説明

移動局選択装置、移動局選択方法、及び移動局選択プログラム

【課題】演算量を膨大にすることなく、移動局毎のMIMOモードを決定することができる移動局選択装置、移動局選択方法、及び移動局選択プログラムを提供する。
【解決手段】移動局選択装置100は、無線品質情報を移動局から受信する分類部111と、SU‐MIMO対象移動局とMU‐MIMO対象移動局とに、無線品質情報に基づいて移動局を分類する分類部111と、SU‐MIMO性能尺度を無線品質情報に基づいて移動局毎に算出し、SU‐MIMO性能尺度の最良値とSU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局とを対応付ける算出部112と、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局がMU‐MIMO対象移動局でない場合、SU‐MIMOを選択し、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局がMU‐MIMO対象移動局である場合、SU‐MIMO又はMU‐MIMOのうち、最良なMIMOモードを選択する決定部113とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信における、移動局選択装置、移動局選択方法、及び移動局選択プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の送受信アンテナを用いるMIMO(Multiple Input Multiple Output)システムが、次世代の無線通信システムとして注目されている。特に、MU(マルチユーザ)−MIMOシステムは、複数の移動局に対して同一無線リソースを適切に空間多重することで、SU(シングルユーザ)−MIMOシステムと比較して、無線品質を大幅に向上させることができる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2010−537597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されたスケジューリング装置は、セクタ内の全移動局にSU‐MIMOが適用されるとした場合の性能尺度(例えば、通信容量、PF(Proportional Fairness)メトリック)を算出し、さらに、全移動局の全ての組合せについて、MU‐MIMOが適用されるとした場合の性能尺度を算出する。このため、特許文献1に開示されたスケジューリング装置では、移動局毎のMIMOモードを決定する際の演算量が膨大になってしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、前記の点に鑑みてなされたものであり、演算量を膨大にすることなく、移動局毎のMIMOモードを決定することができる移動局選択装置、移動局選択方法、及び移動局選択プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、無線品質を示す情報である無線品質情報を、複数の移動局からそれぞれ受信する受信部と、SU‐MIMOのみで通信可能な移動局であるSU‐MIMO対象移動局と、MU‐MIMO又はSU‐MIMOのいずれのMIMOモードでも通信可能な移動局であるMU‐MIMO対象移動局とに、前記無線品質情報に基づいて移動局を分類する分類部と、SU‐MIMOが適用された場合の性能尺度であるSU‐MIMO性能尺度を、前記無線品質情報に基づいて移動局毎に算出し、SU‐MIMO性能尺度の最良値と、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局と、を対応付ける算出部と、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局が前記MU‐MIMO対象移動局でない場合、MIMOモードとしてSU‐MIMOを選択し、一方、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局が前記MU‐MIMO対象移動局である場合、SU‐MIMO又はMU‐MIMOのうち、より最良なMIMO性能尺度を示すMIMOモードを選択する決定部と、を備えることを特徴とする移動局選択装置である。
【0007】
また、本発明は、前記算出部が、SU‐MIMO性能尺度の最良値を示す移動局が前記MU‐MIMO対象移動局である場合、MU‐MIMOが適用された場合の性能尺度であるMU‐MIMO性能尺度を、前記無線品質情報に基づいて、MU‐MIMO対象移動局の組み合わせ毎に算出し、MU‐MIMO性能尺度の最良値と、MU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局の組み合わせと、を対応付け、前記決定部が、SU‐MIMO性能尺度の最良値と、MU‐MIMO性能尺度の最良値と、を比較することで、より最良なMIMO性能尺度を示すMIMOモードを選択し、MIMOモードとしてSU‐MIMOを選択した場合、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局に、SU‐MIMOを適用して無線リソースを割り当て、一方、MIMOモードとしてMU‐MIMOを選択した場合、MU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局の組み合わせに、MU‐MIMOを適用して無線リソースを割り当てることを特徴とする移動局選択装置である。
【0008】
また、本発明は、前記算出部が、SU‐MIMO性能尺度及びMU‐MIMO性能尺度として、PFメトリックを算出することを特徴とする移動局選択装置である。
【0009】
また、本発明は、前記算出部が、SU‐MIMO性能尺度の最良値を示す移動局が前記MU‐MIMO対象移動局である場合、MU‐MIMOが適用された場合の性能尺度であるMU‐MIMO性能尺度を、前記無線品質情報に基づいて、MU‐MIMO対象移動局の組み合わせ毎に算出し、MU‐MIMO性能尺度の最良値と、MU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局の組み合わせと、を対応付け、前記決定部が、MIMOモードとしてMU‐MIMOを選択し、MU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局の組み合わせに、MU‐MIMOを適用して無線リソースを割り当てることを特徴とする移動局選択装置である。
【0010】
また、本発明は、前記算出部が、SU‐MIMO性能尺度としてPFメトリックを算出し、且つ、MU‐MIMO性能尺度として通信容量を算出することを特徴とする移動局選択装置である。
【0011】
また、本発明は、前記分類部が、割り当て可能である無線リソースの多重数毎に、前記MU‐MIMO対象移動局を更に分類し、前記決定部が、前記MU‐MIMO対象移動局の作成可能な全ての組み合わせのうち、MU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局の組み合わせに、MU‐MIMOを適用して無線リソースを割り当てることを特徴とする移動局選択装置である。
【0012】
また、本発明は、前記算出部が、前記MU‐MIMO対象移動局について、前記多重数の少ない順にMU‐MIMO性能尺度を算出し、直近の多重数に対応するMU‐MIMO性能尺度の全てが、直近の多重数より一つ少ない多重数に対応するMU‐MIMO性能尺度の最大値以下である場合、MU‐MIMO性能尺度を算出する処理を以降省略することを特徴とする移動局選択装置である。
【0013】
また、本発明は、前記決定部が、前記多重数が同じである前記MU‐MIMO対象移動局の組み合わせのうち、MU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局の組み合わせに、MU‐MIMOを適用して無線リソースを割り当てることを特徴とする移動局選択装置である。
【0014】
また、本発明は、前記分類部が、前記無線品質情報として、希望信号電力対雑音電力及びセクタ間干渉電力、チャネル品質インジケータ、又はパスロスに基づいて、移動局を分類することを特徴とする移動局選択装置である。
【0015】
また、本発明は、前記算出部が、SU‐MIMO性能尺度の最良値を示す移動局が前記MU‐MIMO対象移動局である場合、前記MU‐MIMO対象移動局に存在する組み合わせについてのみ、MU‐MIMO性能尺度を算出することを特徴とする移動局選択装置である。
【0016】
また、本発明は、前記分類部が、分類した前記MU‐MIMO対象移動局を、移動局が無線品質情報をフィードバックした直近の時刻からの経過時間と、予め定められた閾値との比較結果に基づいて、前記MU‐MIMO対象移動局と、前記SU‐MIMO対象移動局と、に再分類することを特徴とする移動局選択装置である。
【0017】
また、本発明は、前記分類部が、前記経過時間が所定閾値以下である移動局を、MU‐MIMO対象移動局に分類し、前記経過時間が所定閾値を超えている移動局を、SU‐MIMO対象移動局に分類することを特徴とする移動局選択装置である。
【0018】
また、本発明は、前記分類部が、システム帯域全体の複数の一部帯域のうち、直近にフィードバックされた前記一部帯域の無線品質情報を移動局毎に代表させ、代表の無線品質情報がフィードバックされた直近の時刻からの経過時間に基づいて、MU‐MIMO対象移動局とSU‐MIMO対象移動局とに、移動局を分類することを特徴とする移動局選択装置である。
【0019】
また、本発明は、前記分類部が、システム帯域全体の複数の一部帯域について前記経過時間を平均し、平均値に基づいて、MU‐MIMO対象移動局とSU‐MIMO対象移動局とに、移動局を分類することを特徴とする移動局選択装置である。
【0020】
