説明

移動式のシャワヘッドホルダ

【課題】バスルーム等に設置されているシャワのシャワヘッドを保持する移動式のシャワヘッドホルダを提供することを課題としている。
【解決手段】バスルーム12内で固定場所を移動可能に載置されるベース1に、シャワヘッド9が着脱自在に装着されるホルダ4を取り付け、シャワヘッド9から湯水を噴出させた際に、湯水の反力に対して上記ベース1の移動を規制する固定手段を設けた。またホルダ4をベース1に対して上下揺動や旋回可能に取り付け、ホルダ4側とベース1側との間に、ホルダ4の位置を位置決めする揺動位置決め手段や旋回位置決め手段を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バスルーム等に設置されているシャワのシャワヘッドを保持する移動式のシャワヘッドホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来シャワが設置されたバスルームとしてユニットバスが知られている。該ユニットバス内には、シャワヘッドを係止するシャワヘッドホルダが設けられている。一般的にはバスルームの壁に1つ又は上下に複数(多くは2箇所)のシャワヘッドホルダが固定されている。シャワの利用者はシャワの使用状況に応じてシャワヘッドを任意のシャワヘッドホルダに係止してシャワを使用する。
【0003】
一方シャワの利用者の体形やシャワの使用状況によっては、シャワヘッドの係止位置が、必ずしも適切とはならない場合も多い。これに対して、上下方向の支柱に、スライド可能にシャワヘッドホルダを取り付け、シャワヘッドホルダの上下位置を支柱の全長の範囲内で無段階に調節することができるものが公知となっている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−194786号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1のシャワヘッドホルダは、係止されるシャワヘッドの位置を上下に調節することはできるが、その他の方向への調節は行うことができない。これに対して固定式のシャワヘッドの他に、移動式のシャワヘッドホルダを提供し、この移動式のシャワヘッドホルダによって、バスルーム内の任意の場所にシャワヘッドを係止してシャワを使用できるようにすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための本発明の移動式のシャワヘッドホルダは、バスルーム12内で固定場所を移動可能に載置されるベース1と、該ベース1に取り付けられ、シャワヘッド9が着脱自在に装着されるホルダ4とを備え、シャワヘッド9から湯水を噴出させた際に、湯水の反力に対して上記ベース1の移動を規制する固定手段を備えてなることを第1の特徴としている。
【0006】
第2に、ホルダ4をベース1に対して上下揺動自在に取り付け、ホルダ4側とベース1側との間に、ホルダ4の揺動位置を位置決めする揺動位置決め手段を設けたことを特徴としている。
【0007】
第3に、ホルダ4をベース1に対して旋回可能に取り付け、ホルダ4側とベース1側との間に、ホルダ4の旋回位置を位置決めする旋回位置決め手段を設けたことを特徴としている。
【0008】
第4に、ベース1とホルダ4のユニットが、湯を張った浴槽11内に、浴槽11の底面にベース1が接するように沈む重量を備え、固定手段が浴槽11内においてシャワヘッド9から湯水を噴出させた際に上記ベース1の移動を規制する手段であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
以上のように構成される本発明の構造によると、本シャワヘッドホルダを浴槽の上面や洗い場の床面等に載置することによって、シャワヘッドを浴槽の上面や洗い場の床面等に固定位置を移動可能に任意に設置することができる。固定手段によってシャワヘッドから湯水を噴出させてもベースが設置位置から移動することはないため、浴槽の上面や洗い場の床面等に設置されたシャワヘッドから湯水を噴出させてシャワを使用することができ、シャワの使用方法のバリエーションが増加するという利点がある。
【0010】
