説明

移動情報端末、操作状態判定方法、プログラム

【課題】ユーザの把持特徴の個人差に左右されず、高い精度でユーザの操作状態が片手操作、両手操作の何れであるかを判定することができる移動情報端末を提供する。
【解決手段】把持圧力分布を取得する圧力センサアレイと、圧力センサアレイを構成する圧力センサ毎に把持圧力の時系列変化を記録する把持圧ロガーと、圧力センサ毎の把持圧力の時系列変化を取得して、何れかの圧力センサにおいて、把持圧力の単位時間当たりの変動量が所定の値を超えるか否かを判定する把持圧変動量算出手段を備える把持圧変動点検出部と、何れかの圧力センサにおいて、把持圧力の単位時間当たりの変動量が所定の値を超える場合に、移動情報端末のユーザの当該移動情報端末の操作状態を片手操作と判定する操作状態判定部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は移動情報端末が把持されたときの把持特徴からユーザの操作状態(片手/両手操作など)を判定する移動情報端末、操作状態判定方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザインターフェースとしてタッチパネルを備える移動情報端末が使われ始めている。タッチパネルを採用した移動情報端末においては、ユーザは画面に指を触れたり滑らせたりすることにより、直感的に移動情報端末の操作を行うことができる。さらに、近年の移動情報端末は、内部に加速度センサを内蔵するものも多く、このような移動情報端末では、加速度センサが検知した重力方向に合わせて表示画面の表示方向を自動で切り替えることができる。このため、ユーザは状況に応じて移動情報端末を様々な把持状態、操作状態で用いることができる。例えばユーザは右手で移動情報端末を把持したまま右手指(主に右手親指)のみで操作したり、左手で移動情報端末を把持したまま左手指(主に左手親指)のみで操作したり、右手で移動情報端末を把持したまま左手指(主に左手人指し指)のみで操作したり、左手で移動情報端末を把持したまま右手指(主に右手人指し指)のみで操作したりすることができる。これ以外にも、ユーザは例えば移動情報端末を把持せずに、台の上などにおいて右手指、もしくは左手指で操作することもできるし、両手で移動情報端末を把持したまま、両手指(主に両手親指)で操作することも可能である。
【0003】
このように移動情報端末の把持状態、操作状態について様々なバリエーションが生じているにもかかわらず、従来の移動情報端末は各把持状態および各操作状態に適した画面表示を行うことが出来ない。例えば、右(左)手で把持したまま右(左)手親指でタッチパネルを操作しようとする(以下、この操作方法を片手操作という)とき、タッチパネルの右上隅や左下隅、左上隅や右下隅に当該右(左)手親指では押下しにくい領域が生じる。この領域にアイコン、リンク先などが表示されている場合、ユーザはこの領域上に表示されたアイコン、リンク先を片手操作のまま押下することは困難であった。例えば、移動情報端末のユーザが電車内で立ったまま移動情報端末を操作しようとするとき、ユーザは電車の揺れに備えて片方の手で電車のつり革、もしくは手すりを把持したまま、もう一方の手で移動情報端末を片手操作しようとすると考えられる。上記のようにタッチパネル上の右(左)手親指では押下しにくい領域内に、ユーザが押下したいアイコン、リンク先などが表示されている場合、ユーザはこの操作を次回の電車停車時まで我慢して、電車停車時に両手を用いて移動情報端末の操作を行うか、あるいは電車走行時に吊革や手すりなどの把持を一旦中断して、一時的に両手を用いて移動情報端末の操作を行うしかない。電車走行時に吊革や手すりなどを把持しない場合、電車が大きく揺れた場合には、ユーザはバランスを崩して転倒するかもしれない。また電車が込み合っている場合には他の乗客とぶつかったり、他の乗客の足を踏んでしまったりして危険である。また例えば、ユーザが背負うことのできない荷物を片手に持ったまま、もう一方の手で移動情報端末を操作しようとしている時も同様の不便が生じる。この場合、ユーザは一旦荷物を地面に下ろしてから移動情報端末の操作を行う必要があった。
【0004】
特許文献1の携帯端末は、筐体の左縁上側に配置されたタッチセンサ(以下、左センサという)、筐体の右縁上側に配置されたタッチセンサ(以下、右センサという)を用いて、左右センサにおける親指の検知状態、およびタッチパネルの検知状態を用いて、現在のユーザの保持状態が左片手操作/右片手操作/両手操作の何れであるかを管理することにより、上記課題を解決している。具体的には、(左センサ、右センサ、タッチパネル)の検知状態を○=検知、×=不検知で表すものとすると、例えば、左右センサ、タッチパネルの何れも不検知となる場合は(左センサ、右センサ、タッチパネル)=(×、×、×)と表すことができる。ここで、初期状態(1)をユーザが携帯端末を把持しておらず、かつタッチパネルに触れていない状態と定義すると、初期状態(1)は(×、×、×)と表すことができる。この初期状態(×、×、×)から状態(○、×、×)への変化を検知すると、左手親指が携帯端末の筐体左縁上側に添えられていると判断して、左片手保持状態(2)に遷移する。左片手保持(2)の状態(○、×、×)から状態(×、×、×)への変化を検知すると、親指が動いてタッチパネルに触れる寸前であると判断して、左片手操作前(3)の状態に遷移する。そして左片手操作前(3)の状態(×、×、×)から状態(×、×、○)を検知すると、親指でタッチパネルを触れたものと判断して、左片手操作後(4)の状態に遷移する。また、左片手保持(2)の状態(○、×、×)から状態(○、×、○)への変化を検知すると、左片手で保持したまま、右手指でタッチパネルを操作したものと判断して、左保持右操作(5)の状態に遷移する。
【0005】
右手の場合も同様である。初期状態(×、×、×)から状態(×、○、×)への変化を検知すると、右手親指が携帯端末の筐体右縁上側に添えられていると判断して、右片手保持状態(6)に遷移する。右片手保持(6)の状態(×、○、×)から状態(×、×、×)への変化を検知すると、親指が動いてタッチパネルに触れる寸前であると判断して、右片手操作前(7)の状態に遷移する。そして右片手操作前(7)の状態(×、×、×)から状態(×、×、○)を検知すると、親指でタッチパネルを触れたものと判断して、右片手操作後(8)の状態に遷移する。また、右片手保持(6)の状態(×、○、×)から状態(×、○、○)への変化を検知すると、右片手で保持したまま、左手指でタッチパネルを操作したものと判断して、右保持左操作(9)の状態に遷移する。このようにして、特許文献1の携帯端末は現在のユーザの保持状態が左片手操作/右片手操作/両手操作の何れであるかを管理して、何れの保持状態においても操作がし易いようにタッチパネルにおける操作ボタンの配置を変更する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−169820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の携帯端末により、現在のユーザの保持状態を管理しようとする場合、以下の問題が生じる。第一の問題は、特許文献1の携帯端末はユーザの把持の仕方に個人差があることを考慮していない点である。このため、特許文献1の携帯端末ではユーザの保持状態を管理について一定以上の精度を出すことができないと考えられる。例えば、左保持右操作(9)の状態では、ユーザは必ずしも携帯端末の筐体左縁上側に左手親指を添えるとは限らない。ユーザは左手親指を携帯端末の筐体左縁上側に添えずに、ユーザの顔面に親指先端が近付く方向に親指を回転させて、親指の付け根で筐体左縁中央部を押さえるかもしれない。ユーザが携帯端末の下のほうを持つ場合には、筐体左縁上側に配置された左センサの検知結果は不検知となるかもしれない。この場合、特許文献1の携帯端末では正しくユーザの保持状態を管理できず、各保持状態に適した操作ボタンの配置変更を行うことができない。