また、本発明は、無線品質を示す情報である無線品質情報を、複数の移動局からそれぞれ受信する受信部と、SU‐MIMOのみで通信可能な移動局であるSU‐MIMO対象移動局と、MU‐MIMO又はSU‐MIMOのいずれのMIMOモードでも通信可能な移動局であるMU‐MIMO対象移動局とに、移動局が無線品質情報をフィードバックした直近の時刻からの経過時間と、予め定められた閾値との比較結果に基づいて、移動局を分類する分類部と、SU‐MIMOが適用された場合の性能尺度であるSU‐MIMO性能尺度を、前記無線品質情報に基づいて移動局毎に算出し、SU‐MIMO性能尺度の最良値と、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局と、を対応付ける算出部と、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局が前記MU‐MIMO対象移動局でない場合、MIMOモードとしてSU‐MIMOを選択し、一方、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局が前記MU‐MIMO対象移動局である場合、SU‐MIMO又はMU‐MIMOのうち、より最良なMIMO性能尺度を示すMIMOモードを選択する決定部と、を備えることを特徴とする移動局選択装置である。
【0021】
また、本発明は、前記分類部が、前記経過時間が所定閾値以下である移動局を、MU‐MIMO対象移動局に分類し、前記経過時間が所定閾値を超えている移動局を、SU‐MIMO対象移動局に分類することを特徴とする移動局選択装置である。
【0022】
また、本発明は、前記分類部が、システム帯域全体の複数の一部帯域のうち、直近にフィードバックされた前記一部帯域の無線品質情報を移動局毎に代表させ、代表の無線品質情報がフィードバックされた直近の時刻からの経過時間に基づいて、MU‐MIMO対象移動局とSU‐MIMO対象移動局とに、移動局を分類することを特徴とする移動局選択装置である。
【0023】
また、本発明は、前記分類部が、システム帯域全体の複数の一部帯域について前記経過時間を平均し、平均値に基づいて、MU‐MIMO対象移動局とSU‐MIMO対象移動局とに、移動局を分類することを特徴とする移動局選択装置である。
【0024】
また、本発明は、移動局を選択する移動局選択装置における移動局選択方法であって、受信部が、無線品質を示す情報である無線品質情報を、複数の移動局からそれぞれ受信するステップと、分類部が、SU‐MIMOのみで通信可能な移動局であるSU‐MIMO対象移動局と、MU‐MIMO又はSU‐MIMOのいずれのMIMOモードでも通信可能な移動局であるMU‐MIMO対象移動局とに、前記無線品質情報に基づいて移動局を分類するステップと、算出部が、SU‐MIMOが適用された場合の性能尺度であるSU‐MIMO性能尺度を、前記無線品質情報に基づいて移動局毎に算出し、SU‐MIMO性能尺度の最良値と、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局と、を対応付けるステップと、決定部が、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局が前記MU‐MIMO対象移動局でない場合、MIMOモードとしてSU‐MIMOを選択し、一方、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局が前記MU‐MIMO対象移動局である場合、SU‐MIMO又はMU‐MIMOのうち、より最良なMIMO性能尺度を示すMIMOモードを選択するステップと、を有することを特徴とする移動局選択方法である。
【0025】
また、本発明は、移動局を選択する移動局選択装置における移動局選択方法であって、受信部が、無線品質を示す情報である無線品質情報を、複数の移動局からそれぞれ受信するステップと、分類部が、SU‐MIMOのみで通信可能な移動局であるSU‐MIMO対象移動局と、MU‐MIMO又はSU‐MIMOのいずれのMIMOモードでも通信可能な移動局であるMU‐MIMO対象移動局とに、移動局が無線品質情報をフィードバックした直近の時刻からの経過時間と、予め定められた閾値との比較結果に基づいて、移動局を分類するステップと、算出部が、SU‐MIMOが適用された場合の性能尺度であるSU‐MIMO性能尺度を、前記無線品質情報に基づいて移動局毎に算出し、SU‐MIMO性能尺度の最良値と、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局と、を対応付けるステップと、決定部が、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局が前記MU‐MIMO対象移動局でない場合、MIMOモードとしてSU‐MIMOを選択し、一方、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局が前記MU‐MIMO対象移動局である場合、SU‐MIMO又はMU‐MIMOのうち、より最良なMIMO性能尺度を示すMIMOモードを選択するステップと、を有することを特徴とする移動局選択方法である。
【0026】
また、本発明は、コンピュータに、無線品質を示す情報である無線品質情報を、複数の移動局からそれぞれ受信する手順と、SU‐MIMOのみで通信可能な移動局であるSU‐MIMO対象移動局と、MU‐MIMO又はSU‐MIMOのいずれのMIMOモードでも通信可能な移動局であるMU‐MIMO対象移動局とに、前記無線品質情報に基づいて移動局を分類する手順と、SU‐MIMOが適用された場合の性能尺度であるSU‐MIMO性能尺度を、前記無線品質情報に基づいて移動局毎に算出し、SU‐MIMO性能尺度の最良値と、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局と、を対応付ける手順と、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局が前記MU‐MIMO対象移動局でない場合、MIMOモードとしてSU‐MIMOを選択し、一方、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局が前記MU‐MIMO対象移動局である場合、SU‐MIMO又はMU‐MIMOのうち、より最良なMIMO性能尺度を示すMIMOモードを選択する手順と、を実行させるための移動局選択プログラムである。
【0027】
また、本発明は、コンピュータに、無線品質を示す情報である無線品質情報を、複数の移動局からそれぞれ受信する手順と、SU‐MIMOのみで通信可能な移動局であるSU‐MIMO対象移動局と、MU‐MIMO又はSU‐MIMOのいずれのMIMOモードでも通信可能な移動局であるMU‐MIMO対象移動局とに、移動局が無線品質情報をフィードバックした直近の時刻からの経過時間と、予め定められた閾値との比較結果に基づいて、移動局を分類する手順と、SU‐MIMOが適用された場合の性能尺度であるSU‐MIMO性能尺度を、前記無線品質情報に基づいて移動局毎に算出し、SU‐MIMO性能尺度の最良値と、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局と、を対応付ける手順と、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局が前記MU‐MIMO対象移動局でない場合、MIMOモードとしてSU‐MIMOを選択し、一方、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局が前記MU‐MIMO対象移動局である場合、SU‐MIMO又はMU‐MIMOのうち、より最良なMIMO性能尺度を示すMIMOモードを選択する手順と、を実行させるための移動局選択プログラムである。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、決定部は、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局が、MU‐MIMO対象移動局でない場合、MIMOモードとしてSU‐MIMOを選択する。つまり、移動局選択装置は、SU‐MIMOとMU‐MIMOの切替制御の対象から、SU−MIMO対象移動局を元々外す。これにより、移動局選択装置は、演算量を膨大にすることなく、移動局毎のMIMOモードを決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1実施形態における、移動局選択装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態における、移動局毎のSINRの例を示す表である。
【図3】本発明の第1実施形態における、移動局選択装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2実施形態における、移動局選択装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第3実施形態における、移動局毎の希望信号電力対雑音電力及びセクタ間干渉電力(SINR)の例を示す表である。
【図6】本発明の第3実施形態における、移動局選択装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第4実施形態における、移動局毎の希望信号電力対雑音電力及びセクタ間干渉電力(SINR)の例を示す表である。
【図8】本発明の第5実施形態における、移動局毎の経過時間の例を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態について図面を参照して詳細に説明する。多数の移動局が一つの基地局に接続するセルラーシステムでは、特定の無線リソースが移動局に割り当てられる際、その無線リソースが割り当てられる移動局にSU‐MIMO又はMU‐MIMOのいずれを適用するかが、移動局選択装置により決定される。また、SU‐MIMOを適用しない場合、すなわち、MU‐MIMOを適用する場合、無線リソースをどの複数の移動局に割り当てて空間多重させるかが、移動局選択装置により更に決定される。