またホルダをベースに対して上下揺動自在に取り付け、ホルダ側とベース側との間に、ホルダの揺動位置を位置決めする揺動位置決め手段を設けたり、ホルダをベースに対して旋回可能に取り付け、ホルダ側とベース側との間に、ホルダの旋回位置を位置決めする旋回位置決め手段を設けることによって、湯や水の噴出角度や噴出方向を調節することができ、シャワの使用方法のバリエーションを更に増加させることができるという効果がある。
【0011】
ベースとホルダのユニットを、湯を張った浴槽内に、浴槽の底面にベースが接するように沈む重量を備えたものとし、固定手段を浴槽11内においてシャワヘッド9から湯水を噴出させた際に上記ベース1の移動を規制する手段とすることによって、シャワヘッドを浴槽内に沈めて設置することができる。これにより湯を張った浴槽内でシャワから水や湯を噴出させることができ、ジェットバスやジャグジのように使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は本発明のシャワヘッドホルダAの斜視図である。本シャワヘッドホルダAは、プレート状のベース板1を備えている。該ベース板1の裏面には、滑り止めのゴム板2が貼着されている。ベース板1の上面には、U字状の断面を有するブラケット3が旋回自在に設けられている。
【0013】
ブラケット3とベース板1との間には、図示しないクリック機構が設けられている。該クリック機構によって、ブラケット3はベース板1に対して所定の角度毎に固定的に位置決めされながら旋回する。クリック機構がホルダ4の旋回位置を位置決めする旋回位置決め手段となっている。クリック機構は従来公知であるため、詳細については割愛する。
【0014】
ブラケット3の両側面3a,3bの間には、従来公知のシャワヘッドを挿抜自在に収容保持するホルダ4が設けられている。図2に示されるように、ホルダ4は、シャワヘッドを挿入する挿入部6の軸心に対して垂直に交差する支軸7によって、ブラケット3の両側面3a,3bに揺動自在に軸支されている。
【0015】
支軸7はブラケット3の外側からホルダ4の周壁に挿入され、ホルダ4に螺合される。ブラケット3とホルダ4との間には、ライナ8が設けられている。支軸7の締め込みに応じてライナ8とブラケット3及びホルダ4との間の摩擦力が調節される。該摩擦力により通常ホルダ4はブラケット3に対して揺動方向に位置決めされている。
【0016】
ホルダ4に対して、ホルダ4を揺動させる方向に、上記摩擦力を越える力をかけることによってホルダ4はブラケット3に対して揺動する。上記摩擦力は、図3に示されるように、ホルダ4にシャワヘッド9を挿入することによってホルダ4が揺動することがない程度に設定されている。以上のようにホルダ4の揺動位置を位置決めする揺動位置決め手段が構成されている。
【0017】
本シャワヘッドホルダAは、バスルーム内における任意の場所に載置することができる。載置位置は、使用者が任意に選択することができるが、シャワヘッドホルダAが滑り落ちない程度の角度の面に載置することが望ましい。通常は水平面、あるいは水平から僅かに傾斜した程度の角度の面、例えば図4に示されるようなバスタブ11の上面や、バスルーム12の床面13に載置する。
【0018】
本シャワヘッドホルダAは、シャワヘッド9を装着した状態で、任意の場所に載置した際に、シャワヘッド9に接続されているホース14が、極端に屈曲したり、シャワヘッドホルダAを浮き上がらせたりしてシャワヘッドホルダAの載置を妨げることがない程度の高さにホルダ4を位置させることが望ましい。
【0019】
このため本実施形態においては、ベース板1が105x105mmの平面視で正方形をなし、全高が130mm程度とコンパクトなサイズとなっている。ホルダ4は、揺動軸心のベース板1の底面からの高さが105mm程度となる高さに取り付けられている。なおシャワヘッドホルダAにシャワヘッド9を装着した場合に、ホース14が通過する通過スペースをベース板1側に形成することもできる。これにより本シャワヘッドホルダAを更にコンパクトに構成することもできる。
【0020】
本シャワヘッドホルダAは、ベース板1,ブラケット3,ホルダ4が金属製であり、図4に示されるように、湯を張ったバスタブ11内に置くと沈みバスタブ11の底面に接地する程度の重量を備えている。またゴム板2は、ホルダ4にシャワヘッド9を装着し、シャワヘッド9から湯又は水を噴出させた状態で、湯を張ったバスタブ11内にシャワヘッドホルダAを沈めても、シャワヘッドホルダAが浮き上がったり、移動したりすることがない程度の摩擦係数を有している。
【0021】