【0008】
第二の問題は、左センサ、右センサ、タッチパネルが示す一つの検知状態が意味するユーザの保持状態が遷移のルート如何によって複数あることである。例えば検知状態(×、×、×)は遷移ルートにより、初期状態(1)、左片手操作前(3)、右片手操作前(7)の何れかの保持状態として管理される。例えば、特許文献1の携帯端末により検知状態(×、×、×)が左片手操作前(3)であると判別されたが、実はこの判別結果が誤判別であって、実際には右片手操作前(7)が正解であったとする。このとき、特許文献1の携帯端末は、その後に状態(×、×、○)への遷移が起こった場合には、遷移後の保持状態を左片手操作後(4)の状態であると誤判別してしまう。実際には、右片手操作前(7)から状態(×、×、○)への遷移であるから、右片手操作後(8)の状態に遷移したと判別するのが正解である。このように、誤判別の結果である左片手操作後(4)の状態からその後の遷移先での判別については、さらに誤判別が繰り返される。従って、特許文献1の携帯端末においてはユーザの保持状態の判別フローの何処か一カ所で判別誤りが起こった場合、その後の遷移による判別結果は全て誤りとなってしまう。このように誤った判別結果に基づいて、タッチパネルの操作ボタンの配置変更を行うことは却ってユーザに煩わしさを感じさせ、ユーザの不便を増大させてしまうために問題である。そこで、本発明ではユーザの把持特徴の個人差に左右されず、高い精度でユーザの操作状態が片手操作、両手操作の何れであるかを判定することができる移動情報端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の移動情報端末は、圧力センサアレイと、把持圧ロガーと、把持圧変動点検出部と、操作状態判定部とを備える。把持圧変動点検出部は、把持圧変動量算出手段を備える。把持圧ロガーは、圧力センサアレイを構成する圧力センサ毎に把持圧力の時系列変化を記録する。把持圧変動量算出手段は、圧力センサ毎の把持圧力の時系列変化を取得して、何れかの圧力センサにおいて、把持圧力の単位時間当たりの変動量が所定の値を超えるか否かを判定する。操作状態判定部は、何れかの圧力センサにおいて、把持圧力の単位時間当たりの変動量が所定の値を超える場合に、移動情報端末のユーザの当該移動情報端末の操作状態を片手操作と判定する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の移動情報端末によれば、ユーザの把持特徴の個人差に左右されず、高い精度でユーザの操作状態が片手操作、両手操作の何れであるかを判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】縦表示の場合の片手操作と両手操作の把持特徴の違いを比較する図。
【図2】横表示の場合の片手操作と両手操作の把持特徴の違いを比較する図。
【図3】片手操作時の把持圧変動について説明する図。
【図4】全ての実施例の携帯端末が備える圧力センサアレイについて例示する図。
【図5】把持圧変動点の位置と操作状態の関係を説明する図。
【図6】把持圧変動点の位置と画面方向と操作状態の関係を説明する図。
【図7】画面方向未知の場合に把持圧変動点から定まる配置領域について例示する図。
【図8】画面方向既知の場合に把持圧変動点から定まる配置領域について例示する図。
【図9】把持圧変動点の違いによる配置領域の変化について例示する図。
【図10】タッチパネルロガーが記録するログを例示する図。
【図11】操作可能オブジェクトの最適配置について例示する図。
【図12】実施例1に係る携帯端末の構成を示すブロック図。
【図13】実施例1に係る携帯端末の動作を示すフローチャート。
【図14】実施例2に係る携帯端末の構成を示すブロック図。
【図15】実施例2に係る携帯端末の動作を示すフローチャート。
【図16】実施例3に係る携帯端末の構成を示すブロック図。
【図17】実施例3に係る携帯端末の動作を示すフローチャート。
【図18】実施例4に係る携帯端末の構成を示すブロック図。
【図19】実施例4に係る携帯端末の動作を示すフローチャート。
【図20】実施例5に係る携帯端末の構成を示すブロック図。
【図21】実施例5に係る携帯端末の動作を示すフローチャート。
【図22】実施例6に係る携帯端末の構成を示すブロック図。
【図23】実施例6に係る携帯端末の動作を示すフローチャート。
【図24】実施例7に係る携帯端末の構成を示すブロック図。
【図25】実施例7に係る携帯端末の動作を示すフローチャート。
【図26】実施例8に係る携帯端末の構成を示すブロック図。
【図27】実施例8に係る携帯端末の動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
<用語の説明>
[移動情報端末]
移動情報端末を具体化する機器の例として携帯端末、PDA、携帯ゲーム機、電子手帳、電子書籍専用端末などがある。ただし、これら列挙した機器に限らず(1)把持しながら使用する機器であり使用時に把持圧力を取得でき、(2)片手操作と両手操作のいずれでも操作可能であり、(3)タッチパネルを具備する機器であればどんなものでも本発明の移動情報端末とすることができる。実施例における説明では携帯端末を具体例として詳細に説明する。
【0013】
[片手操作/両手操作]
移動情報端末を右手で把持したまま右手親指でタッチパネルを操作する場合、左手で把持したまま左手親指でタッチパネルを操作する場合をいずれも片手操作と呼ぶ。また、移動情報端末を右手で把持したまま左手指でタッチパネルを操作する場合、左手で把持したまま右手指でタッチパネルを操作する場合をいずれも両手操作と呼ぶ。
[表示方向/画面方向]
移動情報端末の画面長手方向を上下方向として表示するか、左右方向として表示するかで区別される表示の方向を表示方向と呼ぶ。また、移動情報端末の画面の天地の方向を画面方向、または天地の方向と呼ぶ。
【0014】
[縦表示/横表示]
移動情報端末の表示方向が画面長手方向を上下方向とする向きである場合を縦表示と呼ぶ。また、移動情報端末の表示方向が画面長手方向を左右方向とする向きである場合を横表示と呼ぶ。
[操作指]
移動情報端末のタッチパネルに接触して、移動情報端末を操作する指を操作指と呼ぶ。
[変動ポイント]
後述する全ての実施例に登場する把持圧変動量算出手段が算出した把持圧力の単位時間当たりの変動量が所定の値を超えている圧力センサの移動情報端末における位置を変動ポイントと呼ぶ。
【0015】
[変動回数/変動回数超過ポイント]
後述する実施例2、4、6、7、8に登場する変動回数カウント手段がカウントする所定時間内の変動ポイントの発生回数を変動回数と呼ぶ。また、この変動回数が所定回数を超える圧力センサの移動情報端末における位置を変動回数超過ポイントと呼ぶ。