【0031】
以下では、無線品質を示す情報(以下、「無線品質情報」という)として、希望信号電力対雑音電力及びセクタ間干渉電力(SINR)、チャネル品質インジケータ (CQI)、又はパスロスが、複数の移動局から基地局(移動局選択装置)にそれぞれフィードバックされるものとして説明を続ける。
【0032】
図1には、移動局選択装置の構成例が、ブロック図により示されている。移動局選択装置100は、制御部110と、ベースバンド部120と、RF(Radio Frequency)部130とを備える。また、制御部110は、分類部111と、算出部112と、決定部113とを備える。
【0033】
分類部111は、無線品質情報(例えば、SINR、CQI、パスロス)を各移動局から受信し、受信した無線品質情報に基づいて、SU‐MIMO対象移動局と、MU‐MIMO対象移動局とに、セクタ内の全ての移動局を分類する。ここで、SU‐MIMO対象移動局とは、SU‐MIMOのみで通信可能な移動局である。また、MU‐MIMO対象移動局とは、MU‐MIMO又はSU‐MIMOのいずれでも通信可能な移動局である。
【0034】
図2には、移動局毎のSINRの例が、表により示されている。以下では、一例として、移動局AのSINRは、30[dB]とする。また、移動局BのSINRは、20[dB]とする。また、移動局CのSINRは、15[dB]とする。また、移動局DのSINRは、10[dB]とする。また、移動局EのSINRは、0[dB]とする。
【0035】
分類部111は、移動局を分類するための閾値と、各移動局のSINRとを比較する。以下、移動局を分類するための閾値は5[dB]であるとして説明を続ける。なお、この閾値は、パラメータとして予め定められてもよいし、動的に制御されてもよい。
【0036】
分類部111は、SINRが閾値以上である移動局A〜D(図2を参照)を、閾値とSINRとの比較結果に基づいて、MU‐MIMO対象移動局に分類する。同様に、分類部111は、SINRが閾値未満である移動局E(図2を参照)を、閾値とSINRとの比較結果に基づいて、SU‐MIMO対象移動局に分類する。
【0037】
また、算出部112は、無線品質情報に基づいて、SU‐MIMO性能尺度を全ての移動局について移動局毎に算出する。以下、本実施形態では、SU‐MIMO性能尺度は、一例として、SU‐MIMO対象移動局のPFメトリックであるとして説明を続ける。
【0038】
例えば、SU‐MIMOが移動局Aに適用された場合のPFメトリックPFSU(A)は、式(1)により表される。
【0039】
【数1】

【0040】
ここで、S(x)は、SINRがx[dB]である場合における、達成可能なスループットである。なお、式(1)では、x=30である(図2の移動局Aの段を参照)。また、Throughputave(x)は、移動局xの平均スループットである。PFメトリックPFSU(B)〜PFSU(E)についても、それぞれ同様の式となる。
【0041】
算出部112は、算出したSU‐MIMO性能尺度(PFメトリック)の最良値を、その最良値を示す移動局に対応付けて記憶部(メモリ)(不図示)に記憶させる。このようにして、SU‐MIMO性能尺度の最良値を示す移動局は、算出部112により選択される。
【0042】
算出部112は、SU‐MIMO性能尺度の最良値を示す移動局として選択された移動局がMU‐MIMO対象移動局であるか否かを判定し、判定結果を決定部113に出力する。ここで、算出部112は、SU‐MIMO性能尺度の最良値を示す移動局として選択された移動局が、MU‐MIMO対象移動局である場合、選択された移動局を含むMU‐MIMO対象移動局の組み合わせ毎に、無線品質情報(例えば、SINR、CQI、パスロス)に基づいて、MU‐MIMO性能尺度を算出する。
【0043】
なお、算出部112は、SU‐MIMO性能尺度の最良値を示す移動局として選択された移動局を含まない組み合わせについても、MU‐MIMO性能尺度を算出してよい。例えば、算出部112は、選択された移動局Aを含まない組み合わせ(B,C)についても、MU‐MIMO性能尺度を算出してよい。
【0044】
以下、本実施形態では、MU‐MIMO性能尺度は、MU‐MIMO対象移動局の組み合わせ毎のPFメトリックの合計値であるとして説明を続ける。また、MU‐MIMO対象移動局の組み合わせ要素の最大数(最大多重移動局数)は、一例として、4と予め定められているものとして説明を続ける。つまり、MU‐MIMO対象移動局の組み合わせは、組み合わせ要素の数が4以下である、2多重「(A,B),(A,C),(A,D)」、3多重「(A,B,C),(A,B,D),(A,C,D)」、4多重「(A,B,C,D)」である。
【0045】
例えば、組み合わせ(A,B,C)のMU‐MIMO性能尺度(PFメトリックの合計値PFMU(A,B,C))は、式(2)により表される。
【0046】
【数2】

【0047】
ここで、γ(y,z)は、移動局x、y及びzが空間多重された無線リソースにおいて、移動局xが移動局y及びzから受けるユーザ間干渉電力(デシベル値)である。また、例えば、右辺の第1項の分母「S(30−γ(B,C))」に示された「30」は、移動局AのSINRである(図2の移動局Aの段を参照)。
【0048】
算出部112は、組み合わせ毎のMU‐MIMO性能尺度(PFメトリックの合計値)を、組み合わせ2多重、3多重、4多重の順に算出し、算出したMU‐MIMO性能尺度の最良値を、その最良値を示す移動局に対応付けて記憶部(不図示)に記憶させる。このようにして、算出部112は、MU‐MIMO性能尺度の最良値を示す移動局の組み合わせを選択する。
【0049】
組み合わせを2多重、3多重、4多重の順に算出する際、算出部112は、2多重のMIMO対象移動局のMU‐MIMO性能尺度の全てが、SU‐MIMO対象移動局のSU‐MIMO性能尺度(PFメトリック)の最大値以下である場合、それ以降の算出処理を省略してもよい。同様に、算出部112は、3多重のMIMO対象移動局のMU‐MIMO性能尺度の全てが、3多重より一つ少ない2多重のMU‐MIMO性能尺度の最大値以下である場合、それ以降の算出処理を省略してもよい。
【0050】
決定部113には、SU‐MIMO性能尺度の最良値を示す移動局として選択された移動局がMU‐MIMO対象移動局であるか否かを示す判定結果が、算出部112から入力される。決定部113は、この判定結果に基づいて、MIMOモード(SU‐MIMO、MU‐MIMO)を、移動局毎に決定する。
【0051】
具体的には、決定部113は、SU‐MIMO性能尺度の最良値を示す移動局として算出部112により選択された移動局が、MU‐MIMO対象移動局でない場合、最良値を示す移動局として選択された移動局をSU‐MIMO対象移動局と決定し、MIMOモードをSU‐MIMOと決定したSU‐MIMO対象移動局に、無線リソースを割り当てる。
【0052】
一方、決定部113は、SU‐MIMO性能尺度の最良値を示す移動局として算出部112により選択された移動局が、MU‐MIMO対象移動局である場合、MU‐MIMOにより空間多重させる無線リソースを割り当てる移動局の組み合わせを決定(選択)する。
【0053】
ここで、決定部113は、記憶部(不図示)に記憶されたSU‐MIMO性能尺度の最良値と、記憶部(不図示)に記憶されたMU‐MIMO性能尺度の最良値とを比較した結果に基づいて、より最良なMIMO性能尺度を示すMIMOモードを、そのMIMO性能尺度を示す移動局のMIMOモードと決定する。決定部113は、MIMOモードをMU‐MIMOと決定したMU‐MIMO対象移動局の組み合わせに、無線リソースを割り当てる。
【0054】
ベースバンド部120には、無線リソースの割り当て結果を示す信号が、決定部113から入力される。ベースバンド部120は、無線リソースの割り当て結果に基づいてベースバンド処理を実行し、実行結果を示す信号をRF部130に出力する。
【0055】
RF部130には、ベースバンド処理の結果を示す信号が、ベースバンド部120から入力される。RF部130は、ベースバンド処理の結果(所定データ)に周波数処理を施し、複数のアンテナを介して、各移動局に所定データを無線送信する。
【0056】
次に、移動局選択装置の動作手順を説明する。
図3は、移動局選択装置の動作手順を示すフローチャートである。分類部111は、無線品質情報を各移動局から受信する(ステップS1)。分類部111は、無線品質情報に基づいて、SU‐MIMO対象移動局と、MU‐MIMO対象移動局とに、全ての移動局を分類する(図2を参照)(ステップS2)。
【0057】
算出部112は、無線品質情報に基づいて、SU‐MIMO性能尺度を、全ての移動局について移動局毎に算出する。また、算出部112は、算出したSU‐MIMO性能尺度の最良値を、その最良値を示す移動局に対応付けて、記憶部(不図示)に記憶させる(ステップS3)。
【0058】
算出部112は、SU‐MIMO性能尺度の最良値を示す移動局として選択された移動局が、MU‐MIMO対象移動局であるか否かを判定し、判定結果を決定部113に出力する(ステップS4)。SU‐MIMO性能尺度の最良値を示す移動局として選択された移動局が、MU‐MIMO対象移動局でない場合(ステップS4−No)、決定部113は、選択された移動局をSU‐MIMO対象移動局と決定し、そのSU‐MIMO対象移動局に無線リソースを割り当てる(ステップS5)。割り当てられた無線リソースは、その無線リソースに対応するSU‐MIMO対象移動局に、ベースバンド部120及びRF部130を介して無線送信される。
【0059】
一方、ステップS4において、SU‐MIMO性能尺度の最良値を示す移動局として選択された移動局が、MU‐MIMO対象移動局である場合(ステップS4−Yes)、算出部112は、選択された移動局を含むMU‐MIMO対象移動局の組み合わせ毎に、無線品質情報(例えば、SINR、CQI、パスロス)に基づいて、MU‐MIMO性能尺度を算出する。また、算出部112は、算出したMU‐MIMO性能尺度の最良値を、その最良値を示す移動局に対応付けて、記憶部(不図示)に記憶させる(ステップS6)。
