説明

移動式真空仮設トイレ

【課題】 多人数が使用する従来の仮設トイレは、肥溜め方式の為、トイレの便器や「し尿」の貯留部より臭気が拡散した。その為、仮設トイレ周辺の衛生環境が悪化し、使用不可のケースも発生した。
バイオトイレは、少人数で使用すれば臭気の拡散は少ないが、多人数で使用すると、処理能力が小さい為、生物分解が不可能となり、トイレ周辺の衛生環境が悪化し、使用不可のケースも発生した。
【解決手段】 上記の課題を解決する為、本発明は、トイレの便器を真空式とし臭気の拡散を防止し、「し尿」の貯留部を密閉式とし、排気部に脱臭装置を設置する事により臭気の拡散を防止した。又、トイレの便器を真空式にする事により、洗浄水量を削減し、多人数が使用する「し尿」の貯留部を小型化した。この事により、多人数で使用する衛生的な仮設トイレを可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、陸上、又は、海上の任意な場所に衛生的な移動可能な真空仮設トイレを設置する技術である。
【背景技術】
【0002】
多人数の使用を可能とする仮設トイレは、肥溜め方式が採用されている。肥溜めに溜まった「し尿」は、貯留、地下浸透、又は、くみ取りにより除去し、長期間の使用を可能とする。
少人数の使用する仮設トイレは、バイオトイレが使用される。「し尿」は便器下部のバイオ部分で分解され、長期間の使用を可能とする。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
多人数が使用する従来の仮設トイレは、肥溜め方式の為、トイレの便器や「し尿」の貯留部より臭気が拡散した。その為、仮設トイレ周辺の衛生環境が悪化し、使用不可のケースも発生した。
バイオトイレは、少人数で使用すれば臭気の拡散は少ないが、多人数で使用すると、処理能力が小さい為、生物分解が不可能となり、トイレ周辺の衛生環境が悪化し、使用不可のケースも発生した。
【課題を解決するための手段】
【0004】
仮設トイレを多人数が使用すると[0003]の課題が発生する。
本発明は、トイレの便器を真空式とし臭気の拡散を防止した。又、「し尿」の貯留部を密閉式とし、排気部に脱臭装置を設置する事により臭気の拡散を防止した。その他、トイレの便器を真空式とし、便器で使用する洗浄水量を削減し、多人数が使用する「し尿」の貯留部を小型化した。この事により、多人数で使用する衛生的な仮設トイレを可能とした。
【発明の実施形態】
【0005】
次に本発明の実施形態について説明する。
真空式仮設トイレユニット(1)の実施を図1に示す。真空式仮設トイレユニット(1)は、真空式便器(2)、貯留槽(3)、脱臭装置(4)、真空ポンプ(5)、給水タンク(6)、真空破壊弁(7)、により構成される。これらの構成品は配管で接続されている。
「し尿」は真空式便器(2)により集められる。真空式便器(2)は、使用後、洗浄スイッチを操作する事により、排出された「し尿」が洗浄水と共に、真空度を有する貯留槽(3)へ移送されるトイレを意味する。
真空式便器(2)の洗浄に使用する洗浄水は給水タンク(3)内に貯水しておく。真空式便器(2)を使用可能にする為、貯留槽(3)内は適当な真空度を真空ポンプ(5)により保つ。真空ポンプ(5)の排気は、脱臭装置(4)を通過する事により臭気が除去される。貯留槽(3)が満杯になると、真空破壊弁(7)で貯留槽(3)内の真空度を除去し、貯留槽(3)内に集められた「し尿」は、バキュウム車、ポンプ圧送、自然流下により真空式仮設トイレユニット(1)の外へ搬出される。
真空式便器(2)の洗浄水量は従来の水洗便器に比べて少ないので、貯留槽(3)の容量が小さくても、トイレの使用回数を多くする事が可能となる。この事により、移動真空式仮設トイレが可能となる。
真空式仮設トイレユニット(1)を自走式トレーラー、又は牽引式トレーラーに設置する事により、陸上部での移動が可能となる。真空式仮設トイレユニット(1)を自動船、又は牽引船に設置すれば、河川、湖沼、海上部での移動が可能となる。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、多人数が使用できる衛生的かつ尊厳ある仮設トイレが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】は真空式仮設トイレの例を示す。
【符号説明】
(1)は真空式仮設トイレユニット(2)は真空式便器、(3)は貯留槽、(4)は脱臭装置、(5)は真空ポンプ、(6)は給水タンク、(7)は真空破壊弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本発明は、陸上を移動可能な車体、又は、海上を移動可能な船体に、複数以上の真空式便器と、真空式便器を洗浄する給水タンク、真空式便器と配管で接続された1槽又は複数槽の集泥槽と、集泥槽を真空にする真空ポンプと脱臭装置、集泥槽の真空度を破壊する真空破壊弁を具備した移動真空式仮設トイレ。

【図1】
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【公開番号】特開2013−29006(P2013−29006A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176373(P2011−176373)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(511197578)
【出願人】(511197316)
【Fターム(参考)】