[把持圧変動点]
前述の変動ポイントと変動回数超過ポイントを総称する場合には把持圧変動点と呼ぶ。
[操作可能オブジェクト]
移動情報端末の表示画面に表示され、ユーザが操作可能なオブジェクトを総称する。具体的にはアイコン、リンク先、キーボードなどである。
【0016】
<片手操作と両手操作の把持特徴の違い>
上述のとおり、本発明の移動情報端末は携帯端末に限らず、様々な機器とすることができるが、説明の分かりやすさのために、本発明の全ての実施例においてタッチパネルを備える携帯端末を例示して説明を行う。まず、図1、図2、図3を参照して、タッチパネルを備える携帯端末をユーザが把持するときのユーザの左手指の状態について説明する。図1は縦表示の場合の片手操作と両手操作の把持特徴の違いを比較する図である。図2は横表示の場合の片手操作と両手操作の把持特徴の違いを比較する図である。図3は片手操作時の把持圧変動について説明する図である。図1(a)は縦表示/左手把持/右手操作を行う場合の左手の様子を表したものである。図1(b)は縦表示/左手把持/左手操作を行う場合の左手の様子を表したものである。図1(a)、図1(b)を比較すると、左手の人差し指、中指、薬指、小指の把持位置にはあまり違いがないが、親指の位置については大きく異なることが分かる。つまり図1(a)のように縦表示/左手把持/右手操作を行う場合は、右手指の操作を妨げないように、あるいはユーザが表示画面を読み難くならないように、ユーザの左手親指は表示画面と重ならないような位置に逃れている。これに対して、図1(b)のように縦表示/左手把持/左手操作を行う場合は、ユーザ所望の操作可能オブジェクトの押下を行うため、ユーザの左手親指はタッチパネルの中ほどで待機している。これはもちろん画面方向が横方向である場合にも全く同様である(図2参照、図2(a)は横表示/左手把持/右手操作を行う場合の左手の様子、図2(b)は横表示/左手把持/左手操作を行う場合の左手の様子)。片手操作時には、両手操作時には見られない固有の特徴を見ることができる。図3(a)は縦表示/左手把持/左手操作を行う場合の操作指(左手親指)の反時計回り方向の可動域限界の状態を示す図である。図3(b)は縦表示/左手把持/左手操作を行う場合の操作指(左手親指)の時計回り方向の可動域限界の状態を示す図である。なお、図3(a)(b)ともにユーザが楽に動かすことができる範囲を可動域とした場合を示す。ユーザが図3(a)(b)のように操作指(左手親指)を動かすことができる場合、図3(c)に示すように、操作指(左手親指)の先端部は親指の付け根と携帯端末の縁部との接触点を中心として円弧様の軌跡を描くことが分かる。そして、左手親指の付け根と携帯端末の縁部との接触点付近(図3(c)の破線で囲んだ楕円領域)の把持圧力は、操作指(左手親指)の回転、押下動作に伴って時々刻々と変動することが分かる。一方、図1(a)、図2(a)を参照すれば分かるように両手操作の場合には、前述の図3(c)の破線で囲んだ楕円領域に限らず、携帯端末のいずれの領域においても大きな把持圧変動は生じない。このことから、携帯端末の縁部の何れかの領域で所定の値を超過して把持圧変動が生じている場合にはユーザの操作状態を片手操作状態と判定し、携帯端末の縁部の何れの領域でも所定の値を超過して把持圧変動が生じていない場合には両手操作状態であると判定することができる。また、所定時間内に携帯端末の縁部の何れかの領域で前述の把持圧変動が生じた回数(変動回数)が多い場合には、ユーザの操作状態を片手操作状態と判定し、所定時間内に携帯端末の縁部の何れかの領域で変動回数が少ない場合には、ユーザの操作状態を両手操作状態と判定してもよい。本発明ではこの点に着目して、高い精度でユーザの操作状態が片手操作、両手操作の何れであるかの判定を実現した。
【0017】
<圧力センサアレイ11>
次に、図4を参照して本発明の全ての実施例の携帯端末10〜80が備える圧力センサアレイ11について説明する。図4は全ての実施例の携帯端末10〜80が備える圧力センサアレイ11について例示する図である。図4はあくまで例示であるため、本発明で用いられる圧力センサアレイ11の配置位置について何ら限定するものではない。しかしながら、本発明で用いられる圧力センサアレイ11は、片手操作時の操作指(親指)の付け根と端末縁部との接触位置において把持圧変動を計測出来る必要があることから、端末の全ての辺縁部に均等に配置されていることが望ましい。例えば図4の例では、携帯端末10〜80が備える圧力センサアレイ11は携帯端末上端辺に配置された圧力センサアレイU、携帯端末左端辺に配置された圧力センサアレイL、携帯端末右端辺に配置された圧力センサアレイR、携帯端末下端辺に配置された圧力センサアレイBにより構成される。圧力センサアレイUは4つの圧力センサ11−U1、11−U2、11−U3、11−U4にて構成される。圧力センサアレイLは7つの圧力センサ11−L1、11−L2、11−L3、11−L4、11−L5、11−L6、11−L7にて構成される。圧力センサアレイRは7つの圧力センサ11−R1、11−R2、11−R3、11−R4、11−R5、11−R6、11−R7にて構成される。圧力センサアレイBは4つの圧力センサ11−B1、11−B2、11−B3、11−B4にて構成される。このように、携帯端末10〜80が圧力センサアレイ11を備えることにより、例えば前述の図3(c)の破線楕円領域に大きな把持圧変動が生じている場合に、この把持圧変動を圧力センサアレイ11−L5、11−L6などで観測することができる。右手把持右手操作による片手操作の場合は例えば、圧力センサ11−R5、11−R6などに把持圧変動が観測される。
【0018】
<把持圧ロガー12の動作>
次に、本発明の全ての実施例の携帯端末10〜80が備える把持圧ロガー12について説明する。把持圧ロガー12は後述する操作状態の判定に用いるため、圧力センサアレイ11が備える全ての圧力センサ(11−U1〜11−U4、11−L1〜11−L7、11−R1〜11−R7、11−B1〜11−B4)について、圧力センサ毎に、観測された値を時系列データとして記録する。
【0019】
<把持圧変動量算出手段13aの動作>
次に、本発明の全ての実施例の携帯端末10〜80が備える把持圧変動量算出手段13aについて説明する。上述の把持圧ロガー12に圧力センサ毎に記録される把持圧の時系列データから、最も簡明に片手操作/両手操作の別を判定する方法として、何れかの圧力センサにおいて、急峻な把持圧変動があるか否かにより判定する方法が考えられる。把持圧変動量算出手段13aは、この急峻な把持圧変動の有無を検出するための構成部である。具体的には、把持圧変動量算出手段13aは、把持圧ロガー12から圧力センサ毎の把持圧力の時系列変化を取得して、何れかの圧力センサにおいて、把持圧力の単位時間当たりの変動量が所定の値を超えるか否かを判定する。把持圧力の単位時間当たりの変動量としては、把持圧力の時系列データの一次微分値を用いることができる。
【0020】
<変動回数カウント手段23bの動作>