【0060】
さらに、決定部113は、記憶されたSU‐MIMO性能尺度の最良値と、記憶されたMU‐MIMO性能尺度の最良値とを比較し、より最良なMIMO性能尺度を示すMIMOモードを、そのMIMO性能尺度を示す移動局のMIMOモードと決定する。また、決定部113は、MIMOモードがMU−MIMOと決定されたMIMO対象移動局の組み合わせに、無線リソースを割り当てる(ステップS7)。割り当てられた無線リソースは、その無線リソースに対応するMU‐MIMO対象移動局の組み合わせに、ベースバンド部120及びRF部130を介して無線送信される。
【0061】
以上のように、移動局選択装置100は、無線品質を示す情報である無線品質情報(例えば、SINR、CQI、パスロス)を、複数の移動局からそれぞれ受信する分類部111(受信部)と、SU‐MIMOのみで通信可能な移動局であるSU‐MIMO対象移動局と、MU‐MIMO又はSU‐MIMOのいずれのMIMOモードでも通信可能な移動局であるMU‐MIMO対象移動局とに、前記無線品質情報に基づいて移動局を分類する分類部111と、SU‐MIMOが適用された場合の性能尺度であるSU‐MIMO性能尺度(例えば、PFメトリック)を、前記無線品質情報に基づいて移動局毎に算出し、SU‐MIMO性能尺度の最良値と、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局と、を対応付ける算出部112と、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局が前記MU‐MIMO対象移動局でない場合、MIMOモードとしてSU‐MIMOを選択し、一方、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局が前記MU‐MIMO対象移動局である場合、SU‐MIMO又はMU‐MIMOのうち、より最良なMIMO性能尺度を示すMIMOモードを選択する決定部113と、を備える。
この構成により、決定部113は、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局が、MU‐MIMO対象移動局でない場合、MIMOモードとしてSU‐MIMOを選択する。これにより、移動局選択装置は、演算量を膨大にすることなく、移動局毎のMIMOモードを決定することができる。
【0062】
つまり、無線品質情報であるSINR等が低い移動局にMU‐MIMOを適用しても、SINR等が高い移動局と比較して、スループットの向上は見込めない。そこで、移動局選択装置は、SU‐MIMOとMU‐MIMOの切替制御の対象から、SU−MIMO対象移動局を元々外すことで、SU‐MIMOとMU‐MIMOとの切替に要する演算量を削減することができる。
【0063】
また、算出部112は、SU‐MIMO性能尺度の最良値を示す移動局が前記MU‐MIMO対象移動局である場合、MU‐MIMOが適用された場合の性能尺度であるMU‐MIMO性能尺度(例えば、PFMU(x))を、前記無線品質情報に基づいて、MU‐MIMO対象移動局の組み合わせ(例えば、(A,B),(A,C),(A,D),…)毎に算出し、MU‐MIMO性能尺度の最良値と、MU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局の組み合わせ(例えば、(A,B))と、を対応付け、決定部113は、SU‐MIMO性能尺度(例えば、PFSU(x))の最良値と、MU‐MIMO性能尺度の最良値と、を比較することで、より最良なMIMO性能尺度を示すMIMOモードを選択し、MIMOモードとしてSU‐MIMOを選択した場合、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局(例えば、移動局A)に、SU‐MIMOを適用して無線リソースを割り当て、一方、MIMOモードとしてMU‐MIMOを選択した場合、MU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局の組み合わせ(例えば、(A,B))に、MU‐MIMOを適用して無線リソースを割り当てることを特徴とする。
この構成により、決定部113は、SU‐MIMO性能尺度の最良値と、MU‐MIMO性能尺度の最良値と、を比較することで、より最良なMIMO性能尺度を示すMIMOモードを選択し、MU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局の組み合わせに、MU‐MIMOを適用して無線リソースを割り当てる。これにより、移動局選択装置は、演算量を膨大にすることなく、MU−MIMOを適用する移動局の組み合わせを決定することができる。
【0064】
また、算出部112は、前記MU‐MIMO対象移動局(例えば、2多重、3多重、…)について、前記多重数の少ない順にMU‐MIMO性能尺度を算出し、直近の多重数(例えば、3多重)に対応するMU‐MIMO性能尺度の全てが、直近の多重数より一つ少ない多重数(例えば、2多重)に対応するMU‐MIMO性能尺度の最大値以下である場合、MU‐MIMO性能尺度を算出する処理を以降(例えば、4多重以降)省略する。
【0065】
また、算出部112は、SU‐MIMO性能尺度及びMU‐MIMO性能尺度として、PFメトリックを算出する。
これにより、移動局選択装置は、MU−MIMOを適用する移動局の組み合わせを、PFメトリックに基づいて決定することができる。
【0066】
また、分類部111は、前記無線品質情報として、希望信号電力対雑音電力及びセクタ間干渉電力(SINR)、チャネル品質インジケータ(CQI)、又はパスロスに基づいて、移動局を分類する。
これにより、移動局選択装置は、演算量を膨大にすることなく、SINR、CQI又はパスロスに基づいて、移動局毎のMIMOモードを決定することができる。
【0067】
[第2実施形態]
第1実施形態では、MU−MIMO性能尺度として、移動局の組み合わせ毎の「PFメトリック」の合計値が用いられていた。第2実施形態では、MU−MIMO性能尺度として、移動局の組み合わせ毎の「通信容量」の合計値が用いられる点が、第1実施形態と相違する。以下、本実施形態では、MU‐MIMO対象移動局の組み合わせ要素の最大数(最大多重移動局数Nmax)は、一例として、4と予め定められているものとして説明を続ける。また、以下では、第1実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0068】
算出部112は、SU‐MIMO性能尺度の最良値を示す移動局として選択された移動局が、MU‐MIMO対象移動局である場合、その選択された移動局を含むMU‐MIMO対象移動局の組み合わせ毎に、無線品質情報に基づいて、MU‐MIMOが適用されるとした場合の通信容量を算出する。
【0069】
例えば、MU‐MIMOが適用された移動局の組み合わせ(A,B,C)について、通信容量(CapacityMU(A,B,C))は、式(3)により表される。
【0070】
【数3】

【0071】
ここで、γ(y,z)は、移動局x、y及びzが空間多重された無線リソースにおいて、移動局xが移動局y及びzから受けるユーザ間干渉電力(デシベル値)である。また、例えば、右辺の第1項「S(30−γ(B,C))」に示された「30」は、移動局AのSINRである(図2の移動局Aの段を参照)。
【0072】
決定部113は、通信容量が最大となるMU‐MIMO対象移動局の組み合わせに、無線リソースを割り当てる。
【0073】
次に、移動局選択装置の動作手順を説明する。
図4は、移動局選択装置の動作手順を示すフローチャートである。分類部111は、無線品質情報を各移動局から受信する(ステップSa1)。分類部111は、無線品質情報に基づいて、SU‐MIMO対象移動局と、MU‐MIMO対象移動局とに、全ての移動局を分類する(図2を参照)(ステップSa2)。
【0074】
算出部112は、無線品質情報に基づいて、SU‐MIMOが適用された場合のPFメトリック(SU‐MIMO性能尺度)を、全ての移動局について移動局毎に算出する。また、算出部112は、算出したPFメトリックの最良値を、その最良値を示す移動局に対応付けて、記憶部(不図示)に記憶させる(ステップSa3)。
【0075】
算出部112は、PFメトリックの最良値を示す移動局として選択された移動局が、MU‐MIMO対象移動局であるか否かを判定し、判定結果を決定部113に出力する(ステップSa4)。PFメトリックの最良値を示す移動局として選択された移動局が、MU‐MIMO対象移動局でない場合(ステップSa4−No)、決定部113は、選択された移動局をSU‐MIMO対象移動局と決定し、そのSU‐MIMO対象移動局に、無線リソースを割り当てる(ステップSa5)。
【0076】
一方、ステップSa4において、PFメトリックの最良値を示す移動局として選択された移動局が、MU‐MIMO対象移動局である場合(ステップSa4−Yes)、算出部112は、無線品質情報(例えば、SINR、CQI、パスロス)に基づいて、MU‐MIMO対象移動局の組み合わせ毎に、通信容量を算出する。決定部113は、選択された移動局をMU‐MIMO対象移動局と決定する。また、決定部113は、通信容量が最良値(ここでは、最大値)を示すMU‐MIMO対象移動局の組み合わせに、無線リソースを割り当てる(ステップSa6)。
【0077】
以上のように、算出部112は、SU‐MIMO性能尺度の最良値を示す移動局が前記MU‐MIMO対象移動局である場合、MU‐MIMOが適用された場合の性能尺度であるMU‐MIMO性能尺度(例えば、PFMU(x))を、前記無線品質情報に基づいて、MU‐MIMO対象移動局の組み合わせ(例えば、(A,B),(A,C),(A,D),…)毎に算出し、MU‐MIMO性能尺度の最良値と、MU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局の組み合わせ(例えば、(A,B))と、を対応付け、決定部113は、MIMOモードとしてMU‐MIMOを選択し、MU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局の組み合わせ(例えば、(A,B))に、MU‐MIMOを適用して無線リソースを割り当てる。
