された基準点情報のそれぞれについて、該基準点情報と同一のユーザ識別子を有し、かつ、該基準点情報の測位時刻との差分が移動時間内となる測位時刻を有するプローブ情報である、移動圏情報を特定して出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動圏検索システム及び移動圏検索方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの行動範囲を分析するための一つの手法として、指定された地点から所定の時間で到達可能な範囲である到達圏や、指定された地点へ所定の時間で流入可能な範囲である流入圏を求めることが行わることがある。このような到達圏や流入圏などの移動圏は、指定された地点を基準点として、道路の距離や電車の移動時間に基づいて求めることが一般的である(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−210532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、現実の世界では、道路の渋滞や電車の遅延等が発生するため、上述の手法で求められた移動圏の通りになるとは限らない。また仮に、道路の渋滞情報や電車の遅延情報等を加味したとしても、上述の手法では、あくまでも移動圏の推定精度が向上するにすぎず、実状に沿った移動圏が求められるわけではない。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、実状に沿った移動圏を求めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る移動圏検索システムは、ユーザ端末のユーザを識別するユーザ識別子と、該ユーザ端末の現在位置の測位点を示す測位情報と、測位点の測位時刻とを含む、複数のプローブ情報を記憶するプローブ情報記憶部と、地図上において基準となる基準点と、該基準点を基準とした移動時間とを指定する検索要求を受け付ける検索要求受付部と、検索要求に応じて、プローブ情報記憶部を参照し、基準点から所定範囲内に測位点があるプローブ情報である基準点情報を特定する基準点特定部と、特定された基準点情報のそれぞれについて、該基準点情報と同一のユーザ識別子を有し、かつ、該基準点情報の測位時刻との差分が移動時間内となる測位時刻を有するプローブ情報である、移動圏情報を特定して出力する移動圏特定部と、を備える。
【0007】
なお、本発明において、「部」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」や装置が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の「部」や装置の機能が1つの物理的手段や装置により実現されても良い。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、実状に沿った移動圏を求めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態である移動圏検索システムの構成を示す図である。
【図2】プローブ情報DBの構造の一例を示す図である。
【図3】検索要求を受け付ける際の画面の一例を示す図である。
【図4】基準点情報及び移動圏情報を特定する際の一例を示す図である。
【図5】基準点情報とは別のユーザIDが設定されたプローブ情報を移動圏情報として特定する際の一例を示す図である。
【図6】移動圏情報の測位点を含む領域を表示する際の一例を示す図である。
【図7】検索された移動圏の情報を表示する画面の一例を示す図である。
【図8】移動圏検索処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施形態である移動圏検索システムの構成を示す図である。
【図10】プローブ情報をメッシュ領域にマッピングした一例を示す図である。
【図11】滞在情報DBの構造の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0011】
==第1の実施形態==
図1は、本発明の第1の実施形態である移動圏検索システムの構成を示す図である。移動圏検索システム10は、プローブ情報に基づいて実情に沿った移動圏を検索するシステムであり、1台または複数台の情報処理装置を用いて構成される。ここで、移動圏とは、地図上のある基準点を基準として、所定の移動時間で移動可能な範囲を示すものである。より具体的には、基準点から所定の移動時間内で移動可能な範囲は「到達圏」と呼ばれ、基準点まで所定の移動時間内で移動可能な範囲は「流入圏」と呼ばれる。
【0012】