次に、本発明の実施例2、4、6、7、8の携帯端末20、40、60、70、80が備える変動回数カウント手段23bについて説明する。上述の把持圧ロガー12に圧力センサ毎に記録される把持圧の時系列データから、片手操作/両手操作の別を判定する方法として、何れかの圧力センサにおいて、所定時間内に急峻な把持圧変動が何回観測されたかにより判定する方法が考えられる。変動回数カウント手段23bは、この所定時間内の急峻な把持圧変動の出現回数をカウントするための構成部である。具体的には、変動回数カウント手段23bは、所定の時間区間ごとに把持圧力の単位時間当たりの変動量が所定の値を超えた回数(変動回数)をカウントする。
【0021】
<操作状態判定部14、24の動作原理>
次に、実施例1、2、5、6における携帯端末10、20、50、60が備える操作状態判定部14、24の動作原理について図5を参照して説明する。図5は把持圧変動点の位置と操作状態の関係を説明する図である。図5(a)では表示方向が縦表示の場合であって片手操作の場合に把持圧変動が観測される可能性がある圧力センサを黒四角で表示している。図5(b)では表示方向が横表示の場合であって片手操作の場合に把持圧変動が観測される可能性がある圧力センサを黒四角で表示している。例えば、図5(a)では、左右7つずつ計14個の圧力センサ(11−L1〜11−L7、11−R1〜11−R7)が黒四角で表されている。これら黒四角で表した圧力センサのうち、例えば圧力センサ11−L1、11−L2などは、一見操作指である親指の付け根と接触する部分としては上に位置しすぎているようにも思われる。しかしユーザが携帯端末の画面方向の天地を逆さ(紙面下方向を天の方向とする向き)にして用いる場合であって、右手把持/右手操作を行う場合には、前述の圧力センサ11−L1、11−L2などが操作指である右手親指の付け根と接触する可能性がある。同様に、ユーザが携帯端末の画面方向の天地を逆さ(紙面下方向を天の方向とする向き)にして用いる場合であって、左手把持/左手操作を行う場合には、圧力センサ11−R1、11−R2などが操作指である左手親指の付け根と接触する可能性がある。横表示の場合である図5(b)においても同様である。このように、ユーザが片手操作を行っている場合には、携帯端末の上下左右端辺の圧力センサの何れかにおいて必ず把持圧変動が観測される。一方、ユーザが両手操作を行っている場合には、携帯端末の上下左右端辺の圧力センサの何れにおいても把持圧変動が観測されない。実施例1、2、5、6における携帯端末10、20、50、60が備える操作状態判定部14、24は、上下左右端辺の何れかの圧力センサにおいて、把持圧力の単位時間当たりの変動量が所定の値を超える場合に、操作状態を片手操作と判定する。一方、操作状態判定部14、24は、上下左右端辺何れの圧力センサにおいても、把持圧力の単位時間当たりの変動量が所定の値を超えない場合に、操作状態を両手操作と判定する。
【0022】
<操作状態判定部34、44の動作原理>
次に、実施例3、4、7、8における携帯端末30、40、70、80が備える操作状態判定部34、44の動作原理について図6を参照して説明する。図6は把持圧変動点の位置と画面方向と操作状態の関係を説明する図である。図6(a)は表示方向が縦表示であって、かつ画面方向は紙面上側方向を天の方向とし、左手把持/左手操作の状態である場合に把持圧変動が観測される可能性がある圧力センサを黒四角で表示している。図6(b)は表示方向が縦表示であって、かつ画面方向は紙面上側方向を天の方向とし、右手把持/右手操作の状態である場合に把持圧変動が観測される可能性がある圧力センサを黒四角で表示している。図6(c)は表示方向が横表示であって、かつ画面方向は紙面向かって右側方向を天の方向とし、左手把持/左手操作の状態である場合に把持圧変動が観測される可能性がある圧力センサを黒四角で表示している。図6(d)は表示方向が横表示であって、かつ画面方向は紙面向かって右側方向を天の方向とし、右手把持/右手操作の状態である場合に把持圧変動が観測される可能性がある圧力センサを黒四角で表示している。一方、前記同様、ユーザが両手操作を行っている場合には、携帯端末の上下左右端辺の圧力センサの何れにおいても把持圧変動が観測されない。このように、画面方向(天地の方向)が特定できており、かつ把持圧変動が観測された圧力センサの位置(把持圧変動点)がどの端辺に位置するかが特定できている場合には、携帯端末30、40、70、80が備える操作状態判定部34、44は、これら2つの情報(天地の方向、把持圧変動点の位置)を用いてユーザの操作状態が片手操作であるか両手操作であるかを判定するだけでなく、片手操作の場合には、それが左手把持/左手操作であるのか右手把持/右手操作であるのかをも判定することができる。具体的には、携帯端末30、40、70、80が備える操作状態判定部34、44は、画面方向(天地の方向)を基準として携帯端末30、40、70、80の右端辺に把持圧変動点が存在する場合には、操作状態を右手把持右手操作と判定し、画面方向(天地の方向)を基準として携帯端末30、40、70、80の左端辺に把持圧変動点が存在する場合には、操作状態を左手把持左手操作と判定する。一方、携帯端末30、40、70、80の何れの端辺においても把持圧変動点が存在しない場合には、操作状態を両手操作と判定する。
【0023】
<配置領域取得部51の動作原理>
次に、実施例5、6における携帯端末50、60が備える配置領域取得部51の動作原理について図7を参照して説明する。図7は画面方向(天地の方向)未知の場合に把持圧変動点から定まる配置領域について例示する図である。図7(a)は、左手把持/左手操作の場合の操作指(左手親指)による操作可能範囲を例示する図である。操作可能範囲は、把持圧変動点を基準点にして求めることができる。例えば、操作可能範囲は把持圧変動点を中心とした反時計回り方向および時計回り方向の操作指の可動角度内であって、操作指により楽に押下することができるようにあらかじめ定めた一定の幅を有する円環状領域として定めることができる。親指の可動角度は個人差もあるが、凡そ90°程度とすることができる。円環状領域の円環幅については、指の長さの個人差もあるので、手の小さな人が押下可能な領域と、手が大きい人が押下可能な領域とが重なり合うような適切な値を設定することが望ましい。図7(b)は、図7(a)と同じ位置に把持圧変動点が生じる場合であって、ユーザが天地を逆さ(紙面下方向を天の方向とする向き)にして使用しており、かつ右手把持/右手操作を行っている場合についての例示である。この場合、把持圧変動点は、図7(a)と同じ位置に生じるにもかかわらず、把持圧変動点を基準点にして求めることができる操作可能範囲は図7(a)の場合と異なっている。把持圧変動点と、これを基準として求まる操作可能範囲との関係が図7(a)の位置関係となるか、図7(b)の位置関係となるかは画面方向(天地の方向)が既知でなければわからない。しかしながら、天地の方向が分からない場合には図7(c)に表すように図7(a)で定まる操作可能範囲と図7(b)で定まる操作可能範囲の少なくとも何れか一方が含まれる範囲をすべて最適配置領域として取得することもできる。従って図7(c)においてドット柄で表した領域を最適配置領域とすることで、把持圧変動点の位置が確定しているが、画面方向(天地の方向)が未知である場合にも、おおよその最適配置領域を設定することができる。詳細は後述するが、実施例5、6における携帯端末50、60はいずれも画面方向取得部31を備えず、画面方向(天地の方向)を予め取得しない。このため、実施例5、6における携帯端末50、60の配置領域取得部51は操作状態判定部14、24から取得した把持圧変動点を用いて、図7(c)においてドット柄で表した領域のように図7(a)で定まる操作可能範囲と図7(b)で定まる操作可能範囲の少なくとも何れか一方が含まれる範囲をすべて最適配置領域として取得する。