この構成により、決定部113は、MIMOモードとしてMU‐MIMOを選択し、MU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局の組み合わせに、MU‐MIMOを適用して無線リソースを割り当てる。これにより、移動局選択装置は、演算量を膨大にすることなく、MU−MIMOを適用する移動局の組み合わせを決定することができる。
【0078】
また、算出部112は、SU‐MIMO性能尺度としてPFメトリックを算出し、且つ、MU‐MIMO性能尺度として通信容量を算出する。
これにより、移動局選択装置は、MU−MIMOを適用する移動局の組み合わせを、通信容量に基づいて決定することができる。
【0079】
[第3実施形態]
第3実施形態では、MU‐MIMO対象移動局をさらに分類する点が、第1実施形態と相違する。以下、本実施形態では、MU‐MIMO対象移動局の組み合わせ要素の最大数(最大多重移動局数)は、一例として、4と予め定められているものとして説明を続ける。また、以下では、第1実施形態との相違点についてのみ説明する。なお、第3実施形態は、第2実施形態と組み合わされてもよい。
【0080】
分類部111は、無線品質情報(例えば、SINR)と、閾値との比較結果に基づいて、MU‐MIMO対象移動局を、n多重MIMO対象移動局毎に更に分類する。ここで、n多重MIMO対象移動局とは、同一無線リソースにおいて、最大n(nは、2以上且つ最大多重移動局数)移動局を空間多重できる移動局である。
【0081】
以下、一例として、SU‐MIMO対象移動局と2多重MIMO対象移動局とを分類するための閾値th12を、5[dB]とする。また、2多重MIMO対象移動局と3多重MIMO対象移動局とを分類するための閾値th23を、10[dB]とする。また、3多重MIMO対象移動局と4多重MIMO対象移動局とを分類するための閾値th34を、15[dB]とする。なお、これらの閾値は、パラメータとして予め定められてもよいし、動的に制御されてもよい。
【0082】
図5には、移動局毎の希望信号電力対雑音電力及びセクタ間干渉電力(SINR)の例が、表により示されている。以下では、一例として、移動局AのSINRは、30[dB]とする。また、移動局BのSINRは、30[dB]とする。また、移動局CのSINRは、25[dB]とする。また、移動局DのSINRは、20[dB]とする。また、移動局EのSINRは、18[dB]とする。また、移動局FのSINRは、14[dB]とする。また、移動局GのSINRは、12[dB]とする。また、移動局HのSINRは、11[dB]とする。また、移動局IのSINRは、11[dB]とする。また、移動局JのSINRは、9[dB]とする。また、移動局KのSINRは、7[dB]とする。また、移動局LのSINRは、6[dB]とする。また、移動局MのSINRは、4[dB]とする。また、移動局NのSINRは、3[dB]とする。
【0083】
移動局A〜Eは、SINRが閾値th34以上であるため、4多重MIMO対象移動局に分類される。また、移動局F〜Iは、SINRが閾値th23以上且つ閾値th34未満であるため、3多重MIMO対象移動局に分類される。また、移動局J〜Lは、SINRが閾値th12以上且つ閾値th23未満であるため、2多重MIMO対象移動局に分類される。また、移動局M及びNは、SINRが閾値th12未満であるため、SU−MIMO対象移動局に分類される。
【0084】
算出部112は、n多重MIMO対象移動局とSU−MIMO対象移動局以外との組み合わせの要素数が、n以下である組み合わせについて、その組み合わせ毎のMU‐MIMO性能尺度(PFメトリックの合計値)を算出する。また、算出部112は、算出したMU‐MIMO性能尺度の最良値を、その最良値を示す移動局に対応付けて、記憶部(不図示)に記憶させる。
【0085】
例えば、算出部112は、3多重MIMO対象移動局(移動局F)とSU‐MIMO対象移動局以外(移動局A〜E,G〜L)との組み合わせ要素数が3以下である、2多重「(F,A),(F,B),(F,C),・・・,(F,L)」及び3多重「(F,A,B),(F,A,C),(F,A,D),(F,A,E),…, (F,G,H),(F,G,I),(F,H,I)」について、その組み合わせ毎のMU‐MIMO性能尺度(PFメトリックの合計値)を、式(2)に基づいて算出する。これらn多重の作成可能な全ての組合せは、n以上多重MIMO対象移動局から構成される組合せであって、要素数がnの組合せである。算出部112は、多重数が3以下、すなわち要素数が3以下である作成可能な全ての組合せを作成する。
【0086】
ここで、算出部112は、同じ多重数のn多重MIMO対象移動局の組み合わせについてのみ、その組み合わせ毎のMU‐MIMO性能尺度(PFメトリックの合計値)を算出するとしてもよい。また、算出部112は、n多重MIMO対象移動局とSU−MIMO対象移動局以外との組み合わせの要素数が、n個である組み合わせについてのみ、その組み合わせ毎のMU‐MIMO性能尺度(PFメトリックの合計値)を算出するとしてもよい。
【0087】
次に、移動局選択装置の動作手順を説明する。
図6は、移動局選択装置の動作手順を示すフローチャートである。分類部111は、無線品質情報を各移動局から受信する(ステップSb1)。分類部111は、無線品質情報に基づいて、SU‐MIMO対象移動局と、MU‐MIMO対象移動局とに、全ての移動局を分類する。また、分類部111は、MU‐MIMO対象移動局を、n多重MIMO対象移動局に更に細かく分類する(図5を参照)(ステップSb2)。
【0088】
算出部112は、無線品質情報に基づいて、SU‐MIMO性能尺度を、全ての移動局について移動局毎に算出する。また、算出部112は、算出したSU‐MIMO性能尺度の最良値を、その最良値を示す移動局に対応付けて、記憶部(不図示)に記憶させる(ステップSb3)。
【0089】
算出部112は、SU‐MIMO性能尺度の最良値を示す移動局として選択された移動局が、SU‐MIMO対象移動局であるか否かを判定し、判定結果を決定部113に出力する(ステップSb4)。SU‐MIMO性能尺度の最良値を示す移動局として選択された移動局が、SU‐MIMO対象移動局である場合(ステップSb4−Yes)、決定部113は、選択された移動局をSU‐MIMO対象移動局と決定し、そのSU‐MIMO対象移動局に無線リソースを割り当てる(ステップSb5)。
【0090】
一方、ステップSb4において、SU‐MIMO性能尺度の最良値を示す移動局として選択された移動局が、SU‐MIMO対象移動局でない場合(ステップSb4−No)、算出部112は、SU‐MIMO性能尺度の最良値を示す移動局として選択された移動局が、2多重MIMO対象移動局であるか否かを判定し、判定結果を決定部113に出力する(ステップSb6)。
【0091】
SU‐MIMO性能尺度の最良値を示す移動局として選択された移動局が、2多重MIMO対象移動局である場合(ステップSb6−Yes)、算出部112は、多重数が2、すなわち要素数が2の作成可能な全ての組合せについて、無線品質情報(例えば、SINR、CQI、パスロス)に基づいて、MU‐MIMO性能尺度を算出する。また、算出部112は、算出したMU‐MIMO性能尺度の最良値を、その最良値を示す移動局に対応付けて、記憶部(不図示)に記憶させる(ステップSb7)。
【0092】
さらに、決定部113は、記憶されたSU‐MIMO性能尺度の最良値と、記憶されたMU‐MIMO性能尺度の最良値とを比較し、より最良なMIMO性能尺度を示すMIMOモードを、そのMIMO性能尺度を示す移動局のMIMOモードと決定する。また、決定部113は、MIMOモードがMU‐MIMOと決定されたMIMO対象移動局の組み合わせに、無線リソースを割り当てる(ステップSb8)。
【0093】
一方、ステップSb6において、SU‐MIMO性能尺度の最良値を示す移動局として選択された移動局が、2多重MIMO対象移動局でない場合(ステップSb6−No)、算出部112は、SU‐MIMO性能尺度の最良値を示す移動局として選択された移動局が、3多重MIMO対象移動局であるか否かを判定し、判定結果を決定部113に出力する(ステップSb9)。
【0094】
SU‐MIMO性能尺度の最良値を示す移動局として選択された移動局が、3多重MIMO対象移動局である場合(ステップSb9−Yes)、算出部112は、多重数が2又は3、すなわち要素数が2又は3の作成可能な全ての組合せについて、無線品質情報に基づいて、MU‐MIMO性能尺度を算出する。また、算出部112は、算出したMU‐MIMO性能尺度の最良値を、その最良値を示す移動局に対応付けて、記憶部(不図示)に記憶させる(ステップSb10)。
【0095】
さらに、決定部113は、記憶されたSU‐MIMO性能尺度の最良値と、記憶されたMU‐MIMO性能尺度の最良値とを比較し、より最良なMIMO性能尺度を示すMIMOモードを、そのMIMO性能尺度を示す移動局のMIMOモードと決定する。また、決定部113は、MIMOモードがMU−MIMOと決定されたMIMO対象移動局の組み合わせに、無線リソースを割り当てる(ステップSb11)。
【0096】
一方、ステップSb9において、SU‐MIMO性能尺度の最良値を示す移動局として選択された移動局が、3(=(最大多重移動局数Nmax−2)以下)多重MIMO対象移動局でない場合(ステップSb9−No)、算出部112は、SU‐MIMO性能尺度の最良値を示す移動局として選択された移動局が、(最大多重移動局数Nmax−1)多重MIMO対象移動局であるか否かを判定し、判定結果を決定部113に出力する(ステップSb12)。
【0097】