図1に示すように、移動圏検索システム10は、プローブ情報受信部20、検索要求受付部22、基準点特定部24、移動圏特定部26、移動圏表示部28、プローブ情報データベース(DB)40、及び地図情報データベース(DB)42を含んで構成される。なお、プローブ情報受信部20、検索要求受付部22、基準点特定部24、移動圏特定部26、及び移動圏表示部28は、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することにより実現することができる。また、プローブ情報DB40及び地図情報DB42は、メモリや記憶装置等の記憶領域を用いて実現することができる。
【0013】
プローブ情報受信部20は、携帯電話や携帯情報端末、カーナビゲーション装置等のユーザ端末から無線ネットワークを介して送信されてくるプローブ情報を受信し、プローブ情報DB40に格納する。プローブ情報は、ユーザ端末におけるGPSを利用した測位によって生成されるものであり、ユーザ端末を識別するためのユーザID、ユーザ端末の現在位置の測位点の緯度や経度を示す測位情報、及び測位点の測位時刻を含んでいる。このようなプローブ情報は、各ユーザ端末から、例えば、5分間隔等で定期的に送信されてくる。なお、ユーザ端末の移動が検出されている間のみ、プローブ情報が送信されてくる場合もある。図2には、プローブ情報DB40の構造の一例が示されている。図2に示すように、プローブ情報DB40には、複数のユーザから送信されてくるプローブ情報が格納されている。
【0014】
検索要求受付部22は、移動圏を検索する際の基準となる基準点と、基準点を基準とした移動時間と、基準点における滞在時刻を示す基準時刻と、検索対象期間と、到達圏及び流入圏のうちの少なくとも一方を選択するための情報とを含む検索要求を受け付ける。図3には、検索要求受付部22が検索要求を受け付ける際の画面の一例が示されている。図3に示す例では、画面50に表示された地図上において、基準点52を指定することができる。さらに、画面50には、移動時間を指定する領域54、基準時刻を指定する領域56、対象期間を指定する領域58、移動圏の種別を選択する領域60、及び検索ボタン62が設けられている。この画面50は、例えば、ユーザ端末に表示することも可能であるし、ユーザ端末以外の端末に表示することも可能である。各種条件が指定された後、検索ボタン62が押下されると、条件が設定された検索要求が移動圏検索システム10に送信される。
【0015】
なお、基準点の指定は地図上で行われなくてもよい。例えば、地名や駅名等、基準点を指定可能な情報が入力されることとしてもよい。また、基準時刻は入力されないこととしてもよい。また、対象期間の指定方法は任意である。例えば、全期間とすることもできるし、ある特定の日のみを対象とすることもできる。また、ある特定の日から別の日までの期間を指定することもできるし、過去数日間等、現在を起点とした期間を指定することもできる。また、検索対象とする移動圏の種別として、到達圏及び流入圏の両方が選択されてもよいし、いずれか一方のみが選択されてもよい。
【0016】
図1に戻り、基準点特定部24は、検索要求受付部22が受け付けた検索要求に応じて、プローブ情報DB40を参照し、指定された基準点から所定範囲内に測位点があるプローブ情報である基準点情報を特定する。
【0017】
図4を参照し、基準点情報を特定する際の一例について説明する。図4の例では、基準点特定部24は、指定された基準点を含む近傍の領域70に測位点が含まれるプローブ情報を基準点情報として特定する。ここで、領域70の大きさはシステムの仕様や、基準点を指定した際に表示されていた地図の縮尺等に応じて任意に設定可能である。なお、基準点特定部24は、検索要求において対象期間が指定されている場合は、指定された期間内の測位時刻が設定されているプローブ情報を検索対象とする。また、基準点特定部24は、検索要求において基準時刻が指定されている場合は、指定された基準時刻から所定時間内の測位時刻が設定されたプローブ情報を検索対象とする。例えば、基準時刻として「17:00」が指定された場合、基準点特定部24は、測位時刻が「17:00」の前後5分以内のプローブ情報を検索対象とすることができる。なお、基準時刻を考慮してプローブ情報を検索する際の所定時間の幅は、システムの仕様やユーザからの入力等に応じて任意に設定可能である。
【0018】
図1に戻り、移動圏特定部26は、プローブ情報DB40を参照し、特定された基準点情報と同一のユーザIDが設定され、かつ、検索要求で指定された移動時間内となる測位時刻が設定されたプローブ情報である移動圏情報を特定する。
【0019】