【0024】
<配置領域取得部71の動作原理>
次に、実施例7における携帯端末70が備える配置領域取得部71の動作原理について図8、図9を参照して説明する。図8は画面方向(天地の方向)既知の場合に把持圧変動点から定まる配置領域について例示する図である。図9は把持圧変動点の違いによる配置領域の変化について例示する図である。図8(a)は、左手把持/左手操作の場合の操作指(左手親指)による操作可能範囲を例示する図である。操作可能範囲は、前述と同様に把持圧変動点を基準点にして求めることができ、操作可能範囲は把持圧変動点を中心とした反時計回り方向および時計回り方向の操作指の可動角度内であって、操作指により楽に押下することができるようにあらかじめ定めた一定の幅を有する円環状領域として定めることができる。図8は画面方向(天地の方向)が既知の場合であるから、図8(a)で求めた操作可能範囲をそのまま、図8(b)においてドット柄で表した領域のように最適配置領域として取得することができる。詳細は後述するが、実施例7における携帯端末70は画面方向取得部31を備えており、当該画面方向取得部31が画面方向(天地の方向)を予め取得しておく。このため、実施例7における携帯端末70の配置領域取得部71は当該画面方向(天地の方向)と、操作状態判定部44から取得した把持圧変動点を用いて図8(a)で定まる操作可能範囲をそのまま採用して、図8(b)においてドット柄で表した領域のように最適配置領域を取得する。また、言うまでもないが図9(a)、(b)に示すように、把持圧変動点の位置と、操作可能範囲(最適配置領域)の相対的位置関係は不変であるため、把持圧変動点が上下に移動すれば、操作可能範囲(最適配置領域)もこれに伴い上下動する。これについては図示を省略したが図7の場合も同様であり、把持圧変動点が上下に移動すれば、これに伴って図7(c)に示した最適配置領域も上下動する。
【0025】
<配置領域取得部81の動作原理>
次に、実施例8における携帯端末80が備える配置領域取得部81の動作原理について図10を参照して説明する。図10は実施例8の携帯端末80が備えるタッチパネルロガー82が記録するタッチパネルの操作ログを例示する図である。実施例8の携帯端末80が備えるタッチパネルロガー82は、(操作状態+画面方向)が一定となる時間区間内におけるタッチパネルの操作ログを各(操作状態+画面方向)ごとに記録する。例えば、図10(a)は、画面方向取得部31が画面方向(紙面上側方向を天の方向)を取得し、操作状態判定部44が操作状態を左手把持/左手操作と判定した場合に、この条件(左手把持/左手操作+紙面上側方向を天)を満たす時間区間内においてタッチパネルロガー82が記録したタッチパネルの操作ログを例示するものである。図10(b)は、画面方向取得部31が画面方向(紙面上側方向を天の方向)を取得し、操作状態判定部44が操作状態を右手把持/右手操作と判定した場合に、この条件(右手把持/右手操作+紙面上側方向を天)を満たす時間区間内においてタッチパネルロガー82が記録したタッチパネルの操作ログを例示するものである。図10(c)は、画面方向取得部31が画面方向(紙面向かって右側方向を天の方向)を取得し、操作状態判定部44が操作状態を左手把持/左手操作と判定した場合に、この条件(左手把持/左手操作+紙面右側方向を天)を満たす時間区間内においてタッチパネルロガー82が記録したタッチパネルの操作ログを例示するものである。図10(d)は、画面方向取得部31が画面方向(紙面向かって右側方向を天の方向)を取得し、操作状態判定部44が操作状態を右手把持/右手操作と判定した場合に、この条件(右手把持/右手操作+紙面右側方向を天)を満たす時間区間内においてタッチパネルロガー82が記録したタッチパネルの操作ログを例示するものである。なお、図中タッチパネルの操作ログは、破線の十字印で表示してある。このとき親指の大きさを考慮して、タッチパネルの操作ログである十字印を中心として所定の半径を有する円領域(図中破線で表した円)が前述の最適配置領域の一部を構成する領域であるとみなして、この円領域の少なくとも何れか一つの内部に含まれる範囲をすべて最適配置領域として取得することができる。このように実施例8における携帯端末80が備える配置領域取得部81はタッチパネルロガー82が記録したタッチパネルの操作ログに基づいて、最適配置領域を取得するため、ユーザの個人差に配慮することができ、ユーザの利便性がさらに向上する。
【0026】
<オブジェクト配置補正部53の動作>
次に、実施例5、6、7、8における携帯端末50、60、70、80が備えるオブジェクト配置補正部53の動作について図11を参照して説明する。オブジェクト配置補正部53は配置領域取得部51、71、81が取得した最適配置領域に基づいて操作可能オブジェクトの配置を補正する。前述したように操作可能オブジェクトとは携帯端末の表示画面に表示されユーザが操作可能なオブジェクトを総称する。具体的にはアイコン、リンク先、キーボードなどである。図11において破線で囲んだ領域が最適配置領域であるとすると、例えば図11(a)のように、携帯端末の画面上に配置されているクリック可能なアイコンを、最適領域内にスライドすることにより、ユーザの利便性が向上する。また例えば図11(b)のように、表示画面内のキーボードを最適配置領域内に配置しなおすことで、ユーザの文書作成やキーワード検索などを適切にサポートすることができる。また例えば図11(c)のように、ウェブブラウザにて表示中のページにリンク先が表示されている場合に、当該リンク先を、最適配置領域内に配置整列しなおすことで、ユーザはストレスなくウェブページ閲覧を継続することができる。
【実施例1】
【0027】
実施例1に係る携帯端末10について図12、13を参照して詳細に説明する。図12は本実施例に係る携帯端末10の構成を示すブロック図である。図13は本実施例に係る携帯端末10の動作を示すフローチャートである。本実施例の携帯端末10は、圧力センサアレイ11と、把持圧ロガー12と、把持圧変動点検出部13と、操作状態判定部14とを備える。把持圧変動点検出部13は、把持圧変動量算出手段13aを備える。把持圧ロガー12は、圧力センサアレイ11を構成する圧力センサ毎に把持圧力の時系列変化を記録する(S12)。把持圧変動量算出手段13aは、圧力センサ毎の把持圧力の時系列変化を取得して、何れかの圧力センサにおいて、把持圧力の単位時間当たりの変動量が所定の値を超えるか否かを判定する(SS13a)。操作状態判定部14は、何れかの圧力センサにおいて、把持圧力の単位時間当たりの変動量が所定の値を超える場合に、ユーザの携帯端末10の操作状態を片手操作と判定する(S14)。一方、操作状態判定部14は、何れの圧力センサにおいても、把持圧力の単位時間当たりの変動量が所定の値を超えない場合に、ユーザの携帯端末10の操作状態を両手操作と判定する(S14)。
【0028】