従ってバスルーム内のいかなる場所に本シャワヘッドホルダAを設置し、シャワヘッド9を装着して、シャワヘッド9から湯又は水を噴出させても、シャワヘッドホルダAの設置は安定しており、水や湯の勢いによって移動するようなことはない。ベース板1,ブラケット3,ホルダ4のユニットの重量とゴム板2とによって、湯水の反力に対してベース1の移動を規制する固定手段が構成されている。
【0022】
図5に示されるように、ホルダ4内に従来公知の磁気により流体を活性化する磁気活水装置15を埋め込むことができる。図5に示されるように、磁力線がホルダ4におけるシャワヘッド9を挿入する挿入部6を通過するように磁気活水装置15を設けることによって、挿入部6に装着されたシャワヘッド9から噴出される湯や水を活性化することができる。
【0023】
本シャワヘッドホルダAは上記構造となっており、図4に示されるように、バスルーム12の床面13上や、バスタブ11の上面等にベース板1(裏面のゴム板2)が接するように載置することができる。例えばバスルーム12の床面13に本シャワヘッドホルダAを載置することによって、シャワの湯又は水を下方から使用者に向けて噴出させることができる。下方からの湯又は水によって身体を洗うことができる。
【0024】
図4に示されるように、本シャワヘッドホルダAをバスタブ11の上面に載置することによって、バスタブ11の上面高さ程度の位置から、バスルーム12の床面13上にいる人や、バスタブ11内で湯につかっている人に向けて湯又は水を噴出させることができる。これにより例えば「打たせ湯」のようなシャワを浴びることも可能となる。
【0025】
一方本シャワヘッドホルダAは、前述のように湯を張ったバスタブ内に沈めて使用することもできる。図6に示されるように、本シャワヘッドホルダAをバスタブ16内に沈め、シャワヘッド9を装着し、シャワヘッド9から湯又は水を噴出させることにより、バスタブ16内で湯につかっている人17に対して、シャワをジェットバスやジャグジーバスのように湯を噴出させて使用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】シャワヘッドホルダの斜視図である。
【図2】シャワヘッドホルダの正面図である。
【図3】シャワヘッドが装着された状態のシャワヘッドホルダの斜視図である。
【図4】シャワヘッドホルダを載置した状態のバスルーム内の斜視図である。
【図5】磁気活水装置が埋め込まれたシャワヘッドホルダのブラケットの右側面を省略した右側面図である。
【図6】シャワヘッドホルダをバスタブ内に沈めての使用例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0027】
1 ベース板(ベース)
4 ホルダ
9 シャワヘッド
11 バスタブ(浴槽)
12 バスルーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バスルーム(12)内で固定場所を移動可能に載置されるベース(1)と、該ベース(1)に取り付けられ、シャワヘッド(9)が着脱自在に装着されるホルダ(4)とを備え、シャワヘッド(9)から湯水を噴出させた際に、湯水の反力に対して上記ベース(1)の移動を規制する固定手段を備えてなる移動式のシャワヘッドホルダ。
【請求項2】
ホルダ(4)をベース(1)に対して上下揺動自在に取り付け、ホルダ(4)側とベース(1)側との間に、ホルダ(4)の揺動位置を位置決めする揺動位置決め手段を設けた請求項1の移動式のシャワヘッドホルダ。
【請求項3】
ホルダ(4)をベース(1)に対して旋回可能に取り付け、ホルダ(4)側とベース(1)側との間に、ホルダ(4)の旋回位置を位置決めする旋回位置決め手段を設けた請求項1の移動式のシャワヘッドホルダ。
【請求項4】
ベース(1)とホルダ(4)のユニットが、湯を張った浴槽(11)内に、浴槽(11)の底面にベース(1)が接するように沈む重量を備え、固定手段が浴槽(11)内においてシャワヘッド(9)から湯水を噴出させた際に上記ベース(1)の移動を規制する手段である請求項1又は2又は3の移動式のシャワヘッドホルダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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