再び図4を参照し、移動圏情報を特定する際の一例について説明する。図4の例では、測位点が領域70に含まれるプローブ情報が基準点情報である。移動圏特定部26は、各基準点情報と同一のユーザIDが設定され、かつ、検索要求で指定された移動時間内となる測位時刻が設定されたプローブ情報を移動圏情報として特定する。例えば、検索要求において基準時刻が指定されていない場合であれば、移動圏特定部26は、基準点情報の測位時刻との差分が、指定された移動時間内となる測位時刻が設定されたプローブ情報を移動圏情報として特定する。また、例えば、検索要求において基準時刻が指定されている場合であれば、移動圏特定部26は、基準時刻からの差分が、指定された移動時間内となる測位時刻が設定されたプローブ情報を移動圏情報として特定する。
【0020】
図4の例では、基準時刻が「17:00」、移動時間が「3時間」と指定されている。また、図4の例では、ユーザAのユーザIDが設定された基準点情報が特定されている。この場合、移動圏特定部26は、ユーザAのユーザIDが設定され、かつ、測位時刻が「14:00」〜「17:00」の範囲にあるプローブ情報を、流入圏を示す移動圏情報として特定することができる。その他のユーザの基準点情報や、到達圏を示す移動圏情報についても同様に特定が可能である。
【0021】
図4の例では、基準点情報と同一のユーザIDが設定されているプローブ情報を移動圏情報として特定する例を説明したが、移動圏特定部26は、さらに、基準点情報とは別のユーザIDが設定されたプローブ情報を移動圏情報として特定することも可能である。
【0022】
図5を参照して具体的に説明する。図5には、測位点が領域70に含まれ、ユーザAのユーザIDが設定された基準点情報が特定されている。図4に示したように、移動圏特定部26は、ユーザAのユーザIDが設定され、検索要求で指定された条件を満たすプローブ情報を移動圏情報として特定する。そして、移動圏特定部26は、このように特定されたユーザAの移動圏情報のうちの任意の移動圏情報を選択し、選択された移動圏情報を基準として別のユーザIDが設定されたプローブ情報を移動圏情報としてさらに特定することができる。例えば、移動圏特定部26は、ユーザAの移動圏情報の中から選択された移動圏情報の測位点を含む近傍の領域72に測位点があるプローブ情報を特定する。この特定されたプローブ情報のユーザIDがユーザXであるとすると、移動圏特定部26は、ユーザXのユーザIDが設定され、検索要求で指定された移動時間の条件を満たすプローブ情報を移動圏情報として特定することができる。
【0023】
なお、検索要求において基準時刻が指定されている場合、移動圏特定部26は、選択されたユーザAの移動圏情報の測位時刻から所定時間内の測位時刻が設定されたプローブ情報を、移動圏情報への追加候補として特定することができる。例えば、図5に示すように、選択されたユーザAの移動圏情報の測位時刻が「15:00」であるとすると、移動圏特定部26は、例えば、測位時刻が「15:00」の前後5分以内のプローブ情報を検索対象とすることができる。なお、基準時刻を考慮してプローブ情報を検索する際の所定時間の幅は、システムの仕様やユーザからの入力等に応じて任意に設定可能である。
【0024】
図1に戻り、移動圏表示部28は、地図を表示するための地図情報が記憶されている地図情報DB42を参照し、移動圏特定部26により特定された移動圏情報の測位点を地図上に表示する。例えば、図6に示すように、移動圏表示部28は、移動圏情報の測位点を含む所定範囲の領域75を地図上に表示する。なお、領域75の大きさは、システムの仕様に応じて任意に設定可能である。また、移動圏情報の測位点を含むメッシュ領域を領域75とすることも可能である。また、移動圏表示部28は、複数の移動圏情報による領域75の重複度合いに応じて濃淡や色を変更するなど、重複度合いを識別可能に領域75を地図上に表示することができる。図7には、移動圏表示部28による検索結果の表示の一例が示されている。図7に示すように、移動圏表示部28は、基準点が指定された地図上に、特定された移動圏の範囲80を識別可能に表示することができる。
【0025】
図8は、移動圏検索システム10における移動圏検索処理の一例を示すフローチャートである。なお、プローブ情報DB40にはプローブ情報が蓄積されていることとする。まず、検索要求受付部22は、基準点、移動時間、基準時刻、対象期間、及び移動圏の種別を指定する検索要求を受け付ける(S801)。
【0026】
検索要求が受け付けられると、基準点特定部24は、プローブ情報DB40を参照し、対象期間のプローブ情報の中から、基準点から所定範囲に測位点があり、かつ、基準時刻から所定時間内の測位時刻が設定されたプローブ情報を基準点情報として特定する(S802)。
【0027】