このように本実施例の携帯端末10によれば、何れかの圧力センサにおいて把持圧力が急激に変動する場合にはユーザの操作状態を片手操作と判定し、何れの圧力センサにおいても把持圧力が急激に変動しない場合にはユーザの操作状態を両手操作と判定するため、ユーザの把持特徴の個人差に左右されず、高い精度でユーザの操作状態が片手操作、両手操作の何れであるかを判定することができる。
【実施例2】
【0029】
次に、実施例1の携帯端末10の操作状態判定精度をさらに向上させた実施例2に係る携帯端末20について図14、15を参照して詳細に説明する。図14は本実施例に係る携帯端末20の構成を示すブロック図である。図15は本実施例に係る携帯端末20の動作を示すフローチャートである。本実施例の携帯端末20は、圧力センサアレイ11と、把持圧ロガー12と、把持圧変動点検出部23と、操作状態判定部24とを備える。把持圧変動点検出部23は、把持圧変動量算出手段13aと、変動回数カウント手段23bとを備える。実施例1との相違点は、実施例1の把持圧変動点検出部13が本実施例において把持圧変動点検出部23に変更され、当該把持圧変動点検出部23において変動回数カウント手段23bが追加されている点と、実施例1における操作状態判定手段14が、本実施例において操作状態判定手段24に変更されている点である。把持圧ロガー12は、圧力センサアレイ11を構成する圧力センサ毎に把持圧力の時系列変化を記録する(S12)。把持圧変動量算出手段13aは、圧力センサ毎の把持圧力の時系列変化を取得して、何れかの圧力センサにおいて、把持圧力の単位時間当たりの変動量が所定の値を超えるか否かを判定する(SS13a)。変動回数カウント手段23bは、所定の時間区間ごとに把持圧力の単位時間当たりの変動量が所定の値を超えた回数(変動回数)をカウントする(SS23b)。操作状態判定部24は、何れかの圧力センサにおいて、カウントされた変動回数が所定の値を超える時間区間について、ユーザの携帯端末20の操作状態を片手操作と判定する(S24)。一方、操作状態判定部24は、何れの圧力センサにおいても、カウントされた変動回数が所定の値を超える時間区間が存在しない場合に、ユーザの携帯端末20の操作状態を両手操作と判定する(S24)。
【0030】
このように本実施例の携帯端末20によれば、操作状態判定部24が、何れかの圧力センサにおいて所定時間内にカウントされた変動回数が所定回数を超過する場合にはユーザの操作状態を片手操作と判定し、何れの圧力センサにおいても所定時間内にカウントされた変動回数が所定回数を超過しない場合にはユーザの操作状態を両手操作と判定するため、実施例1の効果に加えて、さらに精度の高い操作状態の判定を可能とする。例えば実際には操作指の位置でない部位に、衝撃が加わることにより、衝撃を受けた部位の近傍の圧力センサが示す値が急激に変動した場合に、実施例1の携帯端末10ではこれを操作指の動作と誤判定してしまう場合があるが、本実施例の携帯端末20ではこれら圧力センサが示す値の急激な変動の回数を変動回数1回としてカウントするに過ぎず、何れかの圧力センサにおいて変動回数が所定回数を超過した場合に初めて、ユーザの操作状態を片手操作と判定するため、前述のような誤判定を相当程度減少させることができる。このように、実施例2の携帯端末20は、実施例1の携帯端末10よりもさらに高精度に操作状態の判定を行うことができる。
【実施例3】
【0031】
次に、実施例1の携帯端末10の操作状態判定機能をさらに拡張した実施例3に係る携帯端末30について図16、17を参照して詳細に説明する。図16は本実施例に係る携帯端末30の構成を示すブロック図である。図17は本実施例に係る携帯端末30の動作を示すフローチャートである。本実施例の携帯端末30は、圧力センサアレイ11と、把持圧ロガー12と、把持圧変動点検出部13と、画面方向取得部31と、操作状態判定部34とを備える。把持圧変動点検出部13は、把持圧変動量算出手段13aを備える。実施例1との相違点は、本実施例が実施例1が備えない画面方向取得部31を備える点、実施例1における操作状態判定部14が、本実施例において操作状態判定部34に変更されている点である。把持圧ロガー12は、圧力センサアレイ11を構成する圧力センサ毎に把持圧力の時系列変化を記録する(S12)。把持圧変動量算出手段13aは、圧力センサ毎の把持圧力の時系列変化を取得して、何れかの圧力センサにおいて、把持圧力の単位時間当たりの変動量が所定の値を超えるか否かを判定する(SS13a)。画面方向取得部31は、携帯端末30の画面方向(天地の方向)を取得する(S31)。操作状態判定部34は、取得された画面方向(天地の方向)と、把持圧力の単位時間当たりの変動量が所定の値を超える圧力センサの携帯端末30における位置(変動ポイント)とに基づいて、ユーザの携帯端末30の操作状態を判定する(S34)。
【0032】
このように本実施例の携帯端末30によれば、画面方向取得部31が画面方向(天地の方向)を取得し、かつ操作状態判定部34が2つの情報(天地の方向、変動ポイントの位置)を用いてユーザの操作状態が左手把持/左手操作であるのか、右手把持/右手操作であるのか、あるいは両手操作であるのかをも判定することができるため、実施例1の効果に加えて、さらに拡張された操作状態判定を行うことができる。
【実施例4】
【0033】
次に、実施例2の携帯端末20の操作状態判定機能をさらに拡張した実施例4に係る携帯端末40について図18、19を参照して詳細に説明する。図18は本実施例に係る携帯端末40の構成を示すブロック図である。図19は本実施例に係る携帯端末40の動作を示すフローチャートである。本実施例の携帯端末40は、圧力センサアレイ11と、把持圧ロガー12と、把持圧変動点検出部23と、画面方向取得部31と、操作状態判定部44とを備える。把持圧変動点検出部23は、把持圧変動量算出手段13aと、変動回数カウント手段23bとを備える。実施例2との相違点は、本実施例が実施例2が備えない画面方向取得部31を備える点、実施例2における操作状態判定部24が、本実施例において操作状態判定部44に変更されている点である。把持圧ロガー12は、圧力センサアレイ11を構成する圧力センサ毎に把持圧力の時系列変化を記録する(S12)。把持圧変動量算出手段13aは、圧力センサ毎の把持圧力の時系列変化を取得して、何れかの圧力センサにおいて、把持圧力の単位時間当たりの変動量が所定の値を超えるか否かを判定する(SS13a)。変動回数カウント手段23bは、所定の時間区間ごとに把持圧力の単位時間当たりの変動量が所定の値を超えた回数(変動回数)をカウントする(SS23b)。画面方向取得部31は、携帯端末40の画面方向(天地の方向)を取得する(S31)。操作状態判定部44は、取得された画面方向(天地の方向)と、変動回数が所定の値を超える圧力センサの携帯端末40における位置(変動回数超過ポイント)とに基づいて、ユーザの携帯端末40の操作状態を判定する(S44)。
【0034】
このように本実施例の携帯端末40によれば、画面方向取得部31が画面方向(天地の方向)を取得し、操作状態判定部44が2つの情報(天地の方向、変動回数超過ポイントの位置)を用いてユーザの操作状態が左手把持/左手操作であるのか、右手把持/右手操作であるのか、あるいは両手操作であるのかをも判定することができるため、実施例2の効果に加えて、さらに拡張された操作状態判定を行うことができる。
【実施例5】
【0035】