SU‐MIMO性能尺度の最良値を示す移動局として選択された移動局が、(最大多重移動局数Nmax−1)多重MIMO対象移動局である場合(ステップSb12−Yes)、算出部112は、多重数が2〜(最大多重移動局数Nmax−1)、すなわち要素数が2〜(最大多重移動局数Nmax−1)の作成可能な全ての組合せについて、無線品質情報に基づいて、MU‐MIMO性能尺度を算出する。また、算出部112は、算出したMU‐MIMO性能尺度の最良値を、その最良値を示す移動局に対応付けて、記憶部(不図示)に記憶させる(ステップSb13)。
【0098】
さらに、決定部113は、記憶されたSU‐MIMO性能尺度の最良値と、記憶されたMU‐MIMO性能尺度の最良値とを比較し、より最良なMIMO性能尺度を示すMIMOモードを、そのMIMO性能尺度を示す移動局のMIMOモードと決定する。また、決定部113は、MIMOモードがMU−MIMOと決定されたMIMO対象移動局の組み合わせに、無線リソースを割り当てる(ステップSb14)。
【0099】
一方、ステップSb12において、SU‐MIMO性能尺度の最良値を示す移動局として選択された移動局が、(最大多重移動局数Nmax−1)多重MIMO対象移動局でない場合(ステップSb12−No)、算出部112は、多重数が2〜最大多重移動局数Nmax、すなわち要素数が2〜最大多重移動局数Nmaxの作成可能な全ての組合せについて、無線品質情報に基づいて、MU‐MIMO性能尺度を算出する。また、算出部112は、算出したMU‐MIMO性能尺度の最良値を、その最良値を示す移動局に対応付けて、記憶部(不図示)に記憶させる(ステップSb15)。
【0100】
さらに、決定部113は、記憶されたSU‐MIMO性能尺度の最良値と、記憶されたMU‐MIMO性能尺度の最良値とを比較し、より最良なMIMO性能尺度を示すMIMOモードを、そのMIMO性能尺度を示す移動局のMIMOモードと決定する。また、決定部113は、MIMOモードがMU−MIMOと決定されたMIMO対象移動局の組み合わせに、無線リソースを割り当てる(ステップSb16)。
【0101】
以上のように、分類部111は、割り当て可能である無線リソースの多重数毎に、前記MU‐MIMO対象移動局を更に分類し、決定部113は、前記MU‐MIMO対象移動局の作成可能な全ての組み合わせのうち、MU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局の組み合わせに、MU‐MIMOを適用して無線リソースを割り当てる。
この構成により、分類部111は、割り当て可能である無線リソースの多重数毎に、前記MU‐MIMO対象移動局を更に分類する。これにより、移動局選択装置は、演算量を膨大にすることなく、移動局毎のMIMOモードを決定することができる。また、移動局選択装置は、演算量を膨大にすることなく、MU−MIMOを適用する移動局の組み合わせを決定することができる。
【0102】
また、決定部113は、前記多重数が同じである前記MU‐MIMO対象移動局の組み合わせ(例えば、4多重MIMO対象移動局と4多重MIMO対象移動局)のうち、MU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局の組み合わせに、MU‐MIMOを適用して無線リソースを割り当てる。
【0103】
[第4実施形態]
第4実施形態では、n多重MIMO対象移動局の数がn個よりも少ない点が、第3実施形態と相違する。以下では、第3実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0104】
図7には、移動局毎の希望信号電力対雑音電力及びセクタ間干渉電力(SINR)の例が、表により示されている。以下では、一例として、移動局AのSINRは、30[dB]とする。また、移動局BのSINRは、20[dB]とする。また、移動局CのSINRは、12[dB]とする。また、移動局DのSINRは、8[dB]とする。また、移動局EのSINRは、0[dB]とする。
【0105】
算出部112は、n多重MIMO対象移動局とSU−MIMO対象移動局以外との組み合わせの要素数が、n以下である組み合わせについて、その組み合わせ毎のMU‐MIMO性能尺度(PFメトリックの合計値)を算出し、算出したMU‐MIMO性能尺度の最良値を、その最良値を示す移動局に対応付けて、記憶部(不図示)に記憶させる。
【0106】
ここで、SU‐MIMO対象移動局以外の移動局であるn多重MIMO対象移動局の数が、n個よりも少ない場合、算出部112は、存在する組合せについてのみ、MU‐MIMO性能尺度(PFメトリックの合計値)を算出する。
【0107】
例えば、図7に示す例では、4多重MIMO対象移動局が移動局A及びBの2局しか存在しないので、その組み合わせが4多重になることはない。この場合、算出部112は、4多重MIMO対象移動局である移動局Aと、SU‐MIMO対象移動局以外の移動局B〜Eとの組み合わせ要素数が4未満である2多重及び3多重について、その組み合わせ毎のMU‐MIMO性能尺度(PFメトリックの合計値)を、式(2)に基づいて算出する。
【0108】
以上のように、算出部112は、SU‐MIMO性能尺度の最良値を示す移動局が前記MU‐MIMO対象移動局である場合、前記MU‐MIMO対象移動局に存在する組み合わせ(例えば、図7に示す例では、4多重MIMO対象移動局が移動局A及びBの2局しか存在しないので、その組み合わせが4多重になることはない)についてのみ、MU‐MIMO性能尺度を算出する。
この構成により、算出部112は、前記MU‐MIMO対象移動局に存在する組み合わせについてのみ、MU‐MIMO性能尺度を算出する。これにより、移動局選択装置は、演算量を膨大にすることなく、移動局毎のMIMOモードを決定することができる。また、移動局選択装置は、演算量を膨大にすることなく、MU−MIMOを適用する移動局の組み合わせを決定することができる。
【0109】
[第5実施形態]
第5実施形態では、無線品質情報がフィードバックされた時刻からの経過時間に応じて移動局が分類される点が、第1実施形態と相違する。以下、無線品質情報は、スケジューリング周期とは異なる一定時間毎(定期又は不定期)に、移動局から基地局(移動局選択装置)にフィードバックされるものとする。なお、無線品質情報がフィードバックされるタイミングは、移動局間で非同期でもよい。
【0110】
また、本実施形態では、MU−MIMO性能尺度として、移動局の組み合わせ毎の「通信容量」の合計値が用いられてもよいが、以下では、第1実施形態と同様に、MU−MIMO性能尺度として、移動局の組み合わせ毎の「PFメトリック」の合計値が用いられるものとして説明を続ける。また、以下では、第1実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0111】
分類部111は、無線品質情報(例えば、SINR、CQI、パスロス)を各移動局から受信する。分類部111は、移動局から無線品質情報がフィードバックされた直近の時刻からの経過時間が所定閾値以下である移動局を、MU‐MIMO対象移動局に分類する。一方、分類部111は、同経過時間が所定閾値を超えている移動局を、SU‐MIMO対象移動局に分類する。以下、移動局を分類するための閾値は、5[ms]であるとして説明を続ける。なお、この閾値は、パラメータとして予め定められてもよいし、動的に制御されてもよい。
【0112】
図8には、移動局毎の経過時間の例が、表により示されている。以下では、一例として、移動局Aから無線品質情報がフィードバックされた直近の時刻からの経過時間は、0[ms]とする。また、移動局Bから無線品質情報がフィードバックされた直近の時刻からの経過時間は、0[ms]とする。また、移動局Cから無線品質情報がフィードバックされた直近の時刻からの経過時間は、5[ms]とする。また、移動局Dから無線品質情報がフィードバックされた直近の時刻からの経過時間は、20[ms]とする。また、移動局Eから無線品質情報がフィードバックされた直近の時刻からの経過時間は、20[ms]とする。
【0113】
分類部111は、移動局から無線品質情報がフィードバックされた直近の時刻からの経過時間と、所定閾値との比較結果に基づいて、経過時間が所定閾値以下である移動局A〜C(図8を参照)を、MU‐MIMO対象移動局に分類する。同様に、分類部111は、移動局から無線品質情報がフィードバックされた直近の時刻からの経過時間と、所定閾値との比較結果に基づいて、経過時間が所定閾値を超えている移動局D及びE(図8を参照)を、SU‐MIMO対象移動局に分類する。
【0114】
ここで、移動局からフィードバックされる無線品質情報には、システム帯域全体の無線品質の状態を表す情報と、システム帯域の一部の帯域(以下、「サブバンド」という)に対する無線品質の状態を表すものとがあってもよい。無線品質情報がシステム帯域全体の無線品質の状態を表す情報である場合、分類部111は、システム帯域全体の複数のサブバンドのうち、直近にフィードバックされたサブバンドを、移動局毎の代表のサブバンドとし、代表のサブバンドの無線品質情報がフィードバックされた直近の時刻からの経過時間に基づいて、MU‐MIMO対象移動局とSU‐MIMO対象移動局とに、全ての移動局を分類してもよい。
【0115】
また、分類部111は、システム帯域全体の複数のサブバンドについて、各サブバンドにより無線品質情報がフィードバックされた直近の時刻からの経過時間を平均し、その平均値に基づいて、MU‐MIMO対象移動局とSU‐MIMO対象移動局とに、全ての移動局を分類してもよい。
【0116】
なお、第5実施形態は、第1実施形態と組み合わされてもよい。この場合、まず、分類部111は、移動局を分類するための閾値と、無線品質情報(例えば、SINR、CQI、パスロス)との比較結果に基づいて、MU‐MIMO対象移動局とSU‐MIMO対象移動局とに、全ての移動局を分類する。さらに、分類部111は、このMU‐MIMO対象移動局を、移動局から無線品質情報がフィードバックされた直近の時刻からの経過時間と、閾値との比較結果に基づいて、MU‐MIMO対象移動局とSU‐MIMO対象移動局とに再分類する。