基準点情報が特定されると、移動圏特定部26は、基準点情報と同一のユーザIDが設定され、かつ、基準時刻からの差分が移動時間内となる測位時刻が設定されたプローブ情報を移動圏情報として特定する(S803)。さらに、移動圏特定部26は、特定された移動圏情報の測位点から所定範囲内に測位点があり、かつ、該移動圏情報とは別のユーザIDが設定されたプローブ情報を特定する(S804)。そして、移動圏特定部26は、特定されたプローブ情報と同一のユーザIDが設定され、基準時刻との差分が移動時間内となる測位時刻が設定されたプローブ情報を、移動圏情報としてさらに特定する(S805)。
【0028】
最後に、移動圏表示部28は、地図情報DB42を参照し、移動圏情報の測位情報によって示される測位点を含む所定範囲の領域を地図上に表示する(S806)。
【0029】
==第2の実施形態==
図9は、本発明の第2の実施形態である移動圏検索システムの構成を示す図である。移動圏検索システム100は、図1に示した第1の実施形態の移動圏検索システム10の変形例であり、プローブ情報受信部20、検索要求受付部22、プローブ情報DB40、及び地図情報DB42の構成は第1の実施形態と同様である。図9に示すように、移動圏検索システム100は、第1の実施形態の構成に加え、領域特定部110、滞在情報生成部112、及び滞在情報データベース(DB)120を備えている。なお、領域特定部110及び滞在情報生成部112は、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することにより実現することができる。また、滞在情報DB120は、メモリや記憶装置等の記憶領域を用いて実現することができる。また、基準点特定部130、移動圏特定部132、及び移動圏表示部134は、第1の実施形態の基準点特定部24、移動圏特定部26、及び移動圏表示部28と同等の機能を有する。以下に、第1の実施形態と異なる部分について説明する。
【0030】
領域特定部110は、プローブ情報DB40に格納されているプローブ情報の測位点を、地図上における分割領域にマッピングする。ここで、分割領域とは、地図上の所定範囲の領域を分割して得られる領域であり、例えば、メッシュ領域や、行政区画に応じたポリゴンなどである。図10には、プローブ情報をメッシュ領域にマッピングした一例が示されている。
【0031】
滞在情報生成部112は、各プローブ情報について、ユーザIDと、特定された分割領域を示す領域IDと、測位時刻とを対応づけた滞在情報を生成して滞在情報DB120に格納する。ここで、領域情報は、分割領域を特定するための情報であり、例えば、メッシュ領域の識別子であるメッシュコードなどを用いることができる。図11には、滞在情報DB120の構造の一例が示されている。
【0032】
第1の実施形態における基準点特定部24、移動圏特定部26、及び移動圏表示部28は、プローブ情報DB40に格納されているプローブ情報を直接参照することにより、移動圏を検索するための処理を行っていたが、基準点特定部130、移動圏特定部132、及び移動圏表示部134は、滞在情報DB120に格納されている滞在情報を参照することにより、移動圏を検索するための処理を行う。
【0033】
基準点特定部130は、滞在情報DB120を参照し、検索要求で指定された基準点を含む分割領域を示す領域IDが設定された滞在情報を基準点情報として特定する。
【0034】
移動圏特定部132は、滞在情報DB120を参照し、基準点情報と同一のユーザIDが設定され、かつ、基準点情報の測位時刻との差分が移動時間内となる測位時刻が設定された滞在情報を移動圏情報として特定する。
【0035】
移動圏表示部134は、地図情報DB42を参照し、特定された移動圏情報の領域IDによって示される分割領域を地図上に表示する。
【0036】
なお、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、基準時刻や検索対象期間の指定が可能である。また、基準点情報とは別のユーザIDが設定された滞在情報を移動圏情報として特定することも可能である。また、第1の実施形態と同様に、分割領域の重複度合いを識別可能に、移動圏情報における分割領域を表示することも可能である。
【0037】
以上、本発明の実施形態について説明した。本実施形態によれば、蓄積されたプローブ情報に基づいて、到達圏や流入圏などの移動圏を検索することができる。すなわち、道路の距離や電車の移動時間に基づいて推定された移動圏ではなく、実状に沿った移動圏を求めることができる。
【0038】
なお、本実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【0039】
例えば、本実施形態では、移動圏を地図上に表示することとしたが、移動圏の地図上への表示が行われないこととしてもよい。例えば、移動圏の住所一覧などが表示されることとしてもよい。また、例えば、他のシステムにおいて移動圏に基づく処理を行うために、移動圏情報を他のシステムに出力することとしてもよい。また、例えば、移動圏を表示する以外に、移動圏を位置ごとに集計した件数や場所のリストを出力することとしてもよい。