次に、実施例1の携帯端末10に最適配置領域取得機能、最適配置領域に基づいた操作可能オブジェクトの配置補正機能を付加した実施例5に係る携帯端末50について図20、図21を参照して詳細に説明する。図20は本実施例に係る携帯端末50の構成を示すブロック図である。図21は本実施例に係る携帯端末50の動作を示すフローチャートである。本実施例の携帯端末50は、圧力センサアレイ11と、把持圧ロガー12と、把持圧変動点検出部13と、操作状態判定部14と、配置領域取得部51と、指可動域記憶部52と、オブジェクト配置補正部53とを備える。把持圧変動点検出部13は、把持圧変動量算出手段13aを備える。実施例1との相違点は、本実施例が実施例1が備えない配置領域取得部51と、指可動域記憶部52と、オブジェクト配置補正部53とを備える点である。よって本実施例では実施例1と同一の番号を付した構成部についてはその説明を省略する。指可動域記憶部52は、操作可能範囲の形状と、当該操作可能範囲と把持圧変動点との位置関係(以下、これらを指可動域と呼ぶ)とをあらかじめ記憶しておく。操作可能範囲の形状は、例えば<配置領域取得部51の動作原理>にて説明した形状とすることができる。操作可能範囲と把持圧変動点との位置関係については、具体的には操作可能範囲の重心位置と把持圧変動点の位置との距離および、角度を記憶しておくことなどで足りる。配置領域取得部51は、操作状態判定部14が取得した変動ポイントと、指可動域記憶部52が記憶する指可動域とを取得して、最適配置領域を取得する(S51)。オブジェクト配置補正部53は、取得された最適配置領域に基づいて、操作可能オブジェクトの配置を補正する(S53)。
【0036】
このように本実施例の携帯端末50によれば、配置領域取得部51が最適配置領域を取得して、オブジェクト配置補正部53が取得された最適配置領域に基づいて、操作可能オブジェクトの配置を補正するため、実施例1の効果に加えて、常にユーザが操作しやすい位置に操作可能オブジェクトを配置することができるため、さらにユーザの利便性が向上する。
【実施例6】
【0037】
次に、実施例2の携帯端末20に最適配置領域取得機能、最適配置領域に基づいた操作可能オブジェクトの配置補正機能を付加した実施例6に係る携帯端末60について図22、図23を参照して詳細に説明する。図22は本実施例に係る携帯端末60の構成を示すブロック図である。図23は本実施例に係る携帯端末60の動作を示すフローチャートである。本実施例の携帯端末60は、圧力センサアレイ11と、把持圧ロガー12と、把持圧変動点検出部23と、操作状態判定部24と、配置領域取得部51と、指可動域記憶部52と、オブジェクト配置補正部53とを備える。把持圧変動点検出部23は、把持圧変動量算出手段13aと、変動回数カウント手段23bとを備える。実施例2との相違点は、本実施例が実施例2が備えない配置領域取得部51と、指可動域記憶部52と、オブジェクト配置補正部53とを備える点である。よって本実施例では実施例2と同一の番号を付した構成部についてはその説明を省略する。指可動域記憶部52は、操作可能範囲の形状と、当該操作可能範囲と把持圧変動点との位置関係(以下、これらを指可動域と呼ぶ)とをあらかじめ記憶しておく。操作可能範囲の形状は、例えば<配置領域取得部51の動作原理>にて説明した形状とすることができる。操作可能範囲と把持圧変動点との位置関係については、具体的には操作可能範囲の重心位置と把持圧変動点の位置との距離および、角度を記憶しておくことなどで足りる。配置領域取得部51は、操作状態判定部24が取得した変動回数超過ポイントと、指可動域記憶部52が記憶する指可動域とを取得して、最適配置領域を取得する(S51)。オブジェクト配置補正部53は、取得された最適配置領域に基づいて、操作可能オブジェクトの配置を補正する(S53)。
【0038】
このように本実施例の携帯端末60によれば、配置領域取得部51が最適配置領域を取得して、オブジェクト配置補正部53が取得された最適配置領域に基づいて、操作可能オブジェクトの配置を補正するため、実施例2の効果に加えて、常にユーザが操作しやすい位置に操作可能オブジェクトを配置することができるため、さらにユーザの利便性が向上する。
【実施例7】
【0039】
次に、実施例4の携帯端末40に最適配置領域取得機能、最適配置領域に基づいた操作可能オブジェクトの配置補正機能を付加した実施例7に係る携帯端末70について図24、図25を参照して詳細に説明する。図24は本実施例に係る携帯端末70の構成を示すブロック図である。図25は本実施例に係る携帯端末70の動作を示すフローチャートである。本実施例の携帯端末70は、圧力センサアレイ11と、把持圧ロガー12と、把持圧変動点検出部23と、画面方向取得部31と、操作状態判定部44と、配置領域取得部71と、指可動域記憶部52と、オブジェクト配置補正部53とを備える。把持圧変動点検出部23は、把持圧変動量算出手段13aと、変動回数カウント手段23bとを備える。実施例4との相違点は、本実施例が実施例4が備えない配置領域取得部71と、指可動域記憶部52と、オブジェクト配置補正部53とを備える点である。よって本実施例では実施例4と同一の番号を付した構成部についてはその説明を省略する。指可動域記憶部52は、操作可能範囲の形状と、当該操作可能範囲と把持圧変動点との位置関係(以下、これらを指可動域と呼ぶ)とをあらかじめ記憶しておく。操作可能範囲の形状は、例えば<配置領域取得部71の動作原理>にて説明した形状とすることができる。操作可能範囲と把持圧変動点との位置関係については、具体的には操作可能範囲の重心位置と把持圧変動点の位置との距離および、角度を記憶しておくことなどで足りる。配置領域取得部71は、操作状態判定部44が取得した変動回数超過ポイントと、指可動域記憶部52が記憶する指可動域とを取得して、最適配置領域を取得する(S71)。オブジェクト配置補正部53は、取得された最適配置領域に基づいて、操作可能オブジェクトの配置を補正する(S53)。
【0040】
このように本実施例の携帯端末70によれば、配置領域取得部71が最適配置領域を取得して、オブジェクト配置補正部53が取得された最適配置領域に基づいて、操作可能オブジェクトの配置を補正するため、実施例4の効果に加えて、常にユーザが操作しやすい位置に操作可能オブジェクトを配置することができるため、さらにユーザの利便性が向上する。
【実施例8】
【0041】
次に、実施例7の携帯端末70において指可動域から取得していた最適配置領域を、タッチパネルの操作ログから取得することにより、ユーザの個人差に配慮して操作可能オブジェクトの配置補正を行うことができるようにした実施例8に係る携帯端末80について図26、図27を参照して詳細に説明する。図26は本実施例に係る携帯端末80の構成を示すブロック図である。図27は本実施例に係る携帯端末80の動作を示すフローチャートである。本実施例の携帯端末80は、圧力センサアレイ11と、把持圧ロガー12と、把持圧変動点検出部23と、画面方向取得部31と、操作状態判定部44と、配置領域取得部81と、タッチパネルロガー82と、オブジェクト配置補正部53とを備える。把持圧変動点検出部23は、把持圧変動量算出手段13aと、変動回数カウント手段23bとを備える。実施例7との相違点は、実施例7における指可動域記憶部52が本実施例においてタッチパネルロガー82に変更されている点、実施例7における配置領域取得部71が本実施例において配置領域取得部81に変更されている点である。よって本実施例では実施例7と同一の番号を付した構成部についてはその説明を省略する。タッチパネルロガー82は、操作状態および画面方向(天地の方向)が一定となる時間区間内におけるタッチパネルの操作ログを各操作状態および画面方向ごとに記録する。配置領域取得部81は、タッチパネルロガー82が記録するタッチパネルの操作ログに基づいて、最適配置領域を取得する(S81)。<配置領域取得部81の動作原理>にて説明したとおり、配置領域取得部81は、親指の大きさを考慮して、タッチパネルの操作ログを中心として所定の半径を有する円領域が最適配置領域の一部を構成する領域であるとみなして、この円領域の少なくとも何れか一つの内部に含まれる範囲をすべて最適配置領域として取得することができる。