【0117】
以上のように、分類部111は、分類した前記MU‐MIMO対象移動局を、移動局が無線品質情報をフィードバックした直近の時刻からの経過時間と、予め定められた閾値との比較結果に基づいて、前記MU‐MIMO対象移動局と、前記SU‐MIMO対象移動局と、に再分類する。
この構成により、分類部111は、移動局が無線品質情報をフィードバックした直近の時刻からの経過時間に基づいて、前記MU‐MIMO対象移動局と、前記SU‐MIMO対象移動局とに再分類する。これにより、移動局選択装置は、演算量を膨大にすることなく、移動局毎のMIMOモードを決定することができる。また、移動局選択装置は、演算量を膨大にすることなく、MU−MIMOを適用する移動局の組み合わせを決定することができる。
【0118】
つまり、移動局が無線品質情報をフィードバックした直近の時刻からの経過時間が長い移動局にMU‐MIMOを適用しても、移動局が無線品質情報をフィードバックした直近の時刻からの経過時間が短い移動局と比較して、スループットの向上が見込めないことが多い。そこで、移動局選択装置は、SU‐MIMOとMU‐MIMOの切替制御の対象から、SU−MIMO対象移動局を元々外すことで、SU‐MIMOとMU‐MIMOとの切替に要する演算量を削減することができる。
【0119】
また、分類部111は、前記経過時間が予め定められた閾値(所定閾値)以下である移動局を、MU‐MIMO対象移動局に分類し、前記経過時間が予め定められた閾値(所定閾値)を超えている移動局を、SU‐MIMO対象移動局に分類する。
【0120】
また、分類部111は、システム帯域全体の複数の一部帯域(サブバンド)のうち、直近にフィードバックされた前記一部帯域の無線品質情報を移動局毎に代表させ、代表の無線品質情報がフィードバックされた直近の時刻からの経過時間に基づいて、MU‐MIMO対象移動局とSU‐MIMO対象移動局とに、移動局を分類する。
【0121】
また、分類部111は、システム帯域全体の複数の一部帯域(サブバンド)について前記経過時間を平均し、平均値に基づいて、MU‐MIMO対象移動局とSU‐MIMO対象移動局とに、移動局を分類する。
【0122】
また、移動局選択装置100は、無線品質を示す情報である無線品質情報(例えば、SINR、CQI、パスロス)を、複数の移動局からそれぞれ受信する分類部111(受信部)と、SU‐MIMOのみで通信可能な移動局であるSU‐MIMO対象移動局と、MU‐MIMO又はSU‐MIMOのいずれのMIMOモードでも通信可能な移動局であるMU‐MIMO対象移動局とに、移動局から無線品質情報がフィードバックされた直近の時刻からの経過時間と、予め定められた閾値との比較結果に基づいて、移動局を分類する分類部111と、SU‐MIMOが適用された場合の性能尺度であるSU‐MIMO性能尺度(例えば、PFメトリック)を、前記無線品質情報に基づいて移動局毎に算出し、SU‐MIMO性能尺度の最良値と、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局と、を対応付ける算出部112と、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局が前記MU‐MIMO対象移動局でない場合、MIMOモードとしてSU‐MIMOを選択し、一方、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局が前記MU‐MIMO対象移動局である場合、SU‐MIMO又はMU‐MIMOのうち、より最良なMIMO性能尺度を示すMIMOモードを選択する決定部113と、を備える。
この構成により、決定部113は、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局が、MU‐MIMO対象移動局でない場合、MIMOモードとしてSU‐MIMOを選択する。これにより、移動局選択装置は、演算量を膨大にすることなく、移動局毎のMIMOモードを決定することができる。
【0123】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0124】
なお、以上に説明した移動局選択装置を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0125】
100…移動局選択装置、110…制御部、111…分類部(受信部)、112…算出部、113…決定部、120…ベースバンド部、130…RF部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線品質を示す情報である無線品質情報を、複数の移動局からそれぞれ受信する受信部と、
SU‐MIMOのみで通信可能な移動局であるSU‐MIMO対象移動局と、MU‐MIMO又はSU‐MIMOのいずれのMIMOモードでも通信可能な移動局であるMU‐MIMO対象移動局とに、前記無線品質情報に基づいて移動局を分類する分類部と、
SU‐MIMOが適用された場合の性能尺度であるSU‐MIMO性能尺度を、前記無線品質情報に基づいて移動局毎に算出し、SU‐MIMO性能尺度の最良値と、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局と、を対応付ける算出部と、
SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局が前記MU‐MIMO対象移動局でない場合、MIMOモードとしてSU‐MIMOを選択し、一方、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局が前記MU‐MIMO対象移動局である場合、SU‐MIMO又はMU‐MIMOのうち、より最良なMIMO性能尺度を示すMIMOモードを選択する決定部と、
を備えることを特徴とする移動局選択装置。
【請求項2】
前記算出部は、SU‐MIMO性能尺度の最良値を示す移動局が前記MU‐MIMO対象移動局である場合、MU‐MIMOが適用された場合の性能尺度であるMU‐MIMO性能尺度を、前記無線品質情報に基づいて、MU‐MIMO対象移動局の組み合わせ毎に算出し、MU‐MIMO性能尺度の最良値と、MU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局の組み合わせと、を対応付け、
前記決定部は、SU‐MIMO性能尺度の最良値と、MU‐MIMO性能尺度の最良値と、を比較することで、より最良なMIMO性能尺度を示すMIMOモードを選択し、MIMOモードとしてSU‐MIMOを選択した場合、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局に、SU‐MIMOを適用して無線リソースを割り当て、一方、MIMOモードとしてMU‐MIMOを選択した場合、MU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局の組み合わせに、MU‐MIMOを適用して無線リソースを割り当てることを特徴とする請求項1に記載の移動局選択装置。
【請求項3】
前記算出部は、SU‐MIMO性能尺度及びMU‐MIMO性能尺度として、PFメトリックを算出することを特徴とする請求項2に記載の移動局選択装置。
【請求項4】
前記算出部は、SU‐MIMO性能尺度の最良値を示す移動局が前記MU‐MIMO対象移動局である場合、MU‐MIMOが適用された場合の性能尺度であるMU‐MIMO性能尺度を、前記無線品質情報に基づいて、MU‐MIMO対象移動局の組み合わせ毎に算出し、MU‐MIMO性能尺度の最良値と、MU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局の組み合わせと、を対応付け、
前記決定部は、MIMOモードとしてMU‐MIMOを選択し、MU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局の組み合わせに、MU‐MIMOを適用して無線リソースを割り当てることを特徴とする請求項1に記載の移動局選択装置。
【請求項5】
前記算出部は、SU‐MIMO性能尺度としてPFメトリックを算出し、且つ、MU‐MIMO性能尺度として通信容量を算出することを特徴とする請求項4に記載の移動局選択装置。
【請求項6】
前記分類部は、割り当て可能である無線リソースの多重数毎に、前記MU‐MIMO対象移動局を更に分類し、
前記決定部は、前記MU‐MIMO対象移動局の作成可能な全ての組み合わせのうち、MU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局の組み合わせに、MU‐MIMOを適用して無線リソースを割り当てることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の移動局選択装置。
【請求項7】
前記算出部は、前記MU‐MIMO対象移動局について、前記多重数の少ない順にMU‐MIMO性能尺度を算出し、直近の多重数に対応するMU‐MIMO性能尺度の全てが、直近の多重数より一つ少ない多重数に対応するMU‐MIMO性能尺度の最大値以下である場合、MU‐MIMO性能尺度を算出する処理を以降省略することを特徴とする請求項1から請求項6に記載の移動局選択装置。
【請求項8】
前記決定部は、前記多重数が同じである前記MU‐MIMO対象移動局の組み合わせのうち、MU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局の組み合わせに、MU‐MIMOを適用して無線リソースを割り当てることを特徴とする請求項6に記載の移動局選択装置。
【請求項9】
前記分類部は、前記無線品質情報として、希望信号電力対雑音電力及びセクタ間干渉電力、チャネル品質インジケータ、又はパスロスに基づいて、移動局を分類することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の移動局選択装置。
【請求項10】