【0040】
また、例えば、本実施形態では、移動圏を表示する際に、各移動圏情報について、移動圏情報おける測位点を含む領域を表示することとしたが、測位点を含む領域ではなく、測位点そのものを地図上に表示することとしてもよい。
【0041】
また、例えば、本実施形態では、プローブ情報または滞在情報に設定されている測位時刻そのものに基づいて、基準点情報や移動圏情報を特定することとしたが、測位時刻そのものではなく、測位時刻に基づいて算出された滞在時刻に基づいて基準点情報や移動圏情報が特定されることとしてもよい。より具体的には、例えば、測位時刻が時間的に連続する2つのプローブ情報または滞在情報に基づいて、測位点または分割領域ごとの滞在時刻が算出されることとしてもよい。そして、測位時刻そのものではなく、算出された滞在時刻に基づいて、基準点情報や移動圏情報が特定されることとしてもよい。
【符号の説明】
【0042】
10 移動圏検索システム
20 プローブ情報受信部
22 検索要求受付部
24,130 基準点特定部
26,132 移動圏特定部
28,134 移動圏表示部
40 プローブ情報データベース
42 地図情報データベース
110 領域特定部
112 滞在情報生成部
120 滞在情報データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末のユーザを識別するユーザ識別子と、該ユーザ端末の現在位置の測位点を示す測位情報と、前記測位点の測位時刻とを含む、複数のプローブ情報を記憶するプローブ情報記憶部と、
地図上において基準となる基準点と、該基準点を基準とした移動時間とを指定する検索要求を受け付ける検索要求受付部と、
前記検索要求に応じて、前記プローブ情報記憶部を参照し、前記基準点から所定範囲内に測位点があるプローブ情報である基準点情報を特定する基準点特定部と、
前記プローブ情報記憶部を参照し、前記特定された基準点情報のそれぞれについて、該基準点情報と同一のユーザ識別子を有し、かつ、該基準点情報の測位時刻との差分が前記移動時間内となる測位時刻を有するプローブ情報である、移動圏情報を特定して出力する移動圏特定部と、
を備える移動圏検索システム。
【請求項2】
請求項1に記載の移動圏検索システムであって、
地図を表示するための地図情報が記憶されている地図情報記憶部を参照し、前記特定された移動圏情報の測位情報によって示される測位点を前記地図上に表示する移動圏表示部をさらに備える、
移動圏検索システム。
【請求項3】
請求項2に記載の移動圏検索システムであって、
前記移動圏表示部は、各移動圏情報について、該移動圏情報の測位情報によって示される測位点を含む所定範囲の領域を前記地図上に表示する、
移動圏検索システム。
【請求項4】
請求項3に記載の移動圏検索システムであって、
前記移動圏表示部は、複数の移動圏情報における前記領域の重複度合いを識別可能に、各移動圏情報における前記領域を前記地図上に表示する、
移動圏検索システム。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の移動圏検索システムであって、
前記検索要求受付部は、さらに、前記基準点における滞在時刻を示す基準時刻を前記検索要求として受け付け、
前記基準点特定部は、前記基準点から所定範囲内に測位点があり、かつ、前記基準時刻から所定時間内の測位時刻を有するプローブ情報を前記基準点情報として特定し、
前記移動圏特定部は、前記基準点情報と同一のユーザ識別子を有し、かつ、前記基準時刻からの差分が前記移動時間内となる測位時刻を有するプローブ情報を前記移動圏情報として特定する、
移動圏検索システム。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一項に記載の移動圏検索システムであって、
前記検索要求受付部は、さらに、検索対象とするプローブ情報の期間を指定する期間指定情報を前記検索要求として受け付け、
前記基準点特定部は、前記基準点から所定範囲内に測位点があり、かつ、前記期間指定情報によって示される期間内の測位時刻を有するプローブ情報を前記基準点情報として特定する、
移動圏検索システム。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか一項に記載の移動圏検索システムであって、
前記移動圏特定部は、
前記特定された移動圏情報のうちの1つである第1の移動圏情報の測位点から所定範囲内に測位点があり、かつ、該移動圏情報とは別のユーザ識別子を有するプローブ情報を特定し、