【0042】
このように、本実施例の携帯端末80によれば、タッチパネルロガー82がタッチパネルの操作ログを記録し、配置領域取得部81が当該記録された操作ログに基づいて、最適配置領域を取得するため、実施例7の効果に加えて、ユーザの個人差に配慮して操作可能オブジェクトの配置補正を行うことができ、ユーザの利便性がさらに向上する。
また、上述の各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
【0043】
また、上述の構成をコンピュータによって実現する場合、各装置が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。
【0044】
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
【0045】
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
【0046】
また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、本装置を構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持圧力分布を取得する圧力センサアレイを備える移動情報端末であって、
前記圧力センサアレイを構成する圧力センサ毎に把持圧力の時系列変化を記録する把持圧ロガーと、
前記圧力センサ毎の把持圧力の時系列変化を取得して、何れかの圧力センサにおいて、前記把持圧力の単位時間当たりの変動量が所定の値を超えるか否かを判定する把持圧変動量算出手段を備える把持圧変動点検出部と、
前記何れかの圧力センサにおいて、前記把持圧力の単位時間当たりの変動量が所定の値を超える場合に、前記移動情報端末のユーザの当該移動情報端末の操作状態を片手操作と判定する操作状態判定部と、
を備える移動情報端末。
【請求項2】
請求項1に記載の移動情報端末であって、
前記把持圧変動点検出部が、
所定の時間区間ごとに前記把持圧力の単位時間当たりの変動量が所定の値を超えた回数(以下、変動回数という)をカウントする変動回数カウント手段をさらに備え、
前記操作状態判定部が、
前記カウントされた変動回数が所定の値を超える時間区間について、前記移動情報端末のユーザの当該移動情報端末の操作状態を片手操作と判定すること
を特徴とする移動情報端末。
【請求項3】
請求項1に記載の移動情報端末であって、
前記移動情報端末の画面方向を取得する画面方向取得部をさらに備え、
前記操作状態判定部が、
前記取得された画面方向と、前記把持圧力の単位時間当たりの変動量が所定の値を超える圧力センサの移動情報端末における位置(以下、変動ポイントという)とに基づいて、前記移動情報端末のユーザの当該移動情報端末の操作状態を判定すること
を特徴とする移動情報端末。
【請求項4】
請求項2に記載の移動情報端末であって、
前記移動情報端末の画面方向を取得する画面方向取得部をさらに備え、
前記操作状態判定部が、
前記取得された画面方向と、前記変動回数が所定の値を超える圧力センサの移動情報端末における位置(以下変動回数超過ポイントという)とに基づいて、前記移動情報端末のユーザの前記時間区間における当該移動情報端末の操作状態を判定すること
を特徴とする移動情報端末。
【請求項5】
請求項3に記載の移動情報端末であって、
前記操作状態判定部が、
前記画面方向を基準として前記移動情報端末右端辺に前記変動ポイントが存在する場合には、前記移動情報端末の操作状態を右手把持右手操作と判定し、前記画面方向を基準として前記移動情報端末左端辺に前記変動ポイントが存在する場合には、前記移動情報端末の操作状態を左手把持左手操作と判定すること
を特徴とする移動情報端末。
【請求項6】
請求項4に記載の移動情報端末であって、
前記操作状態判定部が、
前記画面方向を基準として前記移動情報端末右端辺に前記変動回数超過ポイントが存在する場合には、前記時間区間における前記移動情報端末の操作状態を右手把持右手操作と判定し、前記画面方向を基準として前記移動情報端末左端辺に前記変動回数超過ポイントが存在する場合には、前記時間区間における前記移動情報端末の操作状態を左手把持左手操作と判定すること
を特徴とする移動情報端末。
【請求項7】
把持圧力分布を取得する圧力センサアレイを備える移動情報端末を用いる操作状態判定方法であって、
前記圧力センサアレイを構成する圧力センサ毎に把持圧力の時系列変化を記録する把持圧ロガーステップと、
前記圧力センサ毎の把持圧力の時系列変化を取得して、何れかの圧力センサにおいて、前記把持圧力の単位時間当たりの変動量が所定の値を超えるか否かを判定する把持圧変動量算出サブステップを有する把持圧変動点検出ステップと、
前記何れかの圧力センサにおいて、前記把持圧力の単位時間当たりの変動量が所定の値を超える場合に、前記移動情報端末のユーザの当該移動情報端末の操作状態を片手操作と判定する操作状態判定ステップと、
を有する操作状態判定方法。
【請求項8】
請求項7に記載の操作状態判定方法であって、
前記把持圧変動点検出ステップが、
所定の時間区間ごとに前記把持圧力の単位時間当たりの変動量が所定の値を超えた回数(以下、変動回数という)をカウントする変動回数カウントサブステップをさらに有し、
前記操作状態判定ステップが、
前記カウントされた変動回数が所定の値を超える時間区間について、前記移動情報端末のユーザの当該移動情報端末の操作状態を片手操作と判定すること
を特徴とする操作状態判定方法。
【請求項9】
請求項7に記載の操作状態判定方法であって、
前記移動情報端末の画面方向を取得する画面方向取得ステップをさらに有し、
前記操作状態判定ステップが、
前記取得された画面方向と、前記把持圧力の単位時間当たりの変動量が所定の値を超える圧力センサの移動情報端末における位置(以下、変動ポイントという)とに基づいて、前記移動情報端末のユーザの当該移動情報端末の操作状態を判定すること
を特徴とする操作状態判定方法。
【請求項10】
移動情報端末を請求項1から6の何れかに記載の移動情報端末として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2013−8196(P2013−8196A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140399(P2011−140399)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】