前記算出部は、SU‐MIMO性能尺度の最良値を示す移動局が前記MU‐MIMO対象移動局である場合、前記MU‐MIMO対象移動局に存在する組み合わせについてのみ、MU‐MIMO性能尺度を算出することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の移動局選択装置。
【請求項11】
前記分類部は、分類した前記MU‐MIMO対象移動局を、移動局が無線品質情報をフィードバックした直近の時刻からの経過時間と、予め定められた閾値との比較結果に基づいて、前記MU‐MIMO対象移動局と、前記SU‐MIMO対象移動局と、に再分類することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の移動局選択装置。
【請求項12】
前記分類部は、前記経過時間が所定閾値以下である移動局を、MU‐MIMO対象移動局に分類し、前記経過時間が所定閾値を超えている移動局を、SU‐MIMO対象移動局に分類することを特徴とする請求項11に記載の移動局選択装置。
【請求項13】
前記分類部は、システム帯域全体の複数の一部帯域のうち、直近にフィードバックされた前記一部帯域の無線品質情報を移動局毎に代表させ、代表の無線品質情報がフィードバックされた直近の時刻からの経過時間に基づいて、MU‐MIMO対象移動局とSU‐MIMO対象移動局とに、移動局を分類することを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の移動局選択装置。
【請求項14】
前記分類部は、システム帯域全体の複数の一部帯域について前記経過時間を平均し、平均値に基づいて、MU‐MIMO対象移動局とSU‐MIMO対象移動局とに、移動局を分類することを特徴とする請求項11から請求項13のいずれか一項に記載の移動局選択装置。
【請求項15】
無線品質を示す情報である無線品質情報を、複数の移動局からそれぞれ受信する受信部と、
SU‐MIMOのみで通信可能な移動局であるSU‐MIMO対象移動局と、MU‐MIMO又はSU‐MIMOのいずれのMIMOモードでも通信可能な移動局であるMU‐MIMO対象移動局とに、移動局が無線品質情報をフィードバックした直近の時刻からの経過時間と、予め定められた閾値との比較結果に基づいて、移動局を分類する分類部と、
SU‐MIMOが適用された場合の性能尺度であるSU‐MIMO性能尺度を、前記無線品質情報に基づいて移動局毎に算出し、SU‐MIMO性能尺度の最良値と、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局と、を対応付ける算出部と、
SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局が前記MU‐MIMO対象移動局でない場合、MIMOモードとしてSU‐MIMOを選択し、一方、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局が前記MU‐MIMO対象移動局である場合、SU‐MIMO又はMU‐MIMOのうち、より最良なMIMO性能尺度を示すMIMOモードを選択する決定部と、
を備えることを特徴とする移動局選択装置。
【請求項16】
前記分類部は、前記経過時間が所定閾値以下である移動局を、MU‐MIMO対象移動局に分類し、前記経過時間が所定閾値を超えている移動局を、SU‐MIMO対象移動局に分類することを特徴とする請求項15に記載の移動局選択装置。
【請求項17】
前記分類部は、システム帯域全体の複数の一部帯域のうち、直近にフィードバックされた前記一部帯域の無線品質情報を移動局毎に代表させ、代表の無線品質情報がフィードバックされた直近の時刻からの経過時間に基づいて、MU‐MIMO対象移動局とSU‐MIMO対象移動局とに、移動局を分類することを特徴とする請求項15又は請求項16に記載の移動局選択装置。
【請求項18】
前記分類部は、システム帯域全体の複数の一部帯域について前記経過時間を平均し、平均値に基づいて、MU‐MIMO対象移動局とSU‐MIMO対象移動局とに、移動局を分類することを特徴とする請求項15から請求項17のいずれか一項に記載の移動局選択装置。
【請求項19】
移動局を選択する移動局選択装置における移動局選択方法であって、
受信部が、無線品質を示す情報である無線品質情報を、複数の移動局からそれぞれ受信するステップと、
分類部が、SU‐MIMOのみで通信可能な移動局であるSU‐MIMO対象移動局と、MU‐MIMO又はSU‐MIMOのいずれのMIMOモードでも通信可能な移動局であるMU‐MIMO対象移動局とに、前記無線品質情報に基づいて移動局を分類するステップと、
算出部が、SU‐MIMOが適用された場合の性能尺度であるSU‐MIMO性能尺度を、前記無線品質情報に基づいて移動局毎に算出し、SU‐MIMO性能尺度の最良値と、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局と、を対応付けるステップと、
決定部が、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局が前記MU‐MIMO対象移動局でない場合、MIMOモードとしてSU‐MIMOを選択し、一方、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局が前記MU‐MIMO対象移動局である場合、SU‐MIMO又はMU‐MIMOのうち、より最良なMIMO性能尺度を示すMIMOモードを選択するステップと、
を有することを特徴とする移動局選択方法。
【請求項20】
移動局を選択する移動局選択装置における移動局選択方法であって、
受信部が、無線品質を示す情報である無線品質情報を、複数の移動局からそれぞれ受信するステップと、
分類部が、SU‐MIMOのみで通信可能な移動局であるSU‐MIMO対象移動局と、MU‐MIMO又はSU‐MIMOのいずれのMIMOモードでも通信可能な移動局であるMU‐MIMO対象移動局とに、移動局が無線品質情報をフィードバックした直近の時刻からの経過時間と、予め定められた閾値との比較結果に基づいて、移動局を分類するステップと、
算出部が、SU‐MIMOが適用された場合の性能尺度であるSU‐MIMO性能尺度を、前記無線品質情報に基づいて移動局毎に算出し、SU‐MIMO性能尺度の最良値と、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局と、を対応付けるステップと、
決定部が、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局が前記MU‐MIMO対象移動局でない場合、MIMOモードとしてSU‐MIMOを選択し、一方、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局が前記MU‐MIMO対象移動局である場合、SU‐MIMO又はMU‐MIMOのうち、より最良なMIMO性能尺度を示すMIMOモードを選択するステップと、
を有することを特徴とする移動局選択方法。
【請求項21】
コンピュータに、
無線品質を示す情報である無線品質情報を、複数の移動局からそれぞれ受信する手順と、
SU‐MIMOのみで通信可能な移動局であるSU‐MIMO対象移動局と、MU‐MIMO又はSU‐MIMOのいずれのMIMOモードでも通信可能な移動局であるMU‐MIMO対象移動局とに、前記無線品質情報に基づいて移動局を分類する手順と、
SU‐MIMOが適用された場合の性能尺度であるSU‐MIMO性能尺度を、前記無線品質情報に基づいて移動局毎に算出し、SU‐MIMO性能尺度の最良値と、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局と、を対応付ける手順と、
SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局が前記MU‐MIMO対象移動局でない場合、MIMOモードとしてSU‐MIMOを選択し、一方、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局が前記MU‐MIMO対象移動局である場合、SU‐MIMO又はMU‐MIMOのうち、より最良なMIMO性能尺度を示すMIMOモードを選択する手順と、
を実行させるための移動局選択プログラム。
【請求項22】
コンピュータに、
無線品質を示す情報である無線品質情報を、複数の移動局からそれぞれ受信する手順と、
SU‐MIMOのみで通信可能な移動局であるSU‐MIMO対象移動局と、MU‐MIMO又はSU‐MIMOのいずれのMIMOモードでも通信可能な移動局であるMU‐MIMO対象移動局とに、移動局が無線品質情報をフィードバックした直近の時刻からの経過時間と、予め定められた閾値との比較結果に基づいて、移動局を分類する手順と、
SU‐MIMOが適用された場合の性能尺度であるSU‐MIMO性能尺度を、前記無線品質情報に基づいて移動局毎に算出し、SU‐MIMO性能尺度の最良値と、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局と、を対応付ける手順と、
SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局が前記MU‐MIMO対象移動局でない場合、MIMOモードとしてSU‐MIMOを選択し、一方、SU‐MIMO性能尺度が最良値を示す移動局が前記MU‐MIMO対象移動局である場合、SU‐MIMO又はMU‐MIMOのうち、より最良なMIMO性能尺度を示すMIMOモードを選択する手順と、
を実行させるための移動局選択プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−74450(P2013−74450A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211824(P2011−211824)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】