該特定されたプローブ情報と同一のユーザ識別子を有し、かつ、該特定されたプローブ情報との間における測位時刻の差分が、前記移動時間から、前記基準点情報の測位時刻と前記第1の移動圏情報の測位時刻との差分を引いた時間内となるプローブ情報を、前記移動圏情報としてさらに特定する、
移動圏検索システム。
【請求項8】
請求項1に記載の移動圏検索システムであって、
所定範囲の領域を分割して得られる複数の分割領域のうち、前記プローブ情報記憶部に記憶されている各プローブ情報の測位情報によって示される測位点を含む分割領域を特定する領域特定部と、
前記プローブ情報記憶部に記憶されている各プローブ情報について、前記ユーザ識別子と、前記特定された分割領域を示す領域情報と、前記測位時刻とを対応づけた滞在情報を生成して滞在情報記憶部に格納する滞在情報生成部と、
をさらに備え、
前記基準点特定部は、前記滞在情報記憶部を参照し、前記基準点を含む分割領域を示す領域情報を有する滞在情報を前記基準点情報として特定し、
前記移動圏特定部は、前記滞在情報記憶部を参照し、前記特定された基準点情報のそれぞれについて、該基準点情報と同一のユーザ識別子を有し、かつ、該基準点情報の測位時刻との差分が前記移動時間内となる測位時刻を有する滞在情報を前記移動圏情報として特定して出力する、
移動圏検索システム。
【請求項9】
請求項8に記載の移動圏検索システムであって、
前記特定された移動圏情報の領域情報によって示される分割領域を前記地図上に表示する移動圏表示部をさらに備える、
移動圏検索システム。
【請求項10】
請求項9に記載の移動圏検索システムであって、
前記移動圏表示部は、複数の移動圏情報における前記分割領域の重複度合いを識別可能に、各移動圏情報における前記分割領域を前記地図上に表示する、
移動圏検索システム。
【請求項11】
請求項8〜10の何れか一項に記載の移動圏検索システムであって、
前記検索要求受付部は、さらに、前記基準点における滞在時刻を示す基準時刻を前記検索要求として受け付け、
前記基準点特定部は、前記基準点を含む分割領域を示す領域情報を有し、かつ、前記基準時刻から所定時間内の測位時刻を有する滞在情報を前記基準点情報として特定し、
前記移動圏特定部は、前記基準点情報と同一のユーザ識別子を有し、かつ、前記基準時刻からの差分が前記移動時間内となる測位時刻を有する滞在情報を前記移動圏情報として特定する、
移動圏検索システム。
【請求項12】
請求項8〜11の何れか一項に記載の移動圏検索システムであって、
前記検索要求受付部は、さらに、検索対象とするプローブ情報の期間を指定する期間指定情報を前記検索要求として受け付け、
前記基準点特定部は、前記基準点を含む分割領域を示す領域情報を有し、かつ、前記期間指定情報によって示される期間内の測位時刻を有する滞在情報を前記基準点情報として特定する、
移動圏検索システム。
【請求項13】
請求項8〜12の何れか一項に記載の移動圏検索システムであって、
前記移動圏特定部は、
前記特定された移動圏情報うちの1つである第1の移動圏情報の領域情報を有し、かつ、該移動圏情報とは別のユーザ識別子を有する滞在情報を特定し、
該特定された滞在情報と同一のユーザ識別子を有し、かつ、該特定された滞在情報との間における測位時刻の差分が、前記移動時間から、前記基準点情報の測位時刻と前記第1の移動圏情報の測位時刻との差分を引いた時間内となる滞在情報を、前記移動圏情報としてさらに特定する、
移動圏検索システム。
【請求項14】
地図上において基準となる基準点と、該基準点を基準とした移動時間とを指定する検索要求を受け付け、
前記検索要求に応じて、ユーザ端末のユーザを識別するユーザ識別子と、該ユーザ端末の現在位置の測位点を示す測位情報と、前記測位点の測位時刻とを含む、複数のプローブ情報が記憶されているプローブ情報記憶部を参照し、前記基準点から所定範囲内に測位点があるプローブ情報である基準点情報を特定し、
前記プローブ情報記憶部を参照し、前記特定された基準点情報のそれぞれについて、該基準点情報と同一のユーザ識別子を有し、かつ、該基準点情報の測位時刻との差分が前記移動時間内となる測位時刻を有するプローブ情報である、移動圏情報を特定して出力する、
移動圏検索方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図3】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−212319(P2012−212319A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−77648(P2011−77648)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(500578216)株式会社ゼンリンデータコム (231)
【Fターム(